(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ポリアルキレンポリアミンが、トリエチレンテトラアミン(TETA)、及び/又はテトラエチレンペンタアミン(TEPA)を含む、請求項3に記載の便器洗浄ゲル。
【発明を実施するための形態】
【0014】
使用中、本発明の組成物は、便器、シャワー又は浴室の囲い、排水口、窓などの処理(例えば、洗浄)すべき硬質表面上に直接エアロゾルを塗布してもよく、自己粘着性組成物及び表面を通過する水の複数の流れなど、例えば、洗い流し、シャワー、すすぎなどによって好ましく自己粘着されてる。水が組成物の上を流れるたびに、組成物の一部は組成物上を流れる水の中に放出される。水中に放出された組成物の一部は、表面に連続的な湿潤膜を提供して、その結果、組成物中に存在する活性剤によって、即時及び長期の洗浄及び/又は消毒及び/又は芳香又は他の表面処理を提供する。組成物、さらに組成物の活性剤は、表面に直接接触して最初の組成物配置から広がるか、又は最初の組成物配置から送達されて、表面上の拡張領域を連続的に被覆すると考えられる。湿潤膜は被膜として作用し、すすぎ水の流れに対する方向を含む組成物からあらゆる方向、即ち360度で自己粘着性組成物から生じてもよい。液体の表面の動きは、その表面下の流体の動きと結合されるため、液体の運動は、通常、表面応力を生じさせ、逆もまた同様である。上記組成物は、便器の水ラインの上及び水ラインの下の表面上に所望の活性剤の送達及び保持を可能にするため、便器の表面を処理する際に特に有用であり得る。
【0015】
一態様では、洗浄組成物は、硬質表面に自己粘着することができ、該物質の腐食性を低減するための塩基性製剤を含んでもよい。塩基性製剤は、10重量%の組成物と脱イオン水との平衡混合物が少なくとも約10、より一般には少なくとも約10.5のpHを有するように十分な量で添加されることが好ましい。アミンが塩基性製剤として含まれる場合、最終ゲル製剤は通常、約10重量%以下、より一般には約0.5〜5重量%のアミンを含む。いくつかの例では、最終ゲル製剤は、塩基性製剤として、アルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ土類水酸化物を、通常このような無機塩基性物質(例えば、水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウム)の約1重量%以下、典型的には約0.1〜0.5重量%含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、塩基性製剤はアルカノールアミンを含む。塩基性製剤として使用するのに適したアルカノールアミンの例としては、エタノールアミン及び/又はプロパノールアミンが含まれる。アルカノールアミンは、モノアルカノールアミン、ジアルカノールアミン、トリアルカノールアミン及び/又はジグリコールアミンであってもよい。例えば、塩基性製剤は、モノエタノールアミン(MEA)、ジエタノールアミン(DEA)及び/又はトリエタノールアミン(TEA)を含んでもよい。塩基性製剤として使用するための適切なアルカノールアミンの他の例には、N、N−ジメチルエタノールアミン(DMEA)、N−メチルジエタノールアミン(BHEMA)、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール及びO−(2−ヒドロキシエチル)エタノールアミン(DGA)が含まれる。
【0017】
アルカノールアミンはまた、下記式を有する化合物を含んでもよい。
[化1]
R’−(O−CH
2−CHR)
Y−N−(CH
2−CH
2−O)
X−H−(CH
2−CH
2−O)
Z−H
ここで、x、z及びyは1〜5の整数であり、R’はC
10〜C
16脂肪族基である。x及びzが2又は3であり、yが2であり、R’がC
14脂肪族基であるこのようなアルカノールアミンの一例は、Huntsman Corporationによって商品名Surfonic PEA−25として販売されている。
【0018】
いくつかの実施形態では、塩基性製剤は、ポリアルキレンポリアミンを含んでもよい。適切なポリアルキレンポリアミンの例には、下記式を有するポリアルキレンポリアミンを含む。
[化2]
H
2N−(CH
2−CHR−NH)
n−CH
2−CHR−NH
2及び/又は
H
2N−(CH
2−CH
2−CH
2−NH)
m−CH
2−CH
2−CH
2−NH
2
ここで、RはH又はMeであり、n及びmは、0又は1〜5の整数である。典型的には、ポリアルキレンポリアミンは、式:H
2N−(CH
2−CH
2−NH)
n−CH
2−CH
2−NH
2を有する。いくつかの実施形態では、塩基性製剤は、好ましくは、ポリアルキレンポリアミンとしてトリエチレンテトラアミン(TETA、n=2)及び/又はテトラエチレンペンタアミン(TEPA、n=3)を含んでもよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、塩基性製剤はポリエーテルアミンを含んでもよい。適切な例には、少なくとも3モルのエーテルサブユニットを含む分岐鎖ポリエーテルアミンが含まれる。塩基性製剤としての使用に適したポリエーテルアミンの例には、下記式を有する化合物が含まれる。
[化3]
H
2N−CHMe−CH
2−(O−CH
2−CHMe)
x−NH
2
R”−(O−CH
2CH
2)
z−(O−CH
2−CHR)
x−NH
2
R”−(O−CH
2CH
2)
z−(O−CH
2−CHMe)
x−NH
2及び/又は
H
2N−CHMe−CH
2−(O−CH
2−CHMe)
y−(O−CH
2CH
2)
z−(O−CH
2−CHMe)
x−NH
2
ここで、RはH又はMeであり、R”は低級(C
1〜C
6)アルキル、典型的にはメチル及び/又はエチルであり、xは1〜50の整数であってもよく、zは1〜20の整数であってもよく、yは0〜10の整数であってもよい。
【0020】
下記式を有する適切なポリエーテルアミンの例としては、zが平均で約3〜10(好適には5〜7)であり、xが平均で約20〜50(好適には30〜40)である化合物が含まれる。
[化4]
R”−(O−CH
2CH
2)
Z−(O−CH
2−CHR)
X−NH
2
典型的には、このようなポリエーテルアミンは、約1,000〜3,000の平均分子量を有する。1つの適切な例は、Huntsman Corporationによって販売されているJEFFAMINE(登録商標)M−2070ポリエーテルアミンである。このポリエーテルアミンは、zが6でありかつxが約35である代表的な構造によって示されるように、共重合体主鎖に基づくモノアミンであり、約2,000の平均分子量を有する一官能性第1級アミンである。プロピレン酸化物/エチレン酸化物(PO/EO)モル比は一般に約1/3であり、ここで、(EO)についてはRはHで
あり、(PO)についてはRはCH
3である。
【0021】
下記式を有する適切なポリエーテルアミンの例としては、zが平均で約5〜15であり、x+yが約2〜8である化合物が含まれる。
[化5]
H
2N−CHMe−CH
2−(O−CH
2−CHMe)
y−(O−CH
2CH
2)
z−(O−CH
2−CHMe)
x−NH
2
典型的には、このようなポリエーテルアミンは、約400〜1,500の平均分子量を有する。適切な例には、Huntsman Corporationによって販売されているJEFFAMINE(登録商標)ED−600及びJEFFAMINE(登録商標)ED−900ポリエーテルアミンが含まれる。JEFFAMINE(登録商標)ED−600ポリエーテルアミンは、水溶性液体であり、プロピレン酸化物でキャップされたポリエチレングリコールから誘導された脂肪族ポリエーテルジアミンであり、約600の分子量を有する。示された構造において、JEFFAMINE(登録商標)ED−600についてzが約9であり、(x+y)が約3.6である。JEFFAMINE(登録商標)ED−900ポリエーテルアミンは、類似の構造を有し、水溶性であり、約900の分子量及び室温付近の融点を有する。示されている構造では、JEFFAMINE(登録商標)ED−900ついてzが約12.5であり、(x+y)が約6である。
【0022】
下記式を有する適切なポリエーテルアミンの例としては、xが平均で約2〜5である化合物が含まれる。
[化6]
H
2N−CHMe−CH
2−(O−CH
2−CHMe)
x−NH
2
典型的には、このようなポリエーテルアミンは、約200〜300の平均分子量を有する。適切な1つの例には、Huntsman Corporationによって販売されるJEFFAMINE(登録商標)D−230ポリエーテルアミンである。このポリエーテルアミンは、主鎖にオキシプロピレン繰り返し単位を有することを特徴であり約230の平均分子量を有する二官能性第1級アミンである(xの平均は約2.5である)。
【0023】
特定の態様では、本発明の洗浄組成物は、アルコキシル化アルコールのような粘着促進剤、塩基性製剤、ポリオール保湿剤、鉱油、ポリエチレングリコール及び水を含んでもよい。該組成物はまた、アニオン性界面活性剤(例えば、エトキシル化脂肪アルコール硫酸エステル及び/又はスルホン酸エステルなど)、香料及び/又はC
10〜C
15脂肪アルコールを含んでもよい。例えば、洗浄組成物は、エキシル化アルコール、塩基性製剤、アニオン性硫酸エステル(例えばラウレス硫酸ナトリウムなど)、グリセリン、鉱油、ポリエチレングリコール及び水を含んでもよい。例示的な実施形態では、洗浄組成物は、平均15〜40個のエチレン酸化物単位を有するエトキシル化C
14〜C
22脂肪アルコールを約20〜35重量%、ラウレス硫酸ナトリウムを約10〜25重量%、グリセリンを約2〜10重量%、ポリエチレングリコールを約0.5〜5重量%、鉱油を約0.5〜3重量%、及び水を少なくとも約40重量%を含む水系ゲルである。このような水系組成物はまた、香料成分を約1〜10重量%を含んでもよい。これらの組成物は、典型的には、塩基性製剤としてアミン化合物を約0.5〜5重量%含む。いくつかの実施形態では、組成物は、塩基性製剤として無機塩基性物質、例えば水酸化ナトリウムを約0.05〜0.5重量%含んでもよい。
【0024】
特定の態様では、本発明の洗浄組成物は、アルコキシル化脂肪アルコールのような粘着促進剤、塩基性製剤、ポリオール保湿剤、親水性ポリアクリル酸塩共重合体、エトキシル化C
10〜C
15アルコール非イオン性界面活性剤及び水を含んでもよい。水系組成物はまた、香料、ポリエチレングリコール及び/又は鉱油を含んでもよい。例えば、洗浄組成物は、エキシル化アルコール(例えば、平均15〜40個のエチレン酸化物単位を有するエトキシル化C
14〜C
22脂肪アルコール)、塩基性製剤、グリセリン、平均2〜5個のエチレン酸化物単位を有するエトキシル化C
10〜C
15アルコール、ペンダント第4級アンモニウム基を含む両性ポリアクリル酸塩共重合体(例えば、Rhodiaから入手可能なMIRAPOL SURF S)、及び水を含んでもよい。例示的な実施形態では、水系組成物は、平均約15〜40個のエチレン酸化物単位を有するエトキシル化C
14〜C
22脂肪アルコールを約20〜35重量%、エトキシル化C
10〜C
15アルコールを約1〜5重量%、グリセリンを約2〜10重量%、両性ポリアクリル酸塩共重合体を約0.5〜2重量%及び水を少なくとも約40重量%を含むゲルである。このような水系組成物はまた、香料成分を約1〜10重量%、ポリエチレングリコールを約0.5〜5重量%及び/又は鉱油を約0.5〜3重量%含んでもよい。これらの組成物は、典型的には、塩基性製剤としてアミン化合物を約0.5〜5重量%含む。いくつかの実施形態では、組成物は、塩基性製剤として無機塩基性物質、例えば水酸化ナトリウムを約0.05〜0.5重量%含んでもよい。
【0025】
特定の態様では、本発明の洗浄組成物は、アルコキシル化脂肪アルコールのような粘着促進剤、塩基性製剤、ポリオール保湿剤、鉱油、カチオン性界面活性剤、及び水を含んでもよい。このような水系組成物はまた、香料成分及び/又は他の添加剤を含んでもよい。例えば、洗浄組成物は、エキシル化アルコール(例えば、平均15〜40個のエチレン酸化物単位を有するエトキシル化C
14〜C
22脂肪アルコール)と、塩基性製剤と、グリセリンと、鉱油と、ペンダント第4級アンモニウム基を有するアルキルポリグルコシド誘導体のようなカチオン性界面活性剤と、水とを含んでもよい。例示的な実施形態では、水系組成物は、約15〜40個のエチレン酸化物単位を有するエトキシル化C
14〜C
22脂肪アルコールを約20〜35重量%、鉱油を約0.5〜3重量%、グリセリンを約2〜10重量%、アルキルポリグルコシド誘導体を約1〜5重量%、及び水を少なくとも約40重量%を含むゲル(噴射剤の非存在下)である。このような水系組成物はまた、香料成分を約1〜10重量%を含んでもよい。これらの組成物は、典型的には、塩基性製剤としてアミン化合物を約0.5〜5重量%含む。いくつかの実施形態では、組成物は、塩基性製剤として無機塩基性物質、例えば水酸化ナトリウムを約0.05〜0.5重量%含んでもよい。
【0026】
特定の態様では、本発明の洗浄組成物は、アルコキシル化脂肪アルコールのような粘着促進剤、塩基性製剤、アニオン性界面活性剤(例えば、エトキシル化脂肪アルコール硫酸エステル及び/又はスルホン酸エステル)、ポリオール保湿剤、鉱油、親水性ポリアクリル酸塩共重合体及び水を含んでもよい。水系組成物はまた、香料成分を含んでもよい。例えば、洗浄組成物は、エキシル化アルコール(例えば、平均15〜40個のエチレン酸化物単位を有するエトキシル化C
14〜C
22脂肪アルコール)と、アニオン性硫酸エステル(例えば、ラウレス硫酸ナトリウム)と、グリセリンと、鉱油と、ペンダント第4級アンモニウム基を含む両性ポリアクリル酸塩共重合体(例えば、Rhodiaから入手可能なMIRAPOL SURF S)と、水とを含んでもよい。例示的な実施形態では、水系組成物は、約15〜40個のエチレン酸化物単位を有するエトキシル化C
14〜C
22脂肪アルコールを約20〜35重量%、ラウレス硫酸ナトリウムを約10〜25重量%、両性ポリアクリル酸塩共重合体を約0.1〜3重量%、グリセリンを約2〜10重量%、鉱油を約1〜3重量%、及び水を少なくとも約40重量%を含むゲル(噴射剤の非存在下)である。このような水系組成物はまた、香料成分を約1〜10重量%を含んでもよい。これらの組成物は、典型的には、塩基性製剤としてアミン化合物を約0.5〜5重量%含む。いくつかの実施形態では、組成物は、塩基性製剤として無機塩基性物質、例えば水酸化ナトリウムを約0.05〜0.5重量%含んでもよい。
【0027】
特定の態様では、洗浄組成物は、アルコキシル化アルコール(例えば、エトキシル化アルコール)、高分子アルキレン酸化物ブロック共重合体(例えば、エチレン酸化物−プロピレン酸化物ブロック共重合体)、塩基性製剤、鉱油及び水を含む。いくつかの実施形態では、洗浄組成物は、天然又は合成高分子樹脂、ポリオール湿潤剤(例えばグリセリン、ソルビトール及び/又は他の糖アルコールなど)、及び/又はアルコキシル化アルコールではないアニオン性及び/又は両性及び/又は非イオン性界面活性剤などの1種以上の追加成分を含んでもよい。任意に、洗浄組成物はまた、香料、錯化剤及び/又は漂白剤などの1種以上の補助剤を含んでもよい。アルコキシル化アルコール成分は、様々なエトキシル化度を有するエトキシル化アルコールの混合物を含んでもよい。例えば、エトキシル化アルコール成分は、平均約20〜50個のエチレン酸化物単位を有するエトキシル化C
14〜C
30アルコール及び平均約5〜15のエチレン酸化物単位を有するエトキシル化C
8〜C
15アルコールを含んでもよい。いくつかの実施形態では、このような組成物は、少なくとも約2,500Paのゲル降伏点及び/又は約50〜80℃のゲル溶融温度を有するゲルであってもよい。
【0028】
他の態様では、洗浄組成物は、粘着促進剤がエトキシル化アルコール、例えば平均15〜50個のエチレン酸化物単位を有するエトキシル化C
12〜C
30アルコール、エチレン酸化物−プロピレン酸化物ブロック共重合体、塩基性製剤、鉱油、及び水を含む粘着性洗浄組成物であってもよい。いくつかの実施形態では、洗浄組成物は、平均20〜50個のエチレン酸化物単位を有するエトキシル化C
14〜C
30アルコールである第1級エトキシル化アルコールを約15〜40重量%、エチレン酸化物−プロピレン酸化物ブロック共重合体を約1〜15重量%、鉱油を約0.5〜10重量%、塩基性製剤及び水を含んでもよい。これらの組成物は、典型的には、塩基性製剤としてアミン化合物を約0.5〜5重量%含む。いくつかの実施形態では、組成物は、塩基性製剤として無機塩基性物質、例えば水酸化ナトリウムを約0.05〜0.5重量%含んでもよい。洗浄組成物は、多くの場合、平均約5〜15個のエチレン酸化物単位を有するエトキシル化C
8〜C
15アルコールも含んでもよい。
【0029】
本発明の組成物はまた、非イオン性、アニオン性、カチオン性、双性イオン性及び/又は両性界面活性剤及びこれらの混合物から選択される界面活性剤を含んでもよく、界面活性剤は粘着促進剤とは異なる。いくつかの実施形態では、組成物は、界面活性剤を約20重量%以下、約0.1重量%〜15重量%、約0.5〜10重量%、約1〜約5重量%、又は約10〜20重量%を含んでもよい。界面活性剤は、粘着促進剤とは異なる1種以上のアルコキシル化アルコールを含んでもよい。アルコキシル化アルコールは、1種以上のエトキシル化アルコールを含んでもよい。エトキシル化アルコールは、直鎖であっても分岐鎖であってもよい。いくつかの実施形態では、エトキシル化アルコールは、平均5〜15個のエチレン酸化物単位、より一般には5〜12個のエチレン酸化物単位を有するC
8〜C
16アルコールを含んでもよい。典型的には、存在する場合、エトキシル化アルコールとしては、平均5〜12個のエチレン酸化物単位を有するC
9〜C
15直鎖及び/又は分岐鎖アルコールが含まれる。非限定的な例としては、平均10個のエチレン酸化物単位を有する分枝鎖イソC
13アルコールエトキシレートであるゲナポール(登録商標)X−100(CLARIANTから入手可能)である。
【0030】
本発明の洗浄組成物中に非イオン性界面活性剤として存在し得る他のエトキシル化アルコールとしては、平均4〜12個のエチレン酸化物単位を有するC
5〜C
15アルコールを含む直鎖又は分岐鎖エトキシ化アルコールが含まれる。非限定的な例としては、平均6個のエチレン酸化物単位を有するC
9〜C
11エトキシル化アルコールであるTomadol(登録商標)91−6、平均8個のエチレン酸化物単位を有する合成C
13〜C
15エトキシル化オキソアルコールであるLUTENSOL(登録商標)AO−8(BASFから入手可能)、平均7個のエチレン酸化物単位を有するエトキシル化ラウリルアルコールであるゲナポール(登録商標)LA 070S(CLARIANTから入手可能)、及び7個のエチレン酸化物単位を有する分岐鎖第2級エトキシル化アルコールであるTERGITOL(登録商標)15−S−7(DOW Chemicalから入手可能)が含まれる。適切なエトキシル化直鎖アルコールの他の例としては、例えば平均5〜12個のエチレン酸化物単位を有するC
10〜C
15 n−アルキル基を有するエトキシル化直鎖アルコールが含まれる。非限定的な例としては、平均10個のEO基を有するエトキシル化トリデシルアルコールであるLUTENSOL(登録商標)TDA 10(BASFから入手可能)が含まれる。
【0031】
存在し得る他の非イオン性界面活性剤としては、第2級エトキシル化アルコール、例えばC
11〜C
15第2級エトキシル化アルコールが含まれるが、これら限定されない。使用に適した第2級エトキシル化アルコールは、TERGITOL(登録商標)(Dow Chemicalから入手可能)の商品名で販売されている。例えば、TERGITOL(登録商標)15−S、より詳細にはTERGITOL(登録商標)15−S−12は、平均約12個のエチレン酸化物基を有するC
11〜C
15第2級エトキシレートアルコールである。
【0032】
他の例示的な有用な非イオン性界面活性剤としては、様々な公知の非イオン性界面活性剤化合物が含まれる。実際には、窒素に遊離水素が結合したカルボキシ、ヒドロキシ、アミド又はアミノ基を有する任意の疎水性化合物は、エチレン酸化物又はその多水化生成物、ポリエチレングリコールと縮合して、様々な水溶解度を有する非イオン性界面活性剤化合物を形成し、これは疎水性及び親水性ポリエチレンオキシ要素の相対的長さに依存する。例示的な非イオン性化合物には、アルキル芳香族ヒドロキシ化合物のポリオキシエチレンエーテル、例えばアルキル化ポリオキシエチレンフェノール、長鎖脂肪族アルコールのポリオキシエチレンエーテル(例えばエトキシル化アルコール)、疎水性プロピレン酸化物高分子のポリオキシエチレンエーテル及び高級アルキルアミン酸化物が含まれる。
【0033】
任意に洗浄組成物中に存在し得る更なる非イオン性界面活性剤はアルキルポリグリコシド(例えば、Glucopon(登録商標)425N)である。適切なアルキルポリグリコシドとしては、アルカリ性でありかつ電解質に安定な周知の非イオン性界面活性剤が含まれる。アルキルモノ及びポリグリコシドは、一般に、単糖類又は単糖類に加水分解可能な化合物を、酸性媒質中の脂肪アルコールのようなアルコールと反応させることによって調製される。脂肪アルコールは、約8〜30個、典型的には8〜18個の炭素原子を有してもよい。このようなアルキルグリコシドの例としては、50%C
9〜C
11アルキルポリグリコシド(Henkel Corp、Ambler Paから市販されている)と報告されているAPG 325 CS GLYCOSIDEと50%C
10〜C
16アルキルポリグリコシドと報告されているGLUCOPON(登録商標)625 CSが含まれる。いくつかの実施形態では、非イオン性界面活性剤は、平均5〜12個のエチレン酸化物単位を有するアルキルポリグリコシド及び/又はエトキシル化C
8〜C
15アルコールを含んでもよい。
【0034】
本発明の組成物に使用するのに適したアルキルポリグリコシドは、下記式であってもよい。
[化7]
RO−(R’O)
x−Z
n
ここで、Rは8〜20個の炭素原子を含む1価の脂肪族ラジカルであり(脂肪族基は直鎖又は分枝鎖の飽和又は不飽和であってもよい)、R’は2〜4つの炭素原子を含む2価のアルキルラジカル、好ましくはエチレン又はプロピレンであり、xは平均値が約0〜約12の数であり、Zはグルコース、ガラクトース、グルコシル又はガラクトシル残基などの5又は6つの炭素原子を含む還元糖部分であり、nは平均値が約1〜約10の数である。いくつかの例示的なアルキルポリグリコシドは、GLUCOPON(登録商標)(ここで、Zはグルコース部分であり、xは0である)の名称で販売されている。
【0035】
更なる適切な非イオン性界面活性剤には、直鎖アルキルアミン酸化物が含まれる。典型的な直鎖アルキルアミン酸化物としては、式:R
1−N(R
2)(R
3)Oの水溶性アミン酸化物が含まれ、ここで、R
1は典型的にはC
8〜C
18アルキル部分であり、R
2及びR
3部分は典型的には水素、C
1〜C
3アルキル基、及びC
1〜C
3ヒドロキシアルキル基からなる群から選択される。多くの場合、R
1はC
8〜C
18n−アルキルであり、R
2及びR
3はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル及び/又は3−ヒドロキシプロピルである。直鎖アミン酸化物界面活性剤は、特に、直鎖C
10〜C
18アルキルジメチルアミン酸化物及び直鎖C
8〜C
12アルコキシエチルジ(ヒドロキシエチル)アミン酸化物を含んでもよい。特に適切なアミン酸化物には、直鎖C
10、直鎖C
10〜C
12、及び直鎖C
12〜C
14アルキルジメチルアミン酸化物が含まれる。アミン酸化物非イオン性界面活性剤の他の例としては、アルキルアミドプロピルアミン酸化物、例えばラウリル/ミリスチルアミドプロピルアミン酸化物(例えば、ラウリル/ミリスチルアミドプロピルジメチルアミン酸化物)が含まれる。
【0036】
更なる適切な非イオン性界面活性剤には、ポリエトキシ化脂肪エステルが含まれる。これらには、例えば、ポリエトキシル化ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート及び/又はソルビタンモノステアレート、及びポリエトキシル化ヒマシ油が含まれる。このような界面活性剤の特定の例は、エチレン酸化物(例えば、10〜25モル)とソルビタンモノオレエートとの縮合生成物及びエチレン酸化物(例えば、20〜40モル)とヒマシ油との縮合生成物である。
【0037】
組成物は、鉱油、ポリオール保湿剤、及び補助剤の中の1つ以上をさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、組成物は、鉱油、ポリオール保湿剤、抗菌剤、及び香料成分の中の1つ以上をさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、組成物は、鉱油を約10重量%以下、約0.1〜5重量%、又は約0.2〜3重量%含んでもよい。
【0038】
適切なポリオール湿潤剤の例としては、グリセリン、グリコール類(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコールなど)、糖アルコール類(例えば、ソルビトール、キシリトール、及びマルチトールなど)、糖類(例えば、グルコース、ガラクトース、又はグルコシル又はガラクトシル残基を有する化合物など)、及びこれらの混合物が含まれる。いくつかの実施形態では、組成物はポリオール保湿剤を約20重量%以下、又はより一般には約1重量%〜10重量%含んでもよい。いくつかの実施形態では、組成物は、グリセリンを約1重量%〜10重量%又は約1重量%〜5重量%含んでもよい。
【0039】
本明細書で使用する補助剤としては、追加の機能性物質のような成分又は製剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、機能性物質は、洗浄組成物に所望の特性及び機能性を提供するために含まれ得る。この適用の目的上、用語「機能物質」は、濃縮液及び/又は使用溶液、例えば水溶液に分散又は溶解されたときに、特定の用途について有益な特性を提供する物質を含む。本発明の組成物は、任意に他の汚れ消化成分、界面活性剤、消毒剤、洗剤充填材、清浄剤、酸味料、錯化剤、殺生剤及び/又は殺菌剤、腐食防止剤、再付着防止剤、泡抑制剤、二酸化チタンのような不透明化剤、染料、漂白剤(過酸化水素及び他の過酸化物)、酵素、酵素安定化系、ビルダー、増粘剤又はゲル化剤、湿潤剤、分散剤、安定剤、分散剤高分子、洗浄化合物、pH調整剤(酸及びアルカリ剤)、汚れ防止剤、及び/又は香料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、組成物は、香料成分を、約10重量%以下、約1重量%〜10重量%、又は約2重量%〜8重量%含んでもよい。
【0040】
一実施形態では、本技術による組成物は、単位容量を提供するディスペンサに提供されてもよい。特定の実施形態では、単位容量は、約4g/容量〜約10g/容量であってもよい。他の実施形態では、単位容量は、約5g/容量〜約9g/容量であってもよい。さらに他の実施形態では、ディスペンサは、約6/容量〜約8g/容量の単位容量を提供してもよい。いくつかの実施形態では、ディスペンサは、約3〜約12の単位容量を提供してもよい。いくつかの実施形態では、ディスペンサは、追加の組成物で再充填されてもよい。
【0041】
本明細書で使用される「組成物」とは、2つ以上の成分を有する任意の固体、ゲル及び/又はペースト物質を指す。
【0042】
本明細書で使用される、「自己粘着」又は「自己粘着剤」とは、別個の粘着剤又は他の補助装置を必要とせずに、硬質表面上に粘着する組成物の能力を指す。一実施形態では、自己粘着性組成物は、一端組成物が使い尽くされると、残存物又は他の物質(即ち、追加の粘着剤)を残さない。
【0043】
本明細書で使用される「ゲル」とは、非ゼロの降伏応力を有する相互に作用する粒子又は高分子の網を有する液体からなる不規則な固体を指す。
【0044】
本明細書で使用される「香料」とは、任意の香水、臭気除去剤、臭気マスキング剤など、及びそれらの組み合わせを指す。いくつかの実施形態では、香料は、消費者又はユーザの嗅覚に影響を及ぼす可能性がある物質である。
【0045】
本明細書で使用される「重量%」とは、全製剤中の成分の重量百分率を指す。例えば、市販されている製剤Xの商業的組成物は、70%の活性成分Xのみ含有してもよい。従って、10gの市販の組成物は、7gのXのみ含有する。10gの市販の組成物を90gの他の成分に添加すると、X量(重量%)はわずか最終製剤の7%である。
【0046】
本明細書で使用される「硬質表面」とは、任意の多孔質及び/又は非多孔質表面を指す。一実施形態では、硬質表面は、セラミック、ガラス、金属、高分子、石、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。この適用の目的上、硬質表面は、シリコンウェハ及び/又は他の半導体基板物質を含まない。セラミック表面の非限定的な例としては、便器、シンク、シャワー、タイルなど、及びそれらの組み合わせが含まれる。ガラス表面の非限定的な例としては、窓などが含まれる。金属表面の非限定的な例としては、排水管、シンクなどが含まれる。高分子表面の非限定的な例としては、PVC配管、ガラス繊維、アクリル、Corian(登録商標)などが含まれる。石の硬質表面の非限定的な例としては、花崗岩、大理石などが含まれる。
【0047】
硬質表面は、任意の形状、サイズ、又はその所望の目的に適した任意の配向を有してもよい。1つの非限定的な例では、硬質表面は、垂直構成に配向されてもよい。別の非限定的な例では、硬質表面は、セラミック便器のような曲面の表面であってもよい。さらに別の非限定的な例では、硬質表面は、垂直及び水平要素を有する管の内側であってもよく、湾曲要素を有してもよい。硬質表面の形状、サイズ及び/又は配向は、以下に記載する条件下における組成物の予想外に強い輸送特性のために、本発明の組成物に影響しないと考えられる。
【0048】
本明細書で使用される「界面活性剤」とは、液体、例えば水の表面張力を低下させる任意の製剤を指す。本発明の組成物と共に使用するのに適した例示的な界面活性剤は以下に記載されている。一実施形態では、界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、カチオン性、両性、双性イオン性及びそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。一実施形態では、洗浄組成物は、カチオン性界面活性剤を実質的に含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、洗浄組成物は、アニオン界面活性剤を実質的に含まなくてもよい。
【0049】
本明細書中で使用される「実質的に含まない」とは、約0.1重量%未満のを含むか、又は検出可能な量の成分を含まない組成物を指す。
【0050】
本明細書で使用される「ゲル溶融温度」とは、ゲル組成物がゲルの温度が上昇するにつれて約100cps未満の粘度に転移する温度を指す。測定は、750マイクロンの間隙、5℃/分の温度勾配、30℃〜80℃の温度範囲及び5s
−1のせん断速度を有する4cmステンレス鋼平行板形状を使用するTA Instruments AR2000 Advanced Seriesレオメーターを使用して行われる。一実施形態では、ゲル溶融温度は、少なくとも約50℃、少なくとも約55℃、又は少なくとも約60℃であってもよい。他の実施形態では、ゲル溶融温度は、約80℃以下、約75℃以下、又は約70℃以下であってもよい。ゲル溶融温度は、約50℃〜80℃の範囲内であってもよい。いくつかの実施形態では、ゲル溶融温度は、約55℃〜75℃、又はより好ましくは約60℃〜70℃であってもよい。
【0051】
本明細書で使用される「ゲル降伏点」とは、組成物が固体の弾性状態から粘性の流体状態に移行するのに必要な最小応力を指す。本明細書で言及されるように、ゲル降伏点は、750マイクロンの間隙、5℃/分の温度勾配、30℃〜80℃のの温度範囲、及び5s
−1のせん断速度を有する4cmステンレス鋼平行板形状を使用するTA Instruments AR2000 Advanced Seriesレオメーターを使用して決定される。いくつかの実施形態では、本発明のゲル組成物は、約2,500〜4,500Pa、より好ましくは約3,000〜4,000Paの降伏点を有してもよい。
[実施例]
【0052】
以下の実施例は、上記の様々な実施形態による本発明の洗浄組成物をより具体的に説明することを意図している。これらの実施例は、決して本技術の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0053】
以下の表1は、本出願による非腐食性ゲルの多くの例示的製剤の組成を示す。製剤(A、B又はC)は、塩基性製剤として約1〜4重量%のアミン又は0.1〜0.3重量%のNaOHを添加して調製してもよい。任意の塩基性製剤を添加していない対応する製剤のゲル点及び粘度(30℃で単位kcP)を比較の目的で表に記載する。
【0054】
3重量%の種々のアミン又は0.15重量%のNaOHを含む製剤(B)の調製後にパターン化し、得られたゲルのゲル点及び粘度を測定した。種々のアルカノールアミン(MEA、TEA、DGA及びBHEMA)、ポリエーテルアミン(JEFFAMINE(登録商標)D−230、ED 600、ED 900及びM−2070)及びポリアルキレンポリアミン(TETA及びTEPA)を使用して例示的ゲルを調製した。
図2は、ゲル点及び周辺温度粘度についてこれらの塩基性製剤を含むことの相対的効果を示す。アルカノールアミンMEA及びDGA、ポリエーテルアミンD−230、ED 600、ED 900及びM−2070及びポリアルキレンポリアミンTETA及びTEPAの添加は、塩基性製剤を添加しない対応する製剤に非常に類似したゲル点(例えば約62〜66℃のゲル点)を有するゲルを生成した。アルカノールアミンMEA、BHEMA及びDGA、ポリエーテルアミンD−230及びポリアルキレンポリアミンTETA及びTEPAの添加により、30℃で300〜700kcPの粘度を有するゲルが得られた。
【0055】
図3は、ゲルの(80℃での)高温粘度について製剤(B)中に種々の塩基性製剤を含むことの相対的効果を示す。このような温度でより低い粘度を有するゲルは、このようなゲルから形成される製品の製造プロセスを容易にし得る。
図3は、製剤(B)に基づく種々のゲルについての80℃でのゲル点(℃)対粘度(cP)のプロットのグラフである。試験したゲルの大部分は、この高温で約250cP以下の粘度を示す。特に注目すべきは、アルカノールアミンMEA、BHEMA及びDGA、ポリエーテルアミンD−230、ED 600、ED 900及びM−2070、及びポリアルキレンポリアミンTETA及びTEPAの添加を含むゲルである。
【0057】
図4は、ゲルのゲル点及びゲルの周辺温度粘度に関する製剤(A)、(B)又は(C)における様々な塩基性製剤を含む相対的効果を示す。これらの特性を目的とする「理想的な領域」は、約55〜70℃のゲル点及び約300,000〜700,000cPの(30℃での)粘度である。多くの実施形態は、アルカノールアミンMEA、BHEMA又はDGAを含むか又はNaOHが添加された製剤(B)に基づくゲルを含むこれらの基準を満たす。NaOHが添加された製剤(A)及びアルカノールアミンMEA、BHEMA又はDGAを含むか又はNaOHが添加された製剤(C)に基づくゲルは、許容粘度の目標範囲(30℃で150,000cP超過)内でゲル点を示した。
[例示的な実施形態]
【0058】
以下では、本明細書に記載される主題の多くの例示的な実施形態が参照される。以下の実施形態は、本明細書に記載される主題の様々な特徴、特性、及び利点を含んでもよい例示的な実施形態を記載する。従って、以下の実施形態は、全ての可能な実施形態を網羅していると見なされるべきではなく、本明細書に記載の方法、物質及び組成物の範囲を制限するものではない。
【0059】
一実施形態は、少なくとも1つの親水性基を有する有機化合物を含む粘着促進剤、塩基性製剤及び水を含む硬質表面処理用洗浄組成物を提供する。洗浄組成物は、典型的には、アニオン性、非イオン性、カチオン性、両性及び双性イオン性界面活性剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種の界面活性剤をも含み、1種以上の界面活性剤は全部又は一部が粘着促進剤として役立て得る。一般に、洗浄組成物は硬質表面への塗布時に自己粘着性である。洗浄組成物は、一般に、10重量%の組成物と脱イオン水との平衡混合物が少なくとも約10のpHを有するように十分な量の塩基性製剤を含有する。粘着促進剤の適切な例には、多糖類、親水性合成高分子及び/又は1つ以上の親水性ポリアルコキシ基を含む有機化合物が含まれる。例えば、粘着促進剤は、ポリアクリル酸塩、ポリビニルアルコール及び/又はポリビニルピロリドンなどの親水性合成高分子を含んでもよい。いくつかの例では、粘着促進剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、キサンタンガム、寒天、ゼラチンガム、アカシアガム、イナゴマメ粉及び/又はグアーガムなどの多糖類を適切に含んでもよい。一般に、粘着促進剤は、少なくとも1つの親水性ポリアルコキシ基を含む有機化合物を含む。このような有機化合物の適切な例としては、ポリエチレングリコール、アルコキシル化アルコール、アルコキシル化ポリオール部分エステル及び/又は高分子アルキレン酸化物ブロック共重合体が含まれる。いくつかの実施形態では、洗浄組成物は、鉱油、ナフテン油、及び/又はパラフィン油などの低蒸気圧、高引火点の炭化水素又は炭化水素混合物も含んでもよい。多くの実施形態では、洗浄組成物は、25℃で少なくとも約150,000mPa・s、より一般には25℃で約250,000〜600,000mPa・sの粘度を有するゲルである。
【0060】
いくつかの実施形態では、塩基性製剤は、ポリアルキレンポリアミン、アルカノールアミン及び/又はポリエーテルアミンを含むアミン化合物を含む。洗浄組成物は、アミン化合物を約10重量%以下含んでもよい。適切には、洗浄組成物は、アミン化合物を約0.5〜10重量%、一般に約1〜5重量%含む。
【0061】
いくつかの実施形態では、塩基性製剤は、アルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ土類水酸化物を含む。洗浄組成物は、アルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ土類水酸化物を約3重量%以下含んでもよい。塩基性製剤がアルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ土類水酸化物を含む場合、最終ゲル製剤は、通常、このような無機塩基性物質を約1重量%以下、典型的には約0.05〜0.5重量%含む。多くの場合、最終ゲル製剤は水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムを約0.1〜0.3重量%含む。
【0062】
いくつかの実施形態では、塩基性製剤はアルカノールアミン、例えばモノアルカノールアミン、ジアルカノールアミン、トリアルカノールアミン及び/又はジグリコールアミンを含む。適切なアルカノールアミンの例としては、エタノールアミン及び/又はプロパノールアミンが含まれる。適切なアルカノールアミンの他の例としては、モノエタノールアミン(MEA)、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N、N−ジメチルエタノールアミン(DMEA)、N−メチルジエタノールアミン(BHEMA)、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール及び/又はO−2−ヒドロキシエチル)エタノールアミン(DGA)が含まれる。
【0063】
いくつかの実施形態では、塩基性製剤は、ポリアルキレンポリアミン、例えば、下記式を有するポリアルキレンポリアミンを含んでもよい。
[化8]
H
2N−(CH
2−CHR−NH)
n−CH
2−CHR−NH
2及び/又は
H
2N−(CH
2−CH
2−CH
2−NH)
m−CH
2−CH
2−CH
2−NH
2
ここで、RはH又はMeであり、n及びmは、0,1,2,3又は4である。典型的には、ポリアルキレンポリアミンは、式:H
2N−(CH
2−CH
2−NH)
n−CH
2−CH
2−NH
2を有する(ここで、nは1、2及び/又は3である)。
【0064】
いくつかの実施形態では、塩基性製剤は、下記式を有するポリエーテルアミンを含んでもよい。
[化9]
H
2N−CHMe−CH
2−(O−CH
2−CHMe)
x−NH
2
ここで、zは平均で約3〜10(好適には5〜7)であり、xは平均で約20〜50(好適には30〜40)である。このようなポリエーテルアミンは、約1,000〜3,000の平均分子量を有してもよい。
【0065】
いくつかの実施形態では、塩基性製剤は、下記式を有するポリエーテルアミンを含んでもよい。
[化10]
H
2N−CHMe−CH
2−(O−CH
2−CHMe)
y−(O−CH
2CH
2)
z−(O−CH
2−CHMe)
x−NH
2
ここで、zは平均で約5〜15であり、x+yは約2〜8である。このようなポリエーテルアミンは、約400〜1,500の平均分子量を有してもよい。
【0066】
いくつかの実施形態では、塩基性製剤は、下記式を有するポリエーテルアミンを含んでもよい。
[化11]
H
2N−CHMe−CH
2−(O−CH
2−CHMe)
x−NH
2
ここで、xは平均で約2〜5であり、ポリエーテルアミンは典型的に約200〜300の平均分子量を有する。
【0067】
多くの実施形態では、洗浄組成物は、エトキシル化アルコール、エチレン酸化物−プロピレン酸化物ブロック共重合体及び/又はポリエチレングリコールを含む粘着促進剤を含む。例えば、粘着促進剤は、平均15〜50個のエチレン酸化物単位を有するエトキシル化C
14〜C
22アルコール及びエチレン酸化物−プロピレン酸化物ブロック共重合体を含んでもよい。このようなゲルはまた、一般に鉱油と、ポリオール保湿剤と、任意に香料成分とを含む。
【0068】
一実施形態では、洗浄組成物は、粘着促進剤として平均15〜50個のエチレン酸化物単位を有するエトキシル化C
14〜C
22アルコールを含むゲルである。該組成物はまた、ポリオール保湿剤と、親水性ポリアクリル酸塩と、各々炭素数8〜15の炭素鎖を含む平均2〜10個のエチレン酸化物単位を有する1種以上のエトキシル化直鎖第1級アルコールと、任意に香料成分とを含む。このようなゲルは、好ましくは、塩基性製剤としてDGA、MEA、BHEMA、TETA、TEPA及び/又はED 600を含んでもよい。
【0069】
一実施形態では、洗浄組成物は、ポリエチレングリコール及び平均15〜50個のエチレン酸化物単位を有するエトキシル化C
14〜C
22アルコールを含み、また、ポリオール保湿剤と、親水性ポリアクリル酸塩と、各々炭素数8〜15の炭素鎖を含む1種以上の直鎖第1級アルコールと、アニオン界面活性剤と、任意に香料成分とを含むゲルである。このようなゲルは、好ましくは塩基性製剤としてアルカノールアミン、例えばDGA、MEA及び/又はBHEMAを含んでもよい。他の実施形態では、このようなゲルは、塩基性製剤としてポリアルキレンポリアミン、例えばトリエチレンテトラアミン(TETA)及び/又はテトラエチレンペンタアミン(TEPA)を含んでもよい。
【0070】
いくつかの実施形態では、洗浄組成物は、粘着促進剤を含み、25℃での少なくとも約150,000cP、一般に約300,000〜800,000センチポアズ(cP)の粘度を有するゲルである。ゲルは、平均20〜35個のエチレン酸化物単位を有するエトキシル化直鎖C
14〜C
22第1級脂肪族アルコールを含む粘着促進剤を適切に含んでもよい。ゲルは、典型的には、約50〜80℃、より好ましくは約55〜70℃のゲル溶融温度を有する。いくつかの例では、ゲルは少なくとも約2,500Paのゲル降伏点を有してもよい。該組成物は、1種以上のポリオール保湿剤、香料成分、粘着促進剤とは異なる非イオン性界面活性剤、鉱油及び/又は1種以上の補助剤を含んでもよい。多くの例では、ゲルは、塩基性製剤として、DGA、MEA、DEA、TEA、BHEMA、TETA、TEPA、ED 600、ED 900、D230及び/又はM2070などのアミンを含むことが好ましい。塩基性製剤として、DGA、MEA、DEA、TEA、BHEMA、TETA及び/又はTEPAを含むこのようなゲルを形成することが特に有利であり得る。
【0071】
いくつかの実施形態では、洗浄組成物は、平均15〜35個のエチレン酸化物単位を有するエトキシル化C
16〜C
18アルコールを約20〜35重量%、平均2〜15個のエチレン酸化物単位を有するエトキシル化C
10〜C
15アルコールを約1〜5重量%、ポリアルキレンポリアミン、アルカノールアミン及び/又はポリエーテルアミンを含むアミン化合物を約0.5〜5重量%、ポリエチレングリコールを0〜約5重量%、鉱油を約0.1〜2重量%、グリセリンを約2〜10重量%、親水性ポリアクリル酸塩を約0.1〜2重量%、香料成分を約2〜10重量%、及び水を少なくとも約40重量%を含むゲルである。
【0072】
いくつかの実施形態では、洗浄組成物は、平均15〜35個のエチレン酸化物単位を有するエトキシル化C
16〜C
18アルコールを約20〜35重量%、平均2〜15個のエチレン酸化物単位を有するエトキシル化C
10〜C
15アルコールを約1〜5重量%、水酸化ナトリウムを約0.05〜0.5重量%、ポリエチレングリコールを0〜約5重量%、鉱油を約0.1〜2重量%、グリセリンを約2〜10重量%、親水性ポリアクリル酸塩を約0.1〜2重量%、香料成分を約2〜10重量%、及び水を少なくとも約40重量%を含むゲルである。
【0073】
(添付された)スキームAは、本発明の洗浄ゲルにおける使用に適した多くの例示的なアミン化合物の構造を示す。
【0074】
本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、本明細書に開示された方法及び組成物に様々な置換及び変更を施すことができることは、当業者には容易に明らかであろう。使用された用語及び表現は、限定ではなく説明の用語として使用され、このような用語および表現の使用において、図示および説明された特徴の等価物またはその一部を除外することは意図されていないが、本発明の範囲内で様々な変更が可能であることが認識される。従って、本発明は、特定の実施形態及び任意の特徴によって例示されているが、本明細書に開示された概念の変更及び/又は変形は、当業者によって採用されてもよく、このような変更及び変形が本発明の範囲内にあると理解されるべきである。
【0075】
加えて、本発明の特徴又は態様がマーカッシュ群又は代替の他の集団に関して記載されている場合、当業者は、本発明がそれによってマーカッシュ群又は他の群中の部材の任意の個々の部材又は下位群に関して記載されることを認識するであろう。
【0076】
また、逆に示されない限り、様々な数値が実施形態に提供される場合、追加の実施形態は、任意の2つの異なる値を範囲の端点として取ることによって記載される。このような範囲も、記載された発明の範囲内である。