(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
弁口開閉方向に対して垂直な方向で視て、前記主弁体の主弁体側摺動面部の一部が、前記弁口の開弁時に、前記案内孔側摺動面部と前記弁口との間で前記案内孔に連通せしめられた前記Pd導入口に対応する位置まで突出しないようになっていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の可変容量型圧縮機用制御弁。
弁口開閉方向に対して垂直な方向で視て、前記主弁体の主弁体側摺動面部の一部が、前記弁口の開弁時に、前記案内孔側摺動面部と前記弁口との間で前記案内孔に連通せしめられた前記Pd導入口に対応する位置まで突出するようになっていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の可変容量型圧縮機用制御弁。
前記クランク室の圧力Pcを前記Ps入出口を介して前記圧縮機の吸入室に逃がすための弁内逃がし通路が前記弁本体内又は前記主弁体内に設けられるとともに、前記弁内逃がし通路を開閉する副弁体が設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の可変容量型圧縮機用制御弁。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0020】
<第1実施形態>
図1〜
図4は、それぞれ本発明に係る可変容量型圧縮機用制御弁の第1実施形態を示す縦断面図であり、
図1は主弁:開、副弁:閉の状態(通常制御時)、
図2及び
図3は主弁:閉、副弁:閉の状態(圧縮機起動移行時)、
図4は主弁:閉、副弁:開の状態(圧縮機起動時)を示している。また、
図5は、
図1のA部拡大図、
図6は、
図2のB部拡大図、
図7は、
図1のU−U矢視線に従う断面図である。
【0021】
なお、本明細書において、上下、左右、前後等の位置、方向を表わす記述は、説明が煩瑣になるのを避けるために図面に従って便宜上付けたものであり、実際に圧縮機に組み込まれた状態での位置、方向を指すとは限らない。
【0022】
また、各図において、部材間に形成される隙間や部材間の離隔距離等は、発明の理解を容易にするため、また、作図上の便宜を図るため、各構成部材の寸法に比べて大きくあるいは小さく描かれている場合がある。
【0023】
[制御弁1の構成]
図示実施形態の制御弁1は、基本的に、弁口22が設けられた弁本体20と、弁口22を開閉するための主弁体10と、該主弁体10を弁口開閉方向(上下方向)に移動させるための電磁式アクチュエータ30と、感圧応動部材としてのベローズ装置40とを備えている。
【0024】
電磁式アクチュエータ30は、ボビン38、該ボビン38に外装された通電励磁用のコイル32、コイル32の内周側に配在されたステータ33及び吸引子34、ステータ33及び吸引子34の下端部外周(段差部)にその上端部が溶接により接合された案内パイプ35、吸引子34の下方で案内パイプ35の内周側に上下方向に摺動自在に配在された有底円筒状のプランジャ37、前記コイル32に外挿される円筒状のハウジング60、取付板39を介してハウジング60の上側に取り付けられたコネクタ部31、及び、ハウジング60の下端部と案内パイプ35の下端部との間に配在されてそれらを弁本体20(の本体部材20A)の上部に固定するためのホルダ29を備えている。本例においては、円筒状のステータ33の下部内周に、該ステータ33の内径より小径の挿通穴34aがその中央に(軸線Oに沿って)形成された円筒状の吸引子34が一体成形されている。ここでは、電磁式アクチュエータ30のうちの、プランジャ37を除いた、コイル32、ステータ33、及び吸引子34等からなる部分をソレノイド部30Aと称する。
【0025】
前記ステータ33の上部には、円筒状の保持部材64の内周に形成された雌ねじ部64aに、六角穴付きの調節ねじ65の外周に形成された雄ねじ部65aが螺合せしめられた調節部材61が設けられている。この調節部材61において、前記調節ねじ65の下半部が前記保持部材64の下半部に(間にシール材としてのOリング62を介装して)内嵌されるとともに、調節ねじ65の上部外周に設けられた雄ねじ部65aが保持部材64の上部内周に設けられた雌ねじ部64aに螺着されている。この調節部材61は、コネクタ部31の略中央に貫設された嵌挿穴31a及び取付板39の略中央に設けられた中央穴39aに挿通され、保持部材64の下部外周に突設されたフランジ部64bと上部外周(に形成された嵌合溝)に嵌め込まれたリング状の押さえ部材63とが協同して前記コネクタ部31及び取付板39に(上下動不能に)保持固定されるとともに、その(保持部材64の)下端部(フランジ部64bより下側の部分)がステータ33の上端部の内周側に配在(内挿)されている。
【0026】
前記ステータ33の内周側における前記調節部材61(調節ねじ65及び保持部材64)と吸引子34との間には、圧縮機の吸入圧力Psが導入される感圧室45が形成され、この感圧室45には感圧応動部材としての、ベローズ41、逆凸字状の上ストッパ42、逆凹字状の下ストッパ43、及び圧縮コイルばね44からなるベローズ装置40が配在されている。さらに、ベローズ装置40の下側には、推力伝達部材としての段付き棒状のプッシュロッド46が軸線Oに沿って配在されている。このプッシュロッド46の略中央は大径(大径部46b)とされ、下ストッパ43の凹部内には前記プッシュロッド46の上端部46dが嵌挿されて支持され、吸引子34の挿通穴34aに前記プッシュロッド46の上部及び大径部46bが(若干の隙間34bを持って)内挿されている。また、前記プッシュロッド46の下部は、後述する断面凹状の内装部材17の凹穴17bに内挿され、その下端部46aが、凹穴17bの底部中央に形成された凹状の嵌挿穴17cに嵌め込まれている。
【0027】
プランジャ37には、前記吸引子34の挿通穴34aと略同径の縦長の凹穴17bを有する断面凹状の内装部材17が圧入等により内挿固定されている。この内装部材17は、その上端部がプランジャ37の上端部と位置合わせされ(言い換えれば、その上端部がプランジャ37の上端部内周に位置決めされ)、その下端部がプランジャ37の底部と隙間を持った状態で(後で詳述するが、主弁体10の鍔状係止部10kが若干の上下動可能に配置される隙間を持った状態で)、前記プランジャ37に内嵌されている。内装部材17の凹穴17bの底部中央には、前記プッシュロッド46の下端部46aが嵌挿される凹状の嵌挿穴17cが形成されている。
【0028】
プッシュロッド46の大径部46bの上部に形成される段差部(下向きの環状の段丘面)46cとプランジャ37に内嵌された内装部材17の凹穴17bの底部(における嵌挿穴17c周りの上向きの面)との間には、円筒状の圧縮コイルばねからなるプランジャばね(開弁ばね)47が縮装されている。このプランジャばね47(の圧縮力)により、内装部材17を介してプランジャ37が下方(開弁方向)に付勢されるとともに、プッシュロッド46を介して前記ベローズ装置40が感圧室45内で保持されている。
【0029】
また、プランジャ37の底部には、その外周から中央(軸線O上)まで直線状に延びるスリット37sが形成されるとともに、プランジャ37の側部における前記スリット37sに対応する部分には、前記スリット37sより幅広の切欠き37tが設けられている。前記切欠き37tの(上下方向の)高さは、主弁体10の鍔状係止部10kの高さより若干大きくされており、前記スリット37sの(上下方向の)高さ(つまり、プランジャ37の底部の厚さ(上下方向の高さ))は、主弁体10の上部小径部10dの高さより若干小さくされており、主弁体10は、プランジャ37に対して上下動可能となっている(後で詳述)。また、前記切欠き37tの(周方向の)幅は、主弁体10の鍔状係止部10kの外径より若干大きくされており、前記スリット37sの(横方向の)幅は、組立性等を考慮して、主弁体10の上部小径部10dの外径より若干大きくされるとともに、主弁体10の鍔状係止部10kの外径より小さくされており、前記プランジャ37の底部上面における前記スリット37sの外周部分が、主弁体10の鍔状係止部10kを掛止するための内鍔状掛止部37kとされている。
【0030】
さらに、前記プランジャ37の下面には、前記スリット37sに対応する部分が切り欠かれた(具体的には、主弁体10の中間嵌挿部10cの外径より幅広の部分が切り欠かれた)平面視で略C字状の筒状脚部37aが(下向きに)突設されている。この筒状脚部37aは、主弁体10の中間嵌挿部10c(の上端部分)に(若干の隙間を持って)外挿されるとともに、その下端部に、後述する副弁体15の鍔状係止部15jを掛止するための外鍔状掛止部37jが(外向きに)突設されている。
【0031】
また、本例では、プランジャ37の外周の所定位置(図示例では、切欠き37t及びスリット37sが形成された部分)に、Dカット面37dが形成されており、プランジャ37(のDカット面37d)の外周と案内パイプ35との間に隙間36が形成されている。なお、プランジャ37のDカット面37dに代えて、1つもしくは複数の縦溝を形成して、プランジャ37の外周と案内パイプ35との間に隙間36を形成しても良い。
【0032】
主弁体10は、例えば金属製とされ、軸線Oに沿って配置された段付き軸状の中実部材から形成されている。この主弁体10は、下から順に、比較的大径の主弁体部10a、下部小径部10b、上下方向に長い中間嵌挿部10c、上部小径部10d、及び鍔状係止部10kからなっており、中間嵌挿部10cの下部外周に環状溝10Aが上下二段で設けられている。この環状溝10Aに、制御弁1内を流れる冷媒に含まれるオイル(圧縮機等を潤滑させるためのオイル)が溜まることにより、例えば摺動性や液密状態の確保・向上を図ることができる。
【0033】
前記のように、主弁体10の中間嵌挿部10c(の案内孔19から上側に突出した上端部分)は、プランジャ37の下面に設けられた筒状脚部37aに内挿され、上部小径部10dは、前記スリット37sに緩く内嵌され、鍔状係止部10kは、前記プランジャ37の内側における内装部材17より下側(言い換えれば、プランジャ37の底部と内装部材17の下端部との間の空間)に緩く内嵌される。前記鍔状係止部10kは前記スリット37sの幅より大径とされており、プランジャ37が主弁体10に対して上方向に移動せしめられるとき、前記スリット37sの外周部分からなる内鍔状掛止部37kが鍔状係止部10kに引っ掛けられて抜け止め係止されるようになっている。また、前記中間嵌挿部10cも前記スリット37sの幅より大径とされており、前記プランジャ37の下面における前記スリット37sの外周部分が主弁体10における中間嵌挿部10cと上部小径部10dとの段差部に対接せしめられるようになっている。
【0034】
一方、弁本体20は、上部中央に嵌合用の凹穴20Cが設けられるとともに下部中央に前記凹穴20Cに連なる若干小径の収容穴18が設けられた段付き円筒状の本体部材20Aと、前記凹穴20Cに圧入等により内挿固定される円筒状のシート部材20Bとの二分割構成とされている。
【0035】
シート部材20Bは、ステンレス(SUS)、高硬度真鍮材(鉛の含有量を少なくするなどして硬度を高めた黄銅)等から作製され、前記凹穴20Cに嵌挿される嵌挿部24の上側に(言い換えれば、嵌挿部24からPs入出室28側へ向けて突出するように)、プランジャ37の最下降位置を規定するためのストッパ部24Aが突設されている。シート部材20B(の嵌挿部24)の下端部は、本体部材20Aの凹穴20Cと収容穴18との間の段差部(段丘部)に当接せしめられている。また、シート部材20Bの中央部には、縦方向に貫通するように(つまり、軸線Oに沿って)、前記主弁体10の中間嵌挿部10cが摺動自在に嵌挿されるとともに、中間嵌挿部10cの直下に(段差部を介して)設けられた下部小径部10bが内挿される案内孔19が形成され、この案内孔19の下端部が前記主弁体10の下端部に設けられた主弁体部10aにより開閉される弁口22(弁シート部)となっている。ここでは、主弁体部10aと弁口22とで主弁部11が構成される。
【0036】
また、前記シート部材20B(並びに、後述する副弁体15の筒状部15b)(の外径)は、前記プランジャ37より小径とされている。
【0037】
本体部材20Aは、例えばアルミニウムや真鍮、あるいは樹脂等から作製され、本体部材20Aの凹穴20Cにシート部材20B(の嵌挿部24)が内挿された状態で、前記ストッパ部24Aの外周(言い換えれば、本体部材20Aにおけるシート部材20Bの上端側)には、圧縮機の吸入圧力PsのPs入出室28が形成されるとともに、そのPs入出室28の外周側に複数個(図示例では、2個)のPs入出口27が形成されている。このPs入出口27からPs入出室28に導入された吸入圧力Psは、プランジャ37の外周と案内パイプ35との間に形成される隙間36(本例では、Dカット面37dにより形成される隙間)、プッシュロッド46の外周と吸引子34との間に形成される隙間34b等を介して前記感圧室45に導入される。
【0038】
また、本体部材20Aの凹穴20Cの底部中央に、主弁体10の主弁体部10aを収容するための、案内孔19及び主弁体部10aより大径の前記収容穴18が連設されている。収容穴18の底部外周角部と主弁体10の主弁体部10aの下部外周に設けられた段差部(段丘部)10eとの間には、円錐状の圧縮コイルばねからなる閉弁ばね50が縮装され、この閉弁ばね50の付勢力により主弁体10(の中間嵌挿部10cと上部小径部10dとの段差部)がプランジャ37(の下面)に押し付けられる。ここでは、前記収容穴18内(シート部材20Bの弁口22より下側部分)が、弁室21となっている。
【0039】
前記凹穴20Cには、圧縮機の吐出室に連通するPd導入口25が複数個開口せしめられ、そのPd導入口25の外周に、リング状のフィルタ部材25Aが配在されるとともに、前記凹穴20Cに内挿されたシート部材20Bの嵌挿部24(特に、主弁体10の中間嵌挿部10cが内挿される部分(後述する摺動面部19f及び拡幅部19h)より下側の部分)に、前記Pd導入口25に連通するとともに前記案内孔19に連なる複数個の横孔25sが設けられている。各横孔25sは、本例では、各Pd導入口25の内側(真横)に形成されている。
【0040】
また、本体部材20Aの下端部には、フィルタとして機能する蓋状部材48が係合・圧入等により固定されており、この蓋状部材48より上側で収容穴18より下側(言い換えれば、本体部材20Aにおけるシート部材20Bの下端側)が、圧縮機のクランク室に連通するPc入出室(入出口)26となっている。このPc入出室(入出口)26は、弁室21→弁口22と主弁体部10aとの間の隙間→案内孔19の下部と下部小径部10bとの間の隙間→嵌挿部24の横孔25sを介して前記Pd導入口25に連通する。
【0041】
さらに、本実施形態では、前記弁本体20における本体部材20Aとシート部材20Bとの間に、Pc入出室26とPs入出室28とを連通するための弁本体内連通路16Aが設けられている。
【0042】
詳しくは、
図5〜
図7を参照すればよく分かるように、前記弁本体20におけるシート部材20Bの嵌挿部24の外周に、下端が弁室21(及びPc入出室26)に開放する縦溝16bが形成されるとともに、本体部材20Aの上部内周(言い換えれば、凹穴20Cの上端部分)に、前記縦溝16bに連なる環状凹部16aが形成されており、この(上下方向に延びる)縦溝16bと(円周状の)環状凹部16aとによって、Pc入出室26とPs入出室28とを連通する弁本体内連通路16Aが形成されている。この弁本体内連通路16Aは、弁内逃がし通路16の一部を構成するとともに、この弁本体内連通路16Aの上端部(環状凹部16Cの上端部)が、副弁体15の下端部(副弁体部)15aが接離する副弁シート部23となっている(後で詳述)。
【0043】
一方、前記シート部材20BにおけるPs入出室28側に突出したストッパ部24Aの外周には、前記弁内逃がし通路16(弁本体内連通路16A)を開閉するための副弁体15が上下方向に摺動自在に配在されている。
【0044】
前記副弁体15は、例えば金属製とされ、前記ストッパ部24Aに摺動自在に外挿される、ストッパ部24A(の外径)と略同径の筒状部15bを有し、この筒状部15bの下端部が、前記弁本体内連通路16Aの上端縁部である副弁シート部23に接離して前記弁内逃がし通路16を開閉する副弁体部15aとなっている。ここでは、副弁シート部23と副弁体部15aとで副弁部12が構成される。
【0045】
また、前記筒状部15aの下端部には鍔状の下側ばね受け部15cが(外向きに)突設されるとともに、弁本体20(の本体部材20A)の上端部(内周)には鍔状の上側ばね受け部20cが突設されており、下側ばね受け部15cと上側ばね受け部20cとの間に、副弁体15を下方(弁内逃がし通路16(弁本体内連通路16A)を閉じる閉弁方向)に付勢する逆立円錐状の圧縮コイルばねからなる閉弁ばね51が縮装されている。
【0046】
前記副弁体15(の筒状部15b)の上端は、前記ストッパ部24A(の上端)より所定寸法だけ上側に位置せしめられており、
図8を参照すればよく分かるように、その副弁体15(の筒状部15b)の上端開口(副弁体部15aとは反対側の上端部)に、当該副弁体15をプランジャ37と連動して移動させるための鍔状係止部15jが内向きに突設されている。ここでは、前記上端開口の半周強の部分に、前記鍔状係止部15jが設けられている。この鍔状係止部15jは、前記筒状部15bの上端開口から、主弁体10の中間嵌挿部10cに外挿されるプランジャ37の筒状脚部37a側へ向けて突出しており、プランジャ37が副弁体15に対して上方向に移動せしめられるとき、前記プランジャ37(の筒状脚部37a)の外鍔状掛止部37jにより前記鍔状係止部15jが引っ掛けられて掛止されるようになっている。
【0047】
本実施形態では、前記のように、Pc入出室26、弁室21、前記弁本体20に設けられた弁本体内連通路16A、Ps入出室28などで、クランク室の圧力PcをPs入出口27を介して圧縮機の吸入室に逃がすための弁内逃がし通路16が構成され、弁本体内連通路16Aの上端縁部である副弁シート部23に副弁体15の副弁体部(下端部)15aが離接することにより、前記弁内逃がし通路16が開閉されるようになっている。
【0048】
なお、前記主弁体10及び副弁体15とプランジャ37との組み付けに際しては、例えば、予め弁本体20の案内孔19に主弁体10を(下側から)組み付けるとともにストッパ部24Aに副弁体15を(上側から)組み付けた後、プランジャ37の切欠き37t及びスリット37sに前記主弁体10の鍔状係止部10k及び上部小径部10dがそれぞれ挿入されるとともに、平面視で略C字状の筒状脚部37aの開放部分から主弁体10の中間嵌挿部10cが当該筒状脚部37aの内側に配置され、副弁体15の上端の開放部分(鍔状係止部15jが設けられていない部分)を介して前記筒状脚部37aが前記副弁体15の筒状部15bの上端及び鍔状係止部15jの内側に配置されるように、当該主弁体10及び副弁体10に対してプランジャ37を横移動させ、主弁体10の上部小径部10dをプランジャ37のスリット37sの奥側(つまり、プランジャ37の中心軸線O上)に嵌挿すればよい。その後、当該プランジャ37を軸線(中心線)O回りで(主弁体10及び副弁体15等に対して)略180°回転させて、プランジャ37の外鍔状掛止部37jを副弁体15の鍔状係止部15jに係合させ得る状態(
図1等に示される状態)とすればよい。
【0049】
ここで、本実施形態の制御弁1では、
図1に示される如くに、プランジャ37、主弁体10、及び副弁体15が最下降位置にある状態(プランジャ37の最下端面(つまり、プランジャ37の筒状脚部37aの外鍔状掛止部37jの下端面)がストッパ部24A(の上面)に当接、主弁部11は全開、副弁部12は全閉)において、主弁体10の主弁体部10aと弁口22(弁シート部)との間の上下方向の離隔距離が第1リフト量Laとされ、プランジャ37の外鍔状掛止部37jと副弁体15の鍔状係止部15jとの離隔距離が第2リフト量Lb(>La)とされ、プランジャ37の内鍔状掛止部37kと主弁体10の鍔状係止部10kとの離隔距離は所定量Lxとされ、前記プランジャ37の最大リフト量(第3リフト量)Lc(>Lb)(プランジャ37の最下降位置から最上昇位置までのリフト量)は、第1リフト量La+所定量Lxとなっている。すなわち、Lx>Lb−Laの関係となるように各離隔距離が設定されている。
【0050】
上記構成とされた本実施形態の制御弁1では、弁口22の閉弁時(
図2〜
図4に示される主弁:閉の状態)に、Ps入出口27(及びPs入出室28)とPd導入口25の圧力差によって主弁体10の中間嵌挿部10c(の外周)と案内孔19(の内壁)との間に形成される摺動面間隙(クリアランス)(より詳しくは、弁体10の中間嵌挿部10cの下部からなる摺動面部(主弁体側摺動面部)10fと案内孔19における横孔25sより上側からなる摺動面部(案内孔側摺動面部)19fとの間)に異物(加工組立時から残っている切削研磨屑、研磨材、摺動摩擦による摩耗分、外部からの塵埃等)が侵入するが、前記摺動面間隙(クリアランス)に異物が詰まって主弁体10が動かなくなる(弁ロック、弁体置き去り)等の作動不良を回避すべく、次のような方策が講じられている。
【0051】
すなわち、
図5及び
図6に拡大図示されているように、案内孔19における摺動面部19fの下端部(弁口22側端部)に、円環状段差部19gを介して摺動面部19fより幅広の(円環状の)拡幅部19hが設けられている。
【0052】
一方、前記主弁体10の摺動面部10fは、弁口22の閉弁時(
図2〜
図4、
図6に示される主弁:閉の状態)に、前記案内孔19の摺動面部19fの内側に位置せしめられる(入り込む)とともに、弁口22の開弁時(
図1、
図5に示される主弁:開の状態)には、主弁体10の摺動面部10fの下端部(言い換えれば、中間嵌挿部10c(の摺動面部10f)と下部小径部10bとの間の段差部)が、案内孔19において摺動面部19fから外れて拡幅部19hの内側もしくは当該拡幅部19hより下側(弁口22側)まで(図示例では、拡幅部19hの内側まで)突出するようになっている。
【0053】
これにより、弁口22の閉弁時に前記摺動面間隙に侵入した異物は、弁口22の開弁時に、拡幅部19h側に突出する主弁体10の摺動面部10fの下端部とともに当該摺動面間隙から拡幅部19h側へ抜けやすくなり、当該摺動面間隙に異物が溜まりにくくなる。
【0054】
なお、本例では、案内孔19における摺動面部19fの下端部(横穴25sの直上)に拡幅部19hが設けられているが、例えば、
図9に示される如くに、摺動面部19fの下端部付近(の内壁)に、摺動面部19fより幅広となる空間を形成するための凹溝19iを形成しても、同様の作用効果が得られることは当然である。
【0055】
また、本例では、主弁体10(の中間嵌挿部10c)の摺動面部10fの外周に形成された環状溝10Aより下側の部分が、案内孔19において摺動面部19fから下側(弁口22側)へ突出するようになっているが、例えば、拡幅部19hの大きさ等を調整して、
図10に示される如くに、前記環状溝10Aを含む部分を、案内孔19において摺動面部19fから下側(弁口22側)へ突出するようにしてもよい。この場合、弁口22の開弁時に、前記環状溝10Aに侵入・滞留する異物を(Pc入出室(入出口)26側に)確実に排出することができる。
【0056】
また、本例では、弁口22の開弁時に、軸線O方向(弁口開閉方向)に対して垂直な方向で視て、主弁体10の摺動面部10fの下端部(段差部)がPd導入口25に対応する位置まで突出せず、これにより、Pd導入口25及び横穴25sから弁口22へ向かう冷媒の流れを阻害しないようになっているが、例えば、
図11に示される如くに、主弁体10の摺動面部10fの下端部(段差部)をPd導入口25に対応する位置まで突出するようにしてもよい。この場合、弁口22の開弁時に、Pd導入口25及び横穴25sから弁口22へ向かう冷媒の流れ(流体力)を利用して、主弁体10の摺動面部10fの下端部とともに前記摺動面間隙から抜け出た異物を(Pc入出室(入出口)26側に)より確実に排出することができる。
【0057】
[制御弁1の動作]
次に、上記構成とされた制御弁1の動作を概説する。
【0058】
通常制御時(Pd→Pc制御時)には、プランジャ37のリフト量は、最大でも前記第1リフト量La強とされ、圧縮機起動時(Pc→Ps制御時)には、プランジャ37のリフト量は、前記第3リフト量Lcとされる。
【0059】
すなわち、通常制御時(Pd→Pc制御時)には、コイル32、ステータ33及び吸引子34等からなるソレノイド部30Aが通電励磁されると、吸引子34にプランジャ37が引き寄せられ、この動きに追従して、閉弁ばね50の付勢力により主弁体10が上方(閉弁方向)に移動せしめられる。一方、圧縮機からPs入出口27に導入された吸入圧力Psは、Ps入出室28からプランジャ37の外周と案内パイプ35との間の隙間36等を介して感圧室45に導入され、ベローズ装置40(内部は真空圧)は感圧室45の圧力(吸入圧力Ps)に応じて伸縮変位(吸入圧力Psが高いと収縮、低いと伸張)し、該変位がプッシュロッド46や内装部材17、プランジャ37を介して主弁体10に伝達され、それによって、弁開度(弁口22と主弁体部10aとの離隔距離)が調整され、その弁開度に応じて、クランク室の圧力Pcが調整される。
【0060】
この場合、主弁体10は閉弁ばね50の付勢力により常に上向きに付勢されているとともに、プランジャ37の外鍔状掛止部37jに副弁体15の鍔状係止部15jは掛止されておらず(Lb>Laであるため)、副弁体15は閉弁ばね51の付勢力により常に下向きに付勢されているので、副弁体部15aは副弁シート部23に押し付けられた状態(副弁部12が閉弁)となり、弁内逃がし通路16は弁本体20内で遮断されている。そのため、弁内逃がし通路16を通じてクランク室の圧力Pcが吸入室に逃がされることはない。
【0061】
それに対し、圧縮機起動時には、ソレノイド部30Aが通電励磁されて、吸引子34にプランジャ37が引き寄せられ、この上方向移動に追従して主弁体10が上方向に移動せしめられ、主弁体10の主弁体部10aにより弁口22が閉じられた後、さらにプランジャ37が上方向に移動せしめられ、これによって副弁体15が弁内逃がし通路16を開くようにされ、クランク室の圧力Pcが弁内逃がし通路16を通じて吸入室に逃がされる。
【0062】
詳細には、プランジャ37の上方向移動量が第1リフト量Laに達するまでは、主弁体10が閉弁ばね50の付勢力によりプランジャ37の上方向移動に追従するように閉弁方向に移動し、前記上方向移動量が前記第1リフト量Laに達すると、主弁体10の主弁体部10aにより弁口22が閉じられる(
図2に示される状態)。圧縮機起動時には、この主弁部11の閉弁状態から(主弁体10は閉弁状態のまま不動から)さらにプランジャ37が上方向に移動せしめられる。プランジャ37の上方向移動量が第2リフト量Lbに達するまでは、副弁体15は閉弁ばね51の付勢力により閉弁状態のまま(副弁体部15aが副弁シート部23に押し付けられたまま)不動である。前記上方向移動量が前記第2リフト量Lbに達すると、プランジャ37の外鍔状掛止部37jが副弁体15の鍔状係止部15jに係止される(
図3に示される状態)。そして、この状態から、プランジャ37の内鍔状掛止部37kが主弁体10の鍔状係止部10kに係止されるまで、つまり、Lx−(Lb−La)分だけプランジャ37がさらに上方向に移動せしめられる(
図4に示される状態)。言い換えれば、プランジャ37の上方向移動量が前記第1リフト量Laに達した後、プランジャ37の内鍔状掛止部37kが主弁体10の鍔状係止部10kに係止されるまでのLx−(Lb−La)分だけ副弁体15が(弁本体20から)引き上げられる。この場合、主弁体10は閉弁状態のまま不動である一方で、副弁体15の副弁体部15aは副弁シート部23から前記Lx−(Lb−La)分リフトせしめられ、これによって弁内逃がし通路16が開かれる。プランジャ37の内鍔状掛止部37kが主弁体10の鍔状係止部10kに係止されると、ソレノイド部30Aが吸引力を発生しても、プランジャ37及び副弁体15はそれ以上引き上げられない。
【0063】
このように、本実施形態の制御弁1においては、圧縮機起動時に、クランク室の圧力Pcは弁内逃がし通路16を通じて吸入室に逃がされることになるため、圧縮機起動時において吐出容量が大きくなるまでに要する時間を大幅に短縮することができる。また、通常制御時(Pd→Pc制御時)には、弁内逃がし通路16は副弁体15により閉じられているため、圧縮機の運転効率が低下することはない。
【0064】
また、本実施形態の制御弁1においては、弁口22の開弁時に、主弁体10(の中間嵌挿部10c)の摺動面部10fの下端部が案内孔19における摺動面部19fから弁口22側へ突出することにより、弁口22の閉弁時に主弁体10と案内孔19との間に形成される摺動面隙間(クリアランス)に侵入した異物が、弁口22の開弁時に、摺動面部19fから弁口22側へ突出する主弁体10によって当該摺動面隙間(クリアランス)から拡幅部19hを介して弁口22及び弁室21を通ってPc入出室(入出口)26側に排出されやすくなり、当該摺動面間隙に異物が溜まらないようにできるので、弁ロック、主弁体置き去り等の作動不良を生じ難くできる。
【0065】
なお、上記実施形態では、弁本体20を本体部材20Aとシート部材20Bとの二部品構成とし、弁本体20におけるシート部材20Bの外周に形成した縦溝16bと本体部材20の内周に形成した環状凹部16aとによって、弁内逃がし通路16の一部を構成する弁本体内連通路16Aを形成しているが、例えば、前記弁本体内連通路16Aは、シート部材20B側又は本体部材20A側のいずれかにのみ設けても良いし、前記弁本体内連通路16Aの形状は上記形状のみに限定されないことは勿論である。また、例えば、前記弁本体20を(本体部材20Aとシート部材20Bとの二部品ではなく)一部品で形成し、その弁本体に貫通孔等からなる弁本体内連通路を形成しても良い。
【0066】
また、前記弁内逃がし通路16を開閉する副弁体15の配置箇所や形状、プランジャ37との連結機構等は、適宜に変更できることは詳述するまでも無い。
【0067】
<第2実施形態>
図12〜
図14は、それぞれ本発明に係る可変容量型圧縮機用制御弁の第2実施形態を示す縦断面図であり、
図12は主弁:開、副弁:閉の状態(通常制御時)、
図13は主弁:閉、副弁:閉の状態(圧縮機起動移行時)、
図14は主弁:閉、副弁:開の状態(圧縮機起動時)を示している。また、
図15は、
図12のC部拡大図、
図16は、
図13のD部拡大図、
図17は、
図12のX−X矢視線に従う断面図である。
【0068】
本第2実施形態の制御弁2は、前述した第1実施形態の制御弁1に対し、主に、クランク室の圧力PcをPs入出口27を介して圧縮機の吸入室に逃がすための弁内逃がし通路16が(弁本体20内ではなく)主弁体10内に設けられている点が相違しており、その他の構成は略同じである。したがって、第1実施形態の制御弁1の各部と同様の構成及び作用効果を有する部分には共通の符号を付して重複説明を省略し、以下においては、相違点を重点的に説明する。
【0069】
[制御弁2の構成]
図示実施形態の制御弁2では、上記第1実施形態の制御弁1におけるプランジャ37の下面に設けられた筒状脚部37a、弁本体20の弁本体内連通路16A、弁本体20のシート部材20B(のストッパ部24A)に外挿される筒状部15bを持つ副弁体15等が省略され、プランジャ37に内挿固定された内装部材17が副弁体17Bとされ、プッシュロッド46の大径部46bの形成される段差部46cとの間に縮装されたプランジャばね47により副弁体(内装部材)17Bが下方に付勢された状態で当該副弁体17Bとプランジャ37とが一緒に上下動するようになっている。このプランジャばね47(の圧縮力)により、副弁体17Bが後述する弁内逃がし通路16を閉じる方向に付勢されるとともに、プッシュロッド46を介して前記ベローズ装置40が感圧室45内で保持されている。
【0070】
また、本実施形態では、前記副弁体17Bの下側に配置された主弁体10は、例えば非磁性材で作製され、その内部中央に、縦方向(軸線O方向)に貫通するように弁内逃がし通路16の一部を構成する貫通逃がし孔16Bが設けられている。
【0071】
副弁体17Bは、前述のように、前記主弁体10の上側で前記プランジャ37に内挿固定されており、その外径(=プランジャ37の内径)は、前記主弁体10の鍔状係止部10kの外径より大きくされており、その下端部(平坦面)が、貫通逃がし孔16Bの上端縁部である副弁シート部(逆立円錐台面部)23に接離して弁内逃がし通路16を開閉する副弁体部17aとされている。
【0072】
前記のように、本第2実施形態では、Pc入出室26、弁室21、主弁体10に形成された貫通逃がし孔16B、プランジャ37内、Ps入出室28などで、クランク室の圧力PcをPs入出口27を介して圧縮機の吸入室に逃がすための弁内逃がし通路16が構成され、主弁体10の貫通逃がし孔16Bの上端縁部である副弁シート部23に副弁体17Bの副弁体部(下端部)17aが接離することにより、前記弁内逃がし通路16が開閉されるようになっている。
【0073】
ここで、本実施形態の制御弁2では、
図12に示される如くに、プランジャ37、主弁体10、及び副弁体17Bが最下降位置にある状態(プランジャ37の最下端面がストッパ部24Aに当接、主弁部11は全開、副弁部12は全閉)において、主弁体10の主弁体部10aと弁口22(弁シート部)との間の上下方向の離隔距離が第1リフト量Ldとされ、プランジャ37の内鍔状掛止部37kと主弁体10の鍔状係止部10kとの離隔距離は所定量Lyとされ、前記プランジャ37の最大リフト量(第2リフト量)Le(プランジャ37の最下降位置から最上昇位置までのリフト量)は、第1リフト量Ld+所定量Lyとなっている。
【0074】
さらに、本第2実施形態の制御弁2においても、前述した第1実施形態の制御弁1と同様、主弁体10の中間嵌挿部10c(の外周)と案内孔19(の内壁)との間に形成される摺動面間隙(クリアランス)に異物(加工組立時から残っている切削研磨屑、研磨材、摺動摩擦による摩耗分、外部からの塵埃等)が詰まって主弁体10が動かなくなる(弁ロック、弁体置き去り)等の作動不良を回避すべく、案内孔19における摺動面部19fの下端部(弁口22側端部)に、円環状段差部19gを介して摺動面部19fより幅広の(円環状の)拡幅部19hが設けられ、弁口22の開弁時に、主弁体10の摺動面部10fの下端部(言い換えれば、中間嵌挿部10c(の摺動面部10f)と下部小径部10bとの間の段差部)が、案内孔19において摺動面部19fから外れて拡幅部19hの内側もしくは当該拡幅部19hより下側(弁口22側)まで(図示例では、拡幅部19hの内側まで)突出するようになっている(特に、
図15及び
図16参照)。
【0075】
[制御弁2の動作]
次に、上記構成とされた制御弁2の動作を概説する。
【0076】
通常制御時(Pd→Pc制御時)には、プランジャ37(及び副弁体17B)のリフト量は、最大でも前記第1リフト量Ld強とされ、圧縮機起動時(Pc→Ps制御時)には、プランジャ37(及び副弁体17B)のリフト量は、前記第2リフト量Leとされる。
【0077】
すなわち、通常制御時(Pd→Pc制御時)には、コイル32、ステータ33及び吸引子34等からなるソレノイド部30Aが通電励磁されると、吸引子34にプランジャ37及び副弁体17Bが共に(上方向に)引き寄せられ、この動きに追従して、閉弁ばね50の付勢力により主弁体10が上方(閉弁方向)に移動せしめられる。一方、圧縮機からPs入出口27に導入された吸入圧力Psは、Ps入出室28からプランジャ37の外周と案内パイプ35との間の隙間36等を介して感圧室45に導入され、ベローズ装置40(内部は真空圧)は感圧室45の圧力(吸入圧力Ps)に応じて伸縮変位(吸入圧力Psが高いと収縮、低いと伸張)し、該変位がプッシュロッド46や副弁体17B等を介して主弁体10に伝達され、それによって、弁開度(弁口22と主弁体部15aとの離隔距離)が調整され、その弁開度に応じて、クランク室の圧力Pcが調整される。
【0078】
この場合、主弁体10は閉弁ばね50の付勢力により常に上向きに付勢されているとともに、副弁体17Bは開弁ばね47の付勢力により常に下向きに付勢されているので、副弁体部17aは副弁シート部23に押し付けられた状態(副弁部12が閉弁)となり、弁内逃がし通路16は主弁体10内で遮断されている。そのため、弁内逃がし通路16を通じてクランク室の圧力Pcが吸入室に逃がされることはない。
【0079】
それに対し、圧縮機起動時には、ソレノイド部30Aが通電励磁されて、吸引子34にプランジャ37及び副弁体17Bが共に(上方向に)引き寄せられ、この上方向移動に追従して主弁体10が上方向に移動せしめられ、主弁体10の主弁体部10aにより弁口22が閉じられた後、さらにプランジャ37及び副弁体17Bが上方向に移動せしめられ、これによって副弁体17Bが弁内逃がし通路16を開くようにされ、クランク室の圧力Pcが弁内逃がし通路16を通じて吸入室に逃がされる。
【0080】
詳細には、プランジャ37(及び副弁体17B)の上方向移動量が第1リフト量Ldに達するまでは、主弁体10が閉弁ばね50の付勢力によりプランジャ37及び副弁体17Bの上方向移動に追従するように閉弁方向に移動し、前記上方向移動量が前記第1リフト量Ldに達すると、主弁体10の主弁体部10aにより弁口22が閉じられ(
図13に示す状態)、この主弁部11の閉弁状態からさらにプランジャ37及び副弁体17Bが前記所定量Ly分上方向に移動せしめられる(
図14に示す状態)。言い換えれば、プランジャ37及び副弁体17Bの上方向移動量が前記第1リフト量Ldに達した後、プランジャ37の内鍔状掛止部37kが主弁体10の鍔状係止部10kに係止されるまでの所定量Ly分だけ副弁体17Bがプランジャ37と共に吸引子34側に引き寄せられる(第1リフト量Ld+所定量Ly=第2リフト量Le)。この場合、主弁体10は閉弁状態のまま不動であるので、副弁体17Bの副弁体部17aは、副弁シート部23から所定量Ly分リフトせしめられ、これによって弁内逃がし通路16が開かれる。プランジャ37の内鍔状掛止部37kが主弁体10の鍔状係止部10kに係止されると、ソレノイド部30Aが吸引力を発生しても、プランジャ37及び副弁体17Bはそれ以上引き上げられない。
【0081】
このような構成とされた本実施形態の制御弁2においても、前述した第1実施形態の制御弁1と同様の作用効果が得られることは勿論である。なお、本第2実施形態の制御弁2の詳細構造について、必要であれば、本発明者等による特開2018−003884号公報等を併せて参照されたい。