特許第6872472号(P6872472)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6872472
(24)【登録日】2021年4月21日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】ライダーカバー
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/481 20060101AFI20210510BHJP
   G02B 5/28 20060101ALI20210510BHJP
   G02B 5/26 20060101ALI20210510BHJP
   G01S 17/931 20200101ALI20210510BHJP
【FI】
   G01S7/481 Z
   G02B5/28
   G02B5/26
   G01S17/931
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-230068(P2017-230068)
(22)【出願日】2017年11月30日
(65)【公開番号】特開2019-100792(P2019-100792A)
(43)【公開日】2019年6月24日
【審査請求日】2019年11月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】504136889
【氏名又は名称】株式会社ファルテック
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 久典
(72)【発明者】
【氏名】清水 祐介
(72)【発明者】
【氏名】山口 和紀
【審査官】 東 治企
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−042841(JP,A)
【文献】 特開2002−116318(JP,A)
【文献】 特開2015−025770(JP,A)
【文献】 特開2003−004942(JP,A)
【文献】 特開2004−198617(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第03104190(EP,A1)
【文献】 特開平07−104066(JP,A)
【文献】 特開2008−160115(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/48−7/51
G01S 17/00−17/95
G01C 3/00−3/32
G01B 11/00−11/30
G01J 1/00−1/60
G02B 5/00−5/32
G08G 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されるライダーユニットを覆いかつ前記ライダーユニットの測定光を透過可能なライダーカバーであって、
前記測定光の透過方向から見た一部領域は、少なくとも外部からの可視光の一部を反射しかつ前記測定光を透過する可視光反射層を有する可視光反射領域であり、
前記一部領域と異なる他領域は、前記可視光反射領域よりも前記測定光の透過率が高い高透過率領域であり、
前記可視光反射領域は、前記測定光の透過方向から見た全領域の上部に配置されている
ことを特徴とするライダーカバー。
【請求項2】
前記測定光が通過可能で前記ライダーユニット側に背面を向けて配置された基部層と、 前記可視光反射領域にて前記基部層の表面側に配置された前記可視光反射層と、
前記可視光反射領域及び前記高透過率領域にて最も表層側に配置されると共に前記測定光及び前記可視光を透過可能な保護層と
を備えることを特徴とする請求項記載のライダーカバー。
【請求項3】
前記高透過率領域にて前記基部層の表面側に配置されると共に少なくとも前記測定光を透過する厚さ調整層を備えることを特徴とする請求項記載のライダーカバー。
【請求項4】
前記可視光反射層は、誘電体多層膜からなるコールドミラー層であることを特徴とする請求項1〜いずれか一項に記載のライダーカバー。
【請求項5】
前記可視光反射層は、複数の積層された金属薄膜を有する積層金属薄膜からなることを特徴とする請求項1〜いずれか一項に記載のライダーカバー。
【請求項6】
前記可視光反射層は、前記測定光に含まれる波長成分の一部のみを選択的に透過させることを特徴とする請求項1〜いずれか一項に記載のライダーカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ライダーカバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、安全意識等の高まりから、車両の周囲の障害物等を検知するライダーユニットの車両への搭載が進みつつある。このライダーユニットは、赤外線等の肉眼で視認ができない測定光を射出し、その反射光を受光することにより、障害物等の物体までの距離や物体の形状を示すデータを取得する。このようなライダーユニットを車両に搭載する場合には、ライダーユニットの保護等のために、ライダーユニットの前方にライダーカバーを設置する場合がある。例えば、特許文献1には、コールドミラー層により金属調光沢を備えるライダーカバーが開示されている。また、特許文献2には、ゲルマニウム(Ge)層により金属調光沢を備えるライダーカバーが開示されている。また、赤外線を透過可能な黒色のライダーカバーも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−198617号公報
【特許文献2】特開2010−243436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、ライダーユニットの測定光は、コールドミラー層やゲルマニウム(Ge)層を透過する際に一部が吸収されて減衰する。より遠方の障害物等を検知可能とするためには、コールドミラー層やゲルマニウム(Ge)層を設けずに、測定光の透過率が高い材料のみによってライダーユニットを形成することが好ましい。しかしながら、可視光及び測定光に対して透明な材料のみでライダーカバーを形成した場合には、外部からライダーユニットが明確に視認可能となり、外観のデザイン性が極めて重視される車両の外装部品に適さない。また、測定光に対する透過率が高い黒色樹脂材料のみでライダーカバーを形成した場合にも、ライダーカバーの色彩が限定されてしまうことから、車両の外装部品に適さない。
【0005】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、車両の外装部品として用いられるライダーカバーにおいて、ライダーユニットの測定光の減衰を抑えかつ外観デザインの自由度を向上可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
【0007】
第1の発明は、車両に搭載されるライダーユニットを覆いかつ上記ライダーユニットの測定光を透過可能なライダーカバーであって、上記測定光の透過方向から見た一部領域が、少なくとも外部からの可視光の一部を反射しかつ上記測定光を透過する可視光反射層を有する可視光反射領域であり、上記一部領域と異なる他領域が、上記可視光反射領域よりも上記測定光の透過率が高い高透過率領域であるという構成を採用する。
【0008】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記可視光反射領域が、上記測定光の透過方向から見た全領域の上部に配置されているという構成を採用する。
【0009】
第3の発明は、上記第1または第2の発明において、上記測定光が通過可能で上記ライダーユニット側に背面を向けて配置された有色の基部層と、上記可視光反射領域にて上記基部層の表面側に配置された上記可視光反射層と、上記可視光反射領域及び上記高透過率領域にて最も表層側に配置されると共に上記測定光及び上記可視光を透過可能な保護層とを備えるという構成を採用する。
【0010】
第4の発明は、上記第3の発明において、上記高透過率領域にて上記基部層の表面側に配置されると共に少なくとも上記測定光を透過する厚さ調整層を備えるという構成を採用する。
【0011】
第5の発明は、上記第1〜第4いずれかの発明において、上記可視光反射層が、誘電体多層膜からなるコールドミラー層であるという構成を採用する。
【0012】
第6の発明は、上記第1〜第4いずれかの発明において、上記可視光反射層が、複数の積層された金属薄膜を有する積層金属薄膜からなるという構成を採用する。
【0013】
第7の発明は、上記第1〜第6いずれかの発明において、上記可視光反射層が、上記測定光に含まれる波長成分の一部のみを選択的に透過させるという構成を採用する。
【発明の効果】
【0014】
本発明においては、ライダーカバーを測定光の透過方向から見た場合の全領域の一部領域が、少なくとも外部からの可視光の一部を反射しかつ測定光を透過する可視光反射層を有する可視光反射領域とされている。このような可視光反射領域は、少なくとも可視光の一部を反射することから、金属調等の有色に外部から視認される領域となる。一方、本発明においては、上記可視光反射領域と異なる他領域が、可視光反射領域よりも測定光の透過率が高い高透過率領域とされている。つまり、本発明のライダーカバーは、測定光の透過率が相対的に低いものの有色でデザイン性に優れた領域(可視光反射領域)と、相対的にデザインの自由度が低いものの測定光の透過率が高い領域(高透過率領域)との光学特性が異なる2つの領域を有している。このため、ライダーカバーの設置状態に応じて、例えば外部の者から視認されやすい領域に可視光反射領域を配置し、外部の者から視認され難い領域に高透過率領域を配置する等のレイアウトの選択することができる。したがって、本発明によれば、車両の外装部品として用いられるライダーカバーにおいて、ライダーユニットの測定光の減衰を抑えかつ外観デザインの自由度を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態におけるライダーカバーを含む概略構成図であり、(a)が正面図であり、(b)が側面図である。
図2】本発明の一実施形態におけるライダーカバーの概略図であり、(a)が正面図であり、(b)が(a)のA−A断面図である。
図3】本発明の一実施形態におけるライダーカバーの製造方法を説明する模式図である。
図4】本発明の一実施形態におけるライダーカバーの変形例の断面図である。
図5】本発明の一実施形態におけるライダーカバーの変形例の製造方法を説明する模式図である。
図6】本発明の一実施形態におけるライダーカバーの変形例の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明に係るライダーカバーの一実施形態について説明する。なお、以下の図面において、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0017】
図1は、本実施形態のライダーカバー1を含む概略構成図であり、(a)が正面図であり、(b)が側面図である。本実施形態のライダーカバー1は、車両に搭載されるライダーユニットRを車両の外側方向から覆うように配置されたカバー部材である。例えば、本実施形態のライダーカバー1は、ライダーユニットRが車両前方に測定光を射出する場合にはライダーユニットRの前方に配置され、ライダーユニットRが車両の右側方に測定光を射出する場合にはライダーユニットRの右方に配置され、ライダーユニットRが車両の左側方に測定光を射出する場合にはライダーユニットRの左方に配置され、ライダーユニットRが車両の後方に測定光を射出する場合にはライダーユニットRの後方に配置される。つまり、本実施形態のライダーカバー1の設置姿勢は、特に限定されるものではない。
【0018】
本実施形態のライダーカバー1によって覆われるライダーユニットRは、赤外線レーザ光等を測定光として射出すると共に、測定光の反射光に基づいて、物体までの距離や物体の形状を取得する装置である。このようなライダーユニットRは、例えば、測定光を発生する光源や測定光を案内する照射レンズ等を有する射出部と、入射した反射光を案内する受光レンズや反射光を電気信号に変換する受光素子等を有する受光部と、受光部から出力された電気信号を信号処理する演算部とを備えている。なお、ライダーユニットRの構成は特に限定されるものではない。
【0019】
本実施形態のライダーカバー1は、図1に示すように、略矩形の板状に成形されており、背面側をライダーユニットR側に向けた状態で配置される。このような本実施形態のライダーカバー1は、不図示の他の部品によって支持され、車両の外装部品として設置される。なお、本実施形態のライダーカバー1は、必ずしも略矩形状とされている必要はない。例えば、本実施形態のライダーカバー1を他の樹脂外装部品に形成された開口に嵌め込むように配置するような場合には、本実施形態のライダーカバー1は、開口形状に合わせた形状とされる。例えば、上記開口が円形である場合には本実施形態のライダーカバー1の形状は円形状とされ、上記開口が三角形である場合には本実施形態のライダーカバー1の形状は三角形状とされる。さらに、本実施形態のライダーカバー1の表裏面は必ずしも平面である必要はない。例えば、本実施形態のライダーカバー1が他の湾曲面を有する部材と一体的に設置される場合には、他の部材の表面と表面が面一となるように表裏面が湾曲面であっても良い。また、例えば本実施形態のライダーカバー1の全体形状を樹脂外装部品の形状とすることも可能である。
【0020】
図2は、本実施形態のライダーカバー1の概略図であり、(a)が正面図であり、(b)が(a)のA−A断面図である。図2(a)に示すように、本実施形態のライダーカバー1は、可視光反射領域R1(一部領域)と、高透過率領域R2(他領域)と、縁領域R3とを有している。
【0021】
可視光反射領域R1は、測定光の透過方向(測定光の射出方向)に沿った方向から見た場合のライダーカバー1の全領域のうち上部に配置された領域である。この可視光反射領域R1は、高透過率領域R2よりも上部に配置されている。一般的に、ライダーカバー1は、車両の外部の者が見下ろす位置に配置されている。このため、高透過率領域R2よりも上方に配置される可視光反射領域R1は、高透過率領域R2よりも外部の者から視認しやすい位置に配置されている。この可視光反射領域R1は、後述のコールドミラー層3によって、外部からの可視光を反射しかつ測定光を透過する。例えば、本実施形態のライダーカバー1においては、可視光反射領域R1は、ライダーユニットRの射出部の前方に配置されている。
【0022】
高透過率領域R2は、測定光の透過方向(測定光の射出方向)に沿った方向から見た場合のライダーカバー1の全領域のうち下部に配置された領域である。上述のように、一般的にはライダーカバー1は、車両の外部の者が見下ろす位置に配置されている。このため、可視光反射領域R1よりも下方に配置される高透過率領域R2よりも外部の者から視認し難い位置に配置されている。この高透過率領域R2は、コールドミラー層3が配置されておらず、測定光を高効率で透過する。例えば、本実施形態のライダーカバー1においては、高透過率領域R2は、ライダーユニットRの受光部の前方に配置されている。
【0023】
縁領域R3は、測定光の透過方向(測定光の射出方向)に沿った方向から見た場合のライダーカバー1の全領域のうち、可視光反射領域R1及び高透過率領域R2を全周に亘って囲む環状の領域である。図1に示すように、本実施形態のライダーカバー1は、外縁部がライダーユニットRよりも側方に張り出す大きさとされている。縁領域R3は、このライダーユニットRから側方に張り出した領域である。このような縁領域R3は、可視光反射領域R1と同様にコールドミラー層3が配置されており、外部からの可視光を反射する。
【0024】
本実施形態のライダーカバー1は、図2(b)に示すように、基部層2と、コールドミラー層3(反射層)と、保護層4とを備えている。基部層2は、コールドミラー層3及び保護層4を支持する支持部材であり、背面側をライダーユニットR側に向けて配置されている。この基部層2は、測定光が透過可能であり、例えば黒色あるいは透明なアクリル樹脂材料によって形成されている。なお、基部層2は、単層である必要はなく、例えば測定光が透過可能なインク層を含む多層構造とすることも可能である。
【0025】
コールドミラー層3は、外部からの可視光を反射すると共に赤外線を透過する誘電体多層膜からなる。このようなコールドミラー層3は、図2(b)に示すように、可視光反射領域R1にて、基部層2の表面に積層配置されている。なお、このようなコールドミラー層3は、測定光を透過する他の層を介して基部層2に固着されていても良い。
【0026】
また、本実施形態のライダーカバー1においては、高透過率領域R2には、コールドミラー層3が設けられていない。このため、高透過率領域R2において、測定光は、コールドミラー層3を通過せず、コールドミラー層3で吸収されることなくライダーカバー1を通過する。このようなコールドミラー層3は、可視光及び測定光に対して透明な保護層4よりも測定光の透過率が低い。このため、コールドミラー層3が設けられていない高透過率領域R2は、可視光反射領域R1と比較して測定光の透過率が高い領域となっている。
【0027】
なお、本実施形態のライダーカバー1においてコールドミラー層3は、可視光反射領域R1のみならず、縁領域R3にも設けられている。縁領域R3は、上述のようにライダーユニットRから側方に食み出した部位であることから測定光を通過可能とする必要はなく、必ずしもコールドミラー層3を設ける必要はない。ただし、コールドミラー層3を設けることによって、縁領域R3と可視光反射領域R1との色調を合せることができ、ライダーカバー1全体の色調を一様に近づけることが可能となる。
【0028】
保護層4は、コールドミラー層3を覆うようにして基部層2のライダーユニットRと反対側の面に対して形成されたクリア層であり、基部層2の表面に固着されている。この保護層4は、基部層2及びコールドミラー層3の表面を保護すると共に、可視光及び測定光を透過する薄い層である。このような保護層4は、例えば、傷付き防止のためのハードコート処理やウレタン系塗料のクリヤコート処理によって形成される。このような保護層4によって、本実施形態のライダーカバー1は、耐傷性や耐候性を有している。
【0029】
本実施形態のライダーカバー1を製造する場合には、まず、図3(a)に示すように、コールドミラー層3を形成する。コールドミラー層3は、例えば真空成形にて賦形することにより形成する。このように形成されたコールドミラー層3は、可視光反射領域R1及び縁領域R3に合わせて形状設定される。続いて、図3(b)に示すように、基部層2を形成する。ここでは、コールドミラー層3を金型の内部に収容して基部層2を射出成形によって形成するインサート成形にて、コールドミラー層3に一体化された基部層2を形成する。最後に、上述のようにハードコート処理やクリヤコート処理によって保護層4を形成する。
【0030】
このような本実施形態のライダーカバー1においては、ライダーユニットRの射出部から射出された測定光が可視光反射領域R1を通過する。このとき、測定光は、高透過率領域R2と比較すると僅かにライダーカバー1に吸収される。ただし、ライダーユニットRの射出部から射出された直後の測定光は、障害物等によって反射された反射光と比較すると極めて光量が大きい。このため、射出直後の測定光の一部がライダーカバー1に吸収されても、ライダーユニットRの測定可能範囲に与える影響は少ない。
【0031】
一方で、本実施形態のライダーカバー1においては、障害物等によって反射された測定光が高透過率領域R2を通過する。反射されてライダーユニットRの受光部に到達する測定光は、射出部から射出された直後の測定光と比較すると光量が極めて小さい。ただし、高透過率領域R2は可視光反射領域R1と比較して高効率にて測定光を通過させるため、障害物等に反射した測定光は、ライダーカバー1に殆ど吸収されることなくライダーユニットRに到達する。
【0032】
以上のような本実施形態のライダーカバー1においては、ライダーカバー1を測定光の透過方向から見た場合の全領域の一部領域が、外部からの可視光を反射しかつ測定光を透過するコールドミラー層3を有する可視光反射領域R1とされている。このような可視光反射領域R1は、外部からの可視光を反射することから、金属調の有色に外部から視認される領域となる。一方、本実施形態のライダーカバー1においては、可視光反射領域R1と異なる領域(他領域)が、可視光反射領域R1よりも測定光の透過率が高い高透過率領域R2とされている。
【0033】
つまり、本実施形態のライダーカバー1は、測定光の透過率が相対的に低いものの有色でデザイン性に優れた領域(可視光反射領域R1)と、相対的にデザインの自由度が低いものの測定光の透過率が高い領域(高透過率領域R2)との光学特性が異なる2つの領域を有している。このため、ライダーカバー1の設置状態に応じて、例えば外部の者から視認されやすい領域に可視光反射領域R1を配置し、外部の者から視認され難い領域に高透過率領域R2を配置する等のレイアウトの選択することができる。例えば、本実施形態においては、可視光反射領域R1をライダーカバー1の上部に配置し、高透過率領域R2をライダーカバー1の下部であってライダーユニットRの受光部の前方に配置するレイアウトを採用している。
【0034】
したがって、本実施形態のライダーカバー1は、車両の外装部品として用いられるライダーカバーであって、ライダーユニットRの測定光の減衰を抑えかつ外観デザインの自由度を向上させることが可能となる。
【0035】
また、本実施形態のライダーカバー1においては、可視光反射領域R1が、ライダーカバー1を測定光の透過方向から見た全領域の上部に配置されている。一般的に、ライダーカバー1は、車両の外部の者が見下ろす位置に配置されているため、可視光反射領域R1を外部の者から視認しやすいライダーカバー1の上部に配置することによって、ライダーカバー1の全体が金属調であると視認させることが可能となる。同様に、高透過率領域R2を下部に配置することによって、高透過率領域R2が視認され難くなり、ライダーカバー1の全体が金属調であると視認させることが可能となる。
【0036】
また、本実施形態のライダーカバー1においては、測定光が通過可能でライダーユニットR側に背面を向けて配置された有色の基部層2と、可視光反射領域R1にて基部層2の表面側に配置されたコールドミラー層3と、可視光反射領域R1及び高透過率領域R2にて最も表層側に配置されると共に測定光及び可視光を透過可能な保護層4とを備えている。このような本実施形態のライダーカバー1によれば、コールドミラー層及び基部層2が保護層4によって覆われるため、耐候性に優れ、車両の搭載に適したものとなる。
【0037】
また、本実施形態のライダーカバー1においては、可視光反射層としてコールドミラー層3を備えている。このため、可視光反射領域R1を金属調に視認させることが可能となる。
【0038】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0039】
例えば、上記実施形態においては、少なくとも外部からの可視光の一部を反射しかつ測定光を透過する可視光反射層としてコールドミラー層3を備える構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図4に示すように、コールドミラー層3に換えて、測定光を透過する積層金属薄膜5を備える構成を採用することも可能である。積層金属薄膜5は、複数の積層された金属薄膜を有しており、可視光の一部あるいは全部を反射する。可視光の全部を反射する積層金属薄膜5を用いた場合には、鏡面状(金属調)の可視光反射領域R1とすることができる。一方で、可視光の一部のみを反射する積層金属薄膜5を用いた場合には、例えば可視光反射領域R1を単色等の他の色調とすることも可能である。
【0040】
このような図4に示す積層金属薄膜5を備えるライダーカバー1を製造する場合には、例えば、図5(a)に示すように、射出成形によって基部層2を先に形成する。続いて、図5(b)に示すように、例えば蒸着によって積層金属薄膜5を基部層2に形成する。最後に、積層金属薄膜5を覆うように基部層2に対して保護層4を形成する。また、射出成形等により透明なポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂からなる保護層4を先に成形し、保護層4の裏面側に積層金属薄膜5を形成し、最後に測定光が透過可能なインク層を含む多層構造の基部層2を設けることも可能である。
【0041】
また、上記実施形態においては、高透過率領域R2が、基部層2及び保護層4のみが積層された構造とされている。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上述の積層金属薄膜5が上記第1実施形態におけるコールドミラー層3よりも測定光に対する透過率が高い場合には、図6(a)に示すように、上記第1実施形態のライダーカバー1の高透過率領域R2に積層金属薄膜5を設置するようにしても良い。このような場合には高透過率領域R2でも可視光の少なくとも一部を反射することになるが、高透過率領域R2が可視光反射領域R1よりも測定光の透過率が高い構成である点は、上記第1実施形態のライダーカバー1と同様である。
【0042】
なお、図6(a)に示す構造おいて、積層金属薄膜5に、測定光に含まれる波長成分の一部のみを選択的に透過させるバンドパスフィルターとしての機能を持たせるようにしても良い。このような構成を採用することによって、測定光に含まれる特定の波長成分のみをライダーユニットRの入射部に入射させることができ、ライダーユニットRの測定精度を向上させることが可能となる。
【0043】
また、例えば、図6(b)に示すように、図6(a)の積層金属薄膜5に換えて、高透過率領域R2に、可視光及び測定光に対して透明な厚さ調整層6を設けることも可能である。この厚さ調整層6は、基部層2の表面に設けられており、コールドミラー層3と同一あるいは略同一の厚さ寸法を有している。このような厚さ調整層6を備えることによって、コールドミラー層3及び厚さ調整層6の表面を面一とすることができる。このため、例えば保護層4の表面に、コールドミラー層3の表面に沿った凹凸が発生することを抑止することができる。
【0044】
また、本発明は、可視光反射領域R1や高透過率領域R2が単一である構成に限定されるものではない。本発明は、複数の可視光反射領域R1や複数の高透過率領域R2を備える構成を採用することも可能である。
【0045】
また、本発明においては、可視光反射層として、複数の隙間を有する海島構造の金属薄膜層を形成することも可能である。このような金属薄膜層としては、例えばインジウム(In)やアルミニウム(Al)を真空蒸着あるいはスパッタリング法によって基部層2に成膜することによって形成することが可能である。
【符号の説明】
【0046】
1 ライダーカバー
2 基部層
3 コールドミラー層(可視光反射層)
4 保護層
5 積層金属薄膜(可視光反射層)
6 厚さ調整層
R ライダーユニット
R1 可視光反射領域(一部領域)
R2 高透過率領域(他領域)
R3 縁領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6