【文献】
株式会社ファンケル,「腰ラックス 」(機能性表示食品),プレスリリース,2016年 4月27日,URL,https://www.fancl.jp/news/pdf/20160427_koshirakkusu.pdf
【文献】
株式会社ファンケル,コシラックス,プレスリリース,2013年 8月30日,URL,https://www.fancl.jp/news/pdf/2013.08.30koshirakkusu.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ヒハツ抽出物25〜35質量%、クレアチン40〜50質量%、プロテオグリカン7〜12質量%、α−リポ酸0.5〜2質量%、シアノコバラミン0.2〜0.7質量%、ピリドキシン0.1〜0.5質量%、葉酸0.02〜0.05質量%、サンショウ末0.1〜0.5質量%からなるテアニン吸収促進用組成物。
【背景技術】
【0002】
テアニン(L-Theanine)は、茶に多量に含まれるアミノ酸の一種でグルタミン酸の誘導体である。テアニンは、植物の中でもチャノキ(Camellia sinensis)とそのごく近縁種、そしてキノコ(菌類)の一種であるニセイロガワリ(Boletus badius)にしか見つかっていないアミノ酸であり、茶の旨味成分の一つである。テアニンは乾燥茶葉中に1〜2%含まれ、特に上級なお茶に多く含まれている。
また、テアニンは茶の等級に関わらず、茶の全遊離アミノ酸の約半量を占めている。
【0003】
テアニンは臨床試験や動物試験において、様々な効果が確認されている。
特許文献1には、テアニンを摂取することにより、ストレスの抑制効果が認められている。
特許文献2には、テアニンが喫煙欲求の抑制に有効であり、その有効性は従来の技術に比べ高く、禁煙が必要とされる場面において禁煙に伴う禁断症状を予防、軽減、解消することができることが記載されている。
特許文献3には、グルタミン酸に起因する脳障害、脳梗塞や脳出血などの脳卒中、脳手術や脳損傷に伴う脳虚血の治療及び予防に、テアニンが有用であることが記載されている。
このようにテアニンは神経の伝達が関わる緊張の緩和や、神経関連疾患の改善に有用であることが知られている。
【0004】
また、テアニンは、一般的には経口で摂取した場合、腸管で吸収され、脳血液関門を通過して脳内に作用しているといわれるが、吸収の過程詳細は不明である。特許文献2にはテアニンが口腔粘膜からも吸収されることが記載されている。
テアニンに限らず多くの生理活性物質は、経口投与された後、消化管から吸収され、血液を介して体内を循環し、その薬理効果を発揮する。生体内においてその薬理効果を有効に利用するためには、消化管から生体内に効率よく取り込まれなくてはならない。すなわち、効率よく薬理学的性質を発揮するためには、生体内への吸収率が高いことが望ましい。しかしながら、これまでテアニンの生体内への吸収率を向上させる試みは積極的になされていない。またテアニンと併用する生理活性物質の吸収に影響する物質については殆ど研究がなされていないのが現状である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、ヒハツ抽出物、クレアチン、プロテオグリカン、α−リポ酸、シアノコバラミン、ピリドキシン、葉酸、サンショウ末を含有する組成物、およびテアニン又はテアニン含有素材とヒハツ抽出物、クレアチン、プロテオグリカン、α−リポ酸、シアノコバラミン、ピリドキシン、葉酸、サンショウ末を含有する組成物に係る発明である。
本発明に用いられる「テアニン」とは、上記したようにグルタミン酸の誘導体(γ−グルタミルエチルアミド)であり、天然には茶葉に多く含まれるアミノ酸成分である。本発明に用いられるテアニンの製造法としては、茶葉から抽出する方法、有機合成反応によりテアニンを得る方法(Chem.Pharm.Bull., 19(7) 1301-1307(1971) )、グルタミンとエチルアミンの混合物にグルタミナーゼを作用させてテアニンを得る方法(特公平7−55154号公報)、エチルアミンを含有する培地で茶の培養細胞群を培養し、培養細胞群中のテアニン蓄積量を増加させつつ培養細胞群の増殖促進を図る方法(特開平5−123166号公報)、また、特公平7−55154号公報、特開平5−123166号公報におけるエチルアミンをエチルアミン塩酸塩などのエチルアミン誘導体に置き換えてテアニンを得る方法等があり、いずれの方法でも良い。また、テアニンは精製品、粗精製品、抽出エキス等、いずれの形態のものでもよく、市販品(サンテアニン(登録商標)太陽化学(株)製)でも良い。また、テアニンはL−テアニン、D−テアニン、DL−テアニンいずれも使用可能であるが、中でもL−体は食品添加物にも認められており、経済的にも利用しやすいため、本発明においては、L−体が好ましい。なお、ここでいう茶葉とは、緑茶、ウーロン茶、紅茶等が挙げられる。またテアニンの含有量があきらかな茶葉の乾燥物や粉砕物あるいは粉末、さらには茶葉の加工品を、本発明においてはテアニン素材と呼ぶ。テアニン素材は、本組成物に配合して、組成物へのテアニンの供給源として使用することができる。テアニン素材である茶葉中のテアニンの検出方法は、特に限定されるものでないが、例えばオルトフタルアルデヒド(OPA)によるプレカラムでの誘導体化後、ODSカラムを用いての高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で分離し、蛍光検出器で検出定量する方法やODSカラムを用いてHPLCで分離し、波長210nmで検出定量する方法を挙げることができる。
【0011】
本発明の組成物におけるテアニンの含有量は、目的とする薬理効果が得られれば特に限定されるものではないが、通常1〜10質量%が好ましい。特に好ましくは5〜10質量%である。本発明では「サンテアニンFINE」(太陽化学製)を使用した。
【0012】
本発明では、テアニンの吸収性を向上させるために、組成物中にヒハツ抽出物、クレアチン、プロテオグリカン、α−リポ酸、シアノコバラミン、ピリドキシン、葉酸、サンショウ末を含有する。
ヒハツは、コショウ科コショウ属の蔓性の常緑木本であり、学名は、Piper longumである。ヒハツは、東南アジアや沖縄の地域から容易に入手可能である。ヒハツの果穂は、多肉質の円筒状であり、乾燥物は、香辛料として広く用いられている。本発明においては、この植物ヒハツ抽出物を用いる。
【0013】
ヒハツの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、果穂部、葉部、茎部、花部、根部などが挙げられるが、これらの中でも、果穂部が好ましい。
ヒハツの抽出部位の調製方法としては、各部位を乾燥させた後、そのまま又は粗砕機を用い粉砕して溶媒抽出に供することにより得ることができる。前記乾燥は、天日で行ってもよいし、通常使用されている乾燥機を用いて行ってもよい。
【0014】
ヒハツ抽出物は、植物の抽出に一般に用いられている方法により容易に得ることができる。ヒハツの抽出物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、抽出液の希釈液、濃縮液、抽出液の乾燥物などが挙げられる。
【0015】
ヒハツの抽出方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、抽出溶媒を満たした処理槽に抽出原料であるヒハツの前記抽出部位を投入し、必要に応じて適宜攪拌しながら可溶性成分を溶出した後、濾過して抽出残渣を除くことにより抽出液を得る方法などが挙げられる。
【0016】
ヒハツの抽出条件(抽出時間及び抽出温度)、及び前記ヒハツの抽出溶媒の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0017】
ヒハツの抽出溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、親水性溶媒、又はこれらの混合溶媒が挙げられる。水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水などが挙げられる。前記親水性溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜5の低級アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2〜5の多価アルコールなどが挙げられる。前記混合溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、低級アルコールを使用する場合は、水10質量部に対して1質量部〜90質量部、低級脂肪族ケトンを使用する場合は、水10質量部に対して1質量部〜40質量部、多価アルコールを使用する場合は、水10質量部に対して1質量部〜90質量部、添加することが好ましい。また、前記ヒハツの抽出溶媒は、室温乃至溶媒の沸点以下の温度で用いることが好ましい。これらの中でも、熱水を用いて抽出することが、好ましい。
【0018】
ヒハツの抽出物の精製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、液−液分配抽出、各種クロマトグラフィー、膜分離などの精製方法が挙げられる。
【0019】
ヒハツ抽出物は、ヒハツエキスとして市販されており、これを本発明の組成物に用いても良い。本発明では、「Tie2ヒハツエキスパウダーMF」(丸善製薬)を使用した。
【0020】
本発明の組成物におけるヒハツ抽出物の含有量は、目的とするテアニンの薬理効果が得られれば特に限定されるものではないが、テアニンの吸収性を向上させるためには、通常10〜40質量%が好ましい。特に好ましくは25〜35質量%である。
【0021】
クレアチンは、アミノ酸の一種で人間の体内で合成されエネルギー生産に寄与している。クレアチンと少量のショ糖およびα-リポ酸の摂取が筋中におけるクレアチン含量の増加に有効なことが知られている。肝臓、腎臓などで生成されたクレアチンは、心臓、脳などへ運ばれるが、その95%は筋肉細胞中に蓄積される。近年、スポーツ用サプリメント以外でも筋肉関連の応用、たとえば熟年者の筋力維持やリハビリテーション用などにも期待されている。市販されている医薬品原料又は食品原料を用いることが好ましい。本発明では、「クレアピュア」(AlzChem AG)を使用した。
【0022】
本発明の組成物におけるクレアチンの含有量は、目的とするテアニンの吸収促進効果が得られれば特に限定されるものではないが、テアニンの吸収性を向上させるためには、通常10〜60質量%が好ましい。特に好ましくは40〜50質量%である。
【0023】
プロテオグリカンは、タンパク質にコンドロイチン硫酸などのグルコサミノグリカンと呼ばれる糖鎖が結合した糖タンパク質でコラーゲンやヒアルロン酸とともに細胞外マトリックスを形成し皮膚や軟骨、血管などの柔軟性や弾力を維持する。本発明に使用するプロテオグリカンは、軟骨成分の補給と軟骨代謝改善作用を目的として配合する。本発明に使用するプロテオグリカンは天然物から調製する場合には、その起源は特に限定されるものではないが、例えば、サケ鼻軟骨を原料として特許第3731150号等により精製したプロテオグリカンを得ることができる。市販されている医薬品原料又は食品原料を用いることが好ましい。本発明では、「プロテオグリカンF」(一丸ファルコス)を使用した。
【0024】
本発明の組成物におけるプロテオグリカンの含有量は、目的とするテアニンの吸収促進効果が得られれば特に限定されるものではないが、テアニンの吸収性を向上させるためには、通常5〜15質量%が好ましい。特に好ましくは7〜12質量%である。
【0025】
α−リポ酸は、肝臓及び酵母エキス中の微生物の生育を促進する含硫因子として発見されたビタミン様作用物質であり、1950年代の始めウシ及びブタの肝臓から単離・結晶化され、化学構造が決定された。リポ酸は動物・微生物界に広く存在しているが、現在、市販されているのは天然からの物ではなく、殆ど化学合成による造られた物である。α−リポ酸およびその誘導体の合成は幾つかの方法が開発されている。現在専ら使われているのはアジピン酸からスタートする合成方法である。また、天然型のα−リポ酸はD型体となっているが、一般的に利用されているα−リポ酸は合成された光学異性体の1:1混合物(DL型体、ラセミ体)である。
【0026】
本発明の組成物において用い得るα−リポ酸はD型体、L型体、またはラセミ体、或いはそれらの油脂コーティング物などが挙げられる。リポ酸の塩としては、ナトリウム塩,カリウム塩等のアルカリ金属の塩の他、アミン塩、アンモニウム塩等が挙げられる。また、本発明において用い得るリポ酸の誘導体としては、アルキル又はアルケニルエステル類、アミド類、還元体であるジヒドロリポ酸、そのアルキル又はアルケニルエステル及びアミド等が挙げられる。本発明においては、前記より1種又は2種以上を選択して用いる。本発明では、「チオクト酸MC75F」(日油)を使用した。
【0027】
本発明の組成物におけるα−リポ酸の含有量は、目的とするテアニンの吸収促進効果が得られれば特に限定されるものではないが、テアニンの吸収性を向上させるためには、通常0.1〜5質量%が好ましい。特に好ましくは0.5〜2質量%である。
【0028】
シアノコバラミン(cyanocobalamin)は、ヒドロキソコバラミンなどと共にビタミンB12とも呼ばれる代表的なコバラミンの一種であり、ビタミンの中で水溶性ビタミンに分類される生理活性物質である。化学式 C
63H
88O
14N
14PCo、分子量 1355.4 g/mol、赤色又はピンク色を呈する。シアノコバラミンは代謝に関与しており、特にDNA合成と調整に加え脂肪酸の合成とエネルギー産生に関与している。本発明では、「シアノコバラミン0.1%」(BASF A/S)を使用した。
【0029】
本発明の組成物におけるシアノコバラミンの含有量は、目的とするテアニンの吸収促進効果が得られれば特に限定されるものではないが、テアニンの吸収性を向上させるためには、通常0.1〜1質量%が好ましい。特に好ましくは0.2〜0.7質量%である。
【0030】
ピリドキシン (pyridoxine) は、ビタミンB6に分類される化合物のひとつである。ビタミンB6には他にピリドキサールとピリドキサミンがある。 活性型はピリドキサールリン酸、ピリドキサミンリン酸である。通常ピリドキシン塩酸塩として提供されているものをもちいることが好ましい。本発明には、「ピリドキシン塩酸塩」(Zhejiang Tianxin Pharmaceutical Co., Ltd.製)を使用した。
【0031】
本発明の組成物におけるピリドキシンの含有量は、目的とするテアニンの吸収促進効果が得られれば特に限定されるものではないが、テアニンの吸収性を向上させるためには、通常0.05〜1質量%が好ましい。特に好ましくは0.1〜0.5質量%である。
【0032】
葉酸(folic acid)はビタミンM、ビタミンB9、プテロイルグルタミン酸とも呼ばれ、水溶性ビタミンに分類される生理活性物質である。プテリジンにパラアミノ安息香酸とグルタミン酸が結合した構造を持つ。葉酸は体内で還元を受け、ジヒドロ葉酸を経てテトラヒドロ葉酸に変換された後に補酵素としてはたらく。本発明では、「食品添加物 葉酸」(DSM製)」を使用した。
【0033】
本発明の組成物における葉酸の含有量は、目的とするテアニンの吸収促進効果が得られれば特に限定されるものではないが、テアニンの吸収性を向上させるためには、通常0.01〜0.1質量%が好ましい。特に好ましくは0.02〜0.05質量%である。
【0034】
サンショウ末は、日本薬局方で定められた生薬である。サンショウ(山椒、学名:Zanthoxylum piperitum)はミカン科サンショウ属の落葉低木、別名はハジカミおよび同属植物の成熟した果皮で種子をできるだけ除いたものを、日本薬局方では、生薬・山椒(サンショウ)としている。日本薬局方に収載されている苦味チンキや、正月に飲む縁起物の薬用酒の屠蘇の材料でもある。果実の主な辛味成分はサンショオールとサンショアミド。他にゲラニオールなどの芳香精油、ジペンテン、シトラールなどを含んでいる。このサンショウを粉砕した粉末がサンショウ末である。本発明では、「食品原料用サンショウ末」(日本粉末薬品)を使用した。
【0035】
本発明の組成物におけるサンショウ末の含有量は、目的とするテアニンの吸収促進効果が得られれば特に限定されるものではないが、テアニンの吸収性を向上させるためには、通常0.05〜1質量%が好ましい。特に好ましくは0.1〜0.5質量%である。
【0036】
本発明の組成物には、テアニンの吸収性に悪影響を及ぼさなければその他の生理活性成分を添加することもできる。例えば、ホウ素、カルシウム、クロム、銅、マグネシウム、マンガン、セレン、シリコン、亜鉛、S−アデノシルメチオニン、コラーゲン、コラーゲン加水分解物、ゼラチン、ゼラチン加水分解物、ブロメライン、トリプシン、キモトリプシン、パパイン、ルチン、カロテノイド、フラボノイド、抗酸化ビタミン、γ−リノレン酸、エイコサペンタエン酸、キャッツクロー、デビルズクロー、ナイアシンアミド、サメ軟骨、コンドロイチン硫酸、ターメリック、クルクミン、アミノ糖およびグリコサミノグリカン等の精製物、または抽出物を例示できる。
【0037】
本発明の組成物は、そのままあるいは、薬理学的に許容される一種もしくはそれ以上の担体又は添加剤と一緒に混合し、製剤学の技術分野においてよく知られている任意の方法により製剤化することができる。
本発明の組成物の投与経路は、経口投与剤である。経口投与に適当な、例えばシロップ剤のような液体調製物は、水、蔗糖、ソルビット、果糖などの糖類、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類、ごま油、オリーブ油、大豆油などの油類、p−ヒドロキシ安息香酸エステル類などの防腐剤、ストロベリーフレーバー、ペパーミントなどのフレーバー類などを使用して製造できる。また、錠剤、散剤および顆粒剤などは、乳糖、ブドウ糖、蔗糖、マンニットなどの賦形剤、澱粉、アルギン酸ナトリウムなどの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム、タルクなどの滑沢剤、ポリビニールアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチンなどの結合剤、脂肪酸エステルなどの界面活性剤、グリセリンなどの可塑剤などを用いて製造できる。
【0038】
本発明の組成物は、飲食品の製造方法を用いることにより、加工製造することができる。
例えば、ジュース類、清涼飲料水、茶類、乳酸菌飲料、発酵乳、冷菓、バター、チーズ、ヨーグルト、加工乳、脱脂乳等の乳製品、ハム、ソーセージ、ハンバーグ等の畜肉製品、蒲鉾、竹輪、さつま揚げ等の魚肉練り製品、だし巻き、卵豆腐等の卵製品、クッキー、ゼリー、チューインガム、キャンデー、スナック菓子等の菓子類、パン類、麺類、漬物類、燻製品、干物、佃煮、塩蔵品、スープ類、調味料等、いずれの形態のものにも配合可能である。
【実施例】
【0039】
以下に本発明を試験例によりさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例にその技術的範囲が限定されるものではない。
【0040】
試験例:経口投与によるテアニン吸収性試験
1.試験組成物
市販されている粉末状態の原料である、テアニン、ヒハツ抽出物、クレアチン、プロテオグリカン、α−リポ酸、シアノコバラミン、ピリドキシン、葉酸、サンショウ末、各原料を下記の表1の組成比(質量比)で混合した粉末を試験試料とした。
試験試料は水を添加した後、ボルテックスミキサーで10秒間撹拌混合し、混合用液を調製した。実施例、比較例ともテアニン20mg/mLの濃度としたものを試験溶液とした。
【0041】
【表1】
【0042】
2.試験動物
7〜8週齢のWistar系雄性ラット(平均体重200 g)を、一群約6匹として試験に用いた。
【0043】
3.投与方法
15〜20時間絶食させたラットに、ラット用胃ゾンデ管を用いて強制的に胃内に投与した。投与量は20 mg/kg weightとした。
【0044】
4.サンプル採取方法
麻酔後、解剖台に固定したラットの頚部を一部切開して頚静脈を露出させた。その後、投与から0.25、0.5、0.75、1、2、3、4、6、8時間経過後に血液を350μL採取した。採取した血液は、直ちに微量のヘパリンナトリウムと混和し、750×g、10分間、4℃で遠心分離した。上清を血漿として採取し、これを−20℃で測定まで保管した。
【0045】
5.テアニンの測定
採取した血漿50μLに水50μLと、内部標準として200μM ε-アミノカプロン酸水溶液100μLを加え、さらにアセトニトリル150μLを加えた。これを18,800×g、5分間、4℃で遠心分離し、上清を回収した。得られた上清20μLに0.2 Mホウ酸ナトリウム緩衝液(pH9.0)180μLと10 mM NBD-F(4-Fluoro-7-nitro-2,1,3-benzoxadiazole)溶液(アセトニトリルに溶解)60μLを加えて、室温で40分間誘導体化を行った。反応後50 mM塩酸を240μL加えて反応を停止させ、これをテアニンの測定サンプルとした。測定条件は次のとおりである。
【0046】
HPLC測定条件
使用機器 LC-20-AD(島津製作所)
カラム Inertsil ODS-4 (3.0 μm, 3.0×150 mm)
溶離液 A 75mM H
3PO
4:CH
3CN=84:16 (v/v)
B 50mM KH
2PO
4:CH
3CN:CH
3OH=40:21:39 (v/v/v)
グラジェント条件(%B) 0-22.5 min 0%, 22.5-30min 0%→80%
30-45 min 80%→100%, 45-52.5min: 100%
52.5-60 min: 0%
検出法 蛍光検出(ex: 470 nm, em: 540 nm)
流速 0.48 mL/min
カラム温度 40℃
注入量 20μL
【0047】
6.測定結果
テアニンの血漿中濃度推移から、各試験試料の最高血中濃度C
max 、最高血中濃度到達時間T
max 、血中濃度時間曲線下面積 (AUC, area under the curve)、消失速度定数K
e、血中半減期T
1/
2を求め、下記表2に示した。
【0048】
【表2】
【0049】
表2に示すとおり、実施例の組成物は、テアニン単独の投与(比較例1)に対してAUCが約77%増加し、C
maxが57%増加していた。すなわち、ヒハツ抽出物、クレアチン、プロテオグリカン、α−リポ酸、シアノコバラミン、ピリドキシン、葉酸、サンショウ末をテアニンに添加することによって、テアニンの吸収性が向上した。一方、ヒハツ抽出物に含まれるピペリンには、薬物吸収を促進する作用が知られていることから、テアニンとヒハツ抽出物の投与(比較例2)、ヒハツ抽出物を除いた成分の投与(比較例3)を行った。その結果、いずれも実施例に比較してAUCとC
maxの増加は少なかった。また、テアニンと、ヒハツ抽出物を除いた成分を2群に分けて投与した比較例4、比較例5の組成物のC
maxとAUCは、テアニン単独投与との相違が認められなかった。尚、実施例と比較例1のC
maxとAUCに有意差があった(ダネット検定、p<0.05)。
この試験結果から、テアニンの吸収性を改善するためには、テアニンとヒハツ抽出物、クレアチン、プロテオグリカン、α−リポ酸、シアノコバラミン、ピリドキシン、葉酸、サンショウ末が含まれることが必要なことが示された。