特許第6872254号(P6872254)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6872254
(24)【登録日】2021年4月21日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】分電盤
(51)【国際特許分類】
   H02B 1/40 20060101AFI20210510BHJP
【FI】
   H02B1/40 A
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-57471(P2019-57471)
(22)【出願日】2019年3月25日
(62)【分割の表示】特願2015-69572(P2015-69572)の分割
【原出願日】2015年3月30日
(65)【公開番号】特開2019-92390(P2019-92390A)
(43)【公開日】2019年6月13日
【審査請求日】2019年4月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000109598
【氏名又は名称】テンパール工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】奥谷 悠磨
(72)【発明者】
【氏名】松本 雄多
(72)【発明者】
【氏名】品田 邦明
【審査官】 関 信之
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−163719(JP,A)
【文献】 特開平09−261808(JP,A)
【文献】 特開2014−187752(JP,A)
【文献】 特開2005−065448(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02B 1/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の分岐開閉器の夫々に設けられた操作のためのハンドルを露出させる開口部が形成された樹脂製の本体カバーを備え、
前記本体カバーの前記開口部近傍には、
夫々の分岐開閉器の配設位置に対応する表示銘板を貼り付ける位置を明確化する回路情報表示部と、供給電源情報を表示する回路情報表示部とが本体カバーの表面から一段掘下げる樹脂成型により予め表面側に本体カバーと一体に設けられるとともに、
前記表示銘板を貼り付ける位置を明確化する回路情報表示部には、前記回路情報表示部の表面から掘下げる樹脂成型により負荷回路番号が形成され、
供給電源情報を表示する回路情報表示部には、前記回路情報表示部の表面から掘下げる樹脂成型により供給電源表示が形成されることを特徴とする分電盤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分電盤に関する。特に、回路名称及び回路番号等の確認を容易に行うことが可能な本体カバーを有する分電盤に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な分電盤は、基台と、基台に嵌合する本体カバーと、基台と本体カバーに収納されて複数の負荷機器に電源を供給するための配電機器と、備えて構成されている。
【0003】
配電機器は、主開閉器や分岐開閉器等、負荷側の回路に電源を供給する機器から成る。本体カバーには配電機器から電源を供給される負荷機器の名称を表示する負荷回路名称表示部、負荷機器へ電源を供給する配電機器の回路番号を表示する負荷回路番号表示部、分電盤へ電源を供給するための供給電源情報を表示する供給電源表示部が形成され、分電盤を取付施工する施工者や居住者に対して配電機器の電気的な接続情報を提供している。
【0004】
このような配電機器の回路接続情報を表示するための負荷回路名称表示部、負荷回路番号表示部、及び供給電源表示部においては、通常、負荷機器の名称や、配電機器の回路番号や、分電盤へ電源を供給するための供給電源情報を表示した表示銘鈑や表示カードを設けることにより、負荷機器の名称、回路番号、供給電源情報等を表記していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−345644号公報
【特許文献2】特開2005−065448号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記表示銘鈑を用いて負荷機器の名称、回路番号、供給電源情報等を表記する場合には、分電盤の組立工程中、銘鈑の貼付行程において、該表示銘板を本体カバーに貼付ける必要があるが、分電盤の本体カバーに貼付位置の指標となるものがなく、貼
付位置を定めにくいという課題があった。貼付時において、少しでも歪んで貼付けた場合、長方形状の分電盤外郭に対して平行とならず歪みが目立ち、美観が損なわれるという課題があった。また、平行を保って貼付けるために専用の貼付用治具を作成する必要が生じるなど、表示銘鈑の貼付作業の工程コストが増加する課題があった。
【0007】
表示銘鈑の傾きが発生した場合には、銘鈑を張り替える必要が生じ、作業効率の低下を招く恐れがあった。
【0008】
一方、前記表示カードを用いて負荷機器の名称、回路番号、供給電源情報等を表記する場合には、表示カードの所定の取付位置に該表示カードを取付けることにより取付が完了するから分電盤の本体カバーに対して該表示カードを取付けるための表示カード支持手段を配設させる必要があり、表示カードの取付けに係る構造を新たに設けるためのコストがかかるという課題があった。
【0009】
そこで本発明は、表示カードを用いず、表示銘鈑を用いて負荷機器の名称、回路番号、供給電源情報等を表記する場合においても、分電盤組立時に作業効率を低下させることなく、本体カバーの構造も単純かつ本体カバーの製造コストを増加させることのない分電盤を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様に係る分電盤は、複数の分岐開閉器の夫々に設けられた操作のためのハンドルを露出させる開口部が形成された樹脂製の本体カバーを備え、前記本体カバーの前記開口部近傍には、夫々の分岐開閉器の配設位置に対応する表示銘板を貼り付ける位置を明確化する回路情報表示部と、供給電源情報を表示する回路情報表示部とが本体カバーの表面から一段掘下げる樹脂成型により予め表面側に本体カバーと一体に設けられるとともに、前記表示銘板を貼り付ける位置を明確化する回路情報表示部には、前記回路情報表示部の表面から掘下げる樹脂成型により負荷回路番号が形成され、供給電源情報を表示する回路情報表示部には、前記回路情報表示部の表面から掘下げる樹脂成型により供給電源表示が形成されることを特徴とするものである。
【0011】
本態様によると、前記本体カバーには樹脂成型により回路情報表示部が樹脂成型により一体に設けられているため、表示銘鈑を本体カバーに貼付ける場合において、表示銘鈑を所定の回路情報表示部に沿って安定して貼付作業を行うことができる。このため作業効率が低下することがない。
【0012】
また、本体カバーには、回路情報表示部を予め成型により設けているため、回路情報表示のための構造が複雑にならない。このため、本体カバーの製造コストを増加させることなく本体カバーを提供することができる。
【0013】
また、上記分電盤において、回路情報表示部を、前記本体カバーの表面又は裏面に設けてもよい。これにより、本体カバーの表面側、裏面側どちらにおいても回路情報表示を行うことができ、施工者、居住者のどちらにとっても回路情報が把握しやすくなる。
【0014】
また、上記分電盤において、前記回路情報表示部に、前記分岐開閉器に対応する負荷回路名称を成型して設けてもよい。これにより、表示銘鈑の貼付作業が省略化できるとともに、予め設定された負荷回路名称と異なる部分のみ、表示銘鈑を貼り付けることができるから作業効率を向上させることができる。また、居住者において、負荷回路名称を変更するときには、その部分のみ表示銘鈑を張り替えることにより対応できるから利便性を向上させることができる。
【0015】
また、上記分電盤において、前記回路情報表示部に、前記分岐開閉器に対応する負荷回路番号を本体カバーと一体に成型して設けてもよい。これにより、表示銘鈑の貼付作業が
省略化できるとともに、予め設定された負荷回路番号と異なる部分のみ、表示銘鈑を貼り付けることができるから作業効率を向上させることができる。また、居住者において、負荷回路番号を変更するときには、その部分のみ表示銘鈑を張り替えることにより対応できるから利便性を向上させることができる。
【0016】
また、上記分電盤において、前記回路情報表示部に、前記分岐開閉器に対応する供給電源表示を本体カバーと一体に成型して設けてもよい。これにより、表示銘鈑の貼付作業が省略化できるとともに、予め設定された供給電源表示と異なる部分のみ、表示銘鈑を貼り付けることができるから作業効率を向上させることができる。また、居住者においては、供給電源表示を張り替える可能性は少ないが、経年的な点検時において、供給電源を変更するときには、その部分に表示銘鈑を張り付けることにより対応できるから将来的な利便性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、表示カードを用いず、表示銘鈑を用いて負荷機器の名称、回路番号、供給電源情報等を表記する場合においても、分電盤組立時に作業効率を低下させることなく、本体カバーの構造も単純かつ本体カバーの製造コストを増加させることのない分電盤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態を示す分電盤の平面図を示す。
図2】(a)は、主幹ハンドルカバーおよび分岐ハンドルカバーを取り外した状態の分電盤の平面図を示し、(b)は、該状態における分電盤の斜視図を示す。
図3】上記分岐ハンドルカバーの平面図を示す。
図4】分岐開閉器を通る上記分電盤の断面図
図5】負荷回路名称表示部の拡大図を示す。
図6】負荷回路番号表示部の拡大図を示す。
図7】供給電源表示部の拡大図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係る分電盤1の平面図を示す。図2の(a)は、主幹ハンドルカバーおよび分岐ハンドルカバーを取り外した状態の分電盤1の平面図を示し、図2の(b)は、該状態における分電盤の斜視図を示す。
【0020】
分電盤1は、基台2、本体カバー3、配電機器としての主開閉器4、同じく配電機器としての複数の分岐開閉器5、主幹ハンドルカバー11、および分岐ハンドルカバー12(ハンドルカバー)を備える。主開閉器4は、開閉(導通/遮断)の切り替え操作を行うための主幹ハンドル4aを備える。分岐開閉器5は、開閉の切り替え操作を行うための分岐ハンドル5a(ハンドル)を備える。主開閉器4および複数の分岐開閉器5は、基台2に取り付けられる。本体カバー3は、分電盤1の内部に設けられた配線(母線等)を覆うように、基台2に対して取り付けられる。本体カバー3は、主幹ハンドル4aに対応する箇所に第1開口窓3aを有し、複数の分岐ハンドル5aに対応する箇所に第2開口窓3bを有する。ここでは、基台2、本体カバー3、主幹ハンドルカバー11、および分岐ハンドルカバー12は、樹脂製であるが、これに限らず、金属製であってもよい。
【0021】
また、配電機器として、主開閉器4と複数の分岐開閉器5を示しているが、主開閉器4に代えて、入線電線を接続する端子台を用いて構成する態様であってもよい。
【0022】
本体カバー3には、2つの取手部6が設けられている。取手部6は、本体カバー3を基台2に固定するための部材であるとともに、本体カバー3を基台2から取り外すための部
材である。なお、本体カバー3における互いに対向する2つの側面のそれぞれには、それぞれの取手部6を配置するための凹部の空間が設けられている。取手部6は、当該凹部の空間内において可動であるように配置されている。このように、凹部の空間内に取手部6が設けられることにより、本体カバー3の取り外し作業が容易化される。これにより、分電盤1のメンテナンス作業が容易化される。
【0023】
(主幹ハンドルカバーの構成)
主幹ハンドルカバー11は、第1開口窓3aを覆うように、本体カバー3に取り付けられる。主幹ハンドルカバー11および本体カバー3の第1開口窓3a周辺には、対応する凸部と凹部が設けられている。凸部と凹部とが係合することにより、主幹ハンドルカバー11が本体カバー3に固定される。主幹ハンドルカバー11は、工具を使用することなく外側からユーザの手によって着脱(開閉)することができる。主幹ハンドルカバー11は、少なくとも部分的に透明または半透明であることが好ましい。これにより、主幹ハンドルカバー11が閉まった(取り付けられた)状態でも、ユーザは外側から主幹ハンドルカバー11を通して主幹ハンドル4aの状態を見ることができる。
【0024】
固定された軸を中心に回動して開く回動式に比べて、着脱式の主幹ハンドルカバー11の方が、軸等が壊れることがなく、主幹ハンドルカバー11が前側に回動するスペースが必要ない。そのため、小さい(狭い)スペースで分電盤1を使用(設置)することができる。
【0025】
なお、主幹ハンドルカバー11は、着脱式ではなく、固定された軸を中心に回動して開く構成(回動式)であってもよい。主幹ハンドルカバー11が回動式であっても、主幹ハンドルカバー11は、主開閉器4の主幹ハンドル4aに対応した第1開口窓3aを覆う大きさで十分である。そのため、主幹ハンドルカバー11を開けるための前面側のスペースが小さくて済む。
【0026】
(分岐ハンドルカバーの構成)
図3は、分岐ハンドルカバー12の平面図を示す。分岐ハンドルカバー12は、板状の部材であり、長方形状の外形を有する。分岐ハンドルカバー12は、樹脂製であり、かつ、薄い板状であるため、弾性変形可能である。分岐ハンドルカバー12は、複数(ここでは4つ)の切り欠き12aを有する。ここでは、切り欠き12aは、円弧状であるが、三角形状であってもよいし、四角形状であってもよく、任意の形状であってよい。複数の切り欠き12aは、分岐ハンドルカバー12の少なくとも1つの中心軸に対して対称となるように、分岐ハンドルカバー12に形成されてもよい。例えば、複数の切り欠き12aが縦の中心軸に対して対称に形成されている場合、縦の中心軸に対して分岐ハンドルカバー12を180°回転させた状態でも、元の状態と同じように分岐ハンドルカバー12を本体カバー3に取り付けることができる。水平の中心軸に対して対称な場合、および中心に対して対称な場合についても同様である。分岐ハンドルカバー12は、少なくとも部分的に透明または半透明であることが好ましい。これにより、分岐ハンドルカバー12が閉まった(取り付けられた)状態でも、ユーザは外側から分岐ハンドルカバー12を通して分岐ハンドル5aの状態を見ることができる。
【0027】
図4は、分電盤1の、分岐開閉器5を通る断面図である。図4は、(a)から(c)にかけて、分岐ハンドル5aが動く様子を示す。分岐ハンドル5aが動く軌跡と干渉しないように、分岐ハンドルカバー12は配置される。すなわち、分岐ハンドルカバー12は、分岐ハンドル5aの動作範囲より外側、より具体的には、分岐ハンドル5aの動作範囲の最も高い位置よりも高い位置に配置される。各分岐開閉器5は、分電盤1に電源を供給するための3種類の母線17のうちの2つに接続されている。
【0028】
(本体カバーにおける回路情報表示)
本体カバー3には、回路情報を表示するための回路情報表示部が予め樹脂成型にて設けられる。
【0029】
図5には、回路情報表示部が設けられた分電盤1の斜視図を示している。本実施形態においては、本体カバー3の表面側に回路情報表示部が設けられた例を示している。回路情報表示部として3種類の表示部を設けており、夫々、負荷回路名称表示部31、負荷回路番号表示部32、そして供給電源表示部33である。
【0030】
(負荷回路名称表示部の構成)
負荷回路名称表示部31は、本体カバー3の第2開口窓3bの近傍であって図中において下方に矩形状の領域にて設けられている。第2開口窓3bは、その大きさが分岐開閉器5の並設状態に合わせて設けられているが、分岐開閉器5の並設方向を幅方向とした場合に、負荷回路名称表示部31も、該第2開口窓3bの幅方向の長さに合わせた大きさで設けられている。
【0031】
負荷回路名称表示部31における矩形状の領域は、本体カバー3の表面から一段掘下げることにより構成されている。本実施形態の場合には、前記本体カバー3の表面から0.5mm掘下げて構成することにより、表示銘鈑を貼り付ける位置を明確化している。
【0032】
また、負荷回路名称表示部31には、夫々の分岐開閉器5の配設位置に対応して、分岐開閉器5の幅方向の大きさごとに線状の区分け用凹部11aを成型にて形成している。本実施形態の場合には、負荷回路名称表示部31における表面からさらに0.3mm掘下げて構成することにより、区分け用凹部を形成している。
【0033】
このように、分岐開閉器5の配設位置に対応して負荷回路名称表示部31を設けることにより、表示銘鈑を貼り付ける時の位置が明確化し、作業効率が向上する。また、居住者においては、分岐開閉器5と接続された配電機器を判断しやすくなる。
【0034】
また、本体カバー3の表面側だけでなく、裏面側においても負荷回路名称表示部31を形成することができる。裏面側に形成する場合においては、本体カバー3の第2開口窓3bの近傍であって図中において下方に矩形状の領域にて設けるとよい。
【0035】
その大きさについては、表面側と同様、第2開口窓3bの幅方向の長さに合わせた大きさで設けるとよい。
【0036】
なお、負荷回路名称表示部として、第2開口窓3bにおける、架設部16が立設する面において、負荷回路名称表示部を形成しても同様な効果を奏する。
【0037】
(負荷回路番号表示部の構成)
負荷回路番号表示部32は、前記負荷回路名称表示部31の領域内において、該負荷回路名称表示部31の表面からさらに0.3mm掘下げて構成することにより、負荷回路番号表示部32を形成している。
【0038】
負荷回路番号表示部32は、分岐開閉器5毎に対応して、線状の区分け用凹部11aにて区分けされる領域毎に設けられている。
【0039】
図5中、1から12まで連番で記載している数字は、回路番号を示しており、0.3mm掘下げられた負荷回路番号表示部32の表面から0.3mm突設させて設けている。即ち、これら数字の表面の高さは、負荷回路名称表示部31の表面の高さと同等である。
【0040】
このように、分岐開閉器5の配設位置及び負荷回路名称表示部31と対応して負荷回路番号表示部32を設けることにより、表示銘鈑を貼り付ける時の位置が明確化し、作業効率が向上する。また、居住者においては、分岐開閉器5と接続された配電機器を判断しやすくなる。
【0041】
また、本体カバー3の表面側だけでなく、裏面側においても負荷回路番号表示部32を形成することができる。裏面側に形成する場合においては、本体カバー3の第2開口窓3bの近傍であって図中における下方に矩形状の領域にて設けるとよい。
【0042】
その大きさについては、表面側と同様、第2開口窓3bの幅方向の長さに合わせた大きさで設けるとよい。
【0043】
なお、負荷回路番号表示部32として、第2開口窓3bにおける、架設部16が立設する面において、負荷回路番号表示部を形成しても同様な効果を奏する。
【0044】
(供給電源表示部の構成)
供給電源表示部33は、本体カバー3の第1開口窓3aの近傍であって図中において下方に矩形状の領域にて設けられている。第1開口窓3aは、その大きさが主開閉器4の大きさに合わせて設けられているが、供給電源表示部33も、該第1開口窓3aの幅方向の長さに合わせた大きさで設けられている。
【0045】
供給電源表示13における矩形状の領域は、負荷回路名称表示部31と同様、本体カバー3の表面から一段掘下げることにより構成されている。本実施形態の場合には、前記本体カバー3の表面から0.5mm掘下げて構成することにより、表示銘鈑を貼り付ける位置を明確化している。
【0046】
また、供給電源表示13においても、本体カバー3の表面側だけでなく、裏面側において形成することができる。裏面側に形成する場合においては、本体カバー3の第1開口窓3aの近傍であって図中において下方に矩形状の領域にて設けるとよい。
【0047】
なお、供給電源表示部33として、第1開口窓3aにおける、周縁部において形成しても同様な効果を奏する。
【0048】
なお、本実施形態の分電盤1は、住宅用の分電盤にも適用可能であるが、遊技機(例えば、パチンコ台またはスロット台)向けに特に好適である。その理由について、以下に述べる。
【0049】
一般的に、複数の遊技機は、島と称される複数のグループごとに電気的な制御が行われる。そして、上述の島の電気的な制御を行うための分電盤(制御盤)は、島盤と称される。遊技機がパチンコ台である場合には、島盤は台の上の部分に設置されることが標準的である。他方、遊技機がスロット台である場合には、島盤は台の下の部分に設置されることが標準的である。このように、一般的に島盤の設置位置は制限されることが多い。従って、島盤は、上下左右が壁に密接した狭いスペース内に設置されることとなる。このため、島盤のメンテナンス作業を行う場合には、島盤のカバーを取り付けるための作業スペースも、非常に狭くなる。
【0050】
しかしながら、本実施形態の分電盤1によれば、上述した通り、主開閉器4の主幹ハンドル4aに対応した箇所に主幹ハンドルカバー11を設け、分岐開閉器5の分岐ハンドル5aに対応した箇所に分岐ハンドルカバー12を設けている。そのため、狭いスペース内
に分電盤1を配置することができる。また、分電盤1では、主幹ハンドル4aおよび分岐ハンドル5aが、それぞれ主幹ハンドルカバー11および分岐ハンドルカバー12に覆われているため、パチンコ玉またはコイン等の物体が主幹ハンドル4aおよび分岐ハンドル5aに接触することを防ぐことができる。
【0051】
以上のように、本実施形態の分電盤1は、遊技機用の島盤に特に好適な構成である。なお、本実施形態の分電盤1の構成は、遊技機用の島盤のメンテナンス作業の効率化を目的として、本願の発明者によって新たに見出されたものである。
【0052】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0053】
1 分電盤
2 基台
3 本体カバー
4 主開閉器
5 分岐開閉器
11 負荷回路名称表示部
12 負荷回路番号表示部
13 供給電源表示部
16 架設部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7