特許第6872180号(P6872180)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6872180
(24)【登録日】2021年4月21日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】ユニバーサルシリアルバス管理
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/26 20060101AFI20210510BHJP
   G06F 3/00 20060101ALI20210510BHJP
   G06F 13/14 20060101ALI20210510BHJP
   H04L 29/08 20060101ALN20210510BHJP
【FI】
   G06F1/26
   G06F3/00 Q
   G06F13/14 330F
   !H04L13/00 307C
【請求項の数】13
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-538372(P2017-538372)
(86)(22)【出願日】2015年4月17日
(65)【公表番号】特表2018-514825(P2018-514825A)
(43)【公表日】2018年6月7日
(86)【国際出願番号】US2015026446
(87)【国際公開番号】WO2016167802
(87)【国際公開日】20161020
【審査請求日】2017年9月15日
【審判番号】不服2019-12259(P2019-12259/J1)
【審判請求日】2019年9月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】511076424
【氏名又は名称】ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー.
【氏名又は名称原語表記】Hewlett‐Packard Development Company, L.P.
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ウェン・シー
【合議体】
【審判長】 角田 慎治
【審判官】 林 毅
【審判官】 太田 龍一
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2005/022369(WO,A1)
【文献】 特開2003−29885(JP,A)
【文献】 特開平10−116139(JP,A)
【文献】 特開2012−63817(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F1/26
G06F13/14
G06F13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユニバーサルシリアルバスを管理する方法であって、
ユニバーサルシリアルバスハブコントローラに接続されたデバイスを検知するステップと、
前記デバイスからユニバーサルシリアルバス情報スキームを、通信リソースを用いてフェッチするステップと、
前記ユニバーサルシリアルバス情報スキームを通じて前記デバイスの所要電力を求めるステップと、
前記ユニバーサルシリアルバスハブコントローラに接続された複数のデバイスの総電力消費を、処理リソースを用いて計算するステップと、
表示するユニバーサルシリアルバス情報スキームデータを求めるとともに、表示する該ユニバーサルシリアルバス情報スキームデータを表示するロケーションを含むデータ表示配置を求めるステップと、
該求められたデータ表示配置による前記ユニバーサルシリアルバス情報スキームと、前記総電力消費と、前記ユニバーサルシリアルバスハブコントローラに接続された前記デバイス使用する優先度をユーザに選択させるユーザ設定とを、前記ユニバーサルシリアルバスコントローラに接続された前記デバイスに表示するようにモニタスカラ(monitor scalar)に命令するステップと、
前記ハブコントローラに接続された前記複数のデバイスのうち前記ユーザ設定に従って使用することを選択したデバイスについての総電力消費に基づいて前記デバイスに電力を分配するとともに、前記ユニバーサルシリアルバス情報スキームと前記ユーザ設定とに基づいて前記複数のデバイスの各データ伝送レートでデータを伝送するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記求められたデータ表示配置による前記ユニバーサルシリアルバス情報スキームをビデオコンテンツと多重化するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ユーザ設定は、電力分配プリファレンスである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ユーザ設定は、デバイス電池レベルに基づく、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ユニバーサルシリアルバスハブコントローラは、ユニバーサルシリアルバスタイプCレセプタクルに接続される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
ユニバーサルシリアルバス管理システムであって、
電源装置と、
ユニバーサルシリアルバスハブコントローラと、
ユニバーサルシリアルバスレセプタクルと、
モニタスカラ(monitor scalar)と、
を備え、
前記ユニバーサルシリアルバスハブコントローラは、デバイスから前記ユニバーサルシリアルバスレセプタクルを通じてユニバーサルシリアルバス情報スキームを受信し、別のデバイスからの少なくとも1つの他のユニバーサルシリアルバス情報スキームとともに、表示する前記ユニバーサルシリアルバス情報スキームを表示するロケーションを含むユニバーサルシリアルバスデータの表示配置を求め、
前記モニタスカラは、前記ユニバーサルシリアルバスハブコントローラに接続された前記デバイスを使用する優先度をユーザに選択させるユーザ設定、前記表示配置による前記ユニバーサルシリアルバスデータ及び前記デバイスの総電力消費レベルを、前記ユニバーサルシリアルバスコントローラに接続された前記デバイスに表示し、
前記ユニバーサルシリアルバスハブコントローラは、前記ユーザ設定に従って使用することを選択したデバイスの総電力消費レベルに基づいて前記デバイスに電力を分配するとともに、前記デバイスの前記ユニバーサルシリアルバス情報スキームと前記ユーザ設定とに基づいて前記デバイスの各データ伝送レートでデータを伝送する、
システム。
【請求項7】
前記ユニバーサルシリアルバスデータとビデオデータとを多重化するマルチプレクサを更に備える、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記ユニバーサルシリアルバスハブコントローラは、Inter−Integrated Circuitである、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記ユニバーサルシリアルバスレセプタクルは、タイプCレセプタクルである、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
ユニバーサルシリアルバスを管理するコンピュータプログラムが記憶された非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムは、
ユニバーサルシリアルバスハブコントローラに接続されたデバイスを検知する命令と、
前記デバイスのポートタイプと、前記デバイスがホストに接続されているポートの物理ロケーションに対応するポートのロケーションとを求める命令と、
前記デバイスからユニバーサルシリアルバスデータスキームをフェッチする命令と、
前記ユニバーサルシリアルバスデータスキームを通じて前記デバイスのデータ伝送要件を求める命令と、
前記ユニバーサルシリアルバスコントローラに接続されたデバイス示する要求を受信する命令と、
前記ユニバーサルシリアルバスデータスキームと、前記デバイスの総電力消費レベルと、前記ユニバーサルシリアルバスハブコントローラに接続された前記デバイス使用する優先度をユーザに選択させるユーザ設定とを前記デバイスがホストに接続されているポートの前記物理ロケーションに関連する前記デバイスに表示するようにモニタスカラ(monitor scalar)に指示する命令と、
前記ユーザ設定に従って使用することを選択したデバイスの総電力消費レベルに基づいて前記デバイスに電力を分配するとともに、前記デバイスの前記ユニバーサルシリアルバスデータスキームと前記ユーザ設定とに基づいて前記デバイスの各データ伝送レートをネゴシエートする命令と、
の一組の命令を含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項11】
記データスキームと、前記デバイスの総電力消費レベルと、前記ユーザ設定と、ビデオストリームと、を多重化する命令を更に含む、請求項10に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項12】
前記ユーザ設定は、データ伝送優先プリファレンスに基づく、請求項10に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項13】
前記ユーザ設定は、データ伝送レートプリファレンスに基づく、請求項10に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
消費者部門、商業部門、及び産業部門における電子デバイスは、ホストデバイスに対してデータを送受信するユニバーサルシリアルバス(「USB」)ポート等のデータポートを備えることができる。複数のバージョンのUSB仕様は、単一のケーブル上でデータ、ビデオ、及び電力を伝送する機能も含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0002】
図1】本開示の一例による、USBハブコントローラを備えるデバイスを示す図である。
図2】本開示の一例による、ユニバーサルシリアルバスを管理するフローチャートである。
図3】本開示の一例による、ユニバーサルシリアルバスを管理するプラットフォームとして用いることができるコンピューティングデバイスの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0003】
以下に説明する様々な例は、ハブコントローラに接続されたデバイスの所要電力(power requirement:電力要件)を求めることと、ハブコントローラに接続されたデバイスの総電力消費を計算することと、いずれのUSB情報スキーム(information scheme)、又はUSBデバイスに関連した他のいずれのデータをユーザに表示するのかを判断することと、を含むユニバーサルシリアルバスの管理を提供する。幾つかの例によれば、USB情報スキームは、モニタスカラ(monitor scalar)を用いて、例えば、オンスクリーン表示を通じて、等により表示することもできるし、他のビデオストリーム又はビデオコンテンツと多重化することもできる。電力は、ハブコントローラに接続された全てのデバイスの総電力消費及び/又はユーザ設定若しくはユーザプリファレンス(ユーザ選択)に基づいて分配することができる。
【0004】
幾つかの例では、USB情報スキームは、データ伝送レート、又はユニバーサルシリアルバス若しくは接続されたデバイスに関連した他のデータも含むことができ、データ伝送レート等の値は、ユーザ設定又はユーザプリファレンスに基づくネゴシエーションを含めて、ネゴシエートすることができる。
【0005】
一般に、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレット、モバイルデバイス、プリンタ、小売販売時点デバイス、モニタ、ディスプレイ、及び他のデバイス等の電子デバイス(以下「デバイス」)のユーザは、そのようなデバイスを外部デバイス又は周辺機器に接続することを試みることができる。例えば、モニタのユーザは、そのモニタがハブとしての機能を果たす場合には、そのモニタをタブレット、モバイルデバイス、キーボード、及び/又はラップトップに接続することを試みることができる。
【0006】
USB等の様々な規格は、デバイスを接続してデバイスに電力を供給するのに用いられるケーブル、コネクタ及び通信プロトコルを規定することができる。例えば、USB2.0は、480メガビット毎秒のデータ伝送レート又はシグナリングレートを可能にする、広く用いられている規格である一方、USB3.0は、USB2.0との後方互換性を維持しつつ、5.0ギガビット毎秒をハンドリングすることが可能である。
【0007】
USBタイプCは、USBデバイス用の新たな小型リバーシブルプラグコネクタを規定している。USBタイプCケーブルは、構成データチャネル及びベンダ定義メッセージに基づくチップ及びID機能を備えるアクティブな電子的マーク付き(electronically marked)ケーブルとすることができる。USBタイプCは、最大で10.0ギガビット毎秒のデータ伝送をサポートし、最大で100ワット及び20ボルトを充電する容量を有し、ネイティブなDisplayPortビデオ等のビデオを他のストリームとともに伝送することができる。
【0008】
USBタイプCを通じて接続されるデバイスが多くなるにつれて、例えば、単一のUSBハブコントローラに接続された各デバイスの様々な電力及びデータの伝送要求を管理及び理解することがますます困難になってきている。2つのモバイルデバイスと、1つのタブレットと、1つのラップトップとに接続されたUSBハブコントローラを備えるモニタ(又は「ホストデバイス」)の一例では、これらの接続されたデバイスのそれぞれは、そのデバイス自体の電力及びデータの伝送要件を有することができ、これらの伝送要件は、USBタイプC及び/又はハブコントローラの容量を越える場合がある。
【0009】
例えば、モバイルデバイス及びタブレットのそれぞれは15ワットを要求する場合があり、ラップトップは45ワットを要求する場合があり、合計すると90ワットになる。モニタにおけるハブコントローラが、65ワットの電力源のみによって電力供給を受けている場合、ハブコントローラは、接続されたデバイスの全てに電力供給することができない。そのような例におけるユーザには、現在のところ、各接続されたデバイスの所要電力を視覚的に理解及び管理する方法はなく、電力分配(power distribution:配電)に関するプリファレンス(選好)を視覚化、優先又は設定する方法がない。例えば、ユーザは、消耗した電池(drained battery)を有するモバイルデバイスの充電を、アクティブにアクセスされていないUSBハードディスクへの電力供給よりも優先したい場合がある。
【0010】
同様の例において、モバイルデバイス及びタブレットのそれぞれは、2ギガビット毎秒のデータ伝送を要求する場合がある一方、ラップトップは、5ギガビット毎秒のデータ伝送を要求する場合があり、合計すると11ギガビット毎秒となり、USBタイプCのバージョンの一例のデータ伝送限界を越えている。上記のように、そのような例におけるユーザには、現在のところ、各接続されたデバイスのデータ伝送要件を理解及び管理する方法がなく、データ伝送の限界、上限(caps)、及び/又はスロットリング(throttling)に関するプリファレンスを視覚化、優先、又は設定する方法はない。例えば、ユーザは、さほど時間的制約のないバックアップドライブへのデータ伝送をスロットリングするか、又は遅延させてでも、旅行の前に一組の写真をコピーするためにタブレットへのデータ伝送を優先したい場合がある。
【0011】
これらの問題及びユーザの混乱は、一般に、モニタ等のホストデバイスがUSB2.0等のレガシー接続をサポートすることができることによって悪化する。レガシー接続は、それよりも新しいバージョンのUSB規格とは異なるデータ伝送要件及び電力送達要件を有し、ビデオ等の他の特徴をサポートしない場合がある。ユーザの混乱は、所要電力又はデータ要件が可変であり、例えば、デバイス使用量に基づいて変化しているときに更に悪化する可能性がある。
【0012】
ユニバーサルシリアルバスの管理の一例によれば、USBハブコントローラに接続されたデバイスが検知され、このデバイスからUSB情報スキームがフェッチされる。デバイスの所要電力がUSB情報スキームを通じて求められ、USBハブコントローラに接続された複数のデバイスの総電力消費が計算される。ユーザに表示するUSB情報スキームデータとデータ表示配置(data display arrangement)とが求められ、モニタスカラが、求められたデータ表示配置でUSB情報スキームを表示するように命令される。デバイスへの電力が、ハブコントローラに接続された全てのデバイスの総電力消費と、ユーザ設定とに基づいて分配される。幾つかの例では、USB情報スキームデータは、ビデオストリームと多重化することができる。
【0013】
図1は、本開示の一例による、USBハブコントローラを備えるデバイスを示している。
【0014】
図1は、ホストデバイス104を含む。ホストデバイス104は、モニタ、ディスプレイ、オールインワンコンピュータ、ラップトップ、デスクトップ、プリンタ、小売販売時点デバイス、又は他のデバイスとすることができる。一般に、ホストデバイス104は、様々な又は複数のUSBデバイスがデータ及び/又はビデオを送受信し、及び/又は電力を受信するためのハブとして用いられるデバイスとすることができる。例えば、ホストデバイス104は、多数のUSBポートを有するコンピュータモニタとすることができる。
【0015】
ホストデバイス104は、以下でより詳細に論述する、ホストデバイス104及びUSBデバイスの双方に電力を供給するのに用いることができる電源装置102を備えることができる。電源装置102は、例えば、内蔵電力ユニット、外部電力ブリック若しくは外部電力アダプタ、又は別の電力源とすることができる。幾つかの例では、電源装置102は、100ワットの電力を供給することができる。電源装置102は、AC電力のDC電力への変換等の電力変換も行うことができる。
【0016】
ホストデバイス104は、DisplayPortコネクタ又はポート112等のビデオコネクタを備えることができるモニタスカラ106も備えることができる。モニタスカラ106は、ビデオオーバレイを含めて、スクリーン上にビデオを表示するのに用いることができる。例えば、モニタスカラ106は、オペレーティングシステムによってレンダリングされたコンテンツから分離したオンスクリーン表示又はオンスクリーンメニューを表示するのに用いることができる。
【0017】
ホストデバイス104は、USBハブコントローラ108も備えることができるか、又はUSBハブコントローラ108と通信することができる。USBハブコントローラ108は、集積回路とすることができ、より具体的には、マルチマスタ、マルチスレーブ、シングルエンド型、シリアルコンピュータバスとすることができるInter−Integrated Circuit(「IC」)とすることができる。
【0018】
幾つかの例では、電源装置102は、通信バスを介してモニタスカラ106と通信することができ、モニタスカラ106は、同じ又は別の通信バスを介してUSBハブコントローラ108と通信することができる。
【0019】
USBハブコントローラ108は、USBレセプタクル120、124、128、及び132等のUSBレセプタクル又は「ポート」とも通信することができる。USBレセプタクル120、124、128、及び132は全て、1つの例ではUSBタイプCとすることもできるし、他のUSBポートタイプとすることもできるし、複数のUSBポートタイプの組み合わせとすることもできる。
【0020】
USBハブコントローラ108は、例えば、USBデータライン110A〜110Dを介してUSBレセプタクルと通信することができる。USBハブコントローラ108が、USBデバイスからデータをプルすることもできるし、USBデバイスが、USBハブコントローラ108にデータをプッシュすることもできる。通常のデータペイロードとは別に、USBデータライン110A〜110Dは、プッシュ方法又はプル方法を介してUSBデバイスからUSB情報スキームを伝送することができる。USB情報スキームは、所要電力、データ伝送要件、デバイス名、デバイスタイプ、又はデバイスの識別若しくは使用において有用な他の情報等の、デバイスに関連したデータ又はメタデータを含むことができる。
【0021】
USBハブコントローラ108は、例えば、DC電力118A〜118C又はDC/DC電圧レギュレータ116を介してUSBレセプタクル120、124、128、及び132に電力を供給することもできる。
【0022】
1つの例では、USBデータライン110Dを介したUSBハブコントローラ108からのデータ及びDisplayPort又はMobile High−Definition Link(「MHL」)からのビデオは、USBタイプCレセプタクル132への伝送のために、例えば、MUX114において多重化することができる。多重化は、様々なビデオストリームを単一のストリームに組み合わせることを含むことができる。例えば、以下でより詳細に論述するように、ビデオストリームは、上記で論述したUSB情報スキーム又はUSB情報スキームからのデータのサブセットと多重化することができる。
【0023】
USBレセプタクル120、124、128、及び132は、例として、タブレット122、モバイルデバイス126、キーボード130、及び/又はラップトップ134等の複数のデバイスに接続することができる。上記で論述したように、デバイス122、126、130、及び134のそれぞれは、可変とすることができるそのデバイス自体の所要電力及びデータ伝送要件を有することができる。
【0024】
図2は、本開示の一例による、ユニバーサルシリアルバスを管理するフローチャートを示している。
【0025】
ブロック202において、ユニバーサルシリアルバスハブコントローラに接続されたデバイスが検知される。デバイスは、例えば、図1のタブレット122とすることができる。このタブレットは、レセプタクル120又はUSBハブコントローラ108によって検知することができる。
【0026】
ブロック204において、デバイスからのユニバーサルシリアルバス情報スキームがフェッチされる。上記で論述したように、USB情報スキームは、所要電力、データ伝送要件、デバイス名、デバイスタイプ、又はデバイスの識別若しくは使用において有用な他の情報等の、デバイスに関連したデータ又はメタデータを含むことができる。例えば、デバイス122のUSB情報スキームは、15ワットの所要電力、1ギガビット毎秒のデータ伝送レート、及び「ユーザのタブレット」というデバイス名を含むことができる。
【0027】
ブロック206において、ユニバーサルシリアルバス情報スキームを通じたデバイスの所要電力が求められる。例えば、上記で論述したUSB情報スキームをパースして、タブレットの所要電力が15ワットであることを求めることができる。幾つかの場合には、所要電力は可変とすることができる。
【0028】
ブロック208において、ユニバーサルシリアルバスハブコントローラに接続された複数のデバイスの総電力消費が計算される。図1の例では、70ワットの総電力消費を計算することができる。ブロック208は、ホストデバイス、例えばホストデバイス104への電源装置が或る特定のワット数である、例えば、電源装置102の場合には100ワットであることを検知することも含むことができる。
【0029】
ブロック210において、ユーザに表示するユニバーサルシリアルバス情報スキームデータがデータ表示配置とともに求められる。例えば、デバイス名及び電力消費レベルのみがユーザに提示されるべきであり、データ伝送レートは表示されるべきでないとの決定を行うことができ(すなわち、データ伝送が関係していないか又は重要でないデバイスの場合)、デバイス名は、モニタ等のホストデバイス上のポートの物理ロケーションに関連してスクリーン上に表示される。別の例では、デバイス名は、各デバイスのデータ伝送要件を有する縦方向リストに表示することができる。更に別の例では、USBタイプC等のUSBタイプを表すロゴ、アイコン、又はグラフィックを、所要電力及びデータ伝送レートの双方、又はUSB情報スキームからの他のデータとともに、デバイスごとに表示することができる。いずれのデータを表示するのか及びロケーションの決定は、デバイスタイプ、ユーザプリファレンス、製造業者設定、又はデバイスに関係する他の因子に基づくことができる。
【0030】
幾つかの例では、ブロック210において表示されるデータは、ユーザがプリファレンス又は他のユーザ設定を設定するためのオプションも含むことができる。例えば、ユーザは、電力分配若しくはデータ伝送、又は設定された上限、限界、閾値、警告、又は他のメトリック(尺度)若しくは順序の観点から或るデバイスを別のデバイスに優先することができる場合がある。別の例では、表示は、電力消費、データ伝送、又はUSB情報スキームからパース又は導出された他のデータの合計又は総量を含むことができる。
【0031】
ブロック212において、モニタスカラは、ユニバーサルシリアルバス情報スキームを、求められたデータ表示配置で表示するように命令される。1つの例では、データは、デバイスがプラグ接続されたとき、ホストデバイスがオンにされたとき、又はユーザのキー入力若しくは他の入力に応答して、オンスクリーンメニューとして表示することができる。上記で論述したように、ブロック212において表示されるデータは、オペレーティングシステムからのコンテンツ等の他のデータ又はビデオストリームと多重化することができる。
【0032】
ブロック214において、デバイスへの電力が、ハブコントローラに接続された全てのデバイスの総電力消費と、例えばユーザ設定とに基づいて分配される。例えば、ユーザは、アクティブにアクセスされていないUSBハードディスクへの電力の供給よりも、消耗した電池を有するモバイルデバイスの充電を優先したい場合がある。
【0033】
他の例では、ブロック214は、データ伝送レート、又はUSBハブコントローラに接続されたUSBデバイスに関連付けられた他の値を分配、割り当て、又はネゴシエートすることを含むことができる。
【0034】
図3は、本開示の一例による、ユニバーサルシリアルバスを管理するプラットフォームとして用いることができるコンピューティングデバイスの概略図を示している。
【0035】
一例では、デバイス300は、USBデバイスのハブとしての機能を果たすデバイスとすることができる。デバイス300は、電力源308を備えることができ、この電力源は、外部電池、内部電池、若しくは一体化された電池、又は電力をデバイス300に供給することが可能な他の電池とすることもできるし、AC電力等の配線接続された電力源とすることもできる。幾つかの例では、電力源308は、LiION電池とすることができる。
【0036】
デバイス300は、プロセッサ、CPU、組み込みコントローラ、又は他のプロセッサ等の処理リソース302と、RAM、フラッシュメモリ、又は他のメモリ記憶装置等のメモリ304とを備えることができる。デバイス300は、電力源308と通信することが可能なPMIC又は他のデバイスも備えることができる。デバイス300は、ディスプレイ、ステータスライト、スピーカ、又は他の出力への接続等の出力も有することができる。
【0037】
デバイス300は、ビデオストリームを変換することができ、及び/又は、例えば、ディスプレイ又はスクリーンに出力することができるモニタスカラ306も備えることができる。幾つかの例では、モニタスカラ306は、オペレーティングシステムビデオドライバ又は他のデバイスドライバからのビデオストリーム又はビデオデータ等の他のビデオコンテンツ上にオンスクリーン表示又はオンスクリーンメニューをオーバレイすることを可能にすることができる。モニタスカラは、他の構成要素の中でも特にマルチプレクサと通信することができる。
【0038】
デバイス300は、USBハブコントローラ310も備えることができ、このUSBハブコントローラは、上記で論述したように、集積回路とすることができ、より具体的には、Inter−Integrated Circuit(「IC」)とすることができる。USBハブコントローラ310は、複数のUSBレセプタクル又はポートを備えることができ、これらのUSBレセプタクル又はポートは、USBタイプC、別のバージョンのUSB規格、又はそれらの組み合わせとすることができる。
【0039】
プロセッサ302は、非一時的コンピュータ可読記憶媒体に記憶された命令を実行することができる。これらの構成要素のそれぞれは、バスに動作可能に結合することができる。
【0040】
図に説明された動作の幾つか又は全ては、ユーティリティ、プログラム、又はサブプログラムとして任意の所望のコンピュータ可読記憶媒体に含めることもできるし、ハードウェアに組み込むこともできる。コンピュータ可読媒体は、実行のために処理リソース302に命令を提供することに関与する任意の適した媒体とすることができる。例えば、コンピュータ可読媒体は、光ディスク又は磁気ディスク等の不揮発性媒体とすることもできるし、メモリ等の揮発性媒体とすることもできる。コンピュータ可読媒体は、ネットワーク又はインターネットからダウンロードされた命令を含む他のマシン可読命令も記憶することができる。加えて、上記動作は、マシン可読命令によって具現化することができる。例えば、上記動作は、ソースコード、オブジェクトコード、実行可能コード、又は他のフォーマットのマシン可読命令として存在することができる。
【0041】
命令312は、例えば、USBハブコントローラに接続されたデバイス(複数の場合もある)を検知する命令と、ポートタイプ(複数の場合もある)を求める命令と、デバイス(複数の場合もある)からUSB情報スキーム(複数の場合もある)をフェッチする命令と、USB情報スキーム(複数の場合もある)を通じて、接続されたデバイス(複数の場合もある)のデータ伝送要件を求める命令と、オンスクリーンメニューを表示する要求(複数の場合もある)を受信する命令と、USB情報スキーム(複数の場合もある)を表示するようにモニタスカラに指示する命令と、データ伝送レート(複数の場合もある)をネゴシエートする命令とを含むことができる。
【0042】
或る特定の例において、本明細書において実行されるプロセスの幾つか又は全ては、オペレーティングシステム内に統合することができる。或る特定の例において、これらのプロセスは、少なくとも部分的に、デジタル電子回路、コンピュータハードウェア、マシン可読命令、又はそれらの任意の組み合わせにおいて実施することができる。
図1
図2
図3