(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記再生部が動画像データを表示部に表示させている間に、表示されている前記動画像データの少なくとも一部の領域を選択する操作を受け付ける操作受付部をさらに有し、
前記動画像特定部は、前記操作受付部が受け付けた操作が示す前記領域に含まれている画像の内容に基づいて前記選択動画像データを特定する、
請求項1又は2に記載の画像表示装置。
前記動画像特定部は、過去に前記ユーザによって視聴を希望する動画像データに含まれるべきキャラクターが選択された場合、選択されたことがあるキャラクターに対応する動画像データを前記選択動画像データとして特定する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の画像表示装置。
前記第1キャラクター又は前記第2キャラクターの少なくともいずれかのセリフを示す複数のシナリオ候補から、前記再生部が再生するシナリオである再生シナリオを選択するシナリオ選択部をさらに有する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の画像表示装置。
前記シナリオ選択部は、シナリオを選択可能な一以上の時間帯を示す情報を表示部に表示させ、前記一以上の時間帯のうち選択された時間帯に対応する複数のシナリオ候補から前記再生シナリオを選択する操作を受け付けることによって、前記再生シナリオを選択する、
請求項5に記載の画像表示装置。
前記シナリオ選択部は、前記第1キャラクターに対応する複数の第1シナリオ候補、及び前記第2キャラクターに対応する複数の第2シナリオ候補から、前記再生シナリオを選択する、
請求項5から7のいずれか一項に記載の画像表示装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
人物や動物等の複数のキャラクターが動画像に含まれている場合がある。複数のキャラクターが含まれている動画像をユーザが見る場合、ユーザは第三者的な立場で複数のキャラクターを見るか、主人公の立場で複数のキャラクターを見ることになるため、見る立場に共感を得られないと没入感を得ながら動画像を見ることが難しいという問題があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、ユーザが動画像を見る際に没入感を得やすくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の画像表示装置は、第1キャラクターの視点に対応する第1動画像データと、前記第1動画像データに関連付けられており、前記第1キャラクターと異なる第2キャラクターの視点に対応する第2動画像データと、を取得するデータ取得部と、前記第1動画像データ又は前記第2動画像データの少なくともいずれかを視聴するユーザが視聴を希望する動画像データである選択動画像データを特定する動画像特定部と、前記第1動画像データ又は前記第2動画像データのうち、前記動画像特定部が特定した前記選択動画像データを再生する再生部と、を有する。
【0007】
前記画像表示装置は、前記ユーザの好みのキャラクターの特徴を設定する操作を受け付ける操作受付部をさらに有し、前記動画像特定部は、前記第1キャラクター及び前記第2キャラクターのうち、前記操作受付部が受け付けた操作が示す前記特徴により近いキャラクターの視点に対応する動画像データを前記選択動画像データとして特定してもよい。
【0008】
前記再生部が動画像データを表示部に表示させている間に、表示されている前記動画像データの少なくとも一部の領域を選択する操作を受け付ける操作受付部をさらに有し、前記動画像特定部は、前記操作受付部が受け付けた操作が示す前記領域に含まれている画像の内容に基づいて前記選択動画像データを特定してもよい。
【0009】
前記動画像特定部は、過去に前記ユーザによって視聴を希望する動画像データに含まれるべきキャラクターが選択された場合、選択されたことがあるキャラクターに対応する動画像データを前記選択動画像データとして特定してもよい。
【0010】
前記第1キャラクター又は前記第2キャラクターの少なくともいずれかのセリフを示す複数のシナリオ候補から、前記再生部が再生するシナリオである再生シナリオを選択するシナリオ選択部をさらに有してもよい。
【0011】
前記シナリオ選択部は、シナリオを選択可能な一以上の時間帯を示す情報を表示部に表示させ、前記一以上の時間帯のうち選択された時間帯に対応する複数のシナリオ候補から前記再生シナリオを選択する操作を受け付けることによって、前記再生シナリオを選択してもよい。
【0012】
前記シナリオ選択部は、前記再生シナリオが選択済の時間帯を他の時間帯と異なる態様で表示してもよい。
【0013】
前記シナリオ選択部は、前記第1キャラクターに対応する複数の第1シナリオ候補、及び前記第2キャラクターに対応する複数の第2シナリオ候補から、前記再生シナリオを選択してもよい。
【0014】
前記シナリオ選択部は、前記動画像特定部が特定した前記選択動画像データに対応する前記再生シナリオをユーザの操作に基づいて選択してもよい。
【0015】
前記シナリオ選択部は、前記ユーザの気分を判定した結果に基づいて前記再生シナリオを選択してもよい。
【0016】
本発明の第2の態様のプログラムは、コンピュータに、第1キャラクターの視点に対応する第1動画像データと、前記第1動画像データに関連付けられており、前記第1キャラクターと異なる第2キャラクターの視点に対応する第2動画像データと、を取得するステップと、前記第1動画像データ又は前記第2動画像データの少なくともいずれかを視聴するユーザが視聴を希望する動画像データである選択動画像データを特定するステップと、前記第1動画像データ又は前記第2動画像データのうち、前記選択動画像データを再生するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ユーザが動画像を見る際に没入感を得やすくなるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[画像表示システムSの構成]
図1は、本実施形態に係る画像表示システムSの構成を示す図である。画像表示システムSは、複数の画像表示装置1と画像配信装置2とを有する。画像表示装置1及び画像配信装置2は、ネットワークNを介して各種のデータを送受信する。ネットワークNは、例えばインターネット又は携帯電話網を含む。
【0020】
画像配信装置2は、動画像データを複数の画像表示装置1に配信するサーバである。画像配信装置2は、複数の動画像データを記憶する記憶媒体を有しており、例えば、カメラで撮影されたドラマの動画像データ、又はコンピュータで作成されたアニメーションの動画像データを取得して記憶媒体に記憶する。画像配信装置2は、同一の動画像データを複数の画像表示装置1に配信してもよく、異なる動画像データを複数の画像表示装置1に配信してもよい。
【0021】
画像配信装置2が配信するドラマやアニメーション等の動画像データには、複数のキャラクターが登場する。本明細書におけるキャラクターは、ドラマやアニメーションに登場する人物又は動物等である。画像配信装置2は、一つのドラマやアニメーションに対応する動画像データとして、複数のキャラクターが見える位置からの視点に対応する標準動画像データ、第1キャラクターの視点に対応する第1動画像データ、及び第2キャラクターの視点に対応する第2動画像データを少なくとも記憶している。画像配信装置2は、さらに多くのキャラクターの視点に対応する複数のキャラクター別動画像データを記憶していてもよい。
【0022】
キャラクターの視点に対応する動画像データは、例えば、キャラクターが視認することができる領域が撮影又は描画された画像データにより構成される動画像データである。ドラマの動画像データの場合、キャラクターの視点に対応する動画像データは、例えば俳優の後方から俳優の前方をカメラで撮影することにより作成される。アニメーションの動画像データの場合、キャラクターの視点に対応する動画像データは、例えばキャラクターが見ている領域を描画することにより作成される。
【0023】
画像表示装置1は、画像配信装置2から配信された動画像データを表示する端末であり、例えばコンピュータ、スマートフォン、タブレット又はヘッドマウントディスプレイである。画像表示装置1は、第1動画像データ及び第2動画像データのうち、ユーザが視聴を希望する動画像データを選択し、選択した動画像データ(以下、「選択動画像データ」という)を表示することができる。動画像データには、動画像データに含まれるキャラクターが発するセリフ(台詞)が含まれており、画像表示装置1は、キャラクターに対応する音声のセリフをスピーカーから出力する。
【0024】
図2は、画像表示装置1が動画像データを表示した状態の例を示す図である。
図2(a)は、第1キャラクターA及び第2キャラクターBが含まれる標準動画像データを示している。
図2(b)及び
図2(c)は、それぞれ第1キャラクターA又は第2キャラクターBの視点に対応する第1動画像データ及び第2動画像データを示している。
【0025】
ユーザが第1キャラクターAになった気分でドラマやアニメーションのストーリーを楽しみたいという場合、画像表示装置1は、
図2(b)に示すように、第1キャラクターAの視点に対応する第1動画像データを表示する。当該第1動画像データには、第1キャラクターAが見ている第2キャラクターBの正面の画像が含まれている。
【0026】
ユーザが第2キャラクターBになった気分でドラマやアニメーションのストーリーを楽しみたいという場合、画像表示装置1は、
図2(c)に示すように、第2キャラクターBの視点に対応する第2動画像データを表示する。当該第2動画像データには、第2キャラクターBが見ている第1キャラクターAの正面の画像が含まれている。画像表示装置1がこのような動画像データを表示することで、画像表示装置1のユーザが動画像を見る際に没入感を得やすくなる。
【0027】
なお、
図2(b)及び
図2(c)は、それぞれ第1キャラクターA又は第2キャラクターBの視点に対応する動画像データとして、第1キャラクターA又は第2キャラクターBに見える範囲に対応する動画像データを例示しているが、第1キャラクターA又は第2キャラクターBの視点に対応する動画像データはこれに限らない。第1キャラクターA又は第2キャラクターBの視点に対応する動画像データは、第1キャラクターA又は第2キャラクターBを撮影して作成された動画像データであってもよい。例えば、第1キャラクターAの視点に対応する動画像データは、第1キャラクターAを近くから撮影することにより作成された、第1キャラクターAが大きく表示された動画像データであってもよい。
【0028】
[画像表示装置1の構成]
図3は、画像表示装置1の構成を示す図である。画像表示装置1は、通信部11と、出力部12と、操作部13と、記憶部14と、制御部15と、を有する。制御部15は、データ取得部151と、再生部152と、操作受付部153と、動画像特定部154と、シナリオ選択部155と、を有する。
【0029】
通信部11は、ネットワークNを介して画像配信装置2から動画像データを受信するための通信インターフェースである。通信部11は、受信した動画像データをデータ取得部151に入力する。
【0030】
出力部12は、動画像データに基づく画像及び音声を出力するデバイスであり、例えばディスプレイ(表示部)及びスピーカーを含む。出力部12は、再生部152から入力された動画像データを表示したり、動画像データに含まれるキャラクターが発した音声を出力したりする。
【0031】
操作部13は、ユーザの操作を受けるためのデバイスであり、例えばディスプレイに重ねて設けられたタッチパネルである。操作部13は、ユーザが操作した位置を示す座標情報を操作受付部153に通知する。
【0032】
記憶部14は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を含む記憶媒体である。記憶部14は、制御部15が実行するプログラムを記憶している。記憶部14は、通信部11が受信した動画像データを一時的に記憶してもよい。
【0033】
制御部15は、例えばCPU(Central Processing Unit)を有する。制御部15は、記憶部14に記憶されたプログラムを実行することにより、データ取得部151、再生部152、操作受付部153、動画像特定部154及びシナリオ選択部155として機能する。
【0034】
データ取得部151は、第1キャラクターの視点に対応する第1動画像データと、第1動画像データに関連付けられており、第1キャラクターと異なる第2キャラクターの視点に対応する第2動画像データと、を取得する。第1キャラクターの視点に対応する第1動画像データは、第1キャラクターの視野の範囲の画像データにより構成される動画像データである。第2キャラクターの視点に対応する第2動画像データは、第2キャラクターの視野の範囲の画像データにより構成される動画像データである。動画像データには、どのキャラクターの視点に対応しているかを示すテキストを含むメタ情報が関連付けられていてもよい。
【0035】
図2に示した例の場合、第1キャラクターAの視点に対応する第1動画像データは
図2(b)に示した第2キャラクターBの正面の画像に対応する動画像データであり、第2キャラクターBの視点に対応する第2動画像データは
図2(c)に示した第1キャラクターAの正面の画像に対応する動画像データである。データ取得部151は、取得した動画像データを再生部152に入力する。
【0036】
再生部152は、データ取得部151から入力された動画像データを再生し、再生した動画像データを出力部12に表示させる。再生部152は、例えば、符号化された動画像データを復号するデコーダを有しており、デコーダによって動画像データを復号することにより、出力部12に入力する画面データを作成する。再生部152が第1動画像データ又は第2動画像データを再生することにより、画像表示装置1のユーザは、第1動画像データ又は第2動画像データの少なくともいずれかを視聴することができる。
【0037】
再生部152は、動画像特定部154の制御に基づいて動画像データを再生する。再生部152は、例えば、動画像特定部154から入力される制御信号に基づいて、標準動画像データ、第1動画像データ又は第2動画像データのいずれかを再生する。再生部152は、データ取得部151が取得した第1動画像データ又は第2動画像データのうち、画像表示装置1のユーザが視聴を希望することを動画像特定部154が特定した選択動画像データを再生する。
【0038】
操作受付部153は、操作部13において行われたユーザの操作を受け付ける。具体的には、操作受付部153は、ユーザが出力部12に触れた位置を示す座標データを操作部13から取得し、座標データに対応する操作の内容を特定する。操作受付部153は、ユーザの好みのキャラクターの特徴を設定する操作(以下、「特徴設定操作」という)を受け付ける。操作受付部153は、設定されたキャラクターの特徴を動画像特定部154及びシナリオ選択部155に通知する。
【0039】
特徴設定操作は、キャラクター名を入力したり、複数のキャラクター名から一以上のキャラクター名を選択したりする操作であってもよい。また、特徴設定操作は、性別、種別、年齢、大きさ、性格等のように、キャラクターの属性を示す情報を入力したり、属性の候補から選択したりする操作であってもよい。
【0040】
操作受付部153は、再生部152が動画像データを出力部12に表示させている間に、表示されている動画像データの少なくとも一部の領域を選択する操作を特徴設定操作として受け付けてもよい。この場合の特徴設定操作は、例えば、
図2(a)のように複数のキャラクターが表示された画面において、好みのキャラクターにタッチしたり、好みのキャラクターの少なくとも一部を囲んだりする操作である。
【0041】
操作受付部153は、ユーザが所定の時間以上にわたってキャラクターにタッチをし続けた場合に、再生部152に動画像データの再生を停止させ、「このキャラクターに設定しますか?」という表示をした後に、ユーザがタッチしたキャラクターを好みのキャラクターとして設定してもよい。操作受付部153がこのように動作することで、ユーザが好みのキャラクターとして設定する意図を持っていない状態でキャラクターにタッチした場合に、当該キャラクターが好みのキャラクターとして誤って設定されてしまうことを防げる。
【0042】
操作受付部153は、ユーザが適切な内容を入力できるようにするための案内情報を出力部12に表示させた後に特徴設定操作を受け付けてもよい。操作受付部153は、例えば、「どのキャラクターの視点の画像を見るかを入力してください」、「自分がなりたいキャラクターにタッチしてください」というように、ユーザが一体感を味わう対象となるキャラクターを選択するための案内情報を表示する。
【0043】
操作受付部153は、再生部152が第1動画像データ又は第2動画像データを再生している間に、他の動画像データに切り替えるための操作を受け付けてもよい。ユーザは、例えば第1動画像データが出力部12に表示されている状態でスワイプ操作をすることにより、他のキャラクターの視点に対応する第2動画像データに切り替えることができる。操作受付部153は、再生部152が再生している第1動画像データに同期している他の動画像データがある場合に、動画像を表示している領域の外側に、他のキャラクターの視点に対応する動画像データに切替が可能であることを表示させ、切替先の動画像の選択を受け付けてもよい。操作受付部153は、例えば、他の一以上のキャラクターに対応するアイコン画像を表示させ、アイコン画像にタッチされたことにより、ユーザが選択した他のキャラクターを特定する。操作受付部153は、他のキャラクターを特定した後に、特定した他のキャラクターの視点の動画像データに切り替わったかを表示させてもよい。
【0044】
[視点の選択]
動画像特定部154は、ユーザが視聴を希望する動画像データである選択動画像データを特定する。動画像特定部154は、第1キャラクター及び第2キャラクターのうち、操作受付部153が受け付けた操作が示す特徴により近いキャラクターの視点に対応する動画像データを選択動画像データとして特定する。
図2に示した例において、例えばユーザが「犬」と入力した場合、動画像特定部154は、第1キャラクターAの視点に対応する第1動画像データ(
図2(b)に示す動画像データ)を選択動画像データとして特定する。動画像特定部154は、例えば、第1動画像データに関連付けられているメタ情報が、犬の視点の動画像データであることを示している場合に、第1動画像データを選択する。
【0045】
動画像特定部154は、操作受付部153が受け付けた操作が示す領域に含まれている画像の内容に基づいて選択動画像データを特定してもよい。一例として、動画像特定部154は、
図2(a)に示す動画像データが出力部12に表示されている状態でユーザが第1キャラクターAにタッチしたりした場合に、ユーザがタッチした第1キャラクターAの視点に対応する第1動画像データを選択動画像データとして特定する。
【0046】
動画像特定部154が、ユーザが操作した領域に含まれる画像の内容に基づいて、ユーザが一体感を味わいたいキャラクターを特定できるように、
図2(a)に示す動画像データには、画像内の位置と、それぞれの位置にあるキャラクターを識別するための情報(例えばキャラクター名)とが関連付けられたメタ情報が含まれていてもよい。動画像特定部154は、当該メタ情報を参照することにより、ユーザがタッチした位置に表示されているキャラクターを特定することができる。
【0047】
動画像特定部154は、ユーザによって選択されたキャラクターを、ユーザを識別するための識別情報に関連付けて記憶部14に記憶させてもよい。そして、動画像特定部154は、データ取得部151が新たな第1動画像データ及び第2動画像データを取得した場合に、記憶部14を参照することにより、過去にユーザによって選択されたキャラクターがあるか否かを判定する。動画像特定部154は、過去にユーザによってキャラクターが選択された場合、選択されたことがあるキャラクターに対応する動画像データを選択動画像データとして特定する。
【0048】
一例として、動画像特定部154は、過去にユーザによって選択されたキャラクターがあり、かつデータ取得部151が取得した第1動画像データ又は第2動画像データに、選択されたキャラクターが含まれている場合、選択されたことがあるキャラクターに対応する動画像データを選択動画像データとして特定する。具体的には、動画像特定部154は、ユーザが過去に第1キャラクターAを選択したことがあり、かつデータ取得部151が
図2(a)に示す動画像データを取得した場合、
図2(b)に示したような第1キャラクターAの視点に対応する第1動画像データを選択する。動画像特定部154がこのように動作することで、ユーザが特徴設定操作をすることなく、ユーザが一体感を味わいたいキャラクターの視点に対応する動画像データが出力部12に表示されるので、ユーザの利便性が向上する。
【0049】
[シナリオの選択]
動画像データが再生される間は、動画像データに含まれる複数のキャラクターが、予め作成されたシナリオに沿ったセリフを発する。ユーザが希望するシナリオに沿ってストーリーが展開すると、ユーザは、さらに動画像データに没入しやすくなる。そこで、動画像データには、複数のシナリオ候補が関連付けられていてもよい。具体的には、動画像データには、動画像データに含まれる複数のキャラクターが音声を発する際のセリフの複数の候補が含まれていてもよい。
【0050】
シナリオ選択部155は、第1キャラクター又は第2キャラクターの少なくともいずれかのセリフを示す複数のシナリオ候補から、再生部152が再生するシナリオである再生シナリオを選択する。シナリオ選択部155は、例えば、シナリオを選択可能な一以上の時間帯を示す情報を出力部12に表示させ、一以上の時間帯のうち選択された時間帯に対応する複数のシナリオ候補から再生シナリオを選択する操作を受け付けることによって、再生シナリオを選択する。シナリオ選択部155は、選択したシナリオを特定するための情報を動画像特定部154に通知することにより、選択したシナリオに基づくセリフとともに動画像データを再生部152に再生させる。
【0051】
図4は、シナリオを選択する操作を行うための画面の一例を示す図である。
図4に示す画面は、例えば、操作受付部153がユーザの好みのキャラクターの設定を受け付けた後に出力部12に表示される。
図4においては、ユーザがキャラクターAを好みのキャラクターに設定した後に表示される画面を示している。
【0052】
図4に示す画面には、キャラクターAの右側に、ユーザが選択可能なシナリオ候補であるセリフ候補X1及びセリフ候補X2が表示されている。画面の上方には、動画像データの表示可能時間帯が0から30分00秒までであることを示すスライドバー画像G0と、シナリオを選択することが可能な時間帯を示す画像G1(G1a〜G1d)と、シナリオ候補を選択する時間帯を指定するための画像G2と、が表示されている。
図4においては、画像G2が指している画像G1bの時間帯に対応するシナリオの候補が表示されている。ユーザは、画像G2の位置を動かすことで、どの時間帯のシナリオを設定するかを指定することができる。
【0053】
シナリオを選択することができる複数の時間帯のうち、黒色で表示されている画像G1aは、シナリオが選択済であることを示している。このようにシナリオ選択部155は、再生シナリオが選択済の時間帯を他の時間帯と異なる態様で表示してもよい。
【0054】
図5は、シナリオ選択部155が再生シナリオを選択する処理を説明するための図である。
図5に示すように、第1キャラクターA及び第2キャラクターBのそれぞれに対して、斜線で示すセリフを選択可能なシーンごとに複数のセリフ候補が定められている。
図5に示す例の場合、第1キャラクターA及び第2キャラクターBのそれぞれに対して8通りのセリフ候補の組み合わせ(つまり8つのシナリオ候補)がある。シナリオ選択部155は、第1キャラクターAに対応する複数の第1シナリオ候補、及び第2キャラクターBに対応する複数の第2シナリオ候補から、再生シナリオを選択する。
【0055】
第1キャラクターAに対しては、シーン1におけるセリフ候補としてセリフa11及びセリフa12が定められている。シナリオ選択部155は、シーン1においてセリフa11を選択すると、シーン2においてセリフa21又はセリフa22のいずれか一つを選択する。同様に、シナリオ選択部155は、シーン2においてセリフa21を選択すると、シーン3においてセリフa31又はセリフa32のいずれか一つを選択する。
【0056】
シナリオ選択部155は、ユーザがセリフを試しに聞くための操作をしたことに応じて、再生部152にセリフを再生させてもよい。この場合、シナリオ選択部155は、再生後に行われたユーザの操作に基づいて、使用するセリフを選択する。
【0057】
シナリオ選択部155は、シナリオを選択可能な時間帯のうち、より前の時間帯においてシナリオが選択済であることを条件として、ユーザがシナリオを選択できるようにしてもよい。
図4に示す例の場合、シナリオ選択部155は、ユーザが画像G1bにタッチしたことに応じてセリフ候補X1及びセリフ候補X2を表示するが、ユーザが画像G1c又は画像G1dにタッチした場合、「シナリオが選択されていない時間帯があります」といった警告メッセージを表示させてもよい。
【0058】
シナリオ選択部155は、動画像特定部154が特定した選択動画像データに対応するキャラクターのセリフをユーザの操作に基づいて選択し、ユーザが選択したセリフに適した他のキャラクターのセリフを自動的に選択してもよい。シナリオ選択部155は、例えば
図4に示したように、動画像特定部154が特定した選択動画像データに対応するキャラクターのセリフをユーザが選択できるようにする。シナリオ選択部155がこのように動作することで、ユーザは、自身が一体感を味わいたいキャラクターのセリフを選択するだけでよいので、少ない操作で自身に合ったシナリオで動画像データを楽しむことができる。なお、シナリオ選択部155は、セリフを選択することをユーザに促すメッセージを表示させてもよい。また、シナリオ選択部155は、ユーザが所定の時間以内にセリフを選択しない場合、デフォルトで決められているセリフを自動的に再生してもよい。
【0059】
シナリオ選択部155は、ユーザの選択によらず、ユーザの属性に基づいて再生シナリオを選択してもよい。ユーザの属性は、例えばユーザの性別、年齢、職業、趣味、好み等のようにユーザが好むシナリオに影響する性質である。シナリオ選択部155がユーザの属性に基づいて再生シナリオを選択できるように、動画像データに関連付けられたそれぞれのセリフ候補には、セリフ候補に適したユーザの属性を示すメタ情報が含まれていてもよい。
【0060】
シナリオ選択部155は、予め記憶部14に記憶されたユーザの属性と、セリフ候補に含まれるメタ情報とを参照し、それぞれのシーンに関連付けられた複数のセリフ候補のうち、ユーザの属性に適したセリフ候補を選択する。シナリオ選択部155は、選択したセリフ候補を、ユーザにお勧めするセリフ候補として提示してもよい。このようにシナリオ選択部155がユーザの属性に基づいて再生シナリオを選択することにより、ユーザがセリフを選択することなくユーザに適したシナリオで動画像データを再生することができる。
【0061】
また、シナリオ選択部155は、ユーザの気分を判定した結果に基づいて再生シナリオを選択してもよい。シナリオ選択部155は、例えば、動画像データを再生するための操作が行われたことに応じて、ユーザの気分を判定するための質問を出力部12に表示させ、ユーザから入力された回答に基づいてユーザの気分を判定する。シナリオ選択部155がユーザの気分に基づいて再生シナリオを選択できるように、動画像データに関連付けられたそれぞれのセリフ候補には、セリフ候補に適したユーザの気分を示すメタ情報が含まれている。
【0062】
シナリオ選択部155は、判定したユーザの気分と、セリフ候補に含まれるメタ情報とを参照し、それぞれのシーンに関連付けられた複数のセリフ候補のうち、ユーザの気分に適したセリフ候補を選択する。シナリオ選択部155は、選択したセリフ候補を、ユーザにお勧めするセリフ候補として提示してもよい。このようにシナリオ選択部155がユーザの気分に基づいて再生シナリオを選択することによって、例えばユーザが悲しい気分になっている時に、元気が出やすい再生シナリオを選択することが可能になり、ユーザの満足度が向上する。セリフ候補には、バックグラウンドで流れる音楽が関連付けられており、シナリオ選択部155が選択したセリフ候補に応じて、動画像データを再生中に流れる音楽が切り替わってもよい。また、シナリオ選択部155は、選択したセリフ候補に応じて画面全体の明るさや色合いを変えるように再生部152に指示してもよい。
【0063】
なお、シナリオ選択部155は、例えば、再生する動画像データが選択されたタイミングでユーザに質問に回答させることによりユーザの気分を判定し、判定した気分に基づいて、ユーザにお勧めするキャラクター又はシナリオを提示してもよい。この場合、シナリオ選択部155は、ユーザが選択したキャラクター又はシナリオに対応する動画像データを再生するように再生部152に指示してもよい。
【0064】
以上の説明においては、シナリオ選択部155がセリフを選択可能なシーンごとにセリフを選択するという場合を例示したが、シナリオ選択部155は、複数のセリフの組み合わせにより構成される複数のシナリオ候補から一つの再生シナリオを選択してもよい。例えば、シナリオ選択部155は、ユーザによる操作、ユーザの属性又はユーザの気分等に基づいて、標準バージョン、ハッピーエンドバージョン、バッドエンドバージョン等の複数のシナリオ候補から再生シナリオを選択してもよい。
【0065】
[画像表示システムSにおける処理の流れ]
図6は、画像表示システムSにおける処理の流れを示すシーケンス図である。
図6に示すシーケンス図は、画像表示装置1のユーザが再生する動画像データを選択する操作を行った時点から開始している。
【0066】
操作受付部153は、ユーザにより行われた動画像の再生操作を受け付けると(S11)、指定された動画像データを画像配信装置2に要求するための画像要求メッセージを画像配信装置2に送信する。画像配信装置2は、画像要求メッセージに応じて、記憶している複数の動画像データから画像表示装置1に送信する動画像データを選択し(S12)、選択した動画像データを画像表示装置1に送信する。当該動画像データには、複数のキャラクターが含まれている。
【0067】
続いて、動画像特定部154は、どのキャラクターの視点に対応する動画像データを再生するかを選択する(S13)。動画像特定部154は、例えば第1動画像データを選択した場合、データ取得部151を介して、第1動画像データを要求するメッセージを画像配信装置2に送信し、第1動画像データを取得する。
【0068】
続いて、シナリオ選択部155は、ユーザの操作、ユーザの属性又はユーザの気分等に基づいて、再生するシナリオを選択する(S14)。シナリオ選択部155は、選択されたシナリオを特定するための情報を動画像特定部154に通知し、再生部152が、選択されたシナリオに対応するセリフを第1動画像データとともに再生する(S15)。
【0069】
再生部152が第1動画像データを再生中にユーザがスワイプ操作を行うと(S16においてYES)、動画像特定部154は、データ取得部151を介して、第2動画像データを要求するメッセージを画像配信装置2に送信し、第2動画像データを取得する。再生部152は、取得された第2動画像データを再生する(S17)。再生部152は、スワイプ操作が行われるまでの間(S16においてNO)、第1動画像データの再生を継続する。
【0070】
図6に示すシーケンス図においては、動画像特定部154が再生する動画像データを選択した後に、動画像データを画像配信装置2から取得しているが、画像表示装置1は、S11において動画像データが指定された時点で、指定された動画像データに含まれる複数のキャラクターの視点に対応する複数の動画像データ(例えば第1動画像データ及び第2動画像データ)を取得しておいてもよい。このように画像表示装置1が動作することで、ユーザが視聴する動画像を切り替える場合に待ち時間が生じることを防げる。
【0071】
[画像表示装置1による効果]
以上説明したように、データ取得部151が、第1キャラクターの視点に対応する第1動画像データと、第2キャラクターの視点に対応する第2動画像データと、を取得し、再生部152が、ユーザの操作、ユーザの過去の視聴履歴、ユーザの属性等に基づいて、ユーザが希望する動画像データを再生する。ユーザは、キャラクターの視点に対応する動画像を見ることにより、ユーザ自身がキャラクターになったような気分で動画像データを視聴できるので、没入感を得やすくなる。
【0072】
また、画像表示装置1は、ユーザの操作、ユーザの属性、ユーザの気分等に基づいて選択したシナリオに沿って動画像データを再生する。画像表示装置1が、このようにユーザに適したシナリオに沿って動画像データを再生することで、ユーザは、さらに高い没入感を得ることが可能になる。
【0073】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【解決手段】画像表示装置1は、第1キャラクターの視点に対応する第1動画像データと、第1動画像データに関連付けられており、第1キャラクターと異なる第2キャラクターの視点に対応する第2動画像データと、を取得するデータ取得部151と、第1動画像データ又は第2動画像データの少なくともいずれかを視聴するユーザが視聴を希望する動画像データである選択動画像データを特定する動画像特定部154と、第1動画像データ又は第2動画像データのうち、動画像特定部が特定した選択動画像データを再生する再生部152と、を有する。