(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ケーシングは、鉛直方向に長さを有する縦長板形状のウェブ部と、前記ウェブ部の水平幅方向の両端部から、前記ウェブ部の板面に垂直方向かつ互いに平行方向に突出する2つの縦長板形状のフランジ部から構成され、
前記ウェブ部の板面の前記フランジ部が突出する側の面には、前記ケーシングの上端面から下端面にかけて平坦な前記ガイド面が真っ直ぐ連続して形成される
ことを特徴とする請求項1に記載のドレーン材の埋設装置。
前記ケーシングを構成する2つの前記フランジ部の、それぞれの下端面の前記ウェブ部とは反対側の端部に、前記フランジ部の下端面よりも鉛直下方向に突出する係止部が形成され、
前記係止部材は、前記ケーシングの内部に導入された前記ドレーン材の長さ方向の下端部に接合されたアンカーであり、
前記アンカーの上面が前記ウェブ部及び前記フランジ部の下端面に係止し、
前記アンカーの側面が前記係止部の鉛直面に係止する
ことを特徴とする請求項2に記載のドレーン材の埋設装置。
【背景技術】
【0002】
水分を多く含む軟弱地盤の改良工法としては、改良対象の地盤の地中に多数のドレーン材を鉛直方向に伸びるように埋設し、改良対象の地盤の表面を気密シートで覆い、真空ポンプにより気密シートの内側の空気を抜いて改良対象の地盤に負圧を発生させ、その負圧により地盤内の水分をドレーン材の内部に浸入させ、ドレーン材の内部を通って水分を地盤の外部に排出する工法が知られていた(例えば特許文献1の
図4)。
【0003】
そして、ドレーン材を改良対象の地盤の地中に埋設するには、マンドレルと呼ばれるケーシングを用いて、ドレーン材を保護しながら地中に深く埋め込んで行くような埋設作業を行う、ドレーン材専用の埋設装置が使用されていた(例えば特許文献2の
図1)。
【0004】
本出願の
図9ないし
図14は、従来のドレーン材の埋設装置2について説明するために、参照する図である。
【0005】
従来のドレーン材の埋設装置2は、
図9に示すように、改良地盤3上を移動可能な台車18と、改良地盤3に埋設するドレーン材4を供給するドレーン材供給部10と、ドレーン材4を改良地盤3の地中に深く埋め込むために用いるケーシング8と、ケーシング8を支持するための櫓部16を備えていた。
【0006】
ドレーン材4は、
図10に示すように、その長さ方向に対して垂直な断面が細長い矩形状に形成されていた。そして、ドレーン材4は、中心板部4aとその表裏両面に複数の立設部4bが形成された芯部材と、この芯部材の周囲を覆う膜状のフィルタ4cから構成されていた。
【0007】
そして、
図10に示すドレーン材4の断面の、芯部材の中心板部4a及び立設部4bと、フィルタ4cとの間には空隙4dが形成され、この空隙4dはドレーン材4の長さ方向に連続して形成されていた。そして、水がフィルタ4cに形成された微細な目を通ってドレーン材4の内部の空隙4dに浸入し、浸入した水が空隙4dを通ってドレーン材4の長さ方向に移動可能となっていた。
【0008】
このようなドレーン材4が、
図9のドレーン材の埋設装置2のドレーン材供給部10から、その長さ方向に連続して引き出されるようになっていた。
【0009】
また、ケーシング8は、
図11に示すように鉛直方向に長さを有し、
図12に示すように長さ方向に垂直な断面が略円形に形成され、その内部には、ケーシング8の上端面8aから下端面8bにかけて鉛直方向に貫通する貫通孔8cが形成されていた。貫通孔8cの断面形状は、ドレーン材4の長さ方向に垂直な断面形状より少し大きく形成されており、ドレーン材4が、ケーシング8の貫通孔8cの内部を、その長さ方向に容易に移動可能になっていた。
【0010】
そして、ケーシング8の下端部には、
図11,
図12(b)に示すように、鉛直下方向に向かうにつれて、ケーシング8の両側部が傾斜してその長さ方向に垂直な断面形状の幅が小さくなるような先端傾斜部8dが形成されていた。この先端傾斜部8dの鉛直下方の先端には下端面8bが形成されていた。
【0011】
そして、ケーシング8の下端面8bには、
図12(b)に示すように、細長い矩形状の開口部8eが形成されていた。開口部8eの形状は、ドレーン材4の長さ方向に垂直な断面形状より少し大きく形成されており、貫通孔8cの内部に挿通されたドレーン材4を、開口部8eからその長さ方向に引き出すことが可能になっていた。
【0012】
このようなケーシング8が、
図9に示すように、櫓部16内に配置されて、鉛直方向に立った状態で、上下移動可能に支持されていた。
【0013】
そして、
図9に示すように、ドレーン材供給部10から引き出されたドレーン材4は、その長さ方向の途中の位置で、櫓部16の下部に設置された搬送ローラー12に巻き掛けられて、櫓部16の内部を鉛直上方向に引き上げて搬送されるようになっていた。
【0014】
そして、櫓部16の最上部まで引き上げられたドレーン材4は、櫓部16の最上部に設置された搬送ローラー13に巻き掛けられて、搬送ローラー13から鉛直下方向に吊り下げられるようになっていた。
【0015】
そして、搬送ローラー13から吊り下げられたドレーン材4の長さ方向の部分は、ケーシング8の上端部から、その貫通孔8cの内部へと挿通されていた。
【0016】
そして、ケーシング8の貫通孔8cに挿通されたドレーン材4の長さ方向の下端部は、ケーシング8の下端面8bの開口部8eから下方に引き出され、アンカー6の上側に接合されていた。
【0017】
アンカー6は、
図9に示すように、その上面がケーシング8の下端面8bの外形より大きく形成されており、アンカー6の上面がケーシング8の下端面8bに当接し、これに係止することで、アンカー6に接続されたドレーン材4の下端部がケーシング8の貫通孔8cの内部に引き戻されることを防止することができた。
【0018】
そして、櫓部16の下部には打設機構部14が配置され、この打設機構部14により、ケーシング8を鉛直方向に上下移動させて、改良地盤3の地中へ埋め込んだり、又はその地中から引き抜いたりすることが可能になっていた。
【0019】
そして、以上の構成のドレーン材の埋設装置2を台車18により移動させることで、改良地盤3の地表の所定の位置に移動し、その所定の位置でまたケーシング8を地中に埋め込むようになっていた。
【0020】
次に、従来のドレーン材の埋設装置2を用いたドレーン材4の埋設作業の手順について説明する。
【0021】
まず、
図13(a)に示すように、台車18を操作して、ドレーン材の埋設装置2を改良地盤3の地表のドレーン材4を埋設する予定の位置にまで移動させる。
【0022】
そして、
図13(b)に示すように、打設機構部14を作動させて、ケーシング8を鉛直下方向に移動させ、ケーシング8を地中に深く埋め込んで、その内部に挿通されたドレーン材4を、ドレーン材4の下端部に取り付けられたアンカー6と共に、改良地盤3の表面から所定の深さ位置まで地中に埋め込む。
【0023】
ケーシング8が改良地盤3の地中に深く埋め込まれるにつれて、ドレーン材供給部10から新たなドレーン材4がその長さ方向に連続して引き出される。
【0024】
そして、不図示のセンサー等により、ケーシング8が改良地盤3の地中に所定の深さ位置まで埋め込まれたことを確認したら、
図14(a)に示すように、打設機構部14を逆方向に作動させて、ケーシング8を鉛直方向に上昇させて改良地盤3の地表から完全に引き抜く。
【0025】
このとき、ケーシング8が所定の深さ位置から引き抜かれ始めた際に、ケーシング8の先端傾斜部8dの周辺の地盤が崩れる。この崩れた土砂がドレーン材4の下端部に取り付けられたアンカー6の上面に覆い被さることにより、アンカー6が周囲の地盤内の土砂に係止される。このことにより、アンカー6が改良地盤3の地中の最も深い深さ位置に残置されることになり、アンカー6及びドレーン材4の長さ方向の下端側の部分を地中に残したまま、ケーシング8のみが改良地盤3の地表から引き抜かれる。
【0026】
そして、改良地盤3からケーシング8が完全に引き抜かれたところで打設機構部14を停止させ、
図14(b)に示すように、ドレーン材4を、その改良地盤3の表面から突出した部分で切断する。そして、ケーシング8の下端面8bの開口部8eから突出したドレ−ン材4の下端部に新たなアンカー6を取り付け、台車18によりドレーン材の埋設装置2を次のドレーン材4を埋設する改良地盤3の地表の予定の位置にまで移動させる。
【0027】
以上の作業を繰り返すことにより、多数のドレーン材4を埋設する各位置に、その下端部が改良地盤3の表面より下方の所定の深さ位置に埋設され、その上端部が改良地盤3の表面より上方に突出した状態で、改良地盤3の地中に鉛直方向に伸びるように、ドレーン材4が埋設されるようになっていた。
【0028】
しかしながら、上述したような従来のドレーン材の埋設装置2は、所定の長さを有するケーシング8を鉛直方向に立った状態で支持するという構造上、装置の寸法が高さ方向に大きくなるので、高さ制限のある施工環境下、例えば改良地盤3の上方に送電線が掛け渡されている場合等においては、装置の使用ができないという問題があった。
【0029】
そして、この問題を解決するために、
図15に示すような、従来のドレーン材の埋設装置2とは別構造のドレーン材の埋設装置20が提案されていた(特許文献3参照)。
【0030】
図15,
図16は、上記別構造の従来のドレーン材の埋設装置20について説明するために、参照する図である。なお、前記従来のドレーン材の埋設装置2と同様の部分には、一部を除き同じ符号を付して説明するものとする。
【0031】
上記別構造のドレーン材の埋設装置20は、
図9に示す従来のドレーン材の埋設装置2におけるケーシング8のかわりに、
図15に示すように、ケーシング25を備え、従来のドレーン材の埋設装置2における櫓部16のかわりに、収納部22を備えた櫓部23を備えるようになっていた。
【0032】
ケーシング25は、
図11,
図12に示すようなケーシング8を、その長さ方向の複数の位置で切断して分割した、
図15に示すような状態の各部材(第1部材25a,第2部材25b,第3部材25c,第4部材25d,第5部材25e)に形成されていた。そして、ケーシング25の各部材は、その長さ方向の端部で互いに連結したり、連結を解除したりすることが可能に構成されていた。
【0033】
すなわち、ケーシング25の各部材の互いの長さ方向の端部を連結することで、ケーシング25を長さ方向に延長したり、逆に、各部材の互いの長さ方向の端部の連結を解除することで、ケーシング25を長さ方向に短くしたりすることが可能に構成されていた。
【0034】
そして、そのようなケーシング25の各部材が、櫓部23に備えられた収納部22の内部に、鉛直方向に立った状態で、互いに平行に配置され、水平方向に並列して支持されていた。
【0035】
そして、
図15に示すように、ドレーン材供給部10から引き出されたドレーン材4は、その長さ方向の途中の位置で、収納部22内の上部に複数設置された搬送ローラー26の1つに巻き掛けられていた。
【0036】
そして、ドレーン材4の長さ方向の部分は、ケーシング25の各部材の貫通孔27の内部に連続して挿通されていた。
【0037】
そして、ケーシング25の各部材の貫通孔27に挿通されたドレーン材4の長さ方向の下方先端部は、ケーシング25の第1部材25aの開口部28から下方に引き出され、アンカー6の上面に接合されていた。
【0038】
そして、櫓部23には打設機構部14が配置され、この打設機構部14により、ケーシング25の各部材を鉛直方向に上下移動させて、改良地盤3の地中へ埋め込んだり、又はその地中から引き抜いたりすることが可能になっていた。
【0039】
次に、従来のドレーン材の埋設装置20を用いたドレーン材4の埋設作業の手順について説明する。
【0040】
まず、打設機構部14を作動させて、ケーシング25の第1部材25aを鉛直下方向に移動させ、地中に深く埋め込んで、その内部に挿通されたドレーン材4や、ドレーン材4の先端部に取り付けられたアンカー6と共に、改良地盤3の地中に深く埋め込むようになっている。
【0041】
第1部材25aが、改良地盤3の地中にある程度埋め込まれたところで打設機構部14を停止し、収納部22から第2部材25bを取り出し、その貫通孔27にドレーン材4を挿通した状態のまま、第2部材25bの下端部を第1部材25aの上端部に連結する。第1部材25aと第2部材25bが連結されることで、ケーシング25はその長さ方向に延長される。
【0042】
そして、
図16に示すように、打設機構部14を作動させて、連結された第1部材25aと第2部材25bを鉛直下方向に移動させ、その貫通孔27に挿通されたドレーン材4を、ドレーン材4の先端部に取り付けられたアンカー6と共に、改良地盤3の地中に埋め込むようになっている。
【0043】
以降、アンカー6が改良地盤3の地表より下方の所定の深さ位置に到達するまでの間に、
図16に示すように、第3部材25c,第4部材25d,第5部材25eを順番に連結して、ケーシング25を、その長さ方向に延長しながら、改良地盤3の地中の所定の深さ位置まで埋め込むようになっている。
【0044】
そして、不図示のセンサー等により、ケーシング25の下端部が改良地盤3の地中の所定の深さ位置まで埋め込まれたことを確認したら、打設機構部14を逆方向に作動させて、ケーシング25を鉛直方向に上昇させて改良地盤3の地表から引き抜く。
【0045】
このとき、最初の従来のドレーン材の埋設装置2と同様に、アンカー6の上面が周囲の地盤の土砂に係止することで、アンカー6及びドレーン材4の長さ方向の下端側の部分を地中の最も深い深さ位置に残したまま、ケーシング25のみが改良地盤3の地表から引き抜かれる。
【0046】
そして、ケーシング25の最も上側に連結された第5部材25eの下端部が、打設機構部14により改良地盤3の地表の上方まで引き抜かれた時点で、打設機構部14を停止し、貫通孔27の内部にドレーン材4を挿通した状態のまま、第5部材25eと第4部材25dの連結を解除し、第5部材25eを収納部22に戻して収納する。
【0047】
以降、ケーシング25の各部材が改良地盤3からすべて引き抜かれるまでの間に、第4部材25d,第3部材25c,第2部材25bの連結を順番に解除して、各部材のそれぞれを収納部22に戻して収納する。
【0048】
そして最後に、改良地盤3からケーシング25の第1部材25aが完全に引き抜かれたところで打設機構部14を停止させ、ドレーン材4を、その改良地盤3の表面から突出した部分で切断する。そして、ケーシング25の第1部材25aの開口部28から突出したドレ−ン材4の先端部に新たなアンカー6を取り付ける。
【0049】
以上の作業を繰り返すことで、多数のドレーン材4が、その下端側の長さ部分が改良地盤3の表面から下方の所定の深さ位置にまでに亘って埋設され、その上端部が改良地盤3の表面より上方に突出した状態で、改良地盤3の地中に鉛直方向に伸びるように埋設されていた。
【0050】
このようなドレーン材の埋設装置20を使用することにより、ドレーン材の埋設装置20の高さ寸法が大きくなることを防止することができ、高さ制限のある施工環境下においてもドレーン材の埋設作業ができるようにはなっていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0052】
しかしながら、上述したような前者の従来のドレーン材の埋設装置2においては、ドレーン材4を埋設する改良地盤3からその下方の所定の深さ位置までの長さが大きくなると、ケーシング8の長さ寸法も大きくする必要があるので、それに伴いケーシング8の重量も大きくなっていた。
【0053】
そして、そのようなケーシング8を鉛直方向に立った状態で支持するという構造上、ドレーン材の埋設装置2の重心は高くなり、ケーシング8の重量が全体の重量に占める割合が大きいため、そのドレーン材の埋設装置2の重量も大きくなっていた。
【0054】
また、ドレーン材の埋設装置2の櫓部16には、ドレーン材供給部10から引き出されたドレーン材4をケーシング8の上端部から貫通孔8cに挿通するために、ドレーン材4を櫓部16の上部まで搬送するための機構(搬送ローラー12,13等)が備えられており、さらに、ドレーン材4がドレーン材供給部10から櫓部16の上部まで長い距離にわたって露出した状態になるので、ドレーン材4が強風等の影響を受けないように、ドレーン材4のカバーやトンネル状の通路等を櫓部16に設ける必要もある。そのため、櫓部16の構造は複雑になり、ドレーン材の埋設装置2の重量が大きくなり、重心が高くなる要因の一つとなっていた。
【0055】
そのような重心が高く、重量が大きなドレーン材の埋設装置2により、水分を多く含む軟弱地盤の上を頻繁に移動しながらドレーン材の埋設作業を行なったりしていると、地盤の傾斜や強風等の影響を受けてドレーン材の埋設装置2が傾いたり、転倒したりし易くなるという問題があった。
【0056】
このような問題を防止するためには、軟弱地盤の上に盛土をしてその上に鉄板を敷いたり、盛土をセメントで固めたりする関連工事が必要になるので、その分、ドレーン材の埋設作業の工期の長期化や、コストの増加を招くという問題があった。
【0057】
また、ドレーン材の埋設作業においては、作業中に何らかの原因で、改良地盤3中の土砂がケーシング8の先端部の内部に入り込んでしまうことがあった。そして、その先端部の内部に入り込んだ土砂によりケーシング8の貫通孔8cが閉塞してしまうと、ドレーン材4が貫通孔8cの内部を移動することができなくなり、貫通孔8cに入り込んだ土砂を取り除くまで、作業が中断してしまうという問題があった。
【0058】
そして、ケーシング8の先端部の貫通孔8cに入り込んだ土砂を取り除くためには、ドレーン材4を切断して、ケーシング8の貫通孔8cの内部から、土砂とドレーン材4を除去した後に、ドレーン材供給部10から引き出した新たなドレーン材4を櫓部16の上部まで送り、そこからケーシング8の貫通孔8cに挿通するという、非常に煩雑なものとなっていた。また、作業には人手を要し、高所で行う必要があるので、安全を確保しながら慎重に作業を行なうと、ドレーン材の埋設作業の効率が著しく低下するという問題もあった。
【0059】
また、上記ドレーン材の埋設装置2とは別構造の、上述したような後者の従来のドレーン材の埋設装置20においては、装置の高さ寸法が大きくなることを防止して、上記の問題を解決できる反面、ドレーン材の埋設作業自体が、ケーシング25の各部材を、その内部にドレーン材4を挿通した状態のまま、互いを連結したり、その連結を解除したりするという、非常に煩雑なものになっていた。
【0060】
そして、所定の長さを有し、一定の重量を有するケーシング25の分割された各部材を、作業員が手作業によって連結したり、その連結を解除したりするため、そのような作業は危険を伴うので、作業中の安全を確保しながら慎重に作業を行なうと、ドレーン材の埋設作業の効率が著しく低下するという問題もあった。
【0061】
そして、これらの作業中にドレーン材4が損傷して、その機能が損なわれるおそれがあるので、ドレーン材4が損傷しないように慎重に作業を行なう必要があった。
【0062】
そして、従来のドレーン材の埋設装置20におけるケーシング25の各部材の連結作業は、ドレーン材の埋設作業中に頻繁に行うため、これらの作業の効率が低下すると、ドレーン材の埋設作業全体の効率が低下して、工期が長期化し、その分、ドレーン材の埋設作業のコストの増加を招くという問題があった。
【0063】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みて、装置の重心が高くなることを防止して、ドレーン材の埋設作業中の装置の安定性、および作業員の安全性を向上させると共に、ドレーン材の埋設作業全体の効率を向上させることにより、そのコストを低減することが可能なドレーン材の埋設装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0064】
上記課題を解決するために、本発明によるドレーン材の埋設装置は、
ドレーン材を供給するためのドレーン材供給部と、
鉛直方向に長さを有し、その内部に、前記ドレーン材供給部から供給された前記ドレーン材が配置可能に形成されたケーシングと、
前記ケーシングの下端部に配置された係止部材と、
前記ケーシングを改良地盤の地中に埋め込んだり、前記改良地盤に埋め込んだ前記ケーシングを引き抜いたりする打設機構部とを備え、
前記ケーシングにおける複数の側面の少なくとも一つが、前記ケーシングの上端面から下端面にかけて連続して開放して形成され、
前記ケーシングの長さ方向に垂直な断面がコの字を有する形状に形成され、
前記ケーシングの内側には、前記ケーシングの上端面から下端面にかけて平坦なガイド面が真っ直ぐ連続して形成され、
前記ガイド面の水平方向の幅は、前記ドレーン材の長さ方向に垂直な断面の幅方向の大きさより大きく形成され、
前記ドレーン材供給部から供給された前記ドレーン材の長さ方向の部分が、前記ケーシングの長さ方向の途中の位置から前記ケーシングの内部に導入されて、前記ケーシングの前記ガイド面に沿って配置され、
前記ケーシングの内部に導入された前記ドレーン材の長さ方向の下端部は、前記ケーシングの下端部に配置されて前記係止部材に係止され、
前記ケーシングを前記改良地盤の所定の深さに埋め込んだ時に、前記ドレーン材の長さ方向の下端部が、前記係止部材によって、前記改良地盤の所定の深さに残置される
ことを特徴とするものである。
【0065】
また、本発明によるドレーン材の埋設装置は、
前記ケーシングは、鉛直方向に長さを有する縦長板形状のウェブ部と、前記ウェブ部の水平幅方向の両端部から、前記ウェブ部の板面に垂直方向かつ互いに平行方向に突出する2つの縦長板形状のフランジ部から構成され、
前記ウェブ部の板面の前記フランジ部が突出する側の面には、前記ケーシングの上端面から下端面にかけて平坦な前記ガイド面が真っ直ぐ連続して形成される
ことを特徴とするものである。
【0066】
また、本発明によるドレーン材の埋設装置は、
前記ケーシングを構成する2つの前記フランジ部の、それぞれの下端面の前記ウェブ部とは反対側の端部に、前記フランジ部の下端面よりも鉛直下方向に突出する係止部が形成され、
前記係止部材は、前記ケーシングの内部に導入された前記ドレーン材の長さ方向の下端部に接合されたアンカーであり、
前記アンカーの上面が前記ウェブ部及び前記フランジ部の下端面に係止し、
前記アンカーの側面が前記係止部の鉛直面に係止する
ことを特徴とするものである。
【0067】
また、本発明によるドレーン材の埋設装置は、
前記ケーシングは、その長さ方向の所定の位置で分割した複数の部材により形成され、
前記複数の部材は、その長さ方向の端部が互いに連結したり、連結を解除したりすることが可能に形成された
ことを特徴とするものである。
【0068】
また、本発明によるドレーン材の埋設装置は、
前記ドレーン材は、芯部材と前記芯部材の周囲を覆う膜状のフィルタから構成され、
前記フィルタには高強度の材料を用いた
ことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0069】
このような本発明によるドレーン材の埋設装置によれば、
ドレーン材を供給するためのドレーン材供給部と、
鉛直方向に長さを有し、その内部に、前記ドレーン材供給部から供給された前記ドレーン材が配置可能に形成されたケーシングと、
前記ケーシングの下端部に配置された係止部材と、
前記ケーシングを改良地盤の地中に埋め込んだり、前記改良地盤に埋め込んだ前記ケーシングを引き抜いたりする打設機構部とを備え、
前記ケーシングにおける複数の側面の少なくとも一つが、前記ケーシングの上端面から下端面にかけて連続して開放して形成され、
前記ケーシングの長さ方向に垂直な断面がコの字を有する形状に形成され、
前記ケーシングの内側には、前記ケーシングの上端面から下端面にかけて平坦なガイド面が真っ直ぐ連続して形成され、
前記ガイド面の水平方向の幅は、前記ドレーン材の長さ方向に垂直な断面の幅方向の大きさより大きく形成され、
前記ドレーン材供給部から供給された前記ドレーン材の長さ方向の部分が、前記ケーシングの長さ方向の途中の位置から前記ケーシングの内部に導入されて、前記ケーシングの前記ガイド面に沿って配置され、
前記ケーシングの内部に導入された前記ドレーン材の長さ方向の下端部は、前記ケーシングの下端部に配置されて前記係止部材に係止され、
前記ケーシングを前記改良地盤の所定の深さに埋め込んだ時に、前記ドレーン材の長さ方向の下端部が、前記係止部材によって、前記改良地盤の所定の深さに残置されるようにしたことにより、
装置の重心が高くなることを防止して、ドレーン材の埋設作業中の装置の安定性、および作業員の安全性を向上させると共に、ドレーン材の埋設作業全体の効率を向上させることにより、そのコストを低減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0071】
以下、本発明によるドレーン材の埋設装置を実施するための形態について、図面に基づいて具体的に説明する。
【0072】
図1ないし
図6は、本発明の第1の実施の形態に係るドレーン材の埋設装置30について説明するために、参照する図である。なお、
図9ないし
図14に示した従来のドレーン材の埋設装置2と同様の部分には、一部を除き同じ符号を付して説明するものとする。
【0073】
本実施の形態に係るドレーン材の埋設装置30は、
図1に示すように、改良地盤3上を移動可能な台車18と、改良地盤3に埋設するドレーン材4を供給するドレーン材供給部10と、ドレーン材4を改良地盤3の地中に深く埋め込むために用いるケーシング32と、ケーシング32を支持するための櫓部38を備えている。
【0074】
そして、櫓部38の下部には打設機構部36が配置され、この打設機構部36により、ケーシング32を鉛直方向に上下移動させて、改良地盤3の地中へ埋め込んだり、又はその地中から引き抜いたりすることが可能になっている。
【0075】
ドレーン材4は、
図10に示す従来のものと同様に、その長さ方向に対して垂直な断面が細長い矩形状に形成されている。そして、ドレーン材4は、中心板部4aとその表裏両面に複数の立設部4bが形成された芯部材と、この芯部材の周囲を覆う膜状のフィルタ4cから構成されている。
【0076】
そして、
図10に示すドレーン材4の断面の、芯部材の中心板部4a及び立設部4bと、フィルタ4cとの間には空隙4dが形成され、この空隙4dはドレーン材4の長さ方向に連続して形成されている。そして、水がフィルタ4cに形成された微細な目を通ってドレーン材4の内部の空隙4dに浸入し、浸入した水が空隙4dを通ってドレーン材4の長さ方向に移動可能となっている。
【0077】
ドレーン材4は、例えば、硬質塩化ビニルやポリオレフィン樹脂製の、中心板部4aと立設部4bを有する芯部材の周囲を、ポリエステル系不織布のフィルタ4cで覆ったプラスチックボードドレーンを使用したり、環境への負荷低減を考慮して生分解性の樹脂材料を用いたドレーン材を使用したりすることができる。
【0078】
また、ドレーン材4の埋設作業中に、ドレーン材4が改良地盤3の地中の土砂に直接接触するので、土砂との摩擦によりドレーン材4の外周部のフィルタ4cが損傷する可能性を考慮して、より高強度のPP(ポリプロピレン)製の不織布のフィルタ4cを使用したドレーン材を使用することもできる。
【0079】
このようなドレーン材4が、
図1のドレーン材の埋設装置30のドレーン材供給部10から、その長さ方向に連続して引き出されるようになっている。
【0080】
ドレーン材供給部10は、例えば、その巻芯の回りにドレーン材4の長さ方向の部分が多重に巻き付けられたドレーンリールが使用され、リールを巻き戻すことで、ドレーン材供給部10からドレーン材4がその長さ方向に連続して引き出されるようになっている。
【0081】
また、ケーシング32は、
図2に示すように鉛直方向に長さを有し、
図3に示すように四つの側面を有する角筒形状の一側面がケーシング32の上端面32aから下端面32bにかけて連続して開放して形成されているため、長さ方向に垂直な断面がコの字状に形成されている。
【0082】
すなわち、ケーシング32は、
図2,
図3に示すように、鉛直方向に長さを有する縦長板形状のウェブ部32dと、そのウェブ部32dの水平幅方向の両端部から、ウェブ部32dの板面に垂直方向、かつ互いに平行方向に突出する2つの縦長板形状のフランジ部32eから構成されている。そして、ウェブ部32dの板部の、フランジ部32eが突出する側の内側面には、ケーシング32の上端面32aから下端面32bにかけて真っ直ぐ連続した平坦なガイド面32cが形成されている。
【0083】
そして、ガイド面32cの水平方向の幅は、ドレーン材4の幅方向(
図4中の上下方向)の大きさより少し大きく形成されており、ドレーン材4の長さ方向の部分を、ケーシング32の内側のガイド面32cに沿って配置することが可能になっている。
【0084】
そして、
図2,
図3(b)に示すように、2つのフランジ部32e,32eの、それぞれの下端面のウェブ部32dとは反対側の下端部には、ケーシング32の下端面32bよりも鉛直下方向に突出する係止部32f,32fが形成されている。
【0085】
ケーシング32は、改良地盤3への埋め込み作業中に、改良地盤3からの抵抗によって撓まない程度の強度を有する材料(例えばSM材)により形成することができる。また、所定の長さ寸法を有する既製の溝形鋼をボルト等で器械的に連結することで複数本繋ぎ合わせて、一本のケーシング32を形成することもできる。
【0086】
このようなケーシング32が、
図1に示すように、櫓部38内に配置されて、鉛直方向に立った状態で、上下移動可能に支持されている。
【0087】
そして、
図1に示すように、ドレーン材供給部10から引き出されたドレーン材4は、その長さ方向の途中の位置で、櫓部38の下部に設置されたガイドローラー35に巻き掛けられて、ガイドローラー35から鉛直下方向に吊り下げられるようになっている。
【0088】
ガイドローラー35は、ケーシング32のガイド面32cの幅方向と平行な方向にその軸線を有する略円筒形状に形成されており、その軸線方向の長さ寸法はケーシング32のガイド面32cの幅より少し小さく形成され、その外周から中心に向かう半径部分が、ケーシング32の内側に入り込むように配置されている。
【0089】
そして、
図1,
図4に示すように、ドレーン材4の長さ方向の部分は、ガイドローラー35の外周面に沿って、ケーシング32の長さ方向の途中の位置からその内側に導入され、ガイドローラー35から鉛直下方向に、ケーシング32のガイド面32cに沿うように配置されている。
【0090】
そして、ケーシング32のガイド面32cに沿うように配置されたドレーン材4の長さ方向の下端部は、ケーシング32の下端より下方に引き出され、アンカー34(係止部材)の上面に接合されている。
【0091】
アンカー34は、
図1,
図4に示すように、その上面が略長方形の板状に形成されており、その長手方向の大きさが、ケーシング32の幅方向(
図4中上下方向)の大きさより大きく形成されている。そして、その上面の中央部にドレーン材4の長さ方向の下端部が接合されている。
【0092】
ドレーン材4とアンカー34の接合は、例えば、
図17に示すように、アンカー34の上面に略逆U字状に形成された接合部材34aを溶接等により取り付け、ドレーン材4の下方先端部をアンカー34の上面と接合部材34aの中央長さ部の間に挿通し、挿通したドレーン材4の下方先端部側の長さ部分が接合部材34aを包むように上方に折り返され、折り返されたドレーン材4の下方先端部側の長さ部分を互いに対向するように重ね合わせ、重ね合わせたドレーン材4の長さ部分同士をステープラ33(ホッチキス)等により接合することにより行う。
【0093】
そして、
図1,
図4に示すように、アンカー34の上面をケーシング32の下端面32bと接触させ、アンカー34の側面をケーシング32の係止部32fの鉛直面に係止することで、ドレーン材4の下端部がケーシング32の内部に引き戻されたり、ケーシング32のガイド面32cから離れたりすることを防止することができる。
【0094】
櫓部38の下部に配置された打設機構部36には、複数のローラーでケーシング32の外側面を挟み込み、油圧モーターによってローラーを回転させてケーシング32を上下移動させる、フリクションローラー方式のものを用いることができる。たとえば、
図1に示すように、複数のローラーでケーシング32の外側面(
図4中左側の面)とフランジ部32eのウェブ部32dと反対側の先端側の面を挟み込んでもよいし、より大きな摩擦力を得るために、ケーシング32の2つのフランジ部32e,32eのそれぞれの外側面(
図4中上下側の面)を挟み込んでもよい。
【0095】
そして、以上の構成のドレーン材の埋設装置30を台車18により移動させることで、改良地盤3の地表の所定の位置に移動し、その所定の位置でまたケーシング32を地中に埋め込むようになっている。
【0096】
次に、ドレーン材の埋設装置30を用いたドレーン材4の埋設作業の手順について説明する。
【0097】
まず、
図5(a)に示すように、台車18を操作して、ドレーン材の埋設装置30を改良地盤3の地表のドレーン材4を埋設する予定の位置まで移動させる。
【0098】
そして、
図5(b)に示すように、打設機構部36を作動させて、ケーシング32を鉛直下方向に移動させ、地中に深く埋め込んで、その内部に配置されたドレーン材4を、ドレーン材4の下端部に取り付けられたアンカー34と共に、改良地盤3の表面から所定の深さ位置まで地中に埋め込む。
【0099】
ケーシング32を改良地盤3の地中に埋め込むと、改良地盤3の地中の土砂がケーシング32の内側に入り込むので、ケーシング32の内側に配置されたドレーン材4がこの土砂によりケーシング32のガイド面32cに押し付けられる。このため、ドレーン材4は、平坦なガイド面32cに沿ったままケーシング32と共に改良地盤3の地中に埋め込まれるため、ドレーン材4はねじれたりせずに平面状態を維持して地中に埋め込まれる。
【0100】
そして、ケーシング32が改良地盤3の地中に埋め込まれるに、つれてドレーン材供給部10から新たなドレーン材4がその長さ方向に連続して引き出される。
【0101】
そして、不図示のセンサー等により、ケーシング32が改良地盤3の地中に所定の深さ位置まで埋め込まれたことを確認したら、
図6(a)に示すように、打設機構部36を逆方向に作動させて、ケーシング32を鉛直方向に上昇させて改良地盤3の地表から完全に引き抜く。
【0102】
このとき、ケーシング32が所定の深さ位置から引き抜かれ始めた際に、ケーシング32の下端面32bの周辺の地盤が崩れる。この崩れた土砂がドレーン材4の下端部に取り付けられたアンカー34の上面に覆い被さることにより、アンカー34が周囲の地盤内の土砂に係止される。このことにより、アンカー34が改良地盤3の地中の最も深い深さ位置に残置されることになり、アンカー34及びドレーン材4の長さ方向の下端側の部分を地中に残したまま、ケーシング32のみが改良地盤3の地表から引き抜かれる。
【0103】
このケーシング32が引き抜かれるとき、ドレーン材4は、ケーシング32のガイド面32cとケーシング32の内側に入り込んだ改良地盤3中の土砂に挟まれた状態となっており、この状態から、ケーシング32のみが引き抜かれるので、ケーシング32の引き抜き時にドレーン材4がねじれたりせずに平面状態を維持して改良地盤3の地中に埋設されて残される。
【0104】
そして、改良地盤3からケーシング32が完全に引き抜かれたところで打設機構部36を停止させ、
図6(b)に示すように、ドレーン材4を、その改良地盤3の表面から突出した部分で切断する。そして、ケーシング32の下端から突出したドレ−ン材4の下端部に新たなアンカー34を取り付け、台車18によりドレーン材の埋設装置30を次のドレーン材4を埋設する改良地盤3の地表の予定の位置にまで移動させる。
【0105】
以上の作業を繰り返すことにより、多数のドレーン材4を埋設する各位置に、その下端部が改良地盤3の表面より下方の所定の深さ位置に埋設され、その上端部が改良地盤3の表面より上方に突出した状態で、改良地盤3の地中に鉛直方向に伸びるように、ドレーン材4が埋設されるようになっている。
【0106】
また、上記作業中に、ドレーン材4が改良地盤3中の土砂やケーシング32と接触して摩擦を起こし、ドレーン材4のフィルタ4cが損傷しないよう、ドレーン材4を埋設する改良地盤3の強度によって、あらかじめ上述したような高強度のフィルタ4cを使用したドレーン材4を使用することで、ドレーン材4のフィルタ4cが損傷することを防止することができる。
【0107】
このようなドレーン材の埋設装置30によれば、従来のドレーン材の埋設装置2においては、その長さ方向に垂直な断面が全周に亘って閉じている略円筒形状のケーシング8を使用していたのに対し、本実施の形態に係るケーシング32は、その長さ方向に垂直な断面の全周の一部が開放している略コの字形に形成されているので、その分、ケーシング32を軽量化することができる。
【0108】
そして、ケーシング32が軽量化されるので、ドレーン材の打設装置30の重量が大きくなることを防止でき、ドレーン材の打設装置30の重心が高くなることも防止できる。
【0109】
また、ドレーン材の埋設装置30においては、ドレーン材4はケーシング32の長さ方向の途中の、打設機構部36より下の位置からその内部へと導入されているので、従来のドレーン材の埋設装置2のような、ドレーン材4を櫓部38の上部まで搬送するための機構は必要なく、さらに、ドレーン材4が露出する距離も短いので、ドレーン材が強風等の影響を受けないように、ドレーン材4にカバーやトンネル状の通路等を設ける必要もない。よって、櫓部38の構造を簡略化し軽量化することができるので、ドレーン材の埋設装置30をより軽量化でき、重心が高くなることを防止することができる。
【0110】
そして、ドレーン材の埋設装置30が軽量化され、重心が高くなることを防止することができるため、ドレーン材の埋設作業中に、ドレーン材の埋設装置30が地盤の傾斜や強風等の影響を受けて傾いたり転倒したりしにくくなり、それらを防止するための関連工事が不要になるので、その分、ドレーン材の埋設作業の工期を短縮することができ、コストを低減することができる。
【0111】
また、ドレーン材の埋設装置30においては、ドレーン材の埋設作業中に改良地盤3中の土砂がケーシング32の内部に入り込んでも、ケーシング32の長さ方向に垂直な断面の全周の一部が開放しているため、その開放された箇所からケーシング32の内部に入り込んだ土砂がケーシング32の外部に排出されるので、ケーシング32の内部に入り込んだ土砂により、ドレーン材4がガイド面32cに沿って移動ができなくなることを防止できる。
【0112】
そして、たとえケーシング32の内部に入り込んだ土砂により、ドレーン材4がケーシング32のガイド面32cに沿って移動ができなくなったとしても、ドレーン材4がケーシング32の長さ方向の途中の、打設機構部36より下の位置からその内部へと導入されているので、ケーシング32の内部に入り込んだ改良地盤3中の土砂を除去する作業等における、ドレーン材供給部10から引き出した新たなドレーン材4をケーシング32の内部に導入する作業が簡易になり、ドレーン材の埋設装置30の高さ寸法が大きくなったとしても、作業を高所で行う必要もないので安全に作業を行なうことができ、ドレーン材の埋設作業の効率を向上させることができる。
【0113】
そして、このようなドレーン材の埋設装置30は、作業中の安定性を確保するために、装置の一層の軽量化、および装置の重心をより低くすることが求められ、かつ、埋設作業時にケーシング32の内部に配置されたドレーン材4と改良地盤3中の土砂との摩擦によって、ドレーン材4のフィルタ4cが損傷するおそれが少ない施工条件下、例えば超軟弱地盤にドレーン材4を埋設する場合に、最適に運用をすることができる。
【0114】
このように本発明の第1の実施の形態によれば、このようなドレーン材の埋設装置30を使用することで装置の重心が高くなることを防止して、ドレーン材の埋設作業中の装置の安定性、および作業員の安全性を向上させると共に、ドレーン材の埋設作業全体の効率を向上させることにより、そのコストを低減することができる。
【0115】
図7,
図8は、本発明の第2の実施の形態に係るドレーン材の埋設装置40について説明するために、参照する図である。なお、前記第1の実施の形態に係るドレーン材の埋設装置30と同様の部分には、一部を除き同じ符号を付して説明するものとする。
【0116】
本実施の形態に係るドレーン材の埋設装置40は、
図1に示すドレーン材の埋設装置30におけるケーシング32のかわりに、
図7に示すように、ケーシング45を備え、ドレーン材の埋設装置30における櫓部38のかわりに、収納部42を備えた櫓部43を備えるようになっている。
【0117】
ケーシング45は、
図2,
図3に示すようなケーシング32を、その長さ方向の複数の位置で切断して分割した、
図7に示すような状態の各部材(第1部材45a,第2部材45b,第3部材45c,第4部材45d,第5部材45e)に形成されている。そして、ケーシング45の各部材は、その長さ方向の端部で互いに連結したり、連結を解除したりすることが可能に構成されている。
【0118】
すなわち、ケーシング45の各部材の互いの長さ方向の端部を連結することで、ケーシング45を長さ方向に延長したり、逆に、各部材の互いの長さ方向の端部の連結を解除することで、ケーシング45を長さ方向に短くしたりすることが可能に構成されている。
【0119】
そして、そのようなケーシング45の各部材が、櫓部43に備えられた収納部42の内部に、鉛直方向に立った状態で、互いに平行に配置され、水平方向に並列して支持されている。
【0120】
そして、
図7に示すように、ドレーン材供給部10から引き出されたドレーン材4は、その長さ方向の途中の位置で、櫓部43に設置されたガイドローラー46に巻き掛けられて、ガイドローラー46から鉛直下方向に吊り下げられるようになっている。
【0121】
そして、ドレーン材4の長さ方向の部分は、ガイドローラー46の外周面に沿って、ケーシング45の第1部材45aの長さ方向の途中の位置からその内側に導入され、ガイドローラー46から鉛直下方向に、ケーシング45の第1部材45aのガイド面47に沿うように配置されている。
【0122】
そして、ケーシング45の第1部材45aのガイド面47に沿うように配置されたドレーン材4の長さ方向の下方先端部は、ケーシング45の第1部材45aの下端より下方に引き出され、アンカー34の上面に接合されている。
【0123】
そして、櫓部43には打設機構部36が配置され、この打設機構部36により、ケーシング45の各部材を鉛直方向に上下移動させて、改良地盤3の地中へ埋め込んだり、又はその地中から引き抜いたりすることが可能になっている。
【0124】
次に、ドレーン材の埋設装置40を用いたドレーン材4の埋設作業の手順について説明する。
【0125】
まず、
図8に示すように、打設機構部36を作動させて、ケーシング45のうちの最初の第1部材45aを鉛直下方向に移動させ、地中に深く埋め込んで、その内部に配置されたドレーン材4や、ドレーン材4の下端部に取り付けられたアンカー34と共に、改良地盤3の表面から所定の深さ位置まで地中に埋め込む。
【0126】
第1部材45aが、改良地盤3の地中にある程度埋め込まれたところで打設機構部36を停止し、収納部42から第2部材45bを取り出し、その下端部を第1部材45aの上端部に連結する。第1部材45aと第2部材45bが連結されることで、ケーシング45はその長さ方向に延長される。
【0127】
このとき、ケーシング45の第2部材45bの内部には、ドレーン材4が配置されていないため、その連結作業は簡単になり、その連結作業中にドレーン材が損傷するおそれもない。
【0128】
そして、
図8に示すように、打設機構部36を作動させて、連結された第1部材45aと第2部材45bを鉛直下方向に移動させ、その内部に配置されたドレーン材4を、ドレーン材4の先端部に取り付けられたアンカー34と共に、改良地盤3の地中に埋め込まれる。
【0129】
以降、アンカー34が改良地盤3の地表より下方の所定の深さ位置に到達するまでの間に、
図8に示すように、第3部材45c,第4部材45d,第5部材45eを順番に連結して、ケーシング45を、その長さ方向に延長しながら、改良地盤3の地中の所定の深さまで埋め込まれる。
【0130】
そして、不図示のセンサー等により、ケーシング45の下端部が改良地盤3の地中の所定の深さ位置まで埋め込まれたことを確認したら、打設機構部36を逆方向に作動させて、ケーシング45を鉛直方向に上昇させて改良地盤3の地表から引き抜く。
【0131】
このとき、本実施の形態に係るドレーン材の埋設装置40は、前記第1の実施の形態に係るドレーン材の埋設装置30と同様に、アンカー34の上面が周囲の地盤内の土砂に係止することで、アンカー34及びドレーン材4の長さ方向の下端側の部分を地中の最も深い深さ位置に残したまま、ケーシング45のみが改良地盤3の地表から引き抜かれる。
【0132】
そして、ケーシング45の最も上側に連結された第5部材45eの下端部が、打設機構部36により改良地盤3の地表の上方まで引き抜かれた時点で、打設機構部36を停止し、第5部材45eと第4部材45dの連結を解除し、第5部材45eを収納部42に戻して収納する。
【0133】
このとき、ケーシング45の第5部材45eの内部には、ドレーン材4が配置されていないので、その連結を解除する作業は簡単になり、その解除作業中にドレーン材が損傷するおそれもない。
【0134】
以降、ケーシング45の各部材が改良地盤3から完全に引き抜かれるまでの間に、第4部材45d,第3部材45c,第2部材45bの連結を順番に解除して、各部材のそれぞれを収納部42に戻して収納する。
【0135】
そして最後に、改良地盤3からケーシング45の第1部材45aが完全に引き抜かれたところで打設機構部36を停止し、ドレーン材4を、その改良地盤3の表面から突出した部分で切断する。そして、ケーシング45の第1部材45aの下端から突出したドレ−ン材4の先端部に新たなアンカー34を取り付ける。
【0136】
以上の作業を繰り返すことで、多数のドレーン材4が、その下端側の長さ部分が改良地盤3の表面から下方の所定の深さ位置にまでに亘って埋設され、その上端部が改良地盤3の表面より上方に突出した状態で、改良地盤3の地中に鉛直方向に伸びるように埋設されている。
【0137】
このような本発明の第2の実施の形態によっても、ドレーン材の埋設装置40を使用することにより、装置の高さ寸法が大きくなることを防止し、装置の重心が高くなることを防ぐことで、ドレーン材の埋設作業中の装置の安定性、および作業員の安全性を向上させると共に、ドレーン材の埋設作業全体の効率を向上させることができる。このことにより、ドレーン材の埋設作業のコストを低減することができる。
【0138】
さらに、従来のドレーン材の埋設装置20においては、ケーシング25の各部材を、その内部にドレーン材4を挿通した状態のまま、互いを連結したり、その連結を解除したりしていたのに対し、本実施の形態に係るドレーン材の埋設装置40は、ドレーン材4をケーシング45の長さ方向の途中の、打設機構部36より下の位置からその内部へと導入されているため、ドレーン材4がケーシング45の各部材の連結作業に影響することはなく、作業が非常に簡単になり、作業員の安全性も向上するので、ドレーン材の埋設作業全体の効率が向上し、その分、ドレーン材の埋設作業のコストを低減することができる。
【0139】
また、本実施の形態に係るドレーン材の埋設装置40を使用することにより、ドレーン材の埋設装置40の高さ寸法が大きくなることを防止することができ、高さ制限のある施工環境下においてもドレーン材の埋設作業ができる。
【0140】
なお、本発明は、前記第1,第2の実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の目的を達成することができる範囲内であれば、種々の変更が可能である。
【0141】
例えば、第1,第2の実施の形態に係るドレーン材の埋設装置においては、その長さ方向に垂直な断面がコの字状のケーシングを用いていたが、これらに限定される必要はなく、例えばより強度の大きい断面がH型のケーシングを用いてもよい。
【0142】
また、第1,第2の実施の形態に係るドレーン材の埋設装置においては、ガイドローラー35,46が、打設機構部36より下方に配置されていたが、打設機構部36の上方に配置されていてもよい。
【0143】
また、第2の実施の形態に係るドレーン材の埋設装置40においては、ケーシング45は5つのケーシング部材から構成されていたが、6つ以上のケーシング部材により構成されていてもよく、逆に4つ以下のケーシング部材により構成されていてもよい。
【0144】
また、第1,第2の実施の形態に係るドレーン材の埋設装置においては、ドレーン材供給部10は台車18に取り付けられていたが、これらに限定される必要はなく、ドレーン材4が露出する距離を短くするために、例えば櫓部の下部に取り付けられていてもよい。
【0145】
また、第1,第2の実施の形態に係るドレーン材の埋設装置においては、ドレーン材の埋設装置が改良地盤3の上を移動するために台車18が用いられていたが、台車18の走行が不可能な超軟弱地盤や水底にドレーン材4を埋設する場合には、台車18のかわりに泥上を走行するのに用いる泥上車や、水上を移動するのに用いる台船を用いてもよい。