(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6872038
(24)【登録日】2021年4月20日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】液体用容器
(51)【国際特許分類】
B65D 77/06 20060101AFI20210510BHJP
【FI】
B65D77/06 H
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-561158(P2019-561158)
(86)(22)【出願日】2018年8月6日
(65)【公表番号】特表2020-518526(P2020-518526A)
(43)【公表日】2020年6月25日
(86)【国際出願番号】CN2018098935
(87)【国際公開番号】WO2019037589
(87)【国際公開日】20190228
【審査請求日】2019年11月6日
(31)【優先権主張番号】201710735013.7
(32)【優先日】2017年8月24日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520152607
【氏名又は名称】塔羅斯科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】邱迪林
【審査官】
矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】
中国特許出願公開第106364788(CN,A)
【文献】
中国特許出願公開第106628606(CN,A)
【文献】
米国特許出願公開第2002/0148857(US,A1)
【文献】
英国特許出願公開第02527322(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 67/00−79/02
B65D 81/18−81/30
B65D 81/38
B65D 85/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボトル状ケース(1)と、ケース(1)内に設けられて、液体の収容に用いる軟性内袋(2)と、内袋(2)内の液体の出入を制御する排液弁(3)を含み、前記内袋(2)は排液弁(3)に固定連結され、かつ内袋(2)の袋口と排液弁(3)は密閉形成され、前記ケース(1)と排液弁(3)は密閉形成され、かつケース(1)の排液弁(3)に連結される一端には、ケース(1)内へのガスの出入りを制御する通気構造(4)が更に連結されている液体用容器であって、前記内袋(2)とケース(1)の間には仕切り袋(5)が更に設けられ、前記仕切り袋(5)は軟性袋であり、前記仕切り袋(5)の外表面は仕切り袋(5)の表面に突出する複数の凸部(51)を有し、各前記凸部(51)はそれぞれ仕切り袋(5)の袋口で仕切り袋(5)の袋口から離れる方向に延伸し、互いに隣接する2つの凸部(51)の間には、ガスを通させる第1補助エア通路(52)が形成され、前記第1補助エア通路(52)はずっと通気構造(4)に連通され、
前記仕切り袋(5)の底部両側には前記仕切り袋(5)の袋口に延伸する開口(53)が設けられることを特徴とする液体用容器。
【請求項2】
前記通気構造(4)は、その一端が外部ガスに連通し、他端がケース(1)のチャンバに連通される、ことを特徴とする請求項1に記載の液体用容器。
【請求項3】
各前記凸部(51)はそれぞれ直線に沿って配列される複数の突起(511)を含み、互いに隣接する2つの突起(511)の間には第2補助エア通路(512)が形成され、前記第2補助エア通路(512)は隣接する第1補助エア通路(52)に連通し、かつ第1補助エア通路(52)及び第2補助エア通路(512)は交叉して設けられている、ことを特徴とする請求項2に記載の液体用容器。
【請求項4】
前記突起(511)は菱形、または三角形、または円形であり、かつ全ての突起(511)は均一に配列される、ことを特徴とする請求項3に記載の液体用容器。
【請求項5】
前記凸部(51)は長尺状の突条(513)を含み、少なくとも1つの前記突条(513)は仕切り袋(5)の袋口から仕切り袋(5)の底部に延伸される、ことを特徴とする請求項2に記載の液体用容器。
【請求項6】
前記突条(513)の外表面は円弧状を成し、かつ該円弧の半径はケース(1)の半径より小さく、前記突条(513)と仕切り袋(5)の外表面の間は円滑に過渡する、ことを特徴とする請求項5に記載の液体用容器。
【請求項7】
前記突条(513)は襞状を成し、かつ仕切り袋(5)の内表面に密着して形成される、ことを特徴とする請求項5に記載の液体用容器。
【請求項8】
前記仕切り袋(5)及び内袋(2)は、制限を受けない状態での容積が、それぞれケース(1)の容積より大きい、ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の液体用容器。
【請求項9】
ボトル状ケース(1)と、ケース(1)内に設けられて、液体の収容に用いる軟性内袋(2)と、内袋(2)内の液体の出入を制御する排液弁(3)を含み、前記内袋(2)は排液弁(3)に固定連結され、かつ内袋(2)の袋口と排液弁(3)は密閉形成され、前記ケース(1)と排液弁(3)は密閉形成され、かつケース(1)の排液弁(3)に連結される一端には、ケース(1)内へのガスの出入りを制御する通気構造(4)が更に連結されている液体用容器であって、前記内袋(2)とケース(1)の間には仕切り袋(5)が更に設けられ、前記仕切り袋(5)は軟性袋であり、前記仕切り袋(5)の内表面は仕切り袋(5)の表面に突出する複数の凸部(51)を有し、各前記凸部(51)はそれぞれ仕切り袋(5)の袋口で仕切り袋(5)の袋口から離れる方向に延伸し、互いに隣接する2つの凸部(51)の間には、ガスを通させる第1補助エア通路(52)が形成され、前記第1補助エア通路(52)はずっと通気構造(4)に連通され、
前記凸部(51)は仕切り袋(5)の内表面に位置し、前記通気構造(4)は、その一端が外部ガスに連通し、他端がケース(1)のチャンバに連通し、少なくとも1つの前記凸部(51)は仕切り袋(5)の袋口から仕切り袋(5)の底部に延伸し、前記仕切り袋(5)の底部には少なくとも該凸部(51)に延伸する開口(53)が設けられる、ことを特徴とする液体用容器。
【請求項10】
前記仕切り袋(5)の袋口は排液弁(3)に固定連結されて、密閉を形成し、前記通気構造(4)は、排液弁(3)に位置する第1通気通路を含む、ことを特徴とする請求項2または請求項9に記載の液体用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は機械技術分野に属し、容器に関し、特に液体用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
市場では液体用容器の種類が多く、例えば、酒樽は酒を収容する工具であり、通常酒樽の樽口部には樽槍が設けられ、樽槍は分配器と組み合わされて、酒樽内の酒の押し出しを実現する。現在、普段市場で使用されている酒樽は硬質の金属製酒樽である。硬質の金属製酒樽は内部のガスにより生じる高圧に耐えて、膨張し破裂されないように充分な強度を提供する。しかし、このような金属製酒樽はコストが高く、清浄が面倒で、通常の商社は金属製酒樽を清浄する専門装置がないため、酒樽内の酒を全て使用した後、空きの酒樽をメーカに搬送して清浄する必要があって、繰り返し搬送におけるコストが増加する。上述の問題点に鑑みて、従来のいくつかの酒樽メーカは改善を行い、例えば、酒樽の金属ケースをプラスチックケースに代替している。プラスチックケースは軽量で、コストも更に削減できるが、高い強度を有して使用における需要を満たす必要があるため、使い捨て酒樽として適用され、使用後の酒樽をメーカに搬送して清浄する必要がなくなった。
【0003】
例えば、中国の実用新案登録番号201621195468.1では酒樽を開示する。該酒樽は樽体、樽体の樽口部には樽槍ヘッド及び案内カバーが設けられ、案内カバー内には継ぎ手が挿着され、継ぎ手の下端には軟性袋が連結されている。樽槍ヘッド及び樽体の樽口部はネジにより連結または係合され、案内カバーは樽体の樽口部内に挿着して固定され、継ぎ手は案内カバー内で上下移動する。樽槍ヘッド、案内カバー及び継ぎ手の間には吸気通路が形成され、継ぎ手が下へ向かって移動するとき、吸気通路は樽体の内部に連通され、継ぎ手には継ぎ手の案内カバー内で下へ移動する距離を制限する位置制限部材が設けられ、継ぎ手の底部には継ぎ手とネジにより連結する押圧キャップが設けられ、継ぎ手内は酒排出通路を有し、押圧キャップの内部には酒排出通路をオンまたはオフにする弁芯モジュールが設けられている。
【0004】
該酒樽は使用しやすく、軽量であるが、酒袋内に酒を注入する過程で、内袋の破裂を防止する等の角度から考慮するため、全体の酒樽を逆にし、即ち、酒樽の樽口部を下に向かせて、酒を注入する必要があった。内袋内に酒を継続して注入することに従って、酒の重力作用により、酒樽の樽口部位置の内袋は先に広がって酒樽の内壁に接着し、樽槍の通気通路は広がっている内袋を遮断し、内袋と酒樽の間に存在するガスも即時に排出されず、酒を多く注入することで、内袋と酒樽の間に存在するガスも随時に圧縮されて、最終的には全体の酒樽の底部に堆積された位置、即ち、酒を注入する際の最上方位置では、圧縮されたガスの気圧が非常に高くなって内袋を押圧するため、外部から酒を注入することができなくなり、元の酒を貯留できる空間を浪費し、ビール樽の酒を注入する際の空間の利用率が低くなって、注入量が減少される。
【0005】
従来技術において、いくつかの液体用容器は、外部樽と内袋の間に排気を補助するためのシート状または棒状の排気物を増設している。しかし、排気物は所定の硬度を有し、全体の液体用容器を逆にした後、排気構造が元の形状を保って順調に外部樽の中央部または底部に延伸するが、内袋内に液体を注入することで内袋が広がると、硬度を有する排気物も軟性の内袋を突き刺し、または液漏れ等の現象が発生するおそれがあるため、順調に液体を貯留することができない。もし、排気物が非常に柔らかくなると、逆にして液体を注入するとき、重力の作用、または内袋が広がる過程で内袋の摩擦を受けて折りたたみまたは転倒され、排気構造が外部樽の頸部に堆積し、底部のガスが排出されず、元の液体を貯留できる底部空間も浪費する。そのため、従来技術では液体用容器の注入量を向上させることができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、従来技術に存在する問題を解決するために、液体用容器を提供する。本発明が解決しようとする技術的課題は、液体用容器の注入量を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は下記の技術手段により実現される。
液体用容器であって、ボトル状ケースと、ケース内に設けられて、液体の収容に用いる軟性内袋と、内袋内の液体の出入を制御する排液弁を含む。前記内袋は排液弁に固定連結され、かつ内袋の袋口と排液弁は密閉形成される。ケースと排液弁は密閉形成され、かつケースの排液弁に連結される一端には、ケース内へのガスの出入りを制御する通気構造が更に連結されている。その特徴として、内袋とケースの間には仕切り袋が更に設けられ、前記仕切り袋は軟性袋であり、前記仕切り袋は仕切り袋の表面に突出する複数の凸部を有する。各凸部はそれぞれ仕切り袋の袋口で仕切り袋の袋口から離れる方向に延伸する。互いに隣接する2つの凸部の間には、ガスを通させる第1補助エア通路が形成され、第1補助エア通路はずっと通気構造に連通される。
【0008】
本発明の液体用容器はケース、内袋及び仕切り袋を含む。液体用容器を逆にして内袋内に液体を注入するとき、内袋内に連続して液体を注入することにより、液体の重力作用下で、ケースの容器口位置での内袋と仕切り袋が一番最初に広げられてケースの内壁に密着する。液体を多く注入するほど、仕切り袋とケースの間に存在する元のガスは、通気構造に連通される第1補助エア通路を通じて更に液体用容器の外部に排出される。
【0009】
本発明ではケース及び内袋の間に単独に柔性仕切り袋を設置することにより、凸部を容易に加工することができ、かつ内袋自身の構造と支持力に影響を与えず、内袋内に液体を注入する過程で、仕切り袋は内袋により徐々に広げられて、ケースの内表面に密着し、通気構造が液体用容器上で排液弁の同じ一端に設けられているため、仕切り袋により容易に広げられて遮断される。仕切り袋には凸部が設けられ、かつ凸部の間に形成されている第1補助エア通路が通気構造と連通するように保証し、かつ凸部は仕切り袋の袋口で仕切り袋の袋口から離れる方向に延伸して、通気構造と通気構造から離れる空間との連通を保証し、仕切り袋が広げられてケースの内表面に接着しても、更に通気構造を遮断しない。ケース内に位置する一部のガスは依然として第1補助エア通路に沿って通気構造に流れて、液体用容器の外部に排出され、液体が高圧ガスによって押圧されないように保証し、更に内袋内へ液体を注入する。一定レベルで空間の浪費を回避し、液体用容器における注入時の注入量を向上させる。それ以外に、凸部は仕切り袋に設けられ、仕切り袋は内袋を被覆して設けられ、使用する過程で仕切り袋は液体用容器が逆になっても、ケースの頸部に堆積または折り畳まれることなく、内袋の広がりによって広がり、徐々に膨張されてケースの底部に延伸され、即ち、第1補助エア通路が順調にケースの中央部または下部に延伸されて、ガスが順調に排出されて、液体用容器の注入量を向上させる。
【0010】
前記液体用容器において、前記凸部は仕切り袋の外表面に位置し、通気構造は、その一端が外部ガスに連通し、他端がケースのチャンバに連通される。凸部を仕切り袋の外表面に設けられてもよく、これにより、通気構造はケース及び仕切り袋の間のキャビティに連通し、該構造はケース内のガスが互いに隣接する凸部の間の第1補助エア通路に沿って外部に順調に排出されて、液体用容器における注入時の注入量を向上させる。
【0011】
前記液体用容器において、各凸部はそれぞれ直線に沿って配列される複数の突起を含み、互いに隣接する突起の間には第2補助エア通路が形成され、前記第2補助エア通路は隣接する第1補助エア通路に連通し、かつ第1補助エア通路及び第2補助エア通路は交叉して設けられている。第1補助エア通路及び第2補助エア通路を交差して設けることにより、仕切り袋の外表面に排気ネットが形成され、任意の一部位置が高い気圧を受けたとき、縦横に交差して設けられている排気ネットにより高圧ガスを均一かつ高速に排出する。これにより、ガスが即時に排出できないことで、内袋が高圧ガスにより押圧されて、即時に注入できないまたは注入を誤って判断して停止させることを防止し、液体用容器における注入時の注入量を更に向上させる。
【0012】
前記液体用容器において、前記突起は菱形、または三角形、または円形であり、かつ全ての突起は均一に配列される。通常、突起の形状は規則的形状であり、例えば、菱形、三角形、円形等であり、いくつかの該形状の加工は非常に便利で、形成しやすく、かつエッジが整列であるため、形成されている第1補助エア通路及び第2補助エア通路のエッジが比較的円滑で、ガスが順調に排出されることを保証し、液体用容器における注入時の注入量を更に向上させる。さらに、突起が均一に配列された後、容器内の各位置におけるガスが排出されて均一状態に達し、排気効率を保証する。いくつかの形状の突起は仕切り袋の外表面とケース内壁の間の接触面積を小さくし、仕切り袋が広がる過程で、ケースとの摩擦抵抗が小さくなり、潤滑になって、内袋への注入が順調になる。
【0013】
液体用容器において、前記凸部は長尺状の突条を含み、少なくとも1つの前記突条は仕切り袋の袋口から仕切り袋の底部に延伸される。突条により直接凸部を形成してもよく、突条を設けることにより、形成されている第1補助エア通路の先端及び末端が円滑になって、ガスを順調に排出するように保証し、更に液体用容器における注入時の注入量を向上させる。完全な突条の加工が簡単で、形成しやすい。
【0014】
液体用容器において、突条の外表面は円弧状を成し、かつ該円弧の半径はケースの半径より小さく、前記突条と仕切り袋の外表面の間は円滑に過渡する。突条の外表面は半径がケースの半径より小さい円弧状であり、内袋が広がっても仕切り袋がケースの内表面に密着した後、該突条とケースの内壁の間も面接触ではなく線接触を保持し、更に空間を開けてガスを流通させて、液体用容器における注入時の注入量を向上させる。
【0015】
液体用容器において、前記突条は襞(ひだ)状を成し、かつ仕切り袋の内表面に密着して形成される。直接仕切り袋の内表面の一部を密着させて襞状の突起を形成してもよく、該突起は複数の連続する襞が重なって形成されてもよく、更に排気効果を向上させる。
【0016】
液体用容器において、仕切り袋及び内袋は、制限を受けない状態での容積が、それぞれケースの容積より大きい。該構造は仕切り袋及び内袋がケースの内表面の各位置に接着することを保証し、即ち、ケース内部の全ての空間を更に利用することができ、ケースの空間浪費を回避して、液体用容器における注入時の注入量を向上させる。
【0017】
液体用容器において、前記凸部は仕切り袋の内表面に位置し、前記通気構造は、その一端が外部ガスに連通し、他端がケースのチャンバに連通し、少なくとも1つの前記凸部は仕切り袋の袋口から仕切り袋の底部に延伸し、前記仕切り袋の底部には少なくとも該凸部に延伸する開口が設けられる。当然、凸部も仕切り袋の内表面に設けられてもよく、本発明では仕切り袋の底部に開口を設けることにより、ケース内のガスが該開口から凸部の外周側に進入する。凸部が存在するため、該凸部、仕切り袋の外表面、ケースの内表面の間に必ず所定の隙間が存在することにより、更にガスは該凸部に沿って第1補助エア通路から注気構造に排出され、更に液体用容器の外部に排出されて、液体用容器における注入時の注入量を向上させる。
【0018】
液体用容器において、前記仕切り袋の袋口は排液弁に固定連結されて、密閉を形成し、前記通気構造は、排液弁に位置する第1通気通路を含む。排液弁に直接第1通気通路が設けられることにより、各種の排液構造と通気構造がコンパクトになり、液体用容器の内部空間の浪費を回避して、液体用容器における注入時の注入量を向上させる。
【0019】
従来技術に比べて、本発明は以下の利点を有する。
1、仕切り袋に凸部が設けられて、凸部の間に形成されている第1補助エア通路により通気構造と連通された後、内袋に液体を注入する過程で仕切り袋が広げられても、ケースの内表面に密着されて、通気構造を更に遮断しない。ケース内に位置する一部のガスは依然として第1補助エア通路に沿って通気構造に流れて、液体用容器の外部に排出され、液体が高圧ガスによって押圧されないように保証し、更に内袋内へ液体を注入して、一定レベルの空間浪費を回避し、液体用容器における注入時の注入量を向上させる。
2、凸部は仕切り袋に設けられ、仕切り袋は内袋を被覆して設けられ、使用する過程で仕切り袋は液体用容器が逆になっても、ケースの頸部に堆積または折り畳むことなく、内袋の広がりによって広がり、徐々に膨張されてケースの底部に延伸され、即ち、第1補助エア通路が順調にケースの中央部または下部に延伸されて、ガスが順調に排出されることを保証し、液体用容器の注入量を向上させる。
3、仕切り袋の底部に開口が設けられ、該開口により仕切り袋の内外両側が連通されて、ケース内のガスが凸部に沿って第1補助エア通路から注気構造に排出され、更に液体用容器の外部に排出されて、液体用容器における注入時の注入量を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】実施例1における液体用容器の局部断面図である。
【
図2】実施例2における仕切り袋が半分広がった際の液体用容器の断面図である。
【
図4】実施例1における仕切り袋の構造を示す図である。
【
図5】実施例2における仕切り袋の構造を示す図である。
【
図6】実施例3における仕切り袋の構造を示す図である。
【
図7】実施例3における仕切り袋の断面構造を示す図である。
【
図9】実施例5における仕切り袋の構造を示す図である。
【
図10】実施例6における仕切り袋の構造を示す図であ
る。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下では、本発明の具体的実施例と図面を用いて、本発明の技術手段を更に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0022】
<実施例1>
図1乃至
図2に示すように、液体用容器は、ボトル状ケース1と、ケース1内に設けられて、液体の収容に用いる軟性内袋2と、内袋2内の液体の出入を制御する排液弁3を含む。内袋2と排液弁3は固定連結され、かつ内袋2の袋口と排液弁3は密閉形成される。ケース1と排液弁3は密閉形成され、かつケース1の排液弁3に連結される一端には、ケース1内へのガスの出入を制御する通気構造4が設けられ、通気構造4は排液弁3に位置する第1通気通路を含む。排液弁3に直接第1通気通路が設けられることにより、各種の排液構造と通気構造4がコンパクトにな
る。
【0023】
図3及び
図4に示すように、内袋2とケース1の間には仕切り袋5が更に設けられ、仕切り袋5の袋口は排液弁3に固定連結されて、密閉形成され、当然、該仕切り袋5は排液弁3に固定連結されなくてもよい。仕切り袋5は軟性袋であり、好ましくはビニールフィルム袋である。仕切り袋5は仕切り袋5の表面に突出する複数の凸部51を含み、各凸部51は仕切り袋5の袋口で仕切り袋5の袋口から離れる方向に延伸し、互いに隣接する凸部51の間にはガスを通させる第1補助エア通路52が形成され、第1補助エア通路52はずっと通気構造4に連通する。
【0024】
ケース1と内袋2の間に柔性仕切り袋5を単独に設置することで、凸部51の加工が容易になり、かつ内袋2自身の構造と支持力に影響を与えない。内袋2内に液体を注入する過程で、仕切り袋5は内袋2により徐々に広げられて、ケース1の内表面に密着し、仕切り袋5には凸部51が設けられて、凸部51の間に形成されている第1補助エア通路52が通気構造4と連通されることを保証し、仕切り袋5が広げられて、ケース1の内表面に密着しても通気構造4を遮蔽することはない。ケース1内に位置する一部のガスは依然として第1補助エア通路52に沿って通気構造4に流れて、液体用容器の外部に排出されることにより、液体が高圧ガスによって押圧されることなく、更に内袋2内へ液体を注入するように保証する。一定レベルで空間の浪費を回避し、液体用容器における注入時の注入量を向上させる。さらに、仕切り袋5及び内袋2は、制限を受けない状態での容積が、それぞれケース1の容積より大きい。該構造は仕切り袋5及び内袋2がケース1の内表面の各位置に接着することを保証し、即ち、ケース1内部の全ての空間を更に利用することができ、ケース1の空間浪費を回避して、液体用容器における注入時の注入量を向上させる。本実施例において、好ましくは、仕切り袋5はその内表面が内袋2の外表面に密着して設けられ、または仕切り袋5及び内袋2の間に真空を形成することにより、両者の間に空気が存在して一定の注入空間を占用することを回避する。
【0025】
図4に示すように、本実施例の凸部51は仕切り袋5の外表面に位置し、通気構造4は、その一端が外部ガスに連通し、他端がケース1のチャンバに連通される。凸部51を仕切り袋5の外表面に設けられてもよく、これにより、通気構造4はケース1及び仕切り袋5の間のキャビティに連通し、該構造はケース1内のガスが互いに隣接する凸部51の間の第1補助エア通路52に沿って外部に順調に排出されて、液体用容器における注入時の注入量を向上させる。具体的は、各凸部51はそれぞれ直線に沿って配列される複数の突起511を含み、互いに隣接する突起511の間には第2補助エア通路512が形成され、第2補助エア通路512は隣接する第1補助エア通路52に連通し、かつ第1補助エア通路52及び第2補助エア通路512は交叉して設けられている。第1補助エア通路52及び第2補助エア通路512を交差して設けることにより、仕切り袋5の外表面に排気ネットが形成され、任意の一部位置が高い気圧を受けたとき、縦横に交差して設けられている排気ネットにより高圧ガスを均一かつ高速に排出する。これにより、ガスが即時に排出できないことで、内袋2が依然として高圧ガスにより押圧されて、即時に注入できないまたは誤って判断して注入を停止させることを防止し、液体用容器における注入時の注入量を更に向上させる。
【0026】
本実施例において、突起511の形状は菱形が好ましく、かつ全ての突起511は均一に配列される。該形状の加工は非常に便利で、形成しやすく、エッジが整列であるため、形成されている第1補助エア通路52及び第2補助エア通路512のエッジが比較的円滑で、ガスが順調に排出されるように保証し、更に液体用容器における注入時の注入量を向上させる。さらに、突起511が均一に配列されると、容器内の各位置におけるガスが排出されて均一状態に達し、排気効率を保証する。本実施形態において、全ての仕切り袋5の各部位の厚さをできるだけ同じ厚さにし、即ち、外表面の突起511に対向する内表面に凹部が対応して形成される。当然ながら、全ての仕切り袋5は異なる厚さに形成されてもよく、これにより、仕切り袋5は突起511部位で厚い厚さを有する。
使用するとき、液体用容器を逆にして内袋2内に液体を注入し、内袋2内に連続して液体を注入することにより、液体の重力作用下で、液体用容器の容器口位置での内袋2と仕切り袋5が一番最初に広げられてケースの内壁に密着する。液体を多く注入するほど、仕切り袋5とケース1の間に元々存在するガスは、排液弁3上での通気構造4に連通される第1補助エア通路52を通じて更に液体用容器の外部に排出される。
【0027】
<実施例2>
本実施例は実施例1の構造及び原理とほぼ同じであり、異なる点は、
図5に示されるように、突起511の形状は三角形であり 該三角形の突起511も加工が非常に便利で、形成しやすく、エッジが整列であるため、形成された第1補助エア通路52及び第2補助エア通路512のエッジが比較的円滑で、ガスが順調に排出される。
【0028】
<実施例3>
本実施例は実施例1の構造及び原理とほぼ同じであり、異なる点は、
図6乃至
図8に示されるように、凸部51は長尺状の突条513を含み、少なくとも1つの突条513は仕切り袋5の袋口から仕切り袋5の底部に延伸する。突条513を設けることにより、形成されている第1補助エア通路52の先端及び末端が円滑になって、ガスを順調に排出するように保証し、更に液体用容器における注入時の注入量を向上させる。完全な突条513の加工が簡単で、形成しやすい。具体的に、突条513は襞状を成し、かつ仕切り袋5の内表面に密着して形成されて、直接仕切り袋5の内表面の一部を密着させて襞状の突起511を形成し、該突起511は複数の連続する襞が重なって形成されてもよく、更に排気効果を向上させる。
【0029】
<実施例4>
本実施例は実施例3の構造及び原理とほぼ同じであり、異なる点は、突条513の外表面は円弧状を形成、かつ該円弧の半径はケース1の半径より小さく、突条513と仕切り袋5の外表面の間は円滑過渡する。突条513の外表面は半径がケース1の半径より小さい円弧状であり、内袋2が広がって仕切り袋5がケース1の内表面に密着し、該突条513とケース1の内壁の間も面接触ではなく線接触を保持し、更に空間を開けてガスを流通させ、液体用容器における注入時の注入量を向上させる。
【0030】
<実施例5>
本実施例は実施例1の構造及び原理とほぼ同じであり、異なる点は、
図9に示すように、凸部51は仕切り袋5の内表面に位置し、通気構造4は、その一端が外部ガスに連通し、他端がケース1のチャンバに連通し、少なくとも1つの凸部51は仕切り袋5の袋口から仕切り袋5の底部に延伸し、仕切り袋5の底部には少なくとも該凸部51に延伸する開口53が設けられ、開口53の数は2つであり、かつ仕切り袋5の袋口にずっと延伸する。本発明は仕切り袋5の底部に開口53を設けることにより、ケース1内のガスが該開口53から凸部51の外周側に進入し、更に該凸部51に沿って第1補助エア通路52から注気構造に排出され、更に液体用容器の外部に排出されて、液体用容器における注入時の注入量を向上させる。
【0031】
<実施例6>
本実施例は実施例1の構造及び原理とほぼ同じであり、異なる点は、
図10に示すように、仕切り袋5の底部には仕切り袋5の袋口に延伸する開口53が設けられ、開口53の数は2つであり、かつそれぞれ仕切り袋5の対向両側に位置し、仕切り袋5の両側の袋口には掛け用孔54が更に設けられ、仕切り袋5は掛け用孔54により内袋2に掛けられて内袋2に連結する。
【0032】
<実施例7>
本実施例は実施例1の構造及び原理とほぼ同じであり、異なる点は、ケース1には注排気弁が固定連結され、注排気弁及びケース1の間は密閉形成され、前記注気構造は注排気弁に設けられている第2通気通路である。
本明細書に記載された具体的実施例は本発明の精神のために例示したものである。本発明の当業者は説明された具体的実施例に対して行う各種の修正または補充または類似手段を採用して代替が可能であるが、本発明の精神から離れない、または特許請求の範囲を超えないことを理解するべきである。
【0033】
本明細書ではケース1、内袋2、排液弁3、通気構造4、仕切り袋5などの技術用語を使用しているが、他の技術用語を使用する可能性もある。このような技術用語は、本発明の本質を更に便利に記述、及び解釈でき、これらは、いかなる一種の付加的制限について解釈しても本発明の精神を違反するものである。
【符号の説明】
【0034】
1、ケース;2、内袋;3、排液弁;4、通気構造;5、仕切り袋;51、凸部;511、突起;512、第2補助エア通路;513、突条;52、第1補助エア通路;53、開口;54、掛け用孔。