(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記電磁波吸収層が、鉄、コバルト及びニッケルよりなる群から選ばれる少なくとも1種の強磁性金属から構成される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電磁波シールドフィルム。
基板の少なくとも片面にプリント回路が設けられたプリント配線板と、請求項1〜8のいずれか一項に記載の電磁波シールドフィルムとを、絶縁フィルムを介して圧着する工程を有し、
圧着する際には、前記絶縁フィルムを、前記プリント配線板の前記プリント回路が設けられた側の面に密着させると共に、前記電磁波シールドフィルムの前記導電性接着剤層に密着させる、電磁波シールドフィルム付きプリント配線板の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の用語の定義は、本明細書及び特許請求の範囲にわたって適用される。
「等方導電性接着剤層」とは、厚さ方向及び面方向に導電性を有する導電性接着剤層を意味する。
「異方導電性接着剤層」とは、厚さ方向に導電性を有し、面方向に導電性を有しない導電性接着剤層を意味する。
「面方向に導電性を有しない導電性接着剤層」とは、表面抵抗が1×10
4Ω以上である導電性接着剤層を意味する。
粒子の平均粒子径は、粒子の顕微鏡像から30個の粒子を無作為に選び、それぞれの粒子について、最小径及び最大径を測定し、最小径と最大径との中央値を一粒子の粒子径とし、測定した30個の粒子の粒子径を算術平均して得た値である。導電性粒子の平均粒子径も同様である。
フィルム(離型フィルム、絶縁フィルム等)、塗膜(絶縁樹脂層、導電性接着剤層等)、電磁波遮蔽層及び電磁波吸収層等の厚さは、顕微鏡を用いて測定対象の断面を観察し、5箇所の厚さを測定し、平均した値である。
貯蔵弾性率は、測定対象に与えた応力と検出した歪から算出され、温度又は時間の関数として出力する動的粘弾性測定装置を用いて、粘弾性特性の一つとして測定される。
導電性粒子の10%圧縮強度は、微小圧縮試験機を用いた測定結果から、下記式(α)によって求める。
C(x)=2.48P/πd
2 (α)
ただし、C(x)は10%圧縮強度(MPa)であり、Pは粒子径の10%変位時の試験力(N)であり、dは粒子径(mm)である。
表面抵抗は、石英ガラス上に金を蒸着して形成した、2本の薄膜金属電極(長さ10mm、幅5mm、電極間距離10mm)を用い、この電極上に被測定物を置き、被測定物上から、被測定物の10mm×20mmの領域を0.049Nの荷重で押し付け、1mA以下の測定電流で測定される電極間の抵抗である。
図1〜
図8における寸法比は、説明の便宜上、実際のものとは異なったものである。
【0010】
<電磁波シールドフィルム>
本発明の第一態様は、絶縁樹脂層と、前記絶縁樹脂層に隣接する導電層とを有し、前記導電層が電磁波遮蔽層と電磁波吸収層と導電性接着剤層とを備える電磁波シールドフィルムである。
【0011】
図1は、第一実施形態の電磁波シールドフィルム1を示す断面図であり、
図2は、第二実施形態の電磁波シールドフィルム1を示す断面図であり、
図3は、第三実施形態の電磁波シールドフィルム1を示す断面図であり、
図4は、第四実施形態の電磁波シールドフィルム1を示す断面図であり、
図5は、第五実施形態の電磁波シールドフィルム1を示す断面図であり、
図6は、第六実施形態の電磁波シールドフィルム1を示す断面図である。
各実施形態の電磁波シールドフィルム1はいずれも、絶縁樹脂層10と、絶縁樹脂層10に隣接する導電層20と、絶縁樹脂層10の導電層20とは反対側に隣接するキャリアフィルム30と、導電層20の絶縁樹脂層10とは反対側に隣接する離型フィルム40とを有する。
第一実施形態の電磁波シールドフィルム1は、導電層20が、絶縁樹脂層10に隣接する電磁波遮蔽層22と、離型フィルム40に隣接する異方導電性接着剤層24と、異方導電性接着剤層24の離型フィルム40とは反対側に設けられた電磁波吸収層25と、電磁波遮蔽層22及び電磁波吸収層25の間に設けられた異方導電性接着剤層27とを備える。
第二実施形態の電磁波シールドフィルム1は、導電層20が、絶縁樹脂層10に隣接する電磁波遮蔽層22と、離型フィルム40に隣接する等方導電性接着剤層26と、等方導電性接着剤層26の離型フィルム40とは反対側に設けられた電磁波吸収層25と、電磁波遮蔽層22及び電磁波吸収層25の間に設けられた等方導電性接着剤層28とを備える。
第三実施形態の電磁波シールドフィルム1は、導電層20が、絶縁樹脂層10に隣接する電磁波遮蔽層22と、離型フィルム40に隣接する異方導電性接着剤層24と、異方導電性接着剤層24の離型フィルム40とは反対側に設けられた電磁波吸収層25と、電磁波遮蔽層22及び電磁波吸収層25の間に設けられた非導電性接着剤層29とを備える。
第四実施形態の電磁波シールドフィルム1は、導電層20が、絶縁樹脂層10に隣接する電磁波遮蔽層22と、離型フィルム40に隣接する等方導電性接着剤層26と、等方導電性接着剤層26の離型フィルム40とは反対側に設けられた電磁波吸収層25と、電磁波遮蔽層22及び電磁波吸収層25の間に設けられた非導電性接着剤層29とを備える。
第五実施形態の電磁波シールドフィルム1は、導電層20が、絶縁樹脂層10に隣接する電磁波遮蔽層22と、離型フィルム40に隣接する異方導電性接着剤層24と、異方導電性接着剤層24の離型フィルム40とは反対側に設けられ且つ電磁波遮蔽層22に接する電磁波吸収層25とを備える。
第六実施形態の電磁波シールドフィルム1は、導電層20が、絶縁樹脂層10に隣接する電磁波遮蔽層22と、離型フィルム40に隣接する等方導電性接着剤層26と、等方導電性接着剤層26の離型フィルム40とは反対側に設けられ且つ電磁波遮蔽層22に接する電磁波吸収層25とを備える。
【0012】
(絶縁樹脂層)
絶縁樹脂層10は、電磁波シールドフィルム1をフレキシブルプリント配線板の表面に設けられた絶縁フィルムの表面に貼着し、キャリアフィルム30を剥離した後には、導電層20の保護層となる。
【0013】
絶縁樹脂層10としては、熱硬化性樹脂と硬化剤とを含む塗料を塗布し、半硬化又は硬化させて形成された塗膜;熱可塑性樹脂を含む塗料を塗布して形成された塗膜;熱可塑性樹脂を含む組成物を溶融成形したフィルムからなる層等が挙げられる。ハンダ付け等の際の耐熱性の点から、熱硬化性樹脂と硬化剤とを含む塗料を塗布し、半硬化又は硬化させて形成された塗膜が好ましい。
【0014】
熱硬化性樹脂としては、アミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、合成ゴム、紫外線硬化アクリレート樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、耐熱性に優れる点から、アミド樹脂、エポキシ樹脂が好ましい。
硬化剤としては、熱硬化性樹脂の種類に応じた公知の硬化剤が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、芳香族ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンサルホン、ポリフェニレンサルフィド、ポリフェニレンサルフィドサルホン、ポリフェニレンサルフィドケトン等が挙げられる。
【0015】
絶縁樹脂層10は、プリント配線板のプリント回路を隠蔽したり、電磁波シールドフィルム付きプリント配線板に意匠性を付与したりするために、着色剤(顔料、染料等)及びフィラーのいずれか一方又は両方を含んでいてもよい。
着色剤及びフィラーのいずれか一方又は両方としては、耐候性、耐熱性、隠蔽性の点から、顔料又はフィラーが好ましく、プリント回路の隠蔽性、意匠性の点から、黒色顔料、又は黒色顔料と他の顔料もしくはフィラーとの組み合わせがより好ましい。 絶縁樹脂層10は、難燃剤を含んでいてもよい。
絶縁樹脂層10は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて他の成分を含んでいてもよい。
【0016】
絶縁樹脂層10の表面抵抗は、電気的絶縁性の点から、1×10
6Ω/□以上が好ましい。絶縁樹脂層10の表面抵抗は、実用上の点から、1×10
19Ω/□以下が好ましい。
絶縁樹脂層10の厚さは、0.1μm以上30μm以下が好ましく、0.5μm以上20μm以下がより好ましい。絶縁樹脂層10の厚さが前記範囲の下限値以上であれば、絶縁樹脂層10が保護層としての機能を十分に発揮できる。絶縁樹脂層10の厚さが前記範囲の上限値以下であれば、電磁波シールドフィルム1を薄くできる。
【0017】
(導電層)
導電層は、電磁波遮蔽層22と導電性接着剤層24と電磁波吸収層25とを少なくとも有する。
具体的には、上述したように、第一実施形態における導電層20は、絶縁樹脂層10に隣接する電磁波遮蔽層22と、離型フィルム40に隣接する異方導電性接着剤層24と、異方導電性接着剤層24の離型フィルム40とは反対側に設けられた電磁波吸収層25と、電磁波遮蔽層22及び電磁波吸収層25の間に設けられた異方導電性接着剤層27とを備える(
図1参照)。
第二実施形態における導電層20は、絶縁樹脂層10に隣接する電磁波遮蔽層22と、離型フィルム40に隣接する等方導電性接着剤層26と、等方導電性接着剤層26の離型フィルム40とは反対側に設けられた電磁波吸収層25と、電磁波遮蔽層22及び電磁波吸収層25の間に設けられた等方導電性接着剤層28とを備える(
図2参照)。すなわち、第二実施形態における導電層20は、第一実施形態における異方導電性接着剤層24,27を等方導電性接着剤層26,28に変更したこと以外は第一実施形態と同様である。
第三実施形態における導電層20は、絶縁樹脂層10に隣接する電磁波遮蔽層22と、離型フィルム40に隣接する異方導電性接着剤層24と、異方導電性接着剤層24の離型フィルム40とは反対側に設けられた電磁波吸収層25と、電磁波遮蔽層22及び電磁波吸収層25の間に設けられた非導電性接着剤層29とを備える(
図3参照)。
第四実施形態における導電層20は、絶縁樹脂層10に隣接する電磁波遮蔽層22と、離型フィルム40に隣接する等方導電性接着剤層26と、等方導電性接着剤層26の離型フィルム40とは反対側に設けられた電磁波吸収層25と、電磁波遮蔽層22及び電磁波吸収層25の間に設けられた非導電性接着剤層29とを備える(
図4参照)。すなわち、第四実施形態における導電層20は、第三実施形態における異方導電性接着剤層24を等方導電性接着剤層26に変更したこと以外は第三実施形態と同様である。
第五実施形態の電磁波シールドフィルム1は、導電層20が、絶縁樹脂層10に隣接する電磁波遮蔽層22と、離型フィルム40に隣接する異方導電性接着剤層24と、異方導電性接着剤層24の離型フィルム40とは反対側に設けられ且つ電磁波遮蔽層22に接する電磁波吸収層25とを備える(
図5参照)。第五実施形態では、電磁波遮蔽層22と電磁波吸収層25との間に接着剤層を有さない。
第六実施形態の電磁波シールドフィルム1は、導電層20が、絶縁樹脂層10に隣接する電磁波遮蔽層22と、離型フィルム40に隣接する等方導電性接着剤層26と、等方導電性接着剤層26の離型フィルム40とは反対側に設けられ且つ電磁波遮蔽層22に接する電磁波吸収層25とを備える(
図6参照)。すなわち、第六実施形態における導電層20は、第五実施形態における異方導電性接着剤層24を等方導電性接着剤層26に変更したこと以外は第五実施形態と同様である。
【0018】
[電磁波遮蔽層]
電磁波遮蔽層22は、表面抵抗が0.001Ω/□以上0.5Ω/□以下の金属層である。電磁波遮蔽層22は、面方向に広がるように形成され、前記表面抵抗を有することから、面方向に導電性を有し、電磁波遮蔽層等として機能する。
電磁波遮蔽層22の表面抵抗が前記下限値以上であれば、電磁波遮蔽層22を十分に薄くでき、電磁波遮蔽層22の表面抵抗が前記上限値以下であれば、電磁波シールド層として十分に機能できる。
電磁波遮蔽層22の表面抵抗は、0.005Ω/□以上0.4Ω/□以下であることが好ましく、0.05Ω/□以上0.3Ω/□以下であることがより好ましい。
【0019】
電磁波遮蔽層22としては、物理蒸着(真空蒸着、スパッタリング、イオンビーム蒸着、電子ビーム蒸着等)又は化学蒸着によって形成された蒸着膜、めっきによって形成されためっき膜、金属箔等が挙げられる。面方向の導電性に優れる点では、導電層20は、蒸着膜、めっき膜が好ましい。導電層20を薄くでき、かつ厚さが薄くても面方向の導電性に優れ、ドライプロセスにて簡便に形成できる点では、導電層20は蒸着膜がより好ましく、物理蒸着による蒸着膜がさらに好ましい。
【0020】
電磁波遮蔽層22を構成する金属としては、アルミニウム、銀、銅、金等が挙げられ、電気伝導度の点からは、銀又は銅が好ましい。
電磁波遮蔽層22のなかでも、電磁波遮蔽性が高く、しかも電磁波遮蔽層22を容易に形成しやすいことから、銀蒸着層又は銅蒸着層が好ましい。
【0021】
電磁波遮蔽層22の厚さは、0.01μm以上3μm以下が好ましく、0.05μm以上1μm以下がより好ましい。電磁波遮蔽層22の厚さが0.01μm以上であれば、面方向の導電性がさらに良好になる。電磁波遮蔽層22の厚さが前記下限値以上であれば、外部電磁波ノイズの遮蔽効果がさらに良好になる。電磁波遮蔽層22の厚さが前記範囲の上限値以下であれば、電磁波シールドフィルム1を薄くできる。また、電磁波シールドフィルム1の生産性、可とう性がよくなる。
【0022】
[異方導電性接着剤層]
異方導電性接着剤層24,27は、厚さ方向に導電性を有し、面方向には導電性を有さず、かつ、接着性を有する。
異方導電性接着剤層24,27は、導電性接着剤層を容易に薄くでき、後述する導電性粒子の量を少なくでき、その結果、電磁波シールドフィルム1を薄くでき、電磁波シールドフィルム1の可とう性が高くなる利点を有する。
【0023】
異方導電性接着剤層24,27としては、硬化後に耐熱性を発揮できる点から、熱硬化性の導電性接着剤層が好ましい。熱硬化性の異方導電性接着剤層24,27は、未硬化の状態であってもよく、Bステージ化された状態であってもよい。
熱硬化性の異方導電性接着剤層24は、例えば、熱硬化性接着剤24aと導電性粒子24bとを含む。熱硬化性の異方導電性接着剤層27は、例えば、熱硬化性接着剤27aと導電性粒子27bとを含む。熱硬化性の異方導電性接着剤層24,27は、必要に応じて難燃剤を含んでいてもよい。
異方導電性接着剤層24に含まれる熱硬化性接着剤24a及び導電性粒子24bと、異方導電性接着剤層27に含まれる熱硬化性接着剤27a及び導電性粒子27bとは同一の材質であってもよいし、異なる材質であってもよい。
【0024】
熱硬化性接着剤24a,27aとしては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、合成ゴム、紫外線硬化アクリレート樹脂等が挙げられる。耐熱性に優れる点から、エポキシ樹脂が好ましい。エポキシ樹脂は、可とう性付与のためのゴム成分(カルボキシ変性ニトリルゴム、アクリルゴム等)、粘着付与剤等を含んでいてもよい。
熱硬化性接着剤24a,27aは、異方導電性接着剤層24,27の強度を高め、打ち抜き特性を向上させるために、セルロース樹脂、ミクロフィブリル(ガラス繊維等)を含んでいてもよい。前記熱硬化性接着剤は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて他の成分を含んでいてもよい。
【0025】
導電性粒子24b,27bとしては、金属(銀、白金、金、銅、ニッケル、パラジウム、アルミニウム、ハンダ等)の粒子、黒鉛粉、焼成カーボン粒子、めっきされた焼成カーボン粒子等が挙げられる。導電性粒子24b,27bとしては、異方導電性接着剤層24,27がさらに適度の硬さを有するようになり、熱プレスの際の異方導電性接着剤層24,27における圧力損失をさらに低減できる点からは、金属粒子が好ましく、銅粒子がより好ましい。
【0026】
導電性粒子24b,27bの10%圧縮強度は、30MPa以上200MPa以下が好ましく、50MPa以上150MPa以下がより好ましく、70MPa以上100MPa以下がさらに好ましい。導電性粒子24b,27bの10%圧縮強度が前記範囲の下限値以上であれば、熱プレスの際に電磁波遮蔽層22にかけられた圧力を大きく損失することなく、異方導電性接着剤層24が絶縁フィルムの貫通孔を通ってプリント配線板のプリント回路により確実に電気的に接続される。導電性粒子24b,27bの10%圧縮強度が前記範囲の上限値以下であれば、電磁波吸収層25との接触がよくなり、電気的接続が確実になる。
【0027】
異方導電性接着剤層24,27における導電性粒子24b,27bの平均粒子径は、2μm以上26μm以下が好ましく、4μm以上16μm以下がより好ましい。導電性粒子24b,27bの平均粒子径が前記範囲の下限値以上であれば、異方導電性接着剤層24,27の厚さを確保することができ、十分な接着強度を得ることができる。導電性粒子24b,27bの平均粒子径が前記範囲の上限値以下であれば、異方導電性接着剤層24,27の流動性を確保でき、後述するように異方導電性接着剤層24を絶縁フィルムの貫通孔に押し込んだ際に絶縁フィルムの貫通孔内を導電性接着剤で十分に埋めることができる。
【0028】
異方導電性接着剤層24,27における導電性粒子24b,27bの割合は、異方導電性接着剤層24,27の100体積%のうち、1体積%以上30体積%以下が好ましく、2体積%以上15体積%以下がより好ましい。導電性粒子24b,27bの割合が前記範囲の下限値以上であれば、異方導電性接着剤層24,27の導電性が良好になる。導電性粒子24b,27bの割合が前記範囲の上限値以下であれば、異方導電性接着剤層24,27の接着性、流動性(絶縁フィルムの貫通孔の形状への追随性)が良好になる。また、電磁波シールドフィルム1の可とう性がよくなる。
【0029】
異方導電性接着剤層24,27の180℃における貯蔵弾性率は、1×10
3Pa以上5×10
7Pa以下が好ましく、5×10
3Pa以上1×10
7Pa以下がより好ましい。異方導電性接着剤層24,27の180℃における貯蔵弾性率が前記範囲の下限値以上であれば、異方導電性接着剤層24,27がさらに適度の硬さを有するようになり、熱プレスの際の異方導電性接着剤層24,27における圧力損失を低減できる。その結果、導電性接着剤層24とプリント配線板のプリント回路とが十分に接着され、異方導電性接着剤層24が絶縁フィルムの貫通孔を通ってプリント配線板のプリント回路により確実に電気的に接続される。異方導電性接着剤層24,27の180℃における貯蔵弾性率が前記範囲の上限値以下であれば、電磁波シールドフィルム1の可とう性がよくなる。その結果、電磁波シールドフィルム1が絶縁フィルムの貫通孔内に沈み込みやすくなり、異方導電性接着剤層24が絶縁フィルムの貫通孔を通ってプリント配線板のプリント回路により確実に電気的に接続される。
【0030】
異方導電性接着剤層24,27の表面抵抗は、1×10
4Ω/□以上1×10
16Ω/□以下が好ましく、1×10
6Ω/□以上1×10
14Ω以下/□がより好ましい。異方導電性接着剤層24,27の表面抵抗が前記範囲の下限値以上であれば、導電性粒子の含有量が低く抑えられる。異方導電性接着剤層24,27の表面抵抗が前記範囲の上限値以下であれば、実用上、異方性に問題がない。
【0031】
異方導電性接着剤層24の厚さは、3μm以上25μm以下が好ましく、5μm以上15μm以下がより好ましい。異方導電性接着剤層24の厚さが前記範囲の下限値以上であれば、異方導電性接着剤層24の流動性(絶縁フィルムの貫通孔の形状への追随性)を確保でき、絶縁フィルムの貫通孔内を導電性接着剤で十分に埋めることができる。異方導電性接着剤層24の厚さが前記範囲の上限値以下であれば、電磁波シールドフィルム1を薄くでき、電磁波シールドフィルム1の可とう性がよくなる。
異方導電性接着剤層27の厚さは、1μm以上15μm以下が好ましく、3μm以上16μm以下がより好ましい。異方導電性接着剤層27の厚さが前記範囲の下限値以上であれば、電磁波遮蔽層22と電磁波吸収層25とを十分に接着できると共に電磁波遮蔽層22と電磁波吸収層25を確実に電気的接続することができる。異方導電性接着剤層24の厚さが前記範囲の上限値以下であれば、電磁波シールドフィルム1を薄くでき、電磁波シールドフィルム1の可とう性がよくなる。
【0032】
[等方導電性接着剤層]
等方導電性接着剤層26,28は、厚さ方向及び面方向に導電性を有し、かつ、接着性を有する。
等方導電性接着剤層26,28は、電磁波シールドフィルム1の電磁波遮蔽性をより高くできる利点を有する。
【0033】
等方導電性接着剤層26,28としては、硬化後に耐熱性を発揮できる点から、熱硬化性の導電性接着剤層が好ましい。熱硬化性の等方導電性接着剤層26,28は、未硬化の状態であってもよく、Bステージ化された状態であってもよい。
熱硬化性の等方導電性接着剤層26は、例えば、熱硬化性接着剤26aと導電性粒子26bとを含む。熱硬化性の等方導電性接着剤層28は、例えば、熱硬化性接着剤28aと導電性粒子28bとを含む。熱硬化性の等方導電性接着剤層26,28は、必要に応じて難燃剤を含んでいてもよい。
異方導電性接着剤層24に含まれる熱硬化性接着剤24a及び導電性粒子24bと、異方導電性接着剤層27に含まれる熱硬化性接着剤27a及び導電性粒子27bとは同一の材質であってもよいし、異なる材質であってもよい。
等方導電性接着剤層26,28に含まれる熱硬化性接着剤26a,28aの成分及び導電性粒子26b,28bの材質は、異方導電性接着剤層24,27に含まれる熱硬化性接着剤24a,27aの成分及び導電性粒子24b,27bの材質と同様である。
【0034】
等方導電性接着剤層26における導電性粒子26b,28bの平均粒子径は、0.1μm以上10μm以下が好ましく、0.2μm以上1μm以下がより好ましい。導電性粒子26b,28bの平均粒子径が前記範囲の下限値以上であれば、導電性粒子26b,28bの接触点数が増えることになり、3次元方向の導通性を安定的に高めることができる。導電性粒子26bの平均粒子径が前記範囲の上限値以下であれば、等方導電性接着剤層26の流動性(絶縁フィルムの貫通孔の形状への追随性)を確保でき、絶縁フィルムの貫通孔内を導電性接着剤で十分に埋めることができる。
【0035】
等方導電性接着剤層26,28における導電性粒子26b,28bの割合は、等方導電性接着剤層26,28の100体積%のうち、50体積%以上80体積%以下が好ましく、60体積%以上70体積%以下がより好ましい。導電性粒子26b,28bの割合が前記範囲の下限値以上であれば、等方導電性接着剤層26,28の導電性が良好になる。導電性粒子の割合が前記範囲の上限値以下であれば、等方導電性接着剤層26,28の接着性、流動性(絶縁フィルムの貫通孔の形状への追随性)が良好になる。また、電磁波シールドフィルム1の可とう性がよくなる。
【0036】
等方導電性接着剤層26,28の180℃における貯蔵弾性率は、1×10
3Pa以上5×10
7Pa以下が好ましく、5×10
3Pa以上1×10
7Pa以下がより好ましい。前記範囲が好ましい理由は、異方導電性接着剤層24,27と同様である。
【0037】
等方導電性接着剤層26,28の表面抵抗は、0.05Ω/□以上2.0Ω/□以下が好ましく、0.1Ω/□以上1.0Ω/□以下がより好ましい。等方導電性接着剤層26,28の表面抵抗が前記範囲の下限値以上であれば、導電性粒子26b,28bの含有量が低く抑えられ、導電性接着剤の粘度が高くなりすぎず、塗布性がさらに良好となる。また、等方導電性接着剤層26の流動性(絶縁フィルムの貫通孔の形状への追随性)をさらに確保できる。等方導電性接着剤層26,28の表面抵抗が前記範囲の上限値以下であれば、等方導電性接着剤層26,28の全面が均一な導電性を有するものとなる。
【0038】
等方導電性接着剤層26の厚さは、5μm以上20μm以下が好ましく、7μm以上17μm以下がより好ましい。等方導電性接着剤層26の厚さが前記範囲の下限値以上であれば、等方導電性接着剤層26の導電性が良好になり、電磁波シールド層として十分に機能できる。また、等方導電性接着剤層26の流動性(絶縁フィルムの貫通孔の形状への追随性)を確保でき、絶縁フィルムの貫通孔内を導電性接着剤で十分に埋めることができ、耐折性も確保でき繰り返し折り曲げても等方導電性接着剤層26が断裂することはない。等方導電性接着剤層26の厚さが前記範囲の上限値以下であれば、電磁波シールドフィルム1を薄くできる。また、電磁波シールドフィルム1の可とう性がよくなる。
等方導電性接着剤層28の厚さは、1μm以上15μm以下が好ましく、1μm以上10μm以下がより好ましい。等方導電性接着剤層28の厚さが前記範囲の下限値以上であれば、電磁波遮蔽層22と電磁波吸収層25とを十分に接着できると共に電磁波遮蔽層22と電磁波吸収層25を確実に電気的接続することができる。等方導電性接着剤層28の厚さが前記範囲の上限値以下であれば、電磁波シールドフィルム1を薄くでき、電磁波シールドフィルム1の可とう性がよくなる。
【0039】
[電磁波吸収層]
電磁波吸収層25は、表面抵抗が0.5Ω/□超100Ω/□以下の、金属層、導電性金属化合物層又は炭素材料層のいずれかである。電磁波吸収層25は、前記表面抵抗を有することで、電磁波の吸収性を発揮する。電磁波吸収層25の表面抵抗が前記下限値以下であると、電磁波を吸収せずに反射してしまうことがあり、前記上限値を超えると、効率のよい電磁波吸収ができなくなることがある。
電磁波吸収層25の表面抵抗は、1Ω/□以上100Ω/□以下であることが好ましく、5Ω/□以上80Ω/□以下であることがより好ましい。
【0040】
電磁波吸収層25としては、物理蒸着(真空蒸着、スパッタリング、イオンビーム蒸着、電子ビーム蒸着等)又は化学蒸着によって形成された蒸着膜、めっきによって形成されためっき膜、金属箔等が挙げられる。電磁波吸収層25を薄くでき、ドライプロセスにて簡便に形成できる点では、電磁波吸収層25は蒸着膜がより好ましく、物理蒸着による蒸着膜がさらに好ましい。
【0041】
電磁波吸収層25を構成する材料は、前記表面抵抗が得られる金属、導電性金属化合物又は炭素材料であれば特に制限されない。
電磁波吸収層25が金属層から構成される場合、電磁波吸収層25を構成する金属としては、強磁性金属、常磁性金属を使用できる。
強磁性金属としては、鉄、コバルト及びニッケルよりなる群から選ばれる1種の金属又は2種以上の合金が挙げられる。
常磁性金属としては、金、銀、銅、アルミニウム、チタン及びクロムよりなる群から選ばれる1種の金属又は2種以上の合金が挙げられる。
電磁波吸収層25が導電性金属化合物層から構成される場合、電磁波吸収層25を構成する導電性金属化合物としては、金属と、ホウ素、炭素、窒素、ケイ素、リン及び硫黄よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とを含む化合物を使用できる。本発明においては、導電性金属化合物における金属は半金属も含む。導電性金属化合物は、合金でもよいし、金属間化合物でもよいし、固溶体でもよいし、それら以外の構造であってもよい。導電性金属化合物の具体例としては、例えば、窒化ニッケル、窒化チタン、窒化クロム、窒化タンタル、炭化チタン、炭化ケイ素、炭化クロム等が挙げられる。
電磁波吸収層25が炭素材料層から構成される場合、電磁波吸収層25を構成する炭素材料としては、炭素からなり且つ前記表面抵抗が得られる導電性を有する材料であれば特に制限されない。炭素材料の具体例としては、例えば、カーボンブラック、黒鉛、炭素繊維、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバ、フラーレン、グラフェン、アモルファスカーボン、ダイヤモンドライクカーボンから選ばれる少なくとも1種を使用できる。
電磁波吸収層25を構成する材料としては、電磁波吸収性を容易に発現でき、層を容易に薄くできることから、鉄、コバルト及びニッケルよりなる群から選ばれる少なくとも1種の強磁性金属又は2種以上の強磁性合金が好ましい。電磁波吸収層25が前記強磁性金属層又は前記強磁性合金からなる場合には、蒸着によって容易に形成できる。
電磁波吸収層25のなかでも、電磁波吸収性に優れ、且つ、後述する好ましい厚さの金属層を容易に形成できることから、鉄、コバルト及びニッケルよりなる群から選ばれる少なくとも1種の強磁性金属の物理蒸着膜、又は、鉄、コバルト及びニッケルよりなる群から選ばれる少なくとも2種からなる強磁性合金の物理蒸着膜が好ましい。
【0042】
電磁波吸収層25の厚さは、0.5nm以上200nm以下が好ましく、5nm以上200nm以下がより好ましい。電磁波吸収層25の厚さが前記下限値以上且つ前記上限値以下であれば、表面抵抗を容易に0.5Ω/□超100Ω/□以下にでき、電磁波吸収性を容易に発現させることができる。また、電磁波吸収層25の厚さが200nm以下の薄い層であれば、電磁波シールドフィルム1の可とう性が高くなる。
【0043】
[接着剤層]
非導電性接着剤層29は、接着性を有する熱硬化性樹脂と硬化剤とを含む接着剤を塗布し、半硬化又は硬化させて形成された塗膜;接着性を有する熱可塑性樹脂を含む接着剤を塗布して形成された塗膜;接着性を有する熱可塑性樹脂を含む組成物を溶融成形したフィルムからなる層等が挙げられる。耐熱性の点から、接着性を有する熱硬化性樹脂と硬化剤とを含む接着剤を塗布し、半硬化又は硬化させて形成された塗膜が好ましい。
非導電性とは、表面抵抗が1×10
6Ω/□以上のことであり、実用上は、1×10
6Ω/□以上1×10
19Ω/□以下である。このような表面抵抗にするために、非導電性接着剤層29は、導電性粒子を含有しないことが好ましい。
【0044】
接着性を有する熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、イミド樹脂、ウレタン樹脂、縮合硬化型シリコーン、付加硬化型シリコーン、熱硬化性アクリル樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂のなかでも、耐熱性に優れる点から、エポキシ樹脂が好ましい。
硬化剤としては、イソシアネート基を2つ以上有するイソシアネート化合物、エポキシ基を2つ以上有するエポキシ化合物等が挙げられ、熱硬化性樹脂の種類に応じて適宜選択される。
接着性を有する熱可塑性樹脂としては、例えば、熱可塑性アクリル樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、クロロプレン、スチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体又はその水素添加物、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体又はその水素添加物等が挙げられる。
【0045】
非導電性接着剤層29の厚さは0.1μm以上1μm以下であることが好ましく、0.2μm以上1μm以下であることがより好ましい。非導電性接着剤層29の厚さが前記下限値以上であれば、電磁波遮蔽層22と電磁波吸収層25との接着性を十分に高くでき、前記上限値以下であれば、電磁波遮蔽層22と電磁波吸収層25との電気的接続を維持でき、電磁波遮蔽性を十分に確保できる。
【0046】
(キャリアフィルム)
キャリアフィルム30は、絶縁樹脂層10及び導電層20を補強及び保護する支持体であり、電磁波シールドフィルム1のハンドリング性を良好にする。特に、絶縁樹脂層10として、薄いフィルム、具体的には厚さ3μm以上10μm以下のフィルムを用いた場合には、キャリアフィルム30を有することによって、絶縁樹脂層10の破断を防ぐことができる。
キャリアフィルム30は、電磁波シールドフィルム1をプリント配線板等に貼り付けた後には、絶縁樹脂層10から剥離される。
【0047】
本実施形態において使用されるキャリアフィルム30は、キャリアフィルム本体32と、キャリアフィルム本体32の絶縁樹脂層10側の表面に設けられた粘着剤層34とを有する。
【0048】
キャリアフィルム本体32の樹脂材料としては、ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」ということもある。)、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリオレフィン、ポリアセテート、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、合成ゴム、液晶ポリマー等が挙げられる。樹脂材料としては、電磁波シールドフィルム1を製造する際の耐熱性(寸法安定性)及び価格の点から、PETが好ましい。
【0049】
キャリアフィルム本体32は、着色剤(顔料、染料等)及びフィラーのいずれか一方又は両方を含んでいてもよい。
着色剤及びフィラーのいずれか一方又は両方としては、絶縁樹脂層10と明確に区別でき、熱プレスした後にキャリアフィルム30の剥がし残しに気が付きやすい点から、絶縁樹脂層10とは異なる色のものが好ましく、白色顔料、フィラー、又は白色顔料と他の顔料もしくはフィラーとの組み合わせがより好ましい。
【0050】
キャリアフィルム本体32の180℃における貯蔵弾性率は、8×10
7Pa以上5×10
9Paが好ましく、1×10
8Pa以上8×10
8Paがより好ましい。キャリアフィルム本体32の180℃における貯蔵弾性率が前記範囲の下限値以上であれば、キャリアフィルム30が適度の硬さを有するようになり、熱プレスの際のキャリアフィルム30における圧力損失を低減できる。キャリアフィルム本体32の180℃における貯蔵弾性率が前記範囲の上限値以下であれば、キャリアフィルム30の柔軟性が良好となる。
【0051】
キャリアフィルム本体32の厚さは、3μm以上75μm以下が好ましく、12μm以上50μm以下がより好ましい。キャリアフィルム本体32の厚さが前記範囲の下限値以上であれば、電磁波シールドフィルム1のハンドリング性が良好となる。キャリアフィルム本体32の厚さが前記範囲の上限値以下であれば、絶縁フィルムの表面に電磁波シールドフィルム1の導電性接着剤層(異方導電性接着剤層24又は等方導電性接着剤層26)を熱プレスする際に導電性接着剤層に熱が伝わりやすい。
【0052】
粘着剤層34は、例えば、キャリアフィルム本体32の表面に粘着剤を含む粘着剤組成物を塗布して形成される。キャリアフィルム30が粘着剤層34を有することによって、離型フィルム40を導電性接着剤層から剥離する際や電磁波シールドフィルム1をプリント配線板等に熱プレスによって貼り付ける際に、キャリアフィルム30が絶縁樹脂層10から剥離することが抑えられる。そのため、キャリアフィルム30が保護フィルムとしての役割を十分に果たすことができる。
【0053】
粘着剤は、熱プレス前にはキャリアフィルム30が絶縁樹脂層10から容易に剥離することなく、熱プレス後にはキャリアフィルム30を絶縁樹脂層10から剥離できる程度の適度な粘着性を粘着剤層34に付与するものであることが好ましい。
粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤等が挙げられる。
粘着剤のガラス転移温度は、−100℃以上60℃以下が好ましく、−60℃以上40℃以下がより好ましい。
【0054】
キャリアフィルム30の厚さは、25μm以上125μm以下が好ましく、38μm以上100μm以下がより好ましい。キャリアフィルム30の厚さが前記範囲の下限値以上であれば、電磁波シールドフィルム1のハンドリング性が良好となる。キャリアフィルム30の厚さが前記範囲の上限値以下であれば、絶縁フィルムの表面に電磁波シールドフィルム1の導電性接着剤層を熱プレスする際に導電性接着剤層に熱が伝わりやすい。
【0055】
(離型フィルム)
離型フィルム40は、導電性接着剤層(異方導電性接着剤層24又は等方導電性接着剤層26)を保護するものであり、電磁波シールドフィルム1のハンドリング性を良好にする。離型フィルム40は、電磁波シールドフィルム1をプリント配線板等に貼り付ける前に、導電性接着剤層から剥離される。
【0056】
離型フィルム40は、例えば、離型フィルム本体42と、離型フィルム本体42の導電性接着剤層側の表面に設けられた離型剤層44とを有する。
【0057】
離型フィルム本体42の樹脂材料としては、キャリアフィルム本体32の樹脂材料と同様なものが挙げられる。
離型フィルム本体42は、着色剤、フィラー等を含んでいてもよい。
離型フィルム本体42の厚さは、5μm以上500μm以下が好ましく、10μm以上150μm以下がより好ましく、25μm以上100μm以下がさらに好ましい。
【0058】
離型剤層44は、離型フィルム本体42の表面を離型剤で処理して形成される。離型フィルム40が離型剤層44を有することによって、離型フィルム40を導電性接着剤層から剥離する際に、離型フィルム40を剥離しやすく、導電性接着剤層が破断しにくくなる。
離型剤としては、公知の離型剤を用いればよい。
【0059】
離型剤層44の厚さは、0.05μm以上30μm以下が好ましく、0.1μm以上20μm以下がより好ましい。離型剤層44の厚さが前記範囲内であれば、離型フィルム40をさらに剥離しやすくなる。
【0060】
(電磁波シールドフィルムの厚さ)
電磁波シールドフィルム1の厚さ(キャリアフィルム30及び離型フィルム40を除く)は、5μm以上50μm以下が好ましく、8μm以上30μm以下がより好ましい。キャリアフィルム30及び離型フィルム40を含まない電磁波シールドフィルム1の厚さが前記範囲の下限値以上であれば、キャリアフィルム30を剥離する際に破断しにくい。キャリアフィルム30及び離型フィルム40を含まない電磁波シールドフィルム1の厚さが前記範囲の上限値以下であれば、電磁波シールドフィルム付きプリント配線板を薄くできる。
【0061】
<電磁波シールドフィルムの製造方法>
第一実施形態の電磁波シールドフィルムを製造する方法としては、例えば、下記の方法(A1)、方法(A2)、方法(A3)又は方法(A4)が挙げられる。
第二実施形態の電磁波シールドフィルムを製造する方法としては、例えば、下記の方法(B1)、方法(B2)、方法(B3)又は方法(B4)が挙げられる。
第三実施形態の電磁波シールドフィルムを製造する方法としては、例えば、下記の方法(C1)、方法(C2)、方法(C3)又は方法(C4)が挙げられる。
第四実施形態の電磁波シールドフィルムを製造する方法としては、例えば、下記の方法(D1)、方法(D2)、方法(D3)又は方法(D4)が挙げられる。
第五実施形態の電磁波シールドフィルムを製造する方法としては、例えば、下記の方法(E1)又は方法(E2)が挙げられる。
第六実施形態の電磁波シールドフィルムを製造する方法としては、例えば、下記の方法(F1)又は方法(F2)が挙げられる。
【0062】
方法(A1)は、具体的には、下記の工程(A1−1)〜(A1−6)を有する方法である。
工程(A1−1):キャリアフィルム30の一方の面に絶縁樹脂層10を形成する工程。
工程(A1−2):絶縁樹脂層10のキャリアフィルム30とは反対側の面に電磁波遮蔽層22を形成する工程。
工程(A1−3):電磁波遮蔽層22の絶縁樹脂層10とは反対側の面に異方導電性接着剤層27を形成する工程。
工程(A1−4):異方導電性接着剤層27の電磁波遮蔽層22とは反対側の面に電磁波吸収層25を形成する工程。
工程(A1−5):電磁波吸収層25の異方導電性接着剤層27とは反対側の面に異方導電性接着剤層24を形成する工程。
工程(A1−6):異方導電性接着剤層24の電磁波吸収層25とは反対側の面に離型フィルム40を積層する工程。
以下、方法(A1)の各工程について詳細に説明する。
【0063】
工程(A1−1)における絶縁樹脂層10の形成方法としては、例えば、下記の方法が挙げられる。
・キャリアフィルム30の粘着剤層34側の面に、熱硬化性樹脂と硬化剤とを含む塗料を塗布し、半硬化又は硬化させる方法。
・キャリアフィルム30の粘着剤層34側の面に、熱可塑性樹脂を含む塗料を塗布し、乾燥させる方法。
・キャリアフィルム30の粘着剤層34側の面に、熱可塑性樹脂を含む組成物を押出成形により成形したフィルムを直接積層する方法。
上記方法のなかでも、ハンダ付け等の際の耐熱性の点から、キャリアフィルム30の粘着剤層34側の面に、熱硬化性樹脂と硬化剤とを含む塗料を塗布し、半硬化又は硬化させる方法が好ましい。
前記塗料の塗布方法としては、例えば、ダイコーター、グラビアコーター、ロールコーター、カーテンフローコーター、スピンコーター、バーコーター、リバースコーター、キスコーター、ファウンテンコーター、ロッドコーター、エアドクターコーター、ナイフコーター、ブレードコーター、キャストコーター、スクリーンコーター等の各種コーターを用いた方法を適用することができる。
熱硬化性樹脂を半硬化又は硬化させる際には、ヒータ、赤外線ランプ等の加熱器を用いて加熱すればよい。
【0064】
工程(A1−2)では、キャリアフィルム30の粘着剤層34が形成されている側の面に電磁波遮蔽層22を形成する。
電磁波遮蔽層22の形成方法としては、物理蒸着、CVD(化学気相蒸着)によって蒸着膜を形成する方法、めっきによってめっき膜を形成する方法、金属箔を貼り付ける方法等が挙げられる。面方向の導電性に優れる電磁波遮蔽層22を形成できる点から、物理蒸着、CVDによって蒸着膜を形成する方法、又はめっきによってめっき膜を形成する方法が好ましい。電磁波遮蔽層22の厚さを薄くでき、かつ厚さが薄くても面方向の導電性に優れる電磁波遮蔽層22を形成でき、ドライプロセスにて簡便に電磁波遮蔽層22を形成できる点から、物理蒸着、CVDによって蒸着膜を形成する方法がより好ましく、物理蒸着によって蒸着膜を形成する方法がさらに好ましい。
【0065】
工程(A1−3)では、電磁波遮蔽層22の絶縁樹脂層10とは反対側の面に、導電性接着剤塗料を塗布する。
導電性接着剤塗料は、熱硬化性接着剤27aと導電性粒子27bと溶剤とを含有する。塗布した導電性接着剤塗料より溶剤を揮発させることにより、異方導電性接着剤層27を形成する。
導電性接着剤塗料に含まれる溶剤としては、例えば、エステル(酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸イソプロピル、エチレングリコールモノアセテート等)、ケトン(メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、プロピレングリールモノメチルエーテル、プロピレングルコール等)等が挙げられる。
導電性接着剤の塗布方法は、工程(A1−1)における塗料の塗布方法と同様である。
【0066】
工程(A1−4)では、異方導電性接着剤層27の電磁波遮蔽層22とは反対側の面に電磁波吸収層25を形成する。
電磁波吸収層25の形成方法としては、電磁波遮蔽層22の形成方法と同様に、物理蒸着、CVD(化学気相蒸着)によって蒸着膜を形成する方法、めっきによってめっき膜を形成する方法、金属箔を貼り付ける方法等が挙げられる。電磁波吸収層25を容易に薄くでき、ドライプロセスにて簡便に電磁波吸収層25を形成できる点から、物理蒸着、CVDによって蒸着膜を形成する方法がより好ましく、物理蒸着によって蒸着膜を形成する方法がさらに好ましい。
【0067】
工程(A1−5)では、電磁波吸収層25の異方導電性接着剤層27とは反対側の面に、熱硬化性接着剤24aと導電性粒子24bと溶剤とを含有する導電性接着剤塗料を塗布する。
工程(A1−3)で使用する導電性接着剤塗料の成分と工程(A1−5)で使用する導電性接着剤塗料の成分とは同一でもよいし、異なってもよい。
導電性接着剤塗料の塗布方法は、工程(A1−1)における塗料の塗布方法と同様である。
塗布した導電性接着剤塗料より溶剤を揮発させることにより、異方導電性接着剤層24を形成する。
【0068】
工程(A1−6)では、離型フィルム40を、異方導電性接着剤層24の電磁波吸収層25とは反対側の面に、離型剤層44が異方導電性接着剤層24に接するように積層する。
離型フィルム40を異方導電性接着剤層24に積層した後には、キャリアフィルム30、絶縁樹脂層10、電磁波遮蔽層22、異方導電性接着剤層27、電磁波吸収層25、異方導電性接着剤層24及び離型フィルム40からなる積層体に、各層同士の密着性を高めるための加圧処理を施してもよい。
加圧処理における圧力としては、0.1kPa以上100kPa以下が好ましく、0.1kPa以上20kPa以下がより好ましく、1kPa以上10kPa以下がさらに好ましい。
加圧処理と同時に加熱してもよい。その際の加熱温度としては50℃以上100℃以下が好ましい。
【0069】
方法(A2)は、具体的には、下記の工程(A2−1)〜(A2−6)を有する方法である。
工程(A2−1):キャリアフィルム30の一方の面に絶縁樹脂層10を形成する工程。
工程(A2−2):絶縁樹脂層10のキャリアフィルム30とは反対側の面に電磁波遮蔽層22を形成する工程。
工程(A2−3):電磁波遮蔽層22の絶縁樹脂層10とは反対側の面に異方導電性接着剤層27を形成する工程。
工程(A2−4):異方導電性接着剤層27の電磁波遮蔽層22とは反対側の面に電磁波吸収層25を形成して積層体(p1)を形成する工程。
工程(A2−5):離型フィルム40に異方導電性接着剤層24を形成して積層体(p2)を形成する工程。
工程(A2−6):積層体(p1)と積層体(p2)とを、積層体(p1)の電磁波吸収層25と積層体(p2)の異方導電性接着剤層24とが接するように貼り合せる工程。
【0070】
工程(A2−1)、工程(A2−2)、工程(A2−3)及び工程(A2−4)は、各々、前記の工程(A1−1)、工程(A1−2)、工程(A1−3)及び工程(A1−4)と同様である。
工程(A2−5)は、電磁波吸収層25ではなく、離型フィルム40の離型剤層44が設けられている面に、熱硬化性接着剤24a及び導電性粒子24bを含む導電性接着剤塗料を塗布して異方導電性接着剤層24を形成すること以外は前記の工程(A1−5)と同様である。
工程(A2−6)における積層体(p1)と積層体(p2)との貼り合せでは、積層体(p1)と積層体(p2)との密着性を高めるための加圧処理を施してもよい。加圧条件は、工程(A1−6)における加圧処理と同様である。また、工程(A2−6)においても、工程(A1−6)と同様に加熱してもよい。
【0071】
方法(A3)は、具体的には、下記の工程(A3−1)〜(A3−6)を有する方法である。
工程(A3−1):キャリアフィルム30の一方の面に絶縁樹脂層10を形成する工程。
工程(A3−2):絶縁樹脂層10のキャリアフィルム30とは反対側の面に電磁波遮蔽層22を形成する工程。
工程(A3−3):電磁波遮蔽層22の絶縁樹脂層10とは反対側の面に異方導電性接着剤層27を形成して積層体(p3)を形成する工程。
工程(A3−4):離型フィルム40に異方導電性接着剤層24を形成する工程。
工程(A3−5):異方導電性接着剤層24の離型フィルム40とは反対側の面に電磁波吸収層25を形成して積層体(p4)を形成する工程。
工程(A3−6):積層体(p3)と積層体(p4)とを、積層体(p3)の異方導電性接着剤層27と積層体(p4)の電磁波吸収層25とが接するように貼り合せる工程。
【0072】
工程(A3−1)、工程(A3−2)及び工程(A3−3)は、各々、前記の工程(A1−1)、工程(A1−2)及び工程(A1−3)と同様である。
工程(A3−4)は、電磁波吸収層25ではなく、離型フィルム40の離型剤層44が設けられている面に、熱硬化性接着剤24a及び導電性粒子24bを含む導電性接着剤塗料を塗布して導電性接着剤層24を形成すること以外は前記の工程(A1−5)と同様である。
工程(A3−5)は、異方導電性接着剤層27ではなく、異方導電性接着剤層24の離型フィルム40とは反対側の面に電磁波吸収層25を形成すること以外は前記の工程(A1−4)と同様である。
工程(A3−6)における積層体(p3)と積層体(p4)との貼り合せでは、積層体(p3)と積層体(p4)との密着性を高めるための加圧処理を施してもよい。加圧条件は、工程(A1−6)における加圧処理と同様である。また、工程(A3−6)においても、工程(A1−6)と同様に加熱してもよい。
【0073】
方法(A4)は、具体的には、下記の工程(A4−1)〜(A4−6)を有する方法である。
工程(A4−1):キャリアフィルム30の一方の面に絶縁樹脂層10を形成する工程。
工程(A4−2):絶縁樹脂層10のキャリアフィルム30とは反対側の面に電磁波遮蔽層22を形成して積層体(p5)を形成する工程。
工程(A4−3):離型フィルム40に異方導電性接着剤層24を形成する工程。
工程(A4−4):異方導電性接着剤層24の離型フィルム40とは反対側の面に電磁波吸収層25を形成する工程。
工程(A4−5):電磁波吸収層25の異方導電性接着剤層24とは反対側の面に異方導電性接着剤層27を形成して積層体(p6)を形成する工程。
工程(A4−6):積層体(p5)と積層体(p6)とを、積層体(p5)の電磁波遮蔽層22と積層体(p6)の異方導電性接着剤層27とが接するように貼り合せる工程。
【0074】
工程(A4−1)及び工程(A4−2)は、各々、前記の工程(A1−1)及び工程(A1−2)と同様である。
工程(A4−3)及び工程(A4−4)は、各々、前記の工程(A3−4)及び工程(A3−5)と同様である。
工程(A4−5)は、電磁波遮蔽層22ではなく、電磁波吸収層25の異方導電性接着剤層24とは反対側の面に、熱硬化性接着剤27a及び導電性粒子27bを含む導電性接着剤塗料を塗布して異方導電性接着剤層27を形成すること以外は前記の工程(A1−3)と同様である。
工程(A4−6)における積層体(p5)と積層体(p6)との貼り合せでは、積層体(p5)と積層体(p6)との密着性を高めるための加圧処理を施してもよい。加圧条件は、工程(A1−6)における加圧処理と同様である。また、工程(A4−6)においても、工程(A1−6)と同様に加熱してもよい。
【0075】
方法(B1)、方法(B2)、方法(B3)及び方法(B4)は、熱硬化性接着剤24aと導電性粒子24bと溶剤とを含む導電性接着剤塗料を用いて異方導電性接着剤層24を形成する代わりに、熱硬化性接着剤26aと導電性粒子26bと溶剤とを含む導電性接着剤塗料を用いて等方導電性接着剤層26を形成し、熱硬化性接着剤27aと導電性粒子27bと溶剤とを含む導電性接着剤塗料を用いて異方導電性接着剤層27を形成する代わりに、熱硬化性接着剤28aと導電性粒子28bと溶剤とを含む導電性接着剤塗料を用いて等方導電性接着剤層28を形成すること以外は方法(A1)、方法(A2)、方法(A3)及び方法(A4)と同様の方法である。
【0076】
方法(C1)、方法(C2)、方法(C3)及び方法(C4)は、熱硬化性接着剤27aと導電性粒子27bと溶剤とを含む導電性接着剤塗料を用いて異方導電性接着剤層27を形成する代わりに、非導電性接着剤を用いて非導電性接着剤層29を形成すること以外は方法(A1)、方法(A2)、方法(A3)及び方法(A4)と同様の方法である。
非導電性接着剤を用いた非導電性接着剤層29の具体的な形成方法としては、例えば、下記の方法が挙げられる。
・接着性を有する熱硬化性樹脂と硬化剤とを含む接着剤を塗布し、半硬化又は硬化させる方法。
・接着性を有する熱可塑性樹脂を含む接着剤を塗布し、乾燥させる方法。
・接着性を有する熱可塑性樹脂を含む組成物を押出成形により成形したフィルムを直接積層する方法。
上記方法のなかでも、耐熱性の点から、接着性を有する熱硬化性樹脂と硬化剤とを含む接着剤を塗布し、半硬化又は硬化させる方法が好ましい。
【0077】
方法(D1)、方法(D2)、方法(D3)及び方法(D4)は、熱硬化性接着剤24aと導電性粒子24bと溶剤とを含む導電性接着剤塗料を用いて異方導電性接着剤層24を形成する代わりに、熱硬化性接着剤26aと導電性粒子26bと溶剤とを含む導電性接着剤塗料を用いて等方導電性接着剤層26を形成し、熱硬化性接着剤27aと導電性粒子27bと溶剤とを含む導電性接着剤塗料を用いて異方導電性接着剤層27を形成する代わりに、非導電性接着剤を用いて非導電性接着剤層29を形成すること以外は方法(A1)、方法(A2)、方法(A3)及び方法(A4)と同様の方法である。
【0078】
方法(E1)は、具体的には、下記の工程(E1−1)〜(E1−5)を有する方法である。
工程(E1−1):キャリアフィルム30の一方の面に絶縁樹脂層10を形成する工程。
工程(E1−2):絶縁樹脂層10のキャリアフィルム30とは反対側の面に電磁波遮蔽層22を形成する工程。
工程(E1−3):電磁波遮蔽層22の絶縁樹脂層10とは反対側の面に電磁波吸収層25を形成する工程。
工程(E1−4):電磁波吸収層25の電磁波遮蔽層22とは反対側の面に異方導電性接着剤層24を形成する工程。
工程(E1−5):異方導電性接着剤層24の電磁波吸収層25とは反対側の面に離型フィルム40を積層する工程。
【0079】
工程(E1−1)、工程(E1−2)、工程(E1−4)及び工程(E1−5)は、各々、前記の工程(A1−1)、工程(A1−2)、工程(A1−5)及び工程(A1−6)と同様である。但し、方法(E1)では異方導電性接着剤層27がないため、工程(A1−5)における異方導電性接着剤層27は、電磁波遮蔽層22に読み替える。
工程(E1−3)は、異方導電性接着剤層27の電磁波遮蔽層22とは反対側の面ではなく、電磁波遮蔽層22の絶縁樹脂層10とは反対側の面に電磁波吸収層25を形成すること以外は前記工程(A1−4)と同様である。
【0080】
方法(E2)は、具体的には、下記の工程(E2−1)〜(E2−5)を有する方法である。
工程(E2−1):キャリアフィルム30の一方の面に絶縁樹脂層10を形成する工程。
工程(E2−2):絶縁樹脂層10のキャリアフィルム30とは反対側の面に電磁波遮蔽層22を形成する工程。
工程(E2−3):電磁波遮蔽層22の絶縁樹脂層10とは反対側の面に電磁波吸収層25を形成して積層体(q1)を形成する工程。
工程(E2−4):離型フィルム40に異方導電性接着剤層24を形成して積層体(q2)を形成する工程。
工程(E2−5):積層体(q1)と積層体(q2)とを、積層体(q1)の電磁波吸収層25と積層体(q2)の異方導電性接着剤層24とが接するように貼り合せる工程。
【0081】
工程(E2−1)、工程(E2−2)及び工程(E2−4)は、各々、前記の工程(A1−1)、工程(A1−2)及び工程(A2−5)と同様である。
工程(E2−3)は、前記の工程(E1−3)と同様である。
工程(E2−5)における積層体(q1)と積層体(q2)との貼り合せでは、積層体(q1)と積層体(q2)との密着性を高めるための加圧処理を施してもよい。加圧条件は、工程(A1−6)における加圧処理と同様である。また、工程(B2−5)においても、工程(A1−6)と同様に加熱してもよい。
【0082】
方法(F1)及び方法(F2)は、熱硬化性接着剤24aと導電性粒子24bと溶剤とを含む導電性接着剤塗料を用いて異方導電性接着剤層24を形成する代わりに、熱硬化性接着剤26aと導電性粒子26bと溶剤とを含む導電性接着剤塗料を用いて等方導電性接着剤層26を形成すること以外は方法(E1)及び方法(E2)と同様の方法である。
【0083】
(作用効果)
本態様の電磁波シールドフィルム1は、後述するように、プリント配線板に取り付けられ、導電性接着剤層(異方導電性接着剤層24又は等方導電性接着剤層26)がプリント配線板のグランド回路等の回路に接触して接続される。電磁波シールドフィルム1のプリント配線板とは反対側、すなわち電磁波シールドフィルム1の外側から飛来してきた外部電磁波ノイズは、電磁波シールドフィルム1に入射し、電磁波遮蔽層22に到達すると、電磁波遮蔽層22内において渦電流を発生させる。電磁波遮蔽層22は表面抵抗が0.001Ω/□以上0.5Ω以下という低抵抗であるため、発生した渦電流の一部は、速やかに電磁波吸収層25及び導電性接着剤層(異方導電性接着剤層24又は等方導電性接着剤層26)を経由してプリント配線板のグランド回路等に流れて接地させることができる。それと共に、電磁波遮蔽層22内にて発生した渦電流の一部は再び電磁波となり、電磁波シールドフィルム1の外側に出射する。したがって、電磁波遮蔽層22では、外部電磁波ノイズを実質的に反射させることができる。
よって、電磁波シールドフィルム1によれば、電磁波の接地及び反射によって、外部電磁波ノイズを遮蔽できる。
電磁波シールドフィルム1のプリント配線板側にて生じた内部電磁波ノイズは、電磁波吸収層25に入射し、電磁波吸収層25内において渦電流を発生させる。電磁波吸収層25は0.5Ω/□超100Ω/□以下という高い表面抵抗を有するため、電磁波吸収層25に流れる電流はジュール熱を伴って容易に減衰する。したがって、内部電磁波ノイズを、電磁波吸収層25に吸収させることができる。特に、電磁波吸収層25が蒸着膜等の面方向に連続的に形成されている膜である場合には、渦電流の発生とジュール熱を伴う電流の減衰がより容易に起こるため、電磁波をより吸収しやすくなる。さらに、電磁波吸収層25は、高い表面抵抗値のため電磁波の反射効果が発生しにくい。
よって、電磁波シールドフィルム1によれば、内部電磁波ノイズがプリント配線板側に反射することを抑制でき、内部電磁波ノイズによるプリント配線板の回路における内部干渉を防止できる。
【0084】
特に、第一実施形態及び第二実施形態の電磁波シールドフィルム1においては、電磁波吸収層25を透過した内部電磁波ノイズは、導電性接着剤層(異方導電性接着剤層27又は等方導電性接着剤層28)を通過した後、電磁波遮蔽層22にて反射する。電磁波遮蔽層22にて反射した電磁波ノイズは、再び導電性接着剤層を通過した後に電磁波吸収層25に入り、ノイズの一部は電磁波吸収層25に吸収される。これにより、電磁波吸収層25における電磁波ノイズの吸収機会を増やすことができ、第一実施形態及び第二実施形態の電磁波シールドフィルム1は、電磁波吸収層25にて内部電磁波ノイズをより吸収でき、内部電磁波ノイズによるプリント配線板の内部干渉をより抑制できる。
【0085】
(他の実施形態)
本態様の電磁波シールドフィルムは、上記実施形態に限定されない。
例えば、第一実施形態において異方導電性接着剤層24,27のいずれか一方のみを等方導電性接着剤層に変更してもよいし、
導電性接着剤層24,26の表面の粘着力が小さい場合には、離型フィルム40を省略しても構わない。
絶縁樹脂層10が十分な柔軟性や強度を有する場合は、キャリアフィルム30を省略しても構わない。
キャリアフィルム30は、キャリアフィルム本体32が自己粘着性を有するフィルムである場合には、粘着剤層34を有しなくてもよい。
離型フィルム40は、離型フィルム本体42のみで十分な離型性を有する場合は、離型剤層44を有しなくてもよい。
【0086】
<電磁波シールドフィルム付きプリント配線板>
本発明の第三態様は、基板の少なくとも片面にプリント回路が設けられたプリント配線板と、前記プリント配線板の前記プリント回路が設けられた側の表面に隣接する絶縁フィルムと、前記接着剤層が前記絶縁フィルムに隣接するように設けられた前記態様の電磁波シールドフィルムと、を有する電磁波シールドフィルム付きプリント配線板である。
【0087】
図7は、本態様の電磁波シールドフィルム付きプリント配線板の一実施形態を示す断面図である。
電磁波シールドフィルム付きプリント配線板2は、フレキシブルプリント配線板50と、絶縁フィルム60と、第一実施形態の電磁波シールドフィルム1とを備える。
フレキシブルプリント配線板50は、ベースフィルム52の少なくとも片面にプリント回路54が設けられたものである。
絶縁フィルム60は、フレキシブルプリント配線板50のプリント回路54が設けられた側の表面に設けられる。
電磁波シールドフィルム1の異方導電性接着剤層24は、絶縁フィルム60の表面に接着され、かつ硬化されている。また、異方導電性接着剤層24は、絶縁フィルム60に形成された貫通孔(図示略)を通ってプリント回路54に電気的に接続されている。
電磁波シールドフィルム付きプリント配線板2においては、離型フィルムは、異方導電性接着剤層24から剥離されている。
【0088】
電磁波シールドフィルム付きプリント配線板2においてキャリアフィルム30が不要になった際には、キャリアフィルム30は絶縁樹脂層10から剥離される。
【0089】
貫通孔のある部分を除くプリント回路54(信号回路、グランド回路、グランド層等)の近傍には、電磁波シールドフィルム1の電磁波遮蔽層22及び電磁波吸収層25が、絶縁フィルム60及び異方導電性接着剤層24を介して離間して対向配置される。
貫通孔のある部分を除くプリント回路54と電磁波遮蔽層22との離間距離は、絶縁フィルム60の厚さと異方導電性接着剤層24の厚さと電磁波吸収層25の厚さと異方導電性接着剤層27の厚さの総和とほぼ等しい。離間距離は、30μm以上200μm以下が好ましく、60μm以上200μm以下がより好ましい。離間距離が30μmより小さいと、信号回路のインピーダンスが低くなるため、100Ω等の特性インピーダンスを有するためには、信号回路の線幅を小さくしなければならず、線幅のバラツキが特性インピーダンスのバラツキとなって、インピーダンスのミスマッチによる反射共鳴ノイズが電気信号に乗りやすくなる。離間距離が200μmより大きいと、電磁波シールドフィルム付きプリント配線板2が厚くなり、可とう性が不足する。
【0090】
(フレキシブルプリント配線板)
フレキシブルプリント配線板50は、銅張積層板の銅箔を公知のエッチング法により所望のパターンに加工してプリント回路54としたものである。
銅張積層板としては、ベースフィルム52の片面又は両面に接着剤層(図示略)を介して銅箔を貼り付けたもの;銅箔の表面にベースフィルム52を形成する樹脂溶液等をキャストしたもの等が挙げられる。
接着剤層の材料としては、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。
接着剤層の厚さは、0.5μm以上30μm以下が好ましい。
【0091】
[ベースフィルム]
ベースフィルム52としては、耐熱性を有するフィルムが好ましく、ポリイミドフィルム、液晶ポリマーフィルムがより好ましく、ポリイミドフィルムがさらに好ましい。
ベースフィルム52の表面抵抗は、電気的絶縁性の点から、1×10
6Ω/□以上が好ましい。ベースフィルム52の表面抵抗は、実用上の点から、1×10
19Ω/□以下が好ましい。
ベースフィルム52の厚さは、5μm以上200μm以下が好ましく、屈曲性の点から、6μm以上50μm以下がより好ましく、10μm以上25μm以下がより好ましい。
【0092】
[プリント回路]
プリント回路54を構成する銅箔としては、圧延銅箔、電解銅箔等が挙げられ、屈曲性の点から、圧延銅箔が好ましい。プリント回路54は、例えば、信号回路、グランド回路、グランド層等として使用される。
銅箔の厚さは、1μm以上50μm以下が好ましく、18μm以上35μm以下がより好ましい。
プリント回路54の長さ方向の端部(端子)は、ハンダ接続、コネクター接続、部品搭載等のため、絶縁フィルム60や電磁波シールドフィルム1に覆われず、露出している。
【0093】
(絶縁フィルム)
絶縁フィルム60(カバーレイフィルム)は、絶縁フィルム本体(図示略)の片面に、接着剤の塗布、接着剤シートの貼り付け等によって接着剤層(図示略)を形成したものである。
絶縁フィルム本体の表面抵抗は、電気的絶縁性の点から、1×10
6Ω/□以上が好ましい。絶縁フィルム本体の表面抵抗は、実用上の点から、1×10
19Ω/□以下が好ましい。
絶縁フィルム本体としては、耐熱性を有するフィルムが好ましく、ポリイミドフィルム、液晶ポリマーフィルムがより好ましく、ポリイミドフィルムがさらに好ましい。
絶縁フィルム本体の厚さは、1μm以上100μm以下が好ましく、可とう性の点から、3μm以上25μm以下がより好ましい。
接着剤層の材料としては、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン、ポリオレフィン等が挙げられる。エポキシ樹脂は、可とう性付与のためのゴム成分(カルボキシ変性ニトリルゴム等)を含んでいてもよい。
接着剤層の厚さは、1μm以上100μm以下が好ましく、1.5μm以上60μm以下がより好ましい。
【0094】
絶縁フィルム60に形成される貫通孔の開口部の形状は、特に限定されない。貫通孔の開口部の形状としては、例えば、円形、楕円形、四角形等が挙げられる。
【0095】
<電磁波シールドフィルム付きプリント配線板の製造方法>
本発明の第四態様の電磁波シールドフィルム付きプリント配線板の製造方法は、基板の少なくとも片面にプリント回路が設けられたプリント配線板と、前記態様の電磁波シールドフィルムとを、絶縁フィルムを介して圧着する工程を有し、圧着する際には、前記絶縁フィルムを、前記プリント配線板の前記プリント回路が設けられた側の面に密着させると共に、前記電磁波シールドフィルムの前記導電性接着剤層に密着させる、電磁波シールドフィルム付きプリント配線板の製造方法、である。
【0096】
前記実施形態の電磁波シールドフィルム付きプリント配線板2は、例えば、下記の工程(a)〜(d)を有する方法によって製造できる(
図8参照)。
工程(a):フレキシブルプリント配線板50のプリント回路54が設けられた側の表面に、プリント回路54に対応する位置に貫通孔62が形成された絶縁フィルム60を設け、絶縁フィルム付きプリント配線板3を得る工程。
工程(b):工程(a)の後、絶縁フィルム付きプリント配線板3と、離型フィルム40を剥離した電磁波シールドフィルム1とを、絶縁フィルム60の表面に異方導電性接着剤層24が接触するように重ね、これらを圧着する工程。
工程(c):工程(b)の後、キャリアフィルム30が不要になった際にキャリアフィルム30を剥離する工程。
工程(d):必要に応じて、工程(a)と工程(b)との間、又は工程(c)の後に導電性接着剤層24を本硬化させる工程。
以下、各工程について、
図8を参照しながら詳細に説明する。
【0097】
(工程(a))
工程(a)は、フレキシブルプリント配線板50に絶縁フィルム60を積層して、絶縁フィルム付きプリント配線板3を得る工程である。
具体的には、まず、フレキシブルプリント配線板50に、プリント回路54に対応する位置に貫通孔62が形成された絶縁フィルム60を重ねる。次いで、フレキシブルプリント配線板50の表面に絶縁フィルム60の接着剤層(図示略)を接着し、接着剤層を硬化させることによって、絶縁フィルム付きプリント配線板3を得る。フレキシブルプリント配線板50の表面に絶縁フィルム60の接着剤層を仮接着し、工程(d)にて接着剤層を本硬化させてもよい。
接着剤層の接着及び硬化は、例えば、プレス機(図示略)等による熱プレスによって行う。
【0098】
(工程(b))
工程(b)は、絶縁フィルム付きプリント配線板3に電磁波シールドフィルム1を圧着する工程である。
具体的には、絶縁フィルム付きプリント配線板3に、離型フィルム40を剥離した電磁波シールドフィルム1を重ね、熱プレス等により圧着する。これにより、絶縁フィルム60の表面に異方導電性接着剤層24を接着すると共に、異方導電性接着剤層24を貫通孔62内に押し込み、貫通孔62内を埋めてプリント回路54に電気的に接続する。これにより、電磁波シールドフィルム付きプリント配線板2を得る。
【0099】
異方導電性接着剤層24の接着及び硬化は、例えば、プレス機(図示略)等による熱プレスによって行う。
熱プレスの時間は、20秒以上60分以下が好ましく、30秒以上30分以下がより好ましい。熱プレスの時間が前記範囲の下限値以上であれば、絶縁フィルム60の表面に異方導電性接着剤層24を容易に接着できる。熱プレスの時間が前記範囲の上限値以下であれば、電磁波シールドフィルム付きプリント配線板2の製造時間を短縮できる。
【0100】
熱プレスの温度(プレス機の熱盤の温度)は、140℃以上190℃以下が好ましく、150℃以上175℃以下がより好ましい。熱プレスの温度が前記範囲の下限値以上であれば、絶縁フィルム60の表面に異方導電性接着剤層24を容易に接着できる。また、熱プレスの時間を短縮できる。熱プレスの温度が前記範囲の上限値以下であれば、電磁波シールドフィルム1、フレキシブルプリント配線板50等の劣化等を容易に抑えることができる。
【0101】
熱プレスの圧力は、0.5MPa以上20MPa以下が好ましく、1MPa以上16MPa以下がより好ましい。熱プレスの圧力が前記範囲の下限値以上であれば、絶縁フィルム60の表面に異方導電性接着剤層24が接着される。また、熱プレスの時間を短縮できる。熱プレスの圧力が前記範囲の上限値以下であれば、電磁波シールドフィルム1、フレキシブルプリント配線板50等の破損等を抑えることができる。
【0102】
(工程(c))
工程(c)は、キャリアフィルム30を剥離する工程である。
具体的には、キャリアフィルムが不要になった際に、絶縁樹脂層10からキャリアフィルム30を剥離する。
【0103】
(工程(d))
工程(d)は、異方導電性接着剤層24を本硬化させる工程である。
工程(b)における熱プレスの時間が20秒以上10分以下の短時間である場合、工程(b)と工程(c)との間、又は工程(c)の後に導電性接着剤層24の本硬化を行うことが好ましい。
導電性接着剤層24の本硬化は、例えば、オーブン等の加熱装置を用いて行う。
加熱時間は、15分以上120分以下であり、30分以上60分以下がより好ましい。加熱時間が前記範囲の下限値以上であれば、導電性接着剤層24を十分に硬化できる。加熱時間が前記範囲の上限値以下であれば、電磁波シールドフィルム付きプリント配線板2の製造時間を短縮できる。
加熱温度(オーブン中の雰囲気温度)は、120℃以上180℃以下が好ましく、120℃以上150℃以下がより好ましい。加熱温度が前記範囲の下限値以上であれば、加熱時間を短縮できる。加熱温度が前記範囲の上限値以下であれば、電磁波シールドフィルム1、フレキシブルプリント配線板50等の劣化等を抑えることができる。
【0104】
(作用効果)
本態様の電磁波シールドフィルム付きプリント配線板2は、電磁波ノイズを遮蔽する電磁波遮蔽層22と、電磁波ノイズを吸収する電磁波吸収層25とを別個に有し、電磁波吸収層25が電磁波遮蔽層22よりもフレキシブルプリント配線板50側に配置されている。そのため、外部電磁波ノイズを電磁波遮蔽層22によって遮蔽できると共に、内部電磁波ノイズを電磁波吸収層25によって吸収でき、フレキシブルプリント配線板50における内部干渉を防止できる。
【0105】
(他の実施形態)
本態様の電磁波シールドフィルム付きプリント配線板は、上記の実施形態に限定されない。
例えば、フレキシブルプリント配線板50は、裏面側にグランド層を有するものであってもよい。また、フレキシブルプリント配線板50は、両面にプリント回路54を有し、両面に絶縁フィルム60及び電磁波シールドフィルム1が貼り付けられたものであってもよい。
フレキシブルプリント配線板50の代わりに、柔軟性のないリジッドプリント基板を用いてもよい。
第一実施形態の電磁波シールドフィルム1の代わりに、第二実施形態、第三実施形態、第四実施形態、第五実施形態及び第六実施形態の電磁波シールドフィルム1を用いてもよい。