(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
測定したユーザの生体状態の測定値に関する生体状態関連情報を含むビーコン信号を発信するウェアラブル端末と、前記ビーコン信号を受信する受信機と、前記生体状態関連情報を用いてサービスを提供するサービス提供装置と、表示機と、からなるシステムのサービス提供装置であって、
生体状態関連情報を受信する受信部と、
受信した前記生体状態関連情報に基づいて、前記表示機へ送信する送信情報を決定する送信情報決定部と、
前記ビーコン信号を受信した受信機から所定距離内に存在する表示機を特定する送信先決定部と、
前記決定した送信情報を、前記特定した表示機へ送信する送信部と、
を備えるサービス提供装置。
前記バイタルフラグ列の少なくとも1つのフラグは、当該フラグに対応付けられている被測定対象の測定値が所定の範囲外である場合に、前記ウェアラブル端末によってオンにされるフラグである、
請求項3に記載のサービス提供装置。
前記バイタルフラグ列の少なくとも1つのフラグは、当該フラグに対応付けられている被測定対象の測定値及び当該測定値の時間変化に基づいて推定される二次的な生体状態が平常状態でない場合に、前記ウェアラブル端末によってオンにされるフラグである、
請求項3又は4に記載のサービス提供装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、幾つかの実施の形態を説明する。
【0010】
(実施の形態1)
<実施の形態1の概要>
以下、
図1を用いて、実施の形態1の概要を説明する。
【0011】
図1において、ユーザKは、ウェアラブル端末20を装着して、施設内にいる。施設内のスタッフFは、スタッフ端末31を所持している。また、施設内には、ウェアラブル端末20から発信されるビーコン信号を受信する受信機30が設置されている。なお、本明細書に記載の「施設」は、「百貨店」又は「商業施設」等と呼び変えてもよい。また、本明細書に記載の「施設」は、屋内施設に限らず、イベント会場又は街中の所定のエリア等の屋外施設であってもよい。
【0012】
ウェアラブル端末20は、ユーザKの生体状態(体温、心拍数(脈拍数)及び/又は血圧等)を測定し、その生体状態の測定値(以下「生体測定値」と呼ぶ)を、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)規格に準拠する信号(以下「ビーコン信号」という)に含め、間欠的(例えば数秒間毎)に発信する。なお、上記BLEはあくまで一例であり、ウェアラブル端末20はどのような信号を発信してもよい。また、ウェアラブル端末20は、自端末の識別子(以下「端末ID」という)をビーコン信号に含めてもよい。また、生体測定値は、生体状態関連情報の一例に相当する。また、以下の説明では、「心拍数」を測定しているが、「心拍数」と共に、又は、「心拍数」に代えて、「脈拍数」を測定してもよい。例えば、衣類型のウェアラブル端末は「心拍数」を、リストバンド型のウェアラブル端末は「脈拍数」を測定してもよい。
【0013】
ウェアラブル端末20は、BLE規格に準拠することにより、比較的長時間、ビーコン信号を発信し続けることができる。なお、「ビーコン信号の発信」は、BLE規格における「アドバタイズパケットのブロードキャスト送信」に相当する。
【0014】
ウェアラブル端末20は、腕時計型のウェアラブル端末である。ただし、ウェアラブル端末20は、それ以外の端末であってもよく、例えば、ペンシル型、カード型、イヤホン型、眼鏡型、被服型等、ユーザが所持又は装着可能なものであれば何でもよい。
【0015】
受信機30は、ユーザKが装着するウェアラブル端末20から送信されたビーコン信号を受信すると、当該ビーコン信号に含まれる生体測定値と、自機の識別子(以下「受信機ID」という)と、を含むビーコン受信情報を生成し、管理サーバ10へ送信する。受信機30と管理サーバ10とは、無線LAN(Local Area Network)又は有線LANで接続されている。
【0016】
サービス提供装置の一例である管理サーバ10は、受信機30から送信されたビーコン受信情報を受信すると、そのビーコン受信情報に含まれる生体測定値に基づいて、ユーザKに体調不良が生じているか否かを判定する。そして、管理サーバ10は、ユーザKに体調不良が生じていると判定した場合、ウェアラブル端末20(つまりユーザK)の所定範囲内に存在するスタッフ端末31(つまりスタッフF)に対して、周囲のユーザに注意を促す注意情報を送信する。又は、近くのユーザの介助を要請するための介助要請情報を送信する。
【0017】
これにより、施設内で体調不良が生じたユーザKは、迅速に、近くのスタッフFの介助を受けることができる。換言すると、施設内のスタッフFは、体調不良が生じたユーザKを、迅速に介助することできる。以下、実施の形態1に係るサービス提供システムの詳細について説明する。
【0018】
<ウェアラブル端末>
以下、
図2を用いて、ウェアラブル端末20の構成を説明する。
【0019】
ウェアラブル端末20は、生体測定部101と、ビーコン発信部102と、タイマ部103と、測定管理テーブル104と、を備える。
【0020】
測定管理テーブル104は、
図3に示すように、被測定対象111と、生体測定値112と、測定時刻113と、を対応付けて管理する。被測定対象111は、生体状態における測定される対象を示し、例えば体温、心拍数、血圧、血糖値、呼吸回数等である。生体測定値112は、被測定対象111を測定した値である。測定時刻113は、生体測定値112が測定された時刻である。以下、被測定対象111、生体測定値112、及び測定時刻113をまとめて「生体測定情報」と呼ぶ。
【0021】
生体測定部101は、生体状態を測定するための所定のセンサを備えており、ウェアラブル端末20を装着しているユーザにおける被測定対象の生体測定値を測定し、測定管理テーブル104に格納する。タイマ部103は、ビーコン信号の発信間隔を制御する。
【0022】
ビーコン発信部102は、自ウェアラブル端末20の端末IDと、測定管理テーブル104に格納されている生体測定情報と、を含むビーコン信号を生成し、タイマ部103が制御する発信間隔で、そのビーコン信号を発信する。BLEに準拠している場合、ビーコン発信部102は、ビーコン信号としてアドバタイズパケットを生成し、そのアドバタイズパケットをブロードキャスト送信する。
【0023】
<管理サーバ>
以下、
図4を用いて、管理サーバ10の構成を説明する。
【0024】
管理サーバ10は、受信部201と、体調不良判定部202と、送信先決定部203と、送信部204と、生体測定情報管理テーブル205と、受信機管理テーブル206と、スタッフ端末管理テーブル207と、を備える。まず、各テーブル205から207の構成について説明し、次に、各機能201から204について説明する。
【0025】
<<各テーブルの構成>>
まず、
図5を用いて、生体測定情報管理テーブル205の構成を説明する。生体測定情報管理テーブル205は、端末ID211と、被測定対象212と、生体測定値213と、測定時刻214と、を対応付けて管理する。端末ID211は、ウェアラブル端末20の識別子である。被測定対象212、生体測定値213、及び測定時刻214は、
図3の測定管理テーブル104で説明したものと同様である。
【0026】
次に、
図6を用いて、受信機管理テーブル206の構成を説明する。受信機管理テーブル206は、受信機ID221と、受信機位置222と、を対応付けて管理する。受信機ID221は、受信機30の識別子である。受信機位置222は、施設内における受信機ID221の受信機30が設置されている位置(例えばXY座標)を示す情報である。施設が複数の階床を有する場合、受信機位置222は、受信機ID221の受信機30が設置されている階数の情報も含む。
【0027】
次に、
図7を用いて、スタッフ端末管理テーブル207の構成を説明する。スタッフ端末管理テーブル207は、スタッフ端末ID231と、スタッフ端末位置232と、を対応付けて管理する。スタッフ端末ID231は、スタッフ端末31の識別子である。スタッフ端末位置232は、施設内におけるスタッフ端末ID231のスタッフ端末31が存在する位置(例えばXY座標)を示す情報である。施設が複数の階床を有する場合、スタッフ端末位置232は、スタッフ端末ID231のスタッフ端末31が存在する階数の情報も含む。
【0028】
<<管理サーバの機能>>
以下、
図4を用いて、管理サーバ10の各機能を説明する。
【0029】
受信部201は、各受信機30から送信されるビーコン受信情報を受信し、そのビーコン受信情報に含まれる端末IDと、生体測定情報と、を対応付けて、生体測定情報管理テーブル205に格納する。
【0030】
体調不良判定部202は、生体測定情報管理テーブル205を用いて、端末ID211に対応するユーザが体調不良であるか否かを判定する。例えば、体調不良判定部202は、体温、心拍数、及び血圧の少なくとも1つが正常範囲外である場合、体調不良と判定する。正常範囲は、被測定対象212ごとに一般的に定義されている範囲である。なお、体調不良判定部202は、他の方法によって体調不良であるか否かを判定してもよい。例えば、体調不良判定部202は、生体測定値の時間経過に伴う変動に異常が検出された場合、体調不良と判定する。
【0031】
送信先決定部203は、体調不良判定部202において端末ID211に対応するユーザが体調不良であると判定された場合に、介助要請情報の送信先を決定する。例えば、送信先決定部203は、その端末ID211のウェアラブル端末20から所定距離内に位置するスタッフ端末31を、送信先に決定する。
【0032】
送信部204は、送信先決定部203によって決定された送信先のスタッフ端末31に対して、例えば無線LANを介して、介助要請情報を送信する。これにより、介助要請情報が体調不良のユーザから所定距離内に位置するスタッフ端末31へ送信されるので、体調不良のユーザの近傍にいるスタッフが、迅速に体調不良のユーザを介助することができる。
【0033】
<管理サーバにおける処理の流れ>
以下、
図8のフローチャートを用いて、管理サーバ10における全体の処理の流れを説明する。なお、
図8のフローチャートは、1つの端末ID(つまり1ユーザ)に対する処理を示すものである。
【0034】
受信部201は、受信機30から送信されるビーコン受信情報を受信するまで待機し(ST101:NO)、ビーコン受信情報を受信すると(ST101:YES)、そのビーコン受信情報から端末ID、生体測定情報、及び受信機IDを抽出し、端末ID及び生体測定情報を対応付けて、生体測定情報管理テーブル205に格納する(ST102)。
【0035】
次に、体調不良判定部202は、ST102で格納された生体測定情報を分析し、ST102で格納された端末IDのウェアラブル端末20を装着するユーザが、体調不良であるか否かを判定する(ST103)。
【0036】
ユーザが体調不良でないと判定された場合(ST103:NO)、管理サーバ10は、本処理を終了する。
【0037】
ユーザが体調不良であると判定された場合(ST103:YES)、送信先決定部203は、受信機管理テーブル206を用いて、ST102で抽出した受信機ID221の受信機位置222を特定する(ST104)。
【0038】
次に、送信先決定部203は、スタッフ端末管理テーブル207を用いて、ST104で特定した受信機位置222から所定距離内に存在するスタッフ端末位置232を特定し、その特定したスタッフ端末位置232に対応付けられているスタッフ端末ID231を、送信先に決定する(ST105)。なお、所定距離内に複数のスタッフ端末位置232が存在する場合、それら全てのスタッフ端末位置232に対応付けられているスタッフ端末ID231を、送信先に決定する。
【0039】
次に、送信部204は、ST105で送信先に決定したスタッフ端末ID231のスタッフ端末31に対して、介助要請情報を送信する(ST106)。
【0040】
スタッフ端末31は、ST106の介助要請情報を受信すると、当該介助要請情報の内容をディスプレイに表示したり、サウンドを発生したりして、スタッフにその旨を知らせる。これにより、体調不良のユーザの近くにいるスタッフが、迅速にそのユーザを介助することができる。
【0041】
<実施の形態1の変形例>
以下、実施の形態1に係る変形例を説明する。
【0042】
(A1)管理サーバ10は、重大な体調不良と判定した場合、スタッフ端末31だけでなく、施設内に存在する診療所にも介助要請情報を送信する。これにより、ユーザに重大な体調不良が生じた場合に、施設内の診療所が迅速に対応することができる。
【0043】
(A2)管理サーバ10は、生体測定情報管理テーブル205に格納された生体測定情報から、施設内の各店におけるユーザの感情を分析し、その分析結果(送信情報に相当)を、各店に提供する。これにより、施設内の各店は、この提供された分析結果を、接客品質の向上等に活用することができる。
【0044】
(A3)管理サーバ10は、生体測定情報管理テーブル205に格納された生体測定情報から、施設内の店にいる今現在のユーザの感情を分析し、その分析結果(送信情報に相当)を、直ちにその店のスタッフ端末31に送信する。これにより、店のスタッフは、ユーザの感情の変化に合わせて、当該ユーザへの対応を変えることができる。
【0045】
(A4)管理サーバ10は、生体測定情報管理テーブル205に格納された各端末ID211の生体測定情報を分析することにより、スタジアムでスポーツを観戦中のユーザ又は自宅のリビングで映画を鑑賞中のユーザ等、個人のユーザの感情を推定することができる。例えば、分析の結果、心拍数及び体温が上昇している場合、ユーザは熱中していると推定することができる。
【0046】
(A5)管理サーバ10は、生体測定情報管理テーブル205に格納された複数の端末ID21の生体測定情報を統計的に分析することにより、ユーザの集団の心的状態を推定することができる。例えば、統計的な分析の結果、心拍数及び体温の平均が上昇している場合、ユーザの集団は熱中していると推定することができる。ユーザの集団の例としては、コンサートを鑑賞中の集団、介護予防教室に参加中の集団、同じコンテンツを視聴中の集団等がある。
【0047】
(A6)生体測定部101の機能を、ウェアラブル端末20ではなく、受信機30に備える。例えば、受信機30が備える赤外線サーモグラフィーカメラ(生体測定部101に相当)が、遠隔からユーザの体温を測定する。又は、受信機30が備える電波を用いて心拍数を測定可能な装置(生体測定部101に相当)が、遠隔からユーザの心拍数を測定する。なお、受信機30が備える生体測定部が測定した生体測定値213と、端末ID211との対応付けは、受信機30がウェアラブル端末20から受信したビーコン信号の受信強度を用いて行われる。例えば、管理サーバ10は、受信機30の備える生体測定部が最も近くに位置するユーザの生体測定値を測定したときに当該受信機30が受信した各ビーコン信号のうち、受信強度が最も高いビーコン信号を発したウェアラブル端末20を特定し、その特定したウェアラブル端末20の端末ID211と、その生体測定値213とを対応付ける。
【0048】
<実施の形態1の効果>
以上のように、実施の形態1では、ウェアラブル端末20が、ユーザの生体状態を測定し、その生体状態の生体測定値を含むビーコン信号を発信し、受信機30が、ビーコン信号を受信し、自機の受信機IDと、ビーコン信号に含まれる生体測定値と、を管理サーバ10へ送信し、管理サーバ10が、受信機30から送信された生体測定情報を分析し、ユーザが体調不良であると判定した場合、そのウェアラブル端末20(ユーザ)の近傍に存在するスタッフ端末31(スタッフ)に対して、注意情報の一例である介助要請情報を送信する。これにより、ユーザ(特に高齢又は持病のあるユーザ)は、実施の形態1に係る情報提供システムが導入されている施設において、安心して過ごすことができる。
【0049】
また、実施の形態1では、ユーザは、生体測定値を受信して管理サーバへ送信するアプリケーションをインストールすることなく、ウェアラブル端末20を装着するだけで、上述のサービスを受けることができる。
【0050】
また、受信機30は、自ら信号を発信せずに、ウェアラブル端末20から発信されるビーコン信号を受信すればよいので、低消費電力で駆動することができる。
【0051】
(実施の形態2)
<実施の形態2の概要>
以下、
図9を用いて、実施の形態2の概要を説明する。
【0052】
図9において、ユーザKは、ウェアラブル端末21を装着して、施設内にいる。施設内には、ウェアラブル端末21から発信されるビーコン信号を受信したり、ユーザKに対して情報を表示したりする受信表示機32が設置されている。
【0053】
ウェアラブル端末21は、ユーザKの生体状態を測定し、その生体状態の生体測定値に基づいてバイタルフラグ列を生成し、その生成したバイタルフラグ列をビーコン信号に含めて、間欠的に発信する。なお、それ以外のウェアラブル端末21の機能については、実施の形態1で説明したウェアラブル端末20と同様であってよい。バイタルフラグ列は、後述の
図11に示すように、各フラグ(ビット)が、ユーザの特定の生体状態を示すフラグ列(ビット列)であり、例えば、ウェアラブル端末21が生体測定値に基づいて、ユーザが空腹であると推定した場合、空腹状態に対応付けられているフラグをオンにする。なお、バイタルフラグ値は、生体状態関連情報の一例に相当する。
【0054】
受信表示機32は、ユーザKが装着するウェアラブル端末21から送信されたビーコン信号を受信すると、当該ビーコン信号に含まれるバイタルフラグ列と、自機の受信機IDと、を含むビーコン受信情報を生成し、管理サーバ11へ送信する。受信表示機32と管理サーバ11とは、無線又は有線LANで接続されている。
【0055】
管理サーバ11は、受信表示機32から送信されたビーコン受信情報を受信すると、そのビーコン受信情報に含まれるバイタルフラグ列に基づいて送信情報を決定する。例えば、管理サーバ11は、バイタルフラグ列における空腹状態に対応付けられているフラグがオンである場合、当該バイタルフラグ列のパターンに対応付けられている、施設内の飲食店情報を、送信情報として送信すると決定する。そして、管理サーバ11は、その決定した飲食店情報を、受信表示機32へ送信する。
【0056】
受信表示機32は、管理サーバ11から送信された飲食店情報を表示する。これにより、空腹状態であるユーザKの近くの受信表示機32に、飲食店情報が表示される。受信表示機32は、例えば、施設に設置されているデジタルサイネージ装置である。
【0057】
これにより、空腹状態のユーザKは、施設の案内パネルから飲食店を探したりすることなく、受信表示機32に近づくだけで、施設内の飲食店を知ることができる。以下、実施の形態2に係るサービス提供システムの詳細について説明する。
【0058】
<ウェアラブル端末>
以下、
図10を用いて、ウェアラブル端末21の構成を説明する。ウェアラブル端末21は、生体測定部101と、ビーコン発信部102と、タイマ部103と、バイタルフラグ列生成部105と、測定管理テーブル104と、を備える。
【0059】
生体測定部101、タイマ部103、及び測定管理テーブル104については、実施の形態1で説明したとおりであるので、説明を省略する。
【0060】
バイタルフラグ列生成部105は、測定管理テーブル104に格納されている生体測定情報を用いて、バイタルフラグ列を生成する。なお、バイタルフラグ列の生成方法の詳細については後述する。
【0061】
ビーコン発信部102は、自ウェアラブル端末21の端末IDと、バイタルフラグ列生成部105で生成されたバイタルフラグ列と、を含むビーコン信号を生成し、タイマ部103が制御する発信間隔で、そのビーコン信号を発信する。BLEに準拠している場合、ビーコン発信部102は、ビーコン信号としてアドバタイズパケットを生成し、そのアドバタイズパケットをブロードキャスト送信する。
【0062】
<バイタルフラグ列の生成方法の詳細>
以下、バイタルフラグ列の生成方法の詳細について説明する。
【0063】
バイタルフラグ列は、
図11に示すように、各ビットがユーザの特定の生体状態に対応付けられているビット列である。例えば、第1ビットが体温状態に、第2ビットが心拍状態に、第3ビットが血圧状態に、第4ビットが空腹状態に、第5ビットが疲労状態に対応付けられている。バイタルフラグ列生成部105は、例えば、次の(B1)から(B5)に示すように、バイタルフラグ列を生成する。
【0064】
(B1)バイタルフラグ列生成部105は、バイタルフラグ列の第1ビットを、測定された体温が正常範囲内ならば「0」(正常状態)、正常範囲外ならば「1」(異常状態)とする。
(B2)バイタルフラグ列生成部105は、バイタルフラグ列の第2ビットを、測定された心拍数が正常範囲内ならば「0」(正常状態)、正常範囲外ならば「1」(異常状態)とする。
(B3)バイタルフラグ列生成部105は、バイタルフラグ列の第3ビットを、測定された血圧が正常範囲内ならば「0」(正常状態)、正常範囲外ならば「1」(異常状態)とする。
(B4)バイタルフラグ列生成部105は、測定管理テーブル104に格納されている測定値213の時間経過に対する変化の特性に基づいて、空腹状態であるか否かを判定する。典型的には、食事をすると体温が上昇する傾向があるため、バイタルフラグ列生成部105は、体温の上昇が発生してから下降し所定時間以上経過している場合、空腹状態と判定する。バイタルフラグ列生成部105は、バイタルフラグ列の第4ビットを、空腹状態でないと判定したならば「0」(平常状態)、空腹状態であると判定したならば「1」(空腹状態)とする。
(B5)バイタルフラグ列生成部105は、測定管理テーブル104内に格納されている生体測定値の時間経過に対する変化の特性に基づいて、疲労状態であるか否かを判定する。典型的には、運動等を行うと心拍数が上昇する傾向があるため、バイタルフラグ列生成部105は、心拍数が上昇してから下降し所定時間以上経過している場合、疲労状態と判定する。バイタルフラグ列生成部105は、バイタルフラグ列の第5ビットを、疲労状態でないと判定したならば「0」(平常状態)、疲労状態であると判定したならば「1」(疲労状態)とする。
【0065】
例えば、体温は平熱であるが、心拍数及び血圧が正常範囲よりも高く、空腹状態及び疲労状態ではない場合、バイタルフラグ列は「01100」となる。また、体温、心拍数及び血圧の何れも正常であり、空腹かつ疲労状態である場合、バイタルフラグ列は「00011」となる。
【0066】
なお、(B1)から(B3)のように、生体測定値213から直接的に判定できる生体状態を、「一次的生体状態」と呼び、(B4)、(B5)のように、少なくとも1つ以上の生体測定値213の時間経過に対する変化の特性に基づいて間接的に判定(推定)される生体状態を、「二次的生体状態」と呼んでもよい。
【0067】
また、ウェアラブル端末21には、被測定対象212のそれぞれにおいて一般的に定義されている正常範囲が予め設定されている。しかし、正常範囲はユーザによって異なることも多いので、ウェアラブル端末21に予め設定されている正常範囲は、ユーザによって調整可能である。これにより、バイタルフラグ列生成部105は、ユーザ毎に適切なバイタルフラグ列を生成することができる。
【0068】
<管理サーバ>
以下、
図12を用いて、管理サーバ11の構成を説明する。管理サーバ11は、受信部301と、送信情報決定部302と、送信先決定部303と、送信部304と、受信表示機管理テーブル305と、送信情報管理テーブル306と、スタッフ端末管理テーブル307と、を備える。
【0069】
まず、テーブル305、306の構成について説明し、次に、各機能301から304について説明する。なお、スタッフ端末管理テーブル307については、
図7で説明したとおりであるので、説明を省略する。
【0070】
<<各テーブルの構成>>
まず、
図13を用いて、受信表示機管理テーブル305の構成を説明する。受信表示機管理テーブル305は、受信表示機ID311と、受信表示機位置312と、を対応付けて管理する。受信表示機ID311は、受信表示機32の識別子である。受信表示機位置312は、施設内における受信表示機ID311の受信表示機32が設置されている位置(例えばXY座標)を示す情報である。施設が複数の階床を有する場合、受信表示機位置312は、受信表示機ID311の受信表示機32が設置されている階数の情報も含む。
【0071】
次に、
図14を用いて、送信情報管理テーブル306の構成を説明する。送信情報管理テーブル306は、バイタルフラグパターン321と、送信情報種別322と、を対応付けて管理する。バイタルフラグパターン321は、バイタルフラグ列のパターンであり、予め定義される。送信情報種別322は、バイタルフラグ列が、バイタルフラグパターン321に適合した場合に送信される送信情報の種別を示す。送信情報種別322としては、上記で説明した介助要請情報の他に、例えば、施設内にある診療所に関する情報である診療所情報、施設内にある飲食点に関する情報である飲食店情報、施設内にある休憩所に関する情報である休憩所情報等がある。
【0072】
図14の例では、体温及び血圧が正常範囲外、又は、心拍数が正常範囲外であるユーザについては、直ちに介助が必要であるため、バイタルフラグ列の第1から第3ビットが「101」又は第2ビットが「1」のバイタルフラグパターン321に対して、送信情報種別322として、介助要請情報を対応付けている。
【0073】
また、体温のみが正常範囲外、又は、血圧のみが正常範囲外であるユーザについては、直ちに介助が必要とまではいかないが、診療を受けることが好ましいため、バイタルフラグ列の第1から第3ビットが「100」又は「001」のバイタルフラグパターン321に対して、送信情報種別322として、診療所情報を対応付けている。
【0074】
また、体調不良ではなく、空腹状態であるユーザについては、飲食店を探している可能性が高いため、バイタルフラグ列の第1から第5ビットが「00010」又は「00011」のバイタルフラグパターン321に対して、送信情報種別322として、飲食点情報を対応付けている。
【0075】
また、体調不良ではなく、空腹でもないが、疲労状態であるユーザについては、休憩所を探している可能性が高いため、バイタルフラグ列の第1から第5ビットが「00001」のバイタルフラグパターンに対して、送信情報種別322として、休憩所情報を対応付けている。
【0076】
<管理サーバの機能>
以下、
図12を用いて、管理サーバ11の各機能について説明する。
【0077】
受信部301は、各受信機30から送信されるビーコン受信情報を受信し、そのビーコン受信情報に含まれる端末IDと、バイタルフラグ列と、受信機IDと、を送信情報決定部302に渡す。
【0078】
送信情報決定部302は、送信情報管理テーブル306を用いて、受信部301から受け取ったバイタルフラグ列に適合する送信情報種別322を決定する。なお、送信情報種別の決定方法の詳細については後述する。
【0079】
送信先決定部303は、送信情報決定部302によって決定された送信情報種別の送信情報の送信先を決定する。なお、送信先の決定方法の詳細については、後の
図15のフローチャートにおいて説明する。
【0080】
送信部304は、送信情報決定部302によって決定された送信情報種別の送信情報を、送信先決定部303で決定された送信先へ送信する。
【0081】
<送信情報種別の決定方法の詳細>
以下、送信情報種別の決定方法の詳細を、
図14を用いて具体的に説明する。
【0082】
送信情報管理テーブル306において、第1から第3ビットが「101」又は第2ビットが「1」であるバイタルフラグ列に適合するバイタルフラグパターン321に対しては、送信情報種別322として、介助要請情報が対応付けられている。したがって、送信情報決定部302は、このようなバイタルフラグ列を受け取った場合、介助要請情報を送信すると決定する。
【0083】
また、第1から第3ビットが「101」又は「001」であるバイタルフラグ列に適合するバイタルフラグパターン321に対しては、送信情報種別322として、診療所情報が対応付けられている。したがって、送信情報決定部302は、このようなバイタルフラグ列を受け取った場合、診療所情報を送信すると決定する。
【0084】
また、第1から第5ビットが「00010」又は「00011」であるバイタルフラグ列に適合するバイタルフラグパターン321に対しては、送信情報種別322として、飲食店情報が対応付けられている。したがって、送信情報決定部302は、このようなバイタルフラグ列を受け取った場合、飲食店情報を送信すると決定する。
【0085】
また、第1から第5ビットが「00001」であるバイタルフラグ列に適合するバイタルフラグパターン321に対しては、送信情報種別322として、休憩所情報が対応付けられている。したがって、送信情報決定部302は、このようなバイタルフラグ列を受け取った場合、休憩所情報を送信すると決定する。
【0086】
<管理サーバの全体処理フロー>
以下、
図15のフローチャートを用いて、管理サーバ11における処理の流れを説明する。なお、
図15のフローチャートは、1つの端末ID(つまり1ユーザ)に対する処理を示している。
【0087】
受信部301は、ビーコン受信情報を受信するまで待機し(ST201:NO)、ビーコン受信情報を受信すると(ST201:YES)、ビーコン受信情報から、端末ID、バイタルフラグ列、及び受信機IDを抽出し、送信情報決定部302に渡す(ST202)。
【0088】
次に、送信情報決定部302は、受信部201から受け取ったバイタルフラグ列に適合するバイタルフラグパターンが送信情報管理テーブル306に存在するか否かを判定する(ST203)。
【0089】
バイタルフラグ列に適合するバイタルフラグパターンが送信情報管理テーブル306に存在しない場合(ST203:NO)、管理サーバ11は、本処理を終了する。
【0090】
バイタルフラグ列に適合するバイタルフラグパターンが送信情報管理テーブル306に存在する場合(ST203:YES)、次に、送信情報決定部302は、送信情報管理テーブル306において、そのバイタルフラグパターン321に対応付けられている送信情報種別322を特定する(ST204)。
【0091】
次に、送信情報決定部302は、ST204で特定した送信情報種別が、介助要請情報であるか否かを判定する(ST205)。
【0092】
ST204で特定した送信情報種別が介助要請情報である場合(ST205:YES)、送信先決定部303は、受信部201から受け取った受信表示機IDの受信表示機32から所定距離内に存在するスタッフ端末31を特定し、その特定したスタッフ端末31を介助要請情報の送信先に決定する(ST206)。受信表示機32から所定距離内に存在するスタッフ端末31を特定する方法は、実施の形態1で説明したとおりである。
【0093】
ST204で特定した送信情報種別が介助要請情報でない場合(ST205:NO)、送信先決定部303は、受信部301から受け取った受信表示機IDの受信表示機32を、ST204で特定した送信情報の送信先に決定する(ST207)。
【0094】
送信部304は、ST206で決定されたスタッフ端末、又は、ST207で決定された受信表示機32に対して、ST204で特定された送信情報を送信し(ST208)、本処理を終了する。
【0095】
<実施の形態2の変形例>
以下、実施の形態2に係る変形例を説明する。
【0096】
(C1)ウェアラブル端末21の生体測定部101は、上述した体温、心拍数及び血圧の他に、血糖値も測定する。例えば、ウェアラブル端末21のバイタルフラグ列生成部105は、体温及び血糖値が上昇してから下降した時刻に基づいてユーザが食事をした時刻を推定し、その推定時刻から所定時間経過以上している場合、空腹状態と判定する。これにより、空腹状態をより精度良く判定することができる。
【0097】
(C2)ウェアラブル端末21は、さらに歩数測定部を備え、ユーザの歩数を測定する。例えば、ウェアラブル端末21のバイタルフラグ列生成部105は、休憩時間なしに歩数が所定数以上増加した場合、疲労状態と判定する。これにより、疲労状態をより精度良く判定することができる。また、バイタルフラグ列生成部105は、歩数の増加数が所定未満である(運動強度が弱い)にもかかわらず、心拍数が所定以上である場合、強いストレス状態と判定する。これにより、ストレス状態をより精度良く判定することができる。
【0098】
(C3)バイタルフラグ列を、管理サーバ11のみが復号可能な鍵で暗号化する。これにより、ユーザの生体測定情報に係るプライバシーを、さらに強固に保護することができる。
【0099】
<実施の形態2の効果>
以上のように、実施の形態2では、ウェアラブル端末21が、ユーザの生体状態を測定し、その生体状態の生体測定情報に基づいてバイタルフラグ列を生成し、その生成したバイタルフラグ列を含むビーコン信号を発信し、受信表示機32が、ビーコン信号を受信し、そのビーコン信号に含まれるバイタルフラグ列と受信機IDとを管理サーバ11へ送信し、管理サーバ11が、受信表示機32から送信されたバイタルフラグ列に応じて送信情報を決定し、その決定した送信情報を受信表示機32又はスタッフ端末31へ送信する。
【0100】
このように、ウェアラブル端末21でバイタルフラグ列を生成することにより、生体測定情報をそのまま送信する場合と比較して、データ量を削減することができる。これにより、データサイズの上限が比較的厳しいBLE規格のアドバタイズパケットに、ユーザの多様な生体状態に関する情報を含めることができる。
【0101】
また、施設内にいる多数のユーザの生体測定値をそのまま管理サーバへ送信した場合、管理サーバは多数のユーザの生体測定値をそれぞれ分析する必要があるため、管理サーバの処理負荷が大きくなってしまう。したがって、このようなシステムでは、管理サーバが、ユーザの生体状態に対してリアルタイムに応答を返すことは難しい。これに対して、本実施の形態2に係るシステムによれば、バイタルフラグ列とバイタルフラグパターンとを対比すればよいので、管理サーバ11の処理負荷が比較的小さくなる。よって、本実施の形態2によれば、管理サーバ11が、ユーザの生体状態に対して、リアルタイムに応答を返すシステムを実現することができる。
【0102】
また、生体測定値をそのまま管理サーバへ送信するのではなく、生体測定値をバイタルフラグ列に変換して管理サーバ11へ送信することにより、プライバシーをより強固に保護することができる。これにより、実施の形態2に係るサービスを利用する際におけるユーザのプライバシーに対する懸念を緩和することができる。
【0103】
また、、実施の形態2では、ユーザは、生体測定値を受信して管理サーバ11へ送信するアプリケーションをインストールすることなく、ウェアラブル端末21を装着するだけで、上述のサービスを受けることができる。
【0104】
また、受信機30は、自ら信号を発信せずに、ウェアラブル端末21から発信されるビーコン信号を受信すればよいので、低消費電力で駆動することができる。
【0105】
(ハードウェア構成)
なお、上記実施の形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
【0106】
例えば、本発明の一実施の形態における各装置は、本発明の方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
図16は、本発明の一実施の形態に係る管理サーバ10、11、ウェアラブル端末20、21、受信機30、スタッフ端末31、受信表示機32のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の管理サーバ10、11、ウェアラブル端末20、21、スタッフ端末31、受信表示機32は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0107】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。管理サーバ10、11、発信機20、21、受信機30、スタッフ端末31、受信表示機32のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0108】
管理サーバ10、11、ウェアラブル端末20、21、受信機30、スタッフ端末31、受信表示機32における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信や、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
【0109】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、上述の生体測定部101、ビーコン発信部102、タイマ部103、バイタルフラグ列生成部105、受信部201、301、体調不良判定部202、送信先決定部203、303、送信部204、304、送信情報決定部302などは、プロセッサ1001で実現されてもよい。
【0110】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールやデータを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、管理サーバ10、11、ウェアラブル端末20、21、受信機30、スタッフ端末31、受信表示機32の各機能は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001で実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
【0111】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施の形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0112】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD−ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及び/又はストレージ1003を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。例えば、上述の測定管理テーブル104、生体測定情報管理テーブル205、受信機管理テーブル206、スタッフ端末管理テーブル207、307、受信表示機管理テーブル305、送信情報管理テーブル306などは、メモリ1002及び/又はストレージ1003によって構成されてもよい。
【0113】
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。例えば、上述の受信部201、301、送信部204、304などは、通信装置1004で実現されてもよい。
【0114】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0115】
また、プロセッサ1001やメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
【0116】
また、管理サーバ10、11、ウェアラブル端末20、21、受信機30、スタッフ端末31、受信表示機32は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
へ送信されてもよい。
【0117】
(判定方法)
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0118】
(態様のバリエーション等)
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0119】
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0121】
(ソフトウェア)
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0122】
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0123】
(情報、信号)
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0124】
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及び/又はシンボルは信号(シグナル)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC)は、キャリア周波数、セルなどと呼ばれてもよい。
【0125】
(「システム」、「ネットワーク」)
本明細書で使用する「システム」および「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0126】
(パラメータ名称)
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。
【0127】
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的なものではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本明細書で明示的に開示したものと異なる場合もある。
【0128】
(「接続された」、「結合された」)
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。本明細書で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及び/又はプリント電気接続を使用することにより、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどの電磁エネルギーを使用することにより、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0129】
(「に基づいて」の意味)
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0130】
(「第1の」、「第2の」)
本明細書で使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量または順序を全般的に限定するものではない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書で使用され得る。したがって、第1および第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、または何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0131】
(「手段」)
上記の各装置の構成における「手段」を、「部」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
【0132】
(オープン形式)
「含む(including)」、「含んでいる(comprising)」、およびそれらの変形が、本明細書あるいは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0133】
(冠詞)
本開示の全体において、例えば、英語でのa, an, 及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、これらの冠詞は、文脈から明らかにそうではないことが示されていなければ、複数のものを含むものとする。