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特許6872364バッテリ制御装置及びバッテリ制御システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6872364
(24)【登録日】2021年4月21日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】バッテリ制御装置及びバッテリ制御システム
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/48 20060101AFI20210510BHJP
   B60R 16/04 20060101ALI20210510BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20210510BHJP
   H01M 10/615 20140101ALI20210510BHJP
   H01M 10/633 20140101ALI20210510BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20210510BHJP
   H01M 10/42 20060101ALI20210510BHJP
   H02J 7/02 20160101ALI20210510BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20210510BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20210510BHJP
【FI】
   H01M10/48 P
   B60R16/04 W
   H01M10/48 301
   H01M10/613
   H01M10/615
   H01M10/633
   H01M10/625
   H01M10/42 P
   H02J7/02 H
   H02J7/00 X
   H02J7/00 Y
   H02J13/00 301A
【請求項の数】16
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-251405(P2016-251405)
(22)【出願日】2016年12月26日
(65)【公開番号】特開2017-123327(P2017-123327A)
(43)【公開日】2017年7月13日
【審査請求日】2019年10月29日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0000841
(32)【優先日】2016年1月5日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】全 晋 用
【審査官】 佐藤 卓馬
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2015/0084598(US,A1)
【文献】 特開2010−238474(JP,A)
【文献】 特開2012−109045(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0117593(US,A1)
【文献】 特表2014−514692(JP,A)
【文献】 特開2008−118790(JP,A)
【文献】 特開2012−054168(JP,A)
【文献】 特開2014−230488(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/48
B60R 16/04
H01M 10/42
H01M 10/613
H01M 10/615
H01M 10/625
H01M 10/633
H02J 7/00
H02J 7/02
H02J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリの検出された物理量及び前記バッテリに対応する変換部の検出された出力物理量を受信する受信部であって、第1検出時点で同時に検出された前記物理量及び前記出力物理量を互いに演算し、前記物理量は高電圧負荷と前記バッテリとの間に流れる電流を含み、前記出力物理量は前記変換部から低電圧負荷への出力電流を含み、受信部と、
前記理量及び前記力物理量に基づいて前記バッテリの状態情報を決定し、前記状態情報をマスタ制御装置に送信し、前記マスタ制御装置からの出力情報に基づいて前記変換部を制御する制御部と、
を含み、
前記出力情報は前記状態情報に対応する、スレーブ制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記物理量及び前記出力物理量の演算結果、前記バッテリの検出された熱的物理量、及び前記バッテリの検出された電気的物理量のうち少なくとも1つを用いて前記状態情報を決定する、請求項に記載のスレーブ制御装置。
【請求項3】
前記出力情報は低電圧負荷の必要物理量に基づく、請求項1又は2に記載のスレーブ制御装置。
【請求項4】
前記バッテリ及び他のバッテリを含むバッテリパックのパック状態情報は、前記状態情報及び前記他のバッテリの状態情報に基づく、請求項1乃至のいずれか一項に記載のスレーブ制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記理量に基づいて前記バッテリの温度を制御する、請求項1乃至のいずれか一項に記載のスレーブ制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記バッテリに対応する絶縁抵抗の抵抗値の変化に基づいて前記バッテリの漏洩電流を検出する、請求項1乃至のいずれか一項に記載のスレーブ制御装置。
【請求項7】
前記バッテリの状態情報は、充電状態、寿命状態、及び前記バッテリの容量のうち少なくとも1つを含む、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のスレーブ制御装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記バッテリの温度が基準温度よりも高い場合に前記バッテリを冷却し、前記バッテリの温度が前記基準温度よりも低い場合に前記バッテリをヒーティングする、請求項5に記載のスレーブ制御装置。
【請求項9】
バッテリ制御システムにおいて、
複数のバッテリそれぞれに対応するスレーブ制御装置と、
前記複数のスレーブ制御装置を制御するマスタ制御装置と、
を含み、
前記複数のスレーブ制御装置のそれぞれは、
前記対応するバッテリの検出された物理量及び前記対応するバッテリに対応する変換部の検出された出力物理量を受信し、
第1検出時点で同時に検出された前記物理量及び前記出力物理量を互いに演算し、前記物理量は高電圧負荷と前記対応するバッテリとの間に流れる電流を含み、前記出力物理量は前記変換部から低電圧負荷への出力電流を含み、
前記理量及び前記力物理量に基づいて前記対応するバッテリの状態情報を決定し、前記状態情報を前記マスタ制御装置に送信し、前記マスタ制御装置からの出力情報に基づいて前記変換部を制御し、
前記出力情報は前記状態情報に対応する、
バッテリ制御システム。
【請求項10】
前記複数のスレーブ制御装置のそれぞれは、前記物理量及び前記出力物理量の演算結果、前記対応するバッテリの検出された熱的物理量、及び前記対応するバッテリの検出された電気的物理量のうち少なくとも1つを用いて前記状態情報を決定する、請求項に記載のバッテリ制御システム。
【請求項11】
前記マスタ制御装置は、低電圧負荷の必要物理量に基づいて前記状態情報に対応するように前記出力情報を決定する、請求項9又は10に記載のバッテリ制御システム。
【請求項12】
前記マスタ制御装置は、前記複数のスレーブ制御装置それぞれが送信した前記対応するバッテリの状態情報に基づいて前記複数のバッテリを含むバッテリパックのパック状態情報を決定する、請求項9乃至11のいずれか一項に記載のバッテリ制御システム。
【請求項13】
前記複数のスレーブ制御装置それぞれは、前記対応するバッテリの前記理量に基づいて前記対応するバッテリの温度を制御する、請求項9乃至12のいずれか一項に記載のバッテリ制御システム。
【請求項14】
前記複数のスレーブ制御装置それぞれは、前記対応するバッテリの絶縁抵抗の抵抗値の変化に基づいて前記対応するバッテリの漏洩電流を検出する、請求項9乃至13のいずれか一項に記載のバッテリ制御システム。
【請求項15】
バッテリの検出された物理量及び変換部の検出された出力物理量を受信するステップと、
第1検出時点で同時に検出された前記物理量及び前記出力物理量を互いに演算するステップであって、前記物理量は高電圧負荷と前記バッテリとの間に流れる電流を含み、前記出力物理量は前記変換部から低電圧負荷への出力電流を含み、ステップと、
前記理量及び前記力物理量に基づいて前記バッテリの状態情報を決定するステップと、
前記状態情報をマスタ制御装置に送信するステップと、
前記状態情報に対応する出力情報をマスタ制御装置から受信するステップと、
前記出力情報に基づいて前記変換部を制御するステップと、
を含む、スレーブ制御装置の動作方法。
【請求項16】
前記決定するステップは、前記物理量及び前記出力物理量の演算結果、前記バッテリの検出された熱的物理量、及び前記バッテリの検出された電気的物理量のうち少なくとも1つを用いて前記状態情報を決定するステップを含む、請求項15に記載のスレーブ制御装置の動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、バッテリ制御装置及びバッテリ制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
マルチスレーブシステムは、マスタ制御装置及び複数のスレーブ制御装置を含み得る。マルチスレーブシステムは様々な分野で用いられている。例えば、エネルギー貯蔵システムにおいて、マルチスレーブシステムは、直列又は並列に接続された複数のバッテリを含むバッテリパックに適用され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、バッテリ制御装置及びバッテリ制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一側面によるスレーブ制御装置は、バッテリの検出された物理量及び前記バッテリに対応する変換部の検出された出力物理量を受信する受信部と、前記検出された物理量及び前記検出された出力物理量に基づいて前記バッテリの状態情報を決定し、前記状態情報をマスタ制御装置に送信し、前記マスタ制御装置からの出力情報に基づいて前記変換部を制御する制御部とを含み、前記出力情報は前記状態情報に対応する。
【発明の効果】
【0005】
本発明によると、バッテリ制御装置及びバッテリ制御システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】一実施形態によるバッテリシステムを説明するための図である。
図2】一実施形態によるスレーブ制御装置を説明するためのブロック図である。
図3A】一実施形態によるスレーブ制御装置の動作を説明するための図である。
図3B】一実施形態によるスレーブ制御装置の動作を説明するための図である。
図4A】一実施形態によるスレーブ制御装置の漏洩電流検出を説明するための図である。
図4B】一実施形態によるスレーブ制御装置の漏洩電流検出を説明するための図である。
図5】一実施形態によるスレーブ制御装置の動作方法を説明するためのフローチャートである。
図6】一実施形態によるマスタ制御装置の動作方法を説明するためのフローチャートである。
図7】一実施形態によるバッテリの状態情報を提供する一例を説明するための図である。
図8】一実施形態によるバッテリの状態情報を提供する異なる一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
<発明の概要>
一側面によるスレーブ制御装置は、バッテリの検出された物理量及び前記バッテリに対応する変換部の検出された出力物理量を受信する受信部と、前記検出された物理量及び前記検出された出力物理量に基づいて前記バッテリの状態情報を決定し、前記状態情報をマスタ制御装置に送信し、前記マスタ制御装置からの出力情報に基づいて前記変換部を制御する制御部とを含み、前記出力情報は前記状態情報に対応する。
【0008】
前記検出された物理量の検出時点と前記検出された出力物理量の検出時点は対応し得る。
【0009】
前記受信部は、第1検出時点で検出された第1電流の第1電流値と前記第1検出時点で検出された第2電流の第2電流値とを互いに演算し、前記第1電流は高電圧負荷と前記バッテリとの間に流れる電流を示し、前記第2電流は前記変換部から低電圧負荷への出力電流を示す。
【0010】
前記制御部は、前記第1電流値及び前記第2電流値の演算結果、前記バッテリの検出された熱的物理量、及び前記バッテリの検出された電気的物理量のうち少なくとも1つを用いて前記状態情報を決定し得る。
【0011】
前記出力情報は低電圧負荷の必要物理量に基づく。
【0012】
前記バッテリ及び他のバッテリを含むバッテリパックのパック状態情報は、前記状態情報及び前記他のバッテリの状態情報に基づく。
【0013】
前記制御部は、前記バッテリの検出された物理量に基づいて前記バッテリの温度を制御し得る。
【0014】
前記制御部は、前記バッテリに対応する絶縁抵抗の抵抗値の変化に基づいて前記バッテリの漏洩電流を検出し得る。
【0015】
バッテリ制御システムは、複数のバッテリそれぞれに対応するスレーブ制御装置と、前記複数のスレーブ制御装置を制御するマスタ制御装置とを含み、前記複数のスレーブ制御装置のそれぞれは、前記対応するバッテリの検出された物理量及び前記対応するバッテリに対応する変換部の検出された出力物理量を受信し、前記検出された物理量及び前記検出された出力物理量に基づいて前記対応するバッテリの状態情報を決定し、前記状態情報を前記マスタ制御装置に送信し、前記マスタ制御装置からの出力情報に基づいて前記変換部を制御し、前記出力情報は前記状態情報に対応する。
【0016】
前記検出された物理量の検出時点と前記検出された出力物理量の検出時点は対応する。
【0017】
前記複数のスレーブ制御装置のそれぞれは、第1検出時点で検出された第1電流の第1電流値及び前記第1検出時点で検出された第2電流の第2電流値を互いに演算し、前記第1電流は高電圧負荷と前記対応するバッテリとの間に流れる電流を示し、前記第2電流は前記変換部から低電圧負荷への出力電流を示し得る。
【0018】
前記複数のスレーブ制御装置のそれぞれは、前記第1電流値及び前記第2電流値の演算結果、前記対応するバッテリの検出された熱的物理量、及び前記対応するバッテリの検出された電気的物理量のうち少なくとも1つを用いて前記状態情報を決定し得る。
【0019】
前記マスタ制御装置は、低電圧負荷の必要物理量に基づいて前記状態情報に対応するように前記出力情報を決定し得る。
【0020】
前記マスタ制御装置は、前記複数のスレーブ制御装置それぞれが送信した前記対応するバッテリの状態情報に基づいて前記複数のバッテリを含むバッテリパックのパック状態情報を決定し得る。
【0021】
前記複数のスレーブ制御装置それぞれは、前記対応するバッテリの前記検出された物理量に基づいて前記対応するバッテリの温度を制御し得る。
【0022】
前記複数のスレーブ制御装置それぞれは、前記対応するバッテリの絶縁抵抗の抵抗値の変化に基づいて前記対応するバッテリの漏洩電流を検出し得る。
【0023】
一側面によるスレーブ制御装置の動作方法は、バッテリの検出された物理量及び変換部の検出された出力物理量を受信するステップと、前記検出された物理量及び前記検出された出力物理量に基づいて前記バッテリの状態情報を決定するステップと、前記状態情報をマスタ制御装置に送信するステップと、前記状態情報に対応する出力情報をマスタ制御装置から受信するステップと、前記出力情報に基づいて前記変換部を制御するステップとを含む。
【0024】
前記検出された物理量の検出時点と前記検出された出力物理量の検出時点は対応する。
【0025】
前記受信するステップは、第1検出時点で検出された第1電流の第1電流値及び前記第1検出時点で検出された第2電流の第2電流値を互いに演算するステップを含み、前記第1電流は高電圧負荷と前記バッテリとの間に流れる電流を示し、前記第2電流は前記変換部から低電圧負荷への出力電流を示し得る。
【0026】
前記決定するステップは、前記第1電流値及び前記第2電流値の演算結果、前記バッテリの検出された熱的物理量、及び前記バッテリの検出された電気的物理量のうち少なくとも1つを用いて前記状態情報を決定するステップを含み得る。
【0027】
一側面によるスレーブ制御装置は、バッテリの物理量を検出するセンサと、前記バッテリの物理量及び変換部の出力物理量を受信する受信部と、前記変換部の出力物理量及び前記バッテリの状態情報に基づいて前記バッテリの状態情報を決定する制御部とを含み、前記バッテリの物理量と前記変換部の出力物理量は同期化された時点に検出される。
【0028】
前記バッテリの状態情報は、充電状態、寿命状態、及び前記バッテリの容量のうち少なくとも1つを含み得る。
【0029】
前記制御部は、前記バッテリの状態情報が決定される場合、マスタ制御装置に前記バッテリの状態情報を送信し得る。
【0030】
前記制御部は、前記バッテリの物理量に基づいて前記バッテリの温度を制御するが、前記バッテリの温度が基準温度よりも高い場合に前記バッテリを冷却し、前記バッテリの温度が前記基準温度よりも低い場合に前記バッテリを加熱し得る。
【0031】
<発明の詳細>
以下、実施形態を添付する図面を参照しながら詳細に説明する。
【0032】
下記で説明する権利範囲はこのような実施形態によって制限されたり限定されることはない。各図面に提示された同一の参照符号は同一の部材を示す。
【0033】
実施形態で用いられる用語は技術的な思想を限定するものとして理解されることなく、実施形態を説明するための例示的な用語として理解されなければならない。
【0034】
単数の表現は、文脈上、明白に異なる意味をもたない限り複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」等の用語は明細書上に記載した特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを示すものであって、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品、又はこれを組み合わせたものなどの存在又は付加の可能性を予め排除しないものとして理解しなければならない。
【0035】
異なる定義されない限り、技術的であるか又は科学的な用語を含むここで用いる全ての用語は、本実施形態が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に用いられる予め定義された用語は、関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有するものと解釈すべきであって、本明細書で明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈されることはない。
【0036】
以下、実施形態を添付する図面を参照しながら詳細に説明する。添付図面を参照して説明することにおいて、図面符号に関係なく同一の構成要素は同一の参照符号を付与し、これに対する重複説明は省略することにする。実施形態の説明において関連する公知技術に対する具体的な説明が実施形態の要旨を不要に曖昧にすると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0037】
図1は、一実施形態によるバッテリシステムを説明するための図である。図1を参照すると、一実施形態によるバッテリシステムは、バッテリパック及びバッテリ制御システムを含む。バッテリパックは、複数のバッテリ121、131、及び141を含む。複数のバッテリ121、131、及び141のそれぞれは、バッテリセル又はバッテリモジュールであり得る。
【0038】
バッテリ制御システムは、マスタ制御装置110及び複数のスレーブ制御装置120、130、及び140を含む。複数のスレーブ制御装置120、130、及び140のそれぞれは、複数のバッテリ121、131、及び141のそれぞれに対応する。図1には図示していないが、バッテリ制御システムは、複数のバッテリ121、131、及び141のそれぞれに対応する変換部を含み得る。一実施形態において、複数の変換部のそれぞれは、複数のスレーブ制御装置120、130、及び140のそれぞれに含まれ得る。
【0039】
以下、スレーブ制御装置120を中心にスレーブ制御装置120について説明する。以下の説明は、他のスレーブ制御装置130及び140にも適用され得る。
【0040】
スレーブ制御装置120は、バッテリ121の検出された物理量を受信する。バッテリ121の物理量は、電圧、電流、インピーダンス、及び温度のうちいずれか1つ又はこの組合せを含み得る。バッテリ制御システムは、バッテリ121の物理量を検出するための1つ以上のセンサを含む。図1には図示していないが、バッテリ制御システムは、バッテリ121に対応する第1電流センサを含んでもよい。バッテリ121に対応する第1電流センサは、バッテリ121と高電圧負荷160との間に流れる電流を検出する。高電圧負荷160は、例えば、電気移動体のモータ、インバータ、及び/又は充電器(例えば、on board charger)などを含み得る。第1電流センサは、バッテリ121が高電圧負荷160で供給する電流IH1を検出する。この場合、バッテリ121は電流IH1を放電し、第1電流センサはバッテリ121の放電電流IH1を検出する。また、第1電流センサは、バッテリ121に流入する電流IH2を検出する。バッテリ121は、充電器から供給されたIH2に充電され、第1電流センサは、バッテリ121の充電電流IH2を検出する。スレーブ制御装置120は、第1電流センサからバッテリ121の放電電流データ及び/又は充電電流データを受信する。また、バッテリ制御システムは、バッテリ121に対応する電圧センサ及び/又は温度センサを含み得る。電圧センサはバッテリ121の電圧を検出し、スレーブ制御装置120は電圧センサからバッテリ121の電圧データを受信する。温度センサはバッテリ121の熱的物理量(例えば、温度)を検出し、スレーブ制御装置120は温度センサからバッテリ121の熱的物理量データを受信する。
【0041】
一実施形態において、上記で説明したバッテリ121に対応する第1電流センサ、電圧センサ、及び温度センサのうち少なくとも1つはセルモニタとしてスレーブ制御装置120に含まれてもよい。
【0042】
図1には図示していないが、バッテリ制御システムは、他のバッテリ131及び141のそれぞれに対応する第1電流センサを含み得る。各第1電流センサは、対応バッテリと高電圧負荷160との間に流れる電流IH1又は電流IH2を検出する。
【0043】
スレーブ制御装置120は、バッテリ121に対応する変換部の検出された出力物理量を受信する。低電圧負荷150は、低電圧(一例として、12V)で動作できるシステムを含む。しかし、システムはこれに制限されることなく、電気移動体の温度制御システム又は姿勢制御システムを含み得る。変換部の出力物理量は、低電圧負荷150に供給される物理量であり得る。変換部の出力物理量は、例えば、低電圧負荷150への出力電圧、低電圧負荷150への出力電流、及び低電圧負荷150への出力電力のうちいずれか1つ又はその組合せを含む。バッテリ制御システムは、出力物理量を検出するためのセンサを含んでもよい。一実施形態において、スレーブ制御装置120〜140のそれぞれの第1電流センサは、出力物理量を検出するセンサとは別個であり得る。具現に応じて、単一センサがバッテリの物理量及び変換部の出力物理量を検出するために利用される。
【0044】
一実施形態において、バッテリ制御システムは、変換部の出力電流Iを検出する第2電流センサを含み得る。スレーブ制御装置120は出力電流Iに基づいて、第2電流センサから変換部の出力電流データを受信する。一例として、第2電流センサはスレーブ制御装置120に含まれてもよい。他の一例として、第2電流センサはスレーブ制御装置120の外部にあり、スレーブ制御装置120と低電圧負荷150とを接続する。
【0045】
一実施形態において、変換部はDC/DCコンバータを含む。例えば、変換部は、ブースタコンバータを含んでもよい。
【0046】
スレーブ制御装置120は、バッテリ121の物理量及び変換部の出力物理量を用いてバッテリ121の状態情報を決定する。バッテリの状態情報は、例えば、充電状態(State Of Charge:SOC)、寿命状態(State Of Health:SOH)、及び容量のうちいずれか1つ又はこれらの組合せを含み得る。
【0047】
バッテリ121の物理量が検出された時点は、変換部の出力物理量が検出された時点に対応する。物理量及び出力物理量は、バッテリ120の状態情報を決定するために処理され得る。スレーブ制御装置120は、バッテリ121の電流及び変換部の出力電流に基づいてバッテリ121の状態情報を決定する。ここで、バッテリ121の電流と変換部の出力電流とは同じ時点で検出されたものである。上記で説明した例として、バッテリ121の状態情報を決定するために、tで検出された電流IH1又はIH2と、tで検出された出力電流Iを用いてもよい。また、スレーブ制御装置120は、バッテリ121の電圧及び温度に基づいてバッテリ121の状態情報を決定する。ここで、バッテリの電圧及び温度は、tで検出されたものである。バッテリ121の状態情報を決定するために同じ時点で検出された物理量及び出力物理量が用いられるため、検出時間の間のバッテリ121の状態情報をより正確に決定することができる。
【0048】
バッテリ121の状態情報が決定された場合、スレーブ制御装置120は、バッテリ121の状態情報をマスタ制御装置110に送信する。一実施形態において、スレーブ制御装置120は、CAN(Controller Area Network)通信、1線式通信、又は、2線式通信などによりバッテリ121の状態情報をマスタ制御装置110に送信する。前述した通信方式は例示的な事項に過ぎず、通信方式は前述した事項に限定されることはない。
【0049】
マスタ制御装置110は、複数のスレーブ制御装置120、130、及び140のそれぞれから対応するバッテリ121、131、及び141の状態情報を受信する。より具体的に、マスタ制御装置110は、スレーブ制御装置120からバッテリ121の状態情報を受信し、スレーブ制御装置130からバッテリ131の状態情報を受信し、スレーブ制御装置140からバッテリ141の状態情報を受信する。
【0050】
マスタ制御装置110は、複数のバッテリ121、131、及び141のそれぞれの状態情報に基づいて複数のバッテリ121、131、及び141を含むバッテリパックのパック状態情報を決定する。例えば、マスタ制御装置110は、複数のバッテリ121、131、及び141のそれぞれのSOCを対応するスレーブ制御装置120、130、及び140から受信して平均SOCを演算する。マスタ制御装置110は、平均SOCをパック状態情報として決定し得る。異なる一例として、マスタ制御装置110は、複数のバッテリ121、131、及び141のそれぞれのSOC及びSOHを対応するスレーブ制御装置120、130、及び140から受信し、平均SOC及び平均SOHを演算する。マスタ制御装置110は、平均SOC及び平均SOHの積をパック状態情報として決定し得る。複数のスレーブ制御装置120、130、及び140のそれぞれが対応バッテリ121、131、及び141の状態情報を決定できるため、マスタ制御装置110は、複数のバッテリ121、131、及び141のそれぞれの状態情報を演算しないことから、マスタ制御装置110の演算負担が減少され得る。
【0051】
一実施形態において、マスタ制御装置110はパック状態情報をECU(Electronic Control Unit)に送信する。ECUは、パック状態情報を計器盤などのディスプレイに出力する。
【0052】
マスタ制御装置110は、複数の変換部それぞれの出力情報を決定する。例えば、マスタ制御装置110は、複数のバッテリ121、131、及び141のそれぞれの状態情報に対応するよう複数の変換部それぞれの出力情報を決定する。複数の変換部それぞれの出力情報は、例えば、電圧情報、電流情報、及び電力情報のうちいずれか1つ又はその組合であり得る。
【0053】
複数の変換部それぞれの出力情報は、互いに異なるように及び/又は個別的に決定され得る。一例として、マスタ制御装置110は、複数のバッテリ121、131、及び141それぞれの状態情報の和と複数のバッテリ121、131、及び141それぞれの状態情報間の比率及び低電圧負荷150の必要物理量を用いて複数の変換部それぞれの出力情報を決定し得る。
【0054】
例えば、バッテリ121のSOCが0.75であり、バッテリ131のSOCが1であり、バッテリ141のSOCが0.5である場合、複数のバッテリ121、131、及び141のそれぞれのSOCの和は2.25である。SOCの和とバッテリ121のSOCの間の比率は1/3であり、SOCの和とバッテリ131のSOCの間の比率は4/9であり、SOCの和とバッテリ141のSOCの間の比率は2/9である。ここで、負荷の必要物理量が90Wである場合、バッテリ121に対応する変換部の出力情報は90×(1/3)Wに基づいて決定される。マスタ制御装置110は、バッテリ121に対応する変換部が30Wを出力するように出力情報を決定し得る。同様に、バッテリ131に対応する変換部の出力情報は90×(4/9)Wに基づいて決定され、マスタ制御装置110はバッテリ131に対応する変換部が40Wを出力するように出力情報を決定し得る。バッテリ141に対応する変換部の出力情報は90×(2/9)Wに基づいて決定され、マスタ制御装置110は、バッテリ141に対応する変換部が20Wを出力するように出力情報を決定し得る。
【0055】
マスタ制御装置110は、複数の変換部それぞれの出力情報を複数のスレーブ制御装置120、130、及び140に送信する。
【0056】
変換部は、出力情報により動作する。これによって、変換部は、バッテリ121の電気的物理量を出力情報に対応するよう変換する。上記で説明した例として、変換部は、バッテリ121に格納された高電圧電力を30Wの低電圧電力に変換する。バッテリ121に対応する変換部は30Wを低電圧負荷150で出力する。また、バッテリ131に対応する変換部は40Wを低電圧負荷150で出力し、バッテリ141に対応する変換部は20Wを低電圧負荷150で出力する。充電状態の高いバッテリは、相対的に多くの物理量を低電圧負荷150で供給し、充電状態の低いバッテリは、相対的に少ない物理量を低電圧負荷150で供給する。そのため、複数のバッテリ121、131、及び141の間の状態情報はバランシングされ得る。
【0057】
複数のバッテリ121、131、及び141それぞれの温度は、複数のバッテリ121、131、及び141それぞれの位置に応じて異なり得る。複数のバッテリ121、131、及び141の間に温度差はバッテリパックの寿命又は性能に影響を及ぼす。一実施形態によれば、複数のバッテリ121、131、及び141の各温度は個別的に制御され得る。例えば、スレーブ制御装置120は、バッテリ121の検出又は測定された物理量に基づいてバッテリ121の温度が制御される。バッテリ121の温度が基準温度範囲(例えば、20℃〜40℃)よりも高い場合、スレーブ制御装置120はバッテリ121を冷却し、バッテリ121の温度が基準温度範囲(例えば、20℃〜40℃)よりも低い場合、スレーブ制御装置120はバッテリ121をヒーティングする。バッテリセル又はバッテリモジュールの単位で温度が制御されることから温度の制御性能は向上される。また、複数のバッテリ121、131、及び141の間の温度差が制御されるため、バッテリパックの寿命が増える。
【0058】
一実施形態において、複数のスレーブ制御装置120、130、及び140のそれぞれは、対応バッテリ121、131、及び141に対応する絶縁抵抗の抵抗値の変化に基づいて対応バッテリ121、131、及び141の漏洩電流を検出し得る。バッテリパックの単位ではないバッテリセル又はバッテリモジュールの単位で漏洩電流が検出されるため、漏洩電流の検出正確度は増加し、バッテリの使用安全性は向上する。漏洩電流検出については、図4A図4Bを参照して後述する。
【0059】
図2は、一実施形態によるスレーブ制御装置を説明するためのブロック図である。図2を参照すると、一実施形態によるスレーブ制御装置200は、受信部(又は取得部)210(以下、受信部)、制御部220、及び変換部230を含む。
【0060】
受信部210は、バッテリの検出された物理量及び変換部230の検出された出力物理量を受信する。第1電流センサがバッテリの放電電流又は充電電流を検出した場合、受信部210は、第1電流センサからバッテリの電流データを受信する。第1電流センサはスレーブ制御装置200の外部にあり、スレーブ制御装置200と接続されている。電圧センサがバッテリの電圧を検出した場合、受信部210は電圧センサからバッテリの電圧データを受信する。電圧センサは、スレーブ制御装置200の外部にあり、スレーブ制御装置200と接続されている。また、温度センサがバッテリの温度を検出した場合、受信部210は温度センサからバッテリの温度データを受信する。温度センサはスレーブ制御装置200の外部にあり、スレーブ制御装置200と接続されている。
【0061】
第1電流センサと物理的に区別される第2電流センサは、変換部230の出力電流を検出する。第2電流センサが変換部230の出力電流を検出した場合、受信部210は、第2電流センサから変換部230の出力電流データを受信する。
【0062】
制御部220は、バッテリの検出された物理量及び変換部230の検出された出力物理量に基づいてバッテリの状態情報を決定する。制御部220は、バッテリの状態情報をマスタ制御装置に送信する。
【0063】
マスタ制御装置は、複数のスレーブ制御装置から複数のバッテリの状態情報を受信する。マスタ制御装置は、複数のバッテリの状態情報に基づいて複数のバッテリを含むバッテリパックのパック状態情報を決定する。
【0064】
マスタ制御装置は、スレーブ制御装置200が送信した状態情報に対応する出力情報を決定する。ここで、出力情報は、低電圧負荷の必要電力に基づいて決定され得る。変換部230が低電圧負荷で出力する物理量がマスタ制御装置によって決定され得る。マスタ制御装置は出力情報をスレーブ制御装置200に送信する。
【0065】
制御部220は、出力情報に基づいて変換部230を制御する。変換部230は、バッテリの電気的物理量を出力情報に対応するように変換する。例えば、変換部230は、バッテリの電圧を出力情報に対応するようにステップダウンし得る。相違に表現すると、変換部230は、バッテリに格納された高電圧電力を出力情報に対応するよう変換してもよい。これにより、変換部230は、低電圧負荷の動作電圧(例えば、12VDC)に適する物理量を出力することができる。
【0066】
図1を参照して記載した事項は図2を参照して記載された事項に適用され得るため、詳細な説明は省略する。
【0067】
図3A図3Bは、一実施形態によるスレーブ制御装置の動作を説明するための図である。
【0068】
図3Aを参照すると、一実施形態によるスレーブ制御装置は、受信部(又は取得部)311、制御部312、及び変換部313を含む。
【0069】
受信部311は、第1電流センサ314から第1電流値I_1を受信する。また、受信部311は、第2電流センサ315から第2電流値I_1を受信する。
【0070】
受信部311はI_1を−I_1又は+I_1に変換する。より具体的に、互いに直列に接続された複数のバッテリ310及び320は、電力変換又は電圧変換されていない電流を高電圧負荷350に供給し、第1電流センサ314は高電圧負荷350に供給される電流を検出し得る。この場合、バッテリ310は放電されるため、受信部311はI_1を−I_1のように定義できる。また、バッテリ310は充電器によって充電され得る。この場合、バッテリ310に電流が流入し、第1電流センサ314は流入する電流を検出し、受信部311はI_1を+I_1のように定義できる。
【0071】
他のスレーブ制御装置に含まれた受信部321は、第1電流センサ324からI_nを受信し、I_nを−I_n又は+I_nのように定義できる。
【0072】
受信部311は、I_1を−I_1に変換する。第2電流センサ315は、低電圧負荷330から出力される電流を検出する。この場合、バッテリ310は放電される。同様に、受信部321は、第2電流センサ325からI_nを受信し、I_nを−I_nに変換する。
【0073】
受信部311は、I_1及びI_1を互いに演算する。受信部311は、I_1及びI_1を互いに演算して−I_1−I_1又は+Ip_1−I_1を取得し得る。そのため、検出時間の間にバッテリ310から出力された電流の量又はバッテリ310に流入した電流の量を正確に確認することができる。同様に、受信部321は、I_n及びI_nを互いに演算して−I_n−I_n又は+I_n−I_nを受信する。
【0074】
一実施形態によれば、受信部311は、電圧センサからバッテリ310の電圧値V_1を受信する。また、受信部311は、温度センサからバッテリ310の温度値T_1を受信する。
【0075】
同様に、受信部321はV_n及び/又はT_nを受信する。
【0076】
一実施形態によれば、バッテリ310の状態情報を決定するために用いられるバッテリ310の物理量及び変換部313の出力物理量は、同期化された時点で検出されたものであり得る。言い換えれば、バッテリ310の物理量の検出時点は、変換部313の出力物理量の検出時点と同一であり得る。以下、図3Bを参照しながら説明する。
【0077】
図3Bを参照すると、検出時点が示されている。
【0078】
第1電流センサ314及び第2電流センサ315のそれぞれは、tで対象物理量を検出(又は測定)する。ここで、対象物理量は、バッテリ310の電流及び変換部313の出力電流を含む。受信部311は、検出時点(又は測定時点)がtで検出された(又は測定された)対象物理量に対応する第1電流セット{I_1_1、I_1_1}を受信する。上記で説明したように、I1_1は+I1_1又は−I1_1のように定義され、I1_1は−I1_1のように定義される。
【0079】
また、第1電流センサ314及び第2電流センサ315のそれぞれは、tで対象物理量を検出する。受信部311は、tで検出された対象物理量に対応する第2電流セット{I_1_2、I_1_2}を受信する。同様に、受信部311は、tで検出された対象物理量に対応する第a電流セット{I_1_a、I_1_a}を受信する。
【0080】
各セットは、電圧センサ及び/又は温度センサのそれぞれが検出した対象物理量に対する値をさらに含み得る。例えば、tで検出された対象物理量に対応する第1セットは{I_1_1、V_1_1、T_1_1、I_1_1}であり得る。同様に、tで検出された対象物理量に対応する第2セットは{I_1_2、V_1_2、T_1_2、I_1_2}であり、tで検出された対象物理量に対応する第aセットは{I_1_a、V_1_a、T_1_a、I_1_a}であり得る。
【0081】
制御部312は、第1セット乃至第aセットのうちいずれか1つ又はこの組合せに基づいてバッテリ310の状態情報_1を決定する。
【0082】
受信部321は、受信部311と同一に動作する。受信部321は、tで検出された対象物理量に対応する第1セット{I_n_1、V_n_1、T_n_1、I_n_1}を受信する。また、受信部321は、検出時点がtで検出された対象物理量に対応する第aセット{I_n_a、V_n_a、T_n_a、I_n_a}を受信する。
【0083】
制御部322は、第1セット乃至第aセットのうちいずれか1つ又はこの組合せに基づいてバッテリ320の状態情報_nを決定する。
【0084】
再び図3Aに戻って、制御部312は、状態情報_1をマスタ制御装置340に送信する。マスタ制御装置340は、状態情報_1に対応する出力情報_1を決定し、制御部312に送信する。制御部312は、出力情報_1に基づいて変換部313を制御する。出力情報_1に対応する物理量が低電圧負荷330に供給され得る。
【0085】
制御部322は、状態情報_nをマスタ制御装置340に送信する。マスタ制御装置340は、状態情報_nに対応する出力情報_nを決定し、制御部322に送信する。制御部322は、出力情報_nに基づいて変換部323を制御する。出力情報_nに対応する物理量が低電圧負荷330に供給され得る。
【0086】
制御部312は、バッテリ310の温度を制御する。例えば、制御部312は、バッテリ310の温度が基準温度範囲から離脱するかを確認する。バッテリ310の温度が基準温度範囲から離脱する場合、制御部312はバッテリ310の温度を低くする。例えば、バッテリ310の温度が基準温度範囲より下にある場合、制御部312はバッテリ310を加熱する。バッテリ310の温度が基準温度範囲より上にある場合、制御部312は予め設定された温度(例えば、25℃)にバッテリを冷却させる。基準温度範囲及び予め設定された温度は、制御部312のセットアップの間にユーザによって予め定義され得る。他の一例として、基準温度範囲及び予め設定された温度は、スレーブ制御装置の製造ステップで定義され得る。
【0087】
図1図2を参照して説明した事項は図3A図3Bを参照して説明された事項に適用され得るため、詳細な説明は省略する。
【0088】
図4A図4Bは、一実施形態によるスレーブ制御装置の漏洩電流検出を説明するための図である。
【0089】
図4A及び4Bを参照すると、絶縁抵抗412及び422が示されている。図4Aに示された例の場合に絶縁抵抗412はバッテリの負極に接続され、図4Bに示された例の場合に絶縁抵抗422はバッテリの正極に接続される。ここで、絶縁抵抗412及び絶縁抵抗422のそれぞれは仮想抵抗であり得る。相違に表現すると、絶縁抵抗412及び絶縁抵抗422は、抵抗413及び抵抗423のような物理的な素子でないこともある。
【0090】
図4A及び図4Bに示された各例のスレーブ制御装置は同一に動作するため、図4Aを中心に説明することにする。
【0091】
図4Aを参照すると、バッテリ411に対応する絶縁抵抗412が図示され、バッテリ421に対応する絶縁抵抗422が示されている。
【0092】
複数のバッテリ411及び421が絶縁される場合、複数の絶縁抵抗412及び422のそれぞれは理論的に無限大の抵抗値を有し得る。そのため、バッテリ411、抵抗413、及び絶縁抵抗412を含む閉ループが形成されることなく、抵抗413の両端に電圧が発生しない。同様に、バッテリ421、抵抗423、及び絶縁抵抗422を含む閉ループが形成されることなく、抵抗423の両端に電圧が発生しない。
【0093】
複数のバッテリ411及び421の老化により複数のバッテリ411及び421のうち一部の絶縁が破壊されることがある。この場合、絶縁の破壊されたバッテリに対応する絶縁抵抗は抵抗値を有し、漏洩電流が発生する。
【0094】
一実施形態によるスレーブ制御装置410は、絶縁抵抗の抵抗値の変化に基づいて漏洩電流を検出することができる。例えば、バッテリ411に漏洩電流が発生すると仮定する。この場合、バッテリ411、抵抗413、及び絶縁抵抗412を含む閉ループが形成され、抵抗413の両端に電圧が発生する。抵抗413の両端の電圧は増幅器によって増幅し、制御部は、増幅器の出力に基づいて漏洩電流を検出し得る。制御部は、制御部に対応する抵抗413の両端の電圧が存在するか否かを確認する。抵抗413の両端の電圧が存在する場合、制御部はバッテリ411に漏洩電流が発生したものと決定する。スレーブ制御装置410は、マスタ制御装置に漏洩電流の発生を知らせる。マスタ制御装置は、ECUなどによってユーザに漏洩電流の発生を知らせる。バッテリセル又はバッテリモジュールの単位で漏洩電流が検出されることから漏洩電流の検出性能は向上し、バッテリパックの安全性が増加する。
【0095】
図5は、一実施形態によるスレーブ制御装置の動作方法を説明するためのフローチャートである。図5を参照すると、スレーブ制御装置は、バッテリの検出された物理量及びコンバータの検出された出力物理量を受信(又は取得)する(S510)。コンバータは上で説明した変換部に対応する。
【0096】
スレーブ制御装置は、検出された物理量及び検出された出力物理量に基づいてバッテリの状態情報を決定する(S520)。
【0097】
スレーブ制御装置は、状態情報をマスタ制御装置に送信する(S530)。
【0098】
スレーブ制御装置は、状態情報に対応するように決定された出力情報をマスタ制御装置から受信する(S540)。
【0099】
スレーブ制御装置は、マスタ制御装置からの出力情報に基づいて前記コンバータを制御する(S550)。
【0100】
一実施形態によるスレーブ制御装置は、複数のセンサ、プロセッサ、及びコンバータを含み得る。複数のセンサは、上記で説明した第1電流センサ及び第2電流センサを含んでもよい。また、複数のセンサは上記で説明した電圧センサ及び/又は温度センサをさらに含んでもよい。プロセッサは、ステップS510〜ステップS550を実行することができるためその詳細な説明は省略する。
【0101】
図1図4Bを参照して説明された事項は、図5を参照して説明された事項に適用され得るため、詳細な説明は省略する。
【0102】
図6は、一実施形態によるマスタ制御装置の動作方法を説明するためのフローチャートである。
【0103】
マスタ制御装置は、複数のスレーブ制御装置それぞれから複数のスレーブ制御装置のそれぞれに対応するバッテリの状態情報を受信する(S610)。
【0104】
マスタ制御装置は、各状態情報に対応する出力情報を決定する(S620)。マスタ制御装置は、複数のスレーブ制御装置のそれぞれに含まれたコンバータの出力物理量を個別的に決定する。
【0105】
マスタ制御装置は、各出力情報を複数のスレーブ制御装置のそれぞれに送信する(S630)。スレーブ制御装置のそれぞれは、出力情報に基づいて各コンバータを制御する。そのため、電力が多く格納されたバッテリは相対的に多くの電力を低電圧負荷に供給し得る。また、電力が少なく格納されたバッテリは相対的に少ない電力を低電圧負荷に供給し得る。
【0106】
図1から図5を参照して説明された事項は、図6を参照して説明された事項に適用され得るため、詳細な説明は省略する。
【0107】
図7は、一実施形態によるバッテリの状態情報を提供する一例を説明するための図である。図7を参照すると、電気移動体710のような物理的アプリケーションはバッテリシステム720を含む。前述した物理的アプリケーションは例示的な事項に過ぎず、物理的アプリケーションは前述した例に制限されることはない。バッテリシステムは電気移動体だけではなく、バッテリを用いる全ての物理的アプリケーションに適用され得る。
【0108】
バッテリシステム720は、バッテリパック730及びバッテリ制御システム740を含む。バッテリパック730は複数のバッテリを含む。バッテリ制御システム740は、上記で説明したマスタ制御装置及び複数のスレーブ制御装置を含む。
【0109】
複数のバッテリ間の性能偏差(例えば、電圧差及び/又は容量差など)のあるバッテリパック730の充電/放電サイクルが繰り返されれば、過充電及び過放電が発生する可能性があり、過充電及び過放電によって複数のバッテリ性能が劣化することでバッテリパック730の寿命が減少する。
【0110】
バッテリ制御システム740は、複数のバッテリそれぞれの電圧、電流、及び/又は温度などの情報に基づいて複数のバッテリが最適の状態を保つように動作させる。例えば、バッテリ制御システム740は、複数のバッテリそれぞれが最適の温度で動作できるようにしたり、複数のバッテリそれぞれの状態情報を適切なレベルに保持できるようにする。
【0111】
また、バッテリ制御システム740は、バッテリシステム720の安全運営のための情報を生成し、安全運営のための情報を端末750に送信する。例えば、バッテリ制御システム740は、複数のバッテリそれぞれの性能情報及び/又はバッテリパック730の交換時期などを端末750に送信する。
【0112】
バッテリ制御システム740は、端末750から無線インタフェースを介して受信されたトリガー信号に基づいて複数のバッテリそれぞれの状態情報を決定する。より具体的に、スレーブ制御装置は、対応バッテリの状態情報を決定し、マスタ制御装置に送信する。マスタ制御装置は、複数のバッテリそれぞれの状態情報を用いてバッテリパック730のパック状態情報を決定する。バッテリ制御システム740は、パック状態情報を無線インタフェースを介して端末750に送信する。端末750は、ユーザインタフェース760を用いてパック状態情報を表示する。
【0113】
図1図6を参照して説明された事項は図7を参照して説明された事項に適用され得るため、詳細な説明は省略する。
【0114】
図8は、一実施形態によるバッテリの状態情報を提供する異なる一例を説明するための図である。
【0115】
図8を参照すると、複数のバッテリそれぞれに対応するスレーブ制御装置は、対応バッテリの状態情報を決定する。スレーブ制御装置は、対応バッテリの状態情報をマスタ制御装置に送信し、マスタ制御装置は複数のバッテリの状態情報をECUに送信する。
【0116】
ECUは、複数のバッテリの状態情報810をディスプレイに出力する。
【0117】
図1図7を参照して説明された事項は、図8を参照して説明された事項に適用され得るため、詳細な説明は省略する。
【0118】
実施形態による方法は、多様なコンピュータ手段を介して実施されるプログラム命令の形態で具現され、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録される。記録媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などを単独又は組合せて含む。記録媒体及びプログラム命令は、本発明の目的のために特別に設計して構成されたものでもよく、コンピュータソフトウェア分野の技術を有する当業者にとって公知のものであり使用可能なものであってもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体の例としては、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク及び磁気テープのような磁気媒体、CD−ROM、DVDのような光記録媒体、フロプティカルディスクのような磁気−光媒体、及びROM、RAM、フラッシュメモリなどのようなプログラム命令を保存して実行するように特別に構成されたハードウェア装置を含む。プログラム命令の例としては、コンパイラによって生成されるような機械語コードだけでなく、インタプリタなどを用いてコンピュータによって実行される高級言語コードを含む。ハードウェア装置は、本発明の動作を実行するために1つ以上のソフトウェアモジュールとして作動するように構成してもよく、その逆も同様である。
【0119】
上述したように実施形態をたとえ限定された図面によって説明したが、当技の術分野で通常の知識を有する者であれば、前記に基づいて様々な技術的な修正及び変形を適用することができる。例えば、説明された技術が説明された方法と異なる順序で実行されたり、及び/又は説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が説明された方法と異なる形態で結合又は組み合わせられたり、他の構成要素又は均等物によって置き換えたり置換されても適切な結果を達成することができる。したがって、他の具現、他の実施形態、及び特許請求の範囲と均等なものも後述する特許請求の範囲に属する。
【符号の説明】
【0120】
110 マスタ制御装置
120、130、140 スレーブ制御装置
121、131、141 バッテリ
150 低電圧負荷
160 高電圧負荷
200 スレーブ制御装置
210 受信部
220 制御部
230 変換部
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8