【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の遠隔診療接続システムは、
遠隔診療の受診を希望する複数の診療希望者それぞれが用いる希望者情報部と、該遠隔診療を行う医師が用いる医師情報部と、該遠隔診療を行うために該希望者情報部と該医師情報部とを接続させるコンピュータとを含んで構成されるコンピュータシステムであって、
前記コンピュータは、
前記診療希望者に対する問診の結果を含む、前記希望者情報部からの診療希望情報を受け付ける診療希望情報受付部と、
前記診療希望情報を記憶する記憶部と、
前記診療希望情報に基づいて、遠隔診療を開始することを示す診療開始情報の送信対象である複数の希望者情報部を決定する送信先決定部と、
前記送信先決定部により前記送信対象として決定された前記希望者情報部に前記診療開始情報を送信する開始情報送信部と、
前記診療希望情報に含まれる前記問診の結果に基づいて、前記診療希望者それぞれの前記遠隔診療の優先度を示す第1優先度を決定する第1優先度決定部と、
前記診療開始情報を受信した前記希望者情報部から、前記診療希望者のそれぞれが遠隔診療を開始できる状態にあるか否かの指標である開始可否指標情報を受信する開始可否指標受信部と、
前記開始可否指標情報に基づいて、前記診療希望者それぞれの前記遠隔診療の優先度を示す第2優先度を決定する第2優先度決定部と、
前記第1優先度と前記第2優先度とに基づいて、前記診療開始情報を受信した前記希望者情報部の接続順番を決定する接続順番決定部と、
前記決定された接続順番に応じて、前記遠隔診療を行わせるために前記希望者情報部と前記医師情報部とを接続する接続部と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の遠隔診療接続システムによれば、接続部が、遠隔診療の診療希望情報を受け付ける際の問診結果に基づく第1優先度だけでなく、診療希望者のそれぞれが遠隔診療を開始できる状態にあるか否かの指標である開始可否指標情報に基づく第2優先度度も考慮して決定された接続順番に応じて希望者情報部と医師情報部とを接続する。
【0009】
そのため、希望者情報部と医師情報部とを接続したものの、診療希望者が遠隔診療を開始できる状態になく、遠隔診療を円滑に開始できないなどの状況が発生する可能性を低減でき、遠隔診療の診療希望者と医師とを効率的に接続させて、遠隔診療を開始することができる。
【0010】
このように本発明の遠隔診療接続システムによれば、遠隔診療の診療希望者と医師とを効率的に接続することができる。
【0011】
本発明の遠隔診療接続システムにおいて、
前記診療希望情報は、前記遠隔診療の開始時間又は終了時間に関する要望を示す診療時間要望情報を含み、
前記第1優先度決定部は、前記診療希望情報に含まれる前記診療時間要望情報に基づいて、前記診療希望者それぞれの前記第1優先度を決定するように構成されている
ことが好ましい。
【0012】
診療希望者が、例えばある時間までに診療を終了してほしいという要望をもっているなどの時間的制約がある場合には、診療希望者の診療の優先度を高めて診察の順番を早めることが求められる。あるいは遅い時間での診療を希望する場合には、優先度を下げて診療の順番を遅くすることも求められる。
【0013】
本発明によれば、診療希望情報に含まれる診療時間要望情報に基づいて、診療希望者の第1優先度を決定するので、例えば早い時間の診療を希望する診療希望者の優先度を高め、時間的制約のない診療希望者の優先度を低くするなどの、診療希望者の要望に応じた調整が可能である。
【0014】
このように本発明の遠隔診療接続システムによれば、診療希望者の時間的な要望に応じて、遠隔診療の診療希望者と医師とを効率的に接続することができる。
【0015】
本発明の遠隔診療接続システムにおいて、
前記開始可否指標受信部は、前記診療開始情報を受信した前記希望者情報部から、該希望者情報部の周辺の音声の状態に関する情報を受信するように構成されており、
前記第2優先度決定部は、前記開始可否指標受信部により受信された前記音声の状態に関する情報に基づいて、前記診療希望者それぞれの第2優先度を決定するように構成されている
ことが好ましい。
【0016】
希望者情報部が遠隔診断接続システムのコンピュータに接続可能であっても、例えば希望者情報部の周辺が騒がしいなど、音声の状態が悪ければ、遠隔診療を行うのに適した状態ではなく、遠隔診療を効率的に行えないおそれがある。
【0017】
そのため、希望者情報部の周辺が騒がしいなど、音声の状態が悪い場合には、診療希望者の診療の優先度を下げて診察の順番を後回しにすることが求められる。
【0018】
本発明によれば、開始可否指標受信部により受信された音声の状態に基づいて、第2優先度決定部が診療希望者の第2優先度度を決定する。
【0019】
これにより、希望者情報部と医師情報部とを接続したものの、音声の状態が悪いために遠隔診療を円滑に行えないなどの状況が発生する可能性を低減できる。
【0020】
このように本発明の遠隔診療接続システムによれば、希望者情報部の周辺の音声の状態の良し悪しに応じて、遠隔診療の診療希望者と医師とを効率的に接続することができる。
【0021】
本発明の遠隔診療接続システムにおいて、
前記開始可否指標受信部は、前記診療開始情報を受信した前記希望者情報部から、該希望者情報部の周辺の音声及び映像の一方又は両方を受信するように構成されており、
前記開始可否指標受信部により受信された前記音声及び前記映像の一方又は両方から、前記希望者情報部の周辺の人の存在を検知する人検知部を備え、
前記第2優先度決定部は、前記人検知部の検知結果に基づいて、前記診療希望者それぞれの第2優先度を決定するように構成されている
ことが好ましい。
【0022】
希望者情報部が遠隔診断接続システムのコンピュータに接続可能であっても、例えば診療希望者がいない場合又は診療希望者以外の人が遠隔診療の様子を見聞きできるような状態にある場合などは、遠隔診療を行うのに適した状態ではない。
【0023】
本発明によれば、開始可否指標受信部が希望者情報部の周辺の音声及び映像の一方又は両方を受信する。そして、人検知部が音声及び映像の一方又は両方から、希望者情報部の周辺の人の存在を検知して、第2優先度決定部が人検知部の検知結果に基づいて、診療希望者第2優先度を決定する。
【0024】
これにより、希望者情報部と医師情報部とを接続したものの、診療希望者がいない又は診療希望者以外の人が遠隔診療の様子を見聞きできるような状態にあるために遠隔診療を行えないなどの状況が発生する可能性を低減できる。
【0025】
このように本発明の遠隔診療接続システムによれば、希望者情報部の周辺の人の存在に応じて、遠隔診療の診療希望者と医師とを効率的に接続することができる。
【0026】
本発明の遠隔診療接続システムにおいて、
前記開始可否指標受信部は、前記診療開始情報を受信した前記希望者情報部から、該希望者情報部の周辺の音声及び映像の一方又は両方を受信するように構成されており、
前記開始可否指標受信部により受信された前記音声及び前記映像の一方又は両方から、前記診療希望者が前記遠隔診療に集中できる状態にあるか否かを判定する集中判定部を備え、
前記第2優先度決定部は、前記集中判定部の判定結果に基づいて、前記診療希望者それぞれの第2優先度を決定するように構成されている
ことが好ましい。
【0027】
希望者情報部が遠隔診断接続システムのコンピュータに接続可能であっても、例えば診療希望者が何か別の作業をしており遠隔診療に集中できない状況にある場合には、遠隔診療を行うのに適した状態ではなく、遠隔診療を効率的に行えないおそれがある。
【0028】
本発明によれば、開始可否指標受信部が希望者情報部の周辺の音声及び映像の一方又は両方を受信する。そして、集中判定部が音声及び映像の一方又は両方から診療希望者が遠隔診療に集中できる状態にあるか否かを判定して、第2優先度決定部が集中判定部の判定結果に基づいて、診療希望者の第2優先度を決定する。
【0029】
これにより、希望者情報部と医師情報部とを接続したものの、診療希望者が遠隔診療に集中できないので、遠隔診療を円滑に行えないなどの状況が発生する可能性を低減できる。
【0030】
このように本発明の遠隔診療接続システムによれば、診療希望者が遠隔診療に集中できるか否かに応じて、遠隔診療の診療希望者と医師とを効率的に接続することができる。
【0031】
本発明の遠隔診療接続システムにおいて、
前記集中判定部は、前記開始可否指標受信部により受信された前記映像から、前記希望者情報部に前記診療希望者の目線が向けられている度合を認識して、該目線が向けられている度合に基づいて該診療希望者が前記遠隔診療に集中できる状態にあるか否かを判定するように構成されている
ことが好ましい。
【0032】
本発明の遠隔診療接続システムによれば、集中判定部が、開始可否指標受信部により受信された診療希望者の視線に関する情報に基づいて診療希望者の目線が希望者情報部に向けられている度合を認識して、その度合い基づいて該診療希望者が前記遠隔診療に集中できる状態にあるか否かを判定する。
【0033】
そのため、希望者情報部と医師情報部とを接続したものの、診療希望者が希望者情報部に集中して目を向けることができないので、遠隔診療を円滑に行えないなどの状況が発生する可能性を低減できる。
【0034】
このように本発明の遠隔診療接続システムによれば、診療希望者が遠隔診療に集中できるか否かに応じて、遠隔診療の診療希望者と医師とを効率的に接続することができる。
【0035】
本発明の遠隔診療接続システムにおいて、
前記開始可否指標受信部は、前記診療開始情報を受信した前記希望者情報部から、前記希望者情報部の位置情報を複数回受信するように構成されており、
前記第2優先度決定部は、前記開始可否指標受信部により受信された前記位置情報の変化の度合及び前記集中判定部の判定結果に基づいて、前記診療希望者の前記第2優先度を決定するように構成されている
ことが好ましい。
【0036】
希望者情報部が遠隔診断接続システムのコンピュータに接続可能であっても、例えば診療希望者が歩行中、あるいは車の運転中であるなど、遠隔診療を行うのに適した状態ではない場合には、遠隔診療を効率的に行えないおそれがある。
【0037】
そのため、診療希望者が移動中の場合には、診療希望者の診療の第2優先度を高めて診察の順番を後回しにすることが求められる。ただし診療希望者が移動中であっても、遠隔診療に集中できる状況であると認められるならば、診察の順番を後回しにする必要はない。
【0038】
本発明によれば、開始可否指標受信部により受信された位置情報の変化の度合及び集中判定部の判定結果に基づいて、診療希望者の第2優先度を決定する。
【0039】
そのため、希望者情報部と医師情報部とを接続したものの、診療希望者が歩行中、あるいは車の運転中で、遠隔診療に集中できない移動状態にあるために遠隔診療を円滑に行えないなどの状況が発生する可能性を低減できる。
【0040】
このように本発明の遠隔診療接続システムによれば、診療希望者の移動状態と、診療希望者が遠隔診療に集中できるか否かと、に応じて遠隔診療の診療希望者と医師とを効率的に接続することができる。
【0041】
本発明の遠隔診療接続システムにおいて、
前記開始可否指標受信部は、前記診療開始情報を受信した前記希望者情報部から、該希望者情報部の通信状態の良好さを示す情報を前記開始可否指標情報として受信するように構成されており、
前記第2優先度決定部は、前記開始可否指標受信部により受信された前記通信状態の良好さを示す情報に基づいて、前記診療希望者それぞれの第2優先度を決定するように構成されている
ことが好ましい。
【0042】
希望者情報部が遠隔診断接続システムのコンピュータに接続可能であっても、例えば通信が途切れ途切れになるなど、遠隔診療を行うのに適した通信状態ではない場合には、遠隔診療を効率的に行えないおそれがある。
【0043】
そのため、希望者情報部の通信状態の良好でない場合には、診療希望者の診療の優先度を下げて診察の順番を後回しにすることが求められる。
【0044】
本発明によれば、開始可否指標受信部により受信された通信状態の良好さを示す情報に基づいて、診療希望者の第2優先度を決定する。
【0045】
そのため、希望者情報部と医師情報部とを接続したものの、希望者情報部の通信状態がよくないために遠隔診療を円滑に行えないなどの状況が発生する可能性を低減できる。
【0046】
このように本発明の遠隔診療接続システムによれば、通信状態の良好さに応じて、遠隔診療の診療希望者と医師とを効率的に接続することができる。
【0047】
本発明の遠隔診療接続システムにおいて、
前記第1優先度決定部は、前記診療希望情報に基づいて前記診療希望者それぞれが緊急性の高い所定の状態にあるか否かを判定するように構成されており、
前記接続順番決定部は、前記第1優先度決定部により前記緊急性の高い所定の状態にあると判定された前記診療希望者の前記希望者情報部の前記接続順番を、該第1優先度決定部により該緊急性の高い所定の状態にあると判定されていない前記診療希望者の前記希望者情報部の前記接続順番よりも前になるように決定する
ことが好ましい。
【0048】
診療の緊急度が高い診療希望者については、診療の緊急度がそれほど高くない診療希望者よりも診察の順番を早めることが求められる。
【0049】
本発明によれば、第1優先度決定部が診療希望情報に基づいて診療希望者それぞれが緊急性の高い所定の状態にあるか否かを判定し、当該判定結果に基づいて接続順番決定部が、緊急性の高い所定の状態にあると判定された診療希望者の接続順番を、所定の状態にあると判定されていない診療希望者よりも前になるように決定する。
【0050】
これにより、診療の緊急度が高い診療希望者については、診療の緊急度がそれほど高くない診療希望者よりも診察の順番を早めることができる。
【0051】
このように本発明の遠隔診療接続システムによれば、緊急性の高さに応じて、遠隔診療の診療希望者と医師とを効率的に接続することができる。