【文献】
「デコトラの鷲」,パチスロ攻略マガジンドラゴン2009年12月号,株式会社双葉社,2009年10月21日,pp.14-17,特に、p.16「通常時のモード移行パターンは設定によって激変!」欄、「CZ・ART終了後はテーブルを参照 例えばCZ終了時のゲーム数が55Gの場合、次ゲームのモードはテーブルGなら高確、Hなら低確となる。」との記載参照。
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好適な実施の形態を、遊技機としてスロットマシン10を例に説明する。
(スロットマシン10)
スロットマシン10は、
図1に示すように、四角箱状の筐体11と、筐体11の正面側に開閉自在に取り付けられる前扉31を有する。この前扉31には、遊技者側に向かって臨む表示窓12が形成されている。
【0016】
また、前扉31の高さ方向略中央部には、スロットマシン10を作動させるための操作部31Aおよびメダル投入口14が設けられている。操作部31Aには、ベットスイッチ16、精算スイッチ17、スタートスイッチ30、ストップスイッチ50などが設けられている。
【0017】
また、操作部31Aの下方には、下パネル31Bを挟んで、メダルを払い出すためのメダル払い出し口18と、メダル払い出し口18から払い出されたメダルを貯留可能な下皿31Cが設けられている。
【0018】
上記した前扉31の表示窓12には、背後の回転リール40の図柄を見ることができる図柄表示窓13が形成されている。回転リール40は、図柄表示窓13の裏側に配置されて、回転可能にスロットマシン10に取り付けられており、外周表面に表示された複数の図柄を変動表示又は停止表示するためのものである。本実施形態においては、左リール41、中リール42、右リール43の3個の回転リール40が設けられており、それぞれの回転リール40が個別に回転可能となっている。
【0019】
上記した図柄表示窓13からは、3個の回転リール40のそれぞれについて、上段、中段、下段の3段の図柄が表示されるようになっており、計9個の図柄が図柄表示窓13を通して表示されるようになっている。そして、この計9個の図柄の表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。有効ラインとは、3個の回転リール40のそれぞれについて表示位置にある図柄を1個ずつ繋いでできるラインのうち、入賞するために有効となる図柄組合せの並びを規定したラインである。本実施の形態においては、
図3に示すように、左リール41の中段の図柄と、中リール42の中段の図柄と、右リール43の中段の図柄と、を繋ぐラインLが有効ラインとして設定されている。この有効ラインに沿って役に対応付けられた図柄組合せが表示されると、当該役に入賞となる。
【0020】
また、本実施形態では、1回のゲームを行うために、メダルを1〜3枚ベットする(掛ける)ことが可能となっており、1枚のメダルをベットした場合も、2枚のメダルをベットした場合も、3枚のメダルをベットした場合も、上記したラインLが有効ラインとなるように構成されている。
【0021】
このスロットマシン10の内部には、図示しないが、スロットマシン10の全体の動作を制御するための制御装置20(
図2参照)が内蔵されている。
【0022】
(入力段)
上記制御装置20の入力段には、
図2に示すように、投入スイッチ15、ベットスイッチ16、精算スイッチ17、スタートスイッチ30、左ストップスイッチ51、中ストップスイッチ52、右ストップスイッチ53が接続されている。
なお、入力段としては、上記した各入力装置に限定されるものではない。
【0023】
(投入スイッチ15)
投入スイッチ15は、
図1に示すように、メダル投入口14の下方に内蔵されたスイッチであって、投入された遊技メダルを検知するためのものである。投入スイッチ15が遊技メダルを検知すると、最大50枚まで遊技メダルを遊技機内部に貯留(クレジット)することができるようになっている。このようにクレジットされた遊技メダルは、クレジット表示部32に数値として表示され、次ゲーム以降に使用することができる。
【0024】
(ベットスイッチ16)
ベットスイッチ16は、
図1に示すように、操作部31Aの上面に位置するスイッチである。ベットスイッチ16を押下することで、クレジットをメダル投入に代えることができる。クレジットをメダル投入に代えることで、ゲームを開始可能な状態となる。
【0025】
(精算スイッチ17)
精算スイッチ17は、
図1に示すように、操作部31Aの上面左端に位置するスイッチであって、クレジットされているメダルを払い戻すためのものである。
【0026】
(スタートスイッチ30)
スタートスイッチ30は、
図1に示すように、操作部31Aの正面左側に位置するレバーである。ゲームを開始可能な状態でスタートスイッチ30を操作すると、後述するリールユニット60の駆動が開始し、回転リール40の図柄が変動表示される。
【0027】
(ストップスイッチ50)
ストップスイッチ50は、後述するリールユニット60の駆動を停止させるためのものである。具体的には、ストップスイッチ50は、
図1に示すように、各回転リール40(左リール41,中リール42,右リール43)に対応した3個のスイッチ(左ストップスイッチ51、中ストップスイッチ52、右ストップスイッチ53)から構成され、各回転リール40の下方に一個ずつ配置されている。回転リール40に対応したストップスイッチ50の操作により、当該対応した回転リール40が回転を停止し、回転リール40の図柄が停止表示されるようになっている。
【0028】
(出力段)
前記制御装置20の出力段には、
図2に示すように、リールユニット60、ホッパーユニット65、演出部66(画像表示部67、ランプ68、スピーカ69)、の各パーツが接続されている。
なお、出力段としては、上記した各パーツに限定されるものではない。
【0029】
(リールユニット60)
リールユニット60は、特に図示しないが枠体に固定あるいは支持された3個のステッピングモータと、各々のステッピングモータの出力軸に固定された3個の回転リール40(左リール41,中リール42,右リール43)とから構成されている。各回転リール40は、短円筒状の回転ドラムと、この回転ドラムの周囲に貼付されるテープ状のリールテープとを備えている。このリールテープの外周面には、それぞれ21個の図柄が等間隔で表示されている。
【0030】
なお、本実施形態に係るスロットマシン10は、複数の図柄が
図5に示すような図柄配列で各回転リール40の表面に表示されている。
【0031】
具体的には、左リール41には、回転方向に見て「ベル1」「スイカ」「赤7」「リプ」「ベル1」「チェリー」「BAR1」「ベル1」「リプ」「スイカ」「BAR3」「リプ」「ベル2」「スイカ」「青7」「スイカ」「リプ」「ベル1」「BAR2」「チェリー」「リプ」の順に図柄が表示されている。
【0032】
また、中リール42には、回転方向に見て「リプ」「ベル1」「スイカ」「赤7」「リプ」「ベル1」「スイカ」「スイカ」「BAR1」「リプ」「ベル1」「スイカ」「チェリー」「青7」「リプ」「ベル1」「チェリー」「リプ」「ベル2」「BAR3」「チェリー」の順に図柄が表示されている。
【0033】
また、右リール43には、回転方向に見て「スイカ」「ベル1」「チェリー」「リプ」「赤7」「ベル2」「BAR2」「リプ」「スイカ」「ベル1」「チェリー」「リプ」「青7」「スイカ」「ベル1」「BAR3」「リプ」「スイカ」「ベル1」「BAR1」「リプ」の順に図柄が表示されている。
【0034】
(ホッパーユニット65)
ホッパーユニット65は、
図1に示すように、筐体11の内部に配置されており、ゲームの結果等に基づいてメダルを払い出すためのものである。
【0035】
(演出部66)
演出部66は、制御装置20の制御により、入賞等の報知など、種々の演出を行うものである。具体的には、演出部66は、画像表示部67と、ランプ68と、スピーカ69と、から構成されている。
【0036】
画像表示部67は、回転リール40の上方に設けられた窓部の背後に配置され、LED、ドットマトリックス、液晶画面等を用いて、入賞の報知その他の演出を表示するためのものである。なお、画像表示部67としては上記のものに限らず、例えば演出専用の回転リール40を設け、リールの図柄や文字等により演出を表示するようにしても良い。
ランプ68は、発光体の点灯又は点滅により入賞等を報知するためのものである。
スピーカ69は、入賞音の発生により入賞等を報知するためのものである。
【0037】
(制御装置20)
制御装置20は、スロットマシン10の作動を制御するためのものである。この制御装置20は、CPUを中心に構成され、ROM、RAM、I/O等を備えている。そして、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、各種の制御を実行するように構成されている。
【0038】
本実施形態に係る制御装置20は、
図2に示すように、遊技状態制御手段100、当せん抽せん手段110、役抽せんテーブル120、リール制御手段130、入賞判定手段140、ホッパー制御手段150、演出制御手段200、押し順報知制御手段210、設定手段220、ART制御手段230、遊技区間制御手段240、の各手段として機能する。なお、制御装置20としては、上記した各手段に限定されるものではなく、他の手段を含んでいても良い。
【0039】
(遊技状態制御手段100)
遊技状態制御手段100は、遊技状態の管理を行うためのものである。本実施形態に係るスロットマシン10は複数の遊技状態を備えており、遊技状態制御手段100は現在の遊技状態を記憶するとともに、遊技状態の移行契機となる所定の事象が発生したときに遊技状態を切り替える処理を実行する。
【0040】
本実施形態に係るスロットマシン10は、
図4に示すように、以下の遊技状態(本実施例では、リプレイ役の当せん確率等によって規定される複数のRT状態も遊技状態として含んでいる)を備えている。なお、遊技状態は以下に限らず、任意の遊技状態を設けることができる。
(1)RT0状態
(2)RT1状態
(3)RT2状態
(4)RT3状態
(5)RT4状態
【0041】
このうち、RT0状態は、後述するRT3状態で所定のゲーム数(本実施形態においては700ゲーム)を消化したときに移行する遊技(RT)状態である。このRT0状態からは、後述するART抽せんに当せんした場合にはRT4状態へ移行し、後述する転落リプに入賞したときにはRT3状態へ移行する。
【0042】
RT1状態は、後述するBBゲームを実行しているBB中の状態である。このRT1状態は、BB役に入賞してBBゲームが開始したときに開始され、BBゲーム中のメダル払い出し枚数が規定枚数に到達してBBゲームが終了するまで継続する。このRT1状態が終了すると、遊技(RT)状態はRT3状態またはRT4状態へと移行する。具体的には、後述する通常ゲームまたはTNゲームにおいてBB役に入賞してRT3状態からRT1状態へと移行した場合には、RT1状態が終了したときにRT3状態へと戻る制御がなされる。一方、後述するCZゲームにおいてBB役に入賞してRT3状態からRT1状態へと移行した場合には、RT1状態が終了したときにRT4状態へと移行する制御がなされる。
【0043】
RT2状態は、後述するRBゲームを実行しているRB中の状態である。このRT2状態は、RB役に入賞してRBゲームが開始したときに開始され、RBゲーム中のメダル払い出し枚数が規定枚数に到達してRBゲームが終了するまで継続する。このRT2状態が終了すると、遊技(RT)状態はRT3状態へと移行する。すなわち、RB役に入賞してRT3状態からRT2状態へと移行した場合には、RT2状態が終了したときにRT3状態へと戻る制御がなされる。
【0044】
RT3状態は、所定のゲーム数(本実施形態においては700ゲーム)を消化するまで継続する有限遊技(RT)状態である。このRT3状態は、ボーナス役に入賞してBBゲームやRBゲームを開始する場合を除き、700ゲームを消化するまで継続する。
このRT3状態へは、RT0状態で転落リプ(後述)に入賞したときに移行する。
【0045】
また、このRT3状態へは、前述したように、RT3状態を中断してBBゲームやRBゲームを開始したときに、これらのBBゲームやRBゲームが終了したとき(すなわちRT1状態やRT2状態が終了したとき)にも移行する。なお、このように中断したRT3状態を再開するときには、所定のゲーム数から中断前に実行していたゲーム数を減算した残りのゲーム数を消化するまでRT3状態が継続する。例えば、RT3状態の100ゲーム目にRT1状態またはRT2状態に移行した場合には、RT3状態に復帰したときに、残り600ゲームの状態からRT3状態が実行される。そして、600ゲームを消化したときに、RT3状態が終了し、RT0状態またはRT4状態へと移行する。
また、このRT3状態へは、後述するRT4状態において、ARTが終了したときにも移行する。
【0046】
RT4状態は、ARTを実行している状態である。このRT4状態においては、押し順小役(ベルなど)の正解の押し順が報知されるため、遊技者がメダルを容易に増やすことができるようになっている。このRT4状態へは、RT3状態においてART抽せんに当せんした後、所定のゲーム数を消化してRT3状態が終了したときや、RT0状態においてART抽せんに当せんしたときに移行する。ARTが終了すると、遊技(RT)状態はRT3状態へと移行する。
【0047】
なお、上記したRT0状態及びRT4状態は、RT3状態よりも相対的にリプレイ役の当せん確率が向上した「リプレイ高確率状態」である。また、RT3状態は、リプレイ役の当せん確率が「リプレイ高確率状態」よりも相対的に低く設定された「リプレイ低確率状態」である。
【0048】
(当せん抽せん手段110)
当せん抽せん手段110は、複数の当せん役のいずれかに当せんしたか又はハズレかの抽せんを行うためのものである。すなわち、予め定めた抽せん確率に基づいて当せん役に係る抽せんを行うものである。そして、当せん抽せん手段110による抽せんの結果、所定の当せん役に当せんした場合に当せんフラグが成立し、この当せんフラグの成立中に、回転リール40の停止図柄の組み合わせが予め定められた当せん図柄と一致したことを条件に入賞し、遊技者にメダルの払い出しや、特別遊技等の利益が付与されるように設定されている。
【0049】
具体的には、当せん抽せん手段110は、乱数を所定の範囲内で発生させる乱数発生手段を備え、この乱数発生手段が発生する乱数をスタートスイッチ30の操作タイミングで抽出し、抽出した乱数を役抽せんテーブル120に照合することにより抽せんを行う。本実施形態に係る当せん抽せん手段110は、16bitで乱数を発生させるため、0〜65535までの65536通りの乱数を発生させるようになっている。後述する役抽せんテーブル120には、この65536通りの乱数のそれぞれに当せん領域が割り当てられており、この役抽せんテーブル120に乱数を照合することにより当せん役またはハズレを特定することができる。
【0050】
(役抽せんテーブル120)
役抽せんテーブル120は、当せん抽せん手段110が抽出した乱数がいずれかの当せん役またはハズレに対応するかを定めたものである。この役抽せんテーブル120は、複数の当せん役に対応する当せん領域を記憶しており、具体的には、当せん抽せん手段110において発生する乱数と当せん役との対応表として設けられている。当せん抽せん手段110は、遊技状態や設定値等に応じてこれらの役抽せんテーブル120を切り替えて使用する。これにより、遊技状態ごとに当せん確率が変動するように構成されている。
【0051】
(リール制御手段130)
リール制御手段130は、有効なスタートスイッチ30の操作信号に基づいて回転リール40を回転させると共に、特に図示しないがリール回転検知センサの検知信号に基づいて図柄の現在位置を認識しつつ、当せん抽せん手段110の抽せん結果および有効なストップスイッチ50の操作タイミングに基づいて、回転リール40の停止を制御するためのものである。
【0052】
このリール制御手段130は、メダルがベットされ、前ゲーム開始から所定時間(いわゆるウエイト時間)が経過しているなど、所定のゲーム開始条件を満たしている場合には、スタートスイッチ30の操作信号に基づいて全ての回転リール40の回転を開始させる。
【0053】
また、回転リール40が回転中にいずれかのストップスイッチ50が操作されると、ストップスイッチ50の操作信号に基づきストップ信号を出力し、操作されたストップスイッチ50に対応する回転リール40の回転を停止させる。
【0054】
なお、リール制御手段130は回転リール40を停止させる際、停止操作がされたときの図柄表示位置を基準として、最大4コマのスベリコマ数で図柄を回転方向に移動させて停止させることができる。このような制御により、当せん抽せん手段110の抽せん結果が「ハズレ」の場合には、3個の回転リール40の図柄が如何なる入賞の態様にも揃わないように蹴飛ばし制御を行う。また、抽せん結果が所定の当せん役に当せんの場合には、3個の回転リール40の図柄が極力当該当せんに係る入賞の態様となるように引き込み制御を行う。
【0055】
このような蹴飛ばし制御及び引き込み制御は、当せん抽せん手段110による役抽せんの結果や、ストップスイッチ50の操作タイミング、停止位置の優先順位などに基づいて計算されて実行される。例えば、2種類以上の役に同時当せんしている場合、各役に対応付けられた優先順位に従って、優先順位の高い役に対応する図柄組合せを有効ライン上に表示できるように引き込み制御が行われる。
【0056】
なお、後述する押し順小役に当せんしている場合には、正解の押し順で各ストップスイッチ50が操作された場合には、停止操作のタイミングに関わらず、当該押し順小役に係る図柄を有効ライン上に引き込んで、押し順小役を入賞させる。一方、その正解の押し順以外の押し順で各ストップスイッチ50が操作された場合には、当該押し順小役に係る図柄が有効ライン上に揃わないようにして、押し順小役が入賞しないように制御する。
【0057】
(入賞判定手段140)
入賞判定手段140は、ストップスイッチ50の操作により3個の回転リール40が停止したときに、その表示態様に基づいて、入賞したか又は入賞なしかの判定を行うためのものである。具体的には、すべての回転リール40の回転が停止した際に、いずれかの有効入賞ライン上に所定の図柄配列が揃うことを条件として、当該図柄配列に対応した当せん役に入賞したと判定する。そして、入賞がメダル払い出しを伴う場合には、ホッパーユニット65に払い出し入賞信号を出力する(もしくはメダルを払い出す代わりにクレジットに加算する)。また、入賞が遊技状態を移行させるものであれば、遊技状態制御手段100に通知して遊技状態を移行させる。また、リプレイ役が入賞した場合には、自動ベット処理を行い、遊技メダルを新たに投入することなく次ゲームを開始できるようにする。
【0058】
(ホッパー制御手段150)
ホッパー制御手段150は、入賞判定手段140からの払い出し入賞信号、精算スイッチ17の操作信号などに基づいて、ホッパーユニット65を作動させ、メダルの払い出しを制御するためのものである。なお、入賞がメダル払い出しを伴う場合に、この払い出しメダルを自動的にクレジットとして電子的に貯留し、クレジットの許容枚数を超過する払い出し分だけをホッパーユニット65から払い出させるようにしてもよい。
【0059】
(演出制御手段200)
演出制御手段200は、画像表示部67、ランプ68やスピーカ69等の演出部66の作動を制御するためのものである。この演出制御手段200は、ROMに記憶されている演出データをもとに、入賞の報知や押し順報知などの演出を行わせる。
【0060】
なお、押し順報知は、後述する押し順小役に当せんしたときに、当該押し順小役に入賞可能なストップスイッチ50の操作順を報知するものである。この押し順報知は、例えば、画像表示部67に操作順を表示したり、操作すべきストップスイッチ50をスピーカ69から音声で報知したり、操作すべきストップスイッチ50を光らせたりすることで行われる。
【0061】
また、この演出制御手段200は、複数回のゲームにわたって連続演出を行わせることができる。所定の条件下においてストーリー性のある連続演出を行わせることで、遊技者に有利な状況を示唆し、ゲームを盛り上げることができるようになっている。
【0062】
(押し順報知制御手段210)
押し順報知制御手段210は、後述する有利区間において押し順報知を制御するためのものである。具体的には、この押し順報知制御手段210は、押し順小役に当せんしたときに、当該押し順小役を入賞させるための正解の押し順(ストップスイッチ50の操作順)を報知する。押し順小役は所定の押し順でストップスイッチ50が操作されたときに入賞図柄が揃うように制御される小役やリプレイ役である。押し順が報知されない場合、どの押し順小役に当せんしたかが分からず、正解の押し順も分からないため、押し順小役を狙って入賞させることは困難となっている。一方で、正解の押し順が報知される場合には、押し順報知に従ってストップスイッチ50を操作することで容易に押し順小役を入賞させることができるようになっている。
【0063】
(設定手段220)
設定手段220は、遊技者への有利度が異なる複数段階の設定値の中から設定値を設定するためのものである。この設定値は、鍵のかけられた筐体11の内部に設けられたスイッチを操作することで変更可能であり、スロットマシン10が設置されたホールの管理者によって、ホールの営業開始前あるいは営業終了後に予め設定される。図示しないが、この設定値ごとに異なる役抽せんテーブル120が設けられており、役抽せんにおいて設定値に応じた役抽せんテーブル120が用いられることにより、設定値に応じてメダルの払出率が変わるようになっている。本実施形態においては、設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。払出率の点からでは、設定値として6が設定されているときが遊技者にとって最も遊技に関する有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど遊技に関する有利度が段階的に低くなる。なお、本実施形態においては設定値を6段階としているが、これに限らず、設定値は5段階以下であってもよい。
【0064】
(ART制御手段230)
ART制御手段230は、ARTの実行を制御するためのものである。すなわち、本実施形態に係るスロットマシン10では、リプレイ役の当せん確率が通常よりも高く設定されたリプレイ高確率状態(RT4状態)において押し順報知が行われ、これによりART(アシストリプレイタイム)が実行されるようになっている。
【0065】
このART制御手段230は、後述する有利区間中のゲームにおいてART抽せんを実行し、ART抽せんに当せんしたときにARTを開始する制御を実行する。具体的には、RT3状態でART抽せんに当せんしたときには、RT3状態が終了したときにRT4状態へ移行し、ARTを開始する。また、RT0状態でART抽せんに当せんしたときには、ART抽せんに当せんしたゲームが終了したときにRT4状態へ移行し、ARTを開始する。
【0066】
ART制御手段230によるART抽せんは、有利区間中のゲームで実行された役抽せんにおいて、後述する「チェリー1」「チェリー2」「チェリー3」のいずれかに当せんしたことを契機として実行される(
図8参照)。本実施形態においては、
図9に示すように、通常ゲームまたはCZゲーム(後述)でART抽せんが行われたときには、必ず非当せんの結果となり、TNゲーム(後述)でART抽せんが行われたときには、必ず当せんの結果となるように設定されている。
【0067】
このように開始したARTは、予め定められた所定のARTゲーム数を消化するまで継続する。所定のARTゲーム数を消化したら、ART制御手段230はARTを終了させる。
【0068】
(遊技区間制御手段240)
遊技区間制御手段240は、遊技区間を制御するためのものである。本実施形態に係るスロットマシン10は、遊技区間として、ストップスイッチ50の押し順が報知されない通常区間と、ストップスイッチ50の押し順を報知可能な有利区間と、を備えている。
【0069】
通常区間とは、当せん役の入賞をアシストできない遊技区間である。具体的には、前記押し順報知制御手段210による押し順報知ができない遊技区間である。
【0070】
また、有利区間とは、当せん役の入賞をアシスト可能な遊技区間である。具体的には、前記押し順報知制御手段210による押し順報知が可能な遊技区間である。この有利区間では、上記したART抽せんが実行され、ARTを実行可能となっている。
【0071】
この遊技区間制御手段240は、通常区間のゲーム中(例えばゲームの開始時)に有利区間抽せんを実行し、有利区間抽せんに当せんしたときに遊技区間を有利区間に移行する制御を実行する。
【0072】
遊技区間制御手段240による有利区間抽せんは、通常区間中のゲームで実行された役抽せんにおいて、後述する「特殊リプ」「ベル」「チャンス1枚役」「スイカ」「チェリー1」「チェリー2」「チェリー3」「1枚役1」「1枚役2」「1枚役3」「1枚役4」「1枚役5」「1枚役6」「1枚役7」「1枚役8」のいずれかに当せんしたことを契機として実行される(
図8参照)。
【0073】
なお、本実施形態においては、有利区間抽せんに当せんしたときに有利区間に移行するようにしているが、有利区間抽せんを実行せずに有利区間に移行するようにしてもよい。すなわち、「特殊リプ」「ベル」「チャンス1枚役」「スイカ」「チェリー1」「チェリー2」「チェリー3」「1枚役1」「1枚役2」「1枚役3」「1枚役4」「1枚役5」「1枚役6」「1枚役7」「1枚役8」のいずれかに当せんしたことを契機として有利区間に移行するようにしてもよい。
【0074】
この有利区間は、予め定められた所定の有利区間ゲーム数を消化するまで、または、ARTが終了するまで継続する。所定の有利区間ゲーム数を消化した場合や、ARTが終了した場合には、遊技区間は通常区間に移行する。
【0075】
(当せん役について)
本実施形態に係るスロットマシン10は、当せん役として、入賞によりボーナスゲームを開始するボーナス役と、入賞により遊技メダルを新たに投入することなく再度のゲームを行うことができるリプレイ役と、入賞により遊技メダルを払い出す小役と、を備えている。
【0076】
なお、ボーナス役は、入賞によりBBゲームを開始するBB役と、入賞によりRBゲームを開始するRB役と、を含んでいる。BBゲームは、所定枚数のメダルが払い出されるなど、所定の利益が遊技者に付与されるまで実行されるボーナスゲームである。また、RBゲームは、所定の利益が遊技者に付与されるまで実行されるボーナスゲームであるが、その利益はBBゲームよりも少ないものである。
【0077】
当せん抽せん手段110による抽せんの結果としてこれらのいずれかの役に当せんとなった場合、その当せんに対応した当せんフラグが成立する。なお、ボーナス役に係る当せんフラグは、当せんフラグが成立したゲームにおいて入賞しなかったとしても、次回以降のゲームに持ち越される。すなわち、入賞するまでは当該当せん役に入賞する権利が維持される。一方、その他の当せん役に係る当せんフラグは、当せんフラグが成立したゲームにおいて入賞しなかった場合にはリセットされ、次回以降のゲームに持ち越されない。
本実施形態に係るスロットマシン10は、
図6及び
図7に示すような当せん役を備えている。
【0078】
「BB1」及び「BB2」はBB役である。「BB1」に当せんすると、
図6に示すように、「BB1」に対応する入賞態様(有効ライン上に「青7」「青7」「青7」が並ぶ態様)をなすように回転リール40の停止制御が許容される。また、「BB2」に当せんすると、「BB2」に対応する入賞態様(有効ライン上に「赤7」「赤7」「赤7」が並ぶ態様)をなすように回転リール40の停止制御が許容される。これらの図柄が表示されて「BB1」または「BB2」に入賞すると、次ゲームからBBゲームが開始される。
【0079】
「RB1」及び「RB2」はRB役である。「RB1」に当せんすると、
図6に示すように、「RB1」に対応する入賞態様(有効ライン上に「青7」「青7」「BAR1」が並ぶ態様)をなすように回転リール40の停止制御が許容される。また、「RB2」に当せんすると、「RB2」に対応する入賞態様(有効ライン上に「赤7」「赤7」「BAR1」が並ぶ態様)をなすように回転リール40の停止制御が許容される。これらの図柄が表示されて「RB1」または「RB2」に入賞すると、次ゲームからRBゲームが開始される。
【0080】
「リプレイ1」、「リプレイ2」及び「リプレイ3」はリプレイ役である。「リプレイ1」に当せんすると、
図6に示すように、「リプレイ1」に対応する入賞態様(有効ライン上に「リプ」「リプ」「リプ」が並ぶ態様)をなすように回転リール40の停止制御が実行される。また、「リプレイ2」に当せんすると、「リプレイ2」に対応する入賞態様(有効ライン上に「赤7」「赤7」「BAR2」が並ぶ態様)をなすように回転リール40の停止制御が実行される。また、「リプレイ3」に当せんすると、「リプレイ3」に対応する入賞態様(有効ライン上に「赤7」「BAR1」「BAR2」が並ぶ態様)をなすように回転リール40の停止制御が実行される。これらの図柄が表示されて「リプレイ1」、「リプレイ2」または「リプレイ3」に入賞すると、新たにメダルを投入することなく次ゲームを遊技可能な状態となる。
【0081】
「転落リプ」はリプレイ役である。「転落リプ」に当せんすると、
図6に示すように、「転落リプ」に対応する入賞態様(有効ライン上に「リプ」「リプ」「ベル1orベル2」が並ぶ態様)をなすように回転リール40の停止制御が実行される。これらの図柄が表示されて「転落リプ」に入賞すると、新たにメダルを投入することなく次ゲームを遊技可能な状態となる。なお、この「転落リプ」は、
図8に示すように、RT移行の契機役である。RT0状態で「転落リプ」に入賞すると、遊技状態がRT3状態へ移行するように構成されている。
【0082】
「特殊リプ」はリプレイ役である。「特殊リプ」に当せんすると、
図6に示すように、「特殊リプ」に対応する入賞態様(有効ライン上に「赤7orベル1orベル2」「ベル1orベル2」「赤7orスイカ」が並ぶ態様)をなすように回転リール40の停止制御が実行される。これらの図柄が表示されて「特殊リプ」に入賞すると、新たにメダルを投入することなく次ゲームを遊技可能な状態となる。なお、この「特殊リプ」は、
図8に示すように、有利区間抽せんの契機役である。通常区間で「特殊リプ」に当せんすると、遊技区間制御手段240によって有利区間抽せんが実行される。
【0083】
「ベル」は小役である。「ベル」に当せんすると、
図6に示すように、「ベル」に対応する入賞態様(有効ライン上に「ベル1orベル2」「ベル1orベル2」「ベル1orベル2」が並ぶ態様)をなすように回転リール40の停止制御が許容される。これらの図柄が表示されて「ベル」に入賞すると、所定枚数(10枚)のメダルが払い出される。なお、この「ベル」は、
図8に示すように、有利区間抽せんの契機役である。通常区間で「ベル」に当せんすると、遊技区間制御手段240によって有利区間抽せんが実行される。また、この「ベル」は押し順小役である。この「ベル」にはストップスイッチ50の押し順が関連付けられており、正解の押し順でストップスイッチ50が操作された場合にのみ入賞するようになっている。そして、この「ベル」の正解の押し順はART中のみ報知されるように設定されている。
【0084】
「下段ベル」及び「特殊ベル」は小役である。「下段ベル」に当せんすると、
図6に示すように、「下段ベル」に対応する入賞態様(有効ライン上に「赤7」「スイカ」「ベル1orベル2」が並ぶ態様)をなすように回転リール40の停止制御が実行される。また、「特殊ベル」に当せんすると、「特殊ベル」に対応する入賞態様(有効ライン上に「赤7orBAR3」「ベル1orベル2」「ベル1orベル2」が並ぶ態様)をなすように回転リール40の停止制御が実行される。これらの図柄が表示されて「下段ベル」または「特殊ベル」に入賞すると、所定枚数(10枚)のメダルが払い出される。
【0085】
「チャンス1枚役」は小役である。「チャンス1枚役」に当せんすると、
図6に示すように、「チャンス1枚役」に対応する入賞態様(有効ライン上に「青7」「リプ」「チェリーorBAR3」が並ぶ態様)をなすように回転リール40の停止制御が許容される。これらの図柄が表示されて「チャンス1枚役」に入賞すると、所定枚数(1枚)のメダルが払い出される。なお、この「チャンス1枚役」は、
図8に示すように、有利区間抽せんの契機役である。通常区間で「チャンス1枚役」に当せんすると、遊技区間制御手段240によって有利区間抽せんが実行される。
【0086】
「スイカ」は小役である。「スイカ」に当せんすると、
図6に示すように、「スイカ」に対応する入賞態様(有効ライン上に「スイカ」「スイカ」「スイカ」が並ぶ態様)をなすように回転リール40の停止制御が許容される。これらの図柄が表示されて「スイカ」に入賞すると、所定枚数(5枚)のメダルが払い出される。なお、この「スイカ」は、
図8に示すように、有利区間抽せんの契機役である。通常区間で「スイカ」に当せんすると、遊技区間制御手段240によって有利区間抽せんが実行される。
【0087】
「チェリー1」、「チェリー2」及び「チェリー3」は小役である。「チェリー1」に当せんすると、
図7に示すように、「チェリー1」に対応する入賞態様(有効ライン上に「チェリー」「赤7or青7orBAR1orスイカorベル1orチェリーorベル2」「ANY(どの図柄でも可)」が並ぶ態様)をなすように回転リール40の停止制御が許容される。また、「チェリー2」に当せんすると、「チェリー2」に対応する入賞態様(有効ライン上に「チェリー」「リプ」「赤7or青7orスイカ」が並ぶ態様)をなすように回転リール40の停止制御が許容される。また、「チェリー3」に当せんすると、「チェリー3」に対応する入賞態様(有効ライン上に「チェリー」「BAR3」「赤7or青7orBAR1orスイカorベル1orチェリーorBAR2orBAR3orベル2」が並ぶ態様)をなすように回転リール40の停止制御が許容される。これらの図柄が表示されて「チェリー1」、「チェリー2」または「チェリー3」に入賞すると、所定枚数(4枚)のメダルが払い出される。なお、この「チェリー1」、「チェリー2」及び「チェリー3」は、
図8に示すように、有利区間抽せんの契機役である。通常区間で「チェリー1」、「チェリー2」または「チェリー3」に当せんすると、遊技区間制御手段240によって有利区間抽せんが実行される。また、この「チェリー1」、「チェリー2」及び「チェリー3」は、
図8に示すように、ART抽せんの契機役である。有利区間で「チェリー1」、「チェリー2」または「チェリー3」に当せんすると、ART制御手段230によってART抽せんが実行される。
【0088】
「1枚役1〜8」は小役である。「1枚役1」に当せんすると、
図7に示すように、「1枚役1」に対応する入賞態様(有効ライン上に「ベル2」「赤7」「ベル2」が並ぶ態様)をなすように回転リール40の停止制御が許容される。また、「1枚役2」に当せんすると、「1枚役2」に対応する入賞態様(有効ライン上に「ベル2」「青7」「ベル2」が並ぶ態様)をなすように回転リール40の停止制御が許容される。また、「1枚役3」に当せんすると、「1枚役3」に対応する入賞態様(有効ライン上に「ベル2」「BAR1」「ベル2」が並ぶ態様)をなすように回転リール40の停止制御が許容される。また、「1枚役4」に当せんすると、「1枚役4」に対応する入賞態様(有効ライン上に「ベル2」「BAR3」「ベル2」が並ぶ態様)をなすように回転リール40の停止制御が許容される。また、「1枚役5」に当せんすると、「1枚役5」に対応する入賞態様(有効ライン上に「ベル2」「赤7」「青7」が並ぶ態様)をなすように回転リール40の停止制御が許容される。また、「1枚役6」に当せんすると、「1枚役6」に対応する入賞態様(有効ライン上に「ベル2」「青7」「青7」が並ぶ態様)をなすように回転リール40の停止制御が許容される。また、「1枚役7」に当せんすると、「1枚役7」に対応する入賞態様(有効ライン上に「ベル2」「BAR1」「青7」が並ぶ態様)をなすように回転リール40の停止制御が許容される。また、「1枚役8」に当せんすると、「1枚役8」に対応する入賞態様(有効ライン上に「ベル2」「BAR3」「青7」が並ぶ態様)をなすように回転リール40の停止制御が許容される。これらの図柄が表示されて「1枚役1〜8」のいずれかに入賞すると、所定枚数(1枚)のメダルが払い出される。なお、この「1枚役1〜8」は、
図8に示すように、有利区間抽せんの契機役である。通常区間で「1枚役1〜8」のいずれかに当せんすると、遊技区間制御手段240によって有利区間抽せんが実行される。
【0089】
(RT3状態の構成について)
本実施形態に係るRT3状態は、上述したように、所定のゲーム数(700ゲーム)を消化するまで継続する有限遊技(RT)状態である。この所定のゲーム数は、残りゲーム数を基準にしていくつかのゾーンに区分けされており、ゾーンごとに遊技者が得られる利益の期待値が異なるように設定されている。具体的には、RT3状態において有利区間に移行したときに、その時点でのRT3状態の残りゲーム数を参照し、これにより遊技が実行されているゾーンを特定するようになっている。そして、RT3状態の残りゲーム数が特定のゾーンである場合には、遊技者にとって有利なチャンスゲームを開始するようにしている。
【0090】
本実施形態においては、
図4に示すように、チャンスゲームとして、CZゲームとTNゲームとの2種類のゲームが設けられており、CZゲーム及びTNゲームが実行されていない残りのゲームを通常ゲームとしている。なお、RT3状態を開始したときには、最初は通常ゲームが実行されるようになっている。
【0091】
CZゲームは、通常ゲームよりもARTの開始確率が向上するゲームである。このCZゲームは、RT3状態において有利区間に移行したときのRT3状態の残りゲーム数が予め定められたチャンスゾーン内(本実施形態においては555〜666ゲームの範囲内)である場合に、開始するように設定されている。言い換えると、RT3状態の残りゲーム数が555〜666ゲームであるときに、有利区間抽せんの契機役に当せんし、有利区間抽せんに当せんすると、CZゲームが開始されるようになっている。なお、CZゲームの開始時には、CZゲーム数を抽せんにより決定するようになっている。例えば、抽せんにより20ゲームのCZゲームが付与された場合には、次ゲームから20ゲームの間、CZゲームが実行される。
【0092】
また、このCZゲーム中は有利区間が継続するため、「チェリー1」、「チェリー2」または「チェリー3」に当せんすると、ART制御手段230によってART抽せんが実行される。しかしながら、本実施形態においては、
図9に示すように、CZゲームではART抽せんに当せんしないようになっている。
【0093】
ただし、このCZゲームにおいてBB役に入賞すると、BBゲーム(RT1状態)が終了した後にRT4状態に移行し、ARTが開始される。このため、通常ゲームと比較してARTの開始確率が向上するようになっている。
【0094】
なお、本実施形態においては、CZゲームを開始可能なチャンスゾーンを555〜666ゲームの範囲内に設定したが、チャンスゾーンは自由に設定することができる。例えば、一定の周期で複数のチャンスゾーンを設けてもよい。具体的には、100ゲームごとにチャンスゾーンが実行されるようにし、601〜650ゲームの範囲、501〜550ゲームの範囲、401〜450ゲームの範囲、301〜350ゲームの範囲、201〜250ゲームの範囲でチャンスゾーンが実行されるようにしてもよい。
【0095】
TNゲームは、通常ゲーム及びCZゲームよりもARTの開始確率が向上するゲームである。このTNゲームは、RT3状態において有利区間に移行したときのRT3状態の残りゲーム数が予め定められた天井準備ゲーム数未満(本実施形態においては111ゲーム未満)である場合に、開始するように設定されている。言い換えると、RT3状態の残りゲーム数が111ゲーム未満であるときに、有利区間抽せんの契機役に当せんし、有利区間抽せんに当せんすると、TNゲームが開始されるようになっている。このTNゲームは、RT3状態が終了するまで継続する。
【0096】
また、このTNゲーム中は有利区間が継続するため、「チェリー1」、「チェリー2」または「チェリー3」に当せんすると、ART制御手段230によってART抽せんが実行される。そして、
図9に示すように、TNゲームではART抽せんに必ず当せんするため、通常ゲーム及びCZゲームと比較してARTの開始確率が向上するようになっている。
【0097】
このように、有利区間に移行したときの残りゲーム数によって、CZゲームやTNゲームに移行するので、有利区間への移行に対する遊技者の興味を高めることができる。
【0098】
なお、本実施形態においては、通常ゲームにおいて開始した有利区間は、1ゲームで終了するようになっている。このように構成することで、チャンスゲーム以外の毎ゲームで有利区間に移行するチャンスがあるので、チャンスゲームの開始契機を達成しやすくなっている。
【0099】
(RT3状態のゲームフローについて)
上記したRT3状態のゲームフローについて、
図10及び
図11を参照しながら説明する。
【0100】
まず、ARTが終了したり、RT0状態で転落リプに入賞したりすると、
図10に示すように、RT3状態に移行する。RT3状態に移行した最初のゲームは、通常ゲームとして実行される。
【0101】
そして、ステップS100に示すように、スタートスイッチ30の操作が検出されることでゲームが開始する。ゲームが開始すると、当せん抽せん手段110による役抽せんが行われ、当せん役が決定される。そして、ステップS110に進む。
【0102】
ステップS110では、有利区間に当せんしたか否かがチェックされる。すなわち、ステップS100で決定された当せん役が
図8に示す有利区間抽せんの契機役であり、かつ、遊技区間が通常区間である場合には、遊技区間制御手段240による有利区間抽せんが実行される。そして、有利区間抽せんに当せんした場合には、ステップS115に進む。一方、有利区間抽せんに当せんしなかった場合には、ステップS160に進む。
【0103】
ステップS115に進んだ場合、RT3状態の残りゲーム数(すなわち、所定のゲーム数である700ゲームから、RT3状態へ移行してから実行したゲーム数を減算した数)が予め定められた天井準備ゲーム数(111ゲーム)未満であるか否かがチェックされる。天井準備ゲーム数未満である場合には、ステップS120へ進む。一方、天井準備ゲーム数以上である場合には、ステップS130に進む。
【0104】
ステップS120に進んだ場合、TNゲームを開始する。このTNゲームはRT3状態が終了するまで継続する。また、このTNゲーム中は常に有利区間となる。そして、ステップS150に進む。
【0105】
ステップS130に進んだ場合、RT3状態の残りゲーム数が予め定められたチャンスゾーン内(555〜666ゲームの範囲内)であるか否かがチェックされる。チャンスゾーン内である場合には、ステップS135へ進む。一方、チャンスゾーン外である場合には、ステップS145に進む。
【0106】
ステップS135に進んだ場合、CZゲームを開始するために、CZゲーム数を抽せんにより決定する。そして、ステップS140に進む。
【0107】
ステップS140では、CZゲームを開始する。このCZゲームは、ステップS135で決定されたゲーム数を消化するまで継続する。また、このCZゲーム中は常に有利区間となる。そして、ステップS150に進む。
【0108】
ステップS145に進んだ場合、通常ゲームで有利区間を実行することになる。有利区間ゲーム数を「1」に設定して、ステップS150に進む。
ステップS150では、遊技区間を通常区間から有利区間に移行させる。そして、ステップS160に進む。
【0109】
ステップS160では、ART抽せんに当せんしたか否かがチェックされる。すなわち、ステップS100で決定された当せん役が
図8に示すART抽せんの契機役であり、かつ、遊技区間が有利区間である場合には、ART制御手段230によるART抽せんが実行される。ART抽せんを実行すると、
図9に示すように、通常ゲームまたはCZゲームの場合は非当せんとなり、TNゲームの場合は当せんとなる。そして、ART抽せんに当せんした場合には、ステップS165に進む。一方、ART抽せんに当せんしなかった場合には、
図11に示すステップS200に進む。
【0110】
ステップS165に進んだ場合、ARTのストック数を「1」加算する。本実施形態においては、RT3状態においてART抽せんに当選した回数を、ARTのストック数として記憶するようになっている。そして、RT3状態の終了時にARTのストック数が1以上であれば、RT4状態に移行し、ストック数に比例したゲーム数のARTが実行されるようになっている。そして、
図11に示すステップS200に進む。
【0111】
ステップS200では、図柄変動の開始と停止に係るゲームの一連の動作が実行される。すなわち、まずリール制御手段130による回転リール40の回転が開始される。そして、遊技者がストップスイッチ50を操作することにより、回転リール40の回転を停止させる。そして、入賞判定手段140が停止図柄を参照して入賞を判定し、メダルの払い出しなどの利益の付与を実行する。そして、ステップS205に進む。
【0112】
ステップS205では、有利区間のゲーム数を消化したかがチェックされる。すなわち、通常ゲームで有利区間が実行されている場合は、有利区間は1ゲームで終了するため、有利区間のゲーム数を消化したと判断する。また、CZゲームで有利区間が実行されている場合は、CZゲーム数を消化した場合に、有利区間のゲーム数を消化したと判断する。また、TNゲームで有利区間が実行されている場合は、有利区間は終了しないので、有利区間のゲーム数を消化していないと判断する。このような判断により、有利区間のゲーム数を消化したと判断した場合には、ステップS210へ進む。一方、有利区間のゲーム数を消化していないと判断した場合には、ステップS215に進む。
ステップS210に進んだ場合、遊技区間を有利区間から通常区間に移行させる。そして、ステップS215に進む。
【0113】
ステップS215では、ステップS200のゲーム処理でBB役に入賞したかがチェックされる。BB役に入賞した場合には、ステップS220へ進む。一方、BB役に入賞していない場合には、ステップS240に進む。
【0114】
ステップS220に進んだ場合、現在CZゲームを実行中であるかがチェックされる。CZゲームを実行中である場合には、ステップS225へ進む。一方、CZゲームを実行中でない場合には、ステップS230に進む。
【0115】
ステップS225に進んだ場合、ARTのストック数を「1」加算する。ここで加算されたARTのストックは、後述するステップS230で移行するRT1状態の終了後に実行される。すなわち、RT1状態の終了時にARTのストック数が1以上であれば、RT4状態に移行し、ストック数に比例したゲーム数のARTが実行されるようになっている。そして、ステップS230に進む。
そして、ステップS230に進んだ場合、RT3状態からRT1状態へ移行し、処理が終了する。
【0116】
ステップS240に進んだ場合、ステップS200のゲーム処理でRB役に入賞したかがチェックされる。RB役に入賞した場合には、ステップS245へ進む。一方、RB役に入賞していない場合には、ステップS250に進む。
ステップS245に進んだ場合、RT3状態からRT2状態へ移行し、処理が終了する。
【0117】
ステップS250に進んだ場合、RT3状態で所定ゲーム数(700ゲーム)を消化したかがチェックされる。所定ゲーム数を消化した場合には、ステップS255へ進む。一方、所定ゲーム数を消化していない場合には、ステップS270に進む。
【0118】
ステップS255に進んだ場合、ARTのストック数が1以上であるかがチェックされる。ARTのストック数が1以上である場合には、ステップS260へ進む。一方、ARTのストック数が0である場合には、ステップS265に進む。
ステップS260に進んだ場合、RT3状態からRT4状態へ移行し、ARTが開始される。そして、処理が終了する。
ステップS265に進んだ場合、RT3状態からRT0状態へ移行し、処理が終了する。
【0119】
ステップS270に進んだ場合、ステップS135で決定されたCZゲーム数を消化したかがチェックされる。CZゲーム数を消化した場合には、ステップS275へ進む。一方、CZゲーム数を消化していない場合には、ステップS100に戻り、次のゲームの開始を待機する。
【0120】
ステップS275に進んだ場合、CZゲームを終了して通常ゲームに移行する。そして、ステップS100に戻り、次のゲームの開始を待機する。
【0121】
以上のような処理フローによれば、RT3状態の残りゲーム数が「700〜667」または「554〜111」の範囲であるときに有利区間に当せんすると、通常ゲームが継続するためART抽せんに当せんせず、ARTが実行されない。ただし、1ゲームで有利区間が終了するので、次回以降のゲームで再び有利区間に当せんする可能性がある。
【0122】
また、RT3状態の残りゲーム数が「666〜555」の範囲であるときに有利区間に当せんすると、CZゲームが開始する。このCZゲームでは、BB役に入賞することを条件にARTが付与される。
【0123】
また、RT3状態の残りゲーム数が「111未満」であるときに有利区間に当せんすると、TNゲームが開始する。このTNゲームでは、ART抽せん契機役である「チェリー1」「チェリー2」「チェリー3」に当せんしてART抽せんが実行されたときにARTが付与される。
【0124】
このように、通常ゲームではARTの実行権利が得られず、CZゲーム及びTNゲームでは所定の確率でARTの実行権利が得られるように構成されている。なお、CZゲームでは、BB役に当せんする確率(32/65536。
図8参照)がARTの開始確率である。また、TNゲームでは、「チェリー1」「チェリー2」「チェリー3」に当せんする確率(3630/65536。
図8参照)がARTの開始確率である。よって、ARTの開始確率は、「TNゲーム」>「CZゲーム」>「通常ゲーム」の順に高くなるように設定されている。このため、RT3状態を遊技する遊技者は、RT3状態の途中でCZゲームが開始することを期待するとともに、ハマリ状態となったときでもTNゲームの開始に期待感を抱くことができるので、有限遊技状態を消化する遊技者の興味を持続させることができる。
【0125】
なお、上記したフローでは、TNゲーム中にART抽せんに当せんしなかった場合に、RT0状態に移行するようにしているが、これに限らず、例えばRT3状態を再び繰り返すようにしてもよいし、RT4状態(ただしARTを実行せず、押し順報知がされない状態)に移行してもよい。
【0126】
(まとめ)
以上説明したように、本実施形態によれば、有限遊技(RT)状態であるRT3状態において、有利区間に移行したときのRT3状態の残りゲーム数が特定の範囲である場合に、遊技者にとって有利なチャンスゲーム(TNゲームまたはCZゲーム)を開始するようにしたので、従来にはない発想で天井やチャンスゾーンを実現し、遊技者の興趣を高めることができる。
【0127】
また、チャンスゲームとして、ARTの開始確率が向上するTNゲームを備え、RT3状態において有利区間に移行したときのRT3状態の残りゲーム数が予め定められた天井準備ゲーム数未満である場合に、TNゲームを開始するようにしたので、TNゲームによって天井を実現し、ARTの開始確率を向上させることができる。
【0128】
また、RT3状態が終了するまでTNゲームが継続するようにしたので、ハマリ状態になった後にARTの開始確率が向上した状態が継続するので、ハマリ状態においても遊技者の興味を持続させることができる。
【0129】
また、チャンスゲームとして、ARTの開始確率が向上するCZゲームを備え、RT3状態において有利区間に移行したときのRT3状態の残りゲーム数が予め定められたチャンスゾーン内である場合に、CZゲームを開始するようにしたので、CZゲームによってチャンスゾーンを実現し、ARTの開始確率を向上させることができる。
【0130】
また、CZゲームの開始時に、CZゲーム数を抽せんにより決定するようにしたので、ARTの開始確率が向上するCZゲーム数が可変になるので、ゲーム性が豊かになり、遊技者の興趣を高めることができる。
【0131】
また、RT3状態において開始した有利区間は、チャンスゲーム中を除き、1ゲームで終了するようにしている。このように構成すれば、有利区間に移行するタイミングを増やすことで、チャンスゲームを開始するタイミングも増やすことができる。すなわち、RT3状態の残りゲーム数が特定の範囲(本実施形態においては、111ゲーム未満、または555〜666ゲームの範囲内)であれば、毎ゲームごとにチャンスゲームが開始される可能性があるため、遊技者の興趣を高めることができる。
【0132】
(変形例1)
上記した実施形態においては、RT3状態でART抽せんに当せんするのはTNゲームのみにしているが、これに限らず、CZゲームや通常ゲームでART抽せんに当せんするようにしてもよい。このとき、少なくとも、ART抽せんの当せん確率が、「TNゲーム」>「CZゲーム」>「通常ゲーム」の順に高く設定されていることが望ましい。例えば、
図12に示すように、通常ゲームではART抽せんに当せんしないように設定し、CZゲームでART抽せんに「2000/65536」の確率で当選するように設定し、TNゲームでは必ずART抽せんに当せんするように設定してもよい。
【0133】
CZゲームでART抽せんに当せんした場合、TNゲームでART抽せんに当せんしたときと同様に、ARTのストック数を「1」加算する。そして、RT3状態が終了したときに、RT4状態へ移行し、ARTのストック数に応じたARTを実行する。
なお、CZゲームでART抽せんに当せんした場合に、CZゲームがRT3状態の終了まで継続するようにしてもよい。
【0134】
(変形例2)
上記した実施形態においては、CZゲーム中にBB役に入賞するとARTをストックするようにしたが、これに限らず、BBゲームの終了後にRT移行抽せんを行うようにしてもよい。例えば、
図13に示すように、BBゲームの終了時(すなわちRT1状態の終了時)にRT移行抽せんを行い、その結果によって、RT3状態に移行したり、RT4状態に移行したり、RT0状態に移行したりするようにしてもよい。
【0135】
上記したRT移行抽せんの確率は、CZゲーム中にBB役に入賞して実行されたBBゲームの終了時(CZゲーム経由のBB終了時)と、通常ゲームまたはTNゲーム中にBB役に入賞して実行されたBBゲームの終了時(CZゲーム経由ではないBB終了時)と、でことなるようにしてもよい。
【0136】
例えば、
図14(a)に示すように、CZゲーム経由のBB終了時には、RT移行抽せんによって必ずRT4状態へ移行するようにしてもよい。このようにすれば、CZゲーム中にBB役に入賞した場合には、BBゲームの終了後にARTが開始するように構成することができる。
【0137】
また、
図14(b)に示すように、CZゲーム経由ではないBB終了時には、RT移行抽せんによって、RT0状態、RT3状態、RT4状態のいずれかに移行するようにしてもよい。また、各状態への移行確率が、「RT3状態」>「RT0状態」>「RT4状態」の順に高く設定されていてもよい。
【0138】
また、
図14(b)の抽せん確率に代えて、
図14(c)に示す抽せん確率を使用してもよい。すなわち、CZゲーム経由ではないBB終了時には、RT移行抽せんによって、RT0状態、または、RT4状態に移行するようにしてもよい。このとき、「RT4状態」へ移行する確率が最も低くなるように設定されていてもよい。
【0139】
また、
図14(b)の抽せん確率に代えて、
図14(d)に示す抽せん確率を使用してもよい。すなわち、CZゲーム経由ではないBB終了時には、RT移行抽せんによって、RT0状態、または、RT3状態に移行するようにしてもよい。このとき、「RT3状態」へ移行する確率が最も高くなるように設定されていてもよい。