(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0010】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態における生体測定装置10及び通信端末20の外観を示す図である。
【0011】
生体測定装置10は、被測定者の体の健康状態を示す生体情報を測定する装置である。本実施形態の生体情報としては、生体測定装置10にて被測定者を直接測定することにより得られる生体情報と、被測定者の入力操作により得られる生体情報と、これらの生体情報を所定の回帰式で演算することにより得られる生体情報とが挙げられる。
【0012】
生体測定装置10は、電源スイッチ1と、体重を計測する体重計2と、両足の生体インピーダンスを計測するための電極部3及び4と、両手の生体インピーダンスを計測するための電極部5及び6と、表示操作装置7と、通信装置8と、印刷装置9とを備える。
【0013】
体重計2には、被測定者の両足を載せる載台面に両足の各底面が接触するように電極部3及び4が配置されている。電極部3及び4は、被測定者の左右の足にそれぞれ電流を流すための電極3a及び4aと、両足の電圧を測定するための電極3b及び4bとにより構成される。また、電極部5及び6の各々についても、被測定者の左右の手にそれぞれ電流を流すための第1電極と、両手の電圧を測定するための第2電極とにより構成される。
【0014】
表示操作装置7は、被測定者の身長、年齢、性別などの基礎生体情報を入力可能な操作部101(
図2参照)と、被測定者に測定結果を表示する表示部107(
図2参照)とを備えている。表示操作装置7は、例えば、タッチパネル式の液晶表示装置により実現される。
【0015】
通信装置8は、通信端末20との間で通信を行う。例えば、通信装置8は、近距離無線通信や携帯電話網などを用いて通信を行う。本実施形態の通信装置8は、生体測定装置10にて得られた生体情報を通信端末20に送信する。
【0016】
通信端末20は、近距離無線通信や携帯電話網などを用いて通信を行う携帯端末である。本実施形態の通信端末20は、通信装置8から送信された生体情報を受信し、受信した生体情報に基づいて画面21に測定結果を表示する。
【0017】
図2Aは、本実施形態における生体測定装置10の主要な機能構成を示すブロック図である。
【0018】
生体測定装置10は、操作部101と、測定部102と、生体情報演算部103と、記憶部104と、送信部105と、生体図形処理部106と、表示部107と、制御部108とを備える。
【0019】
操作部101は、電源スイッチ1をON又はOFFに切り替える操作を受け付ける。また、操作部101は、被測定者の操作により入力された基礎生体情報を受け付ける。操作部101には、例えば、タッチセンサや、ボタン、ダイヤルなどにより情報が入力される。
【0020】
測定部102は、体重計2を用いて被測定者の体重を測定する。さらに測定部102は、電極部3乃至6を用いて被測定者の生体インピーダンスを測定する。
【0021】
生体情報演算部103は、測定部102で測定された体重及び生体インピーダンスや、操作部101で入力された身長、年齢及び性別などの基礎生体情報を所定の回帰式に適用して他の生体情報を演算する。他の生体情報としては、例えば、全身及び全身の各部位ごとの脂肪率、脂肪量、除脂肪量、筋肉量、内臓脂肪量、内臓脂肪レベル、内臓脂肪面積、皮下脂肪量、基礎代謝量、骨量、体水分率、水分量、BMI(Body Mass Index)、細胞内液量、細胞外液量、ボディバランスなどの生体指標が挙げられる。なお、本実施形態では生体指標ごとに1つの生体情報が割り当てられている。
【0022】
記憶部104は、不揮発性メモリ(ROM;Read Only Memory)や揮発性メモリ(RAM;Random Access Memory)などにより構成される。記憶部104には、生体測定装置10の動作を制御する制御プログラムが格納されている。記憶部104は、本実施形態の機能を実現するプログラムを格納する記録媒体である。
【0023】
記憶部104は、操作部101に入力された基礎生体情報や、測定部102で測定された体重及び生体インピーダンス、生体情報演算部103で所定の回帰式を用いて算出された演算結果を生体情報として時間情報と関連付けて記憶する。さらに記憶部104は、生体情報を被測定者の健康状態を表わす生体図形に変換するための図形変換テーブルを記憶する。
【0024】
送信部105は、被測定者の健康状態を通知するために、記憶部104に記憶された生体情報を、通信装置8を介して通信端末20に送信する。通信端末20に送信される生体情報としては、例えば、体重、身長、全身及び各部位ごとの脂肪率、脂肪量、除脂肪量、筋肉量、内臓脂肪レベル、皮下脂肪量、基礎代謝量、骨量、体水分率、BMIなどが挙げられる。
【0025】
生体図形処理部106は、表示部107に表示するための生体情報を取得すると、記憶部104に記憶された図形変換テーブルを参照して、取得した生体情報の数値ごとに異なる外観となる生体図形を生成する。生体図形処理部106は、生成した生体図形を表示部107に表示するための図形表示データを生成する。なお、生体図形処理部106は、生体情報処理装置に相当する。
【0026】
表示部107は、記憶部104に記憶された生体情報や生体図形などを表示する表示手段である。
【0027】
制御部108は、中央演算処理装置(CPU;Central Processing Unit)と、入力インターフェースと、これらを相互に接続するバスとにより構成される。制御部108は、記憶部104に格納されている制御プログラムを読み出して中央演算処理装置に実行させることにより、入力インターフェースを介して生体測定装置10の各部を制御する。
【0028】
本実施形態の制御部108は、操作部101、測定部102、生体情報演算部103、記憶部104、送信部105、生体図形処理部106及び表示部107の各々を制御する。本実施形態の制御部108は、操作部101、測定部102及び生体情報演算部103から生体情報を取得し、その生体情報の数値に応じて生体図形の外観を変更する。
【0029】
図2Bは、本実施形態における通信端末20の主要な機能構成を示すブロック図である。
【0030】
通信端末20は、送信部105から送信された生体情報に基づいて生体図形を表示する。通信端末20は、操作部201と、生体情報受信部202と、図形変換情報記憶部203と、生体図形処理部204と、表示部205と、制御部206とを備える。
【0031】
操作部201は、使用者の入力操作を受け付ける。本実施形態の操作部201は、例えば、生体測定装置10からの生体情報の受信を指示する操作を受け付ける。
【0032】
生体情報受信部202は、生体測定装置10の送信部105と通信を行い、送信部105から送信された生体情報を受信する。
【0033】
図形変換情報記憶部203は、不揮発性メモリ(ROM;Read Only Memory)や揮発性メモリ(RAM;Random Access Memory)などにより構成される。図形変換情報記憶部203には、通信端末20の動作を制御する制御プログラムが格納されている。図形変換情報記憶部203は、本実施形態の機能を実現するプログラムを格納する記録媒体である。
【0034】
本実施形態の図形変換情報記憶部203は、受信された生体情報を記憶するとともに、生体測定装置10の記憶部104と同じように図形変換テーブルを記憶する。図形変換テーブルは、図形変換情報記憶部203にあらかじめ記憶されている。なお、生体測定装置10から生体情報とともに図形変換テーブルを受信するようにしてもよい。
【0035】
生体図形処理部204は、生体測定装置10の生体図形処理部106と同様の構成である。本実施形態において、生体図形処理部204は、図形変換情報記憶部203に記憶された生体情報の全部又は一部を取得し、1つの生体情報ごとに図形変換テーブルを参照して、図形表示データを生成する。なお、生体図形処理部204は、生体情報処理装置に相当する。
【0036】
表示部205は、図形表示データにより生成される生体図形と、図形変換情報記憶部203に記憶された複数の生体情報の数値とを所定の形式で表示する表示手段である。
【0037】
制御部206は、中央演算処理装置(CPU)と、入力インターフェースと、これらを相互に接続するバスとにより構成される。制御部206は、図形変換情報記憶部203に格納されている制御プログラムを読み出して中央演算処理装置に実行させることにより、入力インターフェースを介して通信端末20の各部を制御する。
【0038】
本実施形態の制御部206は、操作部201、生体情報受信部202、図形変換情報記憶部203、生体図形処理部204及び表示部205の各々を制御する。本実施形態の制御部206は、生体図形処理部204により生成された図形表示データに基づいて、4つの生体情報の数値を外観に反映した生体図形を表示部205に表示させる。
【0039】
図3は、表示部205に表示される生体図形の表示画像の一例を示す図である。
【0040】
表示画像205Aには生体図形Aが示されており、生体図形Aは、多面体30と、多面体30の中心(重心)から放射される複数の球体41乃至43とにより構成される。
【0041】
この例においては、多面体30が青色に着色され、球体41乃至43の各々が白色に着色されている。球体41については大部分が多面体30から露出し、球体42については半分が多面体30から露出し、球体43については先端部分が多面体30から露出している。なお、多面体30を構成する各頂点は、多面体30の中心に対して遠近する方向に所定の周期で振動している。
【0042】
生体図形Aにおいては、第1の生体情報の数値に応じて多面体30の色が変化し、第2の生体情報の数値に応じて球体41乃至43の大きさが変化する。また、第3の生体情報の数値に応じて多面体30の面数が増減し、第4の生体情報の数値に応じて多面体30の各頂点の振動幅が変化する。
【0043】
このように本実施形態においては、多面体30における色の階調や、面の一群、頂点の一群、複数の球体40などの生体図形Aの外観を構成する同種の要素の各々を、各々異なる一つの生体情報の数値に応じて変化させる。このように、生体情報の数値ごとに生体図形Aの外観及び輪郭が変化するので、通信端末20の表示部205には、被測定者だけのユニークな生体図形Aが表示される。このため、被測定者に対して生体情報の測定に関心を持たせることができるようになる。
【0044】
図4は、本実施形態における生体測定装置10の制御方法の処理手順例を示すフローチャートである。
【0045】
まず、生体測定装置10の電源スイッチ1がONに設定されると、ステップS1において制御部108は、電源ONの操作ありと判断する。
【0046】
ステップS2において制御部108は、電源スイッチ1、体重計2、電極部3乃至6、表示操作装置7、通信装置8及び印刷装置9の各々を初期化する。
【0047】
ステップS3において制御部108は、表示部107を制御して着衣の重さの入力を求めるメッセージを表示操作装置7に表示し、被測定者によって入力された着衣の重さを操作部101から取得する。
【0048】
ステップS4において制御部108は、測定部102を制御して被測定者の重さを測定する。そして制御部108は、表示部107を制御して、測定値から着衣の重さを減じた数値を被測定者の体重として表示操作装置7に表示する。制御部108は、その体重を生体情報として記憶部104に記録する。
【0049】
ステップS5において制御部108は、表示部107を制御して被測定者の性別や、年齢、身長などの基礎生体情報の入力を求めるメッセージを表示操作装置7に表示し、被測定者によって入力された基礎生体情報を操作部101から取得する。制御部108は、被測定者の基礎生体情報を生体情報として記憶部104に記録する。
【0050】
なお、生体測定装置10に撮像装置を備えて被測定者の顔を撮像し、撮像された顔画像データに一般的な顔認識処理を施し、その処理により得られる被測定者の性別、年齢、身長などを基礎生体情報として用いるようにしてもよい。
【0051】
ステップS6において制御部108は、測定部102を制御して電極3aから電極4aに交流電流を供給し、この状態で電極3bと電極4bとの間の電圧を検出する。そして測定部102は、供給した電流値、及び検出した電圧値に基づいて右足、左足の生体インピーダンスを算出する。同様に、測定部102は、電極部5における第1電極から電極部6における第1電極に交流電流を供給し、この状態で電極部5及び6における第2電極間の電圧を検出する。そして測定部102は、供給した電流値、及び検出した電圧値に基づいて右手、左手の生体インピーダンスを算出する。
【0052】
このように測定部102は、右足、左足、右手及び左手の各部位、並びに全身の生体インピーダンスを算出する。制御部108は、算出した全身及び各部位ごとの生体インピーダンスを記憶部104に記録する。
【0053】
ステップS7において制御部108は、生体情報演算部103を用いて、体重、全身及び各部位ごとの生体インピーダンス、身長、年齢及び性別などの基礎生体情報を所定の回帰式に適用して、表示部107に表示される生体情報を演算する。
【0054】
本実施形態における生体情報演算部103は、基礎代謝量や、全身の筋肉量、内臓脂肪レベル、身体の左右のバランスの崩れ度合いを示すボディバランスなどを生体情報として算出する。生体情報演算部103は、身体における左側の筋肉量と右側の筋肉量との差分又は比率に基づいてボディバランスを算出する。例えば、生体情報演算部103は、右腕及び右足の筋肉量から左腕及び左足の筋肉量を減じた値を、右足筋肉量と左足筋肉量の平均値により除してボディバランスを算出する。制御部108は、生体情報演算部103により算出された演算結果を生体情報として記憶部104に記録する。
【0055】
ステップS8において制御部108は、表示部107を制御して、記憶部104に時間情報と関係付けて記憶された生体情報の全部又は一部を表示操作装置7に表示する。また、制御部108は、今回の測定結果を通信端末20に送信するか否かを問合せるメッセージを表示する。そして制御部108は、測定結果の送信を求める旨の入力を操作部101から受け付けると、送信部105を制御して時間情報と関連付けられた生体情報を通信装置8から通信端末20に送信する。
【0056】
ステップS9において制御部108は、生体図形処理部106を用いて、記憶部104に記憶された生体情報と上述の図形変換テーブルとに基づいて、
図3に示したような生体図形Aを構成する図形表示データを生成する。この処理の詳細については後で
図5乃至
図12を参照して詳細に説明する。
【0057】
ステップS10において制御部108は、表示部107を制御して図形表示データにより生成される生体図形を表示操作装置7に表示する。
【0058】
ステップS11において制御部108は、印刷装置9を制御して、生体情報の数値や生体図形を示す評価データを印刷する。その後、生体測定装置10の制御方法についての一連の処理が終了する。
【0059】
図5は、ステップS9で実行される生体図形処理についての処理手順例を示すフローチャートである。
【0060】
ステップS91において生体図形処理部106は、生体図形の表示に必要となる複数の生体情報を取得する。すなわち、生体図形処理部106は、体の状態を示す生体情報を取得する取得手段を構成する。本実施形態の生体図形処理部106は、記憶部104に記憶された生体情報のうち4つの生体情報として、基礎代謝量、内臓脂肪レベル、筋肉量、及びボディバランスを抽出する。
【0061】
上述の生体情報のうち、基礎代謝量は、除脂肪量、体重及び年齢に相関する。内臓脂肪レベルは、内臓周りの脂肪レベルであり、脂肪量、身長及び年齢に相関する。筋肉量は、骨格筋及び水分を含む筋肉組成の質量であり、除脂肪量及び骨塩量に相関する。ボディバランスは、身体における左右の腕及び足の筋肉量の差分から身体のバランスを評価する生体指標である。
【0062】
ステップS92において生体図形処理部106は、生体図形の外観を構成するための図形要素テーブルと生体情報とが一対一で対応付けられた図形変換テーブルを記憶部104から取得する。そして生体図形処理部106は、図形変換テーブルのうちステップS91で取得した生体情報の各々に対応する図形要素テーブルをそれぞれ参照する。すなわち、生体図形処理部106は、生体図形の外観を構成する図形要素ごとに異なる生体情報を対応付ける対応付手段を構成する。図形変換テーブルについては後で次図を参照して説明する。
【0063】
ステップS93において生体図形処理部106は、1つの生体情報ごとに、その生体情報に対応付けられた図形要素の値を、その生体情報の数値に応じて変更する。すなわち生体図形処理部106は、生体情報に対応付けられた図形要素に対して、その生体情報の大きさに応じた互いに異なる値を設定する設定手段を構成する。
【0064】
ステップS94において生体図形処理部106は、4つの生体情報に対応する図形要素の各値を含む図形表示データを生成する。すなわち、生体図形処理部106は、図形要素に設定された値に基づいて、図形要素によって構成される生体図形の表示データを生成する生成手段を構成する。その後、生体図形処理についての一連の処理が終了する。
【0065】
なお、S9で実行される生体図形処理は、通信端末20の生体図形処理部204においても同様に行われる。すなわち、記憶部104及び図形変換情報記憶部203には、生体図形処理をコンピュータが実行可能なプログラムが記憶されている。また、本実施形態では生体測定装置10が生体図形処理を実行する例について説明したが、S9の生体図形処理については通信端末20とは異なる他のコンピュータ、例えば通信端末20と携帯電話網を介して接続される外部サーバで実行してもよい。
【0066】
例えば、生体測定装置10は、生体図形処理がプログラムされた中央演算処理装置(CPU)と図形変換テーブルが記憶された記憶装置とを備えるマイクロコンピュータに接続される。マイクロコンピュータは、生体測定装置10にて測定された生体情報を受信すると、図形変換テーブルを参照して生体情報の数値に基づき生体図形の図形表示データを生成し、生成した図形表示データを生体測定装置10に送信する。このように他のマイクロコンピュータに対して生体図形処理を実行させるようにしてもよい。
【0067】
図6は、記憶部104に記憶される図形変換テーブル104Aの一例を示す観念図である。図形変換テーブル104Aには、4つの生体情報に対応する図形要素テーブルT1乃至T4が格納されている。
【0068】
第1図形要素テーブルT1には、1つの生体情報である基礎代謝量Meと、生体図形の外観を構成する多面体の色の階調とが互いに対応付けられている。基礎代謝量Meの下限値u
LLから上限値u
HLまでの変動範囲内において、基礎代謝量Meの数値が区切u
1乃至u
nを段階的に上回るたびに色の階調A
1乃至A
nが単調に増加又は減少する。ステップ数nは正数であり、ステップ数nが大きくなるにつれて多面体の色が連続的に変化する。ステップ数nは、例えば256に設定される。
【0069】
第2図形要素テーブルT2には、生体情報である内臓脂肪レベルFlと、生体図形の外観を構成する球体の大きさとが互いに対応付けられている。内臓脂肪レベルFlの下限値v
LLから上限値v
HLまでの変動範囲内において、内臓脂肪レベルFlの数値が区切v
1乃至v
nを段階的に上回るたびに球体の大きさB
1乃至B
nが単調に増加又は減少する。
【0070】
第3図形要素テーブルT3には、生体情報である筋肉量Muと、生体図形の外観を構成する多面体の面の数とが互いに対応付けられている。筋肉量Muの下限値w
LLから上限値w
HLまでの変動範囲内において、筋肉量Muの数値が区切w
1乃至w
nを段階的に上回るたびに面の数C
1乃至C
nが単調に増加又は減少する。
【0071】
第4図形要素テーブルT4には、生体情報であるボディバランスBaと、生体図形の外観を構成する各頂点の振動幅とが互いに対応付けられている。ボディバランスBaの下限値x
LLから上限値x
HLまでの変動範囲内において、ボディバランスBaの数値が区切x
1乃至x
nを段階的に上回るたびに頂点の振動幅D
1乃至D
nが単調に増加又は減少する。
【0072】
このように、上述の図形変換テーブル104Aが記憶部104に記憶されている。すなわち、記憶部104は、1つの生体情報ごとに、その生体情報の数値と、図形要素に設定される値とが互いに対応付けられた図形要素テーブルT1乃至T4を記憶する記憶手段を構成する。
【0073】
そして、生体図形処理部106は、生体情報を取得すると、記憶部104に記憶された複数の図形要素テーブルT1乃至T4を参照し、これらのテーブルのうち取得した生体情報に対応する図形要素テーブルを特定(選択)する。そして生体図形処理部106は、特定した図形要素テーブルに基づいて、取得した生体情報の数値に対応付けられた値を生体表示データの生成に必要となる図形要素に設定する。このように生体図形処理部106は、記憶部104に記憶された図形変換テーブル104Aを用いて図形表示データを生成することにより、4つの生体情報の数値に応じて1つの生体図形の外観が複雑に変化するので、被測定者だけのユニークな生体図形を生成しやすくなる。
【0074】
図7は、第1図形要素テーブルT1における各区切u
1乃至u
nの設定手法の一例を示す図である。
図7には、生体情報の数値に対する人数の分布が示されており、横軸が基礎代謝量Meの各区間(各領域)を示し、縦軸が各区間の人数を示す。
図7に示す正規分布曲線Sは、基礎代謝量Meの統計データから抽出した下限値、中央値、上限値に基づいて演算したものである。
【0075】
図7に示すように、正規分布曲線Sの分布度数が大きくなるほど(中央値に近づくほど)、生体情報の範囲を示すステップ幅が小さな値に設定され、分布度数が小さくなるほど(上限値または下限値に近づくほど)、ステップ幅は大きな値に設定される。例えば、各区間のステップ幅は、ステップ幅と人数の積が一定の値となるように設定される。
【0076】
このように、生体情報である基礎代謝量Meの数値がその生体情報の大きさに応じた人数分布の中央値に近づくほど、ステップ幅は小さな値に設定される。これにより、各区間のステップ幅を同一の値に設定する場合に比べて、基礎代謝量Meが中央値付近である被測定者に対して、基礎代謝量Meのわずかな差で外観の異なる生体図形を提供することができる。
【0077】
すなわち、生体情報の数値が特定の値に近づくほど、生体情報の数値の変化量に対する図形要素に設定される変化量を大きくすることにより、生体図形の外観の変化度合いが大きくなる。したがって、被測定者に対して一人ひとり異なる特有の生体図形を提供することが可能になる。なお、第2図形要素テーブルT2、第3図形要素テーブルT3、及び第4図形要素テーブルT4についても同様の手法により、各区切り(v
1乃至v
n、w
1乃至w
n、およびx
1乃至x
n)が設定される。
【0078】
なお、本実施形態では、上述のステップ幅を変更する基準として生体情報の各領域における人数分布の中央値を用いた例を説明した。しかしながら、中央値に代えて平均値、最頻値、偏差、及び標準偏差などの統計量が用いられてもよい。このような他の統計量を用いたとしても、生体情報の数値が頻出しやすい区間を推定することができるので、多数の被測定者に同一の生体図形が割り当てられてしまうという事態を低減することができる。
【0079】
次に、本実施形態における図形要素ごとに生体図形の外観の変更手法について
図8乃至
図11を参照して説明する。
【0080】
図8は、本実施形態における基礎代謝量の数値に応じた生体図形の外観の変化を示す図である。
【0081】
図8に示すように、基礎代謝量Meを示す生体情報は、生体図形を構成する多面体30の色の階調Aを変化させる生体指標である。本実施形態では、生体図形処理部106及び204が、基礎代謝量Meの数値が小さくなるほど多面体30の色を緑色から青色に変化させ、数値が大きくなるほど多面体30の色を緑色から赤色に変化させる。
【0082】
このように、基礎代謝量Meの数値が大きくなるほど多面体30の色を赤くすることにより、生体図形を見た被測定者に対して、脂肪を燃焼させやすい体質であるという印象を与えられるので、基礎代謝量Meが高いことを直感的に理解させることができる。一方、基礎代謝量Meの数値が小さくなるほど多面体30を青くすることにより、脂肪を燃焼させにくい体質であるという印象を与えられるので、被測定者に対して基礎代謝量Meが低いことを直感的に理解させることができる。
【0083】
すなわち、基礎代謝量Meの数値が大きくなるほど生体図形の色を青から赤に変化させることにより、被測定者は、生体図形の色自体から基礎代謝量Meの程度を観念できるので、自身の基礎代謝量Meを直感的に把握することが可能になる。
【0084】
また、基礎代謝量Meの数値に応じて生体図形の色を変化させることにより、被測定者は生体図形の外観の変化を容易に認識することができ、他人の生体図形との差異を認識しやすくなる。このため、被測定者に対して自身の健康状態を表わした生体図形が自分だけの固有なものであるという印象を与え易くなる。
【0085】
図9は、本実施形態における内臓脂肪レベルFlの数値に応じた生体図形の外観の変化を示す図である。
【0086】
図9に示すように、内臓脂肪レベルFlを示す生体情報は、多面体30の中心から放射される所定数の白色の球体40の大きさBを変化させる生体指標である。本実施形態では、生体図形処理部106及び204が、内臓脂肪レベルFlの数値が小さくなるほど球体40の直径を小さくし、数値が大きくなるほど球体40の直径を大きくする。このような場合には、
図6に示した球の大きさB
1乃至B
nについては、B
1からB
nに向かって球の大きさBが大きくなるように設定される。
【0087】
このように、内臓脂肪レベルFlに応じて球体40の大きさBを変化させることでも、被測定者は生体図形の外観の変化を容易に認識することができ、他人の生体図形との差異が認識しやすくなる。よって、被測定者に対して自身の健康状態を表わした特徴的な図形であるという印象を与え易くなる。また、被測定者は、球体40の大きさ自体から内臓脂肪レベルFlの程度を観念することができるので、自身の内臓脂肪レベルFlを直感的に把握することが可能になる。
【0088】
なお、本実施形態では球体40の直径を変化させる例について説明したが、これに限られるものではない。例えば、球体40の数量を増やしてもよいし、所定数の球体40の直径があらかじめ定められた閾値を上回った場合にのみ球体40の数量を増やすようにしてもよい。
【0089】
また、本実施形態では多面体30から放出された後の球体40の直径は変更されていないが、多面体30の面から球体40が離れるほど、球体40の大きさBを徐々に小さくするようにしてもよい。あるいは、内臓脂肪レベルFlの数値に応じて球体40の色を変更してもよく、例えば、内臓脂肪レベルFlの数値が小さくなるほど球体40の白色の透明度を高くし、数値が大きくなるほど球体40の白色の透明度を低くする。
【0090】
さらに、本実施形態では多面体30の内部から複数の球体40が放射されたが、球体40を放出させることなく多面体30の面に半分だけ複数の球体40を付着させるようにしてもよい。この場合においては内臓脂肪レベルFlの数値に応じて、多面体30を構成する複数の面のうち球体40を付着させる面を他の面に変更させるようにしてもよい。
【0091】
図10は、本実施形態における筋肉量Muの数値に応じた生体図形の外観の変化を示す図である。
【0092】
図10に示すように、筋肉量Muを示す生体情報は、多面体30の面数Cを変化させる生体指標である。本実施形態では、生体図形処理部106及び204が、筋肉量Muの数値が小さくなるほど多面体30の面数Cを少なくし、数値が大きくなるほど多面体30の面数Cを多くする。このため、
図6に示した面の数C
1乃至C
nについては、C
1からC
nに向かって面数Cの値が大きくなるように設定される。
【0093】
このように、筋肉量Muに応じて多面体30の面数Cを変化させることでも、生体図形の外形全体が変化し、他人の生体図形との差異が認識しやすくなるので、被測定者に対して生体図形が自分だけの健康状態を表わした固有のものであるという印象を与え易くなる。さらに筋肉量Muの数値が大きくなるほど多面体30の面数Cが増加するため、生体図形の形状が複雑になり、被測定者だけのユニークな生体図形を生成しやすくなる。
【0094】
具体的には、多面体30の面数Cが増えることで特定の面上に頂点が新たに追加されることになり、特定の面に凸部が形成されることになる。そして生体情報の数値がさらに大きくなって面数Cが増加すると、凸部がさらに変形するので、生体図形の形状が複雑になる。このように、生体情報の数値に応じて多面体30の特定の面に形成される凸部を変形させることにより、生体図形をユニークな形状に生成するこができる。
【0095】
また、筋肉量Muの数値を多面体30の面数Cに対応付けることにより、被測定者は、多面体30の面数Cから筋肉量Muの程度を観念することができるので、自身の筋肉量Muを直感的に把握することが可能になる。
【0096】
図11は、本実施形態におけるボディバランスの数値に応じた生体図形の外観の変化を示す図である。
【0097】
図11に示すように、ボディバランスBaを示す生体情報は、多面体30の各頂点32の位置を変化させる生体指標である。本実施形態のボディバランスBaは、正の値だけでなく負の値もとり得る。ボディバランスBaの数値が0(ゼロ)である場合には、ボディバランスBaが良い状態であり、数値が0から離れるほどボディバランスBaが悪い状態であることを示す。
【0098】
ここでは、ボディバランスBaの数値が0である場合において、多面体30の中心点(重心)31から各頂点32までの距離を同一の固定値とし、これらの頂点の位置を基準位置とする。そして生体図形処理部106及び204は、ボディバランスBaの数値の絶対値が小さくなるほど、基準位置からの頂点の振動幅Dを小さくし、絶対値が大きくなるほど頂点の振動幅Dを大きくする。この場合、
図6に示した頂点の振動幅D
1乃至D
nについては、D
1から段階的に0まで小さくなり、0から段階的にD
nまで大きくなるように振動幅Dが設定される。
【0099】
本実施形態においては、多面体30を構成する各頂点32が、所定の周期により、中心点31と基準位置とを結ぶ直線上を、基準位置を中心としてボディバランスBaの数値に対応する振動幅Dで振動する。また、各頂点32の振動の位相は互いにずれている。
【0100】
このように、ボディバランスBaの数値に応じて各頂点32の振動幅を変化させることにより、生体図形の外形全体が変わるので、被測定者に対して生体図形がユニークなものであるという印象を与え易くなる。また、振動幅Dにかかわらず各頂点32を同一の周期で振動させることにより、振動幅Dが大きくなるほど各頂点32の振動速度が速くなるので、他人の生体図形との差異が認識しやすくなる。
【0101】
さらに、各頂点32における振動の位相を互いにずらすことにより、多面体30の凹凸が大きくなるので、被測定者に対して生体図形が全体的に歪んでいるという印象を与えることができる。このため、被測定者は、複数の頂点32の変動から自身のボディバランスがどの程度悪いのかを観念することができるので、自身のボディバランスを直感的に把握することが可能になる。
【0102】
このように、生体情報の数値に応じて多面体30に形成される凹凸の度合いを変化させることにより、生体図形をユニークな形状に形成するこができるとともに、被測定者に対して生体情報の良し悪しを直感的に把握させることができる。
【0103】
なお、本実施形態では各頂点32を振動幅Dだけ振動させる例について説明したが、多面体30の形状が歪むように頂点32の位置を変更すればよく、これに限られるものではない。例えば、各頂点32を振動させることなく、各頂点32の位置から基準位置までの距離の総和が振動幅Dとなるように各頂点32を基準位置から自由に移動させるようにしてもよい。
【0104】
または、各頂点32を中心点31から基準位置の方向と直交する方向に向かってそれぞれ振動幅Dだけ移動させるようにしてもよい。さらに、各頂点32同士を互いに異なるタイミングにより振動幅Dだけ移動させるようにしてもよい。これにより、多面体30の凹凸が大きくなやすく、また多面体30の形状が歪みやすくなるので、ユニークな生体図形を生成することができる。
【0105】
あるいは、各頂点32の位置から基準位置までの変位の合成が0となるよう、頂点32の各々の位置を、各頂点32の基準位置と中心点31とを結ぶ直線上又はこれと直交する方向に移動させるようにしてもよい。また、本実施形態では多面体30を構成する全ての頂点を移動させる例について説明したが、全ての頂点のうちあらかじめ定められた頂点だけ移動させるようにしてもよい。例えば、中心点31を通る水平面に存在する頂点と水平面に隣接する頂点だけ移動させる。
【0106】
また、多面体30における互いに隣接する特定の頂点32については、一方の頂点32の移動方向に対して正反対の向きに他方の頂点32を移動させるようにしてもよい。これにより、多面体30の凹凸が大きくなり、生体図形が全体的に歪んでいるような印象を与えやすくなる。
【0107】
図12は、本実施形態における4つの生体情報を1つの生体図形で表わした表示画像205B及び205Cを説明する図である。表示画像205B及び205Cには、測定結果が比較的近い2つの生体図形B及びCが示されている。
【0108】
図12(a)に示すように、生体図形Bについては、多面体30の色は緑色であり、球体40の直径は比較的大きく、多面体30の面数は比較的少なく、多面体30の歪みは比較的大きい。このような外観を構成することにより、例えば、基礎代謝量Meが中程度であり、内臓脂肪レベルFlが高く、筋肉量Muは少なく、ボディバランスBaは悪いという印象を被測定者に与えることができる。
【0109】
一方、
図12(b)に示すように、生体図形Cについては、多面体30の色は赤色であり、球体40の直径は中程度であり、多面体30の面数は比較的多く、多面体30の歪みは比較的大きい。このような外観を構成することにより、例えば、基礎代謝量Meが大きく、内臓脂肪レベルFlが中程度であり、筋肉量Muは多く、ボディバランスBaが悪いという印象を被測定者に与えることができる。
【0110】
このように、測定された生体情報の数値を図形全体で表現することにより、被測定者は測定結果を生体図形の外観全体から直感的に把握することができるようになり、また、内臓脂肪レベルの数値などを直接見ることがないのでこれらの数値を見ることで生じる嫌な気持ちを避けることができる。したがって、生体情報の測定に対しての被測定者の前向きな気持ちが減退するのを軽減することができる。
【0111】
また、4つの生体情報の数値を1つの生体図形の互いに異なる図形要素にそれぞれ反映することで、被測定者は生体図形全体から自身の総合的な健康状態の評価を直感的に把握することができる。これに加えて、被測定者は一目で4つの生体情報の測定結果の程度又は傾向を把握することができる。なお、ここにいう図形要素とは、生体図形を構成する色の種類や、複数の球体のサイズ、全ての面の数、特定の頂点の変位量などの図形全体の外観を構成する同種の要素のことである。
【0112】
さらに、生体図形Bと生体図形Cを比較して分かるように、被測定者の一人ひとりに対して自分だけの特有の生体図形が表示されることになるので、被測定者は生体情報の測定が面白いと感じ易くなり、生体情報の測定に対する関心を高めることができる。
【0113】
<変形例>
なお、本実施形態では生体測定装置10の生体情報演算部103により算出された生体情報に基づいて生体図形A乃至Cを表示する例について説明したが、生体図形処理部106及び204が被測定者の属性情報を用いて生体図形A乃至Cの外観の基調を変更してもよい。属性情報としては、身長、年齢、性別などの基礎生体情報、被測定者の居住地の情報、被測定者が測定した時間やその時点の天気情報等とすることができる。属性情報は、
操作部101等により設定すればよい。
【0114】
例えば、属性情報に示された性別が女性である場合には、多面体30のサイズを若干小さくしたり、多面体30の頂点部分を丸くしたり、多面体30の色を薄くしたり、生体図形の動きを滑らかにする。一方、性別が男性である場合には、多面体30のサイズを若干大きくしたり、多面体30の凹凸を所定の量だけ増やしたり、多面体30の色を濃くしたり、生体図形の動きを速くして刺々しくしたりする。
【0115】
あるいは、属性情報に示された年齢や身長に応じて多面体30のサイズを変更したり、属性情報に示された被測定者の居住地情報に応じて、例えば、北海道地域は生体図形を構成する背景色を白色、中部地域は背景色を緑色、九州地域は背景色を青色に変更したりする。または、被測定者が測定した時間情報や天気情報に応じて背景色を観念しやすい色に変更するようにしてもよい。
【0116】
このように、生体図形処理部106及び204は、被測定者の属性情報に応じて生体図形の外観の基調を変更するようにしてもよい。これにより、一人ひとり異なるユニークな外観の生体図形が生成されやすくなるので、被測定者は生体情報の測定を楽しく行えるようになる。
【0117】
また、本実施形態では、図形要素テーブルT1乃至T4を格納した図形変換テーブル104Aを記憶し、生体図形処理部106は、取得した生体情報の各々に対応する図形要素テーブルを参照し(対応付け)、対応付けられた図形要素の値を、その生体情報の数値に応じた値に設定する例について説明したが、図形変換テーブル104Aを記憶させずに、生体情報の各々に対応した図形変換用の演算式を記憶させるようにしてもよい。この場合、取得した生体情報の各々に対応する図形要素変換用の演算式を参照し(対応付け)、対応付けられた図形要素の値を、その演算式を用いて演算して設定することができる。なお、このように、図形要素変換用の演算式を用いる場合においても、図形変換テーブルを用いる場合と同様、生体情報の統計データに基づいて、正規分布曲線Sの分布度数が大きくなるほど(中央値に近づくほど)、ステップ幅が小さな値に設定され、分布度数が小さくなるほど(上限値または下限値に近づくほど)、ステップ幅は大きな値に設定されるようにすることができる。
【0118】
本発明の第1実施形態によれば、通信端末20の生体図形処理部204は、生体情報処理装置を構成する。そして生体図形処理部204は、体の状態を示す生体情報を取得し、図形を構成する複数の要素のうち図形の外観を構成する同種の要素ごとに異なる生体情報を対応付ける。そして生体図形処理部204は、取得した生体情報に対応付けられた同種の要素に対してその生体情報の大きさに応じた互いに異なる値を設定し、設定した値に基づいて、同種の要素によって構成される生体図形の表示データを生成する。なお、生体測定装置10の生体図形処理部106も同様の処理を行う。
【0119】
このように、生体図形処理部204は、1つの生体情報に対して生体図形を構成する色の種類や、複数の球体40、多面体30を構成する面の数、複数の頂点の振動幅などの同種の要素を割り当てる。これにより、生体情報の数値に応じて生体図形の外観全体が変化するので、他人との生体図形の違いが認識しやすくなり、被測定者に対して自分だけの特有の生体図形であるという印象を与えることができる。さらに、生体図形を用いて生体情報の数値を表現することにより、被測定者が自身の数値を直接見る場合に比べて嫌な気分になるのを抑制することができる。
【0120】
また、本実施形態によれば、生体図形処理部204は、生体図形の外観を構成する同種の要素のうち生体図形の外形を構成する外形要素、例えば多面体30の面数Cや頂点の振動幅Dなどを生体情報に対応付ける。そして生体図形処理部204は、その外形要素に対応する生体情報の数値に応じた互いに異なる値を外形要素に設定することにより、生体図形の外形を段階的に変更することができる。これにより、被測定者に対して他人の生体図形とは異なる固有の生体図形を提供することができるとともに、被測定者は、自身の生体情報の数値が良いか悪いかの判断を行うことが可能になる。
【0121】
また、本実施形態によれば、生体図形処理部204は、生体情報の数値が特定の値に近づくほど、生体情報の数値の変化量に対する、同種の要素に設定される値の変化量を大きくする。これにより、生体情報の数値が特定の値に近づくほど生体図形の変化度合いが大きくなる。このため、被測定者等に認識させることを意図する基礎代謝量や内臓脂肪レベルなどの生体情報の種類ごとに特定の値を設定することで、この特定の値の近傍において被測定者の生体情報の数値が異なる場合、その差が比較的小さいとしても生体図形の外観が比較的大きく変化することとなる。
【0122】
例えば、生体情報の数値の発生頻度が高くなる特定の値近傍において生体図形の外観の変化度合いを大きくすることが可能になるので、生体情報の数値が集中しやすい数値範囲において被測定者ごとに異なる外観の生体図形を生成しやすくなる。なお、特定の値としては、生体情報の数値に対する人数の分布の中央値や、平均値、最頻値などが挙げられる。
【0123】
また、本実施形態によれば、
図8に示したように、生体情報の数値範囲を示す所定のステップ幅は、生体情報に関する統計データに基づいて定められる。生体図形処理部204は、生体情報の大きさに応じて、所定のステップ幅ごとに同種の要素に設定される値を変更する。これにより、生体情報の数値が集中しやすい区間を特定できるので、その区間のステップ幅を細かくすることができる。よって、生体情報の数値が集中しやすい区間であっても生体図形の外観を変更することが可能になる。
【0124】
また、本実施形態によれば、
図7に示したように、ステップ幅は、生体情報が統計分布の中央値又は平均値に近づくほど小さな値に設定される。これにより、各区間のステップ幅を同一に設定する場合に比べて、同一の生体図形が生成される確率を低減することができる。よって、被測定者の一人ひとりに対し同一の生体図形を表示するのを抑制することができる。
【0125】
また、本実施形態によれば、生体図形の外観を構成する同種の要素として、多面体30における色の種類、面数、頂点の変位量、又は、多面体30から放出される複数の放出物が用いられる。このような同種の要素の数量を変更することにより、生体図形の外観全体が変化するので、他人の生体図形との違いが認識しやすくなり、被測定者に対して自分だけの生体図形であるとの印象を与えることができる。
【0126】
なお、多面体30における頂点の変位量は、
図11に示したように、頂点32の振動幅であってもよいし、頂点32を振動させずに頂点32を基準位置から移動させた変位量であってもよい。また、多面体30を構成する各辺の長さを同種の要素としてもよい。この場合においても各辺の長さを変更することにより、生体図形の外観全体を変化させることができる。また、多面体30から放出される複数の放出物としては、例えば、球体40や、立方体、円錐体などが挙げられる。
【0127】
また、本実施形態によれば、
図6に示したように、生体情報の各々は、身体の基礎代謝量Me、内臓脂肪レベルFl、筋肉量Mu及びボディバランスBaであり、生体図形の外観全体を形成する同種の要素は、多面体30の色の種類A、面の数C、頂点の振動幅D、及び、多面体30から放出される複数の球体40の大きさBである。そして生体図形処理部204は、基礎代謝量Meを多面体30の色の種類Aに対応付けし、内臓脂肪レベルFlを球体40の大きさBに対応付けし、筋肉量Muを多面体30の面数Cに対応付けし、ボディバランスBaを多面体30における頂点の振動幅Dに対応付ける。
【0128】
このように、4つの生体情報の数値を1つの生体図形における互いに異なる同種の要素にそれぞれ反映することで、
図3及び
図12に示したように、被測定者は生体図形全体の外観から自身の総合的な健康状態の評価を直感的に把握することができる。
【0129】
また、本実施形態によれば、
図6に示したように、図形変換情報記憶部203は、生体情報の数値と、同種の要素に設定される値とが互いに対応付けられた図形要素テーブルT1乃至T4を生体情報ごとに記憶する。そして、生体図形処理部204は、生体情報を取得すると、図形変換情報記憶部203に記憶された図形要素テーブルT1乃至T4を参照し、図形要素テーブルT1乃至T4のうち取得した生体情報に対応する図形要素テーブルを特定する。生体図形処理部204は、特定した図形要素テーブルに基づいて、取得した生体情報の数値に対応付けられた値を同種の要素に設定する。
【0130】
このように、生体情報ごとの図形要素テーブルT1乃至T4を用いることにより、演算式を用いて図形要素の値を演算する場合に比べて、演算負荷を低減しつつ生体情報を生体図形に変換することができる。
【0131】
(第2実施形態)
次に本発明の第2実施形態における生体図形処理部204の動作について説明する。本実施形態では表示部205が生体図形を表示する前に、生体図形の構成要素を表示する点が第1実施形態と異なる。
【0132】
図13は、本発明の第2実施形態における生体図形処理についての処理手順例を示すフローチャートである。
【0133】
本実施形態における生体図形処理部204は、
図4に示したステップS9の生体図形処理に代えてステップS9Aの生体図形処理を実行する。ステップS9Aの生体図形処理は、
図4に示したステップS91乃至94の処理に加えてステップS81乃至S84の処理を備えている。ここではステップS81乃至S84の処理についてのみ詳細に説明する。
【0134】
ステップS81において生体図形処理部204は、図形変換情報記憶部203に記憶された生体情報のうち、身体の構成成分の成分量を示す複数の身体構成情報を取得する。すなわち、生体図形処理部204は、身体の構成成分を示す身体構成情報を取得する。
【0135】
なお、図形変換情報記憶部203に記憶された生体情報は、生体測定装置10の送信部105から送信された生体情報である。また、生体図形処理部204により取得される複数の身体構成情報は、脂肪量、筋肉量、骨量及び水分量である。
【0136】
身体構成情報のうち、脂肪量は、全身の脂肪量のことであり、身長、体重、年齢及び生体インピーダンスに相関する。筋肉量は、生体図形の表示にも用いられている。骨量は、骨全体に含まれるカルシウムなどのミネラル量であり、除脂肪量に相関する。水分量は、身体に含まれる血液やリンパ液、細胞間液、内臓内液などの水分量であり、身長、体重、年齢及び生体インピーダンスに相関する。
【0137】
ステップS82において生体図形処理部204は、身体構成情報を観念し得る図形を生成するための成分図形テーブルと身体構成情報とが一対一で対応付けられた成分図形変換テーブルを図形変換情報記憶部203から取得する。そして生体図形処理部204は、取得した成分図形変換テーブルのうち身体構成情報ごとに対応付けられた成分図形テーブルを参照する。すなわち、生体図形処理部106は、身体構成情報を観念させる成分図形ごとに異なる身体構成情報を対応付ける。成分図形変換テーブルについては後で次図を参照して説明する。
【0138】
ステップS83において生体図形処理部204は、1つの身体構成情報ごとに、その身体構成情報に対応付けられた成分図形の数量を、その身体構成情報の数値に応じて変更する。すなわち、生体図形処理部204は、取得した身体構成情報の大きさに応じて成分図形の数量を変更する。
【0139】
ステップS84において生体図形処理部204は、4つの身体構成情報に対応する成分図形の数量を示す成分表示データを生成する。その後、生体図形処理部204は、
図5で述べたステップS91の処理に進む。
【0140】
図14は、図形変換情報記憶部203に記憶される成分図形変換テーブル203Aの一例を示す観念図である。
【0141】
成分図形変換テーブル203Aには、4つの身体構成情報に対応する成分図形テーブルT11乃至T14が格納されている。成分図形テーブルT11乃至T14の各々には、1つの身体構成情報と、その身体構成情報を観念し得る成分図形の数量とが互いに対応付けられており、身体構成情報の数値が大きくなるほど、成分図形の数量が段階的に増加又は減少する。ステップ数mは、正数であり、例えば256に設定される。
【0142】
第1成分図形テーブルT11には、1つの身体構成情報である脂肪量Fと成分図形である円形の数とが互いに対応付けられており、第2成分図形テーブルT12には、筋肉量Muと四角形の数とが互いに対応付けられている。また、第3成分図形テーブルT13には、骨量Boと矢印の数とが互いに対応付けられており、第4成分図形テーブルT14には、水分量Moと雲形の数とが互いに対応付けられている。
【0143】
例えば、成分図形の数量E乃至Hについては、統計データの中央値又は平均値に対して、身体構成情報の数値が大きくなるほど各成分図形の数量を増やし、数値が小さくなるほど各成分図形の数量を減らす。
【0144】
このように、成分図形変換テーブル203Aを用いて4つの成分表示データを生成することにより、
図3及び
図12に示したような生体図形A乃至Cの生成に必要となる生体情報の主要成分を図形によって表示させることが可能になる。
【0145】
図15は、本実施形態における身体構成情報の数値と生体図形の数量との対応関係を示す図である。
【0146】
図15(a)乃至(d)に示すように、生体図形処理部204は、脂肪量F、筋肉量Mu、骨量Bo及び水分量Moを示す4つの身体構成情報について、いずれも数値が大きくなるほど、成分図形を構成する円形、四角形、矢印、及び雲形の数量をそれぞれ増加させる。
【0147】
図16は、本実施形態における成分図形と生体図形を表示する表示手法の一例を示す図である。
【0148】
図16(a)に示すように、表示部205は、4つの成分表示データに基づいて脂肪量F、筋肉量Mu、骨量Bo及び水分量Moにそれぞれ対応する円形、四角形、矢印及び雲形の成分図形を示す表示画像205Eを生成し、表示画像205Eを表示する。
【0149】
そして、
図16(b)に示すように、表示部205は、4つの成分図形の全てが画面の中心に集まるような表示画像205Fを生成し、表示画像205Fを画面21に表示する。その後、
図16(c)に示すように、表示部205は、例えば、
図3に示した生体図形Aを示す表示画像205Aを表示する。
【0150】
このように、表示部205は、生体図形Aを表示する前に生体図形Aの構成要素となる4つの成分図形を表示する。これにより、生体図形Aの構成要素を把握することができるとともに、生体図形Aに対する興味を被測定者に持たせることができる。さらに、被測定者に対して生体図形Aの面数が筋肉量Muと相関があり、脂肪量Fが球体40と相関があることを把握させることができる。
【0151】
また、生体図形Aの構成要素となる成分図形の数量を表示させることにより、被測定者に対して身体構成情報の数値が標準値に対して大きいのか小さいのかを直感的に把握させることができる。
【0152】
なお、本実施形態では円形、四角形、矢印及び雲形を用いて、それぞれ脂肪量F、筋肉量Mu、骨量Bo及び水分量Moを表示する例について説明したが、各身体構成情報を観念しやすい形状であればよく、これらに限られるものではない。
【0153】
例えば、脂肪量Fに対しては円形だけでなく球体のような曲線を含んだ図形を割り当て、筋肉量Muに対しては四角形だけでなく立方体のような多角形を含んだ図形を割り当てるようにしてもよい。さらに、骨量Boに対しては矢印だけでなく直線の両端が球状になった図形や骨の形などのような直線を含んだ図形を割り当て、水分量Moに対しては雲形だけでなく水飛沫、滝、噴水、水煙又は霧などのような不定形な図形を割り当てるようにしてもよい。
【0154】
また、本実施形態では身体構成情報の数値が大きくなるほど成分図形の数量を多くする例について説明したが、身体構成情報の数値が大きくなるほど成分図形のサイズ(大きさ)を大きくするようにしてもよい。
【0155】
本発明の第2実施形態によれば、制御部206は、身体の構成成分を観念させる成分図形に対して1つの身体構成情報を対応付けた成分図形変換テーブルを図形変換情報記憶部203に記憶する。生体図形処理部204は、生体情報のうち身体の構成成分を示す身体構成情報を取得し、取得した身体構成情報の大きさに応じて成分図形の数量又は大きさを変更し、変更した成分図形の数量又は大きさを含む成分表示データを生成する。これにより、生体図形の外観を変える生体情報と相関のある身体構成情報の数値を成分図形の数量で表示することが可能になる。
【0156】
また、本実施形態によれば、表示部205は、成分表示データにより生成される成分図形を表示し、その後に生体図形を表示する。これにより、被測定者は、生体図形を構成する複数の図形要素のうち生体情報の各々がどの図形要素に当たるのかを把握しやすくなるので、生体図形の外観から測定結果の良し悪しを把握することが可能になる。
【0157】
(第3実施形態)
次に本発明の第3実施形態における生体図形処理部204の動作について説明する。本実施形態では生体図形処理部204が、生体図形を時系列に表示するとともに、過去の生体図形から排出される成分図形の数量と最新の生体図形に吸収される成分図形の数量とを表示する点が上記実施形態と異なる。
【0158】
図17は、本発明の第3実施形態における生体図形処理についての処理手順例を示すフローチャートである。
【0159】
図17において生体図形処理部204は、
図4に示したステップS9の生体図形処理に代えて、ステップS9Bの生体図形処理を実行する。
【0160】
ステップS101において生体図形処理部204は、図形変換情報記憶部203に記憶された生体情報のうち、生体測定装置10にて測定された今回の生体情報と、今回の生体情報よりも前に生体測定装置10にて測定された前回の生体情報とを取得する。なお、生体測定装置10にて測定された生体情報には、基礎代謝量、内臓脂肪レベル、筋肉量及びボディバランスの4つの生体情報と4つの身体構成情報とが含まれている。
【0161】
すなわち、生体図形処理部204は、第1の測定時点で測定される前回の生体情報としての第1時生体情報と、第1の測定時点よりも後の第2の測定時点で測定される今回の生体情報としての第2時生体情報とを取得する。
【0162】
ステップS102において生体図形処理部204は、測定時期の異なる生体図形間での成分図形の吸排量を表示するための変化表示テーブルと身体構成情報の変化量とが一対一で対応付けられた対応テーブルを図形変換情報記憶部203から取得する。そして、生体図形処理部204は、身体構成情報ごとに、前回の数値から今回の数値までの成分変化量を求め、変化表示テーブルに対応付けられた成分図形の吸排量を設定する。
【0163】
すなわち、生体図形処理部204は、前回及び今回の生体情報にそれぞれ含まれる時系列の身体構成情報の間の時系列差分に応じて、その身体構成情報に対応付けられた成分図形の数量を増減する。
【0164】
ステップS103において生体図形処理部204は、4つの成分図形の数量を示す差分表示データを生成する。すなわち、生体図形処理部204は、同一の身体構成情報について、互いに異なる時点に測定された2つの身体構成情報の間の時系列差分に対応する成分図形の数量を示す差分表示データを生成する。
【0165】
ステップS104において生体図形処理部204は、今回の生体情報のうち生体図形の生成に必要となる生体情報ごとに、生体情報の数値に応じて、
図6に示した図形要素テーブルT1乃至T4に対応付けられた図形要素の値を設定する。
【0166】
ステップS105において生体図形処理部204は、前回の生体情報のうち生体図形の生成に必要となる生体情報ごとに、生体情報の数値に応じて図形要素テーブルT1乃至T4に対応付けられた図形要素の値を設定する。
【0167】
ステップS106において、生体図形処理部204は、ステップS104で設定された4つの図形要素の値と、今回の生体情報に関連付けられた時間情報とを含む今回の図形表示データを生成する。さらに生体図形処理部204は、ステップS105で設定された4つの図形要素の値と、前回の生体情報に関連付けられた時間情報とを含む前回の図形表示データを生成する。
【0168】
すなわち、生体図形処理部204は、前回及び今回の図形表示データとして、前回及び今回の生体情報に基づき第1及び第2の表示データをそれぞれ生成する。この後、ステップS9Bの生体図形処理についての一連の処理が終了する。
【0169】
図18は、図形変換情報記憶部203に記憶される対応テーブル203Bの一例を示す観念図である。
【0170】
対応テーブル203Bには、4つの身体構成情報の成分変化量に対応する変化表示テーブルT21乃至T24が格納されている。変化表示テーブルT21乃至T24の各々には、1つの身体構成情報の変化量と、その身体構成情報を観念し得る成分図形の排出数及び吸収数とが互いに対応付けられている。身体構成情報の成分変化量が0から大きくなるほど、成分図形の吸収数I
+1乃至I
+kが段階的に増加し、成分変化量が0から小さくなるほど、成分図形の排出数I
-1乃至I
-kが段階的に増加する。ステップ数kは、正数であり、例えば256に設定される。
【0171】
第1変化表示テーブルT21には、1つの身体構成情報の成分変化量である脂肪量Fの脂肪変化量Dfと成分図形である円形の排出数及び吸収数とが互いに対応付けられている。第2変化表示テーブルT22には、筋肉変化量Dmuと四角形の排出数及び吸収数とが互いに対応付けられている。また、第3変化表示テーブルT23には、骨変化量Dboと矢印の排出数及び吸収数とが互いに対応付けられており、第4変化表示テーブルT24には、水分変化量Dmoと雲形の排出数及び吸収数とが互いに対応付けられている。
【0172】
このように、対応テーブル203Bを参照することにより、前回の測定からの4つの身体構成情報の成分変化量を成分図形の排出数と吸収数に変換することができる。
【0173】
図19は、本実施形態における生体図形の推移を成分図形とともに表示する表示手法の一例を示す図である。
【0174】
図19に示すように、表示画像205Gのうち、左側に示された時間情報(X月)と生体図形X1とが前回の図形表示データに基づいて生成され、右側に示された時間情報(Y月)と生体図形Y1とが今回の図形表示データに基づいて生成される。
【0175】
さらに、表示画像205Gの上側に示された成分図形排出表示X2には、生体図形X1から排出される成分図形として複数の円形が示されている。成分図形排出表示X2において、生体図形を構成する複数の円形は、生体図形X1から排出されるように斜め上側に移動する。
【0176】
この成分図形排出表示X2により、円形に対応する身体構成情報は脂肪量Fであることから、被測定者は前回の測定から脂肪量Fが減少したことを認識することができる。なお、前回の測定から脂肪量Fが減少しているため、脂肪変化量Dfは負の値を示す。
【0177】
一方、表示画像205Gの下側に示された成分図形吸収表示Y2には、生体図形Y1に吸収される四角形、矢印及び雲形の3つの成分図形が複数示されている。成分図形吸収表示Y2において、成分図形を構成する複数の四角形、矢印及び雲形は、生体図形Y1に吸収されるように、生体図形Y1に向かって斜め下側から移動する。
【0178】
この成分図形吸収表示Y2により、四角形、矢印、及び雲形に対応する身体構成情報はそれぞれ筋肉量Mu、骨量Bo及び水分量Moであることから、被測定者は前回の測定から、筋肉量Muと骨量Boと水分量Moが増加したことを認識することができる。なお、前回の測定から筋肉量Muと骨量Boと水分量Moが増加しているため、筋肉変化量Dmuと骨変化量Dboと水分変化量Dmoとは正の値を示す。
【0179】
このように、生体図形処理部204は、4つの身体構成情報について成分変化量が正であるか負であるかを判断する。そして生体図形処理部204は、成分変化量が正である場合には、その身体構成情報に対応する成分図形を成分図形吸収表示Y2に生成し、成分変化量が負である場合には、その身体構成情報に対応する成分図形を成分図形排出表示X2に生成する。
【0180】
本発明の第3実施形態によれば、生体図形処理部204は、生体図形の表示に必要となる表示生体情報と身体構成情報を含む第1の表示生体情報として前回の生体情報を取得する。さらに生体図形処理部204は、前回の生体情報を測定した時期よりも後に測定された第2の表示生体情報として今回の生体情報を取得する。
【0181】
そして、生体図形処理部204は、前回及び今回の生体情報に含まれる2つの身体構成情報間の差分に応じて身体構成情報に対応付けられた成分図形の数量を増減し、増減した成分図形の数量を含む差分表示データを生成する。生体図形処理部204は、前回の生体情報に含まれる表示生体情報に基づいて前回の図形表示データを第1の表示データとして生成し、今回の生体情報に含まれる表示生体情報に基づいて今回の図形表示データを第2の表示データとして生成する。
【0182】
これにより、前回及び今回の図形表示データに基づいて時系列に2つの生体図形を表示するとともに、差分表示データに基づいて前回の生体図形から排出される成分図形と今回の生体図形に吸収される成分図形の数量を表示することが可能になる。
【0183】
また、本実施形態によれば、表示部205は、前回の図形表示データにより生成される第1生体図形X1と、今回の図形表示データにより生成される第2生体図形Y1とを表示する。さらに表示部205は、ステップS103で生成された差分表示データに基づいて、成分図形が第1生体図形X1から排出される画像である成分図形排出表示X2と、成分図形が第2生体図形Y1に吸収される画像である成分図形吸収表示Y2とを表示する。
【0184】
このように、生体図形が第1生体図形X1から第2生体図形Y1へと推移する際に成分図形が排出される様子及び成分図形が吸収される様子を表示する。これにより、被測定者に対して数値が改善した身体構成情報を把握させることができるとともに、生体情報の測定に対して被測定者を前向きな気持ちにさせることができる。
【0185】
また、本実施形態によれば、生体図形処理部204は、身体構成情報として、体の脂肪量F、筋肉量Mu、骨量Bo及び水分量Moを取得する。そして生体図形処理部204は、
図18に示したように、円形などの曲線を含んだ図形に脂肪量Fを対応付けし、四角形などの多角形を含んだ図形に筋肉量Muを対応付けし、矢印などの直線を含んだ図形に骨量Boを対応付けし、雲形などの不定形な図形に水分量Moを対応付ける。
【0186】
このように、身体構成情報を観念しやすい成分図形に変換することにより、成分図形の数量を見た被測定者に対し、自身の身体構成情報の数値を直感的に把握させることができるとともに生体図形と成分図形との関係に興味を持たせることができる。よって、生体情報の測定に対する関心を高めることができる。
【0187】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0188】
例えば、上記実施形態では1つの生体情報で生体図形の外観全体を変える図形要素として、生体図形の色の種類A、球体の大きさB、多面体の面数C、頂点の振動幅Dが用いられたが、これに限られるものではない。例えば、図形要素として多面体30を構成する複数の辺の各々を変形してもよい。この場合には、例えば脂肪量Fが大きくなるほど多面体30における各辺の曲線を外部に向かって大きくし、脂肪量Fが小さくなり過ぎると各辺の曲率を内部に向かって大きくする。このように複数の辺を変形しても、1つの生体情報で生体図形の全体を変更することができる。
【0189】
あるいは、図形要素として多面体30に複数の孔を形成するようにしてもよい。この場合には、例えば骨量Boが所定の閾値よりも小さくなるほど多面体30に形成される孔の数又は各孔のサイズを増加させる。このように複数の孔を形成することにより、生体図形の全体形状を変更することができる。
【0190】
また、上記実施形態では
図6に示した図形変換テーブルを用いて生体情報と生体図形の図形要素とを対応付けたが、例えば、生体図形処理部204が生体情報を取得した場合に、互いに異なる複数の図形要素のうち1つの図形要素をランダムに割り当てるようにしてもよい。このような場合には、例えば、生体図形処理部204は、撮像装置にて撮像された顔画像データと、前回の生体情報に割り当てた図形要素とを関係付けて図形変換情報記憶部203に記憶しておき、顔画像データが一致する被測定者に対して、前回割り当てた図形要素を今回の生体情報にも対応付ける。このようにすることで、生体情報と図形要素との対応関係が被測定者ごとに変わるので、被測定者の一人ひとりに対して異なる生体図形を表示させることができる。
【0191】
また、上記実施形態では生体図形に用いられる生体情報として基礎代謝量、内臓脂肪レベル、筋肉量及びボディバランスが用いられたが、体重や、体脂肪率、骨量、肥満度などの生体情報が用いられてもよい。
【0192】
また、上記実施形態では生体図形として3次元の立体図形が用いられたが、2次元の図形が用いられてもよい。この場合にも、生体図形処理部204は、上記実施形態と同様、基礎代謝量Meが大きくなるほど赤色にし、筋肉量Muが多くなるほど多角形の頂点の数を増やし、内臓脂肪レベルFlが高くなるほど多角形に付着させる円の数を増やし、ボディバランスBaが悪くなるほど多角形の頂点の振動幅を大きくするようにしてもよい。この場合であっても上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。