【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上記の問題を軽減し、安全、便利、及び/又は費用対効果の高い照明装置と照明装置の製造方法とを提供することである。
【0006】
この目的及び他の目的は、独立請求項に記載の特徴を有する照明装置と照明装置の製造方法とを提供することにより達成される。好ましい実施形態は従属請求項に規定される。
【0007】
したがって、本発明の第1の態様によれば、光を発生する少なくとも1つの光源と、少なくとも1つの光源を囲み、少なくとも1つの光源から発生される光を透過する透光性エンベロープとを含む、照明装置が提供される。照明装置は、少なくとも1つの光源に電力を供給するための駆動ユニットをさらに含む。駆動ユニットは、電気エネルギ源に接続可能な一次駆動回路と、少なくとも1つの光源に接続される少なくとも1つの二次駆動回路と、一次駆動回路と少なくとも1つの二次駆動回路との間で電気エネルギを変換する変圧器とを含み、少なくとも変圧器と少なくとも1つの二次駆動回路とは、透光性エンベロープ内に配置される。
【0008】
本発明の第2の態様によれば、照明装置の製造方法が提供される。方法は、光を発生する少なくとも1つの光源を提供するステップを含む。方法は、少なくとも1つの光源を囲み、少なくとも1つの光源から発生される光を透過する透光性エンベロープを提供するステップを、さらに含む。方法は、少なくとも1つの光源に電力を供給するための駆動ユニットであって、電気エネルギ源に接続可能な一次駆動回路を含む駆動ユニットと、少なくとも1つの光源に接続可能な少なくとも1つの二次駆動回路と、一次駆動回路と少なくとも1つの二次駆動回路との間で電気エネルギを変換する変圧器とを、提供するステップをさらに含む。方法は、少なくとも変圧器と少なくとも1つの二次駆動回路とを透光性エンベロープ内に配置するステップをさらに含む。
【0009】
したがって、本発明は、1つ以上の光源と、光源を囲み、光源から発生される光を透過する透光性エンベロープと、変圧器を介して照明装置の光源に電気エネルギを供給するための駆動ユニットとを含む照明装置を提供するという考えに基づいており、駆動ユニットの少なくとも変圧器と二次駆動回路とは、照明装置の透光性エンベロープ内に(完全に)配置される。これにより、照明装置は、絶縁した透光性エンベロープ内で駆動ユニットの変圧器と二次駆動回路とを絶縁し得、これは照明装置の動作中の電気的安全性を保証する構成をもたらすことが理解されよう。さらに、本発明の照明装置は、駆動ユニットの変圧器と二次駆動回路とが照明装置の透光性エンベロープ内に(一体化されて)配置されるので、その構造が便利でコンパクトである。したがって、そのアレンジメントが動作中にしばしば安全でなく、その構造が複雑で、付随的、及び/又は高価である、先行技術における変圧器を含む発光アレンジメントと比較して、本発明の照明装置は、非常に安全で、より便利で、より費用対効果の高い照明装置を提供する。
【0010】
本発明は、駆動ユニットの変圧器と二次駆動回路とが、照明装置の透光性エンベロープ内に完全に配置されるという利点がある。エンベロープは、これにより、少なくとも1つの光源に電力を供給するために駆動ユニットのこれらの部品を完全に絶縁し得る。したがって、本発明の照明装置の透光性エンベロープは、動作中に少なくとも1つの光源から発生される光を透過し得るだけでなく、少なくとも1つの光源に電気エネルギを供給するために、駆動ユニットの変圧器と二次駆動回路とを絶縁及び/又は保護することもし得る。結果として、一次駆動回路と、少なくとも1つの二次駆動回路と、変圧器とを含む、駆動ユニットが、照明装置のエンベロープ内に少なくとも部分的に配置されるので、照明装置は、その動作中に電気的安全性を保証し得る。
【0011】
少なくとも部分的に照明装置の透光性エンベロープ内に駆動ユニットを配置することは、コンパクトで低費用の構造を有する照明装置をさらにもたらすことが理解されよう。
【0012】
本発明は、本発明の照明装置が、光源の数、光源の光束出力等、光源の特性に関して便利に最適化されるという利点がさらにある。例えば、光源の特性の変更の場合、同じ電流(V/I比)で異なる電圧源が必要である。先行技術によるシステムにおいて、光源の特性の変更は、駆動アレンジメント及び/又は駆動設計の変更をしばしば必要とする。対照的に、本発明の照明装置は、二次駆動回路のみ交換される必要がある一方で、一次駆動回路は交換される必要がない点において、このような変更を便利に克服する。言い換えれば、本発明は、光源に電圧を供給するために、調整可能な駆動ユニットの概念を有する照明装置を提供する。さらに、二次駆動回路は交換される一方で、一次駆動回路は異なる光束出力を有する多くの異なる種類の照明装置に使用される。
【0013】
本発明は、本発明の透光性エンベロープが、少なくとも1つの光源からの光の透過と、駆動ユニットの少なくとも一部の効率的な絶縁とを、同時に目的とする単一の材料(例えば、ガラス)から構成されるという利点がさらにある。結果として、本発明のエンベロープは、さらに費用対効果の高い照明装置をもたらす。
【0014】
本発明は、照明装置が従来の白熱電球アレンジメントの1つ以上の部品を再利用し、それにより照明装置の費用対効果にさらに寄与するという利点がさらにある。例えば、フレア、引込線、及び/又は排気管等の白熱電球アレンジメントの部品は、本発明の照明装置の部品を構成する。
【0015】
本発明は、先行技術のアレンジメントのアセンブリと比較して、製造中の照明装置のアセンブリが単純化されるという利点がさらにある。駆動ユニットのアセンブリの少なくとも一部が照明装置のアセンブリの一部を形成し、古典的な生産ライン上で比較的高速で実行され得るので、本発明の照明装置のアセンブリ作業は大幅に低減されることが理解されよう。したがって、本発明は、先行技術のプロセスと比較して、部品表とアセンブリの費用とを低減し得る。結果として、本発明の照明装置は比較的安価であり、これは照明装置の製造のためにも保持される。
【0016】
本発明は、多くの先行技術のアレンジメントと比較して、特に、容易な分解及び/又は再利用動作を妨げる比較的多数の装置及び/又は部品を含むアレンジメントと比較して、照明装置の部品の数が比較的少ないことが、照明装置の再利用が容易であることを意味するという利点がさらにある。
【0017】
本発明の照明装置の前述の利点はまた、このような照明装置を製造する方法についても満たすことが理解されよう。
【0018】
本発明の照明装置は、光を発生する少なくとも1つの光源を含む。照明装置は、少なくとも1つの光源を囲み、光源から発生される光を透過する、透光性エンベロープをさらに含む。“透光性エンベロープ”とは、本明細書において、電球、ケーシング、カバー等の実質的に任意の構造を意味し、少なくとも部分的に半透明な材料をさらに含み(又はそれらから構成され)、これによりエンベロープは光源により発生される光を透過し得る。
【0019】
本発明の照明装置は、少なくとも1つの光源に電力を供給するための駆動ユニットをさらに含む。駆動ユニットは、電気エネルギ源に接続可能な一次駆動回路と、少なくとも1つの光源に接続される少なくとも1つの二次駆動回路と、一次駆動回路と二次駆動回路との間で電気エネルギを変換する変圧器とを含む。“変圧器”とは、本明細書において、電気エネルギを変換し、AC電圧を(第1の)電圧レベルから別の(第2の)電圧レベルに変更するための、実質的に任意の手段を意味する。したがって、本発明の照明装置の駆動ユニットは、第1の電圧レベルを有する電気エネルギ源から、変圧器を介して少なくとも1つの光源に第2の電圧レベルを供給する。
【0020】
本発明の一実施形態によれば、駆動ユニットはエンベロープ内に配置される。したがって、本発明のこの実施形態において、一次駆動回路と、変圧器と、二次駆動回路とを含む駆動ユニット全体は、エンベロープ内に配置される。本実施形態は、エンベロープが駆動ユニットを完全に絶縁し得るように、駆動ユニット全体が照明装置の透光性エンベロープ内に完全に配置されるという利点がある。
【0021】
本発明の一実施形態によれば、一次駆動回路は、エンベロープの口金部分に配置される。“口金部分”とは、本明細書において、照明装置の電気的接続のために、ソケット等に接続される透光性エンベロープの部分を意味する。照明装置のエンベロープが(梨型の)電球の形状を有する場合、“口金部分”は、エンベロープの上部電球部分よりも小さな円周を有する、エンベロープの下部部分の一部を構成することが理解されよう。口金部分は、照明装置のねじ口金(キャップ)を含む又は構成することが理解されよう。本実施形態は、一次駆動が(外部の)電気エネルギ源に容易かつ便利に接続可能であるという利点がある。
【0022】
本発明の一実施形態によれば、照明装置は、エンベロープ内に配置される支持構造体をさらに含み、少なくとも1つの二次駆動回路と少なくとも1つの光源とが支持構造体上に配置される。“支持構造体”とは、本明細書において、照明装置の1つ以上の部品の機械的支持及び/又は電気的支持のために配置される、実質的に任意の要素を意味する。本実施形態は、支持構造体が、照明装置の透光性エンベロープの内部の二次駆動回路と光源との便利なアレンジメントを提供するという利点がある。本実施形態は、光源がその上に配置される支持構造体が、照明装置の所望の発光方向を提供し得るという利点がさらにある。
【0023】
本発明の一実施形態によれば、支持構造体は円筒形状であり、少なくとも部分的に変圧器を囲む。本実施形態は、二次駆動回路と光源とがその上に配置される支持構造体が、照明装置の全指向性配光を提供するという利点がある。本実施形態は、支持構造体の形状及び/又はアレンジメントが、照明装置の比較的詰まった(したがって省スペースの)アレンジメントに寄与するという利点がさらにある。
【0024】
本発明の一実施形態によれば、支持構造体は多角形の断面を有する。本実施形態は、支持構造体の多角形形状が、依然として実質的に全指向性配光を提供し得る一方で、二次駆動回路と光源とがその上に配置される、支持構造体の(平面)領域を提供するという利点がある。
【0025】
本発明の一実施形態によれば、変圧器は、コアと、コアの周囲に配置される一次巻線と、一次巻線を少なくとも部分的に囲む絶縁要素と、絶縁要素の周囲にアレンジされる二次巻線とを含み、照明装置は、コアを囲むステム要素をさらに含む。“ステム要素”とは、本明細書において、変圧器のコアがその中に配置される、(排気)管又は円筒要素等を意味する。現在利用可能な白熱電球アレンジメントは、電球の外に空気を排出し、製造中に電球の中に1つ以上の不活性ガスを挿入するために、排気管電球が提供され、本実施形態は、これにより、本発明の照明装置が、このような排気管を再利用するという利点があることが理解されよう。結果として、本実施形態は、より費用対効果の高い照明装置と、照明装置のより費用対効果の高い製造方法とをもたらす。さらに、本実施形態は、より薄く、よりコンパクトで、及び/又はより便利な照明装置が提供されるという利点がある。
【0026】
本発明の一実施形態によれば、ステム要素は、一次巻線をさらに囲む。したがって、本発明のこの実施形態において、ステム要素は、変圧器のコアと一次巻線とを囲む。本実施形態は、コアと巻線との間の空間の縮小を達成し、結果としてよりコンパクトな照明装置をもたらすという利点がある。本実施形態は、照明装置のアセンブリ中に比較的少数のガラス部品が使用されるので、照明装置の製造がさらに容易になるという利点がさらにある。本実施形態は、照明装置の磁気結合が改善されるという利点がさらにある。
【0027】
本発明の一実施形態によれば、ステム要素は円筒形状であり、エンベロープの口金部分からエンベロープの内部に延在する。ステム要素は、白熱電球の排気管と同じであり、本実施形態は、これにより、本発明の照明装置がこのような排気管を再利用するという利点があることが理解されよう。
【0028】
本発明の一実施形態によれば、絶縁要素及び/又はステム要素はガラスを含む。言い換えれば、絶縁要素とステム要素との少なくとも1つは、ガラスを含む。本実施形態は、ガラスが比較的高い抵抗率を有し、電気的に絶縁性であるという利点がある。本実施形態は、ガラスが比較的安価な材料であり、より費用対効果の高い照明装置と、照明装置を製造するより費用対効果の高い方法とをもたらすという利点がさらにある。
【0029】
本発明の一実施形態によれば、変圧器は、二次巻線の周囲に配置される円筒形状の第1のコア要素と、第1のコア要素の周縁の1つに配置される少なくとも1つの第2のコア要素とをさらに含む。したがって、変圧器のコアに加えて、本実施形態の変圧器は、二次巻線の周囲に配置される円筒形状の第1のコア要素と、第1のコア要素の一端又は両端部に蓋として配置される少なくとも1つの第2のコア要素とをさらに含む。本実施形態は、変圧器の一次巻線と二次巻線との間の結合が、第1及び第2のコア要素によりさらに改善されるという利点がある。
【0030】
本発明の一実施形態によれば、エンベロープは電球型である。したがって、本実施形態において、照明装置の透光性エンベロープは、(梨型の)電球の形状を有する。本実施形態は、照明装置の光源と駆動ユニットとがエンベロープ内に便利に収まるという利点がある。さらに、先行技術による白熱電球アレンジメントにおいて電球形状のエンベロープが一般的に使用されるので、本発明は、本発明の照明装置が、これらの白熱電球アレンジメントのエンベロープを再利用し、より費用対効果の高い照明装置と、照明装置の便利で費用対効果の高い製造方法とをもたらすという利点がある。
【0031】
本発明の一実施形態によれば、エンベロープはガラスを含む。本実施形態は、透光性エンベロープへのガラスの使用により、動作中に少なくとも1つの光源により発生される光の透過と、駆動ユニットの効率的な絶縁及び/又は保護との、両方が可能になるという利点がある。
【0032】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つの光源は、少なくとも1つの発光ダイオード(LED)を含む。本実施形態は、より長い動作寿命及び光エネルギと熱エネルギとの比に関する効率の向上等、白熱ランプと比較してLEDが多くの利点を提供するという利点がある。
【0033】
本発明のさらなる目的、特徴、及び利点は、以下の詳細な開示、図面、及び添付の特許請求の範囲を検討する際に明らかになるだろう。当業者であれば、本発明の異なる特徴を組み合わせて、以下に説明する実施形態以外の実施形態を作成し得ることを理解するだろう。