【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1のカートリッジ受けと、請求項13で特許請求されるカートリッジシステムとによって達成される。
【0008】
本発明によるカートリッジ受けおよびカートリッジシステムは、先行技術と比較して、流体供給部が、先行技術と異なり、カートリッジの貯蔵器ではなく、この貯蔵器から分離した混合チャンバにつながっている。
これは、単純かつコスト効率よく実現できる方法において、飲料調製機械の逆汚染が流体供給部を通じて起こるのを防止する。
このために、貯蔵器に流体を流すのではなく、飲料物質および流体は、互いに個別に混合チャンバに入る。
流体は、混合チャンバに直接通され、一方、飲料物質は、カートリッジ空化装置により、流体とは別に混合チャンバ内に移送される。
結果として、飲料調製機械の逆汚染は、流体供給部に直接作用する超過圧力が貯蔵器で発生しないため、先行技術と比較して効果的な方法で防止される。
飲料調製機械内に可逆的に挿入可能なカートリッジ受け内の混合チャンバの構成により、この混合チャンバが交換可能なカートリッジシステムの一部であることが保証される。
このように、交換可能であるか、使い捨てであるか、または、再利用可能なカートリッジシステムの一部のみが飲料物質と接触するため、飲料物質による飲料調製機械の汚れが効果的に回避される。
カートリッジは、飲料生成作業ごとに交換され、一方、カートリッジ受けは、交換される前に数回の飲料生成作業で使用される。
カートリッジシステムの貯蔵器は、封止要素によって閉鎖され、この封止要素は、カートリッジシステムの飲料調製機械への挿入時または挿入後のみ開放される。
封止要素は、輸送または保管中、香気を密封する方法でカートリッジを閉鎖する役割を果たし、例えば、カートリッジの長期の保管寿命を得ることができる。
【0009】
本発明の構成が、請求項および図面を参照した説明から明らかになる。
【0010】
本発明によれば、カートリッジは、カートリッジ受けに固定してもしくは解放可能に接続されると規定され、または、カートリッジ受けは、カートリッジに固定してまたは解放可能に接続可能である。
カートリッジ受けは、ラッチ接続によってカートリッジに可逆的に留められる。
例えば、カートリッジは、円環状の保持フランジを備えた(カートリッジ開口を有する)一種のボトルネックを含み、カートリッジ受けは、ボトルネックにクリップ式に留められる。
プロセスでは、弾性ラッチ要素、例えば、保持アームが保持フランジの裏で係合する。
カートリッジは、再利用可能である、特に、飲料物質のための使い捨て容器として設けられる。
カートリッジ受けは、様々なカートリッジに留めることができることにより、複数回使用することができる。
さらに、カートリッジおよびカートリッジ受けは、別々に製造でき、カートリッジ受けがカートリッジにクリップ式に留められるのみであるため、カートリッジシステムの製造が単純化される。
カートリッジは、角のある、または、円筒形の、または、丸みの付いたボトルを含む。
カートリッジは、射出吹込成形プロセスにおいて、または、射出成形プロセスにおいて、または、他の成形プロセスでプラスチックから製造される。
ただし、原理的に、カートリッジを製造するのに熱成形プロセスも想定できる。
さらに、カートリッジが複数回使用可能であることもできる。
【0011】
本発明によれば、カートリッジ空化装置は、圧縮空気源に接続するための圧縮空気接続部と、圧縮空気接続部から圧縮空気出口まで延びる圧縮空気管とを含むと規定され、圧縮空気出口は、圧縮空気を貯蔵器に吹き込むために、カートリッジの貯蔵器の方向に突出する。
したがって、カートリッジ受けに組み込まれたカートリッジ空化装置は、本発明の趣旨内において、第1に、1つのみの圧縮空気管を含み、圧縮空気は、この圧縮空気管を通って外部から貯蔵器に導入される。
カートリッジシステムは、飲料物質が圧縮空気によって貯蔵器から混合チャンバ内に押し込まれるように構成される。
圧縮空気は、飲料調製機械によって供給される。
カートリッジシステムが、飲料調製機械に挿入されると直ちに、圧縮空気源が、圧縮空気接続部に直接接続される。
これは、カートリッジシステムが挿入されるとカートリッジ空化装置が直接圧力を受け、飲料物質が、圧縮空気管の方向、特に飲料調製機械の圧縮空気源の方向に進むのを妨げられるため、飲料調製機械の方向の逆汚染を回避する。
したがって、飲料物質は、貯蔵器から混合チャンバの方向にのみ移動することができる。
【0012】
本発明によれば、混合チャンバは、飲料物質と流体との混合物から形成された飲料が放出される飲料出口を有し、カートリッジシステムは、飲料が飲料出口から携帯容器に直接導入されるように構成される。
したがって、飲料物質も生成された飲料も、飲料調製機械のいずれの部分とも接触せず、そのため、飲料調製機械の任意の(逆)汚染が、概ね回避される。
流体は、混合チャンバに単独で供給される。
流体は、圧力をかけられて混合チャンバに導入されるのが好ましい。
流体は、飲料調製機械によって供給される。
カートリッジシステムが、飲料調製機械に挿入されると直ちに、流体源が、カートリッジ受けの対応する流体接続部に直接接続される。
この場合、流体接続部は、流体管を介して混合チャンバに流体接続される。
これは、カートリッジシステムが挿入されると、流体接続部が直接圧力を受け、飲料物質が流体管の方向、特に、飲料調製機械の流体源の方向に進むのを妨げられるため、飲料調製機械の方向の逆汚染を回避する。
したがって、飲料物質および飲料は、混合チャンバから飲料出口の方向にのみ移動することができる。
流体には、水、好ましくは、加圧され、冷却され、かつ/または炭酸を加えられた飲料水が含まれる。
【0013】
本発明によれば、混合チャンバは、混合構造物を備える。
混合物は、飲料物質および流体の混合が確実に改善されるようにする。
このために、混合構造物は、混合チャンバに流入した流体が旋回するように構成される。
混合構造物は、混合チャンバの底部で流体供給部の領域に配置され、流体が流入する方向に対して実質的に直角に延びる1つまたは複数の混合リブを含む。
したがって、混合リブは、流体のためのバリアとして機能し、流体は旋回し、飲料物質とのより良好な混合が得られる。
【0014】
本発明によれば、流体供給部は、冷蔵ユニットによって冷却された流体を供給し、この冷蔵ユニットは、飲料調製機械または飲料調製機械に動作可能に接続された個別の冷蔵庫の一部である。
したがって、カートリッジが冷却されず、例えば、室温の状態にある場合でも冷飲料を生成することが可能である。
既存の冷蔵庫にシステムを組み込みことは、冷蔵庫の既存の冷蔵ユニットが飲料調製機械のために効率的な方法で容易に共用されるという利点を有する。
特に、(アメリカン冷蔵庫と称されることも多い)「観音開きの」冷蔵庫として公知のものは、システムを組み込むための十分な設置空間を前部に認めることができる。
飲料調製機械は、そのような冷蔵庫のための後付けセットである。
冷蔵ユニットは、コンプレッサ冷却ユニット、吸収体冷却ユニット、または、熱電冷却器を含む。
【0015】
本発明によれば、流体供給部は、カーボネータによって炭酸が加えられる流体を供給される。
カーボネータは、飲料調製機械の一部であることができ、カーボネータは、CO
2カートリッジのための受けと、CO
2カートリッジからのCO
2を流体に加えるための供給装置とを有している。
したがって、システムを用いて炭酸清涼飲料を生成することも可能である。
カーボネータが、外部CO
2接続器を有する。
【0016】
本発明によれば、カートリッジ受けは、一部品で形成されるか、または、カートリッジ受けは、カバー要素と、カバー要素に接続された出口要素とを含む。
本発明の趣旨内において、カートリッジ受けの一部品形態とは、カートリッジ受けが単一部品で構成されなければならないことを意味するのではなく、単に、この特定の一部品の実施形態において、カートリッジ受けが、カバー要素および個別の出口要素のみで構成されないことを意味する。
換言すると、カバー要素および出口要素は、一部品の実施形態では、1つの部品で形成される。
【0017】
本発明によれば、カバー要素は、貯蔵器につながるカートリッジ開口がカバー要素によって少なくとも一時的にまたは部分的に閉鎖されるようにカートリッジに可逆的に接続可能であってラッチ留め可能であり、出口要素は、カバー要素に可逆的に接続可能であり、かつ、ラッチ留め可能である。
カートリッジシステムを実現するために、カートリッジが製造され、このカートリッジは、カートリッジ開口を通じて飲料物質を充填され、カートリッジ開口を閉鎖するためにカートリッジ受けがカートリッジにクリップ式に留められる。
この場合、出口要素は、流体供給部、圧縮空気接続部、混合チャンバ、および飲料出口を有し、一方、カバー要素は、圧縮空気を貯蔵器に導入するために貯蔵器内に突出した圧縮空気出口を有している。
圧縮空気出口は、圧縮空気管を介して、カバー要素または出口要素に形成された圧縮空気接続部に動作可能に接続された中空スパイクを含む。
【0018】
本発明によれば、カートリッジ開口と混合チャンバとの間の流体接続が、弁ユニットを用いて確立され、弁ユニットは、流体接続を確立するために、カバー要素と出口要素との間の相対移動によって閉状態から開状態に移行可能である。
カバー要素と出口要素との間の相対移動が行われることにより、貯蔵器は、相応して開放され、飲料物質が圧縮空気を用いて貯蔵器から混合チャンバ内に移送される。
この相対移動は、カートリッジシステムが飲料調製機械に挿入される前または後に行うことができる。
【0019】
カバー要素は、カートリッジ開口につながる通過開口を有し、弁ユニットは、通過開口と、通過開口内に突出する出口要素の突起とで形成され、カバー要素と出口要素との間の相対移動により、突起は、通過開口を閉鎖する閉位置から通過開口を部分的に開放する開位置に移動する。
通過開口の壁は、少なくとも1つの横チャネルを設けられ、突起は、通過開口を少なくとも部分的に開放する開位置において、少なくとも1つの横チャネルの領域に配置される。
並列の方法で配置された複数の横チャネルが通過開口の壁に設けられる。
横チャネルは、通過開口の断面に垂直に延びるが、それぞれが、壁の一部分にわたってのみ延びる。
突起は、閉じた状態で通過開口の内壁に接し、通過開口を閉鎖する外縁封止エッジを有している。
相対移動により、突起は、貯蔵器の方向または貯蔵器から離れる方向に好ましくは直線的に移動するため、外縁封止エッジは、横チャネルの領域に入り、その封止作用をなくし、なぜなら、飲料物質が横チャネルを通って封止エッジの周りを流れ得るからである。
【0020】
横チャネルの断面および/または横チャネルの数量が飲料物質の粘性に合わせられ、横チャネルは、混合チャンバの方向の飲料物質の流れを制御または制限する。
高い粘性では、複数の横チャネルまたは断面の比較的大きい横チャネルが使用され、一方、低い粘性では、より少ない横チャネルまたは断面の小さい横チャネルが設けられる。
したがって、様々なタイプの飲料物質に対して、(それぞれ適応した横チャネルを有する)異なるカバー要素が使用される。
したがって、適応したカバー要素が、それぞれのカートリッジに対して存在する。
突起は、アンビルの形態で構成され、外縁封止エッジは、アンビルのベース部に対して拡張した断面を形成する。
【0021】
上記の実施形態では、カバー要素および出口要素は、相対移動を実行可能にするために別々の部品として構成される。
この場合、相対移動には、突起を通過開口内で横チャネルに対して移動させるために、カバー要素および出口要素が互いに向かう直線移動、または、カバー要素および出口要素が互いから離れる直線移動がある。
【0022】
本発明によれば、カートリッジは、貯蔵器に流体接続されるカートリッジ開口を有し、このカートリッジ開口は、封止要素によって閉鎖され、封止要素は、カートリッジ開口の縁部に付けられ、かつ、封着された封止薄膜を含む。
この実施形態では、カートリッジ受けは、一部品で構成され、すなわち、個別の出口要素およびカバー要素がない。
このカートリッジシステムを実現するために、第1に、カートリッジ開口を有するカートリッジが作製され、このカートリッジは、カートリッジ開口を通じて飲料物質を充填され、続いて、カートリッジ開口が封止要素によって閉鎖され、カートリッジ受けが、閉じたカートリッジ開口の領域でカートリッジにクリップ式に留められる。
カートリッジシステムの飲料調製機械内への挿入前、挿入中、および、挿入後、封止要素は、圧縮空気を導入することによって飲料物質を貯蔵器から混合チャンバ内に移送できるようにするために、例えば、封止薄膜に穴をあけることにより、カートリッジ開口の領域で開放される必要がある。
このために、カートリッジ受けは、カートリッジの方向に突出した穴抜きスパイクを有し、カートリッジ受けとカートリッジとの間の相対移動により、穴抜きスパイクが封止要素に穴をあけ、貯蔵器と混合チャンバとの間の流体接続が形成される。
カートリッジは、第1に、穴抜きスパイクが封止要素から離れるカートリッジ受け内の予備位置に着座し、カートリッジシステムが飲料調製機械に導入された後、予備位置から、穴抜きスパイクが封止要素に穴をあける最終位置に移される。
カートリッジシステムが、予備位置から最終位置に移されると、カートリッジおよびカートリッジ受けは、互いに向かってさらに特に並進移動し、封止要素は、この移動中、穴抜きスパイクによって能動的に穴をあけられる。
続いて、穴抜きスパイクは、封止要素を貫通してカートリッジ開口の方向に突出する。
封止要素が穴をあけられたときに飲料物質を混合チャンバの方向に運ぶための少なくとも1つの横チャネルが穴抜きスパイクの壁に導入される。
この場合、穴抜きスパイク上で横方向に形成された横チャネルを通じて、飲料物質は、封止要素を通り過ぎて混合チャンバの方向に流れることができる。
複数の横チャネルが穴抜きスパイクに形成される。
横チャネルは、片側を開放された溝の形態でそれぞれ形成される。
【0023】
横チャネルの断面および/または横チャネルの数量が、飲料物質の粘性に合わせられ、横チャネルは、混合チャンバの方向の飲料物質の流れを制御または制限する。
高い粘性では、複数の横チャネルまたは断面の比較的大きい横チャネルが使用され、一方、低い粘性では、より少ない横チャネルまたは断面の小さい横チャネルが設けられる。
したがって、適応したカートリッジ受けが、それぞれのカートリッジに対して存在する。
【0024】
穴抜きスパイクは、圧縮空気先端具が、この圧縮空気先端具が貯蔵器の方向に穴抜きスパイクを越えて突出しない後退位置と、圧縮空気先端具が穴抜きスパイクを越えて貯蔵器内に突出する伸長位置との間で移動可能であるように取り付けられる貫通穴を有している。
圧縮空気先端具は、封止要素が穴抜きスパイクによって穴をあけられた後、後退位置から伸長位置の方向に移送される。
次いで、圧縮空気先端具を用いて圧縮空気が貯蔵器に導入され、そのため、飲料物質は、溝を通って混合チャンバ内に押し込まれ、混合チャンバ内で流体と共に飲料を形成する。
このために、圧縮空気管が圧縮空気先端具に組み込まれる。
圧縮空気先端具の、特に、貯蔵器から離れている側に圧縮空気接続部が形成され、この圧縮空気接続部は、カートリッジ受けの外からアクセス可能であるのが好ましく、飲料調製機械の圧縮空気源に接続することができる。
圧縮空気先端具は、カートリッジシステムが飲料調製機械に挿入されると、飲料調製機械の解放要素により、後退位置から伸長位置に移送される。
この場合、任意の逆汚染を防止するために、圧縮空気は、圧縮空気先端具にすでに供給されている。
圧縮空気先端具は、飲料調製機械から供給された圧縮空気により、後退位置から伸長位置に移動する。
【0025】
上記の形態では、穴抜きスパイクは、カートリッジ受けに固定される方法で、または、カートリッジ受けと一体に構成されるのではなく、カートリッジ受けは、スパイクガイドと、スパイクガイド内に移動可能な方法で取り付けられた穴抜きスパイクとを含む。
穴抜きスパイクは、穴抜きスパイクが封止要素から離れる後退位置と、穴抜きスパイクが封止要素に穴をあけて貯蔵器内に突出する伸長位置との間でスパイクガイドに対して移動可能であるように取り付けられる。
一方、穴抜きスパイクの外壁は、封止要素が穴をあけられたときに飲料物質を混合チャンバの方向に運ぶための少なくとも1つの横チャネルを設けられる。
この場合、穴抜きスパイク上に横方向に形成された横チャネルを通じて、飲料物質は、封止要素を通り過ぎて混合チャンバの方向に流れることができる。
複数の横チャネルが穴抜きスパイクに形成される。
横チャネルは、特に、片側を開放された溝の形態でそれぞれ形成される。
【0026】
この実施形態では、横チャネルの断面および/または横チャネルの数量が飲料物質の粘性に合わせられ、横チャネルは、混合チャンバの方向の飲料物質の流れを制御または制限することもできる。
高い粘性では、複数の横チャネルまたは断面の比較的大きい横チャネルが使用され、一方、低い粘性では、より少ない横チャネルまたは断面の小さい横チャネルが設けられる。
したがって、適応したカートリッジ受けが、それぞれのカートリッジに対して存在する。
【0027】
この代替形態では、圧縮空気管は、穴抜きスパイクに組み込まれる。
しかしながら、穴抜きスパイクは、移動可能な圧縮空気先端具を有するのではなく、圧縮空気管が穴抜きスパイクの端部の固定圧縮空気先端具を通じてカートリッジ開口につながる。
穴抜きスパイクの、特に、貯蔵器から離れている側に圧縮空気接続部が形成され、この圧縮空気接続部は、カートリッジ受けの外からアクセス可能である。
カートリッジシステムが飲料調製機械に挿入されると、穴抜きスパイクは、飲料調製機械の解放要素により、後退位置から伸長位置に移送される。
この場合、飲料調製機械の任意の逆汚染を防止するために、圧縮空気は、圧縮空気先端具にすでに供給されている。
圧縮空気先端具は、飲料調製機械から供給された圧縮空気により、後退位置から伸長位置に移動する。
【0028】
本発明によれば、カートリッジは、カートリッジ開口の反対側にさらなるカートリッジ開口を有し、前記さらなるカートリッジ開口は、さらなる封止要素、特にさらなる封止薄膜によって閉鎖される。
カートリッジは、射出成形プロセスで製造することもできる。
【0029】
本発明によれば、カートリッジおよび/またはカートリッジ受けは、製品識別子を有し、飲料調製機械またはカートリッジ受けは、製品識別子を識別するための識別子検出器を有している。
製品識別子は、バーコード、RFIDコード、QRコード、データマトリクスコード、カラーコード、またはホログラムコードなどで具現化される。
したがって、製品識別子の自動読み取りが可能である。
識別子検出器は、カートリッジが飲料調製機械に挿入されると、バーコード、QRコード、またはデータマトリクスコードを自動的に読み取る光センサ、例えば、CCDカメラを含む。
識別子検出器は、RFIDコードを自動的に読み取るためのトランシーバアンテナを含む。
また、製品識別子は、他の自動読み取り可能なコンピュータチップで具現化されることも想定できる。
QRコードという用語には、本発明の趣旨内において、任意のデータマトリクスコードが含まれる。
これに関して、QRコードおよびデータマトリクスコードという用語は、同義に使用される。
加えて、製品識別子には、バーコード、ドットコード、バイナリコード、モールス符号、または点字コード(浮出し印刷)などが含まれることもできる。
この場合、コードは、3次元構造、例えば、浮彫りで具現化することもできる。
製品識別子には、製品識別番号として公知のもの、特に、統一商品コード(UPC)、欧州統一商品番号(EAN)、GS1コード、または、グローバルトレードアイテムナンバー(GTIN)などが含まれる。
この方法では、新たなコードシステムを導入する必要はない。
製品識別子は、GS1標準規格に準拠する。
【0030】
製品識別子は、カートリッジ内に配置された飲料物質を特定する役割を果たす。
飲料調整プロセス中または飲料調整プロセスの開始前に、製品識別子は、識別子検出器で読み取られる。
したがって、飲料調製機械は、いずれのタイプのカートリッジが飲料調製機械に導入されたかが分かる。
飲料調製機械の評価および制御ユニットは、様々な飲料の調製のために用意され、例えば、供給される流体の供給速度、供給時間、供給間隔、温度、炭酸化度、および/または圧力に関して互いに異なる、事前に格納された複数の飲料生成プログラムを有することができる。
異なる圧縮空気供給(例えば、圧力が異なる)が、異なる飲料生成プログラムで使用される。
各飲料生成プログラムは、1つまたは複数の製品識別子に対応する。
カートリッジが飲料調製機械に導入されると、このカートリッジに付いた製品識別子が、識別子検出器で読み取られ、次いで、事前に格納したデータと比較される。
このように、飲料生成プログラムは、製品識別子を使用して、事前に格納された複数の飲料生成プログラムから選択され、続いて、この選択された飲料生成プログラムを用いて飲料生成プロセスが開始される。
供給される流体の供給速度、供給時間、供給間隔、温度、炭酸化度、および/または、圧力などのパラメータは、特定の飲料物質を用いて生成される飲料にとって最善の結果を得るために、選択された飲料生成プログラムによって事前に設定または制御される。
【0031】
飲料生成プロセスは、製品識別子が識別不可能であるか、または、識別された製品識別子が事前に格納されたいずれの飲料生成プログラムにも対応しない場合、全く始まらないことが想定できる。
これは、システム互換性のないカートリッジが飲料生成機械で使用されるのを防止し、システム互換性のないカートリッジは、飲料生成機械での動作を保証されておらず、その結果として、例えば、(このカートリッジが、より低圧で動作することを意図されている場合に)カートリッジの破裂により、飲料生成機械が損傷するかまたは使用者が事故に遭遇するリスクがある。
【0032】
製品識別子は、カートリッジの壁またはカートリッジ開口を封止する封止要素(特に、封止薄膜)に印刷されるか、または、貼り付けられるのが好ましい。
製品識別子は、カートリッジが飲料調製機械に挿入されると、飲料調製機械の識別子検出器の検出領域内に配置されるようにカートリッジに配置される。
製品識別子は、カートリッジではなく、カートリッジ受けの外壁に適切な方法で配置されることもできる。
【0033】
本発明は、カートリッジシステムが挿入可能である飲料調整機械であり、この飲料調製機械は、カートリッジに接続されたカートリッジ受けが挿入可能である保持ユニットと、流体を流体供給部に注入するための流体源と、圧縮空気を圧縮空気接続部に吹き込むための圧縮空気源とを有している。
飲料調製機械は、圧縮空気先端具または穴抜きスパイクを後退位置から伸長位置に移送するための解放要素を有する。
【0034】
飲料調製機械は、識別子検出器に接続され、検出されたQRコードを解析することにより、製品識別子を特定することを意図された評価および制御ユニットを有する。
評価電子機器は、QRコードからGS1コードを特定し、これは、飲料調製機械に配置されたカートリッジの一義的な識別を可能にする。
飲料調製機械は、特定した製品識別子を事前に格納された製品識別子と比較することを意図される選択比較ユニットを有し、比較に基づいて飲料生成プログラムを選択するのがさらに好ましい。
飲料調製機械は、検出したQRコードがシステムに属するか(すなわち、既知であるか)、または、システム互換性がないかどうかを明確にするアルゴリズムを使用するアルゴリズム識別手段を有することができる。
この場合、アルゴリズムは、公知の暗号化/暗号復号化法に従って機能する。
【0035】
本発明は、カートリッジシステムを用いて飲料を生成する方法であり、この方法は、以下のステップ:カートリッジシステムを飲料調製機械の保持ユニットに挿入するステップと、カートリッジ空化装置を用いて、飲料物質をカートリッジの貯蔵器からカートリッジ受けの混合チャンバ内に移送するステップと、流体供給部を用いて流体を混合チャンバに注入するステップと、この混合チャンバ内において飲料物質を流体と混合することによって生成された飲料を飲料出口を用いて放出するステップとを有する。
プロセスにおいて、飲料物質は、圧縮空気によって貯蔵器から混合チャンバ内に移送される。
【0036】
流体は、混合チャンバに注入される前に冷却され、かつ/または、炭酸を加えられ、冷飲料および炭酸清涼飲料が生成可能になる。
【0037】
本発明によれば、圧縮空気先端具または穴抜きスパイクは、カートリッジシステムの保持ユニットへの挿入前、挿入時、または、挿入後に後退位置から伸長位置に移送され、カートリッジ開口にある封止要素に穴をあける。
こうして、貯蔵器は、自動的に開放され、飲料物質を混合チャンバ内に移送することができる。
開放動作中、圧縮空気および流体は、すでにカートリッジ受けに導入されており、そのため、飲料物質による飲料調製機械の逆汚染が防止される。
圧縮空気先端具および/または穴抜きスパイクは、被動アクチュエータまたは圧縮空気によって移送される。
【0038】
本発明によれば、カートリッジシステムの保持ユニットへの挿入前、挿入時、または、挿入後、カバー要素と出口要素との間の相対移動によって弁ユニットが開かれることにより、貯蔵器と混合チャンバとの間に流体接続が確立される。
貯蔵器は、こうして自動的に開放され、それにより、飲料物質を混合チャンバ内に移送することができる。
弁開放動作中、圧縮空気および流体は、すでにカートリッジ受けに導入されており、そのため、飲料物質による飲料調製機械の逆汚染が防止される。
相対移動は、被動アクチュエータまたは圧縮空気によって引き起こされる。
【0039】
本発明は、図面および図面を参照した実施形態の以下の説明から明らかになる。
図面は、本発明の実施形態を示す。