特許第6872637号(P6872637)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6872637光源システム及び当該光源システムを用いる投影システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6872637
(24)【登録日】2021年4月21日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】光源システム及び当該光源システムを用いる投影システム
(51)【国際特許分類】
   G03B 21/14 20060101AFI20210510BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20210510BHJP
   F21V 9/40 20180101ALI20210510BHJP
   F21V 9/45 20180101ALI20210510BHJP
   F21V 9/38 20180101ALI20210510BHJP
   F21V 7/00 20060101ALI20210510BHJP
   F21V 9/14 20060101ALI20210510BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20210510BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20210510BHJP
【FI】
   G03B21/14 A
   G03B21/00 F
   F21V9/40 200
   F21V9/45
   F21V9/38
   F21V7/00 570
   F21V9/14
   F21S2/00 340
   F21Y115:30
【請求項の数】16
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2019-558517(P2019-558517)
(86)(22)【出願日】2017年11月3日
(65)【公表番号】特表2020-518024(P2020-518024A)
(43)【公表日】2020年6月18日
(86)【国際出願番号】CN2017109341
(87)【国際公開番号】WO2018196318
(87)【国際公開日】20181101
【審査請求日】2019年11月8日
(31)【優先権主張番号】201710286466.6
(32)【優先日】2017年4月27日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514090979
【氏名又は名称】深▲せん▼光峰科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】APPOTRONICS CORPORATION LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【弁理士】
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【弁理士】
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(72)【発明者】
【氏名】フー,フェイ
(72)【発明者】
【氏名】ホウ,ハイション
(72)【発明者】
【氏名】リー,イー
【審査官】 石本 努
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/196079(WO,A1)
【文献】 国際公開第2016/091106(WO,A1)
【文献】 特開2003−057745(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/102976(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/045857(WO,A1)
【文献】 特開2009−258656(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/146683(WO,A1)
【文献】 特開2010−026261(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K9/00−9/90
F21S2/00−45/70
F21V1/00−15/04
G02B5/20−5/28
G03B21/00−21/10
21/12−21/13
21/134−21/30
33/00−33/16
H04N5/66−5/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源システムであって、
発光装置と、分光システムとを備え、
前記発光装置は、時系列で出射する第1光と第2光とを供給し、
前記分光システムは、分光装置と、少なくとも2つの光通路とを備え、
前記分光装置は、前記第1光を第1原色光と第2原色光とに分け、前記第2光を2つの第3原色光に分け、第1時系列で前記第1原色光を第1光路に沿って出射し、前記第2原色光を第2光路に沿って出射し、第2時系列で前記第1原色光を前記第2光路に沿って出射し、前記第2原色光を前記第1光路に沿って出射し、第3時系列で前記2つの第3原色光をそれぞれ前記第1光路と前記第2光路に沿って出射し、
前記少なくとも2つの光通路は、それぞれ前記第1光路と前記第2光路に設けられ、それぞれの前記光通路は、時系列で前記第1原色光、前記第2原色光及び前記第3原色光を出射するために用いられることを特徴とする光源システム。
【請求項2】
前記発光装置は、励起光源と、波長変換装置とを備え、
前記励起光源は、励起光を生成し、
前記波長変換装置は、第1波長領域と第2波長領域とを含み、前記第1波長領域は、前記励起光に励起されて前記第1光を生成し、前記第2波長領域は、前記励起光に励起されて前記第2光を生成し、又は、前記励起光を透過して前記第2光を生成することを特徴とする請求項1に記載の光源システム。
【請求項3】
前記励起光源は、青色のレーザ光であり、前記第1波長領域は、黄色の蛍光材料が設けられ、前記第2波長領域は、光透過領域であることを特徴とする請求項2に記載の光源システム。
【請求項4】
前記分光装置は、色補正ホイールと、前記色補正ホイールを駆動する駆動装置とを備え、前記色補正ホイールは、前記色補正ホイールの周方向に沿って分布する第1原色領域、第2原色領域及び第3原色領域を含み、前記第1原色領域は、前記第1光を、少なくとも前記第1光路に沿って出射する第1原色光と、前記第2光路に沿って出射する第2原色光とに分け、前記第2原色領域は、前記第1光を、少なくとも前記第1光路に沿って出射する第2原色光と、前記第2光路に沿って出射する第1原色光とに分け、前記第3原色領域は、前記第2光を、少なくとも前記第1光路及び前記第2光路に沿って出射する2つの第3原色光に分けることを特徴とする請求項1に記載の光源システム。
【請求項5】
前記第3原色領域には、半反射半透過膜片又は偏光板が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の光源システム。
【請求項6】
前記少なくとも2つの光通路は、第1光均一棒と、第2光均一棒とを備え、
前記第1光均一棒は、前記分光装置から前記第1光路に沿って出射された前記第1原色光、第2原色光及び第3原色光を均一化して時系列で出射し、
前記第2光均一棒は、前記分光装置から前記第2光路に沿って出射された前記第1原色光、第2原色光及び第3原色光を均一化して時系列で出射することを特徴とする請求項4に記載の光源システム。
【請求項7】
前記第1光均一棒は、前記第1光均一棒の光軸方向において間隔をあけて設けられる第1端面及び第2端面と、第1端面と第2端面との間に接続される複数の接続面とを含み、前記複数の接続面は、第1面を含み、前記第2光均一棒は、前記第2光均一棒の光軸方向において間隔をあけて設けられる第1端面及び第2端面と、第1端面と第2端面との間に接続される複数の接続面とを含み、前記複数の接続面は、第1面を含むことを特徴とする請求項6に記載の光源システム。
【請求項8】
前記第1光均一棒の第1端面と前記第2光均一棒の第1端面は、いずれも入光面であり、前記第1光均一棒の第2端面と前記第2光均一棒の第2端面は、いずれも出光面であり、前記第1光均一棒の第1端面と第2端面は、いずれも前記第1光均一棒の光軸に略垂直であり、前記第2光均一棒の第1端面と第2端面は、いずれも前記第2光均一棒の光軸に略垂直であることを特徴とする請求項7に記載の光源システム。
【請求項9】
前記第1光均一棒と前記第2光均一棒のうち、一方の光均一棒の第1端面は、光軸に対して所定の角度で傾斜して設けられ、且つ内部反射膜がメッキされており、前記一方の光均一棒の第1面の第1端面に近接する部分の領域は、入光面であり、前記入光面から入射された第1原色光、第2原色光及び第3原色光は、前記第1端面に反射されてから前記第1光路又は前記第2光路に沿って第2端面から出射されることを特徴とする請求項7に記載の光源システム。
【請求項10】
前記第1光均一棒と前記第2光均一棒のうち、他方の光均一棒は、第1端面が入光面であり、第2端面が出光面であり、前記第1光均一棒の入光面と前記第2光均一棒の入光面とは、前記色補正ホイールに対して鏡像対称となることを特徴とする請求項9に記載の光源システム。
【請求項11】
前記第1光均一棒と前記第2光均一棒は、いずれも中実角棒であり、又は、前記第1光均一棒と前記第2光均一棒のうち、一方の光均一棒は中実角棒であり、他方の光均一棒は中空角棒であることを特徴とする請求項7に記載の光源システム。
【請求項12】
前記第1光均一棒の第1面は、前記第2光均一棒の第1面に当接し、且つ前記第1光均一棒の第1面と前記第2光均一棒の第1面とには、内部反射膜がメッキされており、又は、前記第1光均一棒と前記第2光均一棒のうち、前記中実角棒の第1面は、同時に前記中空角棒の第1面を構成することを特徴とする請求項11に記載の光源システム。
【請求項13】
前記分光システムは、少なくとも1つの反射鏡を備え、前記反射鏡は、前記分光装置から出射された前記第1原色光、前記第2原色光及び前記第3原色光を反射して前記第1光均一棒及び/又は前記第2光均一棒に入射させることを特徴とする請求項6に記載の光源システム。
【請求項14】
前記第1光は、黄色光であり、前記第2光は、青色光であり、前記分光装置は、時系列で前記黄色光を、前記第1光路に沿って出射する赤色光と前記第2光路に沿って出射する緑色光、及び前記第1光路に沿って出射する緑色光と前記第2光路に沿って出射する赤色光に分け、前記青色光を前記第1光路と前記第2光路に沿って出射する2つの青色光に分けることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の光源システム。
【請求項15】
投影システムであって、
請求項1乃至14のいずれか1項に記載の光源システムと、空間光変調器とを備え、
前記空間光変調器は、各前記光通路から時系列で出射された前記第1原色光、前記第2原色光及び前記第3原色光をそれぞれ変調するように、少なくとも2つの領域を含むことを特徴とする投影システム。
【請求項16】
前記分光システムは、3つの前記光通路を含み、前記空間光変調器は、各前記光通路から時系列で出射された前記第1原色光、第2原色光及び第3原色光をそれぞれ変調するように、対応的に3つの領域が設けられていることを特徴とする請求項15に記載の投影システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投影表示分野に関し、特に光源システム及び当該光源システムを用いる投影システムに関する。
【背景技術】
【0002】
DLP(Digital Light Processing、デジタル光学処理技術)投影表示システムは、投影表示分野で広く応用され、そのコア部品がDMD( Digital Micromirror Device、デジタル・マイクロミラー・デバイス)である。DMDは、1種の空間光変調器である。DLP投影システムは、DMDの数によって、モノリシック空間光変調器投影システム、2板式空間光変調器投影システム及び3板式空間光変調器投影システムの3種類に分けることができる。
【0003】
モノリシック空間光変調器投影システムは、一般に励起光源を用いて回動するカラーホイールに照射して時系列で出射する赤、緑、青の三原色光を生成し、時系列で出射する赤、緑、青の三原色光をDMDへ投射して変調を行い、変調された単色光画像をスクリーン上で快速且つ交互に切り替え、人の目の視覚残留効果を利用して各時系列の単色光画像を一緒に混合して、カラー画像を形成する。赤、緑、青の三原色光が得られるように、カラーホイールに赤、緑、青の3種の色の蛍光粉が塗布されているが、赤色の蛍光粉の光変換効率が低く、黄色の蛍光から赤色光を切り取る効率よりも遥かに低い。
【0004】
現在、黄色の蛍光から赤色光を得る方法は、通常、2板式空間光変調器投影システムと3板式空間光変調器投影システムに用いられるが、これらの投影システムの構成が大きく、作製プロセスが複雑であり、価格が高い。この方法が従来のモノリシック空間光変調器投影システムに用いられるとき、黄色の蛍光から赤色光と緑色光を得て、赤色光がDMDに出射すると、緑色光がカラーホイールに反射されて損失され、緑色光がDMDに出射すると、赤色光がカラーホイールに反射されて損失され、光エネルギーの利用率が低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記事情に鑑みて、本発明は、光エネルギーの利用率が高い光源システムと投影システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、光源システムを提供する。当該光源システムは、発光装置と、分光システムとを備え、前記発光装置は、時系列で出射する第1光と第2光とを供給し、前記分光システムは、分光装置と、少なくとも2つの光通路とを備え、前記分光装置は、前記第1光を第1原色光と第2原色光とに分け、前記第2光を2つの第3原色光に分け、第1時系列で前記第1原色光を第1光路に沿って出射し、前記第2原色光を第2光路に沿って出射し、第2時系列で前記第1原色光を前記第2光路に沿って出射し、前記第2原色光を前記第1光路に沿って出射し、第3時系列で前記2つの第3原色光をそれぞれ前記第1光路と前記第2光路に沿って出射し、前記少なくとも2つの光通路は、それぞれ前記第1光路と前記第2光路に設けられ、それぞれの前記光通路は、時系列で前記第1原色光、前記第2原色光及び前記第3原色光を出射するために用いられる。
【0007】
1つの実施形態では、前記発光装置は、励起光源と、波長変換装置とを備え、前記励起光源は、励起光を生成し、前記波長変換装置は、第1波長領域と第2波長領域とを含み、前記第1波長領域は、前記励起光に励起されて前記第1光を生成し、前記第2波長領域は、前記励起光に励起されて前記第2光を生成し、又は、前記励起光を透過して前記第2光を生成する。
【0008】
1つの実施形態では、前記励起光源は、青色のレーザ光であり、前記第1波長領域は、黄色の蛍光材料が設けられ、前記第2波長領域は、光透過領域である。
【0009】
1つの実施形態では、前記分光装置は、色補正ホイールと、前記色補正ホイールを駆動する駆動装置とを備え、前記色補正ホイールは、前記色補正ホイールの周方向に沿って分布する第1原色領域、第2原色領域及び第3原色領域を含み、前記第1原色領域は、前記第1光を、少なくとも前記第1光路に沿って出射する第1原色光と、前記第2光路に沿って出射する第2原色光とに分け、前記第2原色領域は、前記第1光を、少なくとも前記第1光路に沿って出射する第2原色光と、前記第2光路に沿って出射する第1原色光とに分け、前記第3原色領域は、前記第2光を、少なくとも前記第1光路及び第2光路に沿って出射する2つの第3原色光に分ける。
【0010】
1つの実施形態では、前記第3原色領域には、半反射半透過膜片又は偏光板が設けられている。
【0011】
1つの実施形態では、前記少なくとも2つの光通路は、第1光均一棒と、第2光均一棒とを備え、
前記第1光均一棒は、前記分光装置から前記第1光路に沿って出射される前記第1原色光、第2原色光及び第3原色光を均一化して、時系列で出射し、
前記第2光均一棒は、前記分光装置から前記第2光路に沿って出射される前記第1原色光、第2原色光及び第3原色光を均一化して時系列で出射する。
【0012】
1つの実施形態では、前記第1光均一棒は、第1光均一棒の光軸方向において間隔をあけて設けられる第1端面及び第2端面と、第1端面と第2端面との間に接続される複数の接続面とを含み、前記複数の接続面は、第1面を含み、前記第2光均一棒は、第2光均一棒の光軸方向において間隔をあけて設けられる第1端面及び第2端面と、第1端面と第2端面との間に接続される複数の接続面とを含み、前記複数の接続面は、第1面を含む。
【0013】
1つの実施形態では、前記第1光均一棒の第1端面と第2光均一棒の第1端面は、いずれも入光面であり、第1光均一棒の第2端面と第2光均一棒の第2端面は、いずれも出光面であり、前記第1光均一棒の第1端面と第2端面は、いずれも第1光均一棒の光軸に略垂直であり、前記第2光均一棒の第1端面と第2端面は、いずれも第2光均一棒の光軸に略垂直である。
【0014】
1つの実施形態では、第1光均一棒と第2光均一棒のうち、一方の光均一棒の第1端面は、光軸に対して所定の角度で傾斜して設けられ、且つ内部反射膜がメッキされており、前記一方の光均一棒の第1面の第1端面に近接する部分の領域は、入光面であり、前記入光面から入射された第1原色光、第2原色光及び第3原色光は、前記第1端面に反射されてから前記第1光路又は第2光路に沿って第2端面から出射される。
【0015】
1つの実施形態では、第1光均一棒と第2光均一棒のうち、他方の光均一棒は、第1端面が入光面であり、第2端面が出光面であり、第1光均一棒の入光面と第2光均一棒の入光面とは、前記色補正ホイールに対して鏡像対称となる。
【0016】
1つの実施形態では、前記第1光均一棒と前記第2光均一棒は、いずれも中実角棒であり、又は前記第1光均一棒と前記第2光均一棒のうち、一方の光均一棒は中実角棒であり、他方の光均一棒は中空角棒である。
【0017】
1つの実施形態では、第1光均一棒の第1面は、第2光均一棒の第1面に当接し、且つ前記第1光均一棒の第1面と前記第2光均一棒の第1面とには、内部反射膜がメッキされており、又は、前記第1光均一棒と前記第2光均一棒のうち、前記中実角棒の第1面は、同時に前記中空角棒の第1面を構成する。
【0018】
1つの実施形態では、前記分光システムは、少なくとも1つの反射鏡を備え、前記反射鏡は、前記分光装置から出射された前記第1原色光、前記第2原色光及び前記第3原色光を反射して前記第1光均一棒及び/又は第2光均一棒に入射させる。
【0019】
1つの実施形態では、前記第1光は、黄色光であり、前記第2光は、青色光であり、前記分光装置は、時系列で前記黄色光を、第1光路に沿って出射する赤色光と第2光路に沿って出射する緑色光、及び第1光路に沿って出射する緑色光と第2光路に沿って出射する赤色光に分け、前記青色光を第1光路と第2光路に沿って出射する2つの青色光に分ける。
【0020】
本発明は投影システムを提供する。前記投影システムは、上述した光源システムと、空間光変調器とを備え、前記空間光変調器は、各前記光通路から時系列で出射された前記第1原色光、前記第2原色光及び前記第3原色光をそれぞれ変調するように、少なくとも2つの領域を含む。
【0021】
1つの実施形態では、前記分光システムは、3つの前記光通路を含み、前記空間光変調器は、各前記光通路から時系列で出射された前記第1原色光、第2原色光及び第3原色光をそれぞれ変調するように、対応的に3つの領域が設けられている。
【発明の効果】
【0022】
本発明の実施例に係る投影システムのメリットは、下記のようになる。少なくとも2つの光通路が設けられ、単一の空間光変調器が同一の時点で少なくとも2つの入射光を変調可能であるため、反射光を回収することができ、分光装置の分光時の光損失を回避して、光エネルギーの利用率を向上させ、且つ当該投影システムは、構造体積が小さく、コストが低い。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施例1の投影システムのブロック模式図である。
図2】本発明の実施例1の波長変換装置の構成模式図である。
図3】本発明の実施例1の分光装置の構成模式図である。
図4】本発明の実施例1の色補正ホイールの構成模式図である。
図5】本発明の実施例1の投影システムの1種の具体的な構成模式図である。
図6】本発明の実施例1の空間光変調器の時系列の出光図である。
図7】本発明の他の実施例における空間光変調器の時系列の出光図である。
図8図5のVIII部分の拡大模式図である。
図9】本発明の実施例2の投影システムの構成模式図である。
図10図9のX部分の拡大模式図である。
図11】本発明の実施例3の投影システムの構成模式図である。
図12図11のXII部分の拡大模式図である。
図13図11の第1光均一棒と第2光均一棒の図11におけるXIII-XIIIに沿った組み合わせ断面模式図である。
図14】本発明の実施例4の投影システムの構成模式図である。
図15】本発明の実施例5の投影システムの構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施例における図面を参照して本発明の実施例における技術案を明らかに、完全に説明する。明らかに、説明される実施例は、本発明の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。本発明における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を要さずに想到し得る他の実施例は、全て本発明の保護範囲に含まれる。本明細書で使用される技術や科学用語は、特に断りがない限り、当業者に一般的に理解されるものと同義である。明細書で使用される用語“又は/及び”は一つ又は複数の関連する列挙された項目の任意の及び全ての組み合わせを含む。
【0025】
<実施例1>
図1に示すように、図1は本発明の実施例1に係る投影システムのブロック模式図である。当該投影システムは、発光装置10、分光システム11及び空間光変調器12を備える。前記発光装置10と分光システム11とは、ともに光源システムを構成し、前記発光装置10は、時系列で出射する第1光と第2光とを供給し、前記分光システム11は、第1光及び第2光をそれぞれ少なくとも2つの原色光に分け、前記原色光をそれぞれ空間光変調器12の対応的な領域に導いて出射し、前記空間光変調器12は、前記原色光を変調して、所望のカラー画像を取得する。
【0026】
前記発光装置10は、励起光源と波長変換装置とを備え、励起光源は、励起光を生成し、波長変換装置は、前記励起光に励起され、又は前記励起光を透過して、時系列で出射する第1光と第2光とを生成する。図2を参照すると、図2は、発光装置10の波長変換装置の構成模式図である。本実施例では、前記波長変換装置101は、蛍光カラーホイールであり、円盤状をなし、蛍光カラーホイールの周方向に沿って分布する第1波長領域102と第2波長領域103とを含み、第1波長領域102は、前記励起光に励起されて前記第1光を生成し、第2波長領域103は、前記励起光に励起されて前記第2光を生成し、又は前記励起光を透過して前記第2光を生成する。
【0027】
本実施例では、励起光源は、青色のレーザ光であり、蛍光カラーホイールの第1波長領域102には、波長変換材料が設けられ、例えば、黄色蛍光粉が設けられ、第2波長領域103は光透過領域であり、当該光透過領域は、青色のレーザ光を透過することができる。蛍光カラーホイールは、周期的に回動し、励起光が第1波長領域102に照射すると、青色のレーザ光は、黄色蛍光粉に吸収されて黄色蛍光粉を励起して黄色光を生成し、この黄色光は第1光であり、励起光が第2波長領域103に照射すると、青色のレーザ光は透過出射し、この青色光は第2光である。無論、励起光源は、青色のレーザ光に限らず、他の色のレーザ光又はLEDなどの他の光源であってもよい。
【0028】
図3を参照すると、図3は分光システム11の分光装置の構成模式図である。分光システム11は、分光装置111と少なくとも2つの光通路とを備える(図3に図示せず)。分光装置111は、前記第1光分を第1原色光と第2原色光とに分け、前記第2光を少なくとも2つの第3原色光に分ける。それぞれの前記光通路は、時系列で前記第1原色光、前記第2原色光及び前記第3原色光を出射する。分光装置111は、色補正ホイール112と、前記色補正ホイール112を駆動する駆動装置113とを備え、前記色補正ホイール112は、円盤状をなす。
【0029】
具体的に、図4を参照すると、図4は、色補正ホイール112の1種の構成模式図である。色補正ホイール112は、前記色補正ホイール112の周方向に沿って分布する第1原色領域114、第2原色領域115及び第3原色領域116を含み、前記第1原色領域114は、前記第1光を、第1光路に沿って出射する第1原色光と第2光路に沿って出射する第2原色光とに分け、本実施形態では、前記第1原色領域114は、前記第1原色光を透過して前記第2原色光を反射し、前記第1原色光と第2原色光とは、それぞれ第1光路と第2光路に沿って最終的に前記空間光変調器12に出射し、前記第2原色領域115は、前記第1光を、第2光路に沿って出射する第1原色光と、第1光路に沿って出射する第2原色光とに分け、本実施形態では、前記第2原色領域は、前記第2原色光を透過して前記第1原色光を反射し、前記第2原色光と第1原色光とは、それぞれ第1光路と第2光路に沿って最終的に前記空間光変調器12に出射し、前記第3原色領域116は、前記第2光を、それぞれ第1光路及び第2光路に沿って出射する2つの第3原色光に分け、本実施形態では、前記第3原色領域は、前記2つの第3原色光を透過反射し、前記2つの第3原色光は、それぞれ第1光路と第2光路に沿って最終的に前記空間光変調器12に出射する。
【0030】
本実施形態では、色補正ホイール112は、蛍光カラーホイールと同期し、蛍光カラーホイールの第1波長領域102は、色補正ホイール112の第1原色領域114及び第2原色領域115に対応し、蛍光カラーホイールの第2波長領域103は、色補正ホイール112の第3原色領域116に対応し、即ち、蛍光カラーホイールの第1波長領域102が励起されて黄色光を生成するとき、黄色光が色補正ホイール112の第1原色領域114に入射され、黄色光が赤色光と緑色光に分けられ、そして、赤色光は、前記第1原色領域114で透過されて第1光路に設けられる光通路に沿って空間光変調器12の第1領域に送られ、赤色光は前記第1原色光であり、緑色光は、前記第1原色領域114で反射されて第2光路に設けられる光通路に沿って空間光変調器12の第2領域に送られ、緑色光は第2原色光である。色補正ホイール112は、駆動装置113による駆動で下へ第2原色領域115まで回動すると、緑色光は、前記第2原色領域115で透過されて前記第1光路における光通路に沿って空間光変調器12の前記第1領域に送られ、赤色光は、前記第2原色領域115で反射されて前記第2光路における光通路に沿って空間光変調器12の前記第2領域に送られる。蛍光カラーホイールの第2波長領域103が青色のレーザ光を透過するとき、色補正ホイール112は、駆動装置113による駆動で下へ第3原色領域116に回動し、前記第3原色領域116には、色補正シートが設けられ、前記色補正シートは、半反射半透過膜片又は偏光板であり、青色光は、前記第3原色領域116で一部が透過され、他の一部が反射され、透過された青色光は、前記第1光路における光通路に沿って空間光変調器12の前記第1領域に送られ、反射された青色光は、前記第2光路における光通路に沿って空間光変調器12の前記第2領域に送られ、青色光は第3原色光である。
【0031】
このように、黄色蛍光粉の光変換効率が高いため、青色のレーザ光が黄色蛍光粉を励起して黄色光を生成し、黄色光を赤色光と緑色光とに分け、そして、青色のレーザ光、即ち青色光と、赤、緑、青の3種の原色光を構成して、時系列で空間光変調器12に出射し、光変換効率の低い赤色蛍光粉から赤色光を得る必要がなく、光エネルギーの利用率を向上させる。一方で、色補正ホイール112に反射される光は、前記他方の光通路により、空間光変調器12に回収されて出射することができ、分光時の光の損失を回避し、光エネルギーの利用率を向上させる。
【0032】
無論、第1原色光、第2原色光、第3原色光は、それぞれ赤色光、緑色光、青色光であることに限らず、本実施形態は、これを例のみとして説明し、第1原色光、第2原色光、第3原色光は、それぞれ緑色光、赤色光、青色光であり、又は赤緑青色光の他の組み合わせ方式であってもよい。第1光と第2光は、それぞれ黄色光と青色光であることにも限らず、分光により赤、緑、青の3種の原色光を得ることができればよい。以下、便宜上、第1光及び第2光として、いずれも黄色光と青色光を例とし、第1原色光、第2原色光、及び第3原色光としては、赤色光、緑色光、及び青色光を例とする。
【0033】
図5を参照すると、図5は、図1に示す投影システムの1種の具体的な構成の模式図である。本実施形態では、分光システム11は、2つの光通路を含み、2つの光通路は、それぞれ第1光路と第2光路に位置し、対応的に、空間光変調器12は、2つの領域、即ち第1領域121と第2領域122とを含み、1つの実施形態では、第1領域121は、左側に位置し、左辺領域と称され、第2領域は右側に位置し、右辺領域と称される。他の実施形態では、第1領域121と第2領域122との位置関係は、これに限らず、他の位置関係であってもよく、例えば、そのうちの一方は、上側に位置し、他方は、下側に位置する。分光システム11の2つの光通路は、それぞれ第1光均一棒117と第2光均一棒118を備える。第1光均一棒117は、前記第1光路に設けられ、第2光均一棒118は、前記第2光路に設けられている。本実施例では、第1光均一棒117と第2光均一棒118とはいずれも角棒であり、即ち、その主体部分のその自体の光軸に垂直な断面は、方形状をなし、前記第1光均一棒117と第2光均一棒118の主体部分のその自体の光軸に垂直な断面は、他の四角形、例えば、ひし形であってもよい。前記第1光均一棒117は、前記分光装置111に反射される前記第1原色光、前記第2原色光及び前記第3原色光を均一化して時系列で前記空間光変調器12に出射させる。前記第2光均一棒118は、前記分光装置111に透過される前記第1原色光、前記第2原色光及び前記第3原色光を均一化して時系列で前記空間光変調器12に出射させる。
【0034】
本実施例では、第1光均一棒117と第2光均一棒118とは、それぞれの光軸方向に略直方体状をなす。被励起光である黄色光が色補正ホイール112の第1原色光領域を通るとき、赤色光は、透過され、緑色光は、反射回収され、そして、当該赤色光は、第2光均一棒118によって均一化されて空間光変調器12の第1領域121に出射し、当該緑色光は、第1光均一棒117に反射されて、第1光均一棒117に均一化されてから、空間光変調器12の第2領域122に出射する。被励起光である黄色光が色補正ホイール112の第2原色光領域を通るとき、緑色光は、透過され、赤色光は反射回収され、ここで、当該緑色光は、第2光均一棒118に均一化されて空間光変調器12の左辺領域121に出射し、当該赤色光は、第1光均一棒117に反射されて第1光均一棒117に均一化されてから、空間光変調器12の第2領域122に出射する。青色光が第3原色光領域を通るとき、一部は透過され、他の一部は反射され、ここで、透過された青色光は、第2光均一棒118に均一化されて空間光変調器12の第1領域121に出射し、他の青色光は、第1光均一棒117に反射されて第1光均一棒117に均一化されてから空間光変調器12の第2領域122に出射する。
【0035】
図6に示すように、図6は空間光変調器12の時系列出光図である。発光装置10が黄色光を出射するとき、空間光変調器12の2つの領域に同時に赤色光と緑色光が現れ、発光装置10が青色光を出射するとき、空間光変調器12の2つの領域に同時に青色光が現れる。空間光変調器12の第1領域121で時系列で出射する光は、RGBRGB…であり、空間光変調器12の第2領域122で時系列で出射する光は、GRBGRB…であり、ここで、Rは赤色光(red)を示し、Gは緑色光(GReen)を示し、Bは青色光(blue)を示す。
【0036】
図7に示すように、図7は、他の実施例における空間光変調器の時系列出光図である。前記実施形態では、分光システムは、3つの光通路を含み、即ち、3つの光均一棒が設けられ、対応的に、3つの光通路から出射された三原色の時系列光を受け取るために、空間光変調器は、3つの領域を含み、空間光変調器の領域で時系列で出射された光は、RGBRGB…であり、GRBGRB…であり、RGBRGB…である。具体的に、分光システムは、色補正ホイール、第1光均一棒、第2光均一棒、第3光均一棒、分光鏡及び反射鏡を備え、色補正ホイールは、第1原色領域、第2原色領域及び第3原色領域を備え、分光鏡に半透過半反射膜がメッキされ、蛍光カラーホイールの第1波長領域は、色補正ホイールの第1原色領域と第2原色領域に対応し、蛍光カラーホイールの第2波長領域は、色補正ホイールの第3原色領域に対応し、蛍光カラーホイールの第1波長領域が励起されて黄色光を生成するとき、黄色光は、色補正ホイールの第1原色領域に入射され、黄色光は、赤色光と緑色光とに分けられ、緑色光は、第1原色領域で第2光均一棒に透過され、赤色光は、第1原色領域で分光鏡に反射され、半分の赤色光は分光鏡において第1光均一棒に反射され、他の半分の赤色光は、分光鏡に透過されて、反射鏡によって第3光均一棒に反射され、黄色光が第2原色領域に入射されるとき、黄色光は、赤色光と緑色光とに分けられ、赤色光は、第2原色領域で第2光均一棒に透過され、緑色光は、第1原色領域で分光鏡に反射され、半分の緑色光は、分光鏡において第1光均一棒に反射され、他の半分の緑色光は、分光鏡において透過され、反射鏡によって第3光均一棒に反射され、蛍光カラーホイールの第2波長領域が青色のレーザ光を透過するとき、色補正ホイールは、駆動装置による駆動で下へ第3原色領域に回動し、第3原色領域には、半反射半透過膜片又は偏光板が設けられ、青色光は、前記第3原色領域で、一部が透過され、他の一部が反射され、透過された青色光は、第2光均一棒に入射され、反射された青色光は、第1原色領域で分光鏡に反射され、半分の青色光は、分光鏡において第1光均一棒に反射され、他の半分の青色光は、分光鏡において透過されて、反射鏡によって第3光均一棒に反射され、ここで、空間光変調器の3つの領域は、それぞれ第1光均一棒、第2光均一棒及び第3光均一棒の出射する三原色時系列光を受け取る。
【0037】
他の実施形態では、原色光を複数に分けるように、分光装置は、色補正ホイール、複数の分光鏡、反射鏡を備えてもよく、対応的に、同時に複数の光通路から出射された原色光を変調するために、空間光変調器は、複数の領域を含むことができ、それぞれの前記光通路は、時系列で前記第1原色光、前記第2原色光及び前記第3原色光を出射する。
【0038】
図8を参照すると、図8は、図5のVIII部分の拡大模式図である。具体的に、第1光均一棒117は、複数の接続面である第1面11a、第2面11b、第3面11c、第4面(図8に図示せず)を含み、前記第1光均一棒117は、第1端面11d及び第2端面11eをさらに含む。前記第1端面11dと前記第2端面11eとは、第1光均一棒117の光軸方向に沿って間隔をあけて設けられ、前記第1面11a、第2面11b、第3面11c及び第4面は、第1端面11dと第2端面11eとの間に接続され、第1面11aと第2面11bとは背向し、第3面11cと第4面とは背向し、第1面11aは、第3面11c及び第4面に交差し、第2面11bも、第3面11c及び第4面に交差する。
【0039】
第2光均一棒118は、複数の接続面である第1面11f、第2面11g、第3面11h、第4面(図8に図示せず)を含み、前記第2光均一棒118は、第1端面11iと第2端面11jとをさらに含む。前記第1端面11iと前記第2端面11jとは、第2光均一棒118の光軸方向に間隔をあけて設けられ、前記第1面11f、第2面11g、第3面11h及び第4面は、第1端面11iと第2端面11jとの間に接続され、第1面11fと第2面11gとは、背向し、第3面11hと第4面とは、背向し、第1面11fは、第3面11h及び第4面に交差し、第2面11gも、第3面11h及び第4面に交差する。
【0040】
本実施例では、第1光均一棒117の第1端面11dと第2端面11eとは、いずれも第1光均一棒117の光軸に略垂直であり、第2光均一棒118の第1端面11iと第2端面11jとは、いずれも第2光均一棒118の光軸に略垂直であり、第1光均一棒117の第1端面11dと第2光均一棒118の第1端面11iとは、面一となり、第1光均一棒117の第2端面11eと第2光均一棒118の第2端面11jとは面一となっている。第1光均一棒117の第1端面11dは入光面であり、第2端11eは出光面である。第2光均一棒118の第1端11iは入光面であり、第2端11jは出光面である。色補正ホイール112は、第1光均一棒117及び第2光均一棒118の光軸に対して一定の角度で傾斜して設けられ、色補正ホイール112と第2光均一棒118の光路との間に第1反射鏡119が設けられ、黄色光が色補正ホイール112の第1原色光領域に入射されたとき、赤色光は、第2光均一棒118に透過され、緑色光は、第1原色光領域によって第1反射鏡119に反射されて、第1反射鏡119によって第1光均一棒117に反射される。
【0041】
第1光均一棒117と第2光均一棒118は、いずれも中実角棒であり、第1光均一棒117と第2光均一棒118とは、接合して一体となっている。第1光均一棒117の第1面11aは、第2光均一棒118の第1面11fに当接し、第1光均一棒117の第1面11aと第2光均一棒118の第1面11fとには、それぞれ内部反射膜がメッキされている。これにより、第1光均一棒117と第2光均一棒118が合わせるとき、第1光均一棒117の第1面11aと第2光均一棒118の第1面11fとの間に空気が押し出されることにより、全反射が破壊されることを防止することができる。なお、2つの中実棒が接合させると、接合スリットが生じることが避けられず、2つの中実棒の接合面の加工精度が足りなければ、接合面のスリットを大きくし、結像効果を影響するため、第1光均一棒117の第1面11aと第2光均一棒118の第1面11fには、それぞれ内部反射膜がメッキされることで、接合スリットによる影響を減少することができる。
【0042】
再び図5を参照すると、一部の実施形態では、前記分光システム11と前記空間光変調器12との間に、光学システム13が設けられている。具体的に、光学システム13は、1つの平凸レンズ131と2つの両凸レンズ132との組み合わせであってもよい。第1光均一棒117と第2光均一棒118とから出射する原色光は、光学システム13によって空間光変調器12の2つの領域に出力される。
【0043】
<実施例2>
図9に示すように、図9は、本発明の実施例2に係る投影システムの構成模式図である。本実施例では、当該投影システムは、発光装置(図9に図示せず)、分光システム21及び空間光変調器22を備える。当該発光装置は、時系列で出射する第1光と第2光を供給する。当該分光システム21は、分光装置211、第1光路に設けられる第1光均一棒214、及び第2光路に設けられる第2光均一棒215を備える。当該分光装置211は、色補正ホイール212と、色補正ホイール212を駆動する駆動装置213とを備える。前記分光装置211は、前記第1光を第1原色光と第2原色光とに分け、前記分光装置211は、さらに前記第2光を少なくとも2つの第3原色光に分ける。第1光均一棒214と第2光均一棒215とは、それぞれ2つの光通路を形成する。2つの光通路から時系列で出射される第1原色光、第2原色光及び第3原色光をそれぞれ変調するために、空間光変調器22は、2つの領域を備える。
【0044】
図10を参照すると、図10は、図9の投影システムのX部分の拡大模式図である。本実施形態では、第1光均一棒214と第2光均一棒215は、いずれも角棒であるが、第1光均一棒214の構成は、実施例1における第1光均一棒と異なり、第1光均一棒214は、複数の接続面である第1面21a、第2面21b、第3面21c、第4面(図10に図示せず)を含み、前記第1光均一棒214は、第1端面21d及び第2端面21eをさらに含む。前記第1端面21dと前記第2端面21eとは、第1光均一棒214の光軸方向に沿って間隔をあけて設けられ、前記第1面21a、第2面21b、第3面21c及び第4面は、第1端面21dと第2端面21eとの間に接続され、そして、第1面21aと第2面21bとは背向し、第3面21cと第4面とは背向し、第1面21aは、第3面21c及び第4面相交と交差し、第2面21bも、第3面21c及び第4面と交差する。
【0045】
第2光均一棒215は、複数の接続面である第1面21f、第2面21g、第3面21h、第4面(図10に図示せず)を含み、前記第2光均一棒215は、第1端面21i及び第2端面21jを含む。前記第1端面21iと前記第2端面21jとは、第2光均一棒215の光軸方向に沿って間隔をあけて設けられ、前記第1面21f、第2面21g、第3面21h及び第4面は、第1端面21iと第2端面21jとの間に接続され、そして、第1面21fと第2面21gとは背向し、第3面21hと第4面とは背向し、第1面21fは、第3面21h及び第4面に交差し、第2面21gも第3面21h及び第4面に交差する。
【0046】
本実施例では、第1光均一棒214の第2端面21eは、第1光均一棒214の光軸に略垂直であり、第2光均一棒215の第1端面21iと第2端面21jとは、いずれも第2光均一棒215の光軸に略垂直であり、第1光均一棒214の第2端面21eと第2光均一棒215の第2端面21jとは面一し、第1光均一棒214の第1面21aの長さは、第2面21bよりも長く、且つ、第2光均一棒215の第1面21fよりも長いことにより、第1光均一棒214の第1端面21dは、第1光均一棒214の光軸に対して一定の角度で傾斜し、且つ第1光均一棒214の第1端面21dは、第2光均一棒215の第1端面21iに対して発光装置に向けて突出して設けられている。本実施例では、第1光均一棒214の第1面21aの第2光均一棒215の第1面21fから張り出す部分に第1入光面21kが形成され、第2光均一棒215の第1端面21iは第2入光面であり、前記第1入光面21kと前記第2入光面とは、前記色補正ホイール212に対して鏡像対称となる。このように、同一の光源では、第1光均一棒214の光路と第2光均一棒215の光路は一致し、効率を向上させることができる。
【0047】
第1光均一棒214の第1端面21dは斜面であり、前記第1端面21dに内部反射膜がメッキされている。色補正ホイール212に透過される原色光は、第2入光面から第2光均一棒215に入射して均一化され、第2光均一棒215の第2端面21jから空間光変調器22に出射される。色補正ホイール212に反射された原色光は、第1入光面21kから第1光均一棒214に入射され、第1光均一棒214の第1端面21dに反射され、最後に第1光均一棒214の第2端面21eから空間光変調器22に出射される。本実施例の投影システムの他の構成について、詳述せず、実施例1の投影システムを参照すればよい。
【0048】
<実施例3>
図11図12に示すように、図11は、本発明の実施例3の投影システムの構成模式図であり、図12図11の投影システムのXII部分の拡大模式図である。本実施例では、当該投影システムは、発光装置(図11に図示せず)、分光システム31及び空間光変調器32を備える。当該発光装置は、時系列で出射する第1光と第2光とを供給する。当該分光システム31は、分光装置311、第1光路に設けられる第1光均一棒312、第2光路に設けられる第2光均一棒313を備える。当該分光装置311は、色補正ホイール314と、色補正ホイール314を駆動する駆動装置315とを備える。前記分光装置311は、前記第1光を第1原色光と第2原色光とに分け、前記分光装置311は、さらに前記第2光を少なくとも2つの第3原色光に分ける。第1光均一棒312と第2光均一棒313とは、それぞれ2つの光通路を形成する。2つの光通路から時系列で出射する第1原色光、第2原色光及び第3原色光をそれぞれ変調するために、空間光変調器32は、2つの領域を備える。
【0049】
本実施形態では、第1光均一棒312と第2光均一棒313とは、いずれも角棒であり、その構成は、実施例1における第1、第2光均一棒と異なり、本実施例では、第1光均一棒312は中空角棒であり、第2光均一棒313は中実角棒である。色補正ホイール314に透過される原色光は、第1反射鏡318によって第2光均一棒313に反射される。色補正ホイール314で反射された原色光は、第2反射鏡319によって第1光均一棒312に反射される。
【0050】
本実施例では、第1光均一棒312は、複数の接続面である第1面31a、第2面31b、第3面31c、第4面(図11図12に図示せず)を含み、第1光均一棒312は、第1端面31d及び第2端面31eをさらに含み、前記第1端面31dと前記第2端面31eとは、第1光均一棒312の光軸方向に沿って間隔をあけて設けられ、前記第1面31a、第2面31b、第3面31c及び第4面は、第1端面31dと第2端面31eとの間に接続され、そして、第1面31aと第2面31bとは背向し、第3面31cと第4面とは背向し、第1面31aは、第3面31c及び第4面と交差し、第2面31bも、第3面31c及び第4面と交差する。
【0051】
第2光均一棒313は、複数の接続面である第1面31f、第2面31g、第3面31h、第4面(図11図12に図示せず)を含み、第2光均一棒313は、第1端面31i及び第2端面31jをさらに含む。前記第1端面31iと前記第2端面31jとは、第2光均一棒313の光軸方向に沿って間隔をあけて設けられ、前記第1面31f、第2面31g、第3面31h及び第4面は、第1端面31iと第2端面31jとの間に接続され、そして、第1面31fと第2面31gとは背向し、第3面31hと第4面とは背向し、第1面31fは、第3面31h及び第4面と交差し、第2面31gも、第3面31h及び第4面と交差する。
【0052】
本実施例では、第2光均一棒313の第2端面31jは、第2光均一棒313の光軸に略垂直であり、第1光均一棒312の第1端面31dと第2端面31eは、いずれも第1光均一棒312の光軸に略垂直であり、第1光均一棒312の第2端面31eと第2光均一棒313の第2端面31jは面一となり、第2光均一棒313の第1面31fと第1光均一棒312の第1面31aとは、長さが等しいが、第2光均一棒313の第2面31gが第1面31fよりも短いため、第2光均一棒313の第1端面31iは、第2光均一棒313の光軸に対して一定の角度で傾斜する。本実施例では、第2光均一棒313の第1端面31iに内部反射膜がメッキされ、色補正ホイール314によって透過される原色光は第1反射鏡318に反射され、第2光均一棒313の第1面31fの第1端面31iに近接する部分を通って第2光均一棒313に入射され、そして第2光均一棒313の第1端面31iによって反射され、最後に第2光均一棒313の第2端面31jから空間変調器32に出射される。
【0053】
図13に示すように、図13は、図11における第1光均一棒312と第2光均一棒313のXIII-XIIIに沿った組み合わせ断面模式図である。具体的に、第1光均一棒312は、3つの反射鏡316と前記第2光均一棒313の1つの反射面317が囲むことで形成され、前記第2光均一棒313の反射面317は、同時に前記第1光均一棒312の第1面31aと第2光均一棒313の第1面31fを構成する。本実施形態では、前記反射面317の前記第1端面31iに近接する箇所に反射層が設けられていないことで、原色光がこの箇所から第2光均一棒313に入射できるようにする。他の実施例で、状況に応じて、前記反射面317は、すべて反射層が設けられ、或いは、原色光が入射できるように、一部に反射層が設けられなくてもよい。第1光均一棒312の対向する両側に設けられる2つの反射鏡316は、第2光均一棒313を囲んで対向する両側に延在し、光は、中空角棒に複数回反射されて出射される。光は、中実角棒内部で全反射されて光均一化される。
【0054】
本実施形態では、中空棒と中実角棒との組み合わせで、前記第1光均一棒312と第2光均一棒313を形成し、中空角棒と中実角棒との接触面は、辺縁のみで厚みによる影響が存在するため、大部分の接合面で中空角棒の面による影響を受けないため、接合スリットによる影響を考慮しなくてもよい。なお、中実角棒の加工精度に対する要求も相対的に低くされてもよい。他の実施例で、無論、第1光均一棒312は、中実角棒であり、第2光均一棒313は中空角棒であってもよい。本実施例の投影システムの他の構成について詳述せず、実施例1の投影システムを参照すればよい。
【0055】
<実施例4>
図14に示すように、図14は本発明の実施例4の投影システムの構成模式図である。本実施例では、当該投影システムは、発光装置40、分光システム41及び空間光変調器(図14に図示せず)を備える。当該発光装置40は、時系列で出射する第1光と第2光とを供給する。当該分光システム41は、分光装置411、第1光路に設けられる第1光均一棒412及び第2光路に設けられる第2光均一棒413を備える。当該分光装置411は、色補正ホイール414と、色補正ホイール414を駆動する駆動装置415とを備える。前記分光装置411は、前記第1光分を第1原色光と第2原色光と分け、前記分光装置411は、さらに前記第2光を少なくとも2つの第3原色光に分ける。第1光均一棒412と第2光均一棒413とは、それぞれ2つの光通路を形成する。2つの光通路から時系列で出射する第1原色光、第2原色光和第3原色光をそれぞれ変調するために、空間光変調器は、2つの領域を含む。本実施例の投影システムが実施例3の投影システムと相違する点は、前記分光装置411と、前記第1光均一棒412及び前記第2光均一棒413との間に中継システム416が設けられていることにある。
【0056】
具体的に、中継システム416は、2つの反射鏡417と4つの凸レンズ418からなる。色補正ホイール414によって透過される原色光は、2つの凸レンズ418を通って第2光均一棒413に入射され、当該第2光均一棒413は中空角棒である。色補正ホイール414によって反射された原色光は反射鏡417、他の2つの凸レンズ418を通って、さらに他の1つ反射鏡417によって第1光均一棒412に反射され、当該第1光均一棒412は中実角棒である。
【0057】
このように、中継システム416で投影システムの光路を増加させて、光線が空間上で分光と光合成がより実現しやすい。本実施例の投影システムの他の構成について詳述せず、実施例1の投影システムを参照すればよい。
【0058】
<実施例5>
図15に示すように、図15は、本発明の実施例5の投影システムの構成模式図である。本実施例では、当該投影システムは発光装置50、分光システム51及び空間光変調器(図15に図示せず)を備える。当該発光装置50は、時系列で出射する第1光と第2光とを供給する。当該分光システム51は、分光装置511、第1光路に設けられる第1光均一棒512、及び第2光路に設けられる第2光均一棒513を備える。当該分光装置511は、色補正ホイール514と、色補正ホイール514を駆動する駆動装置515とを備える。前記分光装置511は、前記第1光を第1原色光と第2原色光とに分け、前記分光装置511は、さらに前記第2光を少なくとも2つの第3原色光に分ける。第1光均一棒512と第2光均一棒513とは、それぞれ2つの光通路を形成する。空間光変調器は、2つの光通路から時系列で出射された第1原色光、第2原色光及び第3原色光をそれぞれ変調するように、2つの領域を含む。前記分光装置511と前記第1光均一棒及び前記第2光均一棒との間に、中継システム516が設けられている。本実施例の投影システムが実施例4の投影システムと相違する点は、中継システム516が異なることである。
【0059】
具体的に、当該中継システム516は、2つの反射鏡517と4つの凸レンズ518からなる。色補正ホイール514によって透過された原色光は、まず1つの凸レンズ518を通って、そして、反射鏡517を通って、最後に1つの凸レンズ518を通って第2光均一棒513に入射され、当該第2光均一棒513は中空角棒である。色補正ホイール514によって反射された原色光は、まず1つの凸レンズ518を通って、そして他の1つの反射鏡517を通って、最後に1つの凸レンズ518を通って第1光均一棒512に入射され、当該第1光均一棒512は中実角棒である。
このように、中継システム516で投影システムの光路を増加させて、光線は空間上で分光と光合成がより実現しやすい。無論、中継システム516は、上記実施形態に限らず、他の形態が用いられてもよい。本実施例の投影システムの他の構成について詳述せず、実施例1の投影システムを参照すればよい。
【0060】
上述したように、本発明の投影システムは、少なくとも2つの光通路が設けられ、単一の空間光変調器は、同時に少なくとも2つの入射光を変調することが可能であり、このように、反射光を回収することが可能となり、分光装置による分光時に光損失を回避することができ、光エネルギーの利用率を向上させ、且つ、当該投影システムは、単一の空間光変調器のみが用いられ、構造体積が小さく、コストが低い。
【0061】
上記実施形態は、本発明の解決手段を説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。上記好適な実施形態を参照しながら本発明を詳細に説明したが、当業者であれば理解できるように、本発明の解決手段に対して変更又は均等的な置換を行うことは、本発明の解決手段の精神及び範囲から逸脱すべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図11
図12
図13
図14
図15