特許第6872425号(P6872425)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6872425
(24)【登録日】2021年4月21日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】媒体供給装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 11/70 20060101AFI20210510BHJP
   B65H 35/06 20060101ALI20210510BHJP
   B65H 23/182 20060101ALI20210510BHJP
   B65H 26/02 20060101ALI20210510BHJP
   B65H 43/04 20060101ALI20210510BHJP
【FI】
   B41J11/70
   B65H35/06
   B65H23/182
   B65H26/02
   B65H43/04
【請求項の数】6
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2017-108072(P2017-108072)
(22)【出願日】2017年5月31日
(65)【公開番号】特開2018-202662(P2018-202662A)
(43)【公開日】2018年12月27日
【審査請求日】2019年9月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】591044164
【氏名又は名称】株式会社沖データ
(74)【代理人】
【識別番号】100083840
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 実
(74)【代理人】
【識別番号】100116964
【弁理士】
【氏名又は名称】山形 洋一
(74)【代理人】
【識別番号】100135921
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 昌彦
(72)【発明者】
【氏名】菊田 浩和
(72)【発明者】
【氏名】島貫 俊弘
【審査官】 松林 芳輝
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−333108(JP,A)
【文献】 特開2005−255405(JP,A)
【文献】 特開2016−159488(JP,A)
【文献】 特開2014−008741(JP,A)
【文献】 特開2010−201702(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J11/00−11/70
B65H23/18−23/198
B65H26/00−26/08
B65H 7/00−7/20
B65H35/00−35/10
B65H43/00−43/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信タグがそれぞれに埋め込まれた複数のラベル部を有する連続媒体を外部装置に供給する媒体供給装置であって、
前記連続媒体を支持するホルダと、
前記ホルダに支持された前記連続媒体を移動させる駆動部と、
前記ホルダから引き出された前記連続媒体を所定の搬送方向又は前記搬送方向と反対の巻き戻し方向に搬送する媒体搬送部と、
前記搬送方向における前記連続媒体の位置を検知する位置検知部と、
所定の切断位置で前記連続媒体を切断するカッター部と、
装置全体の動作を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記位置検知部によって検知された前記連続媒体の位置と前記切断位置とに基づいて、前記駆動部及び前記媒体搬送部により前記連続媒体の位置が前記切断位置と目標の位置関係となるまでホルダ側へ戻す制御を行い、
前記外部装置から前記連続媒体のジャムの発生を知らせるジャム検出信号を受信したときにおける前記目標の位置関係は、前記切断位置が、前記連続媒体において前記無線通信タグの構成部材が埋め込まれていないギャップ領域に重なる位置関係である
ことを特徴とする媒体供給装置。
【請求項2】
前記連続媒体は、前記複数のラベル部として、第1のラベル部と、前記第1のラベル部の直後の第2のラベル部とを含み、
前記目標の位置関係は、前記切断位置が、前記ギャップ領域内において、前記ギャップ領域の中間線よりも前記第1のラベル部側の領域に重なる位置関係である
ことを特徴とする請求項に記載の媒体供給装置。
【請求項3】
無線通信タグがそれぞれに埋め込まれた複数のラベル部を有する連続媒体を外部装置に供給する媒体供給装置であって、
前記連続媒体を支持するホルダと、
前記ホルダに支持された前記連続媒体を移動させる駆動部と、
前記ホルダから引き出された前記連続媒体を所定の搬送方向又は前記搬送方向と反対の巻き戻し方向に搬送する媒体搬送部と、
前記搬送方向における前記連続媒体の位置を検知する位置検知部と、
所定の切断位置で前記連続媒体を切断するカッター部と、
前記無線通信タグと無線通信する無線通信部と、
装置全体の動作を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記位置検知部によって検知された前記連続媒体の位置と前記切断位置とに基づいて、前記駆動部及び前記媒体搬送部により前記連続媒体の位置が前記切断位置と目標の位置関係となるまでホルダ側へ戻す制御を行い、
前記制御部は、前記無線通信部による無線通信の結果に基づいて、前記複数のラベル部の各々の前記無線通信タグが、所定の機能を発揮できる正常状態であるか、前記所定の機能を発揮できない非正常状態であるかを判定し、
前記非正常状態である無線通信タグが存在する場合における前記目標の位置関係は、前記切断位置が、前記連続媒体において前記無線通信タグの構成部材が埋め込まれていないギャップ領域であって、前記非正常状態である無線通信タグが埋め込まれたラベル部の後端を含むギャップ領域に重なる位置関係である
ことを特徴とする媒体供給装置。
【請求項4】
前記ホルダから引き出されてから前記外部装置に供給されるまでの前記連続媒体の全長を増加させる前記連続媒体のたるみを形成するたるみ形成部をさらに備える
ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に媒体供給装置。
【請求項5】
無線通信タグがそれぞれに埋め込まれた複数のラベル部を有する連続媒体を外部装置に供給する媒体供給装置であって、
前記連続媒体を支持するホルダと、
前記ホルダに支持された前記連続媒体を移動させる駆動部と、
前記ホルダから引き出された前記連続媒体を所定の搬送方向又は前記搬送方向と反対の巻き戻し方向に搬送する媒体搬送部と、
前記搬送方向における前記連続媒体の位置を検知する位置検知部と、
所定の切断位置で前記連続媒体を切断するカッター部と、
前記ホルダから引き出されてから前記外部装置に供給されるまでの前記連続媒体の全長を増加させる前記連続媒体のたるみを形成するたるみ形成部と、
装置全体の動作を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記位置検知部によって検知された前記連続媒体の位置と前記切断位置とに基づいて、前記駆動部及び前記媒体搬送部により前記連続媒体の位置が前記切断位置と目標の位置関係となるまでホルダ側へ戻す制御を行う
ことを特徴とする媒体供給装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の媒体供給装置と、
前記媒体供給装置で切断され分離された前記連続媒体上に画像を形成する画像形成部と
を有することを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信タグがそれぞれに埋め込まれた複数のラベル部を有する連続媒体を供給する媒体供給装置及びこの媒体供給装置を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置としての印刷装置は、無線通信タグとしてのRFID(Radio Frequency IDentifier)が埋め込まれた連続媒体(「RFID連続媒体」とも言う)であるロール紙に対する印刷中にジャムの発生を検出した場合、印刷装置及びRFID連続媒体への悪影響を最小限にするために、印刷装置のプリンタ部(「印刷部」又は「画像形成部」とも言う)における印刷動作を即時停止するとともに、印刷装置の媒体供給装置(ロール紙フィーダ)による媒体供給(用紙送り)動作を即時停止し、オペレータに対し復旧作業待ち状態である旨を通知する。
【0003】
復旧作業では、オペレータは、媒体供給装置のカッター部を動作させてRFID連続媒体を切断し、印刷装置のプリンタ部内に残留するRFID連続媒体を除去し、媒体供給装置に、ロール紙から引き出された未使用のRFID連続媒体を再度設定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−141358号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の媒体供給装置では、ジャム発生等により媒体の正常な搬送ができなくなると、カッター部による切断位置が、例えばRFID部のアンテナ部やIC(Integrated Circuit)部等の硬い部材に重なる場合がある。その結果、カッター部の刃の寿命の短縮又はカッター部の刃欠けなどのような不具合が発生し易いという問題がある。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、連続媒体の切断動作において、カッター部に不具合を発生させ難い媒体供給装置及びこれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る媒体供給装置は、無線通信タグがそれぞれに埋め込まれた複数のラベル部を有する連続媒体を外部装置に供給する媒体供給装置であって、前記連続媒体を支持するホルダと、前記ホルダに支持された前記連続媒体を移動させる駆動部と、前記ホルダから引き出された前記連続媒体を所定の搬送方向又は前記搬送方向と反対の巻き戻し方向に搬送する媒体搬送部と、前記搬送方向における前記連続媒体の位置を検知する位置検知部と、所定の切断位置で前記連続媒体を切断するカッター部と、装置全体の動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記位置検知部によって検知された前記連続媒体の位置と前記切断位置とに基づいて、前記駆動部及び前記媒体搬送部により前記連続媒体の位置が前記切断位置と目標の位置関係となるまでホルダ側へ戻す制御をい、前記外部装置から前記連続媒体のジャムの発生を知らせるジャム検出信号を受信したときにおける前記目標の位置関係は、前記切断位置が、前記連続媒体において前記無線通信タグの構成部材が埋め込まれていないギャップ領域に重なる位置関係であることを特徴とする。
また、本発明の他の態様に係る媒体供給装置は、無線通信タグがそれぞれに埋め込まれた複数のラベル部を有する連続媒体を外部装置に供給する媒体供給装置であって、前記連続媒体を支持するホルダと、前記ホルダに支持された前記連続媒体を移動させる駆動部と、前記ホルダから引き出された前記連続媒体を所定の搬送方向又は前記搬送方向と反対の巻き戻し方向に搬送する媒体搬送部と、前記搬送方向における前記連続媒体の位置を検知する位置検知部と、所定の切断位置で前記連続媒体を切断するカッター部と、前記無線通信タグと無線通信する無線通信部と、装置全体の動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記位置検知部によって検知された前記連続媒体の位置と前記切断位置とに基づいて、前記駆動部及び前記媒体搬送部により前記連続媒体の位置が前記切断位置と目標の位置関係となるまでホルダ側へ戻す制御を行い、前記制御部は、前記無線通信部による無線通信の結果に基づいて、前記複数のラベル部の各々の前記無線通信タグが、所定の機能を発揮できる正常状態であるか、前記所定の機能を発揮できない非正常状態であるかを判定し、前記非正常状態である無線通信タグが存在する場合における前記目標の位置関係は、前記切断位置が、前記連続媒体において前記無線通信タグの構成部材が埋め込まれていないギャップ領域であって、前記非正常状態である無線通信タグが埋め込まれたラベル部の後端を含むギャップ領域に重なる位置関係であることを特徴とする。
また、本発明の更に他の態様に係る媒体供給装置は、無線通信タグがそれぞれに埋め込まれた複数のラベル部を有する連続媒体を外部装置に供給する媒体供給装置であって、前記連続媒体を支持するホルダと、前記ホルダに支持された前記連続媒体を移動させる駆動部と、前記ホルダから引き出された前記連続媒体を所定の搬送方向又は前記搬送方向と反対の巻き戻し方向に搬送する媒体搬送部と、前記搬送方向における前記連続媒体の位置を検知する位置検知部と、所定の切断位置で前記連続媒体を切断するカッター部と、前記ホルダから引き出されてから前記外部装置に供給されるまでの前記連続媒体の全長を増加させる前記連続媒体のたるみを形成するたるみ形成部と、装置全体の動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記位置検知部によって検知された前記連続媒体の位置と前記切断位置とに基づいて、前記駆動部及び前記媒体搬送部により前記連続媒体の位置が前記切断位置と目標の位置関係となるまでホルダ側へ戻す制御を行うことを特徴とする。
【0008】
本発明の他の態様に係る画像形成装置は、前記媒体供給装置と、前記媒体供給装置で切断され分離された前記連続媒体上に画像を形成する画像形成部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、連続媒体の切断動作において、カッター部に不具合を発生させ難くすることができるという効果がある。
【0010】
また、連続媒体の切断位置を適切に制御する機能を用いることで、不良が検知された無線通信タグを持つラベル部の後端近傍を切断し、不良タグをプリンタ部に供給しない機能を持たせることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】(a)から(c)は、本発明の実施の形態1に係る画像形成装置のプリンタ部と媒体供給装置(ロール紙フィーダ)とを概略的に示す側面図であり、図1(a)は、ロール紙から引き出された連続媒体のセット開始状態を示し、図1(b)は、連続媒体のたるみ形成動作の開始時の状態を示し、図1(c)は、連続媒体のたるみ形成の完了時の状態を示す。
図2】RFID連続媒体からなるロール紙の一例を概略的に示す外観斜視図である。
図3】RFID連続媒体を構成するラベル部(シート)の内部構造の一例を概略的に示す分解斜視図である。
図4】実施の形態1に係る媒体供給装置の制御系の構成を概略的に示すブロック図である。
図5】実施の形態1に係る媒体供給装置における連続媒体のセット時における連続媒体とカッター部による切断位置との関係(通常時)を示す平面図である。
図6】実施の形態1に係る媒体供給装置における連続媒体のセット時における連続媒体とカッター部による切断位置との関係(ジャム解除時)を示す平面図である。
図7】実施の形態1に係る媒体供給装置におけるプリンタ部からの受信処理を概略的に示すフローチャートである。
図8】実施の形態1に係る媒体供給装置におけるジャム発生検出時の処理を概略的に示すフローチャートである。
図9】本発明の実施の形態2に係る画像形成装置のプリンタ部の構成を概略的に示すブロック図である。
図10】実施の形態2に係る画像形成装置の媒体供給装置(ロール紙フィーダ)の構成を概略的に示すブロック図である。
図11】実施の形態2に係る画像形成装置のプリンタ部とロール紙フィーダの構成を概略的に示す側面図である。
図12】(a)から(c)は、実施の形態2に係るロール紙フィーダの概略的な構成を示す側面図であり、図12(a)は、ロール紙から引き出された連続媒体のセット開始状態を示し、図12(b)は、連続媒体のたるみ形成動作の開始時の状態を示し、図12(c)は、連続媒体のたるみ形成の完了時の状態を示す。
図13】実施の形態2に係るロール紙フィーダによる連続媒体のセット動作を示すフローチャートである。
図14】(a)から(d)は、実施の形態2に係るロール紙フィーダの概略的な構成を示す側面図であり、図14(a)は、ロール紙から引き出されたRFID連続媒体のセット開始状態を示し、図14(b)は、先頭のラベル部の次のラベル部の先端検出動作の開始時の状態を示し、図14(c)は、RFID読み書き状態の連続媒体の状態を示し、図14(d)は、RFID読み書き状態の他の連続媒体(搬送方向のラベル部の長さが大である場合)の状態を示す。
図15】実施の形態2に係るロール紙フィーダによるRFID連続媒体のセット動作を示すフローチャートである。
図16】実施の形態2に係るロール紙フィーダによるRFID連続媒体の機能確認の結果の例を表形式で示す図である。
図17】(a)から(d)は、実施の形態2に係るロール紙フィーダの概略的な構成を示す側面図であり、図17(a)は、ロール紙から引き出されたRFID連続媒体の巻き戻し開始前の状態を示し、図17(b)は、ロール紙から引き出されたRFID連続媒体の巻き戻し完了時の状態を示し、図17(c)は、ロール紙から引き出されたRFID連続媒体の巻き戻し完了時の状態(不良ラベル部とその直後のラベル部の間の領域をカッター部による切断位置に重ねた状態)を示し、図17(d)は、RFID連続媒体が切断され、切断によって分離された先頭部分が排出される状態を示す図である。
図18】実施の形態2に係るロール紙フィーダによるRFID連続媒体の巻き戻し動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の実施の形態に係る媒体供給装置としてのロール紙フィーダ及びこれを有する画像形成装置を説明する。以下に説明されるロール紙フィーダ及び画像形成装置は、一例であり、本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0013】
《1》実施の形態1.
《1−1》構成
図1(a)から(c)は、本発明の実施の形態1に係る画像形成装置のプリンタ部100と媒体供給装置としてのロール紙フィーダ200とを概略的に示す側面図である。図1(a)は、ロール紙10から引き出された連続媒体11のセット開始状態を示し、図1(b)は、連続媒体11のたるみ形成動作の開始時の状態を示し、図1(c)は、連続媒体11のたるみ形成の完了時の状態を示す。図1(a)から(c)に示されるように、実施の形態1に係る画像形成装置は、媒体供給装置であるロール紙フィーダ200と、ロール紙フィーダ200に連結されたプリンタ部100とを備えている。プリンタ部100は、例えば、電子写真方式によってロール紙10から引き出された連続媒体(「連続紙」とも言う)11に画像を形成する。ただし、プリンタ部100の印刷方式は電子写真方式以外の方式(例えば、インクジェット式など)であってもよい。プリンタ部100の一例は、後述の図11に示される。また、ロール紙フィーダ200は、プリンタ部100に着脱自在に構成されてもよい。ロール紙フィーダ200がプリンタ部100から取り外されたときには、プリンタ部100は、プリンタ部100内に収容された用紙(例えば、枚葉紙)に画像を印刷する通常のプリンタとしての機能を持つことができる。
【0014】
ロール紙フィーダ200は、無線通信タグとしてのRFIDが備えられた(例えば、埋め込まれた)、媒体長手方向に配列された複数のラベル部12を有する連続媒体11が、ロール状に巻かれたロール状媒体(ロール紙)10から、連続媒体11を引き出して、切断して外部装置としてのプリンタ部100に供給する装置である。ロール紙フィーダ200は、ロール紙10を回転可能に支持するホルダ201と、ホルダ201に支持されたロール紙10を回転させるホルダ駆動部(後述する図4におけるホルダ用パルスモータ202)と、ロール紙10から引き出された連続媒体11を媒体長手方向と平行な搬送方向F1又は搬送方向F1と反対の巻き戻し方向F2に搬送する媒体搬送部と、搬送方向F1における連続媒体11の位置を検知する位置検知部としてのセンサ241,242と、所定の切断位置で連続媒体11を切断するカッター部250と、装置全体の動作を制御する制御部(後述する図4におけるマイクロプロセッサ280)とを備えている。
【0015】
図1に示されるように、実施の形態1に係るロール紙フィーダ200の媒体搬送部は、
搬送ローラ(又は搬送ローラ対)210,220,230と、これらに回転駆動力を与えるパルスモータ211,221,231とを有する。また、実施の形態1に係るロール紙フィーダ200は、ガイドローラ271,272と、たるみ形成用エリア276に媒体たるみを形成するたるみバー273と、たるみバー273を移動させるたるみバーガイド274とを有する。さらに、ロール紙フィーダ200は、カッター部250と、たるみバー273の位置を検知するセンサ243,244と、RFID読み取り及び書き込み用アンテナであるRFIDリーダ/ライタアンテナ260とを備える。
【0016】
制御部は、プリンタ部100からジャム発生の検出信号を受け取ると、位置検知部としてのセンサ241,242により検知された連続媒体11の位置とカッター部250による切断位置とに基づいて、ホルダ駆動部及び媒体搬送部により連続媒体11の位置が、切断位置と目標の位置関係となるまで巻き戻す制御を行う。ここで、目標の位置関係は、カッター部250による切断位置が、連続媒体11においてRFIDの構成部材が埋め込まれていないギャップ領域(後述の図5及び図6における21)に重なる位置関係である。
【0017】
図2は、RFID連続媒体からなるロール紙10の一例を概略的に示す外観斜視図である。また、図3は、RFID連続媒体を構成するラベル部(シート)12の内部構造の一例を概略的に示す分解斜視図である。
【0018】
図2及び図3に示されるように、RFID連続媒体11は、印刷面が表側にある外巻きのロール状媒体としてのロール紙10であり、裏面には印刷位置決め手段であるブラックマーク28がラベル部(シート)毎に印刷されている。図3に示されるように、各シートは、1対のシート状部材からなるパッケージ14を有し、パッケージ14内のインレイ(埋込み物)17にはアンテナ部15とIC部16とが備えられている。なお、印刷位置決め手段は、ブラックマーク28以外の形状又は色のマーク又は構造であってもよい。
【0019】
ロール紙ホルダ201は、RFID連続媒体11からなるロール紙10を回転可能に支持する支持手段であり、ホルダ用パルスモータ202(後述の図4に示される)により、ロール紙10を搬送方向F1の反対の巻き戻し方向F2の力を付与する逆回転を行い、且つ、機械式トルクリミッタ(図示せず)により、一定の上限値以上の、方向F2の力が加わらないように負荷の遮断を行うことで、RFID連続媒体11の搬送時に適度なバックテンションをかけている。このバックテンションにより、連続媒体11の斜行が抑制される。
【0020】
パルスモータ211は、搬送ローラ210を駆動させるためのモータである。搬送ローラ210は、パルスモータ211により動作し、ロール紙ホルダ201にセットされたロール紙10からRFID連続媒体11を引き出し、搬送ローラ220へ搬送する。また、パルスモータ211の回転方向がF4(図におけるCW方向)に設定されているときに、搬送方向F1への動作を行う。
【0021】
パルスモータ221は、搬送ローラ220を駆動させるためのモータである。搬送ローラ220は、パルスモータ221により動作し、搬送ローラ210から送られたRFID連続媒体11を下流側の搬送ローラ230へ搬送する。また、搬送ローラ220は、パルスモータ221の回転方向が、方向F4に設定されているときに搬送方向F1への搬送動作を行う。
【0022】
パルスモータ275は、たるみバーガイド274を動作させるためのモータである。たるみバーガイド274は、パルスモータ275の駆動力を受けて上昇し又は下降する。
【0023】
パルスモータ231は、搬送ローラ230を駆動させるためのモータである。搬送ローラ230は、パルスモータ231により動作し、搬送ローラ220から送られたRFID連続媒体11をプリンタ部100へ搬送する。また、パルスモータ231の回転方向がCW(時計回り)方向に設定されているときに搬送方向F1への動作を行う。
【0024】
ガイドローラ271は、搬送路からたるみ形成用エリア276にRFID連続媒体11を導くローラである。ガイドローラ272は、たるみ形成用エリア276から搬送路にRFID連続媒体11を導くローラである。たるみバーガイド274は、通紙分のスペースを確保して、たるみバー273を乗せるガイドであり、通紙状態のときにたるみバーガイド274を下端位置まで下げることにより、連続媒体11のたるみの形成を行う。
【0025】
たるみバーガイド274は、パルスモータ275により上昇及び下降動作を行う。例えば、パルスモータ275の回転方向がCW方向に設定されているときに上昇動作となる。たるみバー273は、たるみバーガイド274に乗るように支持されているので、搬送ローラ210と搬送ローラ220を動作させ、搬送ローラ230を停止させた状態でたるみバーガイド274を下端位置まで下げれば、自重でその位置まで下がることにより、搬送されたRFID連続媒体11をたるみ形成用エリア276に送ることとなる。図1(c)に示されるように、たるみバー273が下端位置に到達したときに、たるみの形成が完了する。
【0026】
カッター部250は、DC(直流)モータ251(図4に示される)により動作させてRFID連続媒体11を切断する切断手段であり、上位装置から通知された用紙長に到達したときに、この位置でRFID連続媒体11が停止して、カッター部250による切断動作が行われる。このとき、搬送ローラ210と搬送ローラ220が停止して、搬送ローラ230が動作しているため、プリンタ部100にRFID連続媒体11を、たるみ部分から供給しながら、切断動作が行われることとなる。また、この位置が用紙長管理の基準位置となる。
【0027】
センサ241は、媒体挿入検出センサで、RFID連続媒体11の先端が挿入されたことを検知するセンサである。センサ242は、ブラックマーク28を検出するセンサで、この位置を基準にRFID連続媒体11の頭出し動作を行う。センサ243は、たるみバー273の位置検知を行う。センサ244は、たるみバー273aの位置検知を行う。
【0028】
RFIDリーダ/ライタアンテナ260は、RFIDリーダ/ライタ制御部261(図4に示される)のアンテナ部であり、RFID連続媒体11の1ラベル部(1シート)毎に、この位置で停止してリード&ライト動作を行う。このとき、搬送ローラ210と搬送ローラ220が停止して、搬送ローラ230が動作しているため、前述の通りプリンタ部100に、「たるみ」から連続媒体11を供給していることとなる。
【0029】
たるみ形成用エリア276は、連続媒体11のたるみを確保するためのエリアである。一般に、印刷装置で「RFIDのリード/ライト」及び、「サークルカッター又はギロチンカッターによる用紙切断」等の用紙の搬送を停止して行う必要がある動作は、プリンタ部100が印刷開始をしてから印刷終了まで一定速度で印刷を行うため、「印刷中の用紙搬送停止」に備えた「たるみ」を作り、印刷中の用紙搬送停止中に「たるみ」をプリンタ部100に供給することにより、印刷中の「RFIDのリード/ライト」及び「サークルカッター又はギロチンカッター等による用紙切断」を実現している。
【0030】
図4は、実施の形態1に係るロール紙フィーダ200の制御系の構成を示すブロック図である。図4に示されるように、ロール紙フィーダ200は、マイクロプロセッサ280と、パルスモータ制御回路289と、パルスモータ211と、パルスモータ221と、パルスモータ275と、パルスモータ231と、ホルダ用パルスモータ202と、DCモータ制御回路であるカッター制御回路252と、DCモータ251と、カッター部250と、センサ241と、センサ242と、センサ243と、センサ244と、RFIDリーダ/ライタ制御部261と、RFIDリーダ/ライタアンテナ260と、を備える。
【0031】
図4に示されるように、マイクロプロセッサ280は、ROM(Read Only Memory)281と、RAM(Random Access Memory)285と、I/O(Input/Output)ポート286と、UART(Universal Asynchronous Receiver−Transmitter)287とを備える。マイクロプロセッサ280は、センサ状態を元にパルスモータ、DCモータ、RFIDリード/ライトの制御を行っている。
【0032】
ROM281は、マイクロプロセッサ280の制御用プログラム及び制御情報を格納しており、判定部282と記憶部283と検出部284とを含む。判定部282は、「センサ241からの情報によるRFID連続媒体11の挿入判定」、「センサ242からの情報によるブラックマーク28検出判定」、「センサ243からの情報によるたるみ無し判定」、「センサ244からの情報による、たるみ形成終了判定」、「パルスモータ211の動作量情報による用紙長判定」、及び「プリンタ部100からの通知判定」等を行う。
【0033】
記憶部283は、「センサ242から用紙長基準位置までの移動に必要なパルスモータのパルス数」、「センサ242からRFIDリーダ/ライタアンテナ260までの移動に必要なパルスモータのパルス数」、「たるみバーガイド274の上端位置からバーガイド274の下端位置までの移動に必要なパルスモータ275のパルス数」などが記憶されている。
【0034】
検出部284は、センサ241とセンサ242とセンサ243とセンサ244の状態変化の検出を行う。RAM285は、ロール紙フィーダ200における各種情報の管理用メモリとして使用される。I/Oポート286は、マイクロプロセッサ280の入出力ポートで、モータ制御、センサ情報の取得、RFIDリーダ/ライタ制御部261の制御などを行う。
【0035】
パルスモータ制御回路289は、ロール紙ホルダ201を動作させるホルダ用パルスモータ202と、搬送ローラ210を動作させるパルスモータ211と、搬送ローラ220を動作させるパルスモータ221と、搬送ローラ230を動作させるパルスモータ231と、たるみバーガイド274を昇降させるパルスモータ275の制御を行う。
【0036】
カッター制御回路252は、カッター部250を動作させるDCモータ251の制御を行う。RFIDリーダ/ライタ制御部261は、RFIDリーダ/ライタアンテナ260を通じて、その下部を搬送されるRFID連続媒体11に対し、ライトされた情報のリード、及び、新たな情報のライトを行う。
【0037】
UART287は、マイクロプロセッサ280のシリアルインタフェースであり、プリンタ部100との通信に使用される。プリンタ部100は、ロール紙フィーダ200に、連続媒体11の用紙長の通知、後述するギャップ量21等の通知、アラーム状態の通知を行う。例えば、プリンタ部100は、印刷中のジャムを検出した場合、ロール紙フィーダ200にジャム発生を通知し、アラーム状態への遷移を行う。
【0038】
《1−2》動作
図5は、実施の形態1に係るロール紙フィーダ200が行う通常時のRFID連続媒体11の切断位置の説明図である。図6は、実施の形態1に係るロール紙フィーダ200が行うジャム解除時のRFID連続媒体11の切断位置の説明図である。以下では、搬送方向F1に対する切断位置について説明する。
【0039】
図5及び図6に示されるように、RFID連続媒体11の裏面には、基準位置部としてのブラックマーク28が形成されている。ブラックマーク28は、RFID連続媒体11の搬送方向F1(媒体長手方向)の位置を検出可能にするためのマークである。ブラックマーク28は、媒体長手方向に一定の間隔を空けて配置されており(すなわち、等ピッチで配置されており)、隣り合う2つのブラックマーク28の間の間隔は、ブラックマークピッチ20である。ブラックマークピッチ20は、プリンタ部100により直接、又は、プリンタドライバにより設定される。
【0040】
ギャップ量21は、印刷領域22の後端から次の印刷領域の前端までの距離に相当する量である。ギャップ量21は、ブラックマークピッチ20と同様に、プリンタ部100によって直接設定されるか、又はプリンタドライバによって設定される。ギャップ量21は、例えば、3mmである。印刷領域22は、プリンタ部100によって画像が形成される領域であり、搬送方向F1において以下の式の関係となる。
(印刷領域22の長さ)=(ブラックマークピッチ20)一(ギャップ量21)
損紙27は、ジャムにより損紙となるRFID連続媒体11である。
【0041】
図5に示されるように、通常時におけるブラックマーク28から切断位置までの距離23は、印刷領域22と印刷領域22の中間付近であるため、例えば、「ギャップ量21×0.5」とする。本実施の形態では1.5mmとし、この位置が通常の切断位置24となる。
【0042】
図6に示されるように、ジャム解除時におけるブラックマーク28から切断位置26までの距離25は、損紙27の印刷領域22の後端近傍とするため、例えば、「ギャップ量21×0.9」とする。本実施の形態では2.7mmとし、この位置が切断位置26となる。なお、後端近傍を「ギャップ量21×0.9」としたが、0.5より大きく、1.0より小さければこの限りではない。
【0043】
次に、ジャム解除時におけるロール紙フィーダ200の動作について説明する。本説明は、プリンタ部100がジャム検出したことを例に説明するが、ロール紙フィーダ200がジャム検出する場合もあり、その場合、通知方向が逆(UART287による通知がロール紙フィーダ200からプリンタ部100へ)となること以外に変わりは無い。
【0044】
(1) 印刷中にプリンタ部100がジャムを検出すると、UART287と通じロール紙フィーダ200へジャム通知を行う。
【0045】
(2) マイクロプロセッサ280では、判定部282がプリンタ部100からの通知により、ジャム判定をすると、I/Oポート286からパルスモータ制御回路289を通じて、パルスモータ211とパルスモータ221とパルスモータ231とホルダ用パルスモータ202を停止させることにより、搬送ローラ210と搬送ローラ220と搬送ローラ230とロール紙ホルダ201が停止する。プリンタ部100の動作も同時に停止しているので、この停止動作により印刷装置全体がジャムによって緊急停止状態となったこととなる。このときのロール紙フィーダ200は図1(c)の状態となっている。
【0046】
(3) パルスモータ211とパルスモータ221とホルダ用パルスモータ202を搬送方向F1と逆に動作させることにより、搬送ローラ210と搬送ローラ220とロール紙ホルダ201が逆回転し、たるみ形成用エリア276の「たるみ」が巻き戻されることとなり、たるみバー273が下端位置から徐々に上端位置に近づく。
【0047】
(4) 検出部284がセンサ243により、たるみバー273(たるみ無し)を検出すると、パルスモータ211とパルスモータ221とホルダ用パルスモータ202を停止させることにより、搬送ローラ210と搬送ローラ220とロール紙ホルダ201の逆回転を停止させる。このときのロール紙フィーダ200は、図1(b)の状態となっている。
【0048】
(5) パルスモータ211とパルスモータ221を、連続媒体11を搬送方向F1に進めるように動作させることにより、搬送ローラ210と搬送ローラ220が回転する。ホルダ用パルスモータ202を搬送方向と逆方向(搬送方向への媒体搬送時はバックテンションをかけるため)に動作させることにより、ロール紙ホルダ201は逆回転動作を行うが、搬送ローラ210及び搬送ローラ220の搬送力がより強いこと、並びに、図示しないトルクリミッタが備えられていることから、見た目は停止している状態となる。このとき、パルスモータ231は停止しているため、搬送ローラ230は停止している。
以上から、搬送ローラ210と搬送ローラ220によって搬送されたRFID連続媒体11は、図1(c)に示されるように、たるみ形成用エリア276に「たるみ」として蓄積される。
【0049】
(6) 検出部284がセンサ242により、ブラックマーク28を検出すると、この位置から切断位置(ジャム解除)26の位置まで連続媒体11を搬送した後に、パルスモータ211とパルスモータ221とホルダ用パルスモータ202を停止することにより、搬送ローラ210と搬送ローラ220とロール紙ホルダ201の回転を停止させる。
このときの搬送量をL10とし、
記憶部283に記憶されているセンサ242からカッター部250の切断位置までの距離を、L11とし、
ブラックマーク28から切断位置までの距離(ジャム解除)25を、L12とすると、
搬送量L10は、以下の式で表される。
L10=L11−L12
【0050】
以上の(1)から(6)は、実施の形態1においては、印刷装置の「ジャム解除におけるロール紙フィーダ200の動作」の説明であり、この後、オペレータが、復旧作業を行う。復旧には、プリンタ部100の操作パネルにある媒体切断実行スイッチにより、RFID連続媒体11を手動切断し、プリンタ部100内部のジャムとなった連続媒体を除去し、RFID連続媒体11の再セットを行う。なお、切断位置(ジャム解除時)26から搬送方向F1に対して下流側のRFID連続媒体11が、ジャム解除後の先端となる部分であり、搬送方向F1の上流が損紙27となる。
【0051】
図7は、実施の形態1に係るロール紙フィーダ200がプリンタ部100から情報を受信する処理を示すフローチャートである。図7の処理は、メイン処理ルーチンにしたがって定期的に実行される。ロール紙フィーダ200は、プリンタ部100からの多数の通知を受信し、その内容に沿った処理を実行するが、実施の形態1では、使用する用紙ジャム通知に対する説明を行う。
【0052】
受信判定(ステップS101)は、判定部282により、プリンタ部100からの命令有無を判定する処理である。用紙ジャム通知判定(ステップS102)は、判定部282により、プリンタ部100から受信した通知が用紙ジャムの通知であるか否かを判定する処理である。用紙ジャム設定処理(ステップS103)は、プリンタ部100から用紙ジャム通知を受信した場合の処理であり、図8に詳細に示される。
【0053】
図8は、実施の形態1に係るロール紙フィーダ200の用紙ジャム設定処理のフローチャートである。この処理は、ロール紙フィーダ200の状態を「オペレータによるジャム解除待ち」とする処理である。
【0054】
パルスモータ211のOFF処理(ステップS201,S211,S222)は、I/Oポート286を通じ、パルスモータ制御回路289に対し、パルスモータ211の停止をセットする処理である。
【0055】
パルスモータ221のOFF処理(ステップS202,S212,S223)は、I/Oポート286を通じて、パルスモータ制御回路289に対し、パルスモータ221の停止をセットする処理である。
【0056】
パルスモータ231のOFF処理(ステップS203)は、I/Oポート286を通じ、パルスモータ制御回路289に対し、パルスモータ231の停止をセットする処理である。
【0057】
ホルダ用パルスモータ202のOFF処理(ステップS204,S213,S224)は、I/Oポート286を通じて、パルスモータ制御回路289に対し、ホルダ用パルスモータ202の停止をセットする処理である。
【0058】
パルスモータ211の回転方向設定処理(CCW方向)(ステップS205)は、I/Oポート286を通じて、パルスモータ制御回路289に対し、パルスモータ211の回転方向をCCW方向にセットする処理である。
【0059】
パルスモータ231の回転方向設定処理(CCW方向)(ステップS206)は、I/Oポート286を通じて、パルスモータ制御回路289に対し、パルスモータ231の回転方向をCCW方向にセットする処理である。
【0060】
パルスモータ211のON処理(ステップS207,S216)は、I/Oポート286を通じて、パルスモータ制御回路289に対し、パルスモータ211の動作をセットする処理である。
【0061】
パルスモータ221のON処理(ステップS208,S217)は、I/Oポート286を通じて、パルスモータ制御回路289に対し、パルスモータ221の動作をセットする処理である。
【0062】
ホルダ用パルスモータ202のON処理(ステップS209,S218)は、I/Oポート286を通じて、パルスモータ制御回路289に対し、ホルダ用パルスモータ202の動作をセットする処理である。
【0063】
センサ243の状態判定(ステップS210)は、判定部282により、検出部284により検出されたセンサ243のON/OFF状態を判定する処理である。
【0064】
パルスモータ211の回転方向設定処理(CW方向)(ステップS214)は、I/Oポート286を通じて、パルスモータ制御回路289に対し、パルスモータ211の回転方向をCW方向にセットする処理である。
【0065】
パルスモータ231の回転方向設定処理(CCW方向)(ステップS215)は、I/Oポート286を通じて、パルスモータ制御回路289に対し、パルスモータ231の回転方向をCW方向にセットする処理である。
【0066】
センサ242の状態判定(ステップS219)は、判定部282により、検出部284により検出されたセンサ242のON/OFF状態を判定する処理である。
【0067】
切断位置(ジャム解除)26までの搬送量セット処理(ステップS220)は、記憶部283に記憶されているブラックマークから切断位置までの距離(ジャム解除)25の距離をパルスモータ211とパルスモータ221のパルス数に変換した搬送量をRAM285に記憶保持する処理である。
【0068】
搬送終了判定(ステップS221)は、判定部282により、RAM285に記憶保持された切断位置(ジャム解除)26までの搬送量の搬送が終了したか否かを判定する処理である。
【0069】
《1−3》効果
以上に説明したように、実施の形態1では、印刷中のジャム発生時に、ロール紙フィーダ200による媒体搬送動作を即時停止させた後に、たるみ形成用エリア276に形成された連続媒体のたるみを全て巻き戻し、連続媒体のたるみの巻き戻し完了位置からブラックマーク28が検出されるまで連続媒体を搬送し、ブラックマーク28を検出した後に連続媒体を切断位置(ジャム解除)26まで搬送することにより、以下の効果を得ることができる。
【0070】
(1) ジャム復旧時のRFID連続媒体11の切断において、アンテナ部15及びIC部16が存在しない連続媒体の区切り領域(すなわち、ラベル部12と次のラベル部12との間の領域)まで連続媒体を移動させるため、カッター部250へのダメージを防ぎ、負荷を最小限とすることができる。
【0071】
(2) また、ジャム復旧時のRFID連続媒体11の切断において、連続媒体の切断位置を、図5に示される切断位置(通常時)24から、図6に示される切断位置(ジャム解除時)26に変更することにより、切断後に行うジャム復旧時のRFID連続媒体11の再セット時に、先端からブラックマーク28までの余長が多いため、1枚目から精度が高い基準位置合わせが可能となる。
【0072】
(3) また、機構制御上必要な「たるみ」があっても、ジャム発生時に巻き戻すことにより、高価なRFID連続媒体の損紙27となる部分を大幅に減らすことが可能となる。
【0073】
《2》実施の形態2.
《2−1》構成
実施の形態2では、不良なRFIDが検出された場合に、不良なRFIDを除いて印刷動作を実行可能にしている。実施の形態2において、実施の形態1における構成要素と同じ又は対応する構成要素には、同じ符号が付される。
【0074】
図9は、本発明の実施の形態2に係る画像形成装置のプリンタ部100の概略的な構成を示す機能ブロック図である。図9に示されるように、プリンタ部100は、主制御部101と、操作表示部102と、印刷データ受信部103と、印刷データ解析部104と、用紙搬送制御部105と、ロール紙フィーダ制御部106と、印刷制御部107を備える。
【0075】
実施の形態2におけるプリンタ部100は電子写真方式の印刷装置であり、各色トナーを中間転写ベルト上に転写(一時転写)し、中間転写ベルト上で各色のトナー像を重ね合わせた後に用紙上へ転写(二次転写)する中間転写方式を用いているものとして説明する。
【0076】
図9に示されるように、操作表示部102と、印刷データ受信部103と、用紙搬送制御部105と、ロール紙フィーダ制御部106と、印刷制御部107とは、主制御部101により制御されている。
【0077】
操作表示部102は、複数のボタンスイッチと、LED(Light Emitting Diode)、LCD(Liquid Crystal Display)などを備え、プリンタ部100の状態に応じてLEDを点灯したり、メッセージをLCDに表示したり、ボタンスイッチを押下することで、LCDに表示された項目を選択したり実行したりする機能を有する。
【0078】
印刷データ受信部103は、上位の情報処理装置から印刷データを受信するためのI/F(Interface)部である。印刷データ解析部104は、印刷データ受信部103で受信した印刷データに含まれる印刷コマンドや制御コマンドを解析するための処理部である。
【0079】
用紙搬送制御部105は、印刷媒体を様々な条件で搬送するための機能を有する。ロール紙フィーダ制御部106は、後述するロール紙フィーダ200aを制御するための機能を有する。印刷制御部107は、前述した印刷データ解析部104で解析された印刷データに含まれる印刷コマンドの結果を印刷するための処理部である。
【0080】
図10は、実施の形態2に係るロール紙フィーダ200aの概略的な構成を示す機能ブロック図である。図10に示されるように、ロール紙フィーダ200aは、主制御部290と、制御コマンド受信部291と、制御コマンド解析部292と、パルスモータ制御回路289と、パルスモータ211,221,231と、カッター制御回路252と、カッター部250と、RFIDリーダ/ライタ制御部261と、RFIDリーダ/ライタアンテナ260を備える。
【0081】
図10に示されるように、制御コマンド受信部291と、パルスモータ制御回路289と、カッター制御回路252と、RFIDリーダ/ライタ制御部261とは、主制御部290により制御される。
【0082】
制御コマンド受信部291は、プリンタ部100のロール紙フィーダ制御部106からの制御コマンドを受信するためのI/F部である。制御コマンド解析部292は、前述した制御コマンド受信部291で受信した制御コマンドを解析するための処理部である。
【0083】
パルスモータ制御回路289は、後述するパルスモータを制御するための処理部である。パルスモータ211,221,231は、用紙搬送ローラなどを駆動するためのモータである。カッター制御回路252は、後述するカッター部を制御するための処理部である。カッター部250は、ロール紙10を任意の位置で切断するためのカッター部である。
【0084】
RFIDリーダ/ライタ制御部261は、後述するRFIDリーダ/ライタアンテナ260を介して印刷媒体に含まれるRFIDタグと通信を行う機能を有する。RFIDリーダ/ライタアンテナ260は、印刷媒体に含まれるRFIDタグに対してHF帯(短波帯)やUHF帯(極超短波帯)などの周波数帯の電波を放射するためのアンテナである。印刷媒体に含まれるRFIDタグは、この電波を受けて電磁誘導又は直接電波から動作電力を得て動作し、RFIDリーダ/ライタアンテナ260を介して通信を行う。
【0085】
図11は、実施の形態2に係るプリンタ部100及びロール紙フィーダ200aの概略的な構成を示す図である。
【0086】
実施の形態2に係るロール紙フィーダ200aは、連続媒体11を給紙し、プリンタ部100に連続媒体11を供給するためのフイーダユニットである。図11に示されるように、ロール紙フィーダ200aは、連続媒体11を搬送するための搬送ローラ210,220,230を備える。
【0087】
搬送ローラ210,220,230は、パルスモータ211,221,231にて駆動される。なお、実際は搬送ローラ毎にパルスモータが必要であるが、図では、複数のパルスモータの総称としてパルスモータ211,221,231と表記する。
【0088】
図11に示されるように、ロール紙フィーダ200aは、たるみバー273を備える。たるみバー273は、プリンタ部100とロール紙フィーダ200aとの間にたるみを作るためのたるみレバーであり、同様に前述したパルスモータ211,221,231にて駆動される。
【0089】
また、プリンタ部100は、電子写真方式によってラベル部上に画像を形成する装置である。プリンタ部100は、例えば、電子写真方式によってトナー像を形成する画像形成部110と、このトナー像を転写部120の中間転写ベルト121上に転写させる一次転写ローラ122と、中間転写ベルト121上に転写されたトナー像を用紙(例えば、ラベル)上に転写させる二次転写ローラ140とを有する。用紙は、搬送ローラ130などによって搬送され、トナー像を転写された後に、定着部150を通過し、トナー像が用紙に定着した後に、排出ローラ160によって排出される。
【0090】
図12(a)から(c)は、実施の形態2に係るロール紙フィーダ200aの用紙セット動作(基本)の概略的な構成を示す図である。図12(a)は、ロール紙フィーダ200aに対してロール紙10をセットしたときの初期動作段階を表しており、図12(b)は、ロール紙フィーダ200aに対してロール紙10をセットしたときの途中動作段階を表しており、図12(c)は、ロール紙フィーダ200aに対してロール紙10をセットしたときの最終動作段階を表している。
【0091】
図12(a)に示されるように、ロール紙フィーダ200aは、ロール紙10のラベル部の先端を検出するための光学センサであるセンサ242を備える。図12(b)に示されるように、ロール紙フィーダ200aは、ロール紙10のラベル部の先端を検出するための光学センサであるセンサ245を備える。図12(c)に示されるように、ロール紙フィーダ200aは、たるみバー273の上端位置及び下端位置を検出するためのセンサ243,244を備える。
【0092】
《2−2》動作
先ず、実施の形態2に係るプリンタ部100の動作を説明する。図13は、実施の形態2に係るロール紙フィーダ200aの第1の用紙セット動作を示すフローチャートである。第1の用紙セット動作は、ロール紙10がRFIDを内蔵しない通常の連続媒体(用紙)であるときの基本動作である。
【0093】
図13に示されるように、ステップS301において、図示されないペーパーエンドセンサを用いてロール紙フィーダ200aに用紙がセットされたか否かの判定を行う。用紙セットを検出すると(ステップS301においてYES)、処理は次のステップS302に進み、搬送ローラ210の駆動を開始し、ロール紙10の搬送を開始する。
【0094】
続いて、処理は次のステップS303に進み、センサ242でラベル部の先端を検出できたか否かを判断する。ラベル部の先端を検出できなかった場合はロール紙10の搬送が所定の位置まで完了していないため、処理はステップS302に戻り、上記処理を繰り返す。
【0095】
センサ242によりラベル部の先端を検出できた場合(ステップS301においてYES)は、ロール紙10の搬送が所定の位置まで完了したとわかるため、処理は次のステップS304に進み、枚数カウンタを初期化する。枚数カウンタとは、ロール紙フィーダ200aのセンサ242とセンサ245との間にラベル部が何枚含まれているかを数えるためのカウンタであり、後述する用紙巻き戻し動作の処理フローで使用される。センサ242でラベル部の先端を検出したとき、ロール紙フィーダ200aは、図12(a)に示される状態となっている。
【0096】
続いて、処理はステップS305に進み、搬送ローラ220、230の駆動を開始し、ロール紙10の搬送を継続する。次に、ステップS306においてセンサ242でラベル部の先端を検出できたか否かを判断する。ラベル部の先端を検出できた場合(ステップS306においてYES)は、次のステップS307にて枚数カウンタを1インクリメント(+1を加算)する。
【0097】
ラベル部の先端を検出できなかった場合(ステップS306においてNO)は、次のステップS308において、センサ245でラベル部の先端を検出できたか否かを判断する。センサ245でラベル部の先端を検出できなかった場合(ステップS308においてNO)は、ロール紙10の搬送が所定の位置まで完了していないため、処理はステップS305に戻り、上記処理を繰り返す。
【0098】
センサ245でラベル部の先端を検出できた場合(ステップS308においてYES)は、ロール紙10の搬送が所定の位置まで完了したとわかるため、次のステップS309において搬送ローラ230を停止する。センサ245でラベル部の先端を検出したとき、ロール紙フィーダ200aは、図12(b)に示される状態となっている。続いて、次のステップS310においてたるみバー273の駆動を開始する。
【0099】
続いて、処理はステップS311に進み、センサ242でラベル部の先端を検出できたか否かを判断する。センサ242でラベル部の先端を検出できた場合は、次のステップS312において枚数カウンタを1インクリメント(+1を加算)する。
【0100】
センサ242でラベル部の先端を検出できなかった場合(ステップS311においてNO)は、処理はステップS313に進み、センサ243でたるみバー273の下端位置を検出できたか否かを判断する。下端位置を検出できなかった場合(ステップS313においてNO)は、ロール紙10の搬送が所定の位置まで完了していないため、処理はステップS310に戻り、以降の処理を繰り返す。
【0101】
センサ244でたるみバー273の下端位置を検出できた場合(ステップS313においてYES)は、ロール紙10の搬送が所定の位置まで完了したとわかるため、処理は次のステップS314に進み、搬送ローラ210、220及びたるみバー273を停止し、処理フローを終了する。センサ244でたるみバー273の下端位置を検出したとき、ロール紙フィーダ200aは、図12(c)に示される状態となっている。
【0102】
図14(a)から(d)は、実施の形態2に係るロール紙フィーダ200aの第2の用紙セット動作(RFID)の概略的な構成を示す図である。図14(a)は、ロール紙フィーダ200aに対してロール紙10をセットしたときの初期動作段階を表しており、図14(b)は、搬送距離L1分の用紙搬送中にセンサ242で次のラベル部の先端を検出した状態を表しており、図14(c)は、搬送距離L1分の用紙搬送が完了し、先頭のラベル部のRFIDタグが読み書き可能になった状態を表しており、図14(d)は、ラベル部の長さが長い場合に、先頭のラベル部のRFIDタグが読み書き可能になった状態を表している。
【0103】
図14(a)には、センサ242の位置を基準に、ロール紙10の先頭のラベル部のRFIDタグの位置がRFIDリーダ/ライタアンテナ260の位置に一致するまでに必要な搬送距離L1が示されている。本状態は搬送距離L1よりもラベル部の長さが短い場合に発生し、L2はこのときまでに搬送できた距離である。
【0104】
図14(b)には、次のラベル部のRFIDタグを読み書き可能にするために必要な搬送距離L2が示されている。図14(d)には、センサ242の位置を基準に、ロール紙10の先頭のラベル部のRFIDタグの位置がRFIDリーダ/ライタアンテナ260の位置に一致するまでに必要な搬送距離L3が示されている。図14(d)に示されるように、ラベル部の長さが長い場合は、搬送距離L3分の用紙搬送を行っても、センサ242で次のラベル部の先端は検出されない。
【0105】
図15は、実施の形態2に係るロール紙フィーダ200aの第2の用紙セット動作(RFID)を示すフローチャートである。本フローチャートは前述した図13の第1の用紙セット動作(基本)を前提に、特にロール紙10をセットしたときの特徴的な振る舞いについて述べたものである。
【0106】
図15に示されるように、ステップS401において、ロール紙フィーダ200aに用紙がセットされたか否かを、図示されないペーパーエンドセンサにて検出し、用紙セットを検出すると(ステップS401においてYES)、次のステップS402において搬送ローラ210の駆動を開始し、ロール紙10の搬送を開始する。
【0107】
続いて、処理は次のステップS403に進み、センサ242でロール紙10の先頭のラベル部を検出できたか否かを判断する。ラベル部の先端を検出できなかった場合(ステップS403においてNO)はロール紙10の搬送が所定の位置まで完了していないため、処理はステップS402に戻り、以降の処理を繰り返す。
【0108】
センサ242でロール紙10の先頭のラベル部を検出できた場合(ステップS403においてYES)は、ロール紙10の搬送が所定の位置まで完了したとわかるため、処理は次のステップS404に進み、搬送カウンタを距離L1で初期化する。なお、本搬送カウンタは、搬送ローラ210及び220によりロール紙10が搬送された分だけ自動的に減算されるカウンタである。
【0109】
続いて、次のステップS405において搬送ローラ210及び220の駆動を開始し、次のステップS406においてセンサ242でロール紙10の次のラベル部を検出できたか否かを判断する。センサ242で次のラベル部の先端を検出できた場合(ステップS406においてYES)は、ラベル部の長さが距離L1よりも短いケースのため、次のラベル部の搬送に備えて、処理は次のステップS407に進み、現在の搬送距離を一時保存域に保存する。
【0110】
センサ242で次のラベル部の先端を検出できなかった場合(ステップS406においてNO)は、処理は次のステップS408に進み、搬送カウンタをチェックし、所定の搬送距離分の搬送が完了したか否かを判断し、完了していなければステップS405の処理に戻る。
【0111】
所定の搬送距離分の搬送が完了していた場合(ステップS408においてYES)は、処理は次のステップS409に進み、搬送ローラ210及び220を停止し、次のステップS410においてRFIDタグチェックを実施する。本チェック結果は一時保存域に保存される。
【0112】
続いて、ステップS411において、ステップS407で搬送距離を保存したか否かを判断する。搬送距離を保存していた場合(ステップS411においてYES)は、処理は次のステップS412に進み、搬送カウンタを保存されていた保存値で初期化し、ステップS413において保存値をクリアした後、ステップS405に戻る。
【0113】
ステップS411において、搬送距離が保存されていないと判断された場合(ステップS415においてNO)は、処理は次のステップS414に進み、搬送ローラ210及び220の駆動を開始し、ステップS414においてセンサ242でロール紙10の次のラベル部を検出できたか否かを判断する。
【0114】
センサ242でラベル部の先端を検出できなかった場合(ステップS415においてNO)は、ロール紙10の搬送が所定の位置まで完了していないため、ステップS414以降の処理を繰り返す。
【0115】
ステップS415において、次のラベル部の先端を検出できた場合は、ステップS404の処理に戻る。なお、本処理フローはロール紙10を扱う上で特徴的な部分のみを説明しているもので、本処理フローに明記されない部分は、図13で説明した処理フローと同様である。
【0116】
図16は、実施の形態2に係るロール紙フィーダ200aの第2の用紙セット動作(RFID)の処理フローで実施された、RFIDタグチェックの結果を示したものである。図16には、前述したロール紙フィーダ200aのセンサ242からセンサ245の間にラベル部が何枚含まれているかを数えるための枚数カウンタが7であった場合の例を示されており、センサ245側から1〜3枚目はチェック結果がOK、4枚目がNG、5〜7枚目がOKだったことがわかる。
【0117】
図16に示されるように、RFIDタグチェックの結果は1次元配列として保存されており、その配列数は枚数カウンタnで決まるものとする。
【0118】
なお、印刷などによってロール紙10が搬送され、ラベル部がセンサ245を超えると、RFIDタグチェック結果である1次元配列は、1枚目の結果に2枚目の結果を上書きし、n−1枚目の結果にn枚目の結果を上書きするように更新され、枚数カウンタnが1デクリメント(すなわち、−1が加算)される。
【0119】
また、同様に印刷などによってロール紙10が搬送され、ラベル部がセンサ242を超えてRFIDタグチェックが実施されると、その結果が1次元配列の末尾に書き込まれ、枚数カウンタnが1インクリメント(すなわち、+1が加算)される。
【0120】
図17(a)から(d)は、実施の形態2に係るロール紙フィーダ200aの巻き戻し動作の概略的な構成を示す図である。図17(a)は、ロール紙フィーダ200aにロール紙10が正常にセットされた状態を示している。図17(a)において、不良RFIDタグを含むラベル部12aが示されている。
【0121】
図17(b)には、連続媒体11を巻き戻し、ロール紙フィーダ200aのたるみ部にあるラベル部のたるみを完全に除去した状態が示されている。図17(b)において、ラベル部とラベル部の間隔は、距離L4で示されており、センサ245からセンサ242までの最短距離は、距離L5が示されている。この例では、距離L5内にはラベル部が3枚以上含まれていることになる。
【0122】
図17(c)には、カッター部250位置に不良RFIDラベル部12aのラベル部後端が一致するまでたるみ部にあるラベル部のたるみを除去した状態が示されている。図17(d)には、カッター部250にて不良RFIDラベル部12aのラベル部後端を切断し、カッター部から下流側だけを搬送してカット排出させた状態が示されている。
【0123】
図18は、実施の形態2に係るロール紙フィーダ200aによるRFID連続媒体11の巻き戻し動作を示すフローチャートである。図18に示されるように、ステップS501において、搬送ローラの駆動を停止して、ロール紙10の搬送を停止する。
【0124】
次のステップS502において、RFIDタグの機能チェックを行い、その結果、主制御部290は、RFID連続媒体11内に不良RFIDタグを含むラベル部(不良ラベル部)があるか否かをチェックする。
【0125】
不良ラベル部があった場合(ステップS502においてYES)は、処理は次のステップS503に進み、その不良ラベル部の後端部をカッター部250の位置まで巻き戻せるか否かをチェックする。ここで、巻き戻しが可能か否かは、不良ラベル部の位置が、図17(a)から(d)に示されるセンサ242からセンサ245までの最短距離を表す距離L5を、ラベル部とラベル部の間隔距離を表す距離L4で割った答えよりも大きいか否かで判断する。
【0126】
不良ラベル部が巻き戻せる場合(ステップS503においてYES)は、処理は次のステップS504に進み、後端まで巻き戻しを開始し、さらにステップS505において、センサ242で不良ラベル部の後端部を検出したか否かを判断する。
【0127】
不良ラベル部の後端が未検出であれば(ステップS505においてNO)、処理はステップS504に戻り、不良ラベル部の後端が検出済であれば(ステップS505においてYES)、処理は次のステップS509に進み、搬送ローラの駆動を停止し、ステップS510においてカッター部250を駆動してロール紙10をカット排出し、処理は完了する。
【0128】
ステップS502において、不良RFIDタグを含むラベル部が無かった場合、又は、ステップS501において、不良ラベル部の後端部をカッター部位置まで巻き戻せないと判断した場合は、損紙を最小にするため、処理はステップS506に進み、ロール紙10を戻せるだけ戻し、次のステップS507において再搬送を開始し、次のステップS508においてセンサ242でラベル部の後端部を検出したかどうかを判断する。
【0129】
ラベル部の後端部が未検出であれば(ステップS508においてNO)、処理はステップS507に戻り、ラベル部の後端部が検出済であれば(ステップS508においてYES)、処理はステップS509に進み、搬送ローラの駆動を停止し、次のステップS510においてカッター部250を駆動してロール紙10をカット排出して処理は完了する。
【0130】
《2−3》効果
以上のように、実施の形態2に係るプリンタ部100によれば、ロール紙フィーダ200aの巻き戻し動作時に、既にチェックしたRFIDタグの検出結果を踏まえた巻き戻し動作を行う。これにより、印刷中に用紙ジャムなどが発生したときに、不良RFIDタグを含むラベル部を廃棄可能となり、ジャム解除後の再印刷時に既知のブランクラベルが発生しないという効果が得られる。
【0131】
《2−4》変形例
実施の形態2では、いったん印刷動作を開始すると一時停止することが困難な電子写真方式の印刷装置を例に、印刷中に、RFIDタグの読み書きを搬送停止状態で実施することができる。このため、ロール紙フィーダ200aは、連続媒体11にたるみを持たせ、搬送速度差を吸収する構成を有している。ただし、たるみ形成手段は、図示の例に限定されず、ロール紙フィーダ200a内に存在する連続媒体11の長さを大きくすることができる手段であれば、カールを除去するためのデカール機構又はスキューを除去するための機構と同様の機構を適用してもよい。
【0132】
また、実施の形態2では、プリンタ部100及びロール紙フィーダ200aが装置状況を把握して各種判断と動作を行う構成となっているが、装置が持つ各種センサの状態を上位装置に通知し、上位装置のプログラムによって各種判断を実施し、その結果をプリンタ部100又はロール紙フィーダ200aに通知して動作を行わせるような構成であってもよい。
【0133】
なお、本発明は、未使用のRFID連続媒体をつづら折り状に収容部(ホルダ)に収容(保持)しており、そこから連続媒体を外部装置に供給する媒体供給装置にも適用可能である。
【符号の説明】
【0134】
10 ロール紙(ロール状媒体)、 11 連続媒体(RFID連続媒体)、 12 ラベル部(シート)、 14 パッケージ、 15 アンテナ部、 16 IC部、 100 プリンタ部(画像形成部)、 200,200a ロール紙フィーダ(媒体供給装置)、 201 ホルダ、 210,220,230 搬送ローラ(媒体搬送部)、 211,221,231 パルスモータ、 241,242 センサ、 250 カッター部、 260 RFIDリーダ/ライタアンテナ、 271,272 ガイドローラ、 273 たるみバー、 274 たるみバーガイド、 276 たるみ形成用エリア、 280 マイクロプロセッサ(制御部)。
図1
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