(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記車体パネルの内側に固定された一対の固定脚を介して、前記一対のブラケット及び前記一対のハンドルアームを跨ぐようにブリッジ状に配設された補剛部材をさらに有することを特徴とする請求項1又は2に記載された車両のハンドル装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本実施形態に係る車両のハンドル装置について説明する。
図1は、本実施形態に係る車両のハンドル装置1が適用された車両のサイドドア100の要部を示す正面図である。
図2は、車両のハンドル装置1を裏面側から示す説明図である。
図3及び
図4は、車両のハンドル装置1の構成を模式的に示す斜視図である。
図5は、
図2に示す車両のハンドル装置1のAA断面図である。
【0018】
本実施形態に係る車両のハンドル装置1は、車両のサイドドア100に配設されるアウトサイドハンドルに係る装置であり、以下、車両右側のサイドドア100を例示して説明を行う。車両のハンドル装置1は、グリップハンドル10と、一対のブラケット30,31と、一対のガスケット40,41と、補剛ブラケット50(
図3参照)と、バランスウエイト60と、を主体に構成されている。なお、本明細書では、
図1に示す車両のハンドル装置1を基準に、「上」、「下」、「前」及び「後」を定める。また、サイドドア100を基準に内側及び外側の向きとなる方向を内外方向と定める(車両の横方向に対応する)。
【0019】
ドアアウタパネル101は、サイドドア100のうち車両外側に位置する金属製の車体パネル(ドアパネル)である。ドアアウタパネル101には、サイドドア100の開閉操作のときに、グリップハンドル10とドアアウタパネル101との間に手を挿入するスペースを形成するための窪みである凹部102が形成されている。また、ドアアウタパネル101には、グリップハンドル10を組み付けるための一対のパネル開口101a,101bが、前後方向(水平方向)にかけて所定の間隔で設けられている。個々のパネル開口101a,101bは、後述するハンドルアーム12,13を挿入させることができる程度の大きさに設定されている。
【0020】
グリップハンドル10は、グリップタイプの操作ハンドルであり、長尺形状のハンドル本体11と、一対のハンドルアーム12,13とで構成されている。グリップハンドル10は、ハンドル本体11の長手方向を前後方向に一致させた姿勢でドアアウタパネル101に組み付けられている。
【0021】
ハンドル本体11の中央部には、グリップハンドル10を操作するときの握り部分に相当する握り部11aが設けられている。握り部11aは、ドアアウタパネル101の外側(ドアアウタパネル101から遠ざかる方向)に向けて膨らむように湾曲されており、手を挿入するためのスペースをなすようにドアアウタパネル101の外面と隔てられている。グリップハンドル10においては、このスペースに対して上方向及び下方向の両方(ハンドル本体11の長手方向に対して直交する関係にある正対する2方向)から手を挿入することができるので、上側からでも下側からでも操作を行うことができる。
【0022】
ハンドル本体11の前端部11bの裏面側は、ブラケット30及びガスケット40を介して、ドアアウタパネル101の外面に押し当てられている。また、ハンドル本体11の後端部11cの裏面側は、ブラケット31及びガスケット41を介して、ドアアウタパネル101の外側に押し当てられている。グリップハンドル10がドアアウタパネル101に組み付けられた状態において、パネル開口101a,101bは、ハンドル本体11により覆い隠される。
【0023】
一対のハンドルアーム12,13は、ハンドル本体11の裏面(ドアアウタパネル101と向き合う面)側に設けられており、パネル開口101a,101bからドアアウタパネル101の内側へと進入している。一方のハンドルアーム12は、前端部11bに設けられ、その位置は、前側のパネル開口101aと対応している。他方のハンドルアーム13は、後端部11cに設けられ、その位置は、後側のパネル開口101bと対応している。このように、一対のハンドルアーム12,13は、一定の距離を隔てて互いに対向した状態で、ハンドル本体11に一体的に設けられている。
【0024】
個々のハンドルアーム12,13は、前後方向に肉厚を備えるブロックであり、その前後方向から眺めた状態において、ドアアウタパネル101の内側へと進入した後に屈曲し、そこから上側に向かって延出する略L字の形状を備えている。前側のハンドルアーム12の前壁面12a、及び、後側のハンドルアーム13の後壁面13aには、ブラケット30,31により軸支されるための挿入穴が設けられている。
【0025】
ハンドルアーム12,13のうち後側のハンドルアーム13は、サイドドアの内部に配置されるドアロック装置(図示せず)を操作するための操作脚を兼用する。このハンドルアーム13には、車体に対して係止されるラッチを備えたドアロック装置と連結するロッド(図示せず)を保持するためのロッドホルダ14が装着されている。
【0026】
グリップハンドル10は、後述するトーションスプリング34,35により、ハンドル本体11がドアアウタパネル101に押し当てられる方向に付勢されている。トーションスプリング34,35の反力に抗して、グリップハンドル10(ハンドル本体11)を開放操作することにより、本実施形態では上方へと引き上げることにより、車体に対するドアロック装置の係止状態が解除される。
【0027】
一対のブラケット30,31は、一対のハンドルアーム12,13を軸支する部材であり、一対のパネル開口101a,101bと対応して、ドアアウタパネル101に取り付けられている。一方のブラケット30は、前側に位置するパネル開口101aに対応しており、ハンドルアーム12の前方に隣接して配置され、他方のブラケット31は、後側に位置するパネル開口101bに対応しており、ハンドルアーム13の後方に隣接して配置されている。換言すれば、一対のブラケット30,31は、一対のハンドルアーム12,13を中央に挟むように、その側方に隣接して配置されている。一対のブラケット30,31は、スタッドボルト110,111を利用してドアアウタパネル101に固定される。
【0028】
個々のブラケット30,31は、所要の造形に成形された平板形状の鋼材からなり、ベース片30a,31aと、固定片30b,31bとで構成されている。ここで、
図6は、一対のブラケット30,31の構成を示す説明図である。
【0029】
ベース片30a,31aは、ドアアウタパネル101の面形状に合わせた平面形状を有しており、ドアアウタパネル101の外面に当接した状態で配置される。個々のベース片30a,31aの端部には、当該ベース片30a,31aから立ち上がるように、固定片30b,31bが連設されている。固定片30b,31bは、その前後方向から眺めた状態において、ドアアウタパネル101の内側へと進入した後に屈曲し、そこから車両上側に向かって延出する略L字の形状を備えている。固定片30b,31bには、部材の中央部に沿って延在する突条30b1,31b1が形成されている。この突条30b1,31b1は、固定片30b,31bの中央部を凸状に隆起させて形成されており、固定片30b,31bの剛性を高める役割を担っている。
【0030】
固定片30b,31bの先端(上端)側には、折曲片30b2,31b2が設けられている。折曲片30b2,31b2は、当該固定片30b,31bの一部を略直角に折り曲げることで形成されている。この折曲片30b2,31b2は、ブラケット30,31に軸支されるハンドルアーム12,13が回動した際に当該ハンドルアーム12,13が折曲片30b2,31b2に突き当たることで、ハンドルアーム12,13の回動範囲を制限するための部材である。したがって、ハンドル本体11を上方へと持ち上げた際には、ハンドルアーム12,13の回動範囲が折曲片30b2,31b2により制限されることで、ハンドル本体11の操作範囲が制限されることとなる。
【0031】
個々のブラケット30,31の固定片30b,31bには貫通孔が形成されており、当該貫通孔には、固定片30b,31bの面直方向に沿って固定軸32,33が挿通されている。この固定軸32,33は、ブラケット30,31の内側(前側のブラケット30においては後側、後側のブラケット31においては前側)に隣接するハンドルアーム12,13の挿入穴に挿入されており、これにより、ハンドルアーム12,13が軸支される。各固定片30b、31bの貫通孔は、一対の固定軸32,33が同軸となるような関係に設定されている。
【0032】
また、固定軸32,33は、段付きピンとして構成されており、その一部がブラケット30,31の側方へと突き出ており、この突き出た部位には、トーションスプリング34,35が装着されている。トーションスプリング34,35の一端は、ブラケット30,31に係合され、その他端は、グリップハンドル10のハンドルアーム12,13に係合されている。
【0033】
一対のガスケット40,41は、ハンドル本体11の前端部11b及び後端部11cに対応して設けられている。個々のガスケット40,41は、ブラケット30,31とグリップハンドル10(前端部11b及び後端部11cの裏面)との間に配設される。個々のガスケット40,41は、グリップハンドル10による異音の発生を抑制するための緩衝部材であり、適宜の合成樹脂材を用いて所要の形状に型成形されている。個々のガスケット40,41には、パネル開口101a,101bの周縁部と係合する爪部(図示せず)が形成されており、取り付け時には、この爪部を用いてパネル開口101a,101bに仮保持される。仮保持状態のガスケット40,41は、スタッドボルト110,111によりブラケット30,31がドアアウタパネル101に締結されると、ブラケット30,31とドアアウタパネル101とによって挟持され、これにより、固定される。
【0034】
補剛ブラケット50は、ドアアウタパネル101及びグリップハンドル10の剛性を補う補剛部材であり、平板形状の鋼材から構成されている。補剛ブラケット50の両端には、クランク状に屈曲形成された固定脚51,52が一体に設けられている。補剛ブラケット50は、ドアアウタパネル101の内側に固定されており、一対の固定脚51,52を介して一対のハンドルアーム12,13及び一対のブラケット30,31を跨ぐようにブリッジ状に配設されている。補剛ブラケット50の固定は、スタッドボルト110,111により、ブラケット30,31及びガスケット40,41とともにドアアウタパネル101に共締めされる。
【0035】
バランスウエイト60は、車両に横方向(内外方向)の荷重が入力された際に、慣性力によりグリップハンドル10が開放操作方向に動作しないようにするためのものである。バランスウエイト60は、一対のハンドルアーム12,13に跨がるように両端が支持されるとともに、一対のハンドルアーム12,13に対して着脱自在とされている。バランスウエイト60は、挿入穴(軸支点)よりも自由端側に片寄った位置においてハンドルアーム12,13により支持されている。
【0036】
バランスウエイト60を支持するために、前側のハンドルアーム12には嵌合孔15が設けられ、後側のハンドルアーム13には取付溝が設けられる。嵌合孔15は、前側のハンドルアーム12において後側のハンドルアーム13と対向する後壁面12bに形成されている。嵌合孔15は、バランスウエイト60の外径よりも若干だけ大きな内径を有し、ハンドルアーム12を貫通しない程度の深さに設定されている。取付溝は、後側のハンドルアーム13の上端に設けられる、前後方向に連続する略U字形状の溝であり、その上方が開放されている。
【0037】
バランスウエイト60は、所望の重量を得るために大径とされた円柱状の部材である。バランスウエイト60を後側のハンドルアーム13の取付溝の底面側へと嵌め込むと、バランスウエイト60の前端が嵌合孔15に正対する。この状態から、バランスウエイト60を前側へと移動させると、バランスウエイト60の前端側が嵌合孔15に挿入される。前端側が嵌合孔15に挿入された状態において、バランスウエイト60の後端側は、後側のハンドルアーム13の取付溝により支持される。
【0038】
バランスウエイト60が取付溝の開放側(上側)から離脱することがないように、取付溝には、その上方からホルダー71が嵌まり込むように装着される。ホルダー71が取付溝に装着されると、バランスウエイト60の脱落が抑制される。
【0039】
このように本実施形態において、車両のハンドル装置1は、ドアアウタパネル101に組み付けられるグリップハンドル10と、ドアアウタパネル101に固定され、当該ドアアウタパネル101の内外を貫通する一対のパネル開口101a,101bを介して、ドアアウタパネル101の内側へと進入する一対のブラケット30,31と、を有している。ここで、グリップハンドル10は、手を挿入するためのスペースをなすようにドアアウタパネル101の外面と隔てられた握り部11aを、長手方向の中央部に備える長尺状のハンドル本体11と、ハンドル本体11の長手方向の両側に設けられ、一対のパネル開口101a,101bからドアアウタパネル101の内側へと進入して、一対のブラケット30,31に軸支される一対のハンドルアーム12,13と、を有している。そして、一対のパネル開口101a,101bは、グリップハンドル10がドアアウタパネル101に組み付けられた状態において、ハンドル本体11により覆われる。
【0040】
この構成によれば、上下いずれの方向からもグリップハンドル10を操作することができるので、自由度の高い操作性を得ることができる。また、グリップハンドル10は、シンプルな構成とすることができるので、ハンドル装置1を安価に提供することができる。これにより、コスト面の条件が緩和されるので、搭載可能な車種を広げることができる。さらに、ドアアウタパネル101には、ハンドルアーム12,13が進入するためのパネル開口101a,101bをそれぞれ設ければよいので、大きな開口を設ける必要がない。これにより、開口を化粧用のプレートで覆い隠すといった必要もないので、当該化粧用のプレートを省略することができる。その結果、化粧用のプレートに起因する分割線も省略されるので、外観上の見栄えを向上させることができる。加えて、一対のパネル開口101a,101bがハンドル本体11により覆われることで、外観上に現れる分割線を減少させることができる。その結果、外観上の見栄えをより向上させることができる。
【0041】
また、本実施形態において、一対のブラケット30,31は、互いに独立した板状部材からなり、一対のハンドルアーム12,13を中央に挟むように、一対のハンドルアーム12,13の側方に隣接して配置されている。
【0042】
この構成によれば、個々のハンドルアーム12,13に対して、互いに独立したブラケット30,31が適用されている。そのため、1枚の板状部材を長尺状に形成して、共通のブラケットを用いて一対のハンドルアーム12,13を支持する構成と比較して、個々のブラケット30,31の部材長さを短くすることができる。特に、グリップハンドル10は、利用者が握った状態で操作を行うものであるため、グリップハンドル10には、上方向へ引き上げる力に加え、利用者の操作に伴う捻り方向の力が作用することとなる。このため、グリップハンドル10を支持するブラケット30,31には、高い剛性が求められることとなる。
【0043】
この点、本実施形態によれば、それぞれ分割したブラケット30,31で構成することで、個々のブラケット30,31の部材長さを短く設計することができる。そのため、1枚の長尺状のブラケットを一対のハンドルアーム12,13で共用する場合と比べて、ブラケット30,31の剛性を高めることができる。これにより、上方向へ引き上げる力に加え、捻り方向の力が作用するグリップハンドル10を強固に支持することができる。その結果、操作時におけるぐらつきやぶれの発生を抑制することができるので、高い操作性を得ることができる。
【0044】
また、本実施形態において、一対のブラケット30,31のそれぞれは、ドアアウタパネル101の外面に固定されるベース片30a,31aと、ドアアウタパネル101の内側に向かって立ち上がるようにベース片30a,31aに連設される固定片30b,31bと、を有し、固定片30b,31bには、ハンドルアーム12,13を軸支するための固定軸32,33が挿入されている。
【0045】
この構成によれば、個々のブラケット30,31が、ベース片30a,31a及び固定片30b,31bで構成されるため、その部材長さを短く設計することができる。これにより、上方向へ引き上げる力に加え、捻り方向の力が作用するグリップハンドル10を強固に支持することができる。その結果、操作時におけるぐらつきやぶれの発生を抑制することができるので、高い操作性を得ることができる。
【0046】
また、本実施形態において、車両のハンドル装置1は、ドアアウタパネル101の内側に固定された一対の固定脚51,52を介して、一対のブラケット30,31及び一対のハンドルアーム12,13を跨ぐようにブリッジ状に配設された補剛ブラケット50をさらに有している。
【0047】
この構成によれば、補剛ブラケット50により剛性を補うことができる。これにより、上方向へ引き上げる力に加え、捻り方向の力が作用するグリップハンドル10を強固に支持することができる。その結果、操作時におけるぐらつきやぶれの発生を抑制することができるので、高い操作性を得ることができる。
【0048】
また、本実施形態において、車両のハンドル装置1は、一対のハンドルアーム12,13に跨がるように両端が支持されるとともに、当該一対のハンドルアーム12,13に対して着脱自在とされたバランスウエイト60をさらに有している。そして、一対のハンドルアーム12,13のそれぞれは、ブラケット30,31の軸支点よりも自由端側に片寄った位置においてバランスウエイト60を支持している。
【0049】
本実施形態によれば、ドアアウタパネル101には、一対のハンドルアーム12,13が進入できる程度の開口が、個々のハンドルアーム12,13に対応して形成されているのみである。そのため、ハンドルアーム12,13にバランスウエイト60を予め取り付けた状態で、ドアアウタパネル101に対してグリップハンドル10を組み付けることができない。この点、本実施形態によれば、一対のハンドルアーム12,13に対してバランスウエイト60が着脱自在とされているので、ドアアウタパネル101にグリップハンドル10を組み付けた上で、バランスウエイト60を後付けすることができる。これにより、ドアアウタパネル101に大きな開口を設ける必要がないので、多くの分割線が外観に現れるといったことを抑制することができる。
【0050】
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係る車両のハンドル装置1が、第1の実施形態のそれと相違する点は、バランスウエイトの取付構造である。ドアアウタパネル101には、ハンドルアーム12,13を挿入するためのパネル開口101a,101bしか設けられていない。そのため、バランスウエイトをハンドルアーム12,13に一体化した状態で、グリップハンドル10をドアアウタパネル101に組み付けることができない。したがって、バランスウエイトは、グリップハンドル10の組み付け後、ハンドルアーム12,13に対して後付けされることとなる。本実施形態では、このような後付け構造を前提に、バランスウエイトの組付け性を向上させたものである。
【0051】
図7は、第2の実施形態に係るバランスウエイト60Aの固定構造を示す説明図である。なお、
図7は、グリップハンドル10及びバランスウエイト60Aを主体に描かれており、ドアアウタパネル101などの記載は省略されている(後述する
図8においても同様)。
【0052】
本実施形態において、バランスウエイト60Aは、円柱形状を有する長尺状のウエイト本体部61と、平板形状の取付片62と、ウエイト本体部61よりも小さい外径とされた円柱形状の嵌合部63とで構成されている。取付片62は、ウエイト本体部61の一端側、本実施形態では、後端側に設けられている。この取付片62には、バランスウエイト60Aの長手方向に沿って横長となる開口部62aが設けられている。嵌合部63は、ウエイト本体部61の他端側、本実施形態では、前端側に設けられている。嵌合部63の先端には、嵌合部63の外径よりも大きな外径を備える抜け止め部63aが設けられている。
【0053】
一方、後側のハンドルアーム13の上面には、ピン17が立設されている。ピン17は、取付片62の開口部62aに挿通されており、このピン17によりバランスウエイト60Aがハンドルアーム13に連結される。取付片62の両側には、ピン17からの脱落を規制するワッシャーが配設されている。これにより、バランスウエイト60Aは、開口部62aの形状に応じて移動自在、すなわち、回動方向及び長手方向に移動自在に支持される。
【0054】
また、前側のハンドルアーム12の背面12cには、U字状の溝部12c1が設けられている。溝部12c1は、前後方向に沿って連続的に形成されており、バランスウエイト60Aの嵌合部63が嵌め込み可能に形成されている。
【0055】
つぎに、
図8を参照しつつ、グリップハンドル10へのバランスウエイト60Aの取付方法について説明する。まず、ピン17を介してハンドルアーム13にバランスウエイト60Aが連結された状態で、ドアアウタパネル101にグリップハンドル10が組み付けられる。ハンドルアーム13をパネル開口101bへと進入させる際に、バランスウエイト60Aを回動させてその向きを調整することにより、ドアアウタパネル101と干渉することなく、ハンドルアーム13とともにバランスウエイト60Aをパネル開口101bに対して進入させることができる(
図8(a)参照)。
【0056】
バランスウエイト60Aがドアアウタパネル101の内側に挿入されると、嵌合部63が前方に向かうようにバランスウエイト60Aを回動させ、前側のハンドルアーム12の溝部12c1へと嵌合部63を嵌め込む。つづいて、バランスウエイト60Aを、その長手方向に沿って後側へと移動させる。取付片62の開口部62aは横長に形成されているため、嵌合部63の抜け止め部63aが前側のハンドルアーム12に当接するまで、バランスウエイト60Aを長手方向に沿って移動させることができる(
図8(b)参照)。
【0057】
この状態において、ハンドルアーム12の後壁面12b側に、溝部12c1から進出した嵌合部63が部分的に露出される。この露出した嵌合部63には、固定クリップ72が装着される。固定クリップ72は、略U字形状に形成されており、ハンドルアーム12の後壁面12bとウエイト本体部61との間隙に嵌め込まされるとともに、その一部がハンドルアーム12の溝部12c1へと嵌め込まれる。この固定クリップ72により、バランスウエイト60Aの前後方向のがたつきが抑制されるとともに、バランスウエイト60Aがハンドルアーム12の溝部12c1から脱落することが抑制される。
【0058】
このように本実施形態によれば、バランスウエイト60Aは、ウエイト本体部61と、ウエイト本体部61の一方の端部に設けられ、ウエイト本体部61が回動方向及び長手方向に移動自在となるように後側のハンドルアーム13に連結される取付片62と、ウエイト本体部61の他方の端部に設けられ、ウエイト本体部61を回動方向へと移動させることで、前側のハンドルアーム12に形成されたU字状の溝部12c1に嵌め込み可能な嵌合部63と、から構成されている。そして、U字状の溝部12c1に嵌合部63を嵌め込んだ状態で、ウエイト本体部61を長手方向に沿って移動させ、U字状の溝部12c1から嵌合部63を部分的に進出させた状態で固定クリップ72を装着することにより、バランスウエイト60Aを固定保持している。
【0059】
この構成によれば、簡便な手法で、バランスウエイト60Aを後付けすることができる。これにより、バランスウエイト60Aの取り付け作業を効率的に行うことができ、生産性の向上を図ることができる。
【0060】
なお、本実施形態では、円柱形状の嵌合部63をU字状の溝部12c1に嵌め込む構造としているが、嵌合部63及び溝部12c1の形状はこれに限定されるものではなく、嵌合部63が溝部12c1に対して嵌め込み可能な形状であればよい。また、本実施形態では、前側のハンドルアーム12の溝部12c1へと嵌合部63を嵌め込んだ後に、バランスウエイト60Aを長手方向の後側へと移動させているが、前側に移動させてもよい。この場合、ハンドルアーム12の前壁面側に、溝部12c1から進出した嵌合部63が部分的に露出するので、その露出した嵌合部63に固定クリップ72を装着すればよい。
【0061】
(第3の実施形態)
第3の実施形態に係る車両のハンドル装置1が、第1の実施形態のそれと相違する点は、バランスウエイトの取付構造である。ドアアウタパネル101には、ハンドルアーム12,13を挿入するためのパネル開口101a,101bしか設けられていない。そのため、バランスウエイトをハンドルアーム12,13に一体化した状態で、グリップハンドル10をドアアウタパネル101に組み付けることができない。したがって、バランスウエイトは、グリップハンドル10の組み付け後、ハンドルアーム12,13に対して後付けされることとなる。本実施形態では、このような後付け構造を前提に、バランスウエイトの組付け性を向上させたものである。
【0062】
図9は、第3の実施形態に係るバランスウエイト60Bの固定構造を示す説明図である。
図10は、第3の実施形態に係るバランスウエイト60Bの構造を示す説明図である。バランスウエイト60Bは、ウエイト本体部65と、蓋体66と、コイルスプリング67とで構成されている。ウエイト本体部65は、円柱形状を有し、その一方の端部には収容部65aが形成されている。収容部65aは、有底の中空筒状に形成されており、その内部にコイルスプリング67を収容している。蓋体66は、収容部65aの外径よりもわずかに大きな内径を備えるとともに頂部が閉塞された筒形状を有しており、その開口側に収容部65aを嵌め入れることができる。ウエイト本体部65の他方の端部には、ハンドルアーム13に形成された凹部(図示せず)に係合する係合凸部65bが設けられ、蓋体66の頂部にも、ハンドルアーム12に形成された凹部に係合する係合凸部(図示せず)が設けられる。
【0063】
ウエイト本体部65と蓋体66とは、収容部65aにコイルスプリング67を収容した状態で相互に組み付けられる。
蓋体66の所要の位置には係合爪部66aが形成されている一方、収容部65aの外面には、係合爪部66aが進入するための溝部65a1が形成されており、係合爪部66aの進入が溝部65a1によりガイドされる。
【0064】
ウエイト本体部65と蓋体66との間に収容されたコイルスプリング67の弾性力を受けて、バランスウエイト60Bには、全長が延伸方向に延びるように付勢力が付与されている。溝部65a1の所要の位置には、爪受け部65a2が形成されているため、蓋体66の係合爪部66aが収容部65aの爪受け部65a2と係合することで、蓋体66がウエイト本体部65(収容部65a)から脱落することが規制される。
【0065】
また、コイルスプリング67の反発力に抗して、蓋体66をウエイト本体部65に押し込むと、収容部65aが蓋体66の頂部に突き当たるまで、収容部65aを蓋体66へと挿入することができる。バランスウエイト60Bは、蓋体66の係合爪部66aと収容部65aの爪受け部65a2とが係合した最大長さから、収容部65aが蓋体66の頂部に突き当たる最小長さまでの間で伸縮させることができる。このバランスウエイト60Bの最大長さは、一対のハンドルアーム12,13の間隔より長く、その最小長さは、一対のハンドルアーム12,13の間隔より短くなるように設定されている。
【0066】
つぎに、このような車両のハンドル装置1において、グリップハンドル10へのバランスウエイト60Bの取付方法について説明する。まず、ドアアウタパネル101にグリップハンドル10を組み付ける。つぎに、蓋体66をウエイト本体部65へと押し込んでバランスウエイト60Bを軸方向に縮小させた状態で、一対のハンドルアーム12,13の間に配置される。バランスウエイト60Bの配置が完了すると、蓋体66に付与している力を解放し、バランスウエイト60Bを延伸させる。これにより、一対のハンドルアーム12,13によりバランスウエイト60Bが両側から挟持される。この際、ウエイト本体部65の係合凸部65bがハンドルアーム13に形成された凹部に係合し、蓋体66の頂部に形成された係合凸部がハンドルアーム12に形成された凹部に係合する。これらの係合により、バランスウエイト60Bが一対のハンドルアーム12,13の間に強固に固定され、バランスウエイト60Bの脱落が抑制される。
【0067】
このように本実施形態において、バランスウエイト60Bは、長手方向における全長が伸縮可能に構成されるとともに、当該全長が延伸方向に延びるように付勢力が付与されている。そして、バランスウエイト60Bは、付勢力を利用して一対のハンドルアーム12,13により両側から挟持される。
【0068】
この構成によれば、簡便な手法で、バランスウエイト60Bを後付けすることができる。これにより、バランスウエイト60Bの取り付け作業を効率的に行うことができ、生産性の向上を図ることができる。
【0069】
なお、本実施形態では、バランスウエイト60Bは、長手方向の両端が一対のハンドルアーム12,13に突き当てられることにより、付勢力を利用して一対のハンドルアーム12,13により両側から挟持されている。しかしながら、第2の実施形態に示す取付片62のように、バランスウエイト60Bの一端を一方のハンドルアーム12,13に回動可能に連結し、バランスウエイト60Bの他端を残余のハンドルアーム12,13に突き当てるように構成してもよい。このような構成であっても、バランスウエイト60Bは、付勢力を利用して一対のハンドルアーム12,13により両側から挟持されることとなる。
【0070】
以上、本実施形態に係る車両のハンドル装置について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、その発明の範囲内において種々の変形が可能であることはいうまでもない。上述した実施形態では、ハンドル装置として、サイドドアに適用されるアウトサイドハンドル装置について説明したが、バックドアに適用してもよいし、種々のハンドル装置に適用することができる。