(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記管理される区域は、農業施設であり、前記物理量は、光量、温度、土中水分量の少なくとも1つであり、前記制御装置は、光量制御装置、温度制御装置、潅水制御装置の少なくとも1つであり、
前記コンピュータサーバーは、前記農業施設における農作物の価値についての指標を生育状況データとして記憶し、地域における農作物の望ましい生育状況と相関のある光量、温度、土中水分量の少なくとも1つを共通推奨値として求め、これに基づく制御指令を各制御装置に提供することを特徴とする請求項1または2記載の植物管理システム。
【背景技術】
【0002】
従来、都市部の緑化のための植栽への潅水監視設備、ハウス栽培のための環境条件の監視設備が提案されている。潅水設備であれば、植栽の維持に必要な設定量の給水が行われているかどうかを検出して、その検出データを監視している。農業ハウスの場合、温度、湿度、光量など、農業生産物の生育にかかわる物理量をセンサーにより検出し、これら環境条件についてのデータを監視している。これら監視対象の施設が多数ある場合、またこれら多数の監視対象施設が地域に分散している場合、全体としての管理の負担が大きくなる。そこで、これら多数の監視対象の施設からのデータをインターネット上で利用可能とすることも考えられている。
【0003】
特許文献1は、情報通信ネットワークを利用し、植物の生育状況を電子的に常時監視し、得られた情報に基づいて、収穫予想や異常状態を早期に電子的に把握する植物管理システムを開示する。
【0004】
特許文献1に開示された技術は、収穫予想や異常状態を把握し、生育作業計画が情報として管理者に配信されるに過ぎない。
【0005】
特許文献2は、明るさセンサー、照度センサー、水位センサー、土壌水分センサー、E C センサー、pHセンサー、温度センサー、時刻を計時する時計、コンピュータで植物栽培環境条件を判定し、植物に水分と養分を自動的に供給する全自動植物栽培制御装置を開示する。
【0006】
特許文献2に開示された技術は、ある特定の農業施設についての植物栽培制御を行うものに過ぎない。
【0007】
【特許文献1】特開2005−137209号公報
【特許文献2】特開2005−117999号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来技術によれば、管理すべき緑化施設または農業施設が複数ある場合であっても、各緑化施設、各農業施設について、その所有者または使用者が管理者であり、それぞれ独自に自己の施設についてのみデータを監視、または制御することになる。仮に、その地域全体に共通の事象が生じたとしても、その対策は個々に任されている。とくに、農業施設において、各農業従事者は、それぞれに独自の栽培ノウハウを有しており、これらノウハウを他の農業従事者に開示することはない。
【0009】
このような状況に鑑みて、本発明は、各施設管理者の有するノウハウ保護に配慮しつつ、地域全体について効率的な管理が可能な植物管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による植物管理システムは、複数の管理者によりそれぞれ管理される複数の区域に対して少なくとも1つずつ設けられ、植物の生育に関係する物理量を検出する複数のセンサーと、各区域における物理量を制御するための制御装置と、複数のセンサーによる検出データを受け取るコンピュータサーバーとからなり、このコンピュータサーバーは、各区域における物理量の個別制御のために、各管理者により設定されたしきい値と検出データとの比較結果に基づき、各区域に設けられた制御装置に制御指令を提供し、複数の区域を含む地域における物理量の共通制御のために、各センサーからの検出データおよび各区域の植物の生育状況データを記憶し、これらのデータから望ましい生育状況と相関のある物理量を共通推奨値として求め、この共通推奨値に基づいて制御指令を各制御装置に提供し、各区域における物理量を制御することを特徴とする。
【0011】
このような構成とすることにより、各管理者により設定されたしきい値による個別制御に加えて、個々の管理者のもつ植物管理ノウハウを必要以上に開示することなく、ビッグデータ活用による地域についての共通制御が可能となる。なお、必ずしも専用のコンピュータサーバーを設ける必要は無く、クラウドサービスによるコンピュータサーバーを活用することもできる。
【0012】
本発明による植物管理システムは、コンピュータサーバーとの間でデータを送受信し、各管理者により利用される管理端末を備え、各区域における個別制御および/または地域における共通制御は、各管理者による管理端末への同意入力に基づいて行われるようにすることができる。
【0013】
このような構成とすることにより、コンピュータサーバーからのデータによる自動制御を行うかどうかを各管理者が選択できるようになる。各管理者について、個別制御および共通制御を希望する場合、個別制御は希望するが、共通制御は希望しない場合、個別制御は希望しないが、共通制御は希望する場合、個別制御も共通制御も希望しない場合にも対応することができる。個別制御、共通制御について、管理者が同意していない場合であっても、コンピュータサーバーは、しきい値と検出データとの比較結果を管理端末に送信し、管理者が確認した上で、管理端末からの手動による遠隔制御を可能とし、共通推奨値を管理端末に送信し、管理者が確認した上で、管理端末からの手動による遠隔制御を可能とすることができる。このように、コンピュータサーバーは、各管理者に対するアドバイスを、各管理端末に送信することで、各管理者による制御に役立てることもできる。
【0014】
本発明による植物管理システムを緑化施設に適用した場合、物理量は、土中水分量であり、制御装置は、潅水制御装置であって、コンピュータサーバーは、緑化施設の植物の健全性についての指標を生育状況データとして記憶し、緑化施設における植物の望ましい生育状況と相関のある土中水分量を地域における共通推奨値として求め、これに基づく制御指令を各制御装置に提供することを特徴とする。
【0015】
このような構成とすることにより、コンピュータサーバーは、緑化施設の植物が、枯れそうである、適切な状態である、成長しすぎているなどの健全性についての指標を生育状況データとして記憶し、ビッグデータの活用による適切な生育のための共通制御が可能となる。
【0016】
本発明による植物管理システムを農業施設に適用した場合、物理量は、光量、温度、土中水分量の少なくとも1つであり、制御装置は、光量制御装置、温度制御装置、潅水制御装置の少なくとも1つであり、コンピュータサーバーは、農業施設における農作物の価値についての指標を生育状況データとして記憶し、地域における農作物の望ましい生育状況と相関のある光量、温度、土中水分量の少なくとも1つを共通推奨値として求め、これに基づく制御指令を各制御装置に提供することを特徴とする。
【0017】
このような構成とすることにより、コンピュータサーバーは、農業ハウスなどの農業施設で栽培される農作物の価値、たとえば品質、収量など管理者である農業者にとっての収入にかかわる指標を生育状況データとして記憶し、たとえばビッグデータの活用による適切な農作物栽培のための共通制御が可能となる。生育状況データは、農業者である各管理者により提供されるようにしてもよいが、地域のJAなどの農業団体が上位の管理者として生育状況データを提供することにより、各農業者の負担を軽減することができる。このような植物管理システムによれば、各農業者個々のノウハウを保護しつつ、地域全体での農作物の価値を高めることが可能となり、農業者の収入の向上、地域農作物のブランド化などに資することが期待される。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、各施設管理者の有するノウハウ保護に配慮しつつ、地域全体について効率的な植物生育管理が可能な植物管理システムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態による植物管理システムの構成を説明する。
図1は、緑化施設の一区域の構成を示す。植物10への給水管11による給水、すなわち潅水制御は、電磁弁12の開閉により行われる。植物10の環境に関する物理量は、土中水分計13、光センサー14、温度センサー15により測定され、ノード装置16に入力される。潅水制御設備17からの潅水の状態を監視するための流量計18の測定値も、ノード装置16に入力される。ノード装置16は、これら測定されたデータを記憶する。
【0021】
ノード装置16と管理端末19(たとえばスマートフォン、PCタブレットまたはパーソナルコンピュータ)とは、Wi−Fiなどによる無線通信ができるようになっており、ノード装置16に記憶された測定データを管理端末19のディスプレイに表示することができる。
【0022】
図2は、複数の区域を含む植物管理システムの概略構成を示す。
図2において、地域20に複数の区域21が含まれており、各区域21は、各管理者によって管理される緑化施設である。各区域21には、ノード装置16、潅水制御設備17、流量計18が設けられている。複数のノード装置16は、複数の管理端末19とともに、インターネット22に、たとえば3G,LTE,Wi−Fiなどの無線通信により接続されている。なお、ノード装置16は、インターネット22に有線で接続することもできる。
【0023】
ノード装置16の数は、緑化施設の区域の数に相当するが、必ずしも管理者の数に相当しない。一人の管理者が複数の区域を管理することがある。管理端末19の数も、必ずしも管理者の数に相当しない。一人の管理者が複数の管理端末19(たとえば、スマートフォン、タブレットPCおよびパーソナルコンピュータなど)を使用することがある。コンピュータサーバー23が、インターネット22に接続されており、必要なデータ記憶および演算処理を行う。ここでは、特定のコンピュータサーバー23がネットワーク上にある例を示しているが、クラウドサービスを利用することも可能である。クラウドコンピューティングにおいては、コンピュータサーバー23は、必ずしも特定のコンピュータに限定されることはなく、ネットワーク上の複数のコンピュータを利用して、その記憶、演算処理を行うことになる。本発明は、そのような場合にも適用される。
【0024】
ノード装置16は、そのサンプリングタイミングにより、各センサー(土中水分計13、光センサー14、温度センサー15、流量計18)からの測定データを収集し、記憶する。コンピュータサーバー23は、たとえば所定のスケジュールにしたがって、各ノード装置16に順次、データ送信リクエストを送り、各ノード装置16から測定データを収集し、記憶する。このようにすることで、各ノード装置16からのデータの衝突を確実に防ぐことができるので、過剰な通信回線の容量を必要としない。また、ノード装置16に測定データを記憶することにしているので、通信異常が生じた場合にも、データが失われることはなく、通信が復旧したときに、コンピュータサーバー23に測定データを送信することができる。
【0025】
コンピュータサーバー23は、緑化施設の各区域での植物の生育状況に関するデータも記憶する。各管理者が、管理端末19から生育状況に関するデータを入力し、コンピュータサーバー23に送信することができるが、複数の区域21を含む地域20を管理する上位管理者が、その管理端末19から生育状況に関するデータを入力し、コンピュータサーバー23に記憶させることもできる。
【0026】
ここで、生育状況は、たとえば植物が枯れそうである、適度に維持されている、植物が成長しすぎているという状況を表す3種類のデータとして記憶される。なお、コンピュータサーバー23は、インターネット22に接続されているので、気象予報、気象現況などのデータにもアクセスすることができる。
【0027】
ノード装置16は、上述したように、各種センサーからの測定データを受信するための入力ポートを有し、さらに電磁弁12へ開閉指令などの制御信号を提供するための出力ポートを有する。なお、このように1つのノード装置が測定データ受信および制御信号出力の双方を行うようにしてもよいが、センサーノードと制御ノードの2種類のノード装置を使用して、これらをそれぞれ無線通信でインターネット22に接続するようにしても良い。
【0028】
図3は、コンピュータサーバー23におけるデータベース30の一例を示す。
図3において、管理者情報記憶部31は、各管理者のID、メールアドレス、各管理者が自動による個別制御を希望するかどうか、共通制御を希望するかどうかなどについての情報を記憶する。個別情報記憶部32は、各制御ノード装置16からの測定データを記憶する。個別制御テーブル記憶部33は、各区域に対する個別制御のためのデータテーブルを記憶する。
【0029】
共通制御情報記憶部34は、各制御ノード装置16からの測定データ、これらに関連づけられた生育状況データ、その他インターネット経由で収集した気象データなどを記憶する。ビッグデータ記憶部35は、共通制御情報記憶部34に記憶されたデータに基づいて、ビッグデータ共通制御のために生成されたデータを記憶する。なお、コンピュータサーバー23には、データベース30のほかに、演算制御部36、送受信部37がある。なお、クラウドサービスを利用する場合は、データベース30、演算制御部36、送受信部37は、必ずしも同じコンピュータサーバーにあるとは限らず、管理者情報記憶部31、個別情報記憶部32、個別制御テーブル記憶部33、共通制御情報記憶部34、ビッグデータ記憶部35も同じコンピュータサーバーにあるとは限らない。また、これら記憶部が記憶装置において物理的に区切られているとは限らない、
【0030】
このように構成された植物管理支援システムの作用を説明する。
1)個別通常制御
一般に、植物の成長は、光合成により、光と温度に依存する。光が強くても温度が低ければ植物は成長せず、温度が高くても光が弱ければ成長しない。光がある程度強く、温度がある程度高い場合に、植物は生長する。また、植物が生長するにしたがって、必要とする水の量も増える。すなわち、光の積算値および温度の積算値が増えることにより、多くの水を必要とする。コンピュータサーバー23の個別制御テーブル記憶部33に、各区域における潅水制御のためのテーブルを記憶しておく。このテーブルにより、たとえば、光の積算値および温度の積算値に対応して潅水量が決定される。テーブル中のデータは、季節ごとに異ならせることができる。なお、テーブル中のデータは、管理端末入力による管理者の手動による操作によっても修正することができ、またデータ蓄積による学習機能を持たせることができる。
【0031】
管理端末の表示部により、管理者に、光、温度、これらの積算値、降水量、潅水量などのデータが提供される。管理者は、管理端末から指示を与えることにより、遠隔操作で給水開始できる。また、テーブルに土中水分のしきい値を設定しておき、土中水分計14からの測定値との比較結果により、コンピュータサーバー23からノード装置16への制御指令に基づいて、自動で電磁弁12に開閉指令を与えて、潅水制御設備17より所定量の給水を行うことができる。
【0032】
2)異常気象時の共通制御
コンピュータサーバー23は、高温注意報などの異常気象予報、その他の気象データをインターネット経由で逐次収集し、共通制御情報記憶部34に記憶しており、これにより全ての管理者の管理端末18に、共通推奨値を送信する。また、管理者が共通制御を希望している場合、コンピュータサーバー23からノード装置16に制御指令が送られる。この制御指令は、コンピュータサーバー23において、共通制御情報記憶部34に記憶された測定データ、生育状況データと、気象データなどに基づいて決定される。ある区域について、その管理者が独自の制御を希望した場合、その区域は共通制御から除外される。
【0033】
たとえば、土中水分が正常値、生育状況データが正常値、気象データとして高温注意報が出ている場合、ノード装置16に、電磁弁12を一定時間開状態として、緊急給水する。また、複数の区域21のうち1つの区域の温度センサー15で異常高温が測定された場合、この異常高温状態が他の区域にも伝播するものとして、他の区域のノード装置16に給水のための制御指令を送り、自動で給水を行うことにより地域20全体での植物への被害を防止することが可能となる。
【0034】
3)ビッグデータによる共通制御
コンピュータサーバー23は、生育状況データが望ましい値となる場合について、記憶された各センサーによる測定値から所定の分析アルゴリズムを使用して、その相関を求め、望ましい条件としてビッグデータ記憶部35に記憶する。すなわち、コンピュータサーバー23のデータベース30に、ノウハウが蓄積されることになる。
【0035】
なお、各管理者が設定したしきい値など、個別制御テーブル記憶制御部33に記憶された制御テーブルの内容は、他の管理者に提供されることはなく、各管理者独自のノウハウ自体が、このシステムを介して他の管理者に知られることを防ぐことができる。コンピュータサーバー23は、ビッグデータを利用し、各区域の実際の測定データに応答して、ノード装置16を介して、電磁弁12への開閉信号を与えることができるようになっている。
【0036】
各管理者は、ビッグデータによる制御を希望するかどうかの指令を、希望する場合はY、希望しない場合はNとしてその管理端末19からコンピュータサーバー23に送る。コンピュータサーバー23は、この指令(YまたはN)を管理者情報記憶部31に記憶する。
【0037】
各管理者は、希望する旨の応答Yを送信することにより、ビックデータアドバイスおよび自動制御を受けることができる。ある管理者がビッグデータ解析のよる自動制御よりも、自己の経験による制御が優れていると考える場合などには、希望しない旨の応答Nを送信する。この場合にも、ビックデータによる共通推奨値を管理端末19のディスプレイに表示されるアドバイスとして受信することができ、手動による制御の参考とすることができる。
【0038】
4)通信異常時の制御
コンピュータサーバー23がデータ送信リクエストをノード装置16に送信した後所定時間内に、ノード装置16からの測定データをコンピュータサーバー23が受信しない場合、通信異常が発生したことを個別制御テーブル記憶部33に記憶する。この通信異常の発生は、該当する管理者の管理端末19に通知される。 通信異常が生じている間も、各センサーからの測定データは、ノード装置16に記憶され、失われることはない。この記憶された測定データは、通信が回復した後、コンピュータサーバー23に送信される。
【0039】
上記の実施形態は、本発明を緑化施設に適用する例であるが、
図4に示す農業ハウスなどの農業施設にも同様に適用することができる。
図4において、農業ハウス40で農作物が栽培されており、ハウス内の光量、気温などを測定する光センサー14、温度センサー15などが設置されている。図示していないが、その他、農作物の生育に関係する物理量を測定するための湿度センサー、土中水分計なども設置される。
【0040】
各センサーからの測定データは、ノード装置16に記憶される。ノード装置16は、3G、LTEなどの携帯電話回線、インターネット22を介してコンピュータサーバー23に接続される。ノード装置16は、Wi-Fiルーター41を介してインターネット22に接続されるようにしてもよい。測定データは、ノード装置16から、インターネット22経由でコンピュータサーバー23に送られるようになっている。コンピュータサーバー23からの制御指令は、インターネット22経由で、ノード装置16に送られ、給水のための電磁弁12、温度制御のための換気装置42、遮光カーテンの巻き上げ機、窓開閉装置などがノード装置16の出力ポートに接続されている。その他、散水装置に液肥混入機が設けられ、光合成促進のためのCO
2発生装置、pH測定センサーなども設けられる。
【0041】
また、コンピュータサーバー23からインターネット22経由で、管理端末19にデータを送信することにより、各管理者に農作物の生育環境に関係する物理量の測定データなど各種情報が提供される。管理者は、農業ハウス40に行くことなく、屋外または自宅43においても農作物の生育環境を把握することができ、必要に応じて管理端末19への入力により電磁弁12、換気装置42などの遠隔手動操作ができるようになっている。
【0042】
以下、農業ハウスに適用した場合の本発明による植物管理システムの作用を説明する。
1)個別通常制御
農業ハウス40における農作物管理の場合、コンピュータサーバー23に、各区域における温度、湿度などの制御のためのテーブルを記憶しておく。このテーブルは、季節ごと、農作物の種類などによって異ならせることができ、温度、湿度などの物理量についてのしきい値を記憶する。このテーブルのデータは、管理端末入力による管理者の手動による操作によっても修正することができ、またデータ蓄積による学習機能を持たせることができる。管理端末19の表示部により、管理者に、光、温度、湿度、これらの積算値、潅水量などのデータが提供される。管理者は、管理端末19から指示を与えることにより、手動で給水開始、遮光カーテンの巻き上げなどを遠隔操作することができる。
【0043】
また、テーブルに土中水分量、温度、光量のしきい値を設定しておき、土中水分量、温度、光量の測定値との比較結果により、コンピュータサーバー23からノード装置16への制御指令に基づいて、自動で電磁バルブ12に開指令を与えて、潅水制御設備より給水開始することができる。さらに、コンピュータサーバー23からノード装置16への制御指令に基づいて、自動で遮光カーテンの巻き上げ機、窓開閉装置などを操作することもできる。
【0044】
2)異常気象時の共通制御
コンピュータサーバー23は、高温注意報などの異常気象予報、その他の気象データをインターネット経由で逐次収集している。コンピュータサーバー23は、記憶された測定データ、生育状況データと、気象データに基づいて共通推奨値を決定する。
【0045】
共通制御を希望している場合、この共通推奨値に基づいて、コンピュータサーバー23からノード装置16に、制御指令が送られる。たとえば、土中水分が正常値、生育状況データが正常値、気象データとして高温注意報が出ている場合、ノード装置16に、電磁弁12を一定時間開状態として、緊急給水する。また、複数の区域のうち1つの区域の温度センサーで高温が測定された場合、この高温状態が他の区域にも伝播するものとして、他の区域のノード装置に給水のための制御指令を送り、自動で給水を行うことにより農作物への被害を防止することが可能となる。
【0046】
また、コンピュータサーバー23は、全ての管理者の管理端末19に、共通推奨値を送信する。ある管理者が共通制御を希望していない場合にも、管理端末19への入力により、電磁弁12を遠隔操作することができる。
【0047】
3)ビッグデータによる制御
コンピュータサーバー23は、生育状況データが望ましい値となる場合について、記憶された各センサーによる測定値から所定の分析アルゴリズムを使用して、その相関を求め、共通推奨値として記憶する。すなわち、コンピュータサーバー23に、ノウハウが蓄積されることになる。なお、この共通推奨値は、ビッグデータの利用により得られるものであって、各管理者が設定したしきい値などが他の管理者に直接的に提供されることはない。すなわち、各管理者は、自己の経験により獲得したノウハウ自体が、このシステムを介して他の管理者に知られることを防ぐことができる。コンピュータサーバー23は、各区域の実際の測定データに応答して、各ノード装置16を介して、各電磁弁12への開閉指令を与える。
【0048】
各管理者は、ビッグデータによる制御を希望するかどうかの指令を、希望する場合はY、希望しない場合はNとしてその管理端末19からコンピュータサーバー23に送る。コンピュータサーバー23は、この指令(YまたはN)を管理者情報記憶部31に記憶する。
【0049】
各管理者は、希望する旨の応答Yを送信することにより、ビックデータアドバイスおよび自動制御を受けることができる。ある管理者がビッグデータ解析のよる自動制御よりも、自己の経験による制御が優れていると考える場合などには、希望しない旨の応答Nを送信する。この場合にも、ビックデータによる共通推奨値を管理端末19のディスプレイに表示されるアドバイスとして受信することができ、手動による制御の参考とすることができる。
【0050】
本発明の一実施形態による植物管理システムでは、各施設管理者による個別制御の他に、複数の区域を含む地域全体に対する共通制御を提供可能であり、共通制御において、個々の施設管理者の有するノウハウ保護に配慮しつつ、地域全体について効率的な管理が可能となる。