特許第6872819号(P6872819)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6872819耐候性、真菌耐性および耐染色性のコーティング、ならびに木材、レンガまたは他の多孔質材料に適用する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6872819
(24)【登録日】2021年4月22日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】耐候性、真菌耐性および耐染色性のコーティング、ならびに木材、レンガまたは他の多孔質材料に適用する方法
(51)【国際特許分類】
   B05D 5/00 20060101AFI20210510BHJP
   B05D 7/00 20060101ALI20210510BHJP
   C09D 201/10 20060101ALI20210510BHJP
   C09D 7/20 20180101ALI20210510BHJP
   C09D 7/63 20180101ALI20210510BHJP
   C09D 7/61 20180101ALI20210510BHJP
【FI】
   B05D5/00 H
   B05D5/00 K
   B05D5/00 Z
   B05D7/00 B
   B05D7/00 C
   C09D201/10
   C09D7/20
   C09D7/63
   C09D7/61
【請求項の数】15
【全頁数】43
(21)【出願番号】特願2020-6817(P2020-6817)
(22)【出願日】2020年1月20日
(62)【分割の表示】特願2017-525928(P2017-525928)の分割
【原出願日】2015年11月12日
(65)【公開番号】特開2020-78798(P2020-78798A)
(43)【公開日】2020年5月28日
【審査請求日】2020年2月17日
(31)【優先権主張番号】62/078,655
(32)【優先日】2014年11月12日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/078,582
(32)【優先日】2014年11月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511248249
【氏名又は名称】ユニバーシティー オブ ヒューストン システム
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100126985
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 充利
(72)【発明者】
【氏名】カラン,シェーマス
(72)【発明者】
【氏名】リャオ,カン−シャン
(72)【発明者】
【氏名】アリー,ナイジェル
(72)【発明者】
【氏名】ハルダー,アムリタ
(72)【発明者】
【氏名】ワーン,アレクサンダー
【審査官】 塩屋 雅弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−186250(JP,A)
【文献】 特開2010−254734(JP,A)
【文献】 特表2013−515807(JP,A)
【文献】 特開平08−062404(JP,A)
【文献】 特開2006−249182(JP,A)
【文献】 特開2006−198466(JP,A)
【文献】 特開2009−297626(JP,A)
【文献】 特開2010−260830(JP,A)
【文献】 特開平02−036282(JP,A)
【文献】 特開2004−035313(JP,A)
【文献】 特開2004−238418(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B
B05D
C09D1/00−10/00;101/00−201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔質材料から選択されるコーティング基材を選択するステップ;
少なくとも水、酸、水を含まない第1の溶媒、ベース化学試薬、可塑剤、結合剤、キレート化試薬を混合することによって複合溶液を調製するステップ;
50〜100℃の範囲の昇温で複合溶液を撹拌するステップ;
複合溶液に基材を沈めて多孔質材料中に浸透させるステップ、ここで複合溶液の重合度が100以下である;ならびに
基材を乾燥または硬化して、基材である多孔質材料の深くに複合コーティングを形成させ、それによって、抗微生物、耐染色性、耐候性または真菌耐性を改善するステップ;
を含む、耐汚性、耐染色性、耐候性または真菌耐性の改善のために基材を処理する方法であって、
複合溶液が、3〜8vol%の水、20〜30vol%の第1の溶媒、40〜60vol%のベース化学試薬、10〜15vol%の可塑剤、1〜5vol%の結合剤を含み、
ベース化学試薬が、M(OR)
[式中、M=Si、Ti、SnまたはZrであり、Rは、水素、置換または非置換のアルキルを含む]
の一般式を有するアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せから選択され、
結合剤が、M(OR)R’R’’
[M=Si、SnまたはTiであり;xは、1、2または3の整数、yは、0、1または2の整数、zは、1、2または3の整数であるが、x、yおよびzの和は4に等しく、Rは、水素、置換もしくは非置換のアルキルまたはその誘導体、R’は、水素、置換もしくは非置換のアルキルまたはその誘導体、R’’は、置換もしくは非置換のエポキシまたはグリシドキシを含む]
の一般式を有するアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せから選択され、
可塑剤が、M(OR)4−zR’’’
[M=Si、SnまたはTiであり、は、1、2または3の整数であり、Rは、水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体、R’’’は、水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のアリールまたはその誘導体を含む]
の一般式を有するアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せから選択され、
キレート化試薬が、M(OR)R’R’’’’’
[M=Si、SnまたはTiであり、xは1、2または3の整数であり、yは0、1または2の整数であり、bは1、2または3の整数であるが、x、yおよびbの和は4に等しく、Rは水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体、R’は水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体、R’’’’’は置換または非置換アミン(第一級、第二級および第三級を含める)またはチオールを含む]
の一般式を有するアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せから選択される、上記方法。
【請求項2】
多孔質材料が木材またはレンガ材料から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
複合溶液をさらに第2の溶媒で60〜100vol%の最終濃度まで希釈するステップをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
複合溶液が、pHが5以下である酸性条件下で調製される、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
昇温での撹拌が、1/2時間から12時間の間実施される、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
第1の溶媒が、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、エチレングリコール、グリセロールアセトン、アセトニトリル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドまたはそれらの混合物から選択される、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
複合溶液が、
【化1】
[式中、RおよびR’は、同じであっても異なっていてもよく、水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を含む]
の一般式を有する、オリゴマー/コオリゴマー形態、ポリマー/コポリマー形態またはその組合せにおけるアルキルシロキサンから選択される粘度調整剤をさらに含む、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
複合溶液が、UV吸収または遮断、反射防止、抗摩耗、難燃、伝導、抗微生物、抗細菌、抗真菌または色素沈着の特性を提供する機能性添加剤をさらに含む、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
疎水性化学剤および第3の溶媒を含む疎水性溶液で基材をコーティングするステップをさらに含み、
疎水性化学剤が、フルオロアルキルシラン[CF(CF(CHSiR[式中、X=Cl、Br、Iまたは他の適当な有機脱離基であり、Rは、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリールまたはその誘導体を構成し、aは整数0、1、2、3…から20であり、bは整数0、1、2、3…から10であり、cは整数1、2、3であり、dは整数0、1、2、3であり、eは整数1、2、3であるが、ただし、c、dおよびeの和は4に等しいことを条件とする]から選択される、
疎水性化学剤が、アルキルシラン[CH(CHSiR[式中、Xは、Cl、Br、Iまたは他の適当な有機脱離基を構成し、Rは、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリールまたはその誘導体を構成し、aは整数0、1、2、3…から20であり、bは整数1、2または3であり、cは整数0、1、2、3であり、dは整数1、2または3であるが、ただし、b、cおよびdの和は4に等しい]から選択される、
疎水性化学剤が、アルコキシフルオロアルキルシラン[CF(CF(CHSiR[アルコキシ][式中、[アルコキシ]は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシまたはその組合せを構成し;Rは、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリールまたはその誘導体を構成し、aは整数0、1、2、3…から20であり、bは整数0、1、2、3…から10であり、cは整数1、2、3であり、dは整数0、1、2、3であり、eは整数1、2、3であるが、ただし、c、dおよびeの和は4に等しいことを条件とする]から選択される、あるいは
疎水性化学剤が、アルコキシアルキルシラン[CH(CHSiR[アルコキシ][式中、[アルコキシ]は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシまたはその組合せを構成し;Rは、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリールまたはその誘導体を構成し、aは整数0、1、2、3…から20であり、bは整数1、2または3であり、cは整数0、1、2、3であり、dは整数1、2または3であるが、ただし、b、cおよびdの和は4に等しい]から選択される、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
第3の溶媒が、トルエン、ベンゼン、キシレン、トリクロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラクロロエチレン、n−プロピルブロミド、ジエチルエーテル、アセトン、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、石油エーテル、石油炭化水素、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、アセトン、アセトニトリル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラクロロエチレン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドまたは水から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
フルオロアルキルシランが、トリクロロ(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン、ジクロロ−メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン、クロロ−ジメチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン、トリクロロ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロブチル)シラン、ジクロロ−メチル(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロブチル)シラン、クロロ−ジメチル(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロブチル)シラン、トリクロロ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロヘキシル)シラン、ジクロロ−メチル(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロヘキシル)シラン、クロロ−ジメチル(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロヘキシル)シラン、トリクロロ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチル)シラン、ジクロロ−メチル(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチル)シラン、クロロ−ジメチル(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチル)シラン、トリクロロ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)シラン、ジクロロ−メチル(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)シラン、クロロ−ジメチル(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)シラン、トリクロロ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロドデシル)シラン、ジクロロ−メチル(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロドデシル)シラン、またはクロロ−ジメチル(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロドデシル)シランから選択され、
アルキルシランが、クロロシラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、クロロトリメチルシラン、ジクロロジメチルシラン、トリクロロメチルシラン、クロロフェニルシラン、ジクロロフェニルシラン、トリクロロフェニルシラン、クロロメチルフェニルシラン、クロロジメチルフェニルシラン、ジクロロメチルフェニルシラン、クロロジメチルフェネチルシラン、ジクロロメチルフェネチルシラン、トリクロロフェネチルシラン、クロロジメチルオクチルシラン、ジクロロメチルオクチルシラン、トリクロロオクチルシラン、クロロジメチルドデシルシラン、ジクロロメチルドデシルシラン、トリクロロドデシルシラン、クロロデシルジメチルシラン、ジクロロデシルメチルシラン、トリクロロデシルシラン、クロロジメチルオクタデシルシラン、ジクロロメチルオクタデシルシラン、トリクロロオクタデシルシラン、クロロジメチルヘキシルシラン、ジクロロメチルヘキシルシラン、トリクロロヘキシルシラン、アリルジクロロメチルシラン、アリルクロロジメチルシラン、アリルトリクロロシラン、(シクロヘキシルメチル)クロロジメチルシラン、(シクロヘキシルメチル)ジクロロメチルシラン、または(シクロヘキシルメチル)トリクロロシランから選択され、
アルコキシフルオロアルキルシランが、トリメトキシ(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン、トリエトキシ(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン、トリプロポキシ(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン、トリイソプロポキシ(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン、トリメトキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロブチル)シラン、トリエトキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロブチル)シラン、トリプロポキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロブチル)シラン、トリイソプロポキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロブチル)シラン、トリメトキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロヘキシル)シラン、トリエトキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロヘキシル)シラン、トリプロポキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロヘキシル)シラン、トリイソプロポキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロヘキシル)シラン、トリメトキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチル)シラン、トリエトキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチル)シラン、トリプロポキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチル)シラン、トリイソプロポキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチル)シラン、トリメトキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)シラン、トリエトキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)シラン、トリプロポキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)シラン、トリイソプロポキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)シラン、トリメトキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロドデシル)シラン、トリエトキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロドデシル)シラン、トリプロポキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロドデシル)シラン、またはトリイソプロポキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロドデシル)シランから選択され、
アルコキシアルキルシランが、トリメトキシイソブチルシラン、トリエトキシイソブチルシラン、ジメトキシジイソブチルシラン、ジエトキシジイソブチルシラン、トリメトキシフェニルシラン、トリエトキシフェニルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、ジエトキシメチルフェニルシラン、メトキシジメチルフェニルシラン、エトキシジメチルフェニルシラン、トリメトキシ(ヘキシル)シラン、トリエトキシ(ヘキシル)シラン、トリプロポキシ(ヘキシル)シラン、トリイソプロポキシ(ヘキシル)シラン、トリメトキシ(オクチル)シラン、トリエトキシ(オクチル)シラン、トリプロポキシ(オクチル)シラン、トリイソプロポキシ(オクチル)シラン、トリメトキシ(デシル)シラン、トリエトキシ(デシル)シラン、トリプロポキシ(デシル)シラン、トリイソプロポキシ(デシル)シラン、トリメトキシ(ドデシル)シラン、トリエトキシ(ドデシル)シラン、トリプロポキシ(ドデシル)シラン、またはトリイソプロポキシ(ドデシル)シランから選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
耐汚性、耐染色性、耐候性または真菌耐性を改善するための基材の複合溶液であって、
複合溶液が、水、酸、水を含まない第1の溶媒、ベース化学試薬、可塑剤、および、結合剤、キレート化試薬を含み、
複合溶液が、3〜8vol%の水、20〜30vol%の第1の溶媒、40〜60vol%のベース化学試薬、10〜15vol%の可塑剤、1〜5vol%の結合剤を含み、
ベース化学試薬が、M(OR)
[式中、M=Si、Ti、SnまたはZrであり、Rは、水素、置換または非置換のアルキルを含む]
の一般式を有するアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せから選択され、
結合剤が、M(OR)R’R’’
[M=Si、SnまたはTiであり;xは、1、2または3の整数、yは、0、1または2の整数、zは、1、2または3の整数であるが、x、yおよびzの和は4に等しく、Rは、水素、置換もしくは非置換のアルキルまたはその誘導体、R’は、水素、置換もしくは非置換のアルキルまたはその誘導体、R’’は、置換もしくは非置換のエポキシまたはグリシドキシを含む]
の一般式を有するアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せから選択され、
可塑剤が、M(OR)4−zR’’’
[M=Si、SnまたはTiであり、は、1、2または3の整数であり、Rは、水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体、R’’’は、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のアリールまたはその誘導体を含む]
の一般式を有するアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せから選択され、
キレート化試薬が、M(OR)R’R’’’’’
[M=Si、SnまたはTiであり、xは1、2または3の整数、yは0、1または2の整数、bは1、2または3の整数であるが、x、yおよびの和は4に等しく、Rは水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体、R’は水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体、R’’’’’は置換または非置換アミン(第一級、第二級および第三級を含める)またはチオールを含む]
の一般式を有するアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せから選択され、
ここで、複合溶液の重合度が100以下であり、複合溶液に基材を沈めて多孔質材料の深くまで複合溶液を浸透させ、複合コーティングを形成させ、それによって、抗微生物、耐染色性、耐候性または真菌耐性が改善される、上記複合溶液。
【請求項13】
多孔質材料が、木材またはレンガ材料から選択される、請求項12記載の複合溶液。
【請求項14】
第2の溶媒で60〜100vol%の最終濃度までさらに希釈された、請求項12または13に記載の複合溶液。
【請求項15】
第1の溶媒が、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、エチレングリコール、グリセロールアセトン、アセトニトリル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドまたはその混合物から選択される、請求項12〜14のいずれかに記載の複合溶液。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
[0001]この出願は、2014年11月12日に出願された米国仮特許出願第62/078,655号および2014年11月12日に出願された同62/078,582号の利益を主張し、これらを参照により本明細書に組み込む。
【0002】
[0002]本発明は、耐候性、微生物耐性、耐染色性および真菌耐性を改善するための、組成物コーティングおよび処理された木材レンガまたは他の多孔質材料に関する。本発明は、撥水性を付与するための、したがって、同様に水溶性イオンの浸透を低減するためのこうしたコーティングを用いる処理された木材レンガまたは他の多孔質材料にも関する。本発明は、こうした組成物から作製された木材またはレンガ材料コーティング、例えば塗料、染色、シーラント、ワニスおよび仕上げ剤(finish)にも関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]「Waterproof Coating with Nanoscopic/Microscopic Features and Methods of Making Same」(米国非仮特許出願第14/277,325号)という表題の先行研究において、基材の湿潤または染色を防止する自浄および防水コーティングを製作するための溶液プロセスが利用された。結果として得られた表面は、水が基材を「湿潤(wetting)」するのを防止し(したがって「防水」になる)、湿潤によって引き起こされる帰結(例えば、染料/色素または水害からの染色)から基材を保護した。疎水性を超えて、他の機能性添加剤との組合せにおけるこうした疎水性コーティングを使用することで、風化からの損傷(天然/人工放射線および水分の両方、例えば、地下水、海水および土壌からの流体およびイオンの浸透によって引き起こされる)を軽減し、真菌または微生物の増殖(真菌、微生物または他の微生物体および水分によって引き起こされる)、および腐敗による後続の分解、または染料/色素からの染色の選択的排除を防止する能力も考察された。
【0004】
[0004]レンガ材料は、建物のための壁、橋、歩道、道路、擁壁、記念碑、および木材またはレンガ基盤の他の形態の構築を範囲とする建築環境において広く使用される。しかしながら、適切な防水なしで、水分、結露および/または雨水浸透は、カビおよび真菌の増殖をもたらす特性において湿気を引き起こし得る(例えば地下または高湿潤もしくは高湿度の領域)。加えて、風化および大気条件も、水浸食、氷害または冷水害などから、木材またはレンガ基盤の分解を引き起こし得る。木材またはレンガ材料の耐久性も透過性および浸透性に直接関連することがあり、ここで、液体またはガスの形態における水浸透は触媒であり得るか、または損傷を直接引き起こし得る。木材構造の特別な場合において、水浸透を低減することは、木材がそること、腐敗すること、または他に損傷されるのを防止することができる。鋼補強コンクリート構造の特別な場合において、透過性を低減することは、殊に塩化物を保有する流体の点から、構造のための、より長い寿命を得ることができる。基本的に、透過性の低減は、塩化物が下部鋼に達するのを遅延または阻害し、このことが腐食または錆化の可能性を阻害または遅延させる。同じことが、材料のクラッキングおよび他の劣化を引き起こし得る膨張応力を創出する硫酸塩の導入として、コンクリートそれ自体にも起こり得る。
【0005】
[0005]本開示において、改善された化学的複合コーティング、ならびにセメント添加混合物が耐候性および耐染色性の改善を提供するように木材またはレンガ材料を処理または
密閉することで耐候性、微生物耐性、耐染色性および真菌耐性を改善するためのそれらの使用、ならびに工業用途に適当な方法が本明細書において開示されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
[0006]一実施形態において、木材、レンガまたは他の多孔質物品上で耐候性、微生物耐性、耐染色性および真菌耐性の特性を呈する複合コーティングを製作するためのプロセスは、木材、レンガ、または多孔質基材を選択すること、ならびに少なくともシラン、シラノール、金属酸化物前駆体またはその誘導体を含むゾル−ゲルを利用して、基材にコーティング、固着および/または結合することを含み得る。一部の実施形態において、該プロセスは、任意選択により、ナノ視的(nanoscopic)またはミクロ視的な特色を有する表面を創出するために疎水性化学剤および/または他の化学剤で基材をコーティングすることを含み得る。一部の実施形態において、前に記述のコーティングは、噴霧または蒸気処理機序によって制御環境で被着させる(deposited)ことができる。他の実施形態において、前に記述のコーティングは、オール溶液(all solution)、スプレー、噴霧または他の湿潤被着プロセスを利用して被着させることができる。
【0007】
[0007]一部の実施形態において、複合コーティングは、所望の表面上への適用、コーティングまたは被着などを補助するための複合溶液中に提供することができる。一部の実施形態において、複合コーティングは、木材、レンガまたは他の多孔質材料コーティング、例えば塗料、染色、シーラント、ワニスおよび仕上げ剤に関連され得る。一部の実施形態において、材料の表面を処理するための複合溶液は、均質な溶液を形成するための全ての構成成分を分散するための溶媒(単数または複数)を含み得る。一部の実施形態において、複合体は、それ自体水ベースの溶媒により感受性であり得る基材への複合体の送達を可能にするため、部分的親水性もしくは疎水性の溶媒またはその組合せを使用することができる。一部の実施形態において、複合溶液は、ベース複合体の本体を形成するためのベース化学試薬(単数または複数)を含み得る。一部の実施形態において、材料の表面を処理するための複合溶液は、該溶液中で有機/無機材料(単数または複数)の均質性を増強するためのキレート化試薬(単数または複数)を含み得る。一部の実施形態において、複合溶液は、所望の表面への複合体の結合を補助するための結合剤(単数または複数)を含み得る。一部の実施形態において、複合溶液は、ベース複合体の弾力性を維持するための可塑剤(単数または複数)を含み得る。一部の実施形態において、複合溶液は、該溶液のための所望の粘度を達成するための粘度調整剤(単数または複数)を含み得る。一部の実施形態において、疎水性化学剤(単数または複数)で処理された表面は、結果として得られた複合体の表面疎水性を増加させるために使用することができる。一部の実施形態において、疎水性化学剤(単数または複数)の処理後の表面は、結果として得られた複合体の表面疎水性を増加させるために使用することができる。
【0008】
[0008]一部の実施形態において、1種または複数の機能性有機/無機材料添加剤は、複合溶液中に添加することができる。一部の実施形態において、添加剤の機能は、材料の本来の機能性を損なわないまたはそれに対して軽度の効果しか有さない。一部の実施形態において、機能性添加剤は、以下に限定されないが、UV吸収/遮断、反射防止、抗摩耗、難燃、抗微生物、抗細菌、真菌耐性の特性または色素沈着を含めた特性を有することができる。
【0009】
[0009]一部の実施形態において、複合コーティングの本来の機能を損なわないまたはそれに対して軽度の効果しか有さない1種または複数の色素は、木材またはレンガ材料コーティングのための複合溶液中に添加することができる(例えば塗料、染色薬、シーラント、ワニスおよび仕上げ剤)。一部の実施形態において、こうした色素は、波長選択的吸収の結果として、反射光または透過光の色を変化させる材料を含み得る。非限定的な例としては、ヒトが知覚できるまたはできない波長の範囲、例えば、およそ390nmから700nmの波長を有する可視光;およそ100nmから390nmの波長を有する紫外光、ならびにおよそ700nmから1mmの波長を有する赤外およびより低いエネルギーの放射線が挙げられる。一部の実施形態において、色素は、紫外放射線への曝露によって引き起こされる分解からホスト複合体を保護する材料も含み得る。一部の実施形態において、色素は、蛍光、燐光および/または発光の他の形態などを介して色を発する材料を含み得る。
【0010】
[0010]前述では、次に続く詳細な記載がより良好に理解され得るために、本開示のかなり広く様々な特色を概説してきた。本開示の追加の特色および利点は、後文に記載されている。
【0011】
[0011]本開示およびその利点のより完全な理解のため、本開示の特定の実施形態を記載する添付の図と併せて以下の記載をここで参照することができる:
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】[0001]図1は、(左から右に)未処理レッドオーク、透明コーティングを有するレッドオーク、および色素沈着コーティングでコーティングされたレッドオークを示し、ここで、木目の可視性およびコントラストは、コーティングの適用後にはっきりと見ることができる。
図2】[0012]図2は、それぞれ6つの特有のアースカラー色調の色素と混合されたゾル−ゲル構成成分を含む木材染色薬のUV−visスペクトルを示す。
図3】[0013]図3は、3つの試料に関する時間の平方根(s1/2)に対しての収着I(mm)のプロットを示す。
図4】[0014]図4は、4つのセメント試料に関する時間の平方根(s1/2)に対しての収着I(mm)のプロットを示す。
図5】[0015]図5は、酸性染色薬剤を介する染色に対する処理試料の効力を判定するために使用されたトラバーチンタイル試料の画像を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0016]図示されている要素がスケールに必ずしも示されず、類似または同様の要素がいくつかの視点を介して同じ参照番号によって指定される図面をここで参照されたい。
[0017]一般に図面を参照して、例示は、本開示の特別な実施を記載する目的であり、それに限定されると意図されないことが理解されるべきである。本明細書において使用されている用語の大部分は、当業者に認識可能である一方で、明白に定義されていない場合に用語は当業者によって現在認容されている意味を採用すると解釈されるべきであると理解されるべきである。
【0014】
[0018]前述の一般的記載および以下の詳細な記載の両方は、例証的および説明的なだけであり、主張されている通り、本発明の拘束でないと理解されるべきである。この明細書において、別段具体的に明記されていない限り、単数の使用は複数を含み、「a」または「an」という単語は「少なくとも1つ」を意味し、「または」の使用は「および/または」を意味する。さらに、「含めて」という用語、ならびに他の形態、例えば「含まれる」および「含まれている」の使用は限定しているものではない。その上、「要素」または「構成成分」などの用語は、別段具体的に明記されていない限り、1つの単位を含む要素または構成成分および1つより多い単位を含む要素または構成成分の両方を包含する。本明細書において考察されている任意の範囲は、こうした端部の値が除かれることが明らかに記されていない限り、範囲を定義する端部の値を含むと理解されるべきである。例えば、XがYよりも低い値を有する場合、「X〜Yの間(“between X−Y”)」、「X以上Y以下(“equal to or between” X to Y)」」、または「およそXからY(“from approximately” X to Y)」などの用語は、X≦範囲≦Yであると示していると理解されるべきである。
【0015】
[0019]定義。
[0020]「多孔質材料」という用語は、材料の体積内に多孔質構造または空隙を有する任意の材料を指す。非限定的な例としては、木材またはレンガ材料などが挙げられ得る。本明細書において考察されている各種実施形態は、木材またはレンガ材料を具体的に考察し得る一方で、こうした実施形態は任意の多孔質材料に適用可能であることが理解されるべきである。
【0016】
[0021]木材は、3種の主要な化学構成物:セルロース、ヘミセルロースおよびリグニンを含有する。「木材」という用語は、樹木および他の木本の茎および根に見出される繊維構造組織を指す。「木材」という用語には、以下に限定されないが、これらの前に記述の繊維構造組織または化学構成物を含有するもしくはそれらで部分的に構成される任意の材料、複合体または製品も含まれる。
【0017】
[0022]「レンガ材料」という用語は、以下に限定されないが、ブリック、石、大理石、花崗岩、トラバーチン、石灰岩、人造石、コンクリートブロック、漆喰、タイル、石灰(cob)およびコンクリート、セメント、モルタルおよびグラウトまたは他のセメント系材料を含めて、人造の構造または建物などにおいて使用される広範囲の材料を指す。該用語は、以下に限定されないが、添加剤またはある特定の特性、例えば強度、延性、弾力性または粘度などを増加させるための合成もしくは天然繊維とのハイブリッドまたは複合材料を形成するために利用される前に記述の材料の、任意の関連材料も含み得る。
【0018】
[0023]「耐候性(weather resistant)」という用語は、一般に、熱および冷温度のサイクリング、日光への曝露、または天然および人工放射線および水分の他の形態による材料の分解である風化の効果に抵抗するための材料の能力を指す。
【0019】
[0024]「真菌耐性(fungal resistant)」という用語は、付着、増殖および拡散する真菌株に抵抗するための材料の能力を指す。真菌株としては、以下に限定されないが:Aspergillus niger−ATCC番号6275、Penicillium citrinum−ATCC番号9849、およびAureobasidium pullulans−ATCC番号9348(ここで、ATCC:アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション)が挙げられる。これらの真菌は、子嚢菌門に属する。この門に属する真菌は、セルロース(木材、紙および板紙)、テキスタイル、塗料コーティング、プラスチック、絶縁体および皮革を分解し、そのため、大部分のASTM標準試験法で用いられる。有機物上の「綿毛状」菌糸体コロニーを生成するこれらの真菌は、「カビ」と頻繁に称される。
【0020】
[0025]「微生物耐性(microbial resistance)」という用語は、付着、増殖および拡散する微生物に抵抗するための材料の能力を指す。
[0026]「染色」という用語は、以下に限定されないが、両方ともに着色された(色素化)コーティング、ならびに不透明、セミ透明(半透明)または完全に透明なコーティングを木材またはレンガ材料に付与することができるものを指す。
【0021】
[0027]「耐染色性(stain resistant)」という用語は、染色、または材料と接触した染色剤からの材料の本来の色素沈着、不透明性、および外観における変化に抵抗するための材料の能力を指す。一部の実施形態において、耐染色性材料は、染色を全体的に防止し得るわけではないが、耐染色性材料は染色を妨げることができる。
【0022】
[0028]「疎水性」という用語は、材料が水または水ベースの液体の湿潤および/または吸収を妨害するという材料の特性を指す。一般に、水に対する親和性を欠如する材料は、「疎水性」を呈示すると記載することができる。
【0023】
[0029]「親水性」という用語は、材料が水または水ベースの液体の湿潤および/または吸収を妨害しないという材料の特性を指す。一般に、水に対して強い親和性を有する材料は、「親水性」を呈示すると記載することができる。
【0024】
[0030]「疎油性」という用語は、材料が油または油ベースの液体の湿潤および/または吸収を妨害するという材料の特性を指す。
[0031]「親油性」という用語は、材料が油または油ベースの液体の湿潤および/または吸収を妨害しないという材料の特性を指す。
【0025】
[0032]「ウィッキング」という用語は、材料が毛管現象によって水もしくは水ベースの液体および/または油もしくは油ベースの液体を取り除くという材料の特性を指す。一部の実施形態において、本明細書において考察されている疎水性および疎油性材料は、ウィッキングを防止することができると理解されるべきである。
【0026】
[0033]木材、レンガまたは他の多孔質材料の耐候性、微生物耐性、耐染色性および真菌耐性を改善するための有機/無機複合コーティングの使用は、本明細書において考察されている。本明細書において考察されている有機/無機材料および/または製造するための方法の各種実施形態は、耐候性、微生物耐性、耐染色性および真菌耐性ならびに/または他の所望の特性を改善するための有機/無機材料からコーティングを作製するための、新たな組成物および方法を提供する。
【0027】
[0034]より詳細には、本明細書において考察されている実施形態は、木材、レンガまたは他の多孔質材料のための有機/無機複合コーティングを作製するための組成物および方法に関し、この方法は、以下のステップ:1)多孔質基材を選択すること、および2)少なくともシラン、シラノール、金属酸化物前駆体またはその誘導体を含むゾル−ゲルを利用して、基材にコーティングし、ナノ視的またはミクロ視的特色を有する表面を創出することを含む。一部の実施形態において、該方法は、疎水性化学剤および/または他の化学剤で基材を任意選択によりコーティングすることをさらに含み得る。一部の実施形態において、上で注記されているコーティングは、噴霧または蒸気処理によって制御環境で被着させることができる。他の態様において、上で注記されているコーティングは、オール溶液プロセスを利用して被着させることができる。
【0028】
[0035]一部の実施形態において、複合コーティングは、所望の表面上への適用、コーティングまたは被着などを補助するために複合溶液中に提供することができる。一部の実施形態において、複合溶液の配合は、木材またはレンガ材料などの多孔質基材中に浸透させるために選択される。一部の実施形態において、材料の表面を処理するための複合溶液は、均質な実体を形成するために全ての構成成分を分散するための「湿式プロセス」、噴霧機序またはさらに蒸気処理方法を介するか否かにかかわらず、溶媒(単数または複数)を含み得る。一部の実施形態において、複合溶液は、ベース複合体の本体を形成するためにベース化学試薬(単数または複数)を含み得る。一部の実施形態において、材料の表面を処理するための複合溶液は、溶液における有機/無機材料(単数または複数)の均質性を増強するためにキレート化試薬(単数または複数)を含み得る。一部の実施形態において、複合溶液は、所望の表面への複合体の結合を補助するために結合剤(単数または複数)を含み得る。一部の実施形態において、複合溶液は、ベース複合体の弾力性を維持するために可塑剤(単数または複数)を含み得る。一部の実施形態において、複合溶液は、溶液のための所望の粘度を達成するために粘度調整剤(単数または複数)を含み得る。一部の実施形態において、疎水性化学剤(単数または複数)で処理された表面は、結果として得られた複合体の表面疎水性を増加させるために使用することができる。
【0029】
[0036]一部の実施形態において、均質な溶液を形成するために全ての構成成分を分散するのに使用された溶媒(単数または複数)としては、以下に限定されないが、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、エチレングリコール、グリセロールアセトン、アセトニトリル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドまたはその混合物が挙げられ得る。
【0030】
[0037]一部の実施形態において、ベース複合体の本体を形成するためのベース化学試薬(単数または複数)は、M(OR)(M=Si、Al、Ti、In、SnまたはZr)の一般式を有する少なくとも1種のアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せを含むことができ、式中、Rは、水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を含む。こうした化学薬品の非限定的な例としては、テトラメチルオルトシリケート、テトラエチルオルトシリケート、テトライソプロピルオルトシリケート、テトラ(tert−ブチル)オルトシリケート、テトラ(sec−ブチル)オルトシリケート、アルミニウムメトキシド、アルミニウムエトキシド、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムtert−ブトキシド、アルミニウムトリ−sec−ブトキシド、チタンメトキシド、チタンエトキシド、チタンイソプロポキシド、チタンtert−ブトキシド、チタントリ−sec−ブトキシド、および同様の構造を保有する誘導体が挙げられる。
【0031】
[0038]一部の実施形態において、溶液中の有機材料(単数または複数)の均質性を増強するためのキレート化試薬(単数または複数)は、M(OR)R’R”(M=Si、Al、In、SnまたはTiであり;xは整数1、2または3であり;yは整数0、1または2であり;zは整数1、2または3であるが、ただし、x、yおよびzの和は4に等しいことを条件とする)の一般式を有する少なくとも1種のアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せを含むことができ、ここで、Rは、水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を構成し;R’は、水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を構成し、R”は、3個から20個の炭素原子を含む置換または非置換のアルキル基またはアルケニル基を含む。こうした化学薬品の非限定的な例としては、トリメトキシフェニルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、メトキシジメチルフェニルシラン、トリメトキシフェネチルシラン、ジメトキシメチルフェネチルシラン、メトキシジメチルフェネチルシラン、トリメトキシオクチルシラン、ジメトキシメチルオクチルシラン、メトキシジメチルオクチルシラン、トリメトキシドデシルシラン、ジメトキシメチルドデシルシラン、メトキシジメチルドデシルシラン、トリメトキシデシルシラン、ジメトキシメチルデシルシラン、メトキシジメチルデシルシラン、トリメトキシオクタデシルシラン、ジメトキシメチルオクタデシルシラン、メトキシジメチルオクタデシルシラン、トリメトキシヘキシルシラン、ジメトキシメチルヘキシルシラン、メトキシジメチルヘキシルシラン、トリメトキシ(シクロヘキシルメチル)シラン、ジメトキシメチル(シクロヘキシルメチル)シラン、メトキシジメチル(シクロヘキシルメチル)シラン、トリエトキシフェニルシラン、ジエトキシメチルフェニルシラン、エトキシジメチルフェニルシラン、トリエトキシフェネチルシラン、ジエトキシメチルフェネチルシラン、エトキシジメチルフェネチルシラン、トリエトキシオクチルシラン、ジエトキシメチルオクチルシラン、エトキシジメチルオクチルシラン、トリエトキシドデシルシラン、ジエトキシメチルドデシルシラン、エトキシジメチルドデシルシラン、トリエトキシデシルシラン、ジエトキシメチルデシルシラン、エトキシジメチルデシルシラン、トリエトキシオクタデシルシラン、ジエトキシメチルオクタデシルシラン、エトキシジメチルオクタデシルシラン、トリエトキシヘキシルシラン、ジエトキシメチルヘキシルシラン、エトキシジメチルヘキシルシラン、トリエトキシ(シクロヘキシルメチル)シラン、ジエトキシメチル(シクロヘキシルメチル)シラン、エトキシジメチル(シクロヘキシルメチル)シランおよび同様の構造を保有する誘導体が挙げられる。
【0032】
[0039]一部の実施形態において、溶液において無機材料(単数または複数)の均質性を増強するためのキレート化試薬(単数または複数)は、M(OR)R’R”(M=Si、Al、In、SnまたはTiであり;xは整数1、2または3であり;yは整数0、1または2であり;zは整数1、2または3であるが、ただし、x、yおよびzの和は4に等しいことを条件とする)の一般式を有する少なくとも1種のアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せを含むことができ、式中、Rは、水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を構成し;R’は、水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を構成し、R”は、置換または非置換アミン(第一級、第二級および第三級を含める)またはチオールを含む。こうした化学薬品の非限定的な例としては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノエチルトリメトキシシラン、2−アミノエチルトリエトキシシラン、N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−メチルアミノプロピルトリエトキシシラン 4−アミノブチルメチルジメトキシシラン、4−アミノブチルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N,N−ジメチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ジメチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N−ジエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ジエチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N−ジエチルアミノメチルトリメトキシシラン、N,N−ジエチルアミノメチルトリエトキシシラン、ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2’−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2’−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ブチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ブチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−オクチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−オクチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−シクロヘキシル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−シクロヘキシル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(3’−トリメトキシシリルプロピル)−ピペラジン、N−(3’−トリエトキシシリルプロピル)−ピペラジン、N−(3’−トリメトキシシリルプロピル)モルホリン、N−(3’−トリエトキシシリルプロピル)モルホリン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3−トリエトキシシリルプロピル)アミン、N−メチル−N−ブチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−メチル−N−ブチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(3’−アミノプロピル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(3’−アミノプロピル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシランおよび同様の構造を保有する誘導体が挙げられる。
【0033】
[0040]一部の実施形態において、所望の表面への有機/無機複合体の結合を補助するための結合剤(単数または複数)は、M(OR)R’R”(M=Si、Al、In、SnまたはTiであり;xは整数1、2または3であり;yは整数0、1または2であり;zは整数1、2または3であるが、ただし、x、yおよびzの和は4に等しいことを条件とする)の一般式を有する少なくとも1種のアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せを含むことができ、式中、Rは、水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を構成し;R’は、水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を構成し、R”は、置換もしくは非置換エポキシまたはグリシドキシを含む。こうした化学薬品の非限定的な例としては、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリエトキシシラン、5,6−エポキシヘキシルトリメトキシシラン、5,6−エポキシヘキシルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、2−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、2−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、4−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、4−グリシドキシブチルトリエトキシシランおよび同様の構造を保有する誘導体が挙げられる。
【0034】
[0041]一部の実施形態において、ベース複合体の弾力性を維持するための可塑剤(単数または複数)は、M(OR)4−xR’(M=Si、Al、In、SnまたはTiであり;xは整数1、2または3である)の一般式を有する少なくとも1種のアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せを含むことができ、式中、Rは、水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を構成し、R’は、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリールまたはその誘導体を含む。こうした化学薬品の非限定的な例としては、トリメトキシメチルシラン、ジメトキシジメチルシラン、メトキシトリメチルシラン、トリメトキシエチルシラン、ジメトキシジエチルシラン、メトキシトリエチルシラン、トリメトキシプロピルシラン、ジメトキシジプロピルシラン、メトキシトリプロピルシラン、トリメトキシイソブチルシラン、トリエトキシイソブチルシラン、ジメトキシジイソブチルシラン、ジエトキシジイソブチルシラン、トリメトキシフェニルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、メトキシトリフェニルシラン、トリメトキシフェネチルシラン、ジメトキシジフェネチルシラン、メトキシトリフェネチルシラン、トリエトキシメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、エトキシトリメチルシラン、トリエトキシエチルシラン、ジエトキシジエチルシラン、エトキシトリエチルシラン、トリエトキシプロピルシラン、ジエトキシジプロピルシラン、エトキシトリプロピルシラン、トリエトキシフェニルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、エトキシトリフェニルシラン、トリエトキシフェネチルシラン、ジエトキシジフェネチルシラン、エトキシトリフェネチルシランおよび同様の構造を保有する誘導体が挙げられる。
【0035】
[0042]一部の実施形態において、溶液のための所望の粘度を達成するための粘度調整剤(単数または複数)は、
【0036】
【化1】
【0037】
の一般式、および100Da以上100,000Da以下の平均分子量を有するオリゴマー/コオリゴマー形態、ポリマー/コポリマー形態またはその組合せにおける少なくとも1つのアルキルシロキサンを含むことができ、式中、RおよびR’は、同じであっても異なっていてもよく、水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を含む。こうした化学薬品の非限定的な例としては、3−アミノプロピル末端ポリ(ジメチルシロキサン)、塩素末端ポリ(ジメチルシロキサン)、グリシジルエーテル末端ポリ(ジメチルシロキサン)、水素化物末端ポリ(ジメチルシロキサン)、ヒドロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン)、ヒドロキシアルキル末端ポリ(ジメチルシロキサン)、ビニル末端ポリ(ジメチルシロキサン)、トリメチルシリル末端ポリ(ジメチルシロキサン)、および同様の構造を保有する誘導体が挙げられる。
【0038】
[0043]一部の実施形態において、1種または複数の機能性無機材料添加剤は、コーティングの本来の機能を損なわないまたは軽度の効果しか有さない複合コーティングのための複合溶液中に添加することができる。本発明では、機能性添加剤は、以下に限定されないが、UV吸収または遮断、反射防止、抗摩耗、難燃、伝導、抗微生物、抗細菌、抗真菌的利益または色素沈着を含めた特性を有することができる。添加剤は、以下に限定されないが、最大約100,000Daまでの分子量を有する有機/無機分子/ポリマー、約2nm以上500μm以下の大きさを有する天然または合成形態(例えば粒子、ナノチューブおよびナノシート)における有機マイクロ/ナノ材料;約2nm以上500μm以下の大きさを有する天然または合成形態(例えば粒子、ナノチューブおよびナノシート)における金属/金属酸化物マイクロ/ナノ材料(例えば銀、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化セレン、酸化テルル、およびクレイ(ここでクレイは、カオリナイト、モンモリロナイト、イライトまたはクロライトで構成されていてよい));およびその組合せを含めた材料から構成することができる。
【0039】
[0044]一部の実施形態において、材料の本来の機能を損なわないまたは軽度の効果しか有さない1種または複数の色素は、複合コーティングを作製するための複合溶液中に添加することができる。こうした色素は、波長選択的吸収の結果として反射光または透過光の色を変化させる材料を含み得る。非限定的な例としては、ヒトが知覚することができるまたはできない波長の範囲、例えば、およそ390nmから700nmの波長を有する可視光;およそ100nmから390nmの波長を有する紫外光、ならびにおよそ700nmから1mmの波長を有する赤外およびより低いエネルギー放射線が挙げられる。色素としては、以下に限定されないが、カドミウム、クロム、コバルト、銅、酸化鉄、鉛、マンガン、水銀、チタン、テルル、セレンおよび亜鉛などの金属元素を含有する金属ベースの無機色素;炭素、クレイアース(Clay earth)およびウルトラマリンなどの他の無機色素;アリザリン、アリザリンクリムソン、ガンボジ、カルミン、プルプリン、インディゴ、インディアンイエロー、チリアンパープル、キナクリドン、マゼンタ、フタログリーン、フタロブルー、ジアリライドイエロー、ピグメントレッド、ピグメントイエロー、ピグメントグリーン、ピグメントブルーなどの有機色素、ならびに他のその無機または有機誘導体が挙げられ得る。一部の実施形態において、色素には、紫外光吸収体、例えば2−ヒドロキシフェニル−ベンゾフェノン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾールおよび2−ヒドロキシフェニル−s−トリアジン誘導体;ヒンダード−アミン光安定剤、例えばテトラメチルピペリジン誘導体および抗酸化剤、例えば立体障害フェノール、ホスファイトおよびチオエーテルなど、紫外放射線への曝露によって引き起こされる分解からホスト複合体を保護する材料も含まれる。一部の実施形態において、色素には、蛍光、燐光および/または発光の他の形態などを介して色を発する材料も含まれる。こうした色素としては、以下に限定されないがフルオロフォア、例えばフルオレセイン、ローダミン、クマリン、シアニンおよびその誘導体;燐光染料、例えば硫化亜鉛、アルミン酸ストロンチウムおよびその誘導体が挙げられ得る。
【0040】
[0045]一部の実施形態において、複合溶液から形成されたコーティングは、コーティングされた材料の本来の外観に影響しない。例えば、コーティングは、コーティングされた本来の材料の色素沈着および反射性を変化させない。一般に、一部の追加の特性を木材またはレンガ材料に付与する一方で、本来の外観を保持または改善することが望ましく;これは、コーティングの適用後に見られる通りの木材または鉱物粒子の可視性およびコントラストについて特に当てはまる。こうした適用の例は、以下に限定されないが、キッチン、浴室、家具、廊下、室内部屋および建築的特色などにおける室内製品であってよく、一方で、エクステリアまたは屋外は、フェンス、家具、敷板、パーゴラ、羽目板、屋根板、ドライブウェイ、パティオ、敷石、景観および他の建築的美観または構造要素において例証され得る。こうした木材またはレンガ製品に保護コーティングを加えるための能力は、特別な所望の自然な外観に合わせるように木材またはレンガ材料の色および外観を特注する能力も有しながら本来の特性および美観を保持するために重要である。
【0041】
[0046]一部の実施形態において、ベース複合溶液は、酸性条件(pH≦5)において溶媒(単数または複数)、ベース化学試薬(単数または複数)、キレート化試薬(単数または複数)、結合剤(単数または複数)、可塑剤(単数または複数)、粘度調整剤(単数または複数)、機能性添加剤(単数または複数)および色素(単数または複数)の少なくとも1つを混合することによって調製される。一部の実施形態において、複合溶液の基礎的形態は、少なくとも溶媒(単数または複数)、ベース化学試薬(単数または複数)、キレート化試薬(単数または複数)、結合剤(単数または複数)および可塑剤(単数または複数)を含むことができる。一部の実施形態において、複合溶液は、任意選択により、粘度調整剤(単数または複数)、機能性添加剤(単数または複数)および色素(単数または複数)を含み得る。一部の実施形態において、複合溶液は、水1〜10vol.%、少なくとも1種の溶媒(単数または複数)10〜40vol.%、少なくとも1種のベース化学試薬(単数または複数)30〜70vol.%、少なくとも1種の可塑剤(単数または複数)10〜20vol.%、少なくとも1種の結合剤(単数または複数)1〜10vol.%を含むことができ、体積の残りは、キレート化試薬(単数または複数)、粘度調整剤(単数または複数)、機能性添加剤(単数または複数)および色素(単数または複数)の少なくとも1つを含むことができる。一部の実施形態において、複合溶液は、水3〜8vol.%、少なくとも1種の溶媒(単数または複数)20〜30vol.%、少なくとも1種のベース化学試薬(単数または複数)40〜60vol.%、少なくとも1種の可塑剤(単数または複数)10〜15vol.%、少なくとも1種の結合剤(単数または複数)1〜5vol.%を含むことができ、残りの体積は、いずれかの任意選択の添加剤を含むことができる。一部の実施形態において、複合溶液は、上記の実施形態と同様であるが、可塑剤(単数または複数)の濃度は、15vol.%未満、またはより好ましくは10vol.%未満である。一部の実施形態において、複合溶液は、上記の実施形態と同様であるが、結合剤(単数または複数)の濃度は、5vol.%未満、またはより好ましくは3vol.%未満である。前に記述の化学剤の混合物は、50℃以上100℃以下の昇温で、約1/2時間から10日の間、または好ましくは50℃から70℃の間、約1/2時間から12時間の間撹拌することができる。一部の実施形態において、ベース複合溶液は、より多くの溶媒(単数または複数)で20vol.%以上の最終濃度に、好ましくは60vol.%から100vol.%の間の最終濃度に、または好ましくは80vol.%から100vol.%の間の最終濃度にさらに希釈されることで、材料コーティングのための最終複合溶液を形成する。コーティングされるべき木材またはレンガ材料は、かなり剛性なので(例えば、テキスタイルおよび生地と比較して)、より高い濃度が好ましい。一部の実施形態において、有機/無機複合溶液は、少なくとも部分加水分解または完全に加水分解される。
【0042】
[0047]木材またはレンガ材料のための他の従来のコーティング溶液と対照的に、本明細書において考察されているベース複合溶液は、ベース複合溶液が多孔質木材またはレンガ材料により簡単に浸透するのを可能にする短鎖状態にポリマー構成成分を維持する。一部の実施形態において、ゾル−ゲル構成成分の重合度は、100以下、10以下または5以下である。最終ゾル−ゲル組成物の重合度は、共通のリンカー分子(例えば水)の量によって制御することができる。低い重合度の結果として、ベース複合溶液は、木材およびレンガ材料中に深く浸透し、内部多孔質構造の少なくとも一部をコーティングすることができるが、高い重合度を有する従来のコーティング溶液は、外表面コーティングを単にもたらす。木材およびレンガ材料は、活性シラン部分が木材(例えば、セルロースおよびリグニン)およびレンガ(例えば、シリケートおよび金属酸化物)中に豊富であるヒドロキシ基などに非常に反応性であるという反応機序に依存する。
【0043】
[0048]一部の実施形態において、基材がゾルゲル法で処理された後、結果として得られ
た表面は、任意選択により、溶媒、疎水性化学剤および/または他の化学剤を含む疎水性溶液で処理することもでき、疎水性溶液は、表面を疎水性/超疎水性にするとともにナノ視的またはミクロ視的トポグラフィーを発生させることもできる。一部の実施形態において、疎水性溶液は、少なくとも1種の溶媒および疎水性化学剤を含む。一部の実施形態において、疎水性溶液は、1種または複数の他の化学剤をさらに含み得る。ステップ3においてコーティングとして使用される疎水性化学剤の非限定的な例としては、結果として得られた表面に共有結合された少なくとも1つの型のフルオロアルキルシランが挙げられ、フルオロアルキルシランは、表面を疎水性/超疎水性にするとともにナノ視的またはミクロ視的トポグラフィーも発生させる。一部の実施形態において、疎水性化学剤および/または他の化学剤は、蒸気処理を利用して被着させることができる。一部の実施形態において、使用される疎水性化学剤は、フルオロアルキルシラン[CF(CF(CHSiR(式中、X=Cl、Br、Iまたは他の適当な有機脱離基であり、Rは、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリールまたはその誘導体を構成し、aは整数0、1、2、3…から20であり、bは整数0、1、2、3…から10であり、cは整数1、2、3であり、dは整数0、1、2、3であり、eは整数1、2、3であるが、ただし、c、dおよびeの和は4に等しいことを条件とする)の一般式を有することができる。好ましいフルオロアルキルシラン種としては、以下に限定されないが、トリクロロ(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン、ジクロロ−メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン、クロロ−ジメチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン、トリクロロ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロブチル)シラン、ジクロロ−メチル(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロブチル)シラン、クロロ−ジメチル(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロブチル)シラン、トリクロロ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロヘキシル)シラン、ジクロロ−メチル(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロヘキシル)シラン、クロロ−ジメチル(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロヘキシル)シラン、トリクロロ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチル)シラン、ジクロロ−メチル(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチル)シラン、クロロ−ジメチル(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチル)シラン、トリクロロ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)シラン、ジクロロ−メチル(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)シラン、クロロ−ジメチル(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)シラン、トリクロロ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロドデシル)シラン、ジクロロ−メチル(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロドデシル)シラン、クロロ−ジメチル(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロドデシル)シランおよび同様の構造を保有する誘導体が挙げられ得る。一部の実施形態において、疎水性化学剤(単数または複数)は、1種または複数の有機溶媒中に溶解または分散することができる。典型的に、有機溶媒(単数または複数)中の疎水性化学剤(単数または複数)の濃度は、0.1vol.%以上15vol.%以下である。好ましい有機溶媒としては、以下に限定されないが、トルエン、ベンゼン、キシレン、トリクロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラクロロエチレン、n−プロピルブロミド、ジエチルエーテル、アセトン、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、石油エーテルおよび石油炭化水素が挙げられ得る。
【0044】
[0049]他の化学剤も、単独でまたはフルオロアルキルシランと併せて使用することで、表面を疎水性にするおよび/またはナノ視的トポグラフィーを発生させるのと同様のタスクを実施することができる。一部の実施形態において、他の化学剤は疎水性であってよく、アルキルシラン[CH(CHSiRの一般式を有することができ;式中、Xは、Cl、Br、Iまたは他の適当な有機脱離基を構成し、Rは、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリールまたはその誘導体を構成し、aは整数0、1、2、3…から20であり、bは整数1、2または3であり、cは整数0、1、2、3であり、dは整数1、
2または3であるが、ただし、b、cおよびdの和は4に等しいことを条件とする。好ましいアルキルシラン種としては、以下に限定されないが、クロロシラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、クロロトリメチルシラン、ジクロロジメチルシラン、トリクロロメチルシラン、クロロフェニルシラン、ジクロロフェニルシラン、トリクロロフェニルシラン、クロロメチルフェニルシラン、クロロジメチルフェニルシラン、ジクロロメチルフェニルシラン、クロロジメチルフェネチルシラン、ジクロロメチルフェネチルシラン、トリクロロフェネチルシラン、クロロジメチルオクチルシラン、ジクロロメチルオクチルシラン トリクロロオクチルシラン、クロロジメチルドデシルシラン、ジクロロメチルドデシルシラン、トリクロロドデシルシラン、クロロデシルジメチルシラン、ジクロロデシルメチルシラン、トリクロロデシルシラン、クロロジメチルオクタデシルシラン、ジクロロメチルオクタデシルシラン、トリクロロオクタデシルシラン、クロロジメチルヘキシルシラン、ジクロロメチルヘキシルシラン、トリクロロヘキシルシラン、アリルジクロロメチルシラン、アリルクロロジメチルシラン、アリルトリクロロシラン、(シクロヘキシルメチル)クロロジメチルシラン、(シクロヘキシルメチル)ジクロロメチルシラン、(シクロヘキシルメチル)トリクロロシランおよび同様の構造を保有する誘導体が挙げられ得る。一部の実施形態において、疎水性化学剤(単数または複数)は、1種または複数の有機溶媒中に溶解または分散することができる。典型的に、有機溶媒(単数または複数)中の疎水性化学剤(単数または複数)の濃度は、0.1vol.%以上15vol.%以下である。好ましい有機溶媒としては、以下に限定されないが、トルエン、ベンゼン、キシレン、トリクロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラクロロエチレン、n−プロピルブロミド、ジエチルエーテル、アセトン、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、石油エーテルおよび石油炭化水素が挙げられ得る。他の化学剤も、単独でまたはフルオロアルキルシランもしくはアルキルシランと併せて使用することで、表面を疎水性にするおよび/またはナノ視的トポグラフィーを発生させるのと同様のタスクを実施することができる。
【0045】
[0050]一部の実施形態において、ステップ3においてコーティングとして使用される疎水性化学剤の例としては、結果として得られた表面に共有結合された少なくとも1つの型のアルコキシフルオロアルキルシランが挙げられ、アルコキシフルオロアルキルシランは、表面を疎水性/超疎水性にし、ナノ視的トポグラフィーも発生させる。使用される疎水性化学剤は、アルコキシフルオロアルキルシラン[CF(CF(CHSiR[アルコキシ](式中、[アルコキシ]は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシまたはその組合せを構成し;Rは、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリールまたはその誘導体を構成し、aは整数0、1、2、3…から20であり、bは整数0、1、2、3…から10であり、cは整数1、2、3であり、dは整数0、1、2、3であり、eは整数1、2、3であるが、ただし、c、dおよびeの和は4に等しいことを条件とする)の一般式を有することができる。好ましいアルコキシフルオロアルキルシラン種としては、以下に限定されないが、トリメトキシ(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン、トリエトキシ(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン、トリプロポキシ(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン、トリイソプロポキシ(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン、トリメトキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロブチル)シラン、トリエトキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロブチル)シラン、トリプロポキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロブチル)シラン、トリイソプロポキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロブチル)シラン、トリメトキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロヘキシル)シラン、トリエトキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロヘキシル)シラン、トリプロポキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロヘキシル)シラン、トリイソプロポキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロヘキシル)シラン、トリメトキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチル)シラン、トリエトキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチル)シラン、トリプロポキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチル)シラン、トリイソプロポキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチル)シラン、トリメトキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)シラン、トリエトキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)シラン、トリプロポキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)シラン、トリイソプロポキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)シラン、トリメトキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロドデシル)シラン、トリエトキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロドデシル)シラン、トリプロポキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロドデシル)シラン、トリイソプロポキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロドデシル)シランおよび同様の構造を保有する誘導体が挙げられ得る。一部の実施形態において、疎水性化学剤は、有機溶媒または有機溶媒の混合物中に溶解または分散することができる。典型的に、有機溶媒(単数または複数)中の疎水性化学剤(単数または複数)の濃度は、0.1vol.%以上15vol.%以下である。好ましい有機溶媒としては、以下に限定されないが、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、アセトン、アセトニトリル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラクロロエチレン、n−プロピルブロミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドおよび水が挙げられ得る。
【0046】
[0051]一部の実施形態において、アルコキシフルオロアルキルシラン[CF(CF(CHSiR[アルコキシ]は、フルオロアルキルシラン[CF(CF(CHSiRから、対応の溶媒(単数または複数)(例えばメタノール、エタノール、イソプロパノールおよび水)中でフルオロアルキルシランを混合および加熱することによって化学的に変換される。化学剤の混合物は、50℃以上100℃以下の昇温で約1時間から7日の間、酸性環境(pH≦1)で撹拌されるのが好ましく、溶液は、pHが6以上8以下に達するまで、KOHで中和された(水を最大15%(w/w)まで含有することができる)。疎水性溶液は直接使用されたか、または適切な溶媒(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、変性エタノール、水など)中にさらに希釈された。
【0047】
[0052]他の化学剤も、単独でまたはアルコキシフルオロアルキルシランと併せて使用することで、表面を疎水性にするおよび/またはナノ視的トポグラフィーを発生させるのと同様のタスクを実施することができる。一部の実施形態において、他の化学剤は疎水性であってよく、アルコキシアルキルシラン[CH(CHSiR[アルコキシ]の一般式を有することができ;式中、[アルコキシ]は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシまたはその組合せを構成し;Rは、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリールまたはその誘導体を構成し、aは整数0、1、2、3…から20であり、bは整数1、2または3であり、cは整数0、1、2、3であり、dは整数1、2または3であるが、ただし、b、cおよびdの和は4に等しいことを条件とする。好ましいアルコキシアルキルシラン種としては、以下に限定されないが、トリメトキシイソブチルシラン、トリエトキシイソブチルシラン、ジメトキシジイソブチルシラン、ジエトキシジイソブチルシラン、トリメトキシ(ヘキシル)シラン、トリエトキシ(ヘキシル)シラン、トリプロポキシ(ヘキシル)シラン、トリイソプロポキシ(ヘキシル)シラン、トリメトキシ(オクチル)シラン、トリエトキシ(オクチル)シラン、トリプロポキシ(オクチル)シラン、トリイソプロポキシ(オクチル)シラン、トリメトキシ(デシル)シラン、トリエトキシ(デシル)シラン、トリプロポキシ(デシル)シラン、トリイソプロポキシ(デシル)シラン、トリメトキシ(ドデシル)シラン、トリエトキシ(ドデシル)シラン、トリプロポキシ(ドデシル)シラン、トリイソプロポキシ(ドデシル)シランおよび同様の構造を保有する誘導体が挙げられ得る。一部の実施形態において、疎水性化学剤は、有機溶媒または有機溶媒の混合物中に溶解または分散することができる。
典型的に、有機溶媒(単数または複数)中の疎水性化学剤(単数または複数)の濃度は、0.1vol.%以上15vol.%以下である。好ましい有機溶媒としては、以下に限定されないが、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、アセトン、アセトニトリル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラクロロエチレン、n−プロピルブロミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドおよび水が挙げられ得る。他の化学剤も、単独でまたはアルコキシアルキルシランと併せて使用することで、表面を疎水性にするおよび/またはナノ視的トポグラフィーを発生させるのと同様のタスクを実施することができる。
【0048】
[0053]一部の実施形態において、アルコキシアルキルシラン[CH(CHSiR[アルコキシ]は、アルキルシラン[CH(CHSiRから、対応の溶媒(単数または複数)(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールおよび水)中でフルオロアルキルシランを混合および加熱することによって化学的に変換される。化学剤の混合物は、50℃以上100℃以下の昇温で約1時間から7日の間、酸性環境(pH≦1)で撹拌されるのが好ましく、溶液は、pHが6以上8以下に達するまで、KOHで中和された(水を最大15%(w/w)まで含有することができる)。疎水性溶液は直接使用されたか、または適切な溶媒(例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、変性エタノール、水など)中にさらに希釈された。
【0049】
[0054]一部の実施形態において、材料の目標表面は、有機/無機複合溶液の被着前に、活性化することができる。表面活性化は、オゾン、酸素、過酸化水素、ハロゲン、他の反応性酸化種、またはその組合せとの反応によって達成することができる。目的は、エネルギー反応性表面を創出すること、遊離ラジカルの濃度を増加させること、および表面上の分子を共有結合的に固着することである。一部の実施形態において、表面活性化は、強烈なUV光によって発生されるオゾンプラズマによって達成することができる。他の態様において、表面活性化は、プラズマ処理によって達成することができる。なお別の実施形態において、表面活性化は、コロナ放電、炎またはプラズマを使用するオゾン発生によって達成することができる。
【0050】
[0055]一部の実施形態において、非限定的な例として、有機/無機複合溶液は、スプレーすること、ミストすること、ドクターブレードすること、パディングすること、フォーミングすること、ローリングすることまたはインクジェット印刷することによって、木材またはレンガ材料の表面上に被着させることができる。別の非限定的な例として、材料は、約1秒以上24時間以下の設定時間期間の間、溶液中にディップすることができる。次いで、溶媒は材料から除去することができ、材料は、約25℃以上200℃以下の設定温度で乾燥または硬化することができる。ある特定の実施形態において、架橋性構成成分の架橋密度、例えば架橋度は、完全架橋の1%から100%を範囲とすることができる。
【0051】
[0056]一部の実施形態において、非限定的な例として、結果として得られたコーティングは、疎水性化学剤(単数または複数)で処理することで、結果として得られた有機/無機ナノ複合体の表面疎水性を増加させることができる。コーティングされた材料は最初に、疎水性化学剤(単数または複数)が、25℃以上200℃以下の温度で加熱することによって物品上に蒸発される閉鎖環境に置かれる。
【0052】
[0057]一部の実施形態において、非限定的な例として、疎水性化学溶液は、以下に限定されないが、スプレーすること、ミストすること、ドクターブレードすること、パディングすること、フォーミングすること、ローリングすることまたはインクジェット印刷することを含めた方法によって、木材またはレンガ材料の表面上に被着させることができる。別の非限定的な例として、材料は、約1秒以上約24時間以下の設定時間期間の間、溶液中にディップすることができる。次いで、溶媒は材料から除去することができ、材料は、
約25℃以上約200℃以下の設定温度で乾燥または硬化することができる。ある特定の実施形態において、複合溶液および/または疎水性化学溶液の架橋性構成成分の架橋密度、例えば架橋度は、完全架橋の1%から100%を範囲とすることができる。
【0053】
[0058]一部の実施形態において、結果として得られた処理木材またはレンガ材料は耐水特性を呈し、即ち、未処理のものと比較して環境から水または水分をあまり吸収しない。一部の実施形態において、結果として得られた処理木材およびレンガ材料は、真菌耐特性を呈し、即ち、以下の真菌株:共通カビであるAspergillus niger−ATCC番号6275、Penicillium citrinum−ATCC番号9849、およびAureobasidium pullulans−ATCC番号9348の少なくとも1つの付着、増殖および拡散に対して、未処理木材またはレンガ材料に比較した場合、より耐性である。一部の実施形態において、結果として得られた処理木材およびレンガ材料は耐候特性を呈し、即ち、風化の同条件および同持続期間の下で、それらは、未処理木材と比較した場合に環境から水または水分をあまり吸収しない。一部の実施形態において、複合溶液は、混合の前または最中にセメントへの添加混合物として使用される場合、流体またはガスへの、結果として得られたコンクリートの透過性および浸透性を低減する。結果として得られたコンクリート材料の透過性の低減は、塩化物イオンおよび硫酸イオンなどのイオンの浸透によって引き起こされる分解を遅延または阻害することもできる。
【実施例】
【0054】
[0059]実験例
[0060]本開示の特別な態様を実証するために、以下の例が挙げられる。次に続く実施例に記載されている方法が、本開示の例示的な実施形態を単に表すことは、当業者によって理解されるべきである。当業者は、本開示に照らして、記載されている特定の実施形態において多くの変化が行われ得ることを理解し、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく類似または同様の結果をさらに得るはずである。
【0055】
[実施例1A]
[0061]以下は、真菌増殖試験のために使用される処理木材試料のための溶液調製およびコーティング手順を記載する。試料1:酸性条件(pH=5、HClで調製された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液を使用して、ポンデローサマツ辺材パネル(およそ7.62cm×10.16cm×1.905cm(3”x4”x3/4”))を浸すことによって処理した。パネルを完全に乾燥した後に、独立試験のために送り出した。試料2:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をメタノールで本来の濃度の60%に希釈し、ポンデローサマツ辺材パネル(およそ7.62cm×10.16cm×1.905cm(3”x4”x3/4”))を浸すことによって処理するために使用した。パネルを完全に乾燥した後、それを次いで、疎水性化学剤(メタノール中のトリメトキシ(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン)で処理した。パネルを完全に乾燥した後に、独立試験のために送り出した。試料3:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をメタノールで本来の濃度の60%に希釈し、ポンデローサマツ辺材パネル(およそ7.62cm×10.16cm×1.905cm(3”x4”x3/4”))を浸すことによって処理するために使用した。パネルを完全に乾燥した後、それを次いで、疎水性化学剤(メタノール中のトリメトキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチル)シラン)で処理した。パネルを完全に乾燥した後に、独立試験のために送り出した。
【0056】
[実施例2A]
[0062]以下は、処理試料の真菌増殖試験のための手順および結果を記載する。試料1、2および3を、環境チャンバー(ASTM D3273、ここでASTMは、American Society for Testing and Materialsを表す)において、室内コーティングの表面上のカビに対する耐性についての標準試験法にかけた。この試験方法は、4週期間において、過酷な室内環境における表面カビ真菌、白カビ増殖に対する塗料膜の相対的耐性を再現性よく評価するための小さい環境チャンバーおよび操作条件を記載する。ASTM D3273試験チャンバーは、Aspergillus niger ATCC番号6275、Penicillium citrinum ATCC番号9849およびAureobasidium pullulans ATCC番号9348の真菌胞子が播種されるとともに増殖が可能にされた土壌を含有する。D3273チャンバーを32.5±1℃で95±3%間の相対湿度を用いて維持した。試験試料を、3枚の未処理汎用壁板を有するD3273チャンバー内につるして、土壌から来る真菌接種物の妥当性を確認した。試料を検査し、表面汚損の百分率を概算することによって、汚損なしが10および完全に汚損されたのが0である0から10の格付けスケールで毎週、真菌増殖および汚損について格付けした。下記の表で示される通り、全ての処理試料は、汚損なしに対応する最も高い格付け10を有し、真菌増殖に対する耐性を実証した。
【0057】
【表1】
【0058】
[実施例3A]
[0063]以下は、風化試験のために使用される処理木材試料のための溶液調製およびコーティング手順を記載する。試料4:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液を使用して、サザンイエローマツパネル(およそ5.08cm×10.16cm×1.27cm(2”×4”×1/2”))を浸すことによって処理した。パネルを完全に乾燥した後に、独立試験のために送り出した。試料5:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をメタノールで本来の濃度の60%に希釈し、サザンイエローマツパネル(およそ5.08cm×10.16cm×1.27cm(2”×4”×1/2”))を浸すことによって処理するために使用した。パネルを完全に乾燥した後に、独立試験のために送り出した。試料6:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をメタノールで本来の濃度の40%に希釈し、サザンイエローマツパネル(およそ5.08cm×10.16cm×1.27cm(2”×4”×1/2”))を浸すことによって処理するために使用した。パネルを完全に乾燥した後に、独立試験のために送り出した。試料7:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をメタノールで本来の濃度の60%に希釈し、サザンイエローマツパネル(およそ5.08cm×10.16cm×1.27cm(2”×4”×1/2”))を浸すことによって処理するために使用した。パネルを完全に乾燥した後、それらを次いで、疎水性化学剤(メタノール中のトリメトキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチル)シラン)で処理した。パネルを完全に乾燥した後に、独立試験のために送り出した。
【0059】
[実施例4A]
[0064]以下は、処理試料の風化試験のための手順および結果を記載する。各処理はセットから成り、1つの群に3片で各々9片を有していた。1つの群を360時間の曝露で、別の群を720時間の曝露で、および最後の群を1080時間の曝露後に除去した。ASTM D4587のための曝露は、70℃で8時間UV、続いて50℃で4時間凝縮相から成る。このサイクルは、曝露の時間の全体にわたって連続的に実行する。曝露試料を次いで、ASTM D1037:木材ベース繊維および粒子パネル材料の特性を評価するための標準試験法(水分試験:吸水および厚さ膨張)に基づく水分試験にかけた。標本を、20±1℃(68±2°F)の温度で維持される飲用水25mm(1インチ)下に水平に沈めた。2時間の水没後、標本を10±2分の間つるして水気を切り、次いで、過剰の表面水を除去し、標本を直ちに秤量した。標本を22時間の追加期間の間沈め、上記秤量手順を反復した。それの初期2時間の水没期間を用いる方法Aは、短期(2時間)およびより長い期間(2プラス22時間)の吸水性能に関する情報を提供する。2プラス22時間の水没後の標本について、吸水(WA)をパーセントとして表す。ASTM D5401:木材上の透明撥水コーティングを評価するための標準試験法に詳述されている手順を使用して、コーティングの撥水効率(WRE)を算出した。下記の表で示される結果は、より長い期間(2プラス22時間)の結果である。真新しい試料は、720時間および1080時間の曝露(exprosure)を360時間の曝露と比較すると、より多くの水を吸収し、木材が実質的に分解することを示唆した。処理試料は、しかしながら、WREのずっと低い減少を一般に呈する。傾斜は、風化時間に関して各試料についてのWREの変化率を与える。
【0060】
【表2】
【0061】
[実施例5A]
[0065]以下は、本来の複合溶液(透明な木材シーラントとして)と、色素(木材染色薬として)と混合された複合溶液との間の撥水効率を比較するための、溶液調製およびコーティング手順を記載する。試料8:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をメタノールで本来の濃度の60%に希釈し、試料を溶液に沈めることによってポンデローサマツパネル(およそ12.7cm×7.62cm×1.905cm(5”×3”×3/4”))を処理するために使用した。パネルを試験前に完全に乾燥した。試料9:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液を市販色素の組合せと混合することで、木材染色薬を形成した。染色薬を使用して、染色薬をパネル上に泡ブラシで適用することによってポンデローサマツパネル(およそ12.7cm×7.62cm×1.905cm(5”×3”×3/4”))を処理した。パネルを試験前に完全に乾燥した。
【0062】
[実施例6A]
[0066]以下は、処理試料についての撥水試験のための手順および結果を記載する。両試料を、ASTM D1037:木材ベース繊維および粒子パネル材料の特性を評価するための標準試験法(水分試験:吸水および厚さ膨張)に基づく水分試験にかけた。標本を、20±1℃(68±2°F)の温度で維持された飲用水25mm(1インチ)下に水平に沈めた。2時間の水没後、標本を10±2分の間つるして水気を切り、次いで過剰の表面水を除去し、標本を直ちに秤量した。標本を22時間の追加期間の間沈め、上記秤量手順を反復した。それの初期2時間の水没期間を用いる方法Aは、短期(2時間)およびより長い期間(2プラス22時間)の吸水性能に関する情報を提供する。2プラス22時間の水没後の標本について、吸水(WA)をパーセントとして表す。ASTM D5401:木材上の透明撥水コーティングを評価するための標準試験法に詳述されている手順を使用して、コーティングの撥水効率(WRE)を算出した。下記の表で示される結果は、より長い期間(2プラス22時間)の結果である。木材染色薬は、透明シーラントと比較して同様のWREを呈し、色素沈着が本来の処方の撥水性の性能を損なわないことを示唆した。これは、こうした木材製品に保護コーティングを加えるための能力が、特別な所望の自然な外観に合わせるように木材の色および外観を特注する能力も有しながら本来の特性および美観を保持するために重要であることを実証している。両試料を、50℃(乾燥環境)で維持されたチャンバー内で4週間、連続的UVB−340曝露に曝露した。4週後、両試料をチャンバーから取り出し、室温で少なくとも24時間の間コンディショニングする。次いで、試料を再び、ASTM D1037に基づく水分試験にかけた。コーティングの吸水(WA)および撥水効率(WRE)を、2プラス22時間の水没後に算出した。試料は、50℃(乾燥環境)で4週の連続的UVB−340曝露後に分解の兆候を示さない。図1は、本来のレッドオーク、透明シーラントでコーティングされたレッドオーク、および染色薬でコーティングされたレッドオークを比較する写真を示す。木目の可視性およびコントラストは、コーティングの適用後にはっきりと見ることができる。
【0063】
【表3】
【0064】
[0067]ゾル−ゲル複合体における色素は、本来の美的外観を保持または改善するためだけでなく、有害な放射線に対する曝露によって引き起こされる分解に対してホスト複合体を保護するためにも使用される。図2に示されている通り、様々な色素とのゾル−ゲル構成成分の混合物を含む木材染色薬は、広範囲の色調を呈示する。加えて、該色素は、UVB/UVAから可視範囲への広い光減弱を呈示した。区別可能な透過を有するスペクトルを得るため、本来の木材染色薬を30倍から100倍の間に希釈した。そのため、本来の木材染色薬は、UV可視光の少なくとも99%を遮断し、木質材料下部に格外保護を提供するはずである。
【0065】
[実施例7A]
[0068]以下は、溶媒としてメタノールを用いる複合溶液と、溶媒としてエタノールを用いる複合溶液との間の撥水効率を比較するために使用される処理ヒマラヤスギ試料を生成するための溶液調製およびコーティング手順を記載する。試料10:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をメタノールで本来の濃度の60%に希釈し、試料を溶液に沈めることによってヒマラヤスギパネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))を処理するために使用した。パネルを試験前に完全に乾燥した。試料11:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびエタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をエタノールで本来の濃度の60%に希釈し、試料を溶液に沈めることによってヒマラヤスギパネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))を処理するために使用した。パネルを試験前に完全に乾燥した。
【0066】
[実施例8A]
[0069]以下は、処理ヒマラヤスギ試料についての撥水試験のための手順および結果を記載する。両試料を、ASTM D1037:木材ベース繊維および粒子パネル材料の特性を評価するための標準試験法(水分試験:吸水および厚さ膨張)に基づく水分試験にかけた。標本を、20±1℃(68±2°F)の温度で維持された飲用水25mm(1インチ
)下に水平に沈めた。2時間の水没後、標本を10±2分の間つるして水気を切り、次いで、過剰の表面水を除去し、標本を直ちに秤量した。標本を22時間の追加期間の間沈め、上記秤量手順を反復した。それの初期2時間の水没期間を用いる方法Aは、短期(2時間)およびより長い期間(2プラス22時間)の吸水性能に関する情報を提供する。2プラス22時間の水没後の標本について、吸水(WA)をパーセントとして表す。ASTM D5401:木材上の透明撥水コーティングを評価するための標準試験法に詳述されている手順を使用して、コーティングの撥水効率(WRE)を算出した。下記の表で示される結果は、より長い期間(2プラス22時間)の結果である。両処理試料は、同様のWREを呈し、複合溶液の処方において使用された異なる溶媒が撥水性の性能を損なわないことを示唆した。
【0067】
【表4】
【0068】
[実施例9A]
[0070]以下は、溶媒としてメタノールを用いる複合溶液と、溶媒としてエタノールを用いる複合溶液との間の撥水効率を比較するために使用される処理白色木材試料を生成するための溶液調製およびコーティング手順を記載する。試料12:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をメタノールで本来の濃度の60%に希釈し、試料を溶液に沈めることによって白色木材パネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))を処理するために使用した。パネルを試験前に完全に乾燥した。試料13:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびエタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をエタノールで本来の濃度の60%に希釈し、試料を溶液に沈めることによって白色木材パネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))を処理するために使用した。パネルを試験前に完全に乾燥した。
【0069】
[実施例10A]
[0071]以下は、処理する白色木材試料についての撥水試験のための手順および結果を記載する。両試料を、ASTM D1037:木材ベース繊維および粒子パネル材料の特性を評価するための標準試験法(水分試験:吸水および厚さ膨張)に基づく水分試験にかけた。標本を、20±1℃(68±2°F)の温度で維持された飲用水25mm(1インチ)下に水平に沈めた。2時間の水没後、標本を10±2分の間つるして水気を切り、次いで、過剰の表面水を除去し、標本を直ちに秤量した。標本を22時間の追加期間の間沈め、上記秤量手順を反復した。それの初期2時間の水没期間を用いる方法Aは、短期(2時間)およびより長い期間(2プラス22時間)の吸水性能に関する情報を提供する。2プラス22時間の水没後の標本について、吸水(WA)をパーセントとして表す。ASTM D5401:木材上の透明撥水コーティングを評価するための標準試験法に詳述されている手順を使用して、コーティングの撥水効率(WRE)を算出した。下記の表で示される結果は、より長い期間(2プラス22時間)の結果である。両処理試料は同様のWREを呈し、複合溶液配合物において使用された異なる溶媒が撥水性の性能を損なわないことを示唆した。
【0070】
【表5】
【0071】
[実施例11A]
[0072]以下は、溶媒としてメタノールを用いる複合溶液と、溶媒としてエタノールを用いる複合溶液との間の撥水効率を比較するために使用される処理ラジアータマツ試料を生成するための溶液調製およびコーティング手順を記載する。試料14:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をメタノールで本来の濃度の60%に希釈し、試料を溶液に沈めることによってラジアータマツパネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))を処理するために使用した。パネルを試験前に完全に乾燥した。試料15:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびエタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をエタノールで本来の濃度の60%に希釈し、試料を溶液に沈めることによってラジアータマツパネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))を処理するために使用した。パネルを試験前に完全に乾燥した。
【0072】
[実施例12A]
[0073]以下は、処理ラジアータマツ試料についての撥水試験のための手順および結果を記載する。両試料を、ASTM D1037:木材ベース繊維および粒子パネル材料の特性を評価するための標準試験法(水分試験:吸水および厚さ膨張)に基づく水分試験にかけた。標本を、20±1℃(68±2°F)の温度で維持された飲用水25mm(1インチ)下に水平に沈めた。2時間の水没後、標本を10±2分の間つるして水気を切り、次いで、過剰の表面水を除去し、標本を直ちに秤量した。標本を22時間の追加期間の間沈め、上記秤量手順を反復した。それの初期2時間の水没期間を用いる方法Aは、短期(2時間)およびより長い期間(2プラス22時間)の吸水性能に関する情報を提供する。2プラス22時間の水没後の標本について、吸水(WA)をパーセントとして表す。ASTM D5401:木材上の透明撥水コーティングを評価するための標準試験法に詳述されている手順を使用して、コーティングの撥水効率(WRE)を算出した。下記の表で示される結果は、より長い期間(2プラス22時間)の結果である。試料15は、試料14と比較して小さい低減WREを示す。
【0073】
【表6】
【0074】
[実施例13A]
[0074]以下は、複合溶液と一流の商業ブランドとの間の撥水効率を比較するために使用される処理ヒマラヤスギ試料を生成するための溶液調製およびコーティング手順を記載する。試料16:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をメタノールで本来の濃度の60%に希釈し、ヒマラヤスギパネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))を処理するために使用した。泡ローラーを使用して、溶液をパネルに適用した。1時間の間室温で乾燥させた後、第2のコーティングを適用した。パネルを試験前に完全に乾燥させた。試料17:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をメタノールで本来の濃度の60%に希釈し、ヒマラヤスギパネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))を処理するために使用した。泡ローラーを使用して、溶液をパネルに適用した。1時間の間室温で乾燥させた後、第2のコーティングを適用した。パネルを完全に乾燥させた後、それを次いで、泡ローラーを使用して疎水性化学剤(メタノール中のトリメトキシ(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン)でコーティングした。パネルを試験前に完全に乾燥させた。試料18:商業用の透明な防水性アクリル木材仕上げ剤を、提供された指示に従ってヒマラヤスギパネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))に適用した。試料19:商業用の透明な耐候性一体型アクリル木材仕上げ剤を、提供された指示に従ってヒマラヤスギパネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))に適用した。試料20:商業用の防水性石油系溶媒ベースの木材保護剤を、提供された指示に従ってヒマラヤスギパネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))に適用した。試料21:商業用の透明な多面型(multi−surface)石油系溶媒ベースの防水剤を、提供された指示に従ってヒマラヤスギパネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))に適用した。試料22:商業用の多目的超疎水性コーティング系を、提供された指示に従ってヒマラヤスギパネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))に適用した。
【0075】
[実施例14A]
[0075]以下は、処理ヒマラヤスギ試料についての撥水試験のための手順および結果を記載する。全ての試料を、ASTM D1037:木材ベース繊維および粒子パネル材料の特性を評価するための標準試験法(水分試験:吸水および厚さ膨張)に基づく水分試験にかけた。標本を、20±1℃(68±2°F)の温度で維持された飲用水25mm(1インチ)下に水平に沈めた。2時間の水没後、標本を10±2分の間つるして水気を切り、次いで、過剰の表面水を除去し、標本を直ちに秤量した。標本を22時間の追加期間の間
沈め、上記秤量手順を反復した。それの初期2時間の水没期間を用いる方法Aは、短期(2時間)およびより長い期間(2プラス22時間)の吸水性能に関する情報を提供する。2プラス22時間の水没後の標本について、吸水(WA)をパーセントとして表す。ASTM D5401:木材上の透明撥水コーティングを評価するための標準試験法に詳述されている手順を使用して、コーティングの撥水効率(WRE)を算出した。下記の表で示されている結果は、より長い期間(2プラス22時間)の結果である。
【0076】
【表7】
【0077】
[実施例15A]
[0076]以下は、複合溶液と一流の商業ブランドとの間の撥水効率を比較するために使用される処理白色木材試料を生成するための溶液調製およびコーティング手順を記載する。試料23:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をメタノールで本来の濃度の60%に希釈し、白色木材パネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))を処理するために使用した。泡ローラーを使用して、溶液をパネルに適用した。1時間の間室温で乾燥させた後、第2のコーティングを適用した。パネルを試験前に完全に乾燥させた。試料24:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をメタノールで本来の濃度の60%に希釈し、白色木材パネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))を処理するために使用した。泡ローラーを使用して、溶液をパネルに適用した。1時間の間室温で乾燥させた後、第2のコーティングを適用した。パネルを完全に乾燥させた後、それを次いで、泡ローラーを使用して疎水性化学剤(メタノール中のトリメトキシ(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン)でコーティングした。パネルを試験前に室温で完全に乾燥させた。試料25:商業用の透明な防水性アクリル木材仕上げ剤を、提供された指示に従って白色木材パネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))に適用した。試料26:商業用の透明な耐候性一体型アクリル木材仕上げ剤を、提供された指示に従って白色木材パネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))に適用した。試料27:商業用の防水性石油系溶媒ベースの木材保護剤を、提供された指示に従って白色木材パネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))に適用した。試料28:商業用の透明多面型石油系溶媒ベースの防水剤を、提供された指示に従って白色木材パネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))に適用した。試料29:商業用の多目的超疎水性コーティング系を、提供された指示に従って白色木材パネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))に適用した。
【0078】
[実施例16A]
[0077]以下は、処理白色木材試料についての撥水試験のための手順および結果を記載する。全ての試料を、ASTM D1037:木材ベース繊維および粒子パネル材料の特性を評価するための標準試験法(水分試験:吸水および厚さ膨張)に基づく水分試験にかけた。標本を、20±1℃(68±2°F)の温度で維持された飲用水25mm(1インチ)下に水平に沈めた。2時間の水没後、標本を10±2分の間つるして水気を切り、次いで、過剰の表面水を除去し、標本を直ちに秤量した。標本を22時間の追加期間の間沈め、上記秤量手順を反復した。それの初期2時間の水没期間を用いる方法Aは、短期(2時間)およびより長い期間(2プラス22時間)の吸水性能に関する情報を提供する。2プラス22時間の水没後の標本について、吸水(WA)をパーセントとして表す。ASTM D5401:木材上の透明撥水コーティングを評価するための標準試験法に詳述されている手順を使用して、コーティングの撥水効率(WRE)を算出した。下記の表で示されている結果は、より長い期間(2プラス22時間)の結果である。
【0079】
【表8】
【0080】
[実施例17A]
[0078]以下は、複合溶液と一流の商業ブランドとの間の撥水効率を比較するために使用される処理ラジアータマツ試料を生成するための溶液調製およびコーティング手順を記載する。試料30:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をメタノールで本来の濃度の60%に希釈し、ラジアータマツパネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))を処理するために使用した。泡ローラーを使用して、溶液をパネルに適用した。室温で1時間後、第2のコーティングを適用した。パネルを試験前に完全に乾燥させた。試料31:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケー
ト)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をメタノールで本来の濃度の60%に希釈し、ラジアータマツパネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))を処理するために使用した。泡ローラーを使用して、溶液をパネルに適用した。1時間の間室温で乾燥させた後、第2のコーティングを適用した。パネルを完全に乾燥させた後、それを次いで、泡ローラーを使用して疎水性化学剤(メタノール中のトリメトキシ(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン)でコーティングした。パネルを試験前に完全に乾燥させた。試料32:商業用の透明な防水性アクリル木材仕上げ剤を、提供された指示に従ってラジアータマツパネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))に適用した。試料33:商業用の透明な耐候性一体型アクリル木材仕上げ剤を、提供された指示に従ってラジアータマツパネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))に適用した。試料34:商業用の防水性石油系溶媒ベースの木材保護剤を、提供された指示に従ってラジアータマツパネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))に適用した。試料35:商業用の透明多面型石油系溶媒ベースの防水剤を、提供された指示に従ってラジアータマツパネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))に適用した。試料36:商業用の多目的超疎水性コーティング系を、提供された指示に従ってラジアータマツパネル(およそ15.24cm×15.24cm×2.54cm(6”×6”×1”))に適用した。
【0081】
[実施例18A]
[0079]以下は、処理ラジアータマツ試料についての撥水試験のための手順および結果を記載する。全ての試料を、ASTM D1037:木材ベース繊維および粒子パネル材料の特性を評価するための標準試験法(水分試験:吸水および厚さ膨張)に基づく水分試験にかけた。標本を、20±1℃(68±2°F)の温度で維持された飲用水25mm(1インチ)下に水平に沈めた。2時間の水没後、標本を10±2分の間つるして水気を切り、次いで、過剰の表面水を除去し、標本を直ちに秤量した。標本を22時間の追加期間の間沈め、上記秤量手順を反復した。それの初期2時間の水没期間を用いる方法Aは、短期(2時間)およびより長い期間(2プラス22時間)の吸水性能に関する情報を提供する。2プラス22時間の水没後の標本について、吸水(WA)をパーセントとして表す。ASTM D5401:木材上の透明撥水コーティングを評価するための標準試験法に詳述されている手順を使用して、コーティングの撥水効率(WRE)を算出した。下記の表で示されている結果は、より長い期間(2プラス22時間)の結果である。
【0082】
【表9】
【0083】
[0079]以下は、レンガ材料についての実験例を記載する。
[0080]乾燥コンクリートのバルク水収着試験のための手順(ASTM C1757):この試験方法は、最初の30分で乾燥コンクリートに吸収される水を、水浸入に対するコンクリートの感受率のインジケーター指標として決定する。この試験方法は、標本の表面の全てを水に当て、それによって、コンクリート混合物の潜在的耐久性の示度を与える標本のバルク収着のための値を与える。コンクリート標本を50℃で定質量に乾燥させ、次いで、1日間コンディショニングする。水中における30分間の浸漬後、質量における標本の増大を測定し、収着(ミリメートルにおける)を算出する。標本の収着を、試験標本の表面積および水の密度の積によって除算される質量の変化として算出する。この試験方法は、湿潤および乾燥に曝露されるコンクリート混合物の相対的性能を比較することが意図される。連続的に沈められるコンクリート混合物の性能を比較することは意図されない。
【0084】
[0081]以下は、硬化コンクリートにおける吸収および空隙の測定のための手順(ASTM C642)を記載する:この試験方法を使用することで、硬化コンクリートにおける水のパーセント吸収を決定する。標本を最初に、オーブン内にて110±5℃の温度で24時間以上の間乾燥させる。標本をオーブンから除去した後、それを乾燥空気中で20℃から25℃の温度に冷却させておく。次いで、オーブン乾燥させた質量を決定する。標本を次いで、水中におよそ21℃で48時間以上の間、および24時間の間隔で表面乾燥試料の質量の2つの連続値が、より大きい値の0.5%未満の質量の増加を示すまで、浸漬する。表面水分をタオルで除去することによって、標本を表面乾燥させ、浸漬後の飽和質量を決定する。該2つの質量を使用して、浸漬後のパーセント吸収を、手順に詳述されている通りに算出する。
【0085】
[0082]以下は、水硬性セメントコンクリートによる水の吸収速度の測定のための手順(ASTM C1585)を記載する:この試験方法を使用することで、標本の1つの表面だけが室温で水に曝露される一方で他の表面が密閉される場合(片側だけ水と接触する方式における模擬吸水)の時間の関数として、水の吸収から結果として得られた標本の質量の増加を測定することによって、水硬性セメントコンクリートによる水の吸収速度(収着性)を決定する。標本を、毛管細孔系における一貫した水分条件を誘発するために環境内にて標準的相対湿度でコンディショニングする。標本の曝露表面を水に浸漬し、不飽和コンクリートの水浸入を、水との初期接触中に毛管吸引によって支配する。多くの攻撃的環境にかけられるコンクリートの性能は、概ね、細孔系の浸透性の機能である。不飽和コンクリートにおいて、水または他の液体の浸入速度は、毛管上昇による吸収によって大きく制御される。標本を標準的手順に従ってコンディショニングした後、各標本の側面をアルミテープで密封する。標本を鍋の底で支持装置の上部に置き、水レベルが支持装置の上部を1mmから3mm超えるように鍋に水道水を充填する。質量を所定の間隔で記録する。吸収(I)、吸水の初速度および二次速度を、手順に詳述されている通りに算出する。吸水の初速度(mm/s1/2)を、時間の平方根(s1/2)に対してプロットされたIに最も一致する線の傾斜として定義する。吸水の二次速度(mm/s1/2)を、1日後の全てのポイントを使用して時間の平方根(s1/2)に対してプロットされたIに最も一致する線の傾斜として定義する。I対時間1/2のプロットの最小二乗線形回帰分析を使用することによって、傾斜を得る。
【0086】
[0083]以下は、パイル床カバーについて耐染色性を決定するための手順を記載する(AATCC試験方法175−2003):この試験方法の目的は、酸性染料によるカーボネートベースのタイル材料の耐染色性を決定することである。該試験方法は、抗染色剤で処理されているカーボネートベースのタイル材料の効力を決定するために使用することもできる。該試験方法は、アルラレッド(FD&C Red 40)の希釈水溶液2.0mLを、平らな試験標本の上に置かれた染色用リングの中心に適用することによって行われる。規定の水性アルラレッド溶液を使用するよりむしろ、赤色(フルーツパンチ)Gatoradeを許容可能な代用染色剤として使用する。湿潤させた試験標本を、24±4.0時間の間動かさずに放置する。染色を除去するため、試験標本を、濯ぎ水に染色剤がなくなるまで染色部位をこすりながら流水下で濯ぐ。評価の前に、試験標本を100±5℃で90分間オーブン乾燥させる。結果として得られた染色試験標本を、AATCC Red 40染色スケールに従って評価する。各試験標本は、1.0〜10(1.0=過酷に染色された、および10=無染色)のAATCC Red 40染色スケールグレードを受けることができる。
【0087】
[0084]実施例1B:以下は、乾燥コンクリートのバルク水収着試験(ASTM C1757)&硬化コンクリートにおける吸収および空隙の測定(ASTM C642)のために使用される処理コンクリートブロック試料のための溶液調製およびコーティング手順を記載する。試料1:任意の処理を用いない新品のコンクリートブロック(およそ19.3cm×9.2cm×5.8cm)。試料2:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液を使用して、新品のコンクリートブロックを浸すことによって処理した。ブロックを試験する前に完全に乾燥/硬化した。試料3:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液を使用して、新品のコンクリートブロックを浸すことによって処理した。ブロックを完全に乾燥/硬化した後、次いで、泡ローラーを使用して、それを疎水性化学剤(メタノール中のトリメトキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチル)シランを含む)でコーティングした。パネルを試験する前に室温で完全に乾燥/硬化した。試料4:商業用の透明多面型石油系溶媒ベースの防水剤を、提供された指示に従って新品のコンクリートブロックに適用した。
【0088】
[0085]以下は、処理試料の吸水試験のための手順および結果を記載する。全ての試料を、ASTM C1757にかけた。試料を50℃で定質量に乾燥させ、次いで、1日間コンディショニングした。次いで、試料を水に30分間浸漬し、質量における標本の増大を測定し、収着(ミリメートルにおける)を算出する。標本の収着を、試験標本の表面積および水の密度の積によって除算される質量の変化として算出する。試料における水のパーセント吸収もASTM C642を使用して決定する。試料を最初に、オーブン内にて50±5℃の温度で96時間の間乾燥させた。試料をオーブンから除去した後、それらを乾燥空気中で20℃から25℃の温度に冷却させておいた。オーブン乾燥させた質量を次いで決定する。試料を次いで、水におよそ21℃で48時間以上の間、および24時間の間隔で表面乾燥試料の質量の2つの連続値が、より大きい値の0.5%未満の質量の増加を示すまで、浸漬した。表面水分をタオルで除去することによって、標本を表面乾燥させ、浸漬後の飽和質量を決定した。2つの質量を使用して、浸漬後のパーセント吸収(WA%)を、ASTM C642手順に詳述されている通りに算出する。結果を下記の表に示す。
【0089】
【表10】
【0090】
[0086]実施例2B:以下は、乾燥コンクリートのバルク水収着試験(ASTM C1757)&硬化コンクリートの吸収および空隙の測定(ASTM C642)のために使用される、処理された窯焼きブリック試料のための溶液調製およびコーティング手順を記載する。試料5:任意の処理を用いない新品の窯焼きブリック(およそ19.8cm×9.9cm×4.5cm)。試料6:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液を使用して、新品の窯焼きブリックを浸すことによって処理した。ブリックを試験する前に完全に乾燥/硬化した。試料7:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液を使用して、新品の窯焼きブリックを浸すことによって処理した。ブリックを完全に乾燥/硬化した後、次いで、泡ローラーを使用して、それを疎水性化学剤(メタノール中のトリメトキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチル)シランを含む)でコーティングした。パネルを試験前に室温で完全に乾燥/硬化した。試料8:商業用の透明多面型石油系溶媒ベースの防水剤を、提供された指示に従って新品の窯焼きブリックに適用した。
【0091】
[0087]以下は、処理試料の吸水試験のための手順および結果を記載する。全ての試料をASTM C1757にかけた。試料を50℃で定質量に乾燥させ、次いで、1日間コンディショニングした。試料を次いで水に30分間浸漬し、質量における標本の増大を測定し、収着(ミリメートルにおける)を算出する。標本の収着を、試験標本の表面積および水の密度の積によって除算される質量の変化として算出する。試料における水のパーセント吸収もASTM C642を使用して決定した。試料を最初に、オーブン内にて50±5℃の温度で96時間の間乾燥させた。試料をオーブンから除去した後、それらを乾燥空
気中で20℃から25℃の温度に冷却させておいた。オーブン乾燥させた質量を次いで決定した。試料を次いで、水におよそ21℃で48時間以上の間、および24時間の間隔で表面乾燥試料の質量の2つの連続値が、より大きい値の0.5%未満の質量の増加を示すまで、浸漬した。表面水分をタオルで除去することによって、標本を表面乾燥させ、浸漬後の飽和質量を決定した。2つの質量を使用して、浸漬後のパーセント吸収(WA%)を、ASTM C642手順に詳述されている通りに算出する。結果を下記の表に示す。
【0092】
【表11】
【0093】
[0088]実施例3B:以下は、水硬性セメントコンクリートによる水の吸収速度の測定(ASTM C1585)のために使用される処理グラウト試料のための溶液調製およびコーティング手順を記載する。試料9:商業用の砂入りグラウト(sanded grout)を、一連のセラミックタイル(およそ14.5cm×14.5cm)に適用し、提供された指示に従って乾燥/硬化した。グラウトの曝露表面積は、およそ33.5cmである。試料10:商業用の砂入りグラウトを、一連のセラミックタイルに適用し、提供された指示に従って乾燥/硬化した。グラウトの表面積は、およそ33.5cmである。酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液を使用して、グラウト部域を泡ブラシで処理した。ブリックを試験する前に完全に乾燥/硬化した。試料11:商業用の砂入りグラウトを、一連のセラミックタイルに適用し、提供された指示に従って乾燥/硬化した。グラウトの表面積は、およそ33.5cmである。酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液を、商業用の色素(単数または複数)と混合し、グラウト部域を泡ブラシで処理するために使用した。ブリックを試験する前に完全に乾燥/硬化した。
【0094】
[0089]以下は、処理試料の水の吸収速度(収着性)を決定するための手順および結果を記載する。全ての試料を、ASTM C1585にかけた。試料を50℃で定質量に乾燥させ、次いで、1日間コンディショニングした。各試料の側面を、標本の1つの表面だけが室温で水に曝露されるように(片側だけで水と接触する方式における模擬吸水)、アルミテープで密閉した。試料を鍋の底で支持装置の上部に置き、水レベルが支持装置の上部を1mmから3mm超えるように鍋に水道水を充填した。質量を所定の間隔で記録した。吸収(I)、吸水の初速度および二次速度を、手順に詳述されている通りに算出した。吸水の初速度S(mm/s1/2)を、1分から6時間の全てのポイントを使用して時間の平方根(s1/2)に対してプロットされたIに最も一致する線の傾斜として定義する。吸水二次速度S(mm/s1/2)を、1日後の全てのポイントを使用して時間の平方根(s1/2)に対してプロットされたIに最も一致する線の傾斜として定義する。時
1/2と対比するIのプロットの最小二乗線形回帰分析を使用することによって、傾斜を得る。結果を下記の表で示す。図3は、3つのグラウト試料について時間の平方根(s1/2)に対する収着I(mm)のプロットを示す。コーティングの適用後の収着の減少が明らかに見られる。
【0095】
【表12】
【0096】
実施例4B:以下は、セメントコンクリート材料を生成するための混合直前のセメントへの添加混合物としての溶液調製および使用法、ならびにこうした材料(ASTM C1585)の水の吸収速度の測定のための試験を記載する。試料12:商業用のセメントベースのグラウトを、提供された指示に従って水と混合し、プラスチック鋳型に注ぎ入れて(150mmの直径×15mmの高さを有するペトリ皿を使用する)、設置した。セメント試料を室温で少なくとも10日の間乾燥/硬化した後、試料を鋳型から除去し、サンダーで研磨することで、試験する前に外側の非平坦部域を除去した。試料13:商業用のセメントベースのグラウトを、提供された指示に従って商業用の耐染色性グラウト添加剤と混合し(水を置き換えるため)、プラスチック鋳型に注ぎ入れて(150mmの直径×15mmの高さを有するペトリ皿を使用する)、設置した。セメント試料を室温で少なくとも10日の間乾燥/硬化した後、試料を鋳型から除去し、サンダーで研磨することで、試験する前に外側の非平坦部域を除去した。ゾル−ゲル溶液調製:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。溶液を、セメントベースのグラウトと混合する前に様々な比における水との添加混合物として使用した。試料14:商業用のセメントベースのグラウトを、提供された指示に従って水およびゾル−ゲル溶液を含む溶液と混合し、プラスチック鋳型に注ぎ入れて(150mmの直径×15mmの高さを有するペトリ皿を使用する)、設置した。セメント試料を室温で少なくとも10日の間乾燥/硬化した後、試料を鋳型から除去し、サンダーで研磨することで、試験する前に外側の非平坦部域を除去した。
【0097】
[0090]以下は、処理試料の水の吸収速度(収着性)を決定するための手順および結果を記載する。全ての試料をASTM C1585にかけた。試料を50℃で定質量に乾燥させ、次いで、1日間コンディショニングする。各試料の側面を、標本の1つの表面だけが室温で水に曝露されるように(片側だけで水と接触する方式における模擬吸水)、アルミテープで密閉した。試料を鍋の底で支持装置の上部に置き、水レベルが支持装置の上部を1mmから3mm超えるように鍋に水道水を充填した。質量を所与の間隔で記録した。吸収(I)、吸水の初速度および二次速度を、手順に詳述されている通りに算出した。吸水の初速度(mm/s1/2)を、1分から6時間の全てのポイントを使用して時間の平方根(s1/2)に対してプロットされたIに最も一致する線の傾斜として定義する。時間1/2と対比するIのプロットの最小二乗線形回帰分析を使用することによって、傾斜を得る。パーセント吸収(WA%)をASTM C642に詳述されている通りに決定した。結果を下記の表に示した。図4は、4つのセメント試料について時間の平方根(s1/
)に対する収着I(mm)のプロットを示す。試料14の収着の減少は、他の試料よりも明らかに大きい(商業ブランド:試料13を含める)。
【0098】
【表13】
【0099】
実施例5B:以下は、床コーティングについての耐染色性を決定するために使用される処理トラバーチン(石灰岩)タイル試料のための溶液調製およびコーティング手順を記載する(AATCC試験方法175−2003)。試料15:任意の処理を用いない3つの新品のトラバーチンタイル(およそ10cm×10cm×1cm)。試料16:酸性条件(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液を使用して、4つの新品のトラバーチンタイルを、浸すことによって処理した。タイルを試験する前に完全に乾燥/硬化した。
【0100】
[0091]以下の試験方法を行うことで、タイル−空気界面で処理試料の耐染色特性を評価した(AATCC試験方法175−2013):次いで、4つの処理試料16の重複物(T1、T2、T3、およびT4と標識される)を、3つの未処理試料15の重複物(P1、P2およびP3と標識される)に対して比較した。下記に示される表は、各実験試料に割り当てられるAATCC Red 40染色スケールグレードの要約である(1.0=過酷に染色された、および10=無染色)。図5は、酸性染色剤を介する染色に対する処理試料の効力を判定するために使用されたトラバーチンタイル試料の画像を示す。ここで、染色剤が各試料に適用された部位を赤丸で囲む。画像から、新品の(未処理)タイル試料が、基本的に無染色を呈する処理試料と比較した場合に過酷に染色されたことは明白ある。
【0101】
【表14】
【0102】
[0092]本明細書に記載されている実施形態は、本開示の特別な態様を実証するために挙げられている。本明細書に記載されている実施形態が、本開示の例証的な実施形態を単に表すことは、当業者によって理解されるはずである。当業者は、本開示に照らして、多くの変化が、記載されている特定の実施形態においてなされ、また、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく類似または同様の結果を得ることができることを理解するはずである。前述の説明から、当業者は、この開示の基本的特徴を簡単に確かめることができ、その趣旨および範囲から逸脱することなく様々な変化および修飾することで本開示を様々な使用法および条件に適応させることができる。上文において記載されている実施形態は、例示的だけであると意味され、本開示の範囲を限定すると受け止められるべきでない。
[1] 耐汚性、耐染色性、耐候性または真菌耐性の改善のために基材を処理するための方法であって、
コーティングされる基材を選択するステップ、ここで、基材は、多孔質材料から選択される;
複合溶液を調製するステップ、ここで、複合溶液は、少なくとも水、酸、第1の溶媒、ベース化学試薬、可塑剤および結合剤を混合することによって調製される;
50〜100℃の範囲の昇温で複合溶液を撹拌するステップ;
複合溶液を利用することで、基材をコーティングするステップ;ならびに
基材を乾燥または硬化することで、複合コーティングが基材上に形成するのを可能にするステップ;
を含む、上記方法。
[2] 多孔質材料が木材またはレンガ材料から選択される、[1]に記載の方法。
[3] 複合溶液が、水3〜8vol.%、第1の溶媒20〜30vol.%、ベース化学試薬40〜60vol.%、可塑剤10〜15vol.%、および結合剤1〜5vol.%を含む、[1]に記載の方法。
[4] 複合溶液をさらに第2の溶媒で60vol.%から100vol.%の最終濃度に希釈するステップをさらに含む、[3]に記載の方法。
[5] 複合溶液が、pHが5以下である酸性条件下で調製される、[1]に記載の方法。
[6] 昇温での撹拌が、1/2時間から12時間の間実施される、[1]に記載の方法。
[7] 基材上に形成された組成物コーティングが、コーティング前の基材の色素沈着および反射性を変化させない、[1]に記載の方法。
[8] 複合溶液の重合度が100以下である、[1]に記載の方法。
[9] 第1の溶媒が、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、エチレングリコール、グリセロールアセトン、アセトニトリル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドまたはそれらの混合物から選択される、[1]に記載の方法。
[10] ベース化学試薬が、M(OR)(式中、M=Si、Al、Ti、In、SnまたはZrであり、Rは、水素、置換または非置換アルキルを含む)の一般式を有するアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せから選択される、[1]に記載の方法。
[11] 複合溶液がキレート化試薬をさらに含み、
キレート化試薬が、M(OR)R’R”(M=Si、Al、In、SnまたはTiであり;xは整数1、2または3であり;yは整数0、1または2であり;zは整数1、2または3であるが、ただし、x、yおよびzの和は4に等しいことを条件とする)の一般式を有するアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せから選択され、式中、Rは水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を構成し;R’は水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を構成し、R”は、3個から20個の炭素原子を含む置換または非置換アルキル基またはアルケニル基を含む、あるいは
キレート化試薬が、M(OR)R’R”(M=Si、Al、In、SnまたはTiであり;xは整数1、2または3であり;yは整数0、1または2であり;zは整数1、2または3であるが、ただし、x、yおよびzの和は4に等しいことを条件とする)の一般式を有するアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せから選択され、式中、Rは水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を構成し;R’は水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を構成し、R”は置換または非置換アミン(第一級、第二級および第三級を含める)またはチオールを含む、[1]に記載の方法。
[12] 結合剤が、M(OR)R’R”(M=Si、Al、In、SnまたはTiであり;xは整数1、2または3であり;yは整数0、1または2であり;zは整数1、2または3であるが、ただし、x、yおよびzの和は4に等しいことを条件とする)の一般式を有するアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せから選択され、式中、Rが水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を構成し;R’が水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を構成し、R”が置換もしくは非置換エポキシまたはグリシドキシを含む、[1]に記載の方法。
[13] 可塑剤が、M(OR)4−xR’(M=Si、Al、In、SnまたはTiであり;xは整数1、2または3である)の一般式を有するアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せから選択され、式中、Rが水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を構成し、R’が置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリールまたはその誘導体を含む、[1]に記載の方法。
[14] 複合溶液が、
【化1】
(式中、RおよびR’は、同じであっても異なっていてもよく、水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を含む)
の一般式を有する、オリゴマー/コオリゴマー形態、ポリマー/コポリマー形態またはその組合せにおけるアルキルシロキサンから選択される粘度調整剤をさらに含む、[1]に記載の方法。
[15] 複合溶液が、UV吸収または遮断、反射防止、抗摩耗、難燃、伝導、抗微生物、抗細菌、抗真菌または色素沈着の特性を提供する機能性添加剤をさらに含む、[1]に記載の方法。
[16] 疎水性化学剤および第3の溶媒を含む疎水性溶液で基材をコーティングするステップをさらに含む、[1]に記載の方法。
[17] 疎水性化学剤が、フルオロアルキルシラン[CF(CF(CHSiR(式中、X=Cl、Br、Iまたは他の適当な有機脱離基であり、Rは、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリールまたはその誘導体を構成し、aは整数0、1、2、3…から20であり、bは整数0、1、2、3…から10であり、cは整数1、2、3であり、dは整数0、1、2、3であり、eは整数1、2、3であるが、ただし、c、dおよびeの和は4に等しいことを条件とする)から選択される、
疎水性化学剤が、アルキルシラン[CH(CHSiRから選択され;式中、Xは、Cl、Br、Iまたは他の適当な有機脱離基を構成し、Rは、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリールまたはその誘導体を構成し、aは整数0、1、2、3…から20であり、bは整数1、2または3であり、cは整数0、1、2、3であり、dは整数1、2または3であるが、ただし、b、cおよびdの和は4に等しいことを条件とする、
疎水性化学剤が、アルコキシフルオロアルキルシラン[CF(CF(CHSiR[アルコキシ](式中、[アルコキシ]は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシまたはその組合せを構成し;Rは、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリールまたはその誘導体を構成し、aは整数0、1、2、3…から20であり、bは整数0、1、2、3…から10であり、cは整数1、2、3であり、dは整数0、1、2、3であり、eは整数1、2、3であるが、ただし、c、dおよびeの和は4に等しいことを条件とする)から選択される、あるいは
疎水性化学剤が、アルコキシアルキルシラン[CH(CHSiR[アルコキシ]から選択され;式中、[アルコキシ]は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシまたはその組合せを構成し;Rは、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリールまたはその誘導体を構成し、aは整数0、1、2、3…から20であり、bは整数1、2または3であり、cは整数0、1、2、3であり、dは整数1、2または3であるが、ただし、b、cおよびdの和は4に等しいことを条件とする、[16]に記載の方法。
[18] 第3の溶媒が、トルエン、ベンゼン、キシレン、トリクロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラクロロエチレン、n−プロピルブロミド、ジエチルエーテル、アセトン、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、石油エーテル、石油炭化水素、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、アセトン、アセトニトリル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラクロロエチレン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドまたは水から選択される、[16]に記載の方法。
[19] フルオロアルキルシランが、トリクロロ(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン、ジクロロ−メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン、クロロ−ジメチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン、トリクロロ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロブチル)シラン、ジクロロ−メチル(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロブチル)シラン、クロロ−ジメチル(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロブチル)シラン、トリクロロ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロヘキシル)シラン、ジクロロ−メチル(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロヘキシル)シラン、クロロ−ジメチル(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロヘキシル)シラン、トリクロロ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチル)シラン、ジクロロ−メチル(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチル)シラン、クロロ−ジメチル(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチル)シラン、トリクロロ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)シラン、ジクロロ−メチル(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)シラン、クロロ−ジメチル(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)シラン、トリクロロ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロドデシル)シラン、ジクロロ−メチル(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロドデシル)シラン、またはクロロ−ジメチル(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロドデシル)シランから選択される、[17]に記載の方法。
[20] アルキルシランが、クロロシラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、クロロトリメチルシラン、ジクロロジメチルシラン、トリクロロメチルシラン、クロロフェニルシラン、ジクロロフェニルシラン、トリクロロフェニルシラン、クロロメチルフェニルシラン、クロロジメチルフェニルシラン、ジクロロメチルフェニルシラン、クロロジメチルフェネチルシラン、ジクロロメチルフェネチルシラン、トリクロロフェネチルシラン、クロロジメチルオクチルシラン、ジクロロメチルオクチルシラン トリクロロオクチルシラン、クロロジメチルドデシルシラン、ジクロロメチルドデシルシラン、トリクロロドデシルシラン、クロロデシルジメチルシラン、ジクロロデシルメチルシラン、トリクロロデシルシラン、クロロジメチルオクタデシルシラン、ジクロロメチルオクタデシルシラン、トリクロロオクタデシルシラン、クロロジメチルヘキシルシラン、ジクロロメチルヘキシルシラン、トリクロロヘキシルシラン、アリルジクロロメチルシラン、アリルクロロジメチルシラン、アリルトリクロロシラン、(シクロヘキシルメチル)クロロジメチルシラン、(シクロヘキシルメチル)ジクロロメチルシラン、または(シクロヘキシルメチル)トリクロロシランから選択される、[17]に記載の方法。
[21] アルコキシフルオロアルキルシランが、トリメトキシ(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン、トリエトキシ(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン、トリプロポキシ(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン、トリイソプロポキシ(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン、トリメトキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロブチル)シラン、トリエトキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロブチル)シラン、トリプロポキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロブチル)シラン、トリイソプロポキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロブチル)シラン、トリメトキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロヘキシル)シラン、トリエトキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロヘキシル)シラン、トリプロポキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロヘキシル)シラン、トリイソプロポキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロヘキシル)シラン、トリメトキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチル)シラン、トリエトキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチル)シラン、トリプロポキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチル)シラン、トリイソプロポキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチル)シラン、トリメトキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)シラン、トリエトキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)シラン、トリプロポキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)シラン、トリイソプロポキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)シラン、トリメトキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロドデシル)シラン、トリエトキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロドデシル)シラン、トリプロポキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロドデシル)シラン、またはトリイソプロポキシ(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロドデシル)シランから選択される、[17]に記載の方法。
[22] アルコキシアルキルシランが、トリメトキシイソブチルシラン、トリエトキシイソブチルシラン、ジメトキシジイソブチルシラン、ジエトキシジイソブチルシラン、トリメトキシフェニルシラン、トリエトキシフェニルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、ジエトキシメチルフェニルシラン、メトキシジメチルフェニルシラン、エトキシジメチルフェニルシラン、トリメトキシ(ヘキシル)シラン、トリエトキシ(ヘキシル)シラン、トリプロポキシ(ヘキシル)シラン、トリイソプロポキシ(ヘキシル)シラン、トリメトキシ(オクチル)シラン、トリエトキシ(オクチル)シラン、トリプロポキシ(オクチル)シラン、トリイソプロポキシ(オクチル)シラン、トリメトキシ(デシル)シラン、トリエトキシ(デシル)シラン、トリプロポキシ(デシル)シラン、トリイソプロポキシ(デシル)シラン、トリメトキシ(ドデシル)シラン、トリエトキシ(ドデシル)シラン、トリプロポキシ(ドデシル)シラン、またはトリイソプロポキシ(ドデシル)シランから選択される、[17]に記載の方法。
[23] 耐汚性、耐染色性、耐候性、または真菌耐性を改善するための基材の複合溶液であって、水;酸;第1の溶媒;ベース化学試薬;可塑剤;および、結合剤を含み、
50〜100℃の範囲の昇温で撹拌され、多孔質材料である基材をコーティングするのに利用される、上記複合溶液。
[24] 多孔質材料が、木材またはレンガ材料から選択される、[23]に記載の複合溶液。
[25] 水3〜8vol.%、第1の溶媒20〜30vol.%、ベース化学試薬40〜60vol.%、可塑剤10〜15vol.%、および結合剤1〜5vol.%を含む、[23]に記載の複合溶液。
[26] 第2の溶媒で最終濃度60vol.%から100vol.%にさらに希釈される、[23]に記載の複合溶液。
[27] 昇温で1/2時間から12時間の間撹拌される、[23]に記載の複合溶液。
[28] 5以下のpHの酸性条件下で調製される、[23]に記載の複合溶液。
[29] 複合溶液の重合度が100以下である、[23]に記載の複合溶液。
[30] 複合溶液で形成されたコーティングが、コーティングの前の基材の色素沈着および反射性を変化させない、[23]に記載の複合溶液。
[31] 第1の溶媒が、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、エチレングリコール、グリセロールアセトン、アセトニトリル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドまたはその混合物から選択される、[23]に記載の複合溶液。
[32] ベース化学試薬が、M(OR)(式中、M=Si、Al、Ti、In、SnまたはZrであり、Rは、水素、置換または非置換アルキルを含む)の一般式を有するアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せから選択される、[23]に記載の複合溶液。
[33] キレート化試薬をさらに含み、
キレート化試薬が、M(OR)R’R”(M=Si、Al、In、SnまたはTiであり;xは整数1、2または3であり;yは整数0、1または2であり;zは整数1、2または3であるが、ただし、x、yおよびzの和は4に等しいことを条件とする)の一般式を有するアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せから選択され、式中、Rは水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を構成し;R’は水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を構成し、R”は、3個から20個の炭素原子を含む置換または非置換アルキル基またはアルケニル基を含む、あるいは
キレート化試薬が、M(OR)R’R”(M=Si、Al、In、SnまたはTiであり;xは整数1、2または3であり;yは整数0、1または2であり;zは整数1、2または3であるが、ただし、x、yおよびzの和は4に等しいことを条件とする)の一般式を有するアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せから選択され、式中、Rは水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を構成し;R’は水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を構成し、R”は置換または非置換アミン(第一級、第二級および第三級を含める)またはチオールを含む、[23]に記載の複合溶液。
[34] 結合剤が、M(OR)R’R”(M=Si、Al、In、SnまたはTiであり;xは整数1、2または3であり;yは整数0、1または2であり;zは整数1、2または3であるが、ただし、x、yおよびzの和は4に等しいことを条件とする)の一般式を有するアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せから選択され、式中、Rは水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を構成し;R’は水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を構成し、R”は置換もしくは非置換エポキシまたはグリシドキシを含む、[23]に記載の複合溶液。
[35] 可塑剤が、M(OR)4−xR’(M=Si、Al、In、SnまたはTiであり;xは整数1、2または3である)の一般式を有するアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せから選択され、式中、Rは水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を構成し、R’は置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリールまたはその誘導体を含む、[23]に記載の複合溶液。
図1
図2
図3
図4
図5