(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記フェアリングカムが第3のジョイントを更に備え、前記フェアリング駆動アセンブリが、前記第3のジョイントと旋回可能に連結された支持支柱を更に備え、前記支持支柱が、前記フラップ支持引張梁とも旋回可能に連結されるように構成され、且つ
前記第3のジョイントが、前記フェアリングカムの本体の先端の近くに配置されたカム中央ジョイントを備える、請求項1に記載のフェアリング駆動アセンブリ。
前記フェアリングカムが第3のジョイントを更に備え、前記フェアリング駆動アセンブリが、前記第3のジョイントと旋回可能に連結された支持支柱を更に備え、前記支持支柱が前記翼の前記固定された本体から延在するフラップ支持構造体の前記フラップ支持引張梁とも旋回可能に連結され、且つ
前記第3のジョイントが、前記フェアリングカムの本体の先端の近くに配置されたカム中央ジョイントを備える、請求項6に記載の翼アセンブリ。
前記翼内の固定された構造体に固定された駆動システムを更に備え、前記駆動システムが、前記フラップアセンブリに連結され、且つ、前記駆動システムが、前記後退位置と前記完全に拡張された位置との間で前記フラップアセンブリを駆動するように構成される、請求項6〜12のいずれか一項に記載の翼アセンブリ。
【発明を実施するための形態】
【0013】
上記の概要、及び特定の実施形態の以下の詳細な説明は、添付の図面を参照して読むことにより、より深く理解される。本明細書で使用される「一(a)」又は「1つの(an)」に続く単数形の要素又はステップは、複数の当該要素又はステップを必ずしも除外しないものと理解されたい。更に、「一実施形態」への言及は、追加の実施形態の存在を除外すると解釈されることを意図せず、それら追加の実施形態もまた、本明細書に記載の特性を内包する。更に、逆に明示的に記述されない限り、特定の性質を有する1以上の要素を「備える」、「含む」、又は「有する」実施形態は、その性質を有しない追加の要素を含み得る。
【0014】
本開示の特定の実施形態は、航空機の翼のフラップアセンブリをフェアリングに連結させる、フェアリング駆動アセンブリを提供する。フェアリング駆動アセンブリは、翼のフラップ支持リンクの後端に固定され得る。後退位置と完全に拡張された位置との間でフラップアセンブリが移動する際に、フラップアセンブリの動きの範囲から出るようにフェアリングの後端を駆動させるように、フェアリング駆動アセンブリが構成される。
【0015】
本開示の実施形態は、(引張バネなどの)バネを持ち得ない、それによって、費用及び重量を低減させ得る、フェアリング駆動アセンブリを提供する。フェアリング駆動アセンブリは、フラップアセンブリから離れるようにフェアリングを拡張させるように構成され、一方で、フェアリングが後退位置でオーバートラベル(over−travel)する可能性を、妨げる又はさもなければ低減させもする。そのようにして、フェアリング駆動アセンブリは、翼構成要素に対する損傷の可能性を最小化し又は低減させる。
【0016】
本開示の特定の実施形態は、バネを持たない航空機のフラップ及びフェアリング支持リンケージなどの、フェアリング駆動アセンブリを提供する。フェアリング駆動アセンブリは、フェアリングカムを含み、フェアリングカムは、3つのジョイントを含み得る。フラップリンクは、カムクラウンジョイントを、フラップ支持機構の主要なフラップ搬送梁と旋回可能に連結させ得る。フラップリンク支柱は、クラウンジョイントを、フラップ支持機構のフラップ支持旋回リンクに連結させ得る。フェアリングカム支持支柱は、カム中央ジョイントを、フラップ支持機構のフラップ支持引張梁に連結させ得る。フェアリング駆動アームは、カムフォアジョイントをフェアリングに連結させ得る。フェアリングカムは、主要なフラップ搬送梁の駆動に際して回転し、且つ、フラップ支持機構から離れるようにフェアリングを拡張させるように構成される。
【0017】
本開示の特定の実施形態は、3つのジョイントを有するフェアリングカムを含み得る、フェアリング駆動アセンブリを提供する。フェアリングカムは、第1のジョイントにおいてフラップ支持アセンブリと旋回可能に連結され、フラップ支持アセンブリは、フラップアセンブリが拡張されたときに、第2のジョイントの周りでフェアリングカムを回転させ且つ駆動するように構成され得る。フェアリング駆動アームは、第3のジョイントと旋回可能に連結され得る。フェアリング駆動アームは、フェアリングとも旋回可能に連結されるように構成され得る。フェアリングカムは、フラップアセンブリの駆動に際して回転し、且つ、フラップアセンブリから離れるようにフェアリングを逸らすように構成される。フェアリング駆動アセンブリは、バネを持っていなくてもよい。
【0018】
図1は、本開示の一実施形態による、航空機100の前面斜視図を示す。航空機100は、例えば、2つのターボファンエンジン112を含み得る推進システムを含み得る。任意選択的に、推進システムは、図示したものよりも多くのエンジン112を含み得る。エンジン112は、航空機100の翼116によって支持される。他の実施形態では、エンジン112は、胴体118及び/又は尾部120によって支持され得る。尾部120は、水平安定板122と、垂直安定板124も支持し得る。翼116、水平安定板122、及び垂直安定板124は、各々、1以上の操縦翼面を含み得る。
【0019】
各翼116は、1以上のフラップを含み、1以上のフラップは、高揚力面を提供し得る。各翼116は、1以上のフェアリングも含み得る。例えば、フラップ及びフェアリングは、翼116の後端部上及び/又は後端部内に配置され得る。
【0020】
図2は、本開示の一実施形態による、フラップ支持機構202に連結されたフェアリング駆動アセンブリ200の前面図を示す。フェアリング駆動アセンブリ200とフラップ支持機構202は、
図1で示された航空機100の翼116などの、航空機の翼アセンブリの後端において及び/又は後端内に配置され得る。
【0021】
フェアリング駆動アセンブリ200は、フェアリングカム204の何れかの側部で、(支持支柱206と呼ばれる)2つのフェアリングカム支持支柱206と旋回可能に連結された、フェアリングカム204を含み得る。例えば、フェアリングカム204は、旋回軸210を画定する、カム中央ジョイント208などの、第1のジョイントを含み得る。各支持支柱206は、カム中央ジョイント208と旋回可能に連結され且つ旋回軸210の周りで回転するように構成された、カム連結端212を含み得る。カム連結端212は、中間体216を介して、フラップ支持連結端214に連結されている。カム連結端212と中間体216は、フラップアセンブリとフラップ支持機構に対する(
図4で示される)フェアリング306の垂直方向の調整を可能にする。カム連結端212は、例えば、金属から形成され得る、棒、ストラップ、梁、又は他のそのような硬い構造体であり又はそれらを含み得る。フラップ支持連結端214は、フラップ支持引張梁218などにおいて、フラップ支持機構202と旋回可能に連結されている。任意選択的に、フェアリング駆動アセンブリ200は、2つの支持支柱206の代わりに、単一の支持支柱206を含み得る。
【0022】
図2で示されるように、フェアリング駆動アセンブリ200が拡張された位置へ駆動される際に、フラップリンク支柱250がフラップ支持連結端214を通り過ぎるように、支持支柱206が構成され得る。以下で説明されるように、フェアリング駆動アセンブリ200は、フェアリングカム204の、カムフォアジョイントなどの、第2のジョイントと旋回可能に連結されているカム連結端とフェアリングに連結されているフェアリング連結端とを有する、(
図2で示されていない)フェアリング駆動アームも含み得る。更に、フェアリング駆動アセンブリ200は、フェアリングカム204の、カムクラウンジョイントなどの、第3のジョイントを、フラップアセンブリの主要なフラップ搬送梁と旋回可能に連結し得る、フラップリンクを含み得る。
【0023】
図3は、本開示の一実施形態による、フェアリング駆動アセンブリ200の側面図を示す。フェアリングカム204は、三角形状を有し得る本体222を含み、それは、3つの旋回ジョイントを含み得る。フェアリングカム204は、3つの旋回ジョイントを有する金属プレートとして形成され、それらの各々は、例えば、以下で説明されるように、支持支柱206、フェアリング駆動アーム220、及びフラップリンクの端部において、往復部材と回転可能に連結されるように構成される。本体222は、今度は、先端230において後縁228に連結されている、角度が付けられた端部226と連結されている、直線端部224を含み得る。カム中央ジョイント208は、角度が付けられた端部226と後縁228との結合部分において先端230の近くに配置され得る。支持支柱206は、カム中央ジョイント208と旋回可能に連結され且つ旋回軸210の周りで回転するように構成された、カム連結端212を含む。上述されたように、カム連結端212は、中間体216を介してフラップ支持連結端214に連結されている。フラップ支持連結端214は、(
図2で示される)フラップ支持引張梁218の(ベアリング、軸などの)旋回インターフェースと旋回可能に連結されるように構成される。
【0024】
フェアリング駆動アーム220は、フェアリングカム204のカムフォアジョイント234と旋回可能に連結されている、カム連結端232を含み得る。カムフォアジョイント234は、直線端部224と角度が付けられた端部226との結合部分の近くに配置され得る。カム連結端232は、拡張梁237を介して、フェアリング連結端236に連結されている。フェアリング駆動アーム220は、例えば、金属から形成され得る、棒、ストラップ、梁、又は他のそのような硬い構造体であり又はそれらを含み得る。カム連結端232とフェアリング連結端236は、拡張梁237の両端に配置されている。フェアリング連結端236は、旋回インターフェースなどを介して、フェアリングと旋回可能に連結されるように構成され、旋回インターフェースは、ベアリング及び/又は軸を含み得る。
【0025】
上述されたように、フェアリング駆動アセンブリ200は、フェアリングカム204のカムクラウンジョイント244と旋回可能に連結され得る、カム連結端242を有するフラップリンク240も含み得る。カムクラウンジョイント244は、フェアリングカム204の直線端部224と後縁228との結合部分の近くに配置され得る。フラップリンク240のカム連結端242は、拡張梁248を介して、フラップ連結端246に連結されている。フラップリンク240は、例えば、金属から形成され得る、棒、ストラップ、梁、又は他のそのような硬い構造体であり又はそれらを含み得る。カム連結端242とフラップ連結端246は、拡張梁248の両端に配置されている。フラップ連結端246は、フラップ支持機構の主要なフラップ搬送梁と旋回可能に連結されるように構成される。
【0026】
フェアリング駆動アセンブリ200は、拡張梁256を介して、フラップ支持連結254に連結された、カム連結端252を有するフラップリンク支柱250も含み得る。フラップリンク支柱250は、例えば、金属から形成され得る、棒、ストラップ、梁、又は他のそのような硬い構造体であり又はそれらを含み得る。カム連結端252とフラップ支持連結254は、拡張梁256の両端に配置されている。カム連結端252は、カムクラウンジョイント244とも旋回可能に連結され、一方、フラップ支持連結254は、フラップ支持機構の一部分と旋回可能に連結されるように構成される。
【0027】
図4は、本発明の一実施形態による、フラップアセンブリ300が後退位置にある(
図1で示された)航空機100の翼116などの、翼アセンブリの後端の側面内部図を示す。翼116は、固定された本体302と、固定された本体302と可動に固定されたフラップアセンブリ300とを含み得る。フェアリング306は、本体302とフラップアセンブリ300に連結され得る。フェアリング306は、本体302とフラップアセンブリ300の下に位置決めされ得る。フェアリング306は、翼116の内部構成要素を覆う空気力学的に形作られた外面308を含み、航空機の動作の間に抵抗を低減させるように構成され得る。
【0028】
フラップアセンブリ300は、離陸、上昇、下降、及び着陸などに際して、揚力面を提供するために、外向きに且つ下向きに駆動されるように構成された、主要なフラップ310と外側フラップ312を含み得る。
図4で示されるように、フラップアセンブリ300は、後退位置にあり、それは、抵抗を低減させ、航空機が巡航高度にある間に使用され得る。
【0029】
フラップ支持機構202は、フラップ支持引張梁218を含み得る6つの棒のフラップ支持機構であり、フラップ支持引張梁218は、フラップアセンブリ300に対して支持を提供するように構成され得る。任意選択的に、フラップ支持引張機構202は、6つの棒よりも多く又は少なく、4つ又は7つなどの棒のフラップ支持構造体を有し得る。
【0030】
示されているように、フェアリング駆動アセンブリ200は、フェアリング306及びフラップ支持機構202と旋回可能に連結されている。フラップリンク240のフラップ連結端246は、フラップ支持機構202の主要なフラップ搬送梁320と旋回可能に連結されている。
【0031】
支持支柱206のフラップ支持連結端214は、(
図2で示される)フラップ支持引張梁218と旋回可能に連結されている。例えば、フラップ支持連結端214は、フラップ支持引張梁218の遠位端322と旋回可能に連結され得る。フェアリング駆動アーム220のフェアリング連結端236は、フェアリング306の遠位部分326に連結されている。フラップリンク支柱250のフラップ支持連結254は、遠位端322から内側であり得るフラップ支持引張梁218の一部分と旋回可能に連結されている。
【0032】
翼116は、翼116内の(スパーなどの)固定された構造体352に固定された、駆動システム350も含み得る。駆動システム350は、
図4で示された後退位置と
図5で示される完全に拡張された位置との間で、フラップアセンブリ300を駆動させるように構成される。フラップアセンブリ300の動きの間に、フェアリング駆動アセンブリ200は、(駆動システム350の動作を介して)フラップアセンブリ300の動きの範囲から外へ受動的にフェアリングを移動させる。そのようにして、フェアリング駆動アセンブリ200は、フェアリング306が、フラップアセンブリ300の動作と干渉しないことを保証する。
【0033】
図5は、本開示の一実施形態による、フラップアセンブリ300が完全に拡張された位置にある(
図1で示された)航空機100の翼116の後端の側面内部図を示す。
図4及び
図5を参照すると、フラップアセンブリ300を完全に拡張された位置へ駆動するために、駆動システム350が、駆動システム350を固定された構造体352に連結させるリンク360を含む。リンク360は、フラップアセンブリ300を完全に拡張された位置へ拡張するトランスミッションシリンダー362と、リンク360をフラップ支持引張梁218に連結させるシリンダー363とに連結されている。完全に拡張された位置では、主要なフラップ310が、外側フラップ312から分離されている。そのような動きの間に、フェアリング駆動アセンブリ200は、様々な旋回連結の周りで回転し、フェアリング306をフラップアセンブリ300から下へ且つ外へ逸らす。そのようにして、フラップアセンブリ300の動きの全範囲を通して、フェアリング駆動アセンブリ200は、フェアリング306が、フラップアセンブリ300と接触しない又はさもなければ干渉しないことを保証する。
【0034】
フラップアセンブリ300が、(
図4で示された)後退位置から(
図5で示される)完全に拡張された位置へ駆動される際に、フェアリングカム204が下向きに回転する。支持支柱206は、フラップ支持引張梁218及びフェアリングカム204に対して、旋回しつつ回転する。それと同時に、フェアリングカム204は、(
図4及び
図5で示される)フラップリンク支柱250の周りで下向きに回転し得る。
【0035】
フラップアセンブリ300の動きは、フラップリンク240が、同様な方向へ回転し、フェアリングカム204に対して旋回することをもたらす。示されるように、主要なフラップ搬送梁320が、円弧Aの方向へ外向き且つ下向きに回転される際に、フラップリンク240のフラップ連結端246が、それに応じて外向きに移動し、一方、カム連結端242は、それがフェアリングカム204と旋回可能に連結されているので、円弧Bの方向へ内向き且つ下向きに移動し得る。それと同時に、フェアリング駆動アーム220は、フェアリングカム204の周りで下向き且つ内向きに旋回及び拡張され、フェアリング306をフラップアセンブリ300から離れるように下向きに逸らす。したがって、フェアリング駆動アセンブリ200は、フラップアセンブリが(
図4で示された)後退位置から(
図5で示される)完全に拡張された位置への間で駆動される際に、フラップアセンブリ300から離れるようにフェアリング306を逸らすことを保証する。
【0036】
図6は、本開示の一実施形態による、主要なフラップ搬送梁320、フラップ支持引張梁218、及びフェアリング306に連結された、後退位置にあるフェアリング駆動アセンブリ200の側面図を示す。示されているように、後退位置では、フラップリンク240とフェアリングカム204が、ほぼ直線的な配置を形成し得る。(
図4及び
図5で示されたように)フラップアセンブリ300が、円弧Aの方向において拡張位置へと駆動される際に、フラップ連結端246は、円弧Aの方向において主要なフラップ搬送梁320に対して旋回し、一方、カム連結端242は、カムクラウンジョイント244の周りで旋回する。それに応じて、フェアリングカム204が、円弧Aの方向において下向きに旋回し、フェアリング駆動アーム220は、それに応じてカム連結端232を介してカムフォアジョイント234に対して旋回する。
図6で示されるように、翼は、主要なフラップ搬送梁320をフラップ支持引張梁218と旋回可能に連結させ得る、フラップ支持旋回リンキング棒380を含み得る。
【0037】
図7は、本開示の一実施形態による、中間位置にあるフェアリング駆動アセンブリ200の側面図を示す。中間位置は、(
図6で示された)後退位置と(
図8で示される)完全に拡張された位置との間の位置である。フラップリンク240のフラップ連結端246が円弧Aの方向において上向き且つ外向きに旋回される際に、カム連結端242とカムクラウンジョイント244との間の連結が、旋回しつつ回転し、フェアリングカム204を移動させる。それによって、フラップリンク240の外側端部とフェアリングカム204との間に、角度θが形成される。角度θは、(角度θが180度により近い)後退位置におけるよりも中間位置において小さい。円弧Aの方向において完全に拡張された位置へ向かうフェアリング駆動アセンブリ200の動きの間に、フェアリング駆動アーム220は、フェアリング306を、(例えば、
図4及び
図5で示された)フラップアセンブリ300から離れるように下向き且つ外向きへ旋回させる。それと同時に、支持支柱206とフラップリンク支柱250は、フラップ支持引張梁218に対してフェアリングカム204を支えるように且つ旋回可能に支持し、フェアリングカム204(又はフェアリング駆動アセンブリ200の任意の他の部分)が、フラップ支持引張梁218に崩れかからないことを保証する(さもなければ、フェアリング駆動アセンブリ200及び/又はフラップ支持引張梁218に対して損傷がもたらされ得る)。
【0038】
図8は、本開示の一実施形態による、完全に拡張された位置にあるフェアリング駆動アセンブリ200の側面図を示す。示されているように、完全に拡張された位置では、フェアリング駆動アーム220が、垂直な位置にあるフェアリングカム204から下向きに延在し得る。フェアリング駆動アーム220のカム連結端232は、カムフォアジョイント234の周りで下向きに旋回し、(
図4及び
図5で示された)フラップアセンブリ300などに対して、フェアリング306を下へ且つ離れるように押す。フェアリング駆動アーム220の外側端面(例えば、フラップ支持引張梁218から遠位に配置された端面)とフェアリングカム204との間の角度αは、後退位置におけるよりも完全に拡張された位置において小さいだろう。例えば、
図6で示されたように、角度αは、ほぼ270度であり得る。対照的に、
図8で示されるように、角度αは、ほぼ135度であり得る。
【0039】
更に、フェアリングカム204の外側端面(例えば、フラップ支持引張梁218から遠位に配置された端面)と
図6及び
図8で示されたフラップリンク240との間の角度θは、ほぼ180度などの同様な大きさであり得る。対照的に、
図7で示されるように、中間位置での角度θは、後退位置及び完全に拡張された位置におけるよりも小さくなり得る。例えば、角度θは、ほぼ150度であり得る。
【0040】
図1〜
図8を参照すると、本開示の実施形態は、航空機の翼のフラップアセンブリに対してフェアリングを旋回可能に連結し得るフェアリング駆動アセンブリを提供する。フェアリング駆動アセンブリは、素早く、効率的で、且つ、比較的少ない数の部品で廉価に製造され得る。例えば、フェアリング駆動アセンブリは、フラップリンクとフェアリング駆動アームに対して旋回可能に連結されたフェアリングカムを含み得る。フェアリング駆動アセンブリは、支持支柱とフラップリンク支柱のうちの1以上も含み得る。フェアリング駆動アセンブリは、引張バネなどのバネを持っていなくてもよい。
【0041】
本開示の実施形態は、フェアリングを航空機の1以上のフラップに連結させる、単純で、効率的で、且つ費用効果に優れたリンクを提供する。更に、本開示の実施形態は、フェアリングを航空機の1以上のフラップに連結させるように構成された、比較的軽いリンクを提供する。
【0042】
本開示の実施形態の説明のために、上部、底部、下方、中央、横方向、水平、垂直、前方などの空間及び方向に関する様々な語が用いられているが、そのような語は図面で示す方向に対するものとして用いられているにすぎないことを理解されたい。向きを、反転させる、回転させる、又はそうでなければ、上部が下部に、また下部が上部になるように、また水平が垂直になるように変化させることができる。
【0043】
本明細書で使用する、作業又は工程を実施する「ように構成される」構造、限定事項、又は要素は、特に作業又は工程に対応する方法で構造的に形成、構成、又は適合されている。明確さのため、及び誤解を避けるために、作業又は工程を実施するために変更可能であるに過ぎない対象物は、本明細書で使用する作業又は工程を実施する「ように構成」されてはいない。
【0044】
上記の説明は、制限ではなく例示を意図するものであることを、理解されたい。例えば、上述の実施形態(及び/又はそれらの態様)は、互いに組み合わせて使用され得る。加えて、本開示の様々な実施形態の範囲から逸脱することなく、特定の状況又は材料に適応させるために、様々な実施形態の教示に多数の改変を加え得る。本明細書に記載の材料の形状寸法及びタイプは、本開示の様々な実施形態のパラメータを規定することを意図しており、これらの実施形態は限定的なものではなく例示的な実施形態である。上記の記載を精査することにより、当業者には他の多くの実施形態が明らかであろう。本開示の様々な実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲、並びに、かかる特許請求の範囲が認められる均等物の全範囲を参照して、決定されるべきである。添付の特許請求の範囲において、「含む(including)」及び「そこにおいて(in which)という用語は、それぞれ、「備える(comprising)」及び「そこで(wherein)」という用語の、明白な同義語として使用される。また、「第1」、「第2」、及び「第3」等の用語は単に符号として使用され、それらの対象物に数的要件を課すことを意図するものではない。更に、以下の特許請求の範囲の限定は、ミーンズ・プラス・ファンクション書式で記述されておらず、かかる特許請求の範囲の限定が、更なる構造のない機能の記述が後続する「のための手段(means for)」という言い回しを明示的に使用しない限り、米国特許法第112条、段落(f)、35に基づいて解釈されることを意図するものではない。
【0045】
更に、本開示には下記の条項による実施形態が含まれる。
条項1
航空機の翼のフラップアセンブリを前記翼のフェアリングに連結させるように構成されたフェアリング駆動アセンブリであって、
第1のジョイントと第2のジョイントを含むフェアリングカム、
前記フェアリングカムの前記第1のジョイントと旋回可能に連結されたフラップリンク、及び
前記第2のジョイントと旋回可能に連結され、且つ、前記フェアリングとも旋回可能に連結されるように構成された、フェアリング駆動アームを備え、
前記フェアリングカムが、前記フラップアセンブリの駆動に際して回転し、且つ、前記フラップアセンブリから離れるように前記フェアリングを逸らすように構成される、フェアリング駆動アセンブリ。
条項2
前記フェアリングカムが第3のジョイントを更に備え、前記フェアリング駆動アセンブリが、前記第3のジョイントと旋回可能に連結された支持支柱を更に備え、且つ、前記支持支柱が、フラップ支持引張梁とも旋回可能に連結されるように構成される、条項1に記載のフェアリング駆動アセンブリ。
条項3
前記第3のジョイントが、前記フェアリングカムの本体の先端の近くに配置されたカム中央ジョイントを備える、条項2に記載のフェアリング駆動アセンブリ。
条項4
前記第1のジョイントと旋回可能に連結されたフラップリンク支柱を更に備え、前記フラップリンク支柱が、フラップ支持引張梁とも旋回可能に連結されるように構成される、条項1に記載のフェアリング駆動アセンブリ。
条項5
バネを持たない、条項1に記載のフェアリング駆動アセンブリ。
条項6
前記フェアリングカムが、三角形状を有する本体を備える、条項1に記載のフェアリング駆動アセンブリ。
条項7
前記第1のジョイントが、カムクラウンジョイントを備える、条項1に記載のフェアリング駆動アセンブリ。
条項8
前記第2のジョイントが、カムフォアジョイントを備える、条項1に記載のフェアリング駆動アセンブリ。
条項9
航空機の翼アセンブリであって、
固定された本体、
後退位置と完全に拡張された位置との間で、前記固定された本体と、可動に固定されたフラップアセンブリ、
前記固定された本体と可動に固定されたフェアリング、及び
前記フラップアセンブリを前記フェアリングに連結させるフェアリング駆動アセンブリを備え、前記フェアリング駆動アセンブリが、
第1のジョイントと第2のジョイントを含むフェアリングカムと、
前記フェアリングカムの前記第1のジョイントと旋回可能に連結されたフラップリンクと、
前記第2のジョイントと旋回可能に連結され、且つ、前記フェアリングとも旋回可能に連結されている、フェアリング駆動アームとを備え、
前記フェアリングカムが、前記フラップアセンブリの駆動に際して回転し、且つ、前記フラップアセンブリが前記後退位置から前記完全に拡張された位置へ向かって移動することに応じて、前記フラップアセンブリから離れるように前記フェアリングを逸らすように構成される、翼アセンブリ。
条項10
前記フェアリングカムが第3のジョイントを更に備え、前記フェアリング駆動アセンブリが、前記第3のジョイントと旋回可能に連結された支持支柱を更に備え、且つ、前記支持支柱が前記翼の前記固定された本体から延在するフラップ支持構造体のフラップ支持引張梁とも旋回可能に連結されている、条項9に記載の翼アセンブリ。
条項11
前記第3のジョイントが、前記フェアリングカムの本体の先端の近くに配置されたカム中央ジョイントを備える、条項10に記載の翼アセンブリ。
条項12
前記第1のジョイントと旋回可能に連結されたフラップリンク支柱を更に備え、前記フラップリンク支柱が、フラップ支持引張梁とも旋回可能に連結されている、条項9に記載の翼アセンブリ。
条項13
前記フェアリング駆動アセンブリが、バネを持たない、条項9に記載の翼アセンブリ。
条項14
前記フェアリングカムが、三角形状を有する本体を備える、条項9に記載の翼アセンブリ。
条項15
前記第1のジョイントが、カムクラウンジョイントを備える、条項9に記載の翼アセンブリ。
条項16
前記第2のジョイントが、カムフォアジョイントを備える、条項9に記載の翼アセンブリ。
条項17
前記フラップアセンブリが、少なくとも2つのフラップを備える、条項9に記載の翼アセンブリ。
条項18
前記翼内の固定された構造体に固定された駆動システムを更に備え、前記駆動システムが、前記フラップアセンブリに連結され、且つ、前記駆動システムが、前記後退位置と前記完全に拡張された位置との間で前記フラップアセンブリを駆動するように構成される、条項9に記載の翼アセンブリ。
条項19
航空機の翼アセンブリであって、
固定された本体、
後退位置と完全に拡張された位置との間で、前記固定された本体と、可動に固定されたフラップアセンブリであって、少なくとも2つのフラップを備えた、フラップアセンブリ、
前記翼内の固定された構造体に固定された駆動システムであって、前記フラップアセンブリに連結され、且つ、前記後退位置と前記完全に拡張された位置との間で前記フラップを駆動するように構成された、駆動システム、
前記固定された本体と可動に固定されたフェアリング、及び
バネを持たず、且つ、前記フラップアセンブリを前記フェアリングに連結させる、フェアリング駆動アセンブリを備え、前記フェアリング駆動アセンブリが、
三角形状を有する本体を備えたフェアリングカムであって、前記本体が、第1のジョイント、第2のジョイント、及び第3のジョイントを含む、フェアリングカムと、
前記フェアリングカムの前記第1のジョイントと旋回可能に連結されたフラップリンクと、
前記第2のジョイントと旋回可能に連結されたフェアリング駆動アームであって、前記フェアリングとも旋回可能に連結された、フェアリング駆動アームと、
前記第3のジョイントと旋回可能に連結された支持支柱であって、前記翼の前記固定された本体から延在するフラップ支持構造体のフラップ支持引張梁とも旋回可能に連結された、支持支柱と、
前記第1のジョイントと旋回可能に連結されたフラップリンク支柱であって、前記フラップ支持引張梁とも旋回可能に連結された、フラップリンク支柱とを備え、
前記フェアリングカムが、前記フラップアセンブリの駆動に際して回転し、且つ、前記フラップアセンブリが前記後退位置から前記完全に拡張された位置へ向かって移動することに応じて、前記フラップアセンブリから離れるように前記フェアリングを逸らすように構成される、翼アセンブリ。
条項20
前記第1のジョイントが、カムクラウンジョイントを備え、前記第2のジョイントが、カムフォアジョイントを備え、且つ、前記第3のジョイントが、前記フェアリングカムの本体の先端の近くに配置されたカム中央ジョイントを備える、条項19に記載の翼アセンブリ。
【0046】
ここに記載した説明では、ベストモードを含む本発明の様々な実施形態を開示し、且つ、当業者が任意のデバイス又はシステムの作成及び使用、並びに組込まれた任意の方法の実行を含め、本開示の様々な実装態様を実施することを可能にするために実施例を使用している。本開示の様々な実施形態の特許性の範囲は、特許請求の範囲によって画定され、当業者が想起する他の実施例を含み得る。かかる他の実施例は、実施例が特許請求の範囲の文言と相違しない構造要素を有する場合、又は、実施例が、特許請求の範囲の文言とごくわずかな相違しかない同等の構造要素を含む場合、特許請求の範囲内であることが意図される。