特許第6872745号(P6872745)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6872745
(24)【登録日】2021年4月22日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】エンジン始動装置
(51)【国際特許分類】
   B62H 5/08 20060101AFI20210510BHJP
   B60R 25/24 20130101ALI20210510BHJP
   B60R 25/0215 20130101ALI20210510BHJP
   B62H 5/04 20060101ALI20210510BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20210510BHJP
   E05B 83/00 20140101ALI20210510BHJP
【FI】
   B62H5/08
   B60R25/24
   B60R25/0215
   B62H5/04
   E05B49/00 J
   E05B83/00 H
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-249280(P2016-249280)
(22)【出願日】2016年12月22日
(65)【公開番号】特開2018-103651(P2018-103651A)
(43)【公開日】2018年7月5日
【審査請求日】2019年11月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000213954
【氏名又は名称】朝日電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095614
【弁理士】
【氏名又は名称】越川 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】松山 和揮
【審査官】 伊藤 秀行
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−276765(JP,A)
【文献】 特開2004−001642(JP,A)
【文献】 特開2004−017959(JP,A)
【文献】 特開2010−077613(JP,A)
【文献】 特開2010−053648(JP,A)
【文献】 特開2006−306161(JP,A)
【文献】 特開2007−276633(JP,A)
【文献】 特開2015−134593(JP,A)
【文献】 特開平04−011587(JP,A)
【文献】 特開2007−022120(JP,A)
【文献】 特開2004−058880(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0067247(US,A1)
【文献】 中国特許出願公開第1958378(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62H 5/02
B62H 5/08
B62H 5/04
B60R 25/02
B60R 25/24
F02N 11/10
F02N 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転者が携帯し得るとともに車両固有のIDコードを発信し得る発信手段が配設された携帯手段と、
前記発信手段から発信されたIDコードを受信し得る受信手段、該受信手段で受信したIDコードが予め登録した正規のものであるか否かを判定する判定手段がそれぞれ形成された基板を有する制御ユニットと、
車両のエンジンを停止させるオフ位置、及び当該エンジンを始動可能とするオン位置の間で回動操作可能な操作ノブを有するとともに、車両のバー型ハンドルとスピードメータとの間の位置に固定され得る本体部と、
前記操作ノブの回動操作を規制するとともに、前記判定手段により前記受信手段で受信したIDコードが正規のものと判定されたことを条件として当該操作ノブの回動の規制を解除する規制手段と、
を具備したエンジン始動装置であって、
前記本体部、制御ユニット及び規制手段が一体的に形成されて一体ユニットを成すとともに、前記本体部は、操作により前記携帯手段との間で通信を開始するためのアクセススイッチが配設されたことを特徴とするエンジン始動装置。
【請求項2】
前記操作ノブは、前記オフ位置及びオン位置に加え、車両が具備するバー型ハンドルをロックさせるロック位置まで回動操作可能とされるとともに、前記本体部は、当該操作ノブがロック位置に回動操作された場合に突出して車両のバー型ハンドルをロックするロックバーが配設されたことを特徴とする請求項1記載のエンジン始動装置。
【請求項3】
前記本体部は、車両のバー型ハンドル中央に形成されたハンドルブラケットに固定されるとともに、当該本体部の側部に前記制御ユニット及び規制手段がそれぞれ一体的に形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のエンジン始動装置。
【請求項4】
前記携帯手段は、前記発信手段を作動させるための電池を具備するとともに、前記制御ユニットは、前記携帯手段が所定寸法以内に近接した状態で所定の操作が行われたことを条件として、前記電池による電力に代えて、当該発信手段の作動のための電力を生じさせ得るイモビライザ機能を具備したことを特徴とする請求項1〜3の何れか1つに記載のエンジン始動装置。
【請求項5】
前記本体部は、前記受信手段で受信したIDコードが予め登録した正規なものであると認証されたことを条件として点滅又は点灯するインジケータを有することを特徴とする請求項1〜4の何れか1つに記載のエンジン始動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発信手段からのIDコードが予め登録された正規のものであると判定されることを条件としてエンジンの始動を許可するエンジン始動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年多発する車両の盗難防止を図るために、運転者が携帯しつつ車両固有のIDコードを発信し得る発信手段と、そのIDコードを受信し得る受信手段とを備え、当該受信手段にて受信したIDコードが正規のものであることを条件として、エンジン始動を含む車両の各種操作を可能とした所謂スマートエントリーシステムが提案されている。例えば、二輪車におけるスマートエントリーシステムの場合、携帯機(発信手段)を携帯した運転者がアクセス装置すると、その発信手段から発信されたIDコードを車両側に設置された受信手段が受信し、予め登録した正規のものであるか否かが判定されるとともに、正規のものである場合に限りエンジン始動操作を可能としている。
【0003】
また、上記の如きスマートエントリーシステムを具備した二輪車においては、従来、正規のIDコードを受信したと判定されたことを条件として回動操作可能な操作ノブを有し、当該操作ノブを回動操作することによりエンジンの始動が可能とされたイグニッションスイッチ装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。かかるイグニッションスイッチ装置は、操作ノブをオフ位置からオン位置又はロック位置に回動操作可能とされており、オン位置にてエンジンの始動を許可するとともに、ロック位置にて車両が具備するバー型ハンドルをロックするよう構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−112048号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術においては、発信手段から発信されたIDコードを受信し得る受信手段や、受信手段で受信したIDコードが予め登録した正規のものであるか否かを判定する判定手段が、操作ノブが形成された本体部から離間した位置に配設されていたため、受信手段又は判定手段と本体部との間に比較的長い配線が必要とされ、その配線を介して行われる信号の送受信にノイズが生じ易いという問題があった。また、従来技術においては、受信手段又は判定手段と本体部との間に比較的長い配線が必要とされるので、第三者により当該配線が切断される等、悪戯される虞があった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、スマートエントリーシステムが適用される車両において、受信手段又は判定手段と本体部との間の配線を短くすることができるエンジン始動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、運転者が携帯し得るとともに車両固有のIDコードを発信し得る発信手段が配設された携帯手段と、前記発信手段から発信されたIDコードを受信し得る受信手段、該受信手段で受信したIDコードが予め登録した正規のものであるか否かを判定する判定手段がそれぞれ形成された基板を有する制御ユニットと、車両のエンジンを停止させるオフ位置、及び当該エンジンを始動可能とするオン位置の間で回動操作可能な操作ノブを有するとともに、車両のバー型ハンドルとスピードメータとの間の位置に固定され得る本体部と、前記操作ノブの回動操作を規制するとともに、前記判定手段により前記受信手段で受信したIDコードが正規のものと判定されたことを条件として当該操作ノブの回動の規制を解除する規制手段とを具備したエンジン始動装置であって、前記本体部、制御ユニット及び規制手段が一体的に形成されて一体ユニットを成すとともに、前記本体部は、操作により前記携帯手段との間で通信を開始するためのアクセススイッチが配設されたことを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のエンジン始動装置において、前記操作ノブは、前記オフ位置及びオン位置に加え、車両が具備するバー型ハンドルをロックさせるロック位置まで回動操作可能とされるとともに、前記本体部は、当該操作ノブがロック位置に回動操作された場合に突出して車両のバー型ハンドルをロックするロックバーが配設されたことを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載のエンジン始動装置において、前記本体部は、車両のバー型ハンドル中央に形成されたハンドルブラケットに固定されるとともに、当該本体部の側部に前記制御ユニット及び規制手段がそれぞれ一体的に形成されたことを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れか1つに記載のエンジン始動装置において、前記携帯手段は、前記発信手段を作動させるための電池を具備するとともに、前記制御ユニットは、前記携帯手段が所定寸法以内に近接した状態で所定の操作が行われたことを条件として、前記電池による電力に代えて、当該発信手段の作動のための電力を生じさせ得るイモビライザ機能を具備したことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れか1つに記載のエンジン始動装置において、前記本体部は、前記受信手段で受信したIDコードが予め登録した正規なものであると認証されたことを条件として点滅又は点灯するインジケータを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、本体部、制御ユニット及び規制手段が一体的に形成されて一体ユニットを成すので、スマートエントリーシステムが適用される車両において、受信手段又は判定手段と本体部又は規制手段との間の配線を短くすることができ、当該配線におけるノイズの発生や第三者による悪戯を抑制することができる。
【0012】
請求項2の発明によれば、操作ノブは、オフ位置及びオン位置に加え、車両が具備するバー型ハンドルをロックさせるロック位置まで回動操作可能とされるとともに、本体部は、操作ノブがロック位置に回動操作された場合に突出して車両のバー型ハンドルをロックするロックバーが配設されたので、スマートエントリーシステムを有さない汎用的な車両のイグニッション装置と同様、エンジンの始動及び停止に加え、バー型ハンドルをロックするための機能を本体部に持たせることができる。
【0013】
請求項3の発明によれば、本体部は、車両のバー型ハンドル中央に形成されたハンドルブラケットに固定されるとともに、当該本体部の側部に制御ユニット及び規制手段がそれぞれ一体的に形成されたので、バー型ハンドルの操作時に本体部、制御ユニット及び規制手段を円滑且つ良好に追従させることができる。
【0014】
請求項4の発明によれば、携帯手段は、発信手段を作動させるための電池を具備するとともに、制御ユニットは、携帯手段が所定寸法以内に近接した状態で所定の操作が行われたことを条件として、電池による電力に代えて、当該発信手段の作動のための電力を生じさせ得るイモビライザ機能を具備したので、携帯手段の電池が消耗した際、エマージェンシー機能(緊急時機能)としてイモビライザ機能を利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係るエンジン始動装置を示す平面図
図2】同エンジン始動装置を示す右側面図
図3】同エンジン始動装置を示す左側面図
図4】同エンジン始動装置を示す正面図
図5】同エンジン始動装置を示す背面図
図6】同エンジン始動装置を車両に組み付けた状態を示す図であって運転席側から見た状態の図
図7】同エンジン始動装置を車両に組み付けた状態を示す図であって車両の運転席側から見た状態の図
図8】同エンジン始動装置を車両に組み付けた状態を示す図であって下方から見た状態の図
図9】同エンジン始動装置における発信手段、受信手段及び判定手段を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係るエンジン始動装置は、二輪車におけるエンジン始動及び停止を制御するためのものであり、図1〜5等に示すように、基板11が収容された制御ユニット5と、操作ノブ7を有する本体部6と、ソレノイドを有する規制手段8とから主に外観が構成されている。このうち操作ノブ7は、車両のエンジンを停止させるオフ位置、当該エンジンを駆動させるオン位置、及び車両が具備するバー型ハンドル(H、B)(図6参照)をロックさせるロック位置の間で回動操作可能とされている。
【0017】
また、本実施形態に係るエンジン始動装置は、図9に示すように、運転者が携帯し得るとともに車両固有のIDコードを発信し得る発信手段1が配設された携帯手段2と、車両側に配設されて発信手段1からのIDコードを受信し得るアンテナから成る受信手段(3a、3b)と、該受信手段(3a、3b)で受信したIDコードが予め登録した正規のものであるか否かを判定する判定手段4とを有している。
【0018】
制御ユニット5は、上記の受信手段3a及び判定手段4がそれぞれ形成された基板11をケース内に有して成るもので、ボルト等により本体部6の側部に取り付けられている。特に、本実施形態においては、低周波数の電波にて携帯手段2との間で通信を行うためのRFアンテナから成る受信手段3aと、高周波数の電波にて携帯手段2との間で通信を行うためのLFアンテナから成る受信手段3bとを有しており、これら受信手段3a、3bが制御ユニット5内に配設されている。また、受信手段3aは、例えば制御ユニット5内に配設された基板11に形成された金属製プレス加工品から成る。
【0019】
発信手段1は、携帯手段2内に配設されるとともに電波などによりIDコードを発信し得るもので、携帯手段2を携帯した運転者が車両に近づいて所定の認証開始操作(本実施形態においては操作ノブ7を押圧操作してアクセススイッチ9をオンさせる操作)を行うと、車両側のアンテナ等から成る受信手段3aが当該IDコードを受信し得るよう構成されている。判定手段4は、予め登録されたIDコードと受信手段3aにて受信したIDコードとを比較して、これらが合致していれば正規のIDコードを受信したと判定するものである。
【0020】
本体部6は、上端部に操作ノブ7を有するとともに、図6〜8に示すように、車両のバー型ハンドル(H、B)とスピードメータMとの間の位置に固定され得るものである。さらに、本体部6は、操作ノブ7の他、マイクロスイッチから成るアクセススイッチ9と、LEDから成るインジケータ10と、ロックバーRと、取付部Wとを有して構成されており、車両のバー型ハンドル中央に形成されたハンドルブラケットBに固定されている。
【0021】
ハンドルブラケットBは、車両のバー型ハンドルを構成する部品から成り、図6に示すように、左右両側部からそれぞれハンドルバーHが延設されるとともに、左側のハンドルバーHの先端には把持グリップが形成され、右側のハンドルバーHの先端にはスロットルグリップが形成されている。そして、ハンドルバーHを左右何れかに回動操作すると、ハンドルブラケットBが連動してステアリングシャフトSを回転させることができ、車両の前輪が同方向に操舵可能とされている。
【0022】
また、ハンドルブラケットBには、図7に示すように、一対の突出部Baが形成されており、その突出部Baに本体部6が組み付けられるようになっている。すなわち、本体部6の取付部Wと突出部Baとは、図8に示すように、ボルトbにて固定されており、これにより本体部6がハンドルブラケットB(バー型ハンドル)に固定され、バー型ハンドル(H、B)の回動に伴って本体部6も回動するようになっている。
【0023】
さらに、本実施形態に係る操作ノブ7は、既述したオフ位置及びオン位置に加え、車両が具備するバー型ハンドル(H、B)をロックさせるロック位置まで回動操作可能とされるとともに、本体部6は、当該操作ノブ7がロック位置に回動操作された場合に突出して車両のバー型ハンドル(H、B)をロックするロックバーRが配設されている。すなわち、車両のバー型ハンドル(H、B)を左側に所定角度回動させ、操作ノブ7をオフ位置からロック位置まで回動操作すると、ロックバーRが突出して車両のヘッドパイプTに形成された開口(切欠きや孔等)に係止させることができ、車両のバー型ハンドル(H、B)をロック可能としているのである。
【0024】
しかるに、本体部6に配設されたアクセススイッチ9は、既述のようにマイクロスイッチから成り、操作ノブ7を押圧操作することによりオンとされ、携帯手段2との間で認証のための通信を開始するためのものである。また、インジケータ10は、既述のようにLEDから成り、受信手段3aで受信したIDコードが予め登録した正規なものであると認証されたことを条件として点滅又は点灯するようになっている。
【0025】
なお、本実施形態に係る本体部6には、イグニッションスイッチを構成する可動接点及び固定接点等が配設されており、操作ノブ7をオフ位置からオン位置に回動操作すると、車両のエンジンを始動可能な状態とし、別個のスタートボタンを押圧操作することによりエンジンを駆動させ得るとともに、オン位置からオフ位置に回動操作すると、車両のエンジンを停止し得るようになっている。
【0026】
規制手段8は、操作ノブ7の回動操作を規制するとともに、判定手段4により受信手段3aで受信したIDコードが正規のものと判定されたことを条件として当該操作ノブ7の回動の規制を解除するものである。本実施形態に係る規制手段8は、通電により変位可能な作動子(不図示)を有したソレノイドから成り、ケースに収容されて本体部6の側部に取り付けられている。具体的には、操作ノブ7とイグニッションスイッチとを連結する連結部材(不図示)に規制手段8を構成するソレノイドの作動子が係止されており、操作ノブ7の回動操作が規制されている。そして、判定手段4によって正規のIDを受信したと判定されると、ソレノイドから成る規制手段8に通電され、連結部材の係止が解かれることにより操作ノブ7の回動操作が可能とされるのである。
【0027】
加えて、本実施形態に係るエンジン始動装置の携帯手段2は、発信手段1を作動させるための電池(ボタン電池等)を具備するとともに、制御ユニット5は、携帯手段2が所定寸法(例えば3cm程度)以内に近接した状態で所定の操作(本実施形態においては、アクセススイッチ9の押圧操作)が行われたことを条件として、電池による電力に代えて、当該発信手段1の作動のための電力を生じさせ得るイモビライザ機能を具備している。
【0028】
例えば、携帯手段2の電池切れによる緊急時、当該携帯手段2を制御ユニット5(特にRFアンテナを構成する受信手段3a)に近接させつつ操作ノブ7を押圧操作すると、受信手段3aから電波が発信されるようになっており、その電波によるエネルギが携帯手段2内のコンデンサ等に電気エネルギとして蓄えられ、発信手段1を作動させて受信手段3aとの間で認証のための通信を行わせることができるよう構成されている。
【0029】
ここで、本実施形態に係るエンジン始動装置は、本体部6、制御ユニット5及び規制手段8が一体的に形成されて一体ユニットYを成すものとされている。すなわち、本体部6の側部に制御ユニット5及び規制手段8がそれぞれ一体的に形成されて一体ユニットYを構成しており、図6に示すように、車両のバー型ハンドル(具体的にはハンドルブラケットB)とスピードメータMとの間の位置に取り付けられている。
【0030】
さらに、本実施形態においては、図4、6に示すように、車両の運転席側から見て、本体部6の右側部に規制手段8が取り付けられ、本体部6の左側部に制御ユニット5が取り付けられている。しかるに、制御ユニット5内には、比較的大きな寸法を必要とする受信手段(3a、3b)が配設されているため、そのケースの大きさは、規制手段8のケースより大きくなっている。
【0031】
本実施形態によれば、本体部6、制御ユニット5及び規制手段8が一体的に形成されて一体ユニットYを成すので、スマートエントリーシステムが適用される車両において、受信手段(3a、3b)又は判定手段4と本体部6又は規制手段8との間の配線(配線コード)を短くすることができ、当該配線におけるノイズの発生や第三者による悪戯を抑制することができる。
【0032】
また、本実施形態に係る操作ノブ7は、オフ位置及びオン位置に加え、車両が具備するバー型ハンドルをロックさせるロック位置まで回動操作可能とされるとともに、本体部6は、操作ノブ7がロック位置に回動操作された場合に突出して車両のバー型ハンドルをロックするロックバーRが配設されたので、スマートエントリーシステムを有さない汎用的な車両のイグニッション装置と同様、エンジンの始動及び停止に加え、バー型ハンドルをロックするための機能を本体部6に持たせることができる。
【0033】
さらに、本実施形態に係る本体部6は、車両のバー型ハンドル中央に形成されたハンドルブラケットBに固定されるとともに、当該本体部6の側部に制御ユニット5及び規制手段8がそれぞれ一体的に形成されたので、バー型ハンドルの操作時に本体部6、制御ユニット5及び規制手段8を円滑且つ良好に追従させることができる。
【0034】
またさらに、携帯手段2は、発信手段1を作動させるための電池を具備するとともに、制御ユニット5は、携帯手段2が所定寸法以内に近接した状態で所定の操作が行われたことを条件として、電池による電力に代えて、当該発信手段1の作動のための電力を生じさせ得るイモビライザ機能を具備したので、携帯手段2の電池が消耗した際、エマージェンシー機能(緊急時機能)としてイモビライザ機能を利用することができる。
【0035】
加えて、本実施形態によれば、車両の運転席側から見て、本体部6の右側部に規制手段8が取り付けられ、本体部6の左側部に制御ユニット5が取り付けられるので、スマートエントリーシステムが適用される車両において、車両のバー型ハンドル(ハンドルブラケットB)とスピードメータMとの間の位置における運転席側から見て左側のスペースを有効活用することができる。
【0036】
すなわち、通常の車両においては、車両のバー型ハンドル(ハンドルブラケットB)とスピードメータMとの間の位置には、運転席側から見て左側のスペースよりも右側のスペースの方がワイヤや配線等が多く延設されており、左側のスペースの方が右側のスペースに比べてスペース的な余裕があるので、そのスペースを有効活用することができるのである。
【0037】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、本体部6、制御ユニット5及び規制手段8が一体的に形成されて一体ユニットYを成すものであれば足り、例えば車両の運転席側から見て、本体部6の右側部に制御ユニット5が取り付けられ、本体部6の左側部に規制手段8が取り付けられたものであってもよい。また、アクセススイッチ9やインジケータ10について、他の形態のスイッチ又はインジケータとしたもの、或いはインジケータ10を具備しないものとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本体部、制御ユニット及び規制手段が一体的に形成されて一体ユニットを成すとともに、本体部は、操作により携帯手段との間で通信を開始するためのアクセススイッチが配設されたエンジン始動装置であれば、外観形状が異なるもの或いは他の機能が付加されたもの等にも適用することができる。
【符号の説明】
【0039】
1 発信手段
2 携帯手段
3a 受信手段(RFアンテナ)
3b 受信手段(LFアンテナ)
4 判定手段
5 制御ユニット
6 本体部
7 操作ノブ
8 規制手段
9 アクセススイッチ
10 インジケータ
11 基板
Y 一体ユニット
B ハンドルブラケット
M スピードメータ
R ロックバー
S ステアリングシャフト
W 取付部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9