特許第6872465号(P6872465)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6872465
(24)【登録日】2021年4月21日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】荷役物運搬機の制御方法
(51)【国際特許分類】
   B66F 19/00 20060101AFI20210510BHJP
【FI】
   B66F19/00 K
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-187560(P2017-187560)
(22)【出願日】2017年9月28日
(65)【公開番号】特開2019-59614(P2019-59614A)
(43)【公開日】2019年4月18日
【審査請求日】2020年5月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000100735
【氏名又は名称】アイコクアルファ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】長沼 憲昌
【審査官】 加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−129045(JP,A)
【文献】 特開2000−169100(JP,A)
【文献】 特開2012−206825(JP,A)
【文献】 特開昭63−097597(JP,A)
【文献】 特開2000−271177(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66F 19/00
B66C 13/46
B66C 13/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷役物を昇降するアームを備えた昇降機構部と、前記昇降機構部の力点を駆動する駆動源と、昇降を指令する操作部と、前記力点の昇降の位置を検出するエンコーダと、前記エンコーダと前記操作部と前記駆動源に接続された演算部を有し、前記演算部は地切りモードと昇降モードを有する荷役物運搬機において、前記荷役物の把持の瞬間の前記力点と地切りする瞬間の前記力点の地切り予測距離を予め設定し、前記地切りモードでは前記操作部の昇降指令の操作部電気信号と前記力点の移動距離に応じて前記駆動源の出力を前記演算部で演算し荷役物を地切りさせようとし、前記演算部の演算過程では地切り予測距離に近づくにつれて前記操作部電気信号の制限値を下げ、地切り判定とした場合に前記昇降モードに移行することを特徴とする荷役物運搬機の制御方法。
【請求項2】
前記演算部は一定時間毎に演算し、前記操作部電気信号と前記力点の移動距離に応じて地切りコントロール力を演算し、ワーク重量基本力は前記地切りコントロール力に係数を乗したものと前記ワーク重量基本力の一定時間の前の値を加えて演算され、前記ワーク重量基本力と前記地切りコントロール力を加えたものを駆動源指令力とし、前記駆動源指令力を前記演算部が前記駆動源に指令することを特徴とする請求項1記載の荷役物運搬機の制御方法。
【請求項3】
操作部電気信号を受信のステップと、力点の移動距離を受信のステップと、地切りコントロール力を演算のステップと、ワーク重量基本力を演算のステップと、駆動源指令力を演算のステップと、駆動源指令力を出力変換器に出力のステップと、地切り判定のステップを備えたことを特徴とする請求項1記載の荷役物運搬機の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷役物の重量が一定でない場合の荷役物運搬機の昇降の制御において、エンコーダを用いて、スムースに地切りをする荷役物運搬機の制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、地切り前のアームの撓みの動作を、アーム中間に配設した加速度センサで検出し、地切りの制御をしている。
【0003】
しかし、アームの撓みの動作は、揺れるように動くこともあり、演算された昇降の指令値が滑らかでなく、スムースな地切りの制御ができない時もあった。
【0004】
引用文献2は、速度検出器で力点の速度で地切りの瞬間を検出している。しかし、地切り直後を検出するので、アーム先端が少し跳ね上がってから制御し、引用文献1より跳ね上がり量は大きく、操作しにくかった。
【0005】
例えば、引用文献2の速度検出器は、エンコーダを用いて距離と時間で速度に変換できる。本発明は、エンコーダを使用しているが、速度を検出するのに使用していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2015−129045号公報
【特許文献2】特開2000−169100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
解決しようとする問題点は、地切り前のアームの撓みを利用した制御ではアームの揺れを加速検出器で検出してしまい、スムースな地切り制御ができなかった点である。また、地切りの直後を検出する制御では、跳ね上がり量が多い点である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、エンコーダを用いて、荷役物の把持から地切りする間の力点の予測移動距離を予め設定しておき、力点が地切り予測点に近づくにつれて操作部電気信号の制限値を下げて、地切りコントロール力を地切り直前に減少させることを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の荷役物運搬機の制御方法は、荷役物の重量が判らない場合でも、跳ね上がり量が抑えられたスムースな地切りができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、荷役物運搬機の総体図である。(実施例1)
図2図2は、制御と構成を表す概念図である。(実施例1)
図3図3は、操作部電気信号とレバーへの力の大きさのグラフである。(実施例1)
図4図4は、エンコーダ移動距離と操作部電気信号の制限値のグラフである。(実施例1)
図5図5は、エンコーダの移動距離と駆動源指令力のグラフである。(実施例1)
図6図6は、経過時間と駆動源指令力のグラフである。(実施例1)
図7図7は、制御のフロー図である。(実施例1)
【発明を実施するための形態】
【0011】
エンコーダを用いて、荷役物の把持から地切りする間の力点の予測移動距離を予め設定しておき、力点が地切り予測点に近づくにつれて操作部電気信号の制限値を下げて、地切りコントロール力を減少させ、跳ね上がり量が抑えられたスムースな地切りを実現した。
【実施例1】
【0012】
図1は、荷役物運搬機の総体図である。荷役物運搬機1は、台座2、旋回台3、アーム4を備えた昇降機構部5、操作部6を備えている。昇降機構部5は、本体部7とパンタグラフ式のアーム4を備えている。操作部6は、アーム4の先端に配設され、作業者8が昇降させたい方向に力を入れ昇降を指令する。操作部6にレバー9が配設されている。レバー9には歪みゲージ(図示せず)が取付けられ、レバー9に加えられた力に応じて駆動源(図示せず)への指令を行う。レバー9への力が弱い力だとゆっくり、強い力だと速く、力の加減に応じて昇降する。操作部6の下にアタッチメント10が取付けられている。アタッチメント10は、荷役物11を把持している。荷役物11は台12の上に置かれている。荷役物11を把持して、作業者8が昇降させ、また、旋回させることで三次元に荷役物11をアーム4の可動範囲内で運搬できる。
【0013】
図2は、制御と構成を表す概念図である。荷役物運搬機1は、アーム4を備えた昇降機構部5、操作部6を備えている。昇降機構部5は、本体部7とパンタグラフ式のアーム4を備えている。本体部7には、水平レール13、エンコーダ14、駆動源15、演算部16、出力変換器17が固定されている。駆動源15はエアシリンダ18であり、チューブ19側が本体部7に固定され、ロッド20が上下する。昇降機構部5のアーム4は、支点21、力点22、作用点23がある。水平レール13に支点21が係合されている。水平レール13は固定されているので、支点21は上下には動かない。力点22はロッド20の先端に係合され、駆動源15で力点22を駆動することで荷役物11が昇降する。エンコーダ14は力点22に係合され、エンコーダ14は力点22の上下の移動距離を検出する。演算部16は、エンコーダ14と操作部6と駆動源15と出力変換器17と電源24に接続されている。出力変換器17は、実施例では電空レギュレータであり、エア源25に接続されている。演算部16は、地切りモードと昇降モードを有している。実施例では、駆動源15はエアシリンダ18を使用しているが、電気モータ・油圧シリンダ・電動シリンダでもよく駆動源を限定するものでない。
【0014】
図3は、操作部電気信号とレバーへの力の大きさのグラフである。X軸がレバー9への力の大きさであり、Y軸が操作部6の操作部電気信号である。実線が地切りモードで、点線が昇降モードである。地切りモードでは、操作部電気信号の出力を大きくして、地切り時間を短くする。昇降モードでは、操作部電気信号の出力を地切りモードより小さくしている。作業者8がレバー9への力を大きくすると、その力に応じて操作部電気信号の出力も大きくなる。昇降モードでは、レバー9への力が弱い力だとゆっくり、強い力だと速く、力の加減に応じて昇降する。荷役物11を把持して地切りする間は、地切りモードである。荷役物11を把持して地切りする間以外は、昇降モードである。後述するが、地切りモードでは、操作部電気信号の出力が制限される。
【0015】
図4は、エンコーダ移動距離と操作部電気信号の制限値のグラフである。地切りモードの場合に、操作部6の操作部電気信号を制限している。図4の垂直の点線は、補助線である。X軸は力点のエンコーダ14移動距離であり、Y軸が操作部6の操作部電気信号の制限値である。図3では、操作部電気信号の値が15であっても、地切りモードでは、エンコーダ14の位置により操作部電気信号の値が制限される。たとえば、エンコーダ14移動距離の値が9mmの時には、操作部電気信号の値が15であっても、操作部電気信号は5となる。操作部電気信号の値を制限するのは、値を制限していない場合に作業者8が必要以上にレバー9に力を入れと、後述する駆動源指令力が大ききなり過ぎて荷役物11が跳ね上がるからである。操作部電気信号が、制限値以下の場合はその値が採用される。実施例では、荷役物11を把持してから地切りするまでの力点22の移動は、10mmとしている。この10mmの距離は、荷役物11の最大重量の時において、荷役物11の把持の瞬間の力点と地切りする瞬間の力点の地切り予測距離として予め設定している。把持の瞬間から地切りする瞬間の間で、力点22が移動するのは、アーム4とアーム4のつなぎ目など微小のガタやアーム4の撓み分などがあるためである。荷役物11の最大重量を予め設定することで、荷役物11の重量が最小でも対応可能である。エンコーダ14の移動距離は、0mmの地点が把持した瞬間で、10mmが地切りすると設定した地点である。0mmから9mmまでは、操作部電気信号の制限値は緩やかに下降し、9mmから10mmは急下降する。9mmから10mmは急下降することで、地切りする直前で跳ね上がりを抑制する制御となる。
【0016】
図5は、エンコーダの移動距離と駆動源指令力のグラフである。地切りモードの場合の駆動源指令力の変化である。図5の垂直と水平の点線は、補助線である。X軸は力点のエンコーダ14移動距離であり、Y軸が駆動源15への駆動源指令力である。駆動源指令力は、地切りコントロール力31とワーク重量基本力32の合計である。ワークとは、荷役物11の事である。駆動源指令力のY軸に20kgfと記載してあるが、20kgの荷役物11を持ち上げるのに必要な駆動源指令力を示している。演算部16は一定時間毎に演算し、操作部電気信号と力点22の移動距離に応じて地切りコントロール力31を演算する。演算部16は一定時間毎に演算し、ワーク重量基本力32は、地切りコントロール力31に係数を乗したものとワーク重量基本力32の一定時間の前の値を加えて演算する。ワーク重量基本力32の推移は、原点から右上がりの点線33で示している。ワーク重量基本力32と地切りコントロール力31を加えたものを駆動源指令力とし、駆動源指令力を演算部16が駆動源15に指令する。0の原点が、荷役物11をアタッチメント10が把持した瞬間であり、エンコーダ14移動距離が10mmの地点が地切りの瞬間である。エンコーダ14移動距離が9mmの地点は、地切りの直前であり、駆動源指令力を急激に下げ、地切り後の跳ね上がりを抑制する。地切りコントロール力31の増減の推移は、荷役物11の把持と同時に作業者8が上昇側にレバー9に力を入れ、地切りさせようとするので地切りコントロール力31が急激に増え、そして、図4の操作部電気信号の制限値の設定があるので、エンコーダ14移動距離が9mmの地点から激減する。エンコーダ14移動距離が10mmの地点以降は、地切り後であり昇降モードとなる。駆動源指令力を一旦20kgf以上してから20kgfにするのは、地切りの瞬間にふわっと荷役物11を地切りさせるためである。
【0017】
図6は、経過時間と駆動源指令力のグラフである。地切りモードの場合の駆動源指令力の変化である。図6の垂直と水平の点線は、補助線である。X軸は経過時間であり、Y軸が駆動源15への駆動源指令力である。駆動源指令力は、地切りコントロール力41とワーク重量基本力42の合計である。ワークとは、荷役物11の事である。駆動源指令力のY軸に20kgfと記載してあるが、20kgの荷役物11を持ち上げるのに必要な駆動源指令力を示している。演算部16は一定時間毎に演算し、操作部6の操作部電気信号と力点22の移動距離に応じて地切りコントロール力41を演算する。一定時間毎とは、1ms(=1000分の1秒)である。演算部16は一定時間毎に演算し、ワーク重量基本力42は地切りコントロール力41に係数を乗したものとワーク重量基本力42の一定時間の前の値を加えて演算する。ワーク重量基本力42の推移は、原点から右上がりの点線43で示している。ワーク重量基本力42と地切りコントロール力41を加えたものを駆動源指令力とし、駆動源指令力を演算部16が駆動源15に指令する。0の原点が、荷役物11をアタッチメント10が把持した瞬間であり、経過時間が1000ms(=1秒)の時点が地切りの瞬間である。経過時間が900msの時点は、地切りの直前であり、駆動源指令力を急激に下げ、地切り後の跳ね上がりを抑制する。地切りコントロール力41の増減の推移は、荷役物11の把持と同時に作業者8が上昇側にレバー9に力を入れ、地切りさせようとするので地切りコントロール力41が急激に増え、そして、図4の操作部電気信号の制限値の設定があるので、経過時間が900msの時点から激減する。経過時間が1000msの時点以降は、地切り後であり昇降モードとなる。例えば、300msの時点で、地切りコントロール力41が8kgf、ワーク重量基本力42が7kgfとすると、駆動源指令力は15kgfとなる。1ms後の301msの時点は、地切りコントロール力41が7.999kgfとなると、ワーク重量基本力42は前回の300msのワーク重量基本力42が7kgf+地切りコントロール力41が7.999kgf×0.006の計算となり7.047994kgfで、駆動源指令力は15.046994kgfとなる。1ms毎に、「地切りコントロール力41」+「1ms前のワーク重量基本力42」+「地切りコントロール力41×0.006」=「駆動源指令力」として演算される。1ms毎に、操作部6の操作部電気信号と力点22の移動距離に応じて地切りコントロール力42は演算される。0.006は、係数である。
換言すると、
地切りコントロール力41=A
1ms前のワーク重量基本力42=b
ワーク重量基本力42=B=b+A×0.006
駆動源指令力=C=A+B
係数=0.006
A+(b+A×0.006)=C となる。
操作部電気信号と力点22の移動距離に応じて地切りコントロール力41を演算し、ワーク重量基本力42は地切りコントロール力41に係数を乗したものとワーク重量基本力42の一定時間の前の値を加えて演算され、ワーク重量基本力42と地切りコントロール力41を加えたものを駆動源指令力とし、駆動源指令力を演算部16が駆動源15に指令する。1ms毎に演算されるので、図6のようになる。駆動源指令力を一旦20kgf以上してから20kgfにするのは、地切りの瞬間にふわっと荷役物11を地切りさせるためである。
【0018】
図7は、制御のフロー図である。地切りモードの制御のフロー図であり、地切りモード開始のステップ51と、操作部電気信号を受信のステップ52と、力点の移動距離を受信のステップ53と、地切りコントロール力を演算のステップ54と、ワーク重量基本力を演算のステップ55と、駆動源指令力を演算のステップ56と、駆動源指令力を出力変換器に出力のステップ57と、地切り判定のステップ58と、地切りモード終了のステップ59と、昇降モードに移行のステップ60を備えている。フローは、1ms(=1000分の1秒)毎に操作部電気信号を受信のステップ52から地切り判定のステップ58まで行われる。操作部電気信号を受信のステップ52は、操作部6のレバー9への力の度合を電気信号で出力しており、その電気信号を操作部電気信号として演算部16で受信する。力点の移動距離を受信のステップ53は、荷役物11を把持した瞬間の力点22の位置からの力点22の移動距離を演算部16で受信する。地切りコントロール力を演算のステップ54は、操作部電気信号と力点22の移動距離に応じて地切りコントロール力を演算部16で演算する。ワーク重量基本力を演算するステップ55は、地切りコントロール力に係数を乗したものにワーク重量基本力の一定時間の前の値を加えたものをワーク重量基本力として演算部16で演算する。駆動源指令力を演算のステップ56は、地切りコントロール力とワーク重量基本力を加算されたものを駆動源指令力として演算部16で演算する。駆動源指令力を出力変換器に出力のステップ57は、前のステップの駆動源指令力を演算のステップ56で演算された駆動源指令力を出力変換器17に出力する。出力変換器17は、駆動源指令力を駆動源15へ指示する。地切り判定のステップ58は、エンコーダ14で力点22の移動距離を検出し地切りしたかを判定する。地切り判定で、地切りしていないと操作部電気信号を受信のステップ52からやり直す。地切り判定で地切りしていると判定すると、地切りモード終了のステップ59に移行する。地切り判定の基準は、力点22の移動距離が荷役物11の把持の瞬間から10mmを超えたかである。例えば、荷役物11の最大重量が20kgで、地切りモードで力点22の移動距離が10mmと設定したとすると、10kgの荷役物11の場合は、力点22の移動距離が10mm未満で地切りしてしまうが、10mm未満で地切りしても地切りした直後に10mmの地点を通過するので地切りと判定できる。地切りモード終了のステップ59の次は、昇降モードに移行のステップ60である。
【0019】
荷役物の把持の瞬間の力点と地切りする瞬間の力点の地切り予測距離を予め設定について説明する。地切り時の力点22の距離は、アーム4など構成部品組付けの微小なガタやアーム4の撓みなどで、必ず発生する。地切り時の力点22の予測距離は、荷役物11の最大重量を基準として決めるが、想定しても実測しても良い。実施例では、20kgの荷役物11の場合、地切りでの力点22の移動距離は10mmとする。例えば、同じ荷役物運搬機1で10kgの地切りの力点22の移動距離を測定すると10mm未満であるが20kgの荷役物の力点22の移動距離との差は微小で、図7の地切り判定の判定のステップ58で問題なく制御でき、荷役物11の重量が一定でなくても、スムースな地切りが可能である。荷役物11の重量が違っても力点22の移動距離の変化が微小なのは、アーム4やアタッチメント10自体に重量があり、荷役物11の重量の変化の影響は少ないからである。力点22の地切り予測距離を予め設定するのは、顧客への出荷前の荷役物運搬機1の組立完了時である。また、顧客に納入した後でも力点22の地切り予測距離を変更することは可能である。
【0020】
作業と制御の流れを説明する。図1のように作業者8が荷役物11をアタッチメント10で把持する。次に、荷役物11を台12から地切りさせようと操作部6のレバー9の上昇側に力を入れる。作業者8のレバー9への力の入れ具合により、図5図6のように地切りコントロール力31・41とワーク重量基本力32・42が急増する。エンコーダ14の移動距離が9mmになると、図4の操作部電気信号の制限値により、地切りコントロール力31・41が急減する。そして、エンコーダ14が10mmの地点で地切りが完了する。エンコーダ14の移動距離が9mmで地切りコントロール力31・41を急減させるのは、荷役物11の跳ね上がりを抑制する為である。地切りした後は、昇降モードになり、作業者8のレバー9への力の入れ具合により昇降速度は可変する。荷役物11の重量が一定でなくても、スムースな地切りが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0021】
実施例1では、アームの構造がパンタグラフ式だが、スカラ式のアームの荷役物運搬機でもよい。また、駆動源をエアシリンダとしているが、力点を駆動させるなら電気モータや油圧シリンダなど何でもよい。
【符号の説明】
【0022】
1 荷役物運搬機
2 台座
3 旋回台
4 アーム
5 昇降機構部
6 操作部
7 本体部
8 作業者
9 レバー
10 アタッチメント
11 荷役物
12 台
13 水平レール
14 エンコーダ
15 駆動源
16 演算部
17 出力変換器
18 エアシリンダ
19 チューブ
20 ロッド
21 支点
22 力点
23 作用点
24 電源
25 エア源
31 地切りコントロール力
32 ワーク重量基本力
33 点線
41 地切りコントロール力
42 ワーク重量基本力
43 点線
51 地切りモード開始のステップ
52 操作部電気信号を受信のステップ
53 力点の移動距離を受信のステップ
54 地切りコントロール力を演算のステップ
55 ワーク重力基本力を演算のステップ
56 駆動源指令力を演算のステップ
57 駆動源指令力を出力変換器に出力のステップ
58 地切り判定のステップ
59 地切りモード終了のステップ
60 昇降モードに移行のステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7