【課題を解決するための手段】
【0010】
上記技術的問題を解決するために、本発明は以下の技術案により達成される。
発泡組成物であって、(E)−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン(HFO−1336mzz(E))、(E)−1−クロロ−,3,3,3−トリフルオロプロピレン(HCFO−1233zd(E))及び1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン(HFC−236ea)からなる。
【0011】
本発明の好適な実施形態として、前記共沸及び共沸様組成物は、好ましくは、(E)−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン80〜95重量%、(E)−1−クロロ−,3,3,3−トリフルオロプロピレン1〜19重量%及び1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン1〜10重量%からなり、前記組成物は、14psia±0.5psiaの圧力下で、沸点が8.5℃±0.5℃である。
【0012】
本発明の好適な実施形態として、前記共沸及び共沸様組成物は、好ましくは、(E)−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン85〜95重量%、(E)−1−クロロ−,3,3,3−トリフルオロプロピレン1〜10重量%及び1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン1〜5重量%からなり、前記組成物は、14psia±0.5psiaの圧力下で、沸点が8.5℃±1℃である。
【0013】
本発明の好適な実施形態として、前記共沸及び共沸様組成物は、好ましくは、(E)−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン90〜95重量%、(E)−1−クロロ−,3,3,3−トリフルオロプロピレン4〜9重量%及び1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン1〜2重量%からなり、前記組成物は、14psia±0.5psiaの圧力下で、沸点が8℃±0.5℃である。
【0014】
共沸(Azeotrope)については、気相と液相の組成が平衡状態で同じ混合液体に対応する温度が共沸温度または共沸点と呼ばれる。共沸混合物とは、一定の圧力下で沸騰するときに、組成および沸点を保持する二成分または多成分液体混合物をいう。全ての二成分液体混合物が共沸混合物を形成するわけではない。このような混合物の温度−成分相図は、気相線(気液混合物と気体との間の境界)と液相線(液体と気液混合物との間の境界)が同じ最高点または最低点を共有するという顕著な特徴を有する。このような点が最高点である場合、正の共沸混合物、このような点が最低点である場合、負の共沸混合物と呼ばれる。ほとんどの共沸混合物は負の共沸混合物であり、すなわち、最も低い沸点を有する。いずれの共沸混合物も特定の外圧に対するものであり、共沸成分と沸点が圧力によって異なる。共沸混合物がその共沸点に達すると、その沸騰による気体部分の組成の比率が液体部分の組成と全く同じであるため、溶液成分は蒸留によって分離することができない。すなわち、共沸混合物の2つ以上の成分は、単なる蒸留または分留によって分離することができない。
【0015】
共沸様組成物とは、沸騰または蒸発時に定沸特性又は分留しない傾向を有するので、沸騰または蒸発の間に形成される蒸気の組成は、初期液体の組成と同じまたは実質的に同じであり、液体の組成に変化があっても、無視できる程度の変化である。
【0016】
共沸混合物または共沸様混合物の本質的な特徴は、液体組成物の沸点が所定圧力で固定され、沸騰組成物より上の蒸気の組成が沸騰している液体組成物の組成とほぼ同じであることにある。
【0017】
共沸又は共沸様は圧力と組成の変化によるものであり、本発明に係る共沸及び共沸様組成物は、基本的に共沸又は共沸様の有効量の(E)−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン、(E)−1−クロロ−,3,3,3−トリフルオロプロピレン及び1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパンからなる。本発明に係る共沸及び共沸様組成物は多くの用途に使用することができ、たとえば、前記共沸及び共沸様組成物は、冷媒組成物、発泡剤組成物、噴霧組成物、ヒートポンプ組成物及び溶媒組成物のシステム組成物から選ばれる作動組成物として使用され得る。
【0018】
本発明の好適な一実施形態は、本発明の共沸及び共沸様組成物を含む冷媒組成物に関する。
【0019】
本発明の別の好適な実施形態は、本発明の共沸及び共沸様組成物を含む発泡組成物に関する。
【0020】
本発明の組成物は、HCFC−141b及びシンプレックスHFC−245faと比較して化学的安定性が良好であり、通常の条件下では分解が起こらず、ポリウレタンの発泡過程に使用される金属材料とは反応も表面腐食も起こらず、プラスチックやエラストマーへの影響がHCFC−141bに比べて小さく、発泡体の流動性、接着性、発泡製品の圧縮強度や引張り強度などの特性が向上して、泡の寸法安定性に優れ、発泡体材料の使用量も適切に減少させることができ、熱伝導率がHCFC−141bに近い。
【0021】
熱伝導率は、ポリウレタン硬質発泡プラスチックの断熱特性を評価する重要な指標である。本発明の混合物は、気相熱伝導率がHCFC−141bの気相熱伝導率よりわずかに高いが、発泡プラスチックの熱伝導率は発泡剤の熱伝導率だけでなく、セルの大きさ、密度および密度の均一性などの要素にも依存する。発泡調製法を改良することによって、より低い熱伝導率を有する発泡体を製造することができる。本発明の混合物を発泡させてなるポリウレタンフォームはセルが細くて、断熱性能がHCFC−141bによる発泡フォームと同等であり、エネルギー消費が約1%高く、それに対して、シクロペンタンの場合は、エネルギー消費は、HCFC−141bよりも10%、HFC−365mfcよりも7%、HFC−134aよりも13%高い。
【0022】
本発明の別の好適な実施形態は、本発明の共沸及び共沸様組成物を含む噴霧組成物に関する。