特許第6872428号(P6872428)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6872428
(24)【登録日】2021年4月21日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
   F24C 3/12 20060101AFI20210510BHJP
   F23N 5/24 20060101ALI20210510BHJP
【FI】
   F24C3/12 U
   F24C3/12 X
   F23N5/24 Z
【請求項の数】8
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-112006(P2017-112006)
(22)【出願日】2017年6月6日
(65)【公開番号】特開2018-204888(P2018-204888A)
(43)【公開日】2018年12月27日
【審査請求日】2020年5月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】澁谷 光司
【審査官】 土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−188714(JP,A)
【文献】 特開2013−181690(JP,A)
【文献】 特開平02−178522(JP,A)
【文献】 特開2016−020749(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0261007(US,A1)
【文献】 特開2001−263671(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 3/12
F23N 5/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱調理器であって、
燃料を燃焼させた熱を利用して加熱対象物を加熱する加熱部と、
前記加熱部の周囲の状態を検出する状態検出部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記状態検出部によって検出される状態に基づいて、前記加熱部の動作中に、前記加熱部の周囲の検知範囲内に前記加熱対象物とは異なる物体が侵入したと判断される場合に、動作中の前記加熱部の火力を絞り、
動作中の前記加熱部の火力に応じて、前記検知範囲の大きさを変化させる、
加熱調理器。
【請求項2】
前記加熱部の火力を絞ることは、前記加熱部の火力を減少させることと、前記加熱部を消火させることと、を含み、
前記制御部は、前記検知範囲内に前記物体が侵入したと判断される時点における前記加熱部の火力に応じて、前記加熱部の火力を減少させるか、前記加熱部を消火させるか、を切り替える、請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記加熱部の火力を絞ることは、前記加熱部の火力を減少させることを含み、
前記制御部は、前記検知範囲内に前記物体が侵入したと判断される時点における前記加熱部の火力が特定の火力よりも大きい状況において、前記加熱部の火力を減少させるとともに、減少後の火力に応じて前記検知範囲の大きさを変化させる、請求項1又は2に記載の加熱調理器。
【請求項4】
ユーザが指示を入力するための入力部をさらに備え、
前記制御部は、前記入力部に入力された指示に従って、前記加熱部の火力に対応する前記検知範囲の大きさのレベルを変化させる、請求項1から3のいずれか一項に記載の加熱調理器。
【請求項5】
加熱調理器であって、
燃料を燃焼させた熱を利用して加熱対象物を加熱する加熱部と、
前記加熱部の周囲の状態を検出する状態検出部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記状態検出部によって検出される状態に基づいて、前記加熱部の動作中に、前記加熱部の周囲の検知範囲内に前記加熱対象物とは異なる物体が侵入したと判断される場合に、動作中の前記加熱部の火力を絞り、
前記状態検出部によって検出される状態に基づいて、動作中の前記加熱部の炎が、前記加熱部上で加熱される前記加熱対象物の周囲からはみ出している炎溢れ状態が発生しているか否かを判断し、前記炎溢れ状態が発生していると判断される第1の場合と、前記炎溢れ状態が発生していないと判断される第2の場合と、の間で、前記検知範囲の大きさを変化させる、
加熱調理器。
【請求項6】
前記加熱部の火力を絞ることは、前記加熱部の火力を減少させることと、前記加熱部を消火させることと、を含み、
前記制御部は、前記検知範囲内に前記物体が侵入したと判断される時点における前記加熱部の火力に応じて、前記加熱部の火力を減少させるか、前記加熱部を消火させるか、を切り替える、請求項5に記載の加熱調理器。
【請求項7】
前記加熱部の火力を絞ることは、前記加熱部の火力を減少させることを含み、
前記制御部は、
前記検知範囲内に前記物体が侵入したと判断される時点における前記加熱部の火力が特定の火力よりも大きい状況において、前記加熱部の火力を減少させるとともに、
火力減少後の前記加熱部において前記炎溢れ状態が発生しているか否かをさらに判断し、前記第1の場合と、前記第2の場合との間で、前記検知範囲の大きさを変化させる、請求項5又は6に記載の加熱調理器。
【請求項8】
ユーザが指示を入力するための入力部をさらに備え、
前記制御部は、前記入力部に入力された指示に従って、前記第1の場合における前記検知範囲の大きさと、前記第2の場合における前記検知範囲の大きさと、のレベルを変化させる、請求項5から7のいずれか一項に記載の加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、燃料を燃焼させた熱を利用して加熱対象物を加熱する加熱部と、加熱部の周囲の状態を検出する状態検出部と、制御部と、を備える加熱調理器が開示されている。制御部は、状態検出部によって検出される状態に基づいて、加熱部の動作中に、加熱部の周囲の所定の検知範囲内に、加熱対象物とは異なる物体(例えば人体や着衣など)が侵入したと判断される場合に、加熱部の火力を絞る制御を行う。このような制御を行うことにより、検知範囲内に侵入した物体に加熱部の炎が引火する事態が発生することの抑制を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−230148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
加熱部に近づいた物体に炎が引火するおそれのある範囲の大きさは、加熱部の火力、炎溢れ状態(即ち、加熱部上で加熱される加熱対象物の周囲から炎がはみ出している状態)が発生しているか否か等、加熱部の状況に応じて異なる。しかしながら、特許文献1の加熱調理器では、検知範囲は予め定められている。そのため、特許文献1の加熱調理器では、検知範囲の大きさと加熱部の状況とが適合せず、ユーザが調理を適切に行えない事態や、物体への引火を適切に抑制できない事態が生じるおそれがある。
【0005】
本明細書では、検知範囲の大きさと加熱部の状況とを適合させて、ユーザに調理を適切に行わせ得るとともに、物体への引火を適切に抑制し得る技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書が開示する一つの加熱調理器は、燃料を燃焼させた熱を利用して加熱対象物を加熱する加熱部と、前記加熱部の周囲の状態を検出する状態検出部と、制御部と、を備える。前記制御部は、前記状態検出部によって検出される状態に基づいて、前記加熱部の動作中に、前記加熱部の周囲の検知範囲内に前記加熱対象物とは異なる物体が侵入したと判断される場合に、動作中の前記加熱部の火力を絞り、動作中の前記加熱部の火力に応じて、前記検知範囲の大きさを変化させる。
【0007】
この構成によると、加熱調理器は、動作中の加熱部の火力に応じて、検知範囲の大きさを変化させる。そのため、例えば、加熱部の火力が比較的大きい場合に検知範囲を大きくすることで、火力が大きい状況においても物体(例えば人体や着衣など)への引火を適切に抑制し得る。また、例えば、加熱部の火力が比較的小さい場合に検知範囲を小さくすることで、小さい火力で比較的小さい加熱対象物を加熱する場合のように、物体(人体等)が加熱部の比較的近傍まで接近し得る状況においても過度に火力が絞られないことでユーザに適切に調理を行わせることができる。従って、上記の加熱調理器によると、検知範囲の大きさと加熱部の状況とを適合させて、ユーザに調理を適切に行わせ得るとともに、物体への引火を適切に抑制し得る。
【0008】
前記加熱部の火力を絞ることは、前記加熱部の火力を減少させることと、前記加熱部を消火させることと、を含んでもよい。前記制御部は、前記検知範囲内に前記物体が侵入したと判断される時点における前記加熱部の火力に応じて、前記加熱部の火力を減少させるか、前記加熱部を消火させるか、を切り替えてもよい。
【0009】
この構成によると、検知範囲内に物体が侵入した時点における加熱部の火力に応じて、加熱部を適切に動作させることができる。
【0010】
前記加熱部の火力を絞ることは、前記加熱部の火力を減少させることを含んでもよい。前記制御部は、前記検知範囲内に前記物体が侵入したと判断される時点における前記加熱部の火力が特定の火力よりも大きい状況において、前記加熱部の火力を減少させるとともに、減少後の火力に応じて前記検知範囲の大きさを変化させてもよい。
【0011】
この構成によると、加熱調理器は、検知範囲内に物体が侵入して火力を減少させた後で、減少後の火力に応じた検知範囲を適用することができる。そのため、加熱部の状況に応じた検知範囲を適切に適用することで、ユーザの利便性を確保することができる。
【0012】
ユーザが指示を入力するための入力部をさらに備えてもよい。前記制御部は、前記入力部に入力された指示に従って、前記加熱部の火力に対応する前記検知範囲の大きさのレベルを変化させてもよい。
【0013】
この構成によると、加熱部の火力に対応する検知範囲の大きさのレベルを、ユーザの所望のレベルに設定することができる。ユーザ毎に所望のレベルの検知範囲を適用することができるため、各ユーザにとって使い勝手のよい加熱調理器を実現することができる。
【0014】
本明細書が開示する他の一つの加熱調理器は、燃料を燃焼させた熱を利用して加熱対象物を加熱する加熱部と、前記加熱部の周囲の状態を検出する状態検出部と、制御部と、を備える。前記制御部は、前記状態検出部によって検出される状態に基づいて、前記加熱部の動作中に、前記加熱部の周囲の検知範囲内に前記加熱対象物とは異なる物体が侵入したと判断される場合に、動作中の前記加熱部の火力を絞り、前記状態検出部によって検出される状態に基づいて、動作中の前記加熱部の炎が、前記加熱部上で加熱される前記加熱対象物の周囲からはみ出している炎溢れ状態が発生しているか否かを判断し、前記炎溢れ状態が発生していると判断される第1の場合と、前記炎溢れ状態が発生していないと判断される第2の場合と、の間で、前記検知範囲の大きさを変化させる。
【0015】
この構成によると、加熱調理器は、加熱部の動作中に炎溢れ状態が発生しているか否かに応じて、検知範囲の大きさを変化させる。そのため、例えば、炎溢れ状態が発生している場合に検知範囲を大きくすることで、はみ出した炎が物体に引火する可能性が比較的高い状況においても物体への引火を適切に抑制し得る。また、例えば、炎溢れ状態が発生していない場合に検知範囲を小さくすることで、炎がはみ出さず、物体への引火が比較的起こり難い状況においては、物体(人体等)が加熱部の比較的近傍まで接近しても過度に火力を絞ることなくユーザに適切に調理を行わせることができる。従って、上記の加熱調理器によると、検知範囲の大きさと加熱部の状況とを適合させて、ユーザに調理を適切に行わせ得るとともに、物体への引火を適切に抑制し得る。
【0016】
前記加熱部の火力を絞ることは、前記加熱部の火力を減少させることと、前記加熱部を消火させることと、を含んでもよい。前記制御部は、前記検知範囲内に前記物体が侵入したと判断される時点における前記加熱部の火力に応じて、前記加熱部の火力を減少させるか、前記加熱部を消火させるか、を切り替えてもよい。
【0017】
この構成によると、検知範囲内に物体が侵入した時点における加熱部の火力に応じて、加熱部を適切に動作させることができる。
【0018】
前記加熱部の火力を絞ることは、前記加熱部の火力を減少させることを含んでもよい。前記制御部は、前記検知範囲内に前記物体が侵入したと判断される時点における前記加熱部の火力が特定の火力よりも大きい状況において、前記加熱部の火力を減少させるとともに、火力減少後の前記加熱部において前記炎溢れ状態が発生しているか否かをさらに判断し、前記第1の場合と、前記第2の場合との間で、前記検知範囲の大きさを変化させてもよい。
【0019】
この構成によると、加熱調理器は、検知範囲内に物体が侵入して火力を減少させた後で、火力の減少後における炎溢れ状態の発生状況に応じた検知範囲を適用することができる。そのため、加熱部の状況に応じた検知範囲を適切に適用することで、ユーザの利便性を確保することができる。
【0020】
ユーザが指示を入力するための入力部をさらに備えてもよい。前記制御部は、前記入力部に入力された指示に従って、前記第1の場合における前記検知範囲の大きさと、前記第2の場合における前記検知範囲の大きさと、のレベルを変化させてもよい。
【0021】
この構成によると、炎溢れ状態が発生している場合としていない場合とのそれぞれの場合における検知範囲の大きさのレベルを、ユーザの所望のレベルに設定することができる。ユーザ毎に所望のレベルの検知範囲を適用することができるため、各ユーザにとって使い勝手のよい加熱調理器を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】加熱調理器2を手前側から奥側に向かって見た様子を示す斜視図。
図2】カメラ80周辺を示す断面説明図。
図3】加熱調理器2の制御構成を示すブロック図。
図4】第1実施例の火力調整処理を示すフローチャート。
図5】第1実施例において火力が大きい場合の検知範囲を示す図。
図6】第1実施例において火力が小さい場合の検知範囲を示す図。
図7】第1実施例において設定可能な検知レベルを示す図。
図8】第2実施例の火力調整処理を示すフローチャート。
図9】第2実施例において炎溢れ状態が発生している場合の検知範囲を示す図。
図10】第2実施例において炎溢れ状態が発生していない場合の検知範囲を示す図。
図11】第2実施例において設定可能な検知レベルを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(第1実施例)
(加熱調理器2の構成)
図1図2を参照して、加熱調理器2について説明する。加熱調理器2は、システムキッチンに組み込んで使用されるガス燃焼式のビルトインコンロである。加熱調理器2は、前面4aがシステムキッチンの手前側に露出する本体4と、本体4の上部に配置されており、システムキッチンのカウンタトップに露出する天板6と、を備えている。天板6には、加熱対象物である鍋やフライパン等の調理容器を支持する3つの五徳8a、8b、8cと、それぞれの五徳8a、8b、8cに対応して設けられており、それぞれの五徳8a、8b、8cに支持された加熱対象物を加熱する3つのコンロバーナ10a、10b、10cと、それぞれのコンロバーナ10a、10b、10cに対応して設けられているセンサ12a、12b、12cと、が設けられている。互いに隣り合って配置されている各コンロバーナ10a、10b、10cには、ガス供給路(図示省略)が接続されている。ガス供給路には、コンロバーナ10aへのガスの供給量を調整するための流量調整弁が設けられている。コンロバーナ10aは、コンロバーナ10aにガスが供給されている状態でイグナイタ(図示省略)を動作させることで、点火する。コンロバーナ10aへのガスの供給量を調整することで、コンロバーナ10aの加熱量を調整することができる。そして、コンロバーナ10aへのガスの供給が停止されることで、コンロバーナ10aは消火される。コンロバーナ10b、10cは、コンロバーナ10aと同様の構造を有する。本体4は、本体4の内部に設けられて食材を収容するグリル庫20と、本体4の前面4aに配置されてグリル庫20を開閉するグリル扉22と、本体4の前面4aにおいてグリル扉22の右側に設けられたコンロ操作部24と、本体4の前面4aにおいてグリル扉22の左側に設けられたグリル操作部26と、を備えている。なお、グリル庫20の内部には、グリル庫20内に収容した食材を加熱するグリルバーナ20a(図3参照)が設けられている。加熱調理器2では、本体4の前面4aと天板6の上面が、ユーザに対して露出する外面を構成する。
【0024】
加熱調理器2の天板6には、透過窓90が形成されている。透過窓90は、本体4の手前側(ユーザ側)に形成されている。また、透過窓90は、本体4の左右方向における中央部に形成されている。透過窓90は、左側のコンロバーナ10aと右側のコンロバーナ10bの間に形成されている。透過窓90には、透明なガラスが配置されている。
【0025】
図2に示すように、透過窓90の下方には、カメラ80が配置されている。カメラ80は、天板6の下方から透過窓90を通じて天板6の上方を撮像する。カメラ80は、加熱調理器2の上方を撮像することができる。また、カメラ80は、本体4の手前側(ユーザ側)に配置されている。カメラ80は、本体4の手前側から奥側に向かって、天板6の上方を撮像する。また、カメラ80は、コンロバーナ10a、10b、10cの周囲を撮像範囲に入れた状態で、天板6の上方を撮像する。カメラ80は、天板6の上方を継続的に撮像している。
【0026】
カメラ80の隣には、液晶の表示部84が配置されている。表示部84は、カメラ80よりも本体4の奥側に配置されている。表示部84には、各コンロバーナ10a、10b、10cとグリルバーナ20aの動作状態などが表示される。
【0027】
図1に示すように、各コンロバーナ10a、10b、10cに対応してセンサ12a、12b、12cが設けられている。センサ12a、12b、12cは、加熱対象物の存在を検出するとともに、加熱対象物の温度を検出する。センサ12a、12b、12cは、コンロバーナ10a、10b、10cの上に加熱対象物(例えば鍋やフライパン)が配置されると、その加熱対象物を検出することができる。コンロバーナ10a、10b、10cの上に加熱対象物(鍋やフライパン)が配置されると、センサ12a、12b、12cが加熱対象物によって押圧される。センサ12a、12b、12cは、加熱対象物によって押圧されると、コンロバーナ10a、10b、10cの上に加熱対象物が配置されたことを検出する。コンロバーナ10a、10b、10cの上に加熱対象物が配置されていない場合は、センサ12a、12b、12cが押圧されない。
【0028】
コンロ操作部24は、加熱調理器2の電源スイッチ40と、3つの加熱量操作部42a、42b、42cと、パネル操作部44と、を備える。加熱量操作部42a、42b、42cは、それぞれ、コンロバーナ10a、10b、10cに対応する。また、加熱量操作部42a、42b、42cは、それぞれ、青色又は赤色に発光可能なLED発光部43a、43b、43cによって囲まれている。加熱量操作部42aは、コンロバーナ10aの点火及び消火を行うとともに、コンロバーナ10aの加熱量の調整を行うための操作部である。加熱量操作部42aは、オルタネイト型のスイッチである。ユーザによって加熱量操作部42aを消火位置から点火位置に移動させるための操作(以下では、「点火操作」と呼ぶ)が実行されると、コンロバーナ10aが点火され、ユーザによって加熱量操作部42aを点火位置から消火位置に移動させるための操作(以下では、「消火操作」と呼ぶ)が実行されると、コンロバーナ10aが消火される。点火位置とは、加熱量操作部42aの前面が本体4の前面4aよりも前方に突出している位置であり、消火位置とは、加熱量操作部42aが本体4内に収容されている位置である。また、ユーザは、加熱量操作部42aが点火位置に位置している状態において、加熱量操作部42aを時計方向又は反時計方向に操作することで、コンロバーナ10aの加熱量(以下では「火力」と呼ぶ場合がある)を調整することができる。加熱量操作部42b、42cは、加熱量操作部42aと同じ構造を有する。
【0029】
パネル操作部44は、表示部46と、加熱温度操作部48a、48bと、自動調理選択操作部50a、50bと、レベル操作部52a、52b、52cと、レシピ選択操作部54と、調理状態操作部56と、を備える。表示部46には、各コンロバーナ10a、10b、10cの動作状態などが表示される。加熱温度操作部48aは、コンロバーナ10aによって加熱される加熱対象物の温度(例えば、180℃)を設定するための操作部である。レベル操作部52aは、コンロバーナ10aの火力に対応する検知範囲(図5図6の符号130参照)の大きさのレベル(図7参照)を設定するための操作部である。検知範囲、及び、レベルについては後で詳しく説明する。自動調理選択操作部50aは、コンロバーナ10aを利用した自動調理モードによる調理を選択するための操作部である。加熱温度操作部48b、自動調理選択操作部50b、レベル操作部52bは、コンロバーナ10bに対応する操作部である点を除いて、それぞれ、加熱温度操作部48a、自動調理選択操作部50a、レベル操作部52aと同様の機能を有する。レシピ選択操作部54は、自動調理モードで調理するレシピを選択するための操作部である。調理状態操作部56は、自動調理モードで調理される食材の状態、例えば、焼き加減などを調整するための操作部である。レベル操作部52cは、コンロバーナ10cに対応する操作部である点を除いて、レベル操作部52aと同様の機能を有する。
【0030】
グリル操作部26は、加熱量操作部60と、パネル操作部62と、を備える。加熱量操作部60は、青色又は赤色に発光可能なLED発光部61によって囲まれている。ユーザは、加熱量操作部60を操作することによって、グリルバーナ20a(図3参照)の点火及び消火を行うとともに、グリルバーナ20aの加熱量(以下では「火力」と呼ぶ場合がある)の調整を行うことができる。加熱量操作部60の構造は、コンロ操作部24の加熱量操作部42aと同様である。
【0031】
パネル操作部62は、表示部64と、自動調理選択操作部66と、レシピ選択操作部68と、調理状態操作部70と、を備える。表示部64には、グリルバーナ20aの動作状態などが表示される。自動調理選択操作部66、レシピ選択操作部68、調理状態操作部70の機能は、グリルバーナ20aに対応する操作部である点を除いて、それぞれ、自動調理選択操作部50a、レシピ選択操作部54、調理状態操作部56と同様の機能を有する。
【0032】
続いて、図3を参照して、加熱調理器2の制御構成について説明する。なお、図3では、説明を分かり易くするために、コンロバーナ10b、10c、センサ12b、12c、加熱量操作部42b、42c、LED発光部43b、43c、加熱温度操作部48b、自動調理選択操作部50b、及び、レベル操作部52b、52cについて図示を省略している。また、以下では、図1で説明した構成については説明を省略する。
【0033】
加熱調理器2は、制御部110及びメモリ120を備えている。制御部110は、加熱調理器2の各構成要素の動作を制御する。制御部110は、メモリ120に記憶されたプログラムに従って様々な処理(例えば図4の火力調整処理等)を実行する。メモリ120は、揮発性メモリ、不揮発性メモリなどによって構成される。
【0034】
(火力調整処理)
続いて、図4を参照して、加熱調理器2の制御部110が実行する火力調整処理について説明する。火力調整処理は、ユーザの着衣や手等の物体が動作中のコンロバーナ10a、10b、10cの所定の検知範囲内に侵入したこと(即ち、物体への引火等の危険性が高いこと)を検知し、コンロバーナ10a、10b、10cの火力を絞る(即ち火力を減少させる又は消火する)ための処理である。加熱量操作部42a、42b、42cのいずれかにおいて点火操作が行われ、コンロバーナ10a、10b、10cのいずれか点火されると、制御部110は、点火されたコンロバーナの火力を調整するために図4の処理を開始する。即ち、制御部110は、点火されたコンロバーナのそれぞれに対して図4の処理を実行する。以下では、コンロバーナ10aが点火され、制御部110がコンロバーナ10aの火力を調整するために図4の処理を実行する例を説明する。ただし、コンロバーナ10b、10cが点火された場合にも、制御部110は同様の処理を実行する。
【0035】
S10では、制御部110は、加熱量操作部42aにおいて設定された火力(即ちこの時点におけるコンロバーナ10aの火力)に応じた所定の検知範囲(図5図6参照)を設定する。検知範囲とは、コンロバーナ10aの周囲に設けられる所定の領域であり、その範囲内に加熱対象物とは異なる物体(例えばユーザの手や着衣等)が不意に侵入すると、引火等が起こる可能性がある所定の領域である。本実施例では、S10で設定されるべき検知範囲の大きさは、動作中のコンロバーナ10aの火力に応じて予め定められている。図5に示すように、動作中のコンロバーナ10aの火力が比較的大きい場合には、制御部110は、S10において比較的大きい検知範囲130を設定する。コンロバーナ10aの火力が比較的大きい場合には、コンロバーナ10aからある程度離れた範囲であっても、物体への引火等の可能性があるためである。一方、図6に示すように、動作中のコンロバーナ10aの火力が比較的小さい場合には、制御部110は、S10において比較的小さい検知範囲130を設定する。コンロバーナ10aの火力が比較的小さい場合には、物体への引火等の可能性がある範囲は、コンロバーナ10aの近傍の範囲に限られるためである。
【0036】
続くS12では、制御部110は、S10で設定された検知範囲に物体が侵入することを監視する。具体的に言うと、S12では、制御部110は、カメラ80が撮影する画像に基づいて、S10で設定された検知範囲内に加熱対象物以外の物体が侵入することを監視する。例えば図5に示すように、カメラ80が、検知範囲130内にユーザの着衣などの物体140が侵入している様子の画像を撮影した場合、制御部110は、S12でYESと判断し、S14に進む。一方、カメラ80が、検知範囲130内に物体が存在していない様子の画像を撮影している場合、制御部110はS12でNOと判断してS10に戻り、その時点のコンロバーナ10aの火力に応じて検知範囲を設定して再びS12の監視を行なう。即ち、コンロバーナ10aの火力が変更されている場合には、S12でNOと判断されて戻った後のS10において、制御部110は、変更後の火力に応じた検知範囲を設定する。このように、制御部110は、コンロバーナ10aの現時点の火力に応じた検知範囲を適切に設定して、物体の侵入の監視を行なうことができる(S10、S12)。
【0037】
S14では、制御部110は、この時点におけるコンロバーナ10aの火力が、所定の最小火力よりも大きいか否かを判断する。コンロバーナ10aの最小火力とは、火力を最小限に小さくしたときの火力である。この時点におけるコンロバーナ10aの火力が最小火力よりも大きい場合には、制御部110はS14でYESと判断してS16に進む。一方、この時点におけるコンロバーナ10aの火力が最小火力である場合には、制御部110はS14でNOと判断してS17に進む。
【0038】
S16では、制御部110は、コンロバーナ10aの火力を減少させる。その後、制御部110は、S10に戻り、減少後の火力に応じた検知範囲を新たに設定し、S12の監視を行なう。
【0039】
一方、S17では、制御部110は、コンロバーナ10aを消火させる。この場合、制御部110は、図4の処理を終了させる。
【0040】
以上、コンロバーナ10aが点火された場合に制御部110が実行する火力調整処理の内容を説明した。なお、図4には示していないが、図4の処理の実行中に加熱量操作部42aにおいて消火操作が行われ、コンロバーナ10aが消火された場合、制御部110は、S10〜S17のどの段階の処理を実行中であっても、図4の処理を強制的に終了させる。
【0041】
(検知レベル設定)
上記の通り、図4のS10で設定されるべき検知範囲の大きさは、動作中のコンロバーナ10aの火力に応じて予め定められている。本実施例では、コンロバーナ10aの火力に対する検知範囲の大きさの関係について、複数のレベルが予め設けられている。具体的には、メモリ120に、図7に示すようなグラフが予め記憶されている。図7のグラフでは、コンロバーナ10aの火力と、検知範囲の大きさとが対応付けられている。図7では、符号150、160は、それぞれ、第1レベル、第2レベルに対応する。第1レベル(符号150)では、第2レベル(符号160)に比べて、同じ火力に対応する検知範囲が大きい。
【0042】
本実施例では、ユーザが、上記のレベル操作部52aを操作することによって、コンロバーナ10aの火力に対応する検知範囲の大きさのレベルを、第1レベルと第2レベルのうちの一方に設定するように指示することができる。制御部110は、ユーザからの指示に従って、コンロバーナ10aの火力に対応する検知範囲の大きさのレベルを、第1レベルと第2レベルのうちの一方に設定する。制御部110は、設定されたレベルが示す火力と検知範囲との対応関係に従って、図4のS10において検知範囲を設定する。また、ユーザは、上記のレベル操作部52aを操作することによって、レベルを変更する指示を入力することも可能である。その場合も、制御部110は、ユーザの指示に従って、レベルを変更する。また、コンロバーナ10aの場合と同様に、コンロバーナ10b、10cの火力に対応する検知範囲の大きさのレベルも、ユーザがレベル操作部52b、52cを操作することによって設定することができる。
【0043】
以上、本実施例の加熱調理器2の構成と動作について説明した。上記の通り、本実施例では、制御部110は、動作中のコンロバーナ10aの火力に応じて、検知範囲の大きさを変化させる(図4のS10)。そのため、例えば、コンロバーナ10aの火力が比較的大きい場合に検知範囲を大きくすることで(図5参照)、火力が大きい状況においても物体(例えば人体や着衣など)への引火を適切に抑制し得る。また、例えば、コンロバーナ10aの火力が比較的小さい場合に検知範囲を小さくすることで(図6参照)、小さい火力で比較的小さい加熱対象物を加熱する場合のように、物体(人体等)がコンロバーナ10aの比較的近傍まで接近し得る状況においても過度に火力が絞られないことでユーザに適切に調理を行わせることができる。従って、本実施例の加熱調理器2によると、検知範囲の大きさとコンロバーナ10aの状況とを適合させて、ユーザに調理を適切に行わせることができるとともに、物体への引火を適切に抑制することができる。
【0044】
また、本実施例では、制御部110は、検知範囲に物体が侵入したと判断された(S12でYES)時点におけるコンロバーナ10aの火力が最小火力よりも大きいか否かに応じて、コンロバーナ10aの火力を減少させる(S16)のか、コンロバーナ10aを消火させる(S17)のか、を切り替える。本実施例では、検知範囲内に物体が侵入した時点におけるコンロバーナ10aの火力に応じて、コンロバーナ10aを適切に動作させることができる。
【0045】
また、本実施例では、制御部110は、検知範囲に物体が侵入したと判断された(S12でYES)時点におけるコンロバーナ10aの火力が最小火力よりも大きい場合に(S14でYES)、コンロバーナ10aの火力を減少させ(S16)、その後、減少後の火力に応じた検知範囲を新たに設定する。そのため、コンロバーナ10aの状況に応じた検知範囲を適切に適用することで、ユーザの利便性を確保することができる。
【0046】
また、本実施例では、制御部110は、ユーザからの指示に従って、コンロバーナ10aの火力に対応する検知範囲の大きさのレベルを、第1レベルと第2レベル(図7参照)のうちの一方に設定する。制御部110は、設定されたレベルが示す火力と検知範囲との対応関係に従って、図4のS10において検知範囲を設定する。本実施例では、コンロバーナ10aの火力に対応する検知範囲の大きさのレベルを、ユーザの所望のレベルに設定することができる。ユーザ毎に所望のレベルの検知範囲を適用することができるため、各ユーザにとって使い勝手のよい加熱調理器2を実現することができる。
【0047】
コンロバーナ10a、10b、10cが「加熱部」の一例である。カメラ80が「状態検出部」の一例である。最小火力が「特定の火力」の一例である。
【0048】
(第2実施例)
図8図11を参照して、第1実施例と異なる点を中心に説明する。本実施例の加熱調理器2も、基本的な構成は第1実施例と共通する。本実施例では、制御部110が実行する火力調整処理の内容が第1実施例とは異なる。
【0049】
(火力調整処理)
図8を参照して、本実施例の制御部110が実行する火力調整処理について説明する。以下でも、コンロバーナ10aが点火された場合において、制御部110が図8の処理を実行する例を説明する。S30では、制御部110は、動作中のコンロバーナ10aにおいて炎溢れ状態が発生しているか否かを判断する。炎溢れ状態とは、動作中のコンロバーナ10aの炎が、コンロバーナ10a上で加熱されている加熱対象物の周囲からはみ出している状態のことである(図9参照)。具体的に言うと、S30では、制御部110は、カメラ80が撮影する画像に基づいて、炎溢れ状態が発生しているか否かを判断する。カメラ80の撮影画像が、図9に示すように、炎溢れ状態が発生している様子を表わしている場合には、制御部110はS30でYESと判断し、S32に進む。一方、カメラ80の撮影画像が、図10に示すように、炎溢れ状態が発生していない様子を表わしている場合には、制御部110はS30でNOと判断し、S34に進む。
【0050】
S32では、制御部110は、図9に示すような比較的大きい検知範囲230を設定する。炎溢れ状態が発生している場合には、加熱対象物からはみ出した炎が、コンロバーナ10aに近づいた物体に引火する可能性が比較的高いと言えるためである。S32を終えると、S36に進む。
【0051】
一方、S34では、制御部110は、図10に示すような比較的小さい検知範囲230を設定する。炎溢れ状態が発生していない場合には、加熱対象物から炎がはみ出しておらず、物体への引火が比較的起こり難い状況であると言えるためである。S34を終えると、S36に進む。このように、本実施例では、設定されるべき検知範囲の大きさが、動作中のコンロバーナ10aにおいて炎溢れ状態が発生しているか否かに応じて予め定められている。
【0052】
S36では、制御部110は、S32又はS34で設定された検知範囲に物体が侵入することを監視する。具体的に言うと、S36では、制御部110は、カメラ80が撮影する画像に基づいて、S32又はS34で設定された検知範囲内に加熱対象物以外の物体が侵入することを監視する。例えば図9に示すように、カメラ80が、検知範囲230内に物体240が侵入している様子の画像を撮影した場合、制御部110は、S36でYESと判断し、S38に進む。一方、カメラ80が、検知範囲230内に物体が存在していない様子の画像を撮影している場合、制御部110はS36でNOと判断してS30に戻り、その時点においてコンロバーナ10aに炎溢れ状態が発生しているか否かに応じて検知範囲を設定し(S30〜S34)、再びS36の監視を行なう。このように、制御部110は、コンロバーナ10aにおいて現在炎溢れ状態が発生しているか否かに応じて検知範囲を適切に設定して、物体の侵入の監視を行なうことができる(S30〜S36)。
【0053】
S38では、制御部110は、この時点におけるコンロバーナ10aの火力が、所定の最小火力よりも大きいか否かを判断する。この時点におけるコンロバーナ10aの火力が最小火力よりも大きい場合には、制御部110はS38でYESと判断してS40に進む。一方、この時点におけるコンロバーナ10aの火力が最小火力である場合には、制御部110はS38でNOと判断してS41に進む。
【0054】
S40では、制御部110は、コンロバーナ10aの火力を減少させる。その後、制御部110は、S30に戻り、火力減少後のコンロバーナ10aにおいて炎溢れ状態が発生しているのか否かに応じて検知範囲を新たに設定し(S30〜S34)、S36の監視を行なう。
【0055】
一方、S41では、制御部110は、コンロバーナ10aを消火させる。この場合、制御部110は、図8の処理を終了させる。
【0056】
以上、コンロバーナ10aが点火された場合に制御部110が実行する火力調整処理の内容を説明した。なお、本実施例でも、図8の処理の実行中に加熱量操作部42aにおいて消火操作が行われ、コンロバーナ10aが消火された場合、制御部110は、S30〜S41のどの段階の処理を実行中であっても、図8の処理を強制的に終了させる。
【0057】
(検知レベル設定)
上記の通り、本実施例で設定されるべき検知範囲の大きさは、動作中のコンロバーナ10aにおいて炎溢れ状態が発生しているか否かに応じて予め定められている(図8のS30〜S34参照)。本実施例でも、コンロバーナ10aの火力に対する検知範囲の大きさの関係について、複数のレベルが予め設けられている。具体的には、メモリ120に、図11に示すようなグラフが予め記憶されている。図11のグラフでは、コンロバーナ10aにおいて炎溢れ状態が発生している場合の検知範囲の大きさと、発生していない場合の検知範囲の大きさとが対応付けられている。図11では、符号250、260は、それぞれ、第1レベル、第2レベルに対応する。第1レベル(符号250)では、第2レベル(符号260)に比べて、同じ状態(炎溢れ状態及び炎溢れ状態が発生していない状態)に対応する検知範囲が大きい。
【0058】
本実施例でも、ユーザが、上記のレベル操作部52aを操作することによって、炎溢れ状態が発生している状態としていない状態のそれぞれに対応する検知範囲の大きさのレベルを、第1レベルと第2レベルのうちの一方に設定するように指示することができる。制御部110は、ユーザからの指示に従って、第1レベルと第2レベルのうちの一方に設定する。制御部110は、設定されたレベルが示す対応関係に従って、図8のS30〜34において検知範囲を設定する。また、ユーザは、上記の各レベル操作部52aを操作することによって、レベルを変更する指示を入力することも可能である。その場合も、制御部110は、ユーザの指示に従って、レベルを変更する。また、コンロバーナ10aの場合と同様に、コンロバーナ10b、10cの火力に対応する検知範囲の大きさのレベルも、ユーザがレベル操作部52b、52cを操作することによって設定することができる。
【0059】
以上、本実施例の加熱調理器2の構成と動作について説明した。上記の通り、本実施例では、制御部110は、動作中のコンロバーナ10aにおいて炎溢れ状態が発生しているか否かに応じて、設定されるべき検知範囲の大きさを変化させる(図8のS30〜S34)。そのため、例えば、炎溢れ状態が発生している場合に検知範囲を大きくすることで(図9参照)、はみ出した炎が物体に引火する可能性が比較的高い状況においても物体への引火を適切に抑制し得る。また、例えば、炎溢れ状態が発生していない場合に検知範囲を小さくすることで(図10参照)、炎がはみ出さず、物体への引火が比較的起こり難い状況においては、物体(手など)が加熱部の比較的近傍まで接近しても過度に火力を絞ることなくユーザに適切に調理を行わせることができる。従って、本実施例の加熱調理器2によると、検知範囲の大きさとコンロバーナ10aの状況とを適合させて、ユーザに調理を適切に行わせることができるとともに、物体への引火を適切に抑制することができる。
【0060】
また、本実施例でも、制御部110は、検知範囲に物体が侵入したと判断された(S36でYES)時点におけるコンロバーナ10aの火力が最小火力よりも大きいか否かに応じて、コンロバーナ10aの火力を減少させる(S40)のか、コンロバーナ10aを消火させる(S41)のか、を切り替える。本実施例でも、検知範囲内に物体が侵入した時点におけるコンロバーナ10aの火力に応じて、コンロバーナ10aを適切に動作させることができる。
【0061】
また、本実施例では、制御部110は、検知範囲に物体が侵入したと判断された(S36でYES)時点におけるコンロバーナ10aの火力が最小火力よりも大きい場合に(S38でYES)、コンロバーナ10aの火力を減少させ(S40)、火力減少後のコンロバーナ10aにおいて炎溢れ状態が発生しているのか否かに応じて検知範囲を新たに設定する(S30〜S34)。そのため、コンロバーナ10aの状況に応じた検知範囲を適切に適用することで、ユーザの利便性を確保することができる。
【0062】
また、本実施例では、制御部110は、ユーザからの指示に従って、炎溢れ状態が発生している場合としていない場合のそれぞれに検知範囲の大きさのレベルを、第1レベルと第2レベル(図11参照)のうちの一方に設定する。制御部110は、設定されたレベルに従って、図8のS30〜S34において検知範囲を設定する。本実施例では、炎溢れが発生している場合としていない場合とのそれぞれの場合における検知範囲の大きさのレベルを、ユーザの所望のレベルに設定することができる。ユーザ毎に所望のレベルの検知範囲を適用することができるため、各ユーザにとって使い勝手のよい加熱調理器2を実現することができる。
【0063】
コンロバーナ10a、10b、10cが「加熱部」の一例である。カメラ80が「状態検出部」の一例である。最小火力が「特定の火力」の一例である。図8のS30でYESの場合が「第1の場合」の一例であり、S30でNOの場合が「第2の場合」の一例である。
【0064】
以上、各実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0065】
(変形例1)制御部110は、コンロバーナ10aの火力と、コンロバーナ10aにおける炎溢れ状態の発生の有無との双方に基づいて、検知範囲を設定するようにしてもよい。例えば、制御部110は、コンロバーナ10aの火力が大きく、かつ、炎溢れ状態が発生している状態で、最も大きい検知範囲を設定するようにしてもよい。
【0066】
(変形例2)上記の第1実施例では、図4のS10において、制御部110は、動作中のコンロバーナ10aの火力が大きい場合に、比較的大きい検知範囲を設定し(図5参照)、コンロバーナ10aの火力が小さい場合に、比較的小さい検知範囲を設定している(図6参照)。これに限られず、制御部110は、動作中のコンロバーナ10aの火力が大きい場合に比較的小さい検知範囲を設定し、動作中のコンロバーナ10aの火力が小さい場合に比較的大きい検知範囲を設定するようにしてもよい。一般的に言うと、制御部は、動作中の加熱部の火力に応じて、前記検知範囲の大きさを変化させればよい。大火力で調理を行っている場合、ユーザは、コンロバーナ10aの火力が大きいことを自覚している可能性が高く、不用意に手などをコンロバーナ10aの近くに近づける事態が発生する可能性が低いと言える。一方、小火力で長時間調理を行っている場合等(例えば、煮込み調理を行う場合等)には、ユーザがコンロバーナ10aで調理中であることを忘れてしまう等して、不用意に手などをコンロバーナ10aの近くに近づける事態が発生する可能性がある。本変形例によっても、制御部110は、検知範囲と火力とを適切に適合させ、ユーザに調理を適切に行わせ得るとともに、物体への引火を抑制し得る。
【0067】
(変形例3)上記の第2実施例では、制御部110は、動作中のコンロバーナ10aにおいて炎溢れ状態が発生している場合に(図8のS30でYES)、比較的大きい検知範囲を設定し(S32、図9参照)、炎溢れ状態が発生していない場合に(S30でNO)、比較的小さい検知範囲を設定している(S34、図10参照)。これに限られず、制御部110は、動作中のコンロバーナ10aにおいて炎溢れ状態が発生している場合に比較的小さい検知範囲を設定し、炎溢れ状態が発生していない場合に比較的大きい検知範囲を設定するようにしてもよい。一般的に言うと、制御部は、炎溢れ状態が発生していると判断される第1の場合と、炎溢れ状態が発生していないと判断される第2の場合と、の間で、検知範囲の大きさを変化させればよい。コンロバーナ10aで炎溢れ状態が発生している場合、ユーザは、加熱対象物からはみ出している炎を視認すれば、コンロバーナ10aの近くに不用意に手などを近づけることが危険であると認識できる可能性が高い。一方、コンロバーナ10aで炎溢れ状態が発生していない場合、ユーザが炎を視認できないため、ユーザが不用意にコンロバーナ10aの近くに手などを近づける事態が起こり得る。本変形例によっても、制御部110は、検知範囲と炎溢れ状態の有無とを適切に適合させ、ユーザに調理を適切に行わせ得るとともに、物体への引火を抑制し得る。
【0068】
(変形例4)上記の各実施例では、制御部110は、検知範囲に物体が侵入したと判断された時点におけるコンロバーナ10aの火力が最小火力よりも大きいか否かに応じて、コンロバーナ10aの火力を減少させるのか、コンロバーナ10aを消火させるのか、を切り替える(図4のS14〜S17、図8のS38〜S41参照)。コンロバーナ10aの火力を減少させるのか消火させるのかの判断の基準となる火力は、最小火力に限られず任意の基準火力(例えば「中火」)であってもよい。この変形例における基準火力も「特定の火力」の一例である。
【0069】
(変形例5)上記の各実施例では、制御部110は、カメラ80の撮影画像に基づいて、物体が検知範囲に侵入したか否かを判断している(図4のS12、図8のS36参照)。同様に、第2実施例では、制御部110は、カメラ80の撮影画像に基づいて、コンロバーナ10aにおいて炎溢れ状態が発生しているか否かを判断している(図8のS30)。しかしながら、コンロバーナ10aの周囲の様子を検出する要素は、カメラ80に限られず、任意の検出要素を用いてもよい。例えば、物体が検知範囲に侵入したか否かの判断の基準となる検出要素として、カメラ80に代えて赤外線センサを用いてもよい。制御部110は、赤外線センサの検出値に基づいて、物体が検知範囲に侵入したか否かを判断してもよい。また、例えば、コンロバーナ10aにおいて炎溢れ状態が発生しているか否かの判断の基準となる検出要素として、カメラ80に代えて紫外線センサを用いてもよい。制御部110は、赤外線センサの検出値に基づいて、炎溢れ状態が発生しているか否かを判断してもよい。この変形例における赤外線センサ、紫外線センサも「状態検出部」の一例である。
【0070】
(変形例6)上記の各実施例では、ユーザが、レベル操作部52aを操作することによって、コンロバーナ10aの火力に対応する検知範囲の大きさのレベル(又は、炎溢れ状態が発生している状態としていない状態のそれぞれに対応する検知範囲の大きさのレベル)を、第1レベルと第2レベルのうちの一方に設定するように指示することができる。しかしながら、ユーザが設定可能なレベルは、上記の第1レベルと第2レベルの2つには限られず、3つ以上であってもよい。ユーザは、3以上のレベルのうちの一つに設定可能であってもよい。また、ユーザが設定可能な3以上のレベルには、検知機能をオフするためのレベルが含まれていてもよい。検知機能をオフするためのレベルが選択される場合には、制御部110は、火力調整処理(図4図8参照)を実行しなくてもよい。
【0071】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0072】
2 :加熱調理器
4 :本体
4a :前面
6 :天板
8a :五徳
8b :五徳
8c :五徳
10a :コンロバーナ
10b :コンロバーナ
10c :コンロバーナ
12a :センサ
12b :センサ
12c :センサ
20 :グリル庫
20a :グリルバーナ
22 :グリル扉
24 :コンロ操作部
26 :グリル操作部
40 :電源スイッチ
42a :加熱量操作部
42b :加熱量操作部
42c :加熱量操作部
43a :LED発光部
43b :LED発光部
43c :LED発光部
44 :パネル操作部
46 :表示部
48a :加熱温度操作部
48b :加熱温度操作部
50a :自動調理選択操作部
50b :自動調理選択操作部
52a :レベル操作部
52b :レベル操作部
52c :レベル操作部
54 :レシピ選択操作部
56 :調理状態操作部
60 :加熱量操作部
61 :LED発光部
62 :パネル操作部
64 :表示部
66 :自動調理選択操作部
68 :レシピ選択操作部
70 :調理状態操作部
80 :カメラ
84 :表示部
90 :透過窓
110 :制御部
120 :メモリ
130 :検知範囲
140 :物体
230 :検知範囲
240 :物体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11