(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図示の実施形態に基づき本発明を詳説する。
本発明に係る理美容サインポール装置は、
図1に示すように、電動モータMによって回転駆動される円筒状の回転筒体1と、回転筒体1を外嵌状に包囲する透明乃至半透明の外筒体(保護筒体)2と、外筒体2の基端部(下端部)2aを支持すると共に電動モータMが内部に配設されるケース部材6と、外筒体2の先端部(上端部)2bに施蓋状に取着されるキャップ部材7と、回転筒体1を内部から照らすためのLED灯3と、を備えている。
【0010】
回転筒体1は、電動モータMの駆動回転軸Mdに外嵌状に取着した円形状の回転盤10に、基端部(下端部)1aが固着され、電動モータMの駆動力を、回転盤10を介して受けて筒軸心L1廻りに回転駆動する。
【0011】
LED灯3は、キャップ部材7に吊下状に取着され回転筒体1の内部に配設される灯器具(灯支持具)30に、着脱(交換)自在に取着されている。
LED灯3は、直管型(直管型蛍光灯を模した形状)であって、給電用口金ピン部や接地用口金ピンを有している。
灯器具30は、反射板、給電側ソケット部、接地側ソケット部を有し、電源線や接地線等のコードが接続されて、直管型のLED灯3に電気を供給可能に構成している。
【0012】
ここで、LED灯3が点灯すると、LED素子や電源回路部(AC−DC変換部)等が発熱する。なお、図示省略するが、電源回路部は、例えば、直管型LED灯3の灯筒内部や外部、或いは、灯器具30の内部や外部に設けている。いずれにしても、回転筒体1の内部に配設されている。
【0013】
そして、LED灯3の点灯に伴う熱(上述の発熱)が、回転筒体1の内部にこもる(滞留する)と、LED素子は熱に弱いため、短命化や故障の原因となる。
そこで、回転筒体1の内部に、下方(基端側)から上方(先端側)へ換気流を発生させる換気用の羽根体5を設けている。
【0014】
羽根体5は、回転筒体1(の内周面)と一体状に設けられた板状の換気用フィン51と、電動モータMの駆動回転軸Mdに一体状に設けられた(外嵌状に取着する)プロペラ型の換気用ファン52と、を備えている。羽根体5は、換気用フィン51及び換気用ファン52の少なくとも一方を備えていれば良い。
【0015】
換気用フィン51は、回転筒体1の内周面側からラジアル内方突状に設けられ、回転筒体1の筒軸心L1廻りに所定ピッチをもって配設され、回転筒体1と一体に回転して(回転筒体1の回転を利用して)、換気流を発生させる。また、換気用フィン51は、回転筒体1の内部に上昇する換気流を発生可能に筒軸心L1に対して傾斜状に配設している。
【0016】
換気用ファン52は、回転盤10に挿通した駆動回転軸Mdと一体に回転して、換気流を発生させる。換気用ファン52は、2枚羽根や4枚羽根等のブレードプロペラ型又はスクリュープロペラ型(プロペラファン)、多翼型(多翼ファン)、斜流型(斜流ファン)、混流型(混流ファン)等自由である。
【0017】
また、
図3に示すように、羽根体5は、回転盤10に一体に設けて良い。つまり、回転盤10の上面10aに、電動モータMの角柱状の駆動回転軸Md(
図1参照)が挿入される上方突出状の角筒型の筒部12を設け、その筒部12からラジアル外方へ突出する複数枚の羽根を設ける(固着する)も良い。又は、回転盤10の上面10aに、フィンや羽根を起立状、かつ、筒軸心L1に対して捩じり形状に固着した構造とするも良い。このように、羽根体5を回転盤10と一体に設けることで、製作及び組立が容易となる。
【0018】
つまり、羽根体5は、回転筒体1を回転駆動するための電動モータMの駆動力を利用して回転するように設けている。言い換えると、回転筒体1の回転駆動源と、羽根体5の回転駆動源とを、1つの電動モータMで共用(併用)としている。従って、電動モータMが1つで良く、軽量化、構造の簡素化、省エネルギー化を実現できる。
さらに言い換えると、羽根体5は、回転筒体1と一体乃至連動して回転するように設けている。つまり、回転筒体1が回転すれば羽根体5も回転するように設けている。
【0019】
そして、羽根体5は、LED灯3の下方位置かつ、回転筒体1の基端部(下端部)1aにおいて、外周面がケース部材6によって外部から目隠しされている部位に対応して設けている。LED灯3が点灯した場合に、回転筒体1の外周面に羽根体5が投影されても、ケース部材6により、外部から目視できず、広告訴求力や美観を損ねない。
【0020】
ケース部材6は、装置外部の空気(エア)を吸い込むためのエア取込孔61を有している。
回転盤10は、ケース部材6内から回転筒体1内へ空気を流すためのエア流入孔11を有している。
キャップ部材7は、回転筒体1の先端開口部(上端開口部)1dから排出される換気流を、キャップ部材7の内部へ流すための開口部71を有している。
そして、キャップ部材7の天井壁部77に、上方開口状の排気用孔部78を貫設し、さらに、排気用孔部78と連通連結する排気ダクト8を取着(固着)している。
【0021】
排気ダクト8は、キャップ部材7の排気用孔部78と連通連結する導入口部8dと、中間のUターン部8eと、換気流を装置外部へ排出する排気口8fと、を有し、換気流を、装置上部から外方へ(キャップ部材7の排気用孔部78から装置外部へ)誘導すると共に、装置上部から(キャップ部材7の排気用孔部78から装置内部へ)雨水が浸入するのを防止するU字乃至J字状に形成されている。
【0022】
回転筒体1は、外周面に、理美容店があることを表示(広告)する螺旋模様や店名等の装飾が施されている。また、回転筒体1は、透光性を有する樹脂製であって、内部のLED灯3が点灯することで回転筒体1全体が光っているように見える。
【0023】
外筒体2は、半透明乃至透明の樹脂製であって、回転筒体1の外周面に施した広告や店名やデザイン等の装飾や、回転筒体1を透過したLED灯3の明かり(照明光)が、外部から視認可能なものである。外筒体2は、円形筒状に限らず、角筒状であっても良い。
【0024】
また、回転筒体1と外筒体2の間に、ケース部材6とキャップ部材7を連結する補強用の支柱部材67を、複数本、設けている。
また、図示省略するが、キャップ部材7と回転筒体1の先端部(上端部)1bとの間に、回転筒体1を回転自在に保持して、回転筒体1の先端部1bの振れや倒れを規制する滑り部材を設けるのが望ましい。
【0025】
次に、本発明の理美容サインポール装置の作用(使用方法)について説明する。
電動モータMの駆動回転軸Mdが回転すると、換気用ファン52は回転筒体1と同じ回転数(rpm)をもって筒軸心L1廻りに回転(自転)し、換気用フィン51は回転筒体1と一体に筒軸心L1廻りに回転(公転)する。
【0026】
羽根体5の回転によって、装置外部からエア取込孔61とエア流入孔11を介して回転筒体1の内部に空気が吸い込まれると共に、回転筒体1の内部に下方から上方(軸心一方側Naから軸心他方側Nb)へ送流する換気流が発生する。
【0027】
LED灯3の点灯に伴う熱(LED素子や電源回路部の発熱)は、換気流によって、搬送され、回転筒体1の先端開口部1dから排出される。
さらに、熱をもった換気流は、キャップ部材7の開口部71を介して、キャップ部材7内部に送られ、排気用孔部78を介して排気ダクト8へ送られる。
【0028】
排気ダクト8内の気流は、Uターン部8eにて方向変換され、基端側(軸心一方側Na)へ向かって開口する(下方開口状の)排気口8fから排出される。回転筒体1の内部に熱がこもらず、LED灯3への熱による悪影響が防止され、所定の(適正な)寿命が得られる。
【0029】
また、屋外での使用において、雨が降っても、排気ダクト8は、軸心他方側Nbへ膨らむ弯曲凸状のUターン部8eを有しているので、排気ダクト8を介してキャップ部材7内へ雨水が浸入するのを阻止する。また、キャップ部材7と外筒体2とケース部材6によって装置内部の電動モータM等の電気機器や回転筒体1は雨水から保護されている。
【0030】
次に、
図2に示す他の実施形態について説明する。
図2に示した実施形態は、
図1を用いて説明した実施形態と比べて、ケース部材6がキャップ型である。また、ケース部材6の外壁部とキャップ部材7の外壁部とを連結する連結部材91と、鉛直面状の壁や柱等の被取付部Kに固着されると共に連結部材91が取着する取付金具92と、を備え、取付金具92に対して、連結部材91を水平状の枢着軸心廻りに揺動自在かつ固定可能に枢着したものである。
そして、回転筒体1が先端上傾状姿勢(筒軸心L1が傾斜状)に保持されている。
このように設けることで、本装置を高所に設けることができ、訴求力を向上できると共に、店前スペースを有効利用できる。また、盗難を防止できる。他の構成及び作用効果は、
図1の実施形態と同様である。
【0031】
なお、本発明の説明を容易にするために、回転筒体1を、筒軸心L1が鉛直状となるように配設した場合を基準姿勢として、方向を説明している。したがって、方向を基に、使用状態の姿勢を限定するものではない。例えば、
図2のような先端上傾状姿勢からさらに傾けて、筒軸心L1が水平状となるような使用も可能である。
つまり、上下方向を言い換えると、下方は、軸心一方側Naであり、上方は、軸心他方側Nbと言える。
【0032】
なお、本発明は、設計変更可能であって、ケース部材6は、
図1に示すような基台型や、車輪を有する台車型、
図2に示すようなキャップ型等自由である。
羽根体5は、回転筒体1の内部であれば良く、軸心一方側Na及び軸心他方側Nbの少なくとも一方に設ければ良い。例えば、回転筒体1の先端部1bにおいて、外周面がキャップ部材7によって外部から目隠しされている部位に対応して設けても良い。
【0033】
換気用フィン51は、回転筒体1の内周面に沿って、筒軸心L1廻りに螺旋状に連続又は間欠的に設けたスパイラル型であっても良い。
換気用ファン52は、駆動回転軸Mdに固着せず、羽根(ブレード)の先端を、回転筒体1の内周面に固着して(軸無しファンとして)、回転筒体1と一体とするも良い。
また、換気用ファン52は、駆動回転軸Mdに取着せず、電動モータMの駆動回転軸Mdによって、回転筒体1の内部で回転する部材(回転軸)に取着すれば良い。
【0034】
また、図示省略するが、電動モータMの駆動回転軸Mdを、回転筒体1の筒軸心L1から偏心した位置に配設し、回転筒体1と同軸心状に従動回転軸を設け、その従動回転軸を、電動モータMの駆動回転軸Mdと、歯車やプーリ、チェーンやベルト、円錐台状の摩擦部材等の動力伝達部材を介して連動連結して、回転筒体1や回転盤10を回転させるように構成しても良い。この場合、換気ファン52は従動回転軸に設ける。
つまり、換気ファン52は、回転筒体1の筒軸心L1と同軸心状に配設されて回転する軸(駆動回転軸Mdや従動回転軸や回転盤10に突設した軸等)に、設ければ良い。
電動モータMが減速機構部を有している場合は、減速機構部の出力軸を、電動モータMの駆動回転軸Mdと呼ぶ。
【0035】
LED灯3は、直管型に限らず、細帯型(テープ型)であっても良く、筒軸心L1に沿って配設可能な直線状であれば良い。或いは、電球型や板型(フラット型)、チューブ型とするも良い。灯器具30はLED灯3を支持可能であれば良い。
【0036】
また、
図1及び
図2において、LED灯3へ電気を供給するLED用電源コード39は、ケース部材6内部から、外筒体2の筒壁部に設けた配線用孔部を挿通させ、キャップ部材7を介して、回転筒体1の先端開口部1dから灯器具30に接続しているが、支柱部材67をパイプ状として、支柱部材67内を挿通させるも良い。或いは、上述の従動回転軸をパイプ状として、従動回転軸にLED用電源コード39を挿通させて灯器具30の下端部に接続するも良い。
【0037】
以上のように、本発明の理美容サインポール装置は、電動モータMにて回転駆動される回転筒体1と、該回転筒体1を内部から照らすためのLED灯3と、を備え、上記回転筒体1の内部に、下方から上方へ換気流を発生させる換気用の羽根体5を設けたので、LED灯3が点灯している際に発生する熱が、回転筒体1の内部にこもらず、LED灯3への悪影響を防止でき、LED灯3本来の寿命や品質を得ることができる。発熱量の多いAC−DC変換器を使用でき、家庭用電源(交流)を直流に変換してLED灯3を点灯できる(LED灯3専用の直流バッテリーが不要となる)。
【0038】
また、下方から上方への上記換気流を、装置上部から外方へ誘導すると共に、装置上部から雨水が浸入するのを防止するU字乃至J字状の排気ダクト8を付設したので、換気流をスムーズに排気して内部の熱を外方へ放出し、かつ、雨水の浸入を防止して屋外に設置できる。