特許第6872580号(P6872580)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6872580機械式腕時計についての情報を提供する方法および腕時計
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6872580
(24)【登録日】2021年4月21日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】機械式腕時計についての情報を提供する方法および腕時計
(51)【国際特許分類】
   G04G 21/04 20130101AFI20210510BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20210510BHJP
   G04G 19/00 20060101ALI20210510BHJP
   G04C 3/00 20060101ALI20210510BHJP
【FI】
   G04G21/04
   G06Q50/10
   G04G19/00 A
   G04G19/00 Y
   G04C3/00 B
【請求項の数】10
【外国語出願】
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-98370(P2019-98370)
(22)【出願日】2019年5月27日
(65)【公開番号】特開2019-219386(P2019-219386A)
(43)【公開日】2019年12月26日
【審査請求日】2019年5月27日
(31)【優先権主張番号】18178507.2
(32)【優先日】2018年6月19日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】506425538
【氏名又は名称】ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】ティエリ・スコルディリス
(72)【発明者】
【氏名】アルノー・カサグランデ
(72)【発明者】
【氏名】ルカ・デ ローザ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン−リュック・アーレント
(72)【発明者】
【氏名】ジャン・ゴリス
(72)【発明者】
【氏名】ゾラン・ランジェロヴィッチ
【審査官】 清水 靖記
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−055189(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0128733(US,A1)
【文献】 特開2017−158864(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/181605(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2018/0164746(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04G 3/00 − 99/00
G04C 1/00 − 99/00
G06Q 50/00 − 50/34
G04B 1/00 − 99/00
G04F 1/00 − 13/06
G04R 20/00 − 60/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械式腕時計(3)についての情報を提供する方法(10)であって、
断続的に利用可能な外部エネルギーをハーベストするステップ(100)と、
ハーベストされたエネルギーを格納するステップ(102)と、
所定の期間の終わりに、少なくとも、腕時計の所有者の活動についての分析レポートを生成するステップ(104)と、及び
腕時計(3)の送信ユニット(21)にパワー供給するために必要なエネルギーレベル以上のエネルギーレベルにあるしきい値に、ハーベストされたエネルギー量が達し、送信に十分なエネルギーが集められたとき又はその後に、前記送信ユニット(21)と格納された前記ハーベストされたエネルギーとによって、離隔リーダー(5)に分析レポートを無線送信するステップ(106)と
を腕時計(3)によって実行させる方法(10)。
【請求項2】
前記分析レポートは、ハーベストされたエネルギーの利用可能な量にも基づいている
請求項1に記載の方法(10)。
【請求項3】
前記外部エネルギーは、少なくとも部分的に、腕時計(3)の運動に起因する運動エネルギーであり、
前記レポートは、少なくとも、所定の期間における腕時計の着用者の活動レベルを分析したものである
請求項1又は2に記載の方法(10)。
【請求項4】
前記外部エネルギーは、少なくとも部分的に、腕時計(3)の周辺環境における日射に起因する太陽エネルギーであり、
前記レポートは、少なくとも、所定の期間における腕時計(3)の明るさレベルを分析したものである
請求項1〜3のいずれかに記載の方法(10)。
【請求項5】
前記外部エネルギーは、少なくとも部分的に、腕時計(3)、腕時計の着用者の手首及び腕時計(3)の周辺環境の間の温度差に起因する熱エネルギーであり、
前記レポートは、少なくとも、所定の期間において、腕時計(3)が着用されていた時間と長さについて分析するものである
請求項1〜4のいずれかに記載の方法(10)。
【請求項6】
腕時計(3)の不具合を検出するステップ(204)と、
検出された不具合を表すアラームメッセージを生成するステップ(206)と、及び
ハーベストされたエネルギー量がしきい値に達したとき又はその後に、アラームメッセージを送信ユニット(21)によってデータ処理デバイス(9)に無線送信するステップ(208)と
を腕時計(3)によって実行させる
請求項1〜5のいずれかに記載の方法(10)。
【請求項7】
電磁放射ビームを検出するステップ(304)と、
前記ビームに埋め込まれた診断要求を取得するステップ(306)と、
腕時計(3)の動作状態を表す診断レポートを生成するステップ(310)と、及び
ハーベストされたエネルギー量がしきい値に達したとき又はその後に、前記送信ユニット(21)によってデータ処理デバイス(9)に前記診断レポートを無線送信するステップ(312)と
を腕時計(3)によって実行させる
請求項1〜6のいずれかに記載の方法(10)。
【請求項8】
前記電磁放射ビームは、可視光線、赤外線又は紫外線のビームである
請求項7に記載の方法(10)。
【請求項9】
前記診断要求を認証するステップ(308)
を腕時計(3)によって実行させる
請求項8に記載の方法(10)。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載の方法(10)を実行するように構成している腕時計(3)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、離れた読み取りデバイス(離隔リーダー)に機械式腕時計についての情報を提供する方法に関する。この離隔リーダーは、スマートフォンであることができる。前記情報には、少なくとも、腕時計の所有者の活動についての分析レポートが含まれる。
【背景技術】
【0002】
顧客と腕時計の消費者向けサービス業者の両方から、機械式腕時計の機能の数を増やしてほしいという需要がますます大きくなっている。具体的には、情報、例えば、腕時計の所有者の活動についての分析レポート、腕時計によって検出された不具合を表すアラームメッセージ、腕時計の動作状態を表す診断レポート、を送信することが有用となる。
【0003】
そのために、今日では、機械式腕時計において、リチウムイオン電池のような電気エネルギー源を埋め込むことが必要となる。スマートフォンのような離隔リーダーへの無線送信を行うために、前記電気エネルギー源には大きな格納容量がなければならない。主な課題として、この電気エネルギー源が腕時計内において空間を占有してしまうことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、この課題を解決し、電気エネルギー源を有することを必要としない機械式腕時計から、離隔リーダーへと情報を提供する方法を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様において、本発明は、請求項1に記載の方法に関する。
【0006】
したがって、外部エネルギーが、アクティビティトラッカーとしてハーベスト(環境発電)され、格納され、使用され、分析レポートを送信するために用いられる。
【0007】
従属請求項には、本発明の他の態様が記載されている。
【0008】
第2の態様において、本発明は、第1の態様に係る方法を実行するために適している腕時計に関する。
【0009】
添付の図面を参照しながら実施例についての以下の説明を読むことによって、本発明の他の特徴や利点が明白になるであろう。なお、これに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る機械式腕時計及び離隔リーダーを含む通信システムの要素を示している。
図2図1の機械式腕時計の部品を示しているブロック図である。
図3図1の腕時計の光学的RF受信ユニットを示している回路図である。
図4】本発明に係る方法のいくつかのステップを示しているブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態の1つについて、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。異なる図に登場する同一又は対応する機能的及び構造的な要素には、同じ参照符号を割り当てている。
【0012】
図1は、本発明が教示することを実装することができる通信システム1を示している。バッテリーや他の電気エネルギー源を備えない機械式腕時計3を示している。また、離隔リーダー5と呼ばれる無線通信デバイスを示しており、これは、この例においては、移動体電話、具体的には、スマートフォン、である。離隔リーダー5は、腕時計3のユーザーが所有しているものとすることかできる。後で詳細に説明するように、腕時計3は、離隔リーダー5と無線通信リンクをセットアップして、その離隔リーダー5に特定の情報やデータを送信するように構成している。また、実施形態の1つにおいて、腕時計3は、離隔リーダー5から特定のコマンド、情報又はデータを受けるようにも構成している。これらの2つの単方向の通信リンクは、異なる通信規格を用いて実装することができる。
【0013】
また、図1は、サーバー7を示している。この例において、サーバー7は、腕時計3の製造業者に属していたり、腕時計3の製造業者に管理されたりする。離隔リーダー5とサーバー7の間に双方向データ通信リンクを確立することができる。また、サーバー7とデータ処理デバイス9の間にも双方向通信リンクを確立することができる。このデータ処理デバイス9は、例えば、フラシュライト付き、及び/又は赤外線(IR)及び/又は紫外線(UV)を放射する、デスクトップコンピューター、ラップトップコンピューター、スマートフォン、タブレット又は任意の同様なデータ処理デバイスである。この例において、データ処理デバイス9は、腕時計の製造業者の正規販売業者が所有している。腕時計3とデータ処理ユニット9の間で2つの単方向通信リンクを確立することができる。また、ここで、これらの2つの通信リンクは、2つの異なる通信規格に基づいていることができる。
【0014】
図2は、本発明が教示することを理解するために役立つ腕時計3の部品を示しているブロック図である。図2に示しているように、腕時計は、一又は複数の外部エネルギー源からエネルギーを集めたり導き出したりするように構成しているエネルギーハーベストユニット13を有する。例えば、一又は複数の以下のエネルギー源の組み合わせからエネルギーをハーベストすることができる。すなわち、日射、人間の目に見える波長における他の電磁放射、赤外線放射、紫外線放射、熱放射及び腕時計の運動である。可視、赤外線、紫外線領域における日射や電磁放射からエネルギーをハーベストするために、エネルギーユニット13は光電池を有することができる。熱からエネルギーをハーベストするために、エネルギーハーベストユニット13は、ゼーベックジェネレーターと呼ばれる熱電ジェネレーター(TEG)を有することができる。これは、ゼーベック効果によって熱フラックス(温度差)を電気エネルギーに変換するように構成しているデバイスである。
【0015】
エネルギーハーベストユニット13によってハーベストされたエネルギーは、腕時計3のエネルギー格納ユニット15に格納することができる。このエネルギー格納ユニット15は、例えば、固体電極と固体電解質の両方を有するスーパーキャパシターないし固体電池であることができる。
【0016】
エネルギーハーベストオペレーションは、腕時計3のユーザーの活動を追跡するために使用することができる。エネルギーハーベストは、例えば、腕時計3の運動に基づく場合、ユーザーの身体活動の指標を与える。また、エネルギーハーベストは、腕時計が着用された時間と腕時計が着用されていた長さについての指標を与える。さらに、エネルギーハーベストは、太陽エネルギーに基づく場合、腕時計の光露出の指標を与える。他方では、エネルギーハーベストは、熱フラックス又は温度差に基づく場合、腕時計3がユーザーによって着用された時間を判断することができる。したがって、外部エネルギーの利用可能性の時間と持続時間及びハーベストされたエネルギーの利用可能な量を用いて、腕時計の所有者の活動についての分析レポートを演算して出すことができる。
【0017】
1つの実施形態において、外部エネルギーは、少なくとも部分的に、腕時計の運動に起因する運動エネルギーであり、レポートは、所定の期間における腕時計の着用者の活動レベルを分析したものである。前の実施形態と組み合わせることができる別の実施形態において、外部エネルギーは、少なくとも部分的に、腕時計の周辺環境における日射に起因する太陽エネルギーであり、レポートは、少なくとも、所定の期間における腕時計の明るさレベルを分析したものである。前の実施形態の1つ又は両方と組み合わせることができる別の実施形態において、外部エネルギーは、少なくとも部分的に、腕時計、腕時計の着用者の手首及び腕時計の周辺環境の間の温度差に起因する熱エネルギーであり、レポートは、少なくとも、所定の期間において腕時計が着用された時間と着用されている長さを分析したものである。
【0018】
腕時計3は、さらに、無線データ送信ユニット21を有しており、これは、例えば、Bluetooth(登録商標)無線技術規格に準拠して動作する無線周波数(RF)送信ユニットであることができる。RFは、おおよそ3kHzから300GHzまでに及ぶ範囲の電磁波の周波数のいずれもカバーするように理解される。なお、この例において、ハードウェアブロックをできるだけ小さく維持し電流消費を最小限にするために、送信ユニット21は、送信のみを行うように構成している。すなわち、送信ユニット21は、RF帯域におけるいずれの信号も受けるように構成していない。下で説明するように、光学的リンクを用いてデータ受信パスを実装する。送信ユニット21を動作させるために必要なエネルギーは、エネルギーハーベストユニット13によって集められたエネルギーから得られ、エネルギー格納ユニット15に格納される。
【0019】
腕時計3は、さらに、電磁放射ビームを検出し受ける受信ユニット23を有する。この電磁放射ビームは、可視光スペクトル(波長が400nm〜700nmの範囲)、赤外スペクトル(700nm〜1000000nmの範囲)又は紫外線スペクトル(10nm〜400nmの範囲)におけるものであることができる。本発明において、用語「光」は、広い意味で用いられ、上記の電磁放射スペクトル全体をカバーするように理解される。
【0020】
腕時計3は、さらに、受信ユニット23によって受けた変調された電磁放射ビームを復調する光学的復調器17を有しており、これによって、そのビームに埋め込まれたメッセージを取り出す。
【0021】
腕時計3のセキュリティ管理ユニット19は、光学的復調器17と緊密に連係する。セキュリティ管理ユニット19の目的は、腕時計とそのデータに対する外部からのアクセスを管理することである。例えば、このセキュリティ管理ユニット19は、受信メッセージが正確であり真正であるかどうかを判断する。また、セキュリティ管理ユニット19は、復調されたメッセージに基づいて外部デバイス(例えば、データ処理ユニット9や離隔リーダー5)に送信すべきデータを選択するように用いることができる。
【0022】
実施形態の1つにおいて、受信ユニットは光波と無線周波数の波の両方を受けることができる。このRFレシーバーは、特に、送信の間隔や送信時間を定めるように、腕時計を構成するために用いることができる。図3は、このような光学的RF受信ユニット23の実装例を示している回路図であり、この光学的RF受信ユニット23は、以下の2つの部分に分割されていることができる。すなわち、RF回路部分31と光学的回路部分32に分割されていることができる。RF回路部分31は、RF入力出力ノード33を有しており、これは、パワーアンプ35とローノイズアンプ37に接続しており、そして、このローノイズアンプ37は、ミキサー39に接続している。パワーアンプ35とローノイズアンプ37は、並列に接続している。また、ミキサー39は、パワーアンプ35とデルタシグマモジュレーター&シンセサイザー41にも接続しており、このデルタシグマモジュレーター&シンセサイザー41は、次に、復調器17に接続している。RF回路部分31は、さらに、復調器17に接続しているアンプ47の群と直列に接続しているバンドパスフィルター45を有している。なお、この例において、復調器17は、マイクロコントローラーユニット25にも接続している。
【0023】
光学的回路部分32には、光アンプ51に接続された光入力ノード49があり、この光アンプ51は、次には、2つの入力線、すなわち、一方がミキサー39からの入力線で他方が光アンプ51からの入力線であるもの、によってマルチプレクサー53に接続している。マルチプレクサー53は、一方の入力信号を選択し、選択された入力をバンドパスフィルター45につながっている単一の出力線へと進める。このようにして、マルチプレクサー53はスイッチとして動作する。したがって、RF回路(すなわち、RF回路部分31)の中間周波数部分を用いて、そこに光学的信号をマルチプレクサー53を用いて注入することができる。このことによって、光学的信号のために復調器17の高い感度を用いることができることが確実になる。さらに、提案している回路実装によって、受信チャンネルを共有することが可能になり、チップセットの表面の大きさを小さくすることができる。また、255までの異なるビンを分離することができるチップセットに既にある離散的フーリエ変換(DFT)の機能を低消費電力で再利用することができる。
【0024】
最後に、腕時計3は、全体の動作を管理し腕時計の他の部品を制御するマイクロコントローラー25を有する。
【0025】
以下、図4を参照しながら腕時計3の動作について詳細に説明する。この例において、腕時計3には、3つの別個の動作モードがある。
【0026】
通常モードと呼ばれる第1のモードのときに、エネルギーハーベストユニット13によってエネルギーがハーベストされ(ステップ100)、エネルギー格納ユニット15に格納される(ステップ102)。所定の期間の終わりにおいて、少なくとも、外部エネルギーの利用可能性の時間と持続時間に基づいて、腕時計3の所有者の活動についての分析レポートが生成される(ステップ104)。送信のために十分なエネルギーが集められると(すなわち、ハーベストされたエネルギー量が送信ユニットにパワー供給するために必要とされる最小のエネルギーを表すしきい値に達したとき又はその後に)、送信ユニット21(ステップ106)を用いて分析レポートが離隔リーダー5に送信される。この例において、この送信はBluetooth無線技術規格を用いて行われる。なお、腕時計3のユーザーは、送信スケジュールを定めるように腕時計3を構成することができる。毎日又は所与の日に一又は複数の所与の時点のみにて、すなわち、規則的な時間間隔で、データ送信を行うように定めることができる。送信時間を定める代わりに、連続するデータ送信の間の時間間隔を定めることができる。また、十分なエネルギーが集められたらすぐにデータ送信を始めるように腕時計3を構成することができる。
【0027】
宛先とされたメッセージモードと呼ばれる第2の動作モードのときに、腕時計3は、受信ユニット23を介して電磁放射ビームを検出する(ステップ304)。そして、腕時計は、前記ビームに埋め込まれていた診断要求を取得する(ステップ306)。診断要求は、腕時計3を宛先とする。すなわち、腕時計3専用である。好ましいことに、この要求によって、その要求を送った存在を特定することができる。そして、腕時計3は、チャレンジレスポンス認証プロトコルを用いて要求を発行した存在を認証する(ステップ308)。このために、腕時計3によって発行されたチャレンジコードを用いることができる。しかし、当初は腕時計3の製造業者によってチャレンジコードが発行されて、その製造業者によって腕時計3に供給されるようにすることができる。したがって、製造業者は、チャレンジレスポンス認証プロセスを統括管理するようにすることができる。例えば、正確なアクセスコードを有することによって、腕時計3にあるデータに1つのデバイス又は制限された数のデバイスのみがアクセスできることを確実にすることができる。このように、腕時計3は、受信したチャレンジコードをデータ処理デバイス9に送ることができ、このデータ処理デバイス9は、腕時計3に応答する前に、製造業者のサーバー7に自身を認証させることが必要であるようにすることができる。なお、受信した要求には、腕時計3が、データ処理デバイス9に又は変調された要求に指示されていた他のデバイスに、コンタクトすることを可能にする情報を含んでいることができる。要求を送った存在が認証されると、腕時計3は、腕時計3の動作状態を表す診断レポートを生成する(ステップ310)。ハーベストされたエネルギー量がしきい値に達したとき又はその後に、送信ユニット21は、診断レポートをデータ処理デバイス9に無線送信する(ステップ312)。
【0028】
アラームモードと呼ばれる第3の動作モードのときに、腕時計3はアラームを検出する(ステップ204)。このアラームは、腕時計3の要素や機能の不具合を意味している。検出される不具合は、シールについての問題、計時についての問題、又は他の検出可能な問題に関連していることがある。アラームが検出され十分なエネルギーが集められていると想定される場合、腕時計3は、検出された不具合を表すアラームメッセージを生成する(ステップ206)。そして、ハーベストされたエネルギー量がしきい値に達したとき又はその後に、送信ユニット21は、アラームメッセージをデータ処理デバイス9に送る(ステップ208)。そして、データ処理デバイス9のユーザーは、デバイスのスクリーン上のアラームメッセージを検討し、随意的に、そのアラームメッセージを製造業者のサーバー7へと転送することができる。そして、製造業者は、問題を解決するために適切な処置を講じることができる。
【0029】
図面及び上の説明において本発明を図示し詳細に説明したが、このような図や説明は、説明用の例であって、それによって限定されるものではなく、本発明は、開示された実施形態に限定されない。当業者であれば、図面、明細書及び請求の範囲を検討することに基づいて請求の範囲に記載された発明を実施するときに他の実施形態や変種についても理解し、達成することができるであろう。上記の例の一又は複数が教示していることを組み合わせることによって、本発明の変種をさらに得ることができる。
【0030】
請求の範囲において、用語「有する」は、他の要素やステップがあることを排除するものではなく、単数形であっても複数あることを排除するものではない。相互に異なる従属請求項において異なる特徴が記載されていることのみでは、これらの特徴の組み合わせを有利に使用することができないことを意味しているわけではない。請求の範囲におけるいずれの参照符号も本発明の範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。
【符号の説明】
【0031】
1 通信システム
3 腕時計
5 離隔リーダー
7 サーバー
9 データ処理デバイス
13 エネルギーハーベストユニット
15 エネルギー格納ユニット
17 復調器
21 送信ユニット
39 ミキサー
41 デルタシグマモジュレーター&シンセサイザー
図1
図2
図3
図4