【実施例】
【0054】
[0059]実験例
[0060]本開示の特別な態様を実証するために、以下の例が挙げられる。次に続く実施例に記載されている方法が、本開示の例示的な実施形態を単に表すことは、当業者によって理解されるべきである。当業者は、本開示に照らして、記載されている特定の実施形態において多くの変化が行われ得ることを理解し、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく類似または同様の結果をさらに得るはずである。
【0055】
[実施例1A]
[0061]以下は、真菌増殖試験のために使用される処理木材試料のための溶液調製およびコーティング手順を記載する。試料1:酸性条件(pH=5、HClで調製された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液を使用して、ポンデローサマツ辺材パネル(およそ7.62cm×10.16cm×1.905cm(3”x4”x3/4”))を浸すことによって処理した。パネルを完全に乾燥した後に、独立試験のために送り出した。試料2:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をメタノールで本来の濃度の60%に希釈し、ポンデローサマツ辺材パネル(およそ7.62cm×10.16cm×1.905cm(3”x4”x3/4”))を浸すことによって処理するために使用した。パネルを完全に乾燥した後、それを次いで、疎水性化学剤(メタノール中のトリメトキシ(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン)で処理した。パネルを完全に乾燥した後に、独立試験のために送り出した。試料3:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をメタノールで本来の濃度の60%に希釈し、ポンデローサマツ辺材パネル(およそ7.62cm×10.16cm×1.905cm(3”x4”x3/4”))を浸すことによって処理するために使用した。パネルを完全に乾燥した後、それを次いで、疎水性化学剤(メタノール中のトリメトキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチル)シラン)で処理した。パネルを完全に乾燥した後に、独立試験のために送り出した。
【0056】
[実施例2A]
[0062]以下は、処理試料の真菌増殖試験のための手順および結果を記載する。試料1、2および3を、環境チャンバー(ASTM D3273、ここでASTMは、American Society for Testing and Materialsを表す)において、室内コーティングの表面上のカビに対する耐性についての標準試験法にかけた。この試験方法は、4週期間において、過酷な室内環境における表面カビ真菌、白カビ増殖に対する塗料膜の相対的耐性を再現性よく評価するための小さい環境チャンバーおよび操作条件を記載する。ASTM D3273試験チャンバーは、Aspergillus niger ATCC番号6275、Penicillium citrinum ATCC番号9849およびAureobasidium pullulans ATCC番号9348の真菌胞子が播種されるとともに増殖が可能にされた土壌を含有する。D3273チャンバーを32.5±1℃で95±3%間の相対湿度を用いて維持した。試験試料を、3枚の未処理汎用壁板を有するD3273チャンバー内につるして、土壌から来る真菌接種物の妥当性を確認した。試料を検査し、表面汚損の百分率を概算することによって、汚損なしが10および完全に汚損されたのが0である0から10の格付けスケールで毎週、真菌増殖および汚損について格付けした。下記の表で示される通り、全ての処理試料は、汚損なしに対応する最も高い格付け10を有し、真菌増殖に対する耐性を実証した。
【0057】
【表1】
【0058】
[実施例3A]
[0063]以下は、風化試験のために使用される処理木材試料のための溶液調製およびコーティング手順を記載する。試料4:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液を使用して、サザンイエローマツパネル(およそ5.08cm×10.16cm×1.27cm(2”×4”×1/2”))を浸すことによって処理した。パネルを完全に乾燥した後に、独立試験のために送り出した。試料5:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をメタノールで本来の濃度の60%に希釈し、サザンイエローマツパネル(およそ5.08cm×10.16cm×1.27cm(2”×4”×1/2”))を浸すことによって処理するために使用した。パネルを完全に乾燥した後に、独立試験のために送り出した。試料6:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をメタノールで本来の濃度の40%に希釈し、サザンイエローマツパネル(およそ5.08cm×10.16cm×1.27cm(2”×4”×1/2”))を浸すことによって処理するために使用した。パネルを完全に乾燥した後に、独立試験のために送り出した。試料7:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をメタノールで本来の濃度の60%に希釈し、サザンイエローマツパネル(およそ5.08cm×10.16cm×1.27cm(2”×4”×1/2”))を浸すことによって処理するために使用した。パネルを完全に乾燥した後、それらを次いで、疎水性化学剤(メタノール中のトリメトキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチル)シラン)で処理した。パネルを完全に乾燥した後に、独立試験のために送り出した。
【0059】
[実施例4A]
[0064]以下は、処理試料の風化試験のための手順および結果を記載する。各処理はセットから成り、1つの群に3片で各々9片を有していた。1つの群を360時間の曝露で、別の群を720時間の曝露で、および最後の群を1080時間の曝露後に除去した。ASTM D4587のための曝露は、70℃で8時間UV、続いて50℃で4時間凝縮相から成る。このサイクルは、曝露の時間の全体にわたって連続的に実行する。曝露試料を次いで、ASTM D1037:木材ベース繊維および粒子パネル材料の特性を評価するための標準試験法(水分試験:吸水および厚さ膨張)に基づく水分試験にかけた。標本を、20±1℃(68±2°F)の温度で維持される飲用水25mm(1インチ)下に水平に沈めた。2時間の水没後、標本を10±2分の間つるして水気を切り、次いで、過剰の表面水を除去し、標本を直ちに秤量した。標本を22時間の追加期間の間沈め、上記秤量手順を反復した。それの初期2時間の水没期間を用いる方法Aは、短期(2時間)およびより長い期間(2プラス22時間)の吸水性能に関する情報を提供する。2プラス22時間の水没後の標本について、吸水(WA)をパーセントとして表す。ASTM D5401:木材上の透明撥水コーティングを評価するための標準試験法に詳述されている手順を使用して、コーティングの撥水効率(WRE)を算出した。下記の表で示される結果は、より長い期間(2プラス22時間)の結果である。真新しい試料は、720時間および1080時間の曝露(exprosure)を360時間の曝露と比較すると、より多くの水を吸収し、木材が実質的に分解することを示唆した。処理試料は、しかしながら、WREのずっと低い減少を一般に呈する。傾斜は、風化時間に関して各試料についてのWREの変化率を与える。
【0060】
【表2】
【0061】
[実施例5A]
[0065]以下は、本来の複合溶液(透明な木材シーラントとして)と、色素(木材染色薬として)と混合された複合溶液との間の撥水効率を比較するための、溶液調製およびコーティング手順を記載する。試料8:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をメタノールで本来の濃度の60%に希釈し、試料を溶液に沈めることによってポンデローサマツパネル(およそ12.7cm×7.62cm×1.905cm(5”×3”×3/4”))を処理するために使用した。パネルを試験前に完全に乾燥した。試料9:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液を市販色素の組合せと混合することで、木材染色薬を形成した。染色薬を使用して、染色薬をパネル上に泡ブラシで適用することによってポンデローサマツパネル(およそ12.7cm×7.62cm×1.905cm(5”×3”×3/4”))を処理した。パネルを試験前に完全に乾燥した。
【0062】
[実施例6A]
[0066]以下は、処理試料についての撥水試験のための手順および結果を記載する。両試料を、ASTM D1037:木材ベース繊維および粒子パネル材料の特性を評価するための標準試験法(水分試験:吸水および厚さ膨張)に基づく水分試験にかけた。標本を、20±1℃(68±2°F)の温度で維持された飲用水25mm(1インチ)下に水平に沈めた。2時間の水没後、標本を10±2分の間つるして水気を切り、次いで過剰の表面水を除去し、標本を直ちに秤量した。標本を22時間の追加期間の間沈め、上記秤量手順を反復した。それの初期2時間の水没期間を用いる方法Aは、短期(2時間)およびより長い期間(2プラス22時間)の吸水性能に関する情報を提供する。2プラス22時間の水没後の標本について、吸水(WA)をパーセントとして表す。ASTM D5401:木材上の透明撥水コーティングを評価するための標準試験法に詳述されている手順を使用して、コーティングの撥水効率(WRE)を算出した。下記の表で示される結果は、より長い期間(2プラス22時間)の結果である。木材染色薬は、透明シーラントと比較して同様のWREを呈し、色素沈着が本来の処方の撥水性の性能を損なわないことを示唆した。これは、こうした木材製品に保護コーティングを加えるための能力が、特別な所望の自然な外観に合わせるように木材の色および外観を特注する能力も有しながら本来の特性および美観を保持するために重要であることを実証している。両試料を、50℃(乾燥環境)で維持されたチャンバー内で4週間、連続的UVB−340曝露に曝露した。4週後、両試料をチャンバーから取り出し、室温で少なくとも24時間の間コンディショニングする。次いで、試料を再び、ASTM D1037に基づく水分試験にかけた。コーティングの吸水(WA)および撥水効率(WRE)を、2プラス22時間の水没後に算出した。試料は、50℃(乾燥環境)で4週の連続的UVB−340曝露後に分解の兆候を示さない。
図1は、本来のレッドオーク、透明シーラントでコーティングされたレッドオーク、および染色薬でコーティングされたレッドオークを比較する写真を示す。木目の可視性およびコントラストは、コーティングの適用後にはっきりと見ることができる。
【0063】
【表3】
【0064】
[0067]ゾル−ゲル複合体における色素は、本来の美的外観を保持または改善するためだけでなく、有害な放射線に対する曝露によって引き起こされる分解に対してホスト複合体を保護するためにも使用される。
図2に示されている通り、様々な色素とのゾル−ゲル構成成分の混合物を含む木材染色薬は、広範囲の色調を呈示する。加えて、該色素は、UVB/UVAから可視範囲への広い光減弱を呈示した。区別可能な透過を有するスペクトルを得るため、本来の木材染色薬を30倍から100倍の間に希釈した。そのため、本来の木材染色薬は、UV可視光の少なくとも99%を遮断し、木質材料下部に格外保護を提供するはずである。
【0065】
[実施例7A]
[0068]以下は、溶媒としてメタノールを用いる複合溶液と、溶媒としてエタノールを用いる複合溶液との間の撥水効率を比較するために使用される処理ヒマラヤスギ試料を生成するための溶液調製およびコーティング手順を記載する。試料10:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をメタノールで本来の濃度の60%に希釈し、試料を溶液に沈めることによってヒマラヤスギパネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))を処理するために使用した。パネルを試験前に完全に乾燥した。試料11:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびエタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をエタノールで本来の濃度の60%に希釈し、試料を溶液に沈めることによってヒマラヤスギパネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))を処理するために使用した。パネルを試験前に完全に乾燥した。
【0066】
[実施例8A]
[0069]以下は、処理ヒマラヤスギ試料についての撥水試験のための手順および結果を記載する。両試料を、ASTM D1037:木材ベース繊維および粒子パネル材料の特性を評価するための標準試験法(水分試験:吸水および厚さ膨張)に基づく水分試験にかけた。標本を、20±1℃(68±2°F)の温度で維持された飲用水25mm(1インチ
)下に水平に沈めた。2時間の水没後、標本を10±2分の間つるして水気を切り、次いで、過剰の表面水を除去し、標本を直ちに秤量した。標本を22時間の追加期間の間沈め、上記秤量手順を反復した。それの初期2時間の水没期間を用いる方法Aは、短期(2時間)およびより長い期間(2プラス22時間)の吸水性能に関する情報を提供する。2プラス22時間の水没後の標本について、吸水(WA)をパーセントとして表す。ASTM D5401:木材上の透明撥水コーティングを評価するための標準試験法に詳述されている手順を使用して、コーティングの撥水効率(WRE)を算出した。下記の表で示される結果は、より長い期間(2プラス22時間)の結果である。両処理試料は、同様のWREを呈し、複合溶液の処方において使用された異なる溶媒が撥水性の性能を損なわないことを示唆した。
【0067】
【表4】
【0068】
[実施例9A]
[0070]以下は、溶媒としてメタノールを用いる複合溶液と、溶媒としてエタノールを用いる複合溶液との間の撥水効率を比較するために使用される処理白色木材試料を生成するための溶液調製およびコーティング手順を記載する。試料12:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をメタノールで本来の濃度の60%に希釈し、試料を溶液に沈めることによって白色木材パネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))を処理するために使用した。パネルを試験前に完全に乾燥した。試料13:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびエタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をエタノールで本来の濃度の60%に希釈し、試料を溶液に沈めることによって白色木材パネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))を処理するために使用した。パネルを試験前に完全に乾燥した。
【0069】
[実施例10A]
[0071]以下は、処理する白色木材試料についての撥水試験のための手順および結果を記載する。両試料を、ASTM D1037:木材ベース繊維および粒子パネル材料の特性を評価するための標準試験法(水分試験:吸水および厚さ膨張)に基づく水分試験にかけた。標本を、20±1℃(68±2°F)の温度で維持された飲用水25mm(1インチ)下に水平に沈めた。2時間の水没後、標本を10±2分の間つるして水気を切り、次いで、過剰の表面水を除去し、標本を直ちに秤量した。標本を22時間の追加期間の間沈め、上記秤量手順を反復した。それの初期2時間の水没期間を用いる方法Aは、短期(2時間)およびより長い期間(2プラス22時間)の吸水性能に関する情報を提供する。2プラス22時間の水没後の標本について、吸水(WA)をパーセントとして表す。ASTM D5401:木材上の透明撥水コーティングを評価するための標準試験法に詳述されている手順を使用して、コーティングの撥水効率(WRE)を算出した。下記の表で示される結果は、より長い期間(2プラス22時間)の結果である。両処理試料は同様のWREを呈し、複合溶液配合物において使用された異なる溶媒が撥水性の性能を損なわないことを示唆した。
【0070】
【表5】
【0071】
[実施例11A]
[0072]以下は、溶媒としてメタノールを用いる複合溶液と、溶媒としてエタノールを用いる複合溶液との間の撥水効率を比較するために使用される処理ラジアータマツ試料を生成するための溶液調製およびコーティング手順を記載する。試料14:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をメタノールで本来の濃度の60%に希釈し、試料を溶液に沈めることによってラジアータマツパネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))を処理するために使用した。パネルを試験前に完全に乾燥した。試料15:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびエタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をエタノールで本来の濃度の60%に希釈し、試料を溶液に沈めることによってラジアータマツパネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))を処理するために使用した。パネルを試験前に完全に乾燥した。
【0072】
[実施例12A]
[0073]以下は、処理ラジアータマツ試料についての撥水試験のための手順および結果を記載する。両試料を、ASTM D1037:木材ベース繊維および粒子パネル材料の特性を評価するための標準試験法(水分試験:吸水および厚さ膨張)に基づく水分試験にかけた。標本を、20±1℃(68±2°F)の温度で維持された飲用水25mm(1インチ)下に水平に沈めた。2時間の水没後、標本を10±2分の間つるして水気を切り、次いで、過剰の表面水を除去し、標本を直ちに秤量した。標本を22時間の追加期間の間沈め、上記秤量手順を反復した。それの初期2時間の水没期間を用いる方法Aは、短期(2時間)およびより長い期間(2プラス22時間)の吸水性能に関する情報を提供する。2プラス22時間の水没後の標本について、吸水(WA)をパーセントとして表す。ASTM D5401:木材上の透明撥水コーティングを評価するための標準試験法に詳述されている手順を使用して、コーティングの撥水効率(WRE)を算出した。下記の表で示される結果は、より長い期間(2プラス22時間)の結果である。試料15は、試料14と比較して小さい低減WREを示す。
【0073】
【表6】
【0074】
[実施例13A]
[0074]以下は、複合溶液と一流の商業ブランドとの間の撥水効率を比較するために使用される処理ヒマラヤスギ試料を生成するための溶液調製およびコーティング手順を記載する。試料16:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をメタノールで本来の濃度の60%に希釈し、ヒマラヤスギパネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))を処理するために使用した。泡ローラーを使用して、溶液をパネルに適用した。1時間の間室温で乾燥させた後、第2のコーティングを適用した。パネルを試験前に完全に乾燥させた。試料17:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をメタノールで本来の濃度の60%に希釈し、ヒマラヤスギパネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))を処理するために使用した。泡ローラーを使用して、溶液をパネルに適用した。1時間の間室温で乾燥させた後、第2のコーティングを適用した。パネルを完全に乾燥させた後、それを次いで、泡ローラーを使用して疎水性化学剤(メタノール中のトリメトキシ(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン)でコーティングした。パネルを試験前に完全に乾燥させた。試料18:商業用の透明な防水性アクリル木材仕上げ剤を、提供された指示に従ってヒマラヤスギパネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))に適用した。試料19:商業用の透明な耐候性一体型アクリル木材仕上げ剤を、提供された指示に従ってヒマラヤスギパネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))に適用した。試料20:商業用の防水性石油系溶媒ベースの木材保護剤を、提供された指示に従ってヒマラヤスギパネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))に適用した。試料21:商業用の透明な多面型(multi−surface)石油系溶媒ベースの防水剤を、提供された指示に従ってヒマラヤスギパネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))に適用した。試料22:商業用の多目的超疎水性コーティング系を、提供された指示に従ってヒマラヤスギパネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))に適用した。
【0075】
[実施例14A]
[0075]以下は、処理ヒマラヤスギ試料についての撥水試験のための手順および結果を記載する。全ての試料を、ASTM D1037:木材ベース繊維および粒子パネル材料の特性を評価するための標準試験法(水分試験:吸水および厚さ膨張)に基づく水分試験にかけた。標本を、20±1℃(68±2°F)の温度で維持された飲用水25mm(1インチ)下に水平に沈めた。2時間の水没後、標本を10±2分の間つるして水気を切り、次いで、過剰の表面水を除去し、標本を直ちに秤量した。標本を22時間の追加期間の間
沈め、上記秤量手順を反復した。それの初期2時間の水没期間を用いる方法Aは、短期(2時間)およびより長い期間(2プラス22時間)の吸水性能に関する情報を提供する。2プラス22時間の水没後の標本について、吸水(WA)をパーセントとして表す。ASTM D5401:木材上の透明撥水コーティングを評価するための標準試験法に詳述されている手順を使用して、コーティングの撥水効率(WRE)を算出した。下記の表で示されている結果は、より長い期間(2プラス22時間)の結果である。
【0076】
【表7】
【0077】
[実施例15A]
[0076]以下は、複合溶液と一流の商業ブランドとの間の撥水効率を比較するために使用される処理白色木材試料を生成するための溶液調製およびコーティング手順を記載する。試料23:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をメタノールで本来の濃度の60%に希釈し、白色木材パネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))を処理するために使用した。泡ローラーを使用して、溶液をパネルに適用した。1時間の間室温で乾燥させた後、第2のコーティングを適用した。パネルを試験前に完全に乾燥させた。試料24:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をメタノールで本来の濃度の60%に希釈し、白色木材パネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))を処理するために使用した。泡ローラーを使用して、溶液をパネルに適用した。1時間の間室温で乾燥させた後、第2のコーティングを適用した。パネルを完全に乾燥させた後、それを次いで、泡ローラーを使用して疎水性化学剤(メタノール中のトリメトキシ(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン)でコーティングした。パネルを試験前に室温で完全に乾燥させた。試料25:商業用の透明な防水性アクリル木材仕上げ剤を、提供された指示に従って白色木材パネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))に適用した。試料26:商業用の透明な耐候性一体型アクリル木材仕上げ剤を、提供された指示に従って白色木材パネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))に適用した。試料27:商業用の防水性石油系溶媒ベースの木材保護剤を、提供された指示に従って白色木材パネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))に適用した。試料28:商業用の透明多面型石油系溶媒ベースの防水剤を、提供された指示に従って白色木材パネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))に適用した。試料29:商業用の多目的超疎水性コーティング系を、提供された指示に従って白色木材パネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))に適用した。
【0078】
[実施例16A]
[0077]以下は、処理白色木材試料についての撥水試験のための手順および結果を記載する。全ての試料を、ASTM D1037:木材ベース繊維および粒子パネル材料の特性を評価するための標準試験法(水分試験:吸水および厚さ膨張)に基づく水分試験にかけた。標本を、20±1℃(68±2°F)の温度で維持された飲用水25mm(1インチ)下に水平に沈めた。2時間の水没後、標本を10±2分の間つるして水気を切り、次いで、過剰の表面水を除去し、標本を直ちに秤量した。標本を22時間の追加期間の間沈め、上記秤量手順を反復した。それの初期2時間の水没期間を用いる方法Aは、短期(2時間)およびより長い期間(2プラス22時間)の吸水性能に関する情報を提供する。2プラス22時間の水没後の標本について、吸水(WA)をパーセントとして表す。ASTM D5401:木材上の透明撥水コーティングを評価するための標準試験法に詳述されている手順を使用して、コーティングの撥水効率(WRE)を算出した。下記の表で示されている結果は、より長い期間(2プラス22時間)の結果である。
【0079】
【表8】
【0080】
[実施例17A]
[0078]以下は、複合溶液と一流の商業ブランドとの間の撥水効率を比較するために使用される処理ラジアータマツ試料を生成するための溶液調製およびコーティング手順を記載する。試料30:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をメタノールで本来の濃度の60%に希釈し、ラジアータマツパネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))を処理するために使用した。泡ローラーを使用して、溶液をパネルに適用した。室温で1時間後、第2のコーティングを適用した。パネルを試験前に完全に乾燥させた。試料31:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケー
ト)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をメタノールで本来の濃度の60%に希釈し、ラジアータマツパネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))を処理するために使用した。泡ローラーを使用して、溶液をパネルに適用した。1時間の間室温で乾燥させた後、第2のコーティングを適用した。パネルを完全に乾燥させた後、それを次いで、泡ローラーを使用して疎水性化学剤(メタノール中のトリメトキシ(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン)でコーティングした。パネルを試験前に完全に乾燥させた。試料32:商業用の透明な防水性アクリル木材仕上げ剤を、提供された指示に従ってラジアータマツパネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))に適用した。試料33:商業用の透明な耐候性一体型アクリル木材仕上げ剤を、提供された指示に従ってラジアータマツパネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))に適用した。試料34:商業用の防水性石油系溶媒ベースの木材保護剤を、提供された指示に従ってラジアータマツパネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))に適用した。試料35:商業用の透明多面型石油系溶媒ベースの防水剤を、提供された指示に従ってラジアータマツパネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))に適用した。試料36:商業用の多目的超疎水性コーティング系を、提供された指示に従ってラジアータマツパネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))に適用した。
【0081】
[実施例18A]
[0079]以下は、処理ラジアータマツ試料についての撥水試験のための手順および結果を記載する。全ての試料を、ASTM D1037:木材ベース繊維および粒子パネル材料の特性を評価するための標準試験法(水分試験:吸水および厚さ膨張)に基づく水分試験にかけた。標本を、20±1℃(68±2°F)の温度で維持された飲用水25mm(1インチ)下に水平に沈めた。2時間の水没後、標本を10±2分の間つるして水気を切り、次いで、過剰の表面水を除去し、標本を直ちに秤量した。標本を22時間の追加期間の間沈め、上記秤量手順を反復した。それの初期2時間の水没期間を用いる方法Aは、短期(2時間)およびより長い期間(2プラス22時間)の吸水性能に関する情報を提供する。2プラス22時間の水没後の標本について、吸水(WA)をパーセントとして表す。ASTM D5401:木材上の透明撥水コーティングを評価するための標準試験法に詳述されている手順を使用して、コーティングの撥水効率(WRE)を算出した。下記の表で示されている結果は、より長い期間(2プラス22時間)の結果である。
【0082】
【表9】
【0083】
[0079]以下は、レンガ材料についての実験例を記載する。
[0080]乾燥コンクリートのバルク水収着試験のための手順(ASTM C1757):この試験方法は、最初の30分で乾燥コンクリートに吸収される水を、水浸入に対するコンクリートの感受率のインジケーター指標として決定する。この試験方法は、標本の表面の全てを水に当て、それによって、コンクリート混合物の潜在的耐久性の示度を与える標本のバルク収着のための値を与える。コンクリート標本を50℃で定質量に乾燥させ、次いで、1日間コンディショニングする。水中における30分間の浸漬後、質量における標本の増大を測定し、収着(ミリメートルにおける)を算出する。標本の収着を、試験標本の表面積および水の密度の積によって除算される質量の変化として算出する。この試験方法は、湿潤および乾燥に曝露されるコンクリート混合物の相対的性能を比較することが意図される。連続的に沈められるコンクリート混合物の性能を比較することは意図されない。
【0084】
[0081]以下は、硬化コンクリートにおける吸収および空隙の測定のための手順(ASTM C642)を記載する:この試験方法を使用することで、硬化コンクリートにおける水のパーセント吸収を決定する。標本を最初に、オーブン内にて110±5℃の温度で24時間以上の間乾燥させる。標本をオーブンから除去した後、それを乾燥空気中で20℃から25℃の温度に冷却させておく。次いで、オーブン乾燥させた質量を決定する。標本を次いで、水中におよそ21℃で48時間以上の間、および24時間の間隔で表面乾燥試料の質量の2つの連続値が、より大きい値の0.5%未満の質量の増加を示すまで、浸漬する。表面水分をタオルで除去することによって、標本を表面乾燥させ、浸漬後の飽和質量を決定する。該2つの質量を使用して、浸漬後のパーセント吸収を、手順に詳述されている通りに算出する。
【0085】
[0082]以下は、水硬性セメントコンクリートによる水の吸収速度の測定のための手順(ASTM C1585)を記載する:この試験方法を使用することで、標本の1つの表面だけが室温で水に曝露される一方で他の表面が密閉される場合(片側だけ水と接触する方式における模擬吸水)の時間の関数として、水の吸収から結果として得られた標本の質量の増加を測定することによって、水硬性セメントコンクリートによる水の吸収速度(収着性)を決定する。標本を、毛管細孔系における一貫した水分条件を誘発するために環境内にて標準的相対湿度でコンディショニングする。標本の曝露表面を水に浸漬し、不飽和コンクリートの水浸入を、水との初期接触中に毛管吸引によって支配する。多くの攻撃的環境にかけられるコンクリートの性能は、概ね、細孔系の浸透性の機能である。不飽和コンクリートにおいて、水または他の液体の浸入速度は、毛管上昇による吸収によって大きく制御される。標本を標準的手順に従ってコンディショニングした後、各標本の側面をアルミテープで密封する。標本を鍋の底で支持装置の上部に置き、水レベルが支持装置の上部を1mmから3mm超えるように鍋に水道水を充填する。質量を所定の間隔で記録する。吸収(I)、吸水の初速度および二次速度を、手順に詳述されている通りに算出する。吸水の初速度(mm/s
1/2)を、時間の平方根(s
1/2)に対してプロットされたIに最も一致する線の傾斜として定義する。吸水の二次速度(mm/s
1/2)を、1日後の全てのポイントを使用して時間の平方根(s
1/2)に対してプロットされたIに最も一致する線の傾斜として定義する。I対時間
1/2のプロットの最小二乗線形回帰分析を使用することによって、傾斜を得る。
【0086】
[0083]以下は、パイル床カバーについて耐染色性を決定するための手順を記載する(AATCC試験方法175−2003):この試験方法の目的は、酸性染料によるカーボネートベースのタイル材料の耐染色性を決定することである。該試験方法は、抗染色剤で処理されているカーボネートベースのタイル材料の効力を決定するために使用することもできる。該試験方法は、アルラレッド(FD&C Red 40)の希釈水溶液2.0mLを、平らな試験標本の上に置かれた染色用リングの中心に適用することによって行われる。規定の水性アルラレッド溶液を使用するよりむしろ、赤色(フルーツパンチ)Gatoradeを許容可能な代用染色剤として使用する。湿潤させた試験標本を、24±4.0時間の間動かさずに放置する。染色を除去するため、試験標本を、濯ぎ水に染色剤がなくなるまで染色部位をこすりながら流水下で濯ぐ。評価の前に、試験標本を100±5℃で90分間オーブン乾燥させる。結果として得られた染色試験標本を、AATCC Red 40染色スケールに従って評価する。各試験標本は、1.0〜10(1.0=過酷に染色された、および10=無染色)のAATCC Red 40染色スケールグレードを受けることができる。
【0087】
[0084]実施例1B:以下は、乾燥コンクリートのバルク水収着試験(ASTM C1757)&硬化コンクリートにおける吸収および空隙の測定(ASTM C642)のために使用される処理コンクリートブロック試料のための溶液調製およびコーティング手順を記載する。試料1:任意の処理を用いない新品のコンクリートブロック(およそ19.3cm×9.2cm×5.8cm)。試料2:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液を使用して、新品のコンクリートブロックを浸すことによって処理した。ブロックを試験する前に完全に乾燥/硬化した。試料3:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液を使用して、新品のコンクリートブロックを浸すことによって処理した。ブロックを完全に乾燥/硬化した後、次いで、泡ローラーを使用して、それを疎水性化学剤(メタノール中のトリメトキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチル)シランを含む)でコーティングした。パネルを試験する前に室温で完全に乾燥/硬化した。試料4:商業用の透明多面型石油系溶媒ベースの防水剤を、提供された指示に従って新品のコンクリートブロックに適用した。
【0088】
[0085]以下は、処理試料の吸水試験のための手順および結果を記載する。全ての試料を、ASTM C1757にかけた。試料を50℃で定質量に乾燥させ、次いで、1日間コンディショニングした。次いで、試料を水に30分間浸漬し、質量における標本の増大を測定し、収着(ミリメートルにおける)を算出する。標本の収着を、試験標本の表面積および水の密度の積によって除算される質量の変化として算出する。試料における水のパーセント吸収もASTM C642を使用して決定する。試料を最初に、オーブン内にて50±5℃の温度で96時間の間乾燥させた。試料をオーブンから除去した後、それらを乾燥空気中で20℃から25℃の温度に冷却させておいた。オーブン乾燥させた質量を次いで決定する。試料を次いで、水におよそ21℃で48時間以上の間、および24時間の間隔で表面乾燥試料の質量の2つの連続値が、より大きい値の0.5%未満の質量の増加を示すまで、浸漬した。表面水分をタオルで除去することによって、標本を表面乾燥させ、浸漬後の飽和質量を決定した。2つの質量を使用して、浸漬後のパーセント吸収(WA%)を、ASTM C642手順に詳述されている通りに算出する。結果を下記の表に示す。
【0089】
【表10】
【0090】
[0086]実施例2B:以下は、乾燥コンクリートのバルク水収着試験(ASTM C1757)&硬化コンクリートの吸収および空隙の測定(ASTM C642)のために使用される、処理された窯焼きブリック試料のための溶液調製およびコーティング手順を記載する。試料5:任意の処理を用いない新品の窯焼きブリック(およそ19.8cm×9.9cm×4.5cm)。試料6:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液を使用して、新品の窯焼きブリックを浸すことによって処理した。ブリックを試験する前に完全に乾燥/硬化した。試料7:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液を使用して、新品の窯焼きブリックを浸すことによって処理した。ブリックを完全に乾燥/硬化した後、次いで、泡ローラーを使用して、それを疎水性化学剤(メタノール中のトリメトキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチル)シランを含む)でコーティングした。パネルを試験前に室温で完全に乾燥/硬化した。試料8:商業用の透明多面型石油系溶媒ベースの防水剤を、提供された指示に従って新品の窯焼きブリックに適用した。
【0091】
[0087]以下は、処理試料の吸水試験のための手順および結果を記載する。全ての試料をASTM C1757にかけた。試料を50℃で定質量に乾燥させ、次いで、1日間コンディショニングした。試料を次いで水に30分間浸漬し、質量における標本の増大を測定し、収着(ミリメートルにおける)を算出する。標本の収着を、試験標本の表面積および水の密度の積によって除算される質量の変化として算出する。試料における水のパーセント吸収もASTM C642を使用して決定した。試料を最初に、オーブン内にて50±5℃の温度で96時間の間乾燥させた。試料をオーブンから除去した後、それらを乾燥空
気中で20℃から25℃の温度に冷却させておいた。オーブン乾燥させた質量を次いで決定した。試料を次いで、水におよそ21℃で48時間以上の間、および24時間の間隔で表面乾燥試料の質量の2つの連続値が、より大きい値の0.5%未満の質量の増加を示すまで、浸漬した。表面水分をタオルで除去することによって、標本を表面乾燥させ、浸漬後の飽和質量を決定した。2つの質量を使用して、浸漬後のパーセント吸収(WA%)を、ASTM C642手順に詳述されている通りに算出する。結果を下記の表に示す。
【0092】
【表11】
【0093】
[0088]実施例3B:以下は、水硬性セメントコンクリートによる水の吸収速度の測定(ASTM C1585)のために使用される処理グラウト試料のための溶液調製およびコーティング手順を記載する。試料9:商業用の砂入りグラウト(sanded grout)を、一連のセラミックタイル(およそ14.5cm×14.5cm)に適用し、提供された指示に従って乾燥/硬化した。グラウトの曝露表面積は、およそ33.5cm
2である。試料10:商業用の砂入りグラウトを、一連のセラミックタイルに適用し、提供された指示に従って乾燥/硬化した。グラウトの表面積は、およそ33.5cm
2である。酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液を使用して、グラウト部域を泡ブラシで処理した。ブリックを試験する前に完全に乾燥/硬化した。試料11:商業用の砂入りグラウトを、一連のセラミックタイルに適用し、提供された指示に従って乾燥/硬化した。グラウトの表面積は、およそ33.5cm
2である。酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液を、商業用の色素(単数または複数)と混合し、グラウト部域を泡ブラシで処理するために使用した。ブリックを試験する前に完全に乾燥/硬化した。
【0094】
[0089]以下は、処理試料の水の吸収速度(収着性)を決定するための手順および結果を記載する。全ての試料を、ASTM C1585にかけた。試料を50℃で定質量に乾燥させ、次いで、1日間コンディショニングした。各試料の側面を、標本の1つの表面だけが室温で水に曝露されるように(片側だけで水と接触する方式における模擬吸水)、アルミテープで密閉した。試料を鍋の底で支持装置の上部に置き、水レベルが支持装置の上部を1mmから3mm超えるように鍋に水道水を充填した。質量を所定の間隔で記録した。吸収(I)、吸水の初速度および二次速度を、手順に詳述されている通りに算出した。吸水の初速度S
i(mm/s
1/2)を、1分から6時間の全てのポイントを使用して時間の平方根(s
1/2)に対してプロットされたIに最も一致する線の傾斜として定義する。吸水二次速度S
s(mm/s
1/2)を、1日後の全てのポイントを使用して時間の平方根(s
1/2)に対してプロットされたIに最も一致する線の傾斜として定義する。時
間
1/2と対比するIのプロットの最小二乗線形回帰分析を使用することによって、傾斜を得る。結果を下記の表で示す。
図3は、3つのグラウト試料について時間の平方根(s
1/2)に対する収着I(mm)のプロットを示す。コーティングの適用後の収着の減少が明らかに見られる。
【0095】
【表12】
【0096】
実施例4B:以下は、セメントコンクリート材料を生成するための混合直前のセメントへの添加混合物としての溶液調製および使用法、ならびにこうした材料(ASTM C1585)の水の吸収速度の測定のための試験を記載する。試料12:商業用のセメントベースのグラウトを、提供された指示に従って水と混合し、プラスチック鋳型に注ぎ入れて(150mmの直径×15mmの高さを有するペトリ皿を使用する)、設置した。セメント試料を室温で少なくとも10日の間乾燥/硬化した後、試料を鋳型から除去し、サンダーで研磨することで、試験する前に外側の非平坦部域を除去した。試料13:商業用のセメントベースのグラウトを、提供された指示に従って商業用の耐染色性グラウト添加剤と混合し(水を置き換えるため)、プラスチック鋳型に注ぎ入れて(150mmの直径×15mmの高さを有するペトリ皿を使用する)、設置した。セメント試料を室温で少なくとも10日の間乾燥/硬化した後、試料を鋳型から除去し、サンダーで研磨することで、試験する前に外側の非平坦部域を除去した。ゾル−ゲル溶液調製:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。溶液を、セメントベースのグラウトと混合する前に様々な比における水との添加混合物として使用した。試料14:商業用のセメントベースのグラウトを、提供された指示に従って水およびゾル−ゲル溶液を含む溶液と混合し、プラスチック鋳型に注ぎ入れて(150mmの直径×15mmの高さを有するペトリ皿を使用する)、設置した。セメント試料を室温で少なくとも10日の間乾燥/硬化した後、試料を鋳型から除去し、サンダーで研磨することで、試験する前に外側の非平坦部域を除去した。
【0097】
[0090]以下は、処理試料の水の吸収速度(収着性)を決定するための手順および結果を記載する。全ての試料をASTM C1585にかけた。試料を50℃で定質量に乾燥させ、次いで、1日間コンディショニングする。各試料の側面を、標本の1つの表面だけが室温で水に曝露されるように(片側だけで水と接触する方式における模擬吸水)、アルミテープで密閉した。試料を鍋の底で支持装置の上部に置き、水レベルが支持装置の上部を1mmから3mm超えるように鍋に水道水を充填した。質量を所与の間隔で記録した。吸収(I)、吸水の初速度および二次速度を、手順に詳述されている通りに算出した。吸水の初速度(mm/s
1/2)を、1分から6時間の全てのポイントを使用して時間の平方根(s
1/2)に対してプロットされたIに最も一致する線の傾斜として定義する。時間
1/2と対比するIのプロットの最小二乗線形回帰分析を使用することによって、傾斜を得る。パーセント吸収(WA%)をASTM C642に詳述されている通りに決定した。結果を下記の表に示した。
図4は、4つのセメント試料について時間の平方根(s
1/
2)に対する収着I(mm)のプロットを示す。試料14の収着の減少は、他の試料よりも明らかに大きい(商業ブランド:試料13を含める)。
【0098】
【表13】
【0099】
実施例5B:以下は、床コーティングについての耐染色性を決定するために使用される処理トラバーチン(石灰岩)タイル試料のための溶液調製およびコーティング手順を記載する(AATCC試験方法175−2003)。試料15:任意の処理を用いない3つの新品のトラバーチンタイル(およそ10cm×10cm×1cm)。試料16:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液を使用して、4つの新品のトラバーチンタイルを、浸すことによって処理した。タイルを試験する前に完全に乾燥/硬化した。
【0100】
[0091]以下の試験方法を行うことで、タイル−空気界面で処理試料の耐染色特性を評価した(AATCC試験方法175−2013):次いで、4つの処理試料16の重複物(T1、T2、T3、およびT4と標識される)を、3つの未処理試料15の重複物(P1、P2およびP3と標識される)に対して比較した。下記に示される表は、各実験試料に割り当てられるAATCC Red 40染色スケールグレードの要約である(1.0=過酷に染色された、および10=無染色)。
図5は、酸性染色剤を介する染色に対する処理試料の効力を判定するために使用されたトラバーチンタイル試料の画像を示す。ここで、染色剤が各試料に適用された部位を赤丸で囲む。画像から、新品の(未処理)タイル試料が、基本的に無染色を呈する処理試料と比較した場合に過酷に染色されたことは明白ある。
【0101】
【表14】
【0102】
[0092]本明細書に記載されている実施形態は、本開示の特別な態様を実証するために挙げられている。本明細書に記載されている実施形態が、本開示の例証的な実施形態を単に表すことは、当業者によって理解されるはずである。当業者は、本開示に照らして、多くの変化が、記載されている特定の実施形態においてなされ、また、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく類似または同様の結果を得ることができることを理解するはずである。前述の説明から、当業者は、この開示の基本的特徴を簡単に確かめることができ、その趣旨および範囲から逸脱することなく様々な変化および修飾することで本開示を様々な使用法および条件に適応させることができる。上文において記載されている実施形態は、例示的だけであると意味され、本開示の範囲を限定すると受け止められるべきでない。
[1] 耐汚性、耐染色性、耐候性または真菌耐性の改善のために基材を処理するための方法であって、
コーティングされる基材を選択するステップ、ここで、基材は、多孔質材料から選択される;
複合溶液を調製するステップ、ここで、複合溶液は、少なくとも水、酸、第1の溶媒、ベース化学試薬、可塑剤および結合剤を混合することによって調製される;
50〜100℃の範囲の昇温で複合溶液を撹拌するステップ;
複合溶液を利用することで、基材をコーティングするステップ;ならびに
基材を乾燥または硬化することで、複合コーティングが基材上に形成するのを可能にするステップ;
を含む、上記方法。
[2] 多孔質材料が木材またはレンガ材料から選択される、[1]に記載の方法。
[3] 複合溶液が、水3〜8vol.%、第1の溶媒20〜30vol.%、ベース化学試薬40〜60vol.%、可塑剤10〜15vol.%、および結合剤1〜5vol.%を含む、[1]に記載の方法。
[4] 複合溶液をさらに第2の溶媒で60vol.%から100vol.%の最終濃度に希釈するステップをさらに含む、[3]に記載の方法。
[5] 複合溶液が、pHが5以下である酸性条件下で調製される、[1]に記載の方法。
[6] 昇温での撹拌が、1/2時間から12時間の間実施される、[1]に記載の方法。
[7] 基材上に形成された組成物コーティングが、コーティング前の基材の色素沈着および反射性を変化させない、[1]に記載の方法。
[8] 複合溶液の重合度が100以下である、[1]に記載の方法。
[9] 第1の溶媒が、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、エチレングリコール、グリセロールアセトン、アセトニトリル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドまたはそれらの混合物から選択される、[1]に記載の方法。
[10] ベース化学試薬が、M(OR)
4(式中、M=Si、Al、Ti、In、SnまたはZrであり、Rは、水素、置換または非置換アルキルを含む)の一般式を有するアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せから選択される、[1]に記載の方法。
[11] 複合溶液がキレート化試薬をさらに含み、
キレート化試薬が、M(OR)
xR’
yR”
z(M=Si、Al、In、SnまたはTiであり;xは整数1、2または3であり;yは整数0、1または2であり;zは整数1、2または3であるが、ただし、x、yおよびzの和は4に等しいことを条件とする)の一般式を有するアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せから選択され、式中、Rは水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を構成し;R’は水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を構成し、R”は、3個から20個の炭素原子を含む置換または非置換アルキル基またはアルケニル基を含む、あるいは
キレート化試薬が、M(OR)
xR’
yR”
z(M=Si、Al、In、SnまたはTiであり;xは整数1、2または3であり;yは整数0、1または2であり;zは整数1、2または3であるが、ただし、x、yおよびzの和は4に等しいことを条件とする)の一般式を有するアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せから選択され、式中、Rは水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を構成し;R’は水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を構成し、R”は置換または非置換アミン(第一級、第二級および第三級を含める)またはチオールを含む、[1]に記載の方法。
[12] 結合剤が、M(OR)
xR’
yR”
z(M=Si、Al、In、SnまたはTiであり;xは整数1、2または3であり;yは整数0、1または2であり;zは整数1、2または3であるが、ただし、x、yおよびzの和は4に等しいことを条件とする)の一般式を有するアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せから選択され、式中、Rが水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を構成し;R’が水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を構成し、R”が置換もしくは非置換エポキシまたはグリシドキシを含む、[1]に記載の方法。
[13] 可塑剤が、M(OR)
4−xR’
x(M=Si、Al、In、SnまたはTiであり;xは整数1、2または3である)の一般式を有するアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せから選択され、式中、Rが水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を構成し、R’が置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリールまたはその誘導体を含む、[1]に記載の方法。
[14] 複合溶液が、
【化1】
(式中、RおよびR’は、同じであっても異なっていてもよく、水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を含む)
の一般式を有する、オリゴマー/コオリゴマー形態、ポリマー/コポリマー形態またはその組合せにおけるアルキルシロキサンから選択される粘度調整剤をさらに含む、[1]に記載の方法。
[15] 複合溶液が、UV吸収または遮断、反射防止、抗摩耗、難燃、伝導、抗微生物、抗細菌、抗真菌または色素沈着の特性を提供する機能性添加剤をさらに含む、[1]に記載の方法。
[16] 疎水性化学剤および第3の溶媒を含む疎水性溶液で基材をコーティングするステップをさらに含む、[1]に記載の方法。
[17] 疎水性化学剤が、フルオロアルキルシラン[CF
3(CF
2)
a(CH
2)
b]
cSiR
dX
e(式中、X=Cl、Br、Iまたは他の適当な有機脱離基であり、Rは、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリールまたはその誘導体を構成し、aは整数0、1、2、3…から20であり、bは整数0、1、2、3…から10であり、cは整数1、2、3であり、dは整数0、1、2、3であり、eは整数1、2、3であるが、ただし、c、dおよびeの和は4に等しいことを条件とする)から選択される、
疎水性化学剤が、アルキルシラン[CH
3(CH
2)
a]
bSiR
cX
dから選択され;式中、Xは、Cl、Br、Iまたは他の適当な有機脱離基を構成し、Rは、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリールまたはその誘導体を構成し、aは整数0、1、2、3…から20であり、bは整数1、2または3であり、cは整数0、1、2、3であり、dは整数1、2または3であるが、ただし、b、cおよびdの和は4に等しいことを条件とする、
疎水性化学剤が、アルコキシフルオロアルキルシラン[CF
3(CF
2)
a(CH
2)
b]
cSiR
d[アルコキシ]
e(式中、[アルコキシ]は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシまたはその組合せを構成し;Rは、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリールまたはその誘導体を構成し、aは整数0、1、2、3…から20であり、bは整数0、1、2、3…から10であり、cは整数1、2、3であり、dは整数0、1、2、3であり、eは整数1、2、3であるが、ただし、c、dおよびeの和は4に等しいことを条件とする)から選択される、あるいは
疎水性化学剤が、アルコキシアルキルシラン[CH
3(CH
2)
a]
bSiR
c[アルコキシ]
dから選択され;式中、[アルコキシ]は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシまたはその組合せを構成し;Rは、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリールまたはその誘導体を構成し、aは整数0、1、2、3…から20であり、bは整数1、2または3であり、cは整数0、1、2、3であり、dは整数1、2または3であるが、ただし、b、cおよびdの和は4に等しいことを条件とする、[16]に記載の方法。
[18] 第3の溶媒が、トルエン、ベンゼン、キシレン、トリクロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラクロロエチレン、n−プロピルブロミド、ジエチルエーテル、アセトン、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、石油エーテル、石油炭化水素、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、アセトン、アセトニトリル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラクロロエチレン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドまたは水から選択される、[16]に記載の方法。
[19] フルオロアルキルシランが、トリクロロ(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン、ジクロロ−メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン、クロロ−ジメチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン、トリクロロ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロブチル)シラン、ジクロロ−メチル(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロブチル)シラン、クロロ−ジメチル(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロブチル)シラン、トリクロロ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロヘキシル)シラン、ジクロロ−メチル(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロヘキシル)シラン、クロロ−ジメチル(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロヘキシル)シラン、トリクロロ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチル)シラン、ジクロロ−メチル(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチル)シラン、クロロ−ジメチル(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチル)シラン、トリクロロ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)シラン、ジクロロ−メチル(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)シラン、クロロ−ジメチル(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)シラン、トリクロロ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロドデシル)シラン、ジクロロ−メチル(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロドデシル)シラン、またはクロロ−ジメチル(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロドデシル)シランから選択される、[17]に記載の方法。
[20] アルキルシランが、クロロシラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、クロロトリメチルシラン、ジクロロジメチルシラン、トリクロロメチルシラン、クロロフェニルシラン、ジクロロフェニルシラン、トリクロロフェニルシラン、クロロメチルフェニルシラン、クロロジメチルフェニルシラン、ジクロロメチルフェニルシラン、クロロジメチルフェネチルシラン、ジクロロメチルフェネチルシラン、トリクロロフェネチルシラン、クロロジメチルオクチルシラン、ジクロロメチルオクチルシラン トリクロロオクチルシラン、クロロジメチルドデシルシラン、ジクロロメチルドデシルシラン、トリクロロドデシルシラン、クロロデシルジメチルシラン、ジクロロデシルメチルシラン、トリクロロデシルシラン、クロロジメチルオクタデシルシラン、ジクロロメチルオクタデシルシラン、トリクロロオクタデシルシラン、クロロジメチルヘキシルシラン、ジクロロメチルヘキシルシラン、トリクロロヘキシルシラン、アリルジクロロメチルシラン、アリルクロロジメチルシラン、アリルトリクロロシラン、(シクロヘキシルメチル)クロロジメチルシラン、(シクロヘキシルメチル)ジクロロメチルシラン、または(シクロヘキシルメチル)トリクロロシランから選択される、[17]に記載の方法。
[21] アルコキシフルオロアルキルシランが、トリメトキシ(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン、トリエトキシ(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン、トリプロポキシ(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン、トリイソプロポキシ(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン、トリメトキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロブチル)シラン、トリエトキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロブチル)シラン、トリプロポキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロブチル)シラン、トリイソプロポキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロブチル)シラン、トリメトキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロヘキシル)シラン、トリエトキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロヘキシル)シラン、トリプロポキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロヘキシル)シラン、トリイソプロポキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロヘキシル)シラン、トリメトキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチル)シラン、トリエトキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチル)シラン、トリプロポキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチル)シラン、トリイソプロポキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチル)シラン、トリメトキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)シラン、トリエトキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)シラン、トリプロポキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)シラン、トリイソプロポキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)シラン、トリメトキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロドデシル)シラン、トリエトキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロドデシル)シラン、トリプロポキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロドデシル)シラン、またはトリイソプロポキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロドデシル)シランから選択される、[17]に記載の方法。
[22] アルコキシアルキルシランが、トリメトキシイソブチルシラン、トリエトキシイソブチルシラン、ジメトキシジイソブチルシラン、ジエトキシジイソブチルシラン、トリメトキシフェニルシラン、トリエトキシフェニルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、ジエトキシメチルフェニルシラン、メトキシジメチルフェニルシラン、エトキシジメチルフェニルシラン、トリメトキシ(ヘキシル)シラン、トリエトキシ(ヘキシル)シラン、トリプロポキシ(ヘキシル)シラン、トリイソプロポキシ(ヘキシル)シラン、トリメトキシ(オクチル)シラン、トリエトキシ(オクチル)シラン、トリプロポキシ(オクチル)シラン、トリイソプロポキシ(オクチル)シラン、トリメトキシ(デシル)シラン、トリエトキシ(デシル)シラン、トリプロポキシ(デシル)シラン、トリイソプロポキシ(デシル)シラン、トリメトキシ(ドデシル)シラン、トリエトキシ(ドデシル)シラン、トリプロポキシ(ドデシル)シラン、またはトリイソプロポキシ(ドデシル)シランから選択される、[17]に記載の方法。
[23] 耐汚性、耐染色性、耐候性、または真菌耐性を改善するための基材の複合溶液であって、水;酸;第1の溶媒;ベース化学試薬;可塑剤;および、結合剤を含み、
50〜100℃の範囲の昇温で撹拌され、多孔質材料である基材をコーティングするのに利用される、上記複合溶液。
[24] 多孔質材料が、木材またはレンガ材料から選択される、[23]に記載の複合溶液。
[25] 水3〜8vol.%、第1の溶媒20〜30vol.%、ベース化学試薬40〜60vol.%、可塑剤10〜15vol.%、および結合剤1〜5vol.%を含む、[23]に記載の複合溶液。
[26] 第2の溶媒で最終濃度60vol.%から100vol.%にさらに希釈される、[23]に記載の複合溶液。
[27] 昇温で1/2時間から12時間の間撹拌される、[23]に記載の複合溶液。
[28] 5以下のpHの酸性条件下で調製される、[23]に記載の複合溶液。
[29] 複合溶液の重合度が100以下である、[23]に記載の複合溶液。
[30] 複合溶液で形成されたコーティングが、コーティングの前の基材の色素沈着および反射性を変化させない、[23]に記載の複合溶液。
[31] 第1の溶媒が、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、エチレングリコール、グリセロールアセトン、アセトニトリル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドまたはその混合物から選択される、[23]に記載の複合溶液。
[32] ベース化学試薬が、M(OR)
4(式中、M=Si、Al、Ti、In、SnまたはZrであり、Rは、水素、置換または非置換アルキルを含む)の一般式を有するアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せから選択される、[23]に記載の複合溶液。
[33] キレート化試薬をさらに含み、
キレート化試薬が、M(OR)
xR’
yR”
z(M=Si、Al、In、SnまたはTiであり;xは整数1、2または3であり;yは整数0、1または2であり;zは整数1、2または3であるが、ただし、x、yおよびzの和は4に等しいことを条件とする)の一般式を有するアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せから選択され、式中、Rは水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を構成し;R’は水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を構成し、R”は、3個から20個の炭素原子を含む置換または非置換アルキル基またはアルケニル基を含む、あるいは
キレート化試薬が、M(OR)
xR’
yR”
z(M=Si、Al、In、SnまたはTiであり;xは整数1、2または3であり;yは整数0、1または2であり;zは整数1、2または3であるが、ただし、x、yおよびzの和は4に等しいことを条件とする)の一般式を有するアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せから選択され、式中、Rは水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を構成し;R’は水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を構成し、R”は置換または非置換アミン(第一級、第二級および第三級を含める)またはチオールを含む、[23]に記載の複合溶液。
[34] 結合剤が、M(OR)
xR’
yR”
z(M=Si、Al、In、SnまたはTiであり;xは整数1、2または3であり;yは整数0、1または2であり;zは整数1、2または3であるが、ただし、x、yおよびzの和は4に等しいことを条件とする)の一般式を有するアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せから選択され、式中、Rは水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を構成し;R’は水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を構成し、R”は置換もしくは非置換エポキシまたはグリシドキシを含む、[23]に記載の複合溶液。
[35] 可塑剤が、M(OR)
4−xR’
x(M=Si、Al、In、SnまたはTiであり;xは整数1、2または3である)の一般式を有するアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せから選択され、式中、Rは水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を構成し、R’は置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリールまたはその誘導体を含む、[23]に記載の複合溶液。