【文献】
American Society of Agricultural and Biological Engineers,2015年,vol.58, no.1, p.5-16
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記グラムタイプの決定が、取得した光強度、又はそれから計算された値を関連する、所定の線形予測をグラムタイプに適用し、その後、適用された線形予測の結果を閾値化することを含む、請求項1から4の何れか一項に記載の検出。
前記グラムタイプの決定が、取得した光強度、又はそれから計算された値にSVMタイプの2クラス分類を適用することを含む、請求項1から4の何れか一項に記載の検出。
前記光強度を取得することが、株の細菌のコロニーのハイパースペクトル又はマルチスペクトル画像を取得することを含み、該光強度が、コロニーに対応する前記画像の少なくとも1つのピクセルの関数として決定される、請求項1から14の何れか一項に記載の検出。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、自動化され、かつ、そのグラムを決定するために細菌の標識化又は染色を必要としない、細菌株のグラムタイプを決定する方法を提供することである。
【0008】
この趣旨で、本発明の主題は、
− 415nm〜440nmの波長範囲で、該範囲において自然電磁応答を有する前記株の少なくとも1つの細菌を照明すること;
− 415nm〜440nmの範囲で、前記照明された細菌によって反射される又は該細菌を透過する光強度を取得すること;及び
− 415nm〜440nmの範囲で取得された光強度の関数として細菌株のグラムタイプを決定すること
を含む、細菌株のグラムタイプを検出するためのプロセスである。
【0009】
本発明の目的について、表現「自然電磁」応答は、細菌が、少なくとも対象とする波長範囲の照明に対するその電磁応答を改変する要素(色素、色素原(chromogene)、蛍光原(fluorogene)等)によって改変されていないことを意味することが意図されている。例えば、株のコロニーは、無着色、非色素原性、及び非蛍光性の栄養培地で培養され、照明/取得は、その培地にまだ存在しているコロニーに直接行われる。
【0010】
言い換えれば、本発明者らは、細菌が「自然に」そのグラムタイプの電磁シグネチャ特性を有する波長範囲を発見した。よって、本発明に従う方法は、このシグネチャを測定し、その後、そこからグラムタイプを抽出することからなる。したがって、発色性又は蛍光性の基質又は色素を使用する必要はない。さらには、本発明に従う方法は、照明し、スペクトルを測定し、このスペクトルを処理、特にコンピュータ処理を行うことで構成される限り、速い。
【0011】
一実施態様によれば、該細菌はまた、750nm〜800nmの波長範囲における自然電磁応答も有し、かつ、
− 該細菌の照明もまた750nm〜800nmの波長範囲で行われ;
− 照明された細菌によって反射される又は該細菌を透過する光強度の取得もまた、750nm〜800nmの範囲で行われ;かつ
− 細菌株のグラムタイプの決定は、415nm〜440nm及び750nm〜800nmの範囲で取得した光強度の関数として行われる。
【0012】
言い換えれば、細菌は、そのグラムの750nm〜800nmの範囲の特性に自然電磁シグネチャも含む。グラムの検出もまた、この範囲で行うことができる。有利には、2つの波長範囲を組み合わせることによって、グラムタイプの決定において、より良好な精度が得られる。
【0013】
一実施態様によれば、グラムタイプの決定は、
− 取得した光強度の関数としての前記照明された細菌の反射率又は吸収係数の計算
− 計算された反射率又は吸収係数の関数としてのグラムタイプの決定
を含む。
【0014】
言い換えれば、反射率又は吸収係数は、これが照明及びセンサのスペクトルの挙動に関して測定された信号を補正することから(例えば対象範囲における照明のスペクトルの白色点、黒色点、不均一性等)、細菌の自然電磁挙動をより忠実に反映し、したがって、より正確な検出が可能になる。
【0015】
特に、グラムタイプの決定は、
− 計算された反射率又は吸収係数の波長での一次導関数の計算;
− 計算された一次導関数の関数としてのグラムタイプの決定
を含む。
【0016】
言い換えれば、本発明者らは、グラムの電磁シグネチャ特性が、光強度又は反射率/吸収係数を導き出すときに、より識別力があり、それによって、より正確な検出が可能となることを指摘している。
【0017】
一実施態様によれば、グラムタイプの決定は、415nm〜440nmの範囲の単一波長、特に420nmの波長における光強度の関数として行われる。より詳細には、グラムタイプの決定は、
− 420nmにおける光強度に等しい値、又はそれから計算された値を、所定の第1の閾値及び所定の第2の閾値と比較し、グラム陰性染色からグラム陽性染色を分離することであって、第1の閾値が第2の閾値よりも大きく;
− 前記値が第1の閾値を上回る場合にグラム陰性と決定し、前記値が第2の閾値を下回る場合にグラム陽性と決定すること
を含む。
【0018】
言い換えれば、特に420nmにおいてなど、単一波長を用いてさえも、検出において良好なレベルの精度が得られる。特に、単純閾値化により、80%の最小精度を有することが可能となる。これは、コンピュータ計算、及び/又は、照明及びセンサを単純化可能にする。決定は、光強度自体に基づいて行うことができ、あるいはその前処理(例えばノイズのフィルタリング、オフセットの除去、一次又は二次導関数への移行等)の後に行うこともできる。
【0019】
一実施態様によれば、グラムタイプの決定は、取得した光強度、又はそれから計算された値を連結する、所定の線形予測をグラムタイプに適用し、その後、適用された線形予測の結果を閾値化することを含む。このような技法は、(未記載)よりも高い精度レベルを達成することを可能にする。
【0020】
変形として、グラムタイプの決定は、取得した光強度、又はそれから計算された値へのSVMタイプの2クラス分類の適用を含む。
【0021】
一実施態様によれば、照明及び取得は、細菌株のコロニー及び該コロニーが成長した栄養培地を含むサンプルに直接行われる。
【0022】
言い換えれば、本発明が、実施するために特定のサンプル調製物の提供を含まないように、本発明は、有利には、例えばペトリ皿上など、通常は微生物のワークフローで、すなわちコロニーの成長において産生されるサンプルに直接適用される。さらには、コロニーは、株の非常に大量の細菌を含む。よって、コロニーが反射する、又はコロニーを透過する強度の測定は、検出の信頼性の程度を自然に増加させることができ、例えば、強度は自然に平均化される。しかしながら、本発明は、細菌の個々の検出に適用され、幾つかの細菌が観察された場合に統計的研究を実施可能であることに留意されたい。同様に、本発明は、当然、例えば細菌が懸濁されている液体培地など、ペトリ皿に通常使用されるもの(通常は寒天)以外の培地にも適用される。
【0023】
特に、グラムタイプの決定は、前記栄養培地の関数として行われる。言い換えれば、栄養培地は、対象とする波長範囲に、それ自体の「電磁シグネチャ」も有しており、したがって、グラムタイプの検出を妨害する可能性がある。栄養培地を考慮に入れることにより、処理中に、又はコロニーの成長に使用する培地の選択中に、より良好な検出精度が得られる。
【0024】
特に、その表面でコロニーが成長する不透明基質は、好ましくは10%以下、好ましくは5%以下の反射率ρを有する。特に、反射された光強度に基づく検出の文脈では、より良好な精度が得られる。
【0025】
一実施態様によれば、光強度の取得は、株の細菌のコロニーのハイパースペクトル又はマルチスペクトル画像の取得を含み、光強度は、コロニーに対応する画像の少なくとも1つのピクセルの関数として決定される。特に、光強度は、コロニーに対応する画像の平均ピクセルに等しい。
【0026】
言い換えれば、ハイパースペクトル又はマルチスペクトル画像は、単一のセンサによって415nm〜440nm及び750nm〜800nmの2つの範囲を同時に取得することを可能にし、また、幾つかのピクセルにわたって取得された各波長の空間平均を取得することも可能にし、それによって検出の精度を高める。それ自体知られているように、用語「ハイパースペクトル」は、全体として(サンプリング間隔の範囲内まで)、波長範囲の取得に対応するのに対し、用語「マルチスペクトル」は、概して、異なる範囲での取得のことを指す。
【0027】
本発明の主題はまた、本明細書に記載された方法を実行するためのシステムでもある。特に、本発明の主題は、
− 415nm〜440nmの波長範囲で、株の少なくとも1つの細菌を照明するように構成された照明;
− 415nm〜440nmの範囲で、前記照明された細菌によって反射される又は該細菌を透過する光強度を取得するように構成されたセンサ;及び
− 415nm〜440nmの範囲で取得された光強度の関数として細菌株のグラムタイプを決定するように構成されたコンピュータユニット
を含む、細菌株のグラムタイプを検出するためのシステムである。
【0028】
一実施態様によれば:
− 照明は、750nm〜800nmの波長範囲で前記細菌を照明するように構成されており;
− センサは、750nm〜800nmの波長範囲で、前記照明された細菌によって反射される又は該細菌を透過する光強度を取得するように構成されており;かつ
− 前記コンピュータユニットは、415nm〜440nm及び750nm〜800nmの範囲で取得した光強度の関数として細菌株のグラムタイプを決定するように構成されている。
【0029】
一実施態様によれば、システムは、前記株の細菌のコロニー及び該コロニーが成長した栄養培地、特にペトリ皿を含むサンプルを照明し、それらの画像を取得するように構成されている。
【0030】
本発明は、単なる例として与えられ、かつ、同一の参照が同一又は類似の要素を示す添付の図面に関して提供される、以下の説明を読むことによってより明確に理解されよう。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下の文では、表記A
i,jは、行列Aのi番目の行及びj番目の列の要素に関連する。
【0033】
図1を参照すると、第1の実施態様に従う細菌株のグラムタイプを検出するためのシステム10は、
− ハイパースペクトル画像の取得のためのデバイス12;及び
− デバイス12を制御するため、かつ、該デバイス12によって取得された画像を受信し処理するために、デバイス12に接続(例えば有線又は無線リンクによって)された、データ処理コンピュータユニット14
を含む。
【0034】
デバイス12、例えば、米国モンタナ州所在のResonon社の基準「Pika II」のハイパースペクトル画像システムは、
− 波長範囲[λ
min;λ
max]=[400;900]ナノメートルに感受性のCCD又はCMOSタイプのデジタルセンサなどの基本的センサのネットワークを含むデジタルセンサと、光散乱素子又は該センサによって取得される波長を選択するためのスペクトログラフとからなる、「ハイパースペクトル」カメラ18;
− カメラ18のデジタルセンサに、そのハイパースペクトル画像を取得することが望ましいペトリ皿22の光学像を集束させるための対物レンズ20;
− 例えば、ペトリ皿22の均一な前面照明を生成するために、範囲[λ
min;λ
max]で発光可能な、例えば2つ又は4つのランプなど1つ以上のアロジェニックなランプからなる、前面照明24。例えば、照明は白色ランプである;
− 範囲[λ
min;λ
max]でペトリ皿22の均一な背面照明を生成するために、例えば白色LEDマトリクスからなる、背面照明26;及び
− ペトリ皿22を着座させ、走査することによってペトリ皿22の全体画像を得るために、該ペトリ皿22が対物レンズ20の前を通過することを可能にする、キャリッジ28
を含む。
【0035】
デバイス12は、例えば、160マイクロメートルのサンプリング間隔(空間分解能は300マイクロメートルと推定される)及び範囲[λ
min;λ
max]にわたる1.7ナノメートルのスペクトル分解能で、90ミリメートル×90ミリメートルの領域の画像を取得するように構成される。
【0036】
よって、デバイス12は、N行及びM列を有する、ペトリ皿によって反射された光のデジタル画像HSIを生成し、該ペトリ皿22は、好ましくは開いている(すなわち、蓋なし):
【0037】
一般に「光強度」と称される、ピクセルの輝度は、本明細書では、例えばデジタル写真の分野からそれ自体知られているように、露光時間の間にカメラ18のセンサの対応する基本的な感受性部位の表面に入射する光量に対応する。
【0038】
各ピクセルRad
i,j(λ)は、さまざまな波長[λ
min;λ
max]における、ピクセルに対応する皿22の輝度のデジタルスペクトルで構成されており、該デジタルスペクトルは、次の関係によって表される:
式中、Δλはスペクトル分解能であり、pは、
に属する正の整数である。取得波長λ
min+p×Δλは、通常、用語「チャネル」で表される。
【0039】
データ処理ユニット14は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォン、サーバ、スーパーコンピュータ、若しくは、より一般的には、取得デバイス12によって生成されたHSI画像の処理を実行するように構成された、特にDSP(デジタルシグナルプロセッサ)タイプの、1つ以上のマイクロプロセッサに基づくもの、FPGAタイプの回路に基づくもの、これらの技術タイプを混在させる回路に基づくもの等、あらゆるシステムである。ユニット14は、特に、デバイス12によって生成された画像を保存するためのすべてのメモリ(RAM、ROM、キャッシュメモリ、メインメモリ等)、発明に従う方法を実施するための演算命令、この実行および中間計算と最終計算の結果、特に決定されたグラムタイプの保存に使用されるパラメータを有する。ユニット14は、任意選択的に、グラムタイプの決定の最終結果を視覚化するための表示画面を含む。単一の処理ユニットが記載されているが、本発明は、明らかに、幾つかの処理ユニット(例えば、HSI画像の前処理を実行するためにカメラ18内に取り付けられたユニット、及び残りの処理を実行するためのデバイス12の外部のユニット)によって実行される処理に適用される。さらには、システムには、例えば、キーボード/マウス、オペレータが利用可能なスクロールダウンメニュー、及びペトリ皿上に存在しかつ培地に関する情報を含むバーコード/QRコードを読み取るバーコード/QRコードリーダー等によって、ユニット14内に、サンプルに関する、特に予測が培地に依存する場合に使用される培地の種類に関するデータを入力することを可能にするインターフェースを補充することができる。
【0040】
先ほど説明したシステムによって細菌株のグラムタイプを決定するプロセス30が、
図2のフローチャートに関連して詳細に説明される。
【0041】
本プロセスの第1のステップ32では、細菌株の少なくとも1つのコロニーが、ペトリ皿に入れた栄養培地、又は「培養」培地の表面で培養される。栄養培地の主な目的は、該コロニーを成長させ、任意選択的に、光の乱れを制限することによってグラムタイプの検出の精度を補強することである。好ましくは、反射された光強度の関数としてのグラムタイプの検出に関して、栄養培地は不透明であり、それによって検出の精度を上げる。特に、不透明培地は、10%以下、及び好ましくは5%以下、さらにより優先的には1%以下の反射率係数ρを有する。例えば、培養培地は、「CPSO」寒天(培地を不透明にするためにSiO
2を含む、「CPS」寒天)、「コロンビア」寒天(又は「CNA」寒天)、5%のヒツジ血液を含むコロンビア寒天(又は「COS」寒天)、Man−Rogosa−Sharpe寒天(「MRSM」寒天)、チョコレート寒天(「PVX」寒天)等である。
【0042】
このタイプのコロニーの成長は一般的であることから、それについてはこの後でさらに詳細には説明しない。それは、有利には、オペレータが手動で、又は、それ自体知られている方法で播種するための自動化デバイスによって自動的に、実行することができる。有利には、その調製は、それに基づいてグラムタイプの予測が行われるコロニーが、互いに離れるように、かつ、コロニーの表面が、デバイス12によって取得された画像における複数のピクセルに対応するように行われる。これは、特に、取得された画像におけるその後の識別を容易にすることを可能にする。
【0043】
ひとたびコロニーの成長が終わると、ペトリ皿は開かれ、キャリッジ28の上に置かれ、照明24及び26が点灯され、34において、取得デバイス12によってペトリ皿の少なくとも1つのハイパースペクトル画像HSIが取得され、該取得された画像に基づいて株のグラムタイプを決定するためにコンピュータ処理を行う処理ユニット14に保存される。
【0044】
ユニット14は、任意選択的に、36において、次の処理動作のうちの1つ又はこれらの処理動作の任意の組合せからなる、ノイズの前処理から始まる:
a.それ自体知られている方法でのカメラ18のセンサのノイズ、特にそのオフセット、その空間ノイズ等の補正;
b.例えば、ピクセルが有することができる最大値の例えば3分の2以上(すなわち、8ビットで符号化された、0〜255のピクセルの場合には、170以上)など、所定の閾値を上回る値を有するピクセルを排除するために行われる閾値化など、寄生、特に鏡面反射性の、HSI画像に「過度に明るい点」を形成する反射の処理;
c.細菌のタイプ及び使用される寒天のタイプによって変動しない波長で反射された光強度でHSI画像を除算することによって、照明の変動などの外部変動によって生じる画像の変動の低減を可能にする、ラジオメトリック処理;
d.幾つかのHSI画像が取得された場合に、異常なピクセル値を検索及び除去し、及び/又は、取得された画像を平均化すること。
【0045】
処理は、38において、前処理されたHSI画像を反射率のハイパースペクトル画像へと変換することを伴って、続行され、これは、ペトリ皿のみで生成された信号を抽出するために、異なる波長の輝度値を保存する。これは、特に、照明源24、26の発光スペクトルの変動のフィルタリングを可能にする。例えば、反射率を得るために、「フラットフィールド補正」(FFC)タイプの補正が行われ、これはまた、ピクセル間センサ応答のばらつき(暗電流のばらつき、ゲインのばらつき等)を補正するという利点を有する。この変換は、例えば、次の関係に従う補正である:
式中、γ(λ)は反射率の画像であり、Wは、照明24、26を照射された、高反射率の中性物体、例えば90%を超える均一な反射率のシート(例えば、「白色」シート又は10%未満のグレーチャートを有するもの)の、ユニット14に保存されたハイパースペクトル画像であり、Bは、低反射率の中性物体、例えば対物レンズ20を遮蔽する黒色のカバーの画像の、ユニット14に保存されたハイパースペクトル画像であり、m(λ
min+p×Δλ)=1であるか、又はマトリクスW(λ
min+p×Δλ)−B(λ
min+p×Δλ)の平均に等しい。
【0046】
ユニット14は、40において、ステップ38の後に、又は先行するステップと並行して、例えばHSI(λ)又はγ(λ)画像から細菌のコロニーを特定するアルゴリズムを実行する。任意の従来形状及び物体認識アルゴリズムを使用して、コロニーに対応する「Col(λ)」と呼ばれる画像のゾーンを抽出することができる。変形として、この選択は、例えば、表示画面及びマウスタイプのポインティング機構の援助を得て、このゾーンを選択するオペレータによって手動で行われる。例として、ゾーンCol(λ)は、コロニーに属するピクセル座標のリストからなる。選択されるピクセルゾーンは、ユニット14によって保存される。
【0047】
プロセスは、42において、ゾーンCol(λ)に含まれる画像γ(λ)のピクセルの関数としての決定変数X
col(λ)の計算を伴って続行され、この変数には、グラムタイプの予測のための規則が適用される。1つの変形では、決定変数X
col(λ)は、画像γ(λ)のみに基づいている。他の変形では、画像γ(λ)は、後により詳細に説明するように、反射率画像γ(λ)の関数として計算された1つ以上の他のタイプのパラメータで補完または置換される。この趣旨で、反射率画像γ(λ)の処理は、したがって、任意選択的に行われる。特に、ユニット14は、次のパラメータのうちの1つ又は他のものを計算する:
i.例えば、ベール−ランベルト変換(関係(4))又はクベルカ−ムンク変換(関係(5))による、吸光度画像A(λ)。理論に縛られることなく、本発明者らの意見では、グラム陰性細菌は、[415〜440]nmの範囲の吸収剤であるチトクロームの含量がより高い点でグラム陽性細菌と異なり、吸光度画像への変換を特徴付け可能にする:
ii.光学効果による変動を低減するために正規化された反射率画像γ(λ)又は正規化された吸光度画像A(λ)。ユニットは、例えば、面積正規化、単位ベクトル正規化、平均正規化、最大正規化、範囲正規化、又はピーク正規化を実行する。これらの正規化は、例えば、文献K. Varmuza and P. Filzmoser, “Introduction to Multivariate Statistical Analysis in Chemometrics”, CRC Press, 2009及び文献A. Rinnan, F. van den Berg and S. Engelsen, “Review of the most common pre-processing techniques for near-infrared spectra”, Trends in Analytical Chemistry, vol. 28, No. 10, 2009に記載されている;
iii.スペクトルの挙動の変化を強調し、かつ、ベースラインを低減するために、正規化又は非正規化された反射率画像γ(λ)若しくは正規化又は非正規化された吸光度画像A(λ)の波長の一次導関数
又は、二次導関数
。好ましくは、多項式局所フィルタリングアルゴリズムは、エラー伝播を低減するために使用され、有利には、文献A. Savitzky and M.J.E. Golay “Smoothing and differentiation of data by simplified least squares procedures”, Anal. Chem., vol. 36, pp.1627-1639, 1964に記載されるアルゴリズムである。
【0048】
その後、各コロニーのグラムタイプが、44において、その変形が以下に記載されるあらかじめ定義された決定規則を提供することによって、変数X
col(λ)の関数としてユニット14によって予測される。予測されたグラムタイプは、ユニット44に保存され、及び/又は、画面に表示される。この予測発明は、例えば、その後のコロニーの同定/特徴付けのステップのために、他の微生物分析機器に送達される。
【0049】
A.
シングルチャネルアプローチ
第1の変形では、単一変数及びシングルチャネルアプローチがユニット14で実行される。この手法によれば、決定変数X
col(λ)は、例えば、コロニーの(正規化又は非正規化された)反射率、又はコロニーの(正規化又は非正規化された)吸光度、又はそれらの一次導関数又は二次導関数など、415nm〜440nmの波長範囲のあらかじめ定義された波長λ
cをとる単一の値になる。
【0050】
反射率に基づく第1の変形では、ユニット14は、42において、例えば、次の関係に従うコロニーのピクセルの平均スペクトルなど、コロニーの反射率のスペクトルを計算する:
式中、N
colは、ゾーンCol(λ)のピクセルの数である。よって、決定変数X
col(λ)はγ
col(λ
c)に等しい。ユニット14はまた、波長λ
cにおけるコロニーの測定の誤差、特に、ピクセルゾーンCol(λ)に属するピクセルのすべての値γ
i,j(λ
c)の「SD」で示される標準偏差も計算する。
【0051】
次に、44において、ユニット44は、スペクトル値γ
col(λ
c)に次の比較規則を適用する:
式中、
及び
は、培養培地に優先的に依存し、ユニット14に保存される、2つのあらかじめ定義された閾値である。変形として、測定誤差SDとしてゼロを選択することができる。
【0052】
図3Aは、透明培地(この事例ではCPSE)上で成長したコロニー、すなわち10のグラム陰性(「GN」)株(大腸菌(Escherichia coli)(3株)、エンテロバクター・クロアカ(Enterobacter cloacae)、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)、プロビデンシア・スチュアーティイ(Providencia stuartii)、セラチア・マルセッセンス(Serratia marcescens)、クレブシエラ・ニューモニエ(K. pneumoniae)、モルガネラ−モルガニイ(Morganella morganii)、シトロバクター・フロインディー(Citrobacter freundii))及び10のグラム陽性(「GP」)株(スタフィロコッカス・サプロフィティカス(Staphylococcus saprophyticus)、エンテロコッカス・フェカーリス(Enterococcus faecalis)(2株)、B群溶血性連鎖球菌(Streptococcus agalactiae)、スタフィロコッカス・サプロフィティカス(2株)、B群溶血性連鎖球菌、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、B群溶血性連鎖球菌(Streptococcus agalactiae))の平均スペクトルγ
col(λ)を示している。
図3Bは、415nm〜440nmの範囲のより詳細な図である。
図4A及び4Bは、同じスペクトルであるが、不透明培地(この事例では、SiO
2粒子を含むという点でCPSEとは異なる、CPSO)上で成長した株についてのスペクトルを示している。これらの例から分かるように、少なくとも415nm〜440nmの範囲では、2つのグラムタイプは、互いに異なっており、その差異は不透明培地でさえも非常に顕著である。特に、415nm〜440nmの範囲では、グラム陰性細菌のスペクトルは、グラム陽性細菌のスペクトル未満であることが観察される。
【0053】
第1の変形を、臨床感染症に最も一般的に関与するものの中から、各培養培地で培養した30の細菌株、すなわち(括弧内の種ごとの株の数)について試験した:
− グラム陰性:大腸菌(1)、クレブシエラ・ニューモニエ(1)、クレブシエラ・オキシトカ(Klebsiella oxytoca)(1)、プロテウス・ミラビリス(1)、モルガネラ−モルガニイ(1)、ステノトロホモナス・マルトフィリア(Stenotrophomonas maltophilia)(1)、アシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumanii)(1)、エンテロバクター・クロアカ(1)、セラチア・マルセッセンス(1)、シトロバクター・コセリ(Citrobacter koseri)(1)、エンテロバクター・アエロゲネス(Enterobacter aerogenes)(1)、モラクセラ・カタラーリス(Moraxella catarrhalis)(1)、ハフニア・アルベイ(Hafnia alvei)(1)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)(1)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)(1);
− グラム陽性:コリネバクテリウム・ジェイケイウム(Corynebacterium jeikeium)(1)、コリネバクテリウム・アミコラツム(Corynebacterium amycolatum)(1)、エンテロコッカス・フェカーリス(1)、エンテロコッカス・フェシウム(1)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)(1)、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)(1)、スタフィロコッカス・ヘモリチカス(Staphylococcus haemolyticus)(1)、スタフィロコッカス・ホミニス(Staphylococcus hominis)(1)、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)(1)、B群溶血性連鎖球菌(1)、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)(1)、ストレプトコッカス・アンギノサス(Streptococcus anginosus)(1)、ストレプトコッカス・ビリダンス(Streptococcus viridans)(1)。
【0054】
415nm〜440nmの範囲の各チャネルλについて、グラム陽性株の値λにおけるスペクトルの最少値
が決定される。同様に、グラム陰性株の値λにおけるスペクトルの最大値
が決定される。よって、培養培地で保持されるチャネルλ
cは、範囲
を最大化するものであり、該培地で保持されるあらかじめ定義された閾値は、それぞれ、値
及び
である。CPSE培地では、10種のグラム陽性株及び9種のグラム陽性株を含む、上に列挙したものと同一の19の株種のグラムタイプを、90%に近い成功率で予測した。CPSO培地では、これらの同一の株の成功は100%である。
【0055】
反射率の一次導関数に基づく第2の変形では、ユニット14は、42において、例えば、上述のコロニーのピクセルの平均スペクトルγ
col(λ)などのコロニーの反射率のスペクトルを計算し、その後、平均スペクトルの一次導関数
を計算する。よって、決定変数X
col(λ)は、
に等しい。44において、ユニット14は、例えば、次の関係に従って判別する線形モデルなどの予測モデルを上記変数に適用する:
式中、グラムはスコアであり、パラメータa及びbは、ユニット14に保存され、かつ、培養培地に優先的に依存する、あらかじめ定義された係数である。
【0056】
第2の変形を、臨床感染症に最も一般的に関与するものの中から、28はグラム陰性であり、24はグラム陽性である、19の異なる種に属する52株、すなわち(括弧内の種ごとの株の数)について試験した:
− グラム陰性:大腸菌(9)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)(3)、エンテロバクター・クロアカ(1)、セラチア・マルセッセンス(2)、シトロバクター・フロインディー(2)、プロテウス・ミラビリス(2)、プロビデンシア・スチュアーティイ(1)、モルガネラ−モルガニイ(2);
− グラム陽性:スタフィロコッカス・サプロフィティカス(9)、B群溶血性連鎖球菌(7)、エンテロコッカス・フェシウム(3)、エンテロコッカス・フェカーリス(3)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)(1)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)(1)。
【0057】
図5は、関係(10)についての学習モデルを示しており、観察されたグラム陰性には値0が割り当てられ、観察されたグラム陽性には値1が割り当てられている。それ自体知られている方法でパラメータa及びbを決定するために、観察されたグラムと予測されたグラムとの線形回帰が行われる。モデルは、400nm〜900nmの範囲の各波長で学習し、
図6は、透明な培養培地(この事例ではCPSE)についての波長の関数としての相関係数を示している。このコレログラムの最大値は、波長λ
cに対応し、したがって、415nm〜440nmの範囲の際立った特徴が、線形回帰λ
cによって自動的に見いだされ、実際には415.3ナノメートルに等しいことが観察される。
図7は、CPSE培地についての上述の株の既知のグラムの関数としての予測されたグラムを示しており、成功率は80%を上回る。さらには、不透明培地についての成功率は100%である。幾つかの決定変数を試験し、
図8の表に該変数が列挙されている。非正規化された反射率の一次及び二次導関数は、最高の成功率を生じる変数であるように見えるが、しかしながら、節約の原則に従えば、一次導関数が好ましい。
【0058】
B.
マルチチャネルアプローチ
この手法によれば、415nm〜440nmの波長範囲の幾つかのチャネルが、有利には、任意選択的に、750nm〜800nmの範囲のチャネルと組み合わせて使用される。決定変数X
col(λ)は、例えば、400nm〜900nmの範囲全体にわたる、平均スペクトル反射率(正規化又は非正規化された)、吸光度(正規化又は非正規化された)、一次導関数又は二次導関数である。
【0059】
第1の変形によれば、及び上述の理由から、非正規化された反射率の一次導関数が用いられる。よって、ユニット14は、42において、上述したように、400nm〜900nmの範囲にわたって、平均スペクトルγ
col(λ)の一次導関数
を計算し、この導関数は、決定変数X
col(λ)を構成する。44において、ユニット14は、例えば、次の関係に従う線形モデルなどの予測モデルを上記変数に適用する:
式中、グラムはスコアであり、パラメータa
p及びbは、ユニット14に保存され、かつ、培養培地に優先的に依存する、あらかじめ定義された係数である。関係(13)についての予測モデルは、線形回帰によって、上述のものと同様の方式で学習される。
図9は、CPSE培地について観察されたグラムの関数としての予測されたグラムを示している。観察されたグラムについては、相関の程度は95%である。
図10は、係数a
pを示している。本明細書では、予測モデルは、該予測モデルの2つの原則的な波長範囲、すなわち、415nm〜440nmの範囲、より詳細には421nm〜436nmの範囲、及び750nm〜800nmの範囲を使用することに留意されたい。よって、750nm〜800nmの範囲はまた、細菌のグラムタイプに関する特徴的なスペクトル情報も含むことが観察される。
【0060】
第2の変形によれば、決定変数は、マルチチャネルかつマルチピクセルでもあり、コロニーの各ピクセルのスペクトル情報が用いられ、前述のように平均化されていない。用語「平均」とは対照的に、ピクセルに関連するスペクトル情報は、用語「個々」で表される。特に、決定変数X
col(λ)は、ゾーンCol(λ)のピクセルの反射率(正規化又は非正規化された)、吸光度(正規化又は非正規化された)、それらの一次導関数、又はそれらの二次導関数の個々のスペクトルのすべてからなる。
【0061】
例えば、400nm〜900nmの範囲にわたる、正規化された反射率のスペクトル
を考慮することにより、(例えば、各個別のスペクトルをそのユークリッド・ノルムで除算することにより)、ユニット14は、44において、次の関係に従って、2クラス分類に基づいた予測規則(すなわち、例えば陽性の値に割り当てられる、グラム陽性、及び、例えば陰性の値に割り当てられる、グラム陰性)を実行する:
式中、グラムは、400nm〜900nmの範囲のチャネルの数Pに等しい次元ベクトルであり、X
col(λ)は、この場合、反射率
の正規化個別スペクトルにそれぞれ等しい行列であり、
は、Pに等しい、次元のあらかじめ定義された列ベクトルであり、N
pos(グラム)は、正のグラムベクトルの成分の数であり、N
neg(グラム)は、負のグラムベクトルの成分の数である。ユニット14に保存されるパラメータ
及びβ
0は、培養培地に優先的に依存する。予測は、多数決に基づいて、変形として、ベクトル
の平均について行うことができ、この平均が負の場合にグラム陰性が予測され、この平均が正の場合にグラム陽性が予測される。
【0062】
第1の例では、関係(14)についての予測モデルは、次の関係に従ってSVM(サポートベクターマシン)タイプの最適化の問題を解決することによって、前述した52株のピクセルに基づいて習得される:
該式は、次の制約を受ける:
式中、Nは反射率の正規化された個別スペクトルの数であり、γm(λ)で示され、学習に用いられ、1からMまで番号が付され、
において、m番目のスペクトルがグラム陽性細菌に関連付けられている場合、q
m=1であり、m番目のスペクトルがグラム陰性細菌に関連付けられている場合、q
m=−1であり、Cは、あらかじめ定義されたスカラーである。
【0063】
モデルを、10のグラム陰性株(大腸菌(3つの株)、エンテロバクター・クロアカ、プロテウス・ミラビリス、プロビデンシア・スチュアーティイ、セラチア・マルセッセンス、クレブシエラ・ニューモニエ、モルガネラ−モルガニイ、シトロバクター・フロインディー)及び10のグラム陽性株(スタフィロコッカス・サプロフィティカス、エンテロコッカス・フェカーリス(2株)、B群溶血性連鎖球菌、スタフィロコッカス・サプロフィティカス(2株)、B群溶血性連鎖球菌、エンテロコッカス・フェシウム、B群溶血性連鎖球菌)について検証した。不透明培地(例えばCPSO)では、成功率は100%である。透明培地(例えばCPSE)では、成功率は、グラム陰性細菌については94%に近く、グラム陽性細菌については98%に近い。チャネルの関数としてのベクトル
の成分を示す
図10から分かるように、SVM分類に基づく予測は、特定の範囲の波長を出現させない。
【0064】
第2の例では、関係(14)についての予測モデルは、次の関係:に従う「Fused Lasso」タイプの最適化問題を解くことによって、前述した52株のピクセルに基づいて学習した:
式中、μ
1及びμ
2は、それぞれ、モデルの節約(すなわち、0ではない、
の成分の数)及びモデルの規則性(すなわち、
の2つの連続成分間のばらつき)を規制する、2つのパラメータである。
図12に見られるように、節約及び規則性が
の学習中に強制される場合(μ
1=0.0001及びμ
2=0.0025)、自動的に保持される
の非ゼロ成分は、415nm〜440nm及び750nm〜800nmの範囲のものである。成功率は、不透明培地(例えばCPSO)については100%であり、透明培地(例えばCPSE)については、成功率は、グラム陽性では92%であり、グラム陰性では84%である。
【0065】
400nm〜900nmの範囲におけるハイパースペクトルカメラによる取得が記述されている。明らかに、本発明は、それぞれ、415nm〜440nm及び750nm〜800nmの範囲を含む、又は、それらの範囲からなる2つの分離した範囲のスペクトルを取得する、マルチスペクトルカメラで行われる取得にも適用される。同様に、本発明は、それぞれ、これらの範囲を取得するために構成された2つの異なるカメラにも適用される。
【0066】
415nm〜440nmの範囲よりも広い範囲での取得、特に、細菌のグラムタイプを識別するスペクトル情報を含む、750nm〜800nmの範囲の取得が記述されている。変形として、該取得は、400nm〜500nmの範囲、より優先的には415nm〜440nmの範囲でのみ行われ、グラムタイプの予測は、この範囲のスペクトル情報の関数としてのみ、行われる。明らかに、本発明は、予測するグラムタイプについて、この範囲のみにわたって行われる処理と組み合わせて、415nm〜440nmの範囲を含む任意の取得範囲に適用される。
【0067】
画像取得、すなわち、空間情報及びスペクトル情報の取得が記述されている。きわめて明らかに、本発明はまた、例えば顕微分光法によって、スペクトル情報のみの取得にも適用される。例えば、コロニーは、標準的な画像システムによって、又はオペレータによって、事前に局所化されてもよく、その後、コロニーによって放射される反射又は透過スペクトルが、顕微分光法によって取得され、グラムタイプを予測するために処理される。
【0068】
2つの培地、CPSE(透明)及びCPSO(不透明)が記載されている。他の培地も試験し、類似の結果を得た。例えば、
図13A及び13Bでは、TSA(トリプトンカゼイン大豆寒天)及びMH2(ミューラーヒントン2寒天)培地において、少なくとも415nm〜440nmの範囲にわたって、グラム陽性とグラム陰性が互いに異なっていることが観察される。前述の通り、不透明培地は、グラムタイプの予測を容易にすることから、好ましい。よって、本発明は、例として、例えばSiO
2粒子などの乳白剤が添加されている、先行技術のものなど、任意のタイプの透明及び無着色の培養培地に適用される。
【0069】
さまざまな予測が記載されている(閾値化、線形モデル、SVM、Lasso)。当然ながら、本発明は、例えば、スペクトル比較アルゴリズム(例えばセントロイド法)、ニューラルネットワークに基づく分類、ツリーに基づく分類(例えばCART、「分類及び回帰ツリー」用、アルゴリズム)等、2つのクラス(グラム陽性及びグラム陰性)の測定を分類可能にする任意のタイプの処理に適用される。このような方法は、例えば、文献Eric Laloum, “Une methode chimiometrique originale d’identification de produits par spectroscopie proche infrarouge” [“An original chemometric method for identifying products by near infrared spectroscopy”], Spectra Analyse, vol. 33, No. 237, 2004に記載されるものである。
【0070】
反射スペクトルに基づいた実施態様が、記載されている。変形として、スペクトルは、グラムタイプ適用の予測について先に記載した処理操作で、送信中に取得される。