(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
気泡モルタルは軽量・断熱性・衝撃吸収性といった特性を有しており、例えばガス管の中詰め工法に用いる充填材など、種々の用途への適用が期待されている。ガス管中詰め工法は、埋設したガス管とこれを覆う外管との空間に注入管を挿入し、充填材スラリーを注入して硬化させる工法である。
しかしながら、従来の気泡モルタルスラリーは流動性が充分ではないため作業性が良くない。例えばガス管中詰め工法では、気泡モルタルスラリーの注入箇所の数を多くする必要があり、材料費および人件費等のコストアップに繋がるという問題がある。
本発明は、気泡モルタルスラリーの流動性を向上させる気泡モルタル用起泡剤、および気泡モルタルの製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は以下の態様を有する。
[1]下式(I)で表される高級第二級アルコールアルコキシレート硫酸エステル塩(A)を含有することを特徴とする気泡モルタル用起泡剤。
【0006】
【化1】
【0007】
(式中、R
1は炭素数1〜20の直鎖または分岐鎖のアルキル基、R
2は炭素数1〜20の直鎖または分岐鎖のアルキル基を表し、R
1の炭素数とR
2の炭素数の合計は7〜21であり、R
3Oは炭素数2〜5のオキシアルキレン基を表し、nはR
3Oの平均繰り返し数を表す1〜20の数であり、Mは対イオンを表す。)
[2]さらに、前記(A)以外のアニオン界面活性剤(B)を含有する、[1]の気泡モルタル用起泡剤。
【0008】
[3]前記気泡モルタル用起泡剤が、さらに炭素数8〜20の脂肪族アルコールを含有してもよい。
[4]前記気泡モルタル用起泡剤が、さらにメチルグリコール、エチルグリコール、n−プロピルグリコール、n−ブチルグリコール、イソブチルグリコール、フェニルグリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、およびブチルジグリコールからなる群から選ばれる1種以上の溶剤を含有してもよい。
【0009】
[5]上式(I)で表される高級第二級アルコールアルコキシレート硫酸エステル塩(A)と水を含有する発泡液を泡立てて気泡群を得る工程と、
前記気泡群と水硬性スラリーとを混合して気泡モルタルスラリーを得る工程と、
前記気泡モルタルスラリーを硬化する工程を有する、気泡モルタルの製造方法。
[6]前記発泡液が、さらに、前記(A)以外のアニオン界面活性剤(B)を含有する、[5]の気泡モルタルの製造方法。
【0010】
[7]前記発泡液が、さらに炭素数8〜20の脂肪族アルコールを含有してもよい。
[8]前記発泡液が、さらに(メチルグリコール、エチルグリコール、n−プロピルグリコール、n−ブチルグリコール、イソブチルグリコール、フェニルグリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、およびブチルジグリコールからなる群から選ばれる1種以上の)グリコール系溶剤を含有してもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の気泡モルタル用起泡剤を用いることにより、流動性に優れた気泡モルタルスラリーが得られる。
本発明の気泡モルタルの製造方法は、気泡モルタルスラリーの流動性に優れ、作業性に優れる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
≪気泡モルタルの製造方法≫
一般に、気泡モルタルの製造方法には、起泡剤を、セメントスラリー等の水硬性スラリー中に含有させた後に撹拌して泡立てるミックスフォーム法と、水硬性スラリーとは別に、起泡剤と水を泡立てて気泡を形成するプレフォーム法とがある。
本発明の起泡剤はプレフォーム法に用いられるものであり、概略、以下の手順で気泡モルタルを製造する方法に用いられる。
まず起泡剤と水とからなる発泡液を泡立てて空気を含有させて気泡群を得る。気泡群は発泡液と空気とからなる。次いで、得られた気泡群(発泡液と空気)と、セメントスラリー等の水硬性スラリーとを混合して気泡モルタルスラリーを得る。気泡モルタルスラリーが硬化したものが気泡モルタルである。
気泡モルタルスラリーの硬化方法は公知の方法を用いることができる。例えば、気泡モルタルスラリーを、所定の型枠内に打設または所定の空間部に充填した後、気乾養生、湿空養生、水中養生、加熱促進養生(蒸気養生、オートクレーブ養生)等の方法で養生、硬化することができる。
水硬性スラリーについては後述する。
【0013】
本発明において、気泡モルタルスラリーとは空気量が30体積%以上であるものを意味する。
気泡モルタルスラリーの空気量(比重)が予め設定された設計値となるように、水硬性スラリーの比重に応じて、気泡群の比重(空気量)、および気泡群と水硬性スラリーとの混合比が設計される。
気泡群と水硬性スラリーとを混合したときに、気泡安定性が悪いと気泡モルタルスラリーの比重(空気量)が設計値から外れてしまう。例えば、気泡の破壊が生じると気泡モルタルスラリーの比重は設計値よりも大きくなる。一方、気泡の合一が生じると気泡モルタルスラリーの表面に浮いてくるため、表面部分の比重が設計値よりも小さくなる。
本明細書において「気泡安定性」とは、気泡モルタルスラリー調製時の気泡の安定性を意味し、気泡安定性が良いほど気泡モルタルスラリーの比重が設計値に近くなる。
【0014】
≪気泡モルタル用起泡剤≫
本発明の気泡モルタル用起泡剤(以下、単に起泡剤ともいう。)は、特定の高級第二級アルコールアルコキシレート硫酸エステル塩(A)(以下、(A)成分ともいう。)を含有する組成物である。
起泡剤は(A)成分以外の構成成分(後述の(B)成分、高級アルコール、溶剤、および他の任意成分)を含んでもよい。(A)成分以外の構成成分は、予め(A)成分と混合されていてもよく、発泡液を調製する際に添加してもよい。
起泡剤は水溶液の形態であってもよく、水を含まなくてもよい。
【0015】
<(A)成分>
(A)成分は、下式(I)で表される化合物であり、起泡成分である。
(A)成分として式(I)で表される化合物の1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0017】
式(I)において、R
1は炭素数1〜20の直鎖または分岐鎖のアルキル基、R
2は炭素数1〜20の直鎖または分岐鎖のアルキル基を表し、R
1の炭素数とR
2の炭素数の合計は7〜21である。R
1、R
2は直鎖のアルキル基が好ましい。
式(I)における(R
1)(R
2)CH−は高級第二級アルコールに由来する疎水基である。起泡成分である(A)成分が、このような第二級炭素を含む疎水基を有することが、気泡モルタルスラリーの流動性の向上に寄与すると考えられる。また、起泡剤が水溶液である場合の液安定性の向上にも寄与すると考えられる。
好ましい炭素数は、R
1が1〜16、R
2が1〜16、R
1とR
2の合計が9〜17である。より好ましい炭素数は、R
1が1〜12、R
2が1〜12、R
1とR
2の合計が11〜13である。
【0018】
式(I)において、R
3Oは炭素数2〜5のオキシアルキレン基であり、nはR
3Oの平均繰り返し数を表す。
nが2以上であるとき、複数の(R
3O)は互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
R
3Oは、オキシエチレン基(以下、EOともいう。)またはオキシプロピレン基(以下、POともいう。)が好ましい。nが2以上であるとき、(R
3O)
nで表されるオキシアルキレン鎖は、EOのみからなるEO鎖、またはEOとPOとからなるブロック鎖もしくはランダム鎖が好ましい。
nは1〜20であり、2〜15が好ましく、3〜12がさらに好ましい。nが大きい方が気泡モルタルスラリーの流動性に優れる傾向にあり、nが小さい方が気泡安定性に優れる傾向がある。nが上記の範囲であると、流動性と気泡安定性の両方に優れる。
特に、nが1〜5である(A1)成分と、nが6以上である(A2)成分を併用すると、流動性と気泡安定性の両方をバランス良く向上させることができる点で特に好ましい。(A1)成分のnは2〜4がより好ましい。(A2)成分のnは6〜20がより好ましい。(A1)成分と(A2)成分とを併用する場合、両者の合計に対して、(A1)成分が1〜50質量%であることが好ましく、10〜30質量%がより好ましい。
【0019】
式(I)において、Mは対イオンである。対イオンとしては、アルカリ金属イオン、アンモニウム、プロトン化したアミン等が挙げられる。特に、アルカリ金属イオンが好ましい。
前記対イオンとなり得るアルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。
前記対イオンになり得るアミンとしては、第一級〜第三級アミン(モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミンなど)、アルカノールアミン(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなど)が挙げられる。
【0020】
(A)成分は、炭素数が8〜22である第二級アルコールにアルキレンオキシドを付加したアルコールアルコキシレートを、硫酸エステル化したのち中和して得られる化合物である。(A)成分は、常法により製造してもよいし、市販品を用いてもよい。
【0021】
(A)成分は、下記の数式(S)で求められるナロー率が40〜80質量%であることが好ましく、50〜70質量%がより好ましい。ナロー率が高いほど、オキシアルキレン基(R
3O)の繰り返し数(n)の分布が狭いことを意味する。
(A)成分のナロー率が、上記範囲内であると流動性と気泡安定性の両方をバランス良く向上させる効果に優れる。
【0023】
式(S)において、iはオキシアルキレン基(R
3O)の繰り返し数(n)を表す。Smaxは、(A)成分中に最も多く存在する化合物におけるオキシアルキレン基の繰り返し数を表す。Yiは(A)成分中に存在する、オキシアルキレン基の付加モル数がiである化合物の(A)成分全体に対する割合(単位:質量%)を表す。
(A)成分のナロー率は公知の方法で制御できる。例えば(A)成分の製造方法によって制御できる。
(A)成分として、上式(I)で表される化合物の2種以上の混合物を用いる場合、(A)成分のナロー率は混合物における値である。
【0024】
発泡液中の(A)成分の含有量は0.1〜0.7質量%であることが好ましく、0.2〜0.5質量%がより好ましく、0.35〜0.45質量%がさらに好ましい。(A)成分の含有量が上記範囲の上限値以下であると泡立ち性に優れ、気泡が充分に形成される。上記範囲の下限値以上であると流動性および気泡安定性に優れる。
起泡剤が水溶液である場合、起泡剤の液安定性に優れ、保存中に白濁や固化が生じ難い点で、起泡剤中の(A)成分の含有量は50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、35質量%以下がさらに好ましい。下限値は特に限定されないが、起泡剤の保管や輸送のコストを低減するうえで、3質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましい。
【0025】
<(B)成分>
起泡剤は、(A)成分以外のアニオン界面活性剤(B)((B)成分)を含有してもよい。(B)成分は、公知のアニオン界面活性剤を用いることができる。具体例としては以下の化合物が挙げられる。
(B1)成分:高級アルコール硫酸エステル塩(AS)。
(B2)成分:高級第一級アルコールアルコキシレート硫酸エステル塩(一級AES)。
(B3)成分:アルカンスルホン酸塩(SAS)。
(B4)成分:α−オレフィンスルホン酸塩(AOS)。
塩を形成する対イオンとしては、アルカリ金属イオン、アンモニウム、プロトン化したアミン等が挙げられる。対イオンとなり得るアルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。対イオンになり得るアミンとしては、第一級〜第3級アミン(モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミンなど)、アルカノールアミン(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなど)が挙げられる。
【0026】
(B1)成分の炭素数は8〜20であり、10〜16が好ましい。
(B2)成分において、高級第一級アルコールの炭素数は8〜20であり、10〜16が好ましい。オキシアルキレン基の平均繰り返し数は1〜10が好ましく、1〜5が好ましい。オキシアルキレン基の炭素数2〜5であり、少なくともオキシエチレン基を含むことが好ましい。
(B3)成分の炭素数は8〜20が好ましく、10〜16がより好ましい。二級アルカンスルホン酸塩がより好ましい。
(B4)成分の炭素数は8〜20が好ましく、10〜16がより好ましい。
【0027】
(B)成分は、常法により製造してもよいし、市販品を用いてもよい。
(B)成分は、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
起泡剤または発泡液における(B)成分の含有量は、(B)/(A)の質量比が0〜1.5の範囲が好ましく、0〜1がより好ましく、0.2〜0.5がさらに好ましい。
(B)成分の含有量が上記範囲の下限値以上であると気泡安定性に優れる。上記範囲の上限値以下であると気泡モルタルスラリーの流動性に優れる。
【0028】
<高級アルコール>
起泡剤は、高級アルコールを含有してもよい。高級アルコールは炭素数8〜20の脂肪族アルコールであり、炭素数12〜16の脂肪族アルコールが好ましい。脂肪族アルコールは直鎖状でも、分岐状でも、環状でもよいが、直鎖状が好ましい。
具体例としては、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ノナデシルアルコール、オクテニルアルコール、デセニルアルコール、ドデセニルアルコール、トリデセニルアルコール、ペンタデセニルアルコール、オレイルアルコール、ガドレイルアルコール、リノレイルアルコール、エチルシクロヘキシルアルコール、プロピルシクロヘキシルアルコール、オクチルシクロヘキシルアルコール及びノニルシクロヘキシルアルコール等が挙げられる。特に、気泡安定性に優れる点でラウリルアルコールがより好ましい。
【0029】
高級アルコールは、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
起泡剤または発泡液における高級アルコールの含有量は、高級アルコール/(A)の質量比が0〜0.1の範囲が好ましく、0.02〜0.07がより好ましく、0.03〜0.05がさらに好ましい。
高級アルコールの含有量が上記範囲の下限値以上であると気泡安定性に優れる。上記範囲の上限値以下であると、発泡液の泡立ち性に優れ、気泡モルタルスラリーの流動性にも優れる。
【0030】
<溶剤>
起泡剤は、溶剤(炭素数8〜20の脂肪族アルコールを除く。)を含有してもよい。溶剤は起泡性を阻害しないものであって水に溶解しやすい有機溶剤であれば制限なく使用できる。
例えばエチレングリコールエーテル(メチルグリコール、エチルグリコール、n−プロピルグリコール、n−ブチルグリコール、イソブチルグリコール及びフェニルグリコール等)、ジエチレングリコールエーテル(ジエチレングリコールモノエチルエーテル及びブチルジグリコール等)、オキシエチレン基の平均繰り返し数が3〜10のポリオキシエチレン低級アルキルモノエーテル(ポリオキシエチレン(3モル)モノメチルエーテル等)、分子量が500以下のジオール(エチレングリコール、ジエチレングリコール及びポリエチレングリコール等)等のグリコール系溶剤が挙げられる。
特に起泡性の点で、エチレングリコールエーテル、ジエチレングリコールエーテルが好ましく、ブチルジグリコールがより好ましい。
【0031】
溶剤は1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
起泡剤または発泡液における溶剤の含有量は、溶剤/(A)の質量比が0〜3.0の範囲が好ましく、1〜2.0がより好ましく、1.2〜1.5がさらに好ましい。
溶剤の含有量が上記範囲の下限値以上であると、発泡液の泡立ち性に優れる。また起泡剤の液安定の向上効果に優れる。上記範囲の上限値以下であるとコスト抑制の点で好ましい。
【0032】
<他の任意成分>
起泡剤は、上記(A)成分、(B)成分、高級アルコール、溶剤および水以外に、必要に応じて他の任意成分を含んでもよい。
他の任意成分は起泡性を阻害しないものであって水に溶解しやすい成分が用いられる。例えばポリエチレングリコール(PEG)等が挙げられる。
起泡剤または発泡液における他の任意成分の含有量は、(他の任意成分の合計)/(A)の質量比が0〜0.1の範囲が好ましく、0〜0.07がより好ましく、0〜0.05がさらに好ましい。
【0033】
<水硬性スラリー>
気泡モルタルの製造に用いられる水硬性スラリーは、公知のものを使用できる。
水硬性スラリーは、水硬性粉体と水を含有する。水硬性粉体は、水和反応により硬化する粉体であり、例えばセメント、石膏等が挙げられる。セメントとしては、普通ポルトランドセメント、ビーライトセメント、中庸熱セメント、早強セメント、超早強セメント、耐硫酸セメント等が挙げられる。
水硬性スラリーは、水硬性粉体および水のほかに、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカフューム、石粉(炭酸カルシウム粉末)等の混和材;AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤等の減水剤等、公知の添加剤を含むことができる。
【実施例】
【0034】
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。
【0035】
(使用原料)
<(A)成分>
二級AES(3EO):タイポールSFES−326(商品名)、泰光油脂化学工業株式会社製、第二級アルコール(EO平均3モル付加)硫酸エステルナトリウム、第二級アルコールの炭素数は12〜14、ナロー率78.5%。
二級AES(7EO):タイポールSFES−733(商品名)、泰光油脂化学工業株式会社製、第二級アルコール(EO平均7モル付加)硫酸エステルナトリウム、第二級アルコールの炭素数は12〜14、ナロー率67.8%。
二級AES(12EO):タイポールSFES−1233(商品名)、泰光油脂化学工業株式会社製、第二級アルコール(EO平均12モル付加)硫酸エステルナトリウム、第二級アルコールの炭素数は12〜14、ナロー率53.7%。
<(B)成分>
AS−TEA:ラウリル硫酸トリエタノールアミン(泰光油脂化学工業株式会社製、商品名:タイポールNLT−42)。
SAS:二級アルカンスルホン酸ナトリウム(クラリアントジャパン株式会社製、商品名:HOSTAPUR)。
AOS:α−オレフィンスルホン酸ナトリウム(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、商品名:リポランLB−440)。
一級AES(3EO):シノリンSPE−1350(商品名)、新日本理化株式会社製、第一級アルコール(EO平均3モル付加)硫酸エステルナトリウム、第一級アルコールの炭素数は12〜14、ナロー率40%。
<その他の成分>
[高級アルコール]
C12OH:ラウリルアルコール(新日本理化株式会社製、商品名:コノール20P)。
[溶剤]
C4E2:ブチルジグリコール(日本乳化剤株式会社製、商品名:ブチルジグリコール)。
【0036】
(実施例1〜13、比較例1〜4)
<起泡剤の調製>
表1、2に示す組成に従い、(A)成分、(B)成分、高級アルコール、および溶剤を水に加え、混合して各例の起泡剤を調製した。(A)成分のナロー率を表中に示す。
なお、表中の配合量は純分換算値である。また、表中に配合量が記載されていない成分は、配合されていない。水の含有量「バランス」は全成分の含有量の合計が100質量%となるように加えられる残部を意味する。
各例で得られた起泡剤の液安定性を下記の方法で評価した。その結果を表中に示す。
【0037】
<起泡剤の液安定性の評価>
起泡剤を−5℃の恒温槽内に静置して3日経過したときの状態変化を目視で観察した。
液状態に変化が見られない場合を〇、白濁または固化等の変化が生じた場合を×とした。
【0038】
<気泡モルタルスラリーの調製>
セメントペーストの材料は以下の通りである。
セメント:高炉セメントB種(住友大阪セメント株式会社製、密度3.04g/cm
3)。
微粉末混和材:炭酸カルシウム微粉末(吉澤石灰工業株式会社製、密度2.62g/cm
3、ブレーン値4,110cm
2/g)。
高性能減水剤:ポリティXY−300M(商品名、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)。
【0039】
プレフォーム法により気泡モルタルスラリーを調製した。
練混ぜ水(水道水)250g、高性能減水剤0.77g、セメント240g、微粉末混和材235gを混合してセメントペースト0.42Lを調製した。
これとは別に、各例で得た起泡剤を、(A)成分と(B)成分の合計の濃度が0.5質量%となるように水で希釈して発泡液とした。希釈倍率および発泡液の組成を表3、4に示す。
発泡装置として市販のフォーマーポンプを用い、発泡液を発泡倍率20倍で発泡させて気泡群を得た。
セメントペースト0.42Lに、気泡群0.58Lを投入して混練することにより、気泡モルタルスラリーを得た。気泡モルタルスラリーの設計値は空気量55体積%、比重0.76である。
【0040】
<気泡モルタルスラリーの評価>
[流動性の評価(フロー試験)]
水平に置いたアクリル板の上に、内径80mm、高さ80mmのシリンダーを置く。このシリンダー内を混練直後の気泡モルタルスラリーで満たし、シリンダーを真上へ引き抜くと、気泡モルタルスラリーがアクリル板上に広がる。引き抜いてから1分後に、アクリル板上の気泡モルタルスラリーの直径を測定しフロー値とする。フロー値が大きいほど、気泡モルタルスラリーの流動性が高いことを示す。
ガス管中詰め工法での打設を想定し、下記の基準で評価した。結果を表中に示す。
(評価基準)
◎(流動性が非常に良好):フロー値が300mm以上。
○(流動性が良好):フロー値が260mm以上、300mm未満。
×(流動性が不良):フロー値が260mm未満。
【0041】
[気泡安定性の評価(生比重の測定)]
混練直後の気泡モルタルスラリーの表面部分を、内容量100mLの容器に充填して質量を測定する。下記式より生比重を算出する。生比重の値が、気泡モルタルスラリーの比重の設計値に近いほど気泡安定性が高いことを意味する。
生比重=(測定した質量(g))/(容器の容量(mL))
本例において、気泡モルタルスラリーの比重の設計値は0.76であるため、下記の基準で評価した。結果を表中に示す。
(評価基準)
◎(気泡安定性が非常に良好):生比重が0.71以上、0.81以下。
○(気泡安定性が良好):生比重が0.81超、0.86以下、または0.66以上、0.71未満。
×(気泡安定性が不良):生比重が0.66未満、または0.86超。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】
表3、4の結果に示されるように、起泡剤が(A)成分を含有する実施例1〜13は、気泡モルタルスラリーの流動性に優れ、気泡安定性も良好である。
一方、起泡剤が(A)成分を含有しない比較例1〜4は、気泡モルタルスラリーの流動性が劣っていた。
また、表1、2の結果より、起泡剤が水溶液である場合、(A)成分を含有する実施例1〜13は、(A)成分を含有しない比較例1〜4と比較して、液安定性が良好であった。