特許第6872439号(P6872439)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6872439断熱防水構造、断熱施工具、および断熱防水工法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6872439
(24)【登録日】2021年4月21日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】断熱防水構造、断熱施工具、および断熱防水工法
(51)【国際特許分類】
   E04D 11/00 20060101AFI20210510BHJP
   E04B 1/66 20060101ALI20210510BHJP
   E04B 1/76 20060101ALI20210510BHJP
【FI】
   E04D11/00 J
   E04B1/66 A
   E04B1/76 500D
【請求項の数】10
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-126861(P2017-126861)
(22)【出願日】2017年6月29日
(65)【公開番号】特開2018-13026(P2018-13026A)
(43)【公開日】2018年1月25日
【審査請求日】2019年11月15日
(31)【優先権主張番号】特願2016-136542(P2016-136542)
(32)【優先日】2016年7月11日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006068
【氏名又は名称】三ツ星ベルト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】特許業務法人梶・須原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】江見 嘉一
【審査官】 山口 敦司
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭53−012123(JP,A)
【文献】 実開昭63−062505(JP,U)
【文献】 実開昭56−088816(JP,U)
【文献】 実開昭62−149533(JP,U)
【文献】 特開2012−031567(JP,A)
【文献】 実開昭58−017434(JP,U)
【文献】 実公昭56−018656(JP,Y2)
【文献】 特開2017−203337(JP,A)
【文献】 特開2007−211441(JP,A)
【文献】 特開2015−86550(JP,A)
【文献】 韓国登録実用新案第20−0316935(KR,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 11/00
E04D 5/00
E04D 5/14
E04B 1/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下地に配置される四角板状の複数の断熱材と、
前記複数の断熱材を、突き合わされた端部において連結する複数の断熱施工具と、
前記複数の断熱材および前記複数の断熱施工具の上に配置される防水シートとを備え、
前記断熱施工具は、
隣り合った2つの前記断熱材の突き合わされた端部と前記下地との間に配置される下板と、
前記2つの断熱材の突き合わされた前記端部の上に配置される上板と、
前記下板と前記上板を連結する連結部材と、
前記上板および前記下板の少なくとも一方の、前記2つの断熱材側の面に設けられ、前記2つの断熱材にそれぞれ1つ以上差し込まれる複数の突起とを備え
前記上板は、貫通孔を有しており、
前記連結部材は、
前記下板と反対側から前記貫通孔に挿通され、
前記貫通孔の径よりも大きい径を有する頭部と、
前記頭部よりも前記下板側に位置し、前記貫通孔の径よりも小さい径を有し、前記下板にねじ込まれた状態で連結される軸部とを有し、
前記下板の前記下地側の面に凸部が設けられていることによって、前記下板と前記下地との間に隙間が形成され、
前記軸部は、前記下板を貫通して、前記下板と前記下地との間の隙間まで延びていることを特徴とする断熱防水構造。
【請求項2】
前記複数の突起は、前記下板に設けられることを特徴とする請求項1に記載の断熱防水構造。
【請求項3】
前記連結部材は、前記2つの断熱材の突き合わされた前記端部の間に配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の断熱防水構造。
【請求項4】
前記断熱施工具が、境界が十字状をなすように配置された4つの前記断熱材を連結し、
前記下板および前記上板の間に、境界が十字状をなすように配置された4つの前記断熱材の突き合わされた角部が配置され、
前記連結部材は、前記4つの断熱材の突き合わされた前記角部の間に配置され、
前記複数の突起は、前記4つの断熱材にそれぞれ1つ以上差し込まれることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の断熱防水構造。
【請求項5】
前記下板の前記下地側の面に、複数の前記凸部が設けられ、
複数の前記凸部が前記軸部を取り囲むように配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の断熱防水構造。
【請求項6】
前記断熱材は、接着剤によって前記下地に接着されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の断熱防水構造。
【請求項7】
下地に四角板状の複数の断熱材を敷設する際に、前記複数の断熱材を、突き合わされた端部において連結するために使用され、
隣り合った2つの前記断熱材の突き合わされた端部と前記下地との間に配置される下板と、
前記2つの断熱材の突き合わされた前記端部の上に配置される上板と、
前記下板と前記上板とを連結する連結部材と、
前記上板および前記下板の少なくとも一方の、前記2つの断熱材側の面に設けられ、前記2つの断熱材にそれぞれ1つ以上差し込まれる複数の突起とを備え、
前記上板は、貫通孔を有しており、
前記連結部材は、
前記下板と反対側から前記貫通孔に挿通され、
前記貫通孔の径よりも大きい径を有する頭部と、
前記頭部よりも前記下板側に位置し、前記貫通孔の径よりも小さい径を有し、前記下板にねじ込まれた状態で連結される軸部とを有し、
前記下板の前記上板と反対側の面に、前記下板と前記下地との間に隙間を形成するための凸部が設けられ、
前記軸部は、前記下板を貫通して、前記下板の前記上板と反対側まで延びていることを特徴とする断熱施工具。
【請求項8】
下地に四角板状の複数の断熱材を敷設して前記断熱材を防水シートで覆う断熱防水工法であって、
前記下地の上に、前記下地と反対側の面に複数の突起が設けられた下板を配置する下板配置工程と、
前記下板の上に、2つの前記断熱材の突き合わされた端部を配置すると共に、前記2つの断熱材にそれぞれ1つ以上前記突起を差し込む断熱材配置工程と、
前記2つの断熱材の突き合わされた前記端部の上に、上板を配置する上板配置工程と、
記下板と前記上板とを前記連結部材で連結する連結工程と、
前記複数の断熱材および前記上板の上に、前記防水シートを配置する防水シート配置工程とを有し、
前記上板は、貫通孔を有しており、
前記連結部材は、
前記貫通孔の径よりも大きい径を有する頭部と、
前記貫通孔の径よりも小さい径を有する軸部と、を有し、
前記下板配置工程において、
前記下地側の面に凸部が設けられた前記下板を、前記下地上に配置することによって、前記下板と前記下地との間に隙間を形成し、
前記連結工程において、
前記連結部材を、前記軸部が前記頭部よりも前記下板側となるような向きで、前記下板と反対側から前記貫通孔に挿通し、前記軸部が前記下板を貫通して前記下板と前記下地との間の隙間に達するように、前記軸部を前記下板にねじ込んで、前記下板と前記上板とを連結することを特徴とする断熱防水工法。
【請求項9】
前記断熱材配置工程において、前記下板の上に、境界が十字状をなすように配置された4つの前記断熱材の突き合わされた角部を配置すると共に、前記4つの断熱材にそれぞれ1つ以上前記突起を差し込み、
前記上板配置工程において、前記4つの断熱材の突き合わされた角部の上に、前記上板を配置し、
前記連結工程において、前記4つの断熱材の突き合わされた前記角部の間に、前記連結部材を配置することを特徴とする請求項に記載の断熱防水工法。
【請求項10】
前記断熱材配置工程において、前記断熱材の接着剤が塗布された面を前記下地に押し付けて前記断熱材を前記下地に接着することを特徴とする請求項8または9に記載の断熱防水工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物などの下地の上に敷設される複数の断熱材とさらにその上に敷設される防水シートを有する断熱防水構造、この断熱防水構造に用いられる断熱施工具、および、断熱防水構造を敷設するための断熱防水工法に関する。
【背景技術】
【0002】
ビルなどの屋上の断熱防水構造において、断熱材として発泡材が用いられている。発泡材には、ポリエチレンなどの軟質発泡材と、ポリスチレンやポリウレタンなどの硬質発泡材があるが、屋上などでの断熱防水構造の場合は、断熱材上に敷設された防水シート上を歩行できることが求められるため、硬質発泡材が用いられる。従来、ポリスチレンやポリウレタンなどの硬質発泡材の断熱材は、アンカー部材を用いて下地に固定されていた。具体的には、断熱材を貫通させたアンカー部材を下地に打ち込むことによって、機械的に(物理的に)断熱材を下地に固定していた。
【0003】
しかし、このような機械的固定手段では、下地となるコンクリートにドリルで穴を開ける作業があるため、必然的に騒音と振動が発生してしまう。改修作業などの場合は建物内に人が暮らしているため、大きな問題となる。
【0004】
また、通常、下地に敷設する断熱材は、下地の面積に合った枚数を用意して、隙間ができないように敷き詰めて使用するが、下地には不陸のある場合がほとんどである。しかし、断熱材として硬質発泡材を用いると、不陸のある下地に複数の断熱材を配置したとき、隣り合う断熱材同士に段差が生じてしまう。下地に配置した断熱材同士に段差があると、その上に防水シートを敷設した際に、隣り合う断熱材同士の段差が防水シートの表面に現れてしまい、外観が悪くなる。
【0005】
特許文献1では、下地の不陸に起因して防水シートの表面に段差が現れるのを防止するために、隣り合う2つの断熱材をまたがるようにスロープ部材を配置して、そのスロープ部材と断熱材の上に防水シートを敷設している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−228417号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1の断熱防水構造では、防水シートの表面の段差は改善されるものの、断熱材の下地への固定についてはアンカー部材を打ち込む従来の固定方法のままであるため、施工時の騒音、振動の問題は解決されていない。
【0008】
そこで、本発明は、下地に穴を開けることなく施工でき、且つ、下地に不陸があっても、防水シートの表面に段差が生じるのを抑制できる断熱防水構造、およびその断熱防水構造に用いられる断熱施工具、およびその断熱防水構造を施工する断熱防水工法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の断熱防水構造は、下地に配置される四角板状の複数の断熱材と、前記複数の断熱材を、突き合わされた端部において連結する複数の断熱施工具と、前記複数の断熱材および前記複数の断熱施工具の上に配置される防水シートとを備え、前記断熱施工具は、隣り合った2つの前記断熱材の突き合わされた端部と前記下地との間に配置される下板と、前記2つの断熱材の突き合わされた前記端部の上に配置される上板と、前記下板と前記上板を連結する連結部材と、前記上板および前記下板の少なくとも一方の、前記2つの断熱材側の面に設けられ、前記2つの断熱材にそれぞれ1つ以上差し込まれる複数の突起とを備え、前記上板は、貫通孔を有しており、前記連結部材は、前記下板と反対側から前記貫通孔に挿通され、前記貫通孔の径よりも大きい径を有する頭部と、前記頭部よりも前記下板側に位置し、前記貫通孔の径よりも小さい径を有し、前記下板にねじ込まれた状態で連結される軸部とを有し、前記下板の前記下地側の面に凸部が設けられていることによって、前記下板と前記下地との間に隙間が形成され、前記軸部は、前記下板を貫通して、前記下板と前記下地との間の隙間まで延びていることを特徴とする。
【0010】
この構成によると、断熱施工具の上板と下板は、隣り合った2つの断熱材の突き合わされた端部を挟むように配置される。さらに、上板および下板の少なくとも一方には、複数の突起が設けられ、この複数の突起は、上板と下板の間に配置された2つの断熱材にそれぞれ1つ以上差し込まれる。よって、下板または/および上板と、複数の突起とによって、隣り合った2つの断熱材は連結される。このようにして複数の断熱材は一体化されるため、断熱材を下地に固定しなくても、断熱材の位置ずれを防止できる。よって、下地に穴を開けることなく、断熱防水構造を施工できる。
また、上板は、隣り合った2つの断熱材の突き合わされた端部の上に配置される。そのため、下地に不陸があっても、防水シートのうち上板の上に配置された部分には段差が生じない。さらに、隣り合った2つの断熱材の突き合わされた端部は、連結部材で連結された上板と下板によって挟まれる。そのため、下地に不陸があっても、上板と下板の間において、隣り合う断熱材の突き合わされた端部同士の段差を軽減できる。それにより、隣り合う断熱材の突き合わされた端部の一部が上板で覆われていなくても、その部分に段差が生じるのを抑制できる。したがって、防水シートの表面に段差が生じるのを抑制できる。
また、この構成によると、下板と断熱材と上板を重ねた状態で下地に配置した後、連結部材の軸部を上板の貫通孔に挿入して、連結部材の軸部の先端部を下板にねじ込むことで、上板と下板を連結部材によって連結できる。このように簡易に、上板と下板とを連結部材によって連結できるため、施工手間を軽減できる。
また、下板を軸部に対して固定する観点からは、軸部が、下板を貫通していることが好ましい。しかしながら、下地の、下板と重なる部分の表面が平坦な場合には、下板と下地との間の隙間が小さい。そのため、断熱施工具を、軸部が下板を貫通するように構成しようとしても、軸部が下地に接触してしまい、軸部が下板を貫通しない虞がある。これに対して、本発明では、下板の下地側の面に凸部が設けられているため、下地の下板と重なる部分の表面が平坦な場合にも、下板と下地との間の軸部と重なる部分に隙間が形成される。これにより、断熱施工具を、軸部が下板を貫通するように構成することができる。
【0011】
本発明の断熱防水構造において、前記複数の突起は、前記下板に設けられることが好ましい。
【0012】
上板を断熱材の上に配置する前、下地に配置された下板の上に断熱材が配置される。このとき、下板に設けられた突起が断熱材に差し込まれているため、下板の断熱材に対する位置ずれを防止できる。したがって、施工が行いやすい。
【0013】
本発明の断熱防水構造において、前記連結部材は、前記2つの断熱材の突き合わされた前記端部の間に配置されることが好ましい。
【0014】
この構成によると、下板と上板とを連結する連結部材が1つであっても、隣り合う2つの断熱材に均等に力がかかるように上板と下板の間で2つの断熱材を挟むことができる。連結部材の数が少なくて済むため、施工手間をより軽減できる。
【0015】
本発明の断熱防水構造において、前記断熱施工具が、境界が十字状をなすように配置された4つの前記断熱材を連結し、前記下板および前記上板の間に、境界が十字状をなすように配置された4つの前記断熱材の突き合わされた角部が配置され、前記連結部材は、前記4つの断熱材の突き合わされた前記角部の間に配置され、前記複数の突起は、前記4つの断熱材にそれぞれ1つ以上差し込まれることが好ましい。
【0016】
この構成によると、1つの断熱施工具によって4つの断熱材を連結することができる。少ない数の断熱施工具によって複数の断熱材を連結できるため、施工手間を軽減できる。
また、上板と下板を連結する連結部材は、4つの断熱材の突き合わされた角部の間に配置される。そのため、下板と上板とを連結する連結部材が1つであっても、4つの断熱材に均等に力がかかるように上板と下板との間で4つの断熱材を挟むことができる。連結部材の数が少なくて済むため、施工手間をより軽減できる。
【0021】
本発明の断熱防水構造において、前記下板の前記下地側の面に、複数の前記凸部が設けられ、複数の前記凸部が前記軸部を取り囲むように配置されていることが好ましい。
【0022】
この構成によると、軸部が複数の凸部に取り囲まれていることにより、下板と下地との間の軸部と重なる部分に、確実に隙間を形成することができる。
【0023】
本発明の断熱防水構造において、前記断熱材は、接着剤によって前記下地に接着されていることが好ましい。
【0024】
この構成によると、断熱材が接着剤によって下地に接着されるため、断熱材の位置ずれをより確実に防止できる。
【0025】
本発明の断熱施工具は、下地に四角板状の複数の断熱材を敷設する際に、前記複数の断熱材を、突き合わされた端部において連結するために使用され、隣り合った2つの前記断熱材の突き合わされた端部と前記下地との間に配置される下板と、前記2つの断熱材の突き合わされた前記端部の上に配置される上板と、前記下板と前記上板とを連結する連結部材と、前記上板および前記下板の少なくとも一方の、前記2つの断熱材側の面に設けられ、前記2つの断熱材にそれぞれ1つ以上差し込まれる複数の突起とを備え、前記上板は、貫通孔を有しており、前記連結部材は、前記下板と反対側から前記貫通孔に挿通され、前記貫通孔の径よりも大きい径を有する頭部と、前記頭部よりも前記下板側に位置し、前記貫通孔の径よりも小さい径を有し、前記下板にねじ込まれた状態で連結される軸部とを有し、前記下板の前記上板と反対側の面に、前記下板と前記下地との間に隙間を形成するための凸部が設けられ、前記軸部は、前記下板を貫通して、前記下板の前記上板と反対側まで延びていることを特徴とする。
【0026】
この構成によると、断熱施工具の上板と下板は、隣り合った2つの断熱材の突き合わされた端部を挟むように配置される。さらに、上板および下板の少なくとも一方には、複数の突起が設けられ、この複数の突起は、上板と下板の間に配置された2つの断熱材にそれぞれ1つ以上差し込まれる。よって、下板または/および上板と、複数の突起とによって、隣り合った2つの断熱材は連結される。このようにして複数の断熱材は一体化されるため、断熱材を下地に固定しなくても、断熱材の位置ずれを防止できる。よって、下地に穴を開けることなく、断熱防水構造を施工できる。
また、上板は、隣り合った2つの断熱材の突き合わされた端部の上に配置される。そのため、下地に不陸があっても、防水シートのうち上板の上に配置された部分には段差が生じない。さらに、隣り合った2つの断熱材の突き合わされた端部は、連結部材で連結された上板と下板によって挟まれる。そのため、下地に不陸があっても、上板と下板の間において、隣り合う断熱材の突き合わされた端部同士の段差を軽減できる。それにより、隣り合う断熱材の突き合わされた端部の一部が上板で覆われていなくても、その部分に段差が生じるのを抑制できる。したがって、防水シートの表面に段差が生じるのを抑制できる。
【0027】
本発明の断熱防水工法は、下地に四角板状の複数の断熱材を敷設して前記断熱材を防水シートで覆う断熱防水工法であって、前記下地の上に、前記下地と反対側の面に複数の突起が設けられた下板を配置する下板配置工程と、前記下板の上に、2つの前記断熱材の突き合わされた端部を配置すると共に、前記2つの断熱材にそれぞれ1つ以上前記突起を差し込む断熱材配置工程と、前記2つの断熱材の突き合わされた前記端部の上に、上板を配置する上板配置工程と、記下板と前記上板とを前記連結部材で連結する連結工程と、前記複数の断熱材および前記上板の上に、前記防水シートを配置する防水シート配置工程とを有し、前記上板は、貫通孔を有しており、前記連結部材は、前記貫通孔の径よりも大きい径を有する頭部と、前記貫通孔の径よりも小さい径を有する軸部と、を有し、前記下板配置工程において、前記下地側の面に凸部が設けられた前記下板を、前記下地上に配置することによって、前記下板と前記下地との間に隙間を形成し、前記連結工程において、前記連結部材を、前記軸部が前記頭部よりも前記下板側となるような向きで、前記下板と反対側から前記貫通孔に挿通し、前記軸部が前記下板を貫通して前記下板と前記下地との間の隙間に達するように、前記軸部を前記下板にねじ込んで、前記下板と前記上板とを連結することを特徴とする。
【0028】
この構成によると、下板は、隣り合った2つの断熱材の突き合わされた端部の下方に配置される。さらに、下板には、複数の突起が設けられ、この複数の突起は、下板の上に配置された2つの断熱材にそれぞれ1つ以上差し込まれる。よって、下板と複数の突起とによって、隣り合った2つの断熱材が連結される。このようにして複数の断熱材は一体化されるため、断熱材を下地に固定しなくても、断熱材の位置ずれを防止できる。よって、下地に穴を開けることなく、断熱防水構造を施工できる。
また、上板は、隣り合った2つの断熱材の突き合わされた端部の上に配置される。そのため、下地に不陸があっても、防水シートのうち上板の上に配置された部分には段差が生じない。さらに、隣り合った2つの断熱材の突き合わされた端部は、連結部材で連結された上板と下板によって挟まれる。そのため、下地に不陸があっても、上板と下板の間において、隣り合う断熱材の突き合わされた端部同士の段差を軽減できる。それにより、隣り合う断熱材の突き合わされた端部の一部が上板で覆われていなくても、その部分に段差が生じるのを抑制できる。したがって、防水シートの表面に段差が生じるのを抑制できる。
【0029】
本発明の断熱防水工法は、前記断熱材配置工程において、前記下板の上に、境界が十字状をなすように配置された4つの前記断熱材の突き合わされた角部を配置すると共に、前記4つの断熱材にそれぞれ1つ以上前記突起を差し込み、前記上板配置工程において、前記4つの断熱材の突き合わされた角部の上に、前記上板を配置し、前記連結工程において、前記4つの断熱材の突き合わされた前記角部の間に、前記連結部材を配置することが好ましい。
【0030】
この構成によると、1つの下板とそれに設けられる複数の突起によって、4つの断熱材を連結することができる。少ない数の施工具によって複数の断熱材を連結できるため、施工手間を軽減できる。
また、上板と下板を連結する連結部材は、4つの断熱材の突き合わされた角部の間に配置される。そのため、下板と上板とを連結する連結部材が1つであっても、4つの断熱材に均等に力がかかるように上板と下板との間で4つの断熱材を挟むことができる。連結部材の数が少なくて済むため、施工手間をより軽減できる。
【0031】
本発明の断熱防水工法は、前記断熱材配置工程において、前記断熱材の接着剤が塗布された面を前記下地に押し付けて前記断熱材を前記下地に接着することが好ましい。
【0032】
この構成によると、断熱材が接着剤によって下地に接着されるため、断熱材の位置ずれをより確実に防止できる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によると、複数の断熱材を連結することで、断熱材の位置ずれを防止できるため、下地に穴を開けることがない。また、複数の断熱材を、突き合わされた端部において連結するため、下地に不陸があっても、この端部同士の段差を抑制できる。よって、防水シートの表面に段差が生じるのを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明の第1実施形態に係る断熱防水構造の断面図である。
図2図1に示す断熱防水構造の防水シートを敷設する前の状態を示す平面図である。
図3】本発明の第2実施形態に係る断熱防水構造の断面図である。
図4図3に示す断熱紡糸構造の防水シートを敷設する前の状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態の断熱防水構造1の断面図である。断熱防水構造1は、例えば、ビルの屋上などの下地100に設けられる。下地100は、例えばコンクリートからなる。図1に示すように、下地100の表面には不陸がある(凹凸がある)場合がある。断熱防水構造1は、複数の断熱材2と、複数の断熱施工具3と、防水シート8とを有する。
【0036】
複数の断熱材2は、下地100の上に敷設される。図2に示すように、断熱材2は、四角板状(平面視が四角形状の板状)である。なお、図2は、図1の断熱防水構造1の防水シート8を敷設する前の状態を示す平面図である。複数の断熱材2は、境界が格子状となるように配置される。断熱材2の短辺の長さは、例えば500〜1000mmであって、その場合、長辺の長さは例えば800〜1300mmである。なお、断熱材2は正方形であってもよい。断熱材2の厚みは、例えば20〜200mmである。断熱材2の材質は、例えば、硬質ポリウレタンフォーム、硬質ポリスチレンフォーム、フェノールフォーム等である。フェノールフォームは、硬質ポリウレタンフォームおよび硬質ポリスチレンフォームよりも断熱性能に優れている。多くのプラスチックが、熱を受けると溶けるのに対して、フェノール樹脂は熱に強く、熱で硬化する。硬質ポリウレタンフォームは、独立した微細な気泡の中に熱伝導率が極めて小さいガスが閉じ込めた構造となっているため、硬質ポリスチレンフォームよりも高い断熱性能を有する。断熱材2の材質の断熱性能が高いほど、断熱材2の厚みを薄くできる。断熱材2は、第1接着剤(図示せず)によって下地100に接着されていることが好ましい。第1接着剤としては、例えば、ポリウレタン系接着剤や、変性シリコン系接着剤などの有機溶剤を使用しない接着剤が用いられる。
【0037】
複数の断熱施工具3は、複数の断熱材2を突き合わされた端部において連結する。より詳細には、各断熱施工具3は、境界が十字状をなすように配置された4つの断熱材2を連結する。複数の断熱材2の境界が交差する位置全てに、断熱施工具3は配置されることが好ましい。各断熱施工具3は、下板4と、複数の突起5と、上板6と、連結部材7とを有する。断熱施工具3は、硬質塩化ビニル、アクリル、ポリカーボネート、ポリプロピレン等の合成樹脂、または、鉄、亜鉛鋼、ステンレス等の金属で形成されている。
【0038】
下板4は、隣り合った2つの断熱材2の突き合わされた端部と下地100との間に配置される。より詳細には、下板4は、境界が十字状をなすように配置された4つの断熱材2の突き合わされた角部と下地100との間に配置される。下板4の厚みは、例えば2〜5mmである。下板4は、平面視で正方形状であって、一辺の長さが例えば100〜200mmである。なお、下板4の形状は、長方形状や円形状など正方形状以外の形状であってもよい。
【0039】
図1に示すように、複数の突起5は、下板4に設けられる。図2に示すように、突起5は、1つの下板4に4つ設けられている。4つの突起5は、正方形の4つの頂点に位置するように配置されている。突起5の先端は先細り状に尖っている。4つの突起5は、境界が十字状をなすように配置された4つの断熱材2の角部に、それぞれ差し込まれている。よって、この4つの断熱材2は、1つの下板4および4つの突起5を介して連結されている。突起5は、断熱材2を貫通しない。つまり、突起5の長さは、断熱材2の厚みよりも短い。断熱材2の厚みが上述した厚みの場合、突起5の長さは例えば15〜30mmである。突起5の径は、例えば8〜12mmである。突起5は、下板4と同じ材料で形成されていることが好ましい。
【0040】
上板6は、隣り合った2つの断熱材2の突き合わされた端部の上に配置される。より詳細には、上板6は、上板6と下板4との間に、境界が十字状をなすように配置された4つの断熱材2の突き合わされた角部が挟まれるように配置される。上板6の中央部には、貫通孔6aが形成されている。上板6は、平面視で円形状であって、その径は例えば65〜100mmである。なお、上板6の形状は、正方形状または長方形状など円形状以外の形状であってもよい。
【0041】
連結部材7は、下板4と上板6を連結する。連結部材7は、隣り合う2つ断熱材2の突き合わされた端部の間に配置される。より詳細には、連結部材7は、境界が十字状をなすように配置された4つの断熱材2の突き合わされた角部の間に配置される。連結部材7は、ねじである。連結部材7は、頭部7aと、ネジ溝が形成された軸部7bとを有する。頭部7aの径は、上板6の貫通孔6aの最小径よりも大きい。軸部7bの径は、上板6の貫通孔6aの最小径よりも小さい。連結部材7は、上板6の貫通孔6aに上方から挿通される。連結部材7の頭部7aは、上板6に係止される。連結部材7の軸部7bは、下板4にねじ込まれた状態で下板4に連結される。連結部材7の軸部7bは、下板4を貫通していることが好ましいが、貫通していなくてもよい。連結部材7は、下地100には打ち込まれない。連結部材7は、いわゆるタッピングビスであってもよく、軸部7bの先端部がドリル状に形成された、いわゆるセルフドリルビスであってもよい。下板4には、予め下穴が形成されていてもよいが、連結部材7がタッピングビスの場合、連結部材7は、下穴を開けずに下板4を貫通できる。連結部材7を下板4にねじ込むことで、下板4にネジ山が形成されるので、下板4に連結部材7をネジ締め固定できる。連結部材7の軸部7bの径は、例えば3〜8mmである。連結部材7の軸部7bの長手方向長さは、断熱材2の厚み以上である。断熱材2の厚みが上述した厚みの場合、連結部材7の軸部7bの長手方向長さは、例えば20〜210mmである。軸部7bが下板4を貫通する場合、軸部7bは下板4の下面から少なくとも1mm以上突出していることが好ましく、5mm程度突出していることがより好ましい。
【0042】
図1に示すように、防水シート8は、複数の断熱材2および複数の上板6の上に敷設される。防水シート8は可撓性を有する。防水シート8の材質は、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエン共重合体)、IIR(ブチルゴム)、NR(天然ゴム)、SBR(スチレン・ブタジエンゴム)、CR(クロロプレンゴム)、NBR(アクリロニトリル・ブタジエンゴム)、HNBR(水素化アクリロニトリル・ブタジエンゴム)、CSM(クロロスルフォン化ポリエチレン)等のゴムであってもよく、熱可塑性エラストマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂であってもよい。施工場所の面積にもよるが、防水シート8は、一体成形された1枚のシートであってもよく、一体成形された複数枚のシートを接着したものであってもよい。防水シート8の厚みは、1.0〜2.5mmが好ましい。厚みが1.0mm未満であると強度が不足して防水シート8が容易に破断することがある。一方、厚みが2.5mmを越えるとシートを連結した際の接合部において段差が大きくなってしまい外観を悪くすることにもなるので好ましくない。また、防水シート8は、上述したゴムまたは合成樹脂からなるシートに、ガラス繊維やポリエステル繊維などからなる補強布を埋設して機械的強度を向上させたり寸法安定性を向上させたりしたものを用いてもよい。防水シート8は、第2接着剤(図示せず)によって断熱材2に接着されている。第2接着剤としては、例えばクロロプレンゴム、ブチルゴム等を含む接着剤が用いられる。断熱材2がポリスチレンフォーム以外の場合には、第2接着剤には、溶媒として無機溶剤を用いた溶剤系接着剤を使用できる。また、断熱材2の材質に関わらず、第2接着剤には、溶媒に水を用いた水性接着剤、または、溶剤を使用せずに化学反応によって硬化させる無溶剤系接着剤を使用できる。
【0043】
次に、断熱防水構造を敷設する断熱防水工法について説明する。
【0044】
(下板配置工程)
まず、下地100に配置される複数の断熱材2のレイアウトを決める。そして、下地100において、4つの断熱材2の角部が突き合わされて配置される位置に、下板4を仮配置する。
【0045】
(断熱材配置工程)
断熱材2に第1接着剤を部分的に塗布する。下地100の不陸が大きい場合には、下地100の凹部に第1接着剤を塗布するか、もしくは、断熱材2のこの凹部上に配置される部分に第1接着剤を多めに塗布する。次に、1つの下板4に設けられた4つの突起5を、4つの断熱材2の角部にそれぞれ差し込むと共に、この4つの断熱材2の角部を1つの下板4の上に配置する。そして、断熱材2を下地100に押し付けて、下地100に接着する。
【0046】
(上板配置工程)
次に、4つの断熱材2の突き合わされた角部の上に、上板6を配置する。
【0047】
(連結工程)
続いて、連結部材7を、上板6の貫通孔6a、および、4つの断熱材2の突き合わされた角部の間に挿入する。そして、連結部材7をドライバーによって下板4にねじ込んで下板4に連結する。
【0048】
同様の手順で、残りの断熱材2と断熱施工具3を配置する。なお、全ての下板4と全ての断熱材2を下地100に配置した後、上板6と連結部材7を配置してもよい。
【0049】
(防水シート配置工程)
次に、複数の断熱材2の上面全体および複数の上板6の上面に、第2接着剤をローラー刷毛、手刷毛等を用いて塗布する。続いて、複数の断熱材2および複数の上板6の上に、防水シート8を配置して、転圧接着する。
【0050】
以上、第1実施形態の断熱防水構造1、断熱施工具3、および断熱防水工法について説明した。
第1実施形態によると、断熱施工具3の上板6と下板4は、隣り合った2つの断熱材2の突き合わされた端部を挟むように配置される。さらに、上板6および下板4の少なくとも一方には、複数の突起5が設けられ、この複数の突起5は、上板6と下板4の間に配置された2つの断熱材2にそれぞれ1つ以上差し込まれる。よって、下板4または/および上板6と、複数の突起5とによって、隣り合った2つの断熱材2は連結される。このようにして複数の断熱材2は一体化されるため、断熱材2を下地100に固定しなくても、断熱材2の位置ずれを防止できる。よって、下地100に穴を開けることなく、断熱防水構造を施工できる。
【0051】
また、上板6は、隣り合った2つの断熱材2の突き合わされた端部の上に配置される。そのため、下地100に不陸があっても、防水シート8のうち上板6の上に配置された部分には段差が生じない。さらに、隣り合った2つの断熱材2の突き合わされた端部は、連結部材7で連結された上板6と下板4によって挟まれる。そのため、下地100に不陸があっても、上板6と下板4の間において、隣り合う断熱材2の突き合わされた端部同士の段差を軽減できる。それにより、隣り合う断熱材2の突き合わされた端部の一部が上板6で覆われていなくても、その部分に段差が生じるのを抑制できる。したがって、防水シート8の表面に段差が生じるのを抑制できる。
【0052】
上板6を断熱材2の上に配置する前、下地100に配置された下板4の上に断熱材2が配置される。下板4には複数の突起5が設けられる。よって、このとき、下板4に設けられた突起5が断熱材2に差し込まれているため、下板4の断熱材2に対する位置ずれを防止できる。したがって、施工が行いやすい。
【0053】
断熱施工具3は、境界が十字状をなすように配置された4つの断熱材2を連結する。1つの断熱施工具3によって4つの断熱材2を連結することができる。少ない数の断熱施工具3によって複数の断熱材2を連結できるため、施工手間を軽減できる。
【0054】
上板6と下板4を連結する連結部材7は、2つの断熱材2の突き合わされた端部の間に配置される。そのため、下板4と上板6とを連結する連結部材7が1つであっても、隣り合う2つの断熱材2に均等に力がかかるように上板6と下板4との間で2つの断熱材2を挟むことができる。
より詳細には、上板6と下板4を連結する連結部材7は、4つの断熱材2の突き合わされた角部の間に配置される。そのため、下板4と上板6とを連結する連結部材7が1つであっても、4つの断熱材2に均等に力がかかるように上板6と下板4との間で4つの断熱材2を挟むことができる。連結部材7の数が少なくて済むため、施工手間をより軽減できる。
【0055】
上板6は、貫通孔6aを有しており、連結部材7は、貫通孔6aの径よりも大きい径を有する頭部7aと、貫通孔6aの径よりも小さい径を有し、下板4にねじ込まれた状態で連結される軸部7bとを有する。この構成によると、下板4と断熱材2と上板6を重ねた状態で下地100に配置した後、連結部材7の軸部7bを上板6の貫通孔6aに挿入して、連結部材7の軸部7bの先端部を下板4にねじ込むことで、上板6と下板4を連結部材7によって連結できる。このように簡易に、上板6と下板4とを連結部材7によって連結できるため、施工手間を軽減できる。
【0056】
断熱材2は、第1接着剤によって下地100に接着される。そのため、断熱材2の位置ずれをより確実に防止できる。
【0057】
[第2実施形態]
次に、本発明の好適な第2実施形態について説明する。ただし、第2実施形態では、断熱防水構造を形成する断熱施工具の構造が第1実施形態と異なるだけであるので、以下では、主に、第1実施形態と異なる部分について説明する。
【0058】
図3図4に示すように、第2実施形態に係る断熱防水構造201は、第1実施形態の下地100よりも不陸が小さい(表面の凹凸の小さい)平坦な下地200に設けられている。また、断熱防水構造201では、断熱施工具202の構造が、第1実施形態の断熱施工具3と異なる。具体的には、断熱施工具202は、断熱施工具3と同様の構造を有しているのに加えて、下板4の下面(下地200側の面)に、4つの凸部203が設けられている。
【0059】
4つの凸部203は、上下方向から見て径が突起5よりも若干大きい(例えば2〜3mmm程度)略円形であり、下板4の下面から下方に1〜3mm程度突出している。また、4つの凸部203は、下板4の下面の突起5と上下方向に重なる部分に配置されており、これにより、4つの凸部203は、上下方向から見て軸部7bを取り囲んでいる。ここで、凸部203は、下板4と一体的に形成されたものであってもよいし、下板4と別の部材が下板4の下面に接合されることによって形成されたものであってもよい。
【0060】
下板4を軸部7bに対して確実に固定するためには、軸部7bが下板4を貫通していることが好ましい。しかし、表面が平坦な下地200に断熱防水構造201を設ける場合に、第2実施形態と異なり、下板4の下面に凸部203が設けられていないと、下板4と下地200との間の隙間が小さくなる。そのため、断熱施工具202を、軸部7bが下板4を貫通するように構成しようとしても、軸部7bの下端が下地200に接触してしまい、軸部7bが下板4を貫通しない虞がある。
【0061】
これに対して、第2実施形態では、下板4の下面に4つの凸部203が設けられている。そのため、下地200の表面が平坦であっても、下板4と下地200との間の軸部7bと重なる部分に隙間が形成される。これにより、断熱施工具202を、軸部7bが下板4を貫通するように構成することができる。
【0062】
また、第2実施形態では、4つの凸部203が、下板4の下面の、上下方向から見て突起5と重なる部分に設けられており、上下方向から見て軸部7bを取り囲むように配置されている。これにより、確実に、下板4と下地200との間の軸部7bと重なる部分に隙間を形成することができる。
【0063】
また、第2実施形態では、便宜上、下地200の表面全体が平坦であるとして説明を行ったが、これには限られない。下地の表面が比較的大きな凹凸を有する場合でも、下地のうち表面が比較的平坦な部分に、断熱施工具3(下板4)が配置される場合において、下板4の下面に凸部203が設けられていないと、軸部7bの下端が下地200に接触してしまい、軸部7bが下板4を貫通しない可能性はある。これに対して、下板4の下面に凸部203を設けることで、このような場合でも下板4と下地200との間の軸部7bと重なる部分に隙間を形成することができる。これにより、断熱施工具202を、軸部7bが下板4を貫通するように構成することができる。
【0064】
以上、本発明の好適な第1、第2実施形態について説明したが、本発明は第1、第2実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能である。
【0065】
本発明において、下板に予めネジ孔が形成されており、そのネジ孔に連結部材がねじ込まれて螺合されてもよい。
【0066】
第1、第2実施形態では、連結部材7は、上板6と別体である。しかし、本発明において、連結部材は、予め上板に固定されており、断熱防水構造の施工時に、下板に連結されてもよい。また、連結部材は、予め下板に固定されており、断熱防水構造の施工時に、上板に連結されてもよい。
【0067】
第1、第2実施形態では、下板4と上板6は、1つの連結部材7によって連結されている。しかし、本発明において、上板と下板が、複数の連結部材によって連結されてもよい。
【0068】
本発明において、連結部材は、突起を兼ねていてもよい。つまり、突起は、断熱材を貫通し、上板と下板に連結されてもよい。言い換えると、連結部材は、断熱材を貫通してもよい。
【0069】
第1、第2実施形態では、1つの断熱施工具3が有する複数の突起5は、1つの断熱材2に1本ずつ差し込まれている。しかし、本発明において、1つの断熱施工具が有する複数の突起は、1つの断熱材に2本以上ずつ差し込まれていてもよい。
【0070】
第1、第2実施形態では、複数の突起5は下板4に設けられている。しかし、本発明において、複数の突起は、上板に設けられていてもよく、上板と下板の両方に設けられていてもよい。
【0071】
第1、第2実施形態では、1つの断熱施工具3は、4つの断熱材2を連結する。しかし、本発明において、1つの断熱施工具は、隣り合った2つの断熱材だけを連結してもよい。
【0072】
第2実施形態では、4つの凸部203が、下板4の平面視で4つの突起5と重なる部分に設けられ、上下方向から見て軸部7bを取り囲むように配置される。しかし、本発明においては、凸部は、下板の下面の、上下方向から見て突起と重なる部分とは異なる部分に設けられていてもよい。また、本発明では、凸部の数は1〜3個、又は、5個以上であってもよい。また、本発明では、上下方向から見た凸部の形状は、例えば、楕円形状や多角形など、円形以外の形状であってもよい。
【0073】
本発明において、断熱材は、接着剤によって下地に接着されなくてもよい。
【符号の説明】
【0074】
1 断熱防水構造
2 断熱材
3 断熱施工具
4 下板
5 突起
6 上板
6a 貫通孔
7 連結部材
7a 頭部
7b 軸部
8 防水シート
201 断熱防水構造
202 断熱施工具
203 凸部
図1
図2
図3
図4