特許第6871907号(P6871907)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6871907常用ブレーキを状態監視する方法および装置ならびにブレーキおよびブレーキシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6871907
(24)【登録日】2021年4月20日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】常用ブレーキを状態監視する方法および装置ならびにブレーキおよびブレーキシステム
(51)【国際特許分類】
   B60T 17/22 20060101AFI20210510BHJP
   F16D 66/02 20060101ALI20210510BHJP
【FI】
   B60T17/22 Z
   F16D66/02 B
【請求項の数】7
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-503767(P2018-503767)
(86)(22)【出願日】2016年8月15日
(65)【公表番号】特表2018-523607(P2018-523607A)
(43)【公表日】2018年8月23日
(86)【国際出願番号】EP2016069327
(87)【国際公開番号】WO2017029256
(87)【国際公開日】20170223
【審査請求日】2018年3月23日
(31)【優先権主張番号】102015113587.6
(32)【優先日】2015年8月17日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】597166361
【氏名又は名称】クノール−ブレミゼ ジュステーメ フューア ヌッツファーツォィゲ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】KNORR−BREMSE System fuer Nutzfahrzeuge GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】ヘッカー,ファルク
(72)【発明者】
【氏名】タイル,ロベルト
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルト,アレクサンダー
【審査官】 内山 隆史
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/014450(WO,A1)
【文献】 特開2009−073475(JP,A)
【文献】 特開2005−319913(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60T 15/00 − 17/22
F16D 66/00 − 66/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの常用ブレーキ(102;302)と、該常用ブレーキ(102;302)を状態監視する装置(100)とを有する、車両のブレーキシステム(222)を運転する方法(900)であって、
a) 前記常用ブレーキ(102;302)の、圧力信号と、制御信号と、パッド摩耗信号を補足的または代替的に用いて求められた状態パラメータ(110)を、前記常用ブレーキ(102;302)を状態監視(100)する前記装置(100)のインタフェース(112)から読み込むステップ(910)と、
b) 前記状態パラメータ(110)を評価するステップ(920)であって、評価された前記状態パラメータ(110)とブレーキ要求信号とを用いてブレーキ制御信号(118)を求め、これによって、前記常用ブレーキ(102;302)の制動準備および/または所望の状態を設定する、前記状態パラメータ(110)を評価するステップ(920)と、
c) 前記常用ブレーキ(102;302)を制御するために、該常用ブレーキ(102;302)の前記ブレーキ制御信号をインタフェースにおいて供給するステップ(930)と
を有し、
前記評価するステップ(920)において、前記ブレーキ制御信号を求めて、前記車両(220)の制御される複数の常用ブレーキ(102;302)が、互いに調和された摩耗を有するようにすることを特徴とする、方法(900)。
【請求項2】
読み込まれた前記状態パラメータを特定するステップをさらに具備し、該ステップは、
a) 前記常用ブレーキ(102;302)の構成要素の、リニア型の変位検出ユニットにより検出された位置を表す位置信号(106)を読み込むステップ(810)であって、該読み込むステップにおいて、前記常用ブレーキを空圧制御する前記圧力信号と、前記常用ブレーキの前記制御信号と、前記パッド摩耗信号を補足的または代替的に読み込む、位置信号(106)を読み込むステップ(810)と、
b) 前記常用ブレーキ(102;302)の少なくとも1つの前記状態パラメータ(110)を求めるために、前記位置信号(106)を評価するステップ(820)であって、該評価するステップにおいて、前記圧力信号と、前記制御信号と、前記パッド摩耗信号を補足的または代替的に用いて前記状態パラメータを特定する、位置信号(106)を評価するステップ(820)と、
c) 前記常用ブレーキ(102;302)の前記状態パラメータ(110)をインタフェースにおいて供給するステップ(830)と
を有する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記供給するステップ(830)において、前記状態パラメータ(110)の代わりにまたは前記状態パラメータ(110)に対して付加的に、該状態パラメータ(110)を用いて特定される、調整信号としての調整量を供給することを特徴とする、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記調整量は、前記常用ブレーキ(102;302)の摩擦装置(342,344)用の応答圧および/または当付け圧に対する制御信号(118)を表すことを特徴とする、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記調整量は、前記常用ブレーキ(102;302)のアクチュエータを制御する信号を表すことを特徴とする、請求項3または4記載の方法。
【請求項6】
前記評価するステップ(820)において、前記状態パラメータ(110)は、前記常用ブレーキ(102;302)のパッド摩耗および/またはパッド膨張および/またはクリアランスおよび/または制動準備および/または欠陥情報を表すことを特徴とする、請求項1から5いずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記読み込むステップ(810)において、前記パッド摩耗信号を前記位置信号(106)によって妥当性確認することを特徴とする、請求項1から6いずれか1項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレーキを状態監視する方法および装置、ブレーキを運転する方法および装置および相応のブレーキシステムならびにブレーキおよびブレーキシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
空圧操作式のディスクブレーキは、通常、ブレーキパッドに摩耗を有している。この摩耗は、種々異なる構造形態のパッド摩耗センサによってセンシングすることができる。ブレーキの操作後、構造形態に起因して、ブレーキパッドがディスクからほんの少し戻ってしまい、これによって、過度に少ないクリアランスが生じるか、またはクリアランスは全く生じない。
【0003】
特許文献1には、電動モータ式のアクチュエータを備えたディスクブレーキにおいて、少なくとも1つのブレーキパッドの摩耗を表示する方法が開示されている。
【0004】
冒頭に記載した特許文献2には、車両ブレーキのクリアランスを求める方法と、クリアランスを求める装置を備えた車両ブレーキとが記載されている。車両ブレーキは、加圧装置と、摩耗調整装置と、加圧装置の操作ストロークを検出するセンサユニットと、車両制御システムとを有している。相応の方法は、センサユニットにより供給される操作ストロークの測定信号を、1回の制動動作中の予め規定可能な時間窓の範囲内で受信して、測定信号を1回の制動動作中の操作ストロークと時間とのデータ対として記憶する方法ステップと、時間窓における測定信号の時間に関する導関数を適切なアルゴリズムによって形成して、最大値における時点を特定する方法ステップと、このようにして特定された時点に基づきクリアランスを求めて、このようにして求められたクリアランスの値を車両制御システムに伝送する方法ステップとを有している。同方法を実施するために、車両ブレーキは、クリアランスを求める装置を備えている。
【0005】
クオリティおよび利点の維持・向上を所望しつつ、コストを削減し、更には、メンテナンスコストをも減らさなければならないという要求が常に増えていることに基づき、これに相応して、車両ブレーキのクリアランスとパッド摩耗とを求める改善された方法が必要である。クリアランスは、種々異なる外的要因により耐用年数にわたって変化してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】独国特許出願公開第102006002307号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102013012104号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の課題は、車両ブレーキの、例えばクリアランスを状態監視する改善された方法ならびに車両ブレーキを運転する方法を提供するだけでなく、この方法を実施する相応の装置も提供することである。また、改善された車両ブレーキを提供することも更なる課題である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これらの課題は、複数の独立請求項の特徴によって解決される。
【0009】
これらの特徴は、単独でも、組み合わせても、車両ブレーキの寿命または耐用期間をさらに延長し、更には、複数の車両ブレーキの摩耗を調和させて、サービスインターバルを最適に利用することができるようにすることを可能にする。
【0010】
そこで、本発明は、請求項1記載の、車両用の常用ブレーキを状態監視する方法および請求項7記載の、車両のブレーキシステムを運転する方法を提供している。
【0011】
車両、特に商用車用の常用ブレーキごとに少なくとも1つの変位検出ユニット、特にリニア型の変位検出ユニットを備える常用ブレーキを状態監視する方法は、
a) 常用ブレーキの構成要素の、リニア型の変位検出ユニットにより検出された位置、特に時間または時間経過にわたる位置を表す位置信号を読み込むステップであって、この読み込むステップにおいて付加的に、圧力信号と、補足的または代替的に制御信号と、補足的または代替的にパッド摩耗信号とを読み込む、位置信号を読み込むステップと、
b) 常用ブレーキの少なくとも1つの状態パラメータを求めるために、位置信号を評価するステップであって、この評価するステップにおいて、圧力信号と、補足的または代替的に制御信号と、補足的または代替的にパッド摩耗信号とを用いて状態パラメータを特定する、位置信号を評価するステップと、
c) 常用ブレーキの状態パラメータをインタフェースにおいて供給するステップと
を有している。
【0012】
この場合には、評価するステップにおいて、状態パラメータが、冒頭に記載した先行技術と異なり、圧力信号と、補足的または代替的に制御信号と、補足的または代替的にパッド摩耗信号とを用いて補足的に特定される。こうして、評価を改善することができる。
【0013】
車両は、商用車と解釈することもできるし、商用車用の被牽引車またはトレーラと解釈することもできる。商用車(NFZ)は、コマーシャルビークルと呼ばれることもあるし、構造形態と、人もしくは物を輸送するユニットまたは被牽引車を牽引するユニットとに従って規定された、例えばバス、トラック、牽引車、牽引機械またはクレーン車のような自動車と呼ばれることもある。変位検出ユニットは、センサと解釈することができる。変位検出ユニットは、リニア型の変位検出ユニットとして形成することができる。この場合には、種々異なる測定法、例えば光学的、機械的、電気的または磁電的な測定法を使用することができる。位置信号は、アナログ信号としての電気信号だけでなく、デジタル信号としての電気信号とも解釈することができる。位置信号は、ブレーキの2つの構成要素の相対的な位置を表し得る。
【0014】
読み込むステップでは、圧力信号と、補足的または代替的に制御信号と、補足的または代替的にパッド摩耗信号とが読み込まれる。この場合には、評価するステップにおいて、状態パラメータを、圧力信号と、補足的または代替的に制御信号と、補足的または代替的にパッド摩耗信号とを用いて特定することができる。こうして、評価を改善することができる。
【0015】
供給するステップにおいて、状態パラメータの代わりにまたは状態パラメータに対して付加的に、調整量が供給されると有利である。この調整量は状態パラメータを用いて特定することができる。調整量は調整信号として供給することができる。状態パラメータは、ブレーキのクリアランス、パッド摩耗または欠陥もしくは欠陥形態を表し得る。この場合、状態パラメータは、複数のパラメータと解釈することもできるし、状態情報と解釈することもできる。有利には、これによって、ブレーキの状態を診断することができる。
【0016】
調整量は、常用ブレーキの摩擦装置用の応答圧および補足的または代替的に当付け圧に対する制御信号を表し得る。こうして、状態パラメータと、この状態パラメータから導き出された調整量とを介して、ブレーキの状態を、特に閉ループ制御系で変化させることができる。
【0017】
1つの実施の形態では、調整量が、常用ブレーキのアクチュエータを制御する信号を表し得る。この実施の形態では、アクチュエータが、常用ブレーキの双方向アジャスタ、特に電動式のアジャスタと、補足的または代替的にブレーキシリンダと、補足的または代替的にこのブレーキシリンダの付加構成要素とであってよい。アクチュエータは、調整要素と解釈することもできるし、作動器と解釈することもできる。したがって、有利には、常用ブレーキの状態をアクティブに変化させることができる。例えば、過度に大きなクリアランスを減少させることもできるし、過度に小さなクリアランスを増大させることもできる。したがって、(過度に大きなクリアランスと比較して)制動距離を短縮することができるだけでなく、(過度に小さなクリアランスまたは全く存在しないクリアランスと比較して)ブレーキの過熱を認識して阻止することもできる。
【0018】
評価するステップにおいて、状態パラメータは、常用ブレーキのパッド摩耗と、補足的または代替的にパッド膨張と、補足的または代替的にクリアランスと、補足的または代替的に制動準備と、補足的または代替的に欠陥情報とに関する情報を表し得る。こうして、常用ブレーキの状態に関する情報を運転者または制御機器に供給することができる。代替的には、常用ブレーキの内部の装置が情報を処理し、こうして、常用ブレーキの状態を、より長い寿命および改善された制動準備に向けて最適化することができる。
【0019】
読み込むステップにおいて、パッド摩耗信号を位置信号によって妥当性確認することが有利であり得る。こうして、パッド摩耗に関するより確固とした情報を供給することができる。
【0020】
少なくとも1つの常用ブレーキと、この常用ブレーキを状態監視する装置とを有する、車両、特に商用車のブレーキシステムを運転する方法は、
a) 常用ブレーキの、特に請求項1から6までのいずれか1項記載の方法により求められた状態パラメータを、常用ブレーキを状態監視する装置(100)のインタフェースから読み込むステップと、
b) 状態パラメータを評価するステップであって、評価された状態パラメータとブレーキ要求信号とを用いてブレーキ制御信号を求め、これによって、常用ブレーキの制動準備および補足的または代替的に所望の状態を設定する、状態パラメータを評価するステップと、
c) 常用ブレーキを制御するために、この常用ブレーキのブレーキ制御信号をインタフェースにおいて供給するステップと
を有している。
【0021】
こうして、ブレーキシステムの相応のブレーキの状態情報もしくは状態パラメータに応じて最適化してブレーキを応答させることができるかもしくは制御することができる。
【0022】
読み込むステップよりも前に、少なくとも1つの周辺パラメータがチェックされてよい。1つの実施の形態では、この少なくとも1つの周辺パラメータが、設定された目標範囲内にある場合にのみ、方法の後続のステップが実施されてよい。
【0023】
評価するステップにおいて、ブレーキ制御信号が求められて、車両の制御される複数の常用ブレーキが、互いに調和された摩耗を有するようにしてよい。周辺パラメータとして、例えば、制動の種類、減速の程度、制動圧または別の周辺パラメータを定義することができる。
【0024】
複数の情報の読込みに基づき、ブレーキの操作と解除との間の差圧がどの程度の大きさとなるのかが明らかとなる。これによって、(ブレーキの状態パラメータを検出しない)従来の調整と異なり、ブレーキ要求の減少時に、要求圧を、瞬時に求められた数値だけ減少させることができる。引き続き、操作における反応をセンサによって直接チェックし、後調整することができる。求められて記憶された圧力・変位経過に基づき、加圧または解除のためにまさに必要となる圧力値をブレーキシステムに常時供給することが可能となる。
【0025】
既存のセンサを備えた本発明に係るブレーキでは、機械的な構成部材の応答を、測定された信号の変化で認識することができる。これによって、ブレーキ調整に対して、個々の各ブレーキの応答圧を認知し、どの程度の圧力でブレーキの構成部材が運動させられるのかという趣旨で圧力要求を適合させることが可能となる。これによって、磁極ホイール測定を利用する必要なしに、ブレーキ操作の調整を行うことができる。このことは、空気消費量を減少させ、ABS/EBSといった通常の事例における応答時間を改善する。
【0026】
別の使用事例は、ブレーキ操作前のブレーキの準備である。この場合には、ブレーキ機構の所定の位置が達成されるまで、各ブレーキにおいて圧力が供給される。例えば、(遅れなしの)パッドの接触までまたは最小のクリアランス、例えば0.4mmのクリアランスまで。各位置はセンサ機構によって認識され、ブレーキシステムは、操作装置の発生間隔に基づき、増圧を認識することができる。
【0027】
このようにして、車両の全てのブレーキを制動準備させることができ、個々のブレーキの状態(例えば、それぞれ異なるホイールにおいて異なるクリアランスまたは異なるパッド摩耗)に左右されずに同時に応答させることができ、ひいては、車両全体のより良好な減速を達成することができる。
【0028】
制動準備は、運転者支援システム、例えば、距離レーダ、交通情報システム、車車間通信、交通案内システムによって要求されてもよい。プロセス安全パラメータでのブレーキの運転が可能である。なぜならば、情報がリニアセンサから供給されるからである。したがって、クリアランスを状況的に安全な最小量に調整することができ、適切な作動器が使用される場合には、必要に応じて、減少させることも、増加させることもできる。
【0029】
さらに、それぞれ異なるライン長さもしくはそれぞれ異なるクリアランス、摩耗状態およびブレーキ剛性に応答するために、車両におけるブレーキの種々異なる状態パラメータに応じて、制動信号の動的なプレドミナンスを設定することも可能である。
【0030】
別の有利な用途は、例えば被牽引車両において、複数のブレーキに対して1つの圧力モジュレータしか提供されていない場合に与えられている。
【0031】
ここでは、通常、圧力モジュレータにおいて、複数のブレーキを応答させる1つの固定の圧力が設定される。これによって、それぞれ異なる車軸を時間を遅らせて操作することができる。しかしながら、状態パラメータが(センサにより検知されて)ブレーキに供給されると、作動器と共に応答時間が変化させられ、例えば、それぞれ異なるホイールのそれぞれ異なる摩耗が考慮され、クリアランスの変化によってプレドミナンスが動的に適合されることにより、走行安定性のパラメータの範囲内で摩耗が補償されるようになっている。
【0032】
使用にわたってブレーキの状態パラメータを変化させることに基づき、欠陥状態、例えば操作における過度に高い作用損失(ヒステリシス)を認識することができる。
【0033】
これによって、例えば、有利には、構成部材の故障を推測することができる。一例として、回動レバーの塑性変形が操作システムの難動性を引き起こしてしまう。この難動性は、特性線の変化によりセンサによって読取り可能である(図面参照)。また、レバー支承部、ブリッジ支持部等における機構の支承箇所の故障を認識することもできる。また、パッドガイドまたはキャリパガイドにおける誤機能を認識することもできる。
【0034】
パッドの接触後に求められるセンサ線の経過によって、ブレーキの剛性を求めることが可能となる。
【0035】
システムの剛性は、加圧ユニットの剛性とパッドの剛性とから明らかとなる。このパッドの剛性は、パッド残厚に応じて変化させられる。ここでも、運転時間にわたるブレーキの状態値の動的な変化に応答することができ、これによって、より迅速に調整を行うことができ、その際、このための空気はほとんど消費されない。
【0036】
加圧ユニットの機械的な故障、例えばブレーキキャリパにおける破損は、圧力・変位関係の劇的に変化させられる経過によって認識することができる。
【0037】
このような欠陥状態は引っ掛かりを招き、ブレーキの誤機能または不十分な制動作用に繋がってしまう。
【0038】
欠陥状態は、キャビン内で車載工具に表示し、調整ユニットに記憶し、運転中に読み出すことができるか、または電気通信機器によってスマートフォンに表示することができるか、または運送業者もしくはフリートマネージメント機器に伝送することができる。
【0039】
最も好ましい事例では、目下の走行状態が許せば、ブレーキシステムによって、欠陥のあるブレーキの運転を減らし、回避することができる。例えば、低い圧力範囲内での適合制動時に、引っ掛かるブレーキの操作を省略することができる。緊急制動時には、欠陥状態が遷移させられ、全てのブレーキに十分なブレーキ要求が課せられる。
【0040】
このように構成されたブレーキを備えたブレーキシステム、センサおよびセンサを評価する方法では、操作の回数、制動圧および操作ストロークに基づき、ブレーキの目下の損傷を算出するおよび/または見込まれ得るブレーキの寿命またはブレーキの今後の耐用年数に対する期待値を特定することが可能である。
【0041】
本発明は、請求項9記載の、車両の常用ブレーキを状態監視する装置および請求項10記載の、車両のブレーキシステムを運転する装置も提供する。
【0042】
請求項9の、車両、特に商用車の常用ブレーキを状態監視する装置は、ブレーキを状態監視する方法の複数のステップを実施しかつ補足的または代替的に実現するように構成された複数のユニット、つまり、
a) 常用ブレーキの構成要素の、リニア型の変位検出ユニットにより検出された位置を表す位置信号を読み込むインタフェースと、
b) 常用ブレーキの少なくとも1つの状態パラメータを求めるために、位置信号を評価するユニットと、
c) 常用ブレーキの状態パラメータをインタフェースにおいて供給するユニットと
を有している。
【0043】
少なくとも1つの常用ブレーキと、この常用ブレーキを状態監視する前述した装置とを有する、車両、特に商用車のブレーキシステムを運転する装置は、以下のユニット、つまり、
a) 常用ブレーキの状態パラメータを、常用ブレーキを状態監視する装置のインタフェースから読み込むインタフェースと、
b) 状態パラメータを評価するユニットであって、評価された状態パラメータとブレーキ要求信号とを用いてブレーキ制御信号を求め、これによって、常用ブレーキの制動準備および補足的または代替的に所望の状態を設定する、状態パラメータを評価するユニットと、
c) 常用ブレーキを制御するために、ブレーキ制御信号を供給するインタフェースと
を有している。
【0044】
車両の常用ブレーキ用の変位検出ユニット、特にリニア型の変位検出ユニットは、常用ブレーキの構成要素の、特にリニア型の変位検出ユニットにより検出された位置、特に時間または時間経過にわたる位置を表す位置信号を供給するように構成されている。常用ブレーキの運動させられる構成要素は、光学的なマーキングを備えていてよい。このマーキングはレーザまたはLEDによって走査され、この反射が相応のフォトダイオードによって評価される。代替的には、変位検出ユニットが、例えばドップラー原理に従って働いてよい。変位検出ユニットの変化形態は、抵抗変化またはインピーダンス変化を検知することができる。したがって、変位検出ユニットを廉価に実現することができる。
【0045】
本発明は、請求項10記載のブレーキおよび請求項11記載のブレーキシステムも提供する。
【0046】
車両、特に商用車用のブレーキは、このブレーキを状態監視する前述した装置と、補足的または代替的に、前述した変位検出ユニットの相応の変化形態とを有している。
【0047】
車両、特に商用車用のブレーキシステムは、1つの車軸に配置された第1のブレーキと、車両長手方向軸線に関して、車軸の、第1のブレーキと反対側で車軸に配置されたか、または別の車軸に配置された少なくとも1つの第2のブレーキと、第1のブレーキと少なくとも第2のブレーキとを制御するように構成された、前述したようなブレーキシステムを運転する装置とを有している。
【0048】
相応の車両は、前述したブレーキシステムを有している。有利には、車両の複数のブレーキは均等に消耗され、車両は、本発明に係るブレーキシステムなしの車両と比較して、短い制動距離を有している。このことは、交通安全性を向上させる。
【0049】
上述した装置は、概して、制御機器と解釈することができる。制御機器は、本発明に係る方法の変化形態の複数のステップを相応のユニットにおいて実施、実行もしくは実現するように構成することができる。制御機器は、電気的なユニットまたは電気的な回路、例えば集積回路と解釈することができる。また、制御機器は、調整ユニット、ECUまたは制御ユニットと解釈することもできる。制御機器は、電子的なブレーキシステムの一部であってよい。制御機器は、適切なインタフェースを介して信号を送受信するように構成することができる。また、制御機器によって、本発明の根底にある思想を効率よく実現することもできる。
【0050】
制御機器は、本発明では、電気的なユニットと解釈することができる。このユニットはセンサ信号を処理し、このセンサ信号に応じて制御信号および/またはデータ信号を送信する。制御ユニットのインタフェースは、ハードウェアおよび/またはソフトウェアにより構成することができる。ハードウェアによる構成では、インタフェースが、制御ユニットの種々異なる機能を有する、例えば、いわゆる「システムASIC」の一部であってよい。しかしながら、インタフェースは、固有の集積回路として構成されていてもよいし、少なくとも部分的に個別の部品から成っていてもよい。ソフトウェアによる構成では、インタフェースがソフトウェアモジュールであってよい。このソフトウェアモジュールは、例えば、別のソフトウェアモジュールに並んでマイクロコントローラに存在している。
【0051】
また、プログラムコードを備えたコンピュータプログラム製品も有利である。プログラムコードは、機械可読の媒体、例えば半導体メモリに記憶することができ、コンピュータプログラム製品が制御ユニットまたは制御機器において実行される場合に、前述した複数の実施の形態のうちの1つに記載の方法を実施するために使用される。
【0052】
なお、本発明に係る方法は、電子的なブレーキシステム(EBS)用のソフトウェアのアップデートを介して、実地運転または実地試験において求められるような新たな欠陥状態が格納されるように更新することができる。こうして、ブレーキの運転状態をさらに最適化することができる。
【0053】
以下に、本発明を複数の実施例に基づき図面を参照しながら詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1】ブレーキを状態監視する本発明に係る装置の実施例の概略的なブロック図である。
図2】本発明の実施例に係るブレーキシステムと、このブレーキシステムを運転する装置とを備えた車両の概略図である。
図3】本発明の実施例に係るディスクブレーキの分解図である。
図4】本発明の実施例に係る種々異なるブレーキ構成の位置信号および圧力信号のグラフである。
図5】本発明の実施例に係る種々異なるブレーキ構成の位置信号および圧力信号のグラフである。
図6】本発明の実施例に係る種々異なるブレーキ構成の位置信号および圧力信号のグラフである。
図7】本発明の実施例に係る種々異なるブレーキ構成の位置信号および圧力信号のグラフである。
図8】ブレーキを状態監視する本発明の実施例に係る方法のフローチャートである。
図9】ブレーキを運転する本発明の実施例に係る方法のフローチャートである。
図10】本発明の実施例に係る回転型の位置センサの三次元図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
図1には、ブレーキ102を状態監視する本発明に係る装置100の実施例の概略的なブロック図が示してある。この装置100は、位置信号106を読み込むインタフェース104と、ブレーキ102の少なくとも1つの状態パラメータ110を求めるために、位置信号106を評価するユニット108と、ブレーキ102の状態パラメータ110を供給するユニット112とを有している。位置信号106は、ブレーキ102の構成要素の、リニア型の変位検出ユニット114により検出された位置を表す。
【0056】
ブレーキ102は変位検出ユニット114を有している。図示の実施例では、リニア型の変位検出ユニット114が考えられている。この変位検出ユニット114はリニアセンサ114である。このリニアセンサ114は、光学的または電気的な測定法を介して相対的な位置変化を検出し、この位置変化を、これを表すセンサ信号106として供給する。変位検出ユニット114の位置決めについては、図3において詳しく説明する。
【0057】
ブレーキ102は、さらに、圧力信号118を介して制御されるブレーキシリンダ116を有している。1つの実施例では、空圧式のディスクブレーキ102が考えられている。この空圧式のディスクブレーキ102は、相応に空圧制御されるブレーキシリンダ116を備えている。
【0058】
図1に示していない実施例では、変位検出ユニット114が回転センサ114である。この回転センサ114は、既知の幾何学的な関係を介して、線形の変位情報を表すセンサ信号106を供給する。
【0059】
図2には、本発明の実施例に係るブレーキシステム222と、このブレーキシステム222を運転する装置224とを備えた車両220の概略図が示してある。この車両220は2つの車軸226,228を有している。両車軸226,228において、それぞれ互いに反対の車両側には、常用ブレーキ102を備えたそれぞれ1つのホイール230が配置されている。1つの実施例では、車両220が商用車220である。
【0060】
常用ブレーキ102は、図1に示したブレーキ102の実施例であってよい。装置224は、ブレーキ102に制御ラインとセンサラインとを介して接続されている。制御ラインは、空圧制御要素および対応する圧力ラインであってよい。また、制御ラインは、相応の制御信号を伝送する電気的な線路と解釈することもできる。
【0061】
図面には、車両長手方向軸線232が示してある。この車両長手方向軸線232に対して、ホイールもしくは常用ブレーキ102が実質的に対称的に配置されている。図示のブレーキシステム222は、第1の車軸226に設けられた第1の常用ブレーキ102と、車両長手方向軸線232に対して反対側で第1の車軸226に設けられた第2の常用ブレーキ102とを少なくとも1つずつ有しているか、または代替的に、第2の車軸228に設けられた第1の常用ブレーキ102と、車両長手方向軸線232に対して反対側で第2の車軸228に設けられた第2の常用ブレーキ102とを少なくとも1つずつ有している。図示の実施例では、ブレーキシステム222が4つのブレーキ102を有している。これらのブレーキ102のうちの常に2つのブレーキが、車両長手方向軸線232に対して互いに反対側でそれぞれ1つの車軸226,228に配置されている。さらに、ブレーキシステム222は、装置224と、この装置224とブレーキ102との間の制御ラインおよびセンサラインとを有している。ブレーキシステムにも一般的に割り当てられてよい別の構成要素、例えばブレーキシリンダ、ABS、EBS、コンプレッサ、空気処理要素等については図示していない。
【0062】
図3には、本発明の実施例に係るディスクブレーキ302の分解図が示してある。このディスクブレーキ302は、車両の、図1または図2に示したブレーキ102もしくは常用ブレーキ102の特別な実施例であってよい。空圧操作式のディスクブレーキ302は、通常、摺動キャリパ340、旋回キャリパまたは固定キャリパとして形成されたブレーキキャリパ340を有している。このブレーキキャリパ340内には、ブレーキディスク346の両側に設けられたブレーキパッド342,344と、ブレーキディスク346とを互いに相互作用させて、摩擦により制動作用を得るために働く加圧装置が配置されている。図示の実施例は、摺動キャリパ340を備えた空圧操作式のディスクブレーキ302である。
【0063】
実施例に応じて、加圧ユニットは空圧操作可能であってもよいし、電動モータ操作可能であってもよい。操作の際、作用側のブレーキパッド342が車両側のブレーキディスク346に向かって押圧される。制動動作の続く過程では、ブレーキキャリパ340が、ブレーキディスク346に関して、作用側のブレーキパッド342の加圧方向と逆方向に移動させられて、反対側に位置する反作用側のブレーキパッド344を駆動し、この反作用側のブレーキパッド344をブレーキディスク346の他方の面に押し付ける。
【0064】
公知のディスクブレーキでは、ブレーキ102を解除した後、両ブレーキパッド342,344、しかしながら、少なくとも反作用側のブレーキパッド344がブレーキディスク346に、確かに無圧ではあるものの引きずり接触している位置に、ブレーキキャリパ340がとどまっている。これにより走行運転中に生じるブレーキパッドの残留引きずりトルクが不都合な結果を招くことになり、燃料消費量を増加させ、関与し合う構成部材、つまり、ブレーキディスクおよびブレーキパッドの寿命を縮めてしまう。
【0065】
空圧操作式のディスクブレーキ302は、いまや、重商用車における標準装備に含まれている。このようなディスクブレーキ302には、要求された加圧力を発生させるために、機械的な変換が必要となる。なぜならば、空圧負荷がかけられるブレーキシリンダの力が、圧力レベル(現在では約10bar)およびブレーキシリンダの限られた構造サイズのため、制限されているからである。現在公知の空圧操作式のディスクブレーキ302では、変換比が10:1〜20:1である。
【0066】
図3に示したディスクブレーキ302は、すでに説明したように、加圧ユニット348と、ガイドユニット350と、パッド保持ユニット352とを有している。加圧ユニット348は、互いに平行に配置された2つの押圧片354と、両押圧片354に割り当てられた伝動管356と、底側金属薄板358と、ブレーキキャリパ340と、更には、ブリッジ360と、歯車362と、特に偏心軸受けを介してブリッジ360と相互作用関係にあるレバー364とを有している。さらに、加圧ユニット348は、アジャスタ366と、このアジャスタ366に対して平行に配置されて、連結片368と同期チェーン370とを介してアジャスタ366に結合されたセンサユニット372とを有している。ガイドユニット350は、可動軸受けに割り当てられた可動軸受けピン374と、この可動軸受けピン374に対して平行に配置されて、固定軸受けに割り当てられた固定軸受けピン376とを有している。パッド保持ユニット352は、主として、パッド支持体352を有している。
【0067】
相対的な位置特定は、図3には示していない図1で説明した変位検出ユニット114によって行われる。この変位検出ユニット114は、一方で、底側金属薄板358、ブレーキキャリパ340またはセンサユニット372と、他方で、ブリッジ360、連結片368またはレバー364との間で、加圧ユニット348の内部の位置変化を検出する。代替的には、線形運動が、レバー364の回転軸に設けられた回転センサによって検出されてもよいし、レバー364の変位としての相応の位置においてリニアセンサによって検出されてもよい。
【0068】
図4図7には、本発明の実施例に係る種々異なるブレーキ構成の位置信号および圧力信号のグラフ図が示してある。位置信号406は、図1に示した位置信号106であってよい。圧力信号418は、図1に示したブレーキシリンダ116の空圧制御信号であってよい。位置信号406は、ブレーキを解除した後、引かれた2つの接線において、まず、弾性ストローク474を示し、その後、第2の接線において、クリアランスストローク476を示している。制動前の信号レベルと制動後の信号レベルとの間の差が、クリアランスを増減させた分に相当する調整変位478を信号として表す。図4および図5には、信号経過が時間にわたって示してある。この場合、信号経過406,418が時間にわたって示してあり、信号経過480が、位置信号に対する勾配を示しており、信号経過482が、圧力信号418の勾配を示している。図4には、クリアランスが過度に大きい場合の信号が示してあり、図5には、正確に調整されたクリアランスを有する制動時の信号経過が示してある。
【0069】
図6および図7には、圧力経過が変位に関して、いわゆる「ヒステリシス」として示してある。この場合、ブレーキの弾性が曲線の傾きにおいて明瞭になっている。破線は、測定された曲線に対する当てはめられた曲線を示しており、点線の曲線は、当てはめられた曲線の導関数を示している。曲線の当てはめは、「カーブフィッティング」とも呼ばれる。導関数の第2の零点ひいては当てはめられた曲線の変曲点が、クリアランスを表している。図6には、ブレーキの操作が示してあり、図7には、ブレーキの操作および解除を含む完全な制動動作が示してある。
【0070】
図8には、ブレーキを状態監視する本発明の実施例に係る方法800のフローチャートが示してある。車両用の常用ブレーキを状態監視する方法800は、常用ブレーキの構成要素の、リニア型の変位検出ユニットにより検出された位置、特に時間または時間経過にわたる位置を表す位置信号を読み込むステップ810と、常用ブレーキの少なくとも1つの状態パラメータを求めるために、位置信号を評価するステップ820と、常用ブレーキの状態パラメータをインタフェースにおいて供給するステップ830とを有している。
【0071】
図9には、ブレーキを運転する本発明の実施例に係る方法900のフローチャートが示してある。少なくとも1つの常用ブレーキと、この常用ブレーキを状態監視する装置とを有する、車両、特に商用車のブレーキシステムを運転する方法900は、常用ブレーキの状態パラメータを、常用ブレーキを状態監視する装置のインタフェースから読み込むステップ910と、状態パラメータを評価するステップ920であって、評価された状態パラメータとブレーキ要求信号とを用いてブレーキ制御信号を求め、これによって、常用ブレーキの制動準備および/または所望の状態を設定する、状態パラメータを評価するステップ920と、常用ブレーキを制御するために、この常用ブレーキのブレーキ制御信号をインタフェースにおいて供給するステップ930とを有している。
【0072】
図10には、本発明の実施例に係るセンサユニット372としての回転型の位置センサの三次元図が示してある。
【符号の説明】
【0073】
100 装置
102 ブレーキ、常用ブレーキ
104 読み込むインタフェース
106 位置信号
108 評価するユニット
110 状態パラメータ
112 供給するユニット
114 変位検出ユニット
116 ブレーキシリンダ
118 圧力信号
220 車両
222 ブレーキシステム
224 運転する装置
226,228 車軸
230 ホイール
232 車両長手方向軸線
302 ディスクブレーキ
340 摺動キャリパ
342 内側のパッド、作用側のパッド
344 外側のパッド、反作用側のパッド
346 ブレーキディスク
348 加圧ユニット
350 ガイドユニット
352 パッド保持ユニット、支持体
354 押圧片
356 伝動管
358 底側金属薄板
360 ブリッジ
362 歯車
364 レバー
366 アジャスタ
368 連結片
370 同期チェーン
372 センサユニット(変位検出ユニット、ポテンショメータ)
406 位置信号
418 圧力信号
474 弾性ストローク
476 クリアランスストローク、クリアランス
478 調整変位
480 位置信号406の勾配
482 圧力信号418の勾配
800 方法
810 読み込むステップ
820 評価するステップ
830 供給するステップ
900 方法
910 読み込むステップ
920 評価するステップ
930 供給するステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10