(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6871950
(24)【登録日】2021年4月20日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】変形タイヤ
(51)【国際特許分類】
B60B 9/28 20060101AFI20210510BHJP
B60C 7/00 20060101ALI20210510BHJP
【FI】
B60B9/28
B60C7/00 H
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2018-560679(P2018-560679)
(86)(22)【出願日】2016年5月24日
(65)【公表番号】特表2019-521027(P2019-521027A)
(43)【公表日】2019年7月25日
(86)【国際出願番号】CN2016000276
(87)【国際公開番号】WO2017201636
(87)【国際公開日】20171130
【審査請求日】2018年11月16日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517195343
【氏名又は名称】林伯剛
【氏名又は名称原語表記】LIN Po−Kang
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】特許業務法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林伯剛
【審査官】
上谷 公治
(56)【参考文献】
【文献】
韓国公開特許第10−2015−0102886(KR,A)
【文献】
登録実用新案第3065584(JP,U)
【文献】
米国特許第04108231(US,A)
【文献】
中国特許出願公開第103963556(CN,A)
【文献】
米国特許第01660845(US,A)
【文献】
中国実用新案第200948729(CN,Y)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60B 9/28
B60C 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれの第一端が中央構造に連結され、それぞれの第二端が複数の円弧状のタイヤ本体のそれぞれに連結され、それぞれが連結される前記タイヤ本体及び前記中央構造との間に第一長さを有し、且つ弾性伸縮性を有する複数のスポークを備え、
前記中央構造により前記スポークが固定支持され、前記スポークのそれぞれは前記弾性伸縮性により前記第一長さが動的に調整され、
前記スポーク及び前記タイヤ本体は前記中央構造を中心とし、前記中央構造の円周方向に沿って2列に並列されると共に互いにずれるように配列され、前記タイヤ本体は前記中央構造から放射状に延びる前記スポークにより前記中央構造に固定され、前記2列のうちのそれぞれの列の前記タイヤ本体は互いに連結されず、前記2列の前記タイヤ本体は前記中央構造の軸心方向に互いに部分的に重なるように配列されることを特徴とする変形タイヤ。
【請求項2】
前記スポークは前記弾性伸縮性により前記第一長さから第二長さに動的に調整され、前記第二長さが前記第一長さより短いものであることを特徴とする請求項1に記載の変形タイヤ。
【請求項3】
前記中央構造は複数の孔を有し、前記中央構造は前記スポークが前記孔に収容され、前記スポークは前記孔により前記第一長さが調整され、又は前記スポークのそれぞれは前記弾性伸縮性により前記第一長さが動的に調整されることを特徴とする請求項1に記載の変形タイヤ。
【請求項4】
前記スポークは前記中央構造の前記孔により前記第一長さから第三長さに調整され、前記第三長さが前記第一長さより短いものであることを特徴とする請求項3に記載の変形タイヤ。
【請求項5】
前記スポークはショックアブソーバー又は弾性伸縮性を有する他の構造であることを特徴とする請求項1に記載の変形タイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤに関し、更に詳しくは、弾性伸縮性を有するスポークを備える変形タイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤは円形の物体であり、シャフトの周りを回転し、転動することで摩擦を減らす。車軸に組み合わせる場合、各種車両の最も重要な構成部材となる。交通輸送においてタイヤは非常に有用であり、人類の重要な発明の1つである。タイヤは主にスポークを備えるホイールリムにゴムカーカスが組み合わせることで構成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般的なタイヤ構造において、ゴムカーカスはホイールリムに覆設しやすくするように全て円形に形成されており、通常はホイールリムが複数のスポークを有し、複数のスポークは通常中央構造に固定される。このため、一般的には、タイヤが装設される車両は平地を走行するために用いられ、階段等の高低差のある地形にはタイヤは通常不向きである。換言すれば、一般的なタイヤは登攀又は登坂機能を有しない。タイヤが登攀又は登坂機能を有しないと、例えば自転車や車いす等の軽量な車両等の車両は不便な状況に陥ることがある。特に車いすの使用者にとっては、両足で歩くことができないため、車いすが登攀又は登坂機能を有しない場合、極めて不便になる。
【0004】
上述の理由により、弾性伸縮性を有するスポークを基礎として、如何に変形タイヤを更に形成し、登攀又は登坂機能を有するようにするかは解決が待たれる問題であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の従来技術の欠点に鑑み、本発明は複数のスポークを備える変形タイヤを提供することを主な目的とする。前記複数のスポークのそれぞれの第一端は中央構造に連結され、前記複数のスポークのそれぞれの第二端はタイヤ本体に連結される。前記複数のスポークのそれぞれは連結されるタイヤ本体及び中央構造との間に第一長さを有し、且つ前記複数のスポークは弾性伸縮性を有する。中央構造により複数のスポークが固定支持され、複数のスポークのそれぞれは弾性伸縮性により第一長さが動的に調整される。
【0006】
好ましくは、複数のスポークは弾性伸縮性により第一長さから第二長さに動的に調整され、第二長さが第一長さより短いものである。
【0007】
好ましくは、複数のスポーク及び複数のタイヤ本体は中央構造を中心とし、中央構造の円周方向に沿って2列に並列されると共に互いにずれるように配列されて複数のスポークにより中央構造に固定される。
【0008】
好ましくは、2列のうちのそれぞれの列の複数のタイヤ本体は互いに連結されず、且つ2列の複数のタイヤ本体は互いに重ならないように配列される。
【0009】
好ましくは、2列のうちのそれぞれの列の複数のタイヤ本体は互いに連結されず、且つ2列の複数のタイヤ本体は互いに部分的に重なるように配列される。
【0010】
好ましくは、中央構造は複数の孔を有し、中央構造は複数のスポークが複数の孔に収容される。複数のスポークは複数の孔により第一長さが調整され、又は複数のスポークのそれぞれは弾性伸縮性により第一長さが動的に調整される。
【0011】
好ましくは、複数のスポークは中央構造の複数の孔により第一長さから第三長さに調整され、第三長さが第一長さより短いものである。
【0012】
好ましくは、複数のスポークはショックアブソーバー又は弾性伸縮性を有する他の構造である。
【0013】
本発明の他の目的、長所及び革新的な特徴については、以下の本発明の詳細な実施例及び図面から理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の第一実施形態に係る変形タイヤの構造を説明する概略図である。
【
図2a】本発明の第一実施形態に係る変形タイヤのタイヤ本体の配列方式を説明する概略図である。
【
図2b】本発明の他の実施形態に係る変形タイヤのタイヤ本体の配列方式を説明する概略図である。
【
図3】本発明の第一実施形態に係る変形タイヤの使用方式を説明する概略図である。
【
図4】本発明の第二実施形態に係る変形タイヤの構造を説明する概略図である。
【
図5】本発明の第二実施形態に係る変形タイヤの収容方式を説明する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の図面に示す実施例を詳しく参照する。全ての図面において同じ符号は同じ又は類似する部分を表示する。注意すべき点として、前記図面は簡略化されて示されており、比率を精確に示しているわけでない。各図面を一緒に閲覧することで本発明の好ましい実施例の前記要約と上記の詳細な説明についてより理解が深まる。本発明について説明した目的を達成するため、各図面には好ましい各実施例を示す。しかしながら、本発明は描写される精確な配置及び設備装置に制限されるわけではない。
【0016】
図1は本発明の第一実施形態に係る変形タイヤの構造を説明するための概略図である。
図1を参照すると、本発明の第一実施形態に係る変形タイヤ1は複数のスポーク11を備え、前記複数のスポーク11のそれぞれの第一端は中央構造13に連結され、前記複数のスポーク11のそれぞれの第二端はタイヤ本体15に連結される。前記複数のスポーク11のそれぞれは連結される各タイヤ本体15及び中央構造13との間に第一長さD1を有し、且つ前記複数のスポーク11は弾性伸縮性を有する。中央構造13により複数のスポーク11が固定支持され、複数のスポーク11のそれぞれは自身の弾性伸縮性により第一長さD1が動的に調整される。ちなみに、複数のタイヤ本体15の構造は一般大衆が使用するタイヤ体の構造と略同じであり、その差異は本発明に係る複数のスポーク11のそれぞれが連結されるタイヤ本体15は互いに連結されず、車両の違いに応じて調整される点であり、例えば自転車のタイヤ又は車いすのタイヤに対してそれぞれ交換及び調整を行う点である。本発明の第一実施形態において、複数のスポーク11はショックアブソーバーであり、他の実施形態においては、複数のスポーク11は弾性伸縮性を有する他の構造である。また、複数のスポーク11の数量は使用者や車両の需要に応じて調整され、図中に示す数量は概略を示すものにすぎない。
【0017】
図2aは本発明の第一実施形態に係る変形タイヤのタイヤ本体の配列方式を説明するための概略図である。
図2aを参照すると、
図2aは本発明の第一実施形態に係る変形タイヤ1の側面図であり、
図2aから見ると、複数のスポーク11及び複数のタイヤ本体15は中央構造13を中心とし、中央構造13の円周方向に沿って2列に並列されると共に互いにずれるように配列されて複数のスポーク11により中央構造13に固定され、それぞれの列の複数のタイヤ本体15は互いに連結されず、且つ2列の複数のタイヤ本体15は互いに重ならないように配列され、2列で重ならないようにずらして配列されることで変形タイヤ1が高効率で段差や高低差を登れるようになる。
図2bは本発明の他の実施形態に係る変形タイヤのタイヤ本体の配列方式を説明するための概略図である。
図2bを参照すると、
図2bは本発明の他の実施形態に係る変形タイヤ1の側面図であり、
図2bから見ると、複数のタイヤ本体15は中央構造13を中心とし、中央構造13の円周方向に沿って2列に互いにずれるように配列されて中央構造13に固定され、それぞれの列の複数のタイヤ本体15は互いに連結されず、且つ2列の複数のタイヤ本体15は互いに部分的に重なるように配列され、2列に部分的に重なるようにずらして配列されることにより変形タイヤ1が相対的に高い安定性を有する。重ならないように配列されるか部分的に重なるように配列されるかにかかわらず、タイヤ本体15は各自長所を有し、様々な地形及び車両に適用可能となる。
【0018】
図3は、本発明の第一実施形態に係る変形タイヤの使用方式を説明するための概略図である。
図3を参照すると、本発明の第一実施形態に係る変形タイヤ1が登る必要がある階段31に接近すると、複数のスポーク11のうちの1つは連結されるタイヤ本体15が階段31に接触して受力され、自身の弾性伸縮性により受動的に第二長さD2に調整され、この第二長さD2が第一長さD1より短いものである。複数のスポーク11のうちの1つが第二長さD2まで圧縮された後、自身の弾性伸縮性により階段31に向けて力を掛けると共に第一長さD1に戻り、変形タイヤ1が複数のスポーク11の弾性伸縮性により登攀機能の効果を達成させる。
【0019】
図4は本発明の第二実施形態に係る変形タイヤの構造を説明するための概略図である。
図4を参照すると、本発明の第二実施形態に係る変形タイヤ2は複数のスポーク11を備え、前記複数のスポーク11のそれぞれの第一端は中央構造13に連結され、前記複数のスポーク11のそれぞれの第二端はタイヤ本体15に連結される。前記複数のスポーク11のそれぞれは連結される各タイヤ本体15及び中央構造13との間に第一長さD1を有し、且つ前記複数のスポーク11は弾性伸縮性を有する。中央構造13により複数のスポーク11が固定支持され、複数のスポーク11のそれぞれは自身の弾性伸縮性により第一長さD1が動的に調整される。また、中央構造13は複数の孔17を有し、複数の孔は所定の深さを有する。中央構造13は複数のスポーク11が複数の孔17に収容され、複数のスポーク11は複数の孔17により第一長さD1が調整され、又は複数のスポーク11のそれぞれは自身の弾性伸縮性により第一長さD1が動的に調整される。ちなみに、複数のタイヤ本体15の構造は一般大衆が使用するタイヤ本体の構造と略同じであり、その差異は本発明に係る複数のスポーク11の連結される各タイヤ本体15は互いに連結されず、車両の違いに応じて調整され、例えば自転車のタイヤや車いすのタイヤに対してそれぞれ交換及び調整を行う点である。また、本発明の第二実施形態において、複数のスポーク11はショックアブソーバーであり、他の実施形態において、複数のスポーク11は弾性伸縮性を有する他の構造である。上述の内容から分かるように、本発明の第二実施形態に係る変形タイヤ2の構造は第一実施形態に係る変形タイヤ1の構造と基本的に同じであり、よって、変形タイヤ2の使用方式も第一実施形態の変形タイヤ1と同じであり、その差異は本発明の第二実施形態に係る変形タイヤ2の中央構造13が複数の孔17を有し複数のスポーク11を収容する点である。また、複数のスポーク11の数量は使用者又は車両の需要に応じて調整可能であり、図中に示す数量は概略を示すものにすぎない。
【0020】
図5は本発明の第二実施形態に係る変形タイヤの収容方式を説明するための概略図である。
図5を参照すると、本発明の第二実施形態に係る変形タイヤ2は複数の孔17により収容を行い、詳しく説明すると、複数のスポーク11は複数の孔17により中央構造13に向けて移動され、第一長さD1から第三長さD3に調整され、第三長さD3が第一長さD1より短いものである。収容状態では、複数のスポーク11は複数の孔17により中央構造13を部分的に貫通させて中心に向けて収縮し、これにより変形タイヤ2全体が縮小され、収容及び携帯に便利になる。ちなみに、
図2a及び
図2bから分かるように、本発明の複数のスポーク11及びタイヤ本体15は2列に並列されて互いにずれるように配列されて中央構造13に固定されるため、複数のスポーク11が中心に向けて収縮すると、互いに干渉せず、収容過程に影響もない。また、このほか、複数の孔17による複数のスポーク11の収容に用いられる深さは使用者の需要に応じて調整可能であり、本発明の他の実施形態においては、複数のスポーク11は複数の孔17により全体が中央構造13を貫通させてもよく、これにより変形タイヤ2の体積を最小化させる。
【0021】
上述の内容から分かるように、本発明は登攀特性を有する収容が便利な変形タイヤを提供し、本発明に係る変形タイヤは各種の車両に適用され、特に自転車及び車いすに適用される。自転車に本発明に係る変形タイヤが装設された後、様々な階段を自由に登攀可能になり、同時に複数のスポークが中央構造に向けて収縮することによりタイヤ本体の体積を縮小して収容や携帯を便利にする目的を達成できる。また、車いすの両側に本発明に係る変形タイヤが装設された後には車いすが様々な階段を登攀可能になり、歩行が不自由な人でも階段をスムーズに登ることができる。
【0022】
本発明の代表的な実施形態を説明すると同時に、本明細書は本発明の操作方法及び/又はプロセスを特定の順序の工程として説明する。但し、ある程度においては、前記方法又はプロセスはここで説明する特定の順序の工程に依存せず、前記方法又はプロセスは前述の特定の工程の順序に限られない。本分野に習熟する技術者ならば、他の工程の順序も可能であることを理解できる。よって、本明細書において説明する特定の順序の工程を特許出願の請求の範囲に対する制限と見做すことはできない。また、本発明に係る方法及び/又はプロセスの特許出願の請求の範囲は説明する順序における工程の効果に限定されず、本分野に習熟する技術者ならば、本発明の精神及び範囲を逸脱しないように前記順序を変更することが可能であることを理解できる。
【0023】
本分野に習熟する技術者ならば、広義の発明の概念を逸脱しないように上述の各実施形態を変化させることが可能であることを理解できる。よって、本発明は記載の特定の実施形態に制限されず、後述の各請求項において定義される本発明の精神及び範囲を逸脱しない変更が可能である。
【符号の説明】
【0024】
1 変形タイヤ
2 変形タイヤ
11 スポーク
13 中央構造
15 タイヤ本体
17 孔
31 階段
D1 第一長さ
D2 第二長さ
D3 第三長さ