特許第6872758号(P6872758)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6872758動的光散乱(DLS)による神経学的状態又は適合性状態の血行力学的特徴付けのための方法及び装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6872758
(24)【登録日】2021年4月22日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】動的光散乱(DLS)による神経学的状態又は適合性状態の血行力学的特徴付けのための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/16 20060101AFI20210510BHJP
   A61B 5/1455 20060101ALI20210510BHJP
   A61B 5/02 20060101ALI20210510BHJP
   A61B 5/0205 20060101ALI20210510BHJP
   A61B 5/08 20060101ALI20210510BHJP
【FI】
   A61B5/16 110
   A61B5/16 200
   A61B5/1455
   A61B5/02 310A
   A61B5/0205
   A61B5/08
【請求項の数】5
【全頁数】59
(21)【出願番号】特願2018-521537(P2018-521537)
(86)(22)【出願日】2016年8月15日
(65)【公表番号】特表2018-535745(P2018-535745A)
(43)【公表日】2018年12月6日
(86)【国際出願番号】IB2016001240
(87)【国際公開番号】WO2017072568
(87)【国際公開日】20170504
【審査請求日】2019年8月5日
(31)【優先権主張番号】62/295,138
(32)【優先日】2016年2月14日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/249,303
(32)【優先日】2015年11月1日
(33)【優先権主張国】US
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1.集会名: SPIE BiOS,2016 主催者名: SPIE,国際光工学会 開催日: 2016年2月14日 2.発行者名: SPIE,国際光工学会 刊行物名: Proceedings Volume 9707,Dynamics and Fluctuations in Biomedical Photonics XIII; 970705(2016) 発行年月日: 2016年3月17日 掲載アドレス:https://doi.org/10.1117/12.2212866
(73)【特許権者】
【識別番号】513113998
【氏名又は名称】エルフィ−テック エルティーディー.
【氏名又は名称原語表記】ELFI−TECH LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】フィーネ, イリヤ
(72)【発明者】
【氏名】カミンスキー, アレキサンダー
【審査官】 近藤 利充
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−508056(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0082355(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0094666(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0141766(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00 − 5/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
温血動物の被験者について状態及び/又はステータス情報又はその中の変化を光学的に測定する方法であって、
a.被験者の移動する赤血球(RBCs)により部分的又は完全にコヒーレントな光を散乱させて散乱光時間依存性光学応答を誘導するために、VCSEL(垂直空洞面発光レーザ)又はダイオードレーザが、被験者の皮膚又は組織の一部に対して光を放射して、
b.誘導された散乱光時間依存性光学応答を表現する電気シグナルを生成するために、光検出器散乱光を受け取り、
c.電子回路が、散乱光光学応答表現電気シグナル又はその導出シグナルを処理して、それより1つ又は複数の血液せん断速度表現(BSRD)シグナルを計算し、各BSRDシグナルそれぞれに対応する周波数選択プロファイルによって特徴付
d.電子回路が、BSRDシグナル群のBSRDシグナルの特性を電子的に解析して、BSRD内の生理学的シグナルの顕著性を定量化し、BSRDは、メイヤー波、神経原性シグナル及び筋原性を含む群から選択され、
e.電子回路が、顕著性の定量化の結果から、状態及び/又はステータス情報又はその変化を計算することを含む、方法。
【請求項2】
温血動物の被験者について状態及び/又はステータス情報又はその中の変化を光学的に測定する方法であって、
a.被験者の移動する赤血球(RBCs)により部分的又は完全にコヒーレントな光を散乱させて散乱光時間依存性光学応答を誘導するために、VCSEL(垂直空洞面発光レーザ)又はダイオードレーザが被験者の皮膚又は組織の一部に対して光を放射して、
b.誘導された散乱光時間依存性光学応答を表現する電気シグナルを生成するために、光検出器散乱光を受け取り、
c.電子回路が、散乱光光学応答表現電気シグナル又はその導出シグナルを処理して、それより非拍動性の血液せん断速度表現(BSRD)シグナルを計算し、各BSRDシグナルそれぞれに対応する周波数選択プロファイルによって特徴付け、
d.電子回路が、非拍動性BSRDシグナルを確率論的解析又は静止状態解析に供してBSRDシグナルの静止/非静止状態を定量し、
e.電子回路が、状態及び/又はステータス情報又はその変化を確率論的解析及び/又は静止状態解析の結果により計算する、方法。
【請求項3】
温血動物の被験者に関する状態及び/又はステータス情報又はその中の変化を光学的に取得する機械学習に基づく方法であって、
a.カメラが、被験者の行動パターンをモニターし、及び/又はグラフィカルユーザインタフェースを介してデータを受信し、及び/又はユーザと広告とのインタラクション及び/又はユーザのオーディオ出力に基づくモニタリングを行い、
b.被験者の移動する赤血球(RBCs)により部分的又は完全にコヒーレントな光を散乱させ、散乱光時間依存性光学応答を誘導するために、VCSEL(垂直空洞面発光レーザ)又はダイオードレーザが被験者の皮膚又は組織の一部に対して光を放射して、
c.光検出器が、散乱光を受信して、誘導された散乱光時間依存性光学応答を表現する電気シグナルを生成し、
d.電子回路が、散乱光光学応答表現電気シグナル又はその導出シグナルを処理してこれより1つ又は複数の血液せん断速度表現(BSRD)シグナルを計算し、各BSRDシグナルは対応の周波数選択プロファイルにより特徴付けられるものであり、
e.電子回路が、(i)a.における被験者の行動パターンのモニタリングの結果と(ii)BSRDシグナルの特性との間の相関に従って、BSRDシグナル由来の入力に従って、被験者のストレス状態(例えば、ストレス要因の種類、ストレスのレベル)、ムード状態、ストレス耐性、及び心血管の適合性状態のうち少なくとも1つの被験者状態を分類可能な被験者状態分類器を訓練し、
f.電子回路が、後に、訓練された分類器を使用して、BSRDシグナルから状態及び/又はステータス情報又はその中の変化計算することを含む、方法。
【請求項4】
状態及び/又はステータス情報又はその中の変化を温血被験者について光学的に測定するための装置であって、
a.被験者の皮膚を照射して被験者の移動する赤血球(RBCs)により部分的又は完全にコヒーレントな光を散乱させ、散乱光時間依存性光学応答を誘導するように構成されたダイオードレーザ又はVCSEL、
b.誘導された散乱光時間依存性光学応答を表現する電気シグナルを生成するように構成された光検出器、
c.電子回路であって、以下:
i.散乱光光学応答表現電気シグナル又はその導出シグナルを処理し、これより1つ又は複数の血液せん断速度表現(BSRD)シグナルを計算し各BSRDシグナルは対応する周波数選択プロファイルによって特徴付けられ、
ii.BSRDシグナル群のBSRDシグナルの特性を電子的に解析して、BSRD内の生理学的シグナルの顕著性を定量化しBSRDは、メイヤー波、神経原性シグナル及び筋原性を含む群から選択され、
iii.顕著性の定量化の結果から、状態及び/又はステータス情報又はその変化を計算すること、を実行するように構成されている電子回路、
を含む、装置。
【請求項5】
状態及び/又はステータス情報又はその中の変化を温血被験者について光学的に測定するための装置であって、
a.被験者の皮膚を照射して被験者の移動する赤血球(RBCs)により部分的又は完全にコヒーレントな光を散乱させ、散乱光時間依存性光学応答を誘導するように構成されたダイオードレーザ又はVCSEL、
b.誘導された散乱光時間依存性光学応答を表現する電気シグナルを生成するように構成された光検出器、及び
c.電子回路であって、以下:
i.散乱光光学応答表現電気シグナル又はその導出シグナルを処理し、これより非拍動性血液せん断速度表現(BSRD)シグナルを計算し各BSRDシグナルは対応する周波数選択プロファイルによって特徴付けられ、
ii.非拍動性BSRDシグナルをBSRDシグナルの静止/非静止状態を定量化する確率論的解析又は静止状態解析に供し、
iii.確率論的及び/又は静止状態解析の結果から状態及び/又はステータス情報又はその中の変化を計算すること、を実行するように構成される電子回路、
を含む装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<背景>
感情状態/ストレス状態/ムード状態の検出
温血動物(例えば、哺乳類又は鳥類)の感情状態、ストレス状態、及びムード状態を検出するための継続的な必要性が存在する。感情状態を検出するための従来技術は、表情、声のイントネーション、被験者によって生成されたテキスト、眼の動き、脈拍及び血圧の変動性を解析することに基づいている。
【0002】
従って、被験者が緊張したり興奮したり怖がったりすると、脈拍数(HR)はストレス状態又はムード状態過ぎ去るまで一時的に増加する(すなわち、ベースライン心拍に対して)傾向があることが長年にわたり知られている。従って、任意の脈拍計又はECG装置を用いて、人のストレス状態又はムード状態を検出することが可能である。非侵襲的な光学的測定心拍のための装置の例には、WO2002/053474及びWO2012064326に開示されている心拍オキシメーター及び動的光散乱(DLS)装置が含まれる。これらの特許文献の各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0003】
心拍変動(HRV)と呼ばれるHRの時間変動パターンに基づいて、中枢神経緊張システム(CNS)の徴候のいくつかはアルゴリズム表現に処せられる。具体的には、交感神経系及び副交感神経緊張系の反応がHRVに反映される。当然、ストレスや感情の表現もHRVパターンに影響する。残念なことに、HRV自体の信頼性、特異性及び正確さは限定的である傾向がある。例えば、自然な変動に起因して、「ベースライン」の脈拍数及びHRVは、正確に測定することが困難又は不可能な場合があり得る。さらに、興奮した感情状態以外の理由で(例えば、階段を上っているなどの理由で)ユーザの脈拍が増加する場合があるように、「偽陽性」の状況が多く存在し得る。
【0004】
加えて、HRとHRVは、異なるタイプの「興奮」状態を区別しようとするとき、すなわち恐怖と怒りとを区別しようとする場合、最も限られた有用性しかない。さらに、HRVパラメータを確実に抽出するためには、少なくとも5分間の測定が必要である。この事実は、HRVの消費者への適用についてさらなる制限を課す可能性がある。
【0005】
適合性パラメータの検出
個体の「適合性パラメータ」を検出するための非侵襲的かつ連続的な方法(及び関連する装置)の継続的な要求が存在する。従って、「低適合性」スコアは、心血管疾患リスクの上昇又は負荷に耐える能力の低下を示す可能性がある。しかしながら、予防的ケアは、例えば、医師の訪問のコスト(又は不便さ)のために、しばしば軽視される。
【0006】
HR及びHRVは、心血管状態の指標をいくらか提供し得るが、同じパラメータがストレスや感情のステージに反応するため、これらに特異性は無い。
【0007】
繰り返しとなるが、HR及びHRVは大まかな指標としては有用であるが、それだけでは、多くの被験者に対して正確な示度を一貫して得るには十分に強力ではない。
【0008】
拍動性及び非拍動性の血液
図1Aは、血管内の血流を概略的に示す。図示されているように、「ノンスリップ」境界条件に起因して、血管壁では血液速度(従ってせん断速度)はゼロに低下する。
【0009】
血管に何らかの圧力勾配が加えられると(すなわち、血管の場合、これは「拍動性圧力波」である)、血管内の流体は圧力勾配に従って流れる。しかしながら、血管壁に近い場所では、速度(及びせん断)の時間的変動は、(例えば、血管壁が完全に剛性でないために)脈波のそれと強く相関していない。同様に、動く粒子(すなわち、赤血球(RBS))のサイズが血管直径に匹敵するような非常に細い血管(毛細血管)における血流と拍動性成分との間には、たいていは非常に弱い相関が存在し得る。
【0010】
図1Aに示すように、動脈血管では、中心線に近い位置では、血液は「拍動性血液」とみなすことができ(すなわち、その流動特性に起因して)、ここでは速度(及びせん断速度)の時間的変動が拍動性の脈圧力波と強い相関を有している。対照的に、血管壁の近くの位置では、せん断速度の時間的変動と脈圧力波の時間的変動との間には、ほとんど又は全く相関がない。従って、図1Aに示すように、壁の近くの血液は「非拍動性血液」と表示される。「拍動性血液」及び「非拍動性血液」という用語は、血液の流動特性、すなわち血液がどのように生体内を流れるかを示す。
【0011】
図1Bでは、動脈における血流は大半が拍動性であり、他の多くの血管(例えば、毛細血管)では、その逆になっている。
【0012】
生理学的シグナルによる血流(及び血液せん断)の調節
次に、図2を参照する。
Stefanovska 及び Bracicによる「Physics of the Human Cardiovascular System」の論文で言及されているように、HRVに加えて、CNSは「血流変動」に影響を与える。CNSは、異なる周波数帯の末梢血液振動によって表現される複数の生理学的プロセスを支配する。
(1 Physics of the human cardiovascular system by Aneta Stefanovska and Maja Bracic, Contemporary Physics, 1999, volume 40, number 1, pages 31-55)
【0013】
図2に示される(Stefanovska 及び Bracicの図10から適合される)は、生理学的プロセスの以下のカテゴリであり、それぞれが、それぞれの周波数帯域における血流シグナルの「振動器」として機能する:(i)周波数帯域[〜0.01Hz、〜0.02Hz]における血流シグナルを調節する代謝プロセス;(ii)周波数帯域[〜0.02Hz、〜0.06Hz]における血流シグナルを調節する神経性プロセス;(iii)周波数帯域[〜0.06Hz、〜0.15Hz]における血流シグナルを調節する筋原性プロセス;(iv)周波数帯域[〜0.15Hz、〜0.5Hz]における血流シグナルを調節する呼吸プロセス;(v)周波数帯域[〜0.4Hz、〜2Hz]における血流シグナルを調節する心臓/拍動性プロセス。
【0014】
上記の周波数帯域は人間のためのものであり、他の哺乳類では周波数の値が異なる場合がある。
【0015】
生理学的プロセスの各カテゴリのプロセスが血流(及び血液せん断)「シグナル」を調節する。血流(及び血液せん断)シグナルは複数のシグナルの組み合わせと考えられ得るため、生理学的プロセスは、血流(及び血液せん断シグナル)内に存在する「生理学的応答シグナル」を生成するとも言え、各生理学的シグナルは、全体の血流振動パターン(及び血液せん断シグナル)に「寄与する」と言える。従って、本開示では、「応答シグナル」という用語は、血流内に現れるような中枢神経系からの入力及び/又はフィードバックに対する応答に関連する。
【0016】
生理学的応答シグナルの一例はメイヤー波である。
心臓/拍動性シグナルはよく知られた「拍動性シグナル」である。心臓による血液のポンプ輸送は、循環系内の多くの場所における血流(及び血液せん断)応答シグナルに直接影響を及ぼす。対照的に、「呼吸プロセス/振動子」からの「呼吸シグナル」は単なる「呼吸パターン」ではなく、むしろ、血流に対する呼吸の間接的な影響を示す。
【0017】
筋原性プロセスの一例はメイヤー波である。ウィキペディアによると:
メイヤー波は、圧受血管及び化学受血管反射制御システムにおける振動によってもたらされる動脈血圧の周期的変化又は波動である。波は、ECG及び連続血圧曲線の両方に見られ、約0.1Hz(10秒間の波)の周波数を有する。これらの波は、もともとSiegmund Mayer、Ewald Hering、及びLudwig Traube等によって述べられ、「Traube-Hering-Mayer波」と呼ばれる。
【0018】
メイヤー波は、呼吸周波数よりも遅い周波数での動脈血圧(AP)振動として定義することができ、遠心性交感神経活動(SNA)による最も強い、有意なコヒーレンス(周波数領域における2つの変数の変動間の線形結合の強度)を表す。人間では、これらの特性を満たすAP振動は、0.1Hz、ウサギでは0.3Hz、ラットでは0.4Hzの特性振動数を有していた。
【0019】
メイヤー波の血行力学的根拠は、動脈血管の交感神経性の血管運動のトーンの振動である。なぜならば、メイヤー波はアルファ-アドレナリン受容体の薬理学的遮断によって破壊されるか、少なくとも強く減衰されるためである。所定の生物種内では、それらの周波数はかなり安定しており、ヒトでは、この周波数は性別、年齢、又は姿勢に依存性しないことが明らかになっている。メイヤー波が、臓器機能を終了させるのに有益な血管剪断応力の周期的変化によって内皮由来の酸化窒素(NO)の遊離を引き起こすことが示唆されている。
【0020】
メイヤー波は心拍変動と相関する。
Takalo等(1999)は、「メイヤー波の低周波への周波数シフトは、確立された高血圧を発症するリスクの増加と関連している」と述べている。
【0021】
拍動性血液において、心臓/拍動性せん断シグナルは、図2Bに示される周知の特性により特徴付けられる。流れの動脈成分には、拍動性シグナル以外のシグナルが存在する可能性があるが、典型的には、拍動性シグナルのエネルギーは他の生理学的シグナルのエネルギーを支配する。
【0022】
生物学的パラメータ の非侵襲的インビボ測定のための動的光散乱(DLS)
WO 2008/053474及びWO 2012064326は、それぞれ開示によりその全体が本願に組み込まれるものであるが、それぞれ動的光散乱技術による生物学的パラメータ のインビボ測定のためのシステム及び方法を開示している。
【0023】
特に、2008/053474は、動的光散乱(DLS)アプローチを利用する被験者におけるインビボ測定に適した新規な光学技術を開示する。DLSの効果は、様々な血液関連パラメータ、例えば血液及び血漿の粘度、血流、動脈血圧ならびに他の血液化学及びレオロジー関連パラメータの測定に利用されることである。DLSは、時間スペックル解析から粒子のサイズ及び形状に関するデータを提供する十分に確立された技術である。コヒーレントな光ビーム(例えば、レーザビーム)が散乱(粗い)表面に入射すると、表面の散乱特性、ならびに表面からの散乱強度(透過及び/又は反射)の時間依存性の変動が観察される。これらの変動は、粒子が、不均一な血流(すなわち、血液せん断で現れる)の結果として、ブラウン又は規則的な流れの動きをし、従って、粒子間の距離が時間と共に絶えず変化しているという事実に起因する。この散乱光は周囲の粒子から建設的又は破壊的な干渉を受け、この強度変動情報内には粒子の移動の時間スケールについての情報が含まれている。散乱光は、遠回折ゾーンで検出されるスペックルパターンの形態を有する。検出されたシグナルは、自己相関関数(ACF)技術を用いて、さらなる解析のために増幅され、デジタル化される。この技術は、ヘテロダイン又はホモダインDLSセットアップのいずれかによって適用可能である。
【0024】
2種類の生理学的シグナルの光学的発現の動力学は、インビボで測定される:心拍に関連する拍動性シグナル及び人工的に生成された血流停止によって誘発される閉塞後の光シグナルである。光透過及び/又は反射シグナルは、生理学的応答の制御として使用される。この種の制御測定は、DLS反射測定と同時に行うことができる。DLSと標準的な光シグナルとの間の相互の対応は、比較解析の対象となる。
【0025】
ここで、図3A〜3Bを参照する。図3Aは、WO 2008/053474から得られたもの(若干の修正を行っている)であるが、DLS測定を実施するための装置を示している。コヒーレント光源(例えば、垂直空洞面発光レーザ(VCSEL))は、コヒーレントな光を放射して皮膚を照らし(ステップS201)、当該コヒーレントな光は皮膚(又は皮下)の血管内の赤血球(RBC)によって散乱され、散乱光の光学応答を誘発する。この光学応答が光検出器により検出され(ステップS205)、散乱光の光学応答を表す電気シグナルを生成する(WO 2008/053474の図4を参照)。散乱光の光学応答を表す電気シグナル(すなわち、1つの例はWO 2008/053474の図4にあり、別の例は、WO 2012064326の図2のアナログ電子アセンブリ270からデジタイザ204に送られたシグナルA(t)が処理されて(例えば、自己相関又はパワースペクトル解析を使用して)(ステップS213)、時間依存性の血液せん断速度表現シグナル又はBSRDが生成されるものである。BSRDの例は、WO 2008/053474の図9〜13に示されている。1つ又は複数の生理学的パラメータ(例えば、脈拍数又は血圧)がBSRDシグナルから計算される。
【0026】
血漿中に懸濁している赤血球(RBSs)は同じ速度で移動するのではなく、速度分布があることに留意が必要である。BSRDシグナルは、血漿中に懸濁した赤血球の速度の差異を表す。特定の周波数領域では、血液せん断は主に心拍によるものである。皮膚を照らし、散乱光を収集し、散乱光をスペックル解析(例えば、スペックルパターンの時間的変動の解析)にかけることにより、血管の横断面及び/又は血管のアンサンブルにわたる血液せん断を表すシグナルを導き出すことができる。
【0027】
図4は、WO 2008/053474から得られたものであるが、ステップS205において生成された散乱光時間依存性光学応答シグナルの一例を示している。
【0028】
図5Aは、時間依存性の血液せん断速度表現シグナルの一例を示す。図5Bは、時間依存性血液せん断速度表現シグナルの別の例を示す。
【0029】
図5A〜5Bのシグナルは、共に図3BのステップS201〜213に従って光学的及び電子的に生成されるものであるが、基本的な違いがある。図5Aの例は、周波数間隔[2700Hz、10,000Hz]にわたって光学応答シグナルのパワースペクトル積分を計算することにより生成され(すなわち、ステップS205において生成される)、図5Bの例は、周波数領域[0Hz、548Hz]にわたって光学応答シグナルのパワースペクトル積分を計算することにより生成される(すなわち、ステップS205において生成される)。
【0030】
図5A及び図5Bを精査すると、血液せん断率速度表現シグナルが脈波に従うことを示しているが、図5Bにおいてはそうではないことが理解できる。従って、図5AのBSRD(せん断速度表現)シグナルは「拍動性」であるが、図5Bのそれはそうではない。DLSスペクトル応答は、血管半径にわたる異なる成分の応答の重ね合わせであり、各特定点におけるせん断速度によるものである。
【0031】
図5Aのシグナルを生成する場合、ステップS213において周波数選択プロファイル[2700Hz、10000Hz]が使用され、その結果は図5Aに示される拍動性シグナルとなる。対照的に、図5Bのシグナルを生成する場合、ステップS213において周波数選択プロファイル[0Hz、548Hz]が使用され、その結果は図5Bに示される非拍動性シグナルとなる。
【0032】
図6Aは、WO 2008/053474に開示される装置及び方法のフロー図である。図6Aの照射シグナルは、図3BのステップS201で生成される。照射シグナルの光は、血管の「アンサンブル」(図6Aに図示)内の赤血球によって反射及び/又は透過及び/又は偏向され、シグナルは光応答シグナルにモジュール化される。光応答シグナルは、図3BのステップS205において光検出器により受信され、応答表現電気シグナルを生成する(図6Aに図示)。
【0033】
図6Bは、WO 2012064326に開示される方法及び装置に関連するものであり、第一及び第二の光検出器(例えば、それぞれの位置Loc_1、Loc_2にある)がそれぞれ光応答シグナルを受信し、位置Loc_1、Loc_2のそれぞれに固有な応答表現電気シグナルを生成する。これらのシグナルは、アナログ電子回路によって処理され、さらに別の応答表現電気シグナルを生成する。
【0034】
WO 2012064326に記載されているように、(i)減算アナログ回路に入力される「入力」応答表現電気シグナル(すなわち、「第一」及び「第二」シグナル)と(ii)出力された応答表現電気シグナルとの間にはいくつもの違いがあり、例えば、出力シグナルのAC成分は入力シグナルにおけるそれよりもはるかに大きな寄与を有し、出力シグナルの確率成分は入力シグナルのそれよりもはるかに大きな寄与を有する。
【0035】
図7Aは、図3B図7Bの方法を実施するための構成の一例を示す。図7Bは、図6Bの減算アナログ回路の一例である。
【0036】
図6A、6Bの出力は、応答表現電気シグナルである。図8は、WO 2008/053474及びWO 2012064326の両方に関連し、任意の応答表現電気シグナル(例えば、図6Aの応答表現電気シグナル又は図6Bの任意の応答表現電気シグナル)の処理を説明するデータフロー図である。従って、BSRDシグナルは、「BSRD」ジェネレータ190(例えば、アナログ及び/又はデジタルハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせで実施されるもの)により、拍動性周波数選択プロファイル(例えば、図5Aのプロファイル[2700Hz、10000Hz])に従って生成される。拍動性周波数選択プロファイルは、応答表現電気シグナルから「拍動性」BSRDを生成する。次に、この拍動性シグナルは、BSRD内の脈波の特性を解析する第二のシグナルプロセッサ194(すなわち、ここにおいても、アナログ及び/又はデジタルハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせで実施されるもの)によって解析される。例えば、心拍シグナル又は心拍変動シグナルが生成される。
【0037】
ストレス、ストレス抵抗及びムードの測定及び/又は分類
Wikipediaはストレスを次のように定義している:
生理的又は生物学的ストレスは、環境条件又は刺激などのストレッサーに対する生物の応答である。ストレスは、体の問題への反応方法である。ストレスに満ちた出来事があると、ストレスに反応する体の方法は、交戦的緊張システムの活性化によるものであり、その結果、戦闘又は逃避の反応が生じる。身体はこの状態を長期間維持することができないため、副交感神経系は身体の生理的状態を正常に戻す(恒常性)。ヒトにおいて、ストレスは、典型的には、ヒトの精神的及び身体的幸福に影響を及ぼす可能性のある陰性状態又は陽性状態を表す。
【0038】
ストレスは、(i)身体的ストレス又は(ii)非身体的ストレスに分類することができ、例えば精神的ストレス又は感情的ストレスが挙げられる。被験者が自身の身体を動かすことによって、身体的ストレスが引き起こされる可能性がある。非身体的ストレスには、感情的ストレス及び精神的ストレスが含まれる。例えば、不快な騒音、不快な思考、不快な視覚的イメージが感情的ストレスを誘発することがある。不快な騒音、思考及び視覚的イメージは「ストレス要因」の例であり、例えば、困難な算術を解決しようとすることや、あるいは認知的干渉を解決しようとする精神的な努力である(例えば、「Studies of interference in serial verbal reactions」と題した1935年の論文の著者であるJohn Ridley Stroopの名前を冠した「Stroop試験」)。従って、精神的な努力は精神的ストレスを誘発するストレス要因である。
【0039】
ストレスは、気質の関数である「ストレス耐性」と区別することもできる。従って、ごく僅かな「ストレス要因」(例えば、非常に小さい音量での不快な騒音)で重大なストレスが誘発されるいくつかの個体が存在し、それらは「非常に神経質」又は「ストレス傾向」と考えられ得る。対照的に、他の個体は、ストレスに対してより強い耐性を示すことがあり、ストレス状態を示すためには、より強い「ストレス要因」を必要とする可能性がある。いくつかの個体は、特定のタイプのストレスに対して強い耐性を示し、他のタイプのストレスに対してはるかに弱い抵抗性を示すことがある。
【0040】
ストレス、ムード及び関連パラメータの拍動性の測定
心拍数(又は心拍変動-HRVなどの誘導パラメータ)を「分類器」として使用して感情的エピソード又はストレスエピソードを検出することが、当技術分野では知られている。例えば、人が非常に興奮したり怒っている場合、脈拍数は「ベースライン」に対して増加しているであろう。
【0041】
しかしながら、心拍数自体が(i)感情的エピソード又はストレスエピソードの検出及び/又は(ii)感情的エピソード又はストレスエピソードの分類において「不十分な分類器」である(すなわち、それ自体が)ということもまた、よく知られている。第一の例において、人の心拍数及びHRVはいくつもの理由により増加し得るものであり、これには自然変動、身体運動のパフォーマンス及び気象条件が含まれ、これらに限定されるものではない。従って、この例においては、心拍のみに依存することは、感情的エピソード又はストレスエピソードを誤って示す多数の「偽陽性」につながる可能性がある。
【0042】
別の例では、怒りと激しい幸福感/興奮の両方が、被験者の心拍数を増加させる可能性がある。単純に高められた心拍数に頼るだけでは、2つの異なるタイプの感情/ムードのエピソード(すなわち、怒り及び大きな幸福)を区別するには不十分である。
【0043】
拍動由来の分類器は確かに有用であり、存在意義が有るが、ストレス要因又は感情的エピソードを検出するための正確な非拍動性技術の必要性がある。
【0044】
概要
本発明の実施形態は、動的光散乱(DLS)によって神経学的状態又は適合性状態を血行力学的に特徴付けるための方法及び装置に関する。これは例えば、皮膚の血流における変動(すなわちせん断)を測定することによるものである。
【0045】
拍動性シグナル(又は閉塞した血液に限定される)を解析することに関連する、従来開示されたDLSベースの技術とは対照的に、ここに開示される技術は、非拍動性の血液せん断速度表現(BSRD)シグナルを計算することに関連するものである。
【0046】
動的散乱光(DLS)による神経学的状態又は適合性状態を血行力学的に特徴付けるための方法及び装置がここに開示される。特に、非拍動性の血液せん断速度表現(BSRD)シグナルが光学的に生成され、解析される。いくつかの実施形態では、BSRDシグナルは動的に生成され、BSRD内の所定の非拍動性生理学的シグナルの顕著性を適応させて最大化させている(すなわち、バンドパス又は周波数選択プロファイルに従っている)。いくつかの実施形態では、BSRDに対して、確率論的又は静止状態の解析を行う。代替的に又は追加的に、神経学的状態又は適合性状態は、複数のBSRDから計算することができ、当該BSRDには(i)[sub200Hz、〜300Hz]BSRDシグナル、(ii)[〜300Hz、〜1000Hz]シグナル;(iii)[〜1000Hz、〜4000Hz]シグナル、及び(iv)[〜4000Hz、zHz](z> = 7,000)シグナルのうち二つ又はこれ以上が含まれる。
【0047】
いくつかの実施形態は、温血動物の被験者に関する状態及び/又はステータス情報又はその変化を光学的に測定するための方法であって、次のものが含まれる:a.VCSEL(垂直空洞面発光レーザ)又はダイオードレーザによって被験者の皮膚又は組織の一部を照射して、被験者の移動する赤血球(RBCs)から部分的又は完全にコヒーレントな光を散乱させ、散乱光時間依存性光学応答を誘発し;b.誘発された散乱光時間依存性光学応答を表現する電気シグナルを生成するために、光検出器によって散乱光を受け取り;c.散乱光光学応答表現電気シグナル又はその導出シグナルを処理して、1つ又は複数の血液せん断速度表現(BSRD)シグナルを計算し、各BSRDシグナルは対応する周波数選択プロファイルによって特徴付けられ; d.BSRDシグナルグループのBSRDシグナルの特性を電子的に解析し;e.周波数間隔特異的せん断速度表現シグナルの電子的解析の結果に従って、状態及び/又はステータス情報又はその変化を解析結果から計算する;ここで、当該方法はまた、BSRDシグナルの周波数選択プロファイルが動的に計算され、BSRD(s)内の所定の非拍動性生理学的シグナルの顕著性を適応させて最大にすることを含み;及び/又は。この方法はまた、状態及び/又はステータス情報の計算を動的に実行することを含み、これによりBSRDシグナルに割り当てられた重みがBSRDシグナルの重みを増加させるように適応的に決定されるが、当該BSRDシグナルは、その周波数選択プロファイルが、その周波数選択プロファイルが所定の非拍動性生理学的シグナルのより小さな顕著性に対応しているBSRDシグナルの重み付けの値において、所定の非拍動性生理学的シグナルのより大きな顕著性に対応している。この側面の他の実施形態は、対応するコンピュータシステム、装置、及び1つ又は複数のコンピュータ記録装置に記録されたコンピュータプログラムを含み、それぞれが当該方法の動作を実施するように構成されている。
【0048】
実装は、以下の特性の1つ又は複数を含み得る。測定された状態が神経学的状態である方法。所定の非拍動性生理学的シグナルがメイヤー波シグナルである任意の-4の方法。所定の非拍動性生理学的シグナルの顕著性が計算され、状態及び/又はステータス情報が、所定の非拍動性生理学的シグナルの顕著性の計算の結果から決定される、任意の-8の方法。非拍動性BSRDシグナルが確率論的解析又は静止状態解析(BSRDシグナルの静止/非静止状態を定量化するもの)に供されるいくつかの実施形態では、状態及び/又はステータス情報又はその変化は、確率論的及び/又は静止状態解析の結果により計算される。いくつかの実施形態では、20であり、ここで、i. 拍動性BSRDシグナルもまた、散乱光光学応答表現電気シグナル又はその導出シグナルから生成され、ii. 拍動性BSRDシグナルと、非拍動性BSRDシグナルの確率論的及び/又は静止状態解析の結果との両方の特性に従って、被験者状態分類操作が実行され、iii.拍動性BSRDシグナルは、その中の血圧波形特性の顕著性に従って評価され、iv.非拍動性BSRDシグナルは、その周波数選択プロファイルが動的に調整されるように動的に計算される。所定の非拍動性生理学的シグナルが神経原性シグナルである任意の-4の方法。所定の非拍動性生理学的シグナルが筋原性シグナルである任意の-4の方法。所定の非拍動性生理学的シグナルが呼吸シグナルである任意の-4の方法。所定の非拍動性生理学的シグナルが周期的/振動性シグナルである任意の-4の方法。測定された状態が適合性状態である方法。状態及び/又はステータス情報が、ストレス状態、心血管適合性、疼痛状態、疲労状態、ストレス耐性、ストレス又はストレス耐性の日内変動、及び無呼吸事象の少なくとも1つを含む方法。当該方法が以下のように適応的に実行される、任意の-19の方法:i.1つ又は複数の非拍動性候補BSRDシグナルが次のようにスコアされる:(a)より大きいシグナルエネルギー及びより低い拍動性シグナル寄与が、評価された非拍動性候補BSRDシグナルの品質スコアを増加させ、且つ(b)逆に、より低いシグナルエネルギー及びより大きな拍動性シグナル寄与が、評価された非拍動性候補BSRDシグナルの品質スコアを低下させ;及びii.被験者状態分類操作は、より高いスコアを有する候補BSRDシグナルにより大きな重みを割り当て、より低いスコアを有する候補BSRDシグナルにより低い重みを割り当てるように動的に実行される。測定された状態が神経学的状態である方法。測定された状態が適合性状態である方法。状態及び/又はステータス情報が、ストレス状態、心血管適合性、疼痛状態、疲労状態、ストレス耐性、ストレス又はストレス耐性の日内変動、及び無呼吸事象の少なくとも1つを含む方法。確率論的及び/又は静止状態解析が、BSRDシグナルのフラクタル次元、BSRDシグナルのエントロピー及びBSRDシグナルのハースト成分のうちの少なくとも1つを計算することを含む方法。確率論的及び/又は静止状態解析が、BSRDシグナルのフラクタル次元、BSRDシグナルのエントロピー及びBSRDシグナルのハースト成分のうちの少なくとも1つを計算することを含む方法。非拍動性BSRDシグナルが、その周波数選択プロファイルを動的に調整してBSRDシグナルの残留心拍成分を最小にしながらシグナルエネルギーを最大にするように動的に計算される方法。測定された状態が神経学的状態である方法。測定された状態が適合性状態である方法。状態及び/又はステータス情報が、ストレス状態、心血管適合性、疼痛状態、疲労状態、ストレス耐性、ストレス又はストレス耐性の日内変動、及び無呼吸事象のうち少なくとも1つを含む方法。記載された技術の実装は、ハードウェア、方法又はプロセス、あるいはコンピュータアクセス可能な媒体上のコンピュータソフトウェアを含み得る。
【0049】
1つの側面は、温血動物の被験者について状態及び/又はステータス情報又はその中の変化を光学的に測定する方法を含む:a.被験者の皮膚又は組織の一部をVCSEL(垂直空洞面発光レーザ)又はダイオードレーザによって照射して、被験者の移動する赤血球(RBCs)により部分的又は完全にコヒーレントな光を散乱させて散乱光時間依存性光学応答を誘導し;b.誘導された散乱光時間依存性光学応答を表現する電気シグナルを生成するために、光検出器によって散乱光を受け取り;c.散乱光光学応答表現電気シグナル又はその導出シグナルを処理して、それより1つ又は複数の血液せん断速度表現(BSRD)シグナルを計算し、各BSRDシグナルはそれぞれに対応する周波数選択プロファイルによって特徴付けられており; d.BSRDシグナル群のBSRDシグナルの特性を電子的に解析して、BSRD内の生理学的シグナルの顕著性を定量化し、BSRDは、メイヤー波、神経原性シグナル及び筋原性を含む群から選択され;そしてe.顕著性の定量化の結果から、状態及び/又はステータス情報又はその変化を計算する。この側面の他の実施形態は、対応するコンピュータシステム、装置、及び1つ以上のコンピュータ記憶装置に記録されたコンピュータプログラムを含み、それぞれが方法の動作を実行するように構成されている。
【0050】
実装は、以下の特性の1つ又は複数を含み得る。測定された状態が神経学的状態である方法。測定された状態が適合性状態である方法。状態及び/又はステータス情報が、ストレス状態、心血管適合性、疼痛状態、疲労状態、ストレス耐性、ストレス又はストレス耐性の日内変動、及び無呼吸事象のうち少なくとも1つを含む方法。確率論的及び/又は静止状態解析が、BSRDシグナルのフラクタル次元、BSRDシグナルのエントロピー及びBSRDシグナルのハースト成分のうちの少なくとも1つを計算することを含む方法。確率論的及び/又は静止状態解析が、BSRDシグナルのフラクタル次元、BSRDシグナルのエントロピー及びBSRDシグナルのハースト成分のうちの少なくとも1つを計算することを含む方法。非拍動性BSRDシグナルが、その周波数選択プロファイルを動的に調整してBSRDシグナルの残留心拍成分を最小にしながらシグナルエネルギーを最大にするように動的に計算される方法。測定された状態が神経学的状態である方法。測定された状態が適合性状態である方法。状態及び/又はステータス情報が、ストレス状態、心血管適合性、疼痛状態、疲労状態、ストレス耐性、ストレス又はストレス耐性の日内変動、及び無呼吸事象のうち少なくとも1つを含む方法。記載された技術の実装は、ハードウェア、方法又はプロセス、あるいはコンピュータアクセス可能な媒体上のコンピュータソフトウェアを含み得る。
【0051】
1つの側面は、温血動物の被験者について状態及び/又はステータス情報又はその中の変化を光学的に測定する方法を含む:a.被験者の皮膚又は組織の一部をVCSEL(垂直空洞面発光レーザ)又はダイオードレーザによって照射して、被験者の移動する赤血球(RBCs)により部分的又は完全にコヒーレントな光を散乱させて散乱光時間依存性光学応答を誘導し;b.誘導された散乱光時間依存性光学応答を表現する電気シグナルを生成するために、光検出器によって散乱光を受け取り;c.散乱光光学応答表現電気シグナル又はその導出シグナルを処理して、それより非拍動性の血液せん断速度表現(BSRD)シグナルを計算し、各BSRDシグナルはそれぞれに対応する周波数選択プロファイルによって特徴付けられており; d.非拍動性BSRDシグナルを確率論的解析又は静止状態解析に供してBSRDシグナルの静止/非静止状態を定量し;そしてe.状態及び/又はステータス情報又はその変化を確率論的解析及び/又は静止状態解析の結果により計算する。この側面の他の実施形態は、対応するコンピュータシステム、装置、及び1つ以上のコンピュータ記憶装置に記録されたコンピュータプログラムを含み、それぞれが方法の動作を実行するように構成されている。
【0052】
実装は、以下の特性の1つ又は複数を含み得る。確率論的及び/又は静止状態解析が、BSRDシグナルのフラクタル次元、BSRDシグナルのエントロピー及びBSRDシグナルのハースト成分のうちの少なくとも1つを計算することを含む方法。確率論的及び/又は静止状態解析が、BSRDシグナルのフラクタル次元、BSRDシグナルのエントロピー及びBSRDシグナルのハースト成分のうちの少なくとも1つを計算することを含む方法。非拍動性BSRDシグナルが、その周波数選択プロファイルを動的に調整してBSRDシグナルの残留心拍成分を最小にしながらシグナルエネルギーを最大にするように動的に計算される方法。測定された状態が神経学的状態である方法。測定された状態が適合性状態である方法。状態及び/又はステータス情報が、ストレス状態、心血管適合性、疼痛状態、疲労状態、ストレス耐性、ストレス又はストレス耐性の日内変動、及び無呼吸事象のうち少なくとも1つを含む方法。記載された技術の実装は、ハードウェア、方法又はプロセス、あるいはコンピュータアクセス可能な媒体上のコンピュータソフトウェアを含み得る。
【0053】
1つの側面は、温血動物の被験者について状態及び/又はステータス情報又はその中の変化を光学的に測定する方法を含む:a.被験者の皮膚又は組織の一部をVCSEL(垂直空洞面発光レーザ)又はダイオードレーザによって照射して、被験者の移動する赤血球(RBCs)により部分的又は完全にコヒーレントな光を散乱させて散乱光時間依存性光学応答を誘導し;b.誘導された散乱光時間依存性光学応答又はそのac成分を表現する電気シグナルを生成するために、光検出器によって散乱光を受け取り;c.散乱光光学応答表現電気シグナル又はその導出シグナルを処理し、これよりBSRDシグナル群から選択される少なくとも2つ又は少なくとも3つ又は少なくとも4つの血液せん断速度表現(BSRD)シグナルを計算し、各血液速度表現BSRDシグナルは異なる周波数選択プロファイルにより特徴付けられ、当該BSRDシグナル群は次のシグナルを含む:(i)[sub200Hz、〜300Hz]BSRDシグナル;(ii)[〜300Hz、〜1000Hz]BSRDシグナル;(iii)[〜1000Hz、〜4000Hz] BSRDシグナル、及び(iv)[〜4000Hz、zHz](z> = 7,000BSRDシグナル;d.BSRDシグナル群の少なくとも2つ又は少なくとも3つ又は少なくとも4つのBSRDシグナルの特性を電子的に解析し;e.少なくとも2つ又は少なくとも3つ又は少なくとも4つのBSRDシグナルを電子的に解析した結果に従って、状態及び/又はステータス情報又はその中の変化を計算することを含む。この側面の他の実施形態は、対応するコンピュータシステム、装置、及び1つ以上のコンピュータ記憶装置に記録されたコンピュータプログラムを含み、それぞれが方法の動作を実行するように構成されている。
【0054】
実装は、以下の特性の1つ又は複数を含み得る。測定された状態が神経学的状態である方法。測定された状態が適合性状態である方法。状態及び/又はステータス情報が、ストレス状態、心血管適合性、疼痛状態、疲労状態、ストレス耐性、ストレス又はストレス耐性の日内変動、及び無呼吸事象のうち少なくとも1つを含む方法。記載された技術の実装は、ハードウェア、方法又はプロセス、あるいはコンピュータアクセス可能な媒体上のコンピュータソフトウェアを含み得る。
【0055】
1つの側面は、非拍動性BSRDシグナルの少なくとも1つが、確率論的解析又はBSRDシグナルの静止/非静止状態を定量する静止状態解析に供される任意の-25の方法を含み、状態及び/又はステータス情報又はその変化は、確率論的及び/又は静止状態解析の結果から計算される。この側面の他の実施形態は、対応するコンピュータシステム、装置、及び1つ以上のコンピュータ記憶装置に記録されたコンピュータプログラムを含み、それぞれが方法の動作を実行するように構成されている。
【0056】
いくつかの実施形態においては、当該方法は以下のように適応的に実行される:i.1つ又は複数の非拍動性候補BSRDシグナルが次のようにスコアされる:(a)より大きいシグナルエネルギー及びより低い拍動性シグナル寄与が、評価された非拍動性候補BSRDシグナルの品質スコアを増加させ、且つ(b)逆に、より低いシグナルエネルギー及びより大きな拍動性シグナル寄与が、評価された非拍動性候補BSRDシグナルの品質スコアを低下させ;及びii.被験者状態分類操作は、より高いスコアを有する候補BSRDシグナルにより大きな重みを割り当て、より低いスコアを有する候補BSRDシグナルにより低い重みを割り当てるように動的に実行される。この側面の他の実施形態は、対応するコンピュータシステム、装置、及び1つ以上のコンピュータ記憶装置に記録されたコンピュータプログラムを含み、それぞれが方法の動作を実行するように構成されている。
【0057】
実装は、以下の特性の1つ又は複数を含み得る。いくつかの実施形態では、次のようである:i. 拍動性BSRDシグナルもまた、散乱光光学応答表現電気シグナル又はその導出シグナルから生成され、ii. 拍動性BSRDシグナルと、非拍動性BSRDシグナルの確率論的及び/又は静止状態解析の結果との両方の特性に従って、被験者状態分類操作が実行され、iii.拍動性BSRDシグナルは、その中の血圧波形特性の顕著性に従って評価され、iv.非拍動性BSRDシグナルは、その周波数選択プロファイルが動的に調整されるように動的に計算される。いくつかの実施形態では、測定は、精神的ストレス、感情的ストレスのいずれか2つを区別するようにストレス状態を分類すること、及び/又は被験者の優勢ストレスモードが身体的、感情的又は精神的なもののいずれであるかを判断することである。いくつかの実施形態においては、被験者状態の分類操作に関する次の事項をさらに含む:(i)アラート及び治療の少なくとも1つをトリガし、及び/又は(ii)ユーザに広告を提供し、及び/又は(iii)被験者のユーザプロファイルを更新し、(iv)ユーザによって操作されるguiの表示パラメータを調整し、少なくともステップc〜eの1つがプロセッサを使用して実行される。いくつかの実施形態では、BSRDシグナルを計算するための散乱光光学応答表現電気シグナル又はその導出シグナルの処理が、特定用途向け集積回路(asic)及び/又は周波数選択プロファイルが回路にハードワイヤードされ、及び/又はデジタルシグナルプロセッサ(dsp)(例えば、ファームウェアの実行)によって実行される集積回路(例えば、集積回路)によって実行される。複数のBSRD固有の回路が実行される方法においては、それぞれが異なる対応の周波数プロファイルに関連付けられている。いくつかの実施形態では、状態及び/又はステータス情報には、ストレス状態、心臓血管状態、疼痛状態、疲労状態、ストレス耐性、ストレス又はストレス耐性の日内変動、及び無呼吸事象のうちの少なくとも1つが含まれる。ストレス状態が被験者の優性ストレスモードであり、例えば精神的又は感情的である。いくつかの実施形態では、適合性状態が起立性の身体的ストレスを表現する。いくつかの実施形態では、閉塞されていない自由流動性の血液に対して行われる。ストレス状態が被験者の現在のストレスの大きさを表す方法。複数のBSRDの動的計量を相互に行うことは、動的計量コードがソフトウェアに存在するようにソフトウェアの実行(例えば、汎用プロセッサ及び/又はマイクロプロセッサによる)によって実行される方法。ストレス状態の分類が含まれる、任意の請求項30に記載の方法。この方法はまた、精神的ストレス、感情的ストレスのいずれか2つを区別すること、及び/又は被験者の主要なストレスモードが身体的、感情的又は精神的であるかを決定することを含むことができる。ストレス状態の分類が、ストレスの程度の定量を含み、及び/又はストレス耐性の分類が、被験者のストレス耐性レベルの分類を含む方法。記載された技術の実装は、ハードウェア、方法又はプロセス、あるいはコンピュータアクセス可能な媒体上のコンピュータソフトウェアを含み得る。
【0058】
1つの態様は、温血動物に関する状態及び/又はステータス情報又はその中の変化を光学的に取得する機械学習に基づく方法を含み、この方法は次のものを含む:a.カメラにより被験者の行動パターンをモニターし、及び/又はグラフィカルユーザインタフェースを介してデータを受信し、及び/又はユーザと広告とのインタラクション及び/又はユーザのオーディオ出力に基づくモニタリングをし;b.被験者の皮膚又は組織の一部をVCSEL(垂直空洞面発光レーザ)又はダイオードレーザにより照射して、被験者の移動する赤血球(RBCs)により部分的又は完全にコヒーレントな光を散乱させ、散乱光時間依存性光学応答を誘導し; c.光検出器によって散乱光を受信して、誘導された散乱光時間依存性光学応答を表現する電気シグナルを生成し;d.散乱光光学応答表現電気シグナル又はその導出シグナルを処理してこれより1つ又は複数の血液せん断速度表現(BSRD)シグナルを計算し、各BSRDシグナルは対応の周波数選択プロファイルにより特徴付けられ;e.(i)ステップ(a)の被験者の行動パターンのモニタリングの結果と(ii)BSRDシグナルの特性との間の相関に従って、BSRDシグナル由来の入力に従って、被験者のストレス状態(すなわち、ストレス要因の種類、ストレスのレベル)、ムード状態、ストレス耐性、及び心血管の適合性状態のうち少なくとも1つの被験者状態を分類可能な被験者状態分類器を訓練し;及びf.後に、訓練された分類器を使用して、BSRDシグナルから状態及び/又はステータス情報又はその中の変化計算する。この側面の他の実施形態は、対応するコンピュータシステム、装置、及び1つ以上のコンピュータ記憶装置に記録されたコンピュータプログラムを含み、それぞれが方法の動作を実行するように構成されている。
【0059】
実装は、以下の特性の1つ又は複数を含み得る。ストレス状態の分類が含まれる、任意の請求項30に記載の方法。この方法はまた、精神的ストレス、感情的ストレスのいずれか2つを区別すること、及び/又は被験者の主要なストレスモードが身体的、感情的又は精神的であるかを決定することを含むことができる。ストレス状態の分類が、ストレスの程度の定量を含み、及び/又はストレス耐性の分類が、被験者のストレス耐性レベルの分類を含む方法。記載された技術の実装は、ハードウェア、方法又はプロセス、あるいはコンピュータアクセス可能な媒体上のコンピュータソフトウェアを含み得る。
【0060】
1つの態様は、状態及び/又はステータス情報又はその中の変化を温血被験者について光学的に測定するための装置を含み、この装置は次を含む:a.被験者の皮膚を照射して被験者の移動する赤血球(RBCs)により部分的又は完全にコヒーレントな光を散乱させ、散乱光時間依存性光学応答を誘導するように構成されたダイオードレーザ又はVCSEL;b.誘導された散乱光時間依存性光学応答を表現する電気シグナルを生成するように構成された光検出器;及びc.電子回路であって、次のように構成されるもの:i.散乱光光学応答表現電気シグナル又はその導出シグナルを処理し、これより1つ又は複数の血液せん断速度表現(BSRD)シグナルを計算し、各BSRDシグナルは対応する周波数選択プロファイルによって特徴付けられるもの; ii.BSRDシグナル群のBSRDシグナルの特性を電子的に解析するもの;iii.少なくとも2つの周波数間隔固有せん断速度表現シグナルの電子的解析の結果に従って、次の被験者状態分類操作のうち少なくとも1つを行う:この装置はまた、被験者のストレス状態(例えば、ストレス要因のタイプ又はストレスのレベル)を分類することを含む。この装置は、被験者のムード状態を分類することも含む。この装置はまた、被験者のストレス耐性を分類することを含む。この装置はまた、被験者の心血管の適合性状態を分類することを含む。この装置はまた、BSRDシグナルの周波数選択プロファイルが計算されることも含む。装置はまた、動的に、予め定められた値の顕著性を適応的に最大にする。この装置はまた、BSRD内の非拍動性の生理学的シグナルを含む。この装置はまた、分類操作を動的に実行して重み付けを行う。この装置はまた、BSRDシグナルに割り当てられたシグナルを含み、重み付けを増加させるように適応的に決定される。この装置はまた、その周波数選択プロファイルに対応するBSRDシグナルを含む。この装置はまた、所定の非拍動性生理学的特性のより大きな顕著性を含む。この装置はまた、その周波数選択を有するBSRDシグナルの重み付けを犠牲にするシグナルを含む。この装置はまた、所定の顕著性のより低いものに対応するプロファイルも含む。この装置は、拍動性生理学的シグナルも含む。この側面の他の実施形態は、対応するコンピュータシステム、装置、及び1つ以上のコンピュータ記憶装置に記録されたコンピュータプログラムを含み、それぞれが方法の動作を実行するように構成されている。
【0061】
1つの態様は、状態及び/又はステータス情報又はその中の変化を温血被験者について光学的に測定するための装置を含み、この装置は次を含む:a.被験者の皮膚を照射して被験者の移動する赤血球(RBCs)により部分的又は完全にコヒーレントな光を散乱させ、散乱光時間依存性光学応答を誘導するように構成されたダイオードレーザ又はVCSEL;b.誘導された散乱光時間依存性光学応答を表現する電気シグナルを生成するように構成された光検出器;及びc.電子回路であって、次のように構成されるものである。当該装置はまた、次のものを含む:i.散乱光光学応答表現電気シグナル又はその導出シグナルを処理し、これより1つ又は複数の血液せん断速度表現(BSRD)シグナルを計算し、各BSRDシグナルは対応する周波数選択プロファイルによって特徴付けられるもの;当該装置はまた、次のものを含む:ii.BSRDシグナル群のBSRDシグナルの特性を電子的に解析するもの;この装置はまた、次のものを含む:iii.周波数間隔固有せん断速度表現シグナルの電子的解析の結果に従って、状態及び/又はステータス情報又はその変化を解析結果から計算し;ここで:この装置はまた、BSRD(s)シグナルの周波数選択プロファイルが、BSRD(s)内の所定の非拍動性生理学的シグナルの顕著性を適応的に最大にするように動的に計算することを含む。当該装置はまた、状態及び/又はステータス情報の計算を動的に実行することを含み、これによりBSRDシグナルに割り当てられた重みがBSRDシグナルの重みを増加させるように適応的に決定されるが、当該BSRDシグナルは、その周波数選択プロファイルが所定の非拍動性生理学的シグナルのより小さな顕著性に対応しているBSRDシグナルの重み付けの値においてその周波数選択プロファイルが所定の非拍動性生理学的シグナルのより大きな顕著性に対応している。この側面の他の実施形態は、対応するコンピュータシステム、装置、及び1つ又は複数のコンピュータ記録装置に記録されたコンピュータプログラムを含み、それぞれが当該方法の動作を実施するように構成されている。
【0062】
1つの態様は、状態及び/又はステータス情報又はその中の変化を温血被験者について光学的に測定するための装置を含み、この装置は次を含む:a.被験者の皮膚を照射して被験者の移動する赤血球(RBCs)により部分的又は完全にコヒーレントな光を散乱させ、散乱光時間依存性光学応答を誘導するように構成されたダイオードレーザ又はVCSEL;b.誘導された散乱光時間依存性光学応答を表現する電気シグナルを生成するように構成された光検出器;及びc.電子回路であって、次のように構成されるものである。当該装置はまた、次のものを含む:i.散乱光光学応答表現電気シグナル又はその導出シグナルを処理し、これより1つ又は複数の血液せん断速度表現(BSRD)シグナルを計算し、各BSRDシグナルは対応する周波数選択プロファイルによって特徴付けられるもの。当該装置はまた、次のものを含む:ii.BSRDシグナル群のBSRDシグナルの特性を電子的に解析して、BSRD内の生理学的シグナルの顕著性を定量化し、BSRDは、メイヤー波、神経原性シグナル及び筋原性を含む群から選択される。当該装置はまた、次のものを含む:iii.顕著性の定量化の結果から、状態及び/又はステータス情報又はその変化を計算する。この側面の他の実施形態は、対応するコンピュータシステム、装置、及び1つ以上のコンピュータ記憶装置に記録されたコンピュータプログラムを含み、それぞれが方法の動作を実行するように構成されている。
【0063】
1つの態様は、状態及び/又はステータス情報又はその中の変化を温血被験者について光学的に測定するための装置を含み、この装置は次を含む:a.被験者の皮膚を照射して被験者の移動する赤血球(RBCs)により部分的又は完全にコヒーレントな光を散乱させ、散乱光時間依存性光学応答を誘導するように構成されたダイオードレーザ又はVCSEL;b.誘導された散乱光時間依存性光学応答を表現する電気シグナルを生成するように構成された光検出器;及びc.電子回路であって、次のように構成されるものである。当該装置はまた、次のものを含む:i.散乱光光学応答表現電気シグナル又はその導出シグナルを処理し、これより非拍動性血液せん断速度表現(BSRD)シグナルを計算し、各BSRDシグナルは対応する周波数選択プロファイルによって特徴付けられるもの。当該装置はまた、次のものを含む:ii.非拍動性BSRDシグナルをBSRDシグナルの静止/非静止状態を定量化する確率論的解析又は静止状態解析に供すること。当該装置はまた、次のものを含む:iii.確率論的及び/又は静止状態解析の結果から状態及び/又はステータス情報又はその中の変化を計算する。この側面の他の実施形態は、対応するコンピュータシステム、装置、及び1つ以上のコンピュータ記憶装置に記録されたコンピュータプログラムを含み、それぞれが方法の動作を実行するように構成されている。
【0064】
1つの態様は、状態及び/又はステータス情報又はその中の変化を温血被験者について光学的に測定するための装置を含み、この装置は次を含む:a.被験者の皮膚を照射して被験者の移動する赤血球(RBCs)により部分的又は完全にコヒーレントな光を散乱させ、散乱光時間依存性光学応答を誘導するように構成されたダイオードレーザ又はVCSEL;b.誘導された散乱光時間依存性光学応答を表現する電気シグナルを生成するように構成された光検出器;及びc.電子回路であって、次のように構成される:i.散乱光光学応答表現電気シグナル又はその導出シグナルを処理し、これよりBSRDシグナル群から選択される少なくとも2つ又は少なくとも3つ又は少なくとも4つの血液せん断速度表現(BSRD)シグナルを計算し、各血液速度表現BSRDシグナルは異なる周波数選択プロファイルにより特徴付けられ、当該BSRDシグナル群は次のシグナルを含む:(i)[sub200Hz、〜300Hz]BSRDシグナル;(ii)[〜300Hz、〜1000Hz]BSRDシグナル;(iii)[〜1000Hz、〜4000Hz] BSRDシグナル、及び(iv)[〜4000Hz、zHz](z> = 7,000)BSRDシグナル;ii.BSRDシグナル群の少なくとも2つ又は少なくとも3つ又は少なくとも4つのBSRDシグナルの特性を電子的に解析し;iii.少なくとも2つ又は少なくとも3つ又は少なくとも4つのBSRDシグナルを電子的に解析した結果に従って、状態及び/又はステータス情報又はその中の変化を計算することを含む。この側面の他の実施形態は、対応するコンピュータシステム、装置、及び1つ以上のコンピュータ記憶装置に記録されたコンピュータプログラムを含み、それぞれが方法の動作を実行するように構成されている。
【0065】
1つの側面においては、測定された状態が神経学的状態である。この側面の他の実施形態は、対応するコンピュータシステム、装置、及び1つ以上のコンピュータ記憶装置に記録されたコンピュータプログラムを含み、それぞれが方法の動作を実行するように構成されている。
【0066】
1つの側面においては、測定された状態が適合性状態である。この側面の他の実施形態は、対応するコンピュータシステム、装置、及び1つ以上のコンピュータ記憶装置に記録されたコンピュータプログラムを含み、それぞれが方法の動作を実行するように構成されている。
【0067】
1つの側面においては、状態及び/又はステータス情報が、ストレス状態、心臓血管状態、疼痛状態、疲労状態、ストレス耐性、ストレス又はストレス耐性の日内変動、及び無呼吸事象のうちの少なくとも1つを含む。この側面の他の実施形態は、対応するコンピュータシステム、装置、及び1つ以上のコンピュータ記憶装置に記録されたコンピュータプログラムを含み、それぞれが方法の動作を実行するように構成されている。
【0068】
1つの側面においては、所定の非拍動性生理学的シグナルがメイヤー波シグナルである。この側面の他の実施形態は、対応するコンピュータシステム、装置、及び1つ以上のコンピュータ記憶装置に記録されたコンピュータプログラムを含み、それぞれが方法の動作を実行するように構成されている。
【0069】
1つの側面においては、所定の非拍動性生理学的シグナルが神経原性シグナルである。この側面の他の実施形態は、対応するコンピュータシステム、装置、及び1つ以上のコンピュータ記憶装置に記録されたコンピュータプログラムを含み、それぞれが方法の動作を実行するように構成されている。
【0070】
1つの側面においては、所定の非拍動性生理学的シグナルが筋原性シグナルである。この側面の他の実施形態は、対応するコンピュータシステム、装置、及び1つ以上のコンピュータ記憶装置に記録されたコンピュータプログラムを含み、それぞれが方法の動作を実行するように構成されている。
【0071】
1つの側面においては、所定の非拍動性生理学的シグナルが呼吸シグナルである。この側面の他の実施形態は、対応するコンピュータシステム、装置、及び1つ以上のコンピュータ記憶装置に記録されたコンピュータプログラムを含み、それぞれが方法の動作を実行するように構成されている。
【0072】
1つの側面においては、所定の非拍動性生理学的シグナルが周期的/振動性シグナルである。この側面の他の実施形態は、対応するコンピュータシステム、装置、及び1つ以上のコンピュータ記憶装置に記録されたコンピュータプログラムを含み、それぞれが方法の動作を実行するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0073】
図1A図1Aは、血管内の血流を概略的に示すものである。
図1B図1Bは、血管内の血流を概略的に示すものである。
図2A図2Aは、生理的振動子に関する情報を示すものである。
図2B図2Bは、拍動性波形を示すものである。
図3A図3Aは、従来技術のシステム(又はその一部)及び従来方法の生体内動的光散乱を示すものである。
図3B図3Bは、従来技術のシステム(又はその一部)及び従来方法の生体内動的光散乱を示すものである。
図4図4は、光学応答シグナルを示すものである。
図5A図5Aは、拍動性BSRDを示すものである。
図5B図5Bは、非拍動性BSRDを示すものである。
図6A図6Aは、DLSに関連するデータフローを示すものである。
図6B図6Bは、DLSに関連するデータフローを示すものである。
図7A図7Aは、従来技術のシステム(又はその一部)及び従来方法の生体内動的光散乱を示すものである。
図7B図7Bは、従来技術のシステム(又はその一部)及び従来方法の生体内動的光散乱を示すものである。
図8図8は、いくつかの実施形態によるデータフローを示すものである。
図9A図9Aは、いくつかの実施形態によるデータフローを示すものである。
図9B図9Bは、いくつかの実施形態によるデータフローを示すものである。
図10図10は、いくつかの実施形態による、ここで開示されている方法のフローチャートである。
図11A図11Aは、いくつかの実施形態によるデータ及び/又は結果を示すものである。
図11B図11Bは、いくつかの実施形態によるデータ及び/又は結果を示すものである。
図12A図12Aは、いくつかの実施形態による、ここで開示されている方法のフローチャートである。
図12B図12Bは、いくつかの実施形態による、ここで開示されている方法のフローチャートである。
図13図13は、いくつかの実施形態によるデータ及び/又は結果を示すものである。
図14A図14Aは、時間窓を示すものである。
図14B図14Bは、時間窓を示すものである。
図16図16は、いくつかの実施形態による、ここで開示されている方法のフローチャートである。
図17図17は、いくつかの実施形態による、ここで開示されている方法のフローチャートである。
図18A図18Aは、いくつかの実施形態による、ここで開示されている方法のフローチャートである。
図18B図18Bは、いくつかの実施形態による、ここで開示されている方法のフローチャートである。
図18C図18Cは、いくつかの実施形態による、ここで開示されている方法のフローチャートである。
図19図19は、いくつかの実施形態によるデータ及び/又は結果を示すものである。
図20A図20Aは、いくつかの実施形態によるデータ及び/又は結果を示すものである。
図20B図20Bは、いくつかの実施形態によるデータ及び/又は結果を示すものである。
図21A図20Aは、いくつかの実施形態によるデータ及び/又は結果を示すものである。
図21B図20Bは、いくつかの実施形態によるデータ及び/又は結果を示すものである。
図22A図22Aは、いくつかの実施形態による、ここで開示されている方法のフローチャートである。
図22B図22Bは、いくつかの実施形態によるデータフローを示すものである。
図23図23は、いくつかの実施形態による、ここで開示されている方法のフローチャートである。
図24図24は、いくつかの実施形態による、ここで開示されている方法のフローチャートである。
図25図25は、いくつかの実施形態によるデータフローを示すものである。
図26A図26Aは、いくつかの実施形態によるデータ及び/又は結果を示すものである。
図26B図26Bは、いくつかの実施形態によるデータ及び/又は結果を示すものである。
図26C図26Cは、いくつかの実施形態によるデータ及び/又は結果を示すものである。
図26D図26Dは、いくつかの実施形態によるデータ及び/又は結果を示すものである。
図26E図26Eは、いくつかの実施形態によるデータ及び/又は結果を示すものである。
図26F図26Fは、いくつかの実施形態によるデータ及び/又は結果を示すものである。
図26G図26Gは、いくつかの実施形態によるデータ及び/又は結果を示すものである。
図26H図26Hは、いくつかの実施形態によるデータ及び/又は結果を示すものである。
図27A図27Aは、いくつかの実施形態によるデータ及び/又は結果を示すものである。
図27B図27Bは、いくつかの実施形態によるデータ及び/又は結果を示すものである。
図27C図27Cは、いくつかの実施形態によるデータ及び/又は結果を示すものである。
図27D図27Dは、いくつかの実施形態によるデータ及び/又は結果を示すものである。
図28A図28Aは、いくつかの実施形態によるデータ及び/又は結果を示すものである。
図28B図28Bは、いくつかの実施形態によるデータ及び/又は結果を示すものである。
図28C図28Cは、いくつかの実施形態によるデータ及び/又は結果を示すものである。
図28D図28Dは、いくつかの実施形態によるデータ及び/又は結果を示すものである。
図29A図29Aは、いくつかの実施形態によるデータ及び/又は結果を示すものである。
図29B図29Bは、いくつかの実施形態によるデータ及び/又は結果を示すものである。
図29C図29Cは、いくつかの実施形態によるデータ及び/又は結果を示すものである。
図29D図29Dは、いくつかの実施形態によるデータ及び/又は結果を示すものである。
図30A図30Aは、いくつかの実施形態によるデータ及び/又は結果を示すものである。
図30B図30Bは、いくつかの実施形態によるデータ及び/又は結果を示すものである。
図30C図30Cは、いくつかの実施形態によるデータ及び/又は結果を示すものである。
図30D図30Dは、いくつかの実施形態によるデータ及び/又は結果を示すものである。
図31A図31Aは、パワースペクトル振幅を表すものである。
図31B図31Bは、パワースペクトル振幅を表すものである。
図31C図31Cは、パワースペクトル振幅を表すものである。
図32A図32Aは、さらなる実施形態を示すものである。
図32B図32Bは、さらなる実施形態を示すものである。
図33A図33Aは、さらなる実施形態を示すものである。
図33B図33Bは、さらなる実施形態を示すものである。
図34A図34Aは、さらなる実施形態を示すものである。
図34B図34Bは、さらなる実施形態を示すものである。
図35A図35Aは、さらなる実施形態を示すものである。
図35B図35Bは、さらなる実施形態を示すものである。
図36A図36Aは、さらなる実施形態を示すものである。
図36B図36Bは、さらなる実施形態を示すものである。
【0074】
<実施形態の詳細な説明>
本発明は、添付の図面を参照して、単なる例としてここに記載される。ここで詳細に図面を具体的に参照すると、具体的に示されたものは例示であり、例示的なシステムの好ましい実施形態の説明のみを目的とするものであり、有用であると思われるために提示されるものであり、本発明の原理及び概念的側面の理解に用いられるものであることが強調される。この点に関して、本発明の基本的な理解のために必要な程度以上に詳細に本発明の構造的詳細を示す試みはなされておらず、本発明のいくつかの実施形態がどのようにして実際に具現化され、使用されるかについて説明する。
【0075】
簡潔にするために、様々な特性の明示的な組合せのいくつかは、明示的には図面に図示されておらず、及び/又は説明がなされていない。本明細書に開示された方法又はデバイスの特性の任意の組み合わせは、任意の態様(任意の特性の組み合わせを含む)で組み合わせることができ、任意の特性の組み合わせが任意の実施形態に含めること及び/又は任意の実施形態から省略することができることがここに開示される。
【0076】
本発明の実施形態は、温血動物(例えば、哺乳動物又は鳥であって、いくつかの好ましい実施形態においては、温血被験者は人間の被験者である)のストレス及び/又はムード及び/又は感情及び/又は適合性状態及び/又はストレス耐性を、血管内を移動する赤血球(RBS)の動的光散乱に基づいて光学的に検出するための装置及び方法に関する。
【0077】
従来技術では、動的光散乱を用いて、拍動性血液せん断速度表現シグナル(BSRD)を生成し、それから脈拍数及び血圧を計算した。心拍シグナルは、感情、ストレス、及び適合性状態の既知の指標である。
【0078】
しかし、拍動性シグナルを「ノイズ」としてフィルタリングすることに関連して(及び/又はBSRD生成のための適切な非拍動性フィルタ選択プロファイルを使用して非拍動性BSRDを生成することによって)、感情、ストレス、及び/又は適合性状態を検出する際の精度を向上させ、及び/又はノイズを低減することが可能である。
【0079】
非拍動性BSRDは、適切な周波数選択プロファイルを使用して応答表現電気シグナル(又はその派生物)から生成することができる。例えば、[a Hz、b Hz]であって、b>aである場合、例えば、bが最大で1000、又は最大で950、又は最大で900、又は最大で800、又は最大で700、又は最大で600、又は最大で500、又は最大で4000、又は最大で3500、又は最大で300である。代替的に又は追加的に、拍動性BSRDの拍動性成分をそこから除去して(例えば、有意な拍動性成分を有する周波数をフィルタリングするバンドパスフィルタを使用して)非拍動性BSRDを生成することができ、「妨害となる」「ノイズ」拍動性成分が無い状態で解析が可能になる。従って、心拍シグナル形態(図2B)がストレス要因以外の関連指標(例えば、緊張した人の脈拍が増加する)を含みうることが認識されても、いくつかの実施形態においては、BSRDの拍動性成分に「シグナル」として関連付けるより、「ノイズ」として除去する方が適切である。
【0080】
異なる実施形態では、以下の特性の1つ以上(すなわち、任意の組み合わせ)が提供される。
【0081】
A.動的動作モード
BSRD(例えば、非拍動性BSRD)が、特定の生理学的シグナルの顕著性への応答として更新された「周波数選択プロファイル」の使用により動的に生成され、例えば、BSRD内の生理学的シグナルの予見又は顕著性を動的に更新して最大化するものであり、いくつかの実施形態、例えば図12〜14、17、23〜25を参照されたい。
【0082】
B.非拍動性BSRDの確率解析
非拍動性BSRD(例えば、非拍動性BSRDなど)が生成され、解析され(例えば、確率解析に供される)、ストレス及び/又はムード及び/又は感情及び/又は適合性状態の検出は、解析の結果に従って行われる(図18A〜18Cを参照されたい)。
【0083】
C.複数のタイプのBSRDの重み付け(例えば、動的重み付け)
複数のタイプのBSRDが生成され(例えば、少なくとも1つの非拍動性BSRDを含む)、それぞれが対応するタイプの周波数選択プロファイルに関連付けられている。いくつかの実施形態では、温血(例えば、哺乳類)被験者のストレス及び/又はムード及び/又は感情及び/又は適合性状態を検出して被験者の状態を「分類」する際、各タイプのBSRDに動的重み付けを適用してもよく、相対的な重み付けは哺乳動物被験者に固有な事項又は測定条件又は他の任意の因子に依存し得る(そして、これらの変化への応答として更新され得る)。代替的又は追加的に、BSRDを生成するための1つ又は複数の周波数選択プロファイルが動的に選択され得る。(図22〜25を参照されたい)
【0084】
D.より良いセンサ精度のための機械学習技術
いくつかの実施形態では、(i)被験者の赤血球により光が固有時に散乱されてBSRDが生成されるDLS動的光散乱技術、及び(ii)これらの固有時における被験者の瞬間的なストレス状態又はムード状態を表現する非DLSデータ、の両方によって被験者の行動を「盗む」ことが可能である。BSRD特性ベースのムード状態分類器又はストレス状態分類器は、DLSデータとストレス状態又はムード状態を表現する非DLSデータとの間の関係に従って訓練又は更新することができる。例えば、BSRD特性ベースのムード状態分類器又はストレス状態分類器は、最適な周波数選択プロファイルを(すなわち、BSRD生成のために)決定し、及び/又は予測ストレス状態又はムード状態予測精度を最適化する複数のBSRDシグナル間の最適な重み付けを決定するように訓練することができる。
【0085】
ユーザムード又はストレス状態を明示的に(又は暗黙的に)表現する非DLSデータの1つの例は、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)と人間のインタラクションによって生成されるGUI入力データが含まれ、これは例えば、タッチスクリーン又はキーボード又はマウスを介して、「観察カメラ」により行われる。第一の使用ケースでは、ユーザは、ユーザが聞く曲を、曲の「一覧」から選択するパーソナライズされた音楽聴取アプリケーション(例えば、ローカル又はクラウドベース)を使用している。この使用ケースでは、ユーザの音楽選択を「傍受する」ことができる。ユーザが「悲しい」曲を選択した場合、これはユーザが悲しいと感じていることを示唆している可能性がある。この時点では、これを将来のDLSベースのムード検出のための較正データとして使用して、BSRDシグナルを生成し、その特性を計算することが可能である。
【0086】
第二の使用ケースでは、ユーザの声(例えば発話)又はタイプ出力(例えば、キーボードを介してデジタルコンピュータへのテキスト入力)を傍受し、そこから被験者のムード状態又はストレス状態データを導き出すことが可能である。これは、言語の内容に基づいて導き出すことが可能であり、例えば、ユーザが「私は幸せである」とタイプすることである。別の例においては、被験者の現在のストレス要因又はムード状態は、バイオメトリックデータ(例えば、声紋データ又はバイオメトリックタイピングパターン)に従って計算され得る。
【0087】
被験者の現在のムード状態又はストレス状態に関するデータを収集するための他の非DLS技術には、次のものが含まれるが、これらに限定されるものではない:(i)被験者の表情のデジタル画像を捕捉するか(例えば、カメラによって)、又は受信する−画像処理技術を用いて被験者のストレス状態又はムード状態を当該被験者の顔から計算することが可能である;(ii)GUIとユーザのやりとりを傍受する−例えば、曲又は広告がユーザに送られ、ユーザが特定の曲を「スキップ」する(又は聞くことを選択する)場合、これはユーザの現在のムード状態又はストレス状態を示すものである。
【0088】
ユーザのムード状態又はストレス状態に関する非DLSデータを適用してDLSベースの分類器を訓練し、後において(例えば、非DLSデータが利用できないとき)、訓練されたDLS分類器を適用して被験者のムード状態又はストレス状態を正確に感知することができる。
【0089】
DLS/BSRDベースのムード状態又はストレス状態の分類器の訓練中に、ストレス/ムードの分類器の次のパラメータ(以下のリストは包括的ではない)のうちの1つ又は複数は、DLS/BSRDベースのムード状態又はストレス状態の分類器の予測力を最大化するように最適化される:(i)BSRD生成のための周波数プロファイル、(ii)各BSRDがそれ自身の対応する周波数選択パラメータを有する相対的重みBSRDのための重み付け関数。
【0090】
E.レスポンス(ストレスを軽減し、及び/又はムードを改善するための治療など)
ストレス要因の高まりによる「悪いムード」の検出に対応して、いくつかの解決方法を取りうるが、それは次のものに限定されない:(i)哺乳動物の被験者を、「リラックス」させるような画像や照明や音(例えば、音楽や音)の環境下に置く−例えば、ディスプレイスクリーン又はスピーカーを介して、例えばデータベース又は「一覧」又は「候補楽曲」から「穏やかな」歌を選択することである。あるいは、又は追加で、「光のフラッシュ」又は「光療法」を、例えばライトボックスにより与えてもよい。(ii)被験者が位置している場所(例えば、室内)の温度を制御する−例えば、冬(夏)に被験者が「ストレスを受けている」場合、当該ストレスは室内温度を上げる(下げる)ことにより治療され得る。従って、いくつかの実施形態においては、DLS/BSRDベースで決定される被験者のストレス状態又はムード状態に応答して、室内温度を調節するための装置(例えば、加熱装置又は空調装置、及び/又はHVAC(暖房、換気、及び空調;さらに暖房、換気、及び空調)システムにシグナルが送られる−そして例えば、設定温度を上昇又は下降させる。
【0091】
別の例は、ユーザインタフェースの動作パラメータを変更することに関する。例えば、被験者が「高ストレス状態」又は「悪いムード」(例えば、悲しい又は落ち込んでいる)状態にあるとのDLS/BSRDベースの決定への応答として、 GUIの操作パラメータを変更することができる−例えば、フォントサイズを大きくしたり(テキストの読みやすさを向上させる)、背景色をより「リラックスした」色(例えば、より青味の多い色調)又は他の任意の動作パラメータを変更することができる。
【0092】
さらに別の例では、ムード及び/又はストレスのDLS/BSRDベースの決定への応答として、広告をユーザに提供し得る−例えば、ユーザが「良いムード」又は「低ストレス状態」にあるとの決定に応答して、より高価なアイテム(例えば高級アイテム)の広告が提供され得る。代替的又は追加的に、ユーザが「悪いムード」又は「高ストレス状態」にあるとの決定に応答して、「快適食品」の広告をユーザに提供し得る。
【0093】
さらに別の例では、広告は、適合性パラメータのDLS/BSRDベースの決定への応答としてユーザに提供され得る−例えば、ユーザが「適合していない」とみなされた場合、状況を改善するための製品(例えば運動器具)の広告がユーザに提供されてもよい。
【0094】
「ストレス及び/又はムードを治療すること」に関するさらに別の例では、(i)被験者を刺激するために(例えば電極を介して)電気シグナルを送信すること、及び/又は(ii)うつ病を治療するための電気(又は電磁)をアップデートし得る。
【0095】
さらに別の例では、監視対象被験者は、電子通信ネットワーク(例えば、パケットスイッチネットワーク又はインターネット又はセルラーネットワーク)を使用しており、ムード及び/又はストレスのDLS/BSRDベースの決定への応答として、ユーザーに割り当てられたバンド幅が変更され得る−例えば、ユーザが「ストレス状態」又は「悪いムード」である場合、バンド幅の量を増加させ得る。
【0096】
さらに別の例では、警報シグナル又はアラームシグナルを生成し得る−例えば、無呼吸事象又は「悪い」ムード又はストレス状態の決定への応答としてである。
【0097】
図9A〜9Bの考察
図9Aは、哺乳動物被験者のストレス及び/又はムード及び/又は感情及び/又は適合性及び/又はストレス耐性を検出するためのシステムのブロック図である。図9のすべての要素が必要ということではなく、本発明のすべての実施形態において提供されるすべての要素を説明する試みはなされていない。
【0098】
図9Aのシステムは、次を含む:少なくとも部分的にコヒーレントな光の光源100、光検出器110、オプションのアナログ減算回路120、BSRD生成シグナルプロセッサ130、BSRDシグナルアナライザ140、及びストレス/ムード/感情/適合性分類器150。任意の他の要素は、「電子回路」に実装されてもよく、又は「電子回路」を含んでもよい。
【0099】
図9Bは、図9Aに類似している−しかしながら、図9Bにおいては、要素130は何かに従ってBSRDシグナルを生成する。
【0100】
本開示において、「電子回路」は、ハードウェア、ソフトウェア及び/又はファームウェアの任意の組み合わせを広く表すことを意図している。
【0101】
1つの特定の例では、パワースペクトル積分(又は他の方法によるBSRDの生成)の実行は、ASIC又はカスタマイズされたハードウェア及び/又はDSP(例えば、ファームウェアによって構成されたもの)によって行うことができる。従って、いくつかの実施形態では、これは、BSRDを生成するため又はBSRDを解析するためのもの(例えば、その積分(例えば、パワースペクトル積分)を計算するためのもの)であり得る。
【0102】
電子回路は、任意の実行可能なコードモジュール(例えば、コンピュータ読取り可能な媒体に保存されたもの)、及び/又はファームウェア及び/又はハードウェア要素を含み得るが、フィールドプログラマブルロジックアレイ(FPLA)素子、ハードワイヤードロジック素子、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)素子、及び特定用途向け集積回路(ASIC)素子に限定されるものではない。任意の命令セットアーキテクチャを使用することができ、これは縮小命令セットコンピュータ(RISC)アーキテクチャ及び/又は複合命令セットコンピュータ(CISC)アーキテクチャに限定されない。電子回路は、1つの場所に配置されてもよく、又は様々な回路要素が相互に有線又は無線の電子通信を行うことができる複数の場所に分散されてもよい。
【0103】
いくつかの実施形態では、要素120は、図7Bに示すように実施される。
光検出器110は、誘導された散乱光時間依存性光学応答を表現する電気シグナルを生成する。この「誘導された散乱光時間依存性光学応答を表現する電気シグナル」の初期処理の後、その結果は依然として誘導された散乱光時間依存性光学応答を表現する電気シグナルであり得る−例えば、初期処理は図7Bのアナログ回路によって実現され得る。誘導された散乱光時間依存性光学応答を表現する電気シグナルを「生成する」例は、以下のフローチャートに示されている。例えば、図10のステップS355、図12のステップS205、図18A〜18BのステップS405を参照されたい。
【0104】
いくつかの実施形態では、BSRDシグナルプロセッサ130は、BSRDを動的に生成するように構成される(例えば、図10のステップS359、図12のステップS309〜323、図16のステップS601、S619、及び図16のS623を参照)。代替的に又は追加的に、BSRDシグナルプロセッサ130は、非拍動性BSRDを生成するように構成されてもよい。
【0105】
BSRD生成シグナルプロセッサ130によって生成されたBSRDは、BSRDシグナルアナライザ140によって解析される(例えば、図10のステップS363、図16のステップS609〜S13)
【0106】
以下に説明するように、いくつかの実施形態では、BSRD生成シグナルプロセッサ130は、BSRDシグナルアナライザの結果から導出されたフィードバックを受信する。
【0107】
要素150は、計算及び/又は予測及び/又は分類することである−例えば、
温血被験者(例えば、哺乳動物被験者、例えばヒト)の状態、被験者のストレス状態及び/又は支配的なストレス及び/又は感情状態及び/又は適合性パラメータである−例えば、図10のステップS369、図12のステップS327を参照されたい。
【0108】
A 応答に対するコメント−任意の実施形態において、ここに開示される温血動物被験者の状態(又は抵抗又は他の任意のパラメータ)(例えば、ストレス状態、ムード状態、感情状態、無呼吸状態、ストレス耐性、心血管適合性状態)の解析又は決定又は計算のために、1つ又は複数の(例えば、任意の組み合わせの)応答を任意に提供することができる。これらの応答は、次のものを含みうる:(i)決定された状態の表現をユーザに提示する(例えば、ディスプレイスクリーン上に視覚的に、又はスピーカを用いてオーディオ手段によって);(ii)警告又はアラートシグナルをトリガする(例えば、治療(例えば、マッサージ、食料、画像/ドラッグ、運動器具の抵抗、温度、サービングオーディオ(例えば音楽)又はビデオ(例えばビデオ)、又は匂い、光周波数変調(例えば催眠)、バイオフィードバック)をトリガすることによってストレス状態を軽減するか、あるいはムード又は適合性を向上させる;(iii)ユーザに広告を提供する−例えば、ユーザは、ムードが良い時に積極的に応答する可能性が高く、これが適切な時である。例えば、ユーザが悪いムードである時には、広告として特定の「ムード向上アイテム」(例えば、甘い食品やリラックスさせるような飲料)を提供し得る;(iv)被験者のユーザプロフィールを更新すること;(v)ユーザが操作するGUIのディスプレイパラメータを調整すること;(vi)使用権限をアップグレード又はダウングレードする−例えば、ユーザがストレスを受けた場合、使用可能なバンド幅を減らしてストレスレベルを下げ得る(これにより、使用権限を増大し得る)−別の例では、電動車両のユーザがストレスを受けた場合、安全上の理由から、運転が許可されている最大速度が低下し、よって使用権限が低下し得る;(vii)ユーザに、ストレスレベル又はムードについての追加のテストを与える(例えば、声紋又は顔の画像の処理、又はその他の方法による);(vii)マッチング(例えば、出会い、ビジネス・マッチングなど)−ソーシャルネットワーキング;(ix)ソーシャルネットワーキングにより追加の友人を提案する;(x)ユーザのムード又はストレス状態又はストレス耐性によってバイアスされた検索結果のリストを提示する;(xii)ユーザのムード又はストレス状態又はストレス耐性に適合したユーザの食物又は飲料を提供する−例えば、食料/飲料ディスペンサは、カフェイン又はアルコール又は糖分を「不幸なユーザ」に対して増加させる。
【0109】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される任意の技術を使用して、疲労又は物質中毒又は痛みを測定及び/又はこれに応答することができる。
【0110】
図10、12,16,18A〜18C、22A、23の概要
図10、12,16,18A〜18C、22A、23は、温血(例えば、哺乳動物又は鳥)個体の感情的状態、ストレス状態、ムード状態、及び/又は心臓血管適合性パラメータを検出するための方法のステップである。
【0111】
図10〜11の簡単な説明(サブHz周波数帯域及び/又はシグナルのBSRDへの寄与の強さに従って、ムード及び/又はストレス及び/又は適合性及び/又は感情を計算すること) 図10の方法の顕著な特性の1つは、BSRDのサブHz周波数が解析されること(例えば、血液せん断シグナルの神経性及び/又は筋原性及び/又は呼吸振動性の周波数−例えば、せん断シグナルの非拍動性成分)−例えば、それらの固有の特性である。これらの固有の特性には、全体的なBSRDシグナルに対する固有のバンドパス周波数における相対的なエネルギー寄与及び/又は異なるサブHzの「バンド」(拍動性の下)におけるエネルギー寄与間の比率及び/又はサブHzの生理学的シグナルの顕著性(例えば、の血液せん断シグナル内に存在する神経原性及び/又は筋原性及び/又は呼吸性のシグナル−メイヤー波)をBSRD内において含み得る。従って、固有サブHz生理学的シグナル(メイヤー波)に関連する1つの非限定的な例においては、「メイヤー波」のBSRDシグナルへの寄与の強さを計算することが可能である(例えば、RBCからのコヒーレント光を散乱することによって生成される。BSRD内の比較的「強い」メイヤー波の寄与の検出に応答して、温血動物の被験者のストレス状態が「高い精神的ストレス」であるという指標が与えられる。これは、Stroop試験により測定され、裏付けることができる。(図11A及び以下の説明を参照されたい。)
【0112】
従って、図10は被験者の感情及び/又はムード及び/又はストレス状態及び/又は心血管適合性パラメータを感知するための方法のフローチャートである。ステップS351及びS355は、それぞれ、ステップS201及びS205及び図3Bに対応する。ステップS359では、散乱光学応答表現電気シグナル又はその導出シグナルから時間依存BSRDシグナルが生成される−例えば、WO 2008/053474又はWO 2012064326及び/又はUS 20150141766に開示され、参照により本願に組み込まれる任意のアルゴリズム又はアルゴリズムの組み合わせを用いて実施することができる。従って、いくつかの実施形態では、BSRD生成シグナルプロセッサ130は、WO 2008/053474又はWO 2012064326及び/又はUS 20150141766に開示される任意のアルゴリズム又はアルゴリズムの組み合わせを実装する。
【0113】
BSRDを生成するためのこれらのアルゴリズムは、実際には、周波数選択プロファイルによってパラメータ化されたアルゴリズムのファミリである。従って、異なる実施形態では、WO 2008/053474又はWO 2012064326及び/又はUS 20150141766に開示されているもの以外の周波数選択プロファイルが使用される。
【0114】
WO 2008/053474に開示されている周波数選択プロファイルの例は、パワースペクトルの周波数「窓」PwSである。例えば、[0Hz、550Hz]及び[2700Hz、10000Hz]である。これらのウィンドウは本質的にステップ関数又はバンドパスフィルタである。
【0115】
定義
便宜上、ここでの説明の文脈において、様々な用語をここに提示する。定義が明示的又は暗黙的に、本明細書中又は本出願のどこかに提供される限り、そのような定義は、当業者によって定義された用語の使用と一致すると理解される。さらに、そのような定義は、そのような使用法と一致する最も広い意味で解釈されるべきである。
【0116】
「ストレス」という用語は、ストレス状態を検出すること、又はリラックス状態を検出すること、すなわちストレスの相対的な有無を検出することを指してもよい。本開示では、ストレスとは、非身体的ストレス、特に感情的ストレス又は精神的ストレスを指す。非身体的ストレスは、(i)感情的ストレス(例えば、心地よい(悪い)音又は温度又は匂い、「良い知らせ」や「悪い知らせ」への応答、あるいは他の任意の否定的又は肯定的な刺激への応答;別の例では、横たわろうと試みることが感情的ストレスをトリガし得る;別の例では、良い知らせが緊張を和らげてストレスをなくすことに繋がり得る−特に、良い知らせを聞いた直後、又は(ii)精神的ストレス(例えば、パズルを解くことを試みたり、又は数学を勉強すること;別の例では、学生が宿題を終えようとすることが精神的ストレスとなり得、特許出願のドラフトを作成しようとすることも精神的ストレスとなり得る)。「感情」と「ムード」という用語は同じ意味で使用される。
【0117】
被験者の「状態」を計算することは、次のものを含みうる:(i)被験者の状態の大きさを定量化すること、わずかに幸せな被験者と非常に幸せな被験者を区別すること、又は被験者にわずかなストレス又は極度のストレスが加わっているかを決定すること;(ii)ストレス負荷(例えば、精神的ストレスの場合の精神的負荷)、すなわちストレスの大きさ、すなわちストレスの有無の定量化;(iii)2つ以上の候補状態を区別すること(例えば、被験者が「不安」よりも「幸せ」であるか、又はより「怒っているよりも幸せ」であるかを決定すること);(iv)2つ以上の候補状態の中で支配的な状態を決定すること(例えば、支配的なストレス状態が精神的ストレス又は感情的ストレスであることを決定すること)。
【0118】
用語「生理学的応答シグナル」は、中枢神経系からの入力及び/又はフィードバックのための生理学的応答(すなわち、血流に現れるようなもの)を指す。生理学的応答シグナルの例は、(図2Aを参照して)代謝応答シグナル、神経原性応答シグナル、筋原性応答シグナル、呼吸応答シグナル及び心臓/脈シグナル応答を含む。シグナルは、時間ドメイン又は周波数ドメイン(例えば、パワースペクトル)として表すことができる。
【0119】
いくつかの実施形態は、「非拍動性」シグナル(BSRD)に関連する−強い拍動性vs弱い拍動性vs非拍動性シグナルを決定し、シグナルのパワースペクトル(例えば、BSRD)に従って定義することができる。0.4Hzと3.5Hzとの間の範囲に明瞭なパワーピークがある場合、シグナル(例えば、BSRD)は拍動性であり得る(図31Aを参照)。よって、図31Aでは、「強いピーク」が心拍であり、これは明らかに拍動性BSRDである。図31Bにおいては、ピークは依然として存在するが強くはない。これは、「弱い拍動性」(ただし依然として拍動性のBSRD)であるためである。図31Cにおいては、0.4Hzと2Hzとの間の範囲のBSRDのパワースペクトルについて明確なピークは存在しない。「非拍動性」シグナルのこの定義は、当業者に知られている定義を意図したものではなく、単に当業者が知っている定義と調和し/明確にすることを意図している。
【0120】
「ストレス耐性」は、次のようなストレス耐性に関連する:(i)被験者はストレスの多い刺激(ストレス刺激が「小さな刺激」と「大きな刺激」を区別するために定量化され得る)にさらされ得る;(ii)刺激前及び刺激後の被験者のストレス状態を定量化し得る。「小さな」又は「軽い」ストレス刺激が比較的大きな「ストレス状態の増大」を誘発する場合、これは低いストレス耐性を示し得る。逆に、「大きな又は多数の」ストレス刺激が比較的小さい「ストレス状態の増大」しか誘発しない場合、これは高いストレス耐性を示し得る。
【0121】
電子回路は、任意の実行可能なコードモジュール(例えば、コンピュータ読取り可能な媒体に保存されたもの)、及び/又はファームウェア及び/又はハードウェア要素を含み得るが、フィールドプログラマブルロジックアレイ(FPLA)素子、ハードワイヤードロジック素子、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)素子、及び特定用途向け集積回路(ASIC)素子に限定されるものではない。任意の命令セットアーキテクチャを使用することができ、これは縮小命令セットコンピュータ(RISC)アーキテクチャ及び/又は複合命令セットコンピュータ(CISC)アーキテクチャに限定されない。電子回路は、1つの場所に配置されてもよく、又は様々な回路要素が相互に有線又は無線の電子通信を行うことができる複数の場所に分散されてもよい。
【0122】
「コンピュータストレージ」(又は単に「ストレージ」)は、電子デバイス(例えば、デジタルコンピュータ)によって読み取り可能な揮発性(例えばRAM)及び/又は不揮発性(例えば、磁気媒体又はフラッシュ)メモリである。
【0123】
アナログ電気シグナル又は光フィールドは、1つの電気(又は光学)シグナル内に一緒に加えられた1つより多くのサブシグナルを含み得る。例えば、光検出器によって検出される(すなわち、光フィールドに寄与する流体内の粒子から散乱される散乱光)光フィールド由来のアナログ電気シグナルは、次のものの総和であり得る:(i)周囲光(例えば、太陽光)に起因する第一の成分(すなわち、アナログ電気サブシグナル);(ii)皮膚光変調作用に起因する第二の成分;(iii)蛍光灯の存在による光強度の規則的な変動に起因する第三の成分;及び(iv)光フィールドに寄与する流体中の粒子から散乱される散乱光に起因する第四の成分。アナログ電気シグナルの各成分又はサブシグナルは、それぞれ異なるパワー量に関連付けられる。
【0124】
いくつかの例では、光検出器によって生成されたアナログシグナルの場合、周囲光に起因するアナログシグナルパワー全体に対する相対的なパワー寄与は比較的高く(すなわち、第一の構成要素)、一方、流体中の粒子から散乱される散乱光に起因するアナログシグナルパワー全体に対する相対的なパワー寄与は、比較的低い(すなわち、第二の成分)。
【0125】
一般に、シグナル及びサブシグナルの両方はパワーレベルを有する−シグナル又はサブシグナルの特定の部分に起因する全体的なシグナルのパワーレベルに対する割合は、サブシグナル又はシグナルの「パワー部分」である。前段落の例では、周囲光成分に起因する全体的なアナログ電気シグナルに対するパワー部分は重要であり(例えば、少なくとも0.1又は少なくとも0.3又は少なくとも0.5)、「光散乱」成分(すなわち、第四成分)に起因する全体的なアナログ電気シグナルに対するパワー部分は比較的低くなり得る−例えば、最大で0.1又は最大で0.05又は最大で0.01である。
【0126】
本発明の実施形態は、「ハイブリッド」シグナルを生成することに関する。複数の入力アナログシグナルから得られる「ハイブリッドシグナル」は、入力アナログシグナルの非ゼロ又は非自明の数学的な組み合わせ−すなわち、乗算、加算、減算などを含む。「ハイブリッド」という用語は、出力(又はハイブリッド)シグナルが1つより多くの入力シグナルに関連し、1つの入力に限定されないことを意味する。
【0127】
本発明の実施形態は、光検出器(本明細書に列挙された技術又は他の技術を含む任意の技術が使用され得る)に関する。いくつかの実施形態では、各光検出器は極小ではなく、むしろ大きさを有する。光検出器間の「距離」は重心−重心距離に関する。
【0128】
いくつかの実施形態では、光フィールドは、複数の成分から構成されている。特定の場所に光子を導入する(又は通過させる)ため(及び/又は当該場所を照らすため)に光を生成し、反射又は散乱(又は他の任意の方法で変調)させるときはいつでも、この光は当該特定の場所における局所光フィールドに「寄与」又は「影響」する。
【0129】
本発明の実施形態は、被験者に関するパラメータを光学的に測定することに関する。異なる実施形態では、この被験者は、ヒト、又はヒト以外の哺乳動物、又は哺乳動物以外の温血動物(例えば、鳥)である。
【0130】
第二のシグナルのパワーレベルが第一のシグナルのパワーレベルよりも「かなり小さい」ときはいつでも、第二のシグナルのパワーレベルと第一のシグナルのパワーレベルとの間の比は、最大で0.5又は最大で0.2又は最大で0.1又は最大で0.05又は最大で0.01である。
【0131】
本発明のいくつかの実施形態は、2つの光検出器のみである場合及び/又は2つの場所における光フィールドを測定する特定の場合について説明される。当業者であれば、これは限定ではなく、本明細書に開示された教示は、3つ以上の光検出器の場合、又は3つ以上の場所における光フィールドの検出に関する場合があることを理解するであろう。従って、2つの光検出器は「少なくとも2つ」を指し、「2つの位置」は少なくとも2つを指し、以下同様である。
【0132】
「第一のシグナル」の積は、第一のシグナルから得られる第二のシグナルであり、これは「乗算」を必要としない。
【0133】
「シグナル」の「導出物」はそこから導出されるシグナルであり、これは計算で知られているような「数学的導関数」を計算する必要はない。
【0134】
2つの機能又はデータセット間の「相関の定量化」は、いくつかのカーブフィッティング(線形又は非線形)パラメータのデータ・セット間の傾き又は適合の程度を計算することを指す。
【0135】
本明細書に開示された任意の装置について、「部分的又は完全にコヒーレントな光の源」は、垂直空洞面発光レーザVSCELであってもよいが、必須ではない。
【0136】
「周波数ウィンドウ」を記述するためにWO2008/053474で使用される[aHz、bHz]という表記(a及びbは両方とも負ではない実数、b>a)は、周波数選択プロファイルを記述するために使用される。同じ[aHz、bHz]表記は、「周波数選択プロファイル」とBSRDを記述するために使用される。[aHz、bHz]
【0137】
本発明では、入力シグナル(例えば、BSRDシグナル又は散乱光時間依存性光学応答シグナル)を周波数選択プロファイルで処理すると、入力シグナルのいくつかの周波数が保持され、他の周波数が選択的に排除される。「周波数選択プロファイル」の一例は、「周波数ウィンドウ」/ステップ関数/バンドパスフィルタであるが、これに限定されるものではない。他のフィルタには、バターワースフィルタ、チェビシェフフィルタ、エリプティックフィルタが含まれ、これらに限定されない。「バンドパスフィルタ」の場合、入力シグナルのエネルギーの100%が「窓」の外側の周波数では排除されるが、これは制限ではなく、他の例では、周波数選択プロファイルを定義する「周波数範囲」の外で、ほとんどではあるものの全てではない入力シグナルが排除され得る。
【0138】
上述のように、WO 2008/053474で使用されているものと同じ[aHz、bHz]表記は、「周波数選択プロファイル」を記述するために使用されるが、それらは正確に同じものを意味するものではない。少なくともaHz且つ最大bHzの周波数の入力シグナルのエネルギーの少なくとも65%(いくつかの実施形態では、少なくとも75%又は少なくとも90%又は少なくとも95%)を保持し、aHzより小さく且つbHzより大きい周波数のエネルギーの少なくとも65%(いくつかの実施形態では、少なくとも75%又は少なくとも90%又は少なくとも95%)を排除する。
【0139】
WO 2008/053474中、周波数ウィンドウを定義する文脈において使用される[aHz、bHz]表記(a及びbは共に負はないの実数、b>a)は表記[aHz、bHz] BSRDと混同されるべきではない。本開示の場合、[aHz、bHz]BSRDシグナル(a及びbは両方とも負ではない実数、b>a)は、BSRDシグナルのエネルギーの少なくとも50%又は少なくとも75%又は少なくとも90%又は少なくとも95%又は少なくとも99%が少なくともaHz且つ最大でbHzの周波数を有するBSRDシグナルである。x%[aHz、bHz]BSRDシグナルは、シグナルのエネルギーの少なくともx%が、少なくともaHz且つ最大でbHzの周波数を有する固有タイプの[aHz、bHz]BSRDシグナルである。定義上、すべての[aHz、bHz]BSRDシグナルは50%[aHz、bHz]BSRDシグナルである。本開示では、ここに開示される任意の[aHz、bHz]BSRDシグナルは、50%[aHz、bHz]BSRDシグナル又は75%[aHz、bHz]BSRDシグナル又は90%[aHz、bHz]BSRDシグナル又は95%[aHz、bHz]BSRDシグナル又は99%[aHz、bHz]BSRDシグナルであり得る。
【0140】
いくつかの実施形態は、[(a1、a2)Hz、(b1、b2)Hz]BSRDシグナルに関するものであり、ここで、(i)(a1、a2)はa1とa2の間の数の範囲を指し(ii)(b1、b2)はb1とb2との間の数の範囲を指し(ii)a2>a1及びb2>b1である。本開示では、[(a1、a2)Hz、(b1、b2)Hz] BSRDシグナルは[a1Hz、b2Hz]BSRDシグナルである。[aHz、(b1、b2)Hz] BSRDシグナル(a<b1<b2)は[aHz、b2Hz] BSRDシグナルである。[(a1、a2)Hz、bHz]BSRDシグナル(a1<a2<b)は、[a1Hz、bHz]BSRDシグナルである。
【0141】
本開示では、サブHz周波数は、最大で1Hzの周波数である。サブ0.5Hzの周波数は最大で0.5Hzの周波数である。サブ0.25Hzの周波数は最大で0.25Hzの周波数である。いずれの実施形態においても、「サブHz」周波数は、サブ0.5Hz周波数又はサブ0.25Hz周波数を指し得る。
【0142】
サブHzの周波数選択プロファイルは、入力シグナル(例えば、BSRDシグナル又は散乱光時間依存性光学応答シグナル)に適用されたとき、入力シグナルのエネルギーについてほとんどの周波数が1Hzより小さいものの大部分(いくつかの実施形態では少なくとも75%又は少なくとも90%又は少なくとも95%又は少なくとも99%)を排除し、ほとんどの周波数が1Hzより大きいエネルギーであるものの大部分(いくつかの実施形態では少なくとも75%又は少なくとも90%又は少なくとも95%又は少なくとも99%)を保持する。同様の定義は、サブ0.255Hzの周波数選択プロファイルに適用され、1Hzが「0.25z」により置き換えられる。(いくつかの実施形態では少なくとも75%又は少なくとも90%又は少なくとも95%又は少なくとも99%)
【0143】
〜300Hzの周波数は、(i)最大500Hz又は最大450Hz又は最大400Hz又は最大350Hzの値、且つ(ii)少なくとも200Hz又は少なくとも250Hzの値を有する。
【0144】
〜1000Hzの周波数は、(i)最大1500Hz又は最大1250Hz又は最大1200Hz又は最大1110Hzの値、且つ(ii)少なくとも750Hz又は少なくとも850Hz又は少なくとも900Hzの値を有する。
【0145】
〜4000Hzの周波数は、(i)最大2500Hz又は少なくとも3000Hz又は少なくとも3500Hz、且つ(ii)最大で7500Hz、又は最大で6000Hz又は最大で5000Hzの値を有する。
【0146】
サブHzの周波数は1Hz未満の周波数である。「サブ0.5Hz」周波数は、0.5Hz未満の周波数である。「サブ0.25Hz」周波数は、0.25Hz未満の周波数である。
【0147】
再び図10を参照する。ステップS363において、BSRDシグナル(例えば、「非拍動性BSRDシグナル」)を解析して、次のうち1つ又は複数を計算する:(i)(A)サブHz周波数(例えば、サブ0.5Hz周波数又はサブ0.25Hz周波数)の相対的なエネルギー寄与(の大きさ)をBSRDシグナルに変換する;(B)(i)BSRDシグナルから第一のサブHz周波数選択プロファイルに従って(例えば、第一のサブ0.5Hz周波数選択プロファイルに従って、又は第一のサブ0.25Hz周波数選択プロファイルに従って)抽出された第一のサブHz部分;及び(ii)BSRDシグナルから第二のサブHz周波数選択プロファイルに従って(例えば、第二のサブ0.5Hz周波数選択プロファイルに従って、又は第二のサブ0.25Hz周波数選択プロファイルに従って)抽出された第二のサブHz部分との間の相対的エネルギー寄与の比;(C)BSRDシグナル内のサブHzの生理学的シグナル(例えば、サブ0.5Hzの生理学的シグナル又はサブ0.25Hzの生理学的シグナル)の特性の顕著性−例えば、非拍動性生理学的シグナル。
【0148】
ステップS369において、被験者のムード状態及び/又は感情状態及び/又はストレス状態(例えば、現在又は即時状態)が計算される。代替的又は追加的に、心臓血管適合性パラメータが計算される。
【0149】
図2Aを参照すると、血液せん断シグナルの呼吸振動は、サブ0.5Hzの生理学的シグナルの一例であることが分かる。サブ0.25生理学的シグナルの例は、(i)血液せん断シグナルの筋原振動;(ii)血液せん断シグナルの神経原性振動である。
【0150】
図11Aは、図10の方法をStroop試験の観点から実行した結果の一例を示す。この例では、ステップS359において、[4KHz、8KHz]BSRDが生成され、続いて、このBSRD(実際には拍動性BSRD)から拍動性周波数をバンドパスフィルタを用いて取り除く(図10に図示されていないステップ)ことにより非拍動性BSRDに変換される。この非拍動性BSRDは、「拍動性血液」における血液せん断の非拍動性生理学的振動に対応する(例えば、図1Bを参照)。その時点で、ステップS363において、以下の「ターゲットパラメータP」が計算される。すなわち、P=[0.05Hz、0.15Hz]範囲における非拍動性BSRDシグナルの部分の正規化エネルギー、すなわち、[0.05Hz、0.15Hz]周波数の非拍動性BSRDの大きさの正規化された相対物である。
【0151】
これは2回行われた−被験者が比較的「低いストレス状態」にある「Stroop試験」前に1回、そして「Stroop試験中」(すなわち、被験者がStroop試験による精神的努力のためにより高いストレス状態にあるとき)に1回−42の被験者の場合について行い、図11AにP(試験中)−P(試験前)として表されている。図11Aに示すように、ポストStroop試験(又は「ストレスが与えられた」人)の場合、Pの値はStroop試験の結果増加し(従ってP(試験中)-P(試験前)は通常正である)、[0.05Hz、0.15Hz]周波数帯域における非拍動性BSRDの正規化されたエネルギーのより多くの量が、精神的ストレス状態の「上昇」を示すことを示している。
【0152】
図11Bは、図10の方法を無呼吸事象を検出する状況において実行した結果の一例を示す。この例では、ステップS359において、[10KHz、24KHz]BSRDが生成され、続いて、このBSRD(実際には拍動性BSRD)から拍動性周波数をバンドパスフィルタを用いて取り除く(図10に図示されていないステップ)ことにより非拍動性BSRDに変換される。この非拍動性BSRDは、「拍動性血液」における血液せん断の非拍動性生理学的振動に対応する(例えば、図1Bを参照)。
【0153】
その時点で、ステップS363において、以下の「ターゲットパラメータP」が計算される−((i)メイヤー周波数のエネルギー(すなわち、BSRDの周波数帯域[0.05Hz、0.15Hz]成分における)と(ii)[0.15,0.7 Hz]周波数帯域における非拍動性BSRDのエネルギーとの間の比が計算される。
【0154】
これは2回行われた−被験者が比較的「低いストレス状態」にある「Stroop試験」前に1回、そして「Stroop試験後」に1回−42の被験者の場合について行い、図10AにデルタP、ここで、P=[0.05Hz,0.15Hz]範囲における非拍動性BSRDシグナルの正規化されたエネルギーの部分として表されている。図11Aに示すように、ポストStroop試験(又は「ストレスが与えられた」人)の場合のほとんどにおいて、Pの値はStroop試験の結果増加し(従ってP(試験中)-P(試験前)は通常正である)、[0.05Hz、0.15Hz] 範囲における非拍動性BSRDの正規化されたエネルギーのより多くの量が、精神的ストレス状態の「上昇」を示すことを示している。
【0155】
図12〜14の説明(BSRDを動的に計算することによってムード及び/又はストレス及び/又は適合性及び/又は感情を計算する)
周波数選択プロファイルに応じて、散乱光時間依存性光学応答シグナル及びBSRDシグナルを変換する多くの方法があることに留意する必要がある。「周波数選択プロファイル」の生物学的意味は、BSRDシグナルが関係する血液の種類(例えば、動脈又は毛細血管内、壁の近く又は中心線付近など)に関連し得る。従って、光学応答シグナルは、血管の「アンサンブル」(及びその中の位置のアンサンブル)を表し、BSRD生成のための周波数選択プロファイルは、これらの血管のアンサンブル又は血管内の位置の選択に関連し得る。
【0156】
ストレス及び/又はムードを感知しようとする場合、最適なBSRD及び/又は周波数の選択は、個人によって異なる場合があり、又は単一の個人について時間の経過とともに異なる場合がある。準最適BSRD(又は準最適重み付け)を使用すると、被験者の優勢な生物学的状態を捕捉することができず、不正確な検出に至る可能性がある。
【0157】
任意の散乱光光学応答表現電気シグナルについて、散乱光光学応答表現電気シグナルをBSRDに変換する多くの方法がある−それぞれの変換は異なる周波数選択プロファイルに関連し得、よって異なるBSRDを生成する。このような比較的「多数の」可能な変換を考慮すると、どの変換が被験者のストレス状態及び/又はムード状態及び/又は感情状態心臓血管適合性パラメータの最も正確な予測をもたらすかは必ずしも事前に明らかではない。1つの哺乳動物被験体に対する最良のムード及び/又は感情及び/又は適合性予測因子は、必ずしも別の被験体にとって最良ではない可能性があり、さらに、「最良の予測因子」は時間とともに変化する可能性がある。
【0158】
図12の例のように、ステップS199においてBSRDが「ターゲット生理学的応答シグナル」(例えばメイヤー波)に関連してコンピュータ記憶装置にスコアされる。上述したように、本開示では、「応答シグナル」という用語は、血流内に現れるような中枢神経緊張システムからの入力及び/又はフィードバックに対する応答に関連する。図2Bを参照して上述したように、拍動性シグナルは既知の所定のシグナル形式を有する。同様に、生理学的応答シグナルは既知のシグナル形式を有する。このシグナル形式は、時間領域又は周波数領域にあり得、従って、いくつかの実施形態では、パワー周波数スペクトルがステップS199で記録され得る。
【0159】
1つより多くのBSRDが生成され得(ステップS309〜S131)、BSRDの(例えば、非拍動性BSRD)がそのサブHz生理学的シグナルの顕著性に従ってスコアされ得る(ステップS317)。候補BSRDシグナルはステップS309〜S313で生成され、各候補BSRDシグナルは「スコアリング」されてもよく(ステップS317を参照)、スコアが比較されてもよい(ステップS323)。
【0160】
図13(以下に説明される)は「候補BSRD」をそのメイヤー波の顕著性に従ってスコアリングする技術の一例に関し−当該技術は図12AのステップS317及び図12BのステップS367のスコアリングの一例である。
【0161】
一例では、ターゲット非拍動性生理学的シグナル(すなわち、ステップS199において選択される)は、一例としてメイヤー波であり得る。このように、 図13は、図12のステップS317においてBSRD(例えば、非拍動性BSRD)を「スコアリングする」方法の一例を示す。
【0162】
特に、図13は、「生理的応答シグナル」がメイヤー波であり、このシグナルの形態が周波数形態であるものの解析に関連する。4つの候補が図13に示されている。各候補は、BSRDのパワースペクトルを表し、矢印は、4つの候補のうち「最高スコアリング」候補を指している。すなわち、メイヤー波のパワースペクトル関数形式に最も近いものを有するものである。上述のように、メイヤー波は応答シグナルの一例にすぎない。
【0163】
図12に示すように、ステップS323においてより良いスコアリングBSRDがより低いスコアリングBSRDに優先し得る(例えば、より大きな重み付けを付与される)。
【0164】
図12は、BSRDの「動的な」生成の一例である。一例では、「動的生成」は、複数の候補を比較することに関連し得る。
【0165】
上記のように、どの変換関数が最良の結果をもたらすかは、必ずしも事前に明らかではない。さらに、同じ被験者であっても、最高スコアリング変換関数は時間とともに変化することがある。すなわち、早期の時間においては第一の変換関数が「最高スコア」をもたらし、後期の時間においては第二の変換関数が「最高スコア」をもたらす。
【0166】
期間は、時間窓に従って定義され得る。時間窓の重なりを示す図14Aと、重複しない時間窓を示す図14Bを参照されたい。
【0167】
図12Bは、変換関数を定期的にアップデートして(すなわち、機能の「ファミリー」から選択される)時間依存性血液せん断速度表現シグナルの「スコア」(ここで、「スコア」は顕著性を表す)を最適化する動的応答技術に従って散乱光時間依存性光学応答シグナルを処理してBSRD(例えば、非拍動性BSRD)にする方法の一例である
【0168】
従って、時間窓が選択された後ステップS361において、1つだけの変換関数を(すなわち、特定の時間窓に対して)散乱光時間依存性光学応答シグナルに適用してBSRDにするのではなく、複数回の変換を実行することが可能である。毎回、変換は異なる変換関数(すなわち、異なる対応の「周波数選択プロファイル」に関連付けられている)を用いて実行される。結果は、ステップS367においてスコアされる。すなわち、図12AのステップS317を参照して述べたように、候補BSRD中の非拍動性ターゲットシグナル(例えばメイヤー波)の顕著性に対して他の候補より大きなスコアを割り当てられる(例えば、これよりムード及び/又は感情及び/又はストレス及び/又は心臓血管適合性パラメータを計算する際に「最良スコアリング」時間依存性血液せん断速度表現シグナルが使用される)。
【0169】
ステップS373において時間窓がアップデートされる。各時間窓について、「最良の」変換関数が異なり得る。従って、散乱光時間依存性光学応答シグナルと時間依存性血液せん断速度表現シグナルとの間の変換は、ステップS199の非拍動性生理学的シグナルの特性の存在及び/又は強度のスコアリングへの応答として動的に実行されると言われている。
【0170】
図13(以下に説明する)は、候補BSRDのメイヤー波の顕著性に従って「候補BSRD」をスコアリングするための技術の一例に関連する。この技術は、図12AのステップS317及び図12BのステップS367のスコアリングの一例である。
【0171】
「メイヤー波」は、ステップS199の非拍動性生理学的シグナルの一例に過ぎない。他の例には、血管(又はその中の位置)における血液せん断の振動/揺らぎの神経原性寄与及び血管(又はその中の位置)における血液せん断の振動/揺らぎの呼吸寄与を表現するシグナルを含み得る。
【0172】
図15A〜15B、16、及び17の説明
上述のように、(i)誘導散乱光時間依存性光学応答を表現するシグナルから各BSRDを生成するために使用される周波数選択プロファイルに従って互いに異なるBSRD;(ii)周波数選択プロファイルの異なる候補が非常に多いため、異なるBSRD間に基本的な相違がある。
【0173】
図15Aは、BSRDの4つのカテゴリに関する:(i)第一のカテゴリ[xHz、〜300Hz]BSRDのxの値が最大300Hz又は最大275Hz又は最大250Hz又は最大200Hz又は最大150Hz又は最大100Hzである「カテゴリA」;(ii)第二のカテゴリ[〜300Hz、〜1000Hz]BSRDの「カテゴリB」;(iii)第三のカテゴリ[〜1000Hz、〜4000Hz]BSRDの「カテゴリC」;(iv)第四のカテゴリ[〜4000Hz、zHz]BSRDの「カテゴリD」。ここで、zの異なる実施形態では、少なくとも5000又は少なくとも6000又は少なくとも7500である。
【0174】
BSRDが拍動性成分を除くためにポスト処理されない限り、カテゴリDのBSRDは拍動性成分によって支配される傾向がある。異なる実施形態では、カテゴリのBSRDは、血液が拍動性である傾向がある壁から離れた位置で、動脈血中の血液せん断を表現する傾向がある。
【0175】
図15Bは、「カテゴリE」の[yHz、〜150Hz]BSRDに関し、ここで、xの値は最大100Hz又は最大75Hz又は最大50Hzである。いくつかの実施形態では、「カテゴリE」BSRDが解析される。本開示では、〜150Hzは最大250Hz以下又は最大200Hz以下又は最大175Hzであり、少なくとも75Hz又は少なくとも100Hz又は少なくとも125Hzである。
【0176】
対照的に、いくつかの実施形態では、低周波支配(及び非拍動性のカテゴリAの)BSRDは、主として、内皮血流及び/又は壁の近くの位置における緩慢に移動する赤血球(RBS)から反射された光に由来する傾向がある。カテゴリBのBSRDもまた、非拍動性である傾向があるが、カテゴリAのBSRDの程度よりは低い。図16を参照し、カテゴリBのBSRD2つが同一のもの由来であると考える。図16の下方にある[α、β]の周波数選択プロファイルを有する第一のカテゴリBのBSRD及び図16の上方にある[α、β]の周波数選択プロファイルを有する第二のカテゴリBのBSRDである。ここで、(i)αは〜300Hz;(ii)βとβの両方は〜1000Hz;及び(iii)β>β、例えばβ−β>50Hzである。本ケースにおいて、「第一の」カテゴリBのBSRDのエネルギーは「第二の」カテゴリBのBSRDのエネルギーのそれを上回る。しかしながら、「第一の」カテゴリBのBSRDは「第二の」カテゴリBのBSRDより「より拍動性」である。なぜならば、〜1000Hzの周波数では、周波数が増加するにつれて拍動性成分がBSRDに導入されるからである。
【0177】
図17を参照する。いくつかの実施形態では、カテゴリBのBSRDシグナルを動的に生成(すなわち、周波数プロファイルが動的に選択される)し、これより感情及び/又はムード及び/又はストレス及び/又は心血管適合性パラメータを計算することが可能である。従って、ステップS601において[α、γ]の周波数選択プロファイルを有するカテゴリBのBSRDシグナルが生成され、ステップS609〜S613において残留拍動の、カテゴリBのBSRDシグナルへの寄与の強さが計算される。例えば、拍動性波の形態を有する図2Bのシグナルの、周波数選択プロファイル[α、γ]を有するカテゴリBのBSRDシグナルへの寄与である。寄与が比較的「低い」場合、ステップS623においてより高い値のγを有するカテゴリBのBSRDを生成することが可能である。本ケースにおいては、「ノイズの多い」拍動性成分によるカテゴリBのBSRDシグナルの「汚染」への「懸念」は少なく、より大きな総エネルギーを有するカテゴリBのBSRDシグナルを生成することが好ましく、当該エネルギーから被験者の動き及び/又は感情及び/又はムード及び/又は適合性パラメータが誘導される。反対に、寄与が比較的「高い」(「ノイズの多い」カテゴリBシグナルであることを示している)場合、ステップS619においてより低い値のγを有するカテゴリBのBSRDを生成することが可能であり、これにより「拍動性ノイズ」を低減させることができる。本ケースにおいては、「ノイズの多い」拍動性成分によるカテゴリBのBSRDシグナルの「汚染」への「懸念」は大きく、たとえその「対価」として総エネルギーの少ないカテゴリBのBSRDシグナルとなったとしても、工程を踏んで「拍動性ノイズ」を低減させることが好ましい。被験者の動き及び/又は感情及び/又はムード及び/又は適合性パラメータが「より低いγの」カテゴリBのシグナルから誘導される。
【0178】
図12の方法と同様に、図16の方法は、BSRD特性の解析に従ったBSRDの動的生成に関する。従って、図14A〜14Bを参照した上述の説明は、図16の方法についても適用可能であり、その逆も可能である。
【0179】
図18A〜18Cの説明
図18A〜18Cは次のような方法に関する:(i)ステップS425において、非拍動性BSRDに対して非拍動性BSRDの確率論的解析及び又は静止性/非静止性を定量化する解析を行う;及び(ii)解析の結果に応じて、ステップS429において、感情及び/又はムード及び/又はストレス及び/又は心血管適合性パラメータ(又は分類)のストレスの種類が計算される。
【0180】
例えば、被験者のストレスレベルが変化すると、これは競合する血管収縮剤と血管拡張剤との間のバランスを変化させ、確率論的挙動を生み出す。
【0181】
そのような確率論的解析の一例は、非拍動性BSRDシグナルのフラクタル次元を計算することである。別の例は、ハーストインデックスを計算することである。別の例では、非拍動性BSRDシグナルのエントロピーが定量化される。
【0182】
図18AのステップS401〜S409において、この非拍動性BSRDは、赤血球からの光を散乱させて散乱光時間依存性光学応答を生成することにより生成される(ステップS401〜S405)−ステップS409において、非拍動性BSRDは、散乱光時間依存性光学応答から直接的又は間接的に計算される。
【0183】
例えば、図18BのステップS413に示すように、非拍動性BSRDは、適切な周波数選択プロファイルを選択することによって計算することができる。例えば、[α、β]であって、β≦=〜1000Hzである。あるいは、図18Bの例では、拍動性BSRD(例えば、弱い拍動性BSRD(例えば、「カテゴリC」の)が計算されるか、又は強い拍動性のBSRD(例えば、「カテゴリC」のBSRD)が計算される)。ステップS421において、拍動性成分(すなわち、図2Bに示されるようなシグナル形態を有する)が拍動性BSRDから除去されて、非拍動性BSRDが得られる。
【0184】
いくつかの実施形態では、図18Bの方法と図18Aの方法の違いの1つは、異なるタイプの非拍動性流情報を抽出することである。図18Bは、非拍動性血液(例えば、毛細血管又は内皮血中)から情報を抽出し、図18Cは、この非拍動性情報を「マスクする」拍動性シグナルをフィルタリングすることによって、拍動性血液から非拍動性情報を抽出する。
【0185】
図19は、図18の方法を音声試験の観点において実行した結果の一例を示す。この例では、ステップS409において、[0KHz、400KHz]BSRDが生成される。ステップS425では、次の「ターゲットパラメータP」が計算される。P=ステップS409で生成された非拍動性BSRDシグナルのハーストインデックスである。実験は「音声試験」であった。すなわち、人に不快な音を聞かせて、不快な音に起因するストレスによる生理学的結果(すなわち血流内)を観察した。
【0186】
この「ターゲットパラメータP」の計算は、2回行われた。被験者が比較的「低いストレス状態」にある「音声試験」前に1回、そして「音声試験中」(すなわち、被験者がより高いストレス状態にあるとき)に1回である。この試験は、135回行われ、図19においてその結果のヒストグラムが「リラックスした状態」を「薄いバー」として、ストレス状態(すなわち、被験者が不快でストレスを誘導する音を聞いた後)を濃いバーとして表している。グラフに示されるように、パラメータPは「リラックスした」個人と「音によりストレスを与えられた」個人との間で区別し得る。
【0187】
図20は、図18の方法を心臓血管の適合性試験の観点において実行した結果の一例を示す。この例では、ステップS409において、[400KHz、400Kz]BSRDが生成される。ステップS425では、次の「ターゲットパラメータP」が計算される。P=ステップS409で生成された「仰臥位状態」の人の非拍動性SRDシグナルのハーストインデックス(カオス指標)からステップS409で生成された「起立状態」の人の非拍動性SRDシグナルのハーストインデックス(カオス指標)を引いたものである。起立性試験の実験(心血管系適合性パラメータ)についてステップS409及びS425が実行され、被験者が伏臥位にある時のシグナルが生成され(すなわち、被験者が伏臥位にある時にステップS401〜S405が実行され)、被験者が起立している時に再び実行された。
【0188】
図20Aは、結果(一人につき43回の試験を行った)のヒストグラムである。ほとんどの場合、ハースト係数が増加する。図20Bは、他の結果(一人につき22回の試験を行った)のヒストグラムである。ほとんどの場合、ハースト係数が増加する。図20Bにおいて、試験前のPは、被験者が伏臥位にあるときのハーストインデックスであり、試験後のPは、被験者が起立しているときのハーストインデックスである。
【0189】
図21A〜21Bは、図18に基づいて生成されたパラメータの別の例を示す。試験は、2つの被験者グループを対象として行われた。1つ目のグループは「訓練された」又は身体的に適合した被験者(円内)であり、もう1つのグループは慢性的な問題を有している。各被験者は、固有の数(x軸上に)を有し、特定のパラメータ(y軸上に)をステップS425において計算した。従って、それぞれの結果はそれ自身のデータポイントである。結果が図21A〜21Bにグラフトして表されている。
【0190】
図22〜25の説明
図15を参照する上述の説明において、4つのタイプのBSRDが説明された:(i)極めて非拍動性のカテゴリAのBSRD;(ii)非常に弱い拍動性成分を含みうる非拍動性のカテゴリBのBSRD;(iii)弱い拍動性のカテゴリCのBSRD;及び(iv)強い拍動性のカテゴリDのBSRD。
【0191】
図22Aを参照すると、本発明の実施形態は、次のような状況に関するものであることが理解される:(i)2つ又は3つ又は4つのカテゴリからのBSRDが生成され(ステップS509)、それぞれが解析され(ステップS525);及び(ii)この解析の結果に従って(ステップS529)感情及び/又はムード及び/又はストレス及び/又は心臓血管の適合性が計算される。
【0192】
いくつかの実施形態において、異なる対応の分類器/予測指標(すなわち、感情及び/又はストレス及び/又は心臓血管適合性を計算するための)が導入され得る。
【0193】
理論的には、2つ以上のBSRDのプロファイルを含む周波数プロファイルを有する1つのBSRDを生成することが可能であり得る。しかし、この情報を混合すると、実際には「ノイズ」になり得る。対照的に、次のことが可能である:(i)個別のBSRDを生成してこの情報を「分離」し、次に(ii)この情報を再結合する。別の予測指標/分類器(すなわち、感情及び/又はムード及び/又はストレス及び/又は心臓血管の適合性及び/又はストレスのタイプ(例えば精神的又は感情的)を決定するためのもの)をBSRDカテゴリのそれぞれに提供され得る。それぞれのBSRDカテゴリに固有な予測指標/分類器を使用して感情及び/又はムード及び/又は心臓血管の適合性及び/又はストレスの「タイプ」の分類/予測の組み合わせをすることができ、その結果を組み合わせて精度が向上した分類器/予測指標を提供することができる。
【0194】
複数の予測指標/分類器を組み合わせる任意の方法を実施し得るが、Markovモデル、重回帰、baggingアルゴリズム、投票手法を含みこれらに限定されない。
【0195】
図22Bは、図22Aの方法に関連するデータフローを示す。
異なるカテゴリのBSRD間の重み付けは静的であってもよく、又は、いくつかの実施形態においては、動的であってもよい。図23に関連する1つの例において、分類器は拍動性BSRDに基づくものであり得る。この例において、次のことが可能である:(i)ステップS651において拍動性BSRDを生成し(ii)ステップS665〜S769において拍動性BSRD(例えばカテゴリDのBSRD)を解析してその拍動性特性の顕著性を決定する。すなわち、脈拍の「良い測定」があるかを決定する。例えば、運動アーチファクト又は他の身体的摂動の存在下では、脈拍の良好な測定が妨げられ、拍動性BSRDにおける拍動性の特性の拍動性の質/顕著性が低減され得る。
【0196】
「良好な脈拍測定」があった場合(ステップS665)、拍動性BSRDシグナル(例えば、カテゴリDのBSRD)の重み付けは、非拍動性BSRD(例えば、カテゴリA又はBのBSRD)の重み付けを犠牲にして動的に増加させることができる。 逆に、「脈拍測定不良」(ステップS669)であった場合、拍動性BSRDシグナル(例えば、カテゴリDのBSRD)の重み付けを動的に減少させることができ、非拍動性BSRD(例えば、カテゴリA又はBのBSRD)の重み付けを増加させる。
【0197】
図23は、異なるBSRD間の重み付けを行って感情及び/又はストレス(又はストレスのタイプ)及び/又は心臓血管パラメータの測定の精度を高めることの例に関する。図24は、同じ目的におけるBSRDの動的な生成に関する。特に、図24は複数のBSRDが生成される場合において、第一のBSRDの「品質」がスコアされて(例えば、ステップS655〜S659においてスコアされる拍動性BSRD)第二のBSRDが周波数選択プロファイルに従って第一のBSRDのスコアリングの結果への応答として生成される。
【0198】
従って、図24の例では:拍動性BSRDが生成され、スコアリングされる(ステップS651〜S659)。例えば、強い拍動性BSRD及び/又はカテゴリDのBSRDである。顕著な拍動性特性が拍動性BSRD内で検出される場合、これは、拍動性情報が検出される「低周波数領域」に近い周波数であっても拍動性情報の顕著性を示している可能性がある。この場合、カテゴリBのBSRDを拍動性情報で「汚染する」ことが懸念される。従って、第一のBSRD(すなわち拍動性)におけるこれらの「強い」拍動性特性の検出への応答として、第二のBSRD(すなわちカテゴリBのBSRD)の周波数上限値を、たとえカテゴリBのBSRDのより低いエネルギーとの「引き換え」となったとしても、ステップS669において低減させ得る。逆に、拍動性BSRDの拍動性特性があまり顕著でない状況では、これは懸念する必要が少ない。このような状況の検出(ステップS673)への応答として、カテゴリBのBSRDについて〜100Hzの周波数の「上限」を動的に増加させることが決定され得る。
【0199】
図25のフロー図に示すように、特定のタイプのBSRDの生成は、次の事項に従って行われ得る:(i)BSRDを生成することからのダウンストリームフィードバック(例えば、BSRDが非拍動性特性の顕著性について解析される図12を参照されたい)及び(ii)異なるタイプのBSRDを生成することからのフィードバック(例えば、図24を参照)。
【0200】
さらに、図23に示されるように、異なるカテゴリのBSRDの間の重み付けを動的に行い得る。
【0201】
図26A〜26Hの説明−複数のタイプのBSRDの解析(適合性)
図26A〜26Dに示されるように、複数のタイプのBSRDからのデータを組み合わせることによって、より正確にストレス及び/又は感情及び/又は適合性を予測/検出することが可能である。図26A〜26Dは、適合性に関する。図26A〜26Dのそれぞれについて、BSRDの生成と解析が二つの被験者グループについて行われた。1つ目のグループは「訓練された」又は身体的に適合した被験者(明るいデータポイント)であり、もう1つのグループは「適合していない」被験者(濃いデータポイント)である。各被験者は、固有の数(x軸上に)を有し、特定のタイプのBSRDを解析することによって計算された特定のパラメータが計算された。
【0202】
図26Aにおいて、カテゴリAのBSRDが生成され[0Hz、300Hz]、そしてこのカテゴリAのBSRDを解析して[0.15Hz、0.7Hz]のバンド(呼吸バンド)におけるエネルギーの割合を計算した(すなわち、相対的な寄与度)。「予測力」はp=0.0044であり、数値が低い方がより良い予測指標である。
【0203】
図26Bでは、カテゴリBのBSRDが生成され、[300Hz、1KHz]、そしてこのカテゴリBのBSRDを解析して[0.15Hz、0.7Hz]のバンド(呼吸バンド)におけるエネルギーの割合を計算した(すなわち、相対的な寄与度)。「予測力」は0.02であり、よって、図26Aのパラメータの方が良い予測指標である。
【0204】
図26Cにおいて、[4KHz、10KHz]拍動性BSRDが生成され、拍動性成分が除去され(非拍動性BSRDが得られる)、この非拍動性BSRDを解析して[0.05Hz、0.15Hz]のバンドにおけるエネルギーの割合を計算した(すなわち、相対的な寄与度)。「予測力」は0.008であり、よって、図26Aのパラメータの方が良い予測指標である一方、図26Bは最も程度の低い予測指標である。
【0205】
図26Dには、複合インデックスの予測/測定パワーが示されている→−0.7+1.1*(図26Aのパラメータ)+1.15*(図26Bのパラメータ)。この複合インデックスは、図26A図26Cのいずれのインデックスよりも大きな予測力を有する。具体的には、pの値は0.00045である。
【0206】
図26Eには、複合インデックスの予測/測定パワーが示されている→−0.95+1.23*(図26Aのパラメータ)+1.45*(図26Cのパラメータ)。この複合インデックスは、図26A図26Dのいずれのインデックスよりも大きな予測力を有する。具体的には、pの値は0.00008である。
【0207】
図26A〜26Eは、心臓血管適合性の測定に関する。図26F〜26Gは、ストレスの測定に関する。
【0208】
図26Fにおいて、[0KHz、300KHz]BSRDが生成された。このカテゴリAの非BSRDについて確率論的解析を行ってハースト成分を計算した(図18A〜18Bを参照)。
【0209】
図26Gにおいて、[2KHz、8KHz]BSRDが生成され、拍動性成分が除去されて非拍動性BSRDが生成された。この非拍動性BSRDについて解析を行って[0.05Hz、0.15Hz]のバンド(呼吸バンド)におけるエネルギーの割合を計算した(すなわち、相対的な寄与度)。
【0210】
図26Hは、異なるBSRDの解析の組み合わせに関する。すなわち、図26F〜26Gを組み合わせて、ストレスの測定/予測パワーを増加することである。
【0211】
従って、上述したように(図22Aを参照)、複数の「タイプ」のBSRDを生成し、各BSRDを解析し、その結果を組み合わせることによって測定精度を向上させることが可能であり、これは適合性(図26A〜26E)、ストレス(図26F〜26H)、ムード、無呼吸、又は本明細書に開示されている任意の他の「生理学的測定ターゲット」を対象とする。
【0212】
図26I〜26Lの説明−複数のタイプのBSRDの解析(ストレス)
図26A〜26Dに示されるように、複数のタイプのBSRDからのデータを組み合わせることにより、ストレス及び/又は感情及び/又は適合性をより正確に予測/検出することが可能である。図26A〜26Dはストレスに関連する。
【0213】
図26Iは、500Hz〜1KHzのバンドパスの呼吸インデックスに関する。図26Jは、1〜3KHzのバンドパスの筋原性インデックスに関する。図26Kは、0〜500KHzのバンドパスのハーストインデックスに関する。
【0214】
図26Lは、複合インデックスに関する。組み合わされた重み付けインデックス=0.44−3.44*(ハーストインデックス)+1.3*(筋原性インデックス)+1.87*(呼吸インデックス)
【0215】
複合インデックス(図26L)の予測力(すなわち、「ストレスを与えられたグループ」と「普通のグループ」との間を区別すること)は、他のインデックスより強い。
【0216】
図27の説明
上述のように、メイヤー波は生理的応答シグナルの1つのタイプに過ぎない。上述したように(図10及び図12を参照)、「ターゲットシグナル」は、時間領域又は周波数領域(すなわち、パワースペクトル)のいずれかで表現することができる。同様に、BSRDの任意の「スコアリング」は、ターゲットとなる生理学的応答シグナルのパワースペクトルを参照してBSRDのパワースペクトルをスコアリングすることを伴うことがある。
【0217】
図27A〜27Dは、4つの「ベースライン」BSRDに関連しており、全てが一人の被験者が「リラックス状態」にある場合に生成される。図28A図28Dは、4つの「ベースライン」BSRDに関連しており、すべて同じ一人の被験者についてムード状態が変化する「感情的音楽を聴いている」ときに生成される。図29A図29Dは、4つの「ベースライン」BSRDに関連しており、すべて同じ一人の被験者がメンタルエクササイズを行っているとき、すなわち精神的ストレスの負荷がかかっているときに生成される。図30A〜30Dは、4つの「ベースライン」BSRDに関連しており、すべて一人の被験者が不快な音を聞いた後に生成される。
【0218】
図27A図28A図29A、及び図30Aは全て、[0KHz、0.4KHz] BSRDのパワースペクトルを示す(すなわち、バンドパスフィルタを使用して拍動性成分を除去した後であり、よって、[0KHz、0.4KHz]BSRDについては、これは必要ではない)。従って、図28Aのパワースペクトルを図27Aのものと比較して、[0KHz、0.4KHz]BSRDへの「感情的音楽」の影響を検出することが可能である。図29Aのパワースペクトルを図27Aのものと比較して、[0KHz、0.4KHz]BSRDへの「精神的負荷/ストレス」の影響を検出することが可能である。図30Aのパワースペクトルを図27Aのものと比較して、[0KHz、0.4KHz]BSRDへの「不快な音」の影響を検出することが可能である。
【0219】
図27B図28B図29B及び図30Bは全て、[0.4KHz、1KHz]BSRD(すなわち、バンドパスフィルタを使用して拍動性成分を除去した後であり、よって、[0.4KHz、1KHz]BSRDについては、これは必要ではない)のパワースペクトルを示している。従って、図28Bのパワースペクトルを図27Bのものと比較して、[0.4KHz、1KHz]BSRDへの「感情的音楽」の影響を検出することが可能である。図29Bのパワースペクトルを図27Bのものと比較して、[0.4KHz、1KHz]BSRDへの「精神的負荷/ストレス」の影響を検出することが可能である。図30Bのパワースペクトルを図27Bのものと比較して、[0.4KHz、1KHz]BSRDへの「不快な音」の影響を検出することが可能である。
【0220】
図27C図28C図29C及び図30Cは全て、[1KHZ、4KHZ]BSRD(すなわち、バンドパスフィルタを使用して拍動性成分を除去した後であり、よって、[1KHZ、4KHZ]BSRDについては、これは必要ではない)のパワースペクトルを示している。従って、図28Cのパワースペクトルを図27Cのものと比較して、[1KHZ、4KHZ]BSRDへの「感情的音楽」の影響を検出することが可能である。図29Cのパワースペクトルを図27Cのものと比較して、[1KHZ、4KHZ]BSRDへの「精神的負荷/ストレス」の影響を検出することが可能である。図30Cのパワースペクトルを図27Cのものと比較して、[1KHZ、4KHZ]BSRDへの「不快な音」の影響を検出することが可能である。
【0221】
図27D図28D図29D及び図30Dは全て、[4KHZ、10KHZ]BSRD(すなわち、バンドパスフィルタを使用して拍動性成分を除去した後であり、よって、[4KHZ、10KHZ]BSRDについては、これは必要ではない)のパワースペクトルを示している。従って、図28Dのパワースペクトルを図27Dのものと比較して、[4KHZ、10KHZ]BSRDへの「感情的音楽」の影響を検出することが可能である。図29Dのパワースペクトルを図27Dのものと比較して、[4KHZ、10KHZ]BSRDへの「精神的負荷/ストレス」の影響を検出することが可能である。図30Dのパワースペクトルを図27Dのものと比較して、[4KHZ、10KHZ]BSRDへの「不快な音」の影響を検出することが可能である。
【0222】
実施形態についての第一の追加の説明
温血動物被験者に固有のストレス及び/又はムード及び/又はストレス耐性心血管適合性パラメータの1つ又は複数に従って、光学的に測定する方法であって:a.VCSEL(垂直空洞面発光レーザ)又はダイオードレーザによって被験者の皮膚又は組織の一部を照射して、被験者の移動赤血球(RBC)により部分的又は完全にコヒーレントな光を散乱させて、散乱光時間依存性光学応答を誘導し;b.誘導された散乱光時間依存性光学応答を表現する電気シグナルシグナルを生成するために、光検出器によって散乱光を受信し;c.散乱光光学応答表現電気シグナル又はその導出シグナルを処理して1つ又は複数の血液せん断速度表現(BSRD)シグナルを計算し、各BSRDシグナルは対応する周波数選択プロファイルにより特徴付けられており;d.BSRDシグナルグループのBSRDシグナルの特性を電子的に解析し;e.少なくとも2つの周波数間隔特異的せん断速度表現シグナルの電子的解析の結果に従って、次の被験者状態分類操作のうち少なくとも1つを実施する:(i)被験者のストレス状態(ストレス要因のタイプ、ストレスのレベル)の分類;(ii)被験者のムード状態の分類;(iii)被験者のストレス耐性の分類;(iv)被験者の心臓血管の適合性状態の分類。ここで、BSRD内の所定の非拍動性生理学的シグナルの顕著性を適応的に最大化するように、BSRDシグナルの周波数選択プロファイルが動的に計算され、及び/又は分類操作を動的に実行し、これによりBSRDシグナルに割り当てられた重みがBSRDシグナルの重みを増加させるように適応的に決定されるが、当該BSRDシグナルは、その周波数選択プロファイルが所定の非拍動性生理学的シグナルのより小さな顕著性に対応しているBSRDシグナルの重み付けの値で、その周波数選択プロファイルが所定の非拍動性生理学的シグナルのより大きな顕著性に対応している。
【0223】
いくつかの実施形態において、所定の非拍動性生理学的シグナルはメイヤー波シグナルである。
【0224】
温血動物被験者に固有のストレス及び/又はムード及び/又はストレス耐性心血管適合性パラメータの1つ又は複数に従って、光学的に測定する方法であって:a.VCSEL(垂直空洞面発光レーザ)又はダイオードレーザによって被験者の皮膚又は組織の一部を照射して、被験者の移動赤血球(RBC)により部分的又は完全にコヒーレントな光を散乱させて、散乱光時間依存性光学応答を誘導し;b.誘導された散乱光時間依存性光学応答を表現する電気シグナルシグナルを生成するために、光検出器によって散乱光を受信し;c.散乱光光学応答表現電気シグナル又はその導出シグナルを処理して非拍動性血液せん断速度表現(BSRD)シグナルを計算し、各BSRDシグナルは対応する周波数選択プロファイルにより特徴付けられており;d.非拍動性BSRDシグナルを確率論的解析又はBSRDシグナルの静止/非静止状態を定量化する静止状態解析に供し;e.確率論的解析及び/又は静止状態解析の結果に基づいて、次の被験者状態分類操作の少なくとも1つを実行する:(i)被験者のストレス状態(ストレス要因のタイプ、ストレスのレベル)の分類;(ii)被験者のムード状態の分類;(iii)被験者のストレス耐性の分類;(iv)被験者の心臓血管の適合性状態の分類。
【0225】
いくつかの実施形態では、非拍動性BSRDシグナルを動的に計算することで、BSRDシグナルの残留心拍成分を最小にしながらシグナルエネルギーを最大にするように、その周波数選択プロファイルが動的に調整される。
【0226】
いくつかの実施形態においては、当該方法は以下のように適応的に実行される:i.1つ又は複数の非拍動性候補BSRDシグナルが次のようにスコアされる:(A)より大きいシグナルエネルギー及びより低い拍動性シグナル寄与が、評価された非拍動性候補BSRDシグナルの品質スコアを増加させ、且つ(B)逆に、より低いシグナルエネルギー及びより大きな拍動性シグナル寄与が、評価された非拍動性候補BSRDシグナルの品質スコアを低下させ;及びii.被験者状態分類操作は、より高いスコアを有する候補BSRDシグナルにより大きな重みを割り当て、より低いスコアを有する候補BSRDシグナルにより低い重みを割り当てるように動的に実行される。この側面の他の実施形態は、対応するコンピュータシステム、装置、及び1つ以上のコンピュータ記憶装置に記録されたコンピュータプログラムを含み、それぞれが方法の動作を実行するように構成されている。
【0227】
いくつかの実施形態では、次のようである:i. 拍動性BSRDシグナルもまた、散乱光光学応答表現電気シグナル又はその導出シグナルから生成され、ii. 拍動性BSRDシグナルと、非拍動性BSRDシグナルの確率論的及び/又は静止状態解析の結果との両方の特性に従って、被験者状態分類操作が実行され、iii.拍動性BSRDシグナルは、その中の血圧波形特性の顕著性に従って評価され、iv.非拍動性BSRDシグナルは、その周波数選択プロファイルが動的に調整されるように動的に計算される。
【0228】
温血動物被験者に固有のストレス及び/又はムード及び/又はストレス耐性心血管適合性パラメータの1つ又は複数に従って、光学的に測定する方法であって:a.VCSEL(垂直空洞面発光レーザ)又はダイオードレーザによって被験者の皮膚又は組織の一部を照射して、被験者の移動赤血球(RBC)により部分的又は完全にコヒーレントな光を散乱させて、散乱光時間依存性光学応答を誘導し;b.誘導された散乱光時間依存性光学応答又はそのAC成分を表現する電気シグナルシグナルを生成するために、光検出器によって散乱光を受信し;c.散乱光光学応答表現電気シグナル又はその導出シグナルを処理し、これよりBSRDシグナル群から選択される少なくとも2つの血液せん断速度表現(BSRD)シグナルを計算し、各血液速度表現BSRDシグナルは異なる周波数選択プロファイルにより特徴付けられ、当該BSRDシグナル群は次のシグナルを含む:(i)[サブ200Hz、〜300Hz]BSRDシグナル;(ii)[〜300Hz、〜1000Hz]BSRDシグナル;(iii)[〜1000Hz、〜4000Hz]BSRDシグナル、及び(iv)[〜4000Hz、zHz](z>=7,000)シグナル;d.BSRDシグナル群の少なくとも2つのBSRDシグナルの特性を電子的に解析し;e.少なくとも2つの周波数間隔特異的せん断速度表現シグナルを電子的に解析した結果に従って、次の被験者状態分類操作の少なくとも1つを実行する:(i)被験者のストレス状態(ストレス要因のタイプ、ストレスのレベル)の分類;(ii)被験者のムード状態の分類;(iii)被験者のストレス耐性の分類;(iv)被験者の心臓血管の適合性状態の分類。
【0229】
温血動物に固有な1つ又は複数のストレス及び/又はムード及び/又はストレス耐性心血管適合性パラメータは光学的測定のための機械学習に基づく方法であって、以下を含む:a.カメラにより、及び/又はグラフィカルユーザインタフェースを介したデータの受信、及び/又はユーザと広告とのインタラクション及び/又はユーザのオーディオ出力に基づいて被験者の行動パターンをモニターし;b.被験者の皮膚又は組織の一部をVCSEL(垂直空洞面発光レーザ)又はダイオードレーザにより照射して、被験者の移動する赤血球(RBCs)により部分的又は完全にコヒーレントな光を散乱させ、散乱光時間依存性光学応答を誘導し;c.光検出器によって散乱光を受信して、誘導された散乱光時間依存性光学応答を表現する電気シグナルを生成し;d.散乱光光学応答表現電気シグナル又はその導出シグナルを処理してこれより1つ又は複数の血液せん断速度表現(BSRD)シグナルを計算し、各BSRDシグナルは対応の周波数選択プロファイルにより特徴付けられるものであり;e.(i)ステップ(a)の被験者の行動パターンのモニタリングの結果と(ii)BSRDシグナルの特性との間の相関に従って、BSRDシグナル由来の入力に基づき、被験者のストレス状態(例えば、ストレス要因の種類、ストレスのレベル)、ムード状態、ストレス耐性、及び心血管の適合性状態のうち少なくとも1つの被験者状態を分類可能な被験者状態分類器を訓練し;及びf.後に、訓練された分類器を使用して、後のBSRDシグナルデータに従って次の被験者状態分類操作の少なくとも1つを実行する:(i)被験者のストレス状態(ストレス要因のタイプ、ストレスのレベル)の分類;(ii)被験者のムード状態の分類;(iii)被験者のストレス耐性の分類;(iv)被験者の心臓血管の適合性状態の分類。
【0230】
いくつかの実施形態では、ストレス状態の分類は、精神的ストレス、感情的ストレスのいずれか2つを区別すること、及び/又は被験者の主要なストレスモードが身体的、感情的又は精神的であるかを決定することを含む。
【0231】
いくつかの実施形態では、ストレス状態の分類は、ストレスの程度の定量を含み、及び/又はストレス耐性の分類は、被験者のストレス耐性レベルの分類を含む。
【0232】
いくつかの実施形態においては、被験者状態の分類操作に関する次の事項をさらに含む:(i)アラート及び治療の少なくとも1つをトリガし、及び/又は(ii)ユーザに広告を提供し、及び/又は(iii)被験者のユーザプロファイルを更新し、(iv)ユーザによって操作されるGUIの表示パラメータを調整する。少なくともステップc〜eの1つがプロセッサを使用して実行される。
【0233】
状態及び/又はステータス情報又はその中の変化を温血被験者について光学的に測定するための装置であって、次を含む:
a.被験者の皮膚を照射して被験者の移動する赤血球(RBCs)により部分的又は完全にコヒーレントな光を散乱させ、散乱光時間依存性光学応答を誘導するように構成されたダイオードレーザ又はVCSEL;
b.誘導された散乱光時間依存性光学応答を表現する電気シグナルを生成するように構成された光検出器;及び
c.本明細書に開示される任意の方法を実行するように構成された電子回路。
【0234】
第二の追加の説明
効果的なストレス管理がヘルスケアと予防医療に劇的な影響を与えることが広く認識されている。このニーズに応えるために、日常生活の中での非侵襲的ストレス監視のための効率的かつシームレスな感知及び解析ツールが必要とされている。既存のセンサは、依然として特異性と堅牢性の点でニーズを満たしていない。本発明者は、皮膚の血流変動を測定するために特別に調整され、マルチパラメトリックな機能を提供する、小型化された動的光散乱センサ(mDLS)を利用した。皮膚内を流れる赤血球から測定された動的光散乱シグナルに基づいて、血行力学的インデックス(HI)及び振動性血行力学的インデックス(OHI)の新しい概念が開発された。このアプローチは、いくつかのユースケースシナリオのストレスレベル評価に利用された。新しいストレスインデックスは、HI及びOHIパラメータによって生成された。この新しい非侵襲的ストレスインデックスを検証するために、19人の健康なボランティアのグループを対象として、手首に配置したmDLSセンサで測定することによって研究した。Stroopの認知不調和試験を用いて精神的ストレスを誘導した。OHIインデックスは試験した被験者のほとんどで精神的ストレス反応に対する感受性が高いことがわかった。さらに、本発明者は、この新しいストレスインデックスを個々の日周ストレスレベルのモニタリングに使用できる可能性を調べた。新しいストレスインデックスが、周知のコルチゾールレベルの日周挙動について報告されたのと同様の傾向を示すことが見出された。最後に、この新しいマーカーが、音及び音楽的な感情の興奮に対するストレス応答に対して良好な感受性及び特異性を提供することを実証した。
【0235】
ウェアラブルセンサーの身体に関するデータを生成する能力が増すにつれて、自己モニタリング及び自らの健康と健全さを認識し追跡することが可能になった。健康と健全さの最も重要なパラメータの1つがストレスレベルである。短期的には、ある程度のストレスが正常な健康に不可欠であり、慢性ストレスの同じ反応は現状の生存に必要でない機能を抑制することができる。多くの感情的及び身体的障害が慢性ストレスに関連している。そのうちの1つは、高血圧のリスクを増加させる。さらに、日常生活における精神的ストレスの過度のレベル、勤務時間中のストレスの認識、職場ストレスは、心血管疾患及び不安障害の危険因子と考えられている。ストレスマネジメントを成功させるための大きな課題の1つは、ストレスを引き起こすものの特定とその定量化である。従って、ストレスレベルの変動を継続的に測定する能力は、我々の日常生活における異なるストレス要因の適切な管理のための重要な要因となり得る。
【0236】
ストレスモニタリングに関しては、いくつかの問題に取り組むべきである。第一の問題は、測定されたデータの観点から生理的特性をどのように表現するかである。第二の問題は、これらの特性を固有の定量的な生理学的特性に変換する方法である。
【0237】
ストレスレベルの定量化のための方法及び装置が開示される。この定量化は、皮膚血流動態に対するレーザースペックル応答の解析によって得られる。この情報は、血流の振動特性の決定に使用される。この目的のために、レーザースペックルシグナルから導くことができる追加の血行力学パラメータを導入した。それらは血行力学インデックス(HI)と振動性血行力学インデックス(OHI)と呼ばれる。これらの特性は、自律神経系(ANS)及び心臓血管系(CVS)応答の発現に直接関連し、既に存在するストレスの非侵襲的マーカーに対する相補的情報として使用することができる。
【0238】
ストレスの生理学的パラメータ 自律神経系(ANS)は、心拍数、血圧、末梢血流量など、私たちの身体のほとんどの生理作用を調節する。副交感神経(PSMP)及び交感神経(SMP)活動は、ANSの一部である。複数のプロセスがこのシステムを制御している。自己調節機構及び血液中を循環するホルモンは、心拍の速度及び拍出量及び血管の収縮又は拡張に影響を与えることによって心臓血管機能に直接影響する。従って、末梢血の血行力学は、神経及び心血管生理学の基礎をなす多くの特性を示す。ストレス事象の間、SMPはシステムの高速な活性化に関与し、PSMPはリラックスに関連する。結果として、実際の生活におけるストレス状態は、自律的な心臓及び血管の調節に変化をもたらす。
【0239】
生理学的リズムは、PSMP及びSMPを含むほぼすべての身体機能に影響を及ぼすことが一般に認められている。ANS及び内分泌シグナルは、このプロセスの主要なメディエーターである。従って、ストレスのレベルはまた、これらのリズムによって支配される。この事実は、コルチゾール及び他のホルモンの血漿濃度を含む毎日の有意な変動を測定することによって実証されている。
【0240】
ストレスの非侵襲的マーカー ストレス要因に対する心拍応答はANSによって媒介されるので、心拍数の変動は副交感神経活動又は交感神経活動のマーカーである。HR活動の定量解析は、通常、心拍の変動パターンを解析することによって行われる。心電図(ECG)の2つの連続するR波間の時間は、RR間隔として定義される。RR間隔の変動又はHRV(心拍変動)は、心拍数の鼓動毎の変化である。HRVは、身体の交感−迷走神経のバランスの関数として使用され、ストレス状態に密接に関連している。最も正確なHRVは、ECGセンサを用いて測定される。別の方法として、PPGシグナルが心拍間の変動の測定に使用される。PPGシグナルの波形解析により、収縮期波のピークと脈拍数を決定することができ、HRVパラメータを近似的に計算することができる。
【0241】
しかしながら、HRV特性を介して機能するANSの定量化は必ずしも信頼できるものではない。これは、生理学的システムが、複数の時間スケール及び条件にわたって動作する、様々な調節プロセスを示す複数のサブシステムからなるという事実の結果である。従って、測定された特性のほとんどは非常に複雑なダイナミクスによって駆動され、それを表現するためにはより多くの情報が必要である。
【0242】
ストレスの別のよく知られたマーカーは、GSR(ガルバニック皮膚応答)である。GSRは、主に交感神経による供給を介して皮膚へ媒介され、汗腺の変化に全面的に起因する。GSRの技術的な欠点の1つは、温度や湿度などの外的要因がGSR測定に影響し、結果が一定しないことである。さらに、GSRは主に交感神経反応に敏感であり、非常に重要な副交感神経機能はGSRシグナルにはあまり反映されていない。
【0243】
血流振動 私たちの体の最も重要な生理的特性の1つは、皮膚血流(SBF)の末梢微小循環である。皮膚微小循環は、細動脈、毛細血管、及び小静脈によって支配される。SBFは、中枢媒介性の神経機構及び局所の体液性因子によって制御される。従って、血流のリズミカルな変化と確率論的な変化の両方が、CVS、神経及び代謝プロセスによって支配される。これらの振動は、神経活動に関連する情報源として使用することができる。末梢微小循環又はSBFは、通常、レーザードップラーフローメトリー(LDF)技術によって観察される。
【0244】
LDFシグナルのパワースペクトル解析は、0.01〜2Hzの範囲内のいくつかの異なる周波数を示す:1Hz付近のスペクトル成分は、心臓活動に対応する。最も低い周波数帯域の他のスペクトル成分は、呼吸(0.3Hz)、筋原性活動又は血管運動(0.1Hz)及び神経原性活動(0.04Hz)の影響を表す。0.05〜0.15Hzで現れる非常に固有な振動は、いわゆるメイヤー波と頻繁に関連している。
【0245】
ストレスモニタリングのためのLDF変動の生理学的解釈に関するいくつかの重要な研究が発表されている。例えば、Goor等は末梢動脈血管収縮がストレス誘発性心筋虚血を予測することを実証した。彼らは、急性の精神的ストレスが交感神経系の活性化及びそれに伴う末梢血管収縮を引き起こすと説明した。
【0246】
血流変動の解析及び解釈のための様々な解析ツールがこれまでに開発されている。これらには、フーリエ変換、ウェーブレット解析、フラクタル解析、特異スペクトル解析(SSA)、マルチスケールエントロピーアルゴリズムなどに基づく周波数領域法がある。生理学的シグナルの処理及び解析における重要な結果の大部分は、多周期成分にランダムノイズが混入したシグナルを考慮する。
【0247】
しかしながら、測定されたSBFシグナルが多くの独立したソースの畳み込みであることを考慮に入れなければならない。血管の違い及び小動脈、細動脈及び毛細血管を含む血管の異なる部分の事象は、独立して同時に測定シグナルに寄与する。従って、SBFを振動解析の対象となる単一の変数として提示することは、生理学的活動の包括的な解釈には不十分である。
【0248】
新しい種類のセンサー(mDLS)と新しいアルゴリズムアプローチを使用して、異なる血行力学源に関連する異なる成分へのシグナル分解のための方法論を開発した。このアプローチは、ANS及びCVS発現の多次元解析に使用することができる。この研究において、ストレスレベルの評価のためのこの新しいアプローチの有用性が実証された。
【0249】
皮膚の血流を測定するための動的光散乱センサ:センサ設計:小型動的光散乱センサ(Elfi-Tech社のmDLS)は、皮膚血流に起因するレーザスペックルシグナルの測定を可能にする。mDLSセンサは、2つの光検出器の間において近くに配置されたVCSELチップ(図42A)、アナログフロントエンド、及びデータ収集ユニットで構成されている。
【0250】
検出器と光源との間の距離が非常に短いので、反射光の多重散乱効果を抑制することができる。赤血球から直接後方散乱された光子のみが検出される。2つの測定されたシグナルのアナログ減算は、測定されたシグナルの相関成分を効率的に排除し、相関のないDLS成分は減算プロセスに続いて増幅される。光検出器上に現れるレーザスペックルの数は、スペックル統計を決定する。
【0251】
おそらく、単一の後方散乱事象が主に測定シグナルの原因となる。しかしながら、前方単一散乱成分は全体のシグナルに関与し得る。実際、組織(結合組織の不動「格子」)による集中散乱のおかげで、有意な数の光子が後方半球に向け直され、一方、これらの光子はRBCによって前方方向に実際に散乱される19。従って、後方散乱光に加えて、かなりの割合の前方散乱光も検出された。不動の散乱体又は同じ均一速度で移動する散乱体は、測定シグナルの時間的パターンに影響を与えないことに留意すべきである。
【0252】
理論的考察:流れのせん断速度モデル
血管内のRBC粒子の相対運動は、血流の速度プロファイルによって定義される。非常に単純化された場合、半径Rの管について、軸対称速度プロファイルv(r,t)は、この経験的関係によって円筒座標で表現することができる:
【0253】
【数1】
【0254】
式中、ν(0)は、中心位置r=0での最大速度であり、Rは血管の半径であり、f(t)は心臓収縮周波数の周期的関数であり、収縮期血圧と拡張期血圧の差によって駆動され、心周期に対して位相シフトし、そして、ξは鈍化の程度を表す。例えば、30ミクロン細動脈では、通常の流速でξ=2.4〜4の範囲がある。ξ=2の場合、放物線状の速度分布が得られる(図2に示される血管内の血流プロファイルを参照)。
【0255】
最も重要なレオロジーパラメータの1つは速度せん断速度γである。これは次式で与えられる:
【0256】
【数2】
【0257】
【数3】
【0258】
式中、(ν)は、横断面積にわたって平均された速度である。
【0259】
レオロジー用語「せん断速度」は、速度勾配とほぼ同義である。せん断速度は、管の直径によって決定される。血管では、流れる血液の非ニュートン性のレオロジーの挙動のために、せん断速度は純粋な放物線ではない。血液の非ニュートン性の挙動は、低せん断速度で赤血球が凝集する傾向によるものである。最も高いせん断速度は、流れが速く、管の直径が小さい場合に達成され、流れが遅く、管が大きな直径を有する場合、最も低いせん断速度となる。
【0260】
小さな細動脈(直径15〜60ミクロン)の場合、収縮期から拡張期への速度の変動は、1.5mm/s〜2.5mm/sの範囲であり、平均速度は約10mm/secである。小さな細動脈のせん断速度は400(1/sec)〜1400(1/sec)の間である。平均速度が約0.2mm/secである5〜10ミクロンの毛細血管においては、せん断速度は50〜100(1/sec)の範囲であり得る。従って、粒子がブラウン運動によってリラックスする前に、粒子の空間構成を変更するのに十分なせん断速度が存在する領域にいる。
【0261】
理論的考察:1.1動的光散乱及びせん断速度
測定されたシグナルは、動的光散乱(DLS)形式によって表現することができる。この形式では、散乱体の相対的な動きを、レーザスペックルのダイナミクスの主要な源として考慮する。移動粒子のアンサンブルが検出器上に散乱パターンを生成する場合、空間的に相関する粒子のみが考慮されなければならない。大きな距離で分離された粒子は、シグナルの自己相関関数又はパワースペクトルに無視できる程度の寄与しか与えない。これらの近接に配置され粒子の相対的な動きが、アンサンブルの平均化後に保存される唯一の特性である。
【0262】
層流の場合、測定されたDLSの自己相関関数g(τ)は、速度の勾配に依存することが示された。
【0263】
【数4】
【0264】
近似的に、層流においては18、自己相関関数の特性減衰時間は次式で与えられる:
【0265】
【数5】
【0266】
【数6】
【0267】
式中、q=2κsin(θ/2),であり、θは散乱角度、κは波長数、<d>は速度勾配の方向における散乱体積にわたる有効距離である。上付き文字fは、流れに対する関係を示し、下付き文字iは特定の固有せん断速度値に割り当てられる。
【0268】
せん断速度モデルの場合、シグナルの自己相関関数はブラウン運動の典型的な表現である単純な指数関数時間依存ではなく、時間軸依存に伴って減衰することが指摘されなければならない。
【0269】
【数7】
【0270】
【数8】
【0271】
式中、Diは赤血球の拡散係数である。下付き文字Bはブラウン運動に関連する。
スペックルシグナルは様々なせん断速度の寄与を受けることを考慮に入れなければならない。せん断速度分布は、異なるタイプの血管又は血管内の異なる領域と関連付けることができる。最も低いせん断速度の値は、壁の最も近くに位置するか、狭い毛細血管を通って流れる赤血球に対応し、それらの減衰関数は、ブラウン運動統計によって支配される。非常に短い減衰時間は、大きな毛細血管又は細動脈に関連する。
【0272】
振幅変動の自己相関関数Gは、時間定数の異なる全てのスペックル成分の重み付け和(Wi)として近似される。
【0273】
【数9】
【0274】
Wiener-Khintchine定理によれば、結果をパワースペクトルにより表すことができる:
【0275】
【数10】
【0276】
式中、FTはフーリエ変換である。G(τ)を(7)及び(8)で置き換えると、次式が得られる:
【0277】
【数11】
【0278】
式中:
【0279】
【数12】
【0280】
従って、得られたスペクトルは、2つの成分、Gaussian PΓ(ω)及びLorentzian PL(ω)の重ね合わせによって近似される。
【0281】
上に示したように、DLSシグナルの時間的統計は、末梢皮膚の血液循環を介して表される神経機能を反映する複雑な挙動を反映し得る。
【0282】
血行力学インデックスSoderstrom等は、異なる速度で動く粒子のアンサンブルについて、ドップラースペクトルを異なる速度で分解することができることを示した。Liebert等は、皮膚から測定されたSBFシグナルを分解することによって、異なる振動パターンが明らかにされることを示した。
【0283】
振動解析の解釈を容易にするために、いわゆる血行力学インデックスHIを導入した。
【0284】
測定されたシグナルがパワースペクトルPで表現されるとき、次式によって血行力学インデックスHIが定義される:
【0285】
【数13】
【0286】
式中、[f1,f2]=2Pi*[w1,w2]はバンドパスを定義する。
【0287】
HIは、固有のバンドパスによって定義され、特定の範囲のせん断速度に対応する。生理学的に、各HIは異なる種類の血管又は異なる血管領域を意味する。例えば、血圧波形に類似した拍動性パターンを示すHI(t)は細動脈に関連する。毛細血管の血液に関連するHI値は、HI(t)の細動脈成分とは異なる振動挙動を示す。
【0288】
(11)及び(12)を用いれば、(13)に基づいて次式においてHI(ω)を容易に得ることができる:
【0289】
【数14】
【0290】
式中、<ΓB>及び<Γ>は、各せん断速度成分についての自己相関関数における平均せん断速度及びブラウン関連定数を表す。
【0291】
毛細管血についてΓif=(γi・<d>i・q)2を推定するには、たとえば、γi≒20sec-1、qi=2・π・n/λ(後方散乱:180°)、λ=0.8μとすることができる。ここで、<d>iは、速度勾配の方向における散乱体積を横切る距離として定義される。
【0292】
図3において、2つの異なるHIの動作の例を見ることができる。HI1は、毛細血管血液について10sec-1の低せん断速度によって定義され、HI2は、平均バンドパス周波数の関数としてプロットして50sec-1について計算される。各バンドパスのf2-f1は1KHZを選択した。
【0293】
図33は、周波数の関数としてHIを示す。
この例では、固有HI1は4KHZの遮断周波数で完全に定義されていることが理解される。1Kzh以下では、ブラウン成分を考慮しなければならない。
それぞれのバンドパスに対応する有効速度又はせん断速度値を与えることによって、せん断速度に対するHI依存性を解釈することができる。せん断速度の違いは、毛細管、動脈、内皮などの血液の種類と密接に関連している。
【0294】
非常に低い周波数範囲に関連するHIは、高周波領域が主に拍動性血流により特徴付けられるRBCと内皮の相互作用に対処する。振動特性は、各HIに対して実行されなければならない追加の手段として役立つ。HI変数の集合の計算に続いて、それらの各々について異なるタイプの振動解析を行うことができる。解析を簡単にするために、離散の生理学的振動フィルターバンクを使用した。たとえば、この研究では次のバンドを使用した;(E)として規定される、[0.005,0.05]Hz-内皮関連バンド、[0.05,0.15]Hz-筋原波領域(M)、[0.15,0.6]-呼吸器(R)、[0.6,3]Hz-拍動性(P)。測定間隔TにわたるHIの対応する正規化パワースペクトル成分は、OHI(振動性HI成分)として定義されるので、各HIについて、いくつかの振動成分を選択することができる。
【0295】
全体的に、この完全な生理学的パターンは、異なるHIによって表される異なるせん断速度の時間依存挙動に関する情報を組み込んだ、いわゆるOHIマトリックスによって表される。n個の周波数(f)バンドパス間隔を使用すると、次式が得られる:
【0296】
【数15】
【0297】
一般に、この行列は、フラクタル次元、ハーストインデックスなどの変動に関する追加の非決定論的特性及び変数を導入することによって使用することができる。
【0298】
時間におけるOHIマトリックスの進化は、生理学的状態の軌道として多次元空間で表現することができる。心拍数及びHRVとともに、OHIマトリックスパラメータのダイナミクスは、心血管及び神経学的プロセスの多様性を反映する。
【0299】
血行力学インデックスの生理学的徴候 被験者が椅子に快適に座っている間にmDLSシグナルが収集された。センサを手首の上側に取り付けた。
【0300】
図34a及び34bはそれぞれ、mDLSシグナルから抽出された2つの異なるOHI成分を例示する。図34Aには、拍動性血圧波形に明確に対応するHI([7.5KHZ、30KHZ])が示されており、図34Bには、同じ測定間隔におけるHI([0,1KHZ])の時間依存性パターンが示されている。このHI変数の変動は、主に毛細管血に関連している。
【0301】
図34Aは、拍動性成分のHIを示す。図34Bは、非拍動性成分のHIを示す。
【0302】
他の例(図35A及び図35B)では、いわゆるメイヤー振動(約0.1Hz)が見られる。HI(8KHZ、30Hz、t)の0.1拍動性成分は0.1Hzの振動で変調される。図34Bは、非拍動性成分HI([1〜3KHZ])も同様に0.1Hzで変調されていることを示している。図35Aは拍動性HI中のメイヤー波を示し、図35Bは非拍動性HI中のメイヤー波を示す。
【0303】
従って、異なるHI(t)は、振動解析の観点から表現できる異なる生理学的パターンを反映する。パワースペクトルグラフにおける異なるHIの振動パターンの例を図6A及び図6Bに示す。
図6A。拍動性成分のOHI
図6B。非拍動性成分のOHI
【0304】
近年、血行力学インデックスの有用性が動物実験で実証された13。この研究では、HIの挙動が吻合微小循環の術後評価について試験された。低せん断速度(非拍動性)に対応するHIのみが、結腸直腸手術における吻合漏出の検出に使用できることが示された。
ストレス応答の評価におけるOHIマトリックスの有用性を研究するために、試験した被験者が生理学的刺激に暴露されたときの実験的セットアップを作成した。
【0305】
2015年5月21日に出願されたPCT/IB2015/001157は、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に記載された任意の特性と、PCT/IB2015/001157に記載されている任意の特性又は特性の組み合わせとの任意の組み合わせが、本発明の範囲内である。
【0306】
本発明は、例として提供され、本発明の範囲を限定することを意図しないその実施形態の詳細な説明を用いて説明されてきた。記載された実施形態は、異なる特性を含み、それらの全てが本発明の全ての実施形態において必要とされるわけではない。本発明のいくつかの実施形態は、特性の一部又は特性の可能な組み合わせのみを利用する。記載された本発明の実施形態の変形及び記載された実施形態に記載された特性の異なる組み合わせを含む本発明の実施形態は、当業者に理解されるであろう。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図13
図14A-B】
図15A
図15B
図16
図17
図18A
図18B
図18C
図19
図20A
図20B
図21A
図21B
図22A
図22B
図23
図24
図25
図26A
図26B
図26C
図26D
図26E
図26F
図26G
図26H
図26I-J】
図26K-L】
図27A-D】
図28A-D】
図29A-D】
図30A-D】
図31A
図31B
図31C
図32A
図32B
図33
図34A
図34B
図35A
図35B
図36A
図36B