(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記2つの第1側片それぞれの前記第1部位側とは反対側の端部の前記揺動軸方向における中央部を通り且つ前記揺動軸に直交する第2仮想平面は、前記支持板の長手方向における前記2つのバルブ当接部の中央部を通り且つ前記揺動軸に直交する第3仮想平面に対して、前記第5部位とは反対側に位置する、
請求項4に記載のロッカアーム。
前記第4部位は、長尺の第3主片と、前記第3主片の前記第4部位の揺動軸方向における両端縁それぞれから前記第3主片の厚さ方向に沿った一方向へ延出する2つの第2側片を有し、
前記係止ピンは、円柱状であり、
前記2つの第2側片のうちの前記第1アーム本体側の一方には、平面視弧状であり、前記係止ピンが前記第1位置に配置された状態で内側の一部に前記係止ピンが当接する切欠部が設けられている、
請求項2、4、5のうちのいずれか1項に記載のロッカアーム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態に係るロッカアームについて、図面を参照しながら説明する。本実施の形態に係るロッカアームは、回転するカムにより揺動駆動されるロッカアームである。このロッカアームは、第1アーム本体と、第1カム当接部と、バルブ当接部と、を備える。第1アーム本体は、支持部材により揺動自在に支持される第1部位と、第1部位に対して第1部位の揺動軸に直交する第1方向側に位置する第2部位と、第1部位に対して第1方向側とは反対の第2方向側に位置する第3部位と、を有する。第1カム当接部は、第1アーム本体の第2部位に設けられカムに当接する。バルブ当接部は、第1アーム本体の第3部位の先端部に設けられバルブに当接する。第1アーム本体の第3部位は、揺動軸に直交し且つ揺動軸方向における第1カム当接部を通る仮想平面の一面側にずれた位置に少なくとも先端部の揺動軸方向における中央部が配置されている。また、第3部位は、第1アーム本体の第1部位の前述の第2方向側の端縁から延出する第1主片と、第1主片の揺動軸方向における両端縁それぞれから第1主片の厚さ方向に沿った一方向へ延出する2つの第1側片と、を有する。そして、2つの第1側片それぞれの第1部位側とは反対側の端部のうち仮想平面に近い一方の厚さは、仮想平面から遠い他方の厚さに比べて薄い。また、2つの第1側片それぞれの端部のうちの前述の一方の第1主片の厚さ方向の長さは、他方の第1主片の厚さ方向の長さに比べて長い。
【0010】
図1に示すように、本実施の形態に係るロッカアーム1は、例えば車両のエンジンに装着され、カムC1が回転軸J1周りに矢印AR1に示す方向に回転すると、矢印AR2に示すように揺動されてシリンダヘッド(図示せず)のバルブ100の開閉動作を行ういわゆるセンターピボット型のロッカアームである。ロッカアーム1は、
図1に示すように、アーム本体11と、軸受12と、スクリュー13と、を備える。また、ロッカアーム1は、アーム本体11に固定され軸受12の内輪を支持するシャフト14を備える。ここで、ロッカアーム1は、アーム本体11の貫通孔112aに挿通されたシャフト200の中心軸と一致する揺動軸J12周りに揺動する。軸受12は、外輪と、外輪の内側に配置された内輪と、外輪と内輪との間の介在する複数の転動体と、複数の転動体を保持する保持器と、を有し、外輪がカムC1に転接し内輪がアーム本体11に固定された第1カム当接部である。
【0011】
アーム本体11は、第1部位11aと第2部位11bと第3部位11cとを有する第1アーム本体である。このアーム本体11は、鋼板のような金属板に打ち抜き加工を施すことにより準備された1枚の板状の基材にプレス加工を施すことにより形成される。鋼板としては、例えば肌焼鋼(例えばSCM415)が採用できる。第1部位11aは、支持部材であるシャフト200により揺動自在に支持される。第2部位11bは、
図2(A)および(B)に示すように、第1部位11aに対して第1部位11aの揺動軸J12に直交する第1方向側、即ち、−X方向側に位置する。第3部位11cは、第1部位11aに対して第1方向側とは反対の第2方向側、即ち、+X方向側に位置する。また、第3部位11cは、先端部の揺動軸J12方向における中央部が揺動軸J12に直交し且つ第2部位11bの揺動軸J12方向における中央部、即ち、軸受12を通る仮想平面VP11の一面側、即ち、−Y方向側にずれた位置に配置されている。これにより、第3部位11cに固定されたスクリュー13の中心軸が、仮想平面VP11から距離W1だけ離間した位置に配置される。第1部位11aは、主片111aと、側片112c、114cと、を有する。主片111aは、+X方向側の端縁で主片111bに連続する第2主片である。側片112c、114cは、主片111aのY軸方向における両端縁それぞれから主片111aの厚さ方向に沿った一方向、即ち、−Z方向へ延出す
る。側片112c、114cそれぞれには、前述のシャフト200が挿通される貫通孔112a、114aと、貫通孔112a、114aを囲繞し貫通孔112a、114aの外周部から互いに対向する面側で突出する環状のリブ112b、114bと、が設けられている。
【0012】
第2部位11bは、側片112c、114cの−X方向側の端縁それぞれから−X方向へ延出し軸受12を支持する支持片113、115を有する。支持片113には、
図1に示すように、平面視円形であり支持片113を厚さ方向に貫通する貫通孔113aが設けられている。また、支持片115にも、平面視円形であり支持片115を厚さ方向に貫通する貫通孔115a(
図3参照)が設けられている。そして、シャフト14が、支持片113、115の貫通孔113a、115aに挿通された状態で支持片113、115に固定され、軸受12の内輪を支持している、ここで、軸受12の外輪は、シャフト14の中心軸J11周りに回転自在となっている。
【0013】
第3部位11cは、
図2(A)および(B)に示すように、主片111bと側片112d、114dと、を有する。主片111bは、第1部位11aの主片111aの+X方向側の端縁から延出する第1主片である。側片112d、114dは、主片111bのY軸方向における両端縁それぞれから主片111bの厚さ方向に沿った一方向、即ち、−Z方向へ延出する第1側片である。また、主片111bの先端部には、主片111bを厚さ方向に貫通する貫通孔111dが設けられている。また、主片111bの先端部における−Z方向側には、貫通孔111dを囲繞し貫通孔111dの外周部から主片111bの厚さ方向に沿って−Z方向側へ突出する環状のリブ111cが設けられている。そして、
図2(C)に示すように、側片112dは、側片114dに比べて仮想平面VP11に近くに位置する。また、
図3に示すように、側片114dの厚さT12は、仮想平面VP11から遠い側片112dの先端部112eの厚さT11に比べて薄い。また、側片114dの主片111bの厚さ方向の長さH12は、側片112dの先端部112eの主片111bの厚さ方向の長さH11に比べて長い。
【0014】
スクリュー13は、アーム本体11の第3部位11cの先端部に設けられバルブに当接するバルブ当接部である。
【0015】
以上説明したように、本実施の形態に係るロッカアーム1は、側片114dの厚さT12は、仮想平面VP11から遠い側片112dの先端部112eの厚さT11に比べて薄い。また、側片114dの主片111bの厚さ方向の長さH12は、側片112dの先端部112eの主片111bの厚さ方向の長さH11に比べて長い。これにより、側片114dの剛性を側片112dの剛性に比べて高めることができる。従って、2つの側片112d、114dそれぞれの剛性の違いにより生じる変位量の差を少なくすることができるので、アーム本体11の捩れによるスクリュー13の傾きに起因したロッカアーム1の動作不良の発生が抑制される。
【0016】
また、本実施の形態に係るロッカアーム1では、第1部位11aが、主片111aと、主片111aのY軸方向における両端縁それぞれから−Z方向へ延出する2つの側片112c、114cと、を有する。そして、側片112c、114cそれぞれには、シャフト200が挿通される貫通孔112a、114aと、貫通孔112a、114aを囲繞し貫通孔112a、114aの外周部から互いに対向する面側で突出する環状のリブ112b、114bと、が設けられている。これにより、シャフト200が異常摩耗することを防止することができる。
【0017】
(実施の形態2)
本実施の形態に係るロッカアームは、バルブ当接部が、2つ存在し、2つのバルブ当接部が、それぞれ、アーム本体の第3部位の第1主片の先端部における揺動軸方向における両端部に固定されている点で実施の形態1と相違する。
【0018】
図4に示すように、本実施の形態に係るロッカアーム2001は、アーム本体2011と、軸受2012と、バルブ(図示せず)に当接する2つのスクリュー2013と、を備える。また、ロッカアーム2001は、アーム本体2011に固定され軸受2012の内輪を支持するシャフト2014と、円筒状のシャフトガイド2015と、を備える。ここで、ロッカアーム2001は、
図5(A)および(B)に示すように、シャフトガイド2015の内側にシャフト(図示せず)が挿通された状態でシャフトガイド2015の中心軸に一致する揺動軸J22周りに揺動する。軸受2012は、外輪がカム(図示せず)に転接し内輪がアーム本体2011に固定された第1カム当接部である。
【0019】
アーム本体2011は、第1部位2011aと第2部位2011bと第3部位2011cとを有する第1アーム本体である。このアーム本体2011は、実施の形態1に係るアーム本体11と同様に、鋼板のような金属板に打ち抜き加工を施すことにより準備された1枚の板状の基材にプレス加工を施すことにより形成される。第1部位2011aは、シャフトガイド2015の内側に挿通されたシャフトにより揺動自在に支持される。第2部位2011bは、第1部位2011aに対して−X方向側に位置する。第3部位2011cは、第1部位2011aに対して+X方向側に位置する。また、第3部位2011cは、先端部の揺動軸J22方向における中央部が揺動軸J22に直交し且つ第2部位2011bの揺動軸J22方向における中央部、即ち、軸受2012を通る仮想平面VP21の一面側、即ち、−Y方向側にずれた位置に配置されている。第1部位2011aは、主片2111aと、側片2112c、2114cと、を有する。主片2111aは、+X方向側の端縁で主片2111bに連続する第2主片である。側片2112c、2114cは、主片2111aのY軸方向における両端縁それぞれから−Z方向へ延出す
る。側片2112c、2114cそれぞれには、シャフトガイド2015が挿通される貫通孔2112a、2114aが設けられている。
【0020】
第2部位2011bは、側片2112c、2114cの−X方向側の端縁それぞれから−X方向へ延出し軸受2012を支持する支持片2113、2115を有する。支持片2115には、
図5(A)および(B)に示すように、平面視円形であり支持片2115を厚さ方向に貫通する貫通孔2115aが設けられている。また、支持片2113にも、平面視円形であり支持片2113を厚さ方向に貫通する貫通孔2113aが設けられている。そして、シャフト2014が、支持片2113、2115の貫通孔2113a、2115aに挿通された状態で支持片2113、2115に固定され、軸受2012の内輪を支持している。ここで、軸受2012の外輪は、シャフト2014の中心軸J21周りに回転自在となっている。
【0021】
第3部位2011cは、
図5(B)に示すように、主片2111bと側片2112d、2114dと、を有する。主片2111bは、第1部位2011aの主片2111aの+X方向側の端縁から延出する第1主片である。側片2112d、2114dは、主片2111bのY軸方向における両端縁それぞれから−Z方向へ延出する第1側片である。また、主片2111bの先端部におけるY軸方向の両端部それぞれには、
図4に示すように、主片2111bを厚さ方向に貫通する貫通孔2111eが設けられている。また、
図5(B)に示すように、主片2111bの先端部における−Z方向側には、貫通孔2111eを囲繞し貫通孔2111eの外周部から主片2111bの厚さ方向に沿って−Z方向側へ突出する環状のリブ2111cが設けられている。また、
図6に示すように、側片2114dの厚さT22は、側片2112dの先端部2112eの厚さT21に比べて厚い。また、側片2114dの主片2111bの厚さ方向の長さH22は、側片2112dの先端部2112eの主片2111bの厚さ方向の長さH21に比べて長い。
【0022】
スクリュー2013は、
図4に示すように、アーム本体2011の第3部位2011cの主片2111bの先端部における揺動軸J22方向、即ち、Y軸方向における両端部に固定され、バルブ(図示せず)に当接するバルブ当接部である。
【0023】
以上説明したように、本実施の形態に係るロッカアーム2001は、側片2114dの先端部の厚さT22は、側片2112dの先端部2112eの厚さT21に比べて厚い。また、側片2114dの先端部の主片2111bの厚さ方向の長さH22は、側片2112dの先端部2112eの主片2111bの厚さ方向の長さH21に比べて長い。これにより、側片2114dの剛性を側片2112dの剛性に比べて高めることができる。従って、2つの側片2112d、2114dそれぞれの剛性の違いにより生じる変位量の差を少なくすることができるので、アーム本体2011の捩れによるスクリュー2013の傾きに起因したロッカアーム2001の動作不良の発生が抑制される。それ故、アーム本体2011の捩れの発生が抑制されるので、アーム本体2011の捩れによる主片2111bの+X方向側の端部或いはスクリュー2013の傾きに起因したロッカアーム2001の動作不良の発生が抑制される。
【0024】
また、本実施の形態に係るロッカアーム2001では、2つのスクリュー2013が、主片2111bの+X方向側の先端部におけるY軸方向における両端部に固定されている。これにより、2つのバルブを同時に駆動することが可能となる。
【0025】
更に、本実施の形態に係るロッカアーム2001は、2つの側片2112c、2114cそれぞれに設けられた貫通孔2114aに挿通されるシャフトガイド2015を備える。これにより、アーム本体2011の第1部位2011aの2つの側片2112c、2114cの間の距離が過度に離れることが防止されるので、アーム本体2011の変形に起因したロッカアーム2001の動作不良の発生が抑制される。
【0026】
(実施の形態3)
本実施の形態に係るロッカアームは、第1アーム本体の揺動軸方向に延在する長尺の支持板と、支持板の長手方向の両端部それぞれに設けられバルブに当接する2つのバルブ当接部と、を備える点で実施の形態1および2と相違する。ここで、第1アーム本体は、支持部材により揺動自在に支持される第1部位と、第1部位に対して第1部位の揺動軸に直交する第1方向側に位置する第2部位と、第1部位に対して第1方向側とは反対の第2方向側に位置する第3部位と、を有する。そして、第1アーム本体の第3部位は、第1アーム本体の第1部位の前述の第2方向側の端縁から延出する2つ
の側片を有し、少なくとも先端部の揺動軸方向における中央部が揺動軸に直交し且つ前述の第2部位の揺動軸方向における中央部を通る仮想平面の一面側にずれた位置に配置されている。また、2つ
の側片それぞれの第1部位側とは反対側の端部の揺動軸方向における中央部を通り且つ揺動軸に直交する第2仮想平面が、前述の支持板の長手方向における2つのバルブ当接部の中央部を通り且つ揺動軸に直交する第3仮想平面に対して第1仮想平面側とは反対側に位置している。
【0027】
図7に示すように、本実施の形態に係るロッカアーム3001は、アーム本体3011と、軸受3012と、バルブ(図示せず)に当接する2つのスクリュー3013と、を備える。また、ロッカアーム3001は、アーム本体3011に固定され軸受3012の内輪を支持するシャフト3014と、円筒状のシャフトガイド3015と、支持板3016と、を備える。ここで、ロッカアーム3001は、
図8(A)から(C)に示すように、シャフトガイド3015の内側にシャフト(図示せず)が挿通された状態でシャフトガイド3015の中心軸に一致する揺動軸J32周りに揺動する。軸受3012は、外輪がカム(図示せず)に転接し内輪がアーム本体3011に固定されたカム当接部である。シャフトガイド3015には、貫通孔3015aが形成されている。
【0028】
アーム本体3011は、第1部位3011aと第2部位3011bと第3部位3011cとを有する第1アーム本体である。このアーム本体3011は、実施の形態1に係るアーム本体11と同様に、鋼板のような金属板に打ち抜き加工を施すことにより準備された1枚の板状の基材にプレス加工を施すことにより形成される。第1部位3011aは、シャフトガイド3015の内側に挿通されたシャフトにより揺動自在に支持される。第2部位3011bは、第1部位3011aに対して−X方向側に位置する。第3部位3011cは、第1部位3011aに対して+X方向側に位置する。また、第3部位3011cは、先端部の揺動軸J32方向における中央部が揺動軸J32に直交し且つ第2部位3011bの揺動軸J32方向における中央部を通る第1仮想平面VP31の一面側、即ち、−Y方向側にずれた位置に配置されている。第1部位3011aは、主片3111と、側片3112c、3114cと、を有する。側片3112c、3114cは、主片3111のY軸方向における両端縁それぞれから−Z方向へ延出する。側片3112c、3114cそれぞれには、シャフトガイド3015が挿通される貫通孔3112a、3114aが設けられている。
【0029】
第2部位3011bは、側片3112c、3114cの−X方向側の端縁それぞれから−X方向へ延出し軸受3012を支持する支持片3113、3115を有する。支持片3115には、
図8(A)に示すように、平面視円形であり支持片3115を厚さ方向に貫通する貫通孔3115aが設けられている。また、支持片3113にも、平面視円形であり支持片3113を厚さ方向に貫通する貫通孔(図示せず)が設けられている。そして、シャフト3014が、支持片3113、3115の貫通孔3115aに挿通された状態で支持片3113、3115に固定され、軸受3012の内輪を支持している。ここで、軸受3012の外輪は、シャフト3014の中心軸J31周りに回転自在となっている。
【0030】
第3部位3011cは、
図8(B)および(C)に示すように、側片3112d、3114dと、を有する。側片3112d、3114dは、第1部位3011aの側片3112c、3114cの+X方向側の端縁それぞれから+X方向へ延出す
る。ここで、側片3112d、3114dの+X方向側の先端部のY軸方向における中央部を通り且つアーム本体3011の揺動軸J32に直交する第2仮想平面VP32は、揺動軸J32に直交し且つ第2部位3011bの揺動軸方向における中央部を通る第1仮想平面VP31の一面側、即ち、−Y方向側にずれた位置に配置されている。
【0031】
支持板3016は、長尺板状であり、長手方向における両端部それぞれに厚さ方向に貫通する貫通孔3016aが穿設されるとともに、アーム本体3011の揺動軸J32方向に延在している。支持板3016の厚さは、側片3112c、3114cの厚さよりも厚いことが好ましい。そして、
図9(A)および(B)に示すように、2つの側片3112d、3114dそれぞれの第1部位3011a側とは反対側の端部の揺動軸J32方向における中央部を通り且つ揺動軸J32に直交する第2仮想平面VP32が、支持板3016の長手方向における2つのスクリュー3013の中央部を通り且つ揺動軸J32に直交する第3仮想平面VP33に対して第1仮想平面側とは反対側に位置している。即ち、2つの側片3112d、3114dそれぞれの第1部位3011a側とは反対側の端部の揺動軸J32方向における中央部を通り且つ揺動軸J32に直交する第2仮想平面VP32が、支持板3016の長手方向における2つのスクリュー3013の中央部を通り且つ揺動軸J32に直交する第3仮想平面VP33よりも−Y方向側に位置している。
【0032】
2つのスクリュー3013は、それぞれ、支持板3016の長手方向の両端部それぞれに設けられた貫通孔3016aに挿通された状態で支持板3016に固定され、バルブに当接するバルブ当接部である。
【0033】
以上説明したように、本実施の形態に係るロッカアーム3001は、2つの側片3112d、3114dそれぞれの先端部の揺動軸J32方向における中央部を通り且つ揺動軸J32に直交する第2仮想平面VP32が、支持板3016の長手方向における2つのスクリュー3013の中央部を通り且つ揺動軸J32に直交する第3仮想平面VP33よりも−Y方向側に位置している。これにより、2つの側片3112d、3114dから支持板3016に加わるトルクのバランスを調整することができるので、支持板3016のY軸方向における両端部それぞれに生じる変位量のバランスを調整することができる。それ故、アーム本体3011の捩れの発生が抑制されるので、アーム本体3011の捩れによる支持板3016の傾き或いはスクリュー3013の傾きに起因したロッカアーム3001の動作不良の発生が抑制される。
【0034】
(実施の形態4)
本実施の形態に係るロッカアームは、第1アーム本体と、第1アーム本体に設けられ2つのカムのうちのいずれか一方に当接する第1カム当接部と、第2アーム本体と、第2アーム本体に設けられ2つのカムのうちの他方に当接する第2カム当接部と、を備える。ここで、第2アーム本体は、支持部材により揺動自在に支持される第4部位と、第4部位に対して前述の第1方向側に位置する第5部位と、を有する。また、ロッカアームは、第1アーム本体に設けられ、第2アーム本体を係止する第1位置と、第2アーム本体から離脱した第2位置と、のいずれかをとりうる係止ピンを備える。
【0035】
図10に示すように、本実施の形態に係るロッカアーム4001は、アーム本体4011、4021と、軸受4012、4022と、バルブ(図示せず)に当接する2つのスクリュー4013と、を備える。また、ロッカアーム4001は、アーム本体4011に固定され軸受4012の内輪を支持するシャフト4014と、アーム本体4021に固定され軸受4022の内輪を支持するシャフト(図示せず)と、円筒状のシャフトガイド4015、4023と、を備える。更に、ロッカアーム4001は、係止ピン4017と、係止ピン4017に嵌入されたコイルばね4018と、係止ピン4017に固定されたクリップ4019と、シャフトガイド4023に嵌入されたコイルばね4025と、を備える。ここで、ロッカアーム4001は、
図11(A)から(C)に示すように、シャフトガイド4015、4023の内側にシャフト(図示せず)が挿通された状態でシャフトガイド4015、4023の中心軸と一致する揺動軸J42、J43周りに揺動する。軸受4012、4022は、外輪がカム(図示せず)に転接し内輪がそれぞれアーム本体4011、4021に固定されたカム当接部である。
【0036】
アーム本体4011は、第1部位4011aと第2部位4011bと第3部位4011cとを有する第1アーム本体である。このアーム本体4011は、実施の形態1に係るアーム本体11と同様に、鋼板のような金属板に打ち抜き加工を施すことにより準備された1枚の板状の基材にプレス加工を施すことにより形成される。第1部位4011aは、シャフトガイド4015の内側に挿通されたシャフトにより揺動自在に支持される。第2部位4011bは、第1部位4011aに対して−X方向側に位置する。第3部位4011cは、第1部位4011aに対して+X方向側に位置する。また、第3部位4011cは、先端部の揺動軸J42方向における中央部が揺動軸J42に直交し且つ第2部位4011bの揺動軸J42方向における中央部を通る仮想平面VP41の−Y方向側にずれた位置に配置されている。第1部位4011aは、側片4112c、4114cと、を有する。側片4114cには、
図11(A)に示すように、シャフトガイド4015が挿通される貫通孔4114aが設けられている。また、側片4112cにも、シャフトガイド4015が挿通される貫通孔(図示せず)が設けられている。また、側片4114cには、係止ピン4017が挿通される貫通孔4114gが設けられ、側片4112cにも、係止ピン4017が挿通される貫通孔(図示せず)が設けられている。
【0037】
第2部位4011bは、
図11(B)および(C)に示すように、側片4112c、4114cの−X方向側の端縁それぞれから−X方向へ延出し軸受4012を支持する支持片4113、4115を有する。支持片4115には、
図11(A)に示すように、平面視円形であり支持片4115を厚さ方向に貫通する貫通孔4115aが設けられている。また、支持片4113にも、平面視円形であり支持片4113を厚さ方向に貫通する貫通孔(図示せず)が設けられている。そして、シャフト4014が、支持片4113、4115の貫通孔4115aに挿通された状態で支持片4113、4115に固定され、軸受4012の内輪を支持している。ここで、軸受4012の外輪は、シャフト4014の中心軸J411周りに回転自在となっている。
【0038】
第3部位4011cは、主片4016と側片4112d、4114dと、を有する。側片4112d、4114dは、第1部位4011aの側片4112c、4114cそれぞれの+X方向側の端縁から+X方向へ延出している。主片4016は、側片4112d、4114dそれぞれの+X方向側の端部における+X方向側の端部同士を跨ぐように設けられている。また、主片4016の先端部におけるY軸方向の両端部それぞれには、
図11(B)に示すように、主片4016を厚さ方向に貫通する貫通孔4016bが設けられている。また、
図11(C)に示すように、主片4016における−Z方向側には、貫通孔4016bを囲繞し貫通孔4016bの外周部から主片4016の厚さ方向に沿って−Z方向側へ突出する環状のリブ4016aが設けられている。そして、側片4114dの第1部位4011a側とは反対側の端部は、側片4112dの第1部位4011a側とは反対側の先端部4112eよりも後述するアーム本体4021の第5部位4021bから遠くに位置している。また、
図12(A)に示すように、側片4114dの厚さT42は、側片4112dの先端部4112eの厚さT41に比べて厚い。また、側片4112dの先端部の主片4016の厚さ方向の長さH42は、側片4112dの先端部4112eの主片4016の厚さ方向の長さH41に比べて長い。
【0039】
スクリュー4013は、
図10に示すように、アーム本体4011の主片4016におけるY軸方向における両端部に固定され、バルブ(図示せず)に当接するバルブ当接部である。
【0040】
アーム本体4021は、
図11(B)および(C)に示すように、第4部位4021aと第5部位4021bとを有する第2アーム本体である。このアーム本体4021は、前述のアーム本体4011と同様に、鋼板のような金属板に打ち抜き加工を施すことにより準備された1枚の板状の基材にプレス加工を施すことにより形成される。第4部位4021aは、シャフトガイド4023の内側に挿通されたシャフトにより揺動自在に支持される。第5部位4021bは、第4部位4021aに対して−X方向側に位置する。第4部位4021aは、長尺の第3主片である主片4211と、2つの側片4212、4214と、を有する。側片4212、4214は、主片4211のY軸方向における両端縁それぞれから主片4211の厚さ方向に沿った一方向、即ち、−Z方向へ延出す
る。また、側片4214には、−Y方向側へ突出し後述するコイルばね4025を固定するための突出片4216が設けられている。また、側片4214の+X方向側の先端部4217は、突出片4216よりも+X方向側へ突出している。側片4212には、平面視弧状の切欠部4212aが設けられている。
【0041】
第5部位4021bは、第4部位4021aの側片4212、4214の−X方向側の端縁それぞれから−X方向へ延出し軸受4022を支持する支持片4213、4215を有する。支持片4213、4215には、それぞれ、平面視円形であり支持片4213、4215を厚さ方向に貫通する貫通孔(図示せず)が設けられている。そして、シャフト4024が、支持片4213、4215それぞれの貫通孔に挿通された状態で支持片4213、4215に固定され、軸受4022の内輪を支持している。ここで、軸受4022の外輪は、シャフト4024の中心軸J412周りに回転自在となっている。
【0042】
係止ピン4017は、円柱状であり、アーム本体4011の側片4112c、4114cに形成された貫通孔4114gに挿通された状態で、アーム本体4011に設けられている。この係止ピン4017は、
図12(A)および
図12(B)に示すように、+Y方向側の端部でアーム本体4021を係止する第1位置と、
図13に示すように、+Y方向側の端部がアーム本体4021から離脱した第2位置と、のいずれかをとりうる。係止ピン4017における側片4112c、4114cの間における側片4112c側の部分には、コイルばね4018が配設されている。そして、コイルばね4018の−Y方向側の端部は、係止ピン4017に固定された円環状のクリップ4019に当接している。このコイルばね4018は、係止ピン4017を前述の第1位置から前述の第2位置へ向かう方向へ付勢する第1付勢部材である。そして、
図12(A)および
図12(B)に示すように、係止ピン4017が前述の第1位置に配置された状態で、側片4212の切欠部4212aの内側の一部に係止ピン4017が当接する。
【0043】
コイルばね4025は、シャフトガイド4023の+Y方向側の端部に嵌入されている。コイルばね4025の延伸方向における一端部4025aは、第4部位4021aの突出片4216の−Z方向側に当接している。このコイルばね4025は、係止ピン4017が前述の第1位置に配置された状態で側片4212の切欠部4212aにおける係止ピン4017と当接する部分が係止ピン4017から離れるようにアーム本体4021がアーム本体4021の揺動軸J43周りに回転する方向へ付勢する第2付勢部材である。
【0044】
以上説明したように、本実施の形態に係るロッカアーム4001は、側片4114dの先端部の厚さT42は、側片4112dの先端部4112eの厚さT41に比べて厚い。また、側片4112dの先端部の主片4016の厚さ方向の長さH42は、側片4112dの先端部4112eの主片4016の厚さ方向の長さH41に比べて長い。これにより、側片4114dの剛性を側片4112dの剛性に比べて高めることができる。従って、係止ピン4017が前述の第1位置に配置された状態、即ち、アーム本体4011、4021が連結された状態で、軸受4022にカムが当接することによってスクリュー4013を駆動させる場合において、2つの側片4112d、4114dそれぞれの剛性の違いにより生じる変位量の差を少なくすることができるので、アーム本体4011の捩れによる2つのスクリュー4013の傾きに起因したロッカアーム4001の動作不良の発生が抑制される。
【0045】
また、本実施の形態に係るロッカアーム4001では、アーム本体4021の側片4212には、平面視弧状であり、係止ピン4017が前述の第1位置に配置された状態で内側の一部に係止ピン4017が当接する切欠部4212aが設けられている。係止ピン4017との当接部分を切欠部4212aとすることにより、当接部分の半径を大きくすることができる。従って、側片4212への応力集中に起因した側片4212の変形破損を防止することができる。
【0046】
更に、本実施の形態に係るロッカアーム4001は、係止ピン4017を前述の第1位置から前述の第2位置へ向かう方向へ付勢するコイルばね4018を備える。これにより、係止ピン4017が第1位置と第2位置との間の位置に配置されることに起因したロッカアーム4001の動作不良の発生を抑制することができる。
【0047】
また、本実施の形態に係るロッカアーム4001は、係止ピン4017が前述の第1位置に配置された状態で側片4212の切欠部4212aにおける係止ピン4017と当接する部分が係止ピン4017から離れるようにアーム本体4021が揺動軸J43周りに回転する方向へ付勢するコイルばね4025を備える。これにより、係止ピン4017からアーム本体4021の側片4212へ作用する力を緩和することができるので、係止ピン4017からアーム本体4021の側片4212に作用する力に起因したアーム本体4021の捩れの発生を抑制することができる。
【0048】
(実施の形態5)
本実施の形態に係るロッカアームは、実施の形態4と同様に、第1アーム本体と、第1アーム本体に設けられ2つのカムのうちのいずれか一方に当接する第1カム当接部と、第2アーム本体と、第2アーム本体に設けられ2つのカムのうちの他方に当接する第2カム当接部と、を備える。
【0049】
図14に示すように、本実施の形態に係るロッカアーム5001は、アーム本体5011、5021と、軸受5012、5022と、バルブ(図示せず)に当接する2つのスクリュー5013と、を備える。また、ロッカアーム5001は、アーム本体5011に固定され軸受5012の内輪を支持するシャフト5014と、アーム本体5021に固定され軸受5022の内輪を支持するシャフト(図示せず)と、円筒状のシャフトガイド5015、5023と、支持板5016と、を備える。更に、ロッカアーム5001は、係止ピン5017と、係止ピン5017に嵌入されたコイルばね5018と、係止ピン5017に固定されたクリップ5019と、シャフトガイド5023に嵌入されたコイルばね5025と、を備える。ここで、ロッカアーム5001は、
図15(A)から(C)に示すように、シャフトガイド5015、5023の内側にシャフト(図示せず)が挿通された状態でシャフトガイド5015、5023の中心軸に一致する揺動軸J52、J53周りに揺動する。軸受5012、5022は、外輪がカム(図示せず)に転接し内輪がそれぞれアーム本体5011、5021に固定されたカム当接部である。シャフトガイド5015、5023には、それぞれ、貫通孔5015a、5023aが形成されている。
【0050】
アーム本体5011は、第1部位5011aと第2部位5011bと第3部位5011cとを有する第1アーム本体である。このアーム本体5011は、実施の形態1に係るアーム本体11と同様に、鋼板のような金属板に打ち抜き加工を施すことにより準備された1枚の板状の基材にプレス加工を施すことにより形成される。第1部位5011aは、シャフトガイド5015の内側に挿通されたシャフトにより揺動自在に支持される。第2部位5011bは、第1部位5011aに対して−X方向側に位置する。第3部位5011cは、第1部位5011aに対して+X方向側に位置する。また、第3部位5011cの先端部の揺動軸J52方向における中央部を通り且つ揺動軸J52に直交する第2仮想平面VP52が、揺動軸J52に直交し且つ第2部位5011bの揺動軸J52方向における中央部を通る第1仮想平面VP51よりも−Y方向側にずれた位置に配置されている。第1部位5011aは、側片5112c、5114cと、主片5111と、を有する。主片5111は、側片5112c、5114cにおける+Z方向側の端部を跨ぐように設けられている。側片5114cには、
図15(A)に示すように、シャフトガイド5015が挿通される貫通孔5114aが設けられている。また、側片5112cにも、シャフトガイド5015が挿通される貫通孔(図示せず)が設けられている。また、側片5114cには、係止ピン5017が挿通される貫通孔5114gが設けられ、側片5112cにも、係止ピン5017が挿通される貫通孔(図示せず)が設けられている。
【0051】
第2部位5011bは、
図15(B)および(C)に示すように、側片5112c、4114cの−X方向側の端縁それぞれから−X方向へ延出し軸受5012を支持する支持片5113、5115を有する。支持片5115には、
図15(A)に示すように、平面視円形であり支持片5115を厚さ方向に貫通する貫通孔5115aが設けられている。また、支持片5113にも、平面視円形であり支持片5113を厚さ方向に貫通する貫通孔(図示せず)が設けられている。そして、シャフト5014が、支持片5113、5115の貫通孔5115aに挿通された状態で支持片5113、5115に固定され、軸受5012の内輪を支持している。ここで、軸受5012の外輪は、シャフト5014の中心軸J511周りに回転自在となっている。
【0052】
第3部位5011cは、側片5112d、5114dと、を有する。側片5112d、5114dは、第1部位5011aの側片5112c、5114cそれぞれの+X方向側の端縁から+X方向へ延出している。ここで、側片5112d、5114dの+X方向側の先端部のY軸方向における中央部を通り且つアーム本体5011の揺動軸J52に直交する第2仮想平面VP52は、揺動軸J52に直交し且つ第2部位5011bの揺動軸方向における中央部を通る第1仮想平面VP51の−Y方向側にずれた位置に配置されている。
【0053】
支持板5016は、長尺板状であり、長手方向における両端部それぞれに厚さ方向に貫通する貫通孔5016aが穿設されるとともに、アーム本体5011の揺動軸J52方向に延在している。そして、
図16(A)および(B)に示すように、2つの側片5112d、5114dそれぞれの第1部位5011a側とは反対側の端部の揺動軸J52方向における中央部を通り且つ揺動軸J52に直交する第2仮想平面VP52が、支持板5016の長手方向における2つのスクリュー5013の中央部を通り且つ揺動軸J52に直交する第3仮想平面VP53に対して後述するアーム本体5021の第5部位5021b側とは反対側に位置している。即ち、2つの側片5112d、5114dそれぞれの第1部位5011a側とは反対側の端部の揺動軸J52方向における中央部を通り且つ揺動軸J52に直交する第2仮想平面VP52が、支持板5016の長手方向における2つのスクリュー5013の中央部を通り且つ揺動軸J52に直交する第3仮想平面VP53よりも−Y方向側に位置している。
【0054】
2つのスクリュー5013は、それぞれ、支持板5016の長手方向の両端部それぞれに設けられた貫通孔5016aに挿通された状態で支持板5016に固定され、バルブに当接するバルブ当接部である。
【0055】
アーム本体5021は、
図15(B)および(C)に示すように、第4部位5021aと第5部位5021bとを有する第2アーム本体である。このアーム本体5021は、前述のアーム本体5011と同様に、鋼板のような金属板に打ち抜き加工を施すことにより準備された1枚の板状の基材にプレス加工を施すことにより形成される。第4部位5021aは、シャフトガイド5023の内側に挿通されたシャフトにより揺動自在に支持される。第5部位5021bは、第4部位5021aに対して−X方向側に位置する。第4部位5021aは、長尺の第3主片である主片5211と、2つの側片5212、5214と、を有する。側片5212、5214は、主片5211のY軸方向における両端縁それぞれから−Z方向へ延出す
る。また、側片5214には、−Y方向側へ突出し後述するコイルばね5025を固定するための突出片5216が設けられている。また、側片5214の+X方向側の先端部5217は、突出片5216よりも+X方向側へ突出している。側片5212には、平面視弧状の切欠部5212aが設けられている。
【0056】
第5部位5021bは、第4部位5021aの側片5212、5214の−X方向側の端縁それぞれから−X方向へ延出し軸受5022を支持する支持片5213、5215を有する。支持片5213、5215には、それぞれ、平面視円形であり支持片5213、5215を厚さ方向に貫通する貫通孔(図示せず)が設けられている。そして、シャフト5024が、支持片5213、5215それぞれの貫通孔に挿通された状態で支持片5213、5215に固定され、軸受5022の内輪を支持している。ここで、軸受5022の外輪は、シャフト5024の中心軸J512周りに回転自在となっている。
【0057】
係止ピン5017は、円柱状であり、アーム本体5011の側片5112c、5114cに形成された貫通孔5114gに挿通された状態で、アーム本体5011に設けられている。この係止ピン5017は、アーム本体5021を係止する第1位置と、アーム本体5021から離脱した第2位置と、のいずれかをとりうる。係止ピン5017における側片5112c、5114cの間における側片5112c側の部分には、コイルばね5018が配設されている。そして、コイルばね5018の−Y方向側の端部は、係止ピン5017に固定された円環状のクリップ5019に当接している。このコイルばね5018は、係止ピン5017を前述の第1位置から前述の第2位置へ向かう方向へ付勢する第1付勢部材である。そして、係止ピン5017が前述の第1位置に配置された状態で、側片5212の切欠部5212aの内側の一部に係止ピン5017が当接する。
【0058】
コイルばね5025は、シャフトガイド5023の+Y方向側の端部に嵌入されている。コイルばね5025の延伸方向における一端部5025aは、第4部位5021aの突出片5216の−Z方向側に当接している。このコイルばね5025は、係止ピン5017が前述の第1位置に配置された状態で側片5212の切欠部5212aにおける係止ピン5017と当接する部分が係止ピン5017から離れるようにアーム本体5021がアーム本体5021の揺動軸J53周りに回転する方向へ付勢する第2付勢部材である。
【0059】
以上説明したように、本実施の形態に係るロッカアーム5001は、2つの側片5112d、5114dそれぞれの先端部の揺動軸J52方向における中央部を通り且つ揺動軸J52に直交する第2仮想平面VP52が、支持板5016の長手方向における2つのスクリュー5013の中央部を通り且つ揺動軸J52に直交する第3仮想平面VP53よりも−Y方向側に位置している。これにより、支持板5016の−Y方向側の剛性を支持板5016の+Y方向側の剛性に比べて高めることができる。従って、係止ピン5017が前述の第1位置に配置された状態、即ち、アーム本体5011、5021が連結された状態で、軸受5022にカムが当接することによってスクリュー5013を駆動させる場合において、支持板5016の−Y方向側の剛性と支持板5016の+Y方向側の剛性との違いにより生じる変位量の差を少なくすることができるので、アーム本体5011の捩れによる2つのスクリュー5013の傾きに起因したロッカアーム5001の動作不良の発生が抑制される。
【0060】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は前述の実施の形態の構成に限定されるものではない。例えば、
図17(A)および(B)に示すロッカアーム6001のように、シャフト(図示せず)により揺動自在に支持される第1部位6011aと、第1部位6011aに対して+X方向側に位置する第2部位6011bおよび第3部位6011cと、を有するアーム本体6011を備えるものであってもよい。
【0061】
本変形例に係るロッカアーム6001は、アーム本体6011の他に、軸受6012とスクリュー13と、を備える。また、ロッカアーム6001は、アーム本体6011に固定され軸受6012の内輪を支持するシャフト6014を備える。ここで、ロッカアーム6001は、アーム本体6011の第1部位6011aに設けられた貫通孔6114a、6112aに挿通されたシャフトの中心軸と一致する揺動軸J62周りに揺動する。
【0062】
第3部位6011cは、先端部の揺動軸J62方向における中央部が−Y方向側にずれた位置に配置されている。これにより、第3部位6011cに固定されたスクリュー13の中心軸が、仮想平面VP61から距離W61だけ離間した位置に配置される。 第1部位6011aは、主片6111aと、側片6112c、6114cと、を有する。側片6112c、6114cは、主片6111aのY軸方向における両端縁それぞれから−Z方向へ延出する。側片6112c、6114cそれぞれには、貫通孔6112a、6114aと、貫通孔6112a、6114aを囲繞し貫通孔6112a、6114aの外周部から互いに対向する面側で突出する環状のリブ6112b、6114bと、が設けられている。
【0063】
第2部位6011bは、側片6112c、6114cの+X方向側の端縁それぞれから+X方向へ延出し軸受6012を支持する支持片6113、6115を有する。支持片6113には、平面視円形であり支持片6113を厚さ方向に貫通する貫通孔6113aが設けられている。また、支持片6115にも、平面視円形であり支持片6115を厚さ方向に貫通する貫通孔6115aが設けられている。そして、シャフト6014が、支持片6113、6115の貫通孔6113a、6115aに挿通された状態で支持片6113、6115に固定され、軸受6012の内輪を支持している。ここで、軸受6012の外輪は、シャフト6014の中心軸J61周りに回転自在となっている。
【0064】
第3部位6011cは、主片6111bと側片6112d、6114dと、を有する。側片6112d、6114dは、主片6111bのY軸方向における両端縁それぞれから−Z方向へ延出する。また、主片6111bの先端部には、主片6111bを厚さ方向に貫通する貫通孔6111dが設けられている。また、主片6111bの先端部における−Z方向側には、貫通孔6111dを囲繞し貫通孔6111dの外周部から主片6111bの厚さ方向に沿って−Z方向側へ突出する環状のリブ6111cが設けられている。そして、側片6114dの厚さは、仮想平面VP61から遠い側片6112dの先端部6112eの厚さに比べて薄い。また、側片6114dの主片6111bの厚さ方向の長さは、側片6112dの先端部6112eの主片6111bの厚さ方向の長さに比べて長い。
【0065】
本構成によっても、2つの側片6112d、6114dそれぞれの剛性の違いにより生じる変位量の差を少なくすることができるので、アーム本体6011の捩れによるスクリュー13の傾きに起因したロッカアーム6001の動作不良の発生が抑制される。
【0066】
各実施の形態では、軸受12、2012、3012、4012、4022、5012、5022、6012を備える構成について説明したが、これに限らず、例えば軸受12、2012、3012、4012、4022、5012、5022、6012の代わりに、スリッパ部を設けたものであってもよい。
【0067】
実施の形態4、5では、コイルばね4025、5025がシャフトガイド4023、5023に嵌入されている例について説明したが、コイルばね4025、5025の位置はこれに限定されない。また、実施の形態4、5では、第2付勢部材がコイルばね4025、5025である例について説明したが、第2付勢部材は、コイルばねに限定されるものではなく、例えば板ばねであってもよい。
【0068】
以上、本発明の実施の形態および変形例(なお書きに記載したものを含む。以下、同様。)について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明は、実施の形態および変形例が適宜組み合わされたもの、それに適宜変更が加えられたものを含む。
【符号の説明】
【0070】
1,2001,3001,4001,5001,6001:ロッカアーム、11,2011,3011,4011,4021,5011,5021,6011:アーム本体、11a、2011a,3011a,4011a,5011a,6011a:第1部位、11b,2011b,3011b,4011b,5011b,6011b:第2部位、11c,2011c,3011c,4011c,5011c,6011c:第3部位、12,2012,3012,4012,4022,5012,5022,6012:軸受、13,2013,3013,4013,5013:スクリュー、14,200,2014,3014,4014,4024,5014,5024,6014:シャフト、100:バルブ、111a,111b,2111a,2111b,3111,4016,4211,5111,5211,6111a,6111b:主片、111c,112b,114b,2111c,4016a,6111c,6112b,6114b:リブ、112c,112d,114c,114d,2112c,2112d,2114c,2114d,3112c,3112d,3114c,3114d,4112c,4112d,4114c,4114d,4212,4214,5112c,5112d,5114c,5114d,5212,5214,6112c,6112d,6114c,6114d:側片、111d,112a,113a,114a,115a,2111e,2112a,2113a,2114a,2115a,3015a,3016a,3112a,3114a,3115a,4016b,4114a,4114g,4115a,5015a,5016a,5023a,5114a,5114g,5115a,6111d,6112a,6113a,6114a,6115a:貫通孔、112e,2112e,4112e,4217,5217,6112e:先端部、113,115,2113,2115,3113,3115,4113,4115,4213,4215,5113,5115,5213,5215,6113,6115:支持片、2015,3015,4015,4023,5015,5023:シャフトガイド、3016,5016:支持板、4017,5017:係止ピン、4018,4025,5018,5025:コイルばね、4019,5019:クリップ、4021a,5021a:第4部位、4021b,5021b:第5部位、4025a,5025a:端部、4212a,5212a:切欠部、4216,5216:突出片、C1:カム、J11,J21,J31, J61,J411,J412,J511,J512:中心軸、J12,J22,J32,J42,J43,J52,J53,J62:揺動軸、VP11,VP21,VP41,VP61:仮想平面、VP31,VP51:第1仮想平面、VP32,VP52:第2仮想平面、VP33,VP53:第3仮想平面
【解決手段】ロッカアーム1は、第1部位11aと、第2部位11bと、先端部が仮想平面VP11の一面側にずれた位置に配置された第3部位11cと、を有するアーム本体11と、軸受12と、バルブに当接するスクリュー13と、を備える。第3部位11cは、第1部位11aの主片111aの端縁から延出する主片111bと、主片111bの短手方向における両端縁それぞれから主片111bの厚さ方向に沿った一方向へ延出する2つの側片112d、114dと、を有する。側片114dの厚さは、側片112dの先端部112eの厚さに比べて厚く、側片114dの主片111bの厚さ方向の長さは、側片112dの先端部112eの主片111bの厚さ方向の長さに比べて長い。