特許第6872273号(P6872273)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ テンパール工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6872273-プラグ構造 図000002
  • 特許6872273-プラグ構造 図000003
  • 特許6872273-プラグ構造 図000004
  • 特許6872273-プラグ構造 図000005
  • 特許6872273-プラグ構造 図000006
  • 特許6872273-プラグ構造 図000007
  • 特許6872273-プラグ構造 図000008
  • 特許6872273-プラグ構造 図000009
  • 特許6872273-プラグ構造 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6872273
(24)【登録日】2021年4月21日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】プラグ構造
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/46 20060101AFI20210510BHJP
   H01R 13/652 20060101ALI20210510BHJP
【FI】
   H01R13/46 302F
   H01R13/652
【請求項の数】1
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2020-36674(P2020-36674)
(22)【出願日】2020年3月4日
(62)【分割の表示】特願2016-87406(P2016-87406)の分割
【原出願日】2016年4月25日
(65)【公開番号】特開2020-80329(P2020-80329A)
(43)【公開日】2020年5月28日
【審査請求日】2020年3月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000109598
【氏名又は名称】テンパール工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古用 智弘
(72)【発明者】
【氏名】馬場 隆
【審査官】 井上 信
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭57−106185(JP,U)
【文献】 実開平1−168979(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3112390(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3042964(JP,U)
【文献】 実開昭49−6490(JP,U)
【文献】 米国特許第6419504(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/652
H01R 13/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
把持可能な筐体と、
前記筐体に、該筐体から突出する突出位置と該筐体内へ収容される収容位置との間でスライド移動可能にかつ当該収容位置において突出方向に移動自在に支持され、突出位置に向けて付勢されたアースプラグと、
前記アースプラグが前記突出位置より前記収容位置側に位置する場合には、前記アースプラグの前記突出位置と前記収容位置の間での移動を許容する一方で、前記アースプラグが突出位置にあるときに、前記アースプラグの収容位置への移動を規制する移動規制手段と、
前記筐体に、基準位置からロック解除位置への操作が可能に設けられた操作手段と、
前記操作手段のロック解除位置への操作に基づいて、前記移動規制手段による前記アースプラグの規制を解除して、前記アースプラグの収容位置への移動を許容する移動規制解除手段と、
前記操作手段が操作されていないときに該操作手段を前記基準位置に復帰させる復帰手段とを備える、
ことを特徴とするプラグ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンセントの形態に応じて極数の切り換えが可能に構成された極数切換機能を有するプラグ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、安全性を高める等の観点から、負荷機器等のプラグ及びコンセントにおいて、アース極を設けた3極プラグ(3Pプラグ)及び3極プラグ対応の3極コンセント(3Pコンセント)が増加している。特許文献1では、2極コンセント(2Pコンセント)に対しては2極プラグ(2Pプラグ)として使用可能であり、3極コンセントには3極プラグとして使用可能な2P3P兼用プラグが開示されている。
【0003】
具体的には、特許文献1に開示されたプラグは、保持部と保持部に対して回転可能な外周部とを備え、保持部に対する外周部の回転位置に応じてアースプラグが突出/収納されるようになっており、突出位置にあるアースプラグが保持部に収容されるのを阻止する阻止手段を設けている。
【0004】
また、近年、コンセントと負荷機器プラグとの中間に設置される差込接続型の漏電検知遮断器においても、コンセントの形態に応じて極数の切り換えができるように構成するニーズがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−45634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のプラグは、2極コンセントに差し込む場合に、一方の手で保持部を保持した状態で、他方の手によって外周部を第1の位置から第2の位置に向かう方向に回動させる必要がある。さらに、外周部が付勢手段によって第1の位置に付勢されているため、上記第2位置への回動状態を両手で保持しながらプラグをコンセントに差し込む必要があり、操作の難易度が高く、慣れを要する。
【0007】
上記の点に鑑み、本発明は、差込可能なコンセントの形態が簡易に切り替えできるように構成されたプラグを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るプラグ構造は、アースプラグが突出したとき、アースプラグの収容方向への移動を規制する移動規制手段を設けた。また、筐体に、操作可能に設けられた操作手段の操作に基づいて、前記移動規制手段によるアースプラグとの規制を解除して、アースプラグの収容方向への移動を許容するように構成した。これにより、差込可能なコンセントの形態を簡単に切り替えることができるようにした。
【0009】
すなわち、本発明の一態様に係るプラグは、把持可能な筐体と、前記筐体に、該筐体から突出する突出位置と該筐体内へ収容される収容位置との間でスライド移動可能にかつ当該収容位置において突出方向に移動自在に支持され、突出位置に向けて付勢されたアースプラグと、前記アースプラグが突出位置にあるときに、前記アースプラグと干渉して該アースプラグの収容位置への移動を規制する移動規制手段と、前記筐体に、基準位置からロック解除位置への操作が可能に設けられた操作手段と、前記操作手段のロック解除位置への操作に基づいて、前記移動規制手段による前記アースプラグの規制を解除して、前記アースプラグの収容位置への移動を許容する移動規制解除手段と、前記操作手段が操作されていないときに該操作手段を前記基準位置に復帰させる復帰手段とを備えている。
【0010】
ここで、「筐体に支持される」とは、筐体に直接支持される場合に加えて、他の部材を介して間接的に筐体に支持されている場合を含む。
【0011】
この態様によると、アースプラグが突出位置に移動して筐体から突出したとき、移動規制手段によるアースプラグの収容位置への移動が規制され、アース極を有するプラグ(例えば、3極プラグ)として使用できるようになる。一方で、筐体を把持したユーザが操作手段を操作すると、その操作手段の操作に基づいて、移動規制手段による規制が解除されて、アースプラグの収容位置への移動が許容される。これにより、差込可能なコンセントの形態を簡単に切り替えることができる。
【0012】
また、前記アースプラグは、該アースプラグの外面に移動一体に突設された係止部を有し、前記移動規制手段は、前記係止部と干渉して前記アースプラグの収容位置への移動を規制するようにしてもよい。
【0013】
この構成により、係止部がアースプラグの移動規制機能に加え、プラグの筐体外側への抜け止め機能をも兼ねるほか、筐体の内部で結線されるアース用電線の接続部としても利用することができ、部品点数等の削減ができる。
【0014】
また、前記復帰手段は、前記移動規制手段及び前記係止部の少なくとも一方を両者が干渉されるように付勢する、としてもよい。
【0015】
この構成によると、前記移動規制手段と前記係止部とが干渉される方向の付勢力が働くため、プラグの突出位置でのロック状態を安定的に保持することができる。
【0016】
さらに、前記移動規制解除手段は、前記操作手段の操作力を受けて前記アースプラグの中心回りに回動することにより、前記移動規制手段及び前記係止部の少なくとも一方を押して両者の相対位置を干渉状態から移動許容状態に変化させる回動体を有する、としてもよい。
【0017】
この構成によると、ユーザが片手で操作手段を操作する際の操作性が向上するとともに、部品点数が少なくてすむ。
【0018】
さらに、前記復帰手段は、前記回動体を回動付勢して前記係止部を前記移動規制手段と干渉するように変化させるものであり、前記移動規制手段は、前記アースプラグの突出位置から収容位置への移動が規制された状態において、前記係止部の収容位置側の表面と対向する被係止部と、前記被係止部に連続し、前記アースプラグが突出位置から収容位置に移動するときに前記係止部が前記回動体からの回動付勢力を受けた状態で摺接して案内される傾斜面とを有する、としてもよい。
【0019】
この構成によると、アースプラグは、収容位置から突出方向に移動する際に、突出方向の付勢力に加えて、係止部に対して回動体から復帰手段による回動方向の付勢力を受ける。ここで、移動規制手段に傾斜面を設けることによって、この傾斜面において復帰手段による付勢力に基づくアースプラグの突出方向の分力が生じ、この分力によりアースプラグの移動を促進するようにサポートすることができる。
【0020】
また、前記筐体は、前壁部と、該前壁部の後側に配置された後壁部と、前記前壁部及び後壁部を接続する側壁部とを有しており、前記アースプラグは、前記筐体の後壁部に設けられ、前記操作手段は、前記筐体の側壁部に設けられている、としてもよい。
【0021】
ここで、「側壁部」には、筐体の前壁部と後壁部との間を接続するすべての壁部が含まれる。例えば、筐体が上下方向に延びる矩形箱状の場合、「側壁部」には、左側壁部、右側壁部、上壁部及び下壁部が含まれる。
【0022】
この構成によると、筐体が片手で把持された場合に、操作手段が親指や人差し指等の指先で操作しやすい位置に配置されることになる。これにより、操作手段の操作性が向上する。
【0023】
また、前記移動規制解除手段は、前記係止部を移動規制手段との干渉が解除されるように移動させて前記アースプラグの収容位置への移動を許容するものであり、前記アースプラグが突出位置に移動する際に、前記係止部に摺接して該係止部を前記移動規制手段と干渉するように案内する傾斜面を有する案内手段を備えている、としてもよい。
【0024】
この構成によると、突出方向に向けて付勢されたアースプラグが突出位置に移動する際に、傾斜面に沿って摺接しながら、傾斜面の先に設けられている移動規制手段の干渉位置に案内される。これにより、スムーズかつより確実なアースプラグの移動規制動作を実現することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、筐体表面における操作によってアースプラグの収容方向への移動規制を解除できるようにしたため、差込可能なコンセントの形態を簡単に切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】実施形態に係るプラグを左斜め上側から見た斜視図である。
図2】極数切換構造を前方の斜め上側から見た斜視図である。
図3図2のIII-III線断面図である。
図4】極数切換構造を後方の斜め上側から見た斜視図である。
図5】アースプラグの収容動作及び突出動作を説明するための図である。
図6】アースプラグの収容動作及び突出動作を説明するための図である。
図7】アースプラグの収容動作及び突出動作を説明するための図である。
図8】アースプラグの収容動作及び突出動作を説明するための図である。
図9】極数切換構造の他の例を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用範囲あるいはその用途を制限することを意図するものではない。
【0028】
<プラグの概要>
図1は本実施形態に係るプラグ10を示している。このプラグ10は、図示しないが、工事現場や建物に設置されたコンセントと負荷機器との間に配されて、両者間を電気的に繋ぐ漏電検知遮断器である。プラグ10は、上記負荷機器において漏電が発生した場合にはこれを瞬時に検知して商用電力の負荷機器への供給を遮断する。プラグ10は、上記コンセントが、アースプラグ差込穴がある3極コンセントである場合及びアースプラグ差込穴のない2極コンセントである場合の両方において、アダプタなしで使用できるという特徴を有する。
【0029】
なお、以下では、プラグ10がコンセントに差し込まれた状態において、手前側を「前」、コンセントと対向する側を「後」と称する。また、後述する筐体の後壁に突設された差し込みプラグにおいて、電極プラグが突出している側を「上」、アースプラグが突出している側を「下」と称し、前側から見た上下方向に基づいて、左右を定義する。
【0030】
プラグ10は、ユーザ(作業者)が片手で把持可能な大きさ(例えば110×50×55mm)の筒状の筐体20を備え、この筐体20内に極数切換構造40と、漏電保護部50とが収容されている。筐体20は、前後方向の中央部分で前後に分離可能であり、図1では筐体20が前後に分離された状態を示している。筐体20は、前半分を構成する前カバー20aと後半分を構成する後カバー20bとからなる。前カバー20aは後側に、また後カバー20bは前側にそれぞれ開口した有底箱状とされている。また、前カバー20aの左端部に係合爪部20cが設けられ、後カバー20bには、係合爪部20cと対応する位置に係合爪部20cに係合可能な係合凹部20dが設けられている。そして、両カバー20a,20bを各々の開口同士を突き合わせた状態で、前カバー20aの係合爪部20cと、後カバー20bの係合凹部20dとを係合させる。これにより、両カバー20a,20bが一体的に組み付けられて筐体20となり、その内部に閉空間が形成されるようになっている。上記組み付け後、前カバー20aと後カバー20bとは、図示しないタッピングねじにより、後カバー20bの後面側の4隅においてねじ止め固定される。以下、単に筐体20という場合には、上記のねじ止め固定後の筐体を指すものとする。すなわち、このねじ止め固定後の筐体20は、前カバー20aの底壁からなる前壁部と、この前壁部の後側に配置され、後カバー20bの底壁からなる後壁部と、前カバー20a及び後カバー20bの双方の周囲壁からなり、前壁部及び後壁部を接続する四周の側壁部とを有する。上記側壁部は、上下及び左右の壁部で構成されている。
【0031】
漏電保護部50は、図示しないが、漏電を検出する漏電検出部と、漏電検出部が過電流・漏電を検出したときにプラグの入出力間の接続を遮断する接続遮断部とを備えている。漏電保護部及び接続遮断部の構成は、従来技術の適用が可能であり、ここではその詳細な説明を省略する。
【0032】
筐体20の後壁部において、上端寄りの位置には、2本の電極プラグ29,29及びアースプラグ27からなる差し込みプラグ25が突設されている。また、同じ後壁部の左下隅角部には、プラグ10のアース端子の機能を有する圧着端子26が設けられている。プラグ10は、差し込みプラグ25がコンセントに差し込まれ、かつ後述する差込口31,31に負荷機器のプラグが差し込まれることで、コンセントと負荷機器とを電気的に繋ぐものである。
【0033】
筐体20の前壁部において、上下左右方向の中間位置には、プッシュ式のONボタン23及びテストボタン24が記載順に上から並べられて設けられている。ONボタン23は、商用電力の負荷機器への供給をオンさせる(接続状態にする)スイッチである。テストボタン24は、プラグ10が正常動作するか(即ち、漏電発生の際に負荷機器への商用電力の供給が遮断されるか)を確かめるために、商用電力の負荷機器への供給をオフ状態(遮断状態)にするスイッチである。
【0034】
また、筐体20の前壁部において、テストボタン24の下側には、負荷機器等のプラグを挿入するための1つの差込口31(3極プラグ対応)が設けられている。図示しないが、筐体20の側壁部の一部である下壁部の中央にも同様の1つの差込口が設けられている。筐体20内の下部には、両差込口31から差し込まれた負荷機器等の電源プラグ及びアースプラグが嵌められる共通の刃受金具32が設けられている。
【0035】
筐体20の前壁部において、ONボタン23上側の左端寄り位置には電源表示部21が、また右端寄りの位置には極数表示部22がそれぞれ互いに同じ高さ位置になるように設けられている。
【0036】
電源表示部21は、例えばLEDで構成されており、ONボタン23を押してコンセントに差し込まれたことが検知されると、すなわち、プラグ10を介してコンセントと負荷機器等との間における通電が可能な状態になると点灯する。これにより、プラグ10を使用するユーザは、商用電力と負荷機器とが正常に導通されていることを把握することができる。一方で、電源表示部21は、過電流や漏電を検知した漏電保護部50により遮断動作が行われた場合等、プラグ10が通電不可の状態になると消灯する。これにより、ユーザは、過電流または漏電が生じたこと、または、テストが正常に行われたことを把握することができる。
【0037】
過電流または漏電が生じた後、及びテストボタン24によるプラグ10の動作確認が終了した後は、ONボタン23が再度押されることにより、プラグ10は再び漏電検知遮断器として使用することが可能となる。
【0038】
極数表示部22は、差し込みプラグ25の極数の状態を表すものであり、筐体20の前壁部に貫通形成された極数表示窓22aと、極数表示窓22aの後側の筐体20内に配された後述する色表示部46aとからなる。換言すると、極数表示部22は、極数表示窓22aを通して色表示部46aの表示色が見えるように構成されている。
【0039】
筐体20の左側壁部において、上端寄りの位置には、断面円弧状の周囲壁部を有する円形の凹部28aが形成されている。凹部28aの底部から前端にかけて、矩形状のボタン挿通孔28bが左側壁部を貫通するように形成されている。ボタン挿通孔28bには、操作手段としてのプッシュ式の解除ボタン41が移動可能に挿通されている。解除ボタン41は、右方向に延びるロッド部41cを有していて、その先端部(左端部)が筐体20外に突出した位置(以下、ボタン基準位置ともいう)で筐体20に抜け止めされている。この解除ボタン41は、ロッド部41c周りの解除ボタンばね42(図2参照)によって常時突出方向に付勢されている。すなわち、解除ボタン41は、操作力が与えられたときに筐体20内に押し込まれ、その操作力が解除されると、突出位置に復帰するように構成されている。
【0040】
−極数切換構造の構成−
次に、図2図4を用いて、極数切換構造について詳細に説明する。
【0041】
アースプラグ27は、3極コンセントのアース極と対応する位置に設けられている。アースプラグ27は、筐体20から突出する突出位置と、筐体20内に収容される収容位置との間でスライド移動可能に支持された丸棒状のアースプラグ本体27aを有する。アースプラグ本体27aの基端部(前側端部)には、アースプラグ本体27aの径方向外側に向かって延びた後、アースプラグ本体27aの先端側(後側)に向かって延びるように折り返された係止部としてのL字状の切換板27bが一体的に突設されている。図示しないが、筐体20の後壁部には、アースプラグ本体27aの外径よりも若干大きな円形のプラグ挿通孔が貫通形成されている。このプラグ挿通孔には、アースプラグ本体27aが筐体20内から先端部を外側に向けた状態で挿通されている。これにより、アースプラグ27は、切換板27bによって筐体20の後壁部に抜け止めされている。
【0042】
上記プラグ挿通孔前側の筐体20内には、移動規制解除手段としての表示筒43が設けられている。表示筒43は、上記プラグ挿通孔の前側の筐体20内において、前方向に向かって延びる円筒状の回動体としての表示筒本体43aを有している。表示筒本体43aは、その中心回りに回動可能に筐体20に支持され、その内径は、アースプラグ本体27aの外径よりも若干大きく形成され、表示筒本体43aの後端側の開口は、上記プラグ挿通孔と連通している。
【0043】
アースプラグ本体27aは、表示筒本体43a内に後端側の開口から挿入され、その状態で表示筒本体43a内を、大半が表示筒本体43a内から抜け出す突出位置と、長さ方向の略全体が表示筒本体43a内に没入する収容位置との間を摺動するようになっている。アースプラグ本体27aが収容位置まで没入したとき、アースプラグ27が筐体20内に収容される収容位置に位置付けられる。
【0044】
また、表示筒本体43aには、その壁部の一部を後端から前方向に向かって表示筒本体43aの長さ方向の中間位置まで矩形状に切り欠いた切欠部43bが形成されている。切欠部43bの表示筒本体43aの周方向に沿った長さである幅は、切換板27bの横幅よりも若干大に形成されている。切換板27bは、この切欠部43bに、表示筒本体43aの外側に向かって一部を突出させた状態で配置されている。これにより、アースプラグ本体27aと一体の切換板27bが切欠部43b内で切欠部43bに案内されながら移動するようになっている。
【0045】
また、表示筒本体43aは、筐体20内において、回動可能にかつ前端が筐体20前板の後面に近接状態で対向するように配置されている。表示筒本体43aには、後述する伝達板48の基部48aに形成された中心孔48cの前側から、アースプラグ付勢手段としてのコイルばね44が挿入されている。コイルばね44は、筐体20の前壁部と、アースプラグ本体27aの基端部との間に縮装されており、アースプラグ本体27aを収容位置から突出位置に向かうように付勢している。
【0046】
筐体20の内部には、ロック板45が配設されており、このロック板45は、例えばタッピングねじ45cにより筐体20に固定されている。ロック板45は、アースプラグ27が筐体20外に向かって十分に突出して突出位置に移動し、3極コンセントに差し込み可能な状態(以下、3極ロック状態ともいう)になったとき、切換板27bの収容方向側に配置される。なお、図2図4は、極数切換構造40の3極ロック状態を示している。
【0047】
具体的に、ロック板45は、上下方向に沿って延びる基部45aと、この基部45aの後端部に連続し、右方向に延びる取付部45bとを有し、この取付部45bがタッピングねじ45cにより筐体20に固定されている。基部45aの下端部には、前後方向に水平に延びる規制部45eが連続している。この規制部45eの後端には、移動規制手段としての被係止部45fが形成されている。被係止部45fは、アースプラグ27が突出位置に移動した際に、アースプラグ27の切換板27bの前側に対向して、その切換板27bと干渉するように配置されている。この干渉状態では、アースプラグ27の収容方向への移動が規制され、3極プラグとして安定的に使用できるようになる。また、規制部45eの前部は、左方向に延びるばね支持部45dが連続している。
【0048】
なお、本実施形態において、「干渉状態」とは、複数の対象物が相互に直接的または間接的に係り合うことにより、少なくとも一方の対象物の移動が阻止されるような状態を含む概念である。具体的には、例えば、切換板27bとロック板45とが当接すること、及び、切換板27bとロック板45とが近接対向した状態になって両者間が間接的に係止されることの両方を含む概念である。また、2極コンセントに差し込んだ2極プラグの状態から3極プラグに復帰してアースプラグの収容方向への移動が規制される「ロック動作」については、後述する「アースプラグの突出動作」において詳細に説明する。
【0049】
さらに、ロック板45の規制部45eには、その右側の端面に、被係止部45fの右端から右斜め前側に向かって延びる、すなわちアースプラグ27の突出方向に対して所定の角度傾斜している傾斜面45gが形成されている。この傾斜面45gにより、アースプラグ27が突出位置から収容位置に移動するときに、その切換板27bに摺接して切換板27bと共に表示筒本体43aを回動させるようにしている。
【0050】
また、表示筒本体43aの前側の端部には、伝達板48が回動一体に設けられている。この伝達板48は、表示筒本体43aに同心状に固定された円板状の基部48aと、この基部48aの外周部の一部から半径方向外側に突出する突出部48bとを有する。突出部48bの幅方向の一側には、表示筒本体43aの回動中心を通る平面と平行に延びる矩形板状の伝動部48dが一体的に突設されている。伝動部48dは、前記解除ボタン41のロッド部41c先端と対向するように配置されている。そして、解除ボタン41を解除ボタンばね42の付勢力に抗して押し操作してそのロッド部41cの先端で伝動部43cを押すことにより、伝達板48を回動させ、その伝達板48と一体の表示筒本体43aを中心回りに回動させるようになっている。すなわち、伝達板48は、解除ボタン41が右側に向かって押された際に、解除ボタン41の押し込み量に応じて、表示筒本体43aと一体的に回動方向(右回り方向)に回動する。
【0051】
さらに、伝達板48の突出部48bの幅方向の他側には、表示筒本体43aの回動中心周りに延びる円弧板形状の表示板46が周方向の一端部にて一体に形成されている。この表示板46は前記筐体20の極数表示窓22aに対応するように配置されている。表示板46の前面(極数表示窓22a側の面)には、周方向のうち伝動部48d側に位置する端部(一端)から中間位置まで延びる白色シート46bと、その中間位置から他端まで延びる緑色シート46cとからなるシート状の色表示部46aが貼り付けられている。各図では、白色シート46bを右斜め上がりの斜線で示し、緑色シート46cを左斜め上がりの斜線で示している。なお、本実施形態では、色表示部46aは、白色シート46bと緑色シート46cとの2色のシートで構成されているものとしたが、3色以上であってもよく、それぞれのシートが白色、緑色以外の異なる色であってもよい。
【0052】
本実施形態では、解除ボタン41の押し操作がされていないボタン基準位置にある状態では、表示筒本体43a、伝達板48及び表示板46が後述の自動ロックばね47の回動付勢力により付勢されて非回動状態にあり、この状態では前記極数表示部22に緑色が表示される(極数表示窓22aから緑色シート46cが見える)ように構成されている。さらに、極数表示部22は、解除ボタン41が押し込まれて表示筒本体43a、伝達板48及び表示板46が非回動状態から回動する過程において、緑色の領域が徐々に減る一方で白色の領域が徐々に増加し、後述するロック解除位置まで押し込まれて表示筒本体43a、伝達板48及び表示板46が最大角度まで回動すると、極数表示部22に白色が表示される(極数表示窓22aから白色シート46bが見える)ように構成されている。
【0053】
表示筒本体43aの基端部で伝達板48の基部48aとの間の外周には、ねじりコイルばねからなる復帰付勢手段としての自動ロックばね47が巻回されている。自動ロックばね47の一端は、表示筒43の伝達板48に、また他端は、ロック板45のばね支持部45hにそれぞれ係止されている。この自動ロックばね47により、表示筒43を3極ロック状態に戻る方向に、換言すると回動方向と反対の復帰方向(図3で反時計回り方向)に向かって付勢するようにしている。
【0054】
なお、極数切換構造40は、アースプラグ27の切換板27b、解除ボタン41、解除ボタンばね42、表示筒43、アース伸縮ばね44、及びロック板45によって構成されている。
【0055】
また、案内手段は、ロック板45の傾斜面45g、表示筒43及び自動ロックばね47からなり、切換板27bをロック板45の傾斜面45gに沿って突出方向に案内する。
【0056】
<プラグの極数切換動作>
次に、プラグ10の極数切換動作について、図5図8を用いて詳細に説明する。
【0057】
−アースプラグの収容動作−
図5は、解除ボタン41がボタン基準位置にあり、かつ、アースプラグ27が突出位置にある場合、すなわちプラグが3極ロック状態の場合を示している。図5(b)に示すように、アースプラグ27が突出位置にある場合、切換板27bとロック板45の被係止部45fとが干渉することにより、アースプラグ27の収容方向への移動が規制される。
【0058】
この干渉状態において、例えば、アースプラグ27の3極コンセントへの差し込みに対するコンセントの刃受け金具からの反力によって、アースプラグ27に収容方向の力が加わっても、切換板27bの前板とロック板45の被係止部45fとが当接係止されているので、アースプラグ27の突出状態が維持される。すなわち、図5には、プラグ10が3極コンセントに対応した3極プラグの状態(3極ロック状態)を示している。このとき、筐体20の極数表示部22に表示板46における緑色シート46cによる緑色が表示される。
【0059】
以下において、アースプラグ27の収容動作について詳細に説明する。すなわち、3極ロック状態から2極プラグへの極数切換動作及び2極コンセントへの差し込み動作について説明する。
【0060】
まず、ユーザによって、3極ロック状態から2極プラグへプラグ10の極数切換操作が行われる。具体的には、図5の3極ロック状態から、筐体20を把持したユーザによって解除ボタン41が、解除ボタンばね42の付勢力及び自動ロックばね47の回動付勢力に抗して押し操作される。すると、解除ボタン41のロッド部41cにより伝達板48の伝動部48dが押されて移動し、表示板46及び伝達板48と一体の表示筒本体43aが回動方向(図5(a)で時計回り方向)に回動する。この回動に伴って、表示筒本体43aの切欠部43bも回動方向に移動するため、切換板27bも表示筒本体43aに押されて回動方向に移動する。ここで、ロック板45は、筐体20に固定されていて追従回動しないため、切換板27bとロック板45の被係止部45fとの回動方向に係る相対位置(収容方向から見た互いの位置)が変化する。図示しないが、このとき、極数表示部22では、緑色の領域が徐々に減る一方で、表示板46における白色シート46bによる白色の領域が徐々に増加する。
【0061】
さらにユーザによって解除ボタン41が押し進められると、図6(b)に示すように、切換板27bは、切換板27bの左端がロック板45の被係止部45f(被係止部表面)と傾斜面45gとの境界まで移動する。この図6の状態においては、切換板27bは被係止部45fによって係止されなくなる。これにより、アースプラグ27に収容位置に向かう方向の力が加わった場合、切換板27bはアースプラグ27と共に、コイルばね44の付勢力に抗して、傾斜面45gに沿って徐々に回動しながら収容方向に進むことができる。すなわち、図6の状態では、ロック板45によるアースプラグ27の干渉が解除され、アースプラグの収容位置への移動が許容されている。以下、説明の便宜上、図6における各構成要素の位置をロック解除位置と呼び、図6の状態をロック解除状態と呼ぶことがある。このとき、図6(a)に示すように、極数表示部22には、白色が表示される。
【0062】
図6の状態にした後、ユーザによって、コンセントへのプラグ10の差し込み操作が行われる。2極コンセントにはアース極がないため、上記差し込み操作により、アースプラグ27の先端部がコンセントカバーの表面に押し付けられ、該コンセントカバーから収容方向に押す力を受ける。この収容方向に押す力を受けて、アースプラグ27は収容方向に移動し、筐体20外への突出量が次第に減少する。なお、一旦アースプラグ27の表示筒本体43a内への収容が開始された後は、解除ボタン41の操作を解除してもよい。該操作が解除された場合においても、継続して2極コンセントへの差し込み操作を続けることで、アースプラグ27の収容方向への移動を継続させることができる。
【0063】
図7は、プラグ10が2極コンセントに差し込まれる途中(接続途中)における極数切換構造40の状態を示している。図7(b)に示すように、アースプラグ27は、アースプラグ本体27aの中間位置まで筐体20内(表示筒本体43a内)に収容されている。
【0064】
図8は、プラグ10が2極コンセントに接続完了した場合、すなわち、アースプラグ27が収容位置にある場合における極数切換構造40の状態を示している。図8(b)に示すように、アースプラグ27は、アースプラグ本体27aの軸方向の略全体にわたって筐体20内(表示筒本体43a内)に収容されている。このとき、アースプラグ27の後端はコンセントカバーに当接したままの状態である。すなわち、収容位置とは、アースプラグ27が完全に筐体20内に収容されていない状態も含む概念である。なお、図7(a)及び図8(a)に示すように、極数表示部22には、図6の表示状態から継続して白色が表示されている。
【0065】
−アースプラグの突出動作−
次に、プラグ10が2極コンセントに差し込まれた状態から3極ロック状態に復帰するまでの極数切換動作について詳細に説明する。なお、上記の復帰動作に際し、解除ボタン41の操作は不要であり、以下では、解除ボタン41が押されていないものとして説明する。
【0066】
プラグ10が2極コンセントから取外し方向(前方向)に移動すると、主としてアース伸縮ばね44の付勢力に加え、自動ロックばね47の回動付勢力の分力により、切換板27bがロック板45の傾斜面45gに沿って回動しながら突出方向に移動し、アースプラグ27も同様に回動しながら徐々に筐体20外に突出する。具体的には、ロック板45の傾斜面45gが復帰方向に対して傾いているため、アースプラグ27には、自動ロックばね47の回動付勢力のうち、復帰方向の分力と突出方向の分力とが与えられる。切換板27bは、復帰方向の分力により傾斜面45gに押し当てられる。また、上記突出方向の分力により切換板27bが突出方向に押され、アースプラグ27の突出方向の移動がサポートされる。上記切換板27bの移動によって、表示筒本体43aの切欠部43bも復帰方向に回動する。
【0067】
そして、切換板27bがロック板45の傾斜面45gと被係止部45fとの境界(ロック解除位置)まで到達すると、切換板27bが復帰方向に回動して、図5に示すような3極ロック状態に自動的に復帰する。
【0068】
以上のように、本実施形態によると、アース伸縮ばね44によってアースプラグ27を突出方向に付勢し、アースプラグ27が突出位置に移動したときに、ロック板45が切換板27bの前側に配されて、切換板27bと被係止部45fとが干渉するようにし、アースプラグ27の収容位置への移動が規制されるようにしている。すなわち、ユーザによる解除ボタン41への操作がされていない限り、プラグ10が3極プラグになるように構成されている。これにより、ユーザがプラグ10の状態(2極/3極)を気にすることなくプラグ10を3極コンセントに差し込むことができる。さらに、3極コンセントに対して2極プラグの状態で差し込む誤差し込みを防止することができる。
【0069】
また、ユーザの意思により解除ボタン41がロック解除位置まで押されると切換板27bと被係止部45fとの干渉が解除され、アースプラグ27の収容方向(前方向)への移動が許容される。これにより、ユーザは、片手による簡単な操作で、アースプラグ27を収容可能な状態にすることができる、すなわち、プラグ10を2極コンセントに差し込むことができるようになる。
【0070】
また、表示筒本体43aは、自動ロックばね47によって、切換板27bと被係止部45fとが干渉されるように、すなわち復帰方向に付勢されている。これにより、アースプラグ27が突出位置にある場合における切換板27bと被係止部45fとの干渉状態をより確かなものにすることができ、3極ロック状態を安定的に保持することができる。
【0071】
さらに、ロック板45に対し、被係止部45fの右端から右斜め後側に向かって延びる傾斜面45gを設けているので、アースプラグ27が突出する際に、自動ロックばね47による付勢力に応じた突出方向の分力が生じる。これにより、アースプラグ27の突出動作がサポートされ、該突出動作をよりスムーズにすることができる。加えて、自動ロックばね47及びアース伸縮ばね44ついて、相互間のばね強度のバランス等に関する制約がなくなり、設計容易性が向上する。
【0072】
また、筐体20の左側壁部における上端寄りの位置に解除ボタン41が突設されている。すなわち、例えば、ユーザによってプラグ10が右手(片手)で把持される場合に、親指の位置に解除ボタン41がくるような構成になっており、片手(親指)で解除ボタン41を押した状態で、2極コンセントへの差し込みが簡単にできるようになっている。上記実施形態で説明した表示筒本体43aのような回動体を用いることで、少ない部品点数で、上記位置に解除ボタン41を配置することができる。
【0073】
<その他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について説明したが、種々の改変が可能である。
【0074】
例えば、上記実施形態では、操作手段(解除ボタン41)が筐体20の左側壁部の上端寄りの位置に設けられている例について説明したが、操作手段の設置位置はこれに限定されない。例えば、片手の指で操作可能な位置に設けられていればよい。例えば、操作手段を筐体20の上壁部に設けてもよい。この場合、ユーザは、人差し指で解除ボタンを押した状態で、プラグ10をコンセントに簡単に装着することができる。また、1本の指で操作可能である必要はなく、例えば、左右の両側壁部に操作手段を設けて、片手で筐体20を左右の両側から把持した際に、2本の指で操作手段が操作されるようにしてもよい。
【0075】
また、操作手段は、変位操作が可能に構成されていればよく、上記実施形態に記載したようなプッシュ式の解除ボタン41に限定されない。例えば、スライド式やダイヤル式の操作手段であってもよく、操作手段の表面が弾性体で覆われていて、外側から弾性変形させることで変位操作ができるような構成になっていてもよい。この場合においても、操作手段の変位操作を解除手段に伝達するように構成されていれば、同様の効果が得られる。なお、ばねや電磁的手段等の他の手段を用いて、操作手段による変位操作を増幅させて解除手段に伝達するようにしてもよい。
【0076】
また、係止部(切換板27b)は、アースプラグ本体27aの前側端部に一体的に設けられたL字状の突状体に限定されず、例えば矩形状の突起であってもよく、周方向全体にわたる円筒状、または、円錐状の突起であってもよい。また、係止部が、例えば、アースプラグ本体27aの前側の基端部よりも中間寄りの位置に突設されていてもよい。また、係止部は突状体でなくてもよく、例えば、アースプラグ本体27aに、係止部としての凹部が形成されていてもよい。その場合、被係止部を突状体で構成すればよい。さらに、係止部をアースプラグ本体27aの一部が兼ねていてもよい。ただし、係止部を、実施形態のようにアースプラグ本体27aの前側端部に一体的に設けられた突状体にすることにより、抜け止めと係止部とを兼用することができるメリットがあるので好ましい。
【0077】
また、上記実施形態では、アースプラグ27が突出するとき、係止部がロック板45の後端部まで傾斜面45gに沿って移動し、その後、復帰方向に回動してアースプラグ27の収容方向への移動が規制されるものとしたが、これに限定されない。例えば、図示しないが、ロック板45の傾斜面45gの中間位置に凹部が設けられていて、そこに切換板27bが進入することで、アースプラグ27の収容方向への移動が規制されるようにしてもよい。この場合においても、ロック状態では、上記凹部の前壁面が切換板27bと対向するので、切換板27bの収容方向側に配された凹部の前壁によってアースプラグ27の収容方向への移動が規制されることとなる。
【0078】
また、上記実施形態において、自動ロックばね47を設けないような構成にすることもできる。例えば、図9に示すように、ロック板45の規制部45eの右側において、前後方向に水平に延びる案内部45iを設けてもよい。案内部45iと規制部45eとは上下方向の高さ位置及び前端部の位置が同じである。また、案内部45iには、規制部45eの傾斜面45gと平行に傾斜する傾斜面45jが形成されている。傾斜面45jの後端位置は、被係止部45fの後端位置よりも後側まで延びている。また、傾斜面45jは、後端部において傾斜が少し緩やかになり、かつ、左側に向かって先端形状が鋭角になるように延びている。また、傾斜面45gと傾斜面45jとの間隔は、アースプラグ27の切換板27bの左右方向の幅よりも若干大きくなっている。このような案内部45iを設けることで、アースプラグ27の突出動作において、自動ロックばね47による付勢力がなくても、コイルばね44の付勢力を受けて、切換板27bが案内部45iの傾斜面45jに沿って摺動し、アースプラグ27が突出位置まで移動した際には、傾斜面45jを摺動した慣性力で自動的に図9に示すような3極ロック状態になる。なお、アースプラグ27の収容動作については、実施形態と同様の動作であり、ここではその詳細な説明を省略する。
【0079】
また、上記以外の自動ロックばね47を設けない他の変形例として、図示しないが、傾斜面45gの後端側に傾斜面45gから突出する突出方向と傾斜面45gに没入する没入方向への移動が可能であり、かつ、突出方向に付勢された爪部を設けてもよい。この場合、上記爪部と、爪部の後側に移動した切換板27bとが干渉して収容方向への移動が規制される。こうすることで、切換板27bを回動させることなく、アースプラグ27の収容位置への移動を規制することができるようになる。この場合、操作手段への操作に基づいて、上記爪部が没入方向に移動し、係止部と被嵌合部との干渉が解除されるようにすれば、実施形態と同様の効果が得られる。
【0080】
さらに、本実施形態では、プラグとして漏電検知遮断器の例について説明したが、これに限定されない。例えば、本発明を他のプラグに適用することが可能であり、本実施形態と同様にコンセントの形態に応じて簡単に極数の切り換えができるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、差込可能なコンセントの形態が片手で簡易に切り替えできるように構成されているので、漏電検知遮断器用プラグをはじめとする幅広い用途のプラグに適用が可能であり、極めて有用である。
【符号の説明】
【0082】
10 プラグ(プラグ構造、漏電遮断器)
20 筐体
27 アースプラグ
27b 切換板(係止部)
41 解除ボタン(操作手段)
43 表示筒(移動規制解除手段)
43a 表示筒本体(回動体)
45e 規制部(移動規制手段)
45f 被係止部
45g 傾斜面
47 自動ロックばね(復帰手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9