(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記排尿情報測定装置は、前記情報連携部から取得した前記情報に基づいて、前記便器洗浄手段が前記ボウル内を洗浄しているとき、および、前記衛生洗浄装置が前記局部を洗浄しているときには、前記排尿情報の測定を行わないことを特徴とする請求項1または2に記載の生体情報測定装置。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0023】
図1は、実施形態に係る生体情報測定装置が設置されたトイレルームを例示する斜視図である。
図1に示すように、生体情報測定装置1は、便器2と、衛生洗浄装置3と、排尿情報測定装置5と、を有する。
【0024】
便器2は、例えば床置き式の洋風大便器(洋式腰掛便器)である。便器2は、使用者の排泄物を受けるボウル22を有する。
【0025】
衛生洗浄装置3は、便器2の上に設けられ、便器2に対して着脱可能に設置されている。衛生洗浄装置3は、ケーシング400と、便座200と、便蓋201と、有する。便座200及び便蓋201は、ケーシング400に対して開閉自在に軸支されている。ケーシング400は、便座200に座った使用者の局部(例えば「おしり(肛門)」)に向けてノズルから洗浄水を吐出し、使用者の局部を洗浄する機能などを内蔵している。なお、衛生洗浄装置3の具体例については、
図8に関して後述する。
【0026】
便器2の後方には、キャビネット18が設けられる。排尿情報測定装置5は、このキャビネット18の内部に設けられる。排尿情報測定装置5は、使用者がボウル22内に排出した尿の量や、尿流率(単位時間当たりの排泄尿量)などの排尿情報を測定する機能を有する。例えば、排尿情報測定装置5は、ボウル22内の水位を測定することによって排尿情報を測定する。なお、排尿情報測定装置5の具体例については、
図9に関して後述する。また、排尿情報の測定は、水位の測定に限られず、重量や体重差の測定などであってもよいし、尿中の特定成分濃度の測定などを含んでもよい。
【0027】
また、
図1に示すように、トイレルームTRの壁面には、バーコード読取装置10と、操作部11と、が設置されている。操作部11は、生体情報測定用のリモコン12と、便器2用のリモコン13と、衛生洗浄装置3用のリモコン14と、を含む。
【0028】
リモコン12には、排尿情報の測定開始を指示する測定開始スイッチや、排尿が終了したことを指示する測定終了スイッチ等が設けられている。リモコン13には、便器洗浄(ボウル22の内容物の排出及びボウル22内の洗浄)を指示する洗浄スイッチ13aなどが設けられている。リモコン14には、局部洗浄を指示する「おしり」スイッチ14aや、局部洗浄の終了を指示する「止」スイッチ14bなどが設けられている。
【0029】
なお、この例では、リモコンには、電波通信が用いられており、各リモコンは、使用者が押したスイッチに応じた電波信号を発信する。通信に用いられる電波の周波数帯は、例えば、0.3GHz〜3GHz程度である。ただし、実施形態は、電波通信に限られず、赤外線通信や有線による通信を用いてもよい。
また、トイレルームTRの壁面には、呼び出しスイッチ15、手すり17、紙巻器19などが設けられる。
【0030】
なお、本願明細書においては、便座200に座った使用者からみて前方を「前方」とし、便座200に座った使用者からみて後方を「後方」とする。また、便座200に座った使用者からみて上方を「上方」とし、便座200に座った使用者からみて下方を「下方」とする。
【0031】
図2は、実施形態に係る生体情報測定装置の一部を分解して例示する斜視図である。 生体情報測定装置1は、便器部60と、基板部50と、をさらに有する。
図2に示すように、便器部60は、便器2の後部に設けられており、便器洗浄手段61を有する。便器洗浄手段61は、例えば便器洗浄バルブを有し、便器洗浄バルブが開くことによりボウル22内に洗浄水を供給して便器洗浄を実施する。
【0032】
基板部50(アドオン基板部)は、キャビネット18の内部に着脱可能に設けられる。衛生洗浄装置3、便器部60、排尿情報測定装置5は、それぞれ、ケーブルC1、C2、C3により、基板部50と接続される。
【0033】
図3は、実施形態に係る生体情報測定装置を例示するブロック図である。
衛生洗浄装置3は、洗浄手段制御部405と、衛生洗浄手段406と、を有する。衛生洗浄手段406は、例えば、使用者の局部に向けて洗浄水を吐出するノズルや、ノズルを動作させるモータ、洗浄水の流路や流量を調整する電磁弁などを有する。洗浄手段制御部405は、例えばIC素子を含んだ回路であり、衛生洗浄手段406の動作を制御する。
【0034】
排尿情報測定装置5は、測定手段制御部54と、排尿情報測定手段55と、を有する。排尿情報測定手段55は、例えば、ボウル22内の水位を測定するセンサや水位を設定するポンプなどを有する。測定手段制御部54は、例えばIC素子を含んだ回路であり、排尿情報測定手段55の動作を制御する。
【0035】
基板部50は、電波受信部51と、情報連携部52(ロジック基板)と、便器洗浄制御部53(便器洗浄基板)と、を有する。情報連携部52及び便器洗浄制御部53は、それぞれ、例えばIC素子を含む回路である。電波受信部51は、例えばアンテナ基板であり、
図1に関して前述したリモコン12〜14から電波信号を受信する。電波受信部51は、受信した電波信号に基づき、リモコンからの指示に関する信号を情報連携部52に送信する。
【0036】
情報連携部52は、洗浄手段制御部405、便器洗浄制御部53及び測定手段制御部54に、リモコンからの指示に関する信号を適宜送信する。
洗浄手段制御部405は、情報連携部52から取得した信号に基づいて、衛生洗浄手段406の動作を制御する。また、測定手段制御部54は、情報連携部52から取得した信号に基づいて、排尿情報測定手段55の動作を制御する。また、便器洗浄制御部53は、情報連携部52から取得した信号に基づいて、便器洗浄手段61の動作を制御して便器洗浄を実施する。
【0037】
また、情報連携部52は、洗浄手段制御部405から衛生洗浄装置3の動作状態に関する信号を取得し、便器洗浄制御部53から便器洗浄手段61の動作状態に関する信号を取得する。
なお、衛生洗浄装置3の動作状態に関する信号とは、衛生洗浄装置3が局部洗浄を行っているかどうかを示す情報(例えば、ノズルへの洗浄水の供給を制御する電磁弁の開閉状態を示す情報等)を含む。便器洗浄手段61の動作状態に関する信号とは、便器洗浄手段61が便器洗浄を行っているかどうかを示す情報(例えば、ボウル22への洗浄水の供給を制御する便器洗浄バルブの開閉状態を示す情報等)を含む。
【0038】
排尿情報を測定する際に、衛生洗浄装置3や便器洗浄手段61が動作すると、測定精度が低下する恐れがある。例えば、排尿情報測定装置5がボウル22内の水位の変化によって尿量を測定する場合、衛生洗浄装置3や便器洗浄手段61によってボウル22内に洗浄水が供給されると、ボウル22内の水位は洗浄水によっても変化してしまう。
【0039】
これに対して、実施形態に係る排尿情報測定装置5の測定手段制御部54は、衛生洗浄装置3の動作状態に関する情報及び便器洗浄手段61の動作状態に関する情報を、情報連携部52から取得する。測定手段制御部54は、情報連携部52から取得した情報(動作情報)に基づいて、排尿情報の測定を制御する。これにより、排尿情報測定装置5は、衛生洗浄装置3及び便器洗浄手段61の動作を考慮し、その動作と連携して動作することができる。例えば、測定手段制御部54は、局部洗浄が行われているとき及び便器洗浄が行われているときには、排尿情報の測定を行わないと判断する。これにより、測定精度の低下を防ぐことができる。
【0040】
ところで、一般の衛生洗浄装置においては、機能が異なる複数の機種が開発されている。例えば、感染症などが懸念されるなら次亜塩素水を噴霧する機能が要望されたり、レディース・クリニックにおいては局部洗浄を重視した機能が要望されたりすることがある。そこで、生体情報測定装置においても、様々な種類の衛生洗浄装置を設置できることが望ましい。一方、従来の生体情報測定装置においては、衛生洗浄装置は、便器と一体型であり、情報連携部52に相当する機能は、衛生洗浄装置に内蔵されていた。多くの衛生洗浄装置は、情報連携部52に相当する機能を有しておらず、あらかじめ衛生洗浄装置の動作と排尿情報の測定とが連携できるように構成されていない。したがって、様々な種類の衛生洗浄装置を生体情報測定装置に設置することが困難であった。
【0041】
これに対して、実施形態に係る生体情報測定装置1は、衛生洗浄装置3の外郭(カバー3c)の外側に、衛生洗浄装置3とは別体として設けられた情報連携部52を有する。これにより、情報連携部52と衛生洗浄装置3の洗浄手段制御部405とをケーブル等で接続すれば、衛生洗浄装置の動作と排尿情報の測定とを連携させることができる。例えば、あらかじめ衛生洗浄装置の動作と排尿情報の測定とが連携できるように構成されていない衛生洗浄装置であっても、生体情報測定装置に設置することができる。したがって、様々な種類の衛生洗浄装置を設置することができる。また、情報連携部52が万一故障した場合は、情報連携部52のみを交換すればよく、衛生洗浄装置3を交換する必要がない。
【0042】
また、例えば、測定手段制御部54は、局部洗浄が開始されたとき及び便器洗浄が開始されたときに、排尿情報の測定を中止する。このように実施形態に係る生体情報測定装置1においては、通常のトイレとしての機能(便器洗浄や局部洗浄)を優先させることができる。これにより、使い勝手を向上させることができる。例えば、排尿情報を測定する際に、使用者がリモコン12の測定終了スイッチを押し忘れたとしても、便器洗浄スイッチ13aを操作すれば、排尿情報の測定を終了させることができる。また、排尿情報の測定を中止することで、
図9に関して後述する水位測定管36に、便器洗浄時の水が流れ込むことを抑制できるため、水位センサ38等の精密器具が故障することを予防できる。なお、この場合に測定手段制御部54は、排尿情報測定装置5の動作状態を情報連携部52へ送信しなくてもよい。
【0043】
また、情報連携部52と洗浄手段制御部405とは、ケーブルC1により有線で接続されている。情報連携部52と測定手段制御部54とは、ケーブルC3により有線で接続されている。便器洗浄制御部53と便器洗浄手段61とは、ケーブルC2により有線で接続されている。このように、衛生洗浄装置3や排尿情報測定装置5と、情報連携部52とを有線で接続することにより、より確実に通信を行うことができる。但し、実施形態においては、無線通信が用いられてもよい。
【0044】
また、この例では、電波受信部51、情報連携部52及び便器洗浄制御部53は、それぞれ異なる基板上に別体として設けられた回路であり、基板部50として1つのユニットとされている。また、基板部50は、衛生洗浄装置3及び排尿情報測定装置5とは別体であり着脱可能である。但し、電波受信部51、情報連携部52及び便器洗浄制御部53の少なくとも一部を1つの基板上に統合してもよいし、さらに複数の基板上に分割してもよい。また、電波受信部51、情報連携部52及び便器洗浄制御部53を1つのユニットとせずに、別々に設けてもよい。例えば、便器部60が便器洗浄制御部53を含んでもよい。
【0045】
図4及び
図5は、実施形態に係る生体情報測定装置の一部を分解して例示する斜視図である。
図4に示すように、キャビネット18は、前板18f(前面)を有する。前板18fは、開口18aと、開口18aを覆うカバー18bとを有する。
図4では、開口18aのカバー18bをキャビネット18から取り外した状態を示す。
【0046】
図5では、カバー18bを後方から眺めた様子を示す。
図5に示すように、基板部50は、カバー18bの裏側(キャビネット18の内側)に配置される。基板部50は、ケース50cを有し、ケース50cの内部に電波受信部51、情報連携部52及び便器洗浄制御部53が収納されている。ケース50cは、ネジ等の任意の手段によって、カバー18bに対して着脱可能に固定される。
【0047】
例えば掃除などの目的で、便器2や衛生洗浄装置3に外側から水が掛けられることがある。このような場合でも、情報連携部52等(基板部50)をキャビネット18の内側に設けることにより、情報連携部52等に水が掛かりにくくすることができる。
また、カバー18bは、鉛直方向に延在するため水が溜まりにくい。さらに、カバー18b及び情報連携部52等は、便器2のリム2r(
図4参照)よりも上方に配置される。これにより、さらに基板部50に水が掛かりにくくすることができる。
【0048】
図6は、実施形態に係る生体情報測定装置の便器を分解して例示する斜視図である。
便器2の前部には、ボウル22が設けられており、便器2の後部には、凹部2cが設けられている。この凹部2cの中に、便器洗浄手段61の少なくとも一部が配置される。
【0049】
図6に示すように、生体情報測定装置1は、カバー61c(防水カバー)をさらに有する。カバー61cは、便器洗浄手段61及び便器2の凹部2cを上方から覆う。さらにカバー61c及び便器2の後部の周囲は、キャビネット18によって覆われる。これにより、キャビネット18の外周から使用者の排泄や清掃行為による水が供されても、便器洗浄手段61に水が掛かることを防ぐことができる。
カバー61cは、上下方向においてカバー61cを貫通する排水孔61hを有する。カバー61cに水が掛かった場合に、水は便器2の下方へ流れる。また、排水孔61hの下方には電気部品が設けられていない。これにより、万一キャビネット18内に水が浸入しても、高い信頼性を維持することができる。
【0050】
既に述べた通り、衛生洗浄装置3は、便器2に対して着脱可能である。衛生洗浄装置3の着脱には、例えば、
図6に示すベースプレートBPを用いることができる。
図6に示すように、固定プレートFP及びベースプレートBPは、便器2の上面において、凹部2cとボウル22との間に設けられる。ベースプレートBPは、固定プレートFPを介して、ボルト等の任意の手段によって、便器2に固定される。ベースプレートBPの位置は、例えば、キャビネット18の前板よりも前方である。
【0051】
衛生洗浄装置3を便器2に設置する場合には、便器2の上面のリム2rに衛生洗浄装置3を載せて、
図4に示す矢印A1のように衛生洗浄装置3を後方へスライドさせる。これにより、ベースプレートBPに設けられた凹凸と衛生洗浄装置3の下面に設けられた凹凸(不図示)とが係合し、衛生洗浄装置3が便器2に対して固定される。衛生洗浄装置3を便器2から取り外す場合は、
図4に示す矢印A2のように衛生洗浄装置3を前方へスライドさせる。
【0052】
図4及び
図5に関して説明したとおり、情報連携部52等の基板部50は、キャビネット18の前板18fの裏側に配置されている。すなわち、情報連携部52等は、便器2の後ろ側であって、便器2に近接した位置に配置されている。これにより、情報連携部52と衛生洗浄装置3とが有線により接続された場合であっても、衛生洗浄装置3を着脱時に動かしやすい。例えば、掃除の際などに衛生洗浄装置3を前方へスライドさせる場合に、ケーブルが邪魔になりにくい。なお、例えば、衛生洗浄装置3の後部には、基板部50との接続のためのケーブル、電源ケーブル及び給水ケーブルが接続される。
【0053】
図7は、実施形態に係る生体情報測定装置の一部を例示する側面図である。
キャビネット18の前板18fは、前板18fの下部に設けられた凹部18dを有する。すなわち、
図7に示すようにカバー18bの下部は、後方へ向かって凹んだ形状となっている。
【0054】
このような凹部18dを設けることにより、衛生洗浄装置3の後部3rが凹部18d内に位置するように、衛生洗浄装置3を設置することができる。これにより、衛生洗浄装置3を大きいサイズのものに取り換える場合でも、衛生洗浄装置3の前端3fが、便器2の前端2fから前方に突出し過ぎないようにすることができる。例えば、前端3fと前端2fとの間の前後方向に沿った距離を、15ミリメートル程度とすることができる。
【0055】
図8を参照して、衛生洗浄装置3の一例について説明する。
図8は、衛生洗浄装置を例示するブロック図である。なお、
図8は、水路系と電気系の要部構成を併せて表している。
【0056】
例えば、衛生洗浄装置3には、使用者が便座200に座ったことを検知する着座検知センサ(人体検知手段)404が設けられている。着座検知センサ404が便座200に座った使用者を検知している場合において、使用者が例えばリモコン14などの操作部を操作すると、ノズル(洗浄ノズル)473を便器2のボウル22内に進出させることができる。なお、
図1では、ノズル473がボウル22内に進出した状態を表している。
【0057】
ノズル473の先端部には、ひとつあるいは複数の吐水口474(
図1参照)が設けられている。そして、ノズル473は、その吐水口474から水を噴射して、便座200に座った使用者の「おしり」などを洗浄することができる。
【0058】
より具体的に説明すると、衛生洗浄装置3は、
図8に表したように、水道や貯水タンクなどの給水源8から供給された水をノズル473の吐水口474に導く流路20を有する。流路20の上流側には、電磁弁431が設けられている。電磁弁431は、開閉可能な電磁バルブであり、洗浄手段制御部405からの指令に基づいて水の供給を制御する。
【0059】
電磁弁431の下流には、温水ヒータ441が設けられている。温水ヒータ441は、供給された水を加熱し、所定の温水にする。
【0060】
温水ヒータ441の下流には、機能水(殺菌水)を生成可能な機能水生成手段が設けられる。この例では、機能水生成手段として、電解槽ユニット450が設けられている。電解槽ユニット450は、水道水を電気分解して、次亜塩素酸を含む液に変化させる。
【0061】
電解槽ユニット450の下流には、水勢(流量)の調整を行う流量切替弁471と、ノズル473やノズル洗浄室478への給水の開閉や切替を行う流路切替弁472と、が設けられている。ノズル洗浄室478は、ノズルの後方に配置される部材であり、その内部に設けられた吐水部から洗浄水(機能水や水)を噴射することにより、ノズル473の外周表面(胴体)を殺菌あるいは洗浄する。なお、流量切替弁471および流路切替弁472は、1つのユニットとして設けられていてもよい。流量切替弁471および流路切替弁472の下流には、ノズル473が設けられている。
【0062】
ノズル473は、ノズルモータ476からの駆動力を受け、便器2のボウル22内に進出したり後退することができる。つまり、ノズルモータ476は、洗浄手段制御部405からの指令に基づいてノズル473を進退させることができる。
そして、洗浄手段制御部405は、電源回路401から電力を供給され、トイレ室への使用者の入室を検知する入室検知センサ(人体検知手段)402や、便座200の前方にいる使用者を検知する人体検知センサ(人体検知手段)403や、便座200への使用者の着座を検知する着座検知センサ404や、操作部11などからの指示に基づいて、電磁弁431や、温水ヒータ441や、電解槽ユニット450や、流量切替弁471や流路切替弁472や、ノズルモータ476の動作を制御することができる。
【0063】
着座検知センサ404は、便座200に着座した使用者を検知することができる。人体検知センサ403は、便器2の前方にいる使用者を検知することができる。着座検知センサ404及び人体検知センサ403には、例えば、赤外線投受光式の測距センサなどを用いることができる。入室検知センサ402は、トイレ室のドアを開けて入室した直後の使用者等を検知することができる。入室検知センサ402には、例えば、焦電センサやマイクロ波センサなどを用いることができる。
【0064】
情報連携部52が取得する、衛生洗浄装置3の動作状態に関する信号は、例えば、電磁弁431の開閉状態を示す情報を含む。衛生洗浄装置3の動作状態に関する信号は、温水ヒータ441、電解槽ユニット450、流量切替弁471、流路切替弁472、ノズルモータ476の動作状態や、人体検知手段の検知結果を示す情報を含んでもよい。
【0065】
図9を参照して、排尿情報測定装置5の一例について説明する。
図9は、排尿情報測定装置及び便器を例示するブロック図である。なお、
図9は、水路系と電気系との要部構成を併せて表している。
生体情報測定装置1は、ボウル22と排尿情報測定装置5とを連通する連通管9を有する。
【0066】
ボウル22内には、建物の排水配管23内部で発生した悪臭や衛生害虫などが、トイレルームTR内に侵入することを防止するための、溜水21が形成されている。ボウル22内における使用者が排泄した排泄物混じりの溜水21は、便器洗浄により、排水配管23へ排出されるようになっている。
【0067】
また、便器2は、トラップ部25を有している。トラップ部25は、ボウル22及び建物の排水配管23と連通している。また、便器2には、リム吐水孔24及びジェット吐水孔26が設けられている。ボウル22内部を洗浄する際には、まず、リモコン13に設けられた便器洗浄スイッチ13aを押す。すると、便器洗浄制御部53は、リモコン13からの指示に応じて、水道管からの水をリム吐水孔24及びジェット吐水孔26を通じて便器2内へ吐出させる。ジェット吐水孔26から水が吐水されると、トラップ部25に水が満たされる。トラップ部25に水が満たされると、トラップ部25において、サイフォン現象が発生する。このサイフォン現象によって、排水配管23側に負圧が発生する。その結果、ボウル22内の溜水21は、排水配管23へ排出される。
【0068】
排尿情報測定装置5は、補水タンク28と、第1フロートスイッチ29と、第2フロートスイッチ31と、補水ポンプ30と、排水トラップ32と、気圧センサ34と、水位測定管36と、水位センサ38と、検量ポンプ40と、開閉弁42と、手動ボール弁44と、を有している。なお、開閉弁42は、第1開閉弁42a、第2開閉弁42b、第3開閉弁42c、第4開閉弁42d、及び、第5開閉弁42eを有し、それぞれ電力によって動作する電磁弁である。第2開閉弁42b、第3開閉弁42c、第4開閉弁42d、及び、第5開閉弁42eは、連通管9内に設置されており、連通管9内の流路を開閉する。第1開閉弁42aを開状態にすると、水道管から補水タンク28へ水を補給することができる。手動ボール弁44、第2開閉弁42b及び第3開閉弁42cを開状態にすると、ボウル22内の溜水21の水位と水位測定管36内の水の水位とが、同じになる。水位センサ38は、水位測定管36内の水の圧力(水頭圧)を計測し、その圧力を、圧力の大きさに応じた電圧値に変換して、測定手段制御部54に出力する。
【0069】
補水タンク28は、排水トラップ32の上方に設置されている。補水タンク28内に一定量の水が供給されると、排水トラップ32が有するオーバーフロー管32aへ水が排出される。オーバーフロー管32aへ排出された水は、オーバーフロー管32a内を通って、排水トラップ32内に供給される。排水トラップ32は、便器2のトラップ部25より下流側に設けられた建物の排水配管23と連通している。排水トラップ32内に一定量の水が供給されると、排水配管23内へ水が排出される。
【0070】
第1フロートスイッチ29は、補水タンク28内、且つ、補水タンク28の上端に設置されている。第2フロートスイッチ31は、補水タンク28内、且つ、第1フロートスイッチ29より下方に設置されている。第1フロートスイッチ29が水を検出すると、測定手段制御部54は、第1開閉弁42aを閉状態にする。第2フロートスイッチ31が水を検出しなくなると、測定手段制御部54は、第1開閉弁42aを開状態にする。
【0071】
生体情報測定装置1の施工者は、手動ボール弁44を閉状態に操作することによって、便器2と排尿情報測定装置5との接続を解除することができる。
【0072】
次に、生体情報測定装置1による排尿情報の測定方法について説明する。
なお、手動ボール弁44は、常に開状態であるものとする。
衛生洗浄装置に設けられた人体検知手段がトイレルームTRに入室した入室者を検知していない状態(待機状態)において、水位測定管36内の水の水位は、ボウル22内の溜水21の水位である測定開始水位Aより、高い。例えば、待機状態において、水位測定管36内は、略満水状態である。なお、測定開始水位Aは、破封水位Lより高く、溢流水位Hより低い。
【0073】
測定手段制御部54は、後に詳述する測定開始信号を受信する前に、第2開閉弁42b及び第3開閉弁42cを開状態にする。例えば、測定手段制御部54は、人体検知手段がトイレルームTRに入室した入室者を検知すると、第2開閉弁42b及び第3開閉弁42cを開状態にする。
【0074】
第2開閉弁42b及び第3開閉弁42cが開状態になると、水位測定管36内の水の水位は、ボウル22内の溜水21の水位と同じになる。第2開閉弁42b及び第3開閉弁42cが開状態となってから、例えば1秒後、測定手段制御部54は、第2開閉弁42b及び第3開閉弁42cを閉状態にする。
【0075】
入室者が、例えば、入室者自身が持っているバーコードタグをバーコード読取装置10に翳すことで、バーコード読取装置10は、排尿情報の測定開始信号を送信する。なお、例えば、バーコードタグには、入室者自身のパーソナルデータが読み取れるバーコードが記載させている。測定手段制御部54は、人体検知手段が入室者を検知してから、例えば10分間に、測定開始信号を受信すると、第2開閉弁42b及び第3開閉弁42cを、再び開状態にする。人体検知手段が入室者を検知してから、例えば10分間、測定手段制御部54が測定開始信号を受信しなかった場合、排尿情報測定装置5は待機状態に戻る。
【0076】
測定開始信号の受信の後、排尿情報測定装置5が測定可能状態となると、リモコン12に設けられている液晶画面に、「排尿してください」と表示される。このとき、入室者、即ち被験者は、液晶画面に表示された「排尿してください」との文字を視認することによって、排尿動作を開始する。
【0077】
被験者の排尿動作が終了すると、ボウル22内の溜水21の水位は、測定開始水位Aから排尿後水位Cまで上昇する。即ち、ボウル22内の溜水21の水位、及び、水位測定管36内の水の水位は、排尿後水位Cとなる。被験者は、リモコン12に設けられた測定終了スイッチを押すことで、測定手段制御部54に測定の終了を指示することができる。あるいは、被験者は、バーコードをバーコード読取装置10に翳すことで、測定手段制御部54に測定の終了を指示することができる。あるいは、使用者が便器洗浄スイッチ13aを押すことで、測定手段制御部54に測定の終了を指示することができる。
【0078】
測定手段制御部54が測定終了信号を受信すると、測定手段制御部54の指示によって、水位センサ38は、水位測定管36内の水の水圧によって測定された電圧値を測定手段制御部54へ出力する。測定手段制御部54は、入力された電圧値を、予め算出していたボウル22の水位に対する水量の関係式に当てはめることで、ボウル22内の上昇水量、即ち被験者の尿量を算出する。
【0079】
測定手段制御部54は、被験者の尿量だけでなく、例えば、排尿時間(秒)、最大尿流率(mL/秒)、平均尿流率(mL/秒)、最大尿流率到達時間(秒)、ためらい時間(秒)、などの排尿情報を算出する。排尿時間とは、ボウル22内への尿の排出が開始してから、ボウル22内への尿の排出が終了するまでの時間である。最大尿流率とは、単位時間当たりの尿量、即ち排尿速度である尿流率が最大であったときの値である。平均尿流率とは、尿流率の平均値である。最大尿流率到達時間とは、排尿が開始されてから、尿流率の値が最大尿流率の値になるまでの時間である。ためらい時間とは、液晶画面に「排尿してください」と表示されてから、排尿が開始されるまでの時間である。
【0080】
測定手段制御部54による排尿情報の算出が終了すると、測定手段制御部54は、第2開閉弁42b及び第3開閉弁42cを閉状態にする。そして、便器洗浄制御部53は、水道管からの水をリム吐水孔24及びジェット吐水孔26を通じて便器2内へ吐出させる。その結果、上述したサイフォン現象によって、ボウル22内部が洗浄される。
【0081】
ボウル22内の排出動作が終了すると、便器2の図示しない給水手段は、リム吐水孔24からの給水によって、破封水位Lと測定開始水位Aとの間の水位まで粗調整のための給水を実施する。次いで、測定手段制御部54は、第1開閉弁42a、第2開閉弁42b、及び、第5開閉弁42eを開状態にする。また、測定手段制御部54は、補水ポンプ30を駆動させる。補水ポンプ30の駆動によって送水される補水タンク28内の水によって、ボウル22内の溜水21の水位を測定開始水位Aにする。次に、第3開閉弁42cを開状態にし、第2開閉弁42bを閉状態にする。補水ポンプ30の駆動によって送水される補水タンク28内の水によって、水位測定管36内を洗浄する。また、補水ポンプ30の駆動によって送水される補水タンク28内の水によって、水位測定管36内を略満水状態にする。水位測定管36内が略満水状態となったとき、測定手段制御部54は、補水ポンプ30の駆動を停止させる。また、測定手段制御部54は、第1開閉弁42a、第3開閉弁42c、及び、第5開閉弁42eを閉状態にする。その後、排尿情報測定装置5は待機状態に戻る。
【0082】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、便器、便器洗浄手段、衛生洗浄装置、排尿情報測定装置、情報連携部などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置、設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。