特許第6872267号(P6872267)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6872267
(24)【登録日】2021年4月21日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】半中空型アクチュエータモジュール
(51)【国際特許分類】
   B25J 19/00 20060101AFI20210510BHJP
【FI】
   B25J19/00 A
【請求項の数】10
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2019-536185(P2019-536185)
(86)(22)【出願日】2017年3月21日
(65)【公表番号】特表2020-504680(P2020-504680A)
(43)【公表日】2020年2月13日
(86)【国際出願番号】KR2017003024
(87)【国際公開番号】WO2018135698
(87)【国際公開日】20180726
【審査請求日】2019年6月27日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0008602
(32)【優先日】2017年1月18日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519233870
【氏名又は名称】ロボティズ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ROBOTIS CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】キム、ビョン ス
(72)【発明者】
【氏名】ウム、ヨン ジン
【審査官】 樋口 幸太郎
(56)【参考文献】
【文献】 韓国公開特許第10−2017−0004709(KR,A)
【文献】 特開2011−218488(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2017−0004713(KR,A)
【文献】 韓国登録特許第10−1384095(KR,B1)
【文献】 特開昭62−208888(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータ、減速機及び制御回路が内蔵される半中空型アクチュエータモジュールであって、
前記モータに連結される駆動側(active)シャフトが貫通結合される第1のハウジングと、
前記第1のハウジングに結合され、前記駆動側シャフトに対応する位置にアイドラ部が結合される第2のハウジングとを含み、
前記アイドラ部は、
内部に中空部が形成される円板状の被動側(passive)アイドラと、
中心部に向かって陥没して形成される貫通溝を外周面に有し、前記被動側アイドラを前記第2のハウジングに回転可能に固定する結合部材とを含み、
前記中空部と、前記貫通溝とを介して、前記第2のハウジング内にケーブルが通され、
前記第2のハウジングは、中心部に向かって陥没した形状の移動溝が前記貫通溝に対応する位置に形成され、
前記ケーブルは、前記移動溝を介して前記第2のハウジング内に通される
ことを特徴とする半中空型アクチュエータモジュール。
【請求項2】
前記結合部材は、前記被動側アイドラの中空部に挿入され、前記第2のハウジングに結合される
請求項1に記載の半中空型アクチュエータモジュール。
【請求項3】
前記被動側アイドラは、
結合孔が備えられ、内部に中空部が形成される円板と、
前記円板の内周面から垂直に延びて形成される係止突起とを含み、
前記結合部材は、
長手方向に中空部が形成されて前記第2のハウジングに結合され、前記貫通溝が形成される円筒と、
前記貫通溝が形成される領域を除く前記円筒の一端から垂直に延びる離脱防止段差とを含む
請求項2に記載の半中空型アクチュエータモジュール。
【請求項4】
前記第1のハウジングの側面に、ケーブルの端部のコネクタに接続可能な端子部が形成される
請求項1に記載の半中空型アクチュエータモジュール。
【請求項5】
前記第2のハウジングの側面に貫通部が形成され、前記貫通部を介して、前記端子部に接続されるケーブルが前記第2のハウジング内に通される
請求項4に記載の半中空型アクチュエータモジュール。
【請求項6】
前記端子部は、前記第1のハウジングの両側面にそれぞれ備えられる
請求項4に記載の半中空型アクチュエータモジュール。
【請求項7】
前記第2のハウジングは、
前記結合部材が結合される上段部と、
前記上段部と同じ高さに備えられる下段部と、
前記上段部と前記下段部との間に備えられ、前記第1のハウジングに向かって凹んだ形状の上下段連結部とを含む
請求項4に記載の半中空型アクチュエータモジュール。
【請求項8】
前記上段部は、前記アイドラ部が装着される位置に装着溝が前記第1のハウジングに向かって凹んだ形状に形成される
請求項7に記載の半中空型アクチュエータモジュール。
【請求項9】
前記上下段連結部に結合され、前記端子部に接続されるケーブルの端部のコネクタの脱落を防止する側面突出部を有するカバー部をさらに含む
請求項7に記載の半中空型アクチュエータモジュール。
【請求項10】
前記駆動側シャフトと前記被動側アイドラは、同軸上に備えられる
請求項1に記載の半中空型アクチュエータモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半中空型アクチュエータモジュールに関し、特にモータ及び減速機を内蔵するアクチュエータモジュールにおいて、配線(ケーブル)の接続構造を改善することにより、他のアクチュエータモジュールやモジュール連結部材などに結合する際に配線が絡まる問題を解決した半中空型アクチュエータモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、アクチュエータモジュールは、駆動装置(モータ)と減速機を内蔵し、一般産業用はもとより家庭用や教育用としても広く用いられている。特に、複数のアクチュエータモジュールを結合すると、複雑な動作が行える多関節ロボットを実現できることから、近年、さらに注目を集めている。
【0003】
図1は、規格化されたアクチュエータモジュールとそれらモジュールの連結部材を複数繰り返し結合してヒューマノイド型多関節ロボットを実現した実際の写真である(特許文献1を参照)。このようなロボットにおいては、各アクチュエータモジュールを所定の規則に従って制御しなければならないので、全てのアクチュエータモジュールに電源及び信号伝達のための配線を接続しなければならない。
【0004】
図2は、アクチュエータモジュール(下部)とモジュール連結部材(上部)を結合した状態を示す。アクチュエータモジュールを複数結合するためには、アクチュエータモジュールの駆動軸を中心にモジュール連結部材に連結しなければならず、このような複数のアクチュエータモジュール及びモジュール連結部材の結合構造が繰り返されても、図1の形態又は作製者が所望する様々な形態のロボットを作製することができる。
【0005】
アクチュエータモジュールをモジュール連結部材又は他のアクチュエータモジュールに連結する場合、配線の処理が重要となる。特に、複数のアクチュエータモジュールを中央処理装置又は中央制御器で制御する場合は、制御及び検知のための複数の配線が必要となるが、その配線の処理がアクチュエータモジュールの駆動を妨げないようにしなければならない。また、配線が複雑に絡まっていると、外観もよくない。
【0006】
特に、ロボットを構成するアクチュエータモジュールが多くなると、配線処理がさらに困難になるので、それによってアクチュエータの駆動範囲が制限されたり、ロボットの構造を多様化できなくなるなどの問題が生じることもある。
【0007】
図1及び図2に示すアクチュエータモジュールにおいては、アクチュエータモジュールの外郭を構成するハウジングの各側面に配線が通過する貫通孔を有する突出構造物が設けられているが、このような構造物を用いる場合も、依然としてアクチュエータモジュールの駆動範囲(回動範囲)が制限され、また突出構造物自体が複数のアクチュエータモジュールを連結する際に障害物として作用することもある。さらに、外観が優れない印象を与えることもある。図1に示すヒューマノイド型ロボットの場合、腕部や脚部から外部に接続される配線がロボットの駆動を妨げていることが分かる。
【0008】
なお、前記では家庭用又は教育用ロボットの例を挙げてアクチュエータモジュールの配線処理問題について言及したが、前記問題はその大小の差はあるものの、全てのアクチュエータモジュールが必然的に有する問題である。よって、アクチュエータモジュールの配線処理問題を解決できる改善された形態のモジュール構造が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする技術的課題は、アクチュエータモジュールの配線処理問題を解決できる新規なモジュール構造を提供することにある。
【0010】
本発明が解決しようとする技術的課題は、前述した技術的課題に限定されるものではなく、言及していない他の技術的課題は、以下の記載から本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解される。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記技術的課題を達成するために、本発明の一実施形態は、半中空型アクチュエータモジュールを提供する。
【0012】
本発明の実施形態において、モータ、減速機及び制御回路が内蔵されてもよい半中空型アクチュエータモジュールは、モータに連結される駆動側(active)シャフトが貫通結合される第1のハウジングと、第1のハウジングに結合され、駆動側シャフトに対応する位置にアイドラ部が結合される第2のハウジングとを含み、アイドラ部は、内部に中空部が形成される円板状の被動側(passive)アイドラと、中心部に向かって陥没して形成される貫通溝を外周面に有し、アイドラを第2のハウジングに回転可能に固定する結合部材とを含み、中空部と、貫通溝とを介して、第2のハウジング内にケーブルが通されることを特徴とする。
【0013】
本発明の実施形態において、結合部材は、アイドラの中空部に挿入され、第2のハウジングに結合されてもよい。
【0014】
本発明の実施形態において、第2のハウジングは、内側に向かって凹状となる移動溝が貫通溝に対応する位置に形成され、ケーブルは、移動溝を介して第2のハウジング内に通されてもよい。
【0015】
本発明の実施形態において、アイドラは、結合孔が備えられ、内部に中空部が形成される円板と、円板の内周面から垂直に延びて形成される係止突起とを含み、結合部材は、長手方向に中空部が形成されて第2のハウジングに結合され、貫通溝が形成される円筒と、貫通溝が形成される領域を除く円筒の一端から垂直に延びる離脱防止段差とを含んでもよい。
【0016】
本発明の実施形態において、第1のハウジングの側面に、ケーブルの端部のコネクタに接続可能な端子部が形成されてもよい。
【0017】
本発明の実施形態において、第2のハウジングの側面に貫通部が形成され、貫通部を介して、端子部に接続されるケーブルが第2のハウジング内に通されてもよい。
【0018】
本発明の実施形態において、端子部は、第1のハウジングの両側面にそれぞれ備えられてもよい。
【0019】
本発明の実施形態において、第2のハウジングは、結合部材が結合される上段部と、上段部と同じ高さに備えられる下段部と、上段部と下段部との間に備えられ、内側に向かって凹状に形成される上下段連結部とを含んでもよい。
【0020】
本発明の実施形態において、上段部は、アイドラ部が装着される位置に装着溝が内側に向かって凹状に形成されてもよい。
【0021】
本発明の実施形態において、上下段連結部に結合され、端子部に接続されるケーブルの端部のコネクタの脱落を防止する側面突出部を有するカバー部をさらに含んでもよい。
【0022】
本発明の実施形態において、シャフトとアイドラは、同軸上に備えられてもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明の実施形態によれば、アクチュエータモジュールの配線処理問題を解決できる新規なモジュール構造を提供することができる。このようなアクチュエータモジュール構造により、配線の絡みや断線問題が予防され、さらに通信不良の問題も減少する。さらに、アクチュエータモジュールの外観の審美性が向上する。これらの効果は、特にアクチュエータモジュールを複数繰り返し結合して多関節ロボットを作製する場合にさらに有用になる。
【0024】
本発明の効果は、これらに限定されるものではなく、本発明の詳細な説明又は特許請求の範囲に記載されている発明の構成から推論できるあらゆる効果が含まれるものと理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】従来のアクチュエータモジュールを用いたヒューマノイド型多関節ロボットの写真
図2】従来のアクチュエータモジュールとモジュール連結部材を結合した状態を示す説明図
図3】本発明の一実施形態による半中空型アクチュエータモジュールの斜視図
図4】本発明の一実施形態による半中空型アクチュエータモジュールの側面図
図5】本発明の一実施形態による半中空型アクチュエータモジュールの分解斜視図
図6】本発明の一実施形態による半中空型アクチュエータモジュールにケーブルを接続した状態を示す斜視図
図7】本発明の一実施形態による半中空型アクチュエータモジュールとモジュール連結部材を結合した状態を示す斜視図
図8】本発明の一実施形態による半中空型アクチュエータモジュールとカバー部を示す分解斜視図
図9】本発明の一実施形態による半中空型アクチュエータモジュールとカバー部を結合した状態を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面を参照して本発明について説明する。しかしながら、本発明は、様々な異なる形態で実現され得るので、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。また、図面において、本発明を明確に説明するために説明に関係のない部分は省略し、明細書全体を通して類似の部分には類似の符号を付した。
【0027】
明細書全体を通して、ある一部分が他の部分と「連結(接続、接触、結合)」されているという場合、それには「直接連結」されているものだけでなく、その間にさらに他の部材を介して「間接的に連結」されているものも含まれる。また、ある一部分がある構成要素を「含む」という場合、それは特に断らない限り他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに備えてもよいことを意味するものである。
【0028】
本発明に用いられる用語は、単に特定の実施形態について説明するために用いられるものであり、本発明を限定しようとする意図はない。単数の表現には、文脈からみて明らかに他の意味を有さない限り、複数の言い回しを含む。本発明における「含む」、「有する」などの用語は、明細書に記載されている特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはそれらの組み合わせが存在することを示すためのものであり、1つまたはそれ以上の他の特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはそれらの組み合わせの存在または付加可能性を予め排除するものではない。
【0029】
以下、添付図面を参照し、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0030】
図3は、本発明の一実施形態による半中空型アクチュエータモジュール1の斜視図であり、図4は、本発明の一実施形態による半中空型アクチュエータモジュール1の側面図である。
【0031】
本発明の一実施形態による半中空型アクチュエータモジュール1は、第1のハウジング10と、第2のハウジング20とを含む。
【0032】
ここで、アクチュエータ(actuator)は、動力を用いて機械又は器具を動作させる装置であり、主に電気モータを用いて実現される。半中空型アクチュエータモジュール1は、駆動部としてのモータと共に、減速機及びそれらの制御回路を内蔵して構成される。
【0033】
第1のハウジング10と第2のハウジング20をまとめてハウジングというが、このようなハウジングは、半中空型アクチュエータモジュール1の外郭又は外形を構成し、その内部にあるモータ、減速機、制御回路を保護する構成要素である。ハウジングには、他のアクチュエータモジュールと直接結合するための構造や、他のアクチュエータモジュールに連結するためのモジュール連結部材に結合するための構造が形成されてもよい。他のアクチュエータモジュールは、本願発明の半中空型アクチュエータモジュール1であってもよく、他の構造のアクチュエータモジュールであってもよい。
【0034】
第1のハウジング10には、モータ(図示せず)に結合される駆動側(active)シャフト30が貫通結合されてもよい(図4を参照)。すなわち、半中空型アクチュエータモジュール1に内蔵されるモータから駆動力を受けたシャフト30が第1のハウジング10の一面に設けられる。このシャフト30には、外部部材に連結できる構造、例えば、結合溝やホーン構造が一体又は分離可能に設けられてもよい。アクチュエータモータとシャフト30との間には減速機が備えられてもよい。
【0035】
第1のハウジング10は、一体に形成されてもよく、それとは異なり、分離可能なサブハウジングから構成されてもよい。例えば、同図に示すように、第1のハウジング10は、第1のサブハウジング11と、第2のサブハウジング12とを含んでもよい。第1のサブハウジング11内には、例えば減速機が内蔵されてもよく、第2のサブハウジング12内には、例えばモータが内蔵されてもよく、このような第1のハウジング10の分離型構造により、さらに効率的に内部空間を区画することができ、組立及び分離を容易に行うことができる。
【0036】
一方、第1のハウジング10の側面には、端子部13が備えられてもよい。端子部13には、ケーブル100が電気的に接続されてもよく(図6を参照)、ケーブル100と端子部13を介して半中空型アクチュエータモジュール1に内蔵されるモータに電流を供給することもでき、半中空型アクチュエータモジュール1に内蔵される制御回路と電気的に信号をやり取りすることもできる。ここで送受信される信号は、モータの駆動のための制御信号や、半中空型アクチュエータモジュール1に内蔵されるセンサからの検知信号などであってもよい。ケーブル100の端部にはコネクタ110が設けられ、このコネクタ110が端子部13に結合されてもよい(図6を参照)。
【0037】
端子部13は、第1のハウジング10の両側面にそれぞれ備えられてもよいが、この場合も配線連結の利便性に応じて、どちらか一側面の端子部13のみを用いてもよい。
【0038】
また、第1のハウジング10の外面、すなわち第1のハウジング10の側面、上面、下面の少なくとも1つの面には、他のアクチュエータモジュールやモジュール連結部材に結合するための第1の結合溝14、15が形成されてもよい。第1の結合溝14、15内には、ナット部が内周面に沿って形成されてもよい。同図に示すように、第1のハウジング10及び第2のハウジング20の外面は、ほぼ平面に形成されてもよく、第1の結合溝14、15を介して他のアクチュエータモジュールやモジュール連結部材にネジ(ボルト)結合することができる。
【0039】
第2のハウジング20は、第1のハウジング10に結合される。第2のハウジング20は、第1のハウジング10の他面、すなわちシャフト30が貫通設置された面の反対面に結合されてもよい。
【0040】
第1のハウジング10と第2のハウジング20は、ボルトBにより結合されてもよく、このようなボルトBは、第2のハウジング20の一面に備えられる複数のボルト孔から挿入されて第1のハウジング10の内側面に形成されるナット部に結合されてもよい。第1のハウジング10と第2のハウジング20の結合方式として、その他の方式、例えば凹凸構造などによる嵌め合わせ方式、その他の構造的方式、接着方式など、いかなる方式を用いてもよいことは言うまでもない。
【0041】
第2のハウジング20には、駆動側シャフト30に対応する位置に装着部21が形成されてもよく(図5を参照)、装着部21には、アイドラ部40が装着されてもよい。装着部21は、アイドラ部40と同じ形状に形成されるので、アイドラ部40の離脱を防止することができる。
【0042】
アイドラ部40は、被動側(passive)アイドラ41と、アイドラ41を第2のハウジング20に回転可能に結合する結合部材42とを含む。アイドラ41は、円板状に形成され、中心部には中空部413が形成される(図5を参照)。ここで、中空部413は、半中空状に形成されてもよい。結合部材42は、アイドラ41の中空部413に挿入され、第2のハウジング20に結合されてもよい。結合部材42と第2のハウジング20の結合は、ボルト50が結合部材42の中心部に形成される中空部424から挿入され、第2のハウジング20の内側面に形成されるナット部に結合されるようにしてもよい。結合部材42の最大直径は、アイドラ41の中空部413の最大直径よりも大きく形成され、アイドラ41は、アイドラ41の中空部413に挿入されて第2のハウジング20に結合される結合部材42により、第2のハウジング20に回転可能に配置されてもよい。
【0043】
すなわち、第2のハウジング20の一面には、駆動側シャフト30と同軸位置に装着部21が形成され、装着部21にアイドラ41が回転可能に配置されてもよい。
【0044】
アイドラ41は、半中空型アクチュエータモジュール1に内蔵されるモータから駆動力が伝達されるのではなく、単に駆動側シャフト30が他部材に駆動力を伝達する際に他部材を支持する役割を果たす。
【0045】
図7に示すように、半中空型アクチュエータモジュール1が他部材、すなわちモジュール連結部材200に連結されると、アイドラ41がモジュール連結部材200を支持することになるが、その詳細については後述する。
【0046】
第2のハウジング20の側面には、貫通部22が備えられてもよい。貫通部22を介して、端子部13に接続されるケーブル100が第2のハウジング20の内側に通されてもよい。一方、貫通部22を使用しない場合は、貫通部22からハウジングの内側に異物などが流入することがあるので、貫通部22を遮蔽するカバー部材(図示せず)が貫通部22に備えられてもよい。また、カバー部材を第2のハウジング20から除去すると貫通部22が形成されるようにしてもよい。
【0047】
第2のハウジング20の前面には、第2の結合溝24が備えられてもよい。第2の結合溝24は、第1の結合溝14、15と同様に、他のアクチュエータモジュールやモジュール連結部材に結合するためのものである。また、第2の結合溝24内には、内周面に沿ってナット部が備えられてもよい。
【0048】
図5は、本発明の一実施形態による半中空型アクチュエータモジュール1の分解斜視図であり、図6は、本発明の一実施形態による半中空型アクチュエータモジュール1にケーブル100を接続した状態を示す斜視図である。
【0049】
同図に示すように、第1のハウジング10には、駆動側シャフト30を設けるための第1の中空部16が設けられ、第2のハウジング20には、第1のハウジング10の第1の中空部16に対応する位置に、アイドラ部40を設けるための装着部21が備えられる。それによって、駆動側シャフト30とアイドラ41は同軸上に備えられてもよい。
【0050】
ここで、アイドラ41は、中心部に中空部413が形成される円板411と、円板411の内周面から垂直に延びて形成される係止突起412とを含む。ここで、円板411には、結合孔414が形成されてもよい。結合孔414には、他のアクチュエータモジュール又はモジュール連結部材が固定結合されてもよい。
【0051】
結合部材42は、長手方向に中空部424が形成され、中心部に向かって陥没して形成される貫通溝421を外周面に有し、第2のハウジング20に結合される円筒422と、貫通溝421が形成される領域を除く円筒422の一端から垂直に延びる離脱防止段差423とを含む。結合部材42は、アイドラ41の回転に伴って回転するわけではないので、貫通溝421を貫通するケーブル100もアイドラ41の回転に影響されない。
【0052】
装着部21には、アイドラ部結合溝211が備えられてもよく、アイドラ部結合溝211には、内周面に沿ってナット部が形成されてもよい。よって、結合部材42は、ボルト50によりアイドラ部結合溝211に結合されてもよい。
【0053】
第2のハウジング20は、貫通溝421に対応する位置に、移動溝23が形成されてもよい。移動溝23は、貫通溝421を貫通したケーブル100の移動を案内する溝であり、貫通溝421と同じ形状に形成されてもよい。ケーブル100は、貫通溝421及び移動溝23を介して第2のハウジング20の内部に通されるので、アイドラ41が回動しても、ケーブル100は、アイドラ41に伴って回転するわけではなく、絡まない。
【0054】
第2のハウジング20は、上段部201と、下段部203と、それらの間に備えられる上下段連結部202とを含む。上段部201の前面には、アイドラ部40を結合できる装着部21、及びケーブル100を移動させる移動溝23が形成されてもよく、下段部203は、上段部201と実質的に同じ高さになるように形成されてもよい。上下段連結部202は、上段部201と下段部203との間に備えられ、内側に向かって凹状に形成されてもよい。本発明の実施形態によれば、上下段連結部202には、カバー部60が結合されてもよい。それについては、図8を参照して後述する。
【0055】
結合部材42の貫通溝421及び第2のハウジング20の移動溝23を介してハウジング内に通されたケーブル100は、第2のハウジング20の側面に形成される貫通部22を介して、第1のハウジング10に備えられる端子部13に電気的に接続されてもよい。すなわち、ケーブル100の端部のコネクタ110が端子部13に結合されてもよいが、コネクタ結合の構造は公知であるので詳細な説明は省略する。
【0056】
貫通溝421及び移動溝23を介してケーブル100がハウジングの内部に通されると、ケーブル100がアイドラ41の回転駆動に影響されないので、断線が防止され、ケーブル100の絡みも発生しない。すなわち、本発明の配線(ケーブル)接続構造により、配線を効果的にハウジングの外側に通すことができる。
【0057】
図7は、本発明の一実施形態による半中空型アクチュエータモジュール1とモジュール連結部材200を結合した状態を示す斜視図である。
【0058】
モジュール連結部材200は、本体部210と、本体部210の両側面に垂直に設けられる第1の垂直部220及び第2の垂直部230とを含んでもよい。第1の垂直部220は、第2の中空部221と、第2の中空部221の周囲に沿って形成されるネジ穴222とを含んでもよい。ネジ穴222とアイドラ41の結合孔414は、ボルトで結合されてもよい。図7には示していないが、第2の垂直部230は、第1の垂直部220と同様に、中空部及びネジ穴が備えられてもよく、駆動側シャフト30に結合されてもよい。
【0059】
半中空型アクチュエータモジュール1がモジュール連結部材200に結合される場合も、ケーブル100は、結合部材42の貫通溝421及びモジュール連結部材200の第2の中空部221を介して、半中空型アクチュエータモジュール1の内部に通されてもよい。よって、半中空型アクチュエータモジュール1の駆動に伴ってモジュール連結部材200が回転動作しても、ケーブル100が絡まない。また、ケーブル100によりモジュール連結部材200の回転動作が妨げられることもない。ケーブル100を接続した後にケーブル100が容易に抜けないようにし、整頓された外観を保つために、カバー部60を結合してもよい。
【0060】
図8は、本発明の一実施形態による半中空型アクチュエータモジュール1とカバー部60を示す分解斜視図であり、図9は、本発明の一実施形態による半中空型アクチュエータモジュール1とカバー部60を結合した状態を示す斜視図である。
【0061】
同図に示すように、カバー部60は、第2のハウジング20の上下段連結部202の周辺に結合されて設けられ、第2のハウジング20の外面の一部を形成する。カバー部60は、長方形状のカバー本体61と、カバー本体61の各コーナーから垂直に突出するように設けられた側面突出部62とを含む。突出部62は、コネクタ110と第2のハウジングとの間の空間に嵌合されてもよい。
【0062】
カバー部60が第2のハウジング20に結合されると、カバー部60の側面突出部62は、端子部13に接続されるケーブル100の端部のコネクタ110と接するようになり、それにより、コネクタ110は、端子部13からの脱落が防止される。また、カバー部60が結合された半中空型アクチュエータモジュール1は、ハウジングの内部が完全に外部と遮断されているので、内部に流入する異物による誤作動が防止される。
【0063】
端子部13に接続されるケーブル100は、第2のハウジング20の移動溝23及び結合部材42の貫通溝421を介して外部に通されてもよく、図8及び図9に示すように、カバー部60の内側を介して外部に通されてもよい。本発明による半中空型アクチュエータモジュール1のハウジング構造により、ユーザは、半中空型アクチュエータモジュール1の配線をアイドラ部40及び第2のハウジング20の貫通部22を経てハウジングの内部に通すことができるようになり、それによって配線の絡みや断線問題が予防され、通信不良の問題が減少するだけでなく、半中空型アクチュエータモジュール1の外観の審美性が向上する。特に、半中空型アクチュエータモジュール1に他のアクチュエータモジュール又はモジュール連結部材200を結合して多関節ロボットを作製する場合に、このような配線処理により設計の自由度が高まり、円滑にアクチュエータを駆動することができる。
【0064】
前述した本発明の説明は例示のためのものであり、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更することなく、他の具体的な形態に容易に変形できることを理解するであろう。よって、前述の実施形態はあくまで例示的なものであり、限定的なものでないことを理解すべきである。例えば、単一型で説明された各構成要素を分散して実施してもよく、同様に分散したものと説明された構成要素を結合された形態に実施してもよい。
【0065】
本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、並びにその均等概念から導かれるあらゆる変更または変形された形態も本発明に含まれるものと解釈すべきである。
【実施例】
【0066】
実施例は、前述した発明を実施するための形態に共に記載されている。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明の半中空型アクチュエータモジュールによれば、アクチュエータモジュールの配線処理問題を解決できる新規なモジュール構造を提供することにより、配線の絡みや断線問題が予防され、さらに通信不良の問題も減少する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9