特許第6872564号(P6872564)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6872564安全用ブルワーク、外辺部保護システム、および外辺部を保護する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6872564
(24)【登録日】2021年4月21日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】安全用ブルワーク、外辺部保護システム、および外辺部を保護する方法
(51)【国際特許分類】
   B63B 59/02 20060101AFI20210510BHJP
【FI】
   B63B59/02 Z
【請求項の数】20
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2018-562705(P2018-562705)
(86)(22)【出願日】2017年2月17日
(65)【公表番号】特表2019-506337(P2019-506337A)
(43)【公表日】2019年3月7日
(86)【国際出願番号】EP2017053716
(87)【国際公開番号】WO2017055641
(87)【国際公開日】20170406
【審査請求日】2018年12月3日
(31)【優先権主張番号】1602940.7
(32)【優先日】2016年2月19日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】518294937
【氏名又は名称】グレイ ページ マリーン システムズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100196221
【弁理士】
【氏名又は名称】上潟口 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】ウィルクス ジェイムズ エドワード
(72)【発明者】
【氏名】スコフィールド ウィリアム
【審査官】 福田 信成
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/072704(WO,A1)
【文献】 国際公開第2014/182278(WO,A1)
【文献】 中国実用新案第201472648(CN,U)
【文献】 特開2001−191983(JP,A)
【文献】 中国実用新案第202935562(CN,U)
【文献】 韓国公開実用新案第20−2013−0005714(KR,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 59/02
B63G 13/00
F41H 11/05
F41H 11/08
E04H 17/14
F41H 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
船舶または海洋設備の外辺部ガードレール(20)の外側に設置されるための安全用ブルワーク(1、19、30、119、130)であって、前記安全用ブルワークが突出マウンド(3a、3b、33、133)を備える前面(2、32)を有し、前記マウンドが、前記安全用ブルワークに張り出し部分を付与する下側部分(4a、4b、34、134)を有し、前記マウンドが前記安全用ブルワークの幅方向(A−A’)において凸形であり且つ湾曲している、安全用ブルワーク(1、19、30、119、130)。
【請求項2】
前記マウンド(3a、3b、33、133)が、前記安全用ブルワークの前記前面(2、32)に対して60度から82度の間で傾斜する側面(5a、5b、5c、5d、5e、5f、5g、5h)を有する、請求項1に記載の安全用ブルワーク。
【請求項3】
前記マウンド(3a、3b、33、133)が前記安全用ブルワークの前記前面(2、32)から、その最も突出するところの幅が300mm以下である、請求項1または2に記載の安全用ブルワーク。
【請求項4】
前記マウンド(3a、3b、33、133)が、前記安全用ブルワークの側方縁部(6、106)から150mm以下で、前記安全用ブルワークの前記前面(2、32)から隆起する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の安全用ブルワーク。
【請求項5】
前記安全用ブルワークの前記前面(2)が谷部(7)によって分割される一対の前記マウンド(3a、3b)を備え、前記谷部(7)の最も深い部分(70)が前記一対のマウンドの間で幅が300mm以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の安全用ブルワーク(1.19)。
【請求項6】
前記安全用ブルワークの前記前面(2)を通るように形成されるアイレット(8)を有し、前記アイレットが前記谷部(7)の前記最も深い部分(70)に位置合わせされる、請求項5に記載の安全用ブルワーク。
【請求項7】
互いに対して実質的に垂直に方向付けられる左側側方面(31L)および右側側方面(31R)をさらに備え、前記左側側方面(31L)および前記右側側方面(31R)の少なくとも一方が前記安全用ブルワークを隣接する安全用ブルワークに接続するための接続部位(37)を備える、請求項1から4までのいずれか1項に記載の安全用ブルワーク(30)。
【請求項8】
前記安全用ブルワークが、同様の安全用ブルワークの前記前面(2、32)上の前記マウンド(3a、3b、33、133)を受けることができる凹部(10、36、136)を備える後部(9、39、139)を有し、前記安全用ブルワークが一体に入れ子状となり得る、請求項1〜7のいずれか1項に記載の安全用ブルワーク(1、19、30、119、130)。
【請求項9】
前記凹部(36、136)が前記マウンド(33、133)の内部表面(35、135)によって形成され、前記マウンドが、前記外辺部ガードレール(20)の隅部(21)を受けるように前記凹部(36、136)を適合させる隆起クレスト(44、144)をさらに備える、請求項8に記載の安全用ブルワーク(30、199、130)。
【請求項10】
前記安全用ブルワークの最も高い縁部(12、112)に沿って、前記安全用ブルワークの幅方向(A−A’)に延びるボアホール(11、45、111)をさらに備える、請求項1から6、および8のいずれか1項に記載の安全用ブルワーク(1、19、119、130)。
【請求項11】
前記外辺部ガードレール(20)の内部に設置されるための後方パネル(13、113)をさらに備え、前記後方パネルが、前記安全用ブルワークの前記最も高い縁部(12、112)に平行に前記安全用ブルワークの前記前面(2)に対してヒンジ式に取り付けられる、請求項10に記載の安全用ブルワーク(19)。
【請求項12】
前記ボアホール(11、45、111)内に配置されるロッド(15)をさらに備え、前記後方パネル(13、113)が前記ロッド(15)を中心として回転することにより前記安全用ブルワークの前記前面(2)に対してヒンジ式に取り付けられ、前記ロッドが前記ボアホールから取り外し可能であり、それにより前記後方パネルが前記安全用ブルワークの残りの部分から脱着可能となる、請求項10に従属する場合の請求項11に記載の安全用ブルワーク(19)。
【請求項13】
並列に配置されて互いに隣接する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の複数の安全用ブルワーク(1、19、30、119、130)を備える外辺部保護システム(101、102、103、104)。
【請求項14】
前記外辺部保護システム(101、104)が、3つの隣接する安全用ブルワーク(1a、1b、1c;119a、119b、119c)と、前記3つの隣接する安全用ブルワークのうちの中央の安全用ブルワーク(1b、119b)の前記ボアホール(11、111)を通過して前記3つの隣接する安全用ブルワークのうちの最も左側の安全用ブルワーク(1a、119a)および最も右側の安全用ブルワーク(1c、119c)のそれぞれの前記ボアホール(11、111)のうちの少なくとも1つに入るロッド(15)とを備える、請求項10に従属する場合の請求項13に記載の外辺部保護システム。
【請求項15】
隣接する対の前記複数の安全用ブルワーク(1、19、30、119、130)の各々の間に配置されてそれらに当接されるスペーサ(40、140)をさらに備える、請求項13または14に記載の外辺部保護システム。
【請求項16】
前記船舶または海洋設備の前記外辺部に沿って配置される請求項13から15のいずれか1項に記載の外辺部保護システム(101、102、103、104)を備える船舶または海洋設備。
【請求項17】
前記外辺部保護システム(101、102、103、104)によって保護されるカーゴをさらに備える、請求項16に記載の船舶または海洋設備。
【請求項18】
船舶または海洋設備の外辺部を保護する方法であって、前記方法が、
前記船舶または海洋設備の外辺部ガードレール(20)に沿って、請求項1から12のいずれか1項に記載の複数の安全用ブルワーク(1、19、30、119、130)を並列に互いに隣接して配置するステップと、
前記複数の安全用ブルワークのうちの一部の安全用ブルワークを前記ガードレールに取り付けるステップと、
前記ガードレールに取り付けられていない前記複数の安全用ブルワークのうちの残りの安全用ブルワークを、前記ガードレールに取り付けられている前記複数の安全用ブルワークのうちの1つの安全用ブルワークに接続するステップと
を含む
方法。
【請求項19】
前記ガードレール(20)の隙間(22)または前記ガードレール(20)の邪魔になっている障害物(23)の前にあるいは前記ガードレールの隅部(21)のところに、前記ガードレールに取り付けられていない前記複数の安全用ブルワーク(1、19、30、119、130)のうちの少なくとも1つの安全用ブルワークを配置するステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
隣接する対の複数の安全用ブルワーク(1、19、30、119、130)の各々の間に配置されてそれらに当接されるようにスペーサ(40、140)を配置するステップをさらに含む、請求項18または19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海賊、密航者、および活動家などの、無許可乗り込み可能性者(unauthorized potential boarder)に対しての、商船および海軍艦船などの、船舶の外辺部、ならびに油田掘削装置および他の海洋プラットホームなどの、海洋設備を保護するための安全用ブルワーク(security bulwark)に関する。本発明はまた、船舶または海洋設備のための外辺部保護システム(perimeter protection system)、および船舶または海洋設備の外辺部を保護する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
海での犯罪行為が増加していることから、それに対応して、そのような無許可乗り込み可能性者から航洋船および海洋設備を保護することの必要性が増している。無許可乗り込み可能性者は、例えば、様々なはしご、クライミングポール、引っ掛けフック、およびロープを装備する1つまたは複数の小型高速ボートで船またはプラットホームに接近する可能性がある。無許可乗り込み可能性者はそのようなボートをより大型の船またはプラットホームの傍まで寄せる場合があり、ボートから大型の船またはプラットホームの側部まで上方へはしごまたはクライミングポールを持ち上げ、はしごまたはポールを上ることにより大型の船またはプラットホームに乗船することを試み、船またはプラットホームのデッキにアクセスしようとする。無許可乗り込み可能性者はまた、ロープに取り付けられた引っ掛け鉤をデッキ上まで投擲することを試みる場合があり、デッキに固定されたアイテムをしっかりと保持し、それにより彼らがロープをよじ登ることが可能となる。そのため、そのような無許可乗り込み可能性者を妨害すること狙って、船舶および海洋設備の外辺部を保護するための多数の異なる種類の既知の安全用ブルワークが開発されてきた。これらの既知の安全用ブルワークは、通常、船舶または海洋設備のデッキの縁部に沿って延びる外辺部ガードレール(perimeter railing)の上に設置される。これらの既知の種類の安全用ブルワークは特開2001−191983、GB2496757A、CN201472648U、CN201350963Y、CN201357935Y、およびCN201367101Yで説明されている。
【0003】
一般に、これらの既知の種類の安全用ブルワークは互いに隣接して隣り合うように外辺部ガードレールの上に設置され、それにより、船舶または海洋設備のための外辺部保護システムを作り、システムが複数のこのような安全用ブルワークを備える。しかし、これらの既知の種類の安全用ブルワークは以下のような複数の欠点を有する。
【0004】
まず、これらの安全用ブルワークのうちのいくつかが、ダメージを受けることなく、天候および高波、ならびに船舶または海洋設備の船内での通常オペレーション時の乗組員による動作に耐えるのに十分なロバスト性を有さないことが分かっている。これにより、安全用ブルワークを備え付けている船舶または海洋設備から、無許可乗り込み可能性者を妨害することのその効果が低減する。例えば、通常のオペレーション時、乗組員が、しばしば、船舶または海洋設備の側部の上でロープまたはチェーンを通過させる。船舶または海洋設備上に備え付けられる安全用ブルワークが一切ない場合、これらのロープまたはチェーンは、通常、船舶または海洋設備のデッキから、デッキの縁部のところにある外辺部ガードレールの下かまたはその中を通るように通過させられる。しかし、外辺部ガードレールに沿って備え付けられる既知の種類の安全用ブルワークを用いる場合、これらの安全用ブルワークがガードレールの下かまたはその中をロープまたはチェーンが通過するのを妨害しており、代わりにロープまたはチェーンが、デッキから、ガードレールの上に設置される安全用ブルワークの頂部の上を通過させられていることに、乗組員が気付く。これらのロープまたはチェーンは、場合によっては、船舶または海洋設備の側部の上で垂下するために、それらの端部上で重い物体を担持し、これはフェンダーなどであり、通常、各々4トンまたは5トンの重量を有する可能性がある。このようなフェンダーを担持するロープまたはチェーンが、外辺部ガードレールの上に設置される安全用ブルワークの上を通過させられる場合、安全用ブルワークがこのような重量下で曲がるか変形する傾向を有する可能性がある。また、物体の重量が安全用ブルワークの下の外辺部ガードレールにダメージを与えるかまたは歪める可能性がる。さらに、1立方メートルの海水の重量が約1トンであることを考えると、高波における波からの単純な衝撃も既知の種類の安全用ブルワークを曲げて変形させる可能性がある。
【0005】
また、一部の既知の種類の安全用ブルワークはそれらを外辺部ガードレールの上に設置することにより船舶または海洋設備に備え付けることが困難であり、また時間がかかることが分かっている。その理由は、安全用ブルワークの備え付けを妨げる可能性がある、ガードレールの邪魔になっている1つまたは複数の種類の障害物がしばしば存在するからである。これらの障害物には、ガードレールの船内側に位置するガードレールのためのサポートステイが含まれる。他の障害物には、ロープのための索導具などの、外辺部ガードレールがその周りに構成されているような障害物が含まれ、また、船舶または海洋設備のデッキ上のガードレールの近くの船内側に位置する、タラップ、クリート、および係船柱などの障害物が含まれる。さらに、外辺部ガードレールは、しばしば、その中に1つまたは複数の隙間を有する可能性があり、それらの隙間がフリーハンギングチェーン(freely hanging chain)によって橋渡しされる。このような隙間および障害物は、外辺部ガードレールの全長に沿う複数のロケーションにおいて既知の種類の安全用ブルワークを正確に備え付けるのを妨げるかまたは防止する可能性があるか、あるいは障害物を回避するために備え付け中に労力および時間を要するような安全用ブルワークの修正を必要とする可能性があり、またしたがって、それにより、安全用ブルワークを備え付けている船舶または海洋設備にアクセスしようとするような無許可乗り込み可能性者を妨害することにおけるブルワークの効果が低減する。
【0006】
最後に、既知の種類の安全用ブルワークは、正確に備え付けられている場合でも、無許可乗り込み可能性者に対して平坦な表面を提供してしまう可能性があり、無許可乗り込み可能性者がその平坦な表面に対してははしごまたはクライミングポールをもたせかける可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、既知の種類の安全用ブルワークのこれらのおよび他の問題に対処することである。また、本発明の目的は、改善される種類の安全用ブルワーク、船舶または海洋船舶のための改善される外辺部保護システム、および船舶または海洋設備の外辺部を保護する改善される方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
したがって、第1の態様で、本発明が、船舶または海洋設備の外辺部ガードレールの外側に設置されるため安全用ブルワークを提供し、この安全用ブルワークが突出マウンドを有する前面を備え、ここでは、マウンドが、安全用ブルワークに張り出し部分を付与する下側部分を有し、マウンドが安全用ブルワークの幅方向において凸形である。船舶または海洋設備の外辺部ガードレールの外側というのは、外の海の方を向く外辺部ガードレールの側を意味し、対して、内側というのは、船舶または海洋設備のデッキの方を向く外辺部ガードレールを意味する。したがって、安全用ブルワークの前面は、外辺部ガードレールの外側に安全用ブルワークが設置されている場合の、やはり外の海の方を向く安全用ブルワークの面を意味する。したがって、安全用ブルワークの前面は、船舶または海洋設備上での安全用ブルワークの使用時に海側の方を向くこと意図される安全用ブルワークの面であるとみなされてよい。
【0009】
したがって、既知の安全用ブルワークは一般に外辺部ガードレールの上に設置され、つまり、ガードレールの海側および船内側の両方に設置され、結果としてガードレールが安全用ブルワークの重量を受けることになるのに対して、本発明の安全用ブルワークは、代わりに、外辺部ガードレールの外側に設置され得、つまり、ガードレールのちょうど海側に設置され得、安全用ブルワークの重量がガードレールへと下向きにかからない。安全用ブルワークをガードレールのちょうど海側に設置することにより、安全用ブルワークを外辺部ガードレールに沿うロケーションのところに設置することが可能となり、これらのロケーションとは、通常であれば、このロケーションにおいて既知の種類の安全用ブルワークをガードレールの上に設置するのを防止するような、ガードレールの邪魔になっている他の障害物が存在するようなロケーションである。これらの障害物には、ガードレールの船内側に位置するガードレールのためのサポートステイが含まれる。他の障害物には、ロープのための索導具などの、外辺部ガードレールがその周りに構成されているような障害物が含まれ、また、船舶または海洋設備のデッキ上のガードレールの近くの船内側に位置する、タラップ、クリート、および係船柱などの障害物が含まれる。さらに、安全用ブルワークの重量がガードレールへと下向きにかからない形で安全用ブルワークが外辺部ガードレールの外側に設置され得るという事実により、フリーハンギングチェーンによって橋渡しされるガードレール内の隙間を横断するように安全用ブルワークを設置することが可能となる(したがって、フリーハンギングチェーンは既知の種類の安全用ブルワークの重量を支持するのに十分な剛性を有さない)。
【0010】
上述したように、安全用ブルワークの前面が突出マウンドを備え、ここでは、マウンドが、安全用ブルワークに張り出し部分を付与する下側部分を有する。したがって、安全用ブルワークが外辺部ガードレールの外側に設置される場合、安全用ブルワークの前面上のマウンドの下側部分が、例えば船舶または海洋設備の傍まで寄せられた小型ボードなどから、下方から船舶または海洋設備に乗船しようとする任意の無許可乗り込み可能性者に対しての張り出し部分を提供する。張り出し部分は、このような乗り込み可能性者がデッキにアクセスするために船舶または海洋設備の側部を登り、安全用ブルワークの上に登るのを非常に困難なものとする。
【0011】
マウンドの下側部分およびそれが安全用ブルワークに対して提供する張り出し部分が、安全用ブルワークをその高さ方向において凸形にする。しかし、既知の種類の安全用ブルワークとは異なり、安全用ブルワークの前面上のマウンドも安全用ブルワークの幅方向において凸形であることから、マウンドが2つの異なる方向において凸形となる。凸形のこの組み合わせにより、その高さ方向のみにおいて凸形である既知の種類の安全用ブルワークと比較して安全用ブルワークの強度および剛性が改善され、また、このような既知の種類の安全用ブルワークよりも強度重量比が向上する。また、安全用ブルワークの強度および剛性が増すことで、波からの衝撃に抵抗することがより可能となり、ここでは波が安全用ブルワークの前面上にマウンドの二重の凸形によって分散される。
【0012】
さらに、安全用ブルワークの前面上のマウンドが安全用ブルワークの幅方向において凸形であるという事実により、無許可乗り込み可能性者を妨害するための本発明の安全用ブルワークの能力も大幅に向上する。例えば、無許可乗り込み可能性者が、はしごまたはクライミングポールを、その幅方向において凸形ではない既知の種類の安全用ブルワークに対してもたせかけるのに対して、無許可乗り込み可能性者が本発明の安全用ブルワークに対してはしごまたはクライミングポールをもたせかけようとする場合、はしごまたはクライミングポールは傾向として安全用ブルワークの前面上のマウンドの一方側に摺動し、安全用ブルワークにもたせかけられ得ない。安全用ブルワークの幅方向におけるマウンドの凸形はまた、傾向として、はしごを摺動させるときにはしごを捻じらせる。言い換えると、安全用ブルワークの幅方向におけるマウンドの凸形が非平坦の表面を提供し、波および波のうねり(swell)の周りで動かされている特にはボートから、安全用ブルワークに対して物をもたせかけることが非常に困難となる。
【0013】
好適には、マウンドが安全用ブルワークの前面に対して60度から82の間で傾斜する側面を有する。マウンドの側面というのは、外辺部ガードレールの外側に安全用ブルワークが設置されている場合のマウンドの下側部分または上方を向く表面ではない、マウンドの表面を意味する。マウンドの側面が約60度を超えて傾斜する場合、これにより、非平坦の表面を提供するためのマウンドの能力が向上し、さらには安全用ブルワークの全体の強度および剛性も向上する。一方で、マウンドの側面を約82度未満で傾斜させることにより、マウンドが、乗り込み可能性者によりはしごまたはロープを掛着させることができるような突出部となることの危険が回避される。さらに、より好適には、側面は安全用ブルワークの前面に対して約70度から80度の間で傾斜されるべきである。
【0014】
好適には、マウンドが安全用ブルワークの前面から外側に400mmを超えて突出する。これにより、マウンドの下側部分によって設けられる張り出し部分を乗り込み可能性者が乗り越えることがより困難となり、さらには安全用ブルワークの全体の深さが増大し、横切ることがより困難となる。
【0015】
好適には、マウンドは安全用ブルワークの前面からその最も突出したところの幅が300mmを超えない。これにより、一般には幅が300mmを超えるはしごがマウンドにもたせかけられ得ず、また、上述したように、もたせかけられ得る場合でも、安全用ブルワークの幅方向におけるマウンドの凸形によりマウンドの一方側に傾向として摺動してしまう。
【0016】
好適には、マウンドが、安全用ブルワークの側方縁部から150mm以下で、安全用ブルワークの前面から隆起する。したがって、本発明による2つの安全用ブルワークが互いに並ぶように隣接して配置される場合、1つの安全用ブルワーク上のマウンドと隣接する安全用ブルワーク上のマウンドとの間の隙間が300mm未満であり、これは、無許可乗り込み可能性者が2つのマウンドの間に自分の肩を押し込むのを可能にするような十分な広さではなく、それにより船舶または海洋設備のデッキに無許可乗り込み可能性者がアクセスしようとするのを妨害する。また、300mmは2つのマウンドの間に無許可乗り込み可能性者が一般に幅が300mmを超えるはしごを装着するのを可能にするには狭すぎる。
【0017】
安全用ブルワークの前面が、一列状に隣り合うように配置される2つ以上のこのようなマウンドを備えることができる。したがって、安全用ブルワークが、例えば一列状に隣り合うように配置される2つまたは3つのこのようなマウンドを備えることができる。これにより、対応して、安全用ブルワークの幅が増大し、したがって外辺部ガードレールの長さ方向に沿って複数のこのような安全用ブルワークを設置する速度が増し、その単純さも増す。
【0018】
好適には、安全用ブルワークの前面が、谷部によって分割されるこのような一対のマウンドを備え、谷部の最も深い部分が一対のマウンドの間で幅が300mm以下である。したがって、安全用ブルワークが2つ以上のマウンドを備える場合、一対のこのようなマウンドの間の任意の谷部がやはり、無許可乗り込み可能性者が自分の肩を2つのマウンドの間に押し込むのを可能にするようなまたは2つのマウンドの間にはしごをもたせかけるのを可能にするような十分な広さではない。その理由は、上述したように、はしごの幅が一般に300mmを超えるからである。
【0019】
好適には、谷部の最も深い部分が湾曲する。これには、安全用ブルワークの幅方向におけるマウンドの凸形と同様に、以下のような複数の利点がある。1つは、これが安全用ブルワーク全体の強度および剛性を向上させるのを補助することである。もう1つは、これがまた、安全用ブルワークに対してはしごをもたせかけるのを非常に困難なものとするような非平坦の表面を提供することであり、はしごがもたせかけられる場合にはこのような非平坦の表面がはしごを捻じらせる。
【0020】
好適には、谷部の最も深い部分が安全用ブルワークの前面の上方で150mmを超える。これにより、谷部が存在することにより安全用ブルワークが前方から後方の方向において狭くなるような場合でも、谷部が、谷部の各側のマウンドの下側部分により安全用ブルワークに提供される張り出し部分に寄与する下側部分を有する。谷部の下でも張り出し部分が連続することにより、乗り込み可能性者が船のデッキにアクセスするために安全用ブルワークの上を上ることが非常に困難なものとなる。より好適には、谷部の最も深い部分が安全用ブルワークの前面の上方で200mmを超え、それにより張り出し部分の効果をさらに改善する。
【0021】
好適には、安全用ブルワークが安全用ブルワークの前面を通るように形成されるアイレットを有し、ここでは、アイレットが谷部の最も深い部分に実質的に位置合わせされる。アイレットが、安全用ブルワークおよび外辺部ガードレールの両方の周りで、アイレットを通って締結部材を通過させることにより安全用ブルワークを外辺部ガードレールに取り付けることを可能となる。アイレットを谷部の最も深い部分に位置合わせすることにより、締結部材が安全用ブルワークおよび外辺部ガードレールの両方の周りの最も短い経路に沿うようになり、それにより谷部の各側で一対のマウンドにより定位置で保持される。好適には、アイレットの直径が約20mmから約22mmである。
【0022】
好適には、安全用ブルワークが安全用ブルワークの前面に対して実質的に垂直に方向付けられる側方面をさらに備え、ここでは、側方面が安全用ブルワークを隣接する安全用ブルワークに接続するための接続部位を備える。したがって、例えばガードレール内の隙間またはガードレールの邪魔になっている障害物を理由として、安全用ブルワークが外辺部ガードレールに直接に設置され得ない場合でも、安全用ブルワークがガードレールの外側の同じロケーションに配置され得、外辺部ガードレールに設置され得る隣接する安全用ブルワークに接続されることによりそのロケーションで固定的に設置され得る。
【0023】
別法として、安全用ブルワークが、好適には、互いに対して実質的に垂直に方向付けられる左側側方面および右側側方面をさらに備え、左側側方面および右側側方面の少なくとも一方が安全用ブルワークを隣接する安全用ブルワークに接続するための接続部位を備える。垂直の左側および右側側方面が安全用ブルワークを船舶または海洋設備の外辺部ガードレールの隅部に位置させるのを可能にし、この隅部では、ガードレールの第1の実質的に直線の延在部分がガードレールの第2の実質的に直接の延在部分と交わり、また、安全用ブルワークの左側が、ガードレールの第1の延在部分上の隅部の近くに位置する第1の隣接する安全用ブルワークに傍に配置されることが可能となり、安全用ブルワークの右側が第2の延在部分上の隅部の近くに位置する第2の隣接する安全用ブルワークの傍に配置されることが可能となる。したがって、隅部のところに位置する安全用ブルワークが接続部位を介して隣接する安全用ブルワークの一方または両方に接続され得る。これは、安全用ブルワークが外辺部ガードレールの隅部に直接に設置され得ない場合でも、安全用ブルワークが隅部のところに位置することができ、隣接する安全用ブルワークの一方または両方に接続されることによりそのロケーションに固定的に設置され得る、という利点がある。
【0024】
好適には、安全用ブルワークが同様の安全用ブルワークの前面上のマウンドを受けることができる凹部を備える後部を有し、それにより、安全用ブルワークが一体に入れ子状となり得る。安全用ブルワークの後部とは、船舶または海洋設備の外辺部ガードレールの外側に安全用ブルワークが設置される場合に、船舶または海洋設備のデッキの方を向く安全用ブルワークの部分を意味する。安全用ブルワークの後部は、他には、船舶または海洋設備上での安全用ブルワークの使用時にデッキの方を向くことを意図される安全用ブルワークの部分であることをみなされ得る。安全用ブルワークがちょうど説明したような後部を有する場合、複数のこのような安全用ブルワークが迅速で容易な移送のために一体に入れ子状となり得る。例えば、10個または15個また最大20個のこのような安全用ブルワークが一体に入れ子状となり得、パレット上に積み重ねられ得、次いで、複数のこのようなパレットがフォークリフトトラックを使用して迅速かつ容易には配送コンテナ内に入れられ、それにより、潜在的には、船舶または海洋設備の全体の外辺部を守るのに十分な安全用ブルワークを単一の配送コンテナ内で提供する。
【0025】
安全用ブルワークがこのような凹部を備える後方部分を有する場合、好適には、凹部が安全用ブルワークの前面上のマウンドの内部表面によって形成され、マウンドが、外辺部ガードレールの隅部を受けるように凹部を適合させる隆起クレストをさらに備える。凹部が安全用ブルワークの前面上のマウンドの内部表面によって形成される場合、安全用ブルワークが例えば回転成形により単層材料で作られ得、それにより安全用ブルワークに良好な強度重量比が与えられ、安全用ブルワークが軽量となり、取り扱いが容易になる。しかし、このような場合、安全用ブルワークが外辺部ガードレールの隅部に配置される場合、ガードレールの突出する隅部がマウンドの内部表面に衝突する危険がある。したがって、ガードレールの隅部を受けるように凹部を適合させる隆起クレストをマウンドに与えることでこの危険が取り除かれる。
【0026】
好適には、安全用ブルワークが、安全用ブルワークの最も高い縁部の傍で、安全用ブルワークの幅方向に延びるボアホールをさらに備える。これによりロッドがボアホールを通過することが可能となり、その結果、安全用ブルワークがロッドから垂下することにより外辺部ガードレールの外側に設置され得る。
【0027】
好適には、安全用ブルワークが外辺部ガードレールの内部に設置されるための後方パネルをさらに備え、ここでは、後方パネルが、安全用ブルワークの最も高い縁部に実質的に平行に安全用ブルワークの前面に対してヒンジ式に取り付けられる。これにより、安全用ブルワークの前面および後方パネルを互いに離してヒンジ式に取り付けることが可能となり、安全用ブルワークの前面を外辺部ガードレールの外側に置いて後方パネルを外辺部ガードレールの内部に置く形で、安全用ブルワークを迅速かつ容易に設置することが可能となる。安全用ブルワークの前面および後方パネルが再び一体にヒンジ式に取り付けられ、安全用ブルワークがガードレールに取り付けられる。
【0028】
安全用ブルワークがこのような後方パネルを備える場合、後方パネルが、好適には、ガードレールの邪魔になっている障害物を収容するためのアパーチャを備える。ガードレールのサポートステイなどのガードレールの船内側に障害物がある場合でも、後方パネル内のアパーチャが後方パネルをガードレールと面一となるようにガードレール内に設置するのを可能にし、また、このような2つの安全用ブルワークを互いに隣り合わせて当接させて設置させるのを可能にし、ここでは、障害物を収容するために安全用ブルワークの間に保護されない隙間を残す必要がない。後方パネルはまた、無許可乗り込み可能性者が安全用ブルワークの上に投げ込むような四つ爪アンカーまたはフックなどによって係止されることから外辺部ガードレールを保護するのを補助する。
【0029】
さらに、後方パネルがヒンジ式に取り付けられ、安全用ブルワークが上述したボアホールを備える場合、安全用ブルワークが、好適には、ボアホール内に配置されるロッドをさらに備え、後方パネルがロッドを中心として回転することにより安全用ブルワークの前面に対してヒンジ式に取り付けられ、ここではロッドがボアホールから取り外し可能であり、それにより後方パネルが安全用ブルワークの残りの部分から脱着可能となる。したがって、後方パネルは、ボアホールから単にロッドを取り外すことにより安全用ブルワークの残りの部分から迅速かつ容易に脱着され得、つまり、ロッドをボアホールの中に再挿入して戻すことにより安全用ブルワークの残りの部分に容易に再び取り付けられ得、ここでは、後方パネルがロッドを中心として回転するように設置される。これには複数の利点があり、以下のものが含まれる。
【0030】
1つは、これにより、それらのデッキ側に対してガードレールを露出するところにおいて安全用ブルワークに後方パネルを有させるように、および索導具などのガードレールの邪魔になっている障害物において後方パネルを使用することが必要ないかまたは後方パネルを使用することが防止されるようなところにおいて安全用ブルワークに後方パネルを有させないように、選択することにより、後方パネルを有する安全用ブルワークおよび後方パネルを有さない安全用ブルワークの混合体を外辺部ガードレールに沿わせて迅速かつ容易に設置することが可能となることである。もう1つは、これにより、例えばダメージを受けた後方パネルを取り替えるために、等しいサイズの異なる安全用ブルワークの後方パネルを互いに迅速かつ容易に交換することが可能となることである。最後は、安全用ブルワークの残りの部分とは別個に後方パネルを保管および移送することも可能となることである。したがって、安全用ブルワークが上述したように同様の安全用ブルワークの前面上のマウンドを受けることができる凹部を備える後方部分を有する場合、これにより後方パネルが安全用ブルワークの残りの部分から取り外されることが可能となり、それにより凹部を露出することが可能となり、その結果、安全用ブルワークが同様の安全用ブルワークと一体に入れ子状となり得る。
【0031】
好適には、安全用ブルワークが500mmから1000mmの間の高さを有する。より好適には、安全用ブルワークが500mmから750mmの間の高さを有する。船のガードレールの規定の高さは、ガードレールを設置しているところの船のデッキから少なくとも1メートルである。既知の種類の安全用ブルワークは一般に高さが1mを超え、その結果、そのような既知の種類の安全用ブルワークがガードレールの上に設置される場合、ガードレールが安全用ブルワークによって完全に覆われてしまい、それによりさらに船の外側の下方向にさらに延びる可能性がある。既に上述したように、これには、安全用ブルワークを設置しているところのガードレールの下かまたはそんな中をロープおよびチェーンが乗組員によって通過させられるのを防止するという欠点があり、乗組員は代わりに、傾向として、ローブおよびチェーンをデッキから安全用ブルワークの頂部の上を通過させ、それにより安全用ブルワークにダメージを与える危険があり、また可能として安全用ブルワークを設置しているところのガードレールにダメージを与える可能性がある。しかし、安全用ブルワークの高さが約1000mm未満であるが場合、またより好適には約750mm未満である場合、これにより安全用ブルワークの最も低い縁部とデッキとの間に隙間が残り、その隙間を通して乗組員がやはりロープおよびチェーンを通過させることができ、それにより安全用ブルワークにダメージを与える危険が低減され、または安全用ブルワークを設置しているところのガードレールにダメージを与える危険が低減される。
【0032】
さらに、高さが1メートルを超えしたがって安全用ブルワークを設置しているところのガードレールを完全に覆うような安全用ブルワークは、高波において波がデッキに打ち寄せる場合、そのような波からの海水が安全用ブルワークによりデッキ上に含まれる可能性があり、また船の縁部を超えて海へ戻るように流されることが防止される可能性がある、という欠点を有する。したがって、デッキ上に含まれる海水がデッキ上に飛び散る可能性があり、これは船の安定性に影響する可能性があり、「自由表面効果」として当技術分野で一般に知られる問題である。しかし、また、規定により、船のガードレール内のレールの最も低い段とデッキとの間の開口部が230mmを超えないことが求められる。したがって、安全用ブルワークが約500mmmから約1000mmの間の高さを有する場合、またより好適には約500mmから約1000mmの間の高さ、さらに好適には約500mmから約750mmの間の高さを有する場合、これにより、安全用ブルワークを設置しているところのガードレール内のレールの段の間の開口部のすべてが、レールの最も下側の段から最も上側のハンドレールまで、安全用ブルワークにより少なくとも部分的に覆われることになり、一方で、安全用ブルワークの最も下側の縁部とデッキとの間にやはり隙間を残し、それにより、デッキに打ち寄せる波からの海水が船の縁部を超えて海に流れ戻ることが可能となる。しかし、このような隙間は、以下の2つの理由から、安全用ブルワークによって提供される安全性を損なわない。1つは、船のデッキが、フィッシュプレートと呼ばれる垂直方向リップをその縁部のところに装備し、これが、レールの最も下の段とデッキとの間の隙間を無許可乗り込み可能性者から少なくとも部分的に隠すことができることである。もう1つは、船のガードレール内のレールの最も下の段がデッキの上方で230mm以下であることから、レールの最も下側の段によって妨害されることを理由として、無許可乗り込み可能性者が安全用ブルワークの最も下側の縁部とデッキとの間の隙間を通って押し入ることができないことである。
【0033】
船の上のフィッシュプレートの高さを管理する規制では、フィッシュプレートの高さが船の性質およびサイズによって決定されるとしている。しかし、好適には、安全用ブルワーク上のマウンドは、高さが約90mmから最大で400mmのフィッシュプレートを収容するように成形およびサイズ決定され、この400mmの高さは巨大タンカー(VLCC:very large crude carrier)上のフィッシュプレートの最大の高さである。
【0034】
第2の態様では、本発明がさらに、並ぶように配置されて互いに隣接する、本発明の第1の態様による複数の安全用ブルワークを備える外辺部保護システムを提供する。複数の安全用ブルワークのすべてが互いに同じであり、船舶または海洋設備上に備え付けられるのに修正を一切必要としないことから、これらは、定位置に設置すること、取り外すこと、および取り替えることが容易である。したがって、船舶または海洋設備の外辺部が、複数の安全用ブルワークをガードレールの外側に設置する形で、船舶または海洋設備の外辺部ガードレールに沿って並ぶように互いに隣接させてこれらの複数の安全用ブルワークを配置することにより、迅速かつ容易に保護され得る。
【0035】
安全用ブルワークの各々が、それぞれの安全用ブルワークを隣接する安全用ブルワークに接続するための接続部位を備えるそれぞれの側方面を有する場合、外辺部保護システムが、好適には、その側方面上のそれぞれの接続部位のところで隣接する安全用ブルワークを一体に取り付けるための少なくとも1つのコネクタをさらに備える。これにより、隣接する安全用ブルワークの間に隙間を有さない連続するバリアを提供するように隣接する安全用ブルワークを一体に取り付けることが可能となり、また、隣接する安全用ブルワークを一体に接続しない場合よりも外辺部保護システムの全体の構造完全性および強度を向上させることができる。一方で、これはまた、例えばいくつかの既知の種類の外辺部保護システムのように隣接する安全用ブルワークを重ね合わせてそれらを一体に接続するのではく、可能な限りの長さのガードレールを保護することにより最も経済的な方式で安全用ブルワークを使用する。
【0036】
外辺部保護システムが2つのみの隣接する安全用ブルワークを備えるような最小の事例では、隣接する安全用ブルワークの各々が2つの側方面を有するが、隣接する安全用ブルワークに最も近い各安全用ブルワークの側に位置するような側方面を1つのみ必要とする。しかし、外辺部保護システムが3つ以上の隣接する安全用ブルワークを備える場合、隣接する安全用ブルワークの各々が一般に2つのこのような側方面を有し、1つの側方面が隣接する安全用ブルワークの各端部のところで2つの安全用ブルワークから離間してそれぞれの安全用ブルワークの各側に位置し、これがやはり、隣接する安全用ブルワークに最も近いそれぞれの安全用ブルワークの側に位置するような1つの側方面のみを必要とする。
【0037】
安全用ブルワークの各々が上述のボアホールを備える場合、外辺部保護システムが、好適には、3つの隣接する安全用ブルワークと、3つの隣接する安全用ブルワークのうちの中央の安全用ブルワークのボアホールを通過して3つの隣接する安全用ブルワークのうちの最も左側の安全用ブルワークおよび最も右側の安全用ブルワークのそれぞれのボアホールに入るロッドとを備える。したがって、最も左側および最も右側の安全用ブルワークが船舶のガードレールに取り付けられ得、中央の安全用ブルワークがロッドから垂下する形でガードレールの外側に設置され得る。これにより中央の安全用ブルワークがフリーハンギングチェーンによって橋渡しされるガードレール内の隙間の外側に配置されることが可能となり、フリーハンギングチェーンは、したがって、安全用ブルワークを支持するのに十分な剛性を有さず、またここでは、中央の安全用ブルワークの重量が最も左側および最も右側の安全用ブルワークによって受けられることが可能となる。したがって、中央の安全用ブルワークが、隙間を横断するチェーンに取り付けられる必要なく、乗り込み可能性者に対して船内のガードレール内の隙間を保護することができ、代わりに、最も左側および最も右側の安全用ブルワークが隙間の両側で船のガードレールに固定され得る。また、隣接する安全用ブルワークの各々がそれぞれの安全用ブルワークの前面に対して実質的に垂直であるそれぞれの側方面を有する場合、中央、最も左側、および最も右側の安全用ブルワークが追加的に上述したように一体に接続され、ここでは、それらのそれぞれの側方面が互いに当接され、それによりそれらにさらに全体の構造的完全性および強度を向上させる。
【0038】
好適には、外辺部保護システムが、隣接する対の複数の安全用ブルワークの各々の間に配置されてそれらに当接されるスペーサをさらに備える。これによりスペーサの幅により外辺部保護システムの全長を増大させることが可能となり、それにより、外辺部保護システムの全長を安全用ブルワークを配置しているところの外辺部ガードレールの長さにより接近させ、ここではシステム内の安全用ブルワークを重ね合わせたりまたは修正したりすることが必要ない。
【0039】
好適には、スペーサが、隣接する対の複数の安全用ブルワークをスペーサを介して互いに接続するための貫通孔を備える。これによりスペーサが存在するにもかかわらず隣接する安全用ブルワークを一体に取り付けることが可能となり、また、スペーサがそれらの安全用ブルワークの両方に固定され得る。
【0040】
好適には、外辺部保護システムの種々の要素が、不活性プラスチック材料などの、天候および海水に対して耐性を有する1つまたは複数の材料で構築される。各々の安全用ブルワーク、ならびに任意のロッド、コネクタ、およびスペーサを含む、外辺部保護システムの主要構成要素が、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE:high density polyethylene)および/またはガラス強化ナイロンで作られ得、これらの両方がやはり高い強度および剛性を有する。
【0041】
少なくとも各安全用ブルワークの前面、さらには可能性として任意の後方パネルが、無許可乗り込み可能性者に対して外辺部保護システムの存在を知らせるために、および無許可乗り込み可能性者を船舶または海洋設備に接近させるのを抑止するために、明るい色で着色され得る。好適には、安全用ブルワークが安全なオレンジで着色される。
【0042】
第3の態様では、本発明がさらに、船舶または海洋設備の外辺部に沿って配置される本明細書で説明される外辺部保護システムを備える船舶または海洋設備を提供する。この場合、船舶または海洋設備が、外辺部保護システムによって保護されるカーゴをさらに備える。
【0043】
第4の態様では、本発明がさらに、船舶または海洋設備の外辺部を保護する方法を提供し、この方法が、船舶または海洋船舶の外辺部ガードレールに沿って、本発明の第1の態様による複数の安全用ブルワークを隣り合うように互いに隣接して配置することと、複数の安全用ブルワークのうちのいくつかの安全用ブルワークをガードレールに取り付けることと、ガードレールに取り付けられていない複数の安全用ブルワークの残りの安全用ブルワークを、ガードレールに取り付けられている複数の安全用ブルワークのうちの安全用ブルワークに接続することとを含む。したがって、船舶または海洋設備の外辺部が、複数の安全用ブルワークのうちのいくつかのみがガードレールに取り付けられる場合でも、安全用ブルワークの間に隙間を一切有さない状態で安全用ブルワークの連続する延在体によって保護され得る。
【0044】
好適には、この方法が、ガードレール内の隙間またはガードレールの邪魔になっている障害物の前にあるいはガードレールの隅部のところに、ガードレールに取り付けられていない複数の安全用ブルワークのうちの少なくとも1つの安全用ブルワークを配置することをさらに含む。前というのは、ガードレールの外側または海側を意味する。したがって、通常であれば既知の種類の安全用ブルワークをこのようなロケーションに配置するのを防止する可能性があるようなガードレール内の隙間またはガードレールの邪魔になっている障害物、さらにはガードレールの隅部が、ガードレールに取り付けられておらず代わりに複数の安全用ブルワークのうちのガードレールに取り付けられる安全用ブルワークに接続される安全用ブルワークによって架橋され得る。
【0045】
好適には、この方法が、隣接する対の複数の安全用ブルワークの各々の間に配置されてそれらに当接されるようにスペーサを配置することをさらに含む。したがって、スペーサの幅により複数の安全用ブルワークの全長が増大され得、それにより、複数の安全用ブルワークの全長を、安全用ブルワークを沿うように配置しているところの外辺部ガードレールの長さにより接近させ、ここでは安全用ブルワークを重ね合わせたりまたは修正したりすることが一切必要ない。
【0046】
好適には、この方法が、スペーサの貫通孔を使用して隣接する対の複数の安全用ブルワークを互いに接続することをさらに含み、それにより、スペーサが存在するにもかかわらず隣接する安全用ブルワークが一体に取り付けられ得、スペーサがそれらの安全用ブルワークの両方に固定され得る。
【0047】
添付図面に関連して例として与えられる以下の詳細な説明から、本発明のさらなる特徴および利点が明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】安全用ブルワークの第1の実施形態の前面を示す斜視図である。
図2図1に示される安全用ブルワークの後部を示す斜視図である。
図3図1および2に示される安全用ブルワークを示す上面図である。
図4】一体に入れ子状になっている図1から3に示される複数の安全用ブルワークを示す斜視図である。
図5】安全用ブルワークの第2の実施形態の後方かつ上方からの斜視図である。
図6図5に示される安全用ブルワークの後部を示す斜視図である。
図7図5および6に示される安全用ブルワークの前面を示す斜視図である。
図8】安全用ブルワークの第3の実施形態の後部を示す第1の斜視図である。
図9図8に示される安全用ブルワークの後部を示す第2の斜視図である。
図10図8および9に示される安全用ブルワークの分解斜視図である。
図11図8から10に示される安全用ブルワークの後方パネルを示す第1の斜視図である。
図12図11に示される後方パネルを示す第2の斜視図である。
図13】安全用ブルワークの第4の実施形態の前面を示す斜視図である。
図14図13に示される安全用ブルワークの後部を示す斜視図である。
図15図13および14に示される安全用ブルワークの後方かつ上方からの斜視図である。
図16】安全用ブルワークの第5の実施形態の前面を示す第1の斜視図である。
図17図16に示される安全用ブルワークの後部を示す斜視図である。
図18図16および17に示される安全用ブルワークの分解斜視図である。
図19図16から18に示される安全用ブルワークの後方パネルを示す第1の斜視図である。
図20図19に示される後方パネルを示す第2の斜視図である。
図21】船舶または海洋設備の外辺部ガードレールの一部分を示す外側すなわち海側からの斜視図である。
図22図21に示される外辺部ガードレールの一部分を示す内側すなわちデッキ側からの斜視図である。
図23】外辺部保護システムの第1の実施形態を示す外側すなわち海側からの斜視図である。
図24図23に示される外辺部保護システムを示す内側すなわちデッキ側からの斜視図である。
図25】外辺部保護システムの第2の実施形態を示す外側すなわち海側からの斜視図である。
図26図25に示される外辺部保護システムを示す内側すなわちデッキ側からの斜視図である。
図27】外辺部保護システムの第3の実施形態を示す外側すなわち海側からの斜視図である。
図28図27に示される外辺部保護システムを示す内側すなわちデッキ側からの斜視図である。
図29図27および28に示される外辺部保護システムのスペーサを示す第1の斜視図である。
図30図29に示されるスペーサを示す第2の斜視図である。
図31】外辺部保護システムの第4の実施形態を示す外側すなわち海側からの斜視図である。
図32図31に示される外辺部保護システムを示す内側すなわちデッキ側からの斜視図である。
図33図31および32に示される外辺部保護システムのスペーサを示す第1の斜視図である。
図34図33に示されるスペーサを示す第2の斜視図である。
図35図33および34に示されるスペーサを示す第3の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
図1から3が、船舶または海洋設備の外辺部ガードレールの外側に設置されるための安全用ブルワーク1の第1の実施形態の3つの異なる図である。安全用ブルワーク1が、谷部7によって分割される一対の突出マウンド3a、3bを備える前面2を有する。各マウンドが、安全用ブルワーク1に張り出し部分を付与する下側部分4a、4を有する。各マウンド3a、3bが安全用ブルワーク1の幅方向A−A’において凸形である。各マウンド3a、3bがそれぞれの対の側面5a、5b;5c、5dを有し、これらのすべてが安全用ブルワーク1の前面2に対して60度から82度の間で傾斜する。各マウンド3a、3bのそれぞれの外側側面5a、5dの両方が安全用ブルワーク1の前面2に対して約78.8度で傾斜し、各マウンド3a、3bのそれぞれの内側側面5b、5cが、また言い換えると、谷部7に隣接する内側表面5b、5cが、安全用ブルワーク1の前面2に対して約72.1度で傾斜する。図3から分かるように、側面5a、5b;5c、5dのすべてが実質的に平坦である。
【0050】
各マウンド3a、3bが安全用ブルワーク1の前面2から外側に約473mm突出する。各マウンド3a、3bは、安全用ブルワーク1の前面2から、つまり各マウンド3a、3bの部分がそれぞれの側面5a、5b;5c、5dから湾曲し始めるところから、最も突出するところの幅が約240mmである。各マウンド3a、3bが安全用ブルワーク1の前面2の、安全用ブルワーク1の側方縁部6から約35mm隆起する。谷部7の最も深い部分70、つまり、内側側面5b、5cを有さない谷部7の部分がやはり湾曲し、その幅が約193mmであり、ここで、谷部7の最も深い部分70が内側側面5b、5cと交差する。また、谷部7の最も深い部分70は安全用ブルワーク1の前面2の上方の約179mmのところにある。
【0051】
図1で最も良く分かるように、安全用ブルワーク1が、安全用ブルワーク1の前面2を通るように形成される複数のアイレット8を有する。これらのアイレット8のうちの中央のアイレットが谷部7の最も深い部分70に実質的に位置合わせされる。したがって、安全用ブルワーク1が、締結部材をこの中央のアイレット8および安全用ブルワーク1と外辺部ガードレールの両方の周りの中を通過させることにより外辺部ガードレールに取り付けられ得る。谷部7の最も深い部分70に対して中央のアイレット8が位置合わせされることにより、締結部材が安全用ブルワーク1および外辺部カードレールの周りの最短の経路に確実に沿うようになり、谷部7の各側において一対のマウンド3a、3bによって定位置で保持されるようになる。
【0052】
安全用ブルワーク1が安全用ブルワーク1の前面2に対して実質的に垂直に方向付けられる2つの側方面16を有する。各側方面16が、安全用ブルワーク1を隣接する安全用ブルワークに接続するための複数の接続部位17を備える。接続部位17の各々が安全用ブルワーク1のそれぞれの側16に形成される貫通孔を備え、貫通孔がボルトなどのコネクタ18を受けることができる。安全用ブルワーク1が2つのボアホール11をさらに備え、ボアホール11が長手方向において互いに位置合わせされて安全用ブルワーク1の幅方向A−A’に延び、安全用ブルワーク1の最も上側の縁部12の傍にある。これらのボアホール11の各々が方向A−A’においてその中でロッドを受けることができる。
【0053】
安全用ブルワーク1が、安全用ブルワーク1の最も上側の縁部12からその最も下側の部分までの755mmの全高hを有し、最も下側の部分が複数のアイレット8を有する。したがって、レールの最も下側の段から最も上側のハンドレールまでの、安全用ブルワーク30を設置しているところのガードレール内のレールの段の間のすべての隙間が、安全用ブルワーク1によって少なくとも部分的に覆われ得、一方で、安全用ブルワークの最も下側の縁部とデッキとの間にやはり開口部を残し、それにより、デッキに打ち寄せる波からの海水が船舶または海洋設備の縁部を超えて海に流れ戻ることが可能となる。また、安全用ブルワーク1が、2つの側方面16の一方からもう一方まで1078mmの幅bを有し、これは、複数のこのような安全用ブルワークを用いて一定の長さの外辺部ガードレールを迅速かつ容易に覆うのに十分な大きさであり、また一方で、安全用ブルワーク1をガードレールに設置するときに1人の人間が安全用ブルワーク1を容易に取り扱うのを可能にするのに十分な小ささでもある。
【0054】
図2で最も良く分かるように、安全用ブルワーク1が、同様の安全用ブルワークの前面2上の一対のマウンド3a、3bを受けることができる凹部10を備える後部9を有する。したがって、複数のこのような同様の安全用ブルワーク1が図4に示される手法で一体に入れ子状となり得、ここでは、9つのこのような同様の安全用ブルワーク1が一体に入れ子状となっており、迅速かつ容易な移送のために配送パレット60の上に積み重ねられている。
【0055】
図5から7が、船舶または海洋設備の外辺部ガードレールの隅部ところに位置するのに適する安全用ブルワーク30の第2の実施形態の3つの異なる図である。図1から3に示される安全用ブルワーク1とは異なり、安全用ブルワーク30が、互いに実質的に垂直に方向付けられる左側31Lおよび右側31Rを有する。左側31Lおよび右側31Rの各々が、安全用ブルワーク30を隣接する安全用ブルワークに接続するための複数の接続部位37を備える。接続部位37の各々が、安全用ブルワーク30の左側31Lおよび右側31Rのそれぞれの中に形成される貫通孔を備え、貫通孔がボルトなどのコネクタ18を受けることができる。
【0056】
安全用ブルワーク30が突出マウンド33を備える前面32を有する。マウンド33が下側部分34を備え、下側部分34が安全用ブルワークに張り出し部分を提供し、安全用ブルワーク30の左側31Lから右側31Rへの方向において凸形である。マウンド33が、安全用ブルワーク30の前面32に対して60度から80度の間で傾斜する一対の側面5e、5fを有する。図5から分かるように、側面5e、5fの両方が実質的に平坦である。マウンド33が前面32と安全用ブルワーク30の左側31Lおよび右側31Rとの交差位置から隆起し、安全用ブルワーク30の前面32から外側に400mmを超えて突出する。マウンド33は、安全用ブルワーク30の前面32から、つまり側面5e、5fからマウンド33が湾曲し始めるところから、その最も突出したところの幅が300mm以下である。
【0057】
安全用ブルワーク図30図1から3に示される安全用ブルワーク1の高さと実質的に等しい500mmから1000mmの間の高さhを有し、安全用ブルワーク1の前面2上の複数のアイレット8の各々の高さの分だけ引かれる。したがってレールの最も下側の段から最も上側のハンドレールまでの、安全用ブルワーク30を設置しているところのガードレールのレールの段の間のすべての隙間が、安全用ブルワーク30によって少なくとも部分的に覆われ得、一方で、安全用ブルワークの最も下側の縁部62とデッキとの間にやはり開口部を残し、それにより、デッキに打ち寄せる波からの海水が船舶または海洋設備の縁部を超えて海に流れ戻ることが可能となる。また、安全用ブルワーク30が350mmから700mmの間の幅bを有する。したがって、安全用ブルワーク30は、船舶または海洋設備で一般に見られるような任意の厚さの外辺部ガードレールの隅部を覆うことができ、また一方で、安全用ブルワークを隅部に位置させるときに1人の人間が安全用ブルワークを容易に取り扱うのを可能にするのに十分な小ささでもある。
【0058】
図6で最も良く分かるように、安全用ブルワーク30が前面32の反対側に後部39を有する。後部39が、船舶または海洋設備の外辺部ガードレールの隅部を受けるための凹部36を備える。凹部36が突出マウンド33の内部表面35によって形成される。マウンド33が、外辺部ガードレールの隅部を受けるように凹部36を適合させる隆起クレスト44をさらに備える。凹部36はまた、同様の安全用ブルワーク30の前面32上のマウンド33を受けることができ、それにより安全用ブルワーク1の場合の図4に示される手法と同様の手法で2つ以上のこのような安全用ブルワーク30が一体に入れ子状となり得る。
【0059】
図8から10が、船舶または海洋設備の外辺部ガードレールに沿うように設置するための安全用ブルワーク19の第3の実施形態の3つの異なる図である。安全用ブルワーク19が前面2および2つの側部16を有し、これらのすべてが図1から3に示される安全用ブルワーク1のものと等しく、同じ特徴を有する。しかし、安全用ブルワーク19は、船舶または海洋設備の外辺部ガードレールの内部に設置されるための後方パネル13をその後部9上にさらに備えるという点で、安全用ブルワーク1とは異なる。後方パネル13は図11および12により詳細に示される。図11で最も良く分かるように、後方パネル13が、安全用ブルワーク1に関連して上述した2つのボアホール11の間で長手方向においてそられに位置合わせされるように位置するボアホール45を備える。2つのボアホール11と同様に、安全用ブルワーク19の最も上側の縁部12の傍で、ボアホール45も安全用ブルワーク19の幅方向A−A’に延びる。したがって、ロッド15が2つのボアホール11のうちの第1のボアホールの中に挿入され、後方パネル13内のボアホール45を通過し、次いで2つのボアホール11のうちの第2のボアホールの中に挿入され得、その結果、後方パネル13が、安全用ブルワーク19の最も上側の縁部12と実質的に平行に、ロッド15を中心として回転することにより安全用ブルワーク19の前面2に対してヒンジ式に取り付けられ得る。さらに、ロッド15がボアホール11、45から取り外し可能であり、その結果、後方パネル13が安全用ブルワーク19の残りの部分から脱着され得る。
【0060】
しかし、図10の分解図で最も良く分かるように、後方パネル13がロッド15を介して安全用ブルワーク19の残りの部分に取り付けられている場合でも、後方パネル13の形状は、安全用ブルワーク19の前面2から離間されるがそれと平行となるような位置を後方パネル13がとることができるような、形状である。船舶または海洋設備で一般に見られる任意の外辺部ガードレールの厚さを収容するのに、この位置で前面2から後方パネル13を分離することで十分である。したがって、後方パネル13は安全用ブルワーク19の前面2からヒンジ式に分離され得、安全用ブルワーク19が外辺部ガードレールの上に設置され得、ここでは、前面2がガードレールの外側すなわち海側に配置され、後方パネル13がガードレールの内側すなわちデッキ側に配置される。次いで、後方パネル13を再び安全用ブルワーク19の前面2に平行にするが分離するまで、後方パネル13および安全用ブルワーク19の残りの部分が再び一体にヒンジ式に取り付けられ得る。この位置では、後方パネル13の最も下側の縁部62が前面2の最も下側の部分に位置合わせされ、前面2が複数のアイレット8を有し、その結果、安全用ブルワーク19の全高が安全用ブルワーク1の全高と等しくなる。
【0061】
図11および12で分かるように、後方パネル13が、後方パネル13を安全用ブルワーク19の前面2に接続するための複数の接続部位38を備える。接続部位38の各々が、ボルトなどのコネクタ28を受けることができる、後方パネル13内に形成される貫通孔を備える。後方パネル13上の接続部位38のロケーションが安全用ブルワーク19の前面2上のアイレット8のロケーションに対応する。したがって、安全用ブルワーク19が外辺部ガードレール上に設置されると、安全用ブルワーク19を上に設置しているところの外辺部ガードレールに対して垂直な方向において、ボルトなどのコネクタ28が後方パネル13上の接続部位38のうちの1つの接続部位のところの貫通孔に挿入され得、前方パネル2上のアイレット8のうちの対応する1つのアイレットを通過する。次いで、ボルトに例えばナットが装着され得、これらの両方が、後方パネル13および前面2を一体に固定するまで、一体に締められ得、それにより、コネクタ28を最初に外すことなく、安全用ブルワーク19を設置しているところの外辺部ガードレールから安全用ブルワーク19が取り外されることが防止される。
【0062】
図11および12で分かるように、後方パネル13が、ガードレールの邪魔になっている障害物を収容するための2つのアパーチャ14または「切り欠き部」をさらに備える。したがって、後方パネル13が、図8および9から分かるように、アパーチャ14の各々のロケーションのところにおいて安全用ブルワーク19の後部9内の凹部10を完全には覆わない。これは、2つのこのような安全用ブルワーク19が外辺部ガードレールの上で隣り合うように互いに隣接して設置される場合、2つの隣接する安全用ブルワーク19のうちの第1の安全用ブルワーク上のアパーチャ14のうちの1つのアパーチャが、2つの隣接する安全用ブルワーク19のうちのもう一方の安全用ブルワーク上のそのような別のアパーチャ14に隣接する、ということを意味する。したがって、2つの隣接するアパーチャ14が、ガードレールの内側すなわちデッキ側の障害物が存在するところのロケーションの両側において2つの隣接する安全用ブルワーク19をガードレール上に配置するのを可能にし、また、2つの隣接する安全用ブルワーク19のそれぞれの側部16を互いに当接させるのを可能にし、ここでは障害物が2つの隣接するアパーチャ14によって作られる組み合わせのスペース内に収容される。
【0063】
図13から15が、船舶または海洋設備の外辺部ガードレールの外側に設置されるための安全用ブルワーク130の第4の実施形態の3つの異なる図である。安全用ブルワーク130が、前面縁部106を各々が有する互いに実質的に平行に方向付けられる一対の側方面116を有する。2つの側方面116の前面縁部106が一体に、側方面116に対して垂直である安全用ブルワーク130の前面を画定する。安全用ブルワーク130の前面が突出マウンド133を備える。マウンド133が各側方面116の前面縁部106から直接に隆起する。マウンド133が下側部分134を有し、下側部分134が安全用ブルワーク130に張り出し部分を提供し、安全用ブルワークの幅方向A−A’において凸形である。マウンド133がまた、安全用ブルワーク130の前面に対して60度から82度の間で傾斜する、つまり側方面116のそれぞれの1つの側方面に対して120度から98度で傾斜する一対の側面5g、5hを有する。図15で最も良く分かるように、マウンド133の側面5g、5hの両方が実質的に平坦である。マウンド133が安全用ブルワーク130の前面から外側に400mmを超えて突出し、安全用ブルワーク130の前面から、つまりそれらの前面縁部106のところでのマウンド133と安全用ブルワーク130の側方面116とが交差するとこから、その最も突出するところの幅が300mm以下である。
【0064】
側方面116の各々が、安全用ブルワーク130を隣接する安全用ブルワークに接続するための複数の接続部位137を備える。接続部位137の各々が安全用ブルワーク130の側方面116のうちの1つの側方面内に形成される貫通孔を備え、これがボルトなどのコネクタ18を受けることができる。安全用ブルワーク130が、安全用ブルワーク130の最も上側の縁部112の傍にある、長手方向において互いに位置合わせされて安全用ブルワーク130の幅方向A−A’に延びる2つのボアホール111をさらに備える。これらのボアホール111の各々が、方向A−A’においてロッドを中で受けることができる。図5から7に示される安全用ブルワーク30と同様に、安全用ブルワーク130が安全用ブルワーク130の前面を通るように形成される一対のアイレット8を有する。
【0065】
安全用ブルワーク130はまた、図5から7に示される安全用ブルワーク30の寸法と同様の寸法を有する。したがって、レールの最も下の段から最も上側のハンドレールまでの、安全用ブルワーク130を設置しているところのガードレール内のレールの段の間のすべての隙間が安全用ブルワーク130によって少なくとも部分的に覆われ、一方で、安全用ブルワークの最も下側の縁部62とデッキとの間にやはり開口部を残し、それにより、デッキに打ち寄せる波からの海水が船舶または海洋設備の縁部を超えて海に流れ戻ることが可能となる。したがって、安全用ブルワーク130は、1人の人間が安全用ブルワーク130を容易に取り扱うのを可能にするのに十分な小ささでもある。
【0066】
図14で最も良く分かるように、安全用ブルワーク130が安全用ブルワーク130の前面の反対側に後部139を有する。後部139が、突出マウンド133の内部表面135によって形成される凹部136を備える。マウンド133が、外辺部ガードレールの隅部を受けるように凹部136を適合させる隆起クレスト144をさらに備える。したがって、安全用ブルワーク130が外辺部ガードレールの直線の延在部分のみではなく、その隅部に沿うようにも設置され得る。凹部136または、同様の安全用ブルワーク130の前面上のマウンド133を受けることができ、それにより安全用ブルワーク1の場合の図4に示される手法と同様の手法で2つ以上のこのような安全用ブルワーク130が一体に入れ子状となり得る。
【0067】
図16から18が、船舶または海洋設備の外辺部ガードレールに沿うように設置するための安全用ブルワーク119の第5の実施形態の3つの異なる図である。安全用ブルワーク119が前面および2つの側部116を有し、これらのすべてが図13から15に示される安全用ブルワーク130のものと等しく、同じ特徴を有する。しかし、安全用ブルワーク119は、船舶または海洋設備の外辺部ガードレールの内部に設置されるための後方パネル113をその後部139にさらに備えるという点で、安全用ブルワーク130とは異なる。後方パネル113は図19および20により詳細に示される。図19で最も良く分かるように、後方パネル113が、安全用ブルワーク130に関連して上述した2つのボアホール111の間で長手方向にそれらに位置合わせされるように位置するボアホール45を備える。2つのボアホール111と同様に、安全用ブルワーク119の最も上側の縁部112の傍で、ボアホール45も安全用ブルワーク119の幅方向A−A’に延びる。したがって、ロッドが2つのボアホール111のうちの第1のボアホールの中に挿入され、後方パネル113内のボアホール45を通過し、次いで2つのボアホール111のうちの第2のボアホールの中に挿入され得、その結果、後方パネル113が、安全用ブルワーク119の最も上側の縁部112と実質的に平行に、ロッドを中心とて回転することにより安全用ブルワーク119の前面に対してヒンジ式に取り付けられ得る。さらに、ロッドがボアホール111、45から取り外し可能であり、その結果、後方パネル113が安全用ブルワーク119の残りの部分から脱着され得る。
【0068】
しかし、図18の分解図で最も良く分かるように、後方パネル113がこのようなロッドを介して安全用ブルワーク119の残りの部分に取り付けられている場合でも、後方パネル113の形状は、安全用ブルワーク119の前面から離間されるがそれと平行となるような位置を後方パネル113がとることができるような、形状である。船舶または海洋設備で一般に見られる任意の外辺部ガードレールの厚さを収容するのに、この位置で前面から後方パネル113が分離することで十分である。したがって、後方パネル113は安全用ブルワーク119の前面からヒンジ式に分離され得、安全用ブルワーク119が外辺部ガードレールの上に設置され得、ここでは、前面がガードレールの外側すなわち海側に配置され、後方パネル113がガードレールの内側すなわちデッキ側に配置される。次いで、後方パネル113を再び安全用ブルワーク119の前面に平行にするが分離するまで、後方パネル113および安全用ブルワーク119の残りの部分が再び一体にヒンジ式に取り付けられ得る。この位置では、後方パネル113の最も下側の縁部62が安全用ブルワーク119の前面の最も下側の部分に位置合わせされ、前面が一対のアイレット8を有し、その結果、安全用ブルワーク119の全高が安全用ブルワーク1と等しくなる。
【0069】
図19および20で分かるように、後方パネル113が、後方パネル113を安全用ブルワーク119の前面に接続するための一対の接続部位38を備える。接続部位38の各々が、ボルトなどのコネクタを受けることができる、後方パネル113内に形成される貫通孔を備える。後方パネル113上の接続部位38のロケーションが安全用ブルワーク119の前面上のアイレット8のロケーションに対応する。したがって、安全用ブルワーク119が外辺部ガードレール上に設置されると、安全用ブルワーク119を上に設置しているところの外辺部ガードレールに対して垂直な方向において、ボルトなどのコネクタが後方パネル113上の接続部位38のうちの1つの接続部位のところの貫通孔に挿入され得、前方パネル上のアイレット8のうちの対応する1つのアイレットを通過する。次いで、ボルトに例えばナットが装着され得、これらの両方が、後方パネル113および前面を一体に固定するまで、一体に締められ得、それにより、コネクタを最初に外すことなく、安全用ブルワーク119を設置しているところの外辺部ガードレールから安全用ブルワーク119が取り外されることが防止される。
【0070】
図19および20でやはり分かるように、後方パネル113は、ガードレールの邪魔になっている障害物を収容するためのアパーチャまたは「切り欠き部」を一切有さないという点で、図11および12に示される後方パネル13とは異なる。したがって、後方パネル113が、図16および17で分かるように、安全用ブルワーク119の後部139内の凹部136を完全に覆う。これは、2つのこのような安全用ブルワーク119が外辺部ガードレールの上で隣り合うように互いに隣接して設置される場合に、2つの隣接する安全用ブルワーク119のうちの第1の安全用ブルワーク上の後方パネル113のうちの1つの後方パネルが、2つの隣接する安全用ブルワーク119のうちのもう一方の安全用ブルワーク上のそのような別の後方パネル113に隣接し、それにより外辺部ガードレールの内側すなわちデッキ側に連続する壁が形成され得る。
【0071】
図21および22が、船舶または海洋設備の外辺部ガードレール20の典型的な部分の、外側すなわち海側からの、および内側すなわちデッキ側からの図をそれぞれ示す。船舶または海洋設備のサイド部分に参照符号52が付されていることが分かる。外辺部ガードレール20が複数のレールの段を備え、これには、最も上側のハンドレール201、中間の段のレール202、および最も下側の段のレール203が含まれる。外辺部ガードレール20に沿う規則的な間隔で複数の垂直方向の支柱204が存在する。規定により、垂直方向の支柱204は1.5メートル以下で離間されることが求められる。外辺部ガードレール20が船舶または海洋設備のデッキ51上に設置される。デッキ51から最も上側のハンドレール201までのガードレール20の全高gは、規定により、少なくとも1メートルであることが求められる。また、デッキ51から最も下側の段のレール203の分離距離fは、規定により、230mm以下であることが求められる。中間の段のレール202が、最も上側のハンドレール201と最も下側の段のレール203との間のほぼ等距離のところに配置される。したがって、最も上側のハンドレール201と中間の段のレール202との間の隙間または中間の段のレール202と最も下側の段のレール203との間の隙間は(g−f)/2として与えられ、またここからはレールの段自体の厚さを引かなければならない。したがって、各隙間は、通常、高さが500mm以下であり、実際にはこれよりも大幅に小さい。ガードレール20の外側では、デッキ51の縁部のところにフィッシュプレート53と呼ばれる垂直方向リップが存在し、その高さは、ガードレール20を設置しているところの船舶または海洋設備の種類によって決定されるが、一般には、高さが約90mmから400mmの間である。
【0072】
外辺部ガードレール20が規則的な間隔で複数のサポートステイ205によって支えられ、図22ではサポートステイのうちの1つを見ることができる。規定では、3つの垂直方向の支柱204ごとに少なくとも1つのサポートステイ205が存在しなければならないことが要求されるが、一般には、1つおきの支柱204のところにサポートステイ205が存在する。図22にはさらには、ガードレール20の内側すなわちデッキ側に位置する別の障害物23の代表的な例が示される。
【0073】
図23および24が、船舶または海洋設備の外辺部ガードレール20に沿って設置される外辺部保護システム101の第1の実施形態の典型的な部分の、外側すなわち海側からの、および内側すなわちデッキ側からの図をそれぞれ示す。外辺部保護システム101が、隣り合うように互い隣接して配置される複数の安全用ブルワーク1a、1b、1cを備える。3つの隣接する安全用ブルワークのうちの最も左側の安全用ブルワーク1aおよび最も右側の安全用ブルワーク1cが共に図8から12に関連して上述した種類である。3つの隣接する安全用ブルワークのうちの中央の安全用ブルワーク1bが図1から3に関連して上述した種類である。隣接する3つの安全用ブルワーク1a、1b、1cが互いに当接され、その側方面16上のそれぞれの接続部位17のところで複数のそれぞれのコネクタ18により一体に取り付けられる。3つの隣接する安全用ブルワーク1a、1b、1cを互いに取り付けることは、中央の安全用ブルワーク1bのボアホール11bを通過させて、最も左側の安全用ブルワーク1aおよび最も右側の安全用ブルワーク1cのそれぞれのボアホール11a、11cのうちの少なくとも一方の中にロッド15を入れることにより、さらに補強され得る。
【0074】
したがって、最も左側の安全用ブルワーク1aおよび最も右側の安全用ブルワーク1cが外辺部ガードレール20の上に設置されてその結果としてガードレール20がその各々の安全用ブルワーク1a、1cの重量を受けることになるのに対して、中央の安全用ブルワーク1bは、外辺部ガードレール20の外側のみ、つまりガードレールの海側のみに設置され、ここでは、中央の安全用ブルワーク1bの重量が外辺部ガードレール20へと下向きにかからない。代わりに、中央の安全用ブルワーク1bはコネクタ18を介して最も左側の安全用ブルワーク1aおよび最も右側の安全用ブルワーク1cから垂下する。中央の安全用ブルワーク1bは外辺部ガードレール20の外側のみに設置されることから、これにより、図24に示されるように、ガードレール20の内側すなわちデッキ側に障害物23が位置しているようなところでガードレール20に沿わせて中央の安全用ブルワーク1bを配置することが可能となる。しかし、コネクタ18を介して最も左側の安全用ブルワーク1aおよび最も右側の安全用ブルワーク1cから垂下することで中央の安全用ブルワーク1bの重量が最も左側の安全用ブルワーク1aおよび最も右側の安全用ブルワーク1cへ分散されることから、これにより、別のこととして、さらに、フリーハンギングチェーンによって橋渡しされるガードレール内の隙間を横断するように中央の安全用ブルワーク1bを配置することも可能となる(フリーハンギングチェーンは、したがって、安全用ブルワークの重量を支持するのに十分な剛性を有さない)。
【0075】
図25および26が、船舶または海洋設備の外辺部ガードレール20の隅部21の領域内での、外辺部保護システム102の実施形態の一部分の、外側すなわち海側からの、および内側すなわちデッキ側からの図をそれぞれ示す。外辺部保護システム102が、隣り合うように互いに隣接して配置される複数の安全用ブルワーク19a、19b、30を備え、これらが隅部21のところでの外辺部保護システム102の部分を越えて外辺部ガードレール20に沿って継続し、これが図25および26に示されている。複数の安全用ブルワークが図8から12に示される種類の2つの安全用ブルワーク19a、19bと、図5から7に示される安全用ブルワーク30とを備える。2つの安全用ブルワーク19a、19bの各々が、隅部21のところで交差する外辺部ガードレール20の実質的に直接の延在部分に沿って配置される。安全用ブルワーク30が外辺部ガードレール20の隅部21のところに位置する。したがって、安全用ブルワーク30が2つの安全用ブルワーク19a、19bの間に位置してそれらの各々に隣接する。
【0076】
安全用ブルワーク30の左側31Lおよび右側31Rが互いに対して実質的に垂直に方向付けられることから、左側31Lおよび右側31Rの各々が、安全用ブルワーク19a、19bの側部16のうちのそれぞれの1つの側部に平行して当接されるように位置合わせされ得る。さらに、安全用ブルワーク30の左側31Lおよび右側31Rがそれぞれのコネクタ18を介して安全用ブルワーク19a、19bのそれぞれの側部16に接続され得る。したがって、2つの安全用ブルワーク19a、19bが外辺部ガードレール20の上に設置されてその結果としてガードレール20がこれらの各々の安全用ブルワーク19a、19bの重量を受けるのに対して、安全用ブルワーク30は、外辺部ガードレール20の外側のみ、つまりガードレールの海側のみに設置され、ここでは、安全用ブルワーク30の重量が外辺部ガードレール20へと下向きにかからない。代わりに、安全用ブルワーク30はコネクタ18を介して2つの安全用ブルワーク19a、19bから垂下する。安全用ブルワーク30が2つの安全用ブルワーク19a、19bから垂下することから、これにより、図26で分かるように、安全用ブルワーク30を外辺部ガードレール20に取り付けることを一切必要とすることなく、安全用ブルワーク30をガードレール20の隅部21のところに配置することが可能となる。
【0077】
図27および28が、船舶または海洋設備の外辺部ガードレールに沿って配置されるのに適する外辺部保護システム103の第3の実施形態の典型的な部分の、外側すなわち海側からの、および内側すなわちデッキ側からの図をそれぞれ示す。外辺部保護システム103が、隣り合うように互いに隣接されるように配置される図8から12に示される種類の複数の第1の複数のa個の安全用ブルワーク19a、19b、19cを備える。外辺部保護システム103がさらに、隣接する対の複数の安全用ブルワーク19a、19b、19cの各々の間に配置されてそれらの各々に当接される第2の複数のb個のスペーサ40a、40bを備える。安全用ブルワークの19a、19b、19cの各々が第1の幅wを有する。スペーサ40a、40bの各々が第2の幅vを有し、幅vは第1の幅wのごく一部であり、つまり安全用ブルワーク1aの幅wより大幅に小さい。
【0078】
第1の複数のa個の安全用ブルワーク19a、19b、19cおよび第2の複数のb個のスペーサ40a、40bの組み合わせの幅aw+bvは、安全用ブルワークおよびスペーサのそれぞれの数aおよびbを適切に選択することにより、外辺部ガードレールの長さlと実質的に等しくなるように作られる。例えば、外辺部ガードレールの長さlを34.56メートルとする場合、各安全用ブルワークの幅wが1メートルであり、各スペーサの幅vが25mmである。したがって、安全用ブルワークの数aを34として、およびスペーサの数bを22として選択することにより、安全用ブルワークおよびスペーサの組み合わせの幅aw+bvが(34×1)+(22×0.025)=34.55メートルと等しくなり、これが外辺部ガードレールの長さl=34.56メートルと実質的に等しい。一方の安全用ブルワークおよびスペーサの組み合わせの幅ともう一方の外辺部ガードレールの長さとの間の、34.56−34.55=0.01メートル(つまり、わずか10mm)のわずかな差は、安全用ブルワーク19a、19b、19cのいくらかのわずかな可撓性により受け入れられ得るか、隣接する対の安全用ブルワークの分離距離の非常に小さいばらつきによって受け入れられ得る(各々が1mm未満である)。
【0079】
図29および30が、図27および28に示される外辺部保護システム103内のスペーサ40の2つの異なる図である。スペーサ40が第1の側部41および反対側の第2の側部43を備え、これらの両方が安全用ブルワーク1の側部16のそれぞれの1つに当接されるように配置され得る。見られ得るように、側部41、43のプロフィールが安全用ブルワーク19の側部16のプロフィールの鏡像である。スペーサ40が、スペーサ40の第1の側部41から反対側の第2の側部43までの複数の貫通孔42をさらに備える。スペーサ40上での貫通孔42のロケーションが、安全用ブルワーク19の側部16上での接続部位17のロケーションに対応する。したがって、一対のこのような安全用ブルワーク19が隣り合うように互いに隣接して配置され、スペーサ40のうちの1つまたは複数のスペーサがそれらの間に配置される場合、スペーサ40上の貫通孔42が安全用ブルワーク19の側部16上の接続部位17に位置合わせされ得る。さらに、隣接する対の安全用ブルワーク19が、1つまたは複数のスペーサ40のそれぞれの貫通孔42を介して互いに接続され得る。例えば、外辺部保護システム103を設置しているところの外辺部ガードレールに平行な方向において、ボルトなどのコネクタ18が、一対の安全用ブルワーク19のうちの第1の安全用ブルワークの側部16内の貫通孔に挿入され、1つまたは複数のスペーサ40のそれぞれの貫通孔42を通過し、一対の安全用ブルワーク19のうちのもう一方の安全用ブルワークの側部16内の貫通孔から出ることができる。次いで、ボルトに例えばナットが装着され得、これらの両方が、隣接する対の安全用ブルワーク19およびそれらの間に配置される1つまたは複数のスペーサ40を互いに当接させるようになるまで、一体に締められ得る。これにより、安全用ブルワーク19の間に配置されるスペーサ40のうちの1つまたは複数のスペーサを介して隣接する対の安全用ブルワーク19が互いに迅速かつ容易に接続されることが可能となり、それにより、隣接する対の安全用ブルワーク19および1つまたは複数のスペーサ40を備える丈夫で構造的に健全な安全バリアを形成する。
【0080】
図8から12に示される種類の複数の安全用ブルワーク19a、19b、19cを備えるものとして外辺部保護システム103を上で説明してきたが、外辺部保護システム103は、別法としてまたは加えて、図1から3および5から7にそれぞれ示される種類の1つまたは複数の安全用ブルワーク1、30を備えることもできる。言い換えると、本発明は、本明細書で説明される異なる種類の安全用ブルワーク1、19、30およびスペーサ40の任意の考えられる組み合わせを備える外辺部保護システムを構想する。
【0081】
図31および32が、船舶または海洋設備の外辺部ガードレールに沿って配置されるのに適する外辺部保護システム104の第4の実施形態の典型的な部分の、外側すなわち海側からの、および内側すなわちデッキ側からの図をそれぞれ示す。外辺部保護システム104が、隣り合うように互いに隣接して配置される図16から20に示される種類の複数のa個の第1の安全用ブルワーク119a、119b、119cを備える。外辺部保護システム104がさらに、隣接する対の複数の安全用ブルワーク119a、119b、119cの各々の間に配置されてそれらの各々に当接される第2の複数のb個のスペーサ140a、140bを備える。
【0082】
安全用ブルワーク119a、119b、119cの各々が第1の幅wを有する。スペーサ140a、140bの各々が第2の幅vを有し、幅vは第1の幅wのごく一部であり、つまり安全用ブルワーク1aの幅wより大幅に小さい。第1の複数のa個の安全用ブルワーク119a、119b、119cおよび第2の複数のb個のスペーサ140a、140bの組み合わせの幅aw+bvは、図27および28に関連して上で説明した手法と同様の手法で、安全用ブルワークおよびスペーサのそれぞれの数aおよびbを適切に選択することにより、外辺部ガードレールの長さlと実質的に等しくなるように作られる。
【0083】
また、外辺部保護システム104が図31および32では図16から20に示される種類の安全用ブルワーク119のみを有するものとして示されているが、これらの安全用ブルワーク119のうちの任意の安全用ブルワークが図13から15に示される種類の同様のサイズの安全用ブルワーク130と置き換えられてもよい。このようにして、図13から15に示される種類の安全用ブルワーク130を障害物のロケーションにところに配置することにより、外辺部ガードレールのデッキ側すなわち内側に位置する外辺部ガードレールの邪魔になっている障害物が外辺部保護システムによって収容され得る。外辺部保護システム104が、別法としてまたは加えて、図5から7に示される種類の安全用ブルワーク30も備えることができ、それにより、外辺部保護システム104が船舶または海洋設備上の外辺部ガードレールの隅部の周りにも延長され得る。言い換えると、本発明は、本明細書で説明される異なる種類の安全用ブルワーク30、119、130およびスペーサ140の任意の考えられる組み合わせを備える外辺部保護システムを構想する。
【0084】
図33から35が、図31および32に示される外辺部保護システム104内のスペーサ140の3つの異なる図である。スペーサ140が第1の側部141および反対側の第2の側部143を備え、これらの両方が安全用ブルワーク119および130のうちのいずれか1つの安全用ブルワークの側部116のそれぞれの1つに当接されるように配置され得る。見られ得るように、側部141、143のプロフィールは両方の安全用ブルワーク119、130の側部116のプロフィールの鏡像である。スペーサ140が、スペーサ140の第1の側部141から反対側の第2の側部143までの複数の貫通孔142をさらに備える。スペーサ140上の貫通孔142のロケーションが、安全用ブルワーク119、130の側部116上での接続部位117のロケーションに対応する。したがって、一対のこのような安全用ブルワーク119および/または130が隣り合うように互いに隣接して配置され、スペーサ140のうちの1つのスペーサがそれらの間に配置される場合、スペーサ140上の貫通孔142が安全用ブルワーク119、130の側部116上の接続部位117に位置合わせされ得る。さらに、隣接する対の安全用ブルワーク119、130が、それらの間に配置されるスペーサ140のそれぞれの貫通孔142を介して互いに接続され得る。例えば、外辺部保護システム104を設置しているところの外辺部ガードレールに平行な方向において、ボルトなどのコネクタが、一対の安全用ブルワーク119または130のうちの第1の安全用ブルワークの側部116内の貫通孔に挿入され、スペーサ140のそれぞれの貫通孔142を通過し、一対の安全用ブルワーク119または130のうちのもう一方の安全用ブルワークの側部116内の貫通孔から出ることができる。次いで、ボルトに例えばナットが装着され得、これらの両方が、隣接する対の安全用ブルワーク119、130およびそれらの間に配置されるスペーサ140を互いに当接させるようになるまで、一体に締められ得る。これにより、安全用ブルワーク119、130の間に配置されるスペーサ140を介して隣接する対の安全用ブルワーク119、130が互いに迅速かつ容易に接続されることが可能となり、それにより、隣接する対の安全用ブルワーク119、130およびスペーサ140を備える丈夫で構造的に健全な安全バリアを形成する。
【0085】
図33から35からやはり分かるように、スペーサ140は、スペーサ140がノーズ146をさらに備えるという点で、図29および30に示されるスペーサ40とは異なる。スペーサ140が外辺部保護システム内の隣接する対の安全用ブルワーク119および/または130の間に配置される場合、ノーズ146が、図30で最もよく分かるように、隣接する対の安全用ブルワーク119、130のそれぞれの1つの安全用ブルワーク上のマウンド133の隣接する側面5g、5hの間で海側方向へと外側に突出する。これが、隣接する対の安全用ブルワーク119、130の間に無許可乗り込み可能性者が押し入ろうとするのを妨害するための追加の障害物を提供する。
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