(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、電子機器の薄型化の要求が高まり、内蔵される半導体装置の薄型化が進められている。しかしながら、特許文献1,2に記載されているように、半導体チップの裏面に接着されるフィルムが2層で構成されているため、半導体装置の薄型化に限界がある。このような問題は、例えばCoC(Chip on Chip)やPoP(Package on Package)のようなスタック構造の半導体装置を構成する個々の半導体チップに上記フィルムを適用した場合により顕著となる。
【0007】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、半導体チップの保護機能とノイズ抑制機能とを有しつつ、薄型化を実現することが可能な半導体装置および複合シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る半導体装置は、半導体基板と、保護層とを具備する。
上記半導体基板は、回路面を構成する第1の面と、上記第1の面とは反対側の第2の面とを有する。
上記保護層は、軟磁性粒子を含有する複合材料の単一層で構成され、上記第2の面に接着される接着面を有する。
【0009】
上記半導体装置において、保護層は、その接着面を半導体基板の裏面に接合することによって半導体基板と一体化される。したがって、半導体基板の裏面を保護する保護層は単一層で構成されることになるため、保護層および半導体装置の薄厚化が図れることになる。さらに、保護層が軟磁性粒子を含有する複合材料で構成されているため、半導体基板の抗折強度が高められるとともに、半導体基板から外部へ放出される電磁ノイズや外部から当該半導体基板へ侵入する電磁ノイズを抑制することが可能となる。
【0010】
上記複合材料は、典型的には、上記軟磁性粒子を分散させた熱硬化性接着樹脂の硬化物で構成される。これにより、半導体基板の裏面保護に必要な強度と電磁ノイズ抑制効果とを有する単一層からなる保護層を容易に構成することができる。
【0011】
上記半導体基板は、半導体ウエハであってもよいし、チップサイズに個片化された半導体ベアチップであってもよい。
【0012】
上記保護層は、熱伝導性粒子をさらに含有してもよい。これにより、電磁ノイズ吸収特性のほか、半導体基板の放熱性に優れた保護層を得ることができる。
【0013】
本発明の他の形態に係る半導体装置は、配線基板と、半導体素子と、保護層とを具備する。
上記半導体素子は、回路面を構成する第1の面と、上記第1の面とは反対側の第2の面とを有し、上記配線基板に搭載される。
上記保護層は、軟磁性粒子を含有する複合材料の単一層で構成され、上記第2の面に接着される接着面を有する。
【0014】
配線基板に対する半導体素子のマウント方法は特に限定されず、フリップチップ接続でもよいし、ワイヤボンド接続でもよい。フリップチップ接続の場合、保護層は、半導体素子の上面(配線基板とは反対側の面)に配置される。一方、ワイヤボンド接続の場合、保護層は、接着層として、半導体素子と配線基板の間に配置される。
【0015】
上記半導体装置は、上記配線基板に電気的に接続される半導体パッケージ部品をさらに具備してもよい。この場合、上記半導体素子は、上記配線基板と上記半導体パッケージ部品との間に配置される。
また、保護層が単一層で構成されているため、半導体装置がスタック構造を有する場合においても、半導体素子と半導体パッケージ部品との間の電磁的なクロストークを抑制しつつ、半導体装置の薄型化を図ることが可能となる。
【0016】
本発明のさらに他の形態に係る半導体装置は、第1の半導体素子と、第2の半導体素子と、接着層とを具備する。
上記第2の半導体素子は、上記第1の半導体素子の上に配置され、上記第1の半導体素子と電気的に接続される。
上記接着層は、軟磁性粒子を含有する非導電性複合材料で構成され、上記第1の半導体素子と上記第2の半導体素子との間に配置される。
【0017】
本発明の一形態に係る複合シートは、半導体基板の回路面を構成する第1の面とは反対側の第2の面に接合される複合シートであって、保護層と、支持シートとを具備する。
上記保護層は、軟磁性粒子を含有する複合材料の単一層で構成され、上記第2の面に接着される接着面を有する。
上記支持シートは、上記保護層の上記接着面とは反対側の表面に剥離可能に貼着される。
【0018】
上記支持シートは、半導体基板のダイシング工程において半導体基板を保護・固定し、チップサイズに個片化した半導体チップをピックアップするためのダイシングシートで構成されてもよい。
【0019】
上記保護層は、熱伝導性の無機フィラーをさらに含有してもよい。当該無機フィラーは、保護層の熱拡散率を向上させるため、半導体基板の発熱を効果的に拡散することが可能となる。
【0020】
上記無機フィラーは、上記保護層の厚み方向と略同一の長軸方向を有する異方形状粒子を含んでもよい。上記異方形状粒子は、その長軸方向に良好な熱拡散率を示すため、半導体基板に発生した熱が保護層を介して発散されやすくなる。
【発明の効果】
【0021】
以上述べたように、本発明によれば、半導体チップの保護機能とノイズ抑制機能とを有しつつ、薄型化を実現することが可能な半導体装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0024】
<第1の実施形態>
図1は本発明の一実施形態に係る半導体装置100の構成を示す概略側断面図である。
図において、X軸、Y軸及びZ軸は、相互に直交する3軸方向を示しており、Z軸方向は、半導体装置100の高さ方向(厚さ方向)に相当する。
【0025】
図1に示すように、本実施形態の半導体装置100は、半導体素子10と、保護層20とを備える。
【0026】
[半導体装置]
半導体装置100は、ウエハレベルで作製されたチップサイズパッケージ(WLCSP)で構成される。半導体素子10は、半導体基板11と、この半導体基板11の回路面を構成する表面(第1の面)に形成された配線層12と、配線層12に接続された複数のバンプ13とを有する。
【0027】
半導体基板11は、単結晶シリコンや炭化ケイ素、窒化ガリウム、ガリウムヒ素等の半導体ウエハ、又は、これを所定のサイズに個片化(ダイシング)した半導体チップで構成される。半導体基板11の厚みは特に限定されず、例えば25〜400μmである。
【0028】
配線層12は、半導体基板10の回路面に形成された複数の電極を複数のバンプ13へ接続するためのもので、上記複数の電極の位置やピッチが所定の位置やピッチとなるように再配列させる配線層を有する。バンプ13は、はんだバンプや金バンプ等の突起電極で構成される。
【0029】
なお、半導体素子10は、半導体基板11のみ(ベアチップ)で構成されてもよいし、配線層12が省略(バンプ13が半導体基板11の各電極に直接配置)されてもよい。
【0030】
[保護層]
保護層20は、半導体基板11の裏面(第2の面)に設けられる半導体用保護フィルムを構成する。保護層20は、半導体基板11の裏面に設けられることで、半導体基板11の剛性(抗折強度)の向上、半導体基板11の裏面の保護、半導体基板11の品種の表示、半導体基板11の反りの抑制、半導体基板11から放射され又は半導体基板11へ侵入する電磁ノイズの吸収等、種々の機能を発揮するように構成される。
【0031】
図2は、保護層20を示す概略側断面図である。
【0032】
保護層20は、剥離シートS1および支持シートS2とともに複合シート140を構成する。保護層20は、半導体基板11(半導体素子10)の裏面に接着される接着面201を有し、未使用時は剥離シートS1によって剥離可能に被覆される。接着面201とは反対側の保護層20の表面202は支持シートS2に支持される。支持シートS2は、保護層20が半導体基板11へ接着された後、除去される。
【0033】
図2に示すように、保護層20は、軟磁性粒子を含有する複合材料の単一層で構成される。保護層20の厚みは特に限定されず、例えば、20μm以上400μm以下、好ましくは、25μm以上300μm以下の範囲内とされる。
【0034】
保護層20を構成する複合材料は、軟磁性粒子を含有する電気絶縁性の接着樹脂の硬化物で構成される。
【0035】
(軟磁性粒子)
軟磁性粒子としては、軟磁気特性を有する磁性材料の粉末であれば特に限定されず、合金系、酸化物系、アモルファス系などの種々の磁性材料の粉末が採用可能である。
【0036】
合金系磁性材料としては、典型的には、センダスト(Fe−Si−Al合金)であるが、これ以外にも、パーマロイ(Fe−Ni合金)、珪素銅(Fe−Cu−Si合金)磁性ステンレス鋼などが挙げられる。酸化物磁性材料としては、典型的には、フェライト(Fe
2O
3)が挙げられる。アモルファス系磁性材料としては、典型的には、遷移金属−半金属系アモルファス材料、より具体的には、Fe−Si−B系、Co−Fe−Si−B系などが挙げられる。磁性材料の種類は、電磁波吸収を目的として、対象とする電磁波の周波数特性等に応じて適宜選択可能であり、中でも、センダスト等の高透磁率特性を有する磁性材料が比較的広い周波数帯域をカバーできる点で好ましい。
【0037】
軟磁性粒子の粉末形態も特に限定されず、球状、針状のほか、鱗片状やフレーク状を含む扁平状等のものが用いられ、中でも、扁平状のものが好ましい。特に、これら扁平状の磁性粉末が保護層10の平面方向と平行に配向され、かつ、保護層20の厚み方向に多層に重なり合うように分散されているものがより好ましい。
【0038】
この場合、軟磁性粒子の平均粒子径は、その扁平率や平均厚さに応じて任意に設定され、例えば、100nm以上100μm以下の範囲とされる。軟磁性粒子にナノフェライト粒子が用いられる場合、その粒径の下限は、100nm、好ましくは、1μmである。ここで、扁平率とは、軟磁性粒子の平均粒子径(平均長さ)をその平均厚さで除したアスペクト比として算出される。軟磁性粒子の平均粒子径、扁平率、平均厚さなどを調整することにより、軟磁性粒子による反磁界の影響を小さくして、軟磁性粒子の透磁率を向上させることができる。
【0039】
なお本明細書における軟磁性粒子の平均粒子径の測定には、島津製作所のレーザ回折式粒子径分布測定装置(SALD-2300)を測定装置とし、サイクロン噴射型乾式測定ユニット(SALD-DS5)を使用して、乾式法にて測定する。
【0040】
保護層20における軟磁性粒子の含有量は、例えば、30質量%以上95質量%以下、好ましくは、40質量%以上90質量%以下の範囲とされる。軟磁性粒子の含有量が低すぎると、保護層20として十分な電磁ノイズ抑制効果が得られない。また、軟磁性粒子の含有量が高すぎると、保護層20として十分な接着強度、軟磁性粒子の保持強度などが得られなくなる。
【0041】
(樹脂成分)
一方、接着樹脂の樹脂成分としては、熱硬化性成分及びエネルギー線硬化性成分の少なくとも1種とバインダーポリマー成分とを含む。
【0042】
熱硬化性成分としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂等、及びこれらの混合物が挙げられる。特に本実施形態では、エポキシ樹脂、フェノール樹脂ならびにこれらの混合物が好ましく用いられる。
【0043】
これらの中でも、本実施形態では、ビスフェノール系グリシジル型エポキシ樹脂、o-クレゾールノボラック型エポキシ樹脂およびフェノールノボラック型エポキシ樹脂が好ましく用いられる。これらエポキシ樹脂は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0044】
エネルギー線硬化性成分は、紫外線、電子線等のエネルギー線の照射を受けると重合硬化する化合物からなる。この化合物は、分子内に少なくとも1つの重合性二重結合を有し、通常は、分子量が100〜30000、好ましくは300〜10000程度である。このようなエネルギー線重合型化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートあるいは1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、オリゴエステルアクリレート、さらにポリエステル型またはポリエーテル型のウレタンアクリレートオリゴマーやポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシ変性アクリレート等を用いることができる。
【0045】
これらの中でも本実施形態では、紫外線硬化型樹脂が好ましく用いられ、具体的には、オリゴエステルアクリレート、ウレタンアクリレートオリゴマー等が特に好ましく用いられる。エネルギー線硬化性成分に光重合開始剤を混入することにより、重合硬化時間ならびに光線照射量を少なくすることができる。
【0046】
バインダーポリマー成分は、保護層20に適度なタックを与え、造膜性やシートの操作性を向上するために用いられる。バインダーポリマーの重量平均分子量は、通常は5万〜200万、好ましくは10万〜150万、特に好ましくは20万〜100万の範囲にある。分子量が低過ぎるとシート形成が不十分となり、高過ぎるとシートの柔軟性に劣ったり、他の成分との相溶性が悪くなったりして、結果として均一なシート形成が妨げられる。
【0047】
このようなバインダーポリマーとしては、たとえばアクリル系ポリマー、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フェノキシ樹脂、ゴム系ポリマー等が用いられ、特にアクリル系ポリマーが好ましく用いられる。
【0048】
アクリルポリマーのガラス転移温度(Tg)は、好ましくは、−60〜50℃、さらに好ましくは、−50〜40℃の範囲にある。アクリルポリマーのガラス転移温度が低すぎると保護層20と支持シートS2との剥離力が大きくなって保護層20の半導体基板11への転写不良が起こったり、シート形状での保管安定性に劣ったりすることがある。一方、アクリルポリマーのガラス転移温度が高すぎると、保護層20の接着性が低下し、半導体基板11に転写できなくなったり、あるいは転写後に半導体基板11から保護層20が剥離したりすることがある。
【0049】
アクリル系ポリマーとしては、たとえば、(メタ)アクリル酸エステルモノマーおよび(メタ)アクリル酸誘導体から導かれる構成単位とからなる(メタ)アクリル酸エステル共重合体が挙げられる。ここで(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、好ましくはアルキル基の炭素数が1〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステル、たとえば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル等が用いられる。また、(メタ)アクリル酸誘導体としては、たとえば(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル等を挙げることができる。
【0050】
メタクリル酸グリシジル等を共重合してアクリル系ポリマーにグリシジル基を導入することにより、熱硬化型接着成分としてのエポキシ樹脂との相溶性が向上し、また硬化後のTgが高くなり耐熱性も向上する。また、ヒドロキシエチルアクリレート等でアクリル系ポリマーに水酸基を導入することにより、チップへの密着性や粘着物性のコントロールが容易になる。
【0051】
保護層20は、本発明の効果を損なわない範囲内において、添加剤を含有していてもよい。添加剤は、公知のものでよく、目的に応じて任意に選択でき、特に限定されないが、好ましいものとしては、例えば、可塑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、着色剤(染料、顔料)、ゲッタリング剤等が挙げられる。
【0052】
(無機フィラー)
保護層20は、保護層20の熱拡散率を向上させる熱伝導性の無機フィラーをさらに含有してもよい。
【0053】
このような無機フィラーを配合することで、半導体基板11の発熱を効果的に拡散することが可能となる。また、硬化後の保護層20における熱膨張係数を調整することが可能となり、半導体基板11に対して硬化後の保護層20の熱膨張係数を最適化することで半導体装置100の信頼性を向上させることができる。さらに、硬化後の保護層20の吸湿率を低減させることが可能となり、加熱時に保護層20としての接着性を維持し、半導体装置100の信頼性を向上させることができる。なお、熱拡散率とは、保護層20の熱伝導率を保護層20の比熱と比重の積で除算した値であり、熱拡散率が大きいほど優れた放熱特性を有することを示す。
【0054】
無機フィラーとしては、具体的には、シリカ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、アルミナ、チタン、炭化ケイ素、窒化ホウ素等の粒子、これらを球形化したビーズ、単結晶繊維およびガラス繊維等が挙げられる。
【0055】
無機フィラーは、異方形状粒子を含むことが好ましい。異方形状粒子は、その長軸方向に良好な熱拡散率を示す。そのため、保護層20中において、その長軸方向と保護層20の厚み方向とが略同一となる異方形状粒子の割合が高まることで、半導体基板11に発生した熱が保護層20を介して発散されやすくなる。
【0056】
なお、「異方形状粒子の長軸方向と保護層20の厚み方向とが略同一」とは、具体的には、異方形状粒子の長軸方向が、保護層20の厚み方向(
図2においてZ軸方向)に対する傾きが、−45°〜45°の範囲にあることをいう。
【0057】
異方形状粒子の長軸方向と保護層20の厚み方向とを略同一とするため、保護層20は、妨害粒子をさらに含んでもよい。異方形状粒子と妨害粒子とを併用することにより、保護層20の製造工程において、異方形状粒子の長軸方向が保護層20の幅方向や流方向と略同一となることを抑制し、その長軸方向と保護層20の厚み方向とが略同一となった異方形状粒子の割合を高めることができる。その結果、優れた熱拡散率を有する保護層20が得られることになる。
【0058】
異方形状粒子の具体的な形状は、板状、針状、鱗片状等が挙げられる。好ましい異方形状粒子としては、窒化物粒子が挙げられ、窒化物粒子としては、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化珪素等の粒子が挙げられる。これらのうちでも、良好な熱伝導性が得られやすい窒化ホウ素粒子が好ましい。
【0059】
異方形状粒子の平均粒子径は、例えば、20μm以下であり、好ましくは、5〜20μmである。また、異方形状粒子の平均粒子径は、上記妨害粒子の平均粒子径よりも小さいことが好ましい。異方形状粒子の平均粒子径を上記のように調整することにより、保護層20の熱拡散率や製膜性が向上するとともに、保護層20中における異方形状粒子の充填率が向上する。
【0060】
一方、妨害粒子の形状は、異方形状粒子の長軸方向と、保護層20の幅方向や流れ方向(保護層20と平行な方向)とが略同一となることを妨げる形状であれば特に限定されず、その具体的な形状は、例えば、球状あるいは扁平状である。妨害粒子としては、例えば、シリカ粒子、アルミナ粒子が挙げられる。
【0061】
妨害粒子の平均粒子径は、例えば、20μm超であり、好ましくは、20μm超50μm以下、より好ましくは、20μm超30μm以下である。妨害粒子の平均粒子径を上記範囲とすることにより、保護層20の熱拡散率や製膜性が向上する。また、異方形状粒子は、単位体積当たりの比表面積が大きく、保護層20を形成する組成物の粘度を上昇させやすい。ここに、比表面積の大きい、平均粒子径が20μm以下の異方形状粒子以外のフィラーを添加した場合、保護層20を形成する組成物の粘度がいっそう上昇し、保護層20の形成が困難になったり、多量の溶媒により希釈する必要が生じて生産性が低下したりする懸念がある。
【0062】
妨害粒子として、上述した軟磁性粒子が用いられてもよい。これにより、軟磁性粒子および異方形状粒子に加えて、妨害粒子を別途添加する必要がなくなるため、軟磁性粒子の充填率が向上し、したがって電磁波吸収特性をいっそう向上させることができる。この場合、軟磁性粒子は1種に限られず、2種以上あってもよい。例えば、電磁波吸収を主目的として調整された第1の軟磁性粒子のほか、妨害粒子として最適化された平均粒子径を有する第2の軟磁性粒子が保護層20中に含まれてもよい。
【0063】
ところで、保護層20は、着色されていてもよい。保護層20の着色は、たとえば、顔料、染料等を配合することで行われる。保護層20を着色しておくと、外観の向上が図られるとともに、レーザー印字を施した際にその視認性、識別性を高めることができる。保護層20の色は特に限定されず、無彩色でもよいし、有彩色でもよい。本実施形態において、保護層20は、黒色に着色される。
【0064】
なおまた、硬化後における保護層20と半導体基板11の裏面との接着性・密着性を向上させる目的で、保護層20にカップリング剤を添加することもできる。カップリング剤は、保護層20の耐熱性を損なわずに、接着性、密着性を向上させることができ、さらに耐水性(耐湿熱性)も向上する。
【0065】
(剥離シート)
剥離シートS1は、保護層20の接着面201を被覆するように設けられ、保護層20の使用時には、接着面201から剥離される。
【0066】
剥離シートS1としては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン酢ビフィルム、アイオノマー樹脂フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム等が用いられる。またこれらの架橋フィルムも用いられる。さらにこれらの積層フィルムであってもよい。
【0067】
剥離シートS1としては、上記したようなフィルムの一方の表面に剥離処理を施したフィルムが好ましい。剥離処理に用いられる剥離剤としては、特に限定はないが、シリコーン系、フッ素系、アルキッド系、不飽和ポリエステル系、ポリオレフィン系、ワックス系等が用いられる。特にシリコーン系の剥離剤が低剥離力を実現しやすいので好ましい。剥離フィルムに用いるフィルムがポリオレフィンフィルムのようにそれ自身の表面張力が低く、粘着層に対し低剥離力を示すものであれば、剥離処理を行わなくてもよい。
【0068】
さらに剥離シートS1の表面張力は、好ましくは40mN/m以下、さらに好ましくは37mN/m以下、特に好ましくは35mN/m以下であることが望ましい。このような表面張力が低い剥離シートS1は、材質を適宜に選択して得ることが可能であるし、また剥離シートS1の表面にシリコーン樹脂等を塗布して離型処理を施すことで得ることもできる。
【0069】
剥離シートS1の厚さは、通常は5〜300μm、好ましくは10〜200μm、特に好ましくは20〜150μm程度である。
【0070】
(支持シート)
支持シートS2は、保護層20の接着面201とは反対側の表面202に剥離可能に貼着され、保護層20を半導体基板11へ貼付する際の支持体としての役割を持つ。
【0071】
支持シートS2は、樹脂系の材料を主材とする基材フィルムで構成される。基材フィルムの具体例としては、低密度ポリエチレン(LDPE)フィルム、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルム、高密度ポリエチレン(HDPE)フィルム等のポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、エチレン−ノルボルネン共重合体フィルム、ノルボルネン樹脂フィルム等のポリオレフィン系フィルム;エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム等のエチレン系共重合フィルム;ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム等のポリ塩化ビニル系フィルム;ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム等のポリエステル系フィルム;ポリウレタンフィルム;ポリイミドフィルム;ポリスチレンフィルム;ポリカーボネートフィルム;フッ素樹脂フィルムなどが挙げられる。またこれらの架橋フィルム、アイオノマーフィルムのような変性フィルムも用いられる。ベース層はこれらの1種からなるフィルムでもよいし、さらにこれらを2種類以上組み合わせた積層フィルムであってもよい。
【0072】
あるいは、支持シートS2を構成する基材フィルムには、上述の剥離シートS1を構成する樹脂フィルムが用いられてもよい。また、支持シートS2として、上記基材フィルムに粘着加工が施されたフィルムが用いられてもよい。さらに、支持シートS2は、保護層20の硬化後、ダイシングシートに貼り替えられてもよい。
【0073】
支持シートS2の厚みは特に限定されず、例えば、10μm以上500μm以下、好ましくは、15μm以上300μm以下、特に好ましくは、20μm以上250μm以下の範囲内とされる。
【0074】
[半導体装置の製造方法]
続いて、半導体装置100の製造方法について説明する。
【0075】
図3(A)〜(D)は、半導体装置100の製造方法を説明する概略工程断面図である。
【0076】
まず
図3(A)に示すように、半導体ウエハWの裏面に、保護層20が貼着される。なお保護層20の貼着工程には、例えば、後述するようなプリカットされた複合シート140(401,402)が用いられてもよい(
図4〜
図6)。
【0077】
半導体ウエハWは、あらかじめ、バックグラインド工程によって所定の厚さ(例えば50μm)に薄化される。また、半導体基板Wの表面(回路面)には、配線層12及びバンプ13がウエハレベルで形成されている。
【0078】
保護層20は、例えば、半導体ウエハWと略同等の大きさ、形状に形成されたもので、硬化処理前の状態である。剥離シートS1は、半導体ウエハWへの貼着前に、接着面201から剥離される。また、保護層20は、接着面201を介して半導体ウエハWの裏面に貼着される。そして、支持シートS2が保護層20の表面202から剥離されることで、半導体ウエハWと保護層20との積層体が得られる。次いで、保護層20を硬化させる。これにより、半導体ウエハWの全面に保護層20の硬化物からなる単一の複合材料層が形成される。
【0079】
半導体ウエハWに硬化前の保護層20が貼着されることで、半導体ウエハWの見掛け上の厚さが増し、その結果、半導体ウエハWの剛性が高められるとともにハンドリング性やダイシング適性が向上する。これにより、半導体ウエハWを損傷や割れ等から効果的に保護されることになる。
【0080】
次に、保護層20の硬化物に製品情報を表示する印字層が形成される。印字層は、保護層20の表面に赤外線レーザーを照射することで形成される(レーザーマーキング)。印字層は、半導体チップあるいは半導体装置の種類等を表示する文字、記号又は図形を含む。印字層の形成をウエハレベルで行うことにより、個々のチップ領域へ所定の製品情報を効率よく印字することができる。
【0081】
続いて、
図3(B)に示すように、保護層20が接着された半導体ウエハWがダイシングシートTの粘着面にマウントされる。ダイシングシートTは、半導体基板のダイシング工程において半導体基板を保護・固定し、チップサイズに個片化した半導体チップをピックアップするためのものである。ダイシングシートTは、その一方の面に設けられ粘着層を上向きにして図示しないダイシングテーブル上に配置され、リングフレームFによって固定される。半導体ウエハWは、その回路面を上向きにして、保護層20を介してダイシングシートT上に固定される。
【0082】
そして、
図3(C)に示すように、ダイサーDによって、半導体ウエハWが回路毎に(チップ単位に)ダイシングされる。このとき、ダイサーDのブレードは、ダイシングシートTの上面(粘着面)に達する深さで半導体ウエハWを切断し、したがって保護層20は、半導体ウエハWとともにチップ単位に切断される。
【0083】
続いて、
図3(D)に示すように、コレットKによって、チップ状の半導体素子10が保護層20とともにダイシングシートTの粘着層から剥離される。これにより、半導体素子10の裏面に保護層20が設けられた半導体装置100が製造される。
【0084】
図4は、複合シート140のプリカット形状を示す概略平面図である。複合シート140は、典型的には帯状のシートで形成されており、剥離シートS1を除く各層には、半導体ウエハと略同等の大きさの打ち抜き溝140cが支持シートと保護層が除去された状態で、設けられている。すなわち図示の例では、保護層20及び支持シートS2は、半導体ウエハと同等又はそれ以上の大きさにそれぞれプリカットされた状態で剥離シートS1に支持されており、基板サイズで半導体ウエハWの裏面に接着されるように構成されている。
【0085】
図5A〜Cは、半導体ウエハWの裏面へ保護層20を接着する工程の一例を示す模式断面図である。図示するように複合シート401は、剥離シートS1を剥離した後、半導体ウエハWの裏面(
図5Cにおいて上面)に貼り合わされるとともに、保護層20の硬化処理が実施される。図示する複合シート401においては、半導体ウエハサイズよりも大きなサイズにプリカットされた保護層20の周縁部にリングフレームRFに接着される環状の粘着剤層125があらかじめ積層されており、半導体ウエハWは、その粘着剤層125で区画される接着剤層領域の内側に接着される。半導体ウエハWの表面(
図5Cにおいて下面)に積層された保護部材160は、保護層20の硬化処理前に除去される。
【0086】
一方、
図6Aに示す複合シート402は、半導体ウエハサイズと同等の大きさにプリカットされた保護層20と、半導体ウエハサイズよりも大きなサイズにプリカットされた支持シートS2とを有し、剥離シートS1は、保護層20を被覆するように支持シートS2に接着される。そして、
図6B,Cに示すように、複合シート402は、剥離シートS1を剥離した後、半導体ウエハWの裏面(
図6において上面)に貼り合わされるとともに、保護層20の硬化処理が実施される。支持シートS2は、図示されていない粘着剤層を介してリングフレームRFに粘着支持される。半導体ウエハWの表面(
図6Cにおいて下面)に積層された保護部材160は、保護層20の硬化処理前に除去される。
【0087】
複合シート140としては、
図5Aに示した複合シート401が採用されてもよいし、
図6Aに示した複合シート402が採用されてもよい。また、複合シート401,402における支持シートS2は、上述したように、ダイシングシートで構成されてもよい。
【0088】
本実施形態の半導体装置100において、保護層20は、その接着面201を半導体基板11の裏面に接合することによって半導体基板11と一体化される。したがって、半導体基板11の裏面を保護する保護層20は単一層で構成されることになるため、保護層20および半導体装置100の薄厚化が図れることになる。
【0089】
さらに、保護層20が軟磁性粒子を含有する複合材料で構成されているため、半導体基板11の抗折強度が高められるとともに、半導体基板11から外部へ放出される電磁ノイズや外部から半導体基板11へ侵入する電磁ノイズを抑制することが可能となる。
【0090】
本発明者らは、保護層20として、軟磁性粒子(センダスト、山陽特殊鋼社製、商品名「FME3DH」)を60質量%分散させた厚み300μmの保護層を作製し、国際規格IEC62333に基づき、そのシートをマイクロストリップ線路上に貼り付け、このときの透過係数S21及び反射係数S11をネットワークアナライザで測定した。これらの測定値より、
Rtp=-10log
10{10
S21/10/(1-10
S11/10)}
の式を用い、Rtp(伝送減衰率)を算出した。その結果、測定周波数5GHzのときでRtpの値は24.4であった。
【0091】
さらに本実施形態によれば、半導体基板の裏面に貼着される保護層に軟磁性粒子が含有されているため、軟磁性粒子を含有していない保護層を有する半導体装置の製造工程と同様な工程で、電磁波吸収機能を備えた半導体装置を製造することができる。したがって、半導体装置が実装された配線基板上に、電磁波吸収シートを後付けで設置する場合と比較して工程数を削減することができる。また、配線基板上に当該電磁波吸収シートを別途設置するためのスペースが不要となるため、部品の高密度実装が可能となり、したがって電子機器の小型化、薄型化に貢献することが可能となる。
【0092】
<第2の実施形態>
図7は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置200の構成を示す概略側断面図である。
【0093】
図7に示すように、本実施形態の半導体装置200は、第1の半導体パッケージP11と第2の半導体パッケージP12との積層構造(PoP:Package on Package)を有する。
【0094】
第1の半導体パッケージP11は、第1の配線基板21と、第1の配線基板21の上にフリップチップ実装(フリップチップ接続)された第1の半導体チップC1とを有する。
【0095】
第2の半導体パッケージP12は、第1の半導体パッケージP11の上に搭載される。第2の半導体パッケージP12は、第2の配線基板22と、第2の配線基板22の上にワイヤボンド接続された第2の半導体チップC2とを有する。第2の半導体チップC2は、大きさの異なる2つの半導体チップC21,C22の積層構造を有する。
【0096】
第1の半導体チップC1、第2の半導体チップC2(C21,C22)は、典型的には、単結晶シリコン(Si)基板を有するベアチップあるいはCSP等の半導体素子で構成される。その表面にトランジスタ、メモリ等の複数の回路素子が集積化された回路面が形成される。
【0097】
第1の半導体チップC1は、その回路面を第1の配線基板21に向けたフェイスダウン方式で、第1の配線基板21の上面にマウントされる。第1の半導体チップC1は、その回路面(図中下面)に形成された複数のバンプ(突起電極)41を介して第1の配線基板21に電気的機械的に接続される。第1の配線基板21への第1の半導体チップC1の接合には、例えば、リフロー炉を用いたリフロー半田付け法が採用される。
【0098】
第1の半導体チップC1と第1の配線基板21との間には、典型的には、アンダーフィル樹脂層51が設けられる。アンダーフィル樹脂層51は、第1の半導体チップC1の回路面及びバンプ41を封止して外気から遮断し、第1の半導体チップC1と第1の配線基板21との間の接合強度を高めてバンプ41の接続信頼性を高める目的で設けられる。
【0099】
第1の半導体チップC1の裏面(回路面とは反対側の面であって、図において上面)には、当該半導体チップC1を保護するための保護層20Aが接合されている。保護層20Aは、上述の第1の実施形態における保護層20と同様に、軟磁性粒子を含有する単一層の複合材料で構成され、第1の半導体チップC1の抗折強度を高めるとともに、第1の半導体チップC1から放射される電磁ノイズや第1の半導体チップC1へ入射する電磁ノイズを抑制する機能を有する。
【0100】
一方、第2の半導体チップC2(C21,C22)は、各々の回路面とは反対側の裏面を第2の配線基板22に向けたフェイスアップ方式で、第2の配線基板22の上面にマウントされる。第2の半導体チップC2(C21,C22)は、それらの回路面(図中上面)の周囲に各々配列された複数の電極パッド(図示略)を有し、各電極パッドに接続された複数のボンディングワイヤ42を介して第2の配線基板22に電気的に接続される。
【0101】
第2の配線基板22と半導体チップC21との間は非導電性の接着剤(図示略)を介して接合される。一方、2つの半導体チップC21,C22は、保護層20Bを介して相互に接合される。保護層20Bは、上述の第1の実施形態における保護層20と同様に、軟磁性粒子を含有する単一層の複合材料で構成され、2つの半導体チップC21,C22間における電磁的なクロストークを抑制する機能を有する。
【0102】
第2の配線基板22の上面は、第2の半導体チップC2(C21,C22)及びボンディングワイヤ42を封止する封止層52が設けられる。封止層52は、アンダーフィル樹脂層51と同様に、第2の半導体チップC2(C21,C22)の回路面を外気から遮断し、第2の半導体チップC2(C21,C22)と第2の配線基板22との接続信頼性を高める目的で設けられる。
【0103】
第1の配線基板21及び第2の配線基板22は、それぞれ同種の材料で構成されてもよいし、異種の材料で構成されてもよい。第1の配線基板21及び第2の配線基板22は、典型的には、ガラスエポキシ基板、ポリイミド基板等の有機系配線基板で構成されるが、これに限られず、セラミック基板やメタル基板が用いられてもよい。配線基板の種類は特に限定されず、片面基板、両面基板、多層基板、素子内蔵基板等の種々の基板が適用可能である。本実施形態において、第1及び第2の配線基板21,22は、それぞれビアV1,V2を有するガラスエポキシ系の多層配線基板で構成される。
【0104】
第1の配線基板21の裏面(図中下面)には、マザーボード等と称される制御基板110に接続される複数の外部接続端子31が設けられている。第1の配線基板21は、第1の半導体チップC1と制御基板110との間に介装されるインターポーザ基板(ドータ基板)として構成され、第1の半導体チップC1の回路面上のバンプ51の配置間隔を制御基板110のランドピッチに変換する再配線層としての機能をも有する。
【0105】
第2の配線基板22の裏面(図中下面)には、第1の配線基板21の表面に接続される複数のバンプ32が設けられている。第2の配線基板22は、第2の半導体チップC2(C21,C22)を第1の配線基板に接続するインターポーザ基板として構成され、第1の配線基板21及び外部接続端子31を介して、制御基板110に電気的に接続される。
【0106】
外部接続端子31及びバンプ41,32は、典型的には、はんだバンプ(ボールバンプ)で構成されるが、これに限られず、めっきバンプやスタッドバンプ等の他の突起電極で構成されてもよい。第1の配線基板21に対する第2の配線基板22の接続、及び、制御基板110に対する半導体装置100の接続には、リフロー半田付け法が採用される。
【0107】
以上のように構成される本実施形態の半導体装置200においては、半導体チップC1の裏面には保護層20Aが、半導体チップC21と半導体チップC22との間には保護層20Bがそれぞれ設けられている。このように、半導体パッケージP11,P12の積層方向において、各半導体チップC1,C21,C22の間に電磁波吸収機能を有する保護層20A,20Bが設けられていることから、これら半導体チップ間における電磁的なクロストークを抑制し、各々所定の電気的特性を確保し、したがって半導体装置200の信頼性を向上させることができる。しかも、各保護層20A,20Bが単一層で構成されているため、PoP構造の半導体装置200の薄型化を促進することが可能となる。
【0108】
<第3の実施形態>
図8は、本発明の第3の実施形態に係る半導体装置300の構成を示す概略側断面図である。
【0109】
図8に示すように、本実施形態の半導体装置300は、第1の半導体パッケージP21と第2の半導体パッケージP22との積層構造(PoP:Package on Package)を有する。第1の半導体パッケージP21および第2の半導体パッケージP22は、ファンアウト型のウエハレベルパッケージ(Fan-Out WLP)で構成される。
【0110】
半導体パッケージP21,P22は、半導体チップC3,C4と、半導体チップC3,C4よりも大きなサイズで形成されたパッケージ本体71,72と、パッケージ本体71,72の下面に設けられた配線層711,721と、配線層711,721に固定された複数のバンプ61,62等をそれぞれ有する。
【0111】
半導体チップC3,C4は、各々の回路面を下向きにしてパッケージ本体71,72に内蔵されているとともに、配線層711,721に電気的に接続されている。パッケージ本体71,72がハンド体チップC3,C4よりも大きなサイズに形成されているため、配線層711,721において半導体チップC3,C4の電極ピッチを大きく拡張することが可能となり、これによりバンプ61,62の配列自由度が高められる。
【0112】
第1の半導体パッケージP21のバンプ61は、第1の半導体パッケージP21(半導体装置300)を制御基板110に接続されるためのものである。一方、第2の半導体パッケージP22のバンプ62は、第1の半導体パッケージP21の上面に設けられた配線層712に接続され、パッケージ本体71に設けられたビアV3を介して、配線層711およびバンプ61に電気的に接続される。
【0113】
半導体装置300はさらに、保護層20Cを備える。保護層20Cは、第1の半導体パッケージP21の裏面(本例では配線層712の上面)に設けられる。保護層20Cは、第1の実施形態における保護層20と同様に、軟磁性粒子を含有する単一層の複合材料で構成される。保護層20Cは、接着面201(
図2参照)を介してパッケージ本体71の上面(配線層712)に接合されるとともに、バンプ62を配線層712へ接続するための開口部を有する。
【0114】
保護層20Cは、半硬化状態で配線層712の上に貼着された後、硬化処理が施されることで硬化される。硬化処理は、第2の半導体パッケージP22が積層される前であってもよいし、積層された後であってもよい。
【0115】
本実施形態の半導体装置300において、保護層20Cは、第1の半導体パッケージP21の抗折強度を高めるとともに、半導体チップC3から放射される電磁ノイズや半導体チップC3へ入射する電磁ノイズを抑制する機能を有する。また、保護層20Cは、2つの半導体パッケージP21,P22間における電磁的なクロストークを抑制する機能をも有する。さらに保護層20Cは、第1の半導体パッケージP21と第2の半導体パッケージP22との間の接合強度を高める非導電性接着フィルム(NCF:Non-Conductive Film)としての機能をも有する。
【0116】
<第4の実施形態>
図9は、本発明の第4の実施形態に係る半導体装置400の構成を示す概略側断面図である。
【0117】
図9に示すように、本実施形態の半導体装置400は、複数の半導体チップC5、C6およびC7の積層構造(CoC:Chip on Chip)を有する。
【0118】
各半導体チップC5〜C7は、回路面を下向きにして積層される。すなわち、中間段の半導体チップC6は、最下段の半導体チップC5の裏面に積層され、最上段の半導体チップC7は、中間段の半導体チップC6の裏面に積層される。
【0119】
最下段の半導体チップC5および中間段の半導体チップC6には、これらの厚み方向に貫通する複数のビア(TSV:Through-Silicon Via)V5、V6がそれぞれ設けられる。ビアV5およびビアV6は、相互に整列するように積層方向に対向しており、これらビアV5,V6の間には半導体チップC5と半導体チップC6との間を電気的に接続するバンプ82がそれぞれ配置されている。また、ビアV5の下端には、半導体チップC5(半導体装置400)を制御基板110に接続するためのバンプ81がそれぞれ配置されており、ビアV6の上端には、最上段の半導体チップC7を半導体チップC6に接続するためのバンプ83がそれぞれ配置されている。
【0120】
半導体装置400はさらに、半導体チップC5と半導体チップC6との間、および、半導体チップC6と半導体チップC7との間をそれぞれ接合する複数の接着層20Dを有する。接着層20Dは、第1の実施形態における保護層20と同様に、軟磁性粒子を含有する単一層の複合材料で構成される。接着層20Dは、シート状あるいはフィルム状に限られず、ペースト状であってもよい。
【0121】
各接着層20Dは、半硬化状態で半導体チップC5,C6の上に貼着された後、硬化処理が施されることで硬化される。硬化処理は、個々の接着層20Dごとに行われてもよいし、すべての接着層20Dについて同時に行われてもよい。
【0122】
本実施形態の半導体装置400において、接着層20Dは、各半導体チップC5〜C7の抗折強度を高めるとともに、各半導体チップC5〜C7から放射される電磁ノイズや各半導体チップC5〜C7へ入射する電磁ノイズを抑制する機能を有する。また、接着層20Dは、各半導体チップC5〜C7間における電磁的なクロストークを抑制する機能をも有する。さらに接着層20Dは、各半導体チップC5〜C7間の接合強度を高める非導電性接着フィルム(NCF:Non-Conductive Film)としての機能をも有する。
【0123】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく種々変更を加え得ることは勿論である。
【0124】
例えば以上の実施形態では、半導体装置として、WLCSP、PoP、CoCを例に挙げて説明したが、勿論これらに限られず、例えば、配線基板の内部に半導体素子が埋設された素子内蔵基板等にも本発明は適用可能であり、この場合、埋設される半導体素子の裏面に本発明に係る保護層が設けられる。これにより、当該半導体素子と当該素子内蔵基板上に搭載される各種電子部品との電磁的なクロストークを抑制することが可能となる。
【0125】
また、以上の第4の実施形態において、最上段の半導体チップC7の裏面(上面)に、第1の実施形態において説明した保護層20が接合されてもよい。これにより、半導体チップC7の裏面の保護を図れるとともに、半導体チップC7から放射される電磁ノイズや半導体チップC7へ入射する電磁ノイズをさらに抑制することが可能となる。