特許第6872489号(P6872489)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6872489駆動ユニットを含む照明装置及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6872489
(24)【登録日】2021年4月21日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】駆動ユニットを含む照明装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   F21K 9/238 20160101AFI20210510BHJP
   F21K 9/232 20160101ALI20210510BHJP
   F21K 9/90 20160101ALI20210510BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20210510BHJP
   F21V 3/02 20060101ALI20210510BHJP
   F21V 23/02 20060101ALI20210510BHJP
   F21Y 107/30 20160101ALN20210510BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20210510BHJP
【FI】
   F21K9/238
   F21K9/232 100
   F21K9/90
   F21V23/00 140
   F21V3/02 300
   F21V23/02
   F21Y107:30
   F21Y115:10
【請求項の数】14
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-541825(P2017-541825)
(86)(22)【出願日】2016年2月9日
(65)【公表番号】特表2018-505533(P2018-505533A)
(43)【公表日】2018年2月22日
(86)【国際出願番号】EP2016052731
(87)【国際公開番号】WO2016128402
(87)【国際公開日】20160818
【審査請求日】2019年2月4日
(31)【優先権主張番号】15154806.2
(32)【優先日】2015年2月12日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】デ ボンド ガイ ルイス パウル
(72)【発明者】
【氏名】レイデンバウム コーエン テオドルス ヒュバータス フランシスカス
(72)【発明者】
【氏名】ハトラップ クリスティァン
(72)【発明者】
【氏名】ザウアーランダー ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】センペル アドリアヌス
(72)【発明者】
【氏名】ボーネカンプ ヘンリクス フランシスカス
(72)【発明者】
【氏名】バン デン ビガラー テオドルス ヨハネス ペトルス
【審査官】 野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2008/0315784(US,A1)
【文献】 特開2013−041668(JP,A)
【文献】 特開2013−229623(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/131402(WO,A2)
【文献】 特開2014−029866(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/238
F21S 2/00
F21V 23/00
H01F 27/32
H05B 45/00、47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を発生する少なくとも1つの光源と、
前記少なくとも1つの光源を囲み、前記少なくとも1つの光源から発生される光を透過する透光性エンベロープと、
前記少なくとも1つの光源に電力を供給するための駆動ユニットであって、電気エネルギ源に接続可能な一次駆動回路と、前記少なくとも1つの光源に接続可能な少なくとも1つの二次駆動回路と、前記一次駆動回路と前記少なくとも1つの二次駆動回路との間で電気エネルギを変換する変圧器とを含む前記駆動ユニットと
を含む照明装置において、
前記駆動ユニットの前記一次駆動回路と前記変圧器と前記少なくとも1つの二次駆動回路とは、前記エンベロープ内に配置され、
前記変圧器は、コアと、前記コアの周囲に配置される一次巻線と、前記一次巻線を少なくとも部分的に囲む絶縁要素と、前記絶縁要素の周囲に配置される二次巻線とを含み、前記照明装置は、前記コアを囲むステム要素をさらに含む、
照明装置。
【請求項2】
前記駆動ユニットは、前記エンベロープ内に配置される、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記一次駆動回路は、前記エンベロープの口金部分に配置される、請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記エンベロープ内に配置される支持構造体をさらに含み、前記少なくとも1つの二次駆動回路と前記少なくとも1つの光源とは前記支持構造体上に配置される、請求項1乃至3の何れか一項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記支持構造体は円筒形状であり、前記変圧器を少なくとも部分的に囲む、請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記支持構造体は多角形の断面を有する、請求項に記載の照明装置。
【請求項7】
前記ステム要素は前記一次巻線をさらに囲む、請求項1乃至6の何れか一項に記載の照明装置。
【請求項8】
前記ステム要素は円筒形状であり、前記エンベロープの口金部分から前記エンベロープの内部に延在する、請求項1乃至7の何れか一項に記載の照明装置。
【請求項9】
前記絶縁要素及び/又は前記ステム要素はガラスを含む、1乃至8の何れか一項に記載の照明装置。
【請求項10】
前記変圧器は、前記二次巻線の周囲に配置される円筒形状の第1のコア要素と、前記第1のコア要素の周縁の1つに配置される少なくとも1つの第2のコア要素とをさらに含む、請求項1乃至9の何れか一項に記載の照明装置。
【請求項11】
前記エンベロープは電球型である、請求項1乃至10の何れか一項に記載の照明装置。
【請求項12】
前記エンベロープはガラスを含む、請求項1乃至11の何れか一項に記載の照明装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つの光源は、少なくとも1つの発光ダイオードを含む、請求項1乃至12の何れか一項に記載の照明装置。
【請求項14】
光を発生する少なくとも1つの光源を提供するステップと、
前記少なくとも1つの光源を囲み、前記少なくとも1つの光源から発生される光を透過する透光性エンベロープを提供するステップと、
前記少なくとも1つの光源に電力を供給するための駆動ユニットであって、電気エネルギ源に接続可能な一次駆動回路と、前記少なくとも1つの光源に接続可能な少なくとも1つの二次駆動回路と、前記一次駆動回路と前記少なくとも1つの二次駆動回路との間で電気エネルギを変換する変圧器とを含む前記駆動ユニットを提供するステップと
前記駆動ユニットの前記一次駆動回路と前記変圧器と前記少なくとも1つの二次駆動回路とを前記エンベロープ内に配置するステップと、
を含む照明装置を製造する方法であって、
前記変圧器は、コアと、前記コアの周囲に配置される一次巻線と、前記一次巻線を少なくとも部分的に囲む絶縁要素と、前記絶縁要素の周囲に配置される二次巻線とを含み、前記照明装置は、前記コアを囲むステム要素をさらに含む、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、照明装置、及びそのような照明装置の製造方法の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
照明目的用の発光ダイオード(LED)の使用が引き続き注目されている。白熱電球と比較して、LEDは、より長い動作寿命及び光エネルギと熱エネルギとの比に関する効率の向上等、多くの利点を提供する。LEDランプは、LEDの色と出力電力とが調整されるので、一般照明用又はより具体的な照明用に使用される。
【0003】
LEDを含む先行技術の発光アレンジメントは、電気エネルギの変換用及びある電圧レベルから別の電圧レベルへのAC電圧の変更用の変圧器をさらに含む。したがって、発光アレンジメントは、第1の電圧を有する電気の供給源に結合され、よって、発光アレンジメント内のLEDは、変圧器により、第1の電圧とは異なり、第1の電圧から電気的に絶縁される、第2の電圧が供給される。
【0004】
しかし、先行技術による変圧器を含む発光アレンジメントは、しばしば、その設計において複雑で状況によるものである。したがって、より安全でより便利な照明装置構造を提供し、さらに、より費用対効果の高い照明装置と、照明装置のより費用対効果の高い製造方法とを提供し得る、代替の解決策が重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上記の問題を軽減し、安全、便利、及び/又は費用対効果の高い照明装置と照明装置の製造方法とを提供することである。
【0006】
この目的及び他の目的は、独立請求項に記載の特徴を有する照明装置と照明装置の製造方法とを提供することにより達成される。好ましい実施形態は従属請求項に規定される。
【0007】
したがって、本発明の第1の態様によれば、光を発生する少なくとも1つの光源と、少なくとも1つの光源を囲み、少なくとも1つの光源から発生される光を透過する透光性エンベロープとを含む、照明装置が提供される。照明装置は、少なくとも1つの光源に電力を供給するための駆動ユニットをさらに含む。駆動ユニットは、電気エネルギ源に接続可能な一次駆動回路と、少なくとも1つの光源に接続される少なくとも1つの二次駆動回路と、一次駆動回路と少なくとも1つの二次駆動回路との間で電気エネルギを変換する変圧器とを含み、少なくとも変圧器と少なくとも1つの二次駆動回路とは、透光性エンベロープ内に配置される。
【0008】
本発明の第2の態様によれば、照明装置の製造方法が提供される。方法は、光を発生する少なくとも1つの光源を提供するステップを含む。方法は、少なくとも1つの光源を囲み、少なくとも1つの光源から発生される光を透過する透光性エンベロープを提供するステップを、さらに含む。方法は、少なくとも1つの光源に電力を供給するための駆動ユニットであって、電気エネルギ源に接続可能な一次駆動回路を含む駆動ユニットと、少なくとも1つの光源に接続可能な少なくとも1つの二次駆動回路と、一次駆動回路と少なくとも1つの二次駆動回路との間で電気エネルギを変換する変圧器とを、提供するステップをさらに含む。方法は、少なくとも変圧器と少なくとも1つの二次駆動回路とを透光性エンベロープ内に配置するステップをさらに含む。
【0009】
したがって、本発明は、1つ以上の光源と、光源を囲み、光源から発生される光を透過する透光性エンベロープと、変圧器を介して照明装置の光源に電気エネルギを供給するための駆動ユニットとを含む照明装置を提供するという考えに基づいており、駆動ユニットの少なくとも変圧器と二次駆動回路とは、照明装置の透光性エンベロープ内に(完全に)配置される。これにより、照明装置は、絶縁した透光性エンベロープ内で駆動ユニットの変圧器と二次駆動回路とを絶縁し得、これは照明装置の動作中の電気的安全性を保証する構成をもたらすことが理解されよう。さらに、本発明の照明装置は、駆動ユニットの変圧器と二次駆動回路とが照明装置の透光性エンベロープ内に(一体化されて)配置されるので、その構造が便利でコンパクトである。したがって、そのアレンジメントが動作中にしばしば安全でなく、その構造が複雑で、付随的、及び/又は高価である、先行技術における変圧器を含む発光アレンジメントと比較して、本発明の照明装置は、非常に安全で、より便利で、より費用対効果の高い照明装置を提供する。
【0010】
本発明は、駆動ユニットの変圧器と二次駆動回路とが、照明装置の透光性エンベロープ内に完全に配置されるという利点がある。エンベロープは、これにより、少なくとも1つの光源に電力を供給するために駆動ユニットのこれらの部品を完全に絶縁し得る。したがって、本発明の照明装置の透光性エンベロープは、動作中に少なくとも1つの光源から発生される光を透過し得るだけでなく、少なくとも1つの光源に電気エネルギを供給するために、駆動ユニットの変圧器と二次駆動回路とを絶縁及び/又は保護することもし得る。結果として、一次駆動回路と、少なくとも1つの二次駆動回路と、変圧器とを含む、駆動ユニットが、照明装置のエンベロープ内に少なくとも部分的に配置されるので、照明装置は、その動作中に電気的安全性を保証し得る。
【0011】
少なくとも部分的に照明装置の透光性エンベロープ内に駆動ユニットを配置することは、コンパクトで低費用の構造を有する照明装置をさらにもたらすことが理解されよう。
【0012】
本発明は、本発明の照明装置が、光源の数、光源の光束出力等、光源の特性に関して便利に最適化されるという利点がさらにある。例えば、光源の特性の変更の場合、同じ電流(V/I比)で異なる電圧源が必要である。先行技術によるシステムにおいて、光源の特性の変更は、駆動アレンジメント及び/又は駆動設計の変更をしばしば必要とする。対照的に、本発明の照明装置は、二次駆動回路のみ交換される必要がある一方で、一次駆動回路は交換される必要がない点において、このような変更を便利に克服する。言い換えれば、本発明は、光源に電圧を供給するために、調整可能な駆動ユニットの概念を有する照明装置を提供する。さらに、二次駆動回路は交換される一方で、一次駆動回路は異なる光束出力を有する多くの異なる種類の照明装置に使用される。
【0013】
本発明は、本発明の透光性エンベロープが、少なくとも1つの光源からの光の透過と、駆動ユニットの少なくとも一部の効率的な絶縁とを、同時に目的とする単一の材料(例えば、ガラス)から構成されるという利点がさらにある。結果として、本発明のエンベロープは、さらに費用対効果の高い照明装置をもたらす。
【0014】
本発明は、照明装置が従来の白熱電球アレンジメントの1つ以上の部品を再利用し、それにより照明装置の費用対効果にさらに寄与するという利点がさらにある。例えば、フレア、引込線、及び/又は排気管等の白熱電球アレンジメントの部品は、本発明の照明装置の部品を構成する。
【0015】
本発明は、先行技術のアレンジメントのアセンブリと比較して、製造中の照明装置のアセンブリが単純化されるという利点がさらにある。駆動ユニットのアセンブリの少なくとも一部が照明装置のアセンブリの一部を形成し、古典的な生産ライン上で比較的高速で実行され得るので、本発明の照明装置のアセンブリ作業は大幅に低減されることが理解されよう。したがって、本発明は、先行技術のプロセスと比較して、部品表とアセンブリの費用とを低減し得る。結果として、本発明の照明装置は比較的安価であり、これは照明装置の製造のためにも保持される。
【0016】
本発明は、多くの先行技術のアレンジメントと比較して、特に、容易な分解及び/又は再利用動作を妨げる比較的多数の装置及び/又は部品を含むアレンジメントと比較して、照明装置の部品の数が比較的少ないことが、照明装置の再利用が容易であることを意味するという利点がさらにある。
【0017】
本発明の照明装置の前述の利点はまた、このような照明装置を製造する方法についても満たすことが理解されよう。
【0018】
本発明の照明装置は、光を発生する少なくとも1つの光源を含む。照明装置は、少なくとも1つの光源を囲み、光源から発生される光を透過する、透光性エンベロープをさらに含む。“透光性エンベロープ”とは、本明細書において、電球、ケーシング、カバー等の実質的に任意の構造を意味し、少なくとも部分的に半透明な材料をさらに含み(又はそれらから構成され)、これによりエンベロープは光源により発生される光を透過し得る。
【0019】
本発明の照明装置は、少なくとも1つの光源に電力を供給するための駆動ユニットをさらに含む。駆動ユニットは、電気エネルギ源に接続可能な一次駆動回路と、少なくとも1つの光源に接続される少なくとも1つの二次駆動回路と、一次駆動回路と二次駆動回路との間で電気エネルギを変換する変圧器とを含む。“変圧器”とは、本明細書において、電気エネルギを変換し、AC電圧を(第1の)電圧レベルから別の(第2の)電圧レベルに変更するための、実質的に任意の手段を意味する。したがって、本発明の照明装置の駆動ユニットは、第1の電圧レベルを有する電気エネルギ源から、変圧器を介して少なくとも1つの光源に第2の電圧レベルを供給する。
【0020】
本発明の一実施形態によれば、駆動ユニットはエンベロープ内に配置される。したがって、本発明のこの実施形態において、一次駆動回路と、変圧器と、二次駆動回路とを含む駆動ユニット全体は、エンベロープ内に配置される。本実施形態は、エンベロープが駆動ユニットを完全に絶縁し得るように、駆動ユニット全体が照明装置の透光性エンベロープ内に完全に配置されるという利点がある。
【0021】
本発明の一実施形態によれば、一次駆動回路は、エンベロープの口金部分に配置される。“口金部分”とは、本明細書において、照明装置の電気的接続のために、ソケット等に接続される透光性エンベロープの部分を意味する。照明装置のエンベロープが(梨型の)電球の形状を有する場合、“口金部分”は、エンベロープの上部電球部分よりも小さな円周を有する、エンベロープの下部部分の一部を構成することが理解されよう。口金部分は、照明装置のねじ口金(キャップ)を含む又は構成することが理解されよう。本実施形態は、一次駆動が(外部の)電気エネルギ源に容易かつ便利に接続可能であるという利点がある。
【0022】
本発明の一実施形態によれば、照明装置は、エンベロープ内に配置される支持構造体をさらに含み、少なくとも1つの二次駆動回路と少なくとも1つの光源とが支持構造体上に配置される。“支持構造体”とは、本明細書において、照明装置の1つ以上の部品の機械的支持及び/又は電気的支持のために配置される、実質的に任意の要素を意味する。本実施形態は、支持構造体が、照明装置の透光性エンベロープの内部の二次駆動回路と光源との便利なアレンジメントを提供するという利点がある。本実施形態は、光源がその上に配置される支持構造体が、照明装置の所望の発光方向を提供し得るという利点がさらにある。
【0023】
本発明の一実施形態によれば、支持構造体は円筒形状であり、少なくとも部分的に変圧器を囲む。本実施形態は、二次駆動回路と光源とがその上に配置される支持構造体が、照明装置の全指向性配光を提供するという利点がある。本実施形態は、支持構造体の形状及び/又はアレンジメントが、照明装置の比較的詰まった(したがって省スペースの)アレンジメントに寄与するという利点がさらにある。
【0024】
本発明の一実施形態によれば、支持構造体は多角形の断面を有する。本実施形態は、支持構造体の多角形形状が、依然として実質的に全指向性配光を提供し得る一方で、二次駆動回路と光源とがその上に配置される、支持構造体の(平面)領域を提供するという利点がある。
【0025】
本発明の一実施形態によれば、変圧器は、コアと、コアの周囲に配置される一次巻線と、一次巻線を少なくとも部分的に囲む絶縁要素と、絶縁要素の周囲にアレンジされる二次巻線とを含み、照明装置は、コアを囲むステム要素をさらに含む。“ステム要素”とは、本明細書において、変圧器のコアがその中に配置される、(排気)管又は円筒要素等を意味する。現在利用可能な白熱電球アレンジメントは、電球の外に空気を排出し、製造中に電球の中に1つ以上の不活性ガスを挿入するために、排気管電球が提供され、本実施形態は、これにより、本発明の照明装置が、このような排気管を再利用するという利点があることが理解されよう。結果として、本実施形態は、より費用対効果の高い照明装置と、照明装置のより費用対効果の高い製造方法とをもたらす。さらに、本実施形態は、より薄く、よりコンパクトで、及び/又はより便利な照明装置が提供されるという利点がある。
【0026】
本発明の一実施形態によれば、ステム要素は、一次巻線をさらに囲む。したがって、本発明のこの実施形態において、ステム要素は、変圧器のコアと一次巻線とを囲む。本実施形態は、コアと巻線との間の空間の縮小を達成し、結果としてよりコンパクトな照明装置をもたらすという利点がある。本実施形態は、照明装置のアセンブリ中に比較的少数のガラス部品が使用されるので、照明装置の製造がさらに容易になるという利点がさらにある。本実施形態は、照明装置の磁気結合が改善されるという利点がさらにある。
【0027】
本発明の一実施形態によれば、ステム要素は円筒形状であり、エンベロープの口金部分からエンベロープの内部に延在する。ステム要素は、白熱電球の排気管と同じであり、本実施形態は、これにより、本発明の照明装置がこのような排気管を再利用するという利点があることが理解されよう。
【0028】
本発明の一実施形態によれば、絶縁要素及び/又はステム要素はガラスを含む。言い換えれば、絶縁要素とステム要素との少なくとも1つは、ガラスを含む。本実施形態は、ガラスが比較的高い抵抗率を有し、電気的に絶縁性であるという利点がある。本実施形態は、ガラスが比較的安価な材料であり、より費用対効果の高い照明装置と、照明装置を製造するより費用対効果の高い方法とをもたらすという利点がさらにある。
【0029】
本発明の一実施形態によれば、変圧器は、二次巻線の周囲に配置される円筒形状の第1のコア要素と、第1のコア要素の周縁の1つに配置される少なくとも1つの第2のコア要素とをさらに含む。したがって、変圧器のコアに加えて、本実施形態の変圧器は、二次巻線の周囲に配置される円筒形状の第1のコア要素と、第1のコア要素の一端又は両端部に蓋として配置される少なくとも1つの第2のコア要素とをさらに含む。本実施形態は、変圧器の一次巻線と二次巻線との間の結合が、第1及び第2のコア要素によりさらに改善されるという利点がある。
【0030】
本発明の一実施形態によれば、エンベロープは電球型である。したがって、本実施形態において、照明装置の透光性エンベロープは、(梨型の)電球の形状を有する。本実施形態は、照明装置の光源と駆動ユニットとがエンベロープ内に便利に収まるという利点がある。さらに、先行技術による白熱電球アレンジメントにおいて電球形状のエンベロープが一般的に使用されるので、本発明は、本発明の照明装置が、これらの白熱電球アレンジメントのエンベロープを再利用し、より費用対効果の高い照明装置と、照明装置の便利で費用対効果の高い製造方法とをもたらすという利点がある。
【0031】
本発明の一実施形態によれば、エンベロープはガラスを含む。本実施形態は、透光性エンベロープへのガラスの使用により、動作中に少なくとも1つの光源により発生される光の透過と、駆動ユニットの効率的な絶縁及び/又は保護との、両方が可能になるという利点がある。
【0032】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つの光源は、少なくとも1つの発光ダイオード(LED)を含む。本実施形態は、より長い動作寿命及び光エネルギと熱エネルギとの比に関する効率の向上等、白熱ランプと比較してLEDが多くの利点を提供するという利点がある。
【0033】
本発明のさらなる目的、特徴、及び利点は、以下の詳細な開示、図面、及び添付の特許請求の範囲を検討する際に明らかになるだろう。当業者であれば、本発明の異なる特徴を組み合わせて、以下に説明する実施形態以外の実施形態を作成し得ることを理解するだろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
本発明のこの態様及び他の態様を、本発明の実施形態を示す添付の図面を参照して、より詳細に説明する。
【0035】
図1】本発明の例示的な実施形態による照明装置の概略的な断面図である。
図2】本発明の例示的な実施形態による照明装置の概略的な断面図である。
図3】本発明の例示的な実施形態による照明装置の概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1は、本発明の一実施形態による照明装置100の概略的な断面図である。照明装置100は、光を発生する少なくとも1つの光源110を含み、図1の光源110は、発光ダイオード(LED)として概略的に示される。照明装置100は、光源110を囲み、光源110から発生される光を透過する、透光性エンベロープ120をさらに含む。ここでは、透光性エンベロープ120が電球の形状を有するように示されるが、エンベロープ120は、実質的に他の形状をとることが理解されよう。透光性エンベロープ120の材料は、好ましくはガラスであるが、透光性エンベロープ120は実質的に他の半透明材料を含むことが理解されよう。
【0037】
照明装置100は、光源110に電力を供給するための駆動ユニット130をさらに含む。駆動ユニット130は、例えば一次電源等の電気エネルギ源に接続可能な一次駆動回路140を含む。ここでは、概略的に示される一次駆動回路140が、エンベロープ120の口金部分(キャップ)210内に提供され、口金部分210は、照明装置100の電気的接続のために、ソケット等に接続される。口金部分210は、照明装置100のねじ込み口金(キャップ)を含む又は構成することが理解されよう。
【0038】
照明装置100は、光源110に接続される少なくとも1つの二次駆動回路150をさらに含む。図1において、二次駆動回路150は、光源110に沿って概略的に示される。照明装置100は、エンベロープ120内に配置される支持構造体310をさらに含み、支持構造体310上に二次駆動回路150と光源110とが配置される。支持構造体310は、光源110のための1つ以上の基板をさらに含むことが理解されよう。支持構造体の材料は、CEM‐3又はFR4等の従来のプリント回路基板(PCB)材料である。図1の支持構造体310は、円筒形状を有するものとして例示されるが、支持構造体310は、実質的に他の任意の形状をとることが理解されよう。さらに、円筒形状の支持構造体310は、例えば、 二次の又は八角形の断面等の、多角形の断面を有する。そのような場合、二次駆動回路150と光源110とは、支持構造体310の(平面)領域上に配置される。二次駆動回路150は、支持構造体310上に取り外し可能に配置され、必要に応じて1つ以上の他の二次駆動回路により容易に置換されることが理解されよう。1つ以上の二次駆動回路150の置換は、光源110に電圧を供給するための、照明装置100の調整可能な駆動ユニットの概念の一部を形成する。
【0039】
照明装置100は、一次駆動回路140と二次駆動回路150との間で電気エネルギを変換する変圧器160をさらに含む。破線で概略的に示される変圧器160は、ロッドの形状を有するコア400、好ましくはフェライトコアを含む。コア400は、透光性エンベロープ120の内部の略中央部に配置される。コア400はさらに、口金部分210から透光性エンベロープ120の内部に伸びる円筒形状の又は管状のステム要素440内に配置される。ステム要素440は、白熱ランプの排気管要素と同じ部品を構成し、空気を電球から排出し、製造中に1つ以上の不活性ガスを電球内に取込むことが理解されよう。照明装置100の変圧器160は、コア400の周囲に配置される一次巻線410と、一次巻線410とを少なくとも部分的に囲む絶縁要素420をさらに含む。ここでは、絶縁要素420は円筒形状であるが、実質的に他の形状をとる。好ましくは、絶縁要素420及び/又はステム要素440は、ガラスを含む又はガラスで構成される。照明装置100の一次駆動回路140と一次巻線410との間の電気的接続のための一対の引込線450が、図1に概略的に示される。照明装置100の変圧器160は、絶縁要素420の周囲に配置される二次巻線430をさらに含み、二次巻線430は、支持構造体310により少なくとも部分的に囲まれる。
【0040】
照明装置100の中心から照明装置100の透光性エンベロープ120に向かう方向において、図1に例示される照明装置100は、これにより、コア400と、ステム要素440と、一次巻線410と、絶縁要素420と、二次巻線430と、支持構造体310と、光源110と、二次駆動回路150とを含む。したがって、図1の照明装置100において、駆動ユニット130の変圧器160と二次駆動回路150とは、照明装置100の透光性エンベロープ120内に完全に配置される。代替的に、照明装置100の図示されない例において、駆動ユニット130全体(すなわち、一次駆動回路140と、二次駆動回路150と、変圧器160と)は、照明装置100の透光性エンベロープ120内に配置される。
【0041】
図2は、本発明の一実施形態による照明装置200の概略的な断面図である。照明装置200の多くの特徴及び/又は部品は、光源110、一次駆動回路140、二次駆動回路150、支持構造体310等の、図1の照明装置100のものと同様であり及び/又は同様に配置され、本文のその部分が参照されることが理解されよう。しかし、図2の照明装置200の実施形態において、ステム要素440は、コア400と一次巻線410との両方を囲む。さらに、図1の照明装置100と比較して、(フェライト)コア400と一次巻線410との間の絶縁が、代わりに一次巻線410上に塗布されたニスにより提供されるので、円筒形状の絶縁要素は存在しない。
【0042】
図3は、本発明の一実施形態による照明装置300の実施形態の概略的な断面図である。再度、照明装置300の多くの特徴及び/又は部品は、図1の照明装置100及び/又は図2の照明装置200のものと同様であり及び/又は同様に配置され、これにより、本文のこれらの部分が参照される。図2の照明装置200と同様に、図3に示される照明装置300の実施形態のステム要素440は、コア400と一次巻線410との両方を囲む。さらに、変圧器160は、円筒形状で、前記二次巻線430の周囲、すなわち二次巻線430と支持構造体310との間に配置される、第1のコア要素700を含む。変圧器160は、第1のコア要素700の上部周縁上に蓋として配置される第2のコア要素710をさらに含む。代替的に、又は追加で、第1のコア要素700の下部周縁上に配置される第2のコア要素(図示せず)が提供される。第1のコア要素700及び/又は第2のコア要素710は、例えばフェライト等、コア要素400の材料と同じであることが理解されよう。
【0043】
当業者は、本発明が決して上記の好ましい実施形態に限定されないことを理解する。寧ろ、添付の請求項の範囲内で多くの修正及び変形が可能である。例えば、図面は、本発明の実施形態による照明装置の概略図に過ぎないことが理解されよう。したがって、駆動ユニット130及び光源110等の照明装置100、200、300の任意の要素/部品は、図示及び/又は説明されたものとは異なる寸法、形状及び/又は大きさを有する。例えば、光源110及び/又は二次駆動回路150の数は、図に例示されるものよりも多い又は少ない。さらに、より良い理解のために、図中の一次巻線410及び/又は二次巻線430は、図面において拡大される。
図1
図2
図3