特許第6872288号(P6872288)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6872288顆粒状組成物を収容する可溶性単位用量パウチ用の封止部洗浄機及びプロセス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6872288
(24)【登録日】2021年4月21日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】顆粒状組成物を収容する可溶性単位用量パウチ用の封止部洗浄機及びプロセス
(51)【国際特許分類】
   B65B 9/04 20060101AFI20210510BHJP
   B65B 59/00 20060101ALI20210510BHJP
【FI】
   B65B9/04
   B65B59/00
【請求項の数】11
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2018-562170(P2018-562170)
(86)(22)【出願日】2017年6月19日
(65)【公表番号】特表2019-517429(P2019-517429A)
(43)【公表日】2019年6月24日
(86)【国際出願番号】US2017038131
(87)【国際公開番号】WO2017222983
(87)【国際公開日】20171228
【審査請求日】2018年11月27日
(31)【優先権主張番号】62/354,267
(32)【優先日】2016年6月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100195006
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 勇蔵
(74)【代理人】
【識別番号】100212657
【弁理士】
【氏名又は名称】塚原 一久
(72)【発明者】
【氏名】ブラント・サンツ、ミゲル
(72)【発明者】
【氏名】マーティン・ド・ジュアン、ルイス
【審査官】 種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−202316(JP,A)
【文献】 特開2003−285016(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 9/04
B65B 59/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械方向(MD)に互いに間隔を置き、前記機械方向に移動可能な複数の成形ポケット(570)であって、各前記成形ポケットは、長手方向軸(L)、及び前記長手方向軸の両側で対向する一対の横方向縁部(460)を有する、複数の成形ポケットと、
前記成形ポケットから間隔を置いたチャンバ(410)であって、前記チャンバは前記成形ポケットに向かって配向された開放スロット(470)を有し、前記開放スロットは、前記成形ポケットの前記横方向縁部と同じくらい、前記長手方向軸から離れて少なくとも横に広がっている、チャンバと、
互いに間隔を置き、前記開放スロットを横切って前記機械方向に移動可能な、前記チャンバの内部にある複数のポケットキャップ(420)であって、前記ポケットキャップは前記成形ポケットと動作可能に結合し、前記ポケットキャップは前記成形ポケットに位置を合わせて移動する、複数のポケットキャップと、
前記チャンバと流体連通している空気流発生機(490)と、を備える、装置(3)。
【請求項2】
前記開放スロットは、前記成形ポケットの前記横方向縁部よりも横に広がっている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ポケットキャップは、前記チャンバの内部の回転フレーム(480)に接続している、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記ポケットキャップは、前記チャンバの内部の移動可能なベルトに接続している、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記複数の成形ポケットは、前記機械方向、及び前記機械方向に直交する横断方向(CD)に互いに間隔を置いており、前記複数のポケットキャップは、前記横断方向に互いに間隔を置いている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記空気流発生機は、前記チャンバから下流の真空ポンプである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記空気流発生機は、前記スロットの上流の正圧ポンプである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記開放スロットは、前記機械方向に直交している、請求項1〜7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記成形ポケットは、前記機械方向、及び前記機械方向と直交する横断方向と平行な成形ポケット平面内に成形ポケット平面形状を有し、
前記ポケットキャップは、前記機械方向及び前記横断方向と平行なポケットキャップ平面内にポケットキャップ平面形状を有し、
前記成形ポケット平面形状は、前記ポケットキャップ平面形状と実質的に同一である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記成形ポケットは、前記開放スロットに向かって配向された、前記開放スロットに面する表面を有し、
前記開放スロットに面する表面はくぼんでいる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の前記装置を用いて封止部ランディングを洗浄するためのプロセスであって、前記プロセスは、
前記複数の成形ポケット上に担持された第1のウェブ(505)を提供する工程であって、前記第1のウェブは前記成形ポケットに適合され、前記ポケットと一致する複数の凹部(580)、及び前記凹部間の封止部ランディングを備え、前記凹部は顆粒状材料(50)を収容する、第1のウェブを提供する工程と、
前記複数の前記ポケットキャップを、前記開放スロットを横切って前記機械方向に、かつ前記成形ポケットに位置を合わせて移動させる工程と、
空気流を近位の前記封止部ランディングから前記開放スロットを通し前記チャンバの中に提供して、顆粒状材料を前記封止部ランディングから前記チャンバの中に搬送する工程と、を含む、プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
顆粒状組成物を収容する水溶性パウチの作製に用いる封止部洗浄機。
【背景技術】
【0002】
水溶性の洗剤パウチは、多くの消費者にとって好まれる洗濯用及び食器用洗剤の形態になってきている。消費者は洗剤に接触する必要なく洗剤を使用することができることを喜んでいる。というのは洗剤によってはぬめりを有する場合があり、皮膚から洗い落とすことが難しい場合があるからである。
【0003】
洗剤パウチは、1つ以上の粉末組成物、液体組成物、及びそれらの組み合わせを含み得る。粉末組成物を収容するパウチは、このような組成物を配合することは液状組成物と比較して単純であるため、特に消費者及び製造業者にとって魅力的であり得る。
【0004】
粉末洗剤組成物を収容するパウチを形成するために使用される典型的なプロセスは、1つ以上のポケットを有する成形型に保持された、水溶性フィルムの底部連続ウェブを提供し、フィルムを成形型のポケットに合致させ、それによってウェブが複数の凹部を有するようにすることである。凹部は、少なくとも部分的に充填された粉末洗剤組成物であり得る。適合される前に、洗剤組成物をポケットに位置を合わせて底部フィルムに設置することができ、それにより底部フィルムがポケットに適合されると、粉末は、底部フィルムがポケットに適合される際に形成される底部フィルム内の凹部の中に落ちるか又は凹部と共に変形する。底部フィルムがポケットに適合しながら、又は底部フィルムがポケットに適合された後に、組成物は凹部内に設置され得る。
【0005】
粉末が凹部内に入った後、水溶性フィルムの頂部連続ウェブが底部連続ウェブの上部に置かれ、頂部連続ウェブは底部連続ウェブ内の凹部間の封止部ランディングに接着されてパウチのアレイが形成される。パウチのアレイは機械方向及び横断方向のうちの1つ以上の方向に延びることができる。形成及び充填動作の下流で、パウチのアレイは機械方向及び横断方向のうちの1つ以上の方向で切断されて、個々のパウチが提供される。
【0006】
粉末をフィルム上の所望の場所に投入することは、フィルムが平坦であっても、ポケットと適合されて凹部を形成していても、精密に制御することは困難であり得る。顆粒状材料のいくらかが、最終的に凹部の間の封止部ランディング上に堆積されてしまうことが多い。封止部ランディング上に存在する顆粒状材料は、頂部連続ウェブと底部連続ウェブとの間の密着した封止を実現することを妨げ得る。上述したように、個々のパウチを形成するための頂部連続ウェブと底部連続ウェブとの間の十分な封止がないと、パウチは散らかって使いづらく、保管及び使用中にパウチから粉末が漏れやすく、消費者にとって不満となり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
こうした欠点を考慮すると、頂部連続ウェブ及び底部連続ウェブを互いに確実に結合させることを可能にするための、封止部洗浄機及び封止部洗浄機を使用するプロセスに対する未だ解決されていない必要性が引き続き存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
機械方向に互いに間隔を置き、当該機械方向に移動可能な複数の成形ポケットであって、各当該成形ポケットは、長手方向軸、及び当該長手方向軸の両側で対向する一対の横方向縁部を有する、複数の成形ポケットと、当該成形ポケットから間隔を置いたチャンバであって、当該チャンバは当該成形ポケットに向かって配向された開放スロットを有し、当該スロットは、当該成形ポケットの当該横方向縁部と同じくらい、当該長手方向軸から離れて少なくとも横に広がっている、チャンバと、互いに間隔を置き、当該スロットを横切って当該機械方向に移動可能な、当該チャンバの内部にある複数のポケットキャップであって、当該ポケットキャップは当該成形ポケットと動作可能に結合し、当該ポケットキャップは当該成形ポケットに位置を合わせて移動する、複数のポケットキャップと、当該チャンバと流体連通している空気流発生機と、を含む、装置。
【0009】
前パラグラフの装置を用いて封止部ランディングを洗浄するためのプロセスであって、当該プロセスは、当該複数の成形ポケット上に担持された第1のウェブを提供する工程であって、当該第1のウェブは当該成形ポケットに適合され、当該ポケットと一致する複数の凹部、及び当該凹部間の封止部ランディングを備え、当該凹部は顆粒状材料を収容する、第1のウェブを提供する工程と、当該複数のポケットキャップを、当該スロットを横切って当該機械方向に、かつ当該成形ポケットに位置を合わせて移動させる工程と、空気流を近位の当該封止部ランディングから当該スロットを通し当該チャンバの中に提供して、顆粒状材料を当該封止部ランディングから当該チャンバの中に搬送する工程と、を含む、プロセス。
【0010】
第1のウェブを担持する複数の成形ポケットを提供する工程であって、当該成形ポケットは機械方向に互いに距離を置き、当該機械方向に移動し、各当該成形ポケットは、長手方向軸、及び当該長手方向軸の両側で対向する一対の横方向縁部を有し、当該第1のウェブは当該成形ポケットに適合され、当該ポケットと一致する複数の凹部、及び当該凹部間の封止部ランディングを備え、当該凹部は顆粒状材料を収容する、工程と、当該第1のウェブから間隔を置いたチャンバを設ける工程であって、当該チャンバは当該第1のウェブに向かって配向された開放スロットを有し、当該スロットは、当該成形ポケットの当該横方向縁部と同じくらい、当該長手方向軸から離れて少なくとも横に広がっている、工程と、誤って置かれた顆粒状材料を当該封止部ランディングから当該チャンバの中に搬送するために、当該第1のウェブと当該スロットとの間を通過し当該スロットに入り当該チャンバの中に入る空気流を提供する工程であって、当該凹部の上方よりも当該封止部ランディングの上方を、より多くの当該空気流が通過する、工程と、を含む、プロセス。
【0011】
封止部ランディングを洗浄するためのプロセスであって、当該プロセスは、機械方向に互いに間隔を置き、当該機械方向に移動する複数の成形ポケットであって、各当該成形ポケットは、長手方向軸、及び当該長手方向軸の両側で対向する一対の横方向縁部を有する、複数の成形ポケットを提供する工程と、当該成形ポケット上に担持された第1のウェブを提供する工程と、当該第1のウェブを当該成形ポケットに適合させて、当該第1のウェブ内に複数の凹部を、当該封止部ランディングが当該凹部の間に位置するように形成する、工程と、顆粒状材料を当該凹部の中に堆積させる工程と、チャンバを当該成形ポケットの上方に当該第1のウェブから間隔を置いて設ける工程であって、当該チャンバは当該第1のウェブに向かって配向された開放スロットを有し、当該スロットは、当該成形ポケットの当該横方向縁部と同じくらい、少なくとも横に広がっている、工程と、互いに距離を置き、当該スロットを横切って当該機械方向に、及び当該成形ポケットに位置を合わせて移動する、複数のポケットキャップを当該チャンバの内部に提供する工程と、空気流を当該封止部ランディングの上方から当該スロットを通し当該チャンバの中に提供して、当該封止部ランディングから顆粒状材料を除去する工程と、を含む、プロセス。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】水溶性パウチである。
図2】水溶性パウチの断面図である。
図3】水溶性パウチを形成するための装置の概略図である。
図4】成形型の断面図である。
図5】封止部洗浄装置の上面図であり、本実施形態は内部の仕組みを観察できる窓を有して図示している。
図6】封止部洗浄装置の斜視図である。
図7】封止部洗浄装置の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
水溶性パウチ10を図1に示す。水溶性パウチ10は、水溶性の第1のシート20と、水溶性の第1のシート20に接合した水溶性の第2のシート30と、を備えて、顆粒状材料50を収容する区画40を少なくとも部分的に画定し得る。
【0014】
図2に示すように、第1のシート20及び第2のシート30の各々は、内面70及び反対側の外面80を有し得る。第1のシート20及び第2のシート30の内面70は合わせて区画40を形成し得る。第1のシート20及び第2のシート30の縁部90は互いに接合されて区画40を形成し得る。区画40内には顆粒状材料50が配置され得る。第1のシート20及び第2のシート30のうちの少なくとも1つは成形シート25であり得る。第1のシート20及び第2のシート30のうちの少なくとも1つは熱成形シート25であり得る。第1のシート20及び第2のシート30の内面70は区画40に向かって配向され得る。
【0015】
縁部90は各々、又は約100mm未満、又は更には約60mm未満、又は更には約50mm未満の長さを有し得る。水溶性パウチ10の平面図は、実質的に矩形、実質的に正方形、実質的に円形、楕円形、超楕円形(superelliptical)、又は製造に実用的である任意のその他の所望される形状であり得る。水溶性パウチの平面総面積は、約10000mm未満、又は更には約2500mm未満であり得る。このようにサイズ及び寸法を決められた水溶性パウチ10は、成人の手の握りの範囲内に簡便に適合し得る。更に、自動食器洗浄機における使用を意図された水溶性パウチ10の場合、こうしたサイズは機械内の洗剤収容部に簡便に適合し得る。
【0016】
第1のシート20及び第2のシート30の縁部90は互いに接着され得る。例えば、第1のシート20及び第2のシート30の縁部90は、熱接着若しくは溶剤接着、又はこれらの組み合わせによって互いに接合され得る。熱接着は、熱及び圧力のうち1つ以上を、互いに接着される2つの材料に加えることによって形成され得る。溶剤接着は、溶剤を第1のシート及び第2のシートのうちの一方又は両方に塗布し、接着が所望される位置で第1のシート20と第2のシート30とを接触させることによって形成され得る。水溶性パウチの場合、溶剤は水及び/又は蒸気であり得る。
【0017】
第1のシート20及び第2のシート30は、顆粒状材料50がパウチ10の外部から目に見えるように十分に半透明、又は更には透明であり得る。すなわち、パウチ10を使用する消費者は、パウチ10内に収容された顆粒状材料50を見ることができる。
【0018】
水溶性パウチ10を形成するためのパウチ形成装置1を図3に示す。パウチ形成装置1は、第1のウェブ供給ロール500と、印刷ユニット510と、コンベヤシステム520と、コンベヤシステム520上に移動可能に取り付けられた複数の成形型530と、ヒータ540と、ディスペンサ550と、第2のウェブ供給ロール560と、を備え得る。ディスペンサ550の上流で、パウチ形成装置1は真空システム600を備え得る。第1のウェブ505は、コンベヤシステム520上に配置される前に、印刷ユニット510を介して供給され得る。印刷ユニット510は、第1のウェブ上に商標設定及び用途情報を印刷することができる。続いて、第1のウェブ505はコンベヤシステム520上に供給され得る。コンベヤシステム520は成形型530を機械方向MDに搬送することができる。ディスペンサ550は機械方向MD及び機械方向MDの上流方向に移動可能であり得る。封止部洗浄装置3をディスペンサ550と、第2のウェブ565が適用される場所と、の間に設けることができる。換言すると、封止部洗浄装置3はディスペンサ550の下流にあってよい。
【0019】
印刷ユニット510は、第1のウェブ供給ロール500とコンベヤシステム520との間に位置し得る。任意選択的に、印刷ユニット510は、第2のウェブ供給ロール560とコンベヤシステム520との間に位置し得る。任意選択的に、ウェブ供給ロール500は、商標設定及び用途情報が上に配置された、予め印刷されたウェブ供給ロールとすることができ、印刷ユニット510は除外することができる。更に任意選択的に、ウェブ供給ロール560は、商標設定及び用途情報が上に配置された、予め印刷されたウェブ供給ロールとすることができ、印刷ユニット510は除外することができる。商標設定及び/又は用途情報は、第1のウェブ505若しくは第2のウェブのいずれかの表面、又は追加のウェブが設けられる場合には、そのようなウェブ上にあり得る。
【0020】
コンベヤシステム520は成形型530を、またそれによって第1のウェブ505を、約5m/分〜約20m/分(その間の整数の任意の範囲又は単一値を含む)の速度で搬送し得る。コンベヤシステム520は、ベルト若しくはドラム、又は成形型530を搬送するのに好適なその他の構造であり得る。
【0021】
コンベヤシステム520は複数の成形型530を備え福岡。本明細書で説明するウェブは、成形型のランド領域内のウェブ保持真空システムによって、本明細書で説明する成形型上に保持され得る。成形型530の断面を図4に示す。成形型530はアルミニウムから作製することができる。成形型530は1つ以上の成形ポケット570を有し得る。成形ポケット570は多孔面575を有し得る。1つ以上の成形型530が横断方向CDに存在し得る。コンベヤシステム520は、パウチ10の成形及び充填中に、成形型を機械方向MDに搬送し得る。成形型530は、1つ以上の真空伝送システム585を備え得る。成形型530は、第1のウェブ505を成形型530上に保持するための真空システムを有し得る。成形型530は、それぞれの成形ポケット570を取り囲むランド領域531を有し得る。
【0022】
提供されている成形型530は成形ポケット570を含み得る。第1のウェブ505が機械方向MDに搬送される際に、第1のウェブ505はヒータ540の下方を通過し得る。ヒータ540は赤外線ランプであり得る。ヒータ540は、約300℃〜約500℃の温度を有する赤外線ランプであり得る。第1のウェブ505がヒータ540の下方を通過する際に、第1のウェブ505は所望の温度まで加熱されることができる。ヒータ540と第1のウェブ505との間の距離は調節可能とすることができ、よって第1のウェブ505の温度は制御することができる。同様に、ヒータ540の温度は調節可能とすることができ、よって第1のウェブ505の温度は制御することができる。
【0023】
第1のウェブ505が任意選択的に所望の温度まで加熱される間、又は第1のウェブ505が任意選択的に所望の温度まで加熱された後で、成形型530は真空システム600上を搬送され得る。真空システム600を用いて、成形ポケット570の多孔面575に負のゲージ圧を加えることができる。負のゲージ圧が成形ポケット570の多孔面575に印加されるとき、第1のウェブ505は第1の最高温度にあり得る。
【0024】
成形ポケット570の多孔面575は、約0.1mm〜約2mmの面積を有する開口部を含み得る。成形ポケット570の多孔面575は、約0.5mm〜約1mmの面積を有する開口部を含み得る。成形ポケット570の多孔面575は、約0.5mm〜約1.5mmの面積を有する開口部を含み得る。開口部は円形の開口部であり得る。約2〜約2000の開口部が存在し得る。開口部は、変形、塑性変形、又は熱成形の温度で、完成したパウチ10の構造的一体性が損なわれるような程度でウェブが開口部に引き込まれることのないように、サイズ決めされ得る。
【0025】
成形型530内の成形ポケット570は約5mL〜約300mLの容積を有し得る。成形型530内の成形ポケット570は約5mL〜約40mLの容積を有し得る。成形型530内の成形ポケット570は約14mL〜約18mLの容積を有し得る。
【0026】
第1の最高温度は約5℃〜約100℃であり得る。第1の最高温度は約10℃〜約100℃であり得る。第1の最高温度は約20℃〜約100℃であり得る。第1の最高温度は約60℃〜約100℃であり得る。第1の最高温度は、第1のウェブ505の変形が熱成形によるものとなるような温度であり得る。熱成形は、より低温で変形された第1のウェブ505から成形されたパウチ10と比較して、微小亀裂の程度がより少ない完成したパウチ10を提供し得る。
【0027】
負のゲージ圧は、大気圧より約1000Pa〜約9000Pa(約10mbar〜約90mbar)低くあり得る。第1のウェブ505は約1秒〜約10秒間、負のゲージ圧に曝露され得る。第1のウェブ505は約2秒〜約5秒間、第1の負圧に曝露され得る。第1のウェブ505は約1秒〜約3秒間、第1の負圧に曝露され得る。負のゲージ圧は大気圧より約1000Pa〜約4000Pa(約10mbar〜約40mbar)低くてもよい。負のゲージ圧は、大気圧より約2500Pa〜約3500Pa(約25mbar〜約35mbar)低くてもよい。水溶性の第1のウェブ505は、負のゲージ圧が第1のウェブ505に加えられたときに約5℃〜約100℃、又は更には約10℃〜約100℃、又は更には約20℃〜約100℃の温度を有し得る。負のゲージ圧が低いほど、第1のウェブ505はより迅速に変形する。よりゆっくりと変形させることによって、変形された第1のウェブ505の微小亀裂の量を低減させることができる。変形温度がより低い場合、負のゲージ圧はより大きく、すなわち真空の程度はより小さくなり得、その結果、第1のウェブ505の変形はゆっくりとなり、それにより第1のウェブ505中の微小亀裂を低減させることができる。
【0028】
明確化のために、ゲージ圧は大気圧を基準にゼロとしている。大気圧より5000Pa(50mbar)低いゲージ圧は、大気圧より低い圧力であるため、負のゲージ圧であると言うことができる。大気圧より5000Pa(50mbar)低い負のゲージ圧は大気圧よりも低いため、これは真空である。
【0029】
負のゲージ圧及び第1の最高温度は、凹部580が良好に成形され、第1のウェブ505が許容し得ない程度まで多孔面575内の開口部の中に引き込まれることがなく、第1のウェブ505の変形中に発生する微小亀裂の量が許容可能な程度まで制限されるように選択され得る。
【0030】
負のゲージ圧を加えることによって、第1のウェブ505を変形させて、成形型530の1つ以上の成形ポケット570の中に入れることができる。負のゲージ圧を加えることによって、第1のウェブ505を塑性的に変形させて、成形型530の1つ以上の成形ポケット570の中に入れることができる。塑性変形は熱成形によってもたらすことができ、熱成形は塑性変形のサブセットであると考えられる。図4に示すように、第1のウェブ505を加熱して、成形型530内の成形ポケット570の中に引き込むことができる。周囲温度を超えて加熱された第1のウェブ505は、真空伝送システム585によって成形ポケット570の多孔面575に加えられる真空によって引き込まれ得る。成形型530の真空伝送システム585は、真空システム600と流体連通して、負のゲージ圧を加えることができる。
【0031】
負のゲージ圧を第1のウェブ505に加えた後、熱成形された第1のウェブ505は次いで、ディスペンサ550によって顆粒状材料50で充填又は部分的に充填することができる。続いて、第2のウェブ565を、成形された第1のウェブ505と対向する関係にしてから第1のウェブ505に対して封止して、パウチ10を形成する。第2のウェブ565は、およそ周囲温度〜約120℃の温度であり得る。第2のウェブ565は、約10℃〜約120℃の温度であり得る。第2のウェブ565は、約20℃〜約120℃の温度であり得る。
【0032】
水溶性パウチ10を製造するプロセスの一部として、顆粒状材料50を水溶性の第1のウェブ505上に配置することができる。水溶性の第1のウェブ505上に配置された顆粒状材料50の観点から、これは水溶性の第1のウェブ505が凹部580の中に変形する前、水溶性の第1のウェブ505が凹部580の中に変形する間、若しくは水溶性の第1のウェブ505が凹部580の中に変形した後、又は上記の期間のいずれかの部分、若しくはかかる期間のうちのいずれかと重なり合う部分の間に起こり得る。
【0033】
水溶性の第1のウェブ505を成形して凹部580を形成する他の方法が企図される。基本的に、水溶性の第1のウェブ505を凹部580の中に変形させるのに必要なことは、水溶性の第1のウェブ505にわたって圧力差を加えて、水溶性の第1のウェブ505を成形ポケット570の多孔面575に適合させることのみである。例えば、水溶性の第1のウェブ505は、水溶性の第1のウェブ505を第1の最高温度にして水溶性の第1のウェブ505にわたって第1の圧力差を加え、続いて水溶性の第1のウェブ505を第2の最高温度にして水溶性の第1のウェブ505にわたって第2の圧力差を加えることにより、凹部580の中に成形することができる。第2の圧力差は、第1の圧力差を上回ってもよい。第2の最高温度は、第1の最高温度以上であってもよい。非限定的な例として、水溶性の第1のウェブ505にわたる第1の圧力差は、成形型の上からの流体圧力によって提供され得る。流体は加熱流体であってもよい。水溶性の第1のウェブ505上に作用し得る流体圧力は、空気などの気体、又は液体によって提供され得る。例えば、ノズルは、第1のウェブ505に向かう方向の圧力下で流体、非限定的な例としては液体又は気体を分配して第1のウェブ505を成形ポケット570の多孔面575に適合させ得る。
【0034】
本明細書に記載されるように、第1の圧力差は、負のゲージ圧を多孔面575に加えることによって加えることができる。
【0035】
第1のウェブ505と第2のウェブ565とを接合させる任意の好適なプロセスを用いてよい。封止は、成形型530の個々の成形ポケット570間のランド領域531内で行われ得る。こうした手段の非限定的な例としては、加熱封止、溶剤溶着、溶剤又は湿式封止、及びこれらの組み合わせが挙げられる。熱及び/又は溶剤はシートの表面全体に適用してもよく、又は封止を形成することになる領域のみを熱若しくは溶剤で処理してもよい。熱又は溶剤は、任意のプロセスにより、典型的には閉鎖材料上、典型的には封止を形成することになる領域上のみに適用してよい。溶剤又は湿式の封止又は溶着を用いる場合、更に熱を加えてもよい。湿式又は溶剤の封止/溶着プロセスとしては、溶剤を、成形型間の領域、又は閉鎖材料上に、例えば、溶剤をこれらの領域上に噴霧又は印刷することにより選択的に適用し、続いて圧力をこれらの領域に印加して封止を形成することが挙げられる。例えば、任意選択的に熱も提供する上記の封止ロール及びベルトを使用してもよい。
【0036】
切断操作は、パウチ10を個々のパウチ10に分離するための図3に示す装置と一体であってもよく、又はその下流に位置していてもよい。続いて、形成されたパウチ10を切断装置によって切断してよい。切断は、任意の既知のプロセスにより達成し得る。切断は、任意に一定の速度で、及び水平位で、連続的な方法で実施してよい。切断装置は、例えば鋭利な物品又は高温物品であってもよく、後者の場合には、高温物品がシート/封止領域を「焼き切る」。切断装置(単数又は複数)は、横断方向に切断を行うロータリーダイカッター、及び機械方向MDに切断を行う切断ホイールであり得る。
【0037】
個々のパウチ10の観点では、水溶性パウチ10を作製するためのプロセスは多段階プロセスである。水溶性の第1のシート20が提供される。水溶性の第2のシート30が提供される。凹部580は、第1のシート20及び第2のシート30のうちの1つの中に、かかるシートを塑性的に変形させることによって形成される。顆粒状材料50は、凹部580内又は第1のシート20上に配置され得る。また、第1のシート20と第2のシート30とは互いに封止されて、密封されたパウチ10を形成し得る。
【0038】
パウチ10を製造するプロセスでは、第1のシート20及び第2のシート30のうちの少なくとも1つが形成される。パウチ10を製造するプロセスでは、第1のシート20及び第2のシート30のうちの少なくとも1つが熱成形され得る。パウチ10を製造するプロセスでは、第1のシート20及び第2のシート30のうちの少なくとも1つが塑性的に変形され得る。パウチ10を製造するプロセスでは、第1のシート20及び第2のシート30のうちの少なくとも1つが変形され得る。パウチ10を形成するシートの特性に応じて、中に顆粒状材料50が配置される凹部580を形成するために熱成形されるシートは、シートが他方のシートに接合された後で部分的に弾性反発し得る。第1のシート20及び第2のシート30の特性に応じて、パウチ10は多少湾曲したシートを有するように設計されてもよい。
【0039】
本明細書で説明するパウチ10を形成するとき、凹部580を形成するために変形されるシートは、他方のシートがそれに接合されパウチ10が形成された後で弾性反発してもよい。弾性反発するシートが収縮すると、他方のシートは、収縮するシートのために生じる区画40内の圧力の上昇によって塑性的に変形され得る。したがって、凹部580を形成するために一方のシートのみが変形される場合であっても、成形ポケット570内に最初に引き込まれたシートが弾性反発するときに、両方のシートが塑性的に変形され得ることが可能である。任意選択的に、成形ポケット570の中に塑性的に変形しなかったシートに熱を加えることができ、その結果、他方のシートの塑性変形は熱成形によるものであり得、また一方のシートが弾性反発して他方のシートの変形を促進することによるものであり得る。
【0040】
成形型530内の成形ポケット570は、約20〜約80cmの表面積を有し得る。第1のウェブ505が凹部580の中に変形する際に、第1のウェブ505の変形された、塑性的に変形された、又は熱成形された部分の面積は、変形、塑性変形、又は熱成形を受けた第1のウェブ505の部分の変形、塑性変形、又は熱成形前の面積と比較して約50〜約300%増大し得る。
【0041】
図5は、封止部ランディング400を洗浄するための封止部洗浄装置3の上面図である。図5において、材料の流れの方向は機械方向MDにおいて左から右である。パウチ形成装置1、及び封止部ランディング400を洗浄するための装置3は、機械方向MDと直交する横断方向CDを有し得る。顆粒状材料50を収容する凹部580が設けられた第1のウェブ505は、装置3の中に供給されて封止部ランディング400が洗浄される。図5に示すように、非限定的な例として、第1のウェブ505の左下部の部分において、いくらかの顆粒状材料50が封止部ランディング400上に誤って置かれる可能性がある。封止部ランディング400は、成形型530のランド領域531の上方で、個々の成形ポケット570の間にある。封止部ランディング400の洗浄のために、第1のウェブ505が装置3の下方を通過する際に、装置3は、封止部ランディング400上に存在する誤って置かれた顆粒状材料50を除去する。
【0042】
封止部ランディング400の洗浄は、成形ポケット570から間隔を置いたチャンバ410を含むシステムによって行うことができる。チャンバ410の内部には、互いに間隔を置いた複数のポケットキャップ420が存在し得る。ポケットキャップ420は、機械方向MDに移動可能である。ポケットキャップ420は、成形ポケット570と動作可能に結合することができ、ポケットキャップ420は、成形ポケット570に位置を合わせて移動することができる。ポケットキャップ420及び成形ポケット570は、封止部洗浄装置3の駆動モータ430及びコンベヤシステム520の移動を駆動するモータを制御する電子制御システムを介して、互いに動作可能に結合可能である。任意選択的に、動作可能な結合は、チェーンリンク機構若しくはバーリンク機構、又は封止部洗浄装置3とコンベヤシステム520の移動を結合させるその他の方法などであるがこれらに限定されない機械的リンク機構によって実現され得る。プロセス中、チャンバ410内のポケットキャップ、複数のポケットキャップ420は、スロットを横切って、及び成形ポケット570に位置を合わせて、機械方向MDに移動し得る。
【0043】
チャンバ410はポケットキャップ420を収容し、ポケットキャップ420はチャンバ410の内部で移動可能である。図5に示す実施形態では、ポケットキャップ420は、チャンバ410の内部で回転可能である。個々のポケットキャップ420は、フレーム440に接続することができる。フレーム440は、ポケットキャップ420が中心軸Aの周りを回転できるように、駆動モータ430に接続することができる。
【0044】
凹部580を有する第1のウェブ505が封止部洗浄装置3の下方に供給される際、特定の個々の凹部580と関連する個々のポケットキャップ420は、その特定の個々の凹部580に位置を合わせて移動する。空気流は、正のゲージ圧によってチャンバ410の外からチャンバ410を介して供給し、供給源からの空気流を封止部洗浄装置3と第1のウェブ505との間の空間の中に入るように押し進めることができる。代替として、及びおそらくより簡便には、空気流は、封止部洗浄装置3と第1のウェブ505との間の空間に、チャンバ410の下流の真空ポンプを用いてチャンバを通して供給することができる。封止部洗浄装置3と第1のウェブ505との間の空間内で生成された空気流は、封止部ランディング400上に存在する誤って置かれた顆粒状材料50を浮遊させるように作用することができる。次いで、空中に浮遊した顆粒状材料50は、第1のウェブ505の上方からチャンバ410の中に移送される。いったんチャンバ410内に入ると、顆粒状材料50はある方法、例えば静電気、若しくはその他のある微細粒子収集手法により捕獲することができ、又は空気流によってチャンバ410から集積場所に出して、任意選択的に再循環させディスペンサ550に戻すように移送することができる。
【0045】
図5に示すように、成形ポケット570は機械方向MDに互いに間隔をあけて置かれてよい。成形ポケット570の各々は、長手方向軸L、及び長手方向軸Lの両側で対向する一対の横方向縁部460とを有し得る。各ポケットの幅は、ポケットの横方向縁部460間の最大距離とみなすことができる。成形ポケット570は機械方向MDに移動可能であり得る。成形ポケット570は、パウチを形成するのに適切な任意の三次元形状を有することができる。例えば、機械方向MDと横断方向CDとによって規定される平面内の成形ポケット570の形状は、正方形、矩形、楕円形、円形、不規則形などであり得る。
【0046】
チャンバ410は、操作者が封止部洗浄装置3を分解することなく封止部洗浄装置3の動作を検査できるように、任意選択的に窓450を有し得る。
【0047】
誤って置かれた顆粒状材料50を浮遊させるために、封止部ランディング400を横切る空気流を発生させるための空気流発生機490として真空ポンプが使われる場合、真空ポンプは、図5に示すように、又はチャンバ410の下流の他の場所に配置することができる。任意選択的に、正圧ポンプをスロットの上流でチャンバ410の外側に配置して、封止部ランディング400を横切る空気流を駆動することができる。
【0048】
装置3の斜視図を図6に示すが、図5の底部に示す装置の部分が手前に向かって配向されている。図6において、チャンバ410内での内部の仕組みが見えるように、チャンバ410の側面は取り除いてある。図6に示すように、チャンバ410はスロット470を有し得る。スロット470は成形ポケット570に向かって配向されている。スロット470は、封止部ランディング400の近位からチャンバ410の中への流体の、この場合は空気流の流体連通のための経路を提供し得る。スロット470を除いて、チャンバ410の内部は第1のウェブ505及び下にある成形ポケット570から分離され得る。
【0049】
スロット470は、そのような成形ポケット570の横方向縁部460と同じくらい、スロット470のそばを通過する成形ポケット570の長手方向軸Lから離れて少なくとも横に広がっていてよい。横に広がっているとは、第1のウェブ505にわたる機械方向MDから外れており、必ずしも機械方向MDと直交するとは限らないことを意味する。例えば、ポケットキャップ420がベルトシステムの一部として提供される場合、スロット470は、機械方向MDの対角に、第1のウェブ505にわたって延び、依然として封止部洗浄を提供することができるが、機械方向MDと直交する横断方向CDにおける封止部洗浄は、機械方向MDの特定位置での横断方向CDにおける全ての位置で同時に起きない場合がある。好都合なことに、図5及び図6に示すように、スロット470は、機械方向MDに直交した横断方向CDとすることができる。
【0050】
もし装置3が、単一レーンの成形ポケット570、及びこれに対応して成形ポケットに位置を合わせて移動する単一レーンのポケットキャップ420を提供し、スロット470が、スロット470のそばを通過する成形ポケット570と同じくらい横に広がっている場合、装置は、個々の成形ポケット570間の封止部ランディング400を機械方向MDに洗浄するように機能し得る。成形ポケット570の横方向縁部460の近位の封止部ランディング400も洗浄され得るように、スロット470が、成形ポケット570の横方向縁部460よりも、より横に広がっていることが有益であり得る。一般に、単一レーンの成形ポケット570が提供される場合、スロット470の横断方向CDにおける部品幅がポケット幅よりも大きいことが望ましい配置であり得る。横断方向CDに複数の成形ポケット570がある場合、横断方向CDにおけるスロット470の部品幅は、成形ポケット570の幅の合計、及びそれらの成形ポケット570の間のランド領域531の幅の合計よりも大きいことが望ましい場合がある。
【0051】
ポケットキャップ420は、チャンバ410内の移動可能なベルトに接続し得ることが企図される。例えば、成形ポケット570はベルトシステムの一部として提供され、成形ポケットキャップ420は別のベルトシステムの一部として機械方向MDに移動することができる。これは、図5のチャンバ420が覆われておらず、よって成形ポケット570の上部にほぼ平坦にあり、ポケットキャップ420がチャンバ410を通過又は通りスロット470上を移動することを想像することにより想定できる。本質的には、装置3は、複数の成形ポケット570を有する又は担持する底部ベルトと、複数のポケットキャップ420を有する又は担持する頂部ベルトと、を有するベルトシステム上のベルトであり得、ポケットキャップ420はチャンバ410を通過するか、又はチャンバと流体連通し、更にスロット470上を通過する。
【0052】
もし複数レーンの成形ポケット570が設けられる場合、スロット470は第1のウェブ505の幅にわたって延びることができる。スロット470は、複数レーンの成形ポケット570にわたって、横断方向CDに、又は機械方向MDからずれた、例えば対角の別方向に延びることができる。スロット470は、複数レーンの成形ポケット570にわたって、横断方向CDに、又は機械方向MDからずれた、例えば曲線形状又は不規則曲線形状の別方向に延びることができる。
【0053】
図5及び図6に示す実施形態では、ポケットキャップ420は、チャンバ410の内部で回転フレーム480に接続される。ポケットキャップ420は、機械方向MD、及び機械方向MDと直交する横断方向CDに互いに間隔を置いていてもよい。ポケットキャップ420は、横断方向CDに互いに間隔を置いていてもよい。最も単純には、成形ポケット570及びポケットキャップ420は、成形ポケット570及びポケットキャップ420が機械方向MDに互いに整列し、横断方向CDに互いに整列している、規則的なグリッドの配向に配置され得る。もちろん、ポケットキャップ420が平ベルトシステムに設けられる場合は、ポケットキャップ用のグリッドも平坦であり得る。ポケットキャップ420がチャンバ410内で回転するように設けられる場合は、そのグリッドは略円筒状に配置され得る。成形ポケット570及びポケットキャップ420は横断方向CDに対して互い違いの関係で配置され得る。同様に、成形ポケット570及びポケットキャップ420は機械方向MDに互いに整列している必要はない。成形ポケット570及びポケットキャップ420が、スロット470に対して移動するにつれて互いに位置が合っており、スロット470が横断方向CDに、スロット470の下方を通過する成形ポケット570の横方向縁部460と少なくとも同じくらい広がって延びる部品寸法を有することが望まれる場合がある。
【0054】
封止部ランディング400上に誤って置かれた顆粒状材料50を浮遊させるための、封止部ランディング400を横切る空気流は、チャンバ410の内部に向かって、外部からスロット470へ空気流を提供することにより提供することができる。空気流は空気流発生機490によって提供することができる。空気流は当該スロットの上流の正圧ポンプによって提供することができる。これは、チャンバ410内部とスロット470の外部との相対圧力にかかわらず、スロット470の外部の空気圧はチャンバ410内部の空気圧よりも大きい。任意選択的に、また場合によってはより好都合には、真空ポンプを空気流発生機490としてチャンバの下流に設けることができる。空気流に対する上流及び下流は、封止部ランディング400を横断し、スロット470を通り、チャンバ410の中に入り、チャンバ410の外に出る空気流の方向を指す。
【0055】
成形ポケット570及びポケットキャップ420は、望ましくは、同一ではないとしても類似の平面形状を有し、ポケットキャップ420がチャンバ410の中で回転可能に取り付けられている場合はそれが考慮される。成形ポケット570は、機械方向MD、及び機械方向MDと直交する横断方向CDに平行な成形ポケット平面内に成形ポケット平面形状を有すると考えることができ、ポケットキャップ420は、機械方向MD及び横断方向CDに平行なポケットキャップ平面内にポケットキャップ平面形状を有することができ、成形ポケット平面形状はポケットキャップ平面形状に実質的に同一である。もちろん、ポケットキャップ420の形状に言及する際、そのようなポケットキャップ420がチャンバ410の内部に回転可能に取り付けられている場合、相対的な形状はスロット470を通過する形状という観点で考慮される。すなわち、ポケットキャップ420は「巻かれていない」状態で考慮される。機械方向MD及び横断方向CDで画定される平面上への成形ポケット570の境界の投射は、同じ平面上へのポケットキャップ420の境界の投射と実質的に同一であり得る。成形ポケット570の平面形状と、そのような成形ポケット570が関連するポケットキャップ420の平面形状と、の間には、完全な一対一の適合性がある必要はない。むしろ、形状は、封止部ランディング400を横切って生成される空気流が、誤って置かれた顆粒状材料50を浮遊させるのに十分な程度に類似していればよい。
【0056】
ポケットキャップ420は、チャンバ410の内部にぴったりと適合し得る。例えば、図5及び図6に示すように、チャンバ410の内部は円筒状であるが、任意選択的に実質的に円筒状であればよい。ポケットキャップ420が取り付けられているフレーム480は、チャンバ410の内部で回転することができる。ポケットキャップ420はチャンバ480の内部で回転し、スロット470を連続的に横切って移動することができる。ポケットキャップ420は、チャンバ410の内部に対して摺動するか、又はチャンバ410の内部からわずかに距離を置いていてもよい。
【0057】
ここで、空気流がポケットキャップ420によって阻害されない又は任意選択的に阻止されることがないスロットの一部と比較すると、ポケットキャップ420がスロット470を横断する際に、封止部ランディング400表面を横切る空気流は、空気流が優先的に生じるであろうスロットの部分を通って移動して、ポケットキャップ420は空気流を阻害する又は任意選択的に空気流を阻止するであろうことが認められる。チャンバ410の内部、及びポケットキャップがスロット470を横断する場所に、ポケットキャップ420が完全にフィットし接触する必要はないが、ポケットキャップ420は、スロットを横断するにつれてスロット420の周辺部と摺動可能に係合し、更にはスロット470の近位のチャンバ410の内部と封止可能に係合し得ると考えられる。封止部ランディングを横切って空気流が移動するにつれて、誤って置かれた顆粒状材料50は空気流の中に浮遊する。誤って置かれた顆粒状材料50を搬送する空気流は、スロット470の一部を優先的に経由してポケットキャップ420から離れるようにスロット470を通過し、チャンバ410の内部の中に入る。空気流は主として抵抗が最も小さい経路に従ってチャンバ410の中に入る傾向があり、ポケットキャップ420の下方で空気流のわずかな一部、又は更には限定的な一部が生じ得ることが認められる。
【0058】
ポケットキャップ420は、図5に示すように、くぼんでいる構造とすることができる。理論に拘束されるわけではないが、スロット470に向かって平面を呈するポケットキャップ420と比較して、くぼんでいるポケットキャップ420は、空気流が凹部580内に収容された顆粒状材料50を浮遊させる可能性を低減させることに役立ち得ると考えられている。ポケットキャップ420は、くぼんでいてスロット470に向かって配向された、スロットに面する表面を有すると考えることができる。
【0059】
装置3の動作時に、封止部ランディング400の上方に約20〜約80m/sの速度で空気流を提供することができることが実用的であり得る。かかる速度は、市場で一般に入手可能な食器及び洗濯用の粉末洗剤としての粒径、表面組織、及び密度を有する、典型的な顆粒状材料50を浮遊させるには十分と考えられる。スロット470の開口部と封止部ランディング400との間の分離距離は、約1mm〜約5mm、場合により約2mmとすることができる。チャンバ410のサイズに応じて、チャンバ内の絶対圧力は約−40000〜約−10000Pa(約−400〜約−100mbar)であり得る。一般に、チャンバ410内の絶対圧力は、封止部ランディング400の上方に所望の空気速度を提供するように設定される。
【0060】
装置3は、水溶性パウチを形成するプロセスにおいて使用することができる。このプロセスでは、複数の成形ポケット570が第1のウェブ505を担持する。成形ポケット570は、機械方向MDに互いに間隔を置き、機械方向MDに移動し得る。成形ポケット570の各々は、長手方向軸Lと、長手方向軸Lの両側で対向する一対の横方向縁部460とを有し得る。第1のウェブ505は成形ポケット570に適合され、成形ポケット570と一致する複数の凹部580、及び凹部580間の封止部ランディング400を備え得る。凹部580は、顆粒状材料50を収容することができる。チャンバ410は、第1のウェブ505から間隔を置いて設けられ得る。チャンバ410は第1のウェブ505に向かって配向された開放スロット470を有し得る。スロット470は、成形ポケット570の横方向縁部と同じくらい、長手方向軸Lから離れて少なくとも横に広がっていてよい。
【0061】
第1のウェブ505とスロット470との間を通過しスロット470に入りチャンバ410に入る空気流が提供され得る。空気流の大部分は、凹部580の上よりも封止部ランディング400の上を通過することができる。チャンバ410及びスロット470は共に、凹部580の上方の空気流と比較して、封止部ランディング400の上方にあるように主として向いた空気流を提供するように設計することができる。優先的な空気流は、本明細書に記載されるポケットキャップ420などの障害物によって提供することができる。任意選択的に、優先的な空気流は、優先的に封止部ランディング400を横切って空気流を提供するフローマニホールドによって提供することができる。例えば、空気流は、封止部ランディング400の形状及びパターンに実質的に類似した形状及びパターンを有するようにサイズ及び寸法が決められた、空気流路のネットワークによって提供され得る。空気流路のそのような成形及びパターニングは、凹部580の上方を通過する空気流と比較して、封止部ランディングを横切る大部分の空気流を選択的に駆動する。
【0062】
顆粒状材料50は、粉末、粒塊、カプセル、ビーズ、麺状物、ボール又はこれらの混合物であってよい。本発明の顆粒状材料50は、界面活性剤を含み得る。界面活性剤の合計濃度は、顆粒状材料50の約1重量%〜80重量%の範囲であってよい。
【0063】
顆粒状材料50は、粉末洗濯用洗剤、粉末食器洗浄用洗剤、粉末漂白剤、粉末布地柔軟剤、粉末洗濯用芳香添加剤、及び固体布地ケア有益剤からなる群から選択することができる。顆粒状材料50は、第四級アンモニウム塩、脱水素化タロージメチルアンモニウムクロリド、及び/又はジエチルエステルジメチルアンモニウムクロリドを含む布地柔軟剤であってよい。顆粒状材料50は、ガラス製品、食器類、床材、織物、タイヤ、自動車のボディ、歯、義歯、皮膚、指の爪、足指の爪、毛髪、器具表面、器具内部、トイレ、バスタブ、シャワー、鏡、デッキ材、窓などからなる群から選択される基材を処理するように配合することができる。
【0064】
第1のウェブ505及び第2のウェブ565は、水溶性材料であってよい。水溶性材料は、シート又はフィルムに形成可能なポリマー材料であってよい。シート材料は、当該技術分野において既知であるように、例えば、ポリマー材料の注型成形、吹込み成形、押出成形、又は吹込み押出成形により得ることができる。
【0065】
第1のウェブ505及び第2のウェブ565は、約20〜約150マイクロメートル、又は更には約35〜約125マイクロメートル、又は更には約50〜約110マイクロメートル、又は更には約76マイクロメートル、又は更には約90マイクロメートルの厚さを有し得る。
【0066】
第1のウェブ505及び第2のウェブ565、第1のシート20、並びに第2のシート30は、最大孔径が20マイクロメートルのガラスフィルターを用いて以下に記載される方法によって測定して、少なくとも50%、又は更には少なくとも75%、又は更には少なくとも95%の水溶性を有し得る。50グラム±0.1グラムのシート材料を、予め秤量された400mLのビーカー内に加え、245mL±1mLの蒸留水を加える。これを、lablineモデル番号1250又は等価物の磁気攪拌器、及び5cmの磁気攪拌子で、600rpmに設定して24℃で30分間激しく攪拌する。その後、上記で定義した孔径(最大20マイクロメートル)の組み立て式定性焼き付けガラスフィルターを通して混合物を濾過する。任意の従来の方法によって、回収した濾液から水を乾燥させ、残った材料の重量を求める(これが溶解画分又は分散画分である)。次に、溶解度又は分散性の百分率を計算することができる。
【0067】
第1のウェブ505及び第2のウェブ565、並びにパウチ10材料として使用するのに好適な、好適なポリマー、コポリマー、又はその誘導体は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、アクリルアミド、アクリル酸、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリビニルアセテート、ポリカルボン酸及び塩、ポリアミノ酸又はペプチド、ポリアミド、ポリアクリルアミド、マレイン酸/アクリル酸のコポリマー、デンプン及びゼラチンを含む多糖類、キサンタン(xanthum)及びカラゴム(carragum)などの天然ゴムから選択することができる。好適なポリマーは、ポリアクリレート及び水溶性アクリレートコポリマー、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレートから選択され、好適には、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、並びにこれらの組み合わせから選択される。シート材料中のポリマー、例えばPVAポリマーの濃度は、少なくとも60%であり得る。ポリマーは、約1000〜約1,000,000、又は更には約10,000〜約300,000、又は更には約20,000〜約150,000などの任意の重量平均分子量を有し得る。
【0068】
ポリマーの混合物もまた、第1のウェブ505、第2のウェブ565、及びパウチ10材料として用いることができる。これは、その用途及び必要とされるニーズに応じて、区画又はシートの機械的特性及び/又は溶解特性を制御するのに有益であり得る。好適な混合物には、例えば、1つのポリマーの水溶性が別のポリマーよりも高く、及び/又は1つのポリマーの機械的強度が別のポリマーよりも高い混合物が挙げられる。異なる重量平均分子量を有するポリマーの混合物、例えば、重量平均分子量が約10,000〜約40,000、又は更には約20,000のPVA又はそのコポリマーと、重量平均分子量が約100,000〜約300,000、又は更には約150,000のPVA又はそのコポリマーと、の混合物もまた好適である。例えば加水分解で分解可能であり水溶性のポリマーブレンドを含むポリマーブレンド組成物(ポリラクチドとポリビニルアルコールとを混合することにより得られ、典型的には約1〜約35重量%のポリラクチド、及び約65重量%〜約99重量%のポリビニルアルコールを含む、ポリラクチドとポリビニルアルコールとのポリマーブレンドなど)もまた、本明細書において好適である。本明細書に用いるのに好適なのは、材料の溶解特性を改善するために約60%〜約98%加水分解された、又は更には約80%〜約90%加水分解されたポリマーである。
【0069】
第1のウェブ505及び第2のウェブ565、並びにパウチ10材料は、冷水、つまり非加熱蒸留水中で良好な溶解を呈し得る。このようなフィルムは、約24℃、又は更には約10℃の温度で良好な溶解を呈し得る。良好な溶解とは、本明細書に記載し、また上記で説明した方法で測定した場合に、シートが少なくとも約50%、又は更には少なくとも約75%、又は更には少なくとも約95%の水溶解度を示すことを意味する。
【0070】
好適な第1のウェブ505及び第2のウェブ565は、Monosolから商品照会名M8630、M8900、M8779、M8310で供給されるウェブ、米国特許第6166117号、及び同第6787512号で説明されるフィルム、並びに対応する溶解特性及び変形特性を有するPVAフィルムであり得る。更なる好適なシートは、米国特許出願公開第2006/0213801号、国際公開第2010/119022号、及び米国特許第6787512号に記載されているものであり得る。
【0071】
好適な第1のウェブ505及び第2のウェブ565、並びにパウチ10の材料は、1つ以上のPVAポリマーを含有する樹脂類であり得る。水溶性シート樹脂は、PVAポリマーのブレンドを含み得る。例えば、PVA樹脂は、少なくとも2つのPVAポリマーを含むことができ、本明細書で使用するとき、第1のPVAポリマーは第2のPVAポリマーより小さい粘度を有する。第1のPVAポリマーは、少なくとも8センチポアズ(cP)、10cP、12cP、又は13cP、及び最大で40cP、20cP、15cP、又は13cP、例えば約8cP〜約40cP、又は10cP〜約20cP、又は約10cP〜約15cP、又は約12cP〜約14cPの範囲、又は13cPの粘度を有することができる。更に、第2のPVAポリマーは、少なくとも約10cP、20cP、又は22cP、及び最大で約40cP、30cP、25cP、又は24cP、例えば、約10cP〜約40cP、又は20〜約30cP、又は約20〜約25cP、又は約22〜約24cPの範囲、又は約23cPの粘度を有することができる。PVAポリマーの粘度は、British Standard EN ISO 15023−2:2006 Annex E Brookfield Test methodに記載されるように、ULアダプタを備えたBrookfield LV型粘度計を使用して、新たに作製した溶液を測定することにより決定される。20℃における4%ポリビニルアルコール水溶液の粘度を提示することが国際的な慣行である。本明細書においてcPで規定される全ての粘度は、特に指定のない限り、20℃における4%ポリビニルアルコール水溶液の粘度を指すと理解されたい。同様に、樹脂が特定の粘度を有する(又は有さない)として記載されるとき、特に言及しない限り、指定された粘度は、対応する分子量分布を固有に有する、樹脂の平均粘度であることを意味する。
【0072】
PVA樹脂の加水分解度が本明細書に記載の範囲内にある限り、個々のPVAポリマーは、任意の好適な加水分解度を有し得る。所望により、PVA樹脂は、加えて又は代替として、約50,000〜約300,000ダルトン、又は約60,000〜約150,000ダルトンの範囲のMwを有する第1のPVAポリマー、及び約60,000〜約300,000ダルトン、又は約80,000〜約250,000ダルトンの範囲のMwを有する第2のPVAポリマーを含むことができる。
【0073】
PVA樹脂は、約10〜約40cPの範囲の粘度及び約84%〜約92%の範囲の加水分解度を有する、1つ以上の追加のPVAポリマーをまた更に含むことができる。
【0074】
PVA樹脂が、約11cP未満の平均粘度、及び約1.8〜約2.3の範囲の多分散指数を有する第1のPVAポリマーを含む場合、ある種の実施形態では、PVA樹脂は、第1のPVAポリマーを約30重量%未満含有する。同様に、PVA樹脂が、約11cP未満の平均粘度、及び約1.8〜約2.3の範囲の多分散指数を有する第1のPVAポリマーを含む場合、別の非限定的な種類の実施形態では、PVA樹脂は、約70,000ダルトン未満のMwを有するPVAポリマーを約30重量%未満含有する。
【0075】
本明細書に記載されるフィルムの総PVA樹脂含有量のうち、PVA樹脂は、約30重量%〜約85重量%の第1のPVAポリマー、又は約45重量%〜約55重量%の第1のPVAポリマーを含むことができる。例えば、PVA樹脂は、各PVAポリマーを約50重量%含有することができ、第1のPVAポリマーの粘度は約13cPであり、第2のPVAポリマーの粘度は約23cPである。
【0076】
ある種の実施形態は、約10〜約15cPの範囲の粘度及び約84%〜約92%の範囲の加水分解度を有する第1のPVAポリマーを約40〜約85重量%含むPVA樹脂によって特徴付けられる。別の種類の実施形態は、約10〜約15cPの範囲の粘度及び約84%〜約92%の範囲の加水分解度を有する第1のPVAポリマーを約45〜約55重量%含むPVA樹脂によって特徴付けられる。PVA樹脂は、約20〜約25cPの範囲の粘度及び約84%〜約92%の範囲の加水分解度を有する第2のPVAポリマーを約15〜約60重量%含み得る。想到されるある種の実施形態は、第2のPVAポリマーを約45〜約55重量%含むPVA樹脂によって特徴付けられる。PVA樹脂が複数のPVAポリマーを含む場合、PVA樹脂のPDI値は、あらゆる個々の含まれるPVAポリマーのPDI値よりも大きい。所望により、PVA樹脂のPDI値は、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.5、又は5.0より大きい。
【0077】
PVA樹脂は、約80〜約92%、又は約83〜約90%、又は約85〜89%の加重平均加水分解度
【0078】
【数1】
を有し得る。例えば、2種以上のPVAポリマーを含むPVA樹脂の
【0079】
【数2】
は、式
【0080】
【数3】
によって計算され、式中、Wは、対応するPVAポリマーの重量パーセントであり、Hは、対応する加水分解度である。また更に、約10〜約25、又は約12〜22、又は約13.5〜約20の加重対数粘度
【0081】
【数4】
を有するPVA樹脂を選択することが望ましい場合がある。2種以上のPVAポリマーを含むPVA樹脂の
【0082】
【数5】
は、式
【0083】
【数6】
によって計算され、式中、μは、対応するPVAポリマーの粘度である。
【0084】
なお更に、約0.255〜約0.315、又は約0.260〜約0.310、又は約0.265〜約0.305、又は約0.270〜約0.300、又は約0.275〜約0.295、又は約0.270〜約0.300の範囲の樹脂選択指数(RSI)を有するPVA樹脂を選択することが望ましい場合がある。RSIは式
【0085】
【数7】
によって計算され、式中、μは17であり、μは、対応するPVOHポリマーの各々の平均粘度であり、Wは、対応するPVOHポリマーの重量パーセントである。
【0086】
同様に好適なのは、以下の式を有する少なくとも1種の陰性に改質されたモノマーを含む、水溶性の第1のウェブ505及び水溶性の第2のウェブ505、並びにパウチ10材料又はシートである。
[Y]−[G]
式中、Yは、ビニルアルコールモノマーを表し、Gは、アニオン基を含むモノマーを表し、指数nは1〜3の整数である。Gは、アニオン基を擁することができる任意の好適なコモノマーであり得、任意選択的にGはカルボン酸である。Gは、マレイン酸、イタコン酸、coAMPS、アクリル酸、ビニル酢酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、エチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−1−メチルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メチルアクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0087】
Gのアニオン基は、OSOM、SOM、COM、OCOM、OPO、OPOHM、及びOPOMからなる群から選択され得る。好適には、Gのアニオン基は、OSOM、SOM、COM、及びOCOMからなる群から選択され得る。好適には、Gのアニオン基は、SOM及びCOMからなる群から選択され得る。
【0088】
当然ながら、異なる厚さの様々なウェブ(第1のウェブ505、第2のウェブ565)、シート材料、及び/又はシートを、本発明の区画の作製に用いてもよい。異なるフィルムを選択する利点は、得られる区画が、異なる溶解性又は放出特性を呈し得ることである。
【0089】
本明細書のウェブ(第1のウェブ505、第2のウェブ565)、及びシート材料はまた、1つ以上の添加剤成分を含んでもよい。例えば、可塑剤、例えばグリセロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール、及びこれらの混合物を添加することが有益であり得る。その他の添加剤としては、水、及び界面活性剤などの洗浄水に供給される機能的洗剤添加剤、例えば有機ポリマー分散剤などを挙げることができる。
【0090】
組み合わせ
一例は、以下のとおりである。
A.
機械方向(MD)に互いに間隔を置き、当該機械方向に移動可能な複数の成形ポケット(570)であって、各当該成形ポケットは、長手方向軸(L)、及び当該長手方向軸の両側で対向する一対の横方向縁部(460)を有する、複数の成形ポケットと、
当該成形ポケットから間隔を置いたチャンバ(410)であって、当該チャンバは当該成形ポケットに向かって配向された開放スロット(470)を有し、当該スロットは、当該成形ポケットの当該横方向縁部と同じくらい、当該長手方向軸から離れて少なくとも横に広がっている、チャンバと、
互いに間隔を置き、当該スロットを横切って当該機械方向に移動可能な、当該チャンバの内部にある複数のポケットキャップ(420)であって、当該ポケットキャップは当該成形ポケットと動作可能に結合し、当該ポケットキャップは当該成形ポケットに位置を合わせて移動する、複数のポケットキャップと、
当該チャンバと流体連通している空気流発生機(490)と、を備える、装置(3)。
B.当該スロットは当該成形ポケットの当該横方向縁部よりも、より横に広がっている、パラグラフAに記載の装置。
C.当該ポケットキャップは、当該チャンバの内部の回転フレーム(480)に接続している、パラグラフA又はBに記載の装置。
D.当該ポケットキャップは、当該チャンバの内部の移動可能なベルトに接続している、パラグラフA又はBに記載の装置。
E.当該複数のポケットは、当該機械方向、及び当該機械方向に直交する横断方向(CD)に互いに間隔を置いており、当該複数のポケットキャップは、当該横断方向に互いに間隔を置いている、パラグラフA〜Dのいずれか1つに記載の装置。
F.当該空気流発生機は、当該チャンバから下流の真空ポンプである、パラグラフA〜Eのいずれか1つに記載の装置。
G.当該空気流発生機は、当該スロットの上流の正圧ポンプである、パラグラフA〜Eのいずれか1つに記載の装置。
H.当該スロットは、当該機械方向に直交している、パラグラフA〜Gのいずれか1つに記載の装置。
I.当該成形ポケットは、当該機械方向、及び当該機械方向と直交する横断方向と平行な成形ポケット平面内に成形ポケット平面形状を有し、当該ポケットキャップは、当該機械方向及び当該横断方向と平行なポケットキャップ平面内にポケットキャップ平面形状を有し、当該成形ポケット平面形状は、当該ポケットキャップ平面形状と実質的に同一である、パラグラフA〜Hのいずれか1つに記載の装置。
J.
第1のウェブ(505)を担持する複数の成形ポケット(570)を提供する工程であって、当該成形ポケットは機械方向(MD)に互いに距離を置き、当該機械方向に移動し、各当該成形ポケットは、長手方向軸(L)、及び当該長手方向軸の両側で対向する一対の横方向縁部(460)を有し、当該第1のウェブは当該成形ポケットに適合され、当該ポケットと一致する複数の凹部(580)、及び当該凹部間の封止部ランディング(400)を備え、当該凹部は顆粒状材料(50)を収容する、工程と、
当該第1のウェブから間隔を置いたチャンバ(410)を設ける工程であって、当該チャンバは当該第1のウェブに向かって配向された開放スロット(470)を有し、当該スロットは、当該成形ポケットの当該横方向縁部と同じくらい、当該長手方向軸から離れて少なくとも横に広がっている、工程と、
誤って置かれた顆粒状材料を当該封止部ランディングから当該チャンバの中に搬送するために、当該第1のウェブと当該スロットとの間を通過し当該スロットに入り当該チャンバの中に入る空気流を提供する工程であって、当該凹部の上方よりも当該封止部ランディングの上方を、より多くの当該空気流が通過する工程と、を含む、プロセス。
K.互いに距離を置き、当該スロットを横切って当該機械方向に、及び当該成形ポケットに位置を合わせて移動する、複数のポケットキャップ(420)を当該チャンバの内部に提供する工程を更に含む、パラグラフJに記載のプロセス。
L.当該スロットは当該成形ポケットの当該横方向縁部よりも、より横に広がっている、パラグラフJ又はKのいずれか1つに記載のプロセス。
M.当該ポケットキャップは、当該チャンバの内部で回転可能である、パラグラフJ〜Lのいずれか1つに記載のプロセス。
N.当該ポケットキャップは、当該チャンバの内部の移動可能なベルトに接続している、パラグラフJからLのいずれか1つに記載のプロセス。
O.当該複数のポケットは、当該機械方向、及び当該機械方向に直交する横断方向に互いに間隔を置いており、当該複数のポケットキャップは、当該横断方向に互いに間隔を置いている、パラグラフJ〜Nのいずれか1つに記載のプロセス。
P.当該空気流は、当該チャンバから下流の真空ポンプによって供給される、パラグラフJ〜Oのいずれか1つに記載のプロセス。
Q.当該空気流は、当該スロットの上流の正圧ポンプによって供給される、パラグラフJ〜Oのいずれか1つに記載のプロセス。
R.当該スロットは、当該機械方向に直交している、パラグラフJ〜Qのいずれか1つに記載のプロセス。
S.当該成形ポケットは、当該機械方向、及び当該機械方向と直交する横断方向と平行な成形ポケット平面内に成形ポケット平面形状を有し、当該ポケットキャップは、当該機械方向及び当該横断方向と平行なポケットキャップ平面内にポケットキャップ平面形状を有し、当該成形ポケット平面形状は、当該ポケットキャップ平面形状と実質的に同一である、パラグラフJ〜Rのいずれか1つに記載のプロセス。
T.パラグラフA〜Iのいずれか1つに記載の装置を用いて封止部ランディングを洗浄するためのプロセスであって、当該プロセスは、
当該複数の成形ポケット上に担持された第1のウェブ(505)を提供する工程であって、当該第1のウェブは当該成形ポケットに適合され、当該ポケットと一致する複数の凹部(580)、及び当該凹部間の封止部ランディングを備え、当該凹部は顆粒状材料(50)を収容する、第1のウェブを提供する工程と、
当該複数のポケットキャップを、当該スロットを横切って当該機械方向に、かつ当該成形ポケットに位置を合わせて移動させる工程と、
空気流を近位の当該封止部ランディングから当該スロットを通し当該チャンバの中に提供して、顆粒状材料を当該封止部ランディングから当該チャンバの中に搬送する工程と、を含む、プロセス。
U.封止部ランディングを洗浄するためのプロセスであって、当該プロセスは、
機械方向(MD)に互いに間隔を置き、当該機械方向に移動する複数の成形ポケット(570)であって、各当該成形ポケットは、長手方向軸(L)、及び当該長手方向軸の両側で対向する一対の横方向縁部(460)を有する、複数の成形ポケットを提供する工程と、
当該成形ポケット上に担持された第1のウェブ(505)を提供する工程と、
当該第1のウェブを当該成形ポケットに適合させて、当該第1のウェブ内に複数の凹部(580)を、当該封止部ランディングが当該凹部の間に位置するように形成する、工程と、
顆粒状材料(50)を当該凹部の中に堆積させる工程と、
チャンバ(410)を当該成形ポケットの上方に当該第1のウェブから間隔を置いて設ける工程であって、当該チャンバは当該第1のウェブに向かって配向された開放スロットを有し、当該スロットは、当該成形ポケットの当該横方向縁部と同じくらい、少なくとも横に広がっている、工程と、
互いに距離を置き、当該スロットを横切って当該機械方向に、及び当該成形ポケットに位置を合わせて移動する、複数のポケットキャップを当該チャンバの内部に提供する工程と、
空気流を当該封止部ランディングの上方から当該スロットを通し当該チャンバの中に提供して、当該封止部ランディングから顆粒状材料を除去する工程と、を含む、プロセス。
V.当該成形ポケットは、スロットに向かって配向された、スロットに面する表面を有し、当該スロットに面する表面はくぼんでいる、パラグラフA〜Iのいずれか1つに記載の装置。
【0091】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に指示がない限り、そのような各寸法は、記載された値とその値の周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することを意図している。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することを意図している。
【0092】
相互参照される又は関連する特許又は特許出願、及び本願がその優先権又は利益を主張する特許出願又は特許を含む、本願に引用される文献は全て、明示的に除外又は別の方法で限定されない限りにおいて、その全体が本明細書に参照により組み込まれる。いかなる文献の引用も、それが本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と任意に組み合わせたときに、そのような任意の発明を教示、示唆、又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に割り当てられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0093】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することを意図している。
図1
図2
図3
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図5
図6
図7