特許第6872468号(P6872468)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6872468中空器官の表面の画像を取得するためのカプセル内視鏡
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6872468
(24)【登録日】2021年4月21日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】中空器官の表面の画像を取得するためのカプセル内視鏡
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20210510BHJP
【FI】
   A61B1/00 CZDM
   A61B1/00 730
【請求項の数】13
【外国語出願】
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-209578(P2017-209578)
(22)【出願日】2017年10月30日
(65)【公開番号】特開2018-134380(P2018-134380A)
(43)【公開日】2018年8月30日
【審査請求日】2020年10月22日
(31)【優先権主張番号】16197309.4
(32)【優先日】2016年11月4日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】510285610
【氏名又は名称】オヴェスコ エンドスコピー アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100081776
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 宏
(72)【発明者】
【氏名】セバスチャン ショステク
(72)【発明者】
【氏名】アリッサ アルビーツ
(72)【発明者】
【氏名】マルク オー.シュァー
【審査官】 相川 俊
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/041618(WO,A1)
【文献】 特開2005−152043(JP,A)
【文献】 特開2013−255820(JP,A)
【文献】 特開2005−103123(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0155565(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00 − 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空器官の表面(23)の画像を取得するように適合され、所定の軸方向長さおよび前記軸方向長さよりも小さい直径を有するカプセル内視鏡(15)であって、
少なくとも一部が光透過性材料で構成されたカプセル内視鏡(15)のハウジングを通して、前記カプセル内視鏡(15)の径方向の外表面(9)上の所定の画像取得領域(12)に存在する前記中空器官の表面(23)の一部の顕微鏡画像を取得するように、光軸が前記カプセル内視鏡(15)の径方向に向けられる、顕微鏡画像取得アセンブリ(26)と、
画像取得中に前記ハウジングの前記光透過性材料を介して前記カプセル内視鏡(15)の径方向に光線を放射するように適合された光源(29)と、
を備え、
前記ハウジングの前記光透過性材料に組み込まれた前記光源(29)のうち光学的に透明な材料(2)と、前記光源(29)と前記所定の画像取得領域(12)との間に位置する前記ハウジングの前記光透過性材料とが、同等の屈折率を有し、前記光源(29)と前記所定の画像取得領域(12)との間の屈折界面が回避されるように、相互に接続され、
前記カプセル内視鏡(15)の前記外表面(9)には、凹部(27)を備え、
前記凹部(27)の位置は、前記カプセル内視鏡(15)の前記外表面(9)上の前記画像取得領域(12)の位置と少なくとも部分的に一致するカプセル内視鏡。
【請求項2】
前記光源(29)は、前記光透過性材料とは別個の構成要素に直接組み込まれるか、又は埋設され、前記別個の構成要素は前記ハウジングの前記光透過性材料に直接組み込まれるか、又は埋設される請求項1に記載のカプセル内視鏡。
【請求項3】
前記別個の構成要素の前記光透過性材料および前記ハウジングの前記光透過性材料は、同等の屈折率を有する請求項2に記載のカプセル内視鏡。
【請求項4】
前記顕微鏡画像取得アセンブリ(26)は、前記ハウジング内に設けられた管腔(13)内に、または前記ハウジングの前記光透過性材料の内側に配置され、
光軸方向に見たときに、前記顕微鏡画像取得アセンブリ(26)の上方に別個の歪み防止要素(28)が設けられ、
前記別個の歪み防止要素(28)は、光軸方向に見たときに前記管腔(13)の上側境界を形成するために前記ハウジングの前記光透過性材料と相互接続されるとともに、前記管腔(13)内に存在する流体と前記歪み防止要素(28)との間の境界で屈折界面が生じないように適合されている請求項1ないし3のいずれか1つに記載のカプセル内視鏡。
【請求項5】
前記歪み防止要素(28)は、前記管腔(13)の上側境界を形成する一方の側に、前記ハウジングの内側表面の構造と異なるとともに、前記歪み防止要素(28)の表面における屈折を低減するように適合されている所定の表面構造を有する請求項4に記載のカプセル内視鏡。
【請求項6】
前記カプセル内視鏡(15)の重心(31)が前記カプセル内視鏡(15)の幾何学的中心点(32)からずれている請求項1ないし5のいずれか1つに記載のカプセル内視鏡。
【請求項7】
前記カプセル内視鏡(15)の前記重心(31)が、前記カプセル内視鏡(15)の前記幾何学的中心点(32)から、カプセル内視鏡(15)の前記外表面(9)上の前記画像取得領域(12)の位置に向かってずれている請求項6に記載のカプセル内視鏡。
【請求項8】
さらに、前記画像取得領域(12)に近接する物体の存在を検出するように構成された近接検出アセンブリ(19)を備え、
前記近接検出アセンブリ(19)による検出結果が肯定的である場合には、前記顕微鏡画像取得アセンブリ(26)および前記光源(29)を作動させる請求項1ないし7のいずれか1つに記載のカプセル内視鏡。
【請求項9】
さらに、前記顕微鏡画像取得アセンブリ(26)の画像取得動作と優先的にまたは同時に、前記カプセル内視鏡(15)のより大きな周囲の巨視的画像を取得するように適合された巨視的状況画像取得アセンブリ(21)を備える請求項1ないし8のいずれか1つに記載のカプセル内視鏡。
【請求項10】
前記光源(29)は、鋳造、グラウチング、ポッティング、圧入、埋設により、および/または、直接的または間接的に前記ハウジングの前記光透過性材料と同等の屈折率を有する中間カップリング流体を介して、前記ハウジングの前記光透過性材料と相互接続される請求項1ないし9のいずれか1つに記載のカプセル内視鏡。
【請求項11】
前記光源(29)が相互に接続または一体化されている前記ハウジングの前記光透過性材料が、前記カプセル内視鏡(15)の前記ハウジングの外層も構成している請求項1ないし10のいずれか1つに記載のカプセル内視鏡。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれか1つに記載のカプセル内視鏡(15)を用いて中空器官の表面(23)の顕微鏡画像を取得する方法であって、
前記カプセル内視鏡(15)の表面と前記中空器官の表面(23)との間の空間は、前記カプセル内視鏡(15)の表面と流体との間の屈折界面を回避するように選択された前記流体で満たされている方法。
【請求項13】
記カプセル内視鏡(15)の表面の前記凹部(27)が、前記カプセル内視鏡(15)の表面と前記流体との間の屈折界面を回避するように選択された前記流体で満たされている請求項を引用する請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中空器官の表面の画像を取得するためのカプセル内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カプセル内視鏡が、小腸などの臓器の画像を取得することが容易且つ無痛な方法を提供するので、カプセル内視鏡の使用が広く普及している。小腸などの臓器の画像は、そうでなければ煩雑な方法でしか取得できない。
【0003】
カプセル内視鏡は、単純に、患者に飲み込まれ、胃腸管を通って、その移動中に所定の時間間隔でデータを捕捉(キャプチャ)することができる。したがって、カプセル内視鏡は、一般に、複数のセンサ、データ処理ユニット、エネルギー源、およびデータ記憶ユニットまたはデータ送信ユニットを備える。
【0004】
良好な生体適合性および良好なデータ捕捉を達成するために、そのようなカプセル内視鏡の外側ハウジングは、カプセル内視鏡が腸管の環境、例えば胃の中の酸に耐えて同時にセンサを最適に機能させることを確実にするように、慎重に設計されなければならない。したがって、光センサの場合、外側ハウジングは、光源によって放射される光の経路またはセンサによって捕捉される光の経路を妨げない光学的に透明な材料で優先的に作られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】EP15196319
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のカプセル内視鏡は、光学センサ、例えば、 胃腸管の管腔を捕捉するためのカメラを備えている。換言すると、従来のカプセル内視鏡は、一般に、胃腸管の巨視的画像を捕捉する。理想的には中空器官の全表面積のこの広い視野の巨視的捕捉は、中空器官の表面上の病理のより小さな局面を正確に特定することを可能にするが、病理の病巣の小スケール、高解像度、または微視的な画像(顕微鏡画像)を考慮していない。
【0007】
従来のカプセル内視鏡は、その構成要素の構成のために、且つ、そのような高解像度で中空器官の全表面を捕捉すると管理不能な量のデータにつながるという事実のために、一般的に、そのような接近捕捉(クローズアップキャプチャ)には不向きである。カプセル内視鏡の動きに応じてデータの取り込みを制御してデータ量を削減したカプセル内視鏡は、EP15196319で知られている。
【0008】
本発明によって解決されるべき課題は、中空器官、特に中空器官の表面における微細構造体のより良好な捕捉を可能にするカプセル内視鏡を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、中空器官の表面の画像を取得するように適合され、所定の軸方向長さと、その軸方向長さよりも小さい直径と、を有するカプセル内視鏡によって解決される。カプセル内視鏡は、少なくとも一部が光透過性材料で構成された(少なくとも一部に光透過性材料を備える)、すなわち少なくとも部分的に光透過性をもつ材料で構成されたカプセル内視鏡のハウジングを介して、カプセル内視鏡の径方向外面の所定の画像取得領域に存在する中空器官の表面の一部の顕微鏡画像を取得するように、光軸がカプセル内視鏡の径方向に向けられた顕微鏡画像取得アセンブリを備えている。カプセル内視鏡は、さらに、画像取得の間、ハウジングの光透過性材料を介してカプセル内視鏡の径方向に光線を放出するように適合された光源を備え、当該光源と、当該光源と所定の画像取得領域との間に位置するハウジングの光透過性材料とは、光源と所定の画像取得領域との間に屈折界面が存在しないように、互いに相互接続されている。
【0010】
屈折界面が、照明または画像取得等のための屈折界面を通って進む光に取るに足らない程度で影響を及ぼす場合には、屈折界面は、存在しない(回避される又は防止される)ものと定義される。特に、屈折界面で生じる屈折または反射は、本発明による画像取得にとって本質的に重要ではない。存在しない屈折界面は、2つの異なる材料間の界面であってもよく、それら2つの材料の屈折率は、本発明による画像取得にとって本質的に重要でないように、本質的に等しいか同等である。例えば、1.59の屈折率を有するポリカーボネートと1.55〜1.63の屈折率を有するエポキシ樹脂との界面では、屈折率の差が最大0.04と小さいために顕著な屈折効果は存在しない。したがって、ポリカーボネートとエポキシ樹脂との間の屈折界面は存在しない(回避される又は防止される)と考えられる。一方、ポリカーボネートと屈折率1.00の空気との界面では、差が0.55と大きく、屈折効果は無視できない程度である。したがって、ポリカーボネートと空気との間には、そのような屈折界面が存在する(例えば、間隙(ギャップ)の場合)。
【0011】
本発明は、光源から画像取得アセンブリへの望ましくない光拡散によって生成される光ノイズを、直接的に低減することまたはカプセル内視鏡を構成する材料の屈折効果によって最小限に抑えることによって、画像品質を改善することを目的とする。光源と所定の画像取得領域との間に屈折界面が存在しない又は生成されないようにカプセル内視鏡を構成することにより、望ましくない光の散乱、すなわち光ノイズが低減される。
【0012】
「顕微鏡」は、本特許出願の意味において、裸眼では見ることができない構造の画像を可視化/捕捉することができる任意の装置である。顕微鏡という用語は、特に、サイズが数マイクロメートル、すなわち1ミリメートル未満の構造の画像を可視化/捕捉することができる任意の装置を意味する。本発明に係るカプセル内視鏡の光源/照明手段は、LED(発光ダイオード)であってもよい。本特許出願の意味における顕微鏡画像取得アセンブリ/顕微鏡画像取得手段/接触撮像ユニットは、顕微鏡画像を取得するように構成されたアセンブリ/手段/ユニットである。顕微鏡画像取得アセンブリ/顕微鏡画像取得手段/接触撮像ユニットは、一般に、いくつかのレンズの光モジュール、および感光性CMOS(Complementary metal−oxide−semiconductor)チップ形態の光センサを優先的に含む。画像取得領域は、カプセル内視鏡の表面のうち、当該表面から進む光線が画像取得アセンブリによって捕捉される領域である。顕微鏡画像取得アセンブリは、カプセル内視鏡のハウジングを通して顕微鏡画像を取得する。したがって、カプセル内視鏡の表面領域上の画像取得領域の形状、サイズおよび位置は、カプセル内視鏡の光源、画像取得アセンブリおよび外部ハウジングの幾何学的配置によって予め決定することができる。
【0013】
光源、および光源と所定の画像取得領域との間に位置するハウジングの光透過性材料は、鋳造技術/グラウチング(注入)技術によって相互に接続することができる。光源は、ハウジングの光透過性材料に光源を直接的に押圧、圧入または埋設することによって、またはハウジングの光透過性材料を光源上に鋳造することによって、ハウジングの光透過性材料に接続されうる。重要なことに、光源と光透過性材料との間には隙間が存在しないので、光源と光透過性材料との間の境界には屈折界面が形成されない。したがって、光源は、ハウジングの光透過性材料に直接組み込むことができる。
【0014】
代替的に、光源は、光透過性材料の別個の構成要素に直接組み込まれまたは埋め込まれてもよく、前記別個の構成要素は、ハウジングの光透過性材料に直接組み込まれる。光源は、鋳造、グラウチング、圧入、埋設または同様の技術によって別個の構成要素に組み込むことができ、別個の構成要素は、鋳造、グラウチング、圧入、埋設または同様の技術によってハウジングの光透過性材料に組み込むことができる。
【0015】
本発明の有利な態様によれば、光源が組み込まれた別個の構成要素の光透過性材料と、別個の構成要素が組み込まれるハウジングの光透過性材料とは、本質的に同じ屈折率を有する。
【0016】
本発明の別の有利な態様によれば、画質をさらに改善するために、顕微鏡画像取得アセンブリは、別個の歪み防止要素(歪み防止部材)を備えた専用管腔内に配置される。この別個の歪み防止要素は、所定の画像取得領域に最も近い管腔の側面の間に位置するカプセル内視鏡のハウジングの光学的に透明な材料から分離されている。歪み防止要素は、所定の画像取得領域に最も近い管腔の側に管腔の境界を形成するように適合され、さらに、管腔内に存在する流体と歪み防止要素との間の境界において、屈折界面が発生するのを防止するように適合される。歪み防止要素は、本質的にアセンブリの一部であるという意味において分離されており、歪み防止要素が圧入、グラウチング、埋設、またはポッティングによって達成されるアセンブリと一体的な部分であるということを排除するものではない。言い換えれば、歪み防止要素は、別個の個別構成要素/部品であるという意味で分離されているが、例えば圧入、グラウチング、埋設、またはポッティングにより、より大きな構成要素の組立体に組み込まれて一体化されてもよい。
【0017】
専用管腔は、空気または他のガスを含むことができる中空空間である。したがって、管腔と歪み防止要素との間に屈折界面が形成される。屈折界面を形成する歪み防止要素の表面は、この界面の効果が画像取得にとって些細なものであり続けることを確実にするために重要である。
【0018】
この目的のために、歪み防止要素は、少なくとも管腔の境界を形成する歪み防止要素の一部に、歪み防止要素の表面における屈折を減少させるように構成された所定の表面構造を有する。例えば、歪み防止要素は、非常に滑らかな表面を有する光透過性材料のプレートとすることができる。このような滑らかな表面は、研磨によって得られる。このような研磨された光透過性材料のプレートは容易に製造することができ、そのようなプレートの表面の品質/特性を決定する際に非常に高い再現性を得られる。歪み防止要素は、一般に、圧入、グラウチング、埋設、またはポッティングによって光透過性材料と相互接続される板状または煉瓦状の部品とすることができる。したがって、歪み防止要素は、光透過性材料内の象嵌(インレイ、はめ込み)であり得る。あるいは、歪み防止要素は、光透過性材料の内側表面上に堆積させることもできる。
【0019】
光ノイズをさらに減少させ、照明の有効性を高めるために、光源は、カプセル内視鏡のハウジング内の径方向に、カプセル内視鏡の中心から可能な限り遠くに配置されてもよい。光源は、カプセル内視鏡の外側境界または表面層をも構成するカプセル内視鏡の材料に統合されてもよい。
【0020】
光源は、1つまたは複数のLEDとして実現することができ、画像取得アセンブリは、レンズアセンブリおよびCMOSチップを含むカメラとすることができる。光源をカプセルのハウジングにおける最も外周側の層に統合することによって、光源は、捕捉される対象物のできるだけ近くに配置される。この配置は、光源から放射される光が捕捉される対象物まで短い距離を移動するだけでよく、したがって望ましくない光の散乱または屈折による損失が最小限に抑えられるので、照明の効率を高める。それに加えて、この構成は、ぼやけ、反射および一般的な画像品質の劣化を招く機会、すなわち光源から発せられた光が画像取得アセンブリに直接捕捉される機会を最小化する。
【0021】
光源が、捕捉される対象物のできるだけ近くに配置され、好ましくは画像取得アセンブリよりも捕捉される対象物の近くに配置される場合、光源によって放射された光は、捕捉される対象物に衝突した後及び反射された後、本質的に画像取得アセンブリに到達することができる。また、画像取得アセンブリは、カプセル内視鏡の中心長手方向軸に近い径方向に配置されてもよく、または光源よりもカプセル内視鏡の内部にさらに向かって配置されてもよい。
【0022】
したがって、光源と画像取得アセンブリとの配置は、画像取得アセンブリによって実行される画像取得に伴う光源からの光の干渉を最小にするよう慎重に構成されている。
【0023】
カプセル内視鏡の機能的構成要素(機能部品)の構成または配置のほかに、画像取得プロセスに関連するカプセル内視鏡の構成要素(部品)の製造のために選び出される材料の選択は、画像品質を改善するという目的によっても決定される。この態様によれば、特に、画像取得および/または照明のための光路に沿って本質的に等しい屈折率を有する材料を選択することは、画像品質を向上させる働きをする。
【0024】
したがって、カプセル内視鏡の外面上の所定の画像取得領域と画像取得アセンブリおよび/または光源との間に存在する材料は、本質的に一定の屈折率を優先的に有する。
【0025】
これは、光源から捕捉される対象物に向けて放射された光が、光源から少なくともカプセル内視鏡の多層ハウジングの最外周層までの全経路に沿って本質的に同じ屈折率の材料に遭遇することを意味する。同様に、捕捉される対象物から反射された光は、捕捉される対象物から、または少なくともカプセル内視鏡の多層ハウジングの最も周辺の層から、画像取得アセンブリまでの経路全体に沿って、実質的に同じ屈折率の材料に遭遇する。
【0026】
光線/ビームの全経路に沿って本質的に同じ屈折率を有する材料をこのように選択することにより、屈折率の異なる2つの隣接する材料の境界に生じる屈折境界面による望ましくない光の散乱または光の偏向/屈折を低減することができる。したがって、屈折率の違いを避けるために、光路に沿って材料を慎重に選択することによって、画質をさらに改善することができる。
【0027】
本発明のさらに別の態様によれば、カプセル内視鏡の外面上の所定の画像取得領域と、画像取得アセンブリおよび/または光源を含む管腔との間に存在する材料は、全体が1つの固体材料または複数の固体材料で構成される。光路中に固体材料のみを用いることによって、液体または気体を含まないので、屈折率の大きな差による望ましくない効果をさらに低減することができる。
【0028】
流体(例えば、空気)および/または固体で満たされた内腔と周囲の材料との境界に生じる屈折界面を防止するために、本発明の一態様によれば、管腔は、画像取得アセンブリと、カプセル内視鏡の外面上の所定の画像取得領域との間に配置された歪み防止要素を備えることができる。この歪み防止要素は、好ましくは、所定の予め設定された表面構造を有する光透過性材料の部品である。
【0029】
本発明の他の態様によれば、カプセル内視鏡の重心は、カプセル内視鏡の幾何学的中心点からずらされている。カプセル内視鏡の位置が、画像取得領域を含むカプセル内視鏡の外面の一部が、捕捉されるべき物体(例えば、中空器官の組織)に対して優先的に押圧されるように傾けられることにより、顕微鏡画像収集アセンブリおよび光源が捕捉される対象物に近づく。このように、撮像される組織と顕微鏡画像取得アセンブリとの間に直接接触が確立され、したがって、顕微鏡画像取得アセンブリは接触撮像ユニットまたは接触撮像アセンブリと呼ぶこともできる。
【0030】
好ましくは、カプセル内視鏡の重心の位置は、カプセル内視鏡の外面上の画像取得領域に向かう方向に、カプセル内視鏡をその長手方向軸から空間的に傾斜させるように選択される。カプセル内視鏡が腸管を通って移動するにつれて、カプセル内視鏡の傾斜した位置によって、画像取得領域を含むカプセル内視鏡の側面が組織表面に押し付けられる。この効果を達成するために、カプセル内視鏡の重心は、カプセル内視鏡の幾何学的中心点から、カプセル内視鏡の外面上の画像取得領域の位置に向かって優先的に移動される。
【0031】
本発明のさらなる態様によれば、カプセル内視鏡は、カプセル内視鏡のハウジング内に凹部を有する。凹部の位置は、少なくとも部分的に画像取得領域と一致する。好ましくは、画像取得領域は凹部内に完全に収容される。
【0032】
凹部は、生来の構成で捕捉される対象物の変形可能な構造的特徴の捕捉を可能にする。凹部がなければ、このような変形可能な構造は、カプセル内視鏡が捕捉される対象物に押し付けられるので、画像取得プロセス中に平坦化される。
【0033】
例えば、小腸では、腸の絨毛が腸壁から腸の内腔に突出する。そのような腸の絨毛が、カプセル内視鏡の表面に凹部のないカプセル内視鏡で捕捉されると、腸の絨毛は、カプセル内視鏡によって小腸の壁に対して平らにされる。したがって、腸の絨毛の三次元形状/構成の病理を正確に診断することはできない。
【0034】
凹部は、腸の絨毛のような変形可能な構造が凹部によって形成された空間に入り、それらの本来の生理学的三次元形状をとることを可能にする。凹部の位置が画像取得領域の位置と優先的に一致するので、凹部に含まれる腸の絨毛を捕捉することができる。
【0035】
本発明のさらなる態様によれば、カプセル内視鏡は、画像取得領域に近接して物体の存在を検出するように構成された近接検出アセンブリをさらに備え、前記検出結果が肯定的である場合には、画像取得アセンブリを選択的に作動させまたはスイッチを入れて作動させる。
【0036】
この近接検出アセンブリは、カプセル内視鏡の近くまたはすぐ近傍に、特にカプセル内視鏡の外面の画像取得領域の中に、捕捉される対象物が実際に存在する場合にのみ、画像取得が行われることを確実にすることによって、カプセル内視鏡のエネルギー使用効率を向上させる働きをする。近接検出アセンブリは、例えば、赤外線センサまたは小型カメラとすることができる。
【0037】
本発明のさらなる態様によれば、カプセル内視鏡は、画像取得アセンブリの画像取得動作と優先して、カプセル内視鏡のより大きな周囲の広視野巨視的捕捉を実行するように構成された巨視的状況画像取得アセンブリをさらに備えることができる。
【0038】
このような巨視的状況画像取得アセンブリの提供は、カプセル内視鏡の画像取得アセンブリが、画像取得領域のすぐ近くに存在するあるいはカプセル内視鏡の外面上の画像取得領域に直接接触する物体の比較的小さな領域の高解像度の拡大画像を提供するように適合された接触画像取得アセンブリとして構成される場合に特に有用である。
【0039】
このような顕微鏡画像取得アセンブリは、捕捉される対象物の非常に小さな領域の非常に詳細なビューを提供するが、これらの画像データの正確な解釈は、この非常に詳細なビューが捕らえられた状況に関する情報を必要とすることが多い。
【0040】
例えば、顕微鏡画像取得アセンブリは、腸の絨毛を含む小さな領域の非常に詳細な顕微鏡画像を捕捉することができる。しかしながら、捕捉された腸絨毛の形態が正常であるかどうかを正確に診断するためには、この小さな領域が捕捉された腸管内の位置に関する情報を有することが必要である。したがって、例えば食道または小腸において、この画像が画像取得アセンブリによって捕捉されたかどうかの情報が必要である。
【0041】
したがって、巨視的状況画像取得アセンブリは、カプセル内視鏡の周囲のより大きな画像、すなわち胃腸管の管腔を捕捉し、それによって画像取得アセンブリによって取得された情報の状況(コンテキスト)を提供する。好ましくは、画像取得アセンブリは、カプセル内視鏡の外面上の画像取得領域に存在する対象物を捕捉/画像化すると同時に、状況画像取得アセンブリは、カプセル内視鏡のより大きな周囲を捕捉/画像化する。
【0042】
状況画像取得アセンブリ及び画像取得アセンブリの異なる機能は、好ましくは、カプセル内視鏡の側方/半径方向の周辺表面に有利に配置された画像取得アセンブリがカプセル内視鏡上のそれらの位置決めに反映され、 中空器官の壁に押し付けられるように、カプセルが胃腸管を通って移動し、状況画像取得アセンブリが優先的にカプセル内視鏡の前端または後端に配置され、中空器官の内腔の一部を撮像するようになる。
【0043】
カプセル内視鏡は、体外受信器ユニットにデータを送信するため、または体外送信器ユニットからデータを受信するための遠隔測定ユニットをさらに含むことができる。
【0044】
本発明の別の態様は、本発明によるカプセル内視鏡を用いて中空器官の表面の顕微鏡画像を取得する方法に関する。この方法によれば、カプセル内視鏡の表面と中空器官の表面との間の空間は、カプセル内視鏡の表面と流体との間の屈折界面を回避/消失するように選択された流体および/または物質で満たされる。このような流体の使用によって、カプセル内視鏡の表面上の画像取得領域と周囲の流体および/または物質との間に屈折界面が生じないか、または屈折界面の効果が著しく減少する。このような流体は、例えば、典型的なハウジング材料の屈折率に近い1.47の屈折率を有するポリエチレングリコールであり得る。当該流体および/または物質は、カプセル内視鏡のハウジングの光透過性材料と同じまたは本質的に同じ屈折率を有するように選択することができる。
【0045】
カプセル内視鏡の表面に凹部を有するカプセル内視鏡を用いて画像を取得する場合には、凹部内のカプセル内視鏡の表面と流体および/または物質との間の屈折界面を回避するように選択された流体で凹部が満たされることが重要である。凹部内において三次元の解剖学的構造、例えば腸の絨毛が、それらの固有の構成を採用することができるように、このような解剖学的構造の三次元構成に影響を及ぼす疾患の診断中に高画質を保証するためには、凹部内の流体/物質の存在を確実にすることが不可欠である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】顕微鏡画像取得アセンブリが接触撮像ユニットであり、データ処理ユニット、データ記憶ユニットおよび電源を有する、本発明によるカプセル内視鏡の一実施形態を示す図である。
図2】接触撮像ユニットと近接検出アセンブリ/接触センサとを備え、さらに巨視的状況画像取得アセンブリ/管腔撮像ユニットと、データ処理ユニットと、遠隔測定ユニットと、電源とを有する本発明によるカプセル内視鏡の一実施形態示す図である。
図3】本発明によるカプセル内視鏡を示しており、特に、顕微鏡画像取得アセンブリ/接触撮像ユニットの構造的特徴を開示している図である。
図4a図4aおよび図4bは、本質的に滑らかな組織表面を有する組織の接触撮像のために適合されたカプセル内視鏡の一実施形態における顕微鏡画像取得アセンブリ/接触撮像ユニットの特徴を示す詳細図である。図4aは、別個の構成要素(28)を有さない接触撮像ユニットを示している。
図4b図4aおよび図4bは、本質的に滑らかな組織表面を有する組織の接触撮像のために適合されたカプセル内視鏡の一実施形態における顕微鏡画像取得アセンブリ/接触撮像ユニットの特徴を示す詳細図である。図4bは、別個の構成要素(28)を有する接触撮像ユニットを示している。
図5】本質的に滑らかな組織表面による組織の接触撮像に特に適合したカプセル内視鏡の一実施形態における、顕微鏡画像取得アセンブリ/接触撮像ユニットの特徴を示す詳細図である。
図6】三次元的に構造化された組織表面による組織の接触撮像に特に適したカプセル内視鏡の一実施形態における顕微鏡画像取得アセンブリ/接触撮像ユニットの特徴を示す詳細図である。
図7】顕微鏡画像取得アセンブリ/接触撮像ユニットの構成の特徴および三次元的に構造化された組織表面の捕捉を示す詳細図である。
図8】本発明のカプセル内視鏡の重心と幾何学的中心点を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本発明のさらなる特徴および利点は、以下の好ましい実施形態の説明から明らかになる。
【0048】
図1に示すように、本発明のカプセル内視鏡15は、画像取得アセンブリとしての接触撮像ユニット17と、データ処理ユニット18と、データ記憶ユニット22と、電源20とを備えている。
【0049】
図2は、接触撮像ユニット17と、データ処理ユニット18と、遠隔測定ユニット(テレメトリユニット)16と、近接検出アセンブリとしての接触センサユニット19と、コンテキスト画像取得アセンブリとしての管腔撮像ユニット21とを備える本発明に係るカプセル内視鏡15を示している。
【0050】
本発明の他の実施形態は、図1に示す実施形態においてデータ記憶ユニットの代わりに遠隔測定ユニットを有するようなもの、図2に示す実施形態において近接検出アセンブリ/接触センサを有さないもの、または図1に示す実施形態において近接検出アセンブリ/接触センサを備えるもののような、特徴の異なる組合せを有することができる。他のそのような組み合わせも可能である。
【0051】
図3に示すように、外側ハウジングは、カプセル内視鏡の内部11をカプセル内視鏡の周囲から分離する。外側ハウジング上には外側カプセル表面9がある。
【0052】
接触撮像ユニット17のさらなる構成上の詳細は、接触撮像ユニット17の詳細な図(符号14で示す)が示されている図4から明らかになる。
【0053】
この実施形態によれば、カプセル内視鏡15のハウジングの光学的に透明な材料1と従来のLED29の光学的に透明な材料2との間の光屈折界面が本質的に消滅するか又は消失されるように、接触撮像ユニット17の光源/照明手段は、好ましくは、カプセル内視鏡15の外側ハウジングの外層を形成する光学的に透明な材料1と接続された1つ以上の従来のLED29を含む。
【0054】
これは、形状嵌合機構および/または鋳造技術を介して同様の屈折率を有する2つの材料を優先的に接続することによって達成される。図4a、図4b、図5図6および図7において、前記材料/構成要素(部品)間の屈折界面のこの消失を示すために、カプセル内視鏡15のハウジングの光学的に透明な材料1と従来のLED29の光学的に透明な材料2との間の線は破線で示されている。
【0055】
各LED29は、基板材料3上に取り付けられ、光学的に透明な材料2によって取り囲まれて接続されたLEDチップ4を含む。LED29の光学的に透明な材料2およびカプセル内視鏡15のハウジングの光学的に透明な材料1は、LEDチップ4からカプセル内視鏡15の外側ハウジングにおけるカプセル表面9上の画像取得領域12へのフォームロック機構によって、LEDチップ4から放射された光が互いに優先的に接続された固体材料成分を専ら通るように選択される。
【0056】
外側ハウジングは、単一の材料層または複数の層から形成され、カプセル内視鏡15の内部11を周囲から隔てることができる。図4に示す実施形態では、2つのLEDチップ4は、カプセル内視鏡15の外面9をカプセル内視鏡15の内部11から隔てるカプセル内視鏡15の外側ハウジングの最も周辺の層1に埋め込まれる。
【0057】
光学的に透明な材料1は、固体材料であり、特に画像取得領域12において、カプセル表面9の一部を形成する。光学的に透明な材料1は、材料複合体であってもよく、材料複合体内の光学特性、特に屈折率は、画像取得領域12から画像取得アセンブリ17および/または画像取得アセンブリ内に含まれる光学センサへ移動する光の全経路に沿って本質的に等しいかまたは一定である。これは、光学撮像の品質を低下させる可能性がある、異なる屈折率の異なる材料間の界面における光の歪みまたは散乱を防止するのに役立つ。
【0058】
カプセル内視鏡の高い生体適合性、耐薬品性および/または表面特性を達成するために、特別なハウジング/コーティングをカプセル内視鏡の外側ハウジングに付着させることができる。このハウジング/コーティングはパリレンであってもよい。
【0059】
そのような場合、光透過性材料であるパリレンの非常に薄い層は、10〜20マイクロメートルの寸法であり得、ハウジング材料と光学的に透明な材料1との間の屈折率の差があっても、照明の質および/または画像取得の低下を引き起こさない。パリレンの層が非常に薄いので、カプセル内視鏡の材料の光学特性への悪影響が最小限に抑えられる。
【0060】
LED29は、電子導体板のようにLED29の動作のための電気回路が一体化された基板材料5の層上に取り付けられている。LED29の基板材料5への取り付けは、接着または接着(LEDの直接取り付け)または溶接/はんだ付け(溶接端子を含む従来のLEDとしてのLEDの取り付け)によって行うことができる。
【0061】
この実施形態では、LED29が光源/照明手段を形成している。
【0062】
以下、接触撮像ユニット17の画像取得アセンブリ/光学センサについて説明する。
【0063】
この実施形態では、画像取得アセンブリは、カメラ26である。カメラ26は、光モジュール6および画像センサ7を備える。光モジュール6及び画像センサ7の幾何学的構成および配置は、カプセル内視鏡15の表面12上に所定サイズの画像取得領域12を生成する。
【0064】
カメラ26は、カプセル内視鏡15内に配置され、その結果、画像取得領域12は、所望のサイズ、例えば1×1ミリメートルの画像取得領域においてカプセル表面9上に生成される。
【0065】
この画像取得領域12では、カプセル表面9に隣接する組織表面23を検出し捕捉することができる。組織表面23がすぐに隣接し、実際に物理的に画像取得領域12に接触すると、画像品質が向上する。
【0066】
光源/照明手段の効率を高めるためには、光源/照明手段をカプセル表面9の画像取得領域12に可能な限り近接して配置することが有効である。
【0067】
画像取得領域12の所望のサイズを同時に決定するために、またカメラ26によって直接捕捉されている光源から放射される光を回避するために、カメラ26は、光源/照明手段すなわちLED29よりも遠方のカプセル表面9から離れている。この目的のために、カメラ26は、カメラ26を収容する管腔13を囲む基材5内の凹部または管腔13内に配置することができる。
【0068】
カメラ26は、管腔13が形成された基材5の層よりも径方向に、カプセル内視鏡15の中心長手方向軸に近い位置に配置された基材8に取り付けられている。言い換えれば、基材8の層は、カプセル15の内部のより近くに配置され、それゆえ、基材5および光学的に透明な材料1の層よりも周縁部が少ない。
【0069】
カメラ26の周囲の管腔13は、流体または固体で満たされ得る。この固体材料はまた光学的に透明な材料1の一部であってもよい。
【0070】
好ましくは、カメラ26を取り囲む管腔13は空気で満たされる。この場合、カメラ26と画像取得領域12との間を移動する光は、カプセル内視鏡15の表面9における画像取得領域12と空気を含む管腔13との間の経路上の光屈折界面を通過する。
【0071】
この光屈折界面は、屈折率差が大きく、例えば、空気では1.0、光学的に透明な材料1では1.5である。また、管腔13内の空気と光学的に透明な材料1との間の境界における境界面10の表面の質に対する要求は高い、なぜならば境界面10を形成する表面の凹凸が歪みを生じさせ、画像品質を低下させる可能性があるからである。
【0072】
カプセル内視鏡15の製造中に境界面10を形成する表面の高品質を保証するとともに、屈折界面の発生を防止するために、歪み防止要素28(例えば、光学的に透明な材料の部品)が、カメラ26を取り囲む管腔13と光学的に透明な材料1との間に配置され得る。
【0073】
歪み防止要素28は、所定の所望の屈折率だけでなく、規定された既知の表面品質および構造のポリマー材料の部品であってもよい。歪み防止要素28を含む接触撮像ユニット17を有するカプセル内視鏡15が図4bに示されている。
【0074】
歪み防止要素28は、画像取得領域12に最も近い管腔13側に管腔13の境界を形成することができる。歪み防止要素28の表面は、所定の特性を有するように調整することができ、例えば歪み防止要素28と管腔13との間の界面に生じるぼやけ及び歪みが最小限に抑えられるように、非常に滑らかでおよび/または規則的であることが望ましい。
【0075】
このような歪み防止要素28は、複雑さが増し、コストが増大し、再現性が制限される鋳造技術を使用する必要なしに、境界面10を形成する表面の十分な品質を保証する働きをする。
【0076】
この実施形態では、歪み防止要素28は、光学的に透明な材料の部品であり、光学的に透明な材料1の一部を形成する。これにより、歪み防止要素28と他の光学的に透明な材料1との境界面が消失する。この効果は、歪み防止要素28と光学的に透明な材料1との間の破線によって図4bに示されている。
【0077】
カプセル内視鏡のいくつかの用途では、画像取得領域12のカプセル表面9の輪郭がカプセル内視鏡15の残りの部分に沿った内視鏡表面の輪郭に本質的に従うと有利である。換言すれば、このような実施形態では、カプセル内視鏡の表面は、突起または窪みのない本質的に滑らかなカプセル状である。このようなカプセル内視鏡15は、滑らかな表面を有する組織を捕捉するのに特に適している。
【0078】
図5に示すように、画像取得領域12内のカプセル内鏡面9に直接近接して配置された組織30の滑らかな組織表面23は、光源によって照射され、カメラ26によって捕捉され得る。
【0079】
カプセル内視鏡15の表面9および組織表面23の両方が本質的に平らで滑らかなので、組織表面23と画像取得領域12との間に直接接触が確立され得る。この構成は、食道の組織表面を捕捉するのに特に有利である。
【0080】
三次元的に構造化された表面を有する組織が捕捉される場合、カプセル内視鏡15は、図6および図7に示すように、凹部27をさらに備えることができる。
【0081】
画像取得領域12は、この凹部27の境界内で優先的に延びる。凹部27は、組織表面に存在する構造体25を含むように働くとともに、カプセル内視鏡15を組織30に押し付けた状態で、これらの構造体25が凹部27によって発生した空間に侵入して生理的な立体形状を再現できるように構成されている。
【0082】
例えば、凹部27は、小腸の絨毛が画像取得プロセスの間に生理学的構成をとることを可能にする。従来のカプセル内視鏡では、腸の絨毛は、腸の絨毛をそれらの本来の形態で視覚化できない画像取得中に、異常な位置に平らにプレスされる。これは、例えばセリアック病に存在する腸の絨毛の三次元配置または形状における病状を検出することを不可能にする。
【0083】
カプセル内視鏡の使用中、小腸は水様液体、例えばポリエチレングリコールで満たされ得る。この場合、内視鏡表面9と組織表面23との間の空間24は、光学的に透明な材料1に対して、例えば空気よりも著しく小さい屈折率差を特徴とする透明な液体で満たされる。
【0084】
この場合、カプセル内鏡面9およびポリエチレングリコールに形成された屈折界面は、表面9と空気との間の界面よりも照射および画像取得に対する負の影響が少ない。これは、光学的に透明な材料1と空間24との間のカプセル表面9の破線によって図7に示されている。
【0085】
さらに、カプセル内視鏡15は、接触撮像ユニット17/画像取得領域12の直近にある組織30の存在を検出するように構成された接触検出ユニットを備えることができる。
【0086】
これは、画像取得領域12/カプセル表面9に組織30が存在しない場合に、画像取得領域12/カプセル表面9に対して所望の近接状態または直接的に接触した状態での画像取得を防止するのに役立つ。これは、有用なデータを生成するために、組織がカプセル内視鏡に十分に近接していない時のエネルギー使用を避けるために特に有利である。
【0087】
さらに、カプセル内視鏡15は、中空器官の管腔を捕捉するコンテキスト画像取得アセンブリ/管腔撮像ユニット21を備えることができ、特に接触撮像ユニット17も組織表面のクローズアップ画像を捕捉する。
【0088】
これは、診断画像の品質を向上させるために、コンタクト撮像ユニット17によって取り込まれた画像にコンテキストを提供する目的を果たす。例えば、腸の絨毛の欠如は、腸管のいくつかの部分では完全に正常であるが、腸管の他の部分では、腸の絨毛の欠如は、病気を強く示唆する。
【0089】
図8に示すように、カプセル15の重心31は、カプセル15の幾何学的中心点32と一致する必要はない。カプセル15の重心31は、カプセル内視鏡15の幾何学的中心点32から接触撮像ユニット17に向かう方向に優先的に移動される。
【0090】
これにより、空間内のカプセル15に傾斜した方向性がもたらされ、接触式撮像ユニット17が配置されたカプセル内視鏡15の側方が組織表面23に直接接近または直接接触する。
【0091】
これは、接触撮像ユニット17をも含むカプセル内視鏡15の側方に高密度に部品(例えば電池)を配置することによって、または接触撮像ユニット17とは反対側のカプセル内視鏡15の側方に低密度(例えば空気)の空間を生成することによって達成することができる。
【0092】
カプセル内視鏡15の幾何学的中心点32は、カプセル内視鏡15が完全に等密度の材料で完全に構成されている場合、重心31と一致する。
【符号の説明】
【0093】
1 カプセル表面の光学的に透明な材料
2 LEDの光学的に透明な材料
3 LEDの基板材料
4 LEDチップ
5 基板材料
6 光モジュール
7 光センサ
8 カメラの基材
9 カプセル表面
10 境界面
11 カプセルの内部
12 画像取得領域
13 管腔
14 接触撮像ユニット17の拡大図
15 カプセル内視鏡
16 遠隔測定ユニット
17 接触撮像ユニット
18 データ処理ユニット
19 接触センサ/近接検出アセンブリ
20 電源
21 管腔撮像ユニット/状況画像取得収集アセンブリ
22 データ記憶ユニット
23 組織表面構造
24 空間
25 組織構造
26 カメラ
27 凹部
28 歪み防止要素
29 LED
30 組織
31 重心
32 幾何学的中心点
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5
図6
図7
図8