【文献】
SHARMA, S. K. et al.,Synthesis and determination of polymerization rate constants of glucose-based monomers,Designed Monomers and Polymers,2011年,Vol.14,pp.499-513
【文献】
鈴木敏幸 ほか,合成セラミドを主成分とする生体脂質類似皮膚化粧料の開発,日本化学会誌,1993年,No.10,pp.1107-1117
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記化学式4の化合物は、ミリストイルクロリド、パルミトイルクロリド、またはステアロイルクロリドであることを特徴とする請求項4に記載の疑似セラミド化合物の製造方法。
前記化学式6の化合物は、ブロモテトラデカン、ブロモヘキサデカン、またはブロモオクタデカンであることを特徴とする請求項4に記載の疑似セラミド化合物の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明が属する技術分野において、通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。しかし、本発明は幾つかの異なる形態で具現されてもよく、ここで説明する実施例に限定されない。
【0019】
本発明は、下記化学式1で表される新規な疑似セラミド化合物を提供する。
【0021】
(前記化学式1において、
R
1及びR
2は、互いに同じでも異なってもよく、それぞれ独立にC9ないしC23の飽和または不飽和脂肪族鎖である)
【0022】
本明細書で言及するC9ないしC23の飽和脂肪族鎖は、炭素−炭素間結合が単一結合のみからなるものであって、例えば、ノナニル基(C9:0、nonanyl)、デカニル基(C10:0、decanyl)、ウンデカニル基(C11:0、undecanyl)、ドデカニル基(C12:0、dodecanyl)、トリデカニル基(C13:0、tridecanyl)、テトラデカニル基(C14:0、tetradecanyl)、ペンタデカニル基(C15:0、pentadecanyl)、ヘキサデカニル基(C16:0、hexadecanyl)、ヘプタデカニル基(C17:0、heptadecanyl)、オクタデカニル基(C18:0、octadecanyl)、ノナデカニル基(C19:0、nonadecanyl)、イコサニル基(C20:0、icosanyl)、ヘンイコサニル基(C21:0、henicosanyl)、ドコサニル基(C22:0、docosanyl)、またはトリコサニル基(C23:0、tricosanyl)であってもよいが、これに限定されることではない。
【0023】
また、本明細書で言うC9ないしC23の不飽和脂肪族鎖は、炭素−炭素二重結合または三重結合を1以上含むものであって、例えば、ノネニル基(C9:1、nonenyl)、デセニル基(C10:1、decenyl)、ウンデセニル基(C11:1、undecenyl)、ドデセニル基(C12:1、dodecenyl)、トリデセニル基(C13:1、tridecenyl)、テトラデセニル基(C14:1、tetradecenyl)、ペンタデセニル基(C15:1、pentadecenyl)、ヘキサデセニル基(C16:1、hexadecenyl)、ヘプタデセニル基(C17:1、heptadecenyl)、オクタデセニル基(C18:1、octadecenyl)、ノナデセニル基(C19:1、nonadecenyl)、イコセニル基(C20:1、icosenyl)、ヘンイコセニル基(C21:1、henicosenyl)、ドコセニル基(C22:1、docosenyl)、またはトリコセニル基(C23:1、tricosenyl)であってもよいが、これに限定されることではない。
【0024】
好ましくは、前記R
1及びR
2は、互いに同じでも異なってもよく、それぞれ独立にC13ないしC18の飽和または不飽和脂肪族鎖であってもよい。
【0025】
より好ましくは、前記R
1及びR
2は、互いに同じでも異なってもよく、それぞれ独立にトリデカニル基、テトラデカニル基、ペンタデカニル基、ヘキサデカニル基、ヘプタデカニル基、またはオクタデカニル基であってもよい。
【0026】
より好ましくは、前記R
1は、トリデカニル基、ペンタデカニル基、またはヘプタデカニル基であってもよく、R
2は、テトラデカニル基、ヘキサデカニル基、またはオクタデカニル基であってもよい。
【0027】
前記化学式1で表される化合物の具体例としては、ヘキサデカン酸(2−ヘキサデシルオキシ−1,1−ビス−ヒドロキシメチル−エチル)−アミド(化学式8)、ヘキサデカン酸(1,1−ビス−ヒドロキシメチル−2−テトラデシルオキシ−エチル)−アミド(化学式9)、ヘキサデカン酸(1,1−ビス−ヒドロキシメチル−2−オクタデシルオキシ−エチル)−アミド(化学式10)、オクタデカン酸(2−ヘキサデシルオキシ−1,1−ビス−ヒドロキシメチル−エチル)−アミド(化学式11)、オクタデカン酸(1,1−ビス−ヒドロキシメチル−2−テトラデシルオキシ−エチル)−アミド(化学式12)、オクタデカン酸(1,1−ビス−ヒドロキシメチル−2−オクタデシルオキシ−エチル)−アミド(化学式13)、テトラデカン酸(2−ヘキサデシルオキシ−1,1−ビス−ヒドロキシメチル−エチル)−アミド(化学式14)、またはテトラデカン酸(1,1−ビス−ヒドロキシメチル−2−オクタデシルオキシ−エチル)−アミド(化学式15)が挙げられる。
【0036】
上述したような化学式1の疑似セラミド化合物は、天然セラミドと構造・機能的に類似し、皮膚障壁保護のための皮膚外用剤または化粧料組成物の原料成分として活用されうる。
【0037】
本発明による疑似セラミド化合物は、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−プロパン−1,3−ジオール(2−Amino−2−hydroxymethyl−propane−1,3−diol)を出発物質にして合成されてもよい。
【0038】
具体的に、本発明は下記反応式1で表され、
S1)化学式2の化合物に保護基を導入し、化学式3の化合物を製造する段階;
S2)化学式3の化合物を化学式4の化合物と反応させ、化学式5の化合物を製造する段階;
S3)化学式5の化合物を塩基触媒下で化学式6の化合物と反応させ、化学式7の化合物を製造する段階;及び
S4)化学式7の化合物の保護基を外して化学式1の化合物を製造する段階を含むことを特徴とする、疑似セラミド化合物の製造方法を提供する:
【0040】
(前記反応式1において、
Xは、アルキリデン、エチリデン、イソプロピリデン、シクロヘキシリデン、ベンジリデンまたはp−メトキシベンジリデンであり、
R
1及びR
2は、互いに同じでも異なってもよく、それぞれ独立的にC9ないしC23の飽和または不飽和脂肪族鎖であり、
L
1は、Cl、Br、I、C1ないしC4のアシルオキシまたはC1ないしC4のアルコキシ基であり、
L
2は、Cl、Br、またはIである)
【0041】
ここで、前記C1ないしC4のアシルオキシは、ギ酸塩、アセテート、プロピノエート、またはブタノエートであってもよく、C1ないしC4のアルコキシ基は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシまたはブトキシであってもよい。好ましくは、前記L
1はClである。
【0043】
S1)化学式3の化合物の製造段階
S1段階では、
トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(tris(hydroxymethyl)aminomethane、2−Amino−2−hydroxymethyl−propane−1,3−diol(化学式2)に保護基を導入し、1,3−ジオールが保護された化学式3の化合物を製造する。
【0044】
前記保護基は、ヒドロキシ基の保護基として使われるものであれば、制限なしに使われうるが、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンの3つのヒドロキシ基の中で、二つのヒドロキシ基が同時に保護されうるように、ジオールの保護基として使われる保護基を使用することが好ましい。具体的に、メチリデンアセタール、エチリデンアセタール、イソプロピリデンケタール、シクロヘキシリデンケタール、ベンジリデンケタール、またはp−メトキシベンジリデンアセタールの保護基が使われうる。
【0045】
本段階で使われる溶媒は、有機溶媒が好ましく、例えば、クロロホルム、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジクロロメタン、ジイソプロピルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、クロロベンゼン、トルエン、ベンゼン、アセトン及びこれらの混合溶媒からなる群から選択された1種を使うことができる。
【0046】
本段階では、必要に応じて公知の酸または塩基触媒を使うことができる。また、反応条件、温度、圧力、時間などは、本発明で特に限定せず、公知された条件に従う。
【0047】
本発明の好ましい一実施例によれば、前記保護基は、イソプロピリデンケタール保護基である。前記イソプロピリデンケタール保護基の導入方法は、本発明で特に制限せず、当業界に公知された方法が使われてもよい。例えば、下記反応式2のように、弱酸性条件でトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを2,2−ジメトキシプロパンと反応させてイソプロピリデンケタール保護基を導入することができる。
【0049】
前記反応式2の反応には上述の有機溶媒を使ってもよく、酸触媒を使ってもよい。好ましくは、溶媒としてDMF、酸触媒としてp−トルエンスルホン酸(TsOH)を使ってもよい。
【0050】
S2)化学式5の化合物の製造段階
S2段階では、前記S1段階の保護基導入を通じて製造された化学式3の化合物を、化学式4の化合物と反応させて、アミド基を持つ化学式5の化合物を製造する。
【0051】
前記化学式4の化合物は、離脱基(L
1)を持つアシル化合物であって、ハロゲン化アシル(Acyl halide)、酸無水物(Acid anhydride)、またはエステル(Ester)であってもよい。化学式4の化合物は、前記反応式1の定義を満たすものであれば、いずれも使用可能であり、例えば、塩化パルミトイル(CH
3(CH
2)
14COCl)、ミリスチン酸(ミリストイル)クロリド(CH
3(CH
2)
12COCl)、ステアロイルクロリド(CH
3(CH
2)
16COCl)などを使うことができる。
【0052】
本段階で使われる溶媒は、S1段階のところで前述した有機溶媒が好ましく、必要に応じて、トリエチルアミン、N,N'−ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリンといった塩基性触媒を使うことができる。この際、反応条件、温度、圧力、時間などは特に限定されず、公知された条件に従う。
【0053】
本発明の好ましい一実施例によれば、溶媒としてジクロロメタンを、塩基触媒としてトリエチルアミンを使ってもよく、0℃で化学式3の化合物に塩基触媒を加え、これに化学式4の化合物をゆっくり滴加した後、常温で2〜4時間撹拌することで化学式5の化合物を製造することができる。
【0054】
S3)化学式7の化合物の製造段階
S3段階では、化学式5の化合物のヒドロキシ基に脂肪族鎖を導入して、セラミド擬似構造を有する化学式7の化合物を製造する。
【0055】
本段階の反応物質である化学式6の化合物はC9ないしC23のハロゲン化アルキル(Alkyl halide)であって、前記反応式1の定義を満たす物質であれば、いずれも使われうる。具体的に、前記化学式6の化合物としては、ブロモテトラデカン、ブロモヘキサデカン、またはブロモオクタデカンなどが使われうる。
【0056】
本段階は、求核性置換反応に使われる溶媒及び塩基触媒が使われうる。具体的に、溶媒としては、t−ブタノール、THFまたは1,4−ジオキサンが使われうるのであり、塩基触媒としては、t−ブトキシド、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムまたは水素化ナトリウムが使われうる。
【0057】
この時、反応条件、温度、圧力、時間などは、本発明で特に限定せず、用いられる反応物質によって適宜に調節されうる。
【0058】
具体的に、本発明の一実施例では、溶媒としてt−ブタノールを、塩基触媒としては、カリウムt−ブトキシドを使用し、常温で10〜14時間反応させて化学式7の化合物を製造した。
【0059】
S4)化学式1の化合物の製造段階
S4段階は、S1段階で導入したジオール保護基の除去の段階として、反応条件、温度、圧力、時間などは特に限定されず、使用した保護基によって多様である。具体的に、保護基の除去は、酸性水溶液の処理、または、金属触媒の存在下における水素気体の添加などによってなされてもよい。
【0060】
本発明の好ましい一実施例によれば、アセトニド保護基を除去するために酸性水溶液が用いられる。この時、使用する酸は、塩酸、硝酸、硫酸、または酢酸であってもよく、好ましくは、塩酸を使用する。
【0061】
このような保護基の除去反応の条件は、本発明で特に限定されず、−30ないし60℃、好ましくは、−30ないし40℃の範囲で0.5ないし72時間、好ましくは、1ないし12時間遂行する。
【0062】
溶媒としては、酸を溶解させられる極性溶媒が可能であり、水、C1−C4の低級アルコール、テトラヒドロフラン及びこれらの混合溶媒からなる群から選択された1種が可能であり、好ましくは、テトラヒドロフランを使う。
【0063】
前述の方法を通じて製造された化学式1の化合物は、多様な分野に応用可能であり、既に天然セラミド、合成セラミドまたは擬似セラミドが応用されている化粧品、医薬製剤、外用剤、食品の分野などで多様に適用されうる。
【0064】
<発明の実施の形態>
以下、本発明を下記の実施例によってさらに詳しく説明する。ただし、下記の実施例は、本発明を例示するためのものに過ぎず、本発明の内容が下記実施例によって限定されることではない。
【0065】
[実施例]
実施例1:ヘキサデカン酸(2−ヘキサデシルオキシ−1,1−ビス−ヒドロキシメチル−エチル)−アミド(Hexadecanoic acid(2−hexadecyloxy−1,1−bis−hydroxymethyl−ethyl)−amide)の製造
【0066】
(1)ヘキサデカン酸(5−ヒドロキシメチル−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−5−イル)−アミド(Hexadecanoic acid(5−hydroxymethyl−2,2−dimethyl−[1,3]dioxan−5−yl)−amide、化学式16)の製造
【0068】
2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−プロパン−1,3−ジオールヒドロクロリド(2−Amino−2−hydroxymethyl−propane−1,3−diol hydrochloride)を出発物質として、文献(Helv.Chim.Acta 2003、86、2458〜2470)により知られた方法によって合成された、(5−アミノ−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−5−イル)−メタノール((5−amino−2,2−dimethyl−[1,3]dioxan−5−yl)−methanol、1.61g)をジクロロメタン(50mL)に溶かして、トリエチルアミン(1.7mL)を加えた後、0℃で撹拌しながら塩化パルミトイル(2.75g)をジクロロメタン(10mL)に溶かして徐々に滴加した。反応溶液は、3時間常温で撹拌した後、希塩酸溶液と飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄した。有機溶液層を、無水硫酸マグネシウムで乾燥及び濾過して減圧濃縮した後、ジクロロメタンとヘキサンを利用して再結晶し、白色の固体2.5gを得た。
【0069】
1H NMR(300MHz、CDCl
3)δ6.28(brs、1H)、5.18(m、1H)、3.83(s、4H)、3.65(d、2H、J=6.3Hz)、2.28(t、2H、J=7.2Hz)、1.65〜1.25(m、32H)、0.88(t、3H、J=6.9Hz)。
【0070】
(2)ヘキサデカン酸(2−ヘキサデシルオキシ−1,1−ビス−ヒドロキシメチル−エチル)−アミド(Hexadecanoic acid(2−hexadecyloxy−1,1−bis−hydroxymethyl−ethyl)−amide、化学式8)の製造
【0072】
前記(1)で製造したヘキサデカン酸(5−ヒドロキシメチル−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−5−イル)−アミド(2.0g)を、t−ブタノール(50mL)に溶かして KOtBu(=potassium t−butoxide;カリウムt-ブトキシド)(0.67g)をゆっくり加えた後、常温で10分間撹拌した。この溶液にブロモヘキサデカン(1.53g)を加え、さらに12時間撹拌した。反応溶液を希塩酸で中和して反応を中止し、ジクロロメタンで抽出して、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮した。この反応混合物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶かし、1Mの塩酸水溶液(4mL)を加えて12時間常温で撹拌した。反応溶液をジクロロメタンで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄した後、有機溶液層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後に、減圧濃縮した。カラムクロマトグラフィーを利用して生成物を分離し、白い固相の目的化合物0.88gを得た。
【0073】
1H NMR(300MHz、CDCl
3)δ6.50(brs、1H)、4.34(m、2H)、3.71〜3.45(m、8H)、2.55(t、2H、J=7.5Hz)、1.80〜1.20(m、54H)、0.88(m、6H)。
【0074】
実施例2:ヘキサデカン酸(1,1−ビス−ヒドロキシメチル−2−テトラデシルオキシ−エチル)−アミド(Hexadecanoic acid(1,1−bis−hydroxymethyl−2−tetradecyloxy−ethyl)−amide、化学式9)の製造
【0076】
ブロモヘキサデカン(1.53g)の代わりにブロモテトラデカン(1.39g)を使ったことを除いて、実施例1の(2)と実質的に同一の方法を利用して目的化合物0.82gを得た。
【0077】
1H NMR(300MHz、CDCl
3)δ6.49(brs、1H)、4.32(m、2H)、3.71〜3.43(m、8H)、2.42(m、2H)、1.80〜1.05(m、50H)、0.87(m、6H)。
【0078】
実施例3:ヘキサデカン酸(1,1−ビス−ヒドロキシメチル−2−オクタデシルオキシ−エチル)−アミド(Hexadecanoic acid(1,1−bis−hydroxymethyl−2−octadecyloxy−ethyl)−amide)の製造
【0080】
ブロモヘキサデカン(1.53g)の代わりにブロモオクタデカン(1.67g)を使ったことを除いて、実施例1の(2)と実質的に同一の方法を利用して目的化合物0.71gを得た。
【0081】
1H NMR(300MHz、CDCl
3)δ6.50(brs、1H)、4.33(m、2H)、3.71〜3.44(m、8H)、2.24(t、2H、J=7.5Hz)、1.80〜1.20(m、58H)、0.88(m、6H)。
【0082】
実施例4:オクタデカン酸(2−ヘキサデシルオキシ−1,1−ビス−ヒドロキシメチル−エチル)−アミド(Octadecanoic acid(2−hexadecyloxy−1,1−bis−hydroxymethyl−ethyl)−amide)の製造
【0083】
(1)オクタデカン酸(5−ヒドロキシメチル−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−5−イル)−アミド(Octadecanoic acid(5−hydroxymethyl−2,2−dimethyl−[1,3]dioxan−5−yl)−amide、化学式17)の製造
【0085】
出発物質として(5−アミノ−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−5−イル)−メタノールを12.8g使用し、塩化パルミトイル(2.75g)の代わりにステアロイルクロリド(24.5g)を使ったことを除いて、実施例1の(1)と実質的に同一の方法を利用して白い固相の目的物23gを得た。
【0086】
1H NMR(300MHz、CDCl
3)δ6.28(brs、1H)、5.17(m、1H)、3.83(s、4H)、3.64(d、2H、J=6.0Hz)、2.28(t、2H、J=7.5Hz)、1.65〜1.25(m、36H)、0.87(t、3H、J=6.6Hz)。
【0087】
(2)オクタデカン酸(2−ヘキサデシルオキシ−1,1−ビス−ヒドロキシメチル−エチル)−アミド(Octadecanoic acid(2−hexadecyloxy−1,1−bis−hydroxymethyl−ethyl)−amide、化学式11)の製造
【0089】
ヘキサデカン酸(5−ヒドロキシメチル−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−5−イル)−アミドの代わりに前記(1)で製造したオクタデカン酸(5−ヒドロキシメチル−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−5−イル)−アミド(5.0g)を、t−ブタノールの代わりにテトラヒドロフラン(100mL)を用い、また、KOtBu(1.73g)と、ブロモヘキサデカン(3.6g)とを使ったことを除いて、実施例1の(2)と実質的に同一の方法を利用して目的化合物1.8gを得た。
【0090】
1H NMR(500MHz、CDCl
3)δ6.48(brs、1H)、3.68〜3.43(m、8H)、2.31(m、2H)、2.22(m、2H)、1.70〜1.20(m、58H)、0.85(m、6H)。
【0091】
実施例5:オクタデカン酸(1,1−ビス−ヒドロキシメチル−2−テトラデシルオキシ−エチル)−アミド(Octadecanoic acid(1,1−bis−hydroxymethyl−2−tetradecyloxy−ethyl)−amide、化学式12)の製造
【0093】
ブロモヘキサデカン(3.6g)の代わりにブロモテトラデカン(3.27g)を使ったことを除いて、実施例4の(2)と実質的に同一の方法を利用して目的化合物1.2gを得た。
【0094】
1H NMR(500MHz、CDCl
3)δ6.47(brs、1H)、4.32(m、2H)、3.68〜3.31(m、8H)、2.22(m、2H)、1.61〜1.10(m、54H)、0.84(m、6H)。
【0095】
実施例6:オクタデカン酸(1,1−ビス−ヒドロキシメチル−2−オクタデシルオキシ−エチル)−アミド(Octadecanoic acid(1,1−bis−hydroxymethyl−2−octadecyloxy−ethyl)−amide、化学式13)の製造
【0097】
ブロモヘキサデカン(3.6g)の代わりにブロモオクタデカン(3.14g)を使って、オクタデカン酸(5−ヒドロキシメチル−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−5−イル)−アミド(4.0g)と、KOtBu(1.38g)とを使ったことを除いて、実施例4の(2)と実質的に同一の方法を利用して目的化合物1.1gを収得した。
【0098】
1H NMR(500MHz、CDCl
3)δ6.50(brs、1H)、3.70〜3.40(m、8H)、2.26(m、2H)、1.90〜1.15(m、64H)、0.88(m、6H)。
【0099】
実施例7:テトラデカン酸(2−ヘキサデシルオキシ−1,1−ビス−ヒドロキシメチル−エチル)−アミド(Tetradecanoic acid(2−hexadecyloxy−1,1−bis−hydroxymethyl−ethyl)−amide)の製造
【0100】
(1)テトラデカン酸(5−ヒドロキシメチル−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−5−イル)−アミド(Tetradecanoic acid(5−hydroxymethyl−2,2−dimethyl−[1,3]dioxan−5−yl)−amide、化学式18)の製造
【0102】
出発物質として(5−アミノ−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−5−イル)−メタノールを12.8g使い、また、塩化パルミトイル(2.75g)の代わりにミリスチン酸(ミリストイル)クロリド(19.5g)使ったことを除いて、実施例1の(1)と実質的に同一の方法を利用して白い固相の目的物15gを収得した。
【0103】
1H NMR(300MHz、CDCl
3)δ6.31(brs、1H)、5.20(m、1H)、3.85(s、4H)、3.67(s、2H)、2.31(t、2H、J=7.2Hz)、1.68〜1.28(m、28H)、0.90(t、3H、J=6.6Hz)。
【0104】
(2)テトラデカン酸(2−ヘキサデシルオキシ−1,1−ビス−ヒドロキシメチル−エチル)−アミド(Tetradecanoic acid(2−hexadecyloxy−1,1−bis−hydroxymethyl−ethyl)−amide、化学式14)の製造
【0106】
ヘキサデカン酸(5−ヒドロキシメチル−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−5−イル)−アミドの代わりに前記(1)で製造したテトラデカン酸(5−ヒドロキシメチル−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−5−イル)−アミド(3.71g)を、t−ブタノールの代わりにテトラヒドロフラン(100mL)を用い、また、KOtBu(1.47g)と、ブロモヘキサデカン(2.74g)とを使ったことを除いて、実施例1の(2)と実質的に同一の方法を利用して目的化合物1.2gを得た。
【0107】
1H NMR(500MHz、CDCl
3)δ6.47(brs、1H)、4.22(m、2H)、3.68〜3.32(m、8H)、2.24(m、2H)、1.80〜1.10(m、50H)、0.86(m、6H)。
【0108】
実施例8:テトラデカン酸(1,1−ビス−ヒドロキシメチル−2−オクタデシルオキシ−エチル)−アミド(Tetradecanoic acid(1,1−bis−hydroxymethyl−2−octadecyloxy−ethyl)−amide、化学式15)の製造
【0110】
ブロモヘキサデカンの代わりにブロモオクタデカン(3.3g)を使ったことを除いて、実施例7の(2)と実質的に同一の方法を利用して目的化合物1.05gを収得した。
【0111】
1H NMR(500MHz、CDCl
3)δ6.47(brs、1H)、4.31(m、2H)、3.68〜3.43(m、8H)、2.22(t、2H、J=7.0Hz)、1.65〜1.10(m、54H)、0.85(m、6H)。