(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記プロセッサによって、前記複数の表面メッシュの各表面メッシュを前記複数の群のうちの1つに割り当てる工程は、各表面メッシュの1つ以上の測定可能なパラメータに基づいて行われる、
請求項1に記載の方法。
前記プロセッサによって、前記複数の表面メッシュ間での前記1つ以上の測定可能なパラメータの前記分布に基づいて前記複数の群を決定する工程は、表面メッシュ同士の間の前記1つ以上の測定可能なパラメータの差に基づいて前記複数の群を識別するクラスタリングアルゴリズムを使用して行われる、
請求項3に記載の方法。
前記コンピュータ可読メモリは、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、少なくとも、ポアソン表面再構成、マーチングキューブ、グリッド投影、表面要素平滑化、貪欲投影三角測量、凸包、及び凹包のアルゴリズムのうちの少なくとも1つを使用して、前記システムに、群ごとに、前記群に含まれる各位置合わせされた表面メッシュの前記頂点及び面に基づいて前記再構成されたメッシュを生成させることにより、前記システムに、群ごとに、前記群に含まれる各位置合わせされた表面メッシュの前記頂点及び面に基づいて前記再構成されたメッシュを生成させる命令を記録している、
請求項8に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本開示の技法によれば、ブラケット、バッカルチューブ、呼吸器、ヘルメット、手袋、ベスト、バイザー、ハンドル、又は他の器具を、複数の受信した表面メッシュから生成される再構成されたメッシュに基づいて設計することができる。受信した表面メッシュの各々は、対象物を表す頂点及び面を含み得る。かかる対象物としては、例えば、歯、手、足、顔、頭、胸、目、又は、適用できるように器具が設計及び適合され得る他の対象物(解剖学に限定されない)を挙げることができる。受信した表面メッシュの各々を、対象物の物理的特徴に対応する表面メッシュの測定可能なパラメータに基づいて、母集団群に割り当てることができる。測定可能なパラメータは、対象物及び/又は対象となる器具に基づいて選択されてもよい。測定可能なパラメータの例としては、幅(例えば、歯、頭、指、手、等)、長さ(例えば、歯、頭、指、手、等)、距離(例えば、ある歯の咬頭頂から別の咬頭頂まで、ある頬骨から別の頬骨まで、等)、表面積、初期位置調整誤差、最終位置調整誤差、又は他の測定可能なパラメータが挙げられるが、これらに限定されない。各表面メッシュの関心領域を抽出でき、各母集団群内の表面メッシュを位置合わせできる。関心領域は、対象物のその全体としての表面メッシュであってもよく、又は、表面メッシュのサンプルの部分集合であってもよい。例として、対象物の表面メッシュは臼歯を表し得る。関心領域は、臼歯全体又は臼歯の一部のいずれかであってよい。別の例として、表面メッシュが口、鼻、及び顎の周囲の顔の特徴の画像を表している場合には、関心領域は、単に口、顎、若しくは鼻、これらの任意の組合せ、これらの任意のより小さいサンプル、又はその完全な画像であってよい。再構成された表面メッシュの組立時、装着の正確度及び位置合わせを更に向上させるために、初期位置調整誤差(すなわち、元の表面メッシュと再構成された表面メッシュとの間の差)を、測定可能なパラメータとして使用してもよい。初期位置調整誤差は、ランダムに又は測定可能なパラメータに基づいて選択される基準メッシュと、表面メッシュとの比較結果として定義され得る。各群内の位置合わせされた表面メッシュを(例えば、ポアソン表面再構成(Poisson surface reconstruction)を使用して)再メッシュ化して、各群内の対象物を表す再構成されたメッシュを生成できる。他の適用可能な再構成技法としては、マーチングキューブ(marching cubes)、グリッド投影(grid projection)、表面要素平滑化(surface element smoothing)、貪欲投影三角測量(greedy projection triangulation)、凸包(convex hull)、又は凹包(concave hull)が挙げられるが、これらに限定されない。臼歯の頬対向面(すなわち頬側表面)に適用されるように構成されたバッカルチューブなどの器具を、各母集団に関して再構成されたメッシュに基づいて設計することができ、これにより、各母集団群内で器具と対象物との装着の正確度を高めることができる。
【0007】
図1は、複数の受信した表面メッシュ12A〜12N(本明細書ではまとめて「表面メッシュ12」と呼ぶ)に基づいて1つ以上の再構成されたメッシュを生成できる、例示的なシステム10のブロック図である。
図1に示すように、システム10は、有線若しくは無線通信又は両方を介して表面メッシュ12を受信できる、コンピューティングデバイス14を含む。コンピューティングデバイス14は、1つ以上のプロセッサ16と、1つ以上の通信デバイス18と、1つ以上の入力デバイス20と、1つ以上の出力デバイス22と、1つ以上の記憶デバイス24と、を含む。コンポーネント16、18、20、22、及び24の各々は、例えば1つ以上の通信チャネル26によって、コンポーネント間通信のために(物理的に、通信可能に、及び/又は動作可能に)相互接続することができる。例えば、通信チャネル26は、システムバス、ネットワーク接続、プロセス間通信データ構造、又はデータを通信するための任意の他の方法を含み得る。記憶デバイス24は、
図1に示すように、分類モジュール28と、関心領域(region of interest、ROI)抽出モジュール30と、位置合わせモジュール32と、メッシュ再構成モジュール34と、を含み得る。
【0008】
図1の例に示すように、表面メッシュ12は、歯を表す3次元(3D)メッシュとすることができる。対象物の表面メッシュをキャプチャすることが当技術分野で知られている。光学走査システム、例えばSt.Paul、MNの3M CompanyのTrue Definition Scannerを用いて、3D幾何表面メッシュを提供することができる。表面メッシュ12は、複数の歯の全スパン又は個々の歯を表すことができる。ただし、本明細書に記載されている例は歯の3Dメッシュに関して記載されているものの、この開示の態様はそのように限定されない。例えば、表面メッシュ12は、それに適用できるように器具が設計され得る任意の対象物、例えば、顔の特徴、頭、胸、腕、手、足、又は解剖学に限定されない他の対象物を表す、2次元(2D)又は3Dメッシュとすることができる。表面メッシュ12は、
図1の例では、表面メッシュ12のそれぞれ1つに関連付けられた歯を表す、頂点、エッジ、及び面をそれぞれ含む多角形のメッシュ(例えば三角形のメッシュ)である。各表面メッシュ12の頂点は、歯の表面上の点を表す座標系(例えばユークリッド座標系)内の2D又は3D座標とすることができる。各表面メッシュの12の頂点の集合は、接続されていない頂点の集合を表すポイントクラウドと見なすことができる。各表面メッシュ12のエッジは頂点同士の間のコード化された接続部であり、これらの閉じた組が、表面メッシュ12のそれぞれ1つと見なされる。各表面メッシュ12の面(及び/又は各面に関連付けられた頂点)を、多角形の面によって画定される平面に直交する面法線に関連付ける(例えば、これらを用いてコード化する)ことができる。一例として、表面メッシュ12のうちのいずれか1つ以上を三角形のメッシュとすることができ、この場合、表面メッシュの各面は3つの頂点同士の間の3つのエッジの閉じた組によって画定されており、この結果、小さな三角形の平面状パッチの組として表すことのできる表面が得られる。
【0009】
表面メッシュ12は、光学走査(例えば口腔内走査)、歯の印象の走査(例えばレーザー走査)、又は両方から、取得及び/又は決定できる。一般に、表面メッシュ12は、表面メッシュ12に関連付けられた対象物(例えば歯)の2D又は3D表現を生成できる任意のデータ源から、取得及び/又は決定できる。表面メッシュ12の各々は異なる患者から取得でき、これにより結果的に、複数(例えば、十、百、千、又はそれ以上)の異なる患者の走査に相当するデータの母集団が得られる。同様に、表面メッシュ12が他の対象物、例えば、顔の特徴、手、足、又は他の対象物を表す例では、複数の個人から表面メッシュ12を取得でき、これにより結果的に、複数の個人の集成に相当するデータの母集団が得られる。
【0010】
図1に示すように、コンピューティングデバイス14は、1つ以上の有線若しくは無線通信、又は両方を介して、表面メッシュ12を受信できる。ある例では、コンピューティングデバイス14は、表面メッシュ12の各々に対応する対象物の2D及び/又は3Dモデルを受信でき、受信したモデルから表面メッシュ12の各々を決定できる。
図1では3つの表面メッシュ12(すなわち、表面メッシュ12A、表面メッシュ12B、及び表面メッシュ12N)を含むものとして示されているが、表面メッシュ12は任意の数の表面メッシュを含むことができ、この場合、表面メッシュ12Nの文字「N」は表面メッシュ12の任意の恣意的な数を表すことが理解されるべきである。
【0011】
コンピューティングデバイス14の例としては、サーバ(すなわちクラウド)、メインフレーム、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、携帯電話(スマートフォンを含む)、携帯情報端末(PDA)、又は他のコンピューティングデバイスが挙げることができるが、これらに限定されない。一例では、1つ以上のプロセッサ16が、コンピューティングデバイス14内で機能性を実装する及び/又は実行のための命令を処理するように構成される。例えば、以下で更に記載するように、プロセッサ16は、表面メッシュ12から1つ以上の再構成されたメッシュを生成するための命令などの、記憶デバイス24に記憶された命令を処理可能であり得る。プロセッサ16の例としては、マイクロプロセッサ、コントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又は他の同等の離散型若しくは集積型論理回路のうちの、いずれか1つ以上を挙げることができる。
【0012】
1つ以上の記憶デバイス24は、動作中にコンピューティングデバイス14内の情報を記憶するように構成できる。記憶デバイス24は、一部の例では、コンピュータ可読記憶媒体として記載されている。一部の例では、コンピュータ可読記憶媒体は、非一時的媒体を含み得る。用語「非一時的」は、記憶媒体が搬送波又は伝搬信号で具現化されるのでないことを意味し得る。ある例では、非一時的記憶媒体は、経時的に変化し得るデータを(例えば、RAM又はキャッシュに)記憶できる。一部の例では、記憶デバイス24は一時メモリであり、このことは、記憶デバイス24の主要目的が長期記憶ではないことを意味する。一部の例では、記憶デバイス24は揮発性メモリとして記載されており、このことは、コンピューティングデバイス14への電力がオフにされたときに記憶デバイス24が記憶された内容を維持しないことを意味する。揮発性メモリの例としては、ランダムアクセスメモリ(random access memories、RAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(dynamic random access memories、DRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(static random access memories、SRAM)、及び他の形態の揮発性メモリを挙げることができる。一部の例では、記憶デバイス24は、プロセッサ16によって実行されるプログラム命令を記憶するために使用される。一例では、記憶デバイス24は、プログラム実行中に情報を一時的に記憶するために、コンピューティングデバイス16(例えば、分類モジュール28、ROI抽出モジュール30、位置合わせモジュール32、及びメッシュ再構成モジュール34のうちの、いずれか1つ以上)上で動作するソフトウェア又はアプリケーションによって使用される。
【0013】
一例では、記憶デバイス24は、通信デバイス18を利用して、1つ以上のネットワーク、例えば、1つ以上の有線若しくは無線通信ネットワーク、又は両方を介して、外部デバイスと通信する。通信デバイス18としては、イーサネットカードなどのネットワークインタフェースカード、光学トランシーバ、無線周波数トランシーバ、又はデータを送信及び受信できる任意の他の種類のデバイスを挙げることができる。かかるネットワークインタフェースの他の例としては、Bluetooth、3G、4G、及びWiFi無線コンピューティングデバイス、並びにユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus、USB)を挙げることができる。
【0014】
コンピューティングデバイス14は、
図1に示すように、1つ以上の入力デバイス20を含み得る。一部の例では、入力デバイス20は、ユーザからの入力を受けるように構成される。入力デバイス20の例としては、マウス、キーボード、マイク、カメラデバイス、存在感知及び/若しくは接触感知ディスプレイ、又はユーザからの入力を受けるように構成された他の種類のデバイスを挙げることができる。
【0015】
1つ以上の出力デバイス22を、ユーザへの出力を提供するように構成できる。出力デバイス22の例としては、表示デバイス、サウンドカード、ビデオグラフィクスカード、スピーカ、陰極線管(cathode ray tube、CRT)モニタ、液晶ディスプレイ(liquid crystal display、LCD)、接触感知及び/若しくは存在感知ディスプレイ、又は使用者若しくは機械が理解できる形態で情報を出力するための他の種類のデバイスを挙げることができる。
【0016】
図1に示すように、記憶デバイス24は、分類モジュール28と、ROI抽出モジュール30と、位置合わせモジュール32と、メッシュ再構成モジュール34と、を含み得る。モジュール28、30、32、及び34の各々は、プロセッサ16によって実行されると、コンピューティングデバイス14を本明細書に記載の技法に従って動作させる、コンピュータ可読命令を含み得る。それぞれ別個のモジュールとして図示され記載されているが、分類モジュール28、ROI抽出モジュール30、位置合わせモジュール32、及びメッシュ再構成モジュール34のうちのいずれか1つ以上を、同じ又は異なるモジュールとして実装できる。同様に、この開示の例は単一のコンピューティングデバイス14に関して記載されているが、他の例では、システム10は2つ以上のコンピューティングデバイス14を含むことができ、この場合、本開示において1つのコンピューティングデバイス14に帰属している機能性が、これら2つ以上のコンピューティングデバイス14に分散される。
【0017】
動作中、コンピューティングデバイス14は、例えば通信デバイス18を介して、表面メッシュ12を受信する。分類モジュール28は、表面メッシュ12のそれぞれ1つの少なくとも1つの測定可能なパラメータに基づいて、表面メッシュ12の各々を、複数の群のうちの1つに割り当てる。プロセッサ16は、表面メッシュを解析して少なくとも1つの測定可能な関心パラメータを識別し、統計的近似(例えば、幅、長さ、若しくは距離の5%以内)又は発生頻度に基づいて、表面メッシュを群に割り当てる。例えば、以下で更に記載するように、分類モジュール28は、歯幅の測定可能なパラメータに基づいて、表面メッシュ12の各々を、複数の群のうちの1つに割り当てることができる。他の例では、例えば表面メッシュ12が歯以外の対象物を表しているとき、測定可能なパラメータは、表面メッシュを介して測定可能である、表面メッシュ12で表される対象物の1つ以上の物理的特徴、例えば、頬骨同士の間の距離(例えば、呼吸器器具の設計時に使用するための)、頭の幅(例えば、ヘルメット及び/若しくはバイザー器具の設計時に使用するための)、手の幅(例えば、手袋などの手を覆う器具の設計時に使用するための)、又は他の物理的特徴に、対応し得る。
【0018】
ある例では、分類モジュール28は、複数の測定可能なパラメータに基づいて、表面メッシュ12の各々を、複数の群のうちの1つに割り当てることができる。例えば、表面メッシュ12の各々を、複数の測定可能なパラメータ、例えば、幅、長さ、距離、角度、又は他の測定可能なパラメータに、関連付けることができる。かかる複数の測定可能なパラメータは、例えば、分類モジュール28が対応する表面メッシュの測定可能なパラメータ間の差を決定できる、ベクトル、配列、行列、数列、又は他の表現として表すことができる。かかる差の例としては、マハラノビス距離、ベクトル間の角度の指標(例えば、角度、角度の余弦、角度の正弦、若しくは角度の他の指標)、又はベクトル間の相関の指標を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0019】
ROI抽出モジュール30は、表面メッシュ12の各々から関心領域を抽出できる。例えば、ROI抽出モジュール30は、表面メッシュ12によって表される臼歯の頬側表面(すなわち頬対向面)を抽出できる。位置合わせモジュール32は、複数の群の各々について、群に含まれる各表面メッシュの関心領域を位置合わせして、複数の位置合わせされた表面メッシュを生成できる。メッシュ再構成モジュール34は、複数の群の各々について、群に含まれる各位置合わせされた表面メッシュの頂点及び面に基づいて、再構成されたメッシュを生成できる。このようにして、本開示の技法を実施するシステム10は、複数の母集団群の各々について、再構成されたメッシュを生成できる。各再構成されたメッシュの頂点及び面は、群に含まれる各表面メッシュの対象物の集成を表すことができる。臼歯の頬側表面に適用されるように構成されたバッカルチューブなどの器具を、群ごとに、群に関連付けられた再構成された表面メッシュに基づいて設計できる。例えば、器具の接合面領域(例えば、バッカルチューブの、臼歯の頬側表面に適用されるように構成された領域、呼吸器の、顔に隣接して載置されるように構成された領域、又は他の接合面領域)を、再構成されたメッシュの対応する接合面領域を補完する(例えばこれに合致する)ように設計できる。このように、本明細書に記載されている技法は、各群に関する器具とその群に対応する測定可能なパラメータ(例えば歯幅)を有する対象物(例えば歯)との間の装着の正確度を高めることができる。
【0020】
図2は、歯幅に対応する測定可能なパラメータに従った、(
図1の)表面メッシュ12の例示的な分類のグラフ36である。
図2の例では、グラフ36は、各々が右下第2臼歯に対応している、表面メッシュ12の例示的な分類を示しているが、本明細書に記載する例示的な技法を、異なる歯、及び異なる対象物、例えば顔、頭、手、足、胸、又は解剖学に限定されない他の対象物の分類に適用できることが理解されるべきである。一部の例では、表面メッシュ12の各々は、
図2に関連して記載した右下第2臼歯などの、単一の歯を表すことができる。他の例では、表面メッシュ12の各々は2つ以上の歯を表すことができ、(
図1の)コンピューティングデバイス14は、表面メッシュ12の各々の一部を分離して、単一の歯に対応する部分を抽出できる。
【0021】
図2に示すように、(
図1の)分類モジュール28は、表面メッシュ12の各々を、複数の群38A〜38H(本明細書ではまとめて「群38」と呼ぶ)のうちの1つに割り当てることができる。
図2の例では、群38の各々は、右下第2臼歯の歯幅の物理的特徴に対応しており、歯幅に対応する測定可能なパラメータをある範囲で含み、各範囲は、それぞれの群に関する歯幅の下限から歯幅の上限までに及ぶ。図示のように、歯幅に対応する測定可能なパラメータの範囲は、群38同士の間で互いに排他的であり、この場合、群38のうちの2つが同じ値の測定可能なパラメータを含むことはない。
【0022】
一部の例では、分類モジュール28は、表面メッシュ12の各々に関する歯幅を、表面メッシュ12の各々に関連する臼歯の近心舌側の咬頭頂と遠心頬側の咬頭頂との間の距離として決定できる。他の例では、分類モジュール28は、表面メッシュ12の各々に関する歯幅を、歯幅を示す他の測定可能なパラメータ、例えば、近心舌側咬頭頂から中央頬側咬頭頂(例えば、3つの頬側咬頭頂を有する左下第1臼歯及び右下第1臼歯に関して)までの距離、歯の最外縁同士の間の最長距離、又は歯幅を示す他の測定可能なパラメータを使用して、決定できる。咬頭頂、最外縁、又は他の目印点などの、各歯幅を決定するために使用される目印点に、手作業で注釈を付ける(例えば、ユーザがこれらの目印点を表面メッシュ12の各々を用いて手作業でコード化する)ことができ、かつ/あるいは、これらの目印点を、コンピューティングデバイス14が、例えば光学的認識技法、ピーク検出アルゴリズム、エッジ検出アルゴリズム、又は咬頭頂、最外縁、若しくは歯幅を示す測定可能なパラメータを決定するために使用可能な他の目印点を決定するための他の技法を介して、自動的に決定できる。
【0023】
図2の例では、群38は、8つの群(すなわち、群38A、38B、38C、38D、38E、38F、38G、及び38H)を含む。他の例では、群38は、8個よりも多いか又は少ない別個の群38を含むことができ、これには単一の群のみを有する例が含まれる。群38の総数は、1つ以上の制約、例えば、群38の最大数、群38の最小数、群38のうちのいずれか1つに含まれる表面メッシュ12の最大数、群38のうちのいずれか1つに含まれる表面メッシュ12の最小数、又は他の制約に基づいて、(例えば、手作業で及び/又は分類モジュール28によって)決定できる。ある例では、分類モジュール28は、例えば、表面メッシュ12同士の間の測定可能なパラメータの差に基づいて、群38の数及び/又は群38の各々に関する測定可能なパラメータの範囲を識別するクラスタリングアルゴリズムを使用して、群38の各々に関する測定可能なパラメータの数及び/又は範囲を決定できる。例えば、分類モジュール28は、測定可能なパラメータ同士の間の閾値最大差などの閾値分類基準を満たす測定可能なパラメータを有する表面メッシュ12を分類する、クラスタリングアルゴリズムを利用できる。
【0024】
ある例では、クラスタリングモジュール28は、例えば、群38の各々に含まれる表面メッシュ12の数のヒストグラム、(例えば、カーネル密度平滑化を使用する)群38中の測定可能なパラメータの確率分布関数の最大値、又は他の技法を使用することによって、群38中の測定可能なパラメータの主要統計値を決定できる。主要統計値の例としては、最頻値、平均値、中央値、又はこれらの中間値を挙げることができるが、これらに限定されない。ある例では、分類モジュール28は、群38中の測定可能なパラメータの主要統計値を中心にして群38のうちの1つに関する測定可能なパラメータの範囲を定めることができる。例えば、
図2に示すように、分類モジュール28は、群38中の測定可能なパラメータの決定された最頻値(例えば、この例では5.09ミリメートル)を中心にして、群38Dの歯幅に対応する測定可能なパラメータの範囲を定めることができる。ある例では、追加の群38を、群38の集成が表面メッシュ12間の測定可能なパラメータのうちの少なくとも95パーセントを含むまで、主要統計値に対応する群38のうちの識別された1つ(例えば、この例では最頻値である主要統計値に対応する群38D)を中心にして対称に決定できる。群38のうちの、測定可能なパラメータを測定可能なパラメータの最大及び最小百分位数で含むものの範囲を、表面メッシュ12の各々が群38のうちの少なくとも1つに含まれるように拡張できる。
【0025】
したがって、コンピューティングデバイス14は、表面メッシュ12の各々を、表面メッシュ12のそれぞれ1つの少なくとも1つの測定可能なパラメータに従って、複数の群のうちの1つに割り当てることができる。
図2の例は歯の幅に対応する測定可能なパラメータに関して記載されているが、本明細書に記載する技法は、様々な対象物、例えば、顔の特徴(例えば、頬骨同士の間の距離、鼻の長さに対応する測定可能なパラメータ、若しくは顔の特徴の物理的特徴に対応する任意の1つ以上の他の測定可能なパラメータ)、頭(例えば、頭の幅、頭の周長、若しくは頭の物理的特徴に対応する任意の1つ以上の他の測定可能なパラメータ)、手(例えば、手の幅、指の長さ、若しくは手の物理的特徴に対応する任意の1つ以上の他の測定可能なパラメータ)の物理的特徴に対応する、(各表面メッシュに関連付けられた複数の測定可能なパラメータを含む)様々な測定可能なパラメータ、又は、解剖学に限定されない対象物の物理的特徴に対応する任意の1つ以上の他の測定可能なパラメータに適用できる。
【0026】
図3A〜3Cは、表面メッシュ12Aからの、臼歯の頬側表面に対応する関心領域を抽出する例を示す斜視図である。
図3Aは座標系40と位置合わせされた表面メッシュ12Aを示している。
図3Bは、臼歯の頬側表面に対応する関心領域42を表面メッシュ12Aの残りの部分から分離する平面41を示す、座標系40と位置合わせされた表面メッシュ12Aを示している。
図3Cは、表面メッシュ12Aからの抽出後の、頬側表面に対応する関心領域42を示している。
【0027】
図3Aに示すように、表面メッシュ12Aを、例えばROI抽出モジュール30(
図1)によって、座標系40と位置合わせできる。座標系40は、第1の軸44(「x軸」と標示)、第2の軸46(「y軸」と標示)、及び第3の軸48(「z軸」と標示)を含み得る。図示した例の場合のように、第1の軸44、第2の軸46、及び第3の軸48の各々は、互いに直交することができる(例えばユークリッド座標系)。ROI抽出モジュール30は、座標系40の原点を、近心舌側咬頭頂50と遠心頬側咬頭頂52との間の中間点として決定できる。ROI抽出モジュール30は、決定された原点から遠心頬側咬頭頂52に向かう方向(口の左上若しくは左下象限内の歯に対応する表面メッシュに関する)に、又は、決定された原点から近心頬側咬頭54に向かう方向における方向(口の右上若しくは右下象限内の歯に対応する表面メッシュに関する)に延びる単位ベクトルと平行になるように、第1の軸44の正方向を決定できる。ROI抽出モジュール30は、決定された原点から歯の歯根の線に沿って延びる単位ベクトルと平行になるように第2の軸46を決定でき、正方向は原点から歯の咬合面に向かって延びている。ROI抽出モジュール30は、座標系40が右手座標系となり、第3の軸48の正方向が決定された原点から歯の頬側表面に向かう方向に延びる単位ベクトルと平行になるよう、第1の軸44及び第2の軸46の各々と互いに直交するように第3の軸48を決定できる。したがって、第3の軸48の正の値は、表面メッシュ12Aに対応する臼歯の頬側表面に対応している。
【0028】
図3Bに示すように、ROI抽出モジュール30は、第3の軸48に沿って正の値を有する表面メッシュ12Aの値を分離することにより、歯の頬側表面に対応する関心領域42を識別できる。かかる値が、
図3Bに、第3の軸48において延びるゼロ値平面41を使用して示されている。他の例では、ROI抽出モジュール30は、表面メッシュ12Aを関心領域42と位置合わせする及び/又は座標系40に基づいて関心領域42を識別する必要がない。例えば、ROI抽出モジュール30は、ある例では、表面メッシュ12Aをベースライン(又はテンプレート)表面メッシュと位置合わせすることによって関心領域42を識別でき、テンプレート表面メッシュ内の対応する関心領域の位置に基づいて、関心領域42を識別できる。ROI抽出モジュール30は、例えば、テンプレート表面メッシュの目印又は他の識別された位置を、表面メッシュ12Aの対応する位置と位置合わせすることによって、表面メッシュ12Aをテンプレート表面メッシュと位置合わせできる。目印位置は、例えば、テンプレート表面によって表される対象物の物理的特徴、例えば、目印となる顔の特徴(例えば、頬骨、口、目、若しくは他の顔の特徴の位置)などの目印となる歯の位置(例えば、咬頭頂、溝、若しくは他の目印となる歯の位置)、又は解剖学に限定されない対象物の他の物理的特徴に対応し得る。一例として、ROI抽出モジュール30は、表面メッシュ12Aの目印位置を、反復最近接点(iterative closest point、ICP)又は他の位置合わせアルゴリズムを使用して、テンプレート表面メッシュと位置合わせできる。ROI抽出モジュール30は、テンプレート表面メッシュ内の関心領域の位置に基づいて、例えばテンプレート表面メッシュ内の関心領域の対応する位置に関連付けられた表面メッシュ12Aの部分を識別することによって、表面メッシュ12Aから関心領域(例えば関心領域42)を識別及び/又は抽出できる。
【0029】
図3Cは、表面メッシュ12Aからの(例えば、ROI抽出モジュール30による)抽出後の関心領域42を示している。
図3A〜
図3Cの例は、臼歯の頬側表面に対応する関心領域の抽出に関して図示され説明されているが、これらの例示的な技法は、歯及び/又は他の対象物に対応する異なる関心領域の抽出に適用できる。例えば、歯の舌側又は口蓋側の(すなわち、舌に対向する又は口蓋に対向する)関心領域を、
図3A〜
図3Cの例では、第3の軸48の負の値に対応する表面メッシュ12Aの領域として抽出できる。加えて、これらの例示的な技法を異なる対象物に適用して、例えば、人の頭に対応する表面メッシュから顔に関する関心領域を抽出できる。例えば、人の頭に対応する表面メッシュの例では、座標系40の原点を、頭の2つの耳の間の中間点として決定でき、第1の軸44の正方向を、単位ベクトルに沿った方向に原点から頭の右耳まで延びるように決定でき、第2の軸46の正方向を、単位ベクトルに沿った方向に原点から頭の首の線を下る方向に延びるように決定できる。かかる例では、頭の顔の特徴に対応する関心領域を、第3の軸48に沿って正の値を有する表面メッシュの値として抽出できる。
【0030】
したがって、ROI抽出モジュール30は、表面メッシュ12のうちのいずれか1つ以上の関心領域を識別でき、表面メッシュ12のそれぞれ1つの残りの部分から関心領域を抽出できる。関心領域の抽出により、位置合わせを必要とする頂点の総数を減らすことによって、表面メッシュ12の位置合わせ演算の正確度を高めることができる。
【0031】
図4は、群38D(
図2)に含まれる表面メッシュ12(
図1)の位置合わせされた関心領域のポイントクラウド56の頂点の側面図である。
図4の例は、明確性及び検討の容易さを目的として群38Dに関して記載されているが、これらの例示的な技法は、それぞれの群に含まれる表面メッシュ12の頂点を位置合わせするために、群38の任意の及び全てに適用可能であることが理解されるべきである。
【0032】
位置合わせモジュール32(
図1)は、群38Dに含まれる表面メッシュ12の関心領域を位置合わせできる。例えば、ある例では、位置合わせモジュール32は、群38Dに含まれる表面メッシュ12の関心領域を共通の座標系に位置合わせできる。一部の例では、位置合わせモジュール32は、表面メッシュ12の目印又は他の予め定義された点を位置合わせすることによって、群38Dに含まれる表面メッシュ12の関心領域を位置合わせできる。群38Dに含まれる位置合わせされた表面メッシュ12の頂点の集成は、ポイントクラウド56の頂点を形成する。例として、共通の座標系は、群38Dに含まれる表面メッシュ12のいずれかに関連付けられた座標系とすることができる。例えば、共通の座標系は、群38Dに含まれる表面メッシュ12のうちの、群38Dに含まれる表面メッシュ12中の中央値としての測定可能なパラメータ(例えば歯幅)を有する1つに関連付けられた座標系とすることができる。
【0033】
位置合わせモジュール32は、反復最近接点(ICP)アルゴリズム、又は、基準ポイントクラウド(すなわち、共通の座標系として決定された表面メッシュ12のうちの1つに関連付けられた頂点のポイントクラウド)と標的ポイントクラウド(例えば、群38Dに含まれる表面メッシュ12のうちの残りのものの各々)との間の差を、基準ポイントクラウドと標的ポイントクラウドとの間で頂点同士の間の距離を最小化するように標的ポイントクラウドの座標を変換する決定済みの回転行列を介して最小化する、他の位置合わせアルゴリズムを使用して、群38Dに含まれる表面メッシュ12の各々の関心領域を(例えば共通の座標系に)位置合わせできる。群38Dに含まれる表面メッシュ12の関心領域(群38Dに含まれる表面メッシュ12の全体とは対照的である)の位置合わせにより、位置合わせするべき頂点の総数を減らすことによって、位置合わせの正確度を高めること、並びに位置合わせに関連する演算コストを低減することができる。
【0034】
一部の例では、位置合わせモジュール32は、最初に、群38Dに含まれる表面メッシュ12の関心領域の各々の第1の軸(例えばx軸)を位置合わせすることができ、次いで、群38Dに含まれる表面メッシュ12の関心領域の各々の残りの2つの軸(例えば、x軸及びy軸の両方)を、反復最近接点アルゴリズム(iterative closest point algorithm)又は他の位置合わせアルゴリズムを使用して位置合わせできる。かかる例では、位置合わせモジュール32は、(高い演算コストを要し得る)反復最近接点又は他の位置合わせアルゴリズムによって実行される演算の数を減らすことによって、位置合わせの演算コストを更に低減できる。このようにして、位置合わせモジュール32は、群38Dに含まれる表面メッシュ12の関心領域の各々を位置合わせして、位置合わせされた関心領域の各々の頂点を含む集成ポイントクラウド56を決定できる。
【0035】
図5は、位置合わせされた表面メッシュの群から生成された、再構成された例示的なメッシュ58の斜視図である。
図5の例では、群38D(
図2)に含まれる表面メッシュ12(
図1)の位置合わせされた関心領域のポイントクラウド56(
図4)から、再構成されたメッシュ58が生成されている。
図5の例は、明確性及び検討の容易さを目的として群38Dに関連付けられたポイントクラウド56に関して記載されているが、これらの例示的な技法は、それぞれの群に含まれる位置合わせされた表面メッシュから再構成された表面メッシュを生成するために、群38のいずれか又は全ての表面メッシュ12の任意の位置合わせされた群に適用可能であることが理解されるべきである。
【0036】
メッシュ再構成モジュール34(
図1)は、群38Dに含まれる位置合わせされた各表面メッシュの頂点及び面に基づいて、再構成されたメッシュ58を生成できる。例えば、メッシュ再構成モジュール34は、ポアソン表面再構成アルゴリズム、又は2つ以上の入力メッシュを表す再構成されたメッシュを生成する他の表面再構成アルゴリズムを使用して、再構成されたメッシュ58を生成できる。一部の例では、メッシュ再構成モジュール34は、群38Dに含まれる位置合わせされた表面メッシュ12の頂点、及び群38Dに含まれる各位置合わせされた表面メッシュ12の面に関連付けられた法線ベクトルのみを使用して、再構成されたメッシュ58を生成できる。すなわち、ポイントクラウド56の頂点の各頂点を、頂点が導出された表面メッシュ12のそれぞれ1つの面に直交している法線ベクトルに関連付けることができる。再構成されたメッシュ58の面の各々について面法線を推定し直すのではなく、メッシュ再構成モジュール34は、ポイントクラウド56の頂点に関連付けられた面法線を使用して再構成されたメッシュ58を生成でき、これにより、表面再構成に関連する演算時間が低減され、結果的により欠点の少ない(例えば、より平滑かつより正確な)再構成されたメッシュ58が得られる。
【0037】
一部の例では、メッシュ再構成モジュール34は、再構成されたメッシュ58を決定する前にポイントクラウド56の頂点に半径外れ値フィルタを適用して、メッシュ再構成演算から偽の頂点を除外でき、これにより、再構成されたメッシュ58の平滑度及び正確度が高められる。例えば、メッシュ再構成モジュール34は、閾値距離内の隣接する頂点が閾値数未満である頂点を除外できる。隣接する頂点の閾値数及び閾値距離は、例えばメッシュ解像度によって定義される頂点の密度に基づくことができる。例えば、メッシュ解像度が増加するにつれ、隣接する頂点の閾値数及び閾値距離のうちのいずれか1つ以上は減少し得る。メッシュ解像度が減少するにつれ、隣接する頂点の閾値数及び/又は閾値距離は増加し得る。一例として、隣接する頂点の閾値数は50個の頂点とすることができ、閾値距離は0.5ミリメートルとすることができる。
【0038】
ある例では、メッシュ再構成モジュール34は、再構成されたメッシュ58を生成した後で再構成されたメッシュ58の頂点に半径外れ値フィルタを適用して、再構成されたメッシュ58の偽の領域を除外でき、これにより、再構成されたメッシュ58の平滑度及び正確度が高められる。例えば、メッシュ再構成モジュール34は、再構成されたメッシュ58から、閾値距離内のポイントクラウド56(すなわち、再構成されたメッシュ58が生成されたポイントクラウド)からの頂点が閾値数未満である頂点を除外することができる。上記したように、頂点の閾値数及び閾値距離の各々は、メッシュ解像度に基づくことができ、例えば、0.5ミリメートルの閾値距離内にポイントクラウド56に含まれる閾値数100個の頂点がある。
【0039】
一部の例では、メッシュ再構成モジュール34は、再構成されたメッシュ58を生成した後で再構成されたメッシュ58に平滑化演算を適用でき、これにより、再構成されたメッシュ58の平滑度及び正確度が高められる。例えば、メッシュ再構成モジュール34は、再構成されたメッシュ58の各頂点を、それぞれの頂点にエッジにより直接接続されている隣接する頂点の座標の加重平均と置き換えることにより、再構成されたメッシュ58にラプラシアン平滑化演算を適用できる。重みは、例えば、接続エッジの長さに反比例し得る。
【0040】
このようにして、メッシュ再構成モジュール34は、群38Dに含まれる各表面メッシュ12の頂点及び面に基づいて、再構成されたメッシュ58を生成できる。再構成されたメッシュ58の頂点及び面は、群38Dに含まれる表面メッシュ12の各々に対応する対象物の集成を表すことができる。したがって、再構成されたメッシュ58と(例えば設計公差内で)合致するような輪郭とされている接合面を有する器具、例えばバッカルチューブを設計するために、再構成されたメッシュ58を利用することができ、これにより、器具と、群38Dの測定可能なパラメータの範囲内に含まれている測定可能なパラメータを有する対象物との間の、装着の正確度が高まる。同様に、メッシュ再構成モジュール34は、再構成されたメッシュを群38のうちのいずれか1つ以上について生成でき、これにより、器具を母集団群38のうちのいずれか1つ以上(例えば各々)について設計することが可能になる。
【0041】
図6は、再構成された表面メッシュ58に基づいて設計された接合面領域62を含むバッカルチューブ器具60の斜視図である。
図6の例では、バッカルチューブ器具60が、再構成されたメッシュ58の一部に対して、適用された向きで示されている。
図6の例は、明確性及び検討の容易さを目的として、再構成されたメッシュ58に基づいて設計されたバッカルチューブ器具に関して記載されているが、これらの例示的な技法は、人の顔と接合するように設計された呼吸器、人の頭と接合するように設計されたヘルメット、人の顔と接合するように設計された眼鏡、又は解剖学に限定されない任意の対象物と接合するように設計された他の器具などの、任意の対象物と接合するように設計可能な、任意の器具に適用可能であることが理解されるべきである。
【0042】
図6に示すように、バッカルチューブ器具60は、再構成されたメッシュ58によって表される対象物と接合する(例えば、物理的に触れる)ように構成されている接合面領域62を含む。接合面領域62は、接合面領域62が接合するように構成されている再構成されたメッシュ58の領域と(例えば、設計及び/又は製造公差内で)合致するように設計できる。したがって、バッカルチューブ器具60の接合面領域62を、適用後の機械的応力を最小化するように設計でき、これにより、接合面領域62とこれが適用される歯との間の接着剤結合の寿命を長くするのを助ける。
【0043】
図7は、複数の受信した表面メッシュに基づいて1つ以上の再構成されたメッシュを生成するための例示的な操作を示すフロー図である。明確性及び検討の容易さを目的として、
図1のシステム10及び
図2〜
図6の例の文脈内で、これらの例示的な操作について以下に記載する。
【0044】
複数の表面メッシュを受信することができる(ステップ64)。各表面メッシュは、対象物を表す頂点及び面を含み得る。例えば、コンピューティングデバイス14は、通信デバイス18を介して表面メッシュ12受信でき、表面メッシュ12の各々は、1つ以上の歯を表す頂点及び面を含む。一部の例では、複数の表面メッシュの各々を、三次元の表面メッシュとすることができる。例えば、表面メッシュ12の各々は、3次元ユークリッド座標系に関連付けることができる。
【0045】
複数の表面メッシュの各表面メッシュを、コンピューティングデバイス14によって、
図1に表されている複数の群のうちの1つに割り当てることができる(ステップ66)。例えば、分類モジュール28は、表面メッシュ12の各々を群38のうちの1つに割り当てることができる。各表面メッシュを複数の群のうちの1つに割り当てることは、表面メッシュの測定可能なパラメータに基づいて行うことができる。例えば、分類モジュール28は、歯幅に対応する表面メッシュの測定可能なパラメータ、例えば、近心舌側咬頭頂に対応する表面メッシュの頂点と遠心頬側咬頭頂に対応する表面メッシュの頂点との間の距離に基づいて、表面メッシュ12の各々を群38のうちの1つに割り当てることができる。測定可能なパラメータは、表面メッシュによって表される対象物の物理的特徴、例えば表面メッシュによって表される歯の歯幅に対応する、測定可能なパラメータに対応し得る。複数の群は、複数の表面メッシュ間での測定可能なパラメータの分布に基づいて決定できる。複数の表面メッシュ間での測定可能なパラメータの分布に基づいて複数の群を決定することは、表面メッシュ同士の間の測定可能なパラメータの差に基づいて複数の群を識別する、クラスタリングアルゴリズムを使用して行うことができる。例えば、分類モジュール28は、表面メッシュ12同士の間の測定可能なパラメータの差に基づいて、群38の数及び/又は群38の各々に関する測定可能なパラメータの範囲を識別するクラスタリングアルゴリズムを使用して、群38を決定できる。複数の群の各々は、測定可能なパラメータを、測定可能なパラメータの下限から上限までの範囲で含み得る。例えば、群38の各々は、測定可能なパラメータを、その群に関する歯幅の下限からその群に関する歯幅の上限まで延びる歯幅に対応する範囲で含み得る。一部の例では、複数の群のうちの1つに関する測定可能なパラメータの範囲は、複数の表面メッシュ内の測定可能なパラメータの主要統計値を中心とすることができる。例えば、分類モジュール28は、測定可能なパラメータを、群38中の測定可能なパラメータの最頻値を中心とする範囲で有する、群38Dを決定できる。
【0046】
複数の表面メッシュの各表面メッシュから、関心領域を抽出できる(ステップ68)。例えば、ROI抽出モジュール30は、表面メッシュ12の各々から、関心領域、例えば関心領域42を抽出できる。複数の表面メッシュの各々から関心領域を抽出することは、各表面メッシュを所定の座標系と位置合わせすることと、所定の座標系における表面メッシュの特徴に基づいて、各表面メッシュから関心領域を抽出することと、を含み得る。例えば、ROI抽出モジュール30は、表面メッシュ12の各々を座標系40と位置合わせでき、(例えば歯の頬側表面に対応する)表面メッシュ12の各々から、関心領域42を、第3の軸48の正の値を有する表面メッシュ12の領域として抽出できる。
【0047】
複数の位置合わせされた表面メッシュは、複数の群の群ごとに、群に含まれる各表面メッシュの関心領域を位置合わせすることによって、生成できる(ステップ70)。例えば、位置合わせモジュール32は、群38Dに含まれる表面メッシュ12の各々の抽出された関心領域を位置合わせして、群38Dに関して複数の位置合わせされた表面メッシュ12を生成でき、これらの頂点の集成は、ポイントクラウド56を形成する。位置合わせモジュール32は同様に、群38A、38B、38C、38E、38F、38G、及び38Hの各々に関して、群38A、38B、38C、38E、38F、38G、及び38Fのそれぞれ1つに含まれる表面メッシュ12の各々の抽出された関心領域を位置合わせして、群38A、38B、38C、38E、38F、38G、及び38Hの各々に関して、複数の位置合わせされた表面メッシュ12を生成できる。複数の群の群ごとに、群に含まれる各表面メッシュを位置合わせして複数の位置合わせされた表面メッシュを生成することは、複数の群の群ごとに、群に含まれる各表面メッシュに関連付けられた座標系を、群に含まれる選択された表面メッシュに関連付けられた座標系に位置合わせすることを含み得る。選択された表面メッシュは、群に含まれる表面メッシュ間での測定可能なパラメータの中央値に対応し得る。例えば、位置合わせモジュール32は、群38の各々に含まれる表面メッシュ12の各々を、群38のそれぞれ1つに関する歯幅に対応する、中央値である測定可能なパラメータに関連付けられた表面メッシュ12のそれぞれ1つに位置合わせできる。
【0048】
複数の群の群ごとに、群に含まれる各表面メッシュに関連付けられた座標系を、群に含まれる選択された表面メッシュに関連付けられた座標系に位置合わせすることは、反復最近接点アルゴリズムを使用して行うことができる。群に含まれる各表面メッシュに関連付けられた座標系を、群に含まれる選択された表面メッシュに関連付けられた座標系に、反復最近接点アルゴリズムを使用して位置合わせすることは、最初に、複数の群の群ごとに、群に含まれる各表面メッシュに関連付けられた3軸座標系の第1の軸を位置合わせすることと、次に、複数の群の群ごとに、群に含まれる各表面メッシュに関連付けられた3軸座標系の第2の軸及び第3の軸を、反復最近接点アルゴリズムを使用して位置合わせすることと、を含み得る。例えば、位置合わせモジュール32は、最初に、群38の各々に関して、群に含まれる各表面メッシュに関連付けられたx軸を位置合わせできる。位置合わせモジュール32は次に、群38の各々に関して、その群に含まれる各表面メッシュに関連付けられたy軸及びz軸の両方を、反復最近接点アルゴリズムを使用して位置合わせできる。
【0049】
複数の群の群ごとに、群に含まれる各位置合わせされた表面メッシュの頂点及び面に基づいて、再構成されたメッシュを生成できる(ステップ72)。群ごとに、群に含まれる各位置合わせされた表面メッシュの頂点及び面に基づいて、再構成されたメッシュを生成することは、ポアソン表面再構成アルゴリズムを使用して行うことができる。例えば、メッシュ再構成モジュール34は、群38Dに含まれる各位置合わせされた表面メッシュの頂点及び面に基づいて、ポアソン表面再構成アルゴリズムを使用して、再構成されたメッシュ58を生成できる。メッシュ再構成モジュール34は同様に、群38の各々に関して、それぞれの群に含まれる各位置合わせされた表面メッシュの頂点及び面に基づいて、ポアソン表面再構成アルゴリズムを使用して、再構成されたメッシュを生成できる。各位置合わせされた表面メッシュの各面を、面法線と関連付けることができる。群ごとに、群に含まれる各位置合わせされた表面メッシュの頂点及び面に基づいて、ポアソン表面再構成アルゴリズムを使用して、再構成されたメッシュを生成することは、各位置合わせされた表面メッシュの各面及び各位置合わせされた表面メッシュの頂点に関連付けられた面法線のみに基づくことができる。
【0050】
群ごとに、群に関する再構成された表面メッシュに基づいて、器具を設計できる(ステップ74)。例えば、バッカルチューブ器具60を、群38Dに関する再構成された表面メッシュ58に基づいて設計できる。同様に、群38の各々に関して、それぞれの群に関する再構成された表面メッシュに基づいて、バッカルチューブ器具(又は他の器具)を設計できる。
【0051】
このようにして、器具、例えば、ブラケット、バッカルチューブ、呼吸器、ヘルメット、手袋、ベスト、バイザー、ハンドル、又は他の器具を、複数の表面メッシュから生成される再構成されたメッシュに基づいて設計できる。受信した表面メッシュを、表面メッシュが表す対象物の1つ以上の物理的特徴に対応する、それぞれの表面メッシュの1つ以上の測定可能なパラメータに従って、母集団群へと分離することができる。群ごとに、群に含まれる表面メッシュに基づいて、再構成されたメッシュを生成できる。器具を、群ごとに、器具の接合面領域がそれぞれの群に関する再構成されたメッシュを補完するように生成できる。したがって、本開示の技法により、器具の接合面領域と、設計された器具に対応する少なくとも1つの測定可能なパラメータを有する対象物との間の、装着の正確度を高めることができる。
【0052】
別の例では、表面メッシュ12を(例えば、通信デバイス18を介してコンピューティングデバイス14によって)受信できる。表面メッシュ12の各々は、対象物を表すことができる。例えば、表面メッシュ12の各々は、人の顔上の点を表す頂点及び頂点同士の間の接続をコード化する面を含む、三次元メッシュとすることができる。
【0053】
表面メッシュ12の各々は、共通の座標系に、例えば所定の座標系に、又は、表面メッシュ12のうちの1つを基準として使用して、予め位置合わせできる。例えば、表面メッシュ12各々の面における鼻先を、同じ方向に向けることができ、個々の表面メッシュ12を、共通の座標系において鼻先が原点となるように変形させることができる。
【0054】
表面メッシュ12のうちの1つを基準メッシュとして使用して、表面メッシュ12の各々を、並進及び回転変換をもたらす反復最近接点(ICP)位置調整アルゴリズムを使用して基準系に位置合わせして、このメッシュの対の間の差を最小化できる。群内の位置調整されたメッシュごとに、面法線を計算できる。例えば、考慮されている面の頂点によって形成される平面に直交している表面メッシュ12の各々の面ごとに、面法線を計算できる。
【0055】
位置合わせされたメッシュに関して計算された面法線を使用して、例えばメッシュ再構成モジュール34によって、再構成されたメッシュを生成できる。例えば、メッシュ再構成モジュール34は、位置合わせされた表面メッシュ12の群の頂点、及び頂点の多角形を含む面に関する法線を使用できる。ある例では、メッシュ再構成モジュール34は、各頂点の近傍の閾値距離内で隣接する頂点の数が不十分である頂点を拒絶(例えば除去)することによって、再構成されたメッシュから外れ値頂点を排除できる。この例では、再構成されたメッシュは、人の顔に関して収集した位置合わせされた表面メッシュ12の群の集成表現と見なすことができる。
【0056】
再構成されたメッシュは、例えば呼吸器のシェルの表面メッシュが再構成されたメッシュの表面に重なるように、呼吸器のシェルを表す表面メッシュと位置合わせできる。位置合わせは、限定するものではないが鼻先、顔の顎の中心、顔の両目の中間、及び2つの唇の縁を含む、再構成されたメッシュ上の主要点である目印に注釈を付けることにより、手作業の入力を使用して行うことができる。他の例では、主要点である目印の位置を自動的に特定するためのアルゴリズムを使用して、位置合わせを行うことができる。
【0057】
位置合わせされた呼吸器メッシュの頂点を、再構成されたメッシュの表面に投影できる。この投影は、再構成されたメッシュの面に関する面法線を使用して計算できる。頂点の投影は、再構成されたメッシュの表面の部分集合を包含できる。この投影を使用して、投影の境界点を抽出することにより、投影の輪郭頂点を計算できる。
【0058】
輪郭頂点からの閾値距離(例えば10mm)の近傍に存在する表面頂点を抽出して、面及び頂点の表面メッシュを求めることができる。抽出された表面メッシュを平滑化して凹凸面を破棄することができる。抽出された表面メッシュの平滑化は、スプライン平滑化アルゴリズムを使用して行うことができる。得られた平滑な表面メッシュを使用して、例えば呼吸器用の顔封止部をプリントするための器具を生成できる。
【0059】
可能な実施形態の検討
以下は、本発明の可能な実施形態の非排他的な記載である。
【0060】
コンピュータにより実装される方法は、複数の表面メッシュを受信する工程を含むことができ、各表面メッシュは、対象物を表す頂点及び面を含む。方法は、プロセッサによって、複数の表面メッシュの各表面メッシュを複数の群のうちの1つに割り当てる工程と、複数の表面メッシュの各表面メッシュから関心領域を抽出する工程と、を更に含み得る。方法は、プロセッサによって、複数の群の群ごとに、群に含まれる各表面メッシュの関心領域を位置合わせして複数の位置合わせされた表面メッシュを生成する工程と、プロセッサによって、複数の群の群ごとに、群に含まれる各位置合わせされた表面メッシュの頂点及び面に基づいて、再構成されたメッシュを生成する工程と、を更に含み得る。
【0061】
前段落の方法は、任意選択的に、以下の特徴、構成、動作、及び/又は追加の構成要素のうちのいずれか1つ以上を、追加的に及び/又は代替的に含み得る。
【0062】
プロセッサによって、複数の表面メッシュの各表面メッシュを複数の群のうちの1つに割り当てることは、各表面メッシュの1つ以上の測定可能なパラメータに基づいて行うことができる。
【0063】
1つ以上の測定可能なパラメータは、表面メッシュによって表される対象物の1つ以上の物理的特徴に対応し得る。
【0064】
方法は、プロセッサによって、複数の表面メッシュ間での1つ以上の測定可能なパラメータの分布に基づいて、複数の群を決定する工程を更に含み得る。
【0065】
プロセッサによって、複数の表面メッシュ間での1つ以上の測定可能なパラメータの分布に基づいて複数の群を決定することは、表面メッシュ同士の間の1つ以上の測定可能なパラメータの差に基づいて複数の群を識別する、クラスタリングアルゴリズムを使用して行うことができる。
【0066】
複数の群の各々は、1つ以上の測定可能なパラメータを、1つ以上の測定可能なパラメータの下限から上限までの範囲で含み得る。複数の群のうちの1つに関する1つ以上の測定可能なパラメータの範囲は、複数の表面メッシュ内の1つ以上の測定可能なパラメータの最頻値を中心とすることができる。
【0067】
複数の表面メッシュの各々から関心領域を抽出することは、プロセッサによって、各表面メッシュを所定の座標系と位置合わせすることと、プロセッサによって、所定の座標系における表面メッシュの特徴に基づいて、各表面メッシュから関心領域を抽出することと、を含み得る。
【0068】
複数の表面メッシュの各表面メッシュは、座標系に関連付けることができる。プロセッサによって、複数の群の群ごとに、群に含まれる各表面メッシュを位置合わせして複数の位置合わせされた表面メッシュを生成することは、複数の群の群ごとに、群に含まれる各表面メッシュに関連付けられた座標系を、群に含まれる選択された表面メッシュに関連付けられた座標系に位置合わせすることを含み得る。
【0069】
プロセッサによって、複数の表面メッシュの各々を複数の群のうちの1つに割り当てることは、幅、長さ、差、表面、面積、又は位置調整誤差を含む、表面メッシュの1つ以上の測定可能なパラメータに基づいて行うことができる。
【0070】
複数の表面メッシュの各表面メッシュに関連付けられた座標系は、3軸座標系とすることができる。プロセッサによって、複数の群の群ごとに、群に含まれる各表面メッシュに関連付けられた座標系を、群に含まれる選択された表面メッシュに関連付けられた座標系に位置合わせすることは、最初に、プロセッサによって、複数の群の群ごとに、群に含まれる各表面メッシュに関連付けられた3軸座標系の第1の軸を位置合わせすることと、次に、プロセッサによって、複数の群の群ごとに、群に含まれる各表面メッシュに関連付けられた3軸座標系の第2の軸及び第3の軸を、反復最近接点アルゴリズムを使用して位置合わせすることと、を含み得る。
【0071】
プロセッサによって、群ごとに、群に含まれる各位置合わせされた表面メッシュの頂点及び面に基づいて、再構成されたメッシュを生成することは、ポアソン表面再構成、マーチングキューブ、グリッド投影、表面要素平滑化、貪欲投影三角測量、凸包、及び凹包のアルゴリズムのうちの少なくとも1つを使用して行うことができる。
【0072】
複数の表面メッシュの各々は、三次元の表面メッシュを含み得る。
【0073】
方法は、プロセッサによって、各群に関する器具を、群に関する再構成された表面メッシュに基づいて設計する工程を更に含み得る。
【0074】
システムは、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータ可読メモリと、を含み得る。コンピュータ可読メモリは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されるとシステムに複数の表面メッシュを受信させる命令によってコード化することができ、各表面メッシュは対象物を表す頂点及び面を含む。コンピュータ可読メモリは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、システムに、複数の表面メッシュの各表面メッシュを複数の群のうちの1つに割り当てることと、複数の表面メッシュの各表面メッシュから関心領域を抽出することと、を行わせる命令によって、更にコード化することができる。コンピュータ可読メモリは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、システムに、複数の群の群ごとに、群に含まれる各表面メッシュの関心領域を位置合わせして複数の位置合わせされた表面メッシュを生成することと、複数の群の群ごとに、群に含まれる各位置合わせされた表面メッシュの頂点及び面に基づいて、再構成されたメッシュを生成することと、を行わせる命令によって、更にコード化することができる。
【0075】
前段落のシステムは、任意選択的に、以下の特徴、構成、動作、及び/又は追加の構成要素のうちのいずれか1つ以上を、追加的に及び/又は代替的に含み得る。
【0076】
コンピュータ可読メモリは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、少なくとも、各表面メッシュの1つ以上の測定可能なパラメータに基づいて、システムに複数の表面メッシュの各表面メッシュを複数の群のうちの1つに割り当てさせることにより、システムに、複数の表面メッシュの各表面メッシュを複数の群のうちの1つに割り当てさせる命令によって、更にコード化することができる。
【0077】
1つ以上の測定可能なパラメータは、表面メッシュによって表される対象物の1つ以上の物理的特徴に対応し得る。
【0078】
コンピュータ可読メモリは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、少なくとも、複数の表面メッシュ間での1つ以上の測定可能なパラメータの分布に基づいて、システムに複数の群を決定させることにより、システムに複数の群を決定させる命令によって、更にコード化することができる。
【0079】
コンピュータ可読メモリは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、少なくとも、表面メッシュ同士の間の1つ以上の測定可能なパラメータの差に基づいて複数の群を識別するクラスタリングアルゴリズムを使用して、複数の表面メッシュ間での1つ以上の測定可能なパラメータの分布に基づいて、システムに複数の群を決定させることにより、複数の表面メッシュ間での1つ以上の測定可能なパラメータの分布に基づいて、システムに複数の群を決定させる命令によって、更にコード化することができる。
【0080】
複数の群の各々は、1つ以上の測定可能なパラメータを、1つ以上の測定可能なパラメータの下限から上限までの範囲で含み得る。
【0081】
複数の群のうちの1つに関する1つ以上の測定可能なパラメータの範囲は、複数の表面メッシュ内の1つ以上の測定可能なパラメータの最頻値を中心とすることができる。
【0082】
コンピュータ可読メモリは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、少なくとも、システムに、各表面メッシュを所定の座標系と位置合わせさせ、所定の座標系における表面メッシュの特徴に基づいて各表面メッシュから関心領域を抽出させることにより、システムに複数の表面メッシュの各々から関心領域を抽出させる命令によって、更にコード化することができる。
【0083】
複数の表面メッシュの各表面メッシュは、座標系に関連付けることができる。コンピュータ可読メモリは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、少なくとも、システムに、複数の群の群ごとに、群に含まれる各表面メッシュに関連付けられた座標系を、群に含まれる選択された表面メッシュに関連付けられた座標系に位置合わせさせることにより、システムに、複数の群の群ごとに、群に含まれる各表面メッシュを位置合わせして複数の位置合わせされた表面メッシュを生成させる命令によって、更にコード化することができる。
【0084】
コンピュータ可読メモリは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、少なくとも、幅、長さ、差、表面、面積、又は位置調整誤差を含む表面メッシュの1つ以上の測定可能なパラメータに基づいて、システムに複数の表面メッシュの各々を複数の群のうちの1つに割り当てさせることにより、システムに複数の表面メッシュの各々を複数の群のうちの1つに割り当てさせる命令によって、更にコード化することができる。
【0085】
複数の表面メッシュの各表面メッシュに関連付けられた座標系は、3軸座標系とすることができる。コンピュータ可読メモリは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、少なくとも、システムに、最初に、複数の群の群ごとに、群に含まれる各表面メッシュに関連付けられた3軸座標系の第1の軸を位置合わせさせることと、次に、複数の群の群ごとに、群に含まれる各表面メッシュに関連付けられた3軸座標系の第2の軸及び第3の軸を、反復最近接点アルゴリズムを使用して位置合わせさせることと、により、システムに、複数の群の群ごとに、群に含まれる各表面メッシュに関連付けられた座標系を、群に含まれる選択された表面メッシュに関連付けられた座標系に位置合わせさせる命令によって、更にコード化され得る。
【0086】
コンピュータ可読メモリは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、少なくとも、ポアソン表面再構成、マーチングキューブ、グリッド投影、表面要素平滑化、貪欲投影三角測量、凸包、及び凹包のアルゴリズムのうちの少なくとも1つを使用して、システムに、群ごとに、群に含まれる各位置合わせされた表面メッシュの頂点及び面に基づいて、再構成されたメッシュを生成させることにより、システムに、群ごとに、群に含まれる各位置合わせされた表面メッシュの頂点及び面に基づいて、再構成されたメッシュを生成させる命令によって、更にコード化され得る。
【0087】
複数の表面メッシュの各々は、三次元の表面メッシュを含み得る。
【0088】
例示的な実施形態
実施形態1.
複数の表面メッシュを受信する工程であって、各表面メッシュは対象物を表す頂点及び面を含む、受信する工程と、
プロセッサによって、複数の表面メッシュの各表面メッシュを複数の群のうちの1つに割り当てる工程と、
プロセッサによって、複数の表面メッシュの各表面メッシュから関心領域を抽出する工程と、
プロセッサによって、複数の群の群ごとに、群に含まれる各表面メッシュの関心領域を位置合わせして、複数の位置合わせされた表面メッシュを生成する工程と、
プロセッサによって、複数の群の群ごとに、群に含まれる各位置合わせされた表面メッシュの頂点及び面に基づいて、再構成されたメッシュを生成する工程と、
を含む、コンピュータにより実装される方法。
【0089】
実施形態2.
プロセッサによって、複数の表面メッシュの各表面メッシュを複数の群のうちの1つに割り当てることは、各表面メッシュの1つ以上の測定可能なパラメータに基づいて行われる、
実施形態1に記載の方法。
【0090】
実施形態3.
1つ以上の測定可能なパラメータは、表面メッシュによって表される対象物の1つ以上の物理的特徴に対応している、
実施形態2に記載の方法。
【0091】
実施形態4.
プロセッサによって、複数の表面メッシュ間での1つ以上の測定可能なパラメータの分布に基づいて、複数の群を決定すること
を更に含む、実施形態2に記載の方法。
【0092】
実施形態5.
プロセッサによって、複数の表面メッシュ間での1つ以上の測定可能なパラメータの分布に基づいて複数の群を決定することは、表面メッシュ同士の間の1つ以上の測定可能なパラメータの差に基づいて複数の群を識別する、クラスタリングアルゴリズムを使用して行われる、
実施形態4に記載の方法。
【0093】
実施形態6.
複数の群の各々は、1つ以上の測定可能なパラメータを、1つ以上の測定可能なパラメータの下限から上限までの範囲で含み、
複数の群のうちの1つに関する1つ以上の測定可能なパラメータの範囲は、複数の表面メッシュ内の1つ以上の測定可能なパラメータの最頻値を中心としている、
実施形態2に記載の方法。
【0094】
実施形態7.複数の表面メッシュの各々から関心領域を抽出することは、
プロセッサによって、各表面メッシュを所定の座標系と位置合わせすることと、
プロセッサによって、所定の座標系における表面メッシュの特徴に基づいて各表面メッシュから関心領域を抽出することと、を含む、実施形態1〜6のいずれか1つに記載の方法。
【0095】
実施形態8.
複数の表面メッシュの各表面メッシュは座標系に関連付けられており、
プロセッサによって、複数の群の群ごとに、群に含まれる各表面メッシュを位置合わせして複数の位置合わせされた表面メッシュを生成することは、複数の群の群ごとに、群に含まれる各表面メッシュに関連付けられた座標系を、群に含まれる選択された表面メッシュに関連付けられた座標系に位置合わせすることを含む、
実施形態1〜7のいずれか1つに記載の方法。
【0096】
実施形態9.
プロセッサによって、複数の表面メッシュの各々を複数の群のうちの1つに割り当てることは、幅、長さ、差、表面、面積、又は位置調整誤差を含む、表面メッシュの1つ以上の測定可能なパラメータに基づいて行われる、
実施形態8に記載の方法。
【0097】
実施形態10.
複数の表面メッシュの各表面メッシュに関連付けられた座標系は3軸座標系であり、
プロセッサによって、複数の群の群ごとに、群に含まれる各表面メッシュに関連付けられた座標系を、群に含まれる選択された表面メッシュに関連付けられた座標系に位置合わせすることは、
最初に、プロセッサによって、複数の群の群ごとに、群に含まれる各表面メッシュに関連付けられた3軸座標系の第1の軸を位置合わせすることと、
次に、プロセッサによって、複数の群の群ごとに、群に含まれる各表面メッシュに関連付けられた3軸座標系の第2の軸及び第3の軸を、反復最近接点アルゴリズムを使用して位置合わせすることと、を含む、
実施形態8に記載の方法。
【0098】
実施形態11.
プロセッサによって、群ごとに、群に含まれる各位置合わせされた表面メッシュの頂点及び面に基づいて再構成されたメッシュを生成することは、ポアソン表面再構成、マーチングキューブ、グリッド投影、表面要素平滑化、貪欲投影三角測量、凸包、及び凹包のアルゴリズムのうちの少なくとも1つを使用して行われる、
実施形態1〜10のいずれか1つに記載の方法。
【0099】
実施形態12.
複数の表面メッシュの各々は三次元の表面メッシュを含む、
実施形態1〜11のいずれか1つに記載の方法。
【0100】
実施形態13.
プロセッサによって、各群に関する器具を、群に関する再構成された表面メッシュに基づいて設計すること
を更に含む、実施形態1〜12のいずれか1つに記載の方法。
【0101】
実施形態14.
システムであって、
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータ可読メモリであって、
少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、システムに、
複数の表面メッシュを受信することであって、各表面メッシュは対象物を表す頂点及び面を含む、受信することと、
複数の表面メッシュの各表面メッシュを複数の群のうちの1つに割り当てることと、
複数の表面メッシュの各表面メッシュから関心領域を抽出することと、
複数の群の群ごとに、群に含まれる各表面メッシュの関心領域を位置合わせして、複数の位置合わせされた表面メッシュを生成することと、
複数の群の群ごとに、群に含まれる各位置合わせされた表面メッシュの頂点及び面に基づいて、再構成されたメッシュを生成することと、を行わせる命令によってコード化されたコンピュータ可読メモリと、
を備える、システム。
【0102】
実施形態15.
コンピュータ可読メモリは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、少なくとも、各表面メッシュの1つ以上の測定可能なパラメータに基づいて、システムに複数の表面メッシュの各表面メッシュを複数の群のうちの1つに割り当てさせることにより、システムに複数の表面メッシュの各表面メッシュを複数の群のうちの1つに割り当てさせる命令によって、更にコード化されている、
実施形態14に記載のシステム。
【0103】
実施形態16.
1つ以上の測定可能なパラメータは、表面メッシュによって表される対象物の1つ以上の物理的特徴に対応している、
実施形態15に記載のシステム。
【0104】
実施形態17.
コンピュータ可読メモリは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、少なくとも、複数の表面メッシュ間での1つ以上の測定可能なパラメータの分布に基づいて、システムに複数の群を決定させることにより、システムに複数の群を決定させる命令によって、更にコード化されている、
実施形態15に記載のシステム。
【0105】
実施形態18.
コンピュータ可読メモリは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、少なくとも、表面メッシュ同士の間の1つ以上の測定可能なパラメータの差に基づいて複数の群を識別するクラスタリングアルゴリズムを使用して、複数の表面メッシュ間での1つ以上の測定可能なパラメータの分布に基づいて、システムに複数の群を決定させることにより、複数の表面メッシュ間での1つ以上の測定可能なパラメータの分布に基づいて、システムに複数の群を決定させる命令によって、更にコード化されている、
実施形態17に記載のシステム。
【0106】
実施形態19.
複数の群の各々は、1つ以上の測定可能なパラメータを、1つ以上の測定可能なパラメータの下限から上限までの範囲で含み、
複数の群のうちの1つに関する1つ以上の測定可能なパラメータの範囲は、複数の表面メッシュ内の1つ以上の測定可能なパラメータの最頻値を中心としている、
実施形態15に記載のシステム。
【0107】
実施形態20.
コンピュータ可読メモリは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、少なくとも、システムに、
各表面メッシュを所定の座標系と位置合わせさせ、
所定の座標系における表面メッシュの特徴に基づいて各表面メッシュから関心領域を抽出させることにより、システムに複数の表面メッシュの各々から関心領域を抽出させる命令によって、更にコード化されている、
実施形態14〜19のいずれか1つに記載のシステム。
【0108】
実施形態21.
複数の表面メッシュの各表面メッシュは座標系に関連付けられており、
コンピュータ可読メモリは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、少なくとも、システムに、複数の群の群ごとに、群に含まれる各表面メッシュに関連付けられた座標系を、群に含まれる選択された表面メッシュに関連付けられた座標系に位置合わせさせることにより、システムに、複数の群の群ごとに、群に含まれる各表面メッシュを位置合わせして複数の位置合わせされた表面メッシュを生成させる命令によって、更にコード化されている、
実施形態14〜20のいずれか1つに記載のシステム。
【0109】
実施形態22.
コンピュータ可読メモリは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、少なくとも、幅、長さ、差、表面、面積、又は位置調整誤差を含む表面メッシュの1つ以上の測定可能なパラメータに基づいて、システムに複数の表面メッシュの各々を複数の群のうちの1つに割り当てさせることにより、システムに複数の表面メッシュの各々を複数の群のうちの1つに割り当てさせる命令によって、更にコード化されている、
実施形態21に記載のシステム。
【0110】
実施形態23.
複数の表面メッシュの各表面メッシュに関連付けられた座標系は3軸座標系であり、
コンピュータ可読メモリは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、少なくとも、システムに、
最初に、複数の群の群ごとに、群に含まれる各表面メッシュに関連付けられた3軸座標系の第1の軸を位置合わせすることと、
次に、複数の群の群ごとに、群に含まれる各表面メッシュに関連付けられた3軸座標系の第2の軸及び第3の軸を、反復最近接点アルゴリズムを使用して位置合わせすることと、を行わせることにより、システムに、複数の群の群ごとに、群に含まれる各表面メッシュに関連付けられた座標系を、群に含まれる選択された表面メッシュに関連付けられた座標系に位置合わせさせる命令によって、更にコード化されている、
実施形態21に記載のシステム。
【0111】
実施形態24.
コンピュータ可読メモリは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、少なくとも、ポアソン表面再構成、マーチングキューブ、グリッド投影、表面要素平滑化、貪欲投影三角測量、凸包、及び凹包のアルゴリズムのうちの少なくとも1つを使用して、システムに、群ごとに、群に含まれる各位置合わせされた表面メッシュの頂点及び面に基づいて、再構成されたメッシュを生成させることにより、システムに、群ごとに、群に含まれる各位置合わせされた表面メッシュの頂点及び面に基づいて再構成されたメッシュを生成させる命令によって、更にコード化されている、
実施形態14〜23のいずれか1つに記載のシステム。
【0112】
実施形態25.
複数の表面メッシュの各々は三次元の表面メッシュを含む、
実施形態14〜24のいずれか1つに記載のシステム。
【0113】
本発明について例示的な実施形態を参照して記載してきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことができ、その要素を等価物で置換できることが当業者には理解されよう。加えて、特定の状況又は材料を本発明の教示に適合させるために、その本質的な範囲から逸脱することなく、多くの修正を行うことができる。したがって、本発明が開示された特定の実施形態に限定されるのではなく、本発明が添付の特許請求の範囲の範囲内に収まる全ての実施形態を含むことが、意図されている。