【文献】
The New England Journal of Medicine,2015年 9月17日,Vol.373, No.12,pp.1136-1152
【文献】
Eur. J. Haematol.,1989年,Vol.43,pp.411-416
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
AMLが、新たに診断されたAML、未処置AML、骨髄異形成症候群から生じたAML、血液学的前駆障害から生じたAML、および遺伝毒性傷害に曝露された後に生じたAMLから選択される、請求項1〜21のいずれか一項に記載の組合せ物。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下の説明に記載されるか、または図に例示される構成の詳細および構成要素の配置は、限定することを意味しない。本発明を実施するための他の実施形態および異なるやり方は、明確に含まれる。また、本明細書で使用される表現および用語は、説明を目的としており、限定するものとみなされるべきではない。「含む(including)」、「含む(comprising)」または「有する」、「含有する」、「含む(involving)」および本明細書のそれらの変化形の使用は、その後に列挙される項目およびその均等物、ならびにさらなる項目を包含することを意味する。
【0027】
定義
「変異型IDH1阻害剤」または「IDH1変異体(単数または複数)の阻害剤」という用語は、IDH1変異サブユニットに結合し、例えば、二量体、例えば変異型IDH1サブユニットのホモ二量体、または変異体および野生型サブユニットのヘテロ二量体の形成を阻害することによって、新たな活性(neoactivity)を阻害する分子、例えばポリペプチド、ペプチドもしくは小分子(例えば、1,000ダルトン未満の分子)またはアプタマー(aptomer)を意味する。一部の実施形態では、新たな活性の阻害は、変異型IDH1阻害剤がない状態の活性と比較して、少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%または99%である。一実施形態では、変異型IDH1阻害剤は、化合物2である。
【0028】
「高レベルの2HG」という用語は、変異型IDH1対立遺伝子を持っている対象において、変異型IDH1対立遺伝子を持っていない対象に存在するよりも10%、20% 30%、50%、75%、100%、200%、500%多いまたはそれよりも多い2HGが存在することを意味する。「高レベルの2HG」という用語は、細胞内、腫瘍内、腫瘍を含む臓器内、または体液内の2HGの量を指すことができる。
【0029】
「体液」という用語は、胎児を取り囲む羊水、房水、血液(例えば、血漿)、血清、脳脊髄液、耳垢、消化粥、カウパー線液、膣液、間質液、リンパ液、母乳、粘液(例えば、鼻漏もしくは痰)、胸水、膿汁、唾液、皮脂、精液、血清、汗、涙、尿、膣分泌物、または嘔吐物の1つまたは複数を含む。
【0030】
「阻害」または「予防」という用語は、完全なおよび部分的な阻害および予防の両方を含む。阻害剤は、所期の標的を完全にまたは部分的に阻害することができる。
【0031】
「対象」という用語は、ヒトおよび非ヒト動物を含むことを意図する。例示的なヒト対象には、障害、例えば本明細書に記載される障害を有するヒト患者(患者と呼ばれる)または正常な対象が含まれる。本発明の一態様の「非ヒト動物」という用語は、あらゆる脊椎動物、例えば、非哺乳動物(例えば鳥類、両生類、爬虫類)および哺乳動物、例えば非ヒト霊長類、家畜および/または農業に有用な動物、例えばヒツジ、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ等を含む。
【0032】
「処置する」という用語は、疾患/障害(例えば、それぞれIDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられる、進行性血液悪性腫瘍、例えば急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS、骨髄増殖性新生物(MPN)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、B−急性リンパ芽球性白血病(B−ALL)またはリンパ腫(例えば、T細胞リンパ腫))の、発症もしくは進行の低減、抑制、減弱、減少、抑止もしくは安定化、疾患/障害の重症度の緩和、または疾患/障害と関連する症状の改善を意味する。
【0033】
障害を処置するのに有効な、薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体、同位体置換体、プロドラッグもしくは多形体を含めた化合物の量、または「治療有効量」もしくは「治療有効用量」は、対象に単回または複数回用量で投与されると、細胞の処置に有効であるか、またはこのような処置がない状態で予測されるものを上回る、障害を有する対象の治癒、軽減、緩和もしくは改善に有効な薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体、同位体置換体、プロドラッグまたは多形体を含めた化合物または薬学的に許容されるその塩の量を指す。
【0034】
追加のがん治療剤と関連して本明細書で使用される「併用投与」という用語は、追加のがん治療剤が、単一の剤形(例えば、前述の化合物および第2の治療剤を含む組成物)の一部として、または別個の複数の剤形として、本明細書で提供される化合物と一緒に投与され得ることを意味する。あるいは、追加のがん治療剤は、本明細書で提供される化合物の投与の前、その投与に連続して、またはその投与の後に、投与することができる。このような組合せ治療処置では、本明細書で提供される化合物および第2の治療剤(単数または複数)の両方は、従来の方法によって投与される。本明細書で提供される化合物および第2の治療剤の両方を含む組成物を対象に投与することは、その第2の治療剤、任意の他の第2の治療剤または本明細書で提供される任意の化合物を、前記対象に、処置過程中の別の時間に別々に投与することを除外しない。追加のがん処置と関連して本明細書で使用される「併用投与」という用語は、追加のがん処置が、本明細書で提供される化合物の投与の前、その投与に連続して、その投与と同時に、またはその投与の後に生じ得ることを意味する。
【0035】
本明細書で使用される「他の立体異性体を実質的に含まない」という用語は、1つまたは複数の選択された立体中心において選択された立体化学を有する化合物が、少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%濃縮されている調製物を意味する。
【0036】
「濃縮されている」という用語は、調製物の少なくとも指定されたパーセンテージが、1つまたは複数の選択された立体中心において選択された立体化学を有する化合物であることを意味する。
【0037】
「結晶性」という用語は、高度に規則的な化学的構造を有する固体を指す。特に、結晶性化合物2は、化合物2の1つまたは複数の単結晶形態として生成され得る。本願の目的では、「結晶形態」、「単結晶形態」および「多形体」という用語は同義であり、これらの用語は、異なる特性(例えば、異なるXRPDパターンおよび/または異なるDSC走査結果)を有する結晶を互いに区別する。「多形体」という用語には、材料の典型的に異なる溶媒和物である疑似多形体が含まれ、したがってそれらの特性は、互いに異なっている。したがって、化合物2のそれぞれ別個の多形体および疑似多形体は、本明細書では別個の単結晶形態であるとみなされる。
【0038】
「実質的に結晶性」という用語は、少なくとも特定の重量パーセントが結晶性であり得る形態を指す。特定の重量パーセンテージは、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、または10%〜100%の間の任意のパーセンテージである。一部の実施形態では、実質的に結晶性とは、少なくとも70%が結晶性である化合物2を指す。他の実施形態では、実質的に結晶性とは、少なくとも90%が結晶性である化合物2を指す。
【0039】
「単離された」という用語は、化合物の少なくとも特定の重量パーセントの特定の結晶形態となり得る形態を指す。特定の重量パーセンテージは、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、または90%〜100%の間の任意のパーセンテージである。
【0040】
「溶媒和物または溶媒和物化」という用語は、その結晶形態を含めた本発明の化合物と、1つまたは複数の溶媒分子の物理的会合を意味する。この物理的会合には、水素結合が含まれる。ある特定の場合、例えば1または複数の溶媒分子が結晶固体の結晶格子に組み込まれている場合、溶媒和物は、単離することができる。「溶媒和物または溶媒和物化」は、溶液相および単離可能な溶媒和物の両方を包含する。代表的な溶媒和物には、例えば、水和物、エタノレートまたはメタノレートが含まれる。
【0041】
「水和物」という用語は、溶媒分子が、定義された化学量論量で存在するH
2Oである溶媒和物であり、水和物には、例えば、半水和物、一水和物、二水和物または三水和物が含まれ得る。
【0042】
「混合物」という用語は、組合せの相状態(例えば、液体または液体/結晶性)に関わらず、混合物の組み合わされた要素を指すために使用される。
【0043】
「播種」という用語は、結晶性材料を添加して、再結晶化または結晶化を惹起することを指すために使用される。
【0044】
「貧溶媒」という用語は、その結晶形態を含めた化合物が、低い可溶性を示す溶媒を指すために使用される。
【0045】
「薬学的に許容される担体またはアジュバント」という用語は、本発明の一態様の化合物と一緒に対象に投与することができ、化合物の薬理学的活性を破壊せず、治療的な量の化合物を送達するのに十分な用量で投与される場合に非毒性である、担体またはアジュバントを指す。
【0046】
本明細書で使用される「薬学的に許容される塩」という用語は、この用語が言及する化合物の非毒性の酸付加塩または塩基付加塩を指す。薬学的に許容される塩の例は、Bergeら、1977年、「Pharmaceutically Acceptable Salts.」J. Pharm. Sci. 66巻、1〜19頁に論じられている。
【0047】
本明細書で使用される「急性骨髄性白血病(AML)」という用語は、骨髄に蓄積し、正常な血液細胞の生成を妨害する異常白血球細胞の急速な成長によって特徴付けられる、血液細胞の骨髄細胞系統のがんを指す。一実施形態では、AMLは、新たに診断されたAML、未処置AML、骨髄異形成症候群(MDS)から生じたAML、血液学的前駆障害(AHD)から生じたAMLおよび遺伝毒性傷害に曝露された後に生じたAMLから選択される。
【0048】
本明細書で使用される「難治性AML」という用語は、高レベルの白血球細胞が、処置に応答して低下しないAMLを指す。
【0049】
本明細書で使用される「再発性AML」という用語は、処置に応答しないAMLを指す。
【0050】
本明細書で使用される「AML導入療法」という用語は、正常な骨髄機能を速やかに修復する目的で、すなわち寛解を導入する目的で与えられる治療を指す。
【0051】
本明細書で使用される「AML強化療法」という用語は、導入療法の結果として達成された寛解を維持するために与えられる治療を指す。
本明細書で使用される「非経口」という用語には、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、関節内、動脈内、滑液嚢内、胸骨内、髄腔内、病巣内および頭蓋内注射または注入技術が含まれる。
【0052】
「約」という用語は、およそ、その領域内、ほぼ、またはその辺りを意味する。「約」という用語が、数値範囲と併せて使用される場合、この用語は、その境界値を、記載される数値よりも大きい値および記載される数値よりも小さい値に拡大することによって、その範囲を修正する。一般に「約」という用語は、本明細書では、記載されている値よりも大きい数値および記載されている値よりも小さい数値を、10%の分散率で修正するために使用される。
【0053】
化合物
化合物2は、(S)−N−((S)−1−(2−クロロフェニル)−2−((3,3−ジフルオロシクロブチル)アミノ)−2−オキソエチル)−1−(4−シアノピリジン−2−イル)−N−(5−フルオロピリジン−3−イル)−5−オキソピロリジン−2−カルボキサミド、薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体、同位体置換体、プロドラッグまたは多形体である。化合物2は、以下の化学的構造を有する。
【化1】
【0054】
また化合物2は、1つまたは複数の同位体置換を含み得る。例えば、Hは、
1H、
2H(Dまたは重水素)、および
3H(Tまたはトリチウム)を含めた任意の同位体形態(「同位体置換体」)であってよく、Cは、
12C、
13C、および
14Cを含めた任意の同位体形態であってよく、Oは、
16Oおよび
18Oを含めた任意の同位体形態であってよく、他もまた同様である。例えば、化合物2は、H、Cおよび/またはOの特定の同位体形態が、少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%濃縮されている。
【0055】
また化合物2は、ある特定の実施形態では、複数の互変異性体形態で表される場合があり、このような場合、本発明の一態様は、単一の互変異性体形態だけが表されている場合があっても(例えば、ケト−エノール互変異性体)、本明細書に記載される化合物2のあらゆる互変異性体形態を明確に含む。化合物2のあらゆるこのような異性体形態は、本明細書に明確に含まれる。化合物2の合成は、その全体が参照によって組み込まれる、2013年7月25日公開の米国特許出願公開第2013−0190249−A1号に記載されている。
【0056】
化合物2の対応する塩、例えば薬学的に許容される塩を調製、精製および/または取り扱うことが好都合であり、または望ましい場合がある。薬学的に許容される塩の例は、Bergeら、1977年、「Pharmaceutically Acceptable Salts.」J. Pharm. Sci. 66巻、1〜19頁に論じられている。
【0057】
例えば、化合物2がアニオン性であるか、またはアニオン性であり得る官能基(例えば、−NH−は、−N−
−であり得る)を有する場合、塩は、適切なカチオンを用いて形成することができる。適切な無機カチオンの例として、アルカリ金属イオン、例えばNa
+およびK
+、アルカリ土類カチオン、例えばCa
2+およびMg
2+、ならびに他のカチオン、例えばAl
3+が挙げられるが、それらに限定されない。いくつかの適切な置換アンモニウムイオンの例は、エチルアミン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジン、ベンジルアミン、フェニルベンジルアミン、コリン、メグルミンおよびトロメタミン、ならびにアミノ酸、例えばリシンおよびアルギニンから導出されたものである。一般的な第四級アンモニウムイオンの一例は、N(CH
3)
4+である。
【0058】
化合物2がカチオン性であるか、またはカチオン性であり得る官能基(例えば、−NHRは、−NH
2R
+であり得る)を有する場合、塩は、適切なアニオンを用いて形成することができる。適切な無機アニオンの例として、以下の無機酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、亜硫酸、硝酸、亜硝酸、リン酸、および亜リン酸から導出されたアニオンが挙げられるが、それらに限定されない。
【0059】
適切な有機アニオンの例として、以下の有機酸、2−アセトキシ安息香酸、酢酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、ケイ皮酸、クエン酸、エデト酸、エタンジスルホン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、ヒドロキシマレイン酸、ヒドロキシナフタレンカルボン酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、粘液酸、オレイン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモン酸、パントテン酸、フェニル酢酸、フェニルスルホン酸、プロピオン酸、ピルビン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファニル酸、酒石酸、トルエンスルホン酸、および吉草酸から導出されたアニオンが挙げられるが、それらに限定されない。適切なポリマー性有機アニオンの例として、以下のポリマー酸、タンニン酸、カルボキシメチルセルロースから導出されたアニオンが挙げられるが、それらに限定されない。
【0060】
したがって、本明細書で提供される方法および医薬組成物で使用するための化合物2には、化合物2自体、ならびに薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体、同位体置換体、プロドラッグまたは多形体が含まれる。本明細書で提供される化合物2は、選択された生物学的特性、例えば特定組織への標的化を増強するために、適切な官能性を付加することによって修飾し、プロドラッグに変換することができる。このような修飾(すなわち、プロドラッグ)は、当技術分野で公知であり、それには、所与の生物学的区画(例えば、血液、リンパ系、中枢神経系)への生物学的透過を増大し、経口利用能を増大し、注射による投与を可能にするために溶解度を増大し、代謝を変え、排出速度を変えるものが含まれる。プロドラッグの例として、対象に投与されると活性な化合物を提供することができる、エステル(例えば、リン酸エステル、アミノ酸(例えば、バリン)エステル)、カルバミン酸エステルおよび他の薬学的に許容される誘導体が挙げられる。
【0061】
化合物2は、様々な固体形態で存在し得ることが判明した。一実施形態では、純粋な結晶形態を含む固体形態が本明細書で提供される。別の実施形態では、溶媒和物化形態および非晶質形態を含む固体形態が本明細書で提供される。本開示は、ある特定の固体形態の化合物2を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、本明細書に記載される形態の化合物2を含む組成物を提供する。提供される組成物の一部の実施形態では、化合物2は、1つまたは複数の固体形態の混合物として存在する。提供される組成物の一部の実施形態では、化合物2は、単一形態で存在する。
【0062】
一実施形態では、化合物2は、単結晶形態、または本明細書に記載される単結晶形態のいずれか1つである。化合物2の結晶形態の合成は、国際公開第2015/138837号および同第2015/138839号に記載されており、両者とも、2015年9月17日に公開され、それらの全体が参照によって共に本明細書に組み込まれる。また、少なくとも1種の薬学的に許容される担体または賦形剤、および化合物2を含む医薬組成物が提供され、ここで化合物2は、単結晶形態、または本明細書に記載される結晶形態のいずれか1つである。また、医薬組成物を調製するための化合物2の使用が提供され、ここで化合物2は、単結晶形態、または本明細書に記載される単結晶形態のいずれか1つである。
【0063】
本明細書では、化合物2の結晶形態を説明するための特徴付け情報の分類が提供される。しかし、このような特定の形態が所与の組成物中に存在することを当業者が決定するために、このような情報がすべて必要とされるわけではなく、特定の形態の決定は、当業者が特定の形態の存在を確立するのに十分であると認識する特徴付け情報の任意の一部を使用して達成することができ、例えば単一の特徴的なピークであっても、このような特定の形態が存在することを当業者が理解するのに十分であり得ることを理解されたい。
【0064】
一実施形態では、化合物2の少なくとも特定の重量パーセンテージは、結晶性である。特定の重量パーセンテージは、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、または10%〜100%の間の任意のパーセンテージであり得る。化合物2の特定の重量パーセンテージが結晶性である場合、化合物2の残部は、化合物2の非晶質形態である。結晶性化合物2の非限定的な例として、化合物1の単結晶形態または異なる単結晶形態の混合物が挙げられる。一部の実施形態では、化合物2は、少なくとも90重量%が結晶性である。一部の他の実施形態では、化合物2は、少なくとも95重量%が結晶性である。
【0065】
別の実施形態では、結晶性化合物2の特定の重量パーセンテージは、特定の単結晶形態または単結晶形態の組合せである。特定の重量パーセンテージは、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、または10%〜100%の間の任意のパーセンテージであり得る。別の実施形態では、化合物2は、少なくとも90重量%が単結晶形態である。別の実施形態では、化合物2は、少なくとも95重量%が単結晶形態である。
【0066】
化合物2の以下の説明では、本発明の実施形態は、本明細書で論じられる1つまたは複数の特性によって特徴付けられる、化合物2の特定の結晶形態を参照して説明することができる。結晶形態を特徴付ける説明は、結晶性化合物2中に存在し得る異なる結晶形態の混合物を説明するために使用することもできる。しかし、化合物2の特定の結晶形態は、特定の結晶形態への言及に関して、またはそれに関係なく、本明細書に記載される結晶形態の特徴の1つまたは複数によって特徴付けることもできる。
【0067】
結晶形態は、以下に示す詳細な説明および実例によってさらに示される。表1〜2に記載されるXRPDピークは、データを得るために使用される機器に応じて±0.2°変わり得る。表1〜2に記載されるXRPDピークの強度は、10%変わり得る。
【0068】
形態1
一実施形態では、単結晶形態態である化合物2の形態1は、CuKa放射線を使用して得られた、
図1に示されているX線粉末回折(XRPD)パターンおよび表1に示されているデータによって特徴付けられる。特定の実施形態では、多形体は、表1に示されている通り、
図1から得られたピークの1つまたは複数によって特徴付けることができる。例えば、多形体は、表1に示されているピークの1個または2個または3個または4個または5個または6個または7個または8個または9個によって特徴付けることができる。
【表1】
【0069】
別の実施形態では、形態1は、8.6、15.6、18.5、20.6、21.6、および26.4°の2θ角において識別されたピークによって特徴付けることができる。別の実施形態では、形態1は、8.6、15.6、18.5、および21.6°の2θ角において識別されたピークによって特徴付けることができる。
【0070】
別の実施形態では、形態1は、
図2に示されている示差走査熱量測定プロファイル(DSC)によって特徴付けることができる。DSCグラフでは、試料の温度の関数としての熱流をプロットしており、温度変化率は、約10℃/分である。プロファイルは、約140.1℃の開始温度と約149.9℃における溶融を伴う吸熱転移によって特徴付けられる。
【0071】
別の実施形態では、形態1は、
図3に示されている熱重量分析(TGA)によって特徴付けることができる。TGAプロファイルでは、温度の関数としての試料の重量のパーセント損失をグラフ化しており、温度変化率は、約10℃/分である。重量損失は、温度が約29.0℃から125.0℃に変化する場合、試料重量の約0.44%の損失となる。
【0072】
形態2
一実施形態では、単結晶形態である化合物2の形態2は、CuKa放射線を使用して得られた、
図4に示されているX線粉末回折(XRPD)パターンおよび表2に示されているデータによって特徴付けられる。特定の実施形態では、多形体は、表2に示されている通り、
図4から得られたピークの1つまたは複数によって特徴付けることができる。例えば、多形体は、表2に示されているピークの1個または2個または3個または4個または5個または6個または7個または8個または9個または10個によって特徴付けることができる。
【表2】
【0073】
別の実施形態では、形態2は、9.8、11.6、19.6、22.5、23.0、および31.4°の2θ角において識別されたピークによって特徴付けることができる。別の実施形態では、形態2は、9.8、11.6、19.6、および23.0°の2θ角において識別されたピークによって特徴付けることができる。
【0074】
別の実施形態では、形態2は、
図5に示されている示差走査熱量測定プロファイル(DSC)によって特徴付けることができる。DSCグラフでは、試料の温度の関数としての熱流をプロットしており、温度変化率は、約10℃/分である。プロファイルは、約62.7℃の開始温度と約72.5℃における溶融を伴う吸熱転移、および約145.6℃の開始温度と約153.6℃における溶融を伴う吸熱転移によって特徴付けられる。
【0075】
別の実施形態では、形態2は、
図6に示されている熱重量分析(TGA)によって特徴付けることができる。TGAプロファイルでは、温度の関数としての試料の重量のパーセント損失をグラフ化しており、温度変化率は、約10℃/分である。重量損失は、温度が約29.3℃から170.3℃に変化する場合、試料重量の約0.57%の損失となる。
【0076】
他の実施形態は、本明細書で論じられる単結晶形態のいずれかの前述の特徴の組合せによって特徴付けられる、化合物2の単結晶形態を対象とする。特徴付けは、特定の多形体について説明されるXRPD、TGA、およびDSCの1つまたは複数の任意の組合せによるものであってよい。例えば、化合物2の単結晶形態は、XRPD走査の主なピークの位置に関するXRPDの結果の任意の組合せ、および/またはXRPD走査から得られたデータから導出されたパラメータの1つもしくは複数の任意の組合せによって特徴付けることができる。化合物2の単結晶形態は、指定の温度範囲にわたって試料と関連する重量損失のTGA決定、および/または特定の重量損失転移が始まる温度によって特徴付けることもできる。熱流転移中の最大熱流と関連する温度のDSC決定、および/または試料が熱流転移を受け始める温度により、結晶形態を特徴付けることもできる。ある範囲の相対湿度(例えば、0%〜90%)にわたって水分収着/脱着を測定することによって決定される試料の重量変化、および/または化合物2の分子1個当たりの水の収着/脱着の変化により、化合物2の単結晶形態を特徴付けることもできる。
【0077】
組成物および投与経路
一実施形態では、医薬組成物は、化合物2および添加剤を含む。一実施形態では、化合物2および添加剤を含む医薬組成物は、経口投与のためのものである。一実施形態では、添加剤は、賦形剤、結合剤、崩壊剤、湿潤剤、安定剤、流動促進剤、および/または滑沢剤である。
【0078】
一実施形態では、医薬組成物は、シタラビンおよび賦形剤または溶媒を含む。一実施形態では、シタラビンおよび賦形剤または溶媒を含む医薬組成物は、静脈内注射のためのものである。
【0079】
一実施形態では、医薬組成物は、ダウノルビシンおよび賦形剤または溶媒を含む。一実施形態では、ダウノルビシンおよび賦形剤または溶媒を含む医薬組成物は、静脈内注射のためのものである。
【0080】
一実施形態では、医薬組成物は、イダルビシンおよび賦形剤または溶媒を含む。一実施形態では、イダルビシンおよび賦形剤または溶媒を含む医薬組成物は、静脈内注射のためのものである。
【0081】
一実施形態では、医薬組成物は、ミトキサントロンおよび賦形剤または溶媒を含む。一実施形態では、ミトキサントロンおよび賦形剤または溶媒を含む医薬組成物は、静脈内注射のためのものである。
【0082】
一実施形態では、医薬組成物は、エトポシドおよび賦形剤または溶媒を含む。一実施形態では、エトポシドおよび賦形剤または溶媒を含む医薬組成物は、静脈内注射のためのものである。
【0083】
本発明の一態様の医薬組成物において使用することができる、薬学的に許容される担体、アジュバントおよびビヒクルには、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、自己乳化型薬物送達系(SEDDS)、例えばd−α−トコフェロールポリエチレングリコール1000コハク酸エステル、医薬剤形で使用される界面活性剤、例えばTween類または他の類似のポリマー送達マトリックス、血清タンパク質、例えばヒト血清アルブミン、緩衝物質、例えばリン酸塩、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質、例えば硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイドシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が含まれるが、それらに限定されない。シクロデキストリン、例えばα−、β−およびγ−シクロデキストリン、または化学的に修飾された誘導体、例えば2−および3−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンを含めたヒドロキシアルキルシクロデキストリン、または他の可溶化誘導体も、本明細書に記載される化合物2の送達を増強するために有利に使用することができる。
【0084】
一実施形態では、医薬組成物は、化合物2および添加剤を含む。一実施形態では、化合物2および添加剤を含む医薬組成物は、経口投与のためのものである。一実施形態では、添加剤は、賦形剤、結合剤、崩壊剤、湿潤剤、安定剤、流動促進剤、または滑沢剤である。
【0085】
一実施形態では、本明細書で提供される医薬組成物は、経口、非経口、吸入スプレーにより、局所、直腸内、経鼻、口腔内頬側、膣内により、または埋込式リザーバーを介して、好ましくは経口投与または注射による投与によって投与することができる。一実施形態では、医薬組成物は、任意の従来の非毒性の薬学的に許容される担体、アジュバントまたはビヒクルを含有することができる。ある場合には、製剤化された化合物またはその送達形態の安定性を増強するために、製剤のpHを、薬学的に許容される酸、塩基または緩衝液を用いて調整することができる。
【0086】
一実施形態では、本明細書で提供される医薬組成物は、例えば注射可能な無菌水性または油性懸濁液として、注射可能な無菌調製物の形態であり得る。この懸濁液は、当技術分野で公知の技術に従って、適切な分散化または湿潤剤(例えば、Tween 80など)および懸濁化剤を使用して製剤化することができる。注射可能な無菌調製物は、例えば1,3−ブタンジオール溶液としての、非毒性の非経口で許容される賦形剤または溶媒中の注射可能な無菌溶液または懸濁液であってもよい。用いることができる許容されるビヒクルおよび溶媒には、マンニトール、水、リンゲル溶液および等張食塩水が含まれる。さらに、溶媒または懸濁化媒体として、従来、無菌固定油が用いられている。この目的では、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含めた、任意の無刺激性固定油を用いることができる。脂肪酸、例えばオレイン酸およびそのグリセリド誘導体は、製剤上許容される天然油、例えばオリーブ油またはヒマシ油、特にそれらをポリオキシエチレン化したものと同様に、注射剤の調製において有用である。これらの油溶液または懸濁液は、長鎖アルコール賦形剤もしくは分散剤、またはカルボキシメチルセルロース、または乳濁液およびもしくは懸濁液などの薬学的に許容される剤形の製剤において一般に使用される類似の分散化剤を含有することもできる。他の一般に使用される界面活性剤、例えばTween類もしくはSpan類、および/または薬学的に許容される固形、液体、もしくは他の剤形の製造に一般に使用される他の類似の乳化剤もしくは生体利用能増強剤も、製剤化の目的で使用することができる。
【0087】
本明細書の特定の実施形態は、錠剤またはカプセル剤である固体経口剤形を提供する。ある特定の実施形態では、製剤は、化合物2を含む錠剤である。ある特定の実施形態では、製剤は、化合物2を含む錠剤である。ある特定の実施形態では、製剤は、化合物2を含むカプセル剤である。ある特定の実施形態では、製剤は、化合物2を含むカプセル剤である。ある特定の実施形態では、本明細書で提供される錠剤またはカプセル剤は、1種または複数種の添加剤、例えば、流動促進剤、賦形剤、滑沢剤、着色剤、崩壊剤、造粒剤、結合剤、ポリマー、およびコーティング剤などを任意選択で含む。ある特定の実施形態では、製剤は、即時放出錠剤である。ある特定の実施形態では、製剤は、例えば実質的に胃内で活性医薬成分(API)を放出する、制御放出錠剤である。ある特定の実施形態では、製剤は、硬質ゼラチンカプセル剤である。ある特定の実施形態では、製剤は、軟質ゼラチンカプセル剤である。ある特定の実施形態では、カプセル剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)カプセル剤である。ある特定の実施形態では、製剤は、即時放出カプセル剤である。ある特定の実施形態では、製剤は、例えば実質的に胃内でAPIを放出する、即時または制御放出カプセル剤である。ある特定の実施形態では、製剤は、投与後に実質的に口内で溶解する、急速崩壊錠剤である。ある特定の実施形態では、本明細書の実施形態は、IDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられる悪性腫瘍を処置する医薬組成物を調製するための化合物2の使用を包含し、その組成物は、経口投与のために調製される。ある特定の実施形態では、本明細書の実施形態は、IDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられる悪性腫瘍を処置する医薬組成物を調製するための化合物2の使用を包含し、その組成物は、経口投与のために調製される。
【0088】
ある特定の実施形態では、本明細書の実施形態は、IDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられる悪性腫瘍を処置する医薬組成物を調製するための、シタラビン、ダウノルビシン、イダルビシン、ミトキサントロン、および/またはエトポシドの使用を包含し、その組成物は、静脈内投与のために調製される。
【0089】
本明細書の方法は、所望のまたは記載される効果を達成するための、有効量の化合物または化合物組成物の投与を企図する。一実施形態では、医薬組成物は、1日約1〜約6回、または持続注入として投与される。このような投与は、長期または救急治療として使用することができる。単一剤形を生成するために担体材料と組み合わせることができる活性成分の量は、処置される宿主および特定の投与方法に応じて変わる。典型的な調製物は、約5%〜約95%の活性化合物(w/w)を含有する。あるいは、このような調製物は、約20%〜約80%の活性化合物を含有する。
【0090】
前述の用量よりも少ないまたは多い用量が必要となる場合がある。任意の特定の対象のための具体的な投与量および処置レジメンは、用いられる具体的な化合物の活性、年齢、体重、全体的な健康状態、性別、食事、投与時間、排出速度、薬物の組合せ、疾患、状態もしくは症状の重症度および過程、疾患、状態もしくは症状に対する対象の体内動態、ならびに担当医の判断を含めた様々な因子に応じて決まる。
【0091】
対象の状態を改善するには、必要に応じて、維持用量の本明細書で提供される化合物、組成物または組合せを投与することができる。その後、投与量もしくは投与頻度、またはその両方は、症状の関数として、症状が所望のレベルに軽減されたら、その改善された状態が保持されるレベルまで低減することができる。しかし、対象は、病状の任意の再発に基づいて、長期間にわたって間欠的処置が必要となる場合がある。
【0092】
化合物2の固体分散体
ある特定の実施形態では、化合物2は、化合物2、および固体分散体(例えば、非晶質固体分散体)の一部としての1種または複数種のポリマーを含む組成物で投与される。一部の実施形態では、固体分散体は、化合物2、および1種または複数種のポリマーを含む。一部の実施形態では、固体分散体は、化合物2、1種または複数種のポリマー、および1種または複数種の界面活性剤を含む。一部の実施形態では、固体分散体は、化合物2、および1種のポリマーを含む。一部の実施形態では、固体分散体は、化合物2、1種のポリマー、および界面活性剤を含む。
【0093】
ある特定の実施形態では、化合物2を含む本明細書で提供される固体分散体は、化合物2の純粋な結晶形態(例えば、形態1または形態2)と比較して、化合物2の溶解度を増強し、したがって、固体分散体を対象に経口投与する際の曝露を改善する。一実施形態では、固体分散体は、化合物2、1種または複数種のポリマー、および任意選択で1種または複数種の溶解度を増強する界面活性剤を含む。
【0094】
例えば、形態1の水溶性は、約0.025mg/mL〜約0.035mg/mLであり、形態2の水溶性は、約0.008mg/mL〜約0.010mg/mLである。
【0095】
形態2は、pH6.1の絶食状態を模擬した腸液(FASSIF)への4時間目における溶解度が約0.018mg/mLである。比較として、非晶質スプレー乾燥分散体は、FASSIFへの3時間目における溶解度が約0.05mg/mL〜約0.50mg/mLである。
【0096】
一部の実施形態では、固体分散体は、対象に投与された場合、そのままの非晶質化合物2の投与と比較して、化合物2が少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%多く曝露される。一部の実施形態では、固体分散体は、対象に投与された場合、純粋な結晶性化合物2の投与と比較して、化合物2が少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%多く曝露される。
【0097】
ラットおよびサルの薬物動態研究では、そのままの非晶質の投与が示す曝露と比較して、固体分散体の経口剤形の投与時に穏やかな曝露改善が観測される。例えば、50%w/wの化合物2および50%w/wのポリビニルアセテートフタレート(PVAP)を含有する固体分散体は、雄性Sprague Dawleyラットにおいて、そのままの非晶質化合物2と比較して曝露度がおよそ2倍高い。70%w/wの化合物2および30%w/wの経口剤形を含有する固体分散体の曝露には、そのままの非晶質化合物2と比較して有意な差異はない。雄性カニクイザルでは、50%w/wの化合物2および50%w/wのヒプロメロース(hpromellose)アセテートスクシネート(HPMCAS)としても公知のヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネートを含有する固体分散体の曝露は、そのままの非晶質化合物2と比較して有意な差異を示さない。同様に、50%w/wの化合物2および50%w/wのヒプロメロースフタレート(HPMC−フタレート)としても公知のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有する固体分散体は、そのままの非晶質化合物2と比較して有意な差異を示さない。そのままの非晶質治療化合物は、一般に、動物研究における投与のために使用されるが、ヒトへの投与に適した剤形ではない。
【0098】
実施例4のラット薬物動態研究で説明される通り、化合物2の曝露は、純粋な結晶性化合物2の形態2と比較して、固体分散体の剤形が投与される場合に改善される。
【0099】
一部の実施形態では、固体分散体中の化合物2の少なくとも一部は、非晶質状態である(例えば、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%)。他の実施形態では、固体分散体は、結晶性化合物2を実質的に含まない。
【0100】
一部の実施形態では、この組成物は、化合物2およびポリマーを含む非晶質固体(例えばスプレー乾燥させた)分散体である。非晶質固体分散体は、例えば約30%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、または約1%未満の結晶性化合物2を含むことができ、例えば結晶性化合物2を実質的に含まない。
【0101】
一実施形態では、固体分散体は、所定のレベルの物理的および/または化学的安定性を示す。例えば、固体分散体は、密閉防水容器、例えば、琥珀色ガラスバイアル、高密度ポリエチレン(HDPE)容器または乾燥剤を含むHDPE容器に入れたねじれナイロン紐を有する二重ポリエチレンバッグ中25℃で保存すると、非晶質化合物2を約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約98%、または約99%保持する。
【0102】
一部の実施形態では、ポリマーは、保存されると(例えば2〜8℃、例えば4℃または室温で)、ポリマーを伴わない非晶質化合物2と比較して、化合物2の化学的または物理的安定性(例えば、調節した示差走査熱量計によって測定される)を、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%)増大する。
【0103】
固体分散体は、一般に、ガラス転移温度を示し、分散体は、ガラス状固形からゴム状組成物に転移する。一般に、ガラス転移温度が高いほど、分散体の物理的安定性が高い。ガラス転移温度の存在は、一般に、組成物(例えば分散体)の少なくとも大部分が、非晶質状態であることを示す。医薬品としての適用に適した固体分散体のガラス転移温度(Tg)は、一般に、少なくとも約50℃である。一部の実施形態では、より高い温度が好ましい。したがって、一部の実施形態では、本明細書に開示される固体分散体は、Tgが少なくとも約100℃である(例えば、少なくとも約100℃、少なくとも約105℃、少なくとも約110℃、少なくとも約115℃、少なくとも約120℃、少なくとも約125℃、少なくとも約130℃、少なくとも約135℃、少なくとも約140℃、少なくとも約150℃、少なくとも約160℃、少なくとも約170℃、少なくとも約175℃、少なくとも約180℃、または少なくとも約190℃)。一部の実施形態では、Tgは、約200℃までである。一部の実施形態では、Tgは、約130℃までである(例えば、少なくとも約110℃、少なくとも約111℃、少なくとも約112℃、少なくとも約113℃、少なくとも約114℃、少なくとも約115℃、少なくとも約116℃、少なくとも約117℃、少なくとも約118℃、少なくとも約119℃、少なくとも約120℃、少なくとも約121℃、少なくとも約122℃、少なくとも約123℃、少なくとも約124℃、少なくとも約125℃、少なくとも約1216℃、少なくとも約127℃、少なくとも約128℃、少なくとも約129℃、または少なくとも約130℃)。別段の注記がない限り、本明細書に開示されるガラス転移温度は、乾燥条件下で測定される。
【0104】
一部の実施形態では、固体分散体は、ポリマー(単数または複数)を伴わない非晶質化合物2のガラス転移温度よりも高いガラス転移温度を有する。一部の実施形態では、固体分散体は、ポリマー(単数または複数)を伴わない非晶質化合物2の緩和率よりも低い緩和率を有する。
【0105】
固体分散体中のポリマーの例として、セルロース誘導体(例えば、ヒプロメロース(HPMC)としても公知のヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒプロメロースフタレート(HPMCP)としても公知のヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒプロメロースアセテートスクシネート(HPMCAS)としても公知のヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC))、エチルセルロース、またはセルロースアセテートフタレート;ポリビニルピロリドン(PVP);ポリエチレングリコール(PEG);ポリビニルアルコール(PVA);ポリビニルエステル、例えばポリビニルアセテートフタレート(PVAP);アクリレート、例えばポリメタクリレート(例えば、Eudragit(登録商標)E);シクロデキストリン(例えば、ベータ−シクロデキストリン);ポリ(D,L−ラクチド)(PLA)、ポリ(D,L−ラクチド、co−グリコリド酸(PLGA);ならびに例えばポリビニルピロリドン(polyvinylpyrollidone)−ビニルアセテート(PVP−VA)、ポリビニルカプロラクタム−ポリビニル、およびアセテート−ポリエチレングリコールコポリマー、メチルアクリレート/メタクリル酸コポリマーを含むコポリマーおよびその誘導体;Soluplus;Copovidone;ならびにそれらの混合物が挙げられる。
【0106】
一部の実施形態では、固体分散体は、1種の水溶性ポリマーを含む。一部の実施形態では、固体分散体は、1種の部分的に水溶性のポリマーを含む。一部の実施形態では、ポリマーは、セルロースポリマーである。
【0107】
一部の実施形態では、ポリマーは、HPMCAS(例えば、異なるグレードのHPMCAS:HPMCAS−M、HPMCAS−MGまたはHPMCAS−HG)である。一部の実施形態では、ポリマーは、PVAPである。一部の実施形態では、ポリマーは、HPMC(例えば、異なるグレードのHPMC:HMPC60SH50、HPMCE50またはHPMCE15)である。一部の実施形態では、ポリマーは、HPMCP(例えば、異なるグレードのHPMCP:例えば、HMPCP−HP55)である。
【0108】
一部の実施形態では、ポリマーは、pH依存性の腸溶ポリマーである。このようなpH依存性の腸溶ポリマーには、セルロース誘導体(例えば、セルロースアセテートフタレート(CAP))、HPMCP、HPMCAS、カルボキシメチルセルロース(CMC)またはその塩(例えば、(CMC−Na)などのナトリウム塩);セルロースアセテートトリメリテート(CAT)、ヒドロキシプロピルセルロースアセテートフタレート(HPCAP)、ヒドロキシプロピルメチル−セルロースアセテートフタレート(HPMCAP)、およびメチルセルロースアセテートフタレート(MCAP)、ポリメタクリレート(例えば、Eudragit S)、またはそれらの混合物が含まれるが、それらに限定されない。
【0109】
一部の実施形態では、ポリマーは、ヒプロメロースアセテートスクシネート(HPMCAS)、例えばHMPCAS−HGとしても公知のヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネートである。
【0110】
別の実施形態では、ポリマー(単数または複数)は、不溶性架橋ポリマー、例えばポリビニルピロリドン(例えば、Crospovidone)である。別の実施形態では、ポリマー(単数または複数)は、ポリビニルピロリドン(PVP)である。
【0111】
一部の実施形態では、1種または複数種のポリマーは、固体分散体中に、約10%w/w〜90%w/wの間(例えば、約20%w/w〜約80%w/wの間、約30%w/w〜約70%w/wの間、約40%w/w〜約60%w/wの間、または約15%w/w〜約35%w/wの間)の量で存在する。一部の実施形態では、ポリマー(単数または複数)は、固体分散体中に、約10%w/w〜約80%w/w、例えば約30%w/w〜約75%w/w、または約40%w/w〜約65%w/w、または約45%w/w〜約55%w/w、例えば約46%w/w、約47%w/w、約48%w/w、約49%w/w、約50%w/w、約51%w/w、約52%w/w、約53%w/w、または約54%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、ポリマー(単数または複数)は、固体分散体中に、約48%w/w、約48.5%w/w、約49%w/w、約49.5%w/w、約50%w/w、約50.5%w/w、約51%w/w、約51.5%w/w、約52%w/w、または約52.5%w/wの量で存在する。
【0112】
一部の実施形態では、ポリマー(単数または複数)は、固体分散体中に、約30%w/w〜約70%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、ポリマー(単数または複数)は、固体分散体中に、約35%w/w〜約65%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、ポリマー(単数または複数)は、固体分散体中に、約40%w/w〜約60%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、ポリマー(単数または複数)は、固体分散体中に、約45%w/w〜約55%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、ポリマー(単数または複数)は、固体分散体中に、約50%w/wの量で存在する。
【0113】
一部の実施形態では、化合物2は、固体分散体中に、約10%w/w〜90%w/w(例えば、約20%w/w〜約80%w/wの間、約30%w/w〜約70%w/wの間、約40%w/w〜約60%w/wの間、または約15%w/w〜約35%w/wの間)の量で存在する。一部の実施形態では、化合物2は、固体分散体中に、約10%w/w〜約80%w/w、例えば約30%w/w〜約75%w/w、または約40%w/w〜約65%w/w、または約45%w/w〜約55%w/w、例えば約46%w/w、約47%w/w、約48%w/w、約49%w/w、約50%w/w、約51%w/w、約52%w/w、約53%w/w、または約54%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、化合物2は、固体分散体中に、約48%w/w、約48.5%w/w、約49%w/w、約49.5%w/w、約50%w/w、約50.5%w/w、約51%w/w、約51.5%w/w、約52%w/w、または約52.5%w/wの量で存在する。
【0114】
一部の実施形態では、化合物2は、固体分散体中に、約30%w/w〜約70%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、化合物2は、固体分散体中に、約35%w/w〜約65%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、化合物2は、固体分散体中に、約40%w/w〜約60%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、化合物2は、固体分散体中に、約45%w/w〜約55%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、化合物2は、固体分散体中に、約50%w/wの量で存在する。
【0115】
別の実施形態では、固体分散体は、約20%w/w〜約80%w/wの化合物2、および約20%w/w〜約80%のポリマー(単数または複数)を含む。別の実施形態では、固体分散体は、約25%w/w〜約75%w/wの化合物2、および約25%w/w〜約75%w/wのポリマー(単数または複数)を含む。別の実施形態では、固体分散体は、約30%w/w〜約70%w/wの化合物2、および約30%w/w〜約70%のポリマー(単数または複数)を含む。別の実施形態では、固体分散体は、約35%w/w〜約65%w/wの化合物2、および約35%w/w〜約65%のポリマー(単数または複数)を含む。別の実施形態では、固体分散体は、約40%w/w〜約60%w/wの化合物2、および約40%w/w〜約60%w/wのポリマー(単数または複数)を含む。別の実施形態では、固体分散体は、約45%w/w〜約55%w/wの化合物2、および約45%w/w〜約55%のポリマー(単数または複数)を含む。別の実施形態では、固体分散体は、約50%w/wの化合物2、および約50%w/wのポリマー(単数または複数)を含む。
【0116】
別の実施形態では、固体分散体は、約45%w/w〜約55%w/wの化合物2、および約45%w/w〜約55%w/wのHPMCAS(例えば、HPMCAS−MGもしくはHPMCAS−HG、または他のグレード、例えばLF、MF、HFもしくはLG)またはPVAPを含む。別の実施形態では、固体分散体は、約50%w/wの化合物2、および約50%w/wのHPMCASを含む。
【0117】
一部の実施形態では、固体分散体はまた、界面活性剤または不活性な薬学的に許容される物質を含む。固体分散体中の界面活性剤の例として、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ビタミンEまたはその誘導体(例えば、ビタミンE TPGS)、ドクセートナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ポリソルベート(例えばTween 20およびTween 80)、ポロキサマー類(例えばPoloxamer 335およびPoloxamer 407)、モノオレイン酸グリセリル、Span 65、Span 25、Capryol 90、プルロニックコポリマー(例えば、Pluronic F108、Pluronic P−123)、およびそれらの混合物が挙げられる。一部の実施形態では、界面活性剤は、SLSである。一部の実施形態では、界面活性剤は、ビタミンEまたはその誘導体(例えば、ビタミンE TPGS)である。
【0118】
一部の実施形態では、界面活性剤は、固体分散体中に、約0.1%w/w〜約10%w/w、例えば約0.5%w/w〜約2%w/w、または約1%w/w〜約3%w/w、約1%w/w〜約4%w/w、または約1%w/w〜約5%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、界面活性剤は、固体分散体中に、約0.1%w/w、約0.2%w/w、約0.3%w/w、約0.4%w/w、約0.5%w/w、約0.6%w/w、約0.7%w/w、約0.8%w/w、約0.9%w/w、または約1%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、界面活性剤は、固体分散体中に、約0.5%w/w、約1%w/w、約1.5%w/w、約2%w/w、約2.5%w/w、約3%w/w、約3.5%w/w、約4%w/w、約4.5%w/w、または約5%w/wの量で存在する。
【0119】
固体分散体を調製するためのプロセス
一部の実施形態では、固体分散体は、本明細書に記載されるプロセスに従って調製することができる。一般に、使用できる方法には、混合物から溶媒もしくは溶媒混合物を速やかに除去すること、または溶融試料を冷却することを含む方法が含まれる。このような方法には、回転蒸発、フリーズドライ(すなわち、凍結乾燥)、真空乾燥、溶融凝固、および溶融押出が含まれるが、それらに限定されない。本開示の一実施形態は、スプレー乾燥によって得られた固体分散体を含む。一実施形態では、スプレー乾燥によって得られた生成物は、溶媒または溶媒混合物を除去するために乾燥される。
【0120】
本明細書に開示される調製物、例えば医薬組成物は、化合物2、1種または複数種のポリマー、および適切な溶媒または溶媒混合物を含む混合物をスプレー乾燥することによって得ることができる。スプレー乾燥は、例えば、固体および溶媒または溶媒混合物を含有する液体混合物を噴霧し、溶媒または溶媒混合物を除去することを含む。溶媒または溶媒混合物は、不揮発性溶媒、例えば氷酢酸を含有することもできる。噴霧は、例えば、二流体ノズルもしくは圧力ノズルもしくは電気的音波(electrosonic)ノズルを介して、または回転ディスクによって行うことができる。
【0121】
スプレー乾燥は、液体供給物を、乾燥微粒子形態に変換する。スプレー乾燥は、一般に、液体供給溶液を噴霧して液滴スプレーにし、その液滴を、乾燥チャンバ内で高温の空気またはガスと接触させることを含む。スプレーは、一般に、回転(輪)またはノズル噴霧器のいずれかによって生成される。液滴からの水分蒸発および乾燥粒子の形成は、制御された温度および気流条件の下で進行する。
【0122】
任意選択で、二次乾燥プロセス、例えば流動床乾燥または真空乾燥を使用して、残留溶媒(および他の添加物質、例えば氷酢酸)を、薬学的に許容されるレベルに低減することができる。典型的に、スプレー乾燥は、高度に分散した液体懸濁液または溶液(例えば、噴霧された溶液)および十分な体積の高温の空気またはガス(例えば、窒素、例えば、純粋な窒素)を接触させて、液滴を蒸発させ、乾燥させることを含む。スプレー乾燥される調製物は、選択されたスプレー乾燥装置を使用して噴霧することができる任意の溶液、粗懸濁液、スラリー、コロイド分散液、またはペーストであり得る。標準手順では、調製物は、フィルターを通した温風流(またはガス、例えば窒素)にスプレーされ、この温風流またはガスが、溶媒を蒸発させ、乾燥生成物を収集器(例えば、サイクロン)に移す。次に、使用済みの温風またはガスからは、溶媒(または任意の添加物質、例えば氷酢酸を含む溶媒混合物)が排出され(例えば、次にフィルターに通される)、あるいは使用済みの温風またはガスは、溶媒または溶媒混合物を捕捉し潜在的に再利用するための凝縮器に送られる。例えば、ガス(例えば、窒素)が使用される場合、次にそのガスは、任意選択で再利用され、再び加熱され、密閉ループ系のユニットに戻される。スプレー乾燥を実施するために、商業的に利用可能なタイプの装置を使用することができる。例えば、市販のスプレー乾燥機は、Buchi Ltd.およびNiroによって製造されている(例えば、Niroによって製造されたスプレー乾燥機のPSDライン)。
【0123】
スプレー乾燥は、典型的に、約1%〜約30%または約50%まで、好ましくは少なくとも約10%の材料の固体負荷(すなわち、治療活性のある化合物と添加剤)を用いる。一部の実施形態では、10%未満の固体負荷では、収量が低く、容認しがたく長い実行時間がかかる場合がある。一般に、固体負荷の上限は、得られる溶液の粘度(例えばポンプ注入能)、および溶液への構成要素の溶解度によって影響を受ける。一般に、溶液の粘度によって、得られる粉末生成物中の粒子のサイズを決定することができる。
【0124】
スプレー乾燥のための技術および方法は、Perry's Chemical Engineering Handbook、第6版、R. H. Perry、D. W. GreenおよびJ. O. Maloney編、McGraw-Hill Book Co.(1984年);およびMarshall「Atomization and Spray-Drying」50巻、Chem. Eng. Prog. Monogr. 第2号(1954年)に見出すことができる。一般に、スプレー乾燥は、約40℃〜約200℃、例えば約70℃〜約150℃、好ましくは約40℃〜約60℃、約50℃〜約55℃、または約80℃〜約110℃、例えば約90℃の入口温度で実施される。スプレー乾燥は、一般に、約20℃〜約100℃、例えば約25℃〜約30℃(例えば、約26℃)、約40℃〜約50℃、約50℃〜約65℃、例えば約56℃〜約58℃の出口温度で実施される。
【0125】
溶媒または溶媒混合物の除去には、その後の乾燥ステップ、例えばトレイ乾燥、流動床乾燥(例えば、およそ室温〜約100℃)、真空乾燥、マイクロ波乾燥、回転ドラム乾燥または二円錐真空乾燥(例えば、およそ室温〜約200℃)が必要とされる場合がある。
【0126】
一実施形態では、スプレー乾燥は、流動化スプレー乾燥(FSD)である。FSDのステップには、例えば、液体供給溶液(例えば、溶媒(単数または複数)に溶解または懸濁した化合物2ならびに任意選択でポリマー(単数または複数)および/または界面活性剤(単数または複数)を含有する)を調製すること、スプレー乾燥機の乾燥チャンバに送達する際に、例えばFSDモードで操作して、供給溶液を噴霧すること(例えば、圧力ノズル、回転噴霧器もしくはディスク、二流体ノズル、または他の噴霧方法を用いる)、乾燥チャンバ内で加熱空気または加熱ガス(例えば、窒素)を用いて供給溶液を乾燥させて、生成物を得ること(ここで、より大きい生成物粒子は、分離し、例えば離脱し、一方で微細物は、空気またはガスのストリームによって乾燥チャンバの最上部まで(例えば、自然対流によって)およびサイクロンまで運ばれる)、ならびに微細物を、乾燥チャンバに再導入すること(例えば、乾燥チャンバの最上部に、またはチャンバの中心に対して軸方向に)(ここで、再導入された微細物は、新しく形成された生成物と凝集して、凝集生成物を産生することができ、凝集生成物が十分に大きい場合には、その生成物は分離し、分離するのに十分大きくない場合には、凝集生成物は、対流によってチャンバの最上部およびサイクロンに運ばれ、チャンバに再導入される)を含むことができる。このプロセスは、離脱するのに十分に大きい凝集生成物が形成されるまで、反復される。微細物は、供給パイプを介して、サイクロンから乾燥チャンバに再導入され得る。
【0127】
一部の実施形態では、供給溶液は、加熱空気または加熱ガスによって乾燥されるのではなく、その代わりにスプレー凝固されてもよく、例えばこのプロセスのために、チャンバは、室温(例えば、21±4℃)にされるか、または冷却され、例えば冷却ガス(例えば、窒素)が使用される。
【0128】
FSDは、第1の流動化チャンバ内に凝集化生成物を収集することをさらに含むことができ、その後、凝集化生成物を、第1の流動化チャンバから第2の流動化チャンバに放出させることができ、そこで乾燥後プロセスを行うことができる。
【0129】
次に、凝集化生成物(例えば、分離して乾燥チャンバに入れられる)は、第2の流動化チャンバから第3の流動化チャンバに移すことができ、そこで凝集化生成物は冷却される。次に、凝集化生成物(例えば、非晶質化合物の固体分散体)は、さらに処理され得る。例えば、生成物は、直接的に圧縮され得る。生成物は、任意選択で、例えば直接的な圧縮の前に、界面活性剤、添加剤、または薬学的に許容される担体とブレンドされ得る。生成物は、任意選択で、さらに処理され、例えば、溶融顆粒物(granulate)、界面活性剤、添加剤、および/または薬学的に許容される担体と共に製粉し、造粒し、ブレンドし、かつ/または混合され得る。
【0130】
FSDは、市販のスプレー乾燥機により、流動化スプレー乾燥機モード(FSDモード)で操作して実施され得る。FSDは、開放サイクルモードまたは密閉サイクルモード(例えば、乾燥ガス、例えば、窒素が再利用される)のいずれかで達成され得る。FSDで使用するのに適したスプレー乾燥機の例として、Niro製の乾燥機(例えば、Niroによって製造されたスプレー乾燥機のPSDライン:PHARMASD(商標);ChemicalまたはSDライン乾燥機)が挙げられる。FSDは、本質的に、微細物を乾燥チャンバに再導入可能にするように構成されている任意のスプレー乾燥機で実施され得る。
【0131】
さらなる溶媒を除去するために、例えば、真空もしくは流動床乾燥機、または二重円錐もしくは二円錐事後乾燥機、またはタンブル乾燥機における追加の事後乾燥を、必要に応じて行うことができ/適用することができる。一部の実施形態では、事後乾燥ステップが実施される。
【0132】
溶媒または溶媒混合物を除去するために、真空乾燥、スプレー乾燥、流動化スプレー乾燥、トレイ乾燥、凍結乾燥、ロータリーエバポレーター処理(rotovapping)、および他の乾燥手順を適用することができる。適切な処理パラメータを使用してこれらの方法のいずれかを本開示に従って適用することによって、非晶質状態の化合物2を、最終的な固体分散体生成物で提供する。望ましい特性(例えば、40〜200ミクロン、例えば40〜150ミクロンの中央粒径(d50))、粉末バルク密度>0.2g/ml(例えば、0.2〜0.5g/ml)、または>0.25g/ml、改善された粉末流動性(例えば、低粘着力、粒子間の低内部摩擦)、および/または低OVI(有機揮発性不純物)を有する乾燥粉末、例えば、ICH限界値未満および/または使用者用の仕様書)を有する分散体、例えば粉末をもたらす、適切な条件(例えば、スプレー乾燥機の低出口温度、低沸点溶媒の使用、加熱ガスの使用)を使用すると、分散体は、剤形に直接的に圧縮され得る。
【0133】
一部の実施形態では、入口温度は、約50℃〜約200℃の間、例えば約60℃〜約150℃の間、約70℃〜約100℃の間、約60℃〜約95℃の間、約65℃〜約85℃の間、約70℃〜約90℃の間、約85℃〜約95℃の間、または約70℃〜約85℃の間である。
【0134】
一部の実施形態では、出口温度は、およそ室温(例えば、USPによる室温(例えば、21±4℃))〜約80℃の間、例えば約25℃〜約75℃の間、約30℃〜約65℃の間、約35℃〜約70℃の間、約40℃〜約65℃の間、約45℃〜約60℃の間、約35℃〜約45℃の間、約35℃〜約40℃の間、または約37℃〜約40℃の間である。
【0135】
一部の実施形態では、流動床の温度設定点(床ごとの温度は、別の床に選択された温度とは独立に選択される)は、およそ室温(例えば、USPによる室温(例えば、21±4℃))〜約100℃の間、例えば約30℃〜約95℃の間、約40℃〜約90℃の間、約50℃〜約80℃の間、約60℃〜約85℃の間、約65℃〜約95℃の間、または約80℃〜約95℃の間である。
【0136】
FSDは、化合物2を含有する混合物に対して実施することができる。例えば、FSDを、化合物2、および1種または複数種のポリマー、および任意選択で1種または複数種の界面活性剤、および任意選択で1種または複数種の追加の添加剤(単数または複数)を含有する混合物に対して実施して、例えば経口剤形(例えば、錠剤)に直接的に圧縮することができる、その非晶質化合物2の固体分散体を得ることができる。あるいは、分散体は、圧縮の前に、1種または複数種の添加剤とブレンドすることができる。
【0137】
一実施形態では、化合物2の固体分散体を調製するためのプロセスは、
a)化合物2、1種または複数種のポリマー、および1種または複数種の溶媒の混合物を形成するステップと、
b)溶液から溶媒(単数または複数)を急速に除去して、化合物2および1種または複数種のポリマーを含む固体非晶質分散体を形成するステップと
を含む。1種または複数種のポリマーおよび1種または複数種の溶媒は、本明細書に開示されるもののいずれかであり得る。
【0138】
一部の実施形態では、溶媒は、スプレー乾燥によって除去される。一部の実施形態では、固体分散体は、対流型トレイ乾燥機を使用してトレイ乾燥させられる。一部の実施形態では、固体分散体は、ふるいにかけられる。
【0139】
一実施形態では、化合物2は、結晶性である。別の実施形態では、化合物2は、非晶質である。
【0140】
当業者によって理解される通り、スプレー乾燥を行うことができ、スプレー乾燥は、しばしば不活性ガス、例えば窒素の存在下で行われる。ある特定の実施形態では、スプレー乾燥を伴うプロセスは、二酸化炭素または二酸化炭素を含む混合物を含む超臨界流体の存在下で行うことができる。
【0141】
別の実施形態では、化合物2の固体分散体を調製するためのプロセスは、
a)化合物2、ポリマー、および溶媒の混合物を形成するステップと、
b)混合物をスプレー乾燥させて、化合物2およびポリマーを含む固体分散体を形成するステップと
を含む。
【0142】
残留溶媒に関するICHまたは所与の仕様書未満まで、湿式スプレー乾燥させた分散体の事後乾燥および/または研磨を任意選択で実施することができる。
【0143】
これらのプロセスを使用して、本明細書に開示される医薬組成物を調製することができる。これらのプロセスで使用される構成要素の量および特徴は、本明細書に開示される通りであり得る。
【0144】
一部の実施形態では、溶媒は、化合物2およびポリマー(単数または複数)を溶解または懸濁させるための1種または複数種の揮発性溶媒を含む。一部の実施形態では、1種または複数種の溶媒は、化合物2およびポリマー(単数または複数)を完全に溶解させる。
【0145】
一部の実施形態では、1種または複数種の溶媒は、揮発性溶媒(例えば、塩化メチレン、アセトン、メタノール、エタノール、クロロホルム、テトラヒドロフラン(THF)、またはそれらの混合物)である。適切な揮発性溶媒の例として、治療活性のある化合物を、単独でまたは別の共溶媒と組み合わせて溶解または懸濁させる溶媒が挙げられる。一部の実施形態では、溶媒(単数または複数)は、治療活性のある化合物を完全に溶解させる。一部の実施形態では、溶媒は、アセトンである。一部の実施形態では、溶媒は、メタノールである。
【0146】
一部の実施形態では、溶媒は、不揮発性溶媒(例えば、有機酸、例えば氷酢酸、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、または水)である。一部の実施形態では、不揮発性溶媒は、溶媒系の構成要素である。例えば、不揮発性溶媒は、溶媒中の構成要素として、約1%〜約20%w/w(例えば、約3%w/w〜約15%w/w、約4%w/w〜約12%w/w、または約5%w/w〜約10%w/w)で存在する。
【0147】
一部の実施形態では、溶媒は、溶媒混合物である。例えば、溶媒は、約0%〜約30%のアセトンおよび約70%〜約100%のメタノールを含むことができ、または溶媒は、約0%〜約40%のアセトンおよび約60%〜約100%のメタノールを含むことができる。メタノールとアセトンの他の例示的な比には、80:20、75:25、70:30、60:40、55:45、および50:50が含まれる。
【0148】
一部の実施形態では、溶媒は、少なくとも1種の不揮発性溶媒を含む溶媒の組合せである。例えば、溶媒は、揮発性溶媒および不揮発性溶媒の両方を含む構成要素の組合せである。一部の実施形態では、溶媒系は、揮発性溶媒の組合せ、または溶媒、例えばメタノールおよびアセトンと不揮発性溶媒、例えば氷酢酸との組合せである。例えば、溶媒系は、約40%〜約80%のメタノール、約20%〜約35%のアセトン、および約1%〜約15%の氷酢酸(例えば、約50%〜約70%のメタノール、約25%〜約30%のアセトン、および約3%〜約12%の氷酢酸)を含む。
【0149】
一部の実施形態では、溶媒系は、揮発性溶媒の組合せ、または溶媒、例えばメタノールおよびアセトンと不揮発性溶媒、例えば水との組合せである。例えば、溶媒系は、約40%〜約80%のメタノール、約20%〜約35%のアセトン、および約0.1%〜約15%の水(例えば、約50%〜約70%のメタノール、約25%〜約30%のアセトン、および約1%〜約5%の水)を含む。
【0150】
ある特定の実施形態では、固体分散体の医薬組成物は、本明細書に記載されるプロセスによって製作することができる。例えば、(a)化合物2、および(b)1種または複数種のポリマー、ならびに任意選択で1種または複数種の界面活性剤および任意選択で1種または複数種の追加の添加剤の、固体分散体。
【0151】
A.化合物2の固体分散体を含有する医薬組成物
ある特定の実施形態では、(a)化合物2およびポリマーを含む固体分散体、ならびに(b)1種または複数種の薬学的に許容される担体を含む医薬組成物が本明細書で提供される。薬学的に許容される担体の例は、充填剤、崩壊剤、湿潤剤、流動促進剤、および滑沢剤である。
【0152】
一部の実施形態では、医薬組成物は、それらに限定されるものではないが、カプセル剤、錠剤、乳濁液剤および水性懸濁液剤、分散液剤、ならびに溶液剤を含めた任意の経口的に許容される剤形で経口投与することができる。
【0153】
一部の実施形態では、医薬組成物は、錠剤である。
【0154】
一部の実施形態では、医薬組成物は、化合物2の直接的に圧縮された剤形を含む。
【0155】
一部の実施形態では、医薬組成物はまた、充填剤を含む。充填剤は、例えば、微結晶性セルロース、ラクトース、マンニトール、エチルセルロース、ソルビトール、デンプン、スクロース、リン酸カルシウム、粉末化セルロース、ケイ化微結晶性セルロース、イソマルト、またはそれらの混合物であり得る。一部の実施形態では、充填剤は、微結晶性セルロースである。
【0156】
一部の実施形態では、充填剤は、医薬組成物中に、約10%w/w〜50%w/wの間(例えば、約15%w/w〜約45%w/wの間、約20%w/w〜約40%w/wの間、約25%w/w〜約35%w/wの間、または約28%w/w〜約32%w/wの間)の量で存在する。一部の実施形態では、充填剤は、医薬組成物中に、約20%w/w〜約35%w/w、例えば約25%w/w〜約34%w/w、または約26%w/w〜約33%w/w、または約27%w/w〜約32%w/w、例えば約28%w/w、約28.5%w/w、約29%w/w、約29.5%w/w 約30%w/w、約30.5%w/w、約31%w/w、または約31.5%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、充填剤は、医薬組成物中に、約29%w/w、約29.1%w/w、約29.2%w/w、約29.3%w/w、約29.4%w/w、約29.5%w/w、約29.6%w/w、約29.7%w/w、約29.8%w/w、約29.9%w/w、または約30%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、充填剤は、医薬組成物中に、約25%w/w〜約35%w/wの間の量で存在する。一部の実施形態では、充填剤は、医薬組成物中に、約29.5%w/wの量で存在する。
【0157】
一部の実施形態では、医薬組成物はまた、崩壊剤を含む。崩壊剤は、例えば、コロイド状二酸化ケイ素、粉末化セルロース、ケイ酸カルシウム、クロスポビドン、アルギン酸カルシウム、メチルセルロース、キトサン、カルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルデンプン、アルギン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、アルファ化デンプン、またはそれらの混合物であり得る。一部の実施形態では、崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウムである。
【0158】
一部の実施形態では、崩壊剤は、医薬組成物中に、約1%w/w〜15%w/wの間(例えば、約3%w/w〜約12%w/wの間、約4%w/w〜約10%w/wの間、約5%w/w〜約7%w/wの間、または約6%w/w〜約7%w/wの間)の量で存在する。一部の実施形態では、崩壊剤は、医薬組成物中に、約3%w/w、約3.5%w/w、約4%w/w、約49.5%w/w 約5%w/w、約5.5%w/w、約6%w/w、または約6.5%w/w、約7%w/w、約7.5%w/w、約8%w/w、約8.5%w/w、約9%w/w、約9.5%w/w、または約10%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、崩壊剤は、医薬組成物中に、約5%w/w〜約7%w/wの間の量で存在する。一部の実施形態では、崩壊剤は、医薬組成物中に、約6%w/wの量で存在する。
【0159】
一部の実施形態では、医薬組成物はまた、湿潤剤を含む。湿潤剤は、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ポリソルベート(例えばTween 20およびTween 80)、ポロキサマー類(例えばPoloxamer 335およびPoloxamer 407)、モノオレイン酸グリセリル、またはそれらの混合物であり得る。一部の実施形態では、湿潤剤は、ラウリル硫酸ナトリウムである。
【0160】
一部の実施形態では、湿潤剤は、医薬組成物中に、約0.1%w/w〜2%w/wの間(例えば、約0.5%w/w〜約2%w/wの間、約0.5%w/w〜約1.5%w/wの間、または約1%w/w〜約1.5%w/wの間)の量で存在する。一部の実施形態では、湿潤剤は、医薬組成物中に、約0.1%w/w、約0.2%w/w、約0.3%w/w、約0.4%w/w 約0.5%w/w、約0.6%w/w、約0.7%w/w、または約0.8%w/w、約0.9%w/w、約1%w/w、約1.1%w/w、約1.2%w/w、約1.3%w/w、約1.4%w/w、約1.5%w/w、約1.6%w/w、約1.7%w/w、約1.8%w/w、約1.9%w/w、または約2%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、湿潤剤は、医薬組成物中に、約0.5%w/w〜約1.5%w/wの間の量で存在する。一部の実施形態では、湿潤剤は、医薬組成物中に、約1%w/wの量で存在する。
【0161】
一部の実施形態では、医薬組成物はまた、流動促進剤を含む。流動促進剤は、例えば、二酸化ケイ素、コロイド状二酸化ケイ素、第三リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、粉末化セルロース、タルク、デンプン、およびそれらの混合物であり得る。一部の実施形態では、流動促進剤は、コロイド状二酸化ケイ素である。
【0162】
一部の実施形態では、流動促進剤は、医薬組成物中に、約0.1%w/w〜5%w/wの間(例えば、約1%w/w〜約4%w/wの間、約1%w/w〜約3%w/wの間、または約1.5%w/w〜約2.5%w/wの間)の量で存在する。一部の実施形態では、流動促進剤は、医薬組成物中に、約0.5%w/w、約1%w/w、約1.5%w/w、約2%w/w 約2.5%w/w、約3%w/w、約3.5%w/w、または約4%w/w、約4.5%w/w、または約5%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、流動促進剤は、医薬組成物中に、約1.1%w/w、約1.2%w/w、約1.3%w/w、約1.4%w/w、約1.5%w/w、約1.6%w/w、約1.7%w/w、約1.8%w/w、約1.9%w/w、約2%w/w、2.1%w/w、約2.2%w/w、約2.3%w/w、約2.4%w/w、約2.5%w/w、約2.6%w/w、約2.7%w/w、約2.8%w/w、約2.9%w/w、または約3%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、流動促進剤は、医薬組成物中に、約1%w/w〜約3%w/wの間の量で存在する。一部の実施形態では、流動促進剤は、医薬組成物中に、約2%w/wの量で存在する。
【0163】
一部の実施形態では、医薬組成物はまた、滑沢剤を含む。滑沢剤は、例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、フマル酸ステアリルナトリウム、ベヘン酸グリセリル、水素化植物油、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸スクロース、ポリビニルアルコール、ラウリル硫酸マグネシウム、またはそれらの混合物であり得る。一部の実施形態では、滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウムである。
【0164】
一部の実施形態では、滑沢剤は、医薬組成物中に、約0.1%w/w〜5%w/wの間(例えば、約1%w/w〜約4%w/wの間、約1%w/w〜約3%w/wの間、または約1%w/w〜約2%w/wの間)の量で存在する。一部の実施形態では、滑沢剤は、医薬組成物中に、約0.5%w/w、約1%w/w、約1.5%w/w、約2%w/w 約2.5%w/w、約3%w/w、約3.5%w/w、または約4%w/w、約4.5%w/w、または約5%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、滑沢剤は、医薬組成物中に、約0.1%w/w、約0.2%w/w、約0.3%w/w、約0.4%w/w、約0.5%w/w、約0.6%w/w、約0.7%w/w、約0.8%w/w、約0.9%w/w、約1%w/w、約1.1%w/w、約1.2%w/w、約1.3%w/w、約1.4%w/w、約1.5%w/w、約1.6%w/w、約1.7%w/w、約1.8%w/w、約1.9%w/w、約2%w/w、2.1%w/w、約2.2%w/w、約2.3%w/w、約2.4%w/w、または約2.5%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、滑沢剤は、医薬組成物中に、約0.5%w/w〜約2.5%w/wの間の量で存在する。一部の実施形態では、滑沢剤は、医薬組成物中に、約1.5%w/wの量で存在する。
【0165】
一部の実施形態では、固体分散体は、医薬組成物の総重量の約25重量%〜85重量%を構成する。一部の実施形態では、固体分散体は、医薬組成物の総重量の約50重量%〜約70重量%を構成する。
【0166】
一部の実施形態では、化合物2は、医薬組成物の総重量の約15%〜45%を構成し、および1種または複数種のポリマーは、医薬組成物の総重量の約15%〜45%を構成する。
【0167】
一部の実施形態では、化合物2は、医薬組成物の約20%w/wを構成し、1種または複数種のポリマーは、医薬組成物の約40%w/wを構成する。
【0168】
一部の実施形態では、化合物2は、医薬組成物の約25%w/wを構成し、1種または複数種のポリマーは、医薬組成物の約35%w/wを構成する。
【0169】
一部の実施形態では、化合物2は、医薬組成物の約30%w/wを構成し、1種または複数種のポリマーは、医薬組成物の約30%w/wを構成する。
【0170】
一部の実施形態では、化合物2は、医薬組成物の約35%w/wを構成し、1種または複数種のポリマーは、医薬組成物の約25%w/wを構成する。
【0171】
一部の実施形態では、固体分散体は、医薬組成物の約50%w/w〜約70%w/wの間を構成し、充填剤は、医薬組成物の約25%w/w〜約35%w/wの間を構成し、崩壊剤は、医薬組成物の約5%w/w〜約7%w/wの間を構成し、湿潤剤は、医薬組成物の約0.5%w/w〜約1.5%w/wの間を構成し、流動促進剤は、医薬組成物の約1%w/w〜約3%w/wの間を構成し、滑沢剤は、医薬組成物の約0.5%w/w〜約2.5%w/wの間を構成し、それによって合計100重量%の組成物となる。
【0172】
一部の実施形態では、固体分散体は、医薬組成物の約60%w/wを構成し、充填剤は、医薬組成物の約29.5%w/wを構成し、崩壊剤は、医薬組成物の約6%w/wを構成し、湿潤剤は、医薬組成物の約1%w/wを構成し、流動促進剤は、医薬組成物の約2%w/wを構成し、滑沢剤は、医薬組成物の約1.5%w/wを構成する。
【0173】
一部の実施形態では、医薬組成物は、約25%w/w〜約35%w/wの間の化合物2 約25%w/w〜約35%w/wの間のヒプロメロースアセテートスクシネート(HPMCAS)、約25%w/w〜約35%w/wの間の微結晶性セルロース、約5%w/w〜約7%w/wの間のクロスカルメロースナトリウム、約0.5%w/w〜約1.5%w/wの間のラウリル硫酸ナトリウム、約1%w/w〜約3%w/wの間のコロイド状二酸化ケイ素、および約0.5%w/w〜約2.5%w/wの間のステアリン酸マグネシウムを含み、それによって合計100重量%の組成物となる。
【0174】
一部の実施形態では、医薬組成物は、約30%w/wの化合物2 約30%w/wのヒプロメロースアセテートスクシネート(HPMCAS)、約29.5%w/wの微結晶性セルロース、約6%w/wのクロスカルメロースナトリウム、約1%w/wのラウリル硫酸ナトリウム、約2%w/wのコロイド状二酸化ケイ素、および約1.5%w/wのステアリン酸マグネシウムを含む。
【0175】
一部の実施形態では、固体分散体、充填剤、崩壊剤、湿潤剤、流動促進剤、および滑沢剤は、粒内に添加される。一部の実施形態では、追加量の充填剤、崩壊剤、流動促進剤、および滑沢剤は、粒外に添加される。
【0176】
一部の実施形態では、医薬組成物は、粒内に添加される以下の構成要素を含み、固体分散体は、医薬組成物の約50%w/w〜約70%w/wを構成し、充填剤は、医薬組成物の約18%w/w〜約26%w/wを構成し、崩壊剤は、医薬組成物の約2%w/w〜約6%w/wを構成し、湿潤剤は、医薬組成物の約0.5%w/w〜約1.5%w/wを構成し、流動促進剤は、医薬組成物の約0.5%w/w〜約1.5%w/wを構成し、滑沢剤は、医薬組成物の約0.25%w/w〜約1%w/wを構成する。
【0177】
一部の実施形態では、医薬組成物は、粒外に添加される以下の構成要素を含み、追加量の充填剤は、医薬組成物の約4%w/w〜約12%w/wを構成し、追加量の崩壊剤は、医薬組成物の約1%w/w〜約3%w/wを構成し、追加量の流動促進剤は、医薬組成物の約0.5%w/w〜約1.5%w/wを構成し、追加量の滑沢剤は、医薬組成物の約0.5%w/w〜約1.5%w/wを構成し、それらは粒外に添加される。
【0178】
一部の実施形態では、医薬組成物は、粒内に添加される以下の構成要素を含み、固体分散体は、医薬組成物の約60%w/wを構成し、充填剤は、医薬組成物の約21.5%w/wを構成し、崩壊剤は、医薬組成物の約4%w/wを構成し、湿潤剤は、医薬組成物の約1%w/wを構成し、流動促進剤は、医薬組成物の約1%w/wを構成し、滑沢剤は、医薬組成物の約0.5%w/wを構成する。
【0179】
一部の実施形態では、医薬組成物は、粒外に添加される以下の構成要素を含み、追加量の充填剤は、医薬組成物の約8%w/wを構成し、追加量の崩壊剤は、医薬組成物の約2%w/wを構成し、追加量の流動促進剤は、医薬組成物の約1%w/wを構成し、追加量の滑沢剤は、医薬組成物の約1%w/wを構成し、それらは粒外に添加される。
【0180】
一部の実施形態では、医薬組成物は、粒内に添加される以下の構成要素を含み、化合物2およびヒプロメロースアセテートスクシネート(HPMCAS)を含む固体分散体は、医薬組成物の約50%w/w〜約70%w/wを構成し、微結晶性セルロースは、医薬組成物の約18%w/w〜約26%w/wを構成し、クロスカルメロースナトリウムは、医薬組成物の約2%w/w〜約6%w/wを構成し、ラウリル硫酸ナトリウムは、医薬組成物の約0.5%w/w〜約1.5%w/wを構成し、コロイド状二酸化ケイ素は、医薬組成物の約0.5%w/w〜約1.5%w/wを構成し、ステアリン酸マグネシウムは、医薬組成物の約0.25%w/w〜約1%w/wを構成する。
【0181】
一部の実施形態では、医薬組成物は、粒外に添加される以下の構成要素を含み、追加量の微結晶性セルロースは、医薬組成物の約4%w/w〜約12%w/wを構成し、追加量のクロスカルメロースナトリウムは、医薬組成物の約1%w/w〜約3%w/wを構成し、追加量のコロイド状二酸化ケイ素は、医薬組成物の約0.5%w/w〜約1.5%w/wを構成し、追加量のステアリン酸マグネシウムは、医薬組成物の約0.5%w/w〜約1.5%w/wを構成し、それらは粒外に添加される。
【0182】
一部の実施形態では、医薬組成物は、粒内に添加される以下の構成要素を含み、化合物2およびヒプロメロースアセテートスクシネート(HPMCAS)を含む固体分散体は、医薬組成物の約60%w/wを構成し、微結晶性セルロースは、医薬組成物の約21.5%w/wを構成し、クロスカルメロースナトリウムは、医薬組成物の約4%w/wを構成し、ラウリル硫酸ナトリウムは、医薬組成物の約1%w/wを構成し、コロイド状二酸化ケイ素は、医薬組成物の約1%w/wを構成し、ステアリン酸マグネシウムは、医薬組成物の約0.5%w/wを構成する。
【0183】
一部の実施形態では、医薬組成物は、粒外に添加される以下の構成要素を含み、追加量の微結晶性セルロースは、医薬組成物の約8%w/wを構成し、追加量のクロスカルメロースナトリウムは、医薬組成物の約2%w/wを構成し、追加量のコロイド状二酸化ケイ素は、医薬組成物の約1%w/wを構成し、追加量のステアリン酸マグネシウムは、医薬組成物の約1%w/wを構成し、それらは粒外に添加される。
【0184】
B.シタラビンを含有する医薬組成物
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法において、それを必要とする患者に投与するための、シタラビンおよび薬学的に許容される担体を含む医薬組成物が本明細書で提供される。ある特定の実施形態では、シタラビンを含む医薬組成物は、非経口投与のためのものである。一実施形態では、医薬組成物は、静脈内、髄腔内または皮下投与のための無菌溶液にシタラビンを含む。
【0185】
ある特定の実施形態では、医薬組成物は、20mg/mLのシタラビンを含有する水溶液を含む。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、100mg/mLのシタラビンを含有する水溶液を含む。
【0186】
一実施形態では、シタラビンを含む医薬組成物は、保存剤を含有しない。一実施形態では、シタラビンを含む医薬組成物は、塩化ナトリウムをさらに含む。一実施形態では、塩化ナトリウムは、組成物の総質量に対して約0.68%で存在する。一実施形態では、医薬組成物は、組成物のpHを約7.2〜7.8に調整するための塩酸および/または水酸化ナトリウムをさらに含む。一実施形態では、医薬組成物は、組成物のpHを約7.3〜7.7に調整するための塩酸および/または水酸化ナトリウムをさらに含む。一実施形態では、医薬組成物は、組成物のpHを約7.4、7.6または7.7に調整するための塩酸および/または水酸化ナトリウムをさらに含む。
【0187】
一実施形態では、シタラビンを含む医薬組成物は、保存剤を含有する。一実施形態では、保存剤は、ベンジルアルコールである。一実施形態では、ベンジルアルコールの量は、組成物の総質量に対して約0.9%である。一実施形態では、医薬組成物は、組成物のpHを約7.6に調整するための塩酸および/または水酸化ナトリウムをさらに含む。
【0188】
ある特定の実施形態では、シタラビンを含む、再構成に適した粉末が本明細書で提供される。ある特定の実施形態では、この組成物は、0.9%m/vベンジルアルコールを含有する水で再構成される。
【0189】
ある特定の実施形態では、シタラビンは、シタラビンのための添付文書に従って製剤化され、投与される。
【0190】
C.ダウノルビシンを含有する医薬組成物
ある特定の実施形態では、塩酸ダウノルビシンおよび薬学的に許容される担体を含む医薬組成物が本明細書で提供される。ある特定の実施形態では、この組成物は、本明細書で提供される方法においてそれを必要とする患者に静脈内投与するためのものである。ある特定の実施形態では、この組成物は、塩化ナトリウムをさらに含む。ある特定の実施形態では、この組成物は、pHを3〜7に調整するための水酸化ナトリウムおよび/または塩酸をさらに含む。ある特定の実施形態では、この組成物は、3〜4、4〜5または4.5〜6.5の範囲のpHを有する。ある特定の実施形態では、この組成物は、5mg/mLのダウノルビシンに等価な塩酸ダウノルビシン、9mg/mLの塩化ナトリウム、pHを3〜4に調整するための水酸化ナトリウムおよび/または塩酸の水溶液を含む。
【0191】
ある特定の実施形態では、ダウノルビシンは、その添付文書に従って製剤化され、投与される。
【0192】
D.イダルビシンを含有する医薬組成物
ある特定の実施形態では、塩酸イダルビシンおよび薬学的に許容される担体を含む医薬組成物が本明細書で提供される。ある特定の実施形態では、この組成物は、塩酸イダルビシンを、再構成および静脈内投与のための凍結乾燥させた無菌粉末として含む。ある特定の実施形態では、この組成物は、単回使用のバイアル1つ当たり約20mgの量の、塩酸イダルビシンの凍結乾燥させた無菌粉末を含む。ある特定の実施形態では、この組成物は、ラクトースNFをさらに含む。
【0193】
ある特定の実施形態では、保存剤を含まない静脈内投与のための無菌半合成溶液に塩酸イダルビシンを含む医薬組成物が本明細書で提供される。ある特定の実施形態では、保存剤を含まない等張非経口溶液に塩酸イダルビシンを含む医薬組成物が本明細書で提供される。ある特定の実施形態では、この組成物は、単回使用のバイアルで提供される。
【0194】
一実施形態では、バイアルは、塩酸イダルビシンを含む溶液約5mL、10mLまたは20mLを含有する。ある特定の実施形態では、各バイアルは、1mg/mLの量の塩酸イダルビシン、および以下の不活性成分:グリセリン、USP25mg/mL、水、pHを約3.5に調整するための塩酸、NFを含有する。
【0195】
ある特定の実施形態では、各バイアルは、塩酸イダルビシン約5mg、グリセロール125mg、5mLまでの適量の注射用の水、およびpHを3.5にするためのHClを含有する。
【0196】
ある特定の実施形態では、各バイアルは、塩酸イダルビシン約10mg、グリセロール250mg、10mLまでの適量の注射用の水、およびpHを3.5にするためのHClを含有する。
【0197】
ある特定の実施形態では、イダルビシンは、その添付文書に従って製剤化され、投与される。
【0198】
E.エトポシドを含有する医薬組成物
ある特定の実施形態では、リン酸エトポシドおよび薬学的に許容される担体を含む医薬組成物が本明細書で提供される。ある特定の実施形態では、リン酸エトポシドの医薬組成物は、静脈内注入のためのものである。一実施形態では、医薬組成物は、エトポシド約100mgに等価なリン酸エトポシド、クエン酸ナトリウムUSP約32.7mg、およびデキストラン40約300mgを含有する単回用量のバイアルで提供される。
【0199】
ある特定の実施形態では、リン酸エトポシドの医薬組成物は、静脈内注射のためのものである。一実施形態では、医薬組成物は、100mg(5mL)、200mg(10mL)または500mg(25mL)の複数回用量の無菌バイアル中、20mg/mLの溶液として提供され、各1mLは、エトポシド約20mg、クエン酸約2mg、ポリソルベート80約80mg、ポリエチレングリコール300約650mg、および無水アルコール約33.2%(v/v)を含有する。
【0200】
ある特定の実施形態では、エトポシドは、その添付文書に従って製剤化され、投与される。
【0201】
F.ミトキサントロンを含有する医薬組成物
ある特定の実施形態では、塩酸ミトキサントロンおよび薬学的に許容される担体を含む医薬組成物が本明細書で提供される。ある特定の実施形態では、塩酸ミトキサントロンの医薬組成物は、静脈内投与のためのものである。
【0202】
ある特定の実施形態では、この組成物は、注射の前に希釈を必要とする濃縮物として提供される。ある特定の実施形態では、この組成物は、2mg/mLのミトキサントロン遊離塩基に等価な塩酸ミトキサントロン、塩化ナトリウム(約0.80%w/v)、酢酸ナトリウム(約0.005%w/v)、氷酢酸(約0.046%w/v)、および水を含む無菌水溶液である。一実施形態では、この組成物は、3.0〜4.5のpHを有し、1mL当たり0.14m当量のナトリウムを含有する。ある特定の実施形態では、この組成物は、いかなる保存剤も含有しない。
【0203】
ある特定の実施形態では、ミトキサントロンは、その添付文書に従って製剤化され、投与される。
【0204】
使用方法
一実施形態では、変異型IDH1阻害剤とAML導入および強化療法との組合せを対象に投与することによって、IDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられる急性骨髄性白血病(AML)を処置する方法が本明細書で提供される。
【0205】
一実施形態では、変異型IDH1阻害剤は、(S)−N−((S)−1−(2−クロロフェニル)−2−((3,3−ジフルオロシクロブチル)アミノ)−2−オキソエチル)−1−(4−シアノピリジン−2−イル)−N−(5−フルオロピリジン−3−イル)−5−オキソピロリジン−2−カルボキサミド、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体、同位体置換体、プロドラッグもしくは多形体(化合物2)である。
【0206】
一実施形態では、IDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられるAMLを処置する方法であって、治療有効量の化合物2、ならびにAML導入療法および強化療法を対象に投与するステップを含む方法が本明細書で提供される。
【0207】
一実施形態では、IDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられるAMLを処置する方法であって、治療有効量の化合物2、ならびにAML導入療法および強化療法を含む医薬組成物を対象に投与するステップを含む方法が本明細書で提供される。
【0208】
一実施形態では、新たに診断されたAML、未処置AML、骨髄異形成症候群(MDS)から生じたAML、血液学的前駆障害(AHD)から生じたAMLおよび遺伝毒性傷害に曝露された後に生じたAMLから選択されるAMLを処置する方法が本明細書で提供される。ある特定の実施形態では、遺伝毒性傷害は、放射線および/または化学療法から生じる。一実施形態では、放射線および/または化学療法から生じた遺伝毒性傷害に曝露された後に生じたAMLを処置する方法が本明細書で提供される。
【0209】
一実施形態では、新たに診断されたAMLを処置する方法が本明細書で提供される。
【0210】
一実施形態では、未処置AMLを処置する方法が本明細書で提供される。
【0211】
一実施形態では、骨髄異形成症候群(MDS)から生じたAMLを処置する方法が本明細書で提供される。
【0212】
一実施形態では、血液学的前駆障害(AHD)から生じたAMLを処置する方法が本明細書で提供される。
【0213】
一実施形態では、遺伝毒性傷害に曝露された後に生じたAMLを処置する方法が本明細書で提供される。
【0214】
一実施形態では、AML導入療法は、シタラビンとダウノルビシンの組合せである。一実施形態では、AML導入療法は、シタラビンとイダルビシンの組合せである。
【0215】
一実施形態では、AML強化療法は、シタラビンである。一実施形態では、AML強化療法は、ミトキサントロンとエトポシドの組合せである。
【0216】
一実施形態では、本明細書で提供されるAMLを処置する方法は、導入段階中に、治療有効量の化合物2を経口投与し、シタラビンおよびダウノルビシンを静脈内投与し、その後、強化段階中に、治療有効量の化合物2を経口投与し、シタラビンを静脈内投与するステップを含む。
【0217】
一実施形態では、本明細書で提供されるAMLを処置する方法は、導入段階中に、治療有効量の化合物2を経口投与し、シタラビンおよびイダルビシンを静脈内投与し、その後、強化段階中に、治療有効量の化合物2を経口投与し、シタラビンを静脈内投与するステップを含む。
【0218】
一実施形態では、本明細書で提供されるAMLを処置する方法は、導入段階中に、治療有効量の化合物2を経口投与し、シタラビンおよびダウノルビシンを静脈内投与し、その後、強化段階中に、ミトキサントロンおよびエトポシドを静脈内投与するステップを含む。
【0219】
一実施形態では、本明細書で提供されるAMLを処置する方法は、導入段階中に、治療有効量の化合物2を経口投与し、シタラビンおよびイダルビシンを静脈内投与し、その後、強化段階中に、治療有効量の化合物2を経口投与し、ミトキサントロンおよびエトポシドを静脈内投与するステップを含む。
【0220】
一実施形態では、化合物2、シタラビン、およびダウノルビシンは、同時に投与される。一実施形態では、化合物2、シタラビン、およびダウノルビシンは、逐次的に投与される。一実施形態では、化合物2、シタラビン、およびイダルビシンは、同時に投与される。一実施形態では、化合物2、シタラビン、およびイダルビシンは、逐次的に投与される。
【0221】
一実施形態では、処置される悪性腫瘍は、IDH1の変異対立遺伝子によって特徴付けられ、ここでIDH1変異は、患者においてαケトグルタル酸からR(−)−2−ヒドロキシグルタル酸へのNAPH依存性還元を触媒する酵素の新しい能力をもたらす。この実施形態の一態様では、変異型IDH1は、R132X変異を有する。この実施形態の一態様では、R132X変異は、R132H、R132C、R132L、R132V、R132SおよびR132Gから選択される。別の態様では、R132X変異は、R132HまたはR132Cである。さらに別の態様では、R132X変異は、R132Hである。
【0222】
悪性腫瘍は、IDH1のアミノ酸132における変異(例えば、存在する変化したアミノ酸)の存在および特異的性質を決定するために、細胞試料を配列決定することによって分析することができる。
【0223】
理論に拘泥するものではないが、出願人らは、IDH1変異が、αケトグルタル酸からR(−)−2−ヒドロキシグルタル酸へのNAPH依存性還元を触媒する酵素の新しい能力をもたらす、IDH1の変異対立遺伝子、特にIDH1のR132H変異が、体内のがん細胞の性質または位置に関わらず、あらゆるタイプのがんのサブセットを特徴付けることを見出した。したがって、本明細書で提供される化合物、組成物および方法は、このような活性を付与するIDH1の変異対立遺伝子、特にIDH1のR132HまたはR132C変異の存在によって特徴付けられる、任意のタイプのがんを処置するのに有用である。
【0224】
一実施形態では、悪性腫瘍は、診断または処置時に、腫瘍細胞の少なくとも30、40、50、60、70、80または90%が、IDH1変異、特にIDH1のR132HまたはR132C変異を持っている腫瘍である。
【0225】
一実施形態では、悪性腫瘍の処置の有効性は、対象における2HGのレベルを測定することによってモニタリングされる。典型的に、2HGのレベルは、処置の前に測定され、そのレベルが高いことは、化合物2の使用を指示する。高いレベルが確立されると、有効性を確立するために、処置の過程中および/または処置の終結後に、2HGのレベルが決定される。ある特定の実施形態では、2HGのレベルは、処置の過程中および/または処置の終結後に初めて決定される。処置の過程中および処置後の2HGレベルの低下は、有効性を示す。同様に、処置の過程中または処置後に2HGレベルが上昇していないと決定されることも有効性を示している。典型的に、2HGの測定は、悪性腫瘍の処置の有効性の他の周知の決定、例えば腫瘍および/または他のがん関連病変の数およびサイズの低減、対象の全体的な健康の改善、ならびに悪性腫瘍の処置有効性と関連する他のバイオマーカーの変化と一緒に利用される。
【0226】
2HGは、LC/MSによって試料中に検出され得る。試料は、メタノールと80:20で混合され、3,000rpmにおいて4℃で20分間遠心分離される。得られた上清を収集し、−80℃で保存した後、2−ヒドロキシグルタル酸レベルを評価するためにLC MS/MSを行うことができる。様々な異なる液体クロマトグラフィー(LC)分離方法を使用することができる。各方法は、ネガティブエレクトロスプレーイオン化(ESI、3.0kV)によって、注入された代謝産物の標準溶液に対して最適化されたMSパラメータを用いて多重反応モニタリング(MRM)モードで操作されるトリプル四重極質量分析計に連結することができる。代謝産物は、逆相クロマトグラフィーによって、既に報告されている方法(Luoら、J Chromatogr A 1147巻、153〜64頁、2007年)の変形形態に従って、水性移動相中のイオン対形成剤として10mMトリブチルアミンを使用して分離することができる。ある方法は、TCA代謝産物の分離が可能である。t=0、50%B;t=5、95%B;t=7、95%B;t=8、0%B(ここで、Bは、100%メタノールの有機移動相を指す)。別の方法は、2−ヒドロキシグルタル酸に特異的なものであり、50%〜95%B(先に定義される緩衝液)の高速直線勾配で5分間かけて行われる。Synergi Hydro−RP、100mm×2mm、粒径2.1μm(Phenomonex)を、前述の通りカラムとして使用することができる。代謝産物は、ピーク面積を、既知の濃度の純粋な代謝産物標準と比較することによって定量することができる。例えば、Mungerら、Nat Biotechnol 26巻、1179〜86頁、2008年に記載されている通り、
13C−グルタミンからの代謝産物の流動研究を実施することができる。
【0227】
一実施形態では、2HGは、直接的に評価される。
【0228】
別の実施形態では、分析方法を実施するプロセスにおいて形成された2HGの誘導体が評価される。例として、このような誘導体は、MS分析において形成された誘導体であり得る。誘導体には、例えばMS分析で形成された、塩付加物、例えばNa付加物、水和変種、または塩付加物、例えばNa付加物でもある水和変種が含まれ得る。
【0229】
別の実施形態では、2HGの代謝誘導体が評価される。その例としては、2HGが存在する結果として構築されもしくは増大するまたは低減する種、例えば、R−2HGなどの2HGと相関するグルタル酸またはグルタミン酸が挙げられる。
【0230】
例示的な2HG誘導体として、脱水誘導体、例えば以下に提供される化合物またはその塩付加物が挙げられる。
【0232】
2HGは、遺伝性代謝障害である2−ヒドロキシグルタル酸性尿において蓄積されることが公知である。この疾患は、2HGをα−KGに変換する酵素である2−ヒドロキシグルタル酸デヒドロゲナーゼの欠損によって引き起こされる(Struys, E. A.ら、Am J Hum Genet 76巻、358〜60頁(2005年))。2−ヒドロキシグルタル酸デヒドロゲナーゼ欠損を有する患者は、MRIおよびCSF分析によって評価される通り、脳内に2HGが蓄積し、白質脳症を発症し、脳腫瘍を発症する危険性が高い(Aghili, M.、Zahedi, F.およびRafiee、J Neurooncol 91巻、233〜6頁(2009年);Kolker, S.、Mayatepek, E.およびHoffmann, G. F. Neuropediatrics 33巻、225〜31頁(2002年);Wajner, M.、Latini, A.、Wyse, A. T.およびDutra-Filho, C. S. J Inherit Metab Dis 27巻、427〜48頁(2004年))。さらに、2HGの脳内レベルが上昇すると、ROSレベルが増大し(Kolker, S.ら、Eur J Neurosci 16巻、21〜8頁(2002年);Latini, A.ら、Eur J Neurosci 17巻、2017〜22頁(2003年))、がんの危険性の増大に潜在的に寄与する可能性がある。NMDA受容体アゴニストとして作用する2HGの能力は、この効果に寄与し得る(Kolker, S.ら、Eur J Neurosci 16巻、21〜8頁(2002年))。2HGは、グルタミン酸および/またはαKGを利用する酵素を競合的に阻害することによって、細胞に対して毒性を有することもできる。これらには、アミノおよび核酸の生合成のためにグルタミン酸の窒素の利用を可能にするトランスアミナーゼ、ならびにαKG依存性プロリルヒドロキシラーゼ、例えばHif1−アルファレベルを調節するものが含まれる。
【0233】
したがって、別の実施形態によれば、化合物2、シタラビン、およびダウノルビシンを対象に投与することによって、対象において2−ヒドロキシグルタル酸性尿、特にD−2−ヒドロキシグルタル酸性尿を処置する方法が本明細書で提供される。一実施形態では、化合物2、シタラビン、およびイダルビシンを対象に投与することによって、対象において2−ヒドロキシグルタル酸性尿、特にD−2−ヒドロキシグルタル酸性尿を処置する方法が本明細書で提供される。
【0234】
一実施形態では、この方法は、化合物2、シタラビン、およびダウノルビシンを用いる処置の前および/または後に、悪性腫瘍の成長、サイズ、重量、侵襲性、段階および/または他の表現型を評価するステップをさらに含む。一実施形態では、この方法は、化合物2、シタラビン、およびイダルビシンを用いる処置の前および/または後に、悪性腫瘍の成長、サイズ、重量、侵襲性、段階および/または他の表現型を評価するステップをさらに含む。
【0235】
一実施形態では、この方法は、化合物2、シタラビン、およびダウノルビシンを用いる処置の前および/または後に、悪性腫瘍のIDH1遺伝子型を評価するステップをさらに含む。一実施形態では、この方法は、化合物2、シタラビン、およびイダルビシンを用いる処置の前および/または後に、悪性腫瘍のIDH1遺伝子型を評価するステップをさらに含む。このステップは、当技術分野において通常の方法、例えばDNAシークエンシング、イムノ分析、および/または2HGの存在、分布もしくはレベルの評価によって達成することができる。
【0236】
一実施形態では、この方法は、化合物2、シタラビン、およびダウノルビシンを用いる処置の前および/または後に、対象における2HGレベルを決定するステップをさらに含む。一実施形態では、この方法は、化合物2、シタラビン、およびイダルビシンを用いる処置の前および/または後に、対象における2HGレベルを決定するステップをさらに含む。このステップは、分光学的分析、例えば磁気共鳴系分析、例えばMRIおよび/またはMRS測定、体液の試料分析、例えば血清もしくは脊髄液の分析、または外科的材料の分析によって、例えば質量分光法によって達成することができる。
【0237】
一実施形態では、化合物2は、処置される疾患および対象の状態に応じて、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、CIV、大槽内(intracistemal)注射もしくは注入、皮下注射、または移植片)、吸入、経鼻、膣内、直腸、舌下、または局所(例えば、経皮もしくは局所的)投与経路によって投与することができる。化合物2は、適切な投与単位で、投与経路ごとに適した薬学的に許容される添加剤、担体、アジュバントおよびビヒクルを用いて製剤化することができる。一実施形態では、化合物2は、経口投与される。
【0238】
一実施形態では、本明細書で提供される方法で投与される化合物2の量は、例えば約5mg/日〜約2,000mg/日の間の範囲であり得る。一実施形態では、その範囲は、約10mg/日〜約2,000mg/日の間である。一実施形態では、その範囲は、約20mg/日〜約2,000mg/日の間である。一実施形態では、その範囲は、約50mg/日〜約1,000mg/日の間である。一実施形態では、その範囲は、約100mg/日〜約1,000mg/日の間である。一実施形態では、その範囲は、約100mg/日〜約500mg/日の間である。一実施形態では、その範囲は、約150mg/日〜約500mg/日の間である。一実施形態では、その範囲は、約150mg/日〜約250mg/日の間である。ある特定の実施形態では、特定の投与量は、例えば約10mg/日である。一実施形態では、用量は、約20mg/日である。一実施形態では、用量は、約50mg/日である。一実施形態では、用量は、約75mg/日である。一実施形態では、用量は、約100mg/日である。一実施形態では、用量は、約120mg/日である。一実施形態では、用量は、約150mg/日である。一実施形態では、用量は、約200mg/日である。一実施形態では、用量は、約250mg/日である。一実施形態では、用量は、約300mg/日である。一実施形態では、用量は、約350mg/日である。一実施形態では、用量は、約400mg/日である。一実施形態では、用量は、約450mg/日である。一実施形態では、用量は、約500mg/日である。一実施形態では、用量は、約600mg/日である。一実施形態では、用量は、約700mg/日である。一実施形態では、用量は、約800mg/日である。一実施形態では、用量は、約900mg/日である。一実施形態では、用量は、約1,000mg/日である。一実施形態では、用量は、約1,200mg/日である。一実施形態では、用量は、約1,500mg/日である。ある特定の実施形態では、特定の投与量は、例えば約10mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約20mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約50mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約75mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約100mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約120mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約150mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約200mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約250mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約300mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約350mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約400mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約450mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約500mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約600mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約700mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約800mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約900mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約1,000mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約1,200mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約1,500mg/日までである。
【0239】
一実施形態では、本明細書で提供される医薬組成物または剤形中の化合物2の量は、例えば約5mg〜約2,000mgの間の範囲であり得る。一実施形態では、その範囲は、約10mg〜約2,000mgの間である。一実施形態では、その範囲は、約20mg〜約2,000mgの間である。一実施形態では、その範囲は、約50mg〜約1,000mgの間である。一実施形態では、その範囲は、約50mg〜約500mgの間である。一実施形態では、その範囲は、約50mg〜約250mgの間である。一実施形態では、その範囲は、約100mg〜約500mgの間である。一実施形態では、その範囲は、約150mg〜約500mgの間である。一実施形態では、その範囲は、約150mg〜約250mgの間である。ある特定の実施形態では、特定量は、例えば約10mgである。一実施形態では、特定量は、約20mgである。一実施形態では、特定量は、約50mgである。一実施形態では、特定量は、約75mgである。一実施形態では、特定量は、約100mgである。一実施形態では、特定量は、約120mgである。一実施形態では、特定量は、約150mgである。一実施形態では、特定量は、約200mgである。一実施形態では、特定量は、約250mgである。一実施形態では、特定量は、約300mgである。一実施形態では、特定量は、約350mgである。一実施形態では、特定量は、約400mgである。一実施形態では、特定量は、約450mgである。一実施形態では、特定量は、約500mgである。一実施形態では、特定量は、約600mgである。一実施形態では、特定量は、約700mgである。一実施形態では、特定量は、約800mgである。一実施形態では、特定量は、約900mgである。一実施形態では、特定量は、約1,000mgである。一実施形態では、特定量は、約1,200mgである。一実施形態では、特定量は、約1,500mgである。ある特定の実施形態では、特定量は、例えば約10mgまでである。一実施形態では、特定量は、約20mgまでである。一実施形態では、特定量は、約50mgまでである。一実施形態では、特定量は、約75mgまでである。一実施形態では、特定量は、約100mgまでである。一実施形態では、特定量は、約120mgまでである。一実施形態では、特定量は、約150mgまでである。一実施形態では、特定量は、約200mgまでである。一実施形態では、特定量は、約250mgまでである。一実施形態では、特定量は、約300mgまでである。一実施形態では、特定量は、約350mgまでである。一実施形態では、特定量は、約400mgまでである。一実施形態では、特定量は、約450mgまでである。一実施形態では、特定量は、約500mgまでである。一実施形態では、特定量は、約600mgまでである。一実施形態では、特定量は、約700mgまでである。一実施形態では、特定量は、約800mgまでである。一実施形態では、特定量は、約900mgまでである。一実施形態では、特定量は、約1,000mgまでである。一実施形態では、特定量は、約1,200mgまでである。一実施形態では、特定量は、約1,500mgまでである。
【0240】
一実施形態では、化合物2は、単回投与、例えば単回ボーラス注射、または経口錠剤もしくは丸剤などとして送達することができ、あるいは経時的に、例えば経時的な持続注入または経時的な分割ボーラス投与により送達することができる。一実施形態では、化合物2は、例えば、患者が安定な疾患もしくは退行を経験するまで、または患者が疾患の進行もしくは許容されない毒性を経験するまで、必要に応じて反復して投与することができる。安定な疾患またはその欠如は、当技術分野で公知の方法、例えば患者の症状の評価、身体検査、X線、CAT、PET、またはMRI走査を使用して画像化された腫瘍の可視化、および他の一般に許容される評価様式によって決定される。
【0241】
ある特定の実施形態では、化合物2は、サイクルで患者に投与される(例えば、1週間にわたって毎日投与され、次に、最長3週間にわたって投与しない休薬期間がある)。サイクルの治療では、ある一定期間にわたって活性剤を投与し、その後、ある一定期間にわたって休薬期間があり、この逐次的投与が反復される。サイクルの治療は、耐性の発生を低減し、副作用を回避もしくは低減し、かつ/または処置の有効性を改善することができる。
【0242】
一実施形態では、本明細書で提供される方法は、化合物2を、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、11回、12回、13回、14回、15回、16回、17回、18回、19回、20回、21回、22回、23回、24回、25回、26回、27回、28回、29回、30回、31回、32回、33回、34回、35回、36回、37回、38回、39回、40回、または40回よりも多いサイクルで投与するステップを含む。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約1回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約2回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約3回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約4回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約5回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約6回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約7回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約8回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約9回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約10回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約11回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約12回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約13回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約14回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約15回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約16回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約17回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約18回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約19回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約20回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約21回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約22回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約23回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約24回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約25回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約26回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約27回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約28回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約29回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約30回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約30回よりも多いサイクルである。
【0243】
ある特定の実施形態では、処置サイクルは、数日間にわたって(例えば、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、または14日よりも長い)、それを必要とする対象に投与される化合物2の複数回投与を含み、任意選択でその後、処置投与休止期間(例えば、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、または28日よりも長い)を含む。
【0244】
一実施形態では、シタラビンは、処置される疾患および対象の状態に応じて、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、CIV、大槽内注射もしくは注入、皮下注射、または移植片)、吸入、経鼻、膣内、直腸、舌下、または局所(例えば、経皮もしくは局所的)投与経路によって投与することができる。シタラビンは、適切な投与単位で、投与経路ごとに適した薬学的に許容される添加剤、担体、アジュバントおよびビヒクルを用いて製剤化することができる。一実施形態では、シタラビンは、静脈内投与される。
【0245】
ある特定の実施形態では、処置サイクルは、数日間にわたって(例えば、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、または14日よりも長い)、それを必要とする対象に投与されるシタラビンの複数回投与を含み、任意選択でその後、処置投与休止期間(例えば、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、または28日よりも長い)を含む。一実施形態では、処置サイクルは、それを必要とする対象に、2〜10日間にわたって投与されるシタラビンの複数回投与を含む。一実施形態では、処置サイクルは、それを必要とする対象に、4〜8日間にわたって投与されるシタラビンの複数回投与を含む。一実施形態では、処置サイクルは、それを必要とする対象に、4日間にわたって投与されるシタラビンの複数回投与を含む。一実施形態では、処置サイクルは、それを必要とする対象に、5日間にわたって投与されるシタラビンの複数回投与を含む。一実施形態では、処置サイクルは、それを必要とする対象に、6日間にわたって投与されるシタラビンの複数回投与を含む。一実施形態では、処置サイクルは、それを必要とする対象に、7日間にわたって投与されるシタラビンの複数回投与を含む。一実施形態では、処置サイクルは、それを必要とする対象に、8日間にわたって投与されるシタラビンの複数回投与を含む。一実施形態では、処置サイクルは、それを必要とする対象に、9日間にわたって投与されるシタラビンの複数回投与を含む。一実施形態では、処置サイクルは、それを必要とする対象に、10日間にわたって投与されるシタラビンの複数回投与を含む。
【0246】
本明細書で提供される方法に適した投与量は、例えば、治療有効量および予防有効量のシタラビンを含む。例えば、ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法において導入段階中に投与されるシタラビンの量は、例えば、約10mg/m
2/日〜約1,500mg/m
2/日の間の範囲であり得る。ある特定の実施形態では、シタラビンの量は、約50mg/m
2/日〜約1,000mg/m
2/日の間である。ある特定の実施形態では、シタラビンの量は、約100mg/m
2/日〜約500mg/m
2/日の間である。ある特定の実施形態では、シタラビンの量は、約150mg/m
2/日〜約300mg/m
2/日の間である。ある特定の実施形態では、シタラビンの量は、約150mg/m
2/日〜約200mg/m
2/日の間である。ある特定の実施形態では、特定の投与量は、約50mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約75mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約100mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約125mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約150mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約175mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約200mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約225mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約250mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約275mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約300mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約350mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約400mg/m
2/日である。ある特定の実施形態では、特定の投与量は、約100mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約125mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約150mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約175mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約200mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約225mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約250mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約275mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約300mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約350mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約400mg/m
2/日までである。
【0247】
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法において強化段階中に投与されるシタラビンの量は、例えば、約0.1g/m
2/日〜約25g/m
2/日の間の範囲であり得る。例えば、ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法において投与されるシタラビンの量は、例えば、約0.5g/m
2/日〜約15g/m
2/日の間の範囲であり得る。ある特定の実施形態では、シタラビンの量は、約1g/m
2/日〜約10g/m
2/日の間である。ある特定の実施形態では、シタラビンの量は、約1g/m
2/日〜約5g/m
2/日の間である。ある特定の実施形態では、シタラビンの量は、約1g/m
2/日〜約3g/m
2/日の間である。ある特定の実施形態では、シタラビンの量は、約1g/m
2/日〜約2g/m
2/日の間である。ある特定の実施形態では、シタラビンの量は、約1g/m
2/日〜約1.5g/m
2/日の間である。ある特定の実施形態では、シタラビンの量は、約2g/m
2/日〜約3g/m
2/日の間である。ある特定の実施形態では、シタラビンの特定の投与量は、約0.1g/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約0.5g/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約1g/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約1.5g/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約2g/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約2.5g/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約3g/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約4g/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約5g/m
2/日である。ある特定の実施形態では、シタラビンの特定の投与量は、約0.1g/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約0.5g/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約1g/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約1.5g/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約2g/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約2.5g/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約3g/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約4g/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約5g/m
2/日までである。
【0248】
一実施形態では、ダウノルビシンは、処置される疾患および対象の状態に応じて、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、CIV、大槽内注射もしくは注入、皮下注射、または移植片)、吸入、経鼻、膣内、直腸、舌下、または局所(例えば、経皮または局所的)投与経路によって投与することができる。ダウノルビシンは、適切な投与単位で、投与経路ごとに適した薬学的に許容される添加剤、担体、アジュバントおよびビヒクルを用いて製剤化することができる。一実施形態では、ダウノルビシンは、静脈内投与される。
【0249】
ある特定の実施形態では、処置サイクルは、数日間にわたって(例えば、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、または14日よりも長い)、それを必要とする対象に投与されるダウノルビシンの複数回投与を含み、任意選択でその後、処置投与休止期間(例えば、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、または28日よりも長い)を含む。一実施形態では、処置サイクルは、それを必要とする対象に、1〜8日間にわたって投与されるダウノルビシンの複数回投与を含む。一実施形態では、処置サイクルは、それを必要とする対象に、2〜6日間にわたって投与されるダウノルビシンの複数回投与を含む。一実施形態では、処置サイクルは、それを必要とする対象に、2日間にわたって投与されるダウノルビシンの複数回投与を含む。一実施形態では、処置サイクルは、それを必要とする対象に、3日間にわたって投与されるダウノルビシンの複数回投与を含む。一実施形態では、処置サイクルは、それを必要とする対象に、4日間にわたって投与されるダウノルビシンの複数回投与を含む。一実施形態では、処置サイクルは、それを必要とする対象に、5日間にわたって投与されるダウノルビシンの複数回投与を含む。
【0250】
本明細書で提供される方法に適した投与量は、例えば、治療有効量および予防有効量のダウノルビシンを含む。例えば、ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法において投与されるダウノルビシンの量は、例えば、約1mg/m
2/日〜約500mg/m
2/日の間の範囲であり得る。ある特定の実施形態では、ダウノルビシンの量は、約10mg/m
2/日〜約300/m
2/日の間である。ある特定の実施形態では、ダウノルビシンの量は、約20g/m
2/日〜約200g/m
2/日の間である。ある特定の実施形態では、ダウノルビシンの量は、約30mg/m
2/日〜約150mg/m
2/日の間である。ある特定の実施形態では、ダウノルビシンの量は、約40mg/m
2/日〜約120mg/m
2/日である。ある特定の実施形態では、ダウノルビシンの量は、約50mg/m
2/日〜約100mg/m
2/日の間である。ある特定の実施形態では、ダウノルビシンの量は、約60mg/m
2/日〜約90mg/m
2/日の間である。ある特定の実施形態では、ダウノルビシンの量は、約70mg/m
2/日〜約80mg/m
2/日の間である。
【0251】
ある特定の実施形態では、ダウノルビシンの特定の投与量は、約10mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約15mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約20mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約25mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約30mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約35mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約40mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約45mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約50mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約55mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約60mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約65mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約70mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約80mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約90mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約100mg/m
2/日である。
【0252】
ある特定の実施形態では、ダウノルビシンの特定の投与量は、約10mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約15mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約20mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約25mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約30mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約35mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約40mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約45mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約50mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約55mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約60mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約70mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約80mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約90mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約100mg/m
2/日までである。
【0253】
一実施形態では、イダルビシンは、処置される疾患および対象の状態に応じて、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、CIV、大槽内注射もしくは注入、皮下注射、または移植片)、吸入、経鼻、膣内、直腸、舌下、または局所(例えば、経皮または局所的)投与経路によって投与することができる。ダウノルビシンは、適切な投与単位で、投与経路ごとに適した薬学的に許容される添加剤、担体、アジュバントおよびビヒクルを用いて製剤化することができる。一実施形態では、ダウノルビシンは、静脈内投与される。
【0254】
ある特定の実施形態では、処置サイクルは、数日間にわたって(例えば、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、または14日よりも長い)、それを必要とする対象に投与されるイダルビシンの複数回投与を含み、任意選択でその後、処置投与休止期間(例えば、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、または28日よりも長い)を含む。一実施形態では、処置サイクルは、それを必要とする対象に、1〜8日間にわたって投与されるイダルビシンの複数回投与を含む。一実施形態では、処置サイクルは、それを必要とする対象に、2〜6日間にわたって投与されるイダルビシンの複数回投与を含む。一実施形態では、処置サイクルは、それを必要とする対象に、2日間にわたって投与されるイダルビシンの複数回投与を含む。一実施形態では、処置サイクルは、それを必要とする対象に、3日間にわたって投与されるイダルビシンの複数回投与を含む。一実施形態では、処置サイクルは、それを必要とする対象に、4日間にわたって投与されるイダルビシンの複数回投与を含む。一実施形態では、処置サイクルは、それを必要とする対象に、5日間にわたって投与されるイダルビシンの複数回投与を含む。
【0255】
本明細書で提供される方法に適した投与量は、例えば、治療有効量および予防有効量のイダルビシンを含む。例えば、ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法において投与されるイダルビシンの量は、例えば、約0.5mg/m
2/日〜約50mg/m
2/日の間の範囲であり得る。ある特定の実施形態では、イダルビシンの量は、約1mg/m
2/日〜約25/m
2/日の間である。ある特定の実施形態では、イダルビシンの量は、約2mg/m
2/日〜約20mg/m
2/日の間である。ある特定の実施形態では、イダルビシンの量は、約3mg/m
2/日〜約15mg/m
2/日の間である。ある特定の実施形態では、イダルビシンの量は、約5mg/m
2/日〜約14mg/m
2/日の間である。ある特定の実施形態では、イダルビシンの量は、約10mg/m
2/日〜約13mg/m
2/日の間である。
【0256】
ある特定の実施形態では、イダルビシンの特定の投与量は、約1mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約2mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約3mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約4mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約5mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約6mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約7mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約8mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約9mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約10mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約11mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約12mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約13mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約14mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約15mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約16mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約17mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約18mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約19mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約120mg/m
2/日である。
【0257】
ある特定の実施形態では、イダルビシンの特定の投与量は、約1mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約2mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約3mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約4mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約5mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約6mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約7mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約8mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約9mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約10mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約11mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約12mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約13mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約14mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約15mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約16mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約17mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約18mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約19mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約20mg/m
2/日までである。
【0258】
一実施形態では、ミトキサントロンは、処置される疾患および対象の状態に応じて、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、CIV、大槽内注射もしくは注入、皮下注射、または移植片)、吸入、経鼻、膣内、直腸、舌下、または局所(例えば、経皮または局所的)投与経路によって投与することができる。ミトキサントロンは、適切な投与単位で、投与経路ごとに適した薬学的に許容される添加剤、担体、アジュバントおよびビヒクルを用いて製剤化することができる。一実施形態では、ミトキサントロンは、静脈内投与される。
【0259】
ある特定の実施形態では、処置サイクルは、数日間にわたって(例えば、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、または14日よりも長い)、それを必要とする対象に投与されるミトキサントロンの複数回投与を含み、任意選択でその後、処置投与休止期間(例えば、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、または28日よりも長い)を含む。一実施形態では、処置サイクルは、それを必要とする対象に、1〜15日間にわたって投与されるミトキサントロンの複数回投与を含む。一実施形態では、処置サイクルは、それを必要とする対象に、2〜10日間にわたって投与されるミトキサントロンの複数回投与を含む。一実施形態では、処置サイクルは、それを必要とする対象に、2日間にわたって投与されるミトキサントロンの複数回投与を含む。一実施形態では、処置サイクルは、それを必要とする対象に、3日間にわたって投与されるミトキサントロンの複数回投与を含む。一実施形態では、処置サイクルは、それを必要とする対象に、4日間にわたって投与されるミトキサントロンの複数回投与を含む。一実施形態では、処置サイクルは、それを必要とする対象に、5日間にわたって投与されるミトキサントロンの複数回投与を含む。一実施形態では、処置サイクルは、それを必要とする対象に、6日間にわたって投与されるミトキサントロンの複数回投与を含む。一実施形態では、処置サイクルは、それを必要とする対象に、7日間にわたって投与されるミトキサントロンの複数回投与を含む。一実施形態では、処置サイクルは、それを必要とする対象に、8日間にわたって投与されるミトキサントロンの複数回投与を含む。
【0260】
本明細書で提供される方法に適した投与量は、例えば、治療有効量および予防有効量のミトキサントロンを含む。例えば、ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法において投与されるミトキサントロンの量は、例えば、約0.5mg/m
2/日〜約50mg/m
2/日の間の範囲であり得る。ある特定の実施形態では、ミトキサントロンの量は、約1mg/m
2/日〜約25/m
2/日の間である。ある特定の実施形態では、ミトキサントロンの量は、約5mg/m
2/日〜約20mg/m
2/日の間である。ある特定の実施形態では、ミトキサントロンの量は、約10mg/m
2/日〜約15mg/m
2/日の間である。
【0261】
ある特定の実施形態では、ミトキサントロンの特定の投与量は、約1mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約2mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約3mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約4mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約5mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約6mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約7mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約8mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約9mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約10mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約11mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約12mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約13mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約14mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約15mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約16mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約17mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約18mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約19mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約20mg/m
2/日である。
【0262】
ある特定の実施形態では、ミトキサントロンの特定の投与量は、約1mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約2mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約3mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約4mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約5mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約6mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約7mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約8mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約9mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約10mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約11mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約12mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約13mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約14mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約15mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約16mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約17mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約18mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約19mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約20mg/m
2/日までである。
【0263】
一実施形態では、エトポシドは、処置される疾患および対象の状態に応じて、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、CIV、大槽内注射もしくは注入、皮下注射、または移植片)、吸入、経鼻、膣内、直腸、舌下、または局所(例えば、経皮または局所的)投与経路によって投与することができる。エトポシドは、適切な投与単位で、投与経路ごとに適した薬学的に許容される添加剤、担体、アジュバントおよびビヒクルを用いて製剤化することができる。一実施形態では、エトポシドは、静脈内投与される。一実施形態では、エトポシドは、経口投与される。
【0264】
ある特定の実施形態では、処置サイクルは、数日間にわたって(例えば、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、または14日よりも長い)、それを必要とする対象に投与されるエトポシドの複数回投与を含み、任意選択でその後、処置投与休止期間(例えば、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、または28日よりも長い)を含む。一実施形態では、処置サイクルは、それを必要とする対象に、1〜15日間にわたって投与されるエトポシドの複数回投与を含む。一実施形態では、処置サイクルは、それを必要とする対象に、2〜10日間にわたって投与されるエトポシドの複数回投与を含む。一実施形態では、処置サイクルは、それを必要とする対象に、2日間にわたって投与されるエトポシドの複数回投与を含む。一実施形態では、処置サイクルは、それを必要とする対象に、3日間にわたって投与されるエトポシドの複数回投与を含む。一実施形態では、処置サイクルは、それを必要とする対象に、4日間にわたって投与されるミトキサントロンの複数回投与を含む。一実施形態では、処置サイクルは、それを必要とする対象に、5日間にわたって投与されるミトキサントロンの複数回投与を含む。一実施形態では、処置サイクルは、それを必要とする対象に、6日間にわたって投与されるミトキサントロンの複数回投与を含む。一実施形態では、処置サイクルは、それを必要とする対象に、7日間にわたって投与されるミトキサントロンの複数回投与を含む。一実施形態では、処置サイクルは、それを必要とする対象に、8日間にわたって投与されるミトキサントロンの複数回投与を含む。
【0265】
本明細書で提供される方法に適した投与量は、例えば、治療有効量および予防有効量のエトポシドを含む。例えば、ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法で投与されるエトポシドの量は、例えば、約10mg/m
2/日〜約1000mg/m
2/日の間の範囲であり得る。ある特定の実施形態では、エトポシドの量は、約50mg/m
2/日〜約500/m
2/日の間である。ある特定の実施形態では、エトポシドの量は、約75mg/m
2/日〜約250mg/m
2/日の間である。ある特定の実施形態では、エトポシドの量は、約100mg/m
2/日〜約200mg/m
2/日の間である。
【0266】
ある特定の実施形態では、エトポシドの特定の投与量は、約10mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約25mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約50mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約75mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約100mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約125mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約150mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約175mg/m
2/日である。一実施形態では、特定の投与量は、約200mg/m
2/日である。
【0267】
ある特定の実施形態では、エトポシドの特定の投与量は、約10mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約25mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約50mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約75mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約100mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約125mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約150mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約175mg/m
2/日までである。一実施形態では、特定の投与量は、約200mg/m
2/日までである。
【0268】
一実施形態では、本明細書で提供される方法は、化合物1および導入療法を、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、または30よりも多いサイクルで投与するステップを含む。一実施形態では、一群の患者に投与されるサイクル回数の中央値は、約1回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約2回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約3回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約4回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約5回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約6回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約7回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約8回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約9回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約10回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約11回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約12回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約13回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約14回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約15回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約16回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約17回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約18回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約19回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約20回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約21回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約22回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約23回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約24回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約25回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約26回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約27回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約28回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約29回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約30回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約30回よりも多いサイクルである。
【0269】
一実施形態では、本明細書で提供される方法は、化合物1および強化療法を、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、または30よりも多いサイクルで投与するステップを含む。一実施形態では、一群の患者に投与されるサイクル回数の中央値は、約1回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約2回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約3回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約4回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約5回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約6回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約7回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約8回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約9回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約10回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約11回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約12回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約13回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約14回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約15回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約16回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約17回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約18回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約19回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約20回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約21回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約22回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約23回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約24回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約25回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約26回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約27回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約28回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約29回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約30回である。一実施形態では、サイクル回数の中央値は、約30回よりも多いサイクルである。
【0270】
一実施形態では、化合物2は、1日1回経口投与される。一実施形態では、化合物2は、各28日間サイクルの1日目〜28日目に投与される。一実施形態では、50mgの化合物2が、1日1回経口投与される。別の実施形態では、100mgの化合物2が、1日1回経口投与される。さらに別の実施形態では、200mgの化合物2が、1日1回経口投与される。
【0271】
一実施形態では、導入療法は、7日間投与されるシタラビン、および3日間投与されるダウノルビシンを含む。一実施形態では、導入療法は、7日間投与されるシタラビン、および3日間投与されるイダルビシンを含む。
【0272】
本明細書で提供される方法の一実施形態では、導入サイクルは、先の導入サイクルから35日以内に反復され得る。本明細書で提供される方法の一実施形態では、導入サイクルは、骨髄吸引/生検後、14日よりも後に反復され得る。本明細書で提供される方法の一実施形態では、導入サイクルは、先の導入サイクルから35日以内に開始して、シタラビンを5日間投与し、ダウノルビシンまたはイダルビシンを2日間投与することによって反復され得る。本明細書で提供される方法の一実施形態では、導入サイクルは、骨髄吸引/生検後、14日よりも後に開始して、シタラビンを5日間投与し、ダウノルビシンまたはイダルビシンを2日間投与することによって反復され得る。
【0273】
一実施形態では、強化療法は、3日間投与されるシタラビンを含む。一実施形態では、強化療法は、サイクルの1日目、3日目および5日目に投与されるシタラビンを含む。一実施形態では、強化療法は、5日間投与されるミトキサントロンおよびエトポシドを含む。本明細書で提供される方法の一実施形態では、強化サイクルは、28〜42以内に実施され得る。
【実施例】
【0274】
(実施例1)
IDH1および/またはIDH2変異を伴う新しく診断された急性骨髄性白血病を有する患者における、導入療法および強化療法と組み合わせた化合物1および化合物2の第A相第1相多施設非盲検安全性研究
目的
第1の目的
イソクエン酸デヒドロゲナーゼ−1(IDH1)および/またはイソクエン酸デヒドロゲナーゼ−2(IDH2)変異を伴う新たに診断された急性骨髄性白血病(AML)を有する患者における、導入および強化療法と共に投与した場合の2−メチル−1−[(4−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−{[2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]アミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]プロパン−2−オール(以下、化合物1)および化合物2の安全性および認容性を決定すること。
【0275】
第2の目的
AML導入療法および強化療法と共に投与した場合の、血漿試料における化合物1および化合物2の薬物動態(PK)を特徴付けること。
AML導入および強化療法と共に投与した場合の、化合物1および化合物2の推奨第2相用量(RP2D)を確立すること。
血漿中の2−ヒドロキシグルタル酸(hydroxygluturate)(2−HG)レベルを評価すること。
AML導入および強化療法と組み合わせた化合物1の臨床活性を評価すること。
【0276】
研究の結果尺度
安全性の結果尺度
安全性を、以下によって評価する。
用量制限毒性(DLT);
有害事象(AE)、重篤な有害事象(SAE)、および中断に至るAE;
安全性の臨床検査結果、身体検査、生命徴候、12−誘導心電図(ECG)、左心室駆出分画(LVEF)、および米国東海岸癌臨床試験グループ(ECOG)パフォーマンスステータス(PS);
用量強度および用量修正を含めた薬物曝露。
【0277】
薬物動態および薬力学の結果尺度
化合物1および化合物2のPKおよびPDプロファイルを、以下によって評価する。
化合物1および化合物2の血漿濃度およびPKパラメータ、ならびに化合物1の主な代謝産物;
経時的な化合物1および化合物2の血漿濃度に関する2−HGの血漿濃度。
【0278】
臨床活性の結果尺度
AML導入および強化療法と組み合わせた化合物1および化合物2の臨床活性を、以下によって評価する。
完全寛解率(CRR);
完全寛解(CR)、不完全な血液学的回復−好中球および/または血小板を伴うCR(CRi[CRと不完全血小板回復(CRp)を含む])、部分寛解(PR)、ならびに形態学的な無白血病状態(MLFS)を含めた客観的応答率(ORR);
応答期間(DOR)およびCR持続期間(DOCR);
応答までの時間(TTR)およびCRまでの時間(TTCR);
無再発生存期間(EFS);
全生存率(OS)。
【0279】
研究設計
化合物1および化合物2を、非盲検多施設第1相臨床治験で使用して、AML導入および強化療法と組み合わせた化合物1および化合物2の安全性を評価する。この研究では、IDH1変異を有する患者における化合物2の1つの用量レベル、およびIDH2変異を有する患者における化合物1の2つの用量レベルを評価する。化合物1または化合物2を、2つのタイプのAML導入療法(シタラビンとダウノルビシンまたはイダルビシンのいずれか)および2つのタイプのAML強化療法(ミトキサントロンとエトポシド[ME]またはシタラビン)と共に投与する。二重IDH1およびIDH2変異を有する患者については、化合物1または化合物2への割り当ては、研究者および医療監視者の決定に基づく。
【0280】
患者を、以下の通り処置する。
すべての患者は、化合物1または化合物2と組み合わせた導入療法(7+3のシタラビン、ダウノルビシン/イダルビシン)を受ける。
1サイクルの導入療法の後、患者は、施設内慣行に従って与えられる第2の導入サイクルを受けることができる(すなわち、7+3の反復、または軽減用量もしくはスケジュールで7+3、例えば5+2のシタラビン、ダウノルビシン/イダルビシン)。第2の導入サイクルは、14日目の骨髄吸引/生検(実施される場合)の後、および最初の導入の1日目から35日以内に開始することができる。
最大2回の導入後にCRまたはCRi(CRpを含む)を達成しない患者は、研究を中断する。
導入療法の最後にCRまたはCRi(CRpを含む)を達成する患者は、強化療法(MEまたは最大4サイクルの中程度の用量のシタラビン)を、化合物1または化合物2と組み合わせて受け続ける。強化処置は、最終導入サイクルにおける血液学的回復後のおよそ2週間以内に、または最初の導入サイクルの1日目から12週間以内に開始すべきである。
強化療法を完了し、CRまたはCRi(CRpを含む)にある患者は、維持治療を継続し、最初の導入サイクルの1日目から最長1年間、または研究者および医療監視者の決定に基づいて、再発、許容されない毒性の発生、もしくは造血性幹細胞移植(HSCT)まで、化合物1または化合物2を用いる処置を毎日受けることができる。
【0281】
応答は、International Working Group(IWG)基準に基づいて研究者によって評価される。
【0282】
各患者が受ける導入療法および/または強化療法のタイプは、研究者の裁量および/またはオープンコホートに基づく。
【0283】
各タイプの導入療法への登録は、化合物1および化合物2の群のために、ダウノルビシンとシタラビンおよびイダルビシンとシタラビンについてDLTを評価可能な患者6人の第1のコホートに対して並列に行う。強化療法のために、最少6人の評価可能な患者は、それぞれ、シタラビン1〜1.5g/m
2またはMEのいずれかを受ける。細胞遺伝学的危険性が低い患者は、2〜3g/m
2のシタラビンを受けることができ、この群に必要な患者の最小数はない。
【0284】
用量制限毒性の定義
用量制限毒性は、臨床的に重要であり、研究者によって、単一寄与物としての、またはダウノルビシン、イダルビシンもしくはシタラビンと組み合わされた化合物1または化合物2に関係するものとみなされる、以下のAEのいずれかと定義される。
【0285】
血液学:グレード4の好中球減少症、または持続的白血病がない状態で最初の導入サイクルの1日目から≧42日間継続する血小板減少症を伴う、長期的な骨髄抑制(国立がん研究所の有害事象一般用語基準[NCI CTCAE]、バージョン4.03による、白血病に特異的な基準、すなわち白血病の証拠がない状態で研究薬物を開始してから28日目またはそれ以降の骨髄細胞充実性<5%)。白血病に特異的な類別は、血球減少症のために使用されるべきである(ベースラインからの減少パーセンテージをベースとする:50〜75%=グレード3、>75%=グレード4)。
【0286】
非血液学:基礎AMLまたは疾患の合併症または骨髄抑制性処置に起因していない、≧グレード3のすべての毒性、ただし化合物1を受けているUGT1A1変異を有する対象における、≧グレード3の血中ビリルビンの増加は除く。化合物1を受けているUGT1A1変異を有する対象において、単離血中ビリルビンの増加が見られたので、>5×正常上限(ULN)の血中ビリルビンの増加は、これらの対象においてDLTとみなすことができる。
【0287】
DLTの定義には、アントラサイクリンおよびシタラビンを用いる処置による、それらに限定されるものではないが以下を含めた予測される全身性および感染性合併症は含まれない。
完全非経口栄養を必要とする食欲不振;
床上安静を必要とする疲労;
胃腸管の感染性合併症、例えば大腸炎、盲腸炎(typhilitis)、粘膜炎、口内炎;
肝機能試験値(LFT)の上昇、14日以内にベースラインに戻る代謝または電解質の検査所見異常。
【0288】
スポンサーの代表者、医療監視者、および参加研究者を含む臨床研究チームは、DLT指定が必要であるかどうかを決定するため、DLT基準によって明確に定義されないいかなる緊急毒性も判定する。
【0289】
毒性重症度は、NCI CTCAEバージョン4.03に従って類別される。化合物1または化合物2に関係しないと明らかに決定することができないあらゆるAEは、DLTの決定と関連するとみなされ、臨床研究チームによって判定される。
【0290】
DLTを評価可能な患者
導入療法のためにDLTを評価可能な患者は、第1サイクルの導入化学療法のすべての投与、および導入療法の最初の投与から最初の28日間に化合物1または化合物2の用量の少なくとも75%を受けているか、または最初の28日間にDLTを経験する患者と定義される。さらに、患者は、最初の導入の1日目〜3日目に化合物1または化合物2のすべての3回の用量を摂取し、4日目〜7日目に化合物1または化合物2の少なくとも2回の用量を摂取して、DLTを評価可能とみなされなければならない。外来患者の処置中は、化合物1および化合物2の投与に関する詳細を記録するために、患者の日誌を使用する。
【0291】
導入療法のための安全性評価
この研究では、化合物1および化合物2の用量を決定するための「6+6」設計を使用し、この設計は、標準「3+3」設計に類似しているが、各用量レベルで多くの患者が評価されるにつれて、RP2Dの同定精度が増大する。各用量のコホートに、DLTを評価可能な患者6人を登録し、用量レベル1で開始するように計画する。用量漸増または漸減の決定は、導入組合せ治療(すなわち、シタラビンとダウノルビシンまたはイダルビシンのいずれか)のタイプごとに独立に行う。化合物2については、用量レベル−1まで可能な1回のみの用量漸減を行う。化合物1については、用量レベル2まで可能な1回の用量漸増および用量レベル−1まで可能な1回の用量漸減を行う。
【0292】
化合物1の用量評価のための指針
患者6人のうち0人または1人が現在の用量レベルでDLTを経験する場合、その用量は、その導入レジメンについて安全であると明言される。用量レベル1では、レベル1が強化においても安全であると決定される場合(以下参照)、用量漸増はレベル2に進む。次に、必要に応じて、この用量における強化の評価および安全性のさらなる評価のために、用量レベル1でおよそ6人の追加の患者が登録される。
【0293】
患者6人のうち2人がDLTを経験する場合、そのコホートに6人の追加の患者を加えて、この用量レベルでの患者を合計12人に拡大する。
【0294】
患者12人のうち3人またはそれよりも少ない人数が、DLTを経験する場合、現在の用量レベルは、導入について安全であると明言される。用量レベル1では、レベル1が強化においても安全であると決定される場合、用量漸増はレベル2に進む。
【0295】
患者12人のうち4人またはそれよりも多い人数が、用量レベル1でDLTを経験する場合、用量漸減は用量レベル−1に進む。患者12人のうち4人またはそれよりも多い人数が、用量レベル2でDLTを経験する場合、用量レベル1に戻す。患者12人のうち4人またはそれよりも多い人数が、用量レベル−1でDLTを経験する場合、その導入レジメンは、さらなる登録を受け付けない。
【0296】
患者6人のうち3人またはそれよりも多い人数が、用量レベル1でDLTを経験する場合、用量漸減は用量レベル−1に進む。患者6人のうち3人またはそれよりも多い人数が、用量レベル2でDLTを経験する場合、用量レベル1に戻す。患者6人のうち3人またはそれよりも多い人数が、用量レベル−1でDLTを経験する場合、その導入レジメンは、さらなる登録を受け付けない。
【0297】
化合物2の用量評価のための指針
化合物2については、用量漸増はしない。
【0298】
患者6人のうち0人または1人が、用量レベル1でDLTを経験する場合、その用量レベルは、導入レジメンについて安全であると明言される。必要に応じて、この用量における強化の評価および安全性のさらなる評価のために、この用量レベルでおよそ6人の追加の患者が登録される。
【0299】
患者6人のうち2人が、用量レベル1でDLTを経験する場合、そのコホートに6人の追加の患者を加えて、この用量レベルでの患者を合計12人に拡大する。
【0300】
患者12人のうち3人またはそれよりも少ない人数が、DLTを経験する場合、用量レベル1は、導入について安全であると明言される。
【0301】
患者12人のうち4人またはそれよりも多い人数が、DLTを経験する場合、用量漸減は用量レベル−1に進む。
【0302】
患者6人のうち3人またはそれよりも多い人数が、DLTを経験する場合、用量漸減は用量レベル−1に進む。
【0303】
用量が用量レベル−1に漸減される場合、その用量の評価を、前述の通り行う。患者6人のうち3人もしくはそれよりも多い人数、または患者12人のうち4人もしくはそれよりも多い人数が、用量レベル−1でDLTを経験する場合、その導入レジメンは、さらなる登録を受け付けない。
【0304】
強化療法のための安全性評価
患者6人が少なくとも28日間の強化処置を完了したか、または毒性に起因して中断された場合、各用量レベルにおける強化療法の安全性を、定期的に判定し、評価する。用量が安全であり、認容されるかどうかを決定するために、すべての利用可能な安全性データを評価する。
【0305】
化合物1については、200mgまでの用量漸増には、導入(ダウノルビシンとシタラビンまたはイダルビシンとシタラビンのいずれか)および強化(シタラビン1〜1.5g/m
2またはMEのいずれか)の両方について100mgが安全であると決定されることが必要である。ダウノルビシン+シタラビン+200mgの化合物1の導入コホートは、ダウノルビシン+シタラビン+100mgの化合物1が安全であるとみなされる場合にオープンとなり、イダルビシン+シタラビン+200mgの化合物1の導入コホートは、イダルビシン+シタラビン+100mgの化合物1が安全であるとみなされる場合にオープンとなる。シタラビン1〜1.5g/m
2(およびシタラビン2〜3g/m
2)+200mgの化合物1の強化コホートは、シタラビン1〜1.5g/m
2(またはシタラビン2〜3g/m
2)+100mgの化合物1が安全であるとみなされる場合にオープンとなり、ME+200mgの化合物1の強化コホートは、ME+100mgの化合物1が安全であるとみなされる場合にオープンとなる。
【0306】
暫定的な安全性判定
暫定的な安全性判定を、各導入投与コホートが完了した(すなわち、すべてのコホートの患者が、患者のDLT窓を完了した)後、および最初の評価可能な強化患者6人が、少なくとも28日間の処置を完了したか、または毒性に起因して中断された場合に実施する。
【0307】
安全性アセスメントには、以下が含まれる。
DLTを含む観測された毒性、
AE/SAEの判定、
PK/PDデータ、
心臓および検査所見のデータの判定、
骨髄吸引/生検。
【0308】
安全性アセスメントは、臨床研究チームによって行われる。化合物1または化合物2の用量低減は、患者の安全性のために、またはスポンサーとの議論により研究者の裁量で、早期に行うことができる。
【0309】
研究薬物
化合物1または化合物2の単回投与を、ダウノルビシン/イダルビシンおよびシタラビンの前に、導入の1日目に開始して経口投与し、処置の中断または研究の最後まで毎日投与する。化合物1または化合物2の用量は、毎日ほぼ同じ時間に、スケジュールされた投与の±4時間以内に摂取しなければならない。各化合物1の1日用量は、絶食(水は許容される)の2時間後に摂取されるべきであり、食物摂取は、化合物1の投与後少なくとも1時間は回避されるべきである。すべての患者に、グレープフルーツおよびグレープフルーツ製品を回避するように助言する。
【0310】
IDH1変異を有する患者に投与される化合物2の用量は、500mgである(用量が、DLTに起因して250mgまで低減されない限り)。IDH2変異を有する患者に投与される化合物1の用量は、患者が研究資格を得るときの登録について、どの投与コホートがオープンであるかに依存して決まる。用量レベルは、7種で提供される。化合物1のための導入または強化療法中、患者内の用量漸増は、許容されない。
【0311】
強化後に維持療法を継続する患者は、最初の導入サイクルの1日目から最長1年間、化合物1または化合物2を毎日受けることができる。化合物2を受けている患者は、患者の現在の用量で処置を継続される。100mgの化合物1を受けている患者は、患者の現在の用量で処置を継続され得るか、またはその用量が、導入および強化において安全であると確立された場合には、200mgに用量を漸増することができる。化合物1による維持の最中、200mgへの患者内の用量漸増は、医療監視者によって確認されるべきである。
【0312】
同時コホートにおいて異なるスケジュールを使用して、同じ1日総用量を投与することを含む、化合物1または化合物2のための代替投与スケジュールは、臨床研究チームによって承諾される通り探求され得る。
【0313】
【表7】
【0314】
【表8】
【0315】
【表9】
a. 患者は、施設内慣行に従って、第2の導入サイクルを、14日目の骨髄吸引/生検(実施される場合)の後、および最初の導入の1日目から35日以内に開始して、受けることができる(すなわち、7+3の反復、または軽減用量もしくはスケジュールで7+3、例えば5+2のシタラビン、ダウノルビシン/イダルビシン)。
b. 患者は、導入サイクル(単数または複数)の全日(すなわち、導入サイクルが28日よりも長い場合には、サイクルの最終日まで)、化合物1または化合物2を摂取すべきである。
c. シタラビン、ダウノルビシン、および/またはイダルビシンについては、処方情報によって示される通り用量を調整することができる。
【0316】
【表10】
a. 強化サイクルごとに28〜42日の窓が可能である。患者は、導入サイクル(単数または複数)の全日(すなわち、強化サイクルが28日よりも長い場合には、サイクルの最終日まで)、化合物1または化合物2を摂取すべきである。
b. シタラビンは、1g/m
2、1.5g/m
2の用量で、またはそれらの間の用量で、IVでq12hにより1〜3日目に与えられる。細胞遺伝学的危険性が低い患者は、2g/m
2、3g/m
2の用量で、またはそれらの間の用量の、より高用量のシタラビンをIVでq12hにより1〜3日目、もしくは1日目、3日目および5日目に受けることができる。患者は、シタラビンを用いる4回までの強化サイクルを受けることができる。
c. 施設内慣行に従って、強化レジメンとしてミトキサントロン10mg/m
2およびエトポシド100mg/m
2を選択することができる。
d. シタラビン、ミトキサントロンおよび/またはエトポシドについては、処方情報によって示される通り用量を調整することができる。
【0317】
患者の推定数
DLTを評価可能な合計およそ72人の患者(およそ12人の患者は、7+3導入療法のタイプごとに各用量レベルの化合物1または化合物2が必要であった)が、この研究に登録される。DLT評価期間中に20%までが脱落することを考慮すると、この研究には、合計およそ90人までの患者が登録される。DLTについて評価不可能な患者を置き換え、強化コホートを満たし、または安全性、PK、PK/PDもしくは予備的な臨床活性をさらに調査するために、追加の患者を用量レベルで登録することができる。
【0318】
組入れ基準
患者は、以下の基準を満たす場合に、研究への組入れに適格とされる。
≧18歳;
導入療法、その後の強化療法が予定されている、現地で記録されたIDH1および/またはIDH2遺伝子変異を伴う、APL[t(15;17)を有するAML]を除く、WHO基準に従って定義される未処置AML(新規または続発性)。続発性AMLは、骨髄異形成症候群(MDS)もしくは血液学的前駆障害(AHD)の後に生じたAML、または放射線および/もしくは化学療法を含む遺伝毒性傷害に曝露された後に生じたAMLと定義される。患者は、過去に、MDSのために低メチル化剤(HMA)を用いる処置を受けていてもよい。
0〜2のECOG PS;
以下によって証拠付けられる適切な肝機能:
ジルベール疾患、UGT1A1の遺伝子変異(化合物1を受ける患者についてのみ)、または医療監視者による承認に従って白血病の関与に起因するとみなされない限り、血清総ビリルビン≦1.5×ULN;
医療監視者による承認に従って白血病の関与に起因するとみなされない限り、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、およびアルカリホスファターゼ(ALP)≦3.0×ULN;
コッククロフト−ゴールト糸球体濾過率(GFR)に基づいて、血清クレアチニン≦2.0×ULNまたはクレアチニンクリアランス>40mL/分によって証拠付けられる、適切な腎機能;
連続的な血液および骨髄試料採取に同意すること;
この治験に関与する導入および強化剤の安全で適切な使用に必要な任意の基準を満たしていること;
インフォームドコンセント形態を理解することができ、署名する意思があること。そうでなければインフォームドコンセントを提供できない対象の代わりに、現地の施設内審査委員会(IRB)/医療機関内倫理委員会(IEC)によって許容され、承認される場合には、法的に権限のある代表者が同意することができる;
生殖能を有する女性対象は、研究薬物を開始する前に、医学的管理下の妊娠試験を受けることに同意しなければならない。第1の妊娠試験は、スクリーニング時に実施される(最初の研究薬物の投与前の7日以内)。妊娠試験は、最初の研究薬物の投与日にも実施され、投与前ならびにすべてのその後のサイクルの1日目の投与の前に、陰性であることが確認されるべきである;
生殖能を有する女性対象は、療法開始前の7日以内に、血清妊娠試験が陰性でなくてはならない。生殖能を有する対象は、子宮摘出術、両側卵巣摘出術もしくは卵管閉塞術を受けていないか、または連続少なくとも24カ月間、自然に閉経していない、性的に成熟した女性と定義される。生殖能を有する女性、ならびに生殖可能な男性および生殖能を有するその女性パートナーは、インフォームドコンセントを提出した時点から、研究中、および化合物1または化合物2の最終投与後90日間(女性および男性)、性交を控えるか、または2つの高度に有効な避妊形態を使用することに同意しなければならない。高度に有効な避妊形態は、ホルモン経口避妊薬、注射剤、パッチ、子宮内デバイス、二重バリア法(例えば、殺精子性の泡状物質、クリームまたはゲルを伴う、合成コンドーム、ペッサリーまたは子宮頸管キャップ)または男性パートナーの不妊手術と定義される。
【0319】
除外基準
患者は、以下の基準のいずれかを満たす場合、研究から除外される。
AMLのための過去の化学療法。白血球増加症(白血球細胞[WBC]計数>30,000/μL)を有する対象の末梢性白血病芽球を制御するためのヒドロキシ尿素は許容される;
登録前に他の医薬品に移行できない限り、または研究中に医薬品を適切にモニタリングできない限り、狭い治療窓の医薬品を摂取している;
公知の強力なチトクロムP450(CYP)3A4誘発物質または阻害剤を摂取している;
化合物1もしくは化合物2の投与より5半減期以上前に他の医薬品に移行できない限り、または研究中に医薬品を適切にモニタリングできない限り、P−糖タンパク質(P−gp)または乳がん耐性タンパク質(BCRP)輸送体感受性基質の医薬品を摂取している;
妊娠中または授乳中である;
制御の効かない活動的感染症または制御の効かない侵襲性真菌感染症(陽性血液または組織培養物)。承認されたまたは厳密にモニタリングされた抗生物質/抗真菌剤による処置によって制御された感染症は、許容される;
対象が、研究処置を開始する前の≧1年間に、疾患がなかった場合を除き、MDSまたはAML以外の悪性腫瘍の既往歴。しかし、以下の病歴/併発状態を有する対象は、許可される。
皮膚の基底または扁平上皮癌、
子宮頸部のin situ癌、
乳房のin situ癌、
前立腺がんの偶発的組織学的知見;
研究処置を開始する前の6カ月間以内に、ニューヨーク心臓病学会(NYHA)クラスIIIもしくはIVのうっ血性心不全;心筋梗塞、不安定狭心症および/もしくは脳卒中;または研究処置を開始する前の28日以内に得られた心エコー図(ECHO)もしくはマルチゲート収集(MUGA)走査によるLVEF<40%を含めた、著しく活動性が高い心疾患;
Fridericia式(QTcF)を使用するQTc間隔≧450msec、またはQT延長もしくは不整脈性事象の危険性を増大する他の因子(例えば、心不全、低カリウム血症、長QT間隔症候群の家族歴)。脚ブロックおよび延長QTc間隔は、医療監視者の承認があれば許容される;
投与より5半減期以上前に他の医薬品に移行できない限り(等価な医薬品が利用可能でない場合、QTcは、厳密にモニタリングされる)、QT間隔を延長することが公知の医薬品を摂取している;
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による公知の感染症、または活動的なB型肝炎もしくはC型肝炎;
嚥下障害、短腸症候群、胃不全麻痺、または経口投与される薬物の摂取もしくは胃腸管吸収を制限する他の状態;
活動的な中枢神経系(CNS)白血病または公知のCNS白血病を示唆する臨床症状。スクリーニング中の脳脊髄液(CSF)の評価は、スクリーニング中に白血病によるCNS関与が臨床的に疑われる場合にのみ必要とされる;
白血病の生命を危うくする差し迫った重症合併症、例えば制御の効かない出血、低酸素症もしくはショックを伴う肺炎、および/または播種性血管内凝固;
インフォームドコンセントを提出するか、または研究に参加する患者の能力を妨害する可能性が高いと研究者にみなされた、任意の他の医学的または心理学的状態。
【0320】
処置期間および研究終了
処置期間
【0321】
化合物1または化合物2を用いる毎日の処置を、導入療法の初日に開始する。すべての患者は、1サイクルの導入療法を受ける。第2サイクルの導入は、研究者の裁量に従って、患者に許可される。導入療法後、CRまたはCRi(CRpを含む)を達成する患者は、強化療法を受ける。
【0322】
導入および強化療法の両方を受ける、CRまたはCRi(CRpを含む)を達成した患者は、第1の導入サイクルの1日目から最長1年間、再発、許容されない毒性の発生、またはHSCTまで、強化療法後に単剤の化合物1または化合物2を受け続けることができる。
【0323】
HSCT
適切な応答を達成し、HSCTを有するのに適格な対象は、化合物1または化合物2の中断後に、HSCTに進むことができる。HSCTを有する患者は、研究を中断し、生存について経過観察される。
【0324】
生存経過観察
患者が研究処置を中断した後、その患者におよそ3カ月間ごとに連絡を取って、最終患者が登録した時点から最長1年間の生存データを収集する。
【0325】
研究終了
研究終了(最終患者の最終訪問)は、すべての患者が、1年間の生存経過観察を完了したか、もしくは死亡したか、研究を中断したか、追跡しようとして見失ったか、または1年間の経過観察期間を完了する前に同意を撤回した時点と定義される。
【0326】
統計方法
統計的分析は、主に記述的になる。研究データを、体内動態、人口統計およびベースラインの特徴、安全性、PK、PD、ならびに臨床活性パラメータについてまとめる。分類上のデータを、度数分布(患者の数およびパーセンテージ)によってまとめ、連続データを、記述的統計(平均、標準偏差、中央値、最小値、および最大値)によってまとめる。すべてのデータを、患者ごとの一覧表に提示する。すべての要約、一覧表、図、および分析は、用量レベル/スケジュールによって実施される。
【0327】
研究データは、すべての患者が、適用できる場合には導入療法および強化療法を完了するか、または研究処置を中断する時点まで、すべての患者のデータに基づいて分析し、主要治験総括報告書(CSR)において報告する。研究処置を継続的に受けているか、または主要CSRのためのデータ締切日を過ぎて生存について経過観察を受けている患者の任意の追加のデータは、すべての患者が研究を中断したら報告する。
【0328】
安全性を、AEの発生率、AEの重症度およびタイプによって、ならびに患者の生命徴候、ECOG性能スコア、臨床検査所見結果、ECG、およびLVEFデータ、薬物曝露および修正によって評価する。安全性を、用量レベル/スケジュールおよび全体によって、記述的統計を使用してまとめる。
【0329】
記述的統計を使用して、用量レベルごとに、適切な場合にはすべての集団についてPKパラメータをまとめる。用量と、最大濃度(C
max)および濃度時間曲線下面積(AUC)の両方の関係を、用量比例についてグラフによって調査する。
【0330】
記述的統計を使用して、投与コホートごとに、適切な場合にはすべての集団について2−HG阻害のPDパラメータをまとめる。化合物1または化合物2と2−HG阻害のPK/PDの関係を評価する。
【0331】
処置に対する応答は、AMLのためのIWG基準を使用して、現地の研究者によってアセスメントされる。客観的応答は、CR、CRi(CRpを含む)、PR、およびMLFSのすべての応答を含むものとして定義される。各時点の応答および最良の応答は、患者ごとに一覧表にされ、最良の全奏効率およびORRをまとめ、応答率に対する両側95%信頼区間(CI)を算出する。適切な場合には、応答/寛解までの時間も一覧表にし、まとめる。
【0332】
DOR、EFS、およびOSを含む事象結果までの時間は、適切な場合には、カプラン−マイヤー法を使用してアセスメントする。適切な場合には、関連の95%CIを用いて、中央値、3カ月、6カ月、および1年の推定値を得る。
【0333】
ある特定の実施形態では、例えば、本明細書で提供される臨床プロトコールを受けている、化合物1ならびにAML導入および強化療法で処置されているAML患者は、処置応答を示す。一部の実施形態では、処置応答は、改変されたIWG AML応答基準(Chesonら、J Clin Oncol 2003年;21巻(24号):4642〜9頁)に従う、完全奏功(CR)、形態学的な無白血病状態(MLFS)、不完全好中球回復(CRi)を伴う形態学的な完全寛解、不完全血小板回復(CRp)を伴う形態学的な完全寛解、または部分寛解(PR)である。一部の実施形態では、処置応答は、血液学的改善である。ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法において、化合物1ならびにAML導入および強化療法で処置されたAML患者は、無再発生存期間(EFS)、応答期間(DOR)、応答までの時間(TTR)、および/または全生存率(OS)の改善を示す。
【0334】
いくつかの実施形態のいくつかの態様をこうして記載してきたが、当業者であれば、様々な変更、修正、および改善に容易に想到することを理解されたい。このような変更、修正、および改善は、本開示の一部であることが意図され、本発明の精神および範囲に含まれることが意図されている。したがって、先の説明および図は、単に例示的なものである。