特許第6872733号(P6872733)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6872733
(24)【登録日】2021年4月22日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】境界標示板
(51)【国際特許分類】
   E01F 9/604 20160101AFI20210510BHJP
   E01F 9/623 20160101ALI20210510BHJP
   E01F 9/658 20160101ALI20210510BHJP
【FI】
   E01F9/604
   E01F9/623
   E01F9/658
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-240399(P2018-240399)
(22)【出願日】2018年12月23日
(65)【公開番号】特開2020-101024(P2020-101024A)
(43)【公開日】2020年7月2日
【審査請求日】2019年2月20日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】711008386
【氏名又は名称】酒井 明治
(74)【代理人】
【識別番号】110000822
【氏名又は名称】特許業務法人グローバル知財
(72)【発明者】
【氏名】酒井 明治
【審査官】 柿原 巧弥
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−090424(JP,A)
【文献】 特開2016−017791(JP,A)
【文献】 特開2009−092512(JP,A)
【文献】 特開2013−152105(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3179957(JP,U)
【文献】 特開2000−328526(JP,A)
【文献】 実開昭61−048309(JP,U)
【文献】 韓国登録特許第10−1239935(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01F 9/604
E01F 9/623
E01F 9/658
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
台形の長い方の底辺を共有し共有辺を対称軸として直交する2つの台形である第1の境界標示面及び第2の境界標示面を備え、
第1及び第2の境界標示面は、各々、設置面に固定するための固定具を挿通する各長孔を有し、一方の境界標示面が設置面に固定される面であり設置面に固定されない他方の境界標示面の前記共有辺の端点であって鋭角の頂点を境界指示点とすることを特徴とする境界標示板。
【請求項2】
前記境界標示板は、一枚の左右対称の板体が対称軸で線対称形に90°で山形に屈曲し、山側の一面が第1の境界標示面、山側の他面が第2の境界標示面とされ、山側の峰部が前記共有辺となり、
第1及び第2の境界標示面の山側の表面に、前記境界指示点が表記されており、
更に、第1又は第2の境界標示面の谷側の裏面に配置され、挿通孔を有する保持体を備え、
前記固定具が前記長孔と前記挿通孔に挿通され前記保持体を介して設置面に固定されることを特徴とする請求項1に記載の境界標示板。
【請求項3】
第1の境界標示面及び第2の境界標示面に設けられた前記境界指示点を端点に有する前記共有辺の隣接辺は、前記共有辺との交差角が鋭角で45〜90°に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の境界標示板。
【請求項4】
前記境界指示点は、第1及び第2の境界標示面の2つの矢印の矢先として表記されていることを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の境界標示板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、境界標示板に関し、より詳しくは、壁面に設置して土地の境界点等を標示する境界標示板に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、境界標示板の設置箇所は地面又は構造物の平面位置に設置することが多い。これは土地の面積は垂直投影面積で表わされるためであり、したがって土地の境界線の端点である境界点は上から下に見下ろして確認するものであるから、境界標示板は一般的には方形の平板状の上面に境界標示をする矢印等を設けて、土地等の平面位置に設置している。
水路等の壁面が境界線であり、かつ境界標を平面部設置することが困難である場合に、従来の境界標示板を壁面に設置すれば、矢印等の境界指示位置を上面から見下ろせば壁面とは標示板の厚み分だけ乖離するので、正確に境界点を標示することはできない。図14は、従来技術の境界標示板の固設構造を示す図であり、境界指示点11が境界点BPと境界標示板の厚み分離れていることがわかる。
【0003】
そこで、壁面を斫り込み、境界標示板を壁面に埋め込んで、境界標示面と壁面とを同一面にする必要が生じる。図15は、壁面を斫り込み、境界標示板を壁面に埋め込んで設置した状態を示す図であり、境界指示点11が境界点BPを正確に指示していることがわかる。
すなわち、境界標示板を壁面WSに取り付けるだけでは、正確に境界点BPを指示することはできず、また、正確に境界点BPを指示するとなると、壁面を斫り込む必要が生じ、設置作業が煩雑なものとなるという問題がある。
【0004】
また、土地の境界点が存在する場所は様々であり、例えば、境界点が壁面に存在する場合でも、壁面の平坦な箇所に存在することもあれば、壁面の交差する隅部や角部に存在することもある。そこで、設置場所が限定されず、幅広い場所に利用可能な境界標示板が望まれている。
設置場所が限定されない境界標示板としては、2枚の板を蝶番状に連結してなり、両板の開く角度を適宜設定して建造物に沿わせて取り付けられるようにした境界標示具が知られている(特許文献1を参照)。図13は、特許文献1の境界標示具を壁面に設置した状態であり、(1)は正面図、(2)及び(3)は平面図を示している。特許文献1の境界標示具によれば、2枚の板の開く角度を調整することで、図13(2)に示すように、平坦な壁面に取り付けることもできるし、図13(3)に示すように、壁の角部に取り付けることも可能である。
しかしながら、図13(2)又は(3)に示すように、特許文献1の境界標示具では、境界指示点11である十字の印が、境界点BPからピンの半径分離れており、正確に境界点BPを指示することができないという問題がある。
【0005】
また、壁面等に境界標示板を設置する場合、設置箇所に打ち込んだ釘等の固定具が抜けやすく、安定的な固定が難しいという問題がある。そこで、板体と筒鋲体と棒体とで構成された標示板が知られている(特許文献2を参照)。上記特許文献2に開示された標示板は、筒鋲体の軸部の下側に拡張可能な分割軸部が備えられ、筒鋲体の内部に棒体が挿入されることにより分割軸部が拡張して壁に食い込み、抜け落ち防止効果を発生させるものであり、安定的な固定を可能とするものである。
しかしながら、上記特許文献2に開示された標示板についても、境界指示点と境界点を一致させることは難しく、境界標示板の厚みの分、境界指示点と境界点が離れてしまうという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−328526号公報
【特許文献2】特開平7−216833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の特許文献1に開示された境界標示具は、2枚の板を蝶番状に連結して構成され、両板の開く角度を適宜設定して構造物に沿って取り付けられるようにしたものである。しかしながら、境界点の指示は、蝶番を連結するピン上端部に十字の目印を設けて指示するものであり、境界標示具がピンの半径分だけ壁面と乖離するために、正確に境界点を標示できないという問題があった。
また、上記の特許文献2に開示された標示板は、板体と筒鋲体と棒体とで構成され、固定性と作業性の向上を目的としているものである。しかしながら、標示板を壁面に設置すれば境界標示板の板厚分だけ、境界指示点が壁面と乖離するために、図14に示す従来技術の境界標示板と同様に、正確に境界点を標示することができないという問題があった。
【0008】
かかる状況に鑑みて、本発明は、境界点の位置を正確に標示することができ、壁面の交差する隅部においても容易に設置可能であり、設置後は標示位置を長期間良好に維持することができる境界標示板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決すべく、本発明の境界標示板は、一辺を共有し共有辺を対称軸として直交する2つの四角形である第1の境界標示面及び第2の境界標示面を備え、第1及び第2の境界標示面は、各々、設置面に固定するための固定具を挿通する各長孔を有し、共有辺の端点又は中点を境界指示点とする。
かかる構成によれば、境界点の位置を正確に標示することができ、壁面の交差する隅部においても容易に設置可能であり、設置後は標示位置を長期間良好に維持することができる。
【0010】
具体的に、本発明の境界標示板は、一枚の左右対称の板体が対称軸で線対称形に90°で山形に屈曲し、山側の一面が第1の境界標示面、山側の他面が第2の境界標示面とされ、山側の峰部が共有辺となり、第1及び第2の境界標示面の山側の表面に、境界指示点が表記されており、更に、第1又は第2の境界標示面の谷側の裏面に配置され、挿通孔を有する保持体を備え、固定具が長孔と挿通孔に挿通され保持体を介して設置面に固定される。
【0011】
ここで、本発明の境界標示板において、第1の境界標示面及び第2の境界標示面に設けられた境界指示点を端点に有する共有辺の隣接辺は、共有辺との交差角が45〜90°に形成されることが好ましい。
隣接する2つの壁面の交差角が45〜90°の状態においても、交差する隅部において容易に設置することが可能である。
【0012】
また、本発明の境界標示板において、第1及び第2の境界標示面の長孔は、共有辺に並行して延びる長円形状の孔であることが好ましい。
上述の固定具、より正確には固定具のビスが、境界標示板の長孔と保持体の挿通孔とに挿通されて、境界標示板が保持体を介して設置面に固定される。境界標示板の位置、すなわち、境界指示点の位置の微調整を可能とするために、境界標示面の長孔は共有辺に並行して延びる長円形状の孔になっている。
【0013】
本発明の境界標示板において、境界指示点は、矢印の矢先として表記されていることが好ましい。視認性を高める。なお、境界指示点は、矢印の矢先で表記される他、二等辺三角形の頂点など様々な表記が可能である。
【0014】
本発明の境界標示板において、保持体は、方形状で水平面の対面が傾斜面に形成、又は、円形状で直径方向に傾斜面に形成されていることが好ましい。
設置面の壁面に対して垂直方向にアンカー穴を穿孔できない隅部などの場合に、設置面の壁面に対して斜め方向に穿孔されたアンカー穴にアンカーが埋入され、固定具のビスが境界標示板本体の長孔と保持体の挿通孔に挿通され、アンカーと固着して境界標示板が設置面に固定される。その場合に、固定具は境界標示板の境界標示面に垂直方向から当接するのではなく、斜め方向から当接するため、固定具の締め付け力が十分でないといった問題がある。そこで、境界標示板本体に、方形状で水平面の対面が傾斜面に形成、又は、円形状で直径方向に傾斜面に形成させ、境界標示板の面に適切な傾斜面を有する保持体を重ね合わせた場合に、固定具の挿通方向と保持体の法線方向がほぼ同じになるようにする。これにより固定具の締め付け力が高まり、境界標示板を設置面に確実に固定することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、壁面に設置して境界点の位置を正確に標示することができ、壁面の交差する隅部においても容易に設置可能であり、設置後は標示位置を長期間良好に維持することができるといった効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係る境界標示板の斜視図
図2】境界標示板の展開図
図3】境界標示板を右側標示で壁面に設置した平面図
図4】境界標示板を左側標示で壁面に設置した平面図
図5】境界標示板を左側標示で壁面に設置した正面図
図6】境界標示板を左側標示で壁面に設置した左側面図
図7】境界標示板を左側標示で壁面が交差する隅部に設置した平面図
図8】本発明の他の実施形態に係る境界標示板の展開図
図9】本発明の他の実施形態に係る境界標示板の平面図
図10】壁面が交差する隅部にアンカー穴を穿孔する時に伴う問題点の説明図
図11】側溝の壁面に設置された境界標示板のイメージ図
図12】ブロック塀の壁面に設置された境界標示板のイメージ図
図13】特許文献1に開示された境界標示具の説明図
図14】従来技術の境界標示板を壁面に設置した状態を示す図
図15】従来技術の境界標示板を、壁面を斫り込み設置した状態を示す図
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態の一例を、図面を参照しながら詳細に説明していく。なお、本発明の範囲は、以下の実施例や図示例に限定されるものではなく、幾多の変更及び変形が可能である。
【実施例1】
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係る境界標示板の正面斜め上方から見た斜視図であり、図2は、図1に示す境界標示板の正面展開図である。
図1及び図2に示すように、境界標示板本体1は、台形の境界標示面1aと台形の境界標示面1bとが、それぞれの底辺を共有辺10aとし、共有辺10aを境界として90°の角度に折れた形状を呈している。図2の展開図に示す左右対象(“境界”の表記文字を除く)の五角形の一枚の金属板体が対称軸で線対称に90°に山形に折れて、境界標示板本体1が形成され、山側の台形一面が境界標示面1aとなり、他の台形一面が境界標示面1bとなり、山側の峰部が共有辺10aとなる。すなわち、境界標示板本体1は、一辺を共有し共有辺10aを対称軸として直交する2つの台形である第1の境界標示面の境界標示面1a、及び、第2の境界標示面の境界標示面1bを備えている。
【0019】
境界標示面1aと境界標示面1bには、それぞれ、共有辺10aに並行して延びる長円形状の長孔であって、境界標示面1aからその裏面13aに貫通する取付孔12aと、同じく、境界標示面1bからその裏面13bに貫通する取付孔12bとが設けられている。取付孔12a又は取付孔12bには、図示しないビス(固定具)を挿通し、第1又は第2の境界標示面を目的とする壁面などの設置面に固定する。
図1及び図2に示すように、境界標示面1aと境界標示面1bは、各々、共有辺10aの2つの端点の内、共有辺10aと斜めに交差する隣接辺10bと10cとの交点である端点を境界指示点11とし、その境界指示点11を示すように矢印11aの矢先、及び、矢印11bの矢先が境界標示面(1a,1b)に描かれている。なお、後述するが、境界指示点11は、共有辺10aの中点に設定し、中点の境界指示点を示すように矢印11aの矢先、及び、矢印11bの矢先が境界標示面(1a,1b)に描かれても良い。
【0020】
図3は、図1に示した境界標示板本体1の境界標示面1bの境界指示点11(矢印11bの矢先)が、壁Wに対して右側にある境界点を指示するように、境界標示板本体1を壁面WS(設置面)に設置した状態を示す平面図である。図3に示す設置状態の場合、境界標示板本体1の境界標示面1aの表面は壁面WSに当接している。図3に示す場合、固定具30の軸方向が、壁面WSに対して垂直方向ではなく斜め方向になっており、固定具30のビス30aと境界標示面1aの裏面との間に隙間が生じるが、この隙間に、傾斜面を有し固定具30のビス30aを挿通する挿通孔20aを備える保持体20を挿入することによって、境界標示板本体1が固定具30を回転軸として回転することを防いでいる。
【0021】
図4は、図3の状態の逆のケースであり、図1に示した境界標示板本体1の境界標示面1aの境界指示点11(矢印11aの矢先)が、壁Wに対して左側にある境界点を指示するように、境界標示板本体1を壁面WS(設置面)に設置した状態を示す平面図である。図4に示す設置状態の場合、境界標示板本体1の境界標示面1bの表面は壁面WSに当接している。図4に示す場合、固定具30の軸方向が、壁面WSに対して垂直方向ではなく斜め方向になっており、固定具30のビス30aと境界標示面1bの裏面との間に隙間が生じるが、この隙間に、傾斜面を有し固定具30のビス30aを挿通する挿通孔20aを備える保持体20を挿入することによって、境界標示板本体1が固定具30のビス30aを回転軸として回転することを防いでいる。
【0022】
図5は、境界標示板本体1を左側標示で壁面WSに設置した図であり、図4の状態における正面図である。また、図6は、図4の状態における左側面図である。図5に示すように、保持体は角部が丸まった正方形状であり、左側の厚みが右側の厚みより大きく傾斜面を有し、さらに固定具30のビス30aを挿通する挿通孔20aを備えている。
図4〜6に示すように、固定具30のビス30aは、境界標示板に設けられた取付孔12bと、保持体20に設けられた挿通孔20aを介して、壁Wに形成された下穴40に打ち込まれたアンカー30bと嵌合又は螺合し、境界標示板を壁Wに固定する。
【0023】
ここで、本発明の境界標示板を、壁面が交差する隅部に設置するために、予め振動ドリルでアンカー用の下穴を穿孔する際に、図10(1)に示すように、隅部の近傍に下穴を穿孔する場合には、ドリル本体が壁面に接触してしまい作業が困難になる。その場合に、図10(2)に示すように、下穴の穿孔の長手方向を壁面に垂直ではなく斜めにすることにより作業をスムーズに行える。このように、固定具30の軸方向が、壁面WSに対して垂直方向ではなく斜め方向になるケースがある。
【0024】
図7は、境界標示板本体1を左側標示で壁面が交差する隅部に設置した様子を示している。境界標示板本体1の境界標示面1aが台形であり、境界指示点11が描かれた境界標示面1aの共有辺10aとその隣接辺10bとの交差角が約70°(45〜90°の範囲)に形成されていることにより、境界標示板を交差する壁面の隅部において、境界指示点11が正確に境界点BPを指示することができることがわかる。
【0025】
本発明の境界標示板は、図11に示すように、雨水51等が流れる側溝50の側壁に取付け、土地の境界点を正確に指示でき、境界標示板本体1の姿勢を固定具30に対して安定に保持できるため、設置後は境界指示点11の位置を長期間良好に維持することができる。
また、境界標を用いる現場で数多くある事例として、境界点となる壁面の隣接が地面であることが多くあり、電力会社や鉄道会社等の会社では土地管理を担当する部署があり、図12(2)に示すように、地面にコンクリート製境界標示杭70を設置する。境界標示杭70の大きさは7〜10cm角の長さ50〜70cmのものが主流である。境界標示杭70を埋設する場合、最低50cm角で40〜60cmの地面を掘削し、境界標示杭70を埋設後に根巻きコンクリート71を打設する。このため作業が煩雑でかなりのコストがかかる。このため、一般の会社や個人が管理する土地の場合には、隣接地の壁面に境界標を貼り付けるのが一般的である。本発明の境界標示板は、図12(1)に示すように、一般の会社や個人が管理する土地において、隣接地との境界のブロック塀61の土台のコンクリート壁の壁面に境界標示板本体1を固定具30で取付けて、境界指示点11を正確な位置に指示させることができる。
【0026】
(その他の実施例)
(1)図8(1)、(2)に示すように、実施例1の境界標示板において、境界標示面1a又は境界標示面1bの何れかに、境界指示点11が描かれることでもよい。
(2)図9に示すように、境界標示板本体1が矩形の境界標示面(1a,1b)で構成され、境界標示面1bのみに取付孔12bが設けられ、境界指示点11は、共有辺10aの中点に設定し、中点の境界指示点を示すように矢印21の矢先が境界標示面1aに描かれても良い。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は、土地の境界線を定める境界標示板として利用できる。
【符号の説明】
【0028】
1 境界標示板本体
1a,1b 境界標示面
10a 共有辺
10b,10c 隣接辺
11 境界指示点
11a,11b,21 矢印
12a,12b 取付孔
13a,13b 裏面
20 保持体
20a 挿通孔
30 固定具
30a ビス
30b アンカー
40 下穴
50 側溝
51 雨水
60 コンクリート壁
61 ブロック塀
70 コンクリート製境界標示杭
71 根巻きコンクリート
BP 境界点
W 壁
WS 壁面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15