特許第6872353号(P6872353)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6872353
(24)【登録日】2021年4月21日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】ゴム組成物の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08J 3/20 20060101AFI20210510BHJP
   C08L 21/00 20060101ALI20210510BHJP
   C08L 53/02 20060101ALI20210510BHJP
   C08L 45/00 20060101ALI20210510BHJP
   C08L 57/02 20060101ALI20210510BHJP
【FI】
   C08J3/20 ZCEQ
   C08L21/00
   C08L53/02
   C08L45/00
   C08L57/02
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-231021(P2016-231021)
(22)【出願日】2016年11月29日
(65)【公開番号】特開2018-87286(P2018-87286A)
(43)【公開日】2018年6月7日
【審査請求日】2019年9月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003148
【氏名又は名称】TOYO TIRE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三浦 聡一郎
【審査官】 大▲わき▼ 弘子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2019−510125(JP,A)
【文献】 特表2013−510939(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J3/00−3/28;99/00、
C08K3/00−13/08;C08L1/00−101/14、
B29B7/00−11/14;13/00−15/06;
B29C31/00−31/10;37/00−37/04;71/00−71/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジエン系ゴムと、樹脂と、スチレン系熱可塑性エラストマーを含むゴム組成物の製造方法であって、
前記樹脂が、非芳香族系テルペン樹脂、および脂肪族系石油樹脂のいずれか1つ以上であり、
前記スチレン系熱可塑性エラストマーが、ポリスチレンとポリオレフィン構造を有するブロックコポリマーであり、
前記樹脂と前記スチレン系熱可塑性エラストマーを混合して混練物を製造する工程と、
得られた混練物と前記ジエン系ゴムを混合する工程を含むことを特徴とするゴム組成物の製造方法。
【請求項2】
前記スチレン系熱可塑性エラストマーのガラス転移温度が、−70℃〜0℃であることを特徴とする請求項1記載のゴム組成物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴム組成物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ジエン系ゴムを含むタイヤ用ゴム組成物では、タイヤの操縦安定性、グリップ性能、ウエットグリップ性能、耐摩耗性能などの各種性能を向上させるため、様々なゴム組成物が開示されている。
【0003】
例えば、特許文献1、2では、ジエン系ゴムと、スチレン−ジエン−スチレン共重合体を部分的に水添したエラストマーと、芳香族変性テルペン樹脂などを含むタイヤトレッドゴム組成物が開示されている。
【0004】
上記のスチレン−ジエン−スチレン共重合体を部分的に水添したエラストマーは、タイヤ用ゴム組成物における、ウエット性能、高温状態でのゴム硬度、弾性率、ゴム強度を改良することができるため、タイヤの操縦安定性などの性能を向上できることが記載されている。そして、上記の芳香族変性テルペン樹脂は、ジエン系のゴムとの相溶性が良好であるため、タイヤ用ゴム組成物における、ウエット性能を向上できることが記載されている。
【0005】
また、テルペン樹脂を含む組成物としては、特許文献3に記載のタイヤ用ゴム組成物や、特許文献4に記載の圧延多層タイヤインナー製品用の接着剤組成物が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2014−189697号公報
【特許文献2】特開2014−189698号公報
【特許文献3】特許第5815708号公報
【特許文献4】特表2015−502882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一方、市場では、ゴム組成物を用いてなる空気入りタイヤにおいて、よりウエットグリップ性能、ゴム硬度、耐摩耗性に優れたものが求められているが、上記の特許文献1〜3のようなゴム組成物から得られた空気入りタイヤなどの加硫ゴムでは、当該特性を満足するものではなかった。
【0008】
本発明は、上記の実情に鑑みてなされたものであり、優れたウエットグリップ性能、ゴム硬度、耐摩耗性を有する加硫ゴムが得られるゴム組成物の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、ジエン系ゴムと、樹脂と、スチレン系熱可塑性エラストマーを含むゴム組成物の製造方法であって、前記樹脂が、非芳香族系テルペン樹脂、および脂肪族系石油樹脂のいずれか1つ以上であり、前記樹脂と前記スチレン系熱可塑性エラストマーを混合して混練物を製造する工程と、得られた混練物と前記ジエン系ゴムを混合する工程を含むことを特徴とするゴム組成物の製造方法、に関する。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るゴム組成物の製造方法における効果の作用メカニズムの詳細は不明な部分があるが、以下のように推測される。但し、本発明は、この作用メカニズムに限定して解釈されなくてもよい。
【0011】
本発明のゴム組成物の製造方法は、ジエン系ゴムと、非芳香族系テルペン樹脂および脂肪族系石油樹脂のいずれか1つ以上である樹脂と、スチレン系熱可塑性エラストマーを含むゴム組成物の製造方法であり、前記樹脂と前記スチレン系熱可塑性エラストマーを混合して混練物を製造する工程と、得られた混練物と前記ジエン系ゴムを混合する工程を含む。前記樹脂は、前記スチレン系熱可塑性エラストマーと部分的に相溶(スチレンのセグメントではないソフトセグメント部分に相溶)するため、混練物中の前記スチレン系熱可塑性エラストマーの低温のガラス転移温度のみが0℃付近にシフトされ、当該加硫ゴムのウエットグリップ性能、ゴム硬度、耐摩耗性が向上するものと推定される。
【0012】
また、ジエン系ゴムのゴム成分と、上記のスチレン系熱可塑性エラストマーは非相溶であるため、ゴム成分のガラス転移温度は変化しないものと推定される。
【0013】
一方、上記樹脂として、芳香族を含むものを用いた場合、当該芳香族を含む樹脂は、上記のスチレン系熱可塑性エラストマーと完全に相溶してしまうため、上記の本発明の効果は発現し難いものと推定される。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<ゴム組成物の製造方法>
本発明のゴム組成物の製造方法は、ジエン系ゴムと、樹脂と、スチレン系熱可塑性エラストマーを含むゴム組成物の製造方法であって、前記樹脂が、非芳香族系テルペン樹脂、および脂肪族系石油樹脂のいずれか1つ以上であり、前記樹脂と前記スチレン系熱可塑性エラストマーを混合して混練物を製造する工程(以下、第1工程とも称す)と、得られた混練物と前記ジエン系ゴムを混合する工程(以下、第2工程とも称す)を含む。
【0015】
前記ジエン系ゴムは、例えば、天然ゴム(NR)や、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、ブチルゴム(IIR)アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)などの合成ジエン系ゴムが挙げられる。ジエン系ゴムは、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
【0016】
前記樹脂は、その分子中に芳香族化合物を含まない、非芳香族系テルペン樹脂、および脂肪族系石油樹脂のいずれか1つ以上である。樹脂は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
【0017】
前記非芳香族系テルペン樹脂としては、例えば、α−ピネン重合体、β−ピネン重合体、ジペンテン重合体などのテルペン系樹脂;これらのテルペン系樹脂を変性(水素添加変性、炭化水素変性など)した変性テルペン樹脂(例えば、水添テルペン樹脂、炭化水素変性テルペン樹脂など)などが挙げられる。
【0018】
前記脂肪族系石油樹脂としては、例えば、炭素数4〜5個相当の石油留分(C5留分)であるイソプレンやシクロペンタジエンなどの不飽和モノマーをカチオン重合することにより得られる樹脂(C5系石油樹脂とも称す)、およびその水添したものが挙げられる。
【0019】
前記樹脂は、軟化点が、50℃以上が好ましく、70℃以上がより好ましく、そして、180℃以下であることが好ましく、160℃以下であることがより好ましい。なお、軟化点は、JIS K2207に記載の環球式に準拠して、測定される。
【0020】
前記スチレン系熱可塑性エラストマーは、ポリスチレンブロックとポリオレフィン構造のエラストマーブロックで構成されたコポリマーであり、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー(SIS)、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロックコポリマー(SEBS)、及びスチレン−エチレン・プロピレン−スチレンブロックコポリマー(SEPS)など、また、これらの水添したもの(水添スチレン系熱可塑性エラストマー)が挙げられる。これらの中でも、前記樹脂との相溶性の観点から、SEBS、SEPSが好ましい。スチレン系熱可塑性エラストマーは、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
【0021】
前記スチレン系熱可塑性エラストマーは、ウエット性能向上の観点から、ガラス転移温度が、−70℃〜0℃であることが好ましく、−60℃〜−5℃であることがより好ましく、−50℃〜−10℃であることがさらに好ましい。
【0022】
<第1工程>
本発明の第1工程は、前記樹脂と前記スチレン系熱可塑性エラストマーを混合して混練物を製造する工程である。
【0023】
前記第1工程において、前記樹脂は、各物性(ウエットグリップ性能、ゴム硬度、耐摩耗性)向上の観点から、前記スチレン系熱可塑性エラストマー100重量部に対して、20〜200重量部であることが好ましく、30〜150重量部であることがより好ましく、40〜120重量部であることがさらに好ましい。
【0024】
前記第1工程において、前記樹脂と前記スチレン系熱可塑性エラストマーの混合方法は、特に限定されないが、通常、乾式混合で行うことが好ましい。乾式混合としては、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなどの通常のゴム工業において使用される混練機を用いて混練りする方法が挙げられる。混練りする回数は、1回または複数回であってもよい。混練りする時間は、使用する混練機の大きさなどによって異なるが、通常、2〜5分程度とすればよい。また、混練機の排出温度は、120〜170℃とすることが好ましく、120〜150℃とすることがより好ましい。
【0025】
<第2工程>
本発明の第2工程は、上記で得られた混練物と前記ジエン系ゴムを混合する工程である。
【0026】
前記第2工程において、前記混練物は、各物性向上の観点から、前記ジエン系ゴム(ゴム組成物に含まれるゴム成分)100重量部に対して、2〜50重量部であることが好ましく、4〜40重量部であることがより好ましく、8〜30重量部であることがさらに好ましい。
【0027】
また、前記第2工程において、前記混練物に含まれる前記樹脂は、前記ジエン系ゴム(ゴム組成物に含まれるゴム成分)100重量部に対して、1〜25重量部であることが好ましく、2〜20重量部であることがより好ましく、4〜15重量部であることがさらに好ましい。
【0028】
また、前記第2工程において、前記混練物に含まれる前記スチレン系熱可塑性エラストマーは、前記ジエン系ゴム(ゴム組成物に含まれるゴム成分)100重量部に対して、1〜25重量部であることが好ましく、2〜20重量部であることがより好ましく、4〜15重量部であることがさらに好ましい。
【0029】
前記第2工程において、前記混練物と前記ジエン系ゴムの混合方法は、特に限定されないが、通常、乾式混合で行うことが好ましい。乾式混合としては、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなどの通常のゴム工業において使用される混練機を用いて混練りする方法が挙げられる。混練りする回数は、1回または複数回であってもよい。混練りする時間は、使用する混練機の大きさなどによって異なるが、通常、2〜5分程度とすればよい。また、混練機の排出温度は、120〜170℃とすることが好ましく、120〜150℃とすることがより好ましい。なお、混練機の排出温度は、ゴム組成物に後述する硫黄系加硫剤、加硫促進剤などの加硫系成分を含む場合、80〜110℃とすることが好ましく、80〜100℃とすることがより好ましい。
【0030】
<各種配合剤>
本発明のゴム組成物の製造方法(第1および/または第2工程)では、さらに、各種配合剤を用いることができる。使用可能な配合剤としては、例えば、硫黄系加硫剤(第2工程)、加硫促進剤(第2工程)、老化防止剤(第1および/または2工程)、カーボンブラック(第1および/または第2工程)、シリカ(第2工程)、シランカップリング剤(第2工程)、酸化亜鉛(第1および/または第2工程)、メチレン受容体およびメチレン供与体(第1および/または第2工程)、ステアリン酸(第1工程および/または第2工程)、加硫促進助剤(第2工程)、加硫遅延剤(第2工程)、有機過酸化物(第2工程)、ワックスやオイルなどの軟化剤(第2工程)、加工助剤(第1および/または第 2工程)などの通常ゴム工業で使用される配合剤が挙げられる。
【0031】
前記硫黄系加硫剤としての硫黄は、通常のゴム用硫黄であればよく、例えば、粉末硫黄、沈降硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などを用いることができる。硫黄系加硫剤は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
【0032】
前記硫黄の含有量は、前記ジエン系ゴム(ゴム組成物に含まれるゴム成分)100重量部に対して0.3〜6.5重量部であることが好ましい。硫黄の含有量が0.3重量部未満であると、加硫ゴムの架橋密度が不足してゴム強度などが低下し、6.5重量部を超えると、特に耐熱性および耐久性の両方が悪化する。加硫ゴムのゴム強度を良好に確保し、耐熱性と耐久性をより向上するためには、硫黄の含有量が前記ジエン系ゴム100重量部に対して1.0〜5.5重量部であることがより好ましい。
【0033】
前記加硫促進剤としては、通常のゴム用加硫促進剤であればよく、例えば、スルフェンアミド系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤、チアゾール系加硫促進剤、チオウレア系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤、ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤などが挙げられる。加硫促進剤は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
【0034】
前記加硫促進剤の含有量は、前記ジエン系ゴム(ゴム組成物に含まれるゴム成分)100重量部に対して1〜5重量部であることが好ましい。
【0035】
前記老化防止剤としては、通常のゴム用老化防止剤であればよく、例えば、芳香族アミン系老化防止剤、アミン−ケトン系老化防止剤、モノフェノール系老化防止剤、ビスフェノール系老化防止剤、ポリフェノール系老化防止剤、ジチオカルバミン酸塩系老化防止剤、チオウレア系老化防止剤などが挙げられる。老化防止剤は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
【0036】
前記老化防止剤の含有量は、前記ジエン系ゴム(ゴム組成物に含まれるゴム成分)100重量部に対して1〜5重量部であることが好ましい。
【0037】
前記カーボンブラックとしては、特に限定されず、例えば、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPFなど、通常のゴム工業で使用されるカーボンブラックの他、アセチレンブラックやケッチェンブラックなどの導電性カーボンブラックを使用することができる。カーボンブラックは、通常のゴム工業において、そのハンドリング性を考慮して造粒された、造粒カーボンブラックであってもよく、未造粒カーボンブラックであってもよい。カーボンブラックは、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
【0038】
前記カーボンブラックの含有量は、前記ジエン系ゴム(ゴム組成物に含まれるゴム成分)100重量部に対して、5〜50重量部であることがより好ましく、10〜30重量部であることがさらに好ましい。
【0039】
前記シリカとしては、補強性のフィラーとして使用できるものであれば何ら限定されるものではないが、湿式シリカ(含水ケイ酸)が好ましい。シリカのコロイダル特性も、特に限定されるものではないが、BET法による窒素吸着比表面積(BET)が150〜250m2/gであるものが好ましく、180〜230m2/gであるものがより好ましい。なお、シリカのBETはISO 5794に記載のBET法に準拠し測定される。シリカは、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
【0040】
前記シリカの含有量は、前記ジエン系ゴム(ゴム組成物に含まれるゴム成分)100重量部に対して、40〜100重量部であることがより好ましく、50〜80重量部であることがさらに好ましい。
【0041】
前記シランカップリング剤としては、通常のゴム用シランカップリング剤であればよく、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエキトシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィドなどのスルフィドシラン;3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルジメチルメトキシシラン、メルカプトエチルトリエトキシシランなどのメルカプトシラン;3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン、3−プロピオニルチオプロピルトリメトキシシランなどの保護化メルカプトシランなどが挙げられる。シランカップリング剤は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
【0042】
前記シランカップリング剤の含有量は、その添加効果を十分に発揮させる観点から、前記シリカ重量の2重量%以上であることが好ましく、4重量%以上であることがより好ましく、そして、20重量%以下であることが好ましく、15重量%以下であることがより好ましい。
【0043】
前記各種配合剤の配合(添加)において、その配合方法は特に限定されないが、例えば、硫黄系加硫剤および加硫促進剤などの加硫系成分以外の成分を、任意の順序で添加し混練する方法、同時に添加して混練する方法、また、全成分を同時に添加して混練する方法などが挙げられる。
【0044】
本発明のゴム組成物から得られた加硫ゴムは、良好なウエットグリップ性能、ゴム硬度、耐摩耗性を有するため、空気入りタイヤ用途に適している。
【実施例】
【0045】
以下に実施例をあげて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例によりなんら限定されるものではない。
【0046】
<使用原料>
a)非芳香族系テルペン樹脂:「YSレジンPX1250」(軟化点:125℃、ヤスハラケミカル社製)
b)脂肪族系樹脂:「クイントンM100」(95℃、日本ゼオン社製)
c)芳香族系テルペン樹脂:「YSレジンTO125」(軟化点:125℃、ヤスハラケミカル社製)
d)スチレン系熱可塑性エラストマー:
スチレン系熱可塑性エラストマー(1):「セプトンS063」(SEPS、ガラス転移温度:−50℃、クラレ社製)
スチレン系熱可塑性エラストマー(2):「S.O.E.S1606」(SEBS、ガラス転移温度:−13℃、旭化成社製)
e)スチレン−ブタジエンゴム(SBR):「SBR1502」(JSR社製)
f)シリカ:「ニップシールAQ」(BET:205m2/g、東ソー・シリカ社製)
g)カーボンブラック:「シーストKH」(東海カーボン社製)
h)シランカップリング剤:「Si75」(エボニック・デグサ社製)
i)亜鉛華:「亜鉛華1号」(三井金属社製)
j)老化防止剤:「ノクラック6C」(大内新興化学工業社製)
k)ステアリン酸:「ルナックS−20」(花王社製)
l)ワックス:「OZOACE0355」(日本精蝋社製)
m)硫黄:「5%油入微粉末硫黄」(鶴見化学工業社製)
n)加硫促進剤:「ソクシールCZ」(住友化学社製)
【0047】
<実施例1>
<混練物の製造>
表1に記載の第1工程における、非芳香族系テルペン樹脂と、スチレン系熱可塑性エラストマー(1)を、2軸ロールを用いて乾式混合(混練り時間:3分、排出温度:120℃)することにより、混練物を製造した。
【0048】
<ゴム組成物の製造>
次いで、表1に記載の第2工程における、各原料(硫黄と加硫促進剤を除く成分)を、バンバリーミキサーを用いて乾式混合(混練り時間:3分、排出温度:150℃)することにより、ゴム組成物を製造した。次いで、得られたゴム組成物に、表1に記載の硫黄、加硫促進剤を加え、バンバリーミキサーを用いて乾式混合(混練り時間:1分、排出温度:90℃)することにより、未加硫ゴム組成物を製造した。なお、表1中の配合比率は、ジエン系ゴムのゴム成分を100重量部としたときの重量部(phr)で示す。
【0049】
<実施例2〜12>
各原料の種類とその配合量を表1に示すように変えたこと以外は、実施例1と同様の方法により、混練物および未加硫ゴム組成物を製造した。
【0050】
<比較例1〜11>
表2に記載の第2工程における、非芳香族系テルペン樹脂、スチレン系熱可塑性エラストマーなどを含む各原料(硫黄と加硫促進剤を除く成分)を、バンバリーミキサーを用いて乾式混合(混練り時間:3分、排出温度:150℃)することにより、ゴム組成物を製造した。次いで、得られたゴム組成物に、表1に記載の硫黄、加硫促進剤を加え、バンバリーミキサーを用いて乾式混合(混練り時間:1分、排出温度:90℃)することにより、未加硫ゴム組成物を製造した。
【0051】
<比較例12>
各原料の種類とその配合量を表2に示すように変えたこと以外は、実施例1と同様の方法により、混練物および未加硫ゴム組成物を製造した。
【0052】
上記の実施例及び比較例で得られた未加硫ゴム組成物を、150℃、30分間の条件で加硫することにより、加硫ゴムを製造した。得られた加硫ゴムについて以下の評価を行った。評価結果を表1および2に示す。
【0053】
<ウエットグリップ性能の評価>
ウエットグリップ性能の評価は、得られた加硫ゴムの試験片において、UBM社製レオスペクトロメーターE4000を用いて、周波数10Hz、静歪み10%、動歪み2%、温度0℃の条件で損失係数tanδ(0℃でのtanδ)を測定し、比較例1の値を100とした指数で表示した。0℃でのtanδは、湿潤路面に対するグリップ性能の指標として一般に用いられているものであり、指数が大きいほど、tanδが大きく、ウエットグリップ性能に優れることを示す。
【0054】
<ゴム硬度の評価>
ゴム硬度の評価は、得られた加硫ゴムの試験片において、JIS K6253に準拠して、デュロメーターのタイプAにより温度23℃での硬度を測定し、比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が大きいほど、常温での硬度が高く、ゴム硬度に優れることを示す。
【0055】
<耐摩耗性の評価>
耐摩耗性の評価は、得られた加硫ゴムの試験片において、JIS K6264に準拠して、岩本製作所(株)製のランボーン摩耗試験機を用いて、荷重40N、スリップ率30%、温度23℃、落砂量20g/分で摩耗減量を測定し、摩耗減量の逆数について、比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が大きいほど、摩耗減量が少なく、耐摩耗性に優れることを示す。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】