【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の断熱防水構造は、下地に配置される四角板状の複数の断熱材と、前記複数の断熱材を、突き合わされた端部において連結する複数の断熱施工具と、前記複数の断熱材および前記複数の断熱施工具の上に配置される防水シートとを備え、前記断熱施工具は、隣り合った2つの前記断熱材の突き合わされた端部と前記下地との間に配置される下板と、前記2つの断熱材の突き合わされた前記端部の上に配置される上板と、前記下板と前記上板を連結する連結部材と、前記上板および前記下板の少なくとも一方
の、前記2つの断熱材側の面に設けられ、前記2つの断熱材にそれぞれ1つ以上差し込まれる複数の突起とを備え
、前記上板は、貫通孔を有しており、前記連結部材は、前記下板と反対側から前記貫通孔に挿通され、前記貫通孔の径よりも大きい径を有する頭部と、前記頭部よりも前記下板側に位置し、前記貫通孔の径よりも小さい径を有し、前記下板にねじ込まれた状態で連結される軸部とを有し、前記下板の前記下地側の面に凸部が設けられていることによって、前記下板と前記下地との間に隙間が形成され、前記軸部は、前記下板を貫通して、前記下板と前記下地との間の隙間まで延びていることを特徴とする。
【0010】
この構成によると、断熱施工具の上板と下板は、隣り合った2つの断熱材の突き合わされた端部を挟むように配置される。さらに、上板および下板の少なくとも一方には、複数の突起が設けられ、この複数の突起は、上板と下板の間に配置された2つの断熱材にそれぞれ1つ以上差し込まれる。よって、下板または/および上板と、複数の突起とによって、隣り合った2つの断熱材は連結される。このようにして複数の断熱材は一体化されるため、断熱材を下地に固定しなくても、断熱材の位置ずれを防止できる。よって、下地に穴を開けることなく、断熱防水構造を施工できる。
また、上板は、隣り合った2つの断熱材の突き合わされた端部の上に配置される。そのため、下地に不陸があっても、防水シートのうち上板の上に配置された部分には段差が生じない。さらに、隣り合った2つの断熱材の突き合わされた端部は、連結部材で連結された上板と下板によって挟まれる。そのため、下地に不陸があっても、上板と下板の間において、隣り合う断熱材の突き合わされた端部同士の段差を軽減できる。それにより、隣り合う断熱材の突き合わされた端部の一部が上板で覆われていなくても、その部分に段差が生じるのを抑制できる。したがって、防水シートの表面に段差が生じるのを抑制できる。
また、この構成によると、下板と断熱材と上板を重ねた状態で下地に配置した後、連結部材の軸部を上板の貫通孔に挿入して、連結部材の軸部の先端部を下板にねじ込むことで、上板と下板を連結部材によって連結できる。このように簡易に、上板と下板とを連結部材によって連結できるため、施工手間を軽減できる。
また、下板を軸部に対して固定する観点からは、軸部が、下板を貫通していることが好ましい。しかしながら、下地の、下板と重なる部分の表面が平坦な場合には、下板と下地との間の隙間が小さい。そのため、断熱施工具を、軸部が下板を貫通するように構成しようとしても、軸部が下地に接触してしまい、軸部が下板を貫通しない虞がある。これに対して、本発明では、下板の下地側の面に凸部が設けられているため、下地の下板と重なる部分の表面が平坦な場合にも、下板と下地との間の軸部と重なる部分に隙間が形成される。これにより、断熱施工具を、軸部が下板を貫通するように構成することができる。
【0011】
本発明の断熱防水構造において、前記複数の突起は、前記下板に設けられることが好ましい。
【0012】
上板を断熱材の上に配置する前、下地に配置された下板の上に断熱材が配置される。このとき、下板に設けられた突起が断熱材に差し込まれているため、下板の断熱材に対する位置ずれを防止できる。したがって、施工が行いやすい。
【0013】
本発明の断熱防水構造において、前記連結部材は、前記2つの断熱材の突き合わされた前記端部の間に配置されることが好ましい。
【0014】
この構成によると、下板と上板とを連結する連結部材が1つであっても、隣り合う2つの断熱材に均等に力がかかるように上板と下板の間で2つの断熱材を挟むことができる。連結部材の数が少なくて済むため、施工手間をより軽減できる。
【0015】
本発明の断熱防水構造において、前記断熱施工具が、境界が十字状をなすように配置された4つの前記断熱材を連結し、前記下板および前記上板の間に、境界が十字状をなすように配置された4つの前記断熱材の突き合わされた角部が配置され、前記連結部材は、前記4つの断熱材の突き合わされた前記角部の間に配置され、前記複数の突起は、前記4つの断熱材にそれぞれ1つ以上差し込まれることが好ましい。
【0016】
この構成によると、1つの断熱施工具によって4つの断熱材を連結することができる。少ない数の断熱施工具によって複数の断熱材を連結できるため、施工手間を軽減できる。
また、上板と下板を連結する連結部材は、4つの断熱材の突き合わされた角部の間に配置される。そのため、下板と上板とを連結する連結部材が1つであっても、4つの断熱材に均等に力がかかるように上板と下板との間で4つの断熱材を挟むことができる。連結部材の数が少なくて済むため、施工手間をより軽減できる。
【0021】
本発明の断熱防水構造において、前記下板の前記下地側の面に、複数の前記凸部が設けられ、複数の前記凸部が前記軸部を取り囲むように配置されていることが好ましい。
【0022】
この構成によると、軸部が複数の凸部に取り囲まれていることにより、下板と下地との間の軸部と重なる部分に、確実に隙間を形成することができる。
【0023】
本発明の断熱防水構造において、前記断熱材は、接着剤によって前記下地に接着されていることが好ましい。
【0024】
この構成によると、断熱材が接着剤によって下地に接着されるため、断熱材の位置ずれをより確実に防止できる。
【0025】
本発明の断熱施工具は、下地に四角板状の複数の断熱材を敷設する際に、前記複数の断熱材を、突き合わされた端部において連結するために使用され、隣り合った2つの前記断熱材の突き合わされた端部と前記下地との間に配置される下板と、前記2つの断熱材の突き合わされた前記端部の上に配置される上板と、前記下板と前記上板とを連結する連結部材と、前記上板および前記下板の少なくとも一方
の、前記2つの断熱材側の面に設けられ、前記2つの断熱材にそれぞれ1つ以上差し込まれる複数の突起とを備
え、前記上板は、貫通孔を有しており、前記連結部材は、前記下板と反対側から前記貫通孔に挿通され、前記貫通孔の径よりも大きい径を有する頭部と、前記頭部よりも前記下板側に位置し、前記貫通孔の径よりも小さい径を有し、前記下板にねじ込まれた状態で連結される軸部とを有し、前記下板の前記上板と反対側の面に、前記下板と前記下地との間に隙間を形成するための凸部が設けられ、前記軸部は、前記下板を貫通して、前記下板の前記上板と反対側まで延びていることを特徴とする。
【0026】
この構成によると、断熱施工具の上板と下板は、隣り合った2つの断熱材の突き合わされた端部を挟むように配置される。さらに、上板および下板の少なくとも一方には、複数の突起が設けられ、この複数の突起は、上板と下板の間に配置された2つの断熱材にそれぞれ1つ以上差し込まれる。よって、下板または/および上板と、複数の突起とによって、隣り合った2つの断熱材は連結される。このようにして複数の断熱材は一体化されるため、断熱材を下地に固定しなくても、断熱材の位置ずれを防止できる。よって、下地に穴を開けることなく、断熱防水構造を施工できる。
また、上板は、隣り合った2つの断熱材の突き合わされた端部の上に配置される。そのため、下地に不陸があっても、防水シートのうち上板の上に配置された部分には段差が生じない。さらに、隣り合った2つの断熱材の突き合わされた端部は、連結部材で連結された上板と下板によって挟まれる。そのため、下地に不陸があっても、上板と下板の間において、隣り合う断熱材の突き合わされた端部同士の段差を軽減できる。それにより、隣り合う断熱材の突き合わされた端部の一部が上板で覆われていなくても、その部分に段差が生じるのを抑制できる。したがって、防水シートの表面に段差が生じるのを抑制できる。
【0027】
本発明の断熱防水工法は、下地に四角板状の複数の断熱材を敷設して前記断熱材を防水シートで覆う断熱防水工法であって、前記下地の上に、
前記下地と反対側の面に複数の突起が設けられた下板を配置する下板配置工程と、前記下板の上に、2つの前記断熱材の突き合わされた端部を配置すると共に、前記2つの断熱材にそれぞれ1つ以上前記突起を差し込む断熱材配置工程と、前記2つの断熱材の突き合わされた前記端部の上に、上板を配置する上板配置工程と、
前記下板と前記上板とを前記連結部材で連結する連結工程と、前記複数の断熱材および前記上板の上に、前記防水シートを配置する防水シート配置工程とを有
し、前記上板は、貫通孔を有しており、前記連結部材は、前記貫通孔の径よりも大きい径を有する頭部と、前記貫通孔の径よりも小さい径を有する軸部と、を有し、前記下板配置工程において、前記下地側の面に凸部が設けられた前記下板を、前記下地上に配置することによって、前記下板と前記下地との間に隙間を形成し、前記連結工程において、前記連結部材を、前記軸部が前記頭部よりも前記下板側となるような向きで、前記下板と反対側から前記貫通孔に挿通し、前記軸部が前記下板を貫通して前記下板と前記下地との間の隙間に達するように、前記軸部を前記下板にねじ込んで、前記下板と前記上板とを連結することを特徴とする。
【0028】
この構成によると、下板は、隣り合った2つの断熱材の突き合わされた端部の下方に配置される。さらに、下板には、複数の突起が設けられ、この複数の突起は、下板の上に配置された2つの断熱材にそれぞれ1つ以上差し込まれる。よって、下板と複数の突起とによって、隣り合った2つの断熱材が連結される。このようにして複数の断熱材は一体化されるため、断熱材を下地に固定しなくても、断熱材の位置ずれを防止できる。よって、下地に穴を開けることなく、断熱防水構造を施工できる。
また、上板は、隣り合った2つの断熱材の突き合わされた端部の上に配置される。そのため、下地に不陸があっても、防水シートのうち上板の上に配置された部分には段差が生じない。さらに、隣り合った2つの断熱材の突き合わされた端部は、連結部材で連結された上板と下板によって挟まれる。そのため、下地に不陸があっても、上板と下板の間において、隣り合う断熱材の突き合わされた端部同士の段差を軽減できる。それにより、隣り合う断熱材の突き合わされた端部の一部が上板で覆われていなくても、その部分に段差が生じるのを抑制できる。したがって、防水シートの表面に段差が生じるのを抑制できる。
【0029】
本発明の断熱防水工法は、前記断熱材配置工程において、前記下板の上に、境界が十字状をなすように配置された4つの前記断熱材の突き合わされた角部を配置すると共に、前記4つの断熱材にそれぞれ1つ以上前記突起を差し込み、前記上板配置工程において、前記4つの断熱材の突き合わされた角部の上に、前記上板を配置し、前記連結工程において、前記4つの断熱材の突き合わされた前記角部の間に、前記連結部材を配置することが好ましい。
【0030】
この構成によると、1つの下板とそれに設けられる複数の突起によって、4つの断熱材を連結することができる。少ない数の施工具によって複数の断熱材を連結できるため、施工手間を軽減できる。
また、上板と下板を連結する連結部材は、4つの断熱材の突き合わされた角部の間に配置される。そのため、下板と上板とを連結する連結部材が1つであっても、4つの断熱材に均等に力がかかるように上板と下板との間で4つの断熱材を挟むことができる。連結部材の数が少なくて済むため、施工手間をより軽減できる。
【0031】
本発明の断熱防水工法は、前記断熱材配置工程において、前記断熱材の接着剤が塗布された面を前記下地に押し付けて前記断熱材を前記下地に接着することが好ましい。
【0032】
この構成によると、断熱材が接着剤によって下地に接着されるため、断熱材の位置ずれをより確実に防止できる。