(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0035】
<着色剤(A)>
<ポリメチン化合物(A1)>
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、着色剤(A)と、樹脂(B)と、重合性化合物(C)と、重合開始剤(D)とを含み、前記着色剤(A)は、式(I)で表される化合物(A1)(本明細書では、便宜上、ポリメチン化合物という)と、クロロホルム中における極大吸収波長が500nm以上700nm以下である着色剤(A2)とを含む。式(I)のポリメチン化合物は、耐光性に優れている。
【0036】
【化20】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
7及びR
8は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、スルホン酸基、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基、炭素原子数8〜30のアリールアルケニル基、炭素原子数2〜20の複素環含有基又はメタロセニル基を表し、
R
5は、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基、炭素原子数8〜30のアリールアルケニル基、又は炭素原子数2〜30の複素環含有基を表し、
R
9は、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基又はシアノ基を表し、
Xは、>CR
10R
11、酸素原子又は硫黄原子を表し、
R
10及びR
11は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基、炭素原子数8〜30のアリールアルケニル基、炭素原子数2〜20の複素環含有基又はメタロセニル基を表し、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10及びR
11で表される炭素原子数1〜20のアルキル基中のメチレン基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基、及び炭素原子数8〜30のアリールアルケニル基中のメチレン基は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−COS−、−OCS−、−SO
2−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−SO
2NH−、−NH−SO
2−、−N=CH−又は−CH=CH―で、酸素原子が隣り合わない条件で置き換わっている場合もあり、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10及びR
11で表される基のアルキル部分は、分岐側鎖があってもよく、環状アルキルであってもよく、置換基を有していてもよく、
R
1とR
2、R
2とR
3、R
3とR
4、R
4とR
5、R
1とR
10、R
6とR
8、R
8とR
9及びR
10とR
11は、それぞれ一緒になって環を形成していてもよく、形成した環は置換基を有していてもよく、
Gは、酸素原子、硫黄原子又は下記<群1>より選択される基を表し、
Aは、m=1のとき、結合手ではなく、m≧2のとき、単結合、窒素原子、−NR
12−、酸素原子、硫黄原子、−SO
2−、−SO−、リン原子、−PR
13−、E
m+(J
−)
m、(M
+)
mL
m−又は下記(i)〜(v)のいずれかの条件を満たす有機基を表し、Eはm価の陽イオンを表し、Jは一価の陰イオンを表し、Mは一価の陽イオンを表し、Lはm価の陰イオンを表し、
R
12及びR
13は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基又は炭素原子数8〜30のアリールアルケニル基を表し、
R
12及びR
13で表されるアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、及びアリールアルケニル基は、ハロゲン原子、水酸基又はニトロ基で置換されている場合もあり、塩を形成した置換基を有していてもよく、
R
12及びR
13で表されるアルキル基、アリールアルキル基、及びアリールアルケニル基中のメチレン基は、−COO−、−O−、−OCO−、−NHCO−、−NH−、−CONH−により、酸素原子が隣り合わない条件で置き換わっていてもよい。
mは1〜6であり、m≧2のとき、Aは、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8及びR
9のいずれか1つ以上の置換基と連結し、nは0又は1(好ましくは1)である。)
【0039】
(式中、R及びR’は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基又は炭素原子数8〜30のアリールアルケニル基を表し、*は、*部分で、隣接する基と結合することを意味する。)
(i)m=2であり、Aが下記式(1)で表される。
【0040】
【化22】
(式中、X
1は、−NR
14−、二価の炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、二価の炭素原子数3〜35の脂環式炭化水素基、二価の炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基又は二価の炭素原子数2〜35の複素環含有基又は下記(1−A)〜(1−C)で表される基を表し、
Z
1及びZ
2は、それぞれ独立に、直接結合、−O−、−S−、−SO
2−、−SO−、−NR
14−、−PR
15−、−CO−、又はこれらの組み合わせを表し、
R
14及びR
15は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、又は炭素原子数8〜30のアリールアルケニル基を表し、
R
14及びR
15で表されるアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、及びアリールアルケニル基は、ハロゲン原子、水酸基又はニトロ基で置換されている場合もあり、
R
14及びR
15で表されるアルキル基、アリールアルキル基、及びアリールアルケニル基中のメチレン基は、−COO−、−O−、−OCO−、−NHCO−、−NH−、−CONH−により、酸素原子が隣り合わない条件で置き換わっていてもよい。但し、上記一般式(1)で表される基は炭素原子数1〜35の範囲内であり、*は、*部分で、隣接する基と結合することを意味する。)
【0042】
(式中、R
21は炭素原子数1〜10のアルキル基若しくはアルコキシ基により置換されてもよいフェニル基、又は炭素原子数3〜10のシクロアルキル基を表し、R
22は炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基又はハロゲン原子を表し、
R
21及びR
22で表されるアルキル基、アルコキシ基及びアルケニル基はハロゲン原子で置換されているかあるいは無置換であり、
dは0〜4の整数であり、*は、*部分で、隣接する基と結合することを意味する。)
【0043】
【化24】
(式中、*は、*部分で、隣接する基と結合することを意味する)
【0045】
(式中、R
23及びR
24は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、炭素原子数6〜20のアリールチオ基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数8〜30のアリールアルケニル基、炭素原子数2〜20の複素環含有基又はハロゲン原子を表し、
R
23及びR
24で表されるアルキル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、及び複素環含有基はハロゲン原子で置換されているかあるいは無置換であり、
R
23及びR
24で表されるアルキル基、アリールアルキル基、及びアリールアルケニル基中のメチレン基は不飽和結合、−O−又は−S−により、酸素原子が隣り合わない条件で置き換わっている場合もあり、
R
23は、隣接するR
23同士で環を形成していてもよく、
eは0〜4の数を表し、fは0〜8の数を表し、gは0〜4の数を表し、hは0〜4の数を表し、gとhの数の合計は2〜4であり、*は、*部分で、隣接する基と結合することを意味する。)
(ii)m=3であり、Aが下記式(2)で表される。
【0047】
(式中、X
2は、R
25で置換された炭素原子、三価の炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、三価の炭素原子数3〜35の脂環式炭化水素基、三価の炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基又は三価の炭素原子数2〜35の複素環含有基を表し、
R
25は、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、又は炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、又は炭素原子数8〜30のアリールアルケニル基を表し、
X
2で表される脂肪族炭化水素基中のメチレン基は、−COO−、−O−、−OCO−、−NHCO−、−NH−、−CONH−、−O−CONH−、−NHCO−O−により、酸素原子が隣り合わない条件で置き換わっている場合もあり、
Z
1〜Z
3は、それぞれ独立に、上記一般式(1)におけるZ
1及びZ
2で表される基と同じであり、*は、*部分で、隣接する基と結合することを意味する。
但し、上記一般式(3)で表わされる基は炭素原子数1〜35の範囲内である。)
(iii)m=4であり、Aが下記式(3)で表される。
【0049】
(式中、X
3は、炭素原子、四価の炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基、四価の炭素原子数3〜35の脂環式炭化水素基、四価の炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基又は四価の炭素原子数2〜35の複素環含有基を表し、
X
3で表される脂肪族炭化水素基中のメチレン基は、−COO−、−O−、−OCO−、−NHCO−、−NH−、−CONH−、−O−CONH−、−NHCO−O−により、酸素原子が隣り合わない条件で置き換わっている場合もあり、
Z
1〜Z
4は、それぞれ独立に、上記一般式(1)におけるZ
1及びZ
2で表される基と同じであり、*は、*部分で、隣接する基と結合することを意味する。
但し、上記一般式(3)で表される基は炭素原子数1〜35の範囲内である。)
(iv)m=5であり、Aが下記式(4)で表される。
【0051】
(式中、X
4は、五価の炭素原子数2〜35の脂肪族炭化水素基、五価の炭素原子数3〜35の脂環式炭化水素基、五価の炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基又は五価の炭素原子数2〜35の複素環含有基を表し、
該X
4で表される脂肪族炭化水素基中のメチレン基は、−COO−、−O−、−OCO−、−NHCO−、−NH−、−CONH−、−O−CONH−、−NHCO−O−により、酸素原子が隣り合わない条件で置き換わっている場合もあり、
Z
1〜Z
5は、それぞれ独立に、上記一般式(1)におけるZ
1及びZ
2で表される基と同じであり、*は、*部分で、隣接する基と結合することを意味する。
但し上記一般式(4)で表される基は炭素原子数2〜35の範囲内である。)
(v)m=6であり、Aが下記式(5)で表される。
【0053】
(式中、X
5は、六価の炭素原子数2〜35の脂肪族炭化水素基、六価の炭素原子数3〜35の脂環式炭化水素基、六価の炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基又は六価の炭素原子数2〜35の複素環含有基を表し、
X
5で表される脂肪族炭化水素基中のメチレン基は、−COO−、−O−、−OCO−、−NHCO−、−NH−、−CONH−、−O−CONH−、−NHCO−O−により、酸素原子が隣り合わない条件で置き換わっている場合もあり、
Z
1〜Z
6は、それぞれ独立に、上記一般式(1)におけるZ
1及びZ
2で表される基と同じであり、*は、*部分で、隣接する基と結合することを意味する。
但し上記一般式(5)で表される基は炭素原子数2〜35の範囲内である。)
【0054】
上記一般式(I)におけるR
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10及びR
11で表される炭素原子数1〜20のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル、ヘプチル、イソヘプチル、第三ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル等が挙げられ、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
10及びR
11で表される炭素原子数6〜30のアリール基としては、フェニル、ナフチル、ビフェニル、アントラセン−1−イル、フェナントレン−1−イル等の単環又は縮環構造の芳香族系炭化水素環(環構造の部分のみをいう。以下、「芳香族系炭化水素環」において同じ)或いはその連結構造が挙げられ、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
10及びR
11で表される炭素原子数7〜30のアリールアルキル基及び炭素原子数8〜30のアリールアルケニル基としては、ベンジル、フェネチル、2−フェニルプロピル、3−フェニルプロピル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、スチリル、シンナミル等の単環又は縮環構造の芳香族系炭化水素環或いはその連結構造が結合したアルキル基又はアルケニル基が挙げられる。
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
10及びR
11は炭素原子数2〜30の複素環含有基とも表される。かかる炭素原子数2〜30の複素環含有基において、複素環含有基とは、少なくとも一つの複素環を含有する基を意味し、炭素原子数は、基全体の炭素原子数を意味する。以下の説明において、複素環含有基の炭素原子数が規定されている場合は、全て、基全体の炭素原子数を意味する。上記炭素原子数2〜30の複素環含有基としては、例えば、ピリジル、ピリミジル、ピリダジル、ピペラジル、ピペリジル、ピラニル、ピラゾリル、トリアジル、ピロリジル、キノリル、イソキノリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、トリアゾリル、フリル、フラニル、ベンゾフラニル、チエニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、チアジアゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、インドリル、ユロリジル、モルフォリニル、チオモルフォリニル、2−ピロリジノン−1−イル、2−ピペリドン−1−イル、2,4−ジオキシイミダゾリジン−3−イル、2,4−ジオキシオキサゾリジン−3−イル等の単環又は縮環構造の複素環(環構造部分のみをいう。以下、「単環又は縮環構造の複素環」において同じ)或いはその連結構造が挙げられる。
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
10及びR
11で表されるメタロセニル基としては、フェロセニル、ニッケロセニル、コバルトニル、フェロセンアルキル、フェロセンアルコキシ等が挙げられ、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7及びR
8で表されるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
【0055】
上記一般式(I)におけるR
1とR
2、R
2とR
3、R
3とR
4、R
4とR
5、R
1とR
10、R
6とR
8、R
8とR
9及びR
10とR
11が連結して形成する環構造としては、ピペリジン環、ピペラジン環、ピロリジン環、モルフォリン環、チオモルフォリン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、イミダゾール環、オキサゾール環、イミダゾリジン環、ピラゾリジン環、イソオキサゾリジン環、イミノオキサゾリジン環、イソチアゾリジン環、ロダニン環、チオオキサゾリドン環、チオヒダントイン環、インダンジオン環、チアナフテン環、ピラゾロン環、ピリドン環、ピラゾリジンジオン環、ローダニン環、バルビツール酸環、チオバルビツール酸環、オキサゾロン環、ヒダントイン環、チオヒダントイン環、スクシンイミド環、マレイミド環等が挙げられ、これらの環は他の環と縮合されている場合もあり、また上記一般式(I)におけるR
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10及びR
11で表される炭素原子数1〜20のアルキル基等と同様の置換基を有する場合がある。
【0056】
上記一般式(I)におけるR
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10及びR
11で表される炭素原子数1〜20のアルキル基、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
10及びR
11で表される炭素原子数6〜30のアリール基、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
10及びR
11で表される炭素原子数7〜30のアリールアルキル基及び炭素原子数8〜30のアリールアルケニル基、並びにR
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
10及びR
11で表される炭素原子数2〜30の複素環含有基は、置換基を有していてもよい。前記炭素原子数1〜20のアルキル基の置換基としては、以下に例示の置換基のうち、アルキル基、アリールアルキル基以外の置換基が挙げられる。炭素原子数6〜30のアリール基、好ましくは単環又は縮環構造の芳香族系炭化水素環(環構造の部分のみをいう。以下、「芳香族系炭化水素環」において同じ)或いはその連結構造の置換基としては、以下に例示の置換基のうち、アリール基以外の置換基が挙げられる。炭素原子数7〜30のアリールアルキル基又は炭素原子数8〜30のアリールアルケニル基、好ましくは単環又は縮環構造の芳香族系炭化水素環或いはその連結構造が結合したアルキル基又はアルケニル基の置換基としては、以下に例示の置換基が挙げられる。ただし、以下に例示の置換基のうち、アルキル基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基は、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基又は炭素原子数8〜30のアリールアルケニル基の芳香族系炭化水素環に置換する。炭素原子数2〜30の複素環含有基、好ましくは単環又は縮環構造の複素環或いはその連結構造の置換基としては、以下に例示の置換基のうち、複素環含有基以外の置換基が挙げられる。
尚、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10及びR
11が、上記の炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基、炭素原子数8〜30のアリールアルケニル基、又は炭素原子数2〜30の複素環含有基等の炭素原子を含有する基であり、且つ、それらの基が、以下の置換基の中でも、炭素原子を含有する置換基を有する場合は、該置換基を含めた全体の炭素原子数が、規定された範囲を満たすものとする。つまり、炭素原子数1〜20のアルキル基が、炭素原子を含有する置換基を有する場合の炭素原子数の範囲は、1〜20であり、炭素原子数6〜30のアリール基が、炭素原子を含有する置換基を有する場合の炭素原子数の範囲は、6〜30であり、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基が、炭素原子を含有する置換基を有する場合の炭素原子数の範囲は、7〜30であり、炭素原子数8〜30のアリールアルケニル基が、炭素原子を含有する置換基を有する場合の炭素原子数の範囲は、8〜30であり、炭素原子数2〜30の複素環含有基が、炭素原子を含有する置換基を有する場合の炭素原子数の範囲は、2〜30である。
【0057】
置換基の例示:
上記置換基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、シクロペンチル、ヘキシル、2−ヘキシル(又はヘキサン−2−イル)、2−エチルヘキシル、3−ヘキシル(又はヘキサン−3−イル)、シクロヘキシル、ビシクロヘキシル、1−メチルシクロヘキシル、ヘプチル、2−ヘプチル、3−ヘプチル、イソヘプチル、第三ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、第三オクチル、、ノニル、イソノニル、デシル、ラウリル等のアルキル基;メチルオキシ、エチルオキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブチルオキシ、第二ブチルオキシ、第三ブチルオキシ、イソブチルオキシ、アミルオキシ、イソアミルオキシ、第三アミルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、イソヘプチルオキシ、第三ヘプチルオキシ、n−オクチルオキシ、イソオクチルオキシ、第三オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ等のアルコキシ基;メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、第二ブチルチオ、第三ブチルチオ、イソブチルチオ、アミルチオ、イソアミルチオ、第三アミルチオ、ヘキシルチオ、シクロヘキシルチオ、ヘプチルチオ、イソヘプチルチオ、第三ヘプチルチオ、n−オクチルチオ、イソオクチルチオ、第三オクチルチオ、2−エチルヘキシルチオ等のアルキルチオ基;ビニル、1−メチルエテニル、2−メチルエテニル、2−プロペニル、1−メチル−3−プロペニル(又は1−メチル−2−プロペニル)、3−ブテニル、1−メチル−3−ブテニル、イソブテニル、3−ペンテニル、4−ヘキセニル、シクロヘキセニル、ビシクロヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、デセニル、ペンタデセニル、エイコセニル、トリコセニル等のアルケニル基;ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、スチリル、シンナミル等のアリールアルキル基又はアリールアルケニル基;フェニル、ナフチル等のアリール基、好ましくは芳香族系炭化水素環;フェノキシ、ナフチルオキシ等のアリールオキシ基;フェニルチオ、ナフチルチオ等のアリールチオ基;ピリジル、ピリミジル、ピリダジル、ピペリジル、ピラニル、ピラゾリル、トリアジル、ピロリル、キノリル、イソキノリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、トリアゾリル、フリル、フラニル、ベンゾフラニル、チエニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、チアジアゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、インドリル、2−ピロリジノン−1−イル、2−ピペリドン−1−イル、2,4−ジオキシイミダゾリジン−3−イル、2,4−ジオキシオキサゾリジン−3−イル等の複素環含有基、好ましくは単環又は縮環構造の複素環;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;アセチル、2−クロロアセチル、プロピオニル、オクタノイル、フェニルカルボニル(ベンゾイル)、フタロイル、4−トリフルオロメチルベンゾイル、ピバロイル、サリチロイル、オキザロイル、ステアロイル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル、カルバモイル等のアシル基;アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ等のアシルオキシ基;アミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、2−エチルヘキシルアミノ、ドデシルアミノ、アニリノ、クロロフェニルアミノ、トルイジノ、アニシジノ、N−メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ,ナフチルアミノ、2−ピリジルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、ホルミルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチル−メトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ等のアミノ基又は置換アミノ基;スルホンアミド基、スルホニル基含有基、カルボン酸基、シアノ基、スルホン酸基、水酸基、ニトロ基、メルカプト基、イミド基、カルバモイル基、リン酸基等が挙げられ、これらの基は更に置換されていてもよい。また、上記カルボン酸基、スルホン酸基及びリン酸基等の酸性基は、種々の陽イオンと塩を形成していてもよく、上記置換アミノ基は四級化した後、種々の陰イオンと塩を形成していてもよい。上記陽イオンとしては、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、遷移金属カチオン、炭素原子数4以上のアンモニウム、アミジニウム、グアニジニウムカチオン等が挙げられ、陰イオンとしては、例えば、一価のものとして、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、フッ化物イオン等のハロゲン化物イオン;過塩素酸イオン、塩素酸イオン、チオシアン酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン等の無機系陰イオン;メタンスルホン酸イオン、ドデシルスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、ペンタフルオロベンゼンスルホン酸イオン、ジフェニルアミン−4−スルホン酸イオン、2−アミノ−4−メチル−5−クロロベンゼンスルホン酸イオン、2−アミノ−5−ニトロベンゼンスルホン酸イオン、フタロシアニンスルホン酸イオン、パーフルオロ−4−エチルシクロヘキサンスルホン酸イオン、ナフタレンモノスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、ナフタレントリスルホン酸、ナフチルアミンモノスルホン酸、ナフチルアミンジスルホン酸、ナフチルアミントリスルホン酸、ナフトールモノスルホン酸、ナフトールジスルホン酸、ナフトールトリスルホン酸等の有機スルホン酸系陰イオン;チオシアン酸イオン、リンタングステンモリブデン酸イオン、リンタングステン酸イオン、リンモリブデン酸イオン、タンニン酸イオン、酒石酸イオン、パルミチン酸イオン、ステアリン酸イオン、オレイン酸イオン、リノール酸イオン、オクチルリン酸イオン、ドデシルリン酸イオン、オクタデシルリン酸イオン、フェニルリン酸イオン、ノニルフェニルリン酸イオン、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスホン酸イオン等の有機リン酸系陰イオン、ビストリフルオロメチルスルホニルイミドイオン、ビスパーフルオロブタンスルホニルイミドイオン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸イオン、トリス(フルオロアルキルスルホニル)カルボアニオン、テトラキスペンタフルオロフェニルボレートアニオン等が挙げられる。
【0058】
上記一般式(I)におけるR
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10及びR
11(後述の群2中のR
125及びR
126、一般式(III)中のR
31、一般式(IV)中のR
35において同じ)で表される炭素原子数1〜20のアルキル基としては、無置換のもの、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子;置換アミノ基;スルホンアミド基、スルホニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホ基、水酸基、ニトロ基、メルカプト基、イミド基、カルバモイル基、スルホンアミド基、リン酸基等で置換されたもの、アルキル基中のメチレン鎖が、SO
2NH、NHSO
2、O、NHCO、CONHで置き換わったもの、アルキル基(置換基を有するアルキル基を含む)が塩を形成したものが好ましい。
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
10及びR
11(後述の群2中のR
125及びR
126、一般式(III)中のR
31、一般式(IV)中のR
35において同じ)で表される炭素原子数6〜30のアリール基としては、無置換のもの、上記アルキル基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;置換アミノ基;スルホンアミド基、スルホニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホ基、水酸基、ニトロ基、メルカプト基、イミド基、カルバモイル基、スルホンアミド基、リン酸基等で置換されたもの、アリール基に置換されたアルキル基又はアリールアルケニル基中のメチレン基が、−SO
2−NH−又は−NH−SO
2−、O、NHCO、CONHで置き換わったもの、アリール基が塩を形成したもの(置換基を有するアリール基を含む。)
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
10及びR
11(後述の群2中のR
125及びR
126、一般式(III)中のR
31、一般式(IV)中のR
35において同じ)で表される炭素原子数7〜30のアリールアルキル基又は炭素原子数8〜30のアリールアルケニル基としては、無置換のもの、上記アルキル基、アルコキシ基、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子置換アミノ基;スルホンアミド基、スルホニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホ基、水酸基、ニトロ基、メルカプト基、イミド基、カルバモイル基、スルホンアミド基、リン酸基等で置換されたもの、アリールアルキル基中のメチレン鎖が、酸素原子、−SO
2−NH−又は−NH−SO
2−、O、NHCO、CONHで置き換わったもの、アルキル基(置換基を有するアルキル基を含む)が塩を形成したものが好ましい。
【0059】
上記一般式(I)において、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10及びR
11で表される炭素原子数1〜20のアルキル基中の末端のメチル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基、及び炭素原子数8〜30のアリールアルケニル基は、カルボキシル基、スルホ基及びリン酸基等の酸性基が種々の陽イオンと塩を形成した置換基を有していてもよく、あるいは置換アミノ基を四級化した後種々の陰イオンと塩を形成した置換基を有していてもよい。
【0060】
このような塩を形成した置換基のうち、酸性基と塩を形成する陽イオンとしては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ土類金属イオン、アルミニウムなどの典型金属イオン、亜鉛、ニッケル、コバルト、銅、バナジウム等遷移金属カチオン、炭素原子数4以上のアンモニウム等が挙げられ、四級化した置換アミノ基と塩を形成する陰イオンとしては、一価のものとして、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、フッ化物イオン等のハロゲン化物イオン;過塩素酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン等の無機系陰イオン;メタンスルホン酸イオン、ドデシルスルホン酸イオン等の有機スルホン酸系陰イオン;リンモリブデン酸イオンなどのヘテロポリ酸イオン、ビストリフルオロメチルスルホニルイミドイオン、ビスパーフルオロブタンスルホニルイミドイオン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸イオン、トリス(フルオロアルキルスルホニル)カルボアニオン、テトラキスペンタフルオロフェニルボレートアニオン等が挙げられる。
【0061】
上記一般式(I)において、塩を形成した置換基は、酸性染料をレーキ化する沈殿剤、あるいは塩基性染料をレーキ化する沈殿剤を用いて得ることができる。上記酸性染料をレーキ化する沈殿剤としては、例えば、塩化バリウム、塩化アルミニウム、アルカリ土類金属塩、マンガン塩、ナトリウム塩等を用いることができ、上記塩基性染料をレーキ化する沈殿剤としては、リンタングステンモリブデン酸、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、ケイ素タングステンモリブデン酸、ケイ素モリブデン酸、タンニン酸、酒石酸、カオリン、緑土、高級脂肪酸等を用い、水溶液又は水分散液中で必要に応じて加熱、ろ過することにより得ることができる。
【0062】
上記一般式(I)において、m=1のとき、Aは結合手ではない。つまり、上記一般式(I)は、下記一般式(I−1)で表される。
【化30】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、n、G、及びXは、上記一般式(I)と同じである。)
【0063】
なお上記一般式(I−1)で表されるポリメチン化合物は、nが1の場合、下記一般式に示されるような構造を取りうるが、どちらの構造式であってもよく、また、どちらの構造式で表される構造異性体を単離して用いても、或いはそれらの混合物として用いてもよい。さらには下記式は、NR
5基とR
6基とが二重結合に対してシス配置(Z配置)になっているが、これらがトランス配置(E配置)になるものも含まれる。式(I)はこれら炭素炭素二重結合に起因する全ての幾何異性体を含む意味として定義される。
【0064】
【化31】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、G及びXは、上記一般式(I−1)と同じである。)
【0065】
上記一般式(I)におけるAが−NR
12−で表されるときのR
12、−PR
13−で表されるときのR
13、あるいは群1中R及びR’で表される炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜30(好ましくは6〜20)のアリール基、炭素原子数7〜30(好ましくは7〜20)のアリールアルキル基、又は炭素原子数8〜30のアリールアルケニル基としては、一般式(I)の説明で例示したものが挙げられる。
【0066】
上記一般式(I)におけるAがE
m+(J
−)
mで表されるとは、より具体的には、m≧2の場合に、一般式(I)におけるA以外の部分が、m個のJ
−である一価の陰イオンとなり、これらの陰イオンが、E
m+(A)であるm価の陽イオンと結合している状態をいう。後述の例示化合物で言えば、化合物No.84、No.85、No.87〜No.90が該当する。
【0067】
Eを表すm価の陽イオンは、2価の陽イオンとしては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ土類金属イオン;亜鉛、銅、ニッケル等の遷移金属カチオン等が挙げられ、3価の陽イオンとしては、アルミニウム等の典型金属イオン;コバルト、鉄等の遷移金属カチオン等が挙げられ、4価以上の陽イオンとしては、マンガン等の遷移金属カチオン等が挙げられる。
【0068】
上記一般式(I)におけるAが(M
+)
mL
m−で表されるとは、より具体的には、m≧2の場合に、一般式(I)におけるA以外の部分が、m個のM
+である一価の陽イオンとなり、これらの陽イオンが、L
m+(A)であるm価の陰イオンと結合している状態をいう。後述の例示化合物で言えば、化合物No.86、No.91〜No.95が該当する。
【0069】
Lを表すm価の陰イオンは、2価の陰イオンとしては、クロム酸イオン等が挙げられ、3価の陰イオンとしては、リンモリブデン酸イオン、リンタングステン酸イオン、リンタングストモリブデン酸イオン、バナジン酸イオン等が挙げられ、4価の陰イオンとしては、ケイタングステン酸イオン等が挙げられ、5価以上の陰イオンとしては、リンバナドモリブデン酸イオン、モリブデン酸イオン等が挙げられる。
【0070】
上記一般式(1)〜(5)において、炭素原子数3〜35の脂環式炭化水素基とは、少なくとも一つの飽和の単環又は多環を含む炭素原子数3〜35の炭化水素基を意味し、芳香環含有炭化水素基とは、少なくとも一つの芳香環を含む炭素原子数6〜35の炭化水素基を意味する。
【0071】
上記一般式(1)におけるX
1で表される二価の炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基としては、メタン、エタン、プロパン、iso−プロパン、ブタン、sec−ブタン、tert−ブタン、iso−ブタン、ヘキサン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、ヘプタン、2−メチルヘプタン、3−メチルヘプタン、iso−ヘプタン、tert−ヘプタン、1−メチルオクタン、iso−オクタン、tert−オクタン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、2,4−ジメチルシクロブタン、4−メチルシクロヘキサン等の基が、Z
1及びZ
2で置換された二価の基が挙げられ、これらの基中のメチレン基は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NH−又はこれらを組み合わせた基により、酸素原子が隣り合わない条件で置き換わっている場合もあり、
二価の炭素原子数3〜35の脂環式炭化水素基としては、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロデカニル、1−アダマンチル、2−アダマンチル、ノルアダマンチル、2−メチルアダマンチル、ノルボルニル、イソノルボルニル、パーヒドロナフチル、パーヒドロアントラセニル、ビシクロ[1.1.0]ブチル、ビシクロ[1.1.1]ペンチル、ビシクロ[2.1.0]ペンチル、ビシクロ[3.1.0]ヘキシル、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、ビシクロ[2.2.0]ヘキシル、ビシクロ[4.1.0]ヘプチル、ビシクロ[3.2.0]ヘプチル、ビシクロ[3.1.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[5.1.0]オクチル、ビシクロ[4.2.0]オクチル、ビシクロ[4.1.1]オクチル、ビシクロ[3.3.0]オクチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、スピロ〔4,4〕ノナニル、スピロ〔4,5〕デカニル、デカリン、トリシクロデカニル、テトラシクロドデカニル、セドロール、シクロドデカニル等の基が、Z
1及びZ
2で置換された二価の基等が挙げられ、
二価の炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基としては、フェニレン、ナフチレン、ビフェニル等の基が、Z
1及びZ
2で置換された二価の基等が挙げられ、
二価の炭素原子数2〜35の複素環含有基としては、ピリジン、ピラジン、ピペリジン、ピペラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、ヘキサヒドロトリアジン、フラン、テトラヒドロフラン、クロマン、キサンテン、チオフェン、チオラン等の基が、Z
1及びZ
2で置換された二価の基が挙げられる。
これらの基はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又は炭素原子数1〜10のアルコキシ基でさらに置換されていてもよい。
上記一般式(1)におけるR
14及びR
15で表される炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜30(好ましくは6〜20)のアリール基、炭素原子数7〜30(好ましくは7〜20)のアリールアルキル基、又は炭素原子数8〜30のアリールアルケニル基を置換してもよいハロゲン原子としては、上記一般式(I)の説明において例示した基が挙げられる。
【0072】
上記一般式(1−A)において、R
21で表される炭素原子数3〜10のシクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへブチル、シクロオクチル等及びこれらの基が炭素原子数1〜10のアルキル基若しくは炭素原子数1〜10のアルコキシ基で置換された基等が挙げられ、
上記炭素原子数1〜10のアルキル基及びR
22で表される炭素原子数1〜10のアルキル基としては、上記一般式(I)の説明において例示した基等が挙げられ、
上記アルコキシ基及びR
22で表される炭素原子数1〜10のアルコキシ基としては、メチルオキシ、エチルオキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブチルオキシ、第二ブチルオキシ、第三ブチルオキシ、イソブチルオキシ、アミルオキシ、イソアミルオキシ、第三アミルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、イソヘプチルオキシ、第三ヘプチルオキシ、n−オクチルオキシ、イソオクチルオキシ、第三オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ等が挙げられ、
R
22で表される炭素原子数2〜10のアルケニル基としては、ビニル、アリル、1−プロペニル、イソプロペニル、2−ブテニル、1,3−ブタジエニル、2−ペンテニル、2−オクテニル等が挙げられ、
上記R
22におけるアルキル基、アルコキシ基及びアルケニル基はハロゲン原子で置換されている場合もあり、その置換位置は制限されない。
【0073】
上記一般式(1−C)において、R
23及びR
24で表される炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜30(好ましくは6〜20)のアリール基、炭素原子数7〜30(好ましくは7〜20)のアリールアルキル基、炭素原子数8〜30のアリールアルケニル基、及びハロゲン原子としては、上記一般式(I)の説明において例示した基が挙げられ、
R
23及びR
24で表される炭素原子数6〜30(好ましくは6〜20)のアリールオキシ基としては、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、2−メチルフェニルオキシ、3−メチルフェニルオキシ、4−メチルフェニルオキシ、4−ビニルフェニル二オキシ、3−iso−プロピルフェニルオキシ、4−iso−プロピルフェニルオキシ、4−ブチルフェニルオキシ、4−tert−ブチルフェニルオキシ、4−へキシルフェニルオキシ、4−シクロヘキシルフェニルオキシ、4−オクチルフェニルオキシ、4−(2−エチルヘキシル)フェニルオキシ、2,3−ジメチルフェニルオキシ、2,4−ジメチルフェニルオキシ、2,5−ジメチルフェニルオキシ、2.6−ジメチルフェニルオキシ、3.4−ジメチルフェニルオキシ、3,5−ジメチルフェニルオキシ、2,4−ジ−tert−ブチルフェニルオキシ、2,5−ジ−tert−ブチルフェニルオキシ、2,6−ジ−tert−ブチルフェニルオキシ、2.4−ジ−tert−ペンチルフェニルオキシ、2,5−tert−アミルフェニルオキシ、4−シクロへキシルフェニルオキシ、2,4,5−トリメチルフェニルオキシ、フェロセニルオキシ等の基及びこれらの基がハロゲン原子で置換された基が奉げられ、
炭素原子数6〜30(好ましくは6〜20)のアリールチオ基としては、上記炭素原子数6〜30(好ましくは6〜20)のアリールオキシ基の酸素原子を硫黄原子に置換した基等が奉げられ、
炭素原子数8〜30(好ましくは8〜20)のアリールアルケニル基としては、上記炭素原子数6〜30(好ましくは6〜20)のアリールオキシ基の酸素原子をビニル、アリル、1−プロペニル、イソプロペニル、2−ブテニル、1,3−ブタジエニル、2−ペンテニル、2−オクテニル等のアルケニル基で置換した基等が挙げられ、
炭素原子数2〜30(好ましくは2〜20)の複素環含有基としては、ピリジン、ピラジン、ピペリジン、ピペラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、ヘキサヒドロトリアジン、フラン、テトラヒドロフラン、クロマン、キサンテン、チオフェン、チオフラン等の基及びこれらの基がハロゲン原子で置換された基等が挙げられる。
【0074】
上記一般式(2)におけるX
2で表される三価の炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基としては、上記一般式(1)におけるX
1の説明で例示した脂肪族炭化水素基が、Z
1、Z
2及びZ
3で置換された三価の基が挙げられ、これらの基中のメチレン基は、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−SO
2−、−NH−又はこれらを組み合わせた基により、酸素原子が隣り合わない条件で中断されていてもよく、
三価の炭素原子数3〜35の脂環式炭化水素基としては、上記一般式(1)におけるX
1の説明で例示した脂環式炭化水素基が、Z
1、Z
2及びZ
3で置換された三価の基が挙げられ、
三価の炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基としては、上記一般式(1)におけるX
1の説明で例示した芳香環含有炭化水素基が、Z
1、Z
2及びZ
3で置換された三価の基が挙げられ、
三価の炭素原子数2〜35の複素環含有基としては、上記一般式(1)におけるX
1の説明で例示した複素環含有基が、Z
1、Z
2及びZ
3で置換された三価の基が挙げられる。
R
25で表される炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜30(好ましくは6〜20)のアリール基、炭素原子数7〜30(好ましくは7〜20)のアリールアルキル基、又は炭素原子数8〜30のアリールアルケニル基としては、上記一般式(I)の説明で例示したものが挙げられる。
【0075】
上記一般式(3)におけるX
3で表される四価の炭素原子数1〜35の脂肪族炭化水素基としては、上記一般式(1)におけるX
1の説明で例示した脂肪族炭化水素基が、Z
1、Z
2、Z
3及びZ
4で置換された四価の基が挙げられ、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NH−又はこれらを組み合わせた基により、酸素原子が隣り合わない条件で中断されていてもよく、
四価の炭素原子数3〜35の脂環式炭化水素基としては、上記一般式(1)におけるX
1の説明で例示した脂環式炭化水素基が、Z
1、Z
2、Z
3及びZ
4で置換された四価の基が挙げられ、
四価の炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基としては、上記一般式(1)におけるX
1の説明で例示した芳香環含有炭化水素基が、Z
1、Z
2、Z
3及びZ
4で置換された四価の基が挙げられ、
四価の炭素原子数2〜35の複素環含有基としては、上記一般式(1)におけるX
1の説明で例示した複素環含有基が、Z
1、Z
2、Z
3及びZ
4で置換された四価の基が挙げられる。
【0076】
上記一般式(4)におけるX
4で表される五価の炭素原子数2〜35の脂肪族炭化水素基としては、上記一般式(1)におけるX
1の説明で例示した脂肪族炭化水素基が、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4及びZ
5で置換された五価の基が挙げられ、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−SO
2−、−NH−又はこれらを組み合わせた基により、酸素原子が隣り合わない条件で中断されていてもよく、
五価の炭素原子数3〜35の脂環式炭化水素基としては、上記一般式(1)におけるX
1の説明で例示した脂環式炭化水素基が、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4及びZ
5で置換された五価の基が挙げられ、
五価の炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基としては、上記一般式(3)におけるX
1の説明で例示した芳香環含有炭化水素基が、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4及びZ
5で置換された五価の基が挙げられ、
五価の炭素原子数2〜35の複素環含有基としては、上記一般式(1)におけるX
1の説明で例示した複素環含有基が、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4及びZ
5で置換された五価の基が挙げられる。
【0077】
上記一般式(5)におけるX
5で表される六価の炭素原子数2〜35の脂肪族炭化水素基としては、上記一般式(1)におけるX
1の説明で例示した脂肪族炭化水素基が、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、Z
5及びZ
6で置換された六価の基が挙げられ、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−SO
2−、−NH−又はこれらを組み合わせた基により、酸素原子が隣り合わない条件で中断されていてもよく、
六価の炭素原子数3〜35の脂環式炭化水素基としては、上記一般式(1)におけるX
1の説明で例示した脂環式炭化水素基が、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、Z
5及びZ
6で置換された六価の基が挙げられ、
六価の炭素原子数6〜35の芳香環含有炭化水素基としては、上記一般式(1)におけるX
1の説明で例示した芳香環含有炭化水素基が、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、Z
5及びZ
6で置換された六価の基が挙げられ、
六価の炭素原子数2〜35の複素環含有基としては、上記一般式(1)におけるX
1の説明で例示した複素環含有基が、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、Z
5及びZ
6で置換された六価の基が挙げられる。
【0078】
上記一般式(I)で表される化合物の中でも、R
8とR
9が形成する環が下記群2から選ばれるもの:mが2のとき、X
1が下記群3から選ばれる基であるもの;mが3のとき、X
2が下記群4から選ばれる基であるもの;mが4のとき、X
3が群5から選ばれる基であるもの;mが5のとき、X
4が下記群6から選ばれる基であるもの;mが6のとき、X
5が下記群7から選ばれる基であるものは、原料の入手や製造が容易であり、耐熱性が高いため好ましい。
【0080】
【化32】
(式中、R
125は、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基、炭素原子数8〜30のアリールアルケニル基、炭素原子数2〜30(好ましくは2〜20)の複素環含有基又はメタロセニル基を表し、
R
125で表されるアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、及びアリールアルケニル基は、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、ニトロ基、スルホンアミド基、Nにアルキル基が結合したスルホンアミド基等で置換されている場合もあり、該カルボキシル基及びスルホン酸基は塩を形成している場合もあり、
R
125で表されるアルキル基、アリールアルキル基、及びアリールアルケニル基中のメチレン基は、−COO−、−O−、−OCO−、−NHCO−、−NH−、−CONH−、−SO
2−NH−又は−NH−SO
2−により、酸素原子が隣り合わない条件で置き換わっている場合もあり、
R
126は、水素原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、スルホン酸基、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基、炭素原子数8〜30のアリールアルケニル基、炭素原子数2〜30(好ましくは2〜20)の複素環基又はメタロセニル基を表し、
R
126で表されるアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、複素環基又はメタロセニル基は、ハロゲン原子、水酸基又はニトロ基で置換されている場合もあり、
R
126で表されるアルキル基、アリールアルキル基、及びアリールアルケニル基中のメチレン基は、−COO−、−O−、−OCO−、−NHCO−、−NH−、−CONH−により、酸素原子が隣り合わない条件で置き換わっている場合もある。
*は、*部分で、隣接する基と結合することを意味する)
【0081】
上記の群2において、R
125又はR
12で表される炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基、炭素原子数8〜30のアリールアルケニル基、炭素原子数2〜30(好ましくは2〜20)の複素環基又はメタロセニル基としては、上記一般式(I)の説明で例示したアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、複素環基又はメタロセニル基が挙げられるが挙げられる。
【0084】
(式中、R
27は、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜30(好ましくは6〜20)のアリール基、炭素原子数7〜30(好ましくは7〜20)のアリールアルキル基、又は炭素原子数8〜30のアリールアルケニル基を表し、
R
27で表されるアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、及びアリールアルケニル基は、ハロゲン原子、水酸基又はニトロ基で置換されている場合もあり、
R
27で表されるアルキル基、アリールアルキル基、及びアリールアルケニル基中のメチレン基は、−COO−、−O−、−OCO−、−NHCO−、−NH−、−CONH−により、酸素原子が隣り合わない条件で置き換わっている場合もあり、pは1〜3の整数を表し、qは0〜3(好ましくは1〜3)の整数を表し、rは1〜19の整数を表し、*は、*部分で、隣接する基と結合することを意味する。)
【0085】
上記の群3において、R
27で表される炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜30(好ましくは6〜20)のアリール基、炭素原子数7〜30(好ましくは7〜20)のアリールアルキル基、及び炭素原子数8〜30のアリールアルケニル基としては、上記一般式(I)の説明で例示したアルキル基、アリール基、アリールアルキル基又はアリールアルケニル基のうち、所定の炭素原子数を満たすものが挙げられる。
【0087】
【化34】
(式中、*は、*部分で、隣接する基と結合することを意味する)
【0089】
【化35】
(式中、*は、*部分で、隣接する基と結合することを意味する)
【0091】
【化36】
(式中、*は、*部分で、隣接する基と結合することを意味する)
【0093】
【化37】
(式中、*は、*部分で、隣接する基と結合することを意味する)
【0094】
本発明の上記一般式(I)で表されるポリメチン化合物の具体例としては、下記化合物No.1〜No.107が挙げられる。
【0113】
本発明で使用するポリメチン化合物の中では、下記一般式(II)で表される化合物が好ましい。
【0114】
【化56】
(式中、環Dは、五員環又は六員環を表す。環Dで表される五員環又は六員環は、他の環と縮合されていたり、置換されていたりしてもよい。R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、X、G、A及びmは、上記一般式(I)と同じであり、m≧2のとき、複数あるR
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、X、D及びGは、同一であっても異なっていてもよい。)
【0115】
上記一般式(II)において、環Dで表される五員環としては、ピラゾロン、ロダニン、チオオキサゾリドン、チオヒンダントイン等が挙げられ、環Dで表される六員環としては、バルビツール酸、チオバルビツール酸、3−シアノ−1−アルキル−6−ヒドロキシ−4−メチル−2−ピリドン等が挙げられる。環Dは、上記一般式(I)におけるR
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10及びR
11で表される炭素原子数1〜20のアルキル基等と同様の置換基を有する場合がある。
尚、上記一般式(II)におけるAは、上記一般式(I)と同じであり、m=1のとき、Aは結合手ではない。つまり、上記一般式(II)は、下記一般式(II−1)で表される。
【0116】
【化57】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、G及びXは、上記一般式(I)と同じであり、環Dは上記一般式(II)と同じである。)
【0117】
上記一般式(II)で表される化合物はの中でも、特に、下記一般式(III)又は(IV)で表されるものが、合成が容易で耐熱性が高いので好ましい。
【0118】
【化58】
(式中、X
11、X
12及びX
13は、それぞれ独立に、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=S)−、−N(R
31)−、−N=又は−C(R
32)=を表し、
X
11とX
12及びX
12とX
13の間の結合は、単結合、二重結合又は共役二重結合であり、
R
31は、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基、炭素原子数8〜30のアリールアルケニル基、又は炭素数3〜30(好ましくは2〜20)の複素環含有基を表し、
R
31で表されるアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、及びアリールアルケニル基は、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、ニトロ基、スルホンアミド基、又はNにアルキル基が結合したスルホンアミド基で置換されている場合もあり、該カルボキシル基及びスルホン酸基は塩を形成している場合もあり、
R
31で表されるアルキル基、アリールアルキル基、及びアリールアルケニル基中のメチレン基は、−COO−、−O−、−OCO−、−NHCO−、−NH−、−CONH−、−SO
2−NH−又は−NH−SO
2−により、酸素原子が隣り合わない条件で置き換わっている場合もあり、
R
32は、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基、又は炭素原子数8〜30のアリールアルケニル基を表す。
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、X、A及びmは、上記一般式(I)と同じであり、m≧2のとき、複数あるR
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、X
11、X
12及びX
13は、同一であっても異なっていてもよい。)
【0119】
【化59】
(式中、X
14、X
15、X
16及びX
17は、それぞれ独立に、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=S)−、−N(R
35)−、―C(R
36)(R
37)−、−N=又は−C(R
38)=を表し、
X
14とX
15、X
15とX
16及びX
16とX
17の間の結合は、単結合、二重結合又は共役二重結合であり、
R
35は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基、炭素原子数8〜30のアリールアルケニル基、又は炭素原子数3〜30(好ましくは2〜20)の複素環含有基を表し、
R
35で表されるアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、及びアリールアルケニル基は、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基又はニトロ基で置換されている場合もあり、該カルボキシル基及びスルホン酸基は塩を形成している場合もあり、
R
35で表されるアルキル基、アリールアルキル基、及びアリールアルケニル基中のメチレン基は、−COO−、−O−、−OCO−、−NHCO−、−NH−、−CONH−、−SO
2−NH−又は−NH−SO
2−で置き換わっている場合もあり、
R
36、R
37及びR
38は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基、又は炭素原子数8〜30のアリールアルケニル基を表し、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、X、A及びmは、上記一般式(I)と同じである。)
【0120】
上記一般式(III)において、R
31で表される炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基、アリールアルケニル基及び炭素原子数2〜30の複素環含有基並びにR
32で表される炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基、炭素原子数8〜30のアリールアルケニル基としては、上記一般式(I)の説明において例示したアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、複素環含有基等が挙げられる。
尚、上記一般式(III)におけるAは、上記一般式(I)と同じであり、m=1のとき、Aは結合手ではない。つまり、上記一般式(III)は、下記一般式(III−1)で表される。
【0121】
【化60】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7及びXは、上記一般式(I)と同じであり、X
11、X
12及びX
13は上記一般式(III)と同じである。)
【0122】
上記一般式(III−1)で表されるポリメチン化合物は、下記一般式に示されるような構造を取りうるが、どちらの構造式であってもよく、また、どちらの構造式で表される構造異性体を単離して用いても、或いはそれらの混合物として用いてもよい。さらには下記式は、NR
5基とR
6基とが二重結合に対してシス配置(Z配置)になっているが、これらがトランス配置(E配置)になるものも含まれる。式(III)はこれら炭素炭素二重結合に起因する全ての幾何異性体を含む意味として定義される。
【0123】
【化61】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、X、X
11、X
12及びX
13は上記一般式(III−1)と同じである。)
【0124】
また上記一般式(IV)において、R
35で表される炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基、炭素原子数8〜30のアリールアルケニル基及び炭素原子数2〜30の複素環含有基並びにR
36、R
37及びR
38で表される炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基又は炭素原子数8〜30のアリールアルケニル基としては、上記一般式(I)の説明において例示したアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、複素環含有基等が挙げられる。
尚、上記一般式(IV)におけるAは、上記一般式(I)と同じであり、m=1のとき、Aは結合手ではない。つまり、上記一般式(IV)は、下記一般式(IV−1)で表される。
【0125】
【化62】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7及びXは、上記一般式(I)と同じであり
、X
14、X
15、X
16及びX
17は上記一般式(IV)と同じである。)
【0126】
上記一般式(IV−1)で表されるポリメチン化合物は、下記一般式に示されるような構造を取りうるが、どちらの構造式であってもよく、また、どちらの構造式で表される構造異性体を単離して用いても、或いはそれらの混合物として用いてもよい。さらには下記式は、NR
5基とR
6基とが二重結合に対してシス配置(Z配置)になっているが、これらがトランス配置(E配置)になるものも含まれる。式(III)はこれら炭素炭素二重結合に起因する全ての幾何異性体を含む意味として定義される。
【0127】
【化63】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、X、X
14、X
15、X
16及びX
17は上記一般式(IV−1)と同じである。)
【0128】
上記一般式(III)で表される化合物のうち、m≧2である化合物としては、耐光性の点から、下記一般式(V)で表される化合物が好ましい。
【0130】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
7、及びXは、上記一般式(I)と同じであり、X
11、X
12及びX
13は、上記一般式(III)と同じであり、X
1、Z
1及びZ
2は、上記一般式(1)と同じである。)
【0131】
式(V)において好ましい態様では、R
1、R
2、R
3、R
4及びR
31のいずれか一つ以上は、ニトロ基;水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基又はハロゲン原子で置換されたあるいは無置換の炭素原子数1〜20のアルキル基;炭素原子数1〜20のアルキル基中のメチレン基が−SO
2−NH−又は−NH−SO
2−で置き換わった基;水酸基、カルボキシル基又はスルホン酸基、スルホンアミド基、又はNにアルキル基が結合したスルホンアミド基で置換された炭素原子数6〜30(好ましくは6〜20)のアリール基;水酸基、カルボキシル基又はスルホン酸基で置換された炭素原子数7〜30(好ましくは7〜20)のアリールアルキル基若しくは炭素原子数8〜30のアリールアルケニル基;炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜30(好ましくは6〜20)のアリール基、炭素原子数7〜30(好ましくは7〜20)のアリールアルキル基、又は炭素原子数8〜30のアリールアルケニル基が塩を形成した置換基を有するものから選択される。
また式(V)において、R
1及びR
2が一緒になって環を形成しない態様が好ましい。
【0132】
上記一般式(V)で表されるポリメチン化合物は、下記一般式に示されるような構造を取りうるが、いずれの構造式であってもよく、また、いずれの構造式で表される構造異性体を単離して用いても、或いはそれらの混合物として用いてもよい。なお、下記図(下記式)以外の幾何異性体であってもよく、式(V)はC−C二重結合に起因する全ての幾何異性体を含むものとして定義される。
【0133】
【化65】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
7、X、X
11、X
12、X
13、X
1、Z
1及びZ
2は、上記一般式(V)と同じである。)
【0134】
また、上記一般式(III)で表される化合物のうち、m=1である化合物としては、溶解性の点から、下記一般式(VII)で表される化合物が好ましい。
【化66】
【0135】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7及びXは、上記一般式(I)と同じであり
、X
11は、上記一般式(III)と同じであり、R
31は、上記一般式(III)中のX
13が−N(R
31)−で表される場合のR
31と同じであり、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5及びR
31のいずれか一つ以上は、ニトロ基;水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基又はハロゲン原子で置換されたあるいは無置換の炭素原子数1〜20のアルキル基;炭素原子数1〜20のアルキル基中のメチレン基が−SO
2−NH−又は−NH−SO
2−で置き換わった基;水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、スルホンアミド基、又はNにアルキル基が結合したスルホンアミド基で置換された炭素原子数7〜30(好ましくは6〜20)のアリール基;水酸基、カルボキシル基又はスルホン酸基で置換された炭素原子数7〜30(好ましくは7〜20)のアリールアルキル基;水酸基、カルボキシル基又はスルホン酸基で置換された炭素原子数8〜30のアリールアルケニル基;炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜30(好ましくは6〜20)のアリール基、炭素原子数7〜30(好ましくは7〜20)のアリールアルキル基、又は炭素原子数8〜30のアリールアルケニル基が塩を形成した置換基を有するものから選択される。)
【0136】
上記一般式(VII)で表されるポリメチン化合物は、下記一般式に示されるような構造を取りうるが、どちらの構造式であってもよく、また、どちらの構造式で表される構造異性体を単離して用いても、或いはそれらの混合物として用いてもよい。なお、下記式以外の幾何異性体であってもよく、式(VII)は炭素炭素二重結合に起因する全ての幾何異性体を含むものとして定義される。
【0137】
【化67】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、X、X
11及びR
31は、上記一般式(VII)と同じである。)
【0138】
上記一般式(IV)で表される化合物のうち、m≧2である化合物としては、耐光性の点から、下記一般式(VI)で表される化合物が好ましい。
【0140】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
7、及びXは、上記一般式(I)と同じであり、X
14、X
15、X
16及びX
17は、上記一般式(IV)と同じであり、X
1、Z
1及びZ
2は、上記一般式(1)と同じである。)
【0141】
上記一般式(VI)で表されるポリメチン化合物は、下記図に示されるような構造を取りうるが、いずれの構造式であってもよく、また、いずれの構造式で表される構造異性体を単離して用いても、或いはそれらの混合物として用いてもよい。なお、下記図(下記式)以外の幾何異性体であってもよく、式(VI)は炭素炭素二重結合に起因する全ての幾何異性体を含むものとして定義される。
【0142】
【化69】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
7、X、X
14、X
15、X
16、X
17、X
1、Z
1及びZ
2は、上記一般式(VI)と同じである。)
【0143】
また、上記一般式(IV)で表される化合物のうち、m=1である化合物としては、溶解性の点から、下記一般式(VIII)で表される化合物が好ましい。
【0145】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、及びXは、上記一般式(I)と同じであり、
R
35は、上記一般式(IV)中のX
15及びX
17が−N(R
35)−で表される場合のR
35と同じであり、複数あるR
35は、同じか又は異なり、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5及びR
35のいずれか一つ以上は、ニトロ基;水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基又はハロゲン原子で置換されたあるいは無置換の炭素原子数1〜20のアルキル基;炭素原子数1〜20のアルキル基中のメチレン基が−SO
2−NH−又は−NH−SO
2−で置き換わった基;水酸基、カルボキシル基又はスルホン酸基で置換された炭素原子数7〜30(好ましくは6〜20)のアリール基;水酸基、カルボキシル基又はスルホン酸基で置換された炭素原子数7〜30(好ましくは7〜20)のアリールアルキル基;水酸基、カルボキシル基又はスルホン酸基で置換された炭素原子数8〜30のアリールアルケニル基;炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜30(好ましくは6〜20)のアリール基、炭素原子数7〜30(好ましくは7〜20)のアリールアルキル基、又は炭素原子数8〜30のアリールアルケニル基が塩を形成した置換基を有するものから選択される。)
【0146】
上記一般式(VII)又は(VIII)において、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数7〜30(好ましくは6〜20)のアリール基、炭素原子数7〜30(好ましくは7〜20)のアリールアルキル基、又は炭素原子数8〜30のアリールアルケニル基が塩を形成した置換基とは、上述したように、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、又はアリールアルケニル基中の末端のアルキル基が、カルボキシル基、スルホ基及びリン酸基等の酸性基が種々の陽イオンと塩を形成した置換基を有しているか、或いは置換アミノ基を四級化した後種々の陰イオンと塩を形成した置換基を有しているものをいう。
上述の塩を形成した置換基のうち、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、又はアリールアルケニル基を除く部分の好ましいものとしては、カルボキシル基又はスルホ基が、それぞれ、亜鉛、銅、ニッケル等の遷移金属カチオン;バリウム等のアルカリ土類金属等の陽イオンと塩を形成したもの、及び炭素原子数1〜20のジアルキルアミノ基等の置換アミノ基の四級化したものが、リンモリブデン酸イオン、リンタングステン酸イオン、リンタングストモリブデン酸イオン、バナジン酸イオン等の陰イオンと塩を形成したものが挙げられる。
【0147】
上記一般式(VIII)で表されるポリメチン化合物でもまた、式(VIII)は、炭素炭素二重結合に起因する全ての幾何異性体を含むものとして定義される。
【0148】
上記各式において、R
35がアルキル基、アリールアルキル基、又はアリールアルケニル基の場合、各基中のメチレン基は、R
1〜R
10などと同様に、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−COS−、−OCS−、−SO
2−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−SO
2NH−、−NH−SO
2−、−N=CH−又は−CH=CH―で、酸素原子が隣り合わない条件で置き換わっていてもよい。
特に好ましいポリメチン化合物は、上記各式(I)〜(VIII)において、R
1〜R
4のいずれか一つが、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、スルホン酸基から選ばれる強い電子吸引性基である化合物;
或いは上記式(VIII)において、−OH基、−O−基、−SH基、−S−基のいずれか一つ以上を有する化合物が含まれる。なお−OH基、−SH基は置換基として導入される。また−O−基、−S−基は、R
1〜R
8及びR
35のいずれか一つがアルキル基、アリールアルキル基、又はアリールアルケニル基であって、そのメチレン基が置き換えられることによって導入される。
さらには上記各式(I)〜(VIII)において、その一部にスルホン酸基を有する化合物(具体例としては、化合物No.11、15、37、59、60、77〜80、84、85、88〜90)、その一部にスルホンアミド基を有する化合物(具体例としては、化合物No.23、24、38〜43、45、46、71、73〜80、92、94〜97など)、或いはmが2以上の化合物など(具体例としては、化合物No.25〜29、44〜48、53、54、56、63、65、73〜75,77、84〜97など)も好ましい。スルホンアミド基を有すると、信頼性が向上する。またmが2以上であると、昇華を抑制できる。
【0149】
上記一般式(I)で表されるポリメチン化合物は、その製造方法によって特に限定されず、周知一般の反応を利用した方法で得ることができる。該化合物は、例えば、Gが酸素原子かつm=1、n=1であるとき、下記反応式1の如く、インドレニン四級塩とアミジン化合物との反応生成物に、活性メチレンを有する化合物を反応させる方法により合成することができる。
【0152】
(式中、R
41、R
42及びR
43は、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基、又は炭素原子数8〜30のアリールアルケニル基を表し、An
q−はq価のアニオンを表し、qは1又は2であり、pは電荷を中性に保つ係数を表し、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9及びXは、上記一般式(I)と同じである。)
【0153】
また、上記一般式(I)において、Gが酸素原子、m=1、n=1であって、R
8とR
9が連結して環Dを形成している場合、下記反応式2の如く、インドレニン四級塩とアミジン化合物との反応生成物に、活性メチレンを有する化合物を反応させる方法により合成することができる。
【0156】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7及びXは、上記一般式(I)と同じであり、R
41、R
42、R
43、An
q−、q及びpは、上記反応式1と同じであり、環Dは、上記一般式(II)と同じである。)
【0157】
また、Gが酸素原子、m=2、n=1、Aが上記一般式(1)で表される連結基であるとき、下記反応式3の如く、アルキルジハライドと二等量のインドレニン化合物を反応させ、続いて上記反応式1と同様にして合成することができる。n=3以上で表されるポリメチン化合物も、下記反応式3に示されるルートに準じて合成することができる。
【0160】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9及びXは、上記一般式(I)と同じであり、R
41、R
42、R
43、An
q−、q及びpは、上記反応式1と同じであり、X
*は、ハロゲン原子である。)
【0161】
前記ポリメチン化合物(A1)の量は、ポリメチン化合物(A1)と極大吸収波長が500nm以上700nm以下である着色剤(A2)の合計100質量部に対して、例えば、1質量部以上、好ましくは30質量部以上、より好ましくは50質量部以上であり、例えば、99質量部以下、好ましくは90質量部以下である。特に着色剤(A2)が後述するキサンテン染料(a)の場合、ポリメチン化合物(A1)の量は、ポリメチン化合物(A1)とキサンテン染料(a)の合計100質量部に対して、例えば、50質量部以上、好ましくは70質量部以上、より好ましくは80質量部以上であり、例えば、97質量部以下、好ましくは95質量部以下、より好ましくは90質量部以下である。
【0162】
<極大吸収波長が500nm以上700nm以下である着色剤(A2):キサンテン染料(a)>
前記ポリメチン化合物(A1)は、極大吸収波長が500nm以上700nm以下である着色剤(色素)(A2)と組み合わせて使用される。この着色剤(A2)は、ポリメチン化合物(A1)を含まない。なお着色剤(A2)の極大吸収波長は、クロロホルム溶媒中で測定した結果を採用する。この極大吸収波長が500nm以上700nm以下である着色剤(A2)としては、例えば、キサンテン染料(a)が挙げられる。本発明で使用されるキサンテン染料(a)は、分子内にキサンテン骨格を有する化合物を含む染料であり、キサンテン染料(a)としては、ローダミン染料が好ましく、式(1a)で表される化合物(以下、「化合物(1a)」という場合がある。)を含む染料がより好ましい。化合物(1a)は、その互変異性体であってもよい。また化合物(1a)以外のキサンテン染料又はローダミン染料と組み合わせてもよい。
【0164】
[式(1a)中、
R
1a〜R
4aは、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基、または式(i)で表される基を表し、
*−R
50a−Si(R
29a)
3 (i)
(R
29aは水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のアルコキシ基を表し、複数のR
29aは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
R
50aは炭素数1〜10のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基を構成する−CH
2−は、−O−、−CO−、−NR
12a−、−OCO−、−COO−、−OCONH−、−NHCOO−、−CONH−または−NHCO−により、酸素原子が隣り合わない条件で置換されていてもよい。
*は窒素原子との結合手を表す。)
R
1a〜R
4aにおいて、該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基(−CH
2−)は、−O−、−CO−、−NR
11a−、−OCO−、−COO−、−OCONH−、−NHCOO−、−CONH−または−NHCO−により、酸素原子が隣り合わない条件で置換されている場合もあり、R
1a及びR
2aは、一緒になって窒素原子を含む環を形成している場合もあり、R
3a及びR
4aは、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよい。
R
5aは、−OH、−SO
3−、−SO
3H、−SO
3−Z
+、−CO
2H、−CO
2−Z
+、−CO
2R
8a、−SO
3R
8a又は−SO
2NR
9aR
10aを表す。
R
6a及びR
7aは、互いに独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
maは、0〜5の整数を表す。mが2以上のとき、複数のR
5は同一でも異なってもよい。
aは、0又は1の整数を表す。
Xaは、ハロゲン原子を表す。
Z
+は、
+N(R
11a)
4、Na
+又はK
+を表し、4つのR
11aは同一でも異なってもよい
。
R
8aは、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
R
9a及びR
10aは、互いに独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基(−CH
2−)は、−O−、−CO−、−NR
11a−、−OCO−、−COO−、−OCONH−、−NHCOO−、−CONH−または−NHCO−により、酸素原子が隣り合わない条件で置換されている場合もあり、R
9及びR
10は、互いに結合して窒素原子を含んだ3〜10員環の複素環を形成していてもよい。
R
11aは、水素原子、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基又は炭素数7〜10のアラルキル基を表す。]
【0165】
式(1a)において、−SO
3−が存在する場合、その数は1個である。
【0166】
R
1a〜R
4aにおける炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トルイル基、キシリル基、メシチル基、プロピルフェニル基及びブチルフェニル基等が挙げられる。
該炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基は置換基を有していてもよい。該芳香族炭化水素基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、−R
8a、−OH、−OR
8a、−SO
3−、−SO
3H、−SO
3−Z
+、−CO
2H、−CO
2R
8a、−SR
8a、−SO
2R
8a、−SO
3R
8a又は−SO
2NR
9aR
10aが挙げられ、これらの置換基が芳香族炭化水素基に含まれる水素原子を置換していることが好ましい。これらの中でも、置換基としては、−R
8a、−SO
3−、−SO
3H、−SO
3−Z
+及び−SO
2NR
9aR
10aが好ましく、−R
8a、−SO
3−Z
+及び−SO
2NR
9aR
10aがより好ましい。この場合の−R
8aとしては、炭素数1〜10の1価の飽和炭化水素基がより好ましく、炭素数1〜5のアルキル基がさらに好ましい。またこの場合の−SO
3−Z
+としては、−SO
3−N
+(R
11a)
4が好ましい。
【0167】
R
1a〜R
4a及びR
8a〜R
11aにおける炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、イコシル基等の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、2−エチルヘキシル基等の分岐鎖状アルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、トリシクロデシル基等の炭素数3〜20の脂環式飽和炭化水素基が挙げられる。
該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基(−CH
2−)は、−O−、−CO−、−NR
11a−、−OCO−、−COO−、−OCONH−、−NHCOO−、−CONH−または−NHCO−により、酸素原子が隣り合わない条件で置換されていてもよい。
【0168】
該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基(−CH
2−)が、−O−で置換された基としては、例えば、以下のものが挙げられる(*は結合手を表す)。
【0170】
該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基(−CH
2−)が、−CO−で置換された基としては、例えば、以下のものが挙げられる(*は結合手を表す)。
【0172】
該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基(−CH
2−)が、−NR
11a−で置換された基としては、例えば、以下のものが挙げられる(*は結合手を表す)。
【0174】
該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基(−CH
2−)が、−OCO−で置換された基としては、例えば、以下のものが挙げられる(*は結合手を表す)。
【0176】
該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基(−CH
2−)が、−COO−で置換された基としては、例えば、以下のものが挙げられる(*は結合手を表す)。
【0178】
該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基(−CH
2−)が、−OCONH−で置換された基としては、例えば、以下のものが挙げられる(*は結合手を表す)。
【0180】
該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基(−CH
2−)が、−NHCOO−で置換された基としては、例えば、以下のものが挙げられる(*は結合手を表す)。
【0182】
該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基(−CH
2−)が、−CONH−で置換された基としては、例えば、以下のものが挙げられる(*は結合手を表す)。
【0184】
該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基(−CH
2−)が、−NHCO−で置換された基としては、例えば、以下のものが挙げられる(*は結合手を表す)。
【0186】
R
1a〜R
4aにおける該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、例えば、置換基としての炭素数6〜10の芳香族炭化水素基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。R
1a〜R
4aの飽和炭化水素基の水素原子を置換していてもよい炭素数6〜10の芳香族炭化水素基としては、R
1a〜R
4aにおける炭素数6〜10の芳香族炭化水素基として例示した基と同様の基が挙げられる。
R
9a及びR
10aにおける該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、例えば、置換基としてのヒドロキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。
【0187】
R
1a及びR
2aが一緒になって形成する環、並びにR
3a及びR
4aが一緒になって形成する環としては、例えば、以下のものが挙げられる。
【0189】
−OR
8aとしては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基及びイコシルオキシ基等のアルキルオキシ基等が挙げられる。
【0190】
−CO
2R
8としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基及びイコシルオキシカルボニル基等のアルキルオキシカルボニル等が挙げられる。
【0191】
−SR
8aとしては、例えば、メチルスルファニル基、エチルスルファニル基、ブチルスルファニル基、ヘキシルスルファニル基、デシルスルファニル基及びイコシルスルファニル基等のアルキルスルファニル基等が挙げられる。
−SO
2R
8aとしては、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、デシルスルホニル基及びイコシルスルホニル基等のアルキルスルホニル基等が挙げられる。
−SO
3R
8aとしては、例えば、メトキシスルホニル基、エトキシスルホニル基、プロポキシスルホニル基、tert−ブトキシスルホニル基、ヘキシルオキシスルホニル基及びイコシルオキシスルホニル基等のアルキルオキシスルホニル基等が挙げられる。
【0192】
−SO
2NR
9aR
10aとしては、例えば、スルファモイル基;
N−メチルスルファモイル基、N−エチルスルファモイル基、N−プロピルスルファモイル基、N−イソプロピルスルファモイル基、N−ブチルスルファモイル基、N−イソブチルスルファモイル基、N−sec−ブチルスルファモイル基、N−tert−ブチルスルファモイル基、N−ペンチルスルファモイル基、N−(1−エチルプロピル)スルファモイル基、N−(1,1−ジメチルプロピル)スルファモイル基、N−(1,2−ジメチルプロピル)スルファモイル基、N−(2,2−ジメチルプロピル)スルファモイル基、N−(1−メチルブチル)スルファモイル基、N−(2−メチルブチル)スルファモイル基、N−(3−メチルブチル)スルファモイル基、N−シクロペンチルスルファモイル基、N−ヘキシルスルファモイル基、N−(1,3−ジメチルブチル)スルファモイル基、N−(3,3−ジメチルブチル)スルファモイル基、N−ヘプチルスルファモイル基、N−(1−メチルヘキシル)スルファモイル基、N−(1,4−ジメチルペンチル)スルファモイル基、N−オクチルスルファモイル基、N−(2−エチルヘキシル)スルファモイル基、N−(1,5−ジメチルヘキシル)スルファモイル基、N−(1,1,2,2−テトラメチルブチル)スルファモイル基等のN−1置換スルファモイル基;
N,N−ジメチルスルファモイル基、N,N−エチルメチルスルファモイル基、N,N−ジエチルスルファモイル基、N,N−プロピルメチルスルファモイル基、N,N−イソプロピルメチルスルファモイル基、N,N−tert−ブチルメチルスルファモイル基、N,N−ブチルエチルスルファモイル基、N,N−ビス(1−メチルプロピル)スルファモイル基、N,N−ヘプチルメチルスルファモイル基等のN,N−2置換スルファモイル基等が挙げられる。
【0193】
R
5aとしては、−CO
2H、−CO
2−Z
+、−CO
2R
8a、−SO
3−、−SO
3−Z
+、−SO
3H又は−SO
2NHR
9aが好ましく、−SO
3−、−SO
3−Z
+、−SO
3H又は−SO
2NHR
9がより好ましい。
maは、1〜4が好ましく、1又は2がより好ましい。
【0194】
化合物(1a)としては、式(1a)において、(R
5a)
ma基で置換されるフェニル基が、下記式(R
5a−1)〜(R
5a−37)のいずれかである化合物が好ましく、より好ましくは(R
5a−1)〜(R
5a−25)のいずれかであり、更に好ましくは(R
5a−1)〜(R
5a−5)であり、特に好ましくは(R
5a−1)である。なお、下記式(R
5a−1)〜(R
5a−37)においてR
40a及びR
41aは、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基を表し、好ましくは炭素数6〜12の分岐鎖状アルキル基であり、より好ましくは2−エチルヘキシル基である。
【0197】
R
6a及びR
7aにおける炭素数1〜6のアルキル基としては、上記で挙げたアルキル基のうち、炭素数1〜6のものが挙げられる。中でも、R
6a、R
7aとしては、水素原子が好ましい。
【0198】
R
9a及びR
10aは、窒素原子と一緒に3〜10員含窒素複素環を表してもよい。該複素環としては、例えば、以下のものが挙げられる。
【0200】
R
11aにおける炭素数7〜10のアラルキル基としては、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルブチル基等が挙げられる。
【0201】
Z
+は、
+N(R
11a)
4、Na
+又はK
+であり、好ましくは
+N(R
11a)
4である。
前記
+N(R
11a)
4としては、4つのR
11aのうち、少なくとも2つが炭素数5〜20の1価の飽和炭化水素基であることが好ましい。また、4つのR
11aの合計炭素数は20〜80が好ましく、20〜60がより好ましい。化合物(1a)中に
+N(R
11a)
4が存在する場合、R
11aがこれらの基であると、化合物(1a)を含む本発明の着色硬化性樹脂組成物から、異物が少ないカラーフィルタを形成できる。
【0202】
Xaはフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子などのハロゲン原子であり、塩素原子または臭素原子が好ましく、より好ましくは塩素原子である。
【0203】
aは0または1であり、より好ましくは0である。
【0204】
またR
1a〜R
4aは、下記式(i)で表される基を表していてもよい。
*−R
50a−Si(R
29a)
3 (i)
(R
29aは水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のアルコキシ基を表し、複数のR
29aは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
R
50aは炭素数1〜10のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基を構成する−CH
2−は、−O−、−CO−、−NR
11a−、−OCO−、−COO−、−OCONH−、−NHCOO−、−CONH−または−NHCO−により、酸素原子が隣り合わない条件で置換されていてもよい。
*は窒素原子との結合手を表す。)
【0205】
R
29aは水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のアルコキシ基を表し、複数のR
29aは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
R
29aで表される炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられる。
R
29aで表される炭素数1〜4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、t−ブトキシ基等が挙げられる。
R
29aとしては、ヒドロキシ基または炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基であり、更に好ましくはメチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基であり、特に好ましくはメトキシ基またはエトキシ基である。
【0206】
R
50aで表される炭素数1〜10のアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、イソプロピレン基、イソブチレン基、2−メチルトリメチレン基、イソペンチレン基、イソヘキシレン基、イソオクチレン基、2−エチルへキシレン基等が挙げられ、中でも炭素数1〜6のアルカンジイル基が好ましく、炭素数1〜4のアルカンジイル基がより好ましい。
【0207】
R
50aで表される該アルカンジイル基を構成するメチレン基(−CH
2−)は、−O−、−CO−、−NR
11a−、−OCO−、−COO−、−OCONH−、−NHCOO−、−CONH−または−NHCO−により、酸素原子が隣り合わない条件で置換されていてもよい。
【0208】
式(i)で表される基としては、例えば、下記式(i−1)〜(i−24)で表される基が挙げられる。
【0211】
式(i)中、R
50aを構成するメチレン基(−CH
2−)が−O−で置換された基としては、例えば、下記で表される基が挙げられる(*は結合手を表す)。
【0214】
式(i)中、R
50aを構成するメチレン基(−CH
2−)が−CO−で置換された基としては、例えば、下記で表される基が挙げられる(*は結合手を表す)。
【0217】
式(i)中、R
50aを構成するメチレン基(−CH
2−)が−NR
11a−で置換された基としては、例えば、下記で表される基が挙げられる(*は結合手を表す)。
【0220】
式(i)中、R
50aを構成するメチレン基(−CH
2−)が−OCO−で置換された基としては、例えば、下記で表される基が挙げられる(*は結合手を表す)。
【0223】
式(i)中、R
50aを構成するメチレン基(−CH
2−)が−COO−で置換された基としては、例えば、下記で表される基が挙げられる(*は結合手を表す)。
【0226】
式(i)中、R
50aを構成するメチレン基(−CH
2−)が−OCONH−で置換された基としては、例えば、下記で表される基が挙げられる(*は結合手を表す)。
【0229】
式(i)中、R
50aを構成するメチレン基(−CH
2−)が−NHCOO−で置換された基としては、例えば、下記で表される基が挙げられる(*は結合手を表す)。
【0232】
式(i)中、R
50aを構成するメチレン基(−CH
2−)が−CONH−で置換された基としては、例えば、下記で表される基が挙げられる(*は結合手を表す)。
【0235】
式(i)中、R
50aを構成するメチレン基(−CH
2−)が−NHCO−で置換された基としては、例えば、下記で表される基が挙げられる(*は結合手を表す)。
【0238】
化合物(1a)が式(i)で表される置換基を有する場合、式(i)としては、R
29aがヒドロキシ基または炭素数1〜4のアルコキシ基であるものが好ましく、より好ましくはR
29aがヒドロキシ基または炭素数1〜4のアルコキシ基であってR
50aが炭素数1〜10のアルカンジイル基である置換基であり、更に好ましくは下記式(ii)で表される置換基である。
【0240】
式(ii)中、
nは1〜8の整数を表し、
R
12aは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、複数のOR
12aは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
*は窒素原子との結合手を表す。
【0241】
nは好ましくは1〜6であり、より好ましくは1〜5であり、更に好ましくは1〜4である。
【0242】
R
12aで表される炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられる。
R
12aとしては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基が好ましく、水素原子、メチル基、エチル基がより好ましい。
【0243】
式(ii)で表される基としては、例えば、下記式(ii−1)〜(ii−12)で表される基が挙げられる。式(ii)で表される基としては、式(ii−2)で表される基、式(ii−3)で表される基、式(ii−5)で表される基、式(ii−6)で表される基が好ましく、より好ましくは式(ii−3)で表される基である。
【0245】
上記のようなキサンテン染料(1a)として好ましい化合物は、例えば、下記式(I−1)〜(I−170)で表される化合物が挙げられる。なお式中、R
40aは、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基を表し、好ましくは炭素数6〜12の分岐鎖状アルキル基であり、より好ましくは2−エチルヘキシル基である。
中でもキサンテン染料(1a)としてより好ましくは、例えば、R
1a〜R
4aに式(i)で表される置換基が1つ存在し残りの基が置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基である化合物(例えば、化合物(I−1)〜(I−4)、(I−13)〜(I−16)、(I−25)〜(I−28)、(I−37)〜(I−40)、(I−55)〜(I−110)、(I−117)、(I−120)等)、R
1a〜R
4aに式(i)で表される置換基が2つ存在し残りの基が置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基である化合物(例えば、化合物(I−49)〜(I−54)、化合物(I−111)〜(I−116)、化合物(I−119)、(I−121)、(I−122)、R
1a〜R
4aに2つのキシリル基を有する化合物(例えば、化合物(I−124)〜(I−146)、(I−151)、(I−153)、(I−155)、(I−156)等)、R
1a〜R
4aに2つのトリル基を有する化合物(例えば、化合物(I−147)、(I−150)、(I−152)、(I−154)等)、R
1a〜R
4aが全て置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基である化合物(例えば、化合物(I−160)〜(I−170)等)である。
【0246】
更に好ましくは、化合物(I−1)〜(I−4)、(I−13)〜(I−16)、(I−25)〜(I−28)、(I−124)〜(I−147)、(I−150)〜(I−156)、(I−160)〜(I−167)、(I−50)、(I−51)、(I−53)、(I−54)、(I−119)、(I−121)、(I−122)である。
【0269】
キサンテン染料(a)は、市販されているキサンテン染料(例えば、中外化成(株)製の「Chugai Aminol Fast Pink R-H/C」、田岡化学工業(株)製の「Rhodamin 6G」)を用いることができる。また、市販されているキサンテン染料を出発原料として、特開2010−32999号公報を参考に合成することもできる。
【0270】
このようなキサンテン染料(a)としては、例えば、C.I.アシッドレッド51(以下、C.I.アシッドレッドの記載を省略し、番号のみの記載とする。他も同様である。)、52、87、92、94、289、388等のC.I.アシッドレッド染料;C.I.アシッドバイオレット9、30、102等のC.I.アシッドバイオレット染料;C.I.ベーシックレッド1(ローダミン6G)、2、3、4、8、10(ローダミンB)、11等のC.I.ベーシックレッド染料;C.I.ベーシックバイオレット10、11、25等のC.I.ベーシックバイオレット染料;C.I.ソルベントレッド218等のC.I.ソルベントレッド染料;C.I.モルダントレッド27等のC.I.モルダントレッド染料;C.I.リアクティブレッド36(ローズベンガルB)等のC.I.リアクティブレッド染料;スルホローダミンG;特開2010−32999号公報に記載のキサンテン染料;及び特許第4492760号公報に記載のキサンテン染料;等が挙げられる。
【0271】
極大吸収波長が500nm以上700nm以下の着色剤(A2)全体100質量部に対して、キサンテン染料(a)の割合は、例えば、10質量部以上、好ましくは30質量部以上であり、50質量部以上、或いは70質量部以上であってもよい。さらには80質量部以上、好ましくは90質量部以上、より好ましくは95質量部以上であり、100質量部であってもよい。
また着色剤(A)の全体100質量部に対して、ポリメチン化合物(A1)と極大吸収波長が500nm以上700nm以下の着色剤(A2)の合計量は、例えば、80質量部以上、好ましくは90質量部以上、より好ましくは95質量部以上であり、100質量部であってもよい。
【0272】
着色剤(A2)の極大吸収波長は、好ましくは580nm以下、より好ましくは570nm以下である。
【0273】
<他の500nm以上700nm以下着色剤(b)と他の着色剤(A3)>
本発明では、極大吸収波長が500nm以上700nm以下の着色剤(A2)として、前記キサンテン染料(a)以外の着色剤(以下、他の500nm以上700nm以下着色剤(b)という)も使用できる。他の500nm以上700nm以下着色剤(b)としては、トリメチンインドリウム化合物、トリメチンベンゾオキサゾリウム化合物、トリメチンベンゾチアゾリウム化合物、インドリデントリメチンチアゾニウム化合物等のトリメチンシアニン色素;ペンタメチンオキサゾリウム化合物、ペンタメチンチアゾリウム化合物等のペンタメチンシアニン色素;スクアリリウム色素;アゾメチン色素;;アゾ色素;ピロメテン色素;アゾ金属錯体:フタロシアニン色素;ナフタロシアニン色素;ポルフィリン色素;ジピロメテン金属キレート化合物等が挙げられる。
【0274】
また本発明では、ポリメチン化合物(A1)及び極大吸収波長が500nm以上700nm以下である着色剤(A2)以外の着色剤(以下、他の着色剤(A3)という)も使用可能である。
【0275】
前記他の極大吸収波長500nm以上700nm以下の着色剤(b)や他の着色剤(A3)を、顔料と染料に分けて合わせて例示すると、以下の通りである。下記例示のうち極大吸収波長が500nm以上700nm以下のものが着色剤(b)に該当し、極大吸収波長が500nm未満のものが他の着色剤(A3)に該当する。
【0276】
他の500nm以上700nm以下着色剤(b)及び他の着色剤(A3)として使用可能な顔料としては、例えば、
C.I.ピグメントイエロー1(以下、C.I.ピグメントイエローの記載を省略し、番号のみの記載とする。)、3、12、13、14、15、16、17、20、24、31、53、83、86、93、94、109、110、117、125、128、137、138、139、147、148、150、153、154、166、173、194、214などの黄色顔料;
C.I.ピグメントオレンジ13、31、36、38、40、42、43、51、55、59、61、64、65、71、73などのオレンジ色顔料;
C.I.ピグメントレッド9、97、105、122、123、144、149、166、168、175、176、177、180、192、209、215、216、224、242、254、255、264、265などの赤色顔料;
C.I.ピグメントブルー15、15:3、15:4、15:6、60、80などの青色顔料;
C.I.ピグメントバイオレット1、19、23、29、32、36、38などのバイオレット色顔料;
C.I.ピグメントグリーン7、36、58などの緑色顔料;等が挙げられる。
【0277】
他の500nm以上700nm以下着色剤(b)及び他の着色剤(A3)として使用可能な染料には、油溶性染料、酸性染料、塩基性染料、直接染料、媒染染料、酸性染料のアミン塩や酸性染料のスルホンアミド誘導体などの染料が含まれ、例えば、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)で染料に分類されている化合物や、染色ノート(色染社)に記載されている公知の染料が含まれる。また、化学構造によれば、アゾ染料、シアニン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、フタロシアニン染料、ナフトキノン染料、キノンイミン染料、メチン染料、アゾメチン染料、スクワリリウム染料、アクリジン染料、スチリル染料、クマリン染料、キノリン染料及びニトロ染料等が挙げられる。これらのうち、有機溶剤可溶性染料が好ましい。
【0278】
具体的には、C.I.ソルベントイエロー4、14、15、23、24、38、62、63、68、82、94、98、99、162;
C.I.ソルベントレッド45、49、125、130;
C.I.ソルベントオレンジ2、7、11、15、26、56;
C.I.ソルベントブルー4、5、37、67、70、90;
C.I.ソルベントグリーン1、4、5、7、34、35等のC.I.ソルベント染料、
C.I.アシッドイエロー1、3、7、9、11、17、23、25、29、34、36、38、40、42、54、65、72、73、76、79、98、99、111、112、113、114、116、119、123、128、134、135、138、139、140、144、150、155、157、160、161、163、168、169、172、177、178、179、184、190、193、196、197、199、202、203、204、205、207、212、214、220、221、228、230、232、235、238、240、242、243、251;
C.I.アシッドレッド1、4、8、14、17、18、26、27、29、31、34、35、37、42、44、50、57、66、73、88、91、97、103、111、114、129、133、134、138、143、145、150、151、158、176、182、183、195、198、206、211、215、216、217、227、228、249、252、257、258、260、261、266、268、270、274、277、280、281、308、312、315、316、339、341、345、346、349、382、383、394、401、412、417、418、422、426;
C.I.アシッドオレンジ6、7、8、10、12、26、50、51、52、56、62、63、64、74、75、94、95、107、108、169、173;
C.I.アシッドバイオレット6B、7、17、19;
C.I.アシッドブルー1、7、9、15、18、22、29、42、59、60、62、70、72、74、82、83、86、87、90、92、93、100、102、103、104、113、117、120、126、130、131、142、147、151、154、158、161、166、167、168、170、171、184、187、192、199、210、229、234、236、242、243、256、259、267、285、296、315、335;
C.I.アシッドグリーン1、3、5、9、16、50、58、63、65、80、104、105、106、109等のC.I.アシッド染料、
C.I.ダイレクトイエロー2、33、34、35、38、39、43、47、50、54、58、68、69、70、71、86、93、94、95、98、102、108、109、129、136、138、141;
C.I.ダイレクトレッド79、82、83、84、91、92、96、97、98、99、105、106、107、172、173、176、177、179、181、182、184、204、207、211、213、218、220、221、222、232、233、234、241、243、246、250;
C.I.ダイレクトオレンジ26、34、39、41、46、50、52、56、57、61、64、65、68、70、96、97、106、107;
C.I.ダイレクトバイオレット47、52、54、59、60、65、66、79、80、81、82、84、89、90、93、95、96、103、104;
C.I.ダイレクトブルー1、2、6、8、15、22、25、41、57、71、76、78、80、81、84、85、86、90、93、94、95、97、98、99、100、101、106、107、108、109、113、114、115、117、119、120、137、149、150、153、155、156、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、170、171、172、173、188、189、190、192、193、194、195、196、198、199、200、201、202、203、207、209、210、212、213、214、222、225、226、228、229、236、237、238、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、256、257、259、260、268、274、275、293;
C.I.ダイレクトグリーン25、27、31、32、34、37、63、65、66、67、68、69、72、77、79、82等のC.I.ダイレクト染料、
C.I.ディスパースイエロー54,76等のC.I.ディスパース染料、
C.I.ベーシックブルー1、3、5、7、9、19、24、25、26、28、29、40、41、54、58、59、64、65、66、67、68;
C.I.ベーシックグリーン1;等のC.I.ベーシック染料、
C.I.リアクティブイエロー2,76,116;
C.I.リアクティブオレンジ16;等のC.I.リアクティブ染料、
C.I.モーダントイエロー5、8、10、16、20、26、30、31、33、42、43、45、56、61、62、65;
C.I.モーダントレッド1、2、4、9、12、14、17、18、19、22、23、24、25、26、30、32、33、36、37、38、39、41、43、45、46、48、53、56、63、71、74、85、86、88、90、94、95;
C.I.モーダントオレンジ3、4、5、8、12、13、14、20、21、23、24、28、29、32、34、35、36、37、42、43、47、48;
C.I.モーダントバイオレット1、2、4、5、7、14、22、24、30、31、32、37、40、41、44、45、47、48、53、58;
C.I.モーダントブルー1、2、3、7、9、12、13、15、16、19、20、21、22、26、30、31、39、40、41、43、44、49、53、61、74、77、83、84;
C.I.モーダントグリーン1、3、4、5、10、15、26、29、33、34、35、41、43、53等のC.I.モーダント染料、
C.I.バットグリーン1等のC.I.バット染料、等が挙げられる。
【0279】
<分散処理>
前記着色剤(A)は、溶解性が低かったり、分散性が低い場合、分散処理を施してもよい。例えば、ポリメチン化合物(A1)や顔料は、必要に応じて、ロジン処理、酸性基又は塩基性基が導入された顔料誘導体等を用いた表面処理、高分子化合物等による着色剤表面へのグラフト処理、硫酸微粒化法等による微粒化処理、又は不純物を除去するための有機溶剤や水等による洗浄処理、イオン性不純物のイオン交換法等による除去処理等を施していてもよい。
【0280】
また前記着色剤(A)は、必要に応じて、予め着色剤分散液にしてから樹脂(B)と、重合性化合物(C)、重合開始剤(D)などと混合して組成物にしてもよい。特にポリメチン化合物(A1)や顔料は、分散剤によって有機溶媒中に分散して、分散液にすることが好ましい。この分散液は、着色剤としてポリメチン化合物(A1)又は顔料だけを含有していてもよく、ポリメチン化合物(A1)又は顔料を、極大吸収波長500nm以上700nm以下の着色剤(A2)及び/又は他の着色剤(A3)と共に含有していてもよい。ポリメチン化合物(A1)は1種類だけを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0281】
着色剤(A)がポリメチン化合物(A1)及び顔料のいずれであっても、その分散に使用する分散剤は、公知の種々の顔料分散剤が使用できる。この顔料分散剤としては、カチオン系、アニオン系、ノニオン系及び両性の何れの分散剤であってもよく、ポリエステル系、ポリアミン系、アクリル系等の顔料分散剤等が挙げられる。
【0282】
これらの顔料分散剤は、単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。顔料分散剤としては、商品名でKP(信越化学工業(株)製)、フローレン(共栄社化学(株)製)、ソルスパース(ゼネカ(株)製)、EFKA(BASF社製)、アジスパー(味の素ファインテクノ(株)製)、Disperbyk(ビックケミー社製)等が挙げられる。
【0283】
好ましい分散剤は、(1)アミン価が0〜200mgKOH/gである分散剤(a)、(2)酸価が0〜200mgKOH/gである分散剤(b)、又は(3)アミン価が0〜200mgKOH/gであって、かつ酸価が0〜200mgKOH/gである分散剤(c)である。
分散剤(a)のアミン価は、好ましくは1mgKOH/g以上、より好ましくは5mgKOH/g以上であり、また好ましくは100mgKOH/g以下、より好ましくは70mgKOH/g以下である。
分散剤(b)の酸価は、好ましくは1mgKOH/g以上、より好ましくは10mgKOH/g以上であり、また好ましくは100mgKOH/g以下、より好ましくは50mgKOH/g以下である。
分散剤(c)のアミン価は、好ましくは1mgKOH/g以上、より好ましくは5mgKOH/g以上であり、また好ましくは100mgKOH/g以下、より好ましくは70mgKOH/g以下である。分散剤(c)の酸価は、好ましくは1mgKOH/g以上、より好ましくは10mgKOH/g以上であり、また好ましくは100mgKOH/g以下、より好ましくは50mgKOH/g以下である。
【0284】
分散剤の量は、ポリメチン化合物(A1)及び顔料の合計100質量部に対して、分散剤固形分換算で、例えば、10質量部以上、好ましくは20質量部以上、より好ましくは30質量部以上であり、例えば、100質量部以下、好ましくは90質量部以下、より好ましくは80質量部以下である。
【0285】
分散液を調製するのに使用する有機溶媒としては、例えば、エステル溶剤(分子内に−COO−を含み、−O−を含まない溶剤)、エーテル溶剤(分子内に−O−を含み、−COO−を含まない溶剤)、エーテルエステル溶剤(分子内に−COO−と−O−とを含む溶剤)、ケトン溶剤(分子内に−CO−を含み、−COO−を含まない溶剤)、アルコール溶剤(分子内にOHを含み、−O−、−CO−及び−COO−を含まない溶剤)、芳香族炭化水素溶剤、アミド溶剤、ハロゲン化アルキル溶剤、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
【0286】
エステル溶剤としては、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、2−ヒドロキシイソブタン酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸ペンチル、酢酸イソペンチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、シクロヘキサノールアセテート、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
【0287】
エーテル溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノール、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アニソール、フェネトール、メチルアニソール等が挙げられる。
【0288】
エーテルエステル溶剤としては、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート等のカルボン酸モノアルコキシアルキルエステル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート等のアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテートが挙げられ、好ましくはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテートであり、より好ましくはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートである。
【0289】
ケトン溶剤としては、ジアセトンアルコール(4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン)、アセトン、2−ブタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン基を有する脂肪族アルコールが挙げられ、好ましくはジアセトンアルコール(4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン)である。
【0290】
アルコール溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
【0291】
芳香族炭化水素溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等が挙げられる。
アミド溶剤としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
ハロゲン化アルキル溶剤としては、四塩化炭素、四臭化炭素、トリクロロブロモメタン、トリクロロメタン等が挙げられる。
【0292】
これらの溶媒は、1種のみで用いてもよく、複数種を混合して用いてもよい。中でも、エーテルエステル溶剤、ケトン溶剤、アルコール溶剤、ハロゲン化アルキル溶剤またはこれらの混合溶媒の使用が好ましく、エーテルエステル溶剤、ケトン溶剤、ハロゲン化アルキル溶剤またはこれらの混合溶媒の使用がより好ましい。
【0293】
特に好ましい溶媒は、エーテルエステル溶剤、例えばアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、特にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを必ず含んでおり、その含有量は、溶剤の総量100質量部に対して、例えば、40質量部以上、好ましくは50質量部以上、より好ましくは60質量部以上であり、例えば、99質量部以下、好ましくは95質量部以下、より好ましくは90質量部以下である。
【0294】
着色剤分散液全体100質量部に対する溶剤の割合は、例えば、55質量部以上、好ましくは60質量部以上、より好ましくは65質量部以上であり、例えば、99質量部以下、好ましくは95質量部以下、より好ましくは90質量部以下である。
【0295】
<着色硬化性樹脂組成物>
前記着色剤(A)は、そのまま、或いはその全部又は一部を必要に応じて着色剤分散液にした後、樹脂(B)、重合性化合物(C)、及び重合開始剤(D)と混合することで着色硬化性樹脂組成物を得ることができる。
着色剤(A)の量は、着色硬化性樹脂組成物の固形分全体100質量部に対して、例えば、10質量部以上、好ましくは20質量部以上、より好ましくは30質量部以上であり、例えば、60質量部以下、好ましくは50質量部以下、より好ましくは45質量部以下である。
【0296】
<樹脂(B)>
樹脂(B)としては、特に限定されるものではないが、アルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。アルカリ可溶性樹脂(B)(以下「樹脂(B)」という場合がある)は、不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体(a)(以下「(a)」という場合がある)に由来する構造単位を含む共重合体である。
樹脂(B)は、炭素数2〜4の環状エーテル構造とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b)(以下「(b)」という場合がある)に由来する構造単位、及びその他の構造単位を有する共重合体であることが好ましい。その他の構造単位としては、単量体(a)と共重合可能な単量体(c)(ただし、単量体(a)及び単量体(b)とは異なる。以下「(c)」という場合がある)に由来する構造単位、エチレン性不飽和結合を有する構造単位等が挙げられる。
【0297】
(a)としては、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸等の不飽和モノカルボン酸類;
マレイン酸等の不飽和ジカルボン酸類;
メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、5−カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のカルボキシ基を含有するビシクロ不飽和化合物類; 無水マレイン酸等の不飽和ジカルボン酸類無水物;
α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸のような、同一分子中にヒドロキシ基及びカルボキシ基を含有する不飽和アクリレート類等が挙げられる。
これらのうち、共重合反応性の点や得られる樹脂のアルカリ水溶液への溶解性の点から、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸等が好ましい。
【0298】
(b)としては、炭素数2〜4の環状エーテル構造(例えば、オキシラン環、オキセタン環及びテトラヒドロフラン環からなる群より選ばれる少なくとも1種)とエチレン性不飽和結合とを有する重合性化合物が挙げられる。
(b)は、好ましくは、炭素数2〜4の環状エーテルと(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体である。
尚、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸よりなる群より選ばれる少なくとも1種を表す。「(メタ)アクリロイル」及び「(メタ)アクリレート」等の表記も、同様の意味を有する。
【0299】
(b)としては、オキシラニル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b1)(以下「(b1)」という場合がある)、オキセタニル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b2)(以下「(b2)」という場合がある)、テトラヒドロフリル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b3)(以下「(b3)」という場合がある)等が挙げられる。
【0300】
(b1)としては、例えば、直鎖状又は分枝鎖状の脂肪族不飽和炭化水素がエポキシ化された構造を有する単量体(b1−1)(以下「(b1−1)」という場合がある)、脂環式不飽和炭化水素がエポキシ化された構造を有する単量体(b1−2)(以下「(b1−2)」という場合がある)が挙げられる。
【0301】
(b1−1)としては、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、β−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、2,3−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,4−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,5−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,6−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,4−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,5−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,6−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、3,4,5−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,4,6−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン等が挙げられる。
【0302】
(b1−2)としては、ビニルシクロヘキセンモノオキサイド、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン(例えば、セロキサイド2000;(株)ダイセル製)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート(例えば、サイクロマーA400;(株)ダイセル製)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート(例えば、サイクロマーM100;(株)ダイセル製)、式(II)で表される化合物及び式(III)で表される化合物等が挙げられる。
【0304】
[式(II)及び式(III)中、R
a及びR
bは、水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、該アルキル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基で置換されていてもよい。
X
a及びX
bは、単結合、−R
c−、*−R
c−O−、*−R
c−S−又は*−R
c−NH−を表す。
R
cは、炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。
*は、Oとの結合手を表す。]
【0305】
式(II)で表される化合物としては、式(II−1)〜式(II−15)のいずれかで表される化合物等が挙げられる。中でも、式(II−1)、式(II−3)、式(II−5)、式(II−7)、式(II−9)又は式(II−11)〜式(II−15)で表される化合物が好ましく、式(II−1)、式(II−7)、式(II−9)又は式(II−15)で表される化合物がより好ましい。
【0308】
式(III)で表される化合物としては、式(III−1)〜式(III−15)のいずれかで表される化合物等が挙げられる。中でも、式(III−1)、式(III−3)、式(III−5)、式(III−7)、式(III−9)又は式(III−11)〜式(III−15)で表される化合物が好ましく、式(III−1)、式(III−7)、式(III−9)又は式(III−15)で表される化合物がより好ましい。
【0311】
式(II)で表される化合物及び式(III)で表される化合物は、それぞれ単独で用いても、式(II)で表される化合物と式(III)で表される化合物とを併用してもよい。これらを併用する場合、式(II)で表される化合物及び式(III)で表される化合物の含有比率はモル基準で、好ましくは5:95〜95:5、より好ましくは10:90〜90:10、さらに好ましくは20:80〜80:20である。
【0312】
(c)としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート(当該技術分野では、慣用名として「ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート」といわれている。また、「トリシクロデシル(メタ)アクリレート」という場合がある。)、トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デセン−8−イル(メタ)アクリレート(当該技術分野では、慣用名として「ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート」といわれている。)、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、プロパルギル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等のジカルボン酸ジエステル;
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(2’−ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(2’−ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジエトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチル−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−tert−ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ビス(tert−ブトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ビス(シクロヘキシルオキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のビシクロ不飽和化合物類;
N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチレート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドカプロエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオネート、N−(9−アクリジニル)マレイミド等のジカルボニルイミド誘導体類;
スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メトキシスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等が挙げられる。
これらのうち、共重合反応性及び耐熱性の点から、スチレン、ビニルトルエン、ベンジル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンが好ましい。
【0313】
エチレン性不飽和結合を有する構造単位は、好ましくは(メタ)アクリロイル基を有する構造単位である。このような構造単位を有する樹脂は、(a)や(b)に由来する構造単位を有する重合体に、(a)や(b)が有する基と反応可能な基にエチレン性不飽和結合とを有する単量体を付加させることにより得ることができる。
このような構造単位としては、(メタ)アクリル酸単位にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた構造単位、無水マレイン酸単位に2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを付加させた構造単位、グリシジル(メタ)アクリレート単位に(メタ)アクリル酸を付加させた構造単位等が挙げられる。また、これらの構造単位がヒドロキシ基を有する場合は、カルボン酸無水物をさらに付加させた構造単位も、エチレン性不飽和結合を有する構造単位として挙げられる。
【0314】
樹脂(B)としては、具体的に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.0
2,6]デシル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体等の樹脂;グリシジル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、グリシジル(メタ)アクリレート/スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.0
2,6]デシル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/N−シクロヘキシルマレイミド共重合体、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.0
2,6]デシル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/ビニルトルエン共重合体、3−メチル−3−(メタ)アクリルロイルオキシメチルオキセタン/(メタ)アクリル酸/スチレン共重合体等の樹脂;ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、ベンジル(メタ)アクリレート/トリシクロデシル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、等の樹脂;ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレート/スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂等の樹脂;トリシクロデシル(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレート/スチレン/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂等の樹脂;トリシクロデシル(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂にさらにテトラヒドロフタル酸無水物を反応させた樹脂等の樹脂等が挙げられる。
【0315】
樹脂(B)のポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは3,000〜100,000であり、より好ましくは5,000〜50,000であり、さらに好ましくは5,000〜30,000である。分子量が前記の範囲にあると、塗膜硬度が向上し、残膜率も高く、未露光部の現像液に対する溶解性が良好で、着色パターンの解像度が向上する傾向がある。
【0316】
樹脂(B)の分子量分布[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]は、好ましくは1.1〜6であり、より好ましくは1.2〜4である。
【0317】
樹脂(B)の酸価(固形分)は、好ましくは50〜170mg−KOH/gであり、より好ましくは60〜150mg−KOH/g、さらに好ましくは70〜135mg−KOH/gである。ここで酸価は樹脂(B)1gを中和するに必要な水酸化カリウムの量(mg)として測定される値であり、例えば水酸化カリウム水溶液を用いて滴定することにより求めることができる。
【0318】
樹脂(B)の含有量は、着色硬化性樹脂組成物の固形分の総量100質量部に対して、好ましくは7〜65質量部であり、より好ましくは13〜60質量部であり、さらに好ましくは17〜55質量部である。樹脂(B)の含有量が、前記の範囲にあると、着色パターンが形成でき、また着色パターンの解像度及び残膜率が向上する傾向がある。
【0319】
<重合性化合物(C)>
重合性化合物(C)は、重合開始剤(D)から発生した活性ラジカル及び/又は酸によって重合しうる化合物であり、例えば、重合性のエチレン性不飽和結合を1つ、2つ又は3つ以上有する化合物等が挙げられ、好ましくは(メタ)アクリル酸エステル化合物である。
【0320】
エチレン性不飽和結合を1つ有する重合性化合物としては、ノニルフェニルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、N−ビニルピロリドン等、並びに、上述の(a)、(b)及び(c)が挙げられる。
【0321】
エチレン性不飽和結合を2つ有する重合性化合物としては、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのビス(アクリロイロキシエチル)エーテル、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0322】
中でも、重合性化合物(C)は、エチレン性不飽和結合を3つ以上有する重合性化合物であることが好ましい。このような重合性化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールノナ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、エチレングリコール変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレングリコール変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられ、中でも、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが好ましい。
【0323】
重合性化合物(C)の重量平均分子量は、好ましくは150以上2,900以下、より好ましくは250以上1,500以下である。
【0324】
重合性化合物(C)の含有量は、着色硬化性樹脂組成物の固形分の総量100質量部に対して、7〜65質量部であることが好ましく、より好ましくは13〜60質量部であり、さらに好ましくは15〜55質量部である。
樹脂(B)と重合性化合物(C)との含有量比〔樹脂(B):重合性化合物(C)〕は質量基準で、好ましくは20:80〜80:20であり、より好ましくは35:65〜80:20である。
重合性化合物(C)の含有量が、前記の範囲内にあると、着色パターン形成時の残膜率及びカラーフィルタの耐薬品性が向上する傾向がある。
【0325】
<重合開始剤(D)>
重合開始剤(D)は、光や熱の作用により活性ラジカル、酸等を発生し、重合を開始しうる化合物であれば特に限定されることなく、公知の重合開始剤を用いることができる。
重合開始剤(D)としては、O−アシルオキシム化合物、アルキルフェノン化合物、ビイミダゾール化合物、トリアジン化合物、及びアシルホスフィンオキサイド化合物等が挙げられる。
【0326】
前記O−アシルオキシム化合物としては、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)ブタン−1−オン−2−イミン、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)オクタン−1−オン−2−イミン、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)−3−シクロペンチルプロパン−1−オン−2−イミン、N−アセトキシ−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタン−1−イミン、N−アセトキシ−1−[9−エチル−6−{2−メチル−4−(3,3−ジメチル−2,4−ジオキサシクロペンタニルメチルオキシ)ベンゾイル}−9H−カルバゾール−3−イル]エタン−1−イミン、N−アセトキシ−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−3−シクロペンチルプロパン−1−イミン、N−ベンゾイルオキシ−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−3−シクロペンチルプロパン−1−オン−2−イミン等が挙げられる。イルガキュアOXE01、OXE02(以上、BASF社製)、N−1919(ADEKA社製)等の市販品を用いてもよい。中でも、O−アシルオキシム化合物は、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)ブタン−1−オン−2−イミン、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)オクタン−1−オン−2−イミン及びN−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)−3−シクロペンチルプロパン−1−オン−2−イミンからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)オクタン−1−オン−2−イミンがより好ましい。これらのO−アシルオキシム化合物であると、高明度なカラーフィルタが得られる傾向にある。
【0327】
前記アルキルフェノン化合物としては、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルスルファニルフェニル)プロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−2−ベンジルブタン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]ブタン−1−オン等が挙げられる。イルガキュア369、907、379(以上、BASF社製)等の市販品を用いてもよい。
【0328】
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−イソプロペニルフェニル)プロパン−1−オンのオリゴマー、α,α−ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
【0329】
ビイミダゾール化合物としては、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,3−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール(例えば、特開平6−75372号公報、特開平6−75373号公報等参照。)、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(アルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(ジアルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(トリアルコキシフェニル)ビイミダゾール(例えば、特公昭48−38403号公報、特開昭62−174204号公報等参照。)、4,4’,5,5’−位のフェニル基がカルボアルコキシ基により置換されているイミダゾール化合物(例えば、特開平7−10913号公報等参照)等が挙げられる。中でも、下記式で表される化合物及びこれらの混合物が好ましい。
【0331】
前記トリアジン化合物としては、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
前記アシルホスフィンオキサイド化合物としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
【0332】
さらに重合開始剤(D)としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン化合物;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物;9,10−フェナンスレンキノン、2−エチルアントラキノン、カンファーキノン等のキノン化合物;10−ブチル−2−クロロアクリドン、ベンジル、フェニルグリオキシル酸メチル、チタノセン化合物等が挙げられる。
【0333】
これらは、後述の重合開始助剤(D1)(特にアミン類)と組み合わせて用いることが好ましい。
【0334】
重合開始剤(D)は、好ましくは、アルキルフェノン化合物、トリアジン化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物、O−アシルオキシム化合物及びビイミダゾール化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む重合開始剤であり、より好ましくは、O−アシルオキシム化合物を含む重合開始剤である。
【0335】
重合開始剤(D)の含有量は、樹脂(B)及び重合性化合物(C)の合計量100質量部に対して、好ましくは0.01〜40質量部であり、より好ましくは0.05〜35質量部であり、更に好ましくは0.1〜32質量部であり、より好ましくは1〜30質量部である。
【0336】
<重合開始助剤(D1)>
着色硬化性樹脂組成物は、必要に応じて重合開始助剤(D1)を含有してもよい。重合開始助剤(D1)は、重合開始剤によって重合が開始された重合性化合物の重合を促進するために用いられる化合物、もしくは増感剤である。重合開始助剤(D1)を含む場合、通常、重合開始剤(D)と組み合わせて用いられる。
重合開始助剤(D1)としては、アミン化合物、アルコキシアントラセン化合物、チオキサントン化合物及びカルボン酸化合物等が挙げられる。
【0337】
前記アミン化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称ミヒラーズケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられ、中でも4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。EAB−F(保土谷化学工業(株)製)等の市販品を用いてもよい。
前記アルコキシアントラセン化合物としては、9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジブトキシアントラセン等が挙げられる。
【0338】
前記チオキサントン化合物としては、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等が挙げられる。
【0339】
前記カルボン酸化合物としては、フェニルスルファニル酢酸、メチルフェニルスルファニル酢酸、エチルフェニルスルファニル酢酸、メチルエチルフェニルスルファニル酢酸、ジメチルフェニルスルファニル酢酸、メトキシフェニルスルファニル酢酸、ジメトキシフェニルスルファニル酢酸、クロロフェニルスルファニル酢酸、ジクロロフェニルスルファニル酢酸、N−フェニルグリシン、フェノキシ酢酸、ナフチルチオ酢酸、N−ナフチルグリシン、ナフトキシ酢酸等が挙げられる。
【0340】
これらの重合開始助剤(D1)を用いる場合、その含有量は、樹脂(B)及び重合性化合物(C)の合計量100質量部に対して、好ましくは0.1〜30質量部、より好ましくは1〜20質量部である。重合開始助剤(D1)の量がこの範囲内にあると、さらに高感度で着色パターンを形成することができ、カラーフィルタの生産性が向上する傾向にある。
【0341】
<溶剤(E)>
着色硬化性樹脂組成物は、通常、溶剤(E)も含有する。溶剤(E)は、特に限定されず、当該分野で通常使用される溶剤を用いることができる。例えば、エステル溶剤(分子内に−COO−を含み、−O−を含まない溶剤)、エーテル溶剤(分子内に−O−を含み、−COO−を含まない溶剤)、エーテルエステル溶剤(分子内に−COO−と−O−とを含む溶剤)、ケトン溶剤(分子内に−CO−を含み、−COO−を含まない溶剤)、アルコール溶剤(分子内にOHを含み、−O−、−CO−及び−COO−を含まない溶剤)、芳香族炭化水素溶剤、アミド溶剤、ハロゲン化アルキル溶剤、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
【0342】
エステル溶剤としては、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、2−ヒドロキシイソブタン酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸ペンチル、酢酸イソペンチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、シクロヘキサノールアセテート、γ−ブチロラクトン等が挙げられ、好ましくは乳酸エチルである。
【0343】
エーテル溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノール、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アニソール、フェネトール、メチルアニソール等が挙げられ、好ましくはプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルである。
【0344】
エーテルエステル溶剤としては、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート等が挙げられ、好ましくは3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートである。
【0345】
ケトン溶剤としては、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、アセトン、2−ブタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソホロン等が挙げられ、好ましくは4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンである。
【0346】
アルコール溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
【0347】
芳香族炭化水素溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等が挙げられる。
アミド溶剤としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられ、好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミドである。
ハロゲン化アルキル溶剤としては、四塩化炭素、四臭化炭素、トリクロロブロモメタン、トリクロロメタン等が挙げられ、好ましくはトリクロロメタンである。
【0348】
これらの溶剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。中でも、エーテルエステル溶剤、ケトン溶剤、ハロゲン化アルキル溶剤またはこれらの混合溶媒の使用がより好ましい。エーテルエステル溶剤の割合は、全溶剤の合計100質量部に対して、例えば、30〜90質量部、好ましくは40〜80質量部である。ケトン溶剤の割合は、全溶剤の合計100質量部に対して、例えば、1〜50質量部、好ましくは5〜30質量部である。またハロゲン化アルキル溶剤の割合は、全溶剤の合計100質量部に対して、例えば、1〜50質量部、好ましくは5〜30質量部である。
【0349】
溶剤(E)の含有量は、着色硬化性樹脂組成物の総量に対して、好ましくは70〜95質量%であり、より好ましくは75〜92質量%である。言い換えると、着色硬化性樹脂組成物の固形分は、好ましくは5〜30質量%、より好ましくは8〜25質量%である。溶剤(E)の含有量が前記の範囲にあると、塗布時の平坦性が良好になり、またカラーフィルタを形成した際に色濃度が不足しないために表示特性が良好となる傾向がある。
【0350】
<レベリング剤(F)>
着色硬化性樹脂組成物は、レベリング剤(F)を含有してもよい。レベリング剤(F)としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤及びフッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤等が挙げられる。これらは、側鎖に重合性基を有していてもよい。
シリコーン系界面活性剤としては、分子内にシロキサン結合を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、トーレシリコーンDC3PA、同SH7PA、同DC11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、同SH8400(商品名:東レ・ダウコーニング(株)製)、KP321、KP322、KP323、KP324、KP326、KP340、KP341(信越化学工業(株)製)、TSF400、TSF401、TSF410、TSF4300、TSF4440、TSF4445、TSF4446、TSF4452及びTSF4460(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)等が挙げられる。
【0351】
前記のフッ素系界面活性剤としては、分子内にフルオロカーボン鎖を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、フロラード(登録商標)FC430、同FC431(住友スリーエム(株)製)、メガファック(登録商標)F142D、同F171、同F172、同F173、同F177、同F183、同F554、同R30、同RS−718−K(DIC(株)製)、エフトップ(登録商標)EF301、同EF303、同EF351、同EF352(三菱マテリアル電子化成(株)製)、サーフロン(登録商標)S381、同S382、同SC101、同SC105(旭硝子(株)製)及びE5844((株)ダイキンファインケミカル研究所製)等が挙げられる。
【0352】
前記のフッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤としては、分子内にシロキサン結合及びフルオロカーボン鎖を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、メガファック(登録商標)R08、同BL20、同F475、同F477及び同F443(DIC(株)製)等が挙げられる。
【0353】
レベリング剤(F)を含有する場合、その含有量は、着色硬化性樹脂組成物の総量に対して、好ましくは0.001質量%以上0.2質量%以下であり、より好ましくは0.002質量%以上0.1質量%以下、さらに好ましくは0.005質量%以上0.07質量%以下である。レベリング剤(F)の含有量が前記の範囲内にあると、カラーフィルタの平坦性を良好にすることができる。
【0354】
<酸化防止剤(G)>
着色剤の耐熱性及び耐光性を向上させる観点からは、酸化防止剤を単独又は2種以上を組み合わせて用いることが好ましい。酸化防止剤としては、工業的に一般に使用される酸化防止剤であれば特に限定はなく、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤及び硫黄系酸化防止剤等を用いることができる。
【0355】
前記フェノール系酸化防止剤としては、イルガノックス1010(Irganox 1010:ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、BASF(株)製)、イルガノックス1076(Irganox 1076:オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、BASF(株)製)、イルガノックス1330(Irganox 1330:3,3’,3’’,5,5’,5’’−ヘキサ−t−ブチル−a,a’,a’’−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、BASF(株)製)、イルガノックス3114(Irganox 3114:1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、BASF(株)製)、イルガノックス3790(Irganox 3790:1,3,5−トリス((4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−キシリル)メチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、BASF(株)製)、イルガノックス1035(Irganox 1035:チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、BASF(株)製)、イルガノックス1135(Irganox 1135:ベンゼンプロパン酸、3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ、C7−C9側鎖アルキルエステル、BASF(株)製)、イルガノックス1520L(Irganox 1520L:4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、BASF(株)製)、イルガノックス3125(Irganox 3125、BASF(株)製)、イルガノックス565(Irganox 565:2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ3’、5’−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、BASF(株)製)、アデカスタブAO−80(アデカスタブAO−80:3,9−ビス(2−(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、(株)ADEKA製)、スミライザーBHT(Sumilizer BHT、住友化学(株)製)、スミライザーGA−80(Sumilizer
GA−80、住友化学(株)製)、スミライザーGS(Sumilizer GS、住友化学(株)製)、シアノックス1790(Cyanox 1790、(株)サイテック製)及びビタミンE(エーザイ(株)製)等が挙げられる。
【0356】
前記リン系酸化防止剤としては、イルガフォス168(Irgafos 168:トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、BASF(株)製)、イルガフォス12(Irgafos 12:トリス[2−[[2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンゾ[d、f][1,3,2]ジオキサフォスフィン−6−イル]オキシ]エチル]アミン、BASF(株)製)、イルガフォス38(Irgafos 38:ビス(2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル)エチルエステル亜りん酸、BASF(株)製)、アデカスタブ329K((株)ADEKA製)、アデカスタブPEP36((株)ADEKA製)、アデカスタブPEP−8((株)ADEKA製)、Sandstab P−EPQ(クラリアント社製)、ウェストン618(Weston 618、GE社製)、ウェストン619G(Weston 619G、GE社製)、ウルトラノックス626(Ultranox 626、GE社製)及びスミライザーGP(Sumilizer GP:6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1.3.2]ジオキサホスフェピン)(住友化学(株)製)等が挙げられる。
【0357】
前記硫黄系酸化防止剤としては、例えば、チオジプロピオン酸ジラウリル、ジミリスチル又はジステアリル等のジアルキルチオジプロピオネート化合物及びテトラキス[メチレン(3−ドデシルチオ)プロピオネート]メタン等のポリオールのβ−アルキルメルカプトプロピオン酸エステル化合物等が挙げられる。
【0358】
<その他の成分>
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、充填剤、他の高分子化合物、密着促進剤、光安定剤、連鎖移動剤等、当該技術分野で公知の添加剤を含んでもよい。
【0359】
<カラーフィルタの製造方法>
本発明の着色硬化性樹脂組成物から着色パターンを製造する方法としては、フォトリソグラフ法、インクジェット法、印刷法等が挙げられる。中でも、フォトリソグラフ法が好ましい。フォトリソグラフ法は、前記着色硬化性樹脂組成物を基板に塗布し、乾燥させて着色組成物層を形成し、フォトマスクを介して該着色組成物層を露光して、現像する方法である。フォトリソグラフ法において、露光の際にフォトマスクを用いないこと、及び/又は現像しないことにより、上記着色組成物層の硬化物である着色塗膜を形成することができる。このように形成した着色パターンや着色塗膜が本発明のカラーフィルタである。
作製するカラーフィルタの膜厚は、特に限定されず、目的や用途等に応じて適宜調整することができ、通常0.1〜30μm、好ましくは0.1〜20μm、さらに好ましくは0.5〜6μmである。
【0360】
基板としては、ガラス板や、樹脂板、シリコン、前記基板上にアルミニウム、銀、銀/銅/パラジウム合金薄膜等を形成したものが用いられる。これらの基板上には、別のカラーフィルタ層、樹脂層、トランジスタ、回路等が形成されていてもよい。
【0361】
フォトリソグラフ法による各色画素の形成は、公知又は慣用の装置や条件で行うことができる。例えば、下記のようにして作製することができる。
まず、着色硬化性樹脂組成物を基板上に塗布し、加熱乾燥(プリベーク)及び/又は減圧乾燥することにより溶剤等の揮発成分を除去して乾燥させ、平滑な着色組成物層を得る。
塗布方法としては、スピンコート法、スリットコート法、スリット アンド スピンコート法等が挙げられる。
【0362】
次に、着色組成物層は、目的の着色パターンを形成するためのフォトマスクを介して露光される。
【0363】
露光面全体に均一に平行光線を照射したり、フォトマスクと着色組成物層が形成された基板との正確な位置合わせを行うことができるため、マスクアライナ及びステッパ等の露光装置を使用することが好ましい。
【0364】
露光後の着色組成物層を現像液に接触させて現像することにより、基板上に着色パターンが形成される。現像により、着色組成物層の未露光部が現像液に溶解して除去される。現像液としては、例えば、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム等のアルカリ性化合物の水溶液が好ましい。
現像方法は、パドル法、ディッピング法及びスプレー法等のいずれでもよい。さらに現像時に基板を任意の角度に傾けてもよい。
現像後は、水洗することが好ましい。
さらに、得られた着色パターンに、ポストベークを行うことが好ましい。
【0365】
本発明の着色硬化性樹脂組成物を用いることにより、特に高明度なカラーフィルタを製造できる。該カラーフィルタは、表示装置(例えば、液晶表示装置、有機EL装置、電子ペーパー等)及び固体撮像素子に用いられるカラーフィルタとして有用である。
【実施例】
【0366】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0367】
(1)ポリメチン化合物
ポリメチン化合物合成例1〜54
インドレニン中間体0.01モル及びピリジン又はアセトニトリル16gを混合し、無水酢酸0.012モルを滴下して室温〜50℃で1時間撹拌した。活性メチレン化合物0.01モル及びトリエチルアミン0.02モルを加えて室温〜50℃で1〜3時間撹拌した。得られた固体をメタノールで還流して精製し、固体を120℃で乾燥して目的物を得た。分析結果を〔表1〕〜〔表6〕に示す。
【0368】
【表1】
【0369】
【表2】
【0370】
【表3】
【0371】
【表4】
【0372】
【表5】
【0373】
【表6】
【0374】
〔ポリメチン化合物合成例55〕化合物No.84の製造
化合物No.31の0.2g及びイオン交換水20gを混合し、水酸化ナトリウム水溶液を滴下し溶液を均一化させた。ここに塩化バリウム2水和物0.062gの水溶液を仕込み、30分撹拌した。得られた固体を濾過、水洗、乾燥を行い、目的物を0.19g(収率82.5%)得た。
【0375】
〔ポリメチン化合物合成例56〕化合物No.85の製造
塩化バリウム2水和物に変えて硫酸銅5水和物を用いた他はポリメチン化合物合成例55と同様にして、目的物を0.07g(収率33.3%)で得た。
【0376】
〔ポリメチン化合物合成例57〕化合物No.86の製造
化合物No.31に変えて化合物No.38を用い、塩化バリウム2水和物に変えてリンタングステン酸を用いた他はポリメチン化合物合成例55と同様にして、目的物を0.16g(収率60.0%)で得た。
【0377】
〔塗工液例1〜6及び比較塗工液例1〕
化合物No.1、No.30、No.31、No.34、No.40、No.46および比較化合物No.1の0.5wt%アセトン溶液0.4gと、ポリメチルメタクリレート(以下、PMMAとも呼ぶ)の25wt%トルエン溶液3.0gを混合させ、15分間超音波照射を行い、塗工液を調製した。
【0378】
【化138】
【0379】
上記で得られた塗工液を、易密着処理した188μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムに、該塗工液をバーコーター#30により塗布した後、70℃で15分間乾燥し、光学フィルタ(膜厚7〜8μm)を作製した。
【0380】
〔評価例1〜6及び比較評価例1〕
塗工液例1〜6及び比較塗工液例1で得られた光学フィルタに、キセノン耐光性試験機(スガ試験機(株)製テーブルサンTS−2)にて光を48時間照射し、耐光性を評価した。評価においては、光照射前後の各光学フィルタの吸収極大波長における吸光度を測定し、初期値(光照射前)を100として光照射後の相対値(吸光度保持率)を算出し、耐光性を比較した。結果を[表7]に示す。
【0381】
【表7】
【0382】
[表7]より、比較評価例1の光学フィルタは耐光性が悪いのに対し、評価例1〜6の光学フィルタは耐光性に優れることが明らかである。
【0383】
(2)着色硬化性樹脂組成物
以上のようにして得られた各ポリメチン化合物のうち、下記化合物No.1、6、19、37、97を用いた。
【0384】
【化139】
【0385】
着色剤(A2):キサンテン染料(a)合成例
式(X−1)で表される化合物50.0部、イソプロピルアルコール(和光純薬工業(株)製)350部を室温で混合し、混合物にジエチルアミン(東京化成工業(株)製)18.1部を20℃を超えない温度で滴下し、20℃で3時間攪拌した。反応液を10%塩酸2100部に投入した。得られた析出物を吸引濾過の残渣として取得し、イオン交換水373部で洗浄後乾燥し、式(X−2)で表される化合物23.6部を得た。収率は43%であった。
【0386】
【化140】
【0387】
式(X−2)で表される化合物の同定
【化141】
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z= [M+H]+ 442.1
Exact Mass: 441.1
【0388】
式(X−2)で表される化合物5.0部、N−メチルピロリドン(和光純薬工業(株)製)35部を室温で混合し、混合物にジプロピルアミン(東京化成工業(株)製)3.4部を20℃を超えない温度で滴下し、80℃に昇温して3時間攪拌した。反応液を室温まで冷却後、濃塩酸3.4部を加え、得られた混合物を飽和食塩水315部に投入した。得られた析出物を吸引濾過の残渣として取得し、イオン交換水630部で洗浄後乾燥し、式(I−161)で表される化合物3.9部を得た。収率は69%であった。
【0389】
式(I−161)で表される化合物の同定
【化142】
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z= [M+H]+ 507.7
Exact Mass: 506.7
【0390】
式(1−161)で表される化合物の吸光度の測定
式(1−161)で表される化合物0.35gをクロロホルムに溶解して体積を250cm
3とし、そのうちの2cm
3をクロロホルムで希釈して100cm
3として、濃度0.028g/Lの溶液を調整した。前記溶液について、紫外可視分光光度計(V−650DS;日本分光(株)製)(石英セル、光路長;1cm)を用いて極大吸収波長(λ
max)及び極大吸収波長(λ
max)での吸光度を測定したところ、極大吸収波長(λ
max)549nm、極大吸収波長(λ
max)での吸光度は6.06であった。
【0391】
樹脂(B)合成例
還流冷却器、滴下ロート及び攪拌機を備えたフラスコ内に窒素を適量流して窒素雰囲気に置換し、1−メトキシ−2−プロピルアセテート371部を入れ、攪拌しながら85℃まで加熱した。次いで、該フラスコ内に、アクリル酸54部、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン−8又は/及び9−イルアクリレートの混合物(商品名「E−DCPA」、株式会社ダイセル製)225部、ビニルトルエン(異性体混合物)81部、1−メトキシ−2−プロピルアセテート80部の混合溶液を4時間かけて滴下した。一方、重合開始剤2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)30部を1−メトキシ−2−プロピルアセテート160部に溶解した溶液を5時間かけて滴下した。開始剤溶液の滴下終了後、4時間同温度で保持して、下記式に示す構成単位からなる樹脂(B−1)を調製した。反応液を室温まで冷却してB型粘度(23℃)で測定した粘度は246mPasであった。樹脂(B−1)溶液の固形分は37.5重量%、固形分換算の酸価は115mg−KOH/gであった。生成した樹脂(B−1)の重量平均分子量Mw(ポリスチレン換算)は10600、分子量分布[Mw/Mn]は2.01であった。
【0392】
【化143】
【0393】
樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)の測定は、GPC法により以下の条件で行った。
装置 ;HLC−8120GPC(東ソー(株)製)
カラム ;TSK−GELG2000HXL
カラム温度 ;40℃
溶媒 ;THF
流速 ;1.0mL/min
被検液固形分濃度;0.001〜0.01質量%
注入量 ;50μL
検出器 ;RI
校正用標準物質 ;TSK STANDARD POLYSTYRENE
F−40、F−4、F−288、A−2500、A−500
(東ソー(株)製)
上記で得られたポリスチレン換算の重量平均分子量及び数平均分子量の比(Mw/Mn)を分子量分布とした。
【0394】
実施例1
下記成分を混合して着色硬化性樹脂組成物を得た。
ポリメチン化合物(A1):化合物No.19 25.5部;
ポリメチン化合物(A1):化合物No.6 10.6部;
着色剤(A2):キサンテン染料(a):式(I−161)で表される化合物
6.4部;
樹脂(B):樹脂B−1(固形分換算) 55部;
重合性化合物(C):ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD(登録商標) DPHA;日本化薬(株)製) 45部;
重合開始剤(D):N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)オクタン−1−オン−2−イミン(イルガキュア(登録商標)OXE−01;BASF社製;O−アシルオキシム化合物) 12部;
溶剤(E):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
530部;
溶剤(E):4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン 179部;
溶剤(E):トリクロロメタン 179部;
レベリング剤(F):ポリエーテル変性シリコーンオイル
(トーレシリコーンSH8400;東レダウコーニング(株)製) 0.1部;
酸化防止剤 3部
【0395】
比較例1
〔顔料分散液b1の調製〕
着色剤(A2):他の500nm以上700nm以下の着色剤(b):C.1.ピグメントレッド254(顔料) 21.1部;
アクリル系顔料分散剤 7.4部;
樹脂(B):樹脂B−1(固形分換算) 10.7部;
溶剤(E):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 156部
を混合し、ビーズミルを用いて顔料を十分に分散させて顔料分散液b1を得た。
顔料分散液b1のクロロホルム中における極大吸収波長(λ
max)は551nmであった。
【0396】
下記成分を混合して着色硬化性樹脂組成物を得た。
着色剤(A2):顔料分散液b1 592部;
着色剤(A2):キサンテン染料(a):式(1−161)で表される化合物
4.1部;
樹脂(B):樹脂B−1(固形分換算) 22.8部;
重合性化合物(C):ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD(登録商標) DPHA;日本化薬(株)製) 45部;
重合開始剤(D):N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)オクタン−1−オン−2−イミン(イルガキュア(登録商標)OXE−01;BASF社製;O−アシルオキシム化合物) 12部;
溶剤(E):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 281部;
溶剤(E):4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン 250部;
レベリング剤(F):ポリエーテル変性シリコーンオイル
(トーレシリコーンSH8400;東レダウコーニング(株)製) 0.1部;
酸化防止剤 3部
【0397】
<カラーフィルタの作製>
5cm角のガラス基板(イーグル2000;コーニング社製)上に、着色硬化性樹脂組成物をスピンコート法で塗布したのち、100℃で3分間プリベークして着色組成物層を形成した。放冷後、着色組成物層が形成されたガラス基板と石英ガラス製フォトマスクとの間隔を100μmとして、露光機(TME−150RSK;トプコン(株)製)により、大気雰囲気下、150mJ/cm
2の露光量(365nm基準)で光照射した。フォトマスクとしては、100μmラインアンドスペースパターンが形成されたものを使用した。光照射後の着色組成物層が形成されたガラス基板を、非イオン系界面活性剤0.12%と水酸化カリウム0.04%を含む水系現像液に24℃で60秒間浸漬現像し、水洗後、オーブン中、210℃で25分間ポストベークを行い、カラーフィルタを得た。
【0398】
<膜厚測定>
得られたカラーフィルタについて、膜厚を、膜厚測定装置(DEKTAK3;日本真空技術(株)製))により測定した。結果を表8に示す。
【0399】
<色度評価>
得られたカラーフィルタについて、測色機(OSP−SP−200;オリンパス(株)製)により分光を測定し、C光源の特性関数を用いてCIEのXYZ表色系におけるxy色度座標(x、y)と三刺激値Yとを測定した。Yの値が大きいほど明度が高いことを表す。結果を表8に示す。
【0400】
【表8】
【0401】
実施例2
〔顔料分散液b2の調製〕
着色剤(A2):他の500nm以上700nm以下の着色剤(b):C.I.ピグメントレッド242(顔料) 23.4部;
アクリル系顔料分散剤 11.9部;
樹脂(B):樹脂B−1(固形分換算) 5.2部;
溶剤(E):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 154部
を混合し、ビーズミルを用いて顔料を十分に分散させて顔料分散液b2を得た。
顔料分散液b2のクロロホルム中における極大吸収波長(λ
max)は502nmであった。
〔顔料分散液b3の調製〕
着色剤(A2):他の500nm以上700nm以下の着色剤(b):C.I.ピグメントレッド177(顔料) 21.5部;
アクリル系顔料分散剤 11.4部;
樹脂(B):樹脂B−1(固形分換算) 6.1部;
溶剤(E):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 156部
を混合し、ビーズミルを用いて顔料を十分に分散させて顔料分散液b3を得た。
顔料分散液b3のクロロホルム中における極大吸収波長(λ
max)は562nmであった。
【0402】
下記成分を混合して着色硬化性樹脂組成物を得た。
ポリメチン化合物(A1):化合物No.1 8.3部;
着色剤(A2):顔料分散液b2 173部;
着色剤(A2):顔料分散液b3 490部;
樹脂(B):樹脂B−1(固形分換算) 35部;
重合性化合物(C):ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD(登録商標) DPHA;日本化薬(株)製) 45部;
重合開始剤(D):N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)オクタン−1−オン−2−イミン(イルガキュア(登録商標)OXE−01;BASF社製;O−アシルオキシム化合物) 8部;
溶剤(E):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 371部;
溶剤(E):4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン 225部;
レベリング剤(F):ポリエーテル変性シリコーンオイル
(トーレシリコーンSH8400;東レダウコーニング(株)製) 0.1部
【0403】
比較例2
下記成分を混合して着色硬化性樹脂組成物を得た。
着色剤(A2):顔料分散液b2 372部;
着色剤(A2):顔料分散液b3 538部;
樹脂(B):樹脂B−1(固形分換算) 28.1部;
重合性化合物(C):ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD(登録商標) DPHA;日本化薬(株)製) 45部;
重合開始剤(D):N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)オクタン−1−オン−2−イミン(イルガキュア(登録商標)OXE−01;BASF社製;O−アシルオキシム化合物) 8部;
溶剤(E):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 315部;
溶剤(E):4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン 260部;
レベリング剤(F):ポリエーテル変性シリコーンオイル
(トーレシリコーンSH8400;東レダウコーニング(株)製) 0.1部
【0404】
実施例2及び比較例2の組成物について、ポストベーク温度を230℃に変更した以外は実施例1と同様の評価を行った。結果を表9に示す。
【0405】
【表9】
【0406】
実施例3(分散液の調製)
化合物No.97のポリメチン化合物を10部、化合物No.37のポリメチン化合物を1部、分散剤溶液(ビックケミー社:DESPERBYK−2001(商品名)、酸価19mgKOH/g、アミン価29mgKOH/g)を17部、樹脂として樹脂(B−1)を4部(固形分)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート158部、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン10部を秤量後、0.4μmのジルコニアビーズ600部を入れ、ペイントコンディショナー(Red Devil社製)を使用して6時間振盪して分散液Xを作製した。
【0407】
比較例1の顔料分散液b1を、前記分散液Xに替える以外は比較例1と同様にする。得られる着色硬化性樹脂組成物で作製するカラーフィルタは、比較例1よりも高明度である。