(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6872645
(24)【登録日】2021年4月21日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】両方の端部に十字スリット弁閉鎖体を有するプレフィルド飲料用ストロー
(51)【国際特許分類】
A61J 7/00 20060101AFI20210510BHJP
B65D 81/32 20060101ALN20210510BHJP
A47G 21/18 20060101ALN20210510BHJP
【FI】
A61J7/00 J
!B65D81/32 P
!A47G21/18
【請求項の数】23
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-570803(P2019-570803)
(86)(22)【出願日】2017年6月20日
(65)【公表番号】特表2020-524056(P2020-524056A)
(43)【公表日】2020年8月13日
(86)【国際出願番号】EP2017065115
(87)【国際公開番号】WO2018233816
(87)【国際公開日】20181227
【審査請求日】2019年12月26日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518221782
【氏名又は名称】アルターノ ラブズ ディー.オー.オー.
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【弁理士】
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【弁理士】
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【弁理士】
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100151301
【弁理士】
【氏名又は名称】戸崎 富哉
(74)【代理人】
【識別番号】100170184
【弁理士】
【氏名又は名称】北脇 大
(72)【発明者】
【氏名】ノリマル、ボリス
【審査官】
今関 雅子
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2012/0301579(US,A1)
【文献】
国際公開第2008/055296(WO,A1)
【文献】
米国特許第05718681(US,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0174653(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品の経口投与のために用いられるべきプレフィルドストローであって、当該プレフィルドストローは:
第1のストローセグメントを有し、該第1のストローセグメントは、前記製品を含有し、かつ、一体形成されたスリット弁(2)を一方の端部に有し;かつ、
第2のストローセグメントを有し、該第2のストローセグメントは、一体形成されたスリット弁(3)を一方の端部に有し;
一体形成されたスリット弁を有さない前記の第1および第2のストローセグメントの端部が、互いに連結されている、
前記プレフィルドストロー。
【請求項2】
前記ストローセグメントのうちの少なくとも一方がテーパー状であり、当該ストロー内の開口部の断面積が、前記スリット弁(2,3)を有する前記端部において、他方のストローセグメントに連結された前記端部におけるより小さいようになっている、請求項1に記載のプレフィルドストロー。
【請求項3】
前記ストローセグメントのうちの前記の少なくとも一方が、円錐台状の形状を有する、請求項2に記載のプレフィルドストロー。
【請求項4】
前記の第1のストローセグメントが、前記の第2のストローセグメントに直接的に連結されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のプレフィルドストロー。
【請求項5】
前記の第1のストローセグメントが、スナップフィット接続、圧入接続、摩擦嵌め接続、溶接および接着剤のうちの少なくとも1つによって前記の第2のストローセグメントに連結されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載のプレフィルドストロー。
【請求項6】
前記の第1および第2のストローセグメントがそれぞれ、一体形成された要素を互いに連結された前記端部に有し、該要素は、前記の第1および第2のストローセグメントが互いに連結されることを可能にするように構成されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載のプレフィルドストロー。
【請求項7】
前記スリット弁(2,3)が、前記の第1および第2のストローセグメントの前記端部に共成形されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載のプレフィルドストロー。
【請求項8】
前記スリット弁(2,3)が、熱可塑性エラストマー材料から形成された膜(7,10)に形成されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載のプレフィルドストロー。
【請求項9】
前記の第1および第2のストローセグメントのうちの一方の上に形成された前記スリット弁(3)の前記膜(10)が、凸形状を有する、請求項8に記載のプレフィルドストロー。
【請求項10】
前記の第1および第2のストローセグメントのうちの他方の上に形成された前記スリット弁(2)の前記膜(7)が、凹形状を有する、請求項9に記載のプレフィルドストロー。
【請求項11】
前記の第1および第2のストローセグメントのうちの少なくとも一方が、ストロー本体(1)であってそれに前記スリット弁が分子接着によって取り付けられる前記ストロー本体(1)を有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載のプレフィルドストロー。
【請求項12】
前記ストロー本体(1)が熱可塑性材料から形成されており、かつ、前記スリット弁(2,3)が異なる材料から形成されている、請求項11に記載のプレフィルドストロー。
【請求項13】
前記スリット弁(2,3)が取り付けられている前記ストロー本体(1)の端部の表面が、前記ストロー本体(1)と前記スリット弁(2,3)との間の接触面積を増大させるように構成された少なくとも1つの凹部(9)を有する、請求項11または12に記載のプレフィルドストロー。
【請求項14】
前記スリット弁(2,3)のうちの一方の少なくとも一部を保護する包装をさらに有する、請求項1〜13のいずれか一項に記載のプレフィルドストロー。
【請求項15】
プレフィルドストローを調製する方法であって、当該方法は:
一体形成されたスリット弁(2,3)を一方の端部に有する第1のストローセグメント内に、ユーザーに経口投与されるべき製品を配置することを有し;かつ、
一体形成されたスリット弁(2,3)を一方の端部に有する第2のストローセグメントを前記の第1のストローセグメントに連結することを有し、スリット弁のない前記の第1および第2のストローセグメントの端部が互いに連結されるようになっている、前記方法。
【請求項16】
前記製品が前記の第1のストローセグメントに配置された時から前記の第2のストローセグメントが前記の第1のストローセグメントに連結されるまで、前記製品が前記の第1のストローセグメントに、その一体形成されたスリット弁(2,3)によって保持されている、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記製品が前記の第1のストローセグメントに配置される前に、前記の第1のストローセグメントがその一体形成されたスリット弁(2,3)とともに形成される、請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
前記の第2のストローセグメントが前記の第1のストローセグメントに連結される前に、前記の第2のストローセグメントがその一体形成されたスリット弁(2,3)とともに形成される、請求項15〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記の第1および第2のセグメントのうちの少なくとも一方が:
ストロー本体(1)を形成すること;および、
それに続いて、前記ストロー本体の一方の端部上に前記スリット弁(2,3)を共成形することを有し、それらが一体形成されるようになっている、
請求項15〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記ストロー本体(1)を形成するのに用いられる材料が、前記スリット弁(2,3)を形成するのに用いられる材料とは異なる、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記スリット弁(2,3)のうちの少なくとも一方が熱可塑性エラストマーから形成される、請求項19または20に記載の方法。
【請求項22】
前記ストロー本体(1)が熱可塑性物質から形成される、請求項19、20または21に記載の方法。
【請求項23】
前記スリット弁(2,3)のうちの一方の少なくとも一部を保護する包装を提供することをさらに有する、請求項15〜22のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プレフィルド(pre−filled;予め充填された)ストロー、および、それを製造する方法に関する。かかるストローは、液体溶解性材料、好ましくは粒剤、好ましくは経口薬剤投与用のものの経口投与に用いられてもよい。ストロー内に予め充填された材料を投与するために、ストローは、その下端が液体に挿入された状態にならなければならず、その上端は口に挿入され、かつ、液体が吸引される。吸引された液体が材料を溶解させ、かつ、溶液がユーザーに適用される。
【背景技術】
【0002】
既知のプレフィルドストローが、特許文献に記載されている。米国特許出願公開第2003/0071136号公報には、ストローの本体に押し付けられた1つの弁閉鎖体を有するストローが記載されている。カナダ国特許第2230851号明細書には、挿入された弁を有するマウスピースを有する飲料容器が記載されている。弁および/またはフィルターがストローに追加され、このことは、ストローと、弁と、任意にはフィルターとが別々に製造され、かつ、ストローが後に別々の部品から組み立てられることを意味する。ストローの既知の設計は、入口か出口のいずれかに一方向弁を用い、かつ、他方の開口部の閉鎖体として異なるタイプの閉鎖体(すなわち、キャップ、グリッドおよび/または異なるメッシュサイズのフィルター)を用いる。概してストローは、ストロー本体と、ストローに挿入された閉鎖機構−弁またはフィルターまたは他の形態のバリアのいずれか−とから組み立てられる。このことは、製造における追加的な組立ステップと、使用前または使用の最中に閉鎖体がストローから落ちることを防止する追加的な設計特徴の使用の必要性をもたらす。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、両方の端部に十字スリット弁閉鎖体を有するプレフィルドストローを提供することによって上述の問題を低減させようとするものであり、それによって、ストローとストロー弁とがワンピースに統合される。提案される設計は、ストローのより容易な製造とその充填とを可能にする。本発明によるプレフィルドストローは、多成分射出成形(すなわち、高分子のストローの本体上へのエラストマー弁の射出)によって、ストローのより容易な製造を可能にするであろう。
【図面の簡単な説明】
【0004】
本発明の実施形態が、図面を参照して説明されるであろう。
【0005】
【
図2】
図2は、ストロー本体のセグメント間の連結部(coupling)の例を示している。
【
図3】
図3は、用いられてもよい十字スリット弁の例を示している。
【
図7】
図7は、ストロー本体の射出成形を示している。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1に示されているプレフィルドストローの部分は、円形であってもよく縦長形状であってもよいチューブ状の主たるストロー本体1、および、2つの十字スリット弁2,3である。主たるストロー本体は、少なくとも2つのストローセグメントを含んでおり、各ストローセグメントは、ストロー本体を有し、かつ、一方の端部に各々の弁を有する。弁2は液体入口に位置し、かつ、弁3はストローの出口に位置する。弁2,3は、
図1において矢印4によって示されている、本体ストローを通る一方向の流れのみを可能にするように位置する。弁2,3は、最初は閉位置にあるが、矢印4の方向における吸引力が印加される時、それらは両方とも開き、かつ、液体がストローの中に入ることを可能にする。吸引力が止む時、両方の弁2,3は閉位置に戻る。
【0007】
本発明は、2つのセグメントまたは2つより多いセグメントからなるストローに適用され得る。
図2に示されている配置構成では、ストローは2つのストローセグメントを有し、各セグメントは、セグメントの一方の端部に各々の弁2,3を有する。2つのストローセグメントは、互いに直接的に連結されている。その他の配置構成では、一方の端部に弁を有する2つのストローセグメントは、例えば1つ以上の追加のストローセグメントを介して間接的に互いに連結されていてもよい。
【0008】
セグメントは、連結部5にて一つに連結されている。かかる連結部は形成された2つの要素から形成されていてもよく、各要素は、各々のストローセグメントの端部に形成されている。各セグメント上にある要素は、1つのストローセグメント上にある要素が、別のストローセグメント上にある要素と係合して、ストローセグメントを一つに連結し得るように構成されている。かかる方法で、ストローセグメントは、ストローセグメントが形成された後で一つに連結され得る。このことは、ストローセグメントの一部として一体形成されてもよい弁と対照的である。
【0009】
図2には、ストローセグメントを連結するのに用いられてもよい、いくつかのタイプの連結部が描かれている。ストローセグメントは、摩擦嵌め接続(すなわち、一方が他方よりわずかに細い(narrower))、スナップフィット接続、圧入接続、溶接、接着剤の一部または別の適切な連結部によって、互いに取り付けられていてもよい。スナップフィット接続は、環状スナップジョイントであってもよく、カプセル様閉鎖システムであってもよく、該環状スナップジョイントまたは該カプセル様閉鎖システムでは、一方のストローセグメントがストローセグメントの交差部の周りにU字形の環状の溝を有し、該溝は、ストローセグメントが連結されたときには他方のストローセグメント上にある対応する突起を受け入れる。
【0010】
ストローセグメントの壁部の厚さは、連結部の領域において増大していてもよい。このことは、強度を増大させ、亀裂のリスクを減少させ、かつ/または、連結部の要素の成形をいっそう容易にするであろう。
【0011】
一旦連結がなし遂げられると、それは、ダメージを伴わずにストローセグメントを引き離すことができないように構成されてもよい。代替的には、連結部は離脱可能に構成されていてもよく、ユーザーが、ストローを開けて内容物を注ぐこと、または、洗い落とすことを可能にする。
【0012】
ある配置構成では、ストローセグメント間の連結部は、気密または密封シールを提供してもよい。このことは、ユーザーがストローの一方の端部において吸引するときに、圧力がストロー内で十分に減少して、ストローの他方の端部へと液体を引き入れることを確実にするであろう。用いられる連結部によっては、Oリングが提供されてストローセグメント間の良好なシールを確実にしてもよい。
【0013】
図1に描かれているように、一つに連結されてプレフィルドストローを形成する第1および第2のセグメントは、同じ長さを有していてもよい。代替的には、2つのストローセグメントは、異なる長さを有していてもよい。例えば、一方のセグメントが他方より長いことが望ましいであろう。このことは、2つのストローセグメントを一つに連結する前には製品がストローセグメントのうちの一方にのみ配置されるべきであれば有益であろう。なぜなら、このことは、いっそう多量の製品がプレフィルドストローの所定の全長についてプレフィルドストロー内に配置されることを可能にするからである。しかしながら、いっそう長いストローセグメントは、ストロー形成の最中の鋳型の冷却に起因して形成がいっそう困難である。したがって、プレフィルドストローの調製の最中に製品を含有するストローセグメントの長さは、プレフィルドストローの全長より小さい必要がある。
【0014】
概して、プレフィルドストローの全長の選択は妥協であってよい。それは、ユーザーにとって、カップの底にある液体に到達することを確実にするのに便宜であるために十分長いように選択されてもよい。しかしながら、ストローが長ければ長い程、ユーザーは彼らの口の中へと液体を引き上げるためにいっそう懸命に吸引しなければならない。さらに、いっそう長いストローは、製造するのにいっそうコストがかかり、かつ、貯蔵および輸送にいっそうの空間を要する。
【0015】
図3には、十字スリット弁におけるスリットの考え得る配置構成が示されている。スリット弁自体は既知である。弁が成形され、かつ、エラストマー材料でできていてもよい。スリットは、十字、直線、三角の星(three−pointed star)、六角の星(six−pointed star)または任意のその他の適切な形状で切断され得る。十字スリット弁は、凹状の円形、ダックビル(duck−bill)状および類似のものを有する図面に示されているように、形状が異なり得る。
【0016】
図4,5には、本開示による入口弁2が示されている。図示されているように、それはストロー本体1の下端に一体形成されていてもよい(例えば、接続および成形されていてもよく、共成形されていてもよい)。ストロー本体1は熱可塑性物質でできていてもよく、かつ、膜(membrane)7を有する弁2は、熱可塑性エラストマーのようなエラストマーでできていてもよい。その他の材料が、ストロー本体に共成形され得る。入口弁の膜7は、ストロー本体1の内側に向かって湾曲している(すなわち、膜7は凹状である)。
【0017】
ある配置構成では、ストロー本体を形成するのに用いられる材料は、透明であってもよく、半透明であってもよい。用時、このことは、ユーザーがストロー内の製品がすべて消費されたことを確認することを可能にするであろう。
【0018】
ある配置構成では、入口弁2および出口弁3の一方または両方が、独特の色合いで形成されていてもよい。入口弁2および出口弁3の両方が着色されれば、それらは異なる独特の色合いを有していてもよい。独特の色合いを有する1つ以上の弁を有する配置構成は、用時、ユーザーにプレフィルドストローの正しい配向を示すことを補助する。例えば、ユーザー命令は、1つ以上の着色された値を用いて口に挿入されるべき端部および液体に挿入されるべき端部を明確に示すピクトグラム(pictogram)を含んでいてもよい。
【0019】
代替的または追加的には、マーキングがストロー本体上に提供されて、使用のためのストローの正しい配向および/または用時の液体の流れの方向を示してもよい。かかるマーキングは、ストロー本体上に印刷すること、ステッカーを適用すること、および、鋳型設計内に表面パターンを含むことを含む、任意の適切な手段によってストロー本体に適用されてもよい。
【0020】
ストロー本体1の縁部は、ストロー本体1と入口弁2との間の接続部のいっそう大きい表面を可能とするような形状であってもよい。前記形状は、好ましくは、ストロー本体1の壁部の縁部の内部に形成された窪み、または、溝8のような凹部である。弁状の鋳型への熱可塑性物質の射出を可能にするために、ストロー本体1の端部の表面側に舌のような形の溝9が形成されていてもよい。前記溝9は、射出された熱可塑性物質が、弁2の鋳型を充填するために射出ユニットから流れることを可能にする。
【0021】
図6には出口弁3が示されており、かつ、入口弁2と概して同一の構造を有していてもよい。出口弁3は、ストロー本体6の外側に向かって湾曲している(すなわち、膜10は凸状である)。
【0022】
膜7,10を有する入口および出口弁2,3は、主たるストロー本体1の各々のストローセグメント上に直接的に射出成形されていてもよい。上記のように、ストロー本体は溝8を有していてもよい。射出成形工程の最中、エラストマーがストロー本体1上に射出される時、両方の材料(すなわち、ストロー本体1の熱可塑性物質と弁2,3のエラストマーと)の間の接合点が、接着分子の力(adhesive molecular force)によって形成される。溝を提供することは、この接触面積を増大させるであろう。
【0023】
図7および8は、二成分(すなわち熱可塑性物質およびエラストマー)射出成形工程を示している。該工程は、鋳型12に第1の成分(好ましくは、高分子)を射出することによって実行される。第1のステップでは、第1の成分は、射出ノズル14を通ってチャネル15に射出される。その後、第1の成分は、ゲート16を通って、ストロー本体セグメント1の形状である適切なキャビティ13へと流れる。該流れは、ゲート16を通って溝9へと鋳型12の中に入る。このキャビティ13には、ストロー本体1が形成される。この工程が完了した後、鋳型12は、該工程の第2のステップを開始するために構成を変える。
【0024】
高分子が冷却され、または、硬化する前に、工具の構成が変えられて(すなわち、鋳型12が回転し、かつ、構成を変えて)、該工程の第2のステップが開始される。その後、キャビティへの第2の材料(好ましくは、エラストマー)の射出が続き、このようにして、十字スリット弁がストロー本体上に成形される。このようにして、弁とストローとが、分子接着(molecular adhesion)によって取り付けられる。このアプローチは、製造サイクル時間が短縮されることを可能にする。
【0025】
図8に示されている第2のステップでは、既に形成されたストロー本体1が、第2のキャビティ20と接触する。第2のキャビティ20は、弁2,3の形状をしている。第2の成分(好ましくは、エラストマー)は、射出ノズル21から第2のチャネル22を通って射出され、かつ、ゲート23を通ってキャビティ20の中に入る。冷却後、完成した部品が、鋳型12から取り出される。
【0026】
ある配置構成では、ストロー本体は、テーパー状に形成されていてもよい。とりわけ、ストロー本体は、ストロー内の開口部の断面積が、十字スリット弁を有する端部においてその他方の端部(すなわち、別のストローセグメントに連結されていてもよい端部)より小さいように配置されていてもよい。後者の端部は、十字スリット弁によって閉じている端部とは対照的に、概して開いていてもよい。かかる配置構成は、一旦ストローセグメントの形成が完了すると、鋳型からのストローセグメントの除去を容易にするであろう。ある配置構成では、一方の端部に一体形成された十字スリット弁を有するストローセグメントの一方または両方が、円錐台状の形状を有していてもよい。
【0027】
前記成形工程を用いれば、上記のように後で一つに連結されてストローを形成すべき、いくつかのストローセグメントが製造される。
【0028】
とりわけ、プレフィルドストローは、上記のように一体形成された十字スリット弁を有する第1のストローセグメント内に、経口投与されるべき製品を配置することによって調製されてもよい。次に、第1のストローセグメントに、一体形成された十字スリット弁を有する第2のストローセグメントが連結されてもよい。かかる工程は、プレフィルドストローを調製するための先行して知られていた工程よりいっそう容易であろう。なぜならそれが、経口投与されるべき製品を含有するストローに弁を取り付ける必要性を除外するからである。このことは、該工程の最中の製品の流出(spillage)を減少させ、かつ/または、コストを減少させるであろう。
【0029】
ある配置構成では、製品が第1のストローセグメントに配置されているときに、第1のセグメントの一体形成された弁は、第1のストローセグメントからの製品の損失を防止するであろう。例えば、第1のストローセグメント内に製品を配置する工程の最中、それは、一体形成された弁を他方の端部より下に有して保持されていてもよく、製品が流れる限り、それが一体形成された弁に向かって流れるようになっており、このことは、製品がストローセグメントを離れることを防止する。一旦第2のストローセグメントが第1のストローセグメントに連結されると、製品は、プレフィルドストローの両方の端部における一体形成された弁によって、いずれの方向にもストローを離れることが防止されるであろう(ストローが用いられていないときに)。
【0030】
ストローを充填するためのその他の配置構成が考えられてもよいことが把握されるべきである。例えば、製品は、一体形成された弁を有する2つのストローセグメントに、2つのストローセグメントが連結される前に配置され得る。このことは、製品が連結の最中に一方または両方のストローセグメントから落ちることを防止するステップを必要とするであろう。
【0031】
いずれにせよ、プレフィルドストローの調製の際には製品が最初は一方のストローセグメントに配置されてもよいが、一旦プレフィルドストローが調製されると、製品が使用前に別のストローセグメントに部分的または完全に移ってもよいことは、把握されるべきである。
【0032】
プレフィルドストロー内の製品は、ストローを通過する流体によって運搬され得る任意の製品であってもよい。例えば、それは、液体溶解性粉末または粒剤を含んでいてもよい。代替的または追加的には、製品は、ストローを通過する流体に同伴されるように構成された粉末、粒剤またはその他の微粒子を含んでいてもよい。代替的または追加的には、製品は、ストローを通過する液体と同伴された液体であってもよく、ストローを通過する液体によって希釈された液体であってもよい。
【0033】
ある配置構成では、製品がストローに配置され、かつ、ストローセグメントが一つに連結された後で、包装が追加されてもよい。包装は、1つ以上のプレフィルドストローを完全に取り囲むエンクロージャー(enclosure;包囲体)であってもよく、かつ/または、一体形成された十字スリット弁の一方または両方を覆っていてもよい。かかる包装は、使用前のプレフィルドストローからの製品の不用意な漏れを防止していてもよい。包装は、子どもでは開けられない包装であってもよい。
【0034】
上記で開示された配置構成によれば、ストローの内容物の損失の非常に良好な防止が取得される。なぜなら、十字スリット弁は両方とも、不使用時には閉じているからである。吸引の最中の内容物の損失もまた、防止される。なぜなら、出口弁がストロー内にかかる対圧を抑制し、かつ、入口弁がストローからの液体の損失を防止するからである。